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特開2022-159596観光ルート提案方法、観光ルート提案装置、観光ルート提案システム、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159596
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】観光ルート提案方法、観光ルート提案装置、観光ルート提案システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221011BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20221011BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20221011BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/0481
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063875
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重松 愛弓
(72)【発明者】
【氏名】白石 春樹
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
(72)【発明者】
【氏名】岡田 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】立野 克明
(72)【発明者】
【氏名】久木元 修
(72)【発明者】
【氏名】一津屋 美岐
(72)【発明者】
【氏名】池田 知弘
【テーマコード(参考)】
2F129
5E555
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129DD34
2F129DD36
2F129DD37
2F129DD38
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE80
2F129EE82
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF32
2F129FF60
2F129FF65
2F129FF66
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH22
5E555AA28
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA86
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5E555BC18
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5E555FA00
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC12
5H181EE05
5H181EE10
5H181FF05
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】観光を行う者が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行える技術を提供する。
【解決手段】ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法は、観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得工程と、前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理工程と、を備える。前記表示処理工程は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法であって、
観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得工程と、
前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理工程と、
を備え、
前記表示処理工程は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する、観光ルート提案方法。
【請求項2】
前記表示処理工程は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する、請求項1に記載の観光ルート提案方法。
【請求項3】
前記パラメータ情報部は、
前記観光パラメータの値を示すパラメータ値表示部と、
前記観光パラメータの値の設定を可能とするパラメータ設定部と、
を含む、請求項1又は2に記載の観光ルート提案方法。
【請求項4】
前記観光パラメータの数は複数であって、
前記表示処理工程は、前記複数の観光パラメータのいずれにおいても前記設定値との差が所定の値以内となる前記観光パラメータの値を有する前記提案用観光ルートを、前記画面への表示対象とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の観光ルート提案方法。
【請求項5】
前記複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する優先度取得工程を更に備え、
前記所定の値は、前記優先度に応じて変更される、請求項4に記載の観光ルート提案方法。
【請求項6】
前記複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する優先度取得工程を更に備え、
前記表示処理工程は、前記優先度を最も高く設定された前記観光パラメータについて、前記設定値との差が最も小さいパラメータの値を有する前記提案用観光ルートから前記設定値との差の小さい順に前記画面に優先表示する、請求項4又は5に記載の観光ルート提案方法。
【請求項7】
前記提案用観光ルートに含まれる一部の提案内容の変更を受け付けて、前記提案用観光ルートの修正処理を行う修正処理工程を更に備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の観光ルート提案方法。
【請求項8】
前記観光パラメータは、体力の残量に関する体力パラメータと、金銭の残量に関する金銭パラメータと、時間の残量に関する時間パラメータと、観光により得られる満足度に関する満足度パラメータとを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の観光ルート提案方法。
【請求項9】
ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案装置であって、
観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得部と、
前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理部と、
を備え、
前記表示処理部は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する、観光ルート提案装置。
【請求項10】
前記表示処理部は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する、請求項9に記載の観光ルート提案装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の観光ルート提案装置と、
前記観光ルート提案装置と通信可能に設けられ、前記提案用観光ルートを生成するルート生成装置と、
を備える、観光ルート提案システム。
【請求項12】
ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得手段と、
前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理手段と、
として機能させ、
