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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015963
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】梱包製品及び梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B65D81/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119172
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】507265281
【氏名又は名称】ジャパン・プラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(72)【発明者】
【氏名】笠倉 大二郎
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA34
3E066CA01
3E066CA03
3E066DB02
3E066FA13
3E066HA01
3E066HA03
3E066JA03
3E066KA01
3E066KA08
3E066NA43
3E066NA48
3E066NA60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】搬送時の緩衝作用に優れ、いかなる形状の被包装物品にも適用することができ、梱包時に別途固定部材を必要とせず、梱包が容易であり、かつ透視性に優れ、梱包状態でもワインボトル等に高級感を付与しうる梱包製品、好ましくは梱包紙製品を提供すること。
【解決手段】単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であり、(1)ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備えた梱包製品、(2)ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士が固着されており、両端辺部同士が固着されて筒状となったハニカム層素材からなる梱包製品、及び(3)ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部が、筐体の両内側面にそれぞれ固着されている梱包製品。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、
前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備え、
前記ハニカム層を物品に巻き付け、前記係止具で係止することで前記物品を保持することを特徴とする梱包製品。
【請求項2】
係止具が、両端辺部各々に複数個がそれぞれ対向して設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一対の切欠きを介して一体化されている一連の掛止片と、弾性部材とから構成され、
一方の端辺部の掛止片と他方の端辺部の掛止片の切欠き同士を長手方向に1又は2以上の弾性部材により掛止させることを特徴とする請求項1に記載の梱包製品。
【請求項3】
係止具が、両端辺部各々に複数個がそれぞれ互い違いに設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一対の切欠きを介して一体化されている一連の掛止片であって、
一方の端辺部の掛止片と他方の端辺部の掛止片の切欠き同士を互いに掛止させることを特徴とする請求項1に記載の梱包製品。
【請求項4】
係止具が、一方の端辺部に設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一体化されている1又は2以上の舌片の先端側中央に設けられた半円形の切込みにより形成される引掛け部を有する掛止片と、他方の端辺部に設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一体化されており、前記引掛け部と協働して異なる大きさの物品を係止しうる複数の切込みを備えた掛止平板とからなり、
半円形の立設した引掛け部を掛止平板に設けられた切込みに嵌入して掛止させることを特徴とする請求項1に記載の梱包製品。
【請求項5】
単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、
前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士が固着されており、
両端辺部同士が固着されて筒状となったハニカム層素材の中に物品を装入して保持することを特徴とする梱包製品。
【請求項6】
ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の一端辺部が、筐体の一内側面に固着されていることを特徴とする請求項5に記載の梱包製品。
【請求項7】
単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、
前記ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部が、筐体の両内側面にそれぞれ固着されており、
