(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159628
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20221011BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063929
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 武文
【テーマコード(参考)】
2H134
2H200
【Fターム(参考)】
2H134GA06
2H134GB02
2H134HD06
2H134JA01
2H134JA02
2H134KH09
2H134KH10
2H200FA17
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA44
2H200GB12
2H200GB22
2H200JA02
2H200JB10
2H200JC04
2H200JC07
2H200JC09
2H200JC12
2H200LB02
2H200LB09
2H200LB13
2H200LB17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クリーニング性能を確保しつつも、トナー回収箱との接続が容易なクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を保持する像担持面を垂直方向に移動させる像担持体と、転写後の前記像担持面に残留するトナーを除去するためのクリーニングユニットとを備えた画像形成装置であって、前記像担持面に沿って垂直方向に配列された複数のサブユニットと、前記サブユニット間を連通する連通管とを有し、クリーニング部材によって掻き取られたトナーを前記クリーニング部材の下部で受け止めるトナー収集路と、前記トナー収集路の底部に沿って配置され一方向に搬送するトナー搬送部材とを備え、前記連通管は、前記各サブユニットのうち上部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路から、前記各サブユニットのうち下部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路内に前記トナーを落下させる状態で配置された画像形成装置である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を保持する像担持面を有し前記像担持面を垂直方向に移動させる像担持体と、
前記トナー像を転写した後の前記像担持面に残留するトナーを前記像担持面から除去するためのクリーニングユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記クリーニングユニットは、
前記像担持面に沿って垂直方向に配列された複数のサブユニットと、前記サブユニット間を連通する連通管とを有し、
前記各サブユニットは、
前記像担持面に当接して配置され当該像担持面からトナーを掻き取るためのクリーニング部材と、
前記クリーニング部材によって前記像担持面から掻き取られたトナーを前記クリーニング部材の下部で受け止めるトナー収集路と、
前記トナー収集路の底部に沿って配置され前記トナー収集路内のトナーを一方向に搬送するトナー搬送部材とを備え、
前記連通管は、
前記各サブユニットのうち上部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路から、前記各サブユニットのうち下部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路内に前記トナーを落下させる状態で配置された
画像形成装置。
【請求項2】
前記各サブユニットのうち最下部に配置されたサブユニットは、前記トナー収集路における前記トナーの搬送方向の最下流部に前記トナーの排出口を備えた
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記各サブユニットのうち、上部に配置されたサブユニットにおける前記トナーの搬送方向の最下流部に前記連通管が接合されている
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記各サブユニットの前記トナー搬送部材による前記トナーの搬送方向は同一である
請求項1~3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記各サブユニットのうち上下に隣接して配置された各サブユニットにおける前記トナーの搬送方向は逆向きである
請求項1~3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記各サブユニットのうち下部に配置されたサブユニットにおける前記クリーニング部材に対して上下方向に重なることのない位置に、前記連通管の下端部が垂下されている
請求項1~5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連通管の下端部は、下部に配置されたサブユニットにおける前記クリーニング部材を介して前記像担持面の逆側において、前記クリーニング部材と水平方向に重なる位置に配置された
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記各サブユニットの前記トナー搬送部材は、前記クリーニング部材に対して水平方向の同一方向に突出して設けられ、