前記表示処理手段は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する、プログラム。
【請求項13】
前記表示処理手段は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する、請求項12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光ルート提案方法、観光ルート提案装置、観光ルート提案システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置を用いて観光ルートの案内を行う観光ルート提案サービスが知られる。観光ルート提案サービスは、例えば、観光を行う者の許容時間や嗜好(グルメ、史跡巡り、名勝訪問等)などに基づき、観光ルートを生成し、観光を行う者に紹介する。
【0003】
また、特許文献1には、移動時間が短いこと以外の快適性を有するルートをユーザに提示することができるルート提示方法が開示される。特許文献1には、ユーザが指定した出発地から目的地までのルートを複数算出する際に、所要時間が最短となるルートの所要時間に注目し、当該所要時間に所定の係数をかけて得られる時間を許容移動時間して、許容移動時間以内のルートを表示することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-210278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、提案された観光ルートにしたがって観光を行うと、予想以上に疲れたり、費用がかかったりすることが起こり得る。この結果、ユーザは、観光ルート提案サービスの使い勝手が悪いと感じる可能性がある。また、観光を行う者は、自身の要望と提案された観光ルートとの差異が判り難いと、観光ルート提案サービスの使用を躊躇する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、観光を行う者が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の観光ルート提案方法は、ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法であって、観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得工程と、前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理工程と、を備え、前記表示処理工程は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する構成(第1の構成)となっている。
【0008】
上記第1の構成の観光ルート提案方法において、前記表示処理工程は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する構成(第2の構成)であることが好ましい。
【0009】
上記第1又は第2の構成の観光ルート提案方法において、前記パラメータ情報部は、前記観光パラメータの値を示すパラメータ値表示部と、前記観光パラメータの値の設定を可能とするパラメータ設定部と、を含む構成(第3の構成)であってよい。
【0010】
上記第1から第3のいずれかの構成の観光ルート提案方法において、前記観光パラメータの数は複数であって、前記表示処理工程は、前記複数の観光パラメータのいずれにおいても前記設定値との差が所定の値以内となる前記観光パラメータの値を有する前記提案用観光ルートを、前記画面への表示対象とする構成(第4の構成)であることが好ましい。
【0011】
上記第4の構成の観光ルート提案方法は、前記複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する優先度取得工程を更に備え、前記所定の値は、前記優先度に応じて変更される構成(第5の構成)であってよい。
【0012】
上記第4又は第5の構成の観光ルート提案方法は、前記複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する優先度取得工程を更に備え、前記表示処理工程は、前記優先度を最も高く設定された前記観光パラメータについて、前記設定値との差が最も小さいパラメータの値を有する前記提案用観光ルートから前記設定値との差の小さい順に前記画面に優先表示する構成(第6の構成)であってよい。
【0013】
上記第1から第6のいずれかの構成の観光ルート提案方法は、前記提案用観光ルートに含まれる一部の提案内容の変更を受け付けて、前記提案用観光ルートの修正処理を行う修正処理工程を更に備える構成(第7の構成)であってよい。
【0014】
上記第1から第7のいずれかの構成の観光ルート提案方法において、前記観光パラメータは、体力の残量に関する体力パラメータと、金銭の残量に関する金銭パラメータと、時間の残量に関する時間パラメータと、観光により得られる満足度に関する満足度パラメータとを含む構成(第8の構成)であってよい。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明の観光ルート提案装置は、ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案装置であって、観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得部と、前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する構成(第9の構成)となっている。
【0016】
上記第9の構成の観光ルート提案装置において、前記表示処理部は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する構成(第10の構成)であることが好ましい。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明の観光ルート提案システムは、上記構成の観光ルート提案装置と、前記観光ルート提案装置と通信可能に設けられ、前記提案用観光ルートを生成するルート生成装置と、を備える構成(第11の構成)となっている。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータを、観光条件を示す観光パラメータに関する前記ユーザの設定値を取得する設定値取得手段と、前記設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、前記観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部とを画面に表示する処理を行う表示処理手段と、として機能させ、前記表示処理手段は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値とを対比表示する構成(第12の構成)となっている。
【0019】
上記第12の構成のプログラムにおいて、前記表示処理手段は、前記提案用観光ルートに対応する前記観光パラメータの値と、前記設定値との差に応じて、前記提案用観光ルートと前記パラメータ情報部との少なくとも一方の表示形態を変更する構成(第13の構成)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、観光を行う者が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】観光ルート提案システムの概略構成を示す図
図2】観光ルート提案装置の構成を示すブロック図
図3】観光ルート提案装置によって実行される観光ルート提案方法の流れを示すフローチャート
図4】パラメータ設定画面が表示された状態の一例を模式的に示す図
図4A図4に示す画面の変形例を示す図
図5】提案用観光ルートが画面に表示された状態の一例を模式的に示す図
図6】提案用観光ルートが複数である場合について説明するための図
図7】提案用観光ルートの表示形態の変更について説明するための図
図8】提案用観光ルートの提案内容に対するユーザの変更処理について説明するための図
図9】提案用観光ルートの提案内容に対するユーザの変更処理について説明するための他の図