両端辺部が固着されているハニカム層素材と筐体底部の間に物品を装入して保持することを特徴とする梱包製品。
【請求項8】
ハニカム層素材がハニカム層紙素材であり、梱包製品が梱包紙製品であることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載の梱包製品。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか記載の梱包製品に物品を保持させることを特徴とする梱包方法。
【請求項10】
物品がワインボトルであることを特徴とする請求項9記載の梱包方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部衝撃による被包装物品の損傷を防止する梱包製品及び該梱包製品を用いた梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワインボトル等の瓶の包装や梱包としては、包装用箱内のボトルが動かないように固定する方法がよく知られている(例えば、特許文献1~6)。その他、包装機能に加えて、ワインボトルを取り出した包装容器にワインラックの機能を具備した包装容器も提案されている(例えば、特許文献7)。しかし、透視性に優れ、梱包状態でもワインボトル等に高級感を付与しうる梱包製品は知られていなかった。
【0003】
他方、従来の包装用緩衝材には、一般に、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等の合成樹脂材から製造され、被包装物品の形状に合わせて成形加工を施したものが使用されている。しかしながら、この合成樹脂材の包装用緩衝材では、被包装物品の形状に応じて、その都度、新たに包装用緩衝材を製造しなければならない。また、焼却処理時において有毒ガスを発生する可能性があるため、環境保全の観点から好ましくなく、さらに、包装(梱包)時に嵩が大きくなるため、輸送効率及び保管効率の観点からも好ましくなかった。
【0004】
そこで、合成樹脂材の包装用緩衝材に代えて、紙材料による包装用緩衝材、取り分け、被包装物品に対して最適な衝撃強度を提供する、紙材料によるハニカム構造の緩衝材が開示されている(例えば、特許文献8)。特許文献8には、段ボール紙製の長方形状板体の幅方向を2分割、長手方向を3分割し、さらに、断面ハニカム状の紙製緩衝材を、段ボール紙製の長方形状板体の一側面において長手方向の両端部及び中間部において幅方向に横切るように分割配置した包装用緩衝材(緩衝体)が開示されている(図8(a))。ただし、この特許文献8の緩衝体では、被包装物品の保管時や輸送時に被包装物品を包装する上で、図8(b)に示されるように、緩衝体の外側面(即ち、断面ハニカム状の紙製緩衝材が配置されていない面)を被包装物品の表面に当接した後に、別途、結束バンド又は紐等の固定部材で固定しなければならず、作業者の作業負担が増大することになる。
【0005】
この問題に対応するハニカム構造の緩衝材(梱包紙製品)として、特許文献9には、一対の可撓性側部材の間に伸展する、上下に重なった拡張可能なハニカム層を含む梱包紙製品であって、可撓性側部材は2つの別個の細長い平坦なストリップであり、ハニカム層が拡張される場合に、上記可撓性側部材はそれぞれ互いに独立して移動する、湾曲プロファイルを採用した梱包紙製品が開示されている(図9)。しかしながら、特許文献9の梱包紙製品では、上下に重なったハニカム層が、所定幅の厚紙で形成された可撓性側部材に取り付けられる構造であることから、被包装物品が、サーフボード等の略直方体平板形状に限定されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-70097号公報
【特許文献2】特開2018-2192号公報
【特許文献3】特開2017-81616号公報
【特許文献4】特開2015-131662号公報
【特許文献5】特開平9-132232号公報
【特許文献6】実用新案登録第3218079号公報
【特許文献7】実全平01-11925号公報
【特許文献8】実全昭58-73768号公報
【特許文献9】WO2018/154291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、搬送時の緩衝作用に優れ、ボトル、電子部品や化粧品の直方体形状の箱など、いかなる形状の被包装物品にも適用することができ、梱包時に別途固定部材を必要とせず、梱包が容易であり、かつ透視性に優れ梱包状態でもワインボトル等に高級感を付与しうる梱包製品、好ましくは梱包紙製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、ワインボトルの搬送時の緩衝作用に優れ、かつ梱包作業が容易であり、加えて透視性に優れた梱包素材として単層の一方向に拡張可能なハニカム層紙素材に注目し、かかるハニカム層紙素材を利用した梱包紙製品について検討することにした。そして、単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接ボトルに接触する梱包紙製品とし、前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備える構造として、前記ハニカム層を直接ボトルに巻き付け、前記係止具で係止したボトルを収納箱に詰めてから搬送したところ、ハニカム層の緩衝作用によりボトルやボトル表面のラベルに損傷はなく、また開蓋後はハニカム構造の優れた透視性により、ワインに高級感を与えることができることを見いだした。