前記連通管は、前記クリーニング部材に対して前記トナー搬送部材が水平方向に突出している位置に設けられた
請求項1~6のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記各サブユニットのうち最下部に配置されたサブユニットは、前記トナー収集路における前記トナーの搬送方向の最下流部に前記トナーの排出口を備え、
前記排出口に対して自在に接続される廃トナー回収箱を有する
請求項1~8のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記クリーニング部材は、クリーニングブレードである
請求項1~9のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記クリーニング部材は、クリーニングブラシである
請求項1~9のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記像担持体は、前記トナー像を転写する中間転写ベルトである
請求項1~11のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、像担持面上に残留したトナーを除去するためのクリーニングユニットが設けられている。このクリーニングユニットに関する技術として、下記特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1には「相互に近接して配備された第1および第2のクリーニング部材、前記第1および第2のクリーニング部材双方に向けた開口を有し、該第1および第2のクリーニング部材によりクリーニングされたトナーを収集するトナー収集ボックス、前記トナー収集ボックス内に並置され、該トナー収集ボックス内に収集したトナーを回収する一対の搬送部材とを有する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のクリーニングユニットを垂直に配置された像担持面に設ける場合には、2つのクリーニング部材が上下に重ねて配置されることになる。このため、上部に配置されたクリーニング部材によって像担持面から掻き落されたトナーが、下部に配置されたクリーニング部材に落下しクリーング性能が損なわれる。そこで、各クリーニング部材に対して個別にトナー収集ボックスを設け、各トナー収集ボックス内のトナーを搬送部材によって搬送し、クリーニングユニットの外部のトナー回収箱に回収する構成とする必要がある。
【0005】
しかしながら、このような構成においては、トナー回収箱に複数の接続口を設け、1つのトナー回収箱に対して複数のトナー収集ボックスを接続させる必要がある。このため、トナー回収箱対する複数の接続口の位置決め、および複数のトナー収集ボックスにおけるトナー排出口の位置決めが困難であり、トナー回収箱に対するクリーニングユニットの接続が困難であった。
【0006】
そこで本発明は、クリーニング性能を確保しつつも、トナー回収箱との接続が容易な残留トナー除去用のクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明は、トナー像を保持する像担持面を有し前記像担持面を垂直方向に移動させる像担持体と、前記トナー像を転写した後の前記像担持面に残留するトナーを前記像担持面から除去するためのクリーニングユニットとを備えた画像形成装置であって、前記クリーニングユニットは、前記像担持面に沿って垂直方向に配列された複数のサブユニットと、前記サブユニット間を連通する連通管とを有し、前記各サブユニットは、前記像担持面に当接して配置され当該像担持面からトナーを掻き取るためのクリーニング部材と、前記クリーニング部材によって前記像担持面から掻き取られたトナーを前記クリーニング部材の下部で受け止めるトナー収集路と、前記トナー収集路の底部に沿って配置され前記トナー収集路内のトナーを一方向に搬送するトナー搬送部材とを備え、前記連通管は、前記各サブユニットのうち上部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路から、前記各サブユニットのうち下部に配置されたサブユニットの前記トナー収集路内に前記トナーを落下させる状態で配置された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クリーニング性能を確保しつつも、トナー回収箱との接続が容易な残留トナー除去用のクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための
図1の
図1の[A]部拡大図拡大図である。
【
図3】第1実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための模式図である。
【
図4】第2実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための模式図である。
【
図5】第3実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための
図1の[A]部拡大図拡大図である。
【
図6】第3実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための模式図である。
【
図7】第4実施形態の画像形成装置に設けられたクリーニングユニットを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪本発明の実施形態に係る画像形成装置≫
先ず、本発明を適用した各実施形態に係る画像形成装置の説明に先立ち、