図10】ユーザが優先度を設定した場合の、提案用観光ルートが表示された画面の例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.観光ルート提案システム>
図1は、本発明の実施形態に係る観光ルート提案システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、観光ルート提案システム100は、観光ルート提案装置1と、ルート生成装置2とを備える。
【0024】
観光ルート提案装置1は、ユーザに観光ルートを提案する装置である。観光ルート提案装置1は、好ましくはユーザが直接的に利用することができる装置である。観光ルート提案装置1は、通信回線網3に接続される。通信回線網3は、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、および、WiFi(登録商標)のうちの少なくともいずれか一つを含んで構成される。本実施形態において、観光ルート提案装置1は端末装置である。観光ルート提案装置1は、例えば携帯端末である。観光ルート提案装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又は、タブレット等であってよい。観光ルート提案装置1の詳細については後述する。
【0025】
ルート生成装置2は、観光ルート提案装置1と通信可能に設けられ、提案用観光ルートを生成する。提案用観光ルートは、ユーザに提案する観光ルートである。ルート生成装置2は、通信回線網3に接続される。観光ルート提案装置1とルート生成装置2とは、通信回線網3を介して互いに接続される。本実施形態では、ルート生成装置2は、観光ルート提案装置1からの要求に応じて提案用観光ルートを生成し、生成した提案用観光ルートを観光ルート提案装置1に向けて出力する。ルート生成装置2は、サーバ装置である。ルート生成装置2は、1つのサーバ装置で構成されてよいが、複数のサーバ装置で構成されてもよい。ルート生成装置2は、例えば、クラウドサーバであってよい。ルート生成装置2は、複数のクラウドサーバにより構成されてもよい。
【0026】
なお、観光ルート提案装置1が、提案用観光ルートを生成する機能を有する構成としてもよい。この場合には、ルート生成装置2は設けられなくてもよい。
【0027】
ルート生成装置2は、指定されたエリア内の観光スポットを自動的に選択し、観光スポット間の移動手段を含めて提案用の観光ルート(提案用観光ルート)を生成する。観光スポットは、例えば、名勝の地、史跡、寺院、神社、遊園地、博物館、美術館、レストラン等である。移動手段は、例えば、徒歩、自転車、鉄道、バス、タクシー等である。ルート生成装置2は、例えば、機械学習を行った学習済みモデルを用いて観光ルートを生成してよい。ルート生成装置2は、指定されたエリアに係る観光情報を蓄積したデータベースを利用して観光ルートを生成する。観光情報には、地図情報、観光スポットの位置情報、観光スポットにおいて必要なとなる費用情報、公共交通機関の乗車運賃情報、タクシーの運賃情報等が含まれる。
【0028】
ルート生成装置2は、ユーザにより設定される観光条件を示す観光パラメータに基づき提案用観光ルートを生成する。ルート生成装置2は、ユーザが設定した観光パラメータと近い観光パラメータを有する観光ルートを提案用観光ルートとして生成する。観光パラメータは、例えば、ユーザの観光時における要望(希望条件)を示すパラメータである。観光パラメータの数は、複数であることが好ましい。本実施形態では、観光パラメータの数は複数である。
【0029】
本実施形態では、一例として、観光パラメータは、ユーザのリソース(体力、金銭、時間)に関するパラメータと、ユーザのリソースとトレードオフの関係となることがある満足度に関するパラメータとを含む。詳細には、観光パラメータは、観光により消費される体力の、残量に関する体力パラメータと、観光により消費される金銭の、残量に関する金銭パラメータと、観光により消費される時間の、残量に関する時間パラメータと、観光により得られる満足度に関する満足度パラメータとを含む。これらの観光パラメータを用いて観光ルートを生成すると、ユーザのニーズにあった観光ルートの提案を行うことができる。
【0030】
体力パラメータは、観光により体力が消費された後における体力の残量に関するパラメータである。体力パラメータは、例えば、観光時の移動手段等に影響を与えるパラメータであり、統計データ等を利用して数値化されたパラメータである。例えば、観光を徒歩で行うと、観光により消費される体力が多く、体力の残量を示す体力パラメータの値は小さくなる。設定される体力パラメータの値に応じて、移動手段にレンタカー、鉄道、バス、タクシー等の車両を利用するか否かが変わる。なお、移動手段に何が選択されるかによって、回ることができる観光スポットの数や場所にも影響が与えられる。
【0031】
金銭パラメータは、観光により金銭が消費された後における金銭の残量に関するパラメータである。金銭パラメータは、例えば、観光を行う者が立ち寄る観光スポットや、観光時の移動手段等に影響を与えるパラメータである。例えば、設定される金銭パラメータに応じて、費用が発生する観光スポットを立ち寄り場所とするか否かが変わる。また、例えば、設定される金銭パラメータに応じて、費用が発生するレンタカー等の車両を利用するか否かが変わったり、利用する車両の種類が変わったりする。
【0032】
時間パラメータは、予め確保又は予定していた時間から観光により時間が消費された後における時間の残量に関するパラメータである。時間パラメータは、例えば、観光時の移動手段、観光スポットでの滞在時間、観光スポットの数等に影響を与えるパラメータである。例えば、観光に使える時間の長さ、つまり、設定される時間パラメータに応じて、観光時に効率良く観光スポットを回るルートとするのか、のんびりと観光を行うルートとするのか等が変わる。
【0033】
満足度パラメータは、体力パラメータ、金銭パラメータ、および、時間パラメータとトレードオフの関係を考慮して決められるパラメータであり、例えば統計データ等を利用して数値化されたパラメータである。例えば、少ない時間で多くの観光スポットを回るといった移動効率の良い観光ルートに対して満足度が高くなるように、パラメータの値が決められてよい。
【0034】
なお、例えば満足度等は、観光をする者の国籍等によって傾向が異なる場合がある。このために、例えば、観光する者の国籍に応じて観光ルートの生成に使用するデータや、データの使用手法等を変更してよい。
【0035】
また、観光パラメータに基づく観光ルートの生成には、公知の技術が利用されればよい。例えば、以上に説明した体力パラメータ、金銭パラメータ、時間パラメータ、および、満足度パラメータを用いた観光ルートの生成には、「マルチメディア, 分散協調とモバイルシンポジウム 2019 論文集;ユーザのリソース消費を考慮した意思決定支援のための複数観光経路提示手法、著者平野陽大, 諏訪博彦, 安本慶一」等に開示の技術が利用されてよい。
【0036】
本実施形態の観光ルート提案装置1は、後述するように、観光を行う者が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行える構成となっている。このために、本実施形態の観光ルート提案システムを利用するユーザは、快適に観光ルートの提案サービスを受けることができる。
【0037】
<2.観光ルート提案装置>
(2-1.観光ルート提案装置の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る観光ルート提案装置1の構成を示すブロック図である。なお、図2においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。図2に示すように、観光ルート提案装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0038】