【0009】
続いて本発明者は、上記梱包紙製品から係止具を省略し、前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士を固着してハニカム層からなる筒状物とし、筒状となったハニカム層素材の中にボトルを装入することや、ハニカム層紙素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部を、筐体の両内側面にそれぞれ固着し、両端辺部が固着されているハニカム層素材と筐体底部の間にボトルを装入することで、搬送時にハニカム層の緩衝作用によりボトルやボトル表面のラベルに損傷はなく、また開蓋後はハニカム構造の優れた透視性により、ワインに高級感を与えることができることを見いだした。
【0010】
本発明は、以上の知見によって完成するに至ったもので、以下の発明特定事項により特定されるとおりのものである。
[1]単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備え、前記ハニカム層を物品に巻き付け、前記係止具で係止することで前記物品を保持することを特徴とする梱包製品。
[2]係止具が、両端辺部各々に複数個がそれぞれ対向して設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一対の切欠きを介して一体化されている一連の掛止片と、弾性部材とから構成され、一方の端辺部の掛止片と他方の端辺部の掛止片の切欠き同士を長手方向に1又は2以上の弾性部材により掛止させることを特徴とする上記[1]に記載の梱包製品。
[3]係止具が、両端辺部各々に複数個がそれぞれ互い違いに設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一対の切欠きを介して一体化されている一連の掛止片であって、一方の端辺部の掛止片と他方の端辺部の掛止片の切欠き同士を互いに掛止させることを特徴とする上記[1]に記載の梱包製品。
[4]係止具が、一方の端辺部に設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一体化されている1又は2以上の舌片の先端側中央に設けられた半円形の切込みにより形成される引掛け部を有する掛止片と、他方の端辺部に設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板に一体化されており、前記引掛け部と協働して異なる大きさの物品を係止しうる複数の切込みを備えた掛止平板とからなり、半円形の立設した引掛け部を掛止平板に設けられた切込みに嵌入して掛止させることを特徴とする上記[1]に記載の梱包製品。
[5]単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士が固着されており、両端辺部同士が固着されて筒状となったハニカム層素材の中に物品を装入して保持することを特徴とする梱包製品。
[6]ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の一端辺部が、筐体の一内側面に固着されていることを特徴とする上記[5]に記載の梱包製品。
[7]単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、前記ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部が、筐体の両内側面にそれぞれ固着されており、両端辺部が固着されているハニカム層素材と筐体底部の間に物品を装入して保持することを特徴とする梱包製品。
[8]ハニカム層素材がハニカム層紙素材であり、梱包製品が梱包紙製品であることを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか記載の梱包製品。
[9]上記[1]~[8]のいずれか記載の梱包製品に物品を保持させることを特徴とする梱包方法。
[10]物品がワインボトルであることを特徴とする上記[9]記載の梱包方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送時の緩衝作用に優れ、梱包が容易で、かつ別途固定部材を必要とすることがなく、また、ボトル、電子部品や化粧品の直方体形状の箱など、いかなる形状の被包装物品にも適用することができるが、特にワインボトル形状、直方体形状の被包装物品の梱包に適しているうえ、ハニカム層は透視性に優れており、梱包されたワインに高級感を付与することができる(図10参照)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明において使用されるハニカム層について説明するための図である。