図1を用いて本発明の実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図であり、電子写真方式の画像形成装置1を前面(正面)から見た構成図であり、以降に説明する各実施形態に係る画像形成装置1(2,3,4)に共通する図面である。この図に示す電子写真方式の画像形成装置1(2,3,4)は、筐体10の上面部分に画像読取部11を備えている。筐体10の内部には、画像読取部11側から順に、画像形成部20および転写部30、定着部40、さらには用紙供給部50が設けられている。これらの各部材の構成は、次のようである。
【0012】
<画像読取部11>
画像読取部11は、その上面で構成される原稿台11aに載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。なお、本実施形態において画像データは、画像読取部11で生成されるデータに限定されず、画像形成装置に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
【0013】
<画像形成部20>
画像形成部20は、例えばイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット20y,20m,20c,20kを有する。各画像形成ユニット20y,20m,20c,20kは、それぞれが感光体21と、感光体21の周囲に配置された現像部23と、クリーニング部25とを備え、さらにここでの図示を省略した帯電部および露光部を備えている。
【0014】
このうち感光体21は、帯電部によって一様に帯電されたドラム状の側周表面を像担持面21aとし、この像担持面21aに露光部による露光走査によって静電潜像が形成される。なお、露光部による露光走査は、例えば画像読取部11で読み取られた画像データ、または外部装置から受信した画像データに基づいて行われる。
【0015】
また現像部23は、帯電させたトナーを感光体21に供給することにより、感光体21の像担持面21aに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させるものである。これにより、画像形成ユニット20yにおける感光体21の像担持面21aにはイエローのトナー像、画像形成ユニット20mにおける感光体21の表面にはマゼンタのトナー像、画像形成ユニット20cの感光体21にはシアンのトナー像、画像形成ユニット20kの感光体21にはブラックのトナー像が形成される。
【0016】
またクリーニング部25は、次に説明する転写部30に転写されずに感光体21の像担持面21aに残されたトナーをかき落として収集する。
【0017】
<転写部30>
転写部30は、画像形成部20と並列して配置されている。この転写部30は、回転する無端ベルトとして構成された中間転写ベルト31、中間転写ベルト31に内接された複数のローラー33a~33dおよび一次転写部35、二次転写ローラー37、および除電ローラー39を備えている。さらに転写部30は、各実施形態に特徴的なクリーニングユニット100(200,300,400)を備える。これらの各部材の構成は、次のようである。
【0018】
[中間転写ベルト31]
中間転写ベルト31は、水平方向に延設された複数のローラー33a~33dに掛け渡され、外周面がトナー像を保持する像担持面31aとして用いられる像担持体である。中間転写ベルト31は、画像形成部20の各感光体21と逆方向に回転し、感光体21の全てに像担持面aを順次に接触させる状態で配置されている。このような中間転写ベルト31は、像担持面31aを垂直な面内において回転させ、像担持面31aを垂直方向に移動させる。
【0019】
[一次転写部35]
一次転写部35は、中間転写ベルト31の内周側で、各画像形成部20の感光体21と対向するそれぞれの位置において、各感光体21との間に移動する中間転写ベルト31を挟持する状態で配置されている。これらの一次転写部35は、トナーと反対の極性の電圧が印加され、これにより感光体21上に付着した各色のトナーを中間転写ベルト31上に順次に転写させてカラー画像を形成する。
【0020】
[二次転写ローラー37]
二次転写ローラー37は、中間転写ベルト31の外周側において、1つのローラー33cとの間に中間転写ベルト31を挟持する状態で配置されている。二次転写ローラー37とローラー33cとが接触するニップ部は、中間転写ベルト31の像担持面31a上に形成されたトナー画像を、以降に説明する用紙供給部50から搬送された記録紙Pに転写する転写位置となる。
【0021】
[除電ローラー39]
除電ローラー39は、中間転写ベルト31の回転方向おける二次転写ローラー37の下流側で、かつ一次転写部35の上流側において、中間転写ベルト31を挟持する状態で設けられ、中間転写ベルト31の電荷を除去する。
【0022】
[クリーニングユニット100(200,300,400)]
クリーニングユニット100(200,300,400)は、中間転写ベルト31の回転方向おける二次転写ローラー37の下流側で、かつ除電ローラー39の上流側において、中間転写ベルト31の像担持面31aに対向して設けられる。これらの各クリーニングユニット100(200,300,400)は、像担持面31aが略垂直に移動する位置において、像担持面31aの幅方向にわたって水平方向に延設され、記録紙P上に転写されずに像担持面31a上に残ったトナーを除去する。これらの各クリーニングユニット100(200,300,400)の構成は、以降の各実施形態において詳細に説明する。
【0023】
<定着部40>