制御部11は、観光ルート提案装置1の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部11は、例えば、演算用の集積回路、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。演算用の集積回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、APU(Accelerated Processing Unit)等であってよい。
【0039】
記憶部12は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、又は、メモリカード等であってよい。記憶部12は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。本実施形態においては、記憶部12に記憶されるプログラムには、ユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法を制御部11(コンピュータ)に実行させるプログラム121が含まれる。プログラム121は、詳細にはアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと表現する)である。
【0040】
通信部13は、通信回線網3と有線又は無線で接続され、通信回線網3を介してルート生成装置2と通信を行う。
【0041】
図2に示す設定値取得部111、優先度取得部112、観光ルート要求部113、観光ルート取得部114、表示処理部115、および、修正処理部116は、制御部11が有する演算用の集積回路がコンピュータプログラムに従って演算処理を実行することにより実現される制御部11の機能である。換言すると、制御部11は、設定値取得部111と、優先度取得部112と、観光ルート要求部113と、観光ルート取得部114と、表示処理部115と、修正処理部116とを備える。
【0042】
また、制御部11が備える設定値取得部111、優先度取得部112、観光ルート要求部113、観光ルート取得部114、表示処理部115、および、修正処理部116のうち少なくともいずれか1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。また、設定値取得部111、優先度取得部112、観光ルート要求部113、観光ルート取得部114、表示処理部115、および、修正処理部116は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてよい。
【0043】
設定値取得部111は、観光条件を示す観光パラメータの、ユーザの設定値を取得する。ユーザの設定値の数は、観光パラメータの数とは同数である。観光条件を示す観光パラメータが複数である場合、ユーザの設定値も複数である。本実施形態では、観光パラメータは、体力パラメータと、金銭パラメータと、時間パラメータと、満足度パラメータとを含む。ユーザは、操作部(不図示)を利用して、これらの観光パラメータを入力する。操作部は、例えば、タッチパネル、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン等であってよい。なお、操作部は、観光ルート提案装置1の一部であっても、観光ルート提案装置1とは別体であってもよい。設定値取得部111は、ユーザが操作部により入力した観光パラメータの設定値を取得する。
【0044】
観光パラメータが、体力パラメータと、金銭パラメータと、時間パラメータと、満足度パラメータとを含む構成とすることにより、ユーザは、自身が有するリソース(資源)のいずれを消費して観光を行うかを自らの意思で決定して、観光ルートの提案を要求することができる。すなわち、本構成によれば、ユーザのニーズにあった観光ルートの提案を行うことができる。
【0045】
優先度取得部112は、複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する。なお、観光パラメータの数が単数である場合には、優先度取得部は不要である。また、観光パラメータが複数である場合でも、優先度取得部112が設けられない構成としてもよい。優先度は、ユーザにより入力される。ユーザは、優先度を入力するか否かを選択できることが好ましい。ユーザによる優先度の入力は、上述の操作部と同じ操作部が用いられてよい。優先度は、複数の観光パラメータのうち、ユーザが最も重視する観光パラメータのみを示す構成であってよい。また、優先度は、複数の観光パラメータの全てを対象として与えられた優先順位であってもよい。優先度の取得は、観光パラメータの取得よりも先でも後でもよい。
【0046】
観光ルート要求部113は、取得した観光パラメータの設定値を、通信部13を用いてルート生成装置2に送信し、ルート生成装置2に対して設定値に基づく提案用観光ルートの生成を要求する。なお、観光ルート要求部113は、必要に応じて、観光パラメータの設定値以外のデータをルート生成装置2に送信する。当該データには、上述の優先度が含まれてよい。
【0047】
観光ルート取得部114は、ルート生成装置2が観光パラメータの設定値に基づき生成した提案用観光ルートを、通信回線網3を介して取得する。提案用観光ルートの取得数は、特に限定されず、単数又は複数であってよい。また、観光パラメータの設定値によっては、設定値に応じた提案用観光ルートを生成できないこともあり得る。この点を考慮して、観光ルート取得部114は、提案用観光ルートが生成できなかった旨を取得することがある構成が好ましい。
【0048】
なお、上述のように観光ルート提案装置1が、提案用観光ルートを生成できる構成としてもよい。この場合には、観光ルート提案装置1が、機能部としての観光ルート生成部を備え、観光ルート要求部113および観光ルート取得部114を備えない構成としてよい。
【0049】
表示処理部115は、表示部の画面4(後述する図4等参照)に対する表示に関わる処理を行う。表示部は、例えば液晶パネルや有機ELパネル等を用いて構成されるディスプレイである。表示部は、観光ルート提案装置1が備える構成であってよい。また、表示部は、観光ルート提案装置1とは別体として設けられ、観光ルート提案装置1と有線又は無線により接続される構成であってもよい。
【0050】
本実施形態では、表示処理部115は、観光パラメータの設定値に基づき生成された提案用観光ルートを画面4に表示する処理を行う。表示処理部115は、詳細には、地図に重畳させて提案用観光ルートを表示する。また、表示処理部115は、観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部42(後述する図4等参照)を画面4に表示する処理を行う。詳細には、パラメータ情報部42は、提案用観光ルートが表示されている画面4の中に表示される。すなわち、ユーザは、提案用観光ルートが表示される画面4によって、観光パラメータに関わる情報も確認することができる。パラメータ情報部42の詳細は後述する。
【0051】
修正処理部116は、提案用観光ルートに含まれる一部の提案内容の変更を受け付けて、提案用観光ルートの修正処理を行う。修正処理は、提案内容に関する一部の修正を行う処理であり、観光パラメータの設定値の変更に対応して提案用観光ルートの全体の再提案を行う処理とは異なる。修正処理の詳細については後述する。
【0052】
(2-2.観光ルート提案方法)
次に、装置を用いてユーザに観光ルートを提案する観光ルート提案方法について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る観光ルート提案装置1によって実行される観光ルート提案方法の流れを示すフローチャートである。図3に示す観光ルート提案方法は、例えば、ユーザが観光ルート提案用のアプリ121を実行させることによって開始される。なお、観光ルート提案方法の開始に際して、ユーザは観光の前提条件を入力する構成であってよい。前提条件には、例えば、観光のエリア、観光の出発地および到着地、観光時に許容される最大消費時間、観光時に許容される最大消費金銭等が含まれてよい。また、前提条件に、複数の観光パラメータのうちのいずれのパラメータを優先するかを示す優先度が含まれてもよい。また、前提条件には、ユーザが立ち寄りたい観光スポットが含まれてもよい。
【0053】
