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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159634
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】給換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20221011BHJP
   F24F 11/83 20180101ALI20221011BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063940
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】519220593
【氏名又は名称】有限会社住空想建築工房
(71)【出願人】
【識別番号】515037069
【氏名又は名称】神港テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿一
(72)【発明者】
【氏名】北川 寛典
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L260CA17
3L260FC03
(57)【要約】
【課題】 二酸化炭素センサを任意の位置に配置することができ対象空間をより適切に換気することができる空調システムを提供する。また、表示装置に二酸化炭素濃度がタイムリーに表示され、視認性が高まり、ひと目で二酸化炭素濃度の変化を認識できるようになり、安全・安心に過ごすことが可能になる。
【解決手段】 本発明の一の態様にかかる給換気システムは、給換気手段と部屋内に配置された二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素センサと、前記給換気扇の風量を制御する制御機と、前記制御機を制御するシステム管理部と、を備え、前記システム管理部は前記二酸化炭素センサの検知結果を表示可能な表示装置を有するものである。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給換気手段と、
室内に配置された二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素センサと、
前記給換気手段の風量を制御する制御部と、
前記制御部を制御するシステム管理部と、を備え、
前記システム管理部は、
前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度データを、該二酸化炭素センサより受信する受信部と、
前記二酸化炭素濃度データを記憶する記憶部と、
前記二酸化炭素濃度データより前記給換気手段の風量を決定する演算部と、
風量データを送信する送信部と、を有する、
給換気システム。
【請求項2】
前記システム管理部は、
前記記憶部に、予め設定された二酸化炭素濃度に応じた給換気風量切換閾値データが保存され、
前記演算部が、前記二酸化炭素センサが検知した二酸化炭素濃度と給換気風量切換閾値とを比較して、前記給換気手段の風量を検定し、
決定した風量の風量データが、前記制御部を介して前記給換気手段に送信される、
請求項1記載の給換気システム。
【請求項3】
前記給換気風量切換閾値は、少なくとも、
給換気風量が強と0の第1切換閾値を有する、
請求項2記載の給換気システム。
【請求項4】
給換気風量の強と0の間に動作すきまが設けられている、
請求項3記載の給換気システム。
【請求項5】
前記給換気風量切換閾値は、少なくとも、
給換気風量が強と弱の第1切換閾値と、
前記第1切換閾値より低い、給換気風量が弱と0の第2切換閾値とを有する、
請求項2記載の給換気システム。
【請求項6】
給換気風量の強と弱の間、給換気風量の弱と0の間、に動作すきまが設けられている、
請求項5記載の給換気システム。
【請求項7】
前記給換気風量切換閾値は、少なくとも、
給換気風量が強と中の第1切換閾値と、
前記第1切換閾値より低い、給換気風量が中と弱の第2切換閾値と、
前記第2切換閾値より低い、給換気風量が弱と0の第3切換閾値とを有する、
請求項2記載の給換気システム。
【請求項8】
給換気風量の強と中の間、中と弱の間、に動作すきまが設けられている、
請求項7記載の給換気システム。
【請求項9】
前記制御部は、送出する電気の周波数を可変する可変手段を有し、
前記可変手段により、周波数を制御することで、前記給換気手段の風量を制御する、
請求項1乃至8のいずれか1項記載の給換気システム。
【請求項10】
前記制御部は、電気系統などの電気供給手段と接続されていて、
前記制御部と前記給換気手段と、電源ケーブルにより接続されている、
請求項9記載の給換気システム。
【請求項11】
既設の換気扇を、前記制御部と接続することで、
前記給換気手段とすることが可能である、