図2】第1実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図3】第2実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図4】第3実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図5】第4実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図6】第5実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図7】第6実施形態に係る梱包紙製品を示す図である。
図8】従来の梱包紙製品を示す図である。
図9】従来の梱包紙製品を示す図である。
図10】ハニカム層が透視性に優れていることを示す梱包ボトルの写真である。
図11】ハニカム層が透視性に優れていることを示す梱包電子部品の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において「単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材」は、図1に示すように、正六角柱(正六角筒)を隙間なく並べたハニカム構造体を有し、図1(a)は、伸展(拡張)前のハニカム層1Aを示し、図1(b)は、図1(a)の状態から、ハニカム層紙素材を拡張(伸展)可能な一方向に拡張したときのハニカム層1Bを示している。また、正六角柱の一片の長さや高さは特に制限されないが、長さや高さとも5~15mm、好ましくは10mmを例示することができる。またハニカム層の素材としては、樹脂(プラスチック)素材も用いることができるが、使用後の廃棄処理を考慮すると紙素材が好ましい。ハニカム層紙素材としては、市販品を有利に用いることができ、例えばクラフト紙を六角形のハチの巣状に連続成型積層したハニカムコアであるハニコーム-P(新日本フェザーコア株式会社製)を好適に例示することができる。また、物品の形状としては、ボトル、円柱、楕円柱、球、立方体、直方体、角柱、円錐、円錐台、角錐、角錐台等を例示することができる。
【0014】
本発明の梱包製品は、単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であるという共通事項を有し、(1)前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備え、前記ハニカム層を物品に巻き付け、前記係止具で係止することで前記物品を保持する梱包製品(以下「係止型梱包製品」ということがある)、(2)前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士が固着されており、両端辺部同士が固着されて筒状となったハニカム層素材の中に物品を装入して保持する梱包製品(以下「筒状梱包製品」ということがある)、及び(3)前記ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部が、筐体の両内側面にそれぞれ固着されており、両端辺部が固着されているハニカム層素材と筐体底部の間に物品を装入して保持することを特徴とする梱包製品(以下「筐体型梱包製品」ということがある)、である。
【0015】
上記(1)係止型梱包製品としては、ハニカム層の拡張方向の両端辺部に、該両端辺部同士を着脱自在に係止する係止具を備えるものであればどのようなものでもよく、以下に示す(11)弾性部材使用タイプ、(12)嵌め込め合いタイプ、(13)ベルトタイプの他にも、例えば、ハニカム層の拡張方向の両端辺部の長辺の一片を磁石とし、長辺の他片を磁石又は磁性体とする磁石タイプや、ハニカム層の拡張方向の一方の端辺部を長辺にわたり断面U字状(J字状)とし、他方の端辺部を長辺にわたり断面逆U字状(逆J字状)とし、断面U字状(J字状)部と断面逆U字状(逆J字状)とで協働して両端辺部同士を係止するU字(J字)タイプや、ハニカム層の拡張方向の一方の端辺部の長辺の2ヶ所以上、対向する他方の端辺部の長辺の2ヶ所以上にそれぞれ紐を固着して、紐同士を結ぶことにより両端辺部同士を係止する紐タイプを挙げることができる。
【0016】
上記(11)弾性部材使用タイプとしては、図2に示されているように、係止具が、両端辺部2,2の各々に複数個がそれぞれ対向して設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板3,3に一対の切欠き4,4を介して一体化されている一連の掛止片5,5,5,5と、輪ゴム等の弾性部材6とから構成され、一方の端辺部の掛止片5,5と他方の端辺部の掛止片5,5の切欠き同士4,4を長手方向に1又は2以上の弾性部材6により掛止させるタイプである。係止時には一方の端辺部の掛止片5,5と他方の端辺部の掛止片5,5を並列した状態で係止してもよいが、重ね合わせた状態で弾性部材6により係止することが好ましい。並列した状態で係止する場合、一方の端辺部の掛止片5の切欠き4と他方の端辺部の掛止片5の切欠き4に弾性部材6を襷掛けすればよく、重ね合わせた状態で係止する場合、重複した掛止片5の切欠き4に弾性部材6を長手方向に掛ければよい。図2には、両端辺部2,2各々に2つずつ合計4片の掛止片5,5,5,5が設けられている係止具が示され、図2(a)は梱包前の梱包製品を、図2(b)は一方の端辺部の掛止片5,5と他方の端辺部の掛止片5,5とが重ね合わせた状態で、ボトルb(破線)を梱包した後の梱包製品を示している。ボトルb(破線)を梱包した後の梱包製品は、通常包装箱に収容される。
【0017】