ステップS1では、ユーザが観光パラメータの設定を行う画面4であるパラメータ設定画面が表示される。パラメータ設定画面の表示が完了すると、次のステップS2に処理が進められる。ここで、図4を用いて、パラメータ設定画面について説明する。図4は、パラメータ設定画面が表示された状態の一例を模式的に示す図である。図4に示す例では、観光ルート提案装置1は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末であり、タッチパネル方式での入力を可能に設けられる。
【0054】
画面4には、地図情報部41とパラメータ情報部42とが表示される。地図情報部41は地図MPを含む。例えば、地図情報部41は、観光ルート提案装置1が有するGPS(Global Positioning System)により得られる現在地を含む一定の範囲の地図を表示する。ただし、この段階では、観光パラメータの設定を行うことができればよいために、地図情報部41は無くてもよい。
【0055】
パラメータ情報部42は、パラメータ値表示部421と、パラメータ設定部422とを含む。本実施形態では、観光パラメータは4つ存在する。このために、パラメータ値表示部421とパラメータ設定部422とは、それぞれ4つずつ存在する。詳細には、パラメータ値表示部421は、体力パラメータ値表示部421aと、時間パラメータ値表示部421bと、金銭パラメータ値表示部421cと、満足度パラメータ値表示部421dとを含む。また、パラメータ設定部422は、体力パラメータ設定部422aと、時間パラメータ設定部422bと、金銭パラメータ設定部422cと、満足度パラメータ設定部422dとを含む。
【0056】
パラメータ値表示部421は、観光パラメータの値を示す。詳細には、体力パラメータ値表示部421aは、体力パラメータの値を示す。時間パラメータ値表示部421bは、時間パラメータの値を示す。金銭パラメータ値表示部421cは、金銭パラメータの値を示す。満足度パラメータ値表示部421dは、満足度パラメータの値を示す。本実施形態では、体力パラメータ、時間パラメータ、金銭パラメータ、および、満足度パラメータは、百分率で表される。体力パラメータの値が100%に近づくほど、観光により消費される体力が少なく体力の残量が多いことを示す。時間パラメータの値が100%に近づくほど、観光により消費される時間が少なく、時間の残量が多いことを示す。金銭パラメータの値が100%に近づくほど、観光により消費される金銭が少なく金銭の残量が多いことを示す。満足度パラメータの値が100%に近づくほど、観光により得られる満足度が高いことを示す。
【0057】
例えば、体力パラメータの値が0%である場合、観光で歩く距離が、ユーザに対して想定される最大歩行距離となることを示す。最大歩行距離は、例えば、ユーザの年齢、ユーザの歩行実績等に基づいて推定される。ユーザの歩行実績は、例えば、スマートフォンに備えられる歩数計等の機能を利用して得ることができる。
【0058】
例えば、時間パラメータの値が0%である場合、観光に使う時間が、観光に使える時間や、希望する旅程に基づいた時間等の全てを使い果すことを示す。観光に使える時間は、例えば、ユーザによって予め入力される。観光に使える時間は、例えば、ユーザが乗車予定の新幹線等の列車の発車時刻から算出される構成であってもよい。
【0059】
例えば、金銭パラメータの値が0%である場合、観光に使える金銭を全て使い果たすことを示す。観光に使える金銭は、例えば、ユーザによって予め入力される。
【0060】
例えば、満足度パラメータは、提案用観光ルートに対するユーザの満足度の推定値である。満足度パラメータは、本実施形態のように、ユーザが入力する構成であってよい。この場合には、設定される満足度は、ユーザが要望する最低限のレベルの満足度(最低満足度)を示していると解されてもよい。また、満足度パラメータは、他のパラメータの設定値に応じて自動的に推定される構成であってよい。この構成の場合、体力パラメータ等の満足度パラメータ以外のパラメータの値に基づいて提案用観光ルートを生成した後の評価により、満足度パラメータが決まる構成としてもよい。
【0061】
パラメータ設定部422は、観光パラメータの値の設定を可能とする。詳細には、体力パラメータ設定部422aは、体力パラメータの値の設定を可能とする。時間パラメータ設定部422bは、時間パラメータの値の設定を可能とする。金銭パラメータ設定部422cは、金銭パラメータの値の設定を可能とする。満足度パラメータ設定部422dは、満足度パラメータの値の設定を可能とする。本実施形態では、パラメータ設定部422はスライダを用いて構成される。すなわち、パラメータ設定部422は、タッチパネルに表示されるスライドバー4221の左右方向の長さを可変することによって、観光パラメータの値を設定することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、パラメータ設定部422がスライダを用いて構成されているが、これは例示である。パラメータ設定部422は、観光パラメータの値を入力する構成等、他の構成であってよい。パラメータ設定部422がスライダを用いて構成されると、パラメータの設定を、指を用いた操作で簡単に設定できるために便利である。また、例えば、パラメータ設定部が観光パラメータの値を入力する構成である場合等には、パラメータ値表示部421は設けられなくてもよい。
【0063】
また、以上では、体力パラメータ、時間パラメータ、および、金銭パラメータについて、残量で示される構成となっているが、消費量(使用量)で示される構成とされてもよい。また、残量による表示と、消費量による表示とが切り替えて表示可能な構成とされてもよい。
【0064】
また、以上では、各パラメータの値が「%表示」される構成(割合で示される構成)であるが、図4Aに示すように、少なくとも一部のパラメータについて、実際の数字が示される構成とされてもよい。図4Aに示す例では、体力パラメータ、時間パラメータ、および、金銭パラメータについて、パラメータ値表示部421が実際の数(残量数)で示されている。体力パラメータについては、一例として、ユーザに対して想定される最大歩行距離を基準とした残りの歩行距離が示されている。時間パラメータについては、一例として、ユーザが使える時間を基準とした残り時間が示されている。金銭パラメータについては、ユーザが使える金銭を基準とした残金が示されている。図4Aでは、通貨が日本円である例が示されているが、通貨表示は、ユーザが希望する通貨の表示に切り替えられる構成とすることが好ましい。
【0065】
図3に戻って説明を行う。ステップS2では、設定値取得部111が観光パラメータの設定値を取得したか否かを監視する。ユーザがパラメータ設定部422を使って観光パラメータの設定を行うと、設定値取得部111により観光パラメータの設定値が取得される。すなわち、本実施形態の観光ルート提案方法は、観光条件を示す観光パラメータの、ユーザの設定値を取得する設定値取得工程を備える。
【0066】
本実施形態では、当該設定値取得工程により、体力パラメータの設定値、時間パラメータの設定値、金銭パラメータの設定値、および、満足度パラメータの設定値が取得される。全ての観光パラメータの設定値の取得が確認されると(ステップS2でYes)、次のステップS3に処理が進められる。全ての観光パラメータの設定値の取得が確認されない場合(ステップS2でNo)、ステップS2の処理が続けられる。例えば、ユーザが全ての設定値を入力した時点で、画面4上に示される入力完了キーをタッチする構成等とすることにより、全ての設定値の取得が行われたか否かの確認を容易に行うことができる。
【0067】
なお、各パラメータの設定値について、適当な初期値が仮設定されていてもよい。このような構成では、初期値が変更されなかったと判定された場合に、初期値が設定値として利用されてよい。また、初期値は、ユーザ毎に変更される個人パラメータであることが好ましい。各パラメータの確定については、上述した確定操作が利用される構成に替えて、或いは、加えて、操作が行われない時間が所定期間を経過した場合に自動的に確定される構成が採用されてもよい。
【0068】