請求項10項記載の給換気システム。
【請求項12】
前記システム管理部は、前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度を表示可能な表示部をさらに有し、
前記表示部は、二酸化炭素濃度を数字により表示する、
請求項1乃至11のいずれか1項記載の給換気システム。
【請求項13】
前記表示部は、前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度の変化に応じて、段階的に変色する背景を表示する、
請求項12記載の給換気システム。
【請求項14】
二酸化炭素濃度が高くなるにつれ前記表示装置の背景色が緑から黄、赤色に変色する、
請求項13記載の給換気システム。
【請求項15】
前記制御部と前記システム管理部と前記二酸化炭素センサが、それぞれ有線または無線により接続されている、
請求項1乃至14のいずれか1項記載の給換気システム。
【請求項16】
前記制御部と前記システム管理部とが一体で構成されている、
請求項1乃至14のいずれか1項記載の給換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素センサが感知した二酸化炭素濃度に関するデータを用いて、給換気手段の運転状況を制御するようにした給換気システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)では、特定建築物の居室内の二酸化炭素濃度を1000ppm以下とすることが定められている。この基準を満たすためには、タイマー等で時間を計測して一定期間毎に換気装置を強制運転させる方法もあるが、居室内に人がいない場合等は換気運転が無駄となる。
【0003】
このため、室内中の二酸化炭素濃度を計測する二酸化炭素センサの感知した値に基づいて、換気が必要な場合に換気運転を行い換気装置の需要が高まっている。従来の換気装置は、内蔵された二酸化炭素センサからの計測結果に基づき、室内の二酸化炭素濃度が1000ppmを超えないように換気風量を自動制御している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-50273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1の換気装置では、例えば、室内の天井等といったように室内居住域とは空気の環境が異なる場所に設置されるため、二酸化炭素センサの検知データ(二酸化炭素濃度)と、室内居住域の二酸化炭素濃度とが一致しない場合がある。このため、上記特許文献1に示すように、換気装置に二酸化炭素センサが付設された態様の場合には、室内居住域の二酸化炭素濃度を反映して、室内の換気を実施しにくいという課題があった。
【0006】
また、特許文献1の換気装置は、二酸化炭素の検知手段や熱交換器などが一体に構成されているため、導入コストが非常に大きく、上記のように導入場所も限られるといった課題もあった。
【0007】
このような課題に鑑み、本発明は、二酸化炭素センサを任意の位置に配置することができ、対象空間をより適切に給換気することができる給換気システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様にかかる給換気システムは、給換気手段と、室内に配置された二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素センサと、前記給換気手段の風量を制御する制御部と、前記制御部を制御するシステム管理部と、を備え、前記システム管理部は、前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度データを、該二酸化炭素センサより受信する受信部と、前記二酸化炭素濃度データを記憶する記憶部と、前記二酸化炭素濃度データより前記給換気手段の風量を決定する演算部と、風量データを送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、給換気手段と二酸化炭素センサが別体で構成され、該二酸化炭素センサを室内の任意の位置に配置することができるので、室内環境に応じた位置に二酸化炭素センサを配置することで、室内の二酸化炭素濃度に応じた給換気手段の制御が可能となる。
【0010】
また、この給換気システムは、前記システム管理部が、前記記憶部に予め設定された二酸化炭素濃度に応じた給換気風量切換閾値データが保存され、前記演算部が、前記二酸化炭素センサが検知した二酸化炭素濃度と給換気風量切換閾値とを比較して、前記給換気手段の風量を検定し、決定した風量の風量データが、前記制御部を介して前記給換気手段に送信される。
【0011】
この構成によれば、設定された風量切換閾値に応じて、室内の二酸化炭素濃度に対応する給換気手段の風量とできるので、容易に室内に二酸化炭素濃度を調整でき、快適な室内空間をつくることができる。
【0012】