定着部40は、次に説明する用紙供給部50から搬送された記録紙Pの搬送方向に対して、転写部30における二次転写ローラー37の下流側に配置されている。この定着部40は、二次転写ローラー37から供給された記録紙Pを加熱した状態でニップして搬送し、記録紙Pに転写されたトナー像を記録紙Pに定着させる。また、トナー像を定着させた記録紙Pを筐体10の外部に排出する。
【0024】
<用紙供給部50>
用紙供給部50は、転写部30における二次転写ローラー37に近接して配置されている。この用紙供給部50は、記録紙Pを収納するカセット51と、カセット51に収納された記録紙Pを送り出す送り出しローラー53、送り出しローラー53で送り出された記録紙Pを搬送する搬送ローラー55とを備えている。そして搬送ローラー55により、二次転写ローラー37とローラー33cとの間における中間転写ベルト31の外周側に、中間転写ベルト31と共に記録紙Pを挟持させる。
【0025】
以上のような構成の画像形成装置1(2,3,4)は、以降の各実施形態で説明するクリーニングユニット100(200,300,400)を備えているところが特徴的である。以下、各実施形態において、クリーニングユニット100(200,300,400)の詳細を説明する。なお、各実施形態において、
図1を用いて説明した概略構成の詳細な説明は省略し、さらに各実施形態における共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
≪第1実施形態≫
図2は、第1実施形態の画像形成装置1に設けられたクリーニングユニット100を説明するための
図1の
図1の[A]部拡大図拡大図である。また
図3は、第1実施形態の画像形成装置1に設けられたクリーニングユニット100を説明するための模式図である。以下、
図2、
図3に基づいて、先の
図1を参照しつつ、第1実施形態の画像形成装置1に設けられたクリーニングユニット100の構成を説明する。
【0027】
クリーニングユニット100は、1つの筐体101によって、垂直方向に配列された複数のサブユニット102を一体に保持した構成のものである。ここでは2つのサブユニット102を中間転写ベルト31の移動方向に沿って垂直方向に配列した例を図示したが、これに限定されることはなく3つ以上のサブユニット102を配列してもよい。このクリーニングユニット100は、サブユニット102の他に、サブユニット102間を連通する連通管103と、排出管104とを備える。以下、クリーニングユニット100を構成するこれらの部材の構成を説明する。
【0028】
<サブユニット102>
サブユニット102は、それぞれがクリーニングユニットを構成するものであって、ここでは上部に配置された上部ユニット102aと、その下部に配置された下部ユニット102bとの2つである。下部ユニット102bは、最下部に配置されたサブユニットとなる。
【0029】
これらの各サブユニット102は、搬送型のクリーニングユニットであり、転写部30における中間転写ベルト31の像担持面31aに残留したトナーを除去するためのものである。このような各サブユニット102は、トナー収集路105内に、クリーニング部材106、およびトナー搬送部材107と収容した構成である。以下においては、先ずこれらの部材を説明する。
【0030】
[トナー収集路105]
トナー収集路105は、中間転写ベルト31の像担持面31aに向かって開口する断面U字管状のものであり、次に説明するクリーニング部材106で掻き取られて落下するトナーを、底部において受け止めて収集する。トナー収集路105は、像担持面31aの幅方向にわたって水平方向に延設されている。このようなトナー収集路105は、クリーニング部材106およびトナー搬送部材107を収容可能な範囲で小型に形成されることが好ましい。このため、トナー収集路105は、次に説明するクリーニング部材106およびトナー搬送部材107を収容可能な大きさであればよい。なお、各サブユニット102のトナー収集路105は、同一形状のものであってよいが、外部へのトナーの飛散を防止するために異なる構成としてもよい。
【0031】
また、特に最下部に配置されたサブユニットである下部ユニット102bのトナー収集路は、トナーの搬送方向[x]の最下流部にトナーの排出口105-1を備えている。
【0032】
[クリーニング部材106]
クリーニング部材106は、中間転写ベルト31の像担持面31aに静電吸着されたトナーを掻き取るための部材であり、像担持面31aの幅方向にわたって水平方向に延設されている。このようなクリーニング部材106は、像担持面31aに当接されるクリーニングブレードであるか、またはクリーニングブラシである。クリーニングブラシであれば、構成が簡略化でき部品点数を少なくできる。クリーニングブラシであれば、配置エリアを縮小できるため、クリーニングユニット100を小型化できる。
【0033】
[トナー搬送部材107]
トナー搬送部材107は、クリーニング部材106の下部において、トナー収集路105の底部に沿って配置され、クリーニング部材106によってトナー収集路105内に掻き落されたトナーを搬送する。このトナー搬送部材107は、例えばスクリュー形状のものであり、トナー収集路105の延設方向のうちの一方向に向かってトナーを搬送する。
【0034】
また、各サブユニット102において、トナー搬送部材107は、
図3中に矢印で示す同一の搬送方向[x]にトナーを搬送するように設置されていることとする。
【0035】
<連通管103>