上記(12)嵌め込め合いタイプとしては、図3に示されているように、係止具が、両端辺部2,2の各々に複数個がそれぞれ互い違いに設けられている、端辺部方向に沿った端辺基板3,3に一対の切欠き7,7を介して一体化されている一連の掛止片8,8であって、一方の端辺部2の掛止片8と他方の端辺部2の掛止片8の切欠き7,7同士を互いに嵌め込め合わせて掛止させるタイプである。掛止片8,8の形状は特に制限されず、例えば、端辺部方向に長い角丸長方形の一方の長辺部が端辺基板3,3に切欠き7,7を介して一体化されている掛止片8,8や、端辺基板3,3に台形の上底が一体化されている掛止片8,8を挙げることができる。図3(a)は梱包前の梱包製品を、図3(b)はボトルb(破線)を梱包した後の梱包製品を示している。ボトルb(破線)を梱包した後の梱包製品は、通常包装箱に収容される。
【0018】
上記(13)ベルトタイプとしては、図4に示されているように、係止具は掛止舌片9と掛止平板10から構成され、これら掛止舌片9と掛止平板10が協働して係止具となる。上記掛止舌片9は、一方の端辺部2に設けられ、端辺部方向に沿った端辺基板3に一体化され、その先端側中央に設けられた半円形の切込み11から立設することにより形成される引掛け部を有する。図4には、2つの掛止舌片を有する係止具が示されている。他方、上記掛止平板10は、ハニカム層を介して掛止舌片9とは反対側の端辺部2に設けられ、端辺部方向に沿った端辺基板3に一体化され、端辺部近傍に設けられた掛止平板10の切込みガイド12、及び前記引掛け部と協働して異なる大きさの物品を係止しうる複数の切込み13をハニカム層の拡張方向に有している。図4(a)には、2列で各列6個の切込み13が図示されている。
【0019】
このベルトタイプの係止具を用いた梱包製品による梱包の様子が図4(b)の下から上の順に示されている。先ずボトルbをハニカム層1の上に載置する。2つの掛止舌片9を掛止平板10の2つの切込みガイド12のそれぞれに挿通する。次いで、2つの掛止舌片9と掛止平板10を相対的に逆回転させてボトルbを締め付けていく。ボトルbの締め付けが終了し、ボトルbがハニカム層により固定される時点で、前記半円形の切込み11から引掛け部を立設させ、直近の掛止平板10の切込み13に嵌入することにより、掛止舌片9と掛止平板10とが掛止される。
【0020】
上記(2)筒状梱包製品としては、単層の一方向に拡張可能なハニカム層素材を物品保持主体とし、かつハニカム層素材が直接物品に接触する梱包製品であって、前記ハニカム層の拡張方向の両端辺部同士が固着されており、両端辺部同士が固着されて筒状となったハニカム層素材の中に物品を装入して保持することを特徴とする。両端辺部同士の固着は、ハニカム層の端辺部同士を接着剤により固着することもできるが、端辺部方向に沿った端辺基板を介して接着剤により固着することもできる。図5(a)には、ボトルbを装入前の梱包製品が、図5(b)には、ボトルbを装入後に、装飾用のリボンが巻かれた梱包製品が、それぞれ示されている。この筒状梱包製品は、前記(1)係止型梱包製品と異なり、係止具が存在しないので、梱包が容易であり、かつワインボトルを立てた状態の梱包状態において高級感を有する。
【0021】
次に、図6に、上記筒状梱包製品のハニカム層の拡張方向の一端辺部が、筐体14の一内側面に固着されている梱包製品を示す。図6(a)には、ボトルbを装入前の梱包製品が、図6(b)には、ボトルbを装入後の収納梱包体がそれぞれ示されている。この筐体一体型筒状梱包製品を用いると、ボトルの梱包と当該梱包体の収納箱への収納がほぼ同時に達成することができる。端辺部と同士の固着は、ハニカム層の端辺部同士を接着剤により固着することもできるが、端辺部方向に沿った端辺基板を介して接着剤により固着することもできる。
【0022】
上記(3)筐体型梱包製品としては、図7に示すように、ハニカム層素材のハニカム層の拡張方向の両端辺部2,2が、筐体14の両内側面15にそれぞれ固着されており、両端辺部2,2が固着されているハニカム層素材と筐体底部の間に物品を装入して保持することを特徴とする。上記端辺部2と筐体内側面15との固着は、ハニカム層の端辺部2と筐体内側面15を接着剤により固着することもできるが、端辺部方向に沿った端辺基板3を介して接着剤により固着することもできる。図7(a)には、端辺基板3を備えたハニカム層素材を筐体14に固着する前の様子が、図7(b)には、筐体型梱包製品のハニカム層素材を上に持ち上げて物品を装入後の収納梱包体がそれぞれ示されている。
【符号の説明】
【0023】
1A 伸展(拡張)前のハニカム層
1B 一方向に拡張したときのハニカム層
2 ハニカム層の端辺部
3 ハニカム層の端辺部方向に沿った端辺基板
4 弾性部材により掛止させるタイプの、端辺基板に設けられた一対の切欠き
5 弾性部材により掛止させるタイプの、端辺基板に設けられた掛止片
6 弾性部材
7 嵌め込め合わせて掛止させるタイプの、端辺基板に設けられた一対の切欠き
8 嵌め込め合わせて掛止させるタイプの、端辺基板に設けられた掛止片
9 掛止舌片
10 掛止平板
11 半円形の切込み
12 掛止平板の切込みガイド
13 掛止平板の複数の切込み
14 筐体
15 筐体内側面
b ボトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11