また、図4に示す例では、体力パラメータの設定値は95%、時間パラメータの設定値は90%、金銭パラメータの設定値は90%、満足度パラメータの設定値は15%である。これらのパラメータは、少なからず相関関係を有する。このために、単数又は複数の設定値が入力された時点で、残りのパラメータの少なくともいずれか1つについて、値の設定範囲に制限が生じる構成としてもよい。例えば、図4に示す例では、ユーザは、体力、時間、および、金銭のいずれの消費も望んでいない。このような場合、観光で回ることができる観光スポットの数は限られるために、満足度パラメータの値は小さくなる傾向がある。すなわち、満足度パラメータの値を大きく設定すると、ユーザが設定した条件に対応する提案用観光ルートが得られない可能性がある。このため、図4に示す例では、体力パラメータ、時間パラメータ、および、金銭パラメータが設定された時点で、満足度パラメータの設定に上限値が生じる構成としてよい。このように構成すことにより、提案用観光ルートが得られない可能性を低減することができる。
【0069】
ステップS3では、観光ルート要求部113が、取得した観光パラメータを含むデータをルート生成装置2に送信して、観光ルートの提案を要求する。当該要求を完了すると、次のステップS4に処理が進められる。
【0070】
なお、ルート生成装置2においては、観光ルートの提案要求に対応して、ユーザが設定した観光パラメータの設定値に基づき提案用観光ルートを生成する。ルート生成装置2は、提案用観光ルートの生成に際して、上述の前提条件を適宜利用する。本実施形態では、ルート生成装置2は、複数の観光パラメータのいずれにおいても設定値との差が所定の値以内となる観光パラメータの値を有する観光ルートを提案用観光ルートとする。
【0071】
詳細には、ルート生成装置2は、体力パラメータ、時間パラメータ、金銭パラメータ、および、満足度パラメータの全てにおいて、設定値との差が所定の値以内となる観光パラメータの値を有する観光ルートを提案用観光ルートとする。所定の値は、実験やシミュレーションにより決定されてよく、例えば±10%等であってよい。すなわち、提案用観光ルートにおいて、体力パラメータの値の設定値との差は±10%以内であり、時間パラメータの値の設定値との差は±10%以内であり、金銭パラメータの値の設定値との差は±10%以内であり、満足度パラメータの値の設定値との差は±10%以内である。
【0072】
ルート生成装置2は、各パラメータの値について±10%以内の要件を満たす観光ルートを、全て提案用観光ルートとして生成する。このために、提案用観光ルートの数は、単数の場合も、複数の場合もあり得る。場合によっては、提案用観光ルートが生成されないこともあり得る。ルート生成装置2は、生成した提案用観光ルートを観光ルート提案装置1に向けて出力する。ルート生成装置2は、提案用観光ルートが得られなかった場合には、その旨を観光ルート提案装置1に出力する。
【0073】
ステップS4では、観光ルート取得部114が、ルート生成装置2により生成された提案用観光ルートを取得する。観光ルート取得部114が取得する提案用観光ルートの数は、単数又は複数である。場合によっては、観光ルート要求部113の要求にかかわらず、提案用観光ルートが得られない場合もあり得る。ここでは、提案用観光ルートが得られなかった旨の通知を受けた場合も、提案用観光ルートを取得した場合に含む。観光ルート取得部114が提案用観光ルートを取得すると、次のステップS5に処理が進められる。
【0074】
ステップS5では、表示処理部115が、取得した提案用観光ルートを画面4に表示する処理を行う。また、表示処理部115は、パラメータ情報部42を画面4に表示する処理を行う。すなわち、実施形態の観光ルート提案方法は、観光パラメータのユーザの設定値に基づき生成された提案用観光ルートと、観光パラメータに関わる情報を示すパラメータ情報部42とを画面4に表示する処理を行う表示処理工程を備える。なお、提案用観光ルートが得られなかった場合は、例えば、その旨が画面4に表示される構成としてよい。
【0075】
図5は、提案用観光ルートが画面4に表示された状態の一例を模式的に示す図である。上述のパラメータ設定画面(図4参照)と同様に、提案用観光ルートを表示する画面4には、地図情報部41とパラメータ情報部42とが表示される。地図情報部41とパラメータ情報部42とは上下に分離して配置される。地図情報部41には、地図MPと、地図MPに重畳された提案用観光ルートRTとが表示される。提案用観光ルートRTは、観光スポット等を示すアイコンINを含む。パラメータ値表示部421およびパラメータ設定部422を備えるパラメータ情報部42は、画面4に表示中の提案用観光ルートRTの観光パラメータの値を表示する。
【0076】
なお、図5に示す例では、画面4に表示中の提案用観光ルートRTの各観光パラメータの値は、次のようである。体力パラメータの値は90%であり、時間パラメータの値は91%であり、金銭パラメータの値は90%であり、満足度パラメータの値は20%である。また、各観光パラメータにおける設定値(図4参照)との差は、次のようである。体力パラメータにおける設定値との差は-5%であり、時間パラメータにおける設定値との差は+1%であり、金銭パラメータにおける設定値との差は0%であり、満足度パラメータにおける設定値との差は+5%である。いずれの観光パラメータについても、設定値との差が±10%以内である。
【0077】
本実施形態では、提案用観光ルートRTと、パラメータ情報部42とが、同じ画面4中に分離して表示される。このために、ユーザは、提案用観光ルートRTに対応する観光パラメータを容易に把握することができる。言い換えると、本実施形態では、観光パラメータは、提案用観光ルートRTと共に画面4の表示されるパラメータであるとも言える。
【0078】
また、本実施形態では、提案用観光ルートRTと共に表示されるパラメータ情報部42が、パラメータ値表示部421とパラメータ設定部422とを含む構成となっている。このために、ユーザは、提案用観光ルートRTの観光パラメータの値を一目で把握することができるとともに、提案された観光ルートが気に入らない場合に簡単に観光パラメータの設定を変えて観光ルートを再提案させることができる。
【0079】
表示処理部115(表示処理工程)は、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値(ユーザの設定値)とを対比表示する。これにより、ユーザは自身の設定値と、提案された観光ルートに対応する観光パラメータとの差を素早く把握することが可能になる。対比表示は、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値との両方を表示する構成であってよい。ただし、対比表示は、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値との関係がユーザに分ればよく、両者のうちの一方のみを他方との関係が分る形式で表示する構成であってよい。
【0080】
本実施形態では、表示処理部115(表示処理工程)は、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値との差に応じて、提案用観光ルートRTとパラメータ情報部42との少なくとも一方の表示形態を変更する。このような構成とすることにより、ユーザは自身の設定値と、提案された観光ルートに対応する観光パラメータとの差を素早く把握することできる。すなわち、観光を行う者が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行うことができる。
【0081】
図5に示す例では、表示処理部115(表示処理工程)は、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値との差に応じて、パラメータ情報部42の表示形態を変更する。詳細には、表示形態の変更は、パラメータ値表示部421の表示形態の変更である。提案用観光パラメータの値と設定値との差の大きさ(絶対値)が、所定閾値(例えば2%)以内であると、観光パラメータ値は「枠なし」で表示される。提案用観光パラメータの値が設定値に対して所定閾値を超えて大きいと、観光パラメータ値は「実線枠あり」で表示される。提案用観光パラメータの値が設定値に対して所定閾値を超えて小さいと、観光パラメータ値は「破線枠あり」で表示される。
【0082】