連通管103は、上部ユニット102aのトナー収集路105から、下部ユニット102bのトナー収集路105にトナーを落下させるように敷設された管状体である。このような連通管103は、上部ユニット102aのトナー収集路105の底部から下方に延設される。連通管103の下端部103aは、下部ユニット102bのトナー収集路105内においてクリーニング部材106に対して、上下方向に重ならない位置に垂下されている。これにより、下部ユニット102bのクリーニング部材106に、上部ユニット102aのトナー搬送部材107で搬送されたトナーが落下することはなく、下部ユニット102bのクリーニング部材106によるトナーの除去性能を保つことができる。
【0036】
また連通管103の下端部103aは、下部ユニット102bにおけるクリーニング部材106を介して、中間転写ベルト31の像担持面31aの逆側において、クリーニング部材106と水平方向に重なる位置に配置されている。これにより、クリーニングユニット100の延設方向の長さを抑えることができる。
【0037】
なお、連通管103は、直管である必要はなく、上部ユニット102aのトナー収集路105から、下部ユニット102bのトナー収集路105にトナーを落下させることが可能な範囲で屈曲した形状のものであってもよい。
【0038】
また本第1実施形態において、連通管103は、トナー収集路105の端部に配置されており、ここでは各サブユニット102におけるトナーの搬送方向[x]の最下流部に配置されていることとする。これにより各サブユニット102で収集したトナーを、連通管103によって最下流部で合流させ、下部ユニット102bのトナー収集路105の排出口105-1から排出することができる。
【0039】
<排出管104>
排出管104は、クリーニングユニット100内のトナーが、廃トナー回収箱60に排出されるように敷設された管状体である。この排出管104は、下部ユニット102bのトナー収集路105の排出口105-1に接続され、トナー収集路105の底部から外側に延設された状態で設けられる。また排出管104は、先端部が廃トナー回収箱60に接合される構成となっている。
【0040】
ここで廃トナー回収箱60とは、回収された廃トナーを貯留し、貯留した廃トナーの量が満杯になった場合に交換される部材であって、排出管104に対して自在に接続される。この廃トナー回収箱60は、排出管104の先端部を嵌入する開口部60aを備える。このような廃トナー回収箱60は、
図1に示した画像形成装置1において、クリーニングユニット100の手前側または奥側の何れに配置されてもよい。また
図1が、画像形成装置1を操作するオペレーターが側から見た図であり、オペレーター側を手前側とした場合、廃トナー回収箱60の配置位置であって排出管104および連通管103の配置位置は、画像形成装置1の手前側であっても奥側であってもよい。
【0041】
なお、排出管104は、クリーニングユニット100を構成する部材に限定されることはなく、廃トナー回収箱60に設けられたものであっても良い。この場合、廃トナー回収箱60側に設けられた排出管104の先端が、下部ユニット102bのトナー収集路105の排出口105-1に接続される構成となる。
【0042】
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態のクリーニングユニット100は、上下の各サブユニット102のトナー収集路105間を連通管103で連通させた構成である。これより、上部ユニット102aから下部ユニット102bのクリーニング部材106へのトナーの落下を防止し、かつ各トナー収集路105のトナーを1つの排出口105-1から排出することができる。したがって、垂直方向の下部に配置された下部ユニット102bのクリーニング部材106よるクリーニング性能を確保しつつも、トナーの排出口105-1と廃トナー回収箱60との位置決めおよび接続を容易とすることが可能である。
【0043】
≪第2実施形態≫
図4は、第2実施形態の画像形成装置2に設けられたクリーニングユニット200を説明するための模式図である。
図4に示す第2実施形態のクリーニングユニット200が、
図3に示した第1実施形態のクリーニングユニット100と異なるところは、トナーの搬送方向および連通管103の設置位置にある。他の構成は同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0044】
すなわち、各サブユニット102において、上部ユニット102aのトナー搬送部材107’は、
図4中に矢印で示すように、下部ユニット102bのトナー搬送部材107とは逆の搬送方向[-x]にトナーを搬送するように構成されている。すなわち、上部ユニット102aのトナー搬送部材107’は、排出管104が配置されている廃トナー回収箱60との接合部側を上流側とした搬送方向[-x]に、トナーを搬送するように設けられている。
【0045】
また、連通管103は、第1実施形態と同様のものである。この連通管103は、上部ユニット102aにおけるトナーの搬送方向[-x]の最下流部と、下部ユニット102bにおけるトナー搬送方向[x]の最上流部との間に配置されることとなる。これにより、上部ユニット102aのトナー収集路105と、下部ユニット102bのトナー収集路105とが、連通管103によって直列に繋ぎ合わされて連続する1つのトナー収集路が構成される。
【0046】