図5に示す例では、提案用観光ルートRTの体力パラメータの値(90%)は設定値(95%)に対して5%小さいために、体力パラメータ値表示部421aの値は破線枠で囲まれた表示である。また、提案用観光ルートRTの時間パラメータの値(91%)と、設定値(90%)との差の大きさが1%であるために、時間パラメータ値表示部421bの値は枠なしの表示である。また、提案用観光ルートRTの金銭パラメータの値(90%)と、設定値(90%)との差の大きさが0%であるために、金銭パラメータ値表示部421cの値は枠なしの表示である。また、提案用観光ルートRTの満足度パラメータの値(20%)は設定値(15%)に対して5%大きいために、満足度パラメータ値表示部421dの値は実線枠で囲まれた表示である。
【0083】
なお、表示形態の変更手法は、枠の有無および枠線の種類変更以外の方法であってよい。表示形態の変更手法は、例えば、数値の色の変更、数値を強調するハイライトの有無、数値を強調するハイライトの色の変更、数値の点滅の有無、これらの組合わせ等であってよい。以上では、設定値との差に応じて変更される表示形態の種類が3つである構成を示したが、設定値との差に応じて変更される表示形態の種類は2つ、或いは、4つ以上であってもよい。また、以上では、パラメータ値表示部421の表示形態が変更される構成としたが、パラメータ値表示部421の表示形態の変更に替えて、或いは、加えて、パラメータ設定部422の表示形態の変更が行われる構成としてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、パラメータ情報部42に表示される各観光パラメータの値は、地図情報部41に表示される提案用観光ルートに対応する各観光パラメータの値とした。ただし、パラメータ情報部42に表示される各観光パラメータの値は、ユーザの設定値である構成としてもよい。そして、この場合において、提案用観光ルートRTに対応する各観光パラメータと、各設定値との差に応じて、パラメータ情報部42に表示される設定値の表示形態が変更される(例えば色が変更される等)構成としてもよい。このようにすれば、ユーザは、設定値をどのような値としたかを簡単に把握できるとともに、提案されている観光ルートの観光パラメータと設定値との関係を直感的に把握することができる。
【0085】
また、提案用観光ルートに対応する観光パラメータの値と、設定値との差に応じて、提案用観光ルートRTの表示形態の変更が行われてよく、この場合、表示形態の変更は、例えば、ルートを表示する色の変更、ルートの表示の太さの変更、ルートを表示する線の種類の変更(実線、破線等)、これらの組合せ等であってよい。当該構成の具体例は後述する(図7に関する説明部分参照)。
【0086】
上述のように、観光ルート取得部114が取得した提案用観光ルートの数が複数であることがある。図6は、提案用観光ルートが複数である場合について説明するための図である。図6は、図5に示す提案用観光ルートRTとは、別の提案用観光ルートRTが画面4に表示された状態の一例を模式的に示す図である。図6においても、図5と同様に、地図情報部41とパラメータ情報部42とが表示される。図5図6では、提案用観光ルートRTと、それが有する観光パラメータの値が異なる。
【0087】
図5および図6に示すように、本実施形態では、表示処理部115(表示処理工程)は、複数の観光パラメータのいずれにおいても設定値との差が所定の値(例えば±10%)以内となる観光パラメータの値を有する提案用観光ルートRTを、画面4への表示対象とする。詳細には、複数の観光パラメータのいずれにおいても設定値との差が所定の値以内となる観光パラメータの値を有する提案用観光ルートRTが複数ある場合、当該複数の提案用観光ルートが画面4を切り替えて表示可能とされる。これにより、ユーザは複数の提案用観光ルートRTのそれぞれを別々に確認することができ、各観光ルートの内容を詳細に確認することができる。
【0088】
なお、複数の提案用観光ルートが提案された場合に、ユーザが複数の提案用観光ルートの存在と、その概要とを一見して把握することができるように、複数の提案用観光ルートを1つの地図上に纏めて示す画面4が表示される構成としてもよい。本実施形態では、複数の提案用観光ルートが存在することを知らせるために、1つの提案用観光ルートを表示する画面4(図5および図6参照)に、ルートページ数表示部43が設けられる。ルートページ数表示部43は、提案用観光ルートの全ページ数と、現在の画面4のページ番号とを示す。図5および図6に示す例では、2つの提案用観光ルートが提案されており、提案用観光ルートの全ページ数は「2」である。図5は、全ペース数「2」のうちの1ページ目を示し、図6は、全ペース数「2」のうちの2ページ目を示す。
【0089】
なお、図6に示す例では、提案用観光ルートRTの体力パラメータの値(95%)と、設定値(95%)との差の大きさが0%であるために、体力パラメータ値表示部421aの値は枠なしの表示である。また、提案用観光ルートRTの時間パラメータの値(90%)と、設定値(90%)との差の大きさが0%であるために、時間パラメータ値表示部421bの値も枠なしの表示である。また、提案用観光ルートRTの金銭パラメータの値(80%)は設定値(90%)に対して10%小さいために、金銭パラメータ値表示部421cの値は破線枠で囲まれた表示である。また、提案用観光ルートRTの満足度パラメータの値(7%)は設定値(15%)に対して8%小さいために、満足度パラメータ値表示部421dの値は破線枠で囲まれた表示である。
【0090】
本実施形態では、複数の提案用観光ルートRTがある場合、各観光パラメータにおける、ユーザの設定値と、提案用観光ルートRTのパラメータの値との差の絶対値の合計が小さい方から順に提案用観光ルートRTの提案が行われる構成となっている。
【0091】
図5に示す提案用観光ルートRTでは、ユーザの設定値と提案用観光ルートRTのパラメータの値との差の絶対値は、体力パラメータで5%(=|95%-90%|)、時間パラメータで1%(=|90%-91%|)、金銭パラメータで0%=(|90%-90%|)、満足度パラメータで5%(=|15%-20%|)である。このために、上述の差の絶対値の合計は11%(=5%+1%+0%+5%)である。
【0092】
図6に示す提案用観光ルートRTでは、ユーザの設定値と提案用観光ルートRTのパラメータの値との差の絶対値は、体力パラメータで0%(=|95%-95%|)、時間パラメータで0%(=|90%-90%|)、金銭パラメータで10%=(|90%-80%|)、満足度パラメータで8%(=|15%-7%|)である。このために、上述の差の絶対値の合計は18%(=0%+0%+10%+8%)である。
【0093】
上述の差の絶対値の合計は、図5に示す提案用観光ルートRTの方がが、図6に示す提案用観光ルートRTよりも小さい。このために、提案用観光ルートとして、図5に示す提案用観光ルートRTと、図6に示す提案用観光ルートRTとがある場合、図5に示す提案用観光ルートRT、図6に示す提案用観光ルートRTの順に観光ルートの提案が行われる。すなわち、図5に示す提案用観光ルートRTが1ページ目、図6に示す提案用観光ルートRTが2ページ目とされて、画面4に表示される。
【0094】
また、上述の差の絶対値の合計に基づき、提案用観光ルートRTの表示形態の変更が行われる構成としてもよい。例えば、上述の差の絶対値の合計が、所定閾値(一例として15%)以内であるか、超えるかで、提案用観光ルートRTの表示形態が変えられる構成としてよい。図5に示す例では、上述の絶対値の合計が11%で、所定閾値(=15%)以内となる。図6に示す例では、上述の絶対値の合計が18%で、所定閾値(=15%)を超える。このため、図6に示す提案用観光ルートRTの表示形態を、図5に示す提案用観光ルートRTとは変えるべく、図7に示すような表示形態としてよい。図7では、提案用観光ルートRTが破線表示されており、提案用観光ルートRTが実線表示される図5の表示形態とは異なる。上述のように、表示形態雄の変更手法は、他の手法でもよく、例えば色を変更する構成であってもよい。
【0095】
図3に戻って説明を行う。ステップS5の表示処理が完了すると、次のステップS6に処理が進められる。ステップS6では、設定値取得部111によって新たな設定値が取得されたか否かが確認される。新たな設定値が取得された場合(ステップS6でYes)、ステップS3に処理が戻される。すなわち、提案用観光ルートの再提案処理が行われる。新たな設定値が取得されていない場合(ステップS6でNo)、次のステップS7に処理が進められる。
【0096】
ステップS7では、提案用観光ルートRTの提案内容に対して、ユーザによる変更処理があったか否かが確認される。この変更処理について、図8および図9を用いて説明する。図8および図9には、図5に示す提案用観光ルートRTと同じ提案用観光ルートRTが示されている。
【0097】
図8および図9に示すように、本実施形態では、提案用観光ルートRTが表示される画面4において、観光スポットを示すアイコンIN又は提案用観光ルートRTをタッチすると、提案内容の詳細が表示される。図8に示す例では。観光スポットを示すアイコンINがタッチされて、観光スポットの提案内容の詳細が表示されている。図8では、一例として、提案内容の詳細は、観光スポットの名称および提案される滞在時間である。また、図9に示す例では。提案用観光ルートRTがタッチされて、当該タッチされた部分の提案内容の詳細が表示されている。図9では、一例として、提案内容の詳細は移動手段の表示であり、移動手段がバスであることを示している。
【0098】
本実施形態では、提案内容の詳細表示には、提案内容の全部又は一部を変更可能とする表示が含まれる。図8においては、滞在時間が変更可能に表示されている。すなわち、ユーザは、滞在時間の変更を行うことができる。例えば、滞在時間の表示部分をタッチすることにより、ユーザの希望する滞在時間の入力を行うことができる。また、図9においては、移動手段が変更可能に表示されている。ユーザは、選択可能な移動手段をタッチすることにより、移動手段を変更することができる。図9に示す例では、変更可能な移動手段は、徒歩又はタクシーである。すなわち、ユーザは、移動手段をバスから徒歩またはタクシーに変更することができる。
【0099】
なお、以上では、変更処理がタッチパネルを用いて行われる構成を示したが、変更処理は、例えばキーボード等の他の操作手段を用いて行われる構成としてもよい。また、提案内容の変更処理には、提案された観光スポットの一部を削除する処理が含まれてもよい。
【0100】
図3に戻って説明を行う。ユーザによる提案内容の変更がない場合(ステップS7でYes)、次のステップS8に処理が進められる。ユーザによる提案内容の変更があった場合(ステップS7でNo)、ステップS9に処理が進められる。ステップS8では、現在表示している提案用観光ルートRTを、ユーザが希望する観光ルートとして確定する処理が行われる。例えば、現在表示している提案用観光ルートをユーザが希望する観光ルートとして確定してよいか否かをユーザに確認する確認画面に表示して、ユーザが「YES」を選択した場合、観光ルートが確定する構成としてよい。また、ユーザが「NO」を選択した場合には、ステップS1に戻る構成としてよい。
【0101】
ステップS9では、ユーザによる提案内容の変更にしたがって、提案用観光ルートRTの修正を、ルート生成装置2に要求する処理を行う。ステップS9の処理が完了すると、ステップS4に処理が戻される。ルート生成装置2は、提案内容の変更に応じて修正した提案用観光ルートを生成して、観光ルート提案装置1に出力する。ルート生成装置2は、修正対象となった提案用観光ルートをベースとしつつ、提案内容の変更に応じた修正を行う。ルート生成装置2は、修正後の提案用観光ルートの各観光パラメータと各設定値との差がいずれも所定の値(例えば±10%)以内となるように、修正した提案用観光ルートを生成する。例えば、或る観光スポットの滞在時間が短くされ、時間パラメータが設定値に対して所定の値を超えて大きくなった場合、例えば観光スポットの追加が行われてよい。
【0102】
なお、ステップS9からステップS4に戻された場合、修正した提案用観光ルートが優先的に画面4に表示されることが好ましい。その他の処理は、上述の処理と同様であってよい。
【0103】
以上に説明したように、本実施形態では、観光ルート提案方法は、提案用観光ルートに含まれる一部の提案内容の変更を受け付けて、提案用観光ルートの修正処理を行う修正処理工程を備える。このような構成とすることにより、観光を行う者(ユーザ)が使い勝手が良いと感じる観光ルートの提案を行うことができる。
【0104】
(2-3.変形例)
[2-3-1.第1変形例]
以上では、ユーザが観光パラメータに対する優先度を設定しない場合を説明した。図10は、ユーザが優先度を設定した場合の、提案用観光ルートが表示された画面4の例を模式的に示す図である。図10に示す例は、ユーザが優先度を設定したことを除いて、図4と同じ条件が設定されている。また、図10に示す提案用観光ルートRTは、図6に示す提案用観光ルートRTと同じである。図10に示す例では、体力パラメータ、時間パラメータ、金銭パラメータ、および、満足度パラメータのうち、体力パラメータの優先度が最も高く設定されている。体力パラメータの優先度が最も高く設定されていることを示す優先表示423が表示されている。
【0105】
優先度が設定された場合、表示処理部115(表示処理工程)は、優先度を最も高く設定された観光パラメータについて、ユーザの設定値との差が最も小さいパラメータの値を有する提案用観光ルートから前記設定値との差の小さい順に画面4に優先表示する。このように構成することにより、ユーザの希望に適合する可能性が高い観光ルートから順番にユーザに提示することができる。
【0106】
先に示した実施形態では、図4に示す設定を行った場合、図5に示す提案用観光ルートRTが図6に示す提案用観光ルートRTより先に画面4に表示された。この点、本変形例では、体力パラメータが最も優先される設定となっているために、図5に示す提案用観光ルートRTよりも体力パラメータについて、ユーザの設定値との差が小さい図6図10でも同じ)に示す提案用観光ルートが優先的に画面4に表示される。この結果、図10に示すように、図6ではルートページ数表示部43で2ページ目であった提案用観光ルートRTが1ページ目となっている。
【0107】
[2-3-2.第2変形例]
上述のように、表示処理部115(表示処理工程)は、複数の観光パラメータのいずれにおいても設定値との差が所定の値以内となる観光パラメータの値を有する提案用観光ルートを、画面を切り替えて表示可能とする。本変形例では、観光ルート提案方法が、複数の観光パラメータのうち、いずれのパラメータを優先するかを示す優先度を取得する優先度取得工程を備える。優先度取得工程は、例えば、図3におけるステップS1の前や、ステップS2の後等に実施されてよい。
【0108】
本変形例では、優先度が設定された場合に、前述の所定の値は、優先度に応じて変更される。例えば、体力パラメータ、時間パラメータ、金銭パラメータ、および、満足度パラメータのうち、体力パラメータの優先度が最も高く設定されているとする。この場合、例えば、体力パラメータについては、所定の値が5%とされ、他の観光パラメータについては所定の値が10%とされる構成としてよい。このような構成とすることにより、ユーザが希望する条件により適合した観光ルートの提案を行うことができる。
【0109】
なお、上述のように優先度は、各観光パラメータ与えられる優先順位であってよい。この場合、観光パラメータ毎に所定の値が異なってよい。
【0110】
<3.留意事項等>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態や変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態や変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態や変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0111】
1・・・観光ルート提案装置
2・・・ルート生成装置
4・・・画面
42・・・パラメータ情報部
100・・・観光ルート提案システム
111・・・設定値取得部
115・・・表示処理部
121・・・プログラム
421・・・パラメータ値表示部
422・・・パラメータ設定部
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10