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態のクリーニングユニット200は、上下に隣接して配置された各サブユニット102におけるトナーの搬送方向[x],[-x]を逆向きとした構成である。これにより、トナーの排出口105-1までの間に、各サブユニット102のトナー収集路105で集められた大量のトナー同士が合流する部分が発生することがない。したがって、第1実施形態の効果に加え、さらに排出口105-1までのトナーの搬送を、滞らせることなくスムーズなものとすることが可能である。
【0047】
≪第3実施形態≫
図5は、第3実施形態の画像形成装置3に設けられたクリーニングユニット300を説明するための
図1の[A]部拡大図である。また
図6は、第3実施形態の画像形成装置3に設けられたクリーニングユニット300を説明するための模式図である。これらの
図5および
図6に示す第3実施形態のクリーニングユニット300が、
図3に示した第1実施形態のクリーニングユニット100と異なるところは、トナー収集路105Aおよびトナー搬送部材107Aの延設長さにある。他の構成は同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0048】
すなわち、各サブユニット102において、トナー搬送部材107Aは、クリーニング部材106よりも延設方向の長さが大きく、同一の水平方向に突出して設けられている。これらのトナー搬送部材107Aは、クリーニング部材106に対して、トナーの搬送方向[x]において突出して配置されていることとする。
【0049】
なお、各サブユニット102において、このようなサイズのトナー搬送部材107Aを収容するトナー収集路105Aは、第1実施形態のものよりも大きなものとなる。また、連通管103は、第1実施形態と同様のものであり、同様の位置の位置であって各サブユニット102におけるトナーの搬送方向[x]の最下流部に配置される。これにより、連通管103は、クリーニング部材106に対してトナー搬送部材107Aが水平方向に突出している位置に設けられ、クリーニング部材106よりもトナーの搬送方向[x]の下流側に配置することができる。
【0050】
<第3実施形態の効果>
以上第3実施形態の構成によれば、連通管103は、クリーニング部材106よりもトナーの搬送方向[x]の下流側に配置することができる。これにより第1実施形態の効果に加え、さらにクリーニングユニット100の厚みであって、像担持面31aの法線方向の大きさを縮小することが可能となる。
【0051】
≪第4実施形態≫
図7は、第4実施形態の画像形成装置4に設けられたクリーニングユニット400を説明するための模式図である。
図7に示す第4実施形態のクリーニングユニット400は、
図5および
図6に示した第3実施形態のクリーニングユニット300の変形例であり、第3実施形態の構成に第2実施形態の構成を組み合わせた例である。
図7に示す第4実施形態のクリーニングユニット400が、
図5および
図6に示した第3実施形態のクリーニングユニット300と異なるところは、トナーの搬送方向および連通管103の設置位置にある。他の構成は同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0052】
クリーニングユニット400の各サブユニット102において、上部ユニット102aのトナー搬送部材107A’は、
図7中に矢印で示すように、下部ユニット102bのトナー搬送部材107Aとは逆の搬送方向にトナーを搬送するように設置されている。すなわち、上部ユニット102aのトナー搬送部材107A’は、排出管104が配置されている廃トナー回収箱60との接合部側を上流側とした搬送方向[-x]に、トナーを搬送するように配置されている。
【0053】
また各サブユニット102において、トナー搬送部材107A,107A’は、クリーニング部材106に対して、排出管104が配置されている側とは逆側に突出して配置されていることとする。つまり上部ユニット102aにおいて、トナー搬送部材107A’はクリーニング部材106に対してトナーの搬送方向[-x]に突出して配置されている。一方、下部ユニット102bにおいて、トナー搬送部材107Aはクリーニング部材106に対してトナーの搬送方向[x]とは逆側に突出して配置されている。
【0054】
また、連通管103は、第1実施形態と同様のものである。ただしこの連通管103は、上部ユニット102aにおけるトナーの搬送方向[-x]の最下流部と、下部ユニット102bにおけるトナー搬送方向[x]の最上流部との間に配置されていることとする。これにより、上部ユニット102aのトナー収集路105Aと、下部ユニット102bのトナー収集路105Aとが、連通管103によって直列に繋ぎ合わされて連続する1つのトナー収集路が構成される。
【0055】
<第4実施形態の効果>
以上第4実施形態の構成によれば、第3の効果に加えさらに第2実施形態の効果であって、したがって、第1実施形態の効果に加え、さらに排出口105-1までのトナーの搬送を、滞らせることなくスムーズなものとすることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1,2,3,4…画像形成装置
31…中間転写ベルト(像担持体)
31a…像担持面
60…廃トナー回収箱
100,200,300,400…クリーニングユニット
101…筐体
102…サブユニット
102a…上部ユニット(上部に配置されたサブユニット)
102b…下部ユニット(下部、最下部に配置されたサブユニット)
103…連通管
103a…連通管の下端部
104…排出管
105,105A…トナー収集路
105-1…排出口
106…クリーニング部材
107,107’,107A,107A’…トナー搬送部材
[x]、[-x]…搬送方向