また、この給換気システムは、前記給換気風量切換閾値が、少なくとも、給換気風量が強と0の第1切換閾値を有する。この構成によれば、室内の二酸化炭素濃度に応じて給換気手段の入り切りができる。また、給換気風量の強と0の間に動作すきまが設けられていることが望ましい。動作すきまを設けることで、出力のバタツキ防止と制御の安定性を図ることができる。
【0013】
また、この給換気システムは、前記給換気風量切換閾値が、少なくとも、給換気風量が強と弱の第1切換閾値と、前記第1切換閾値より低い、給換気風量が弱と0の第2切換閾値とを有する。この構成によれば、室内の二酸化炭素濃度に応じて、少なくとも給換気手段の風量が2段階調整できる。また、給換気風量の強と弱の間、給換気風量の弱と0の間、に動作すきまが設けられていることが望ましい。動作すきまを設けることで、出力のバタツキ防止と制御の安定性を図ることができる。
【0014】
また、この給換気システムは、前記給換気風量切換閾値が、少なくとも、給換気風量が強と中の第1切換閾値と、前記第1切換閾値より低い、給換気風量が中と弱の第2切換閾値と、前記第2切換閾値より低い、給換気風量が弱と0の第3切換閾値とを有する。この構成によれば、室内の二酸化炭素濃度に応じて、少なくとも給換気手段の風量が3段階調整できる。また、給換気風量の強と中の間、中と弱の間、弱と0の間、に動作すきまが設けられていることが望ましい。動作すきまを設けることで、出力のバタツキ防止と制御の安定性を図ることができる。
【0015】
上記した給換気システムによれば、室内の空気環境を快適に維持しつつ、換気量が必要換気量よりも過剰となるのを抑制することが可能となるので、給換気手段の消費電力の低減に寄与することが可能となる。給換気システムは、例えば、暖房時において暖房に要するエネルギーが無駄になるのを抑制することも可能となり、暖房時における消費エネルギーの低減に寄与することが可能になる。また、給換気システムは、冷房時において冷房に要するエネルギーが無駄になるのを抑制することが可能となり、冷房時における消費エネルギーの低減に寄与することが可能になる。
【0016】
また、この給換気システムは、前記制御部が、送出する電気の周波数を可変する可変手段を有し、前記可変手段により、周波数を制御することで、前記給換気手段の風量を制御する。この構成によれば、より簡単な制御で適切に給換気することができる。また、この制御であれば、既存の換気扇などの給換気手段に制御部を接続することで、既存の給換気手段の風量の制御も可能となる。
【0017】
また、この給換気システムは、前記制御部が、電気系統などの電気供給手段と接続されていて、前記制御部と前記給換気手段と、電源ケーブルにより接続されている。この構成によれば、既存の換気扇などの給換気手段に制御部との接続が容易である。
【0018】
また、この給換気システムは、上記のように、既設の換気扇を、前記制御部と接続することで、前記給換気手段とすることが可能である。この構成によれば、室内に既に設置されている既設の換気扇を給換気手段とすることができるので、新規に給換気扇を購入する必要はなくなり、ユーザーのコスト削減を図ることができる。
【0019】
また、この給換気システムは、前記システム管理部が、前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度を表示可能な表示部をさらに有し、前記表示部が、二酸化炭素濃度を数字により表示する。この構成によれば、表示装置に二酸化炭素濃度がタイムリーに表示されるので、視認性が高まり、ひと目で二酸化炭素濃度の変化を認識できるようになり、安全・安心に過ごすことが可能になる。
【0020】
また、この給換気システムでは、前記表示部が、前記二酸化炭素センサにより検知された二酸化炭素濃度の変化に応じて、段階的に変色する背景を表示することが望ましい。また、この給換気システムでは、二酸化炭素濃度が高くなるにつれ前記表示装置の背景色が緑から黄、赤色に変色することがより望ましい。これらにより、さらに視認性が高まる。
【0021】
また、この給換気システムでは、前記制御部と前記システム管理部と前記二酸化炭素センサが、それぞれ有線または無線により接続されている。また、この給換気システムでは、前記制御部と前記システム管理部とが一体で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
よって、本発明の給換気システムによれば、二酸化炭素センサを任意の位置に配置することができ対象空間をより適切に換気することができる給換気システムを提供することができる。また、表示部に二酸化炭素濃度をタイムリーに表示する構成とすれば、視認性が高まり、ひと目で二酸化炭素濃度の変化を認識できるようになり、安全・安心に過ごすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の給換気システムを示す概念図である。
図2】本発明の一実施形態の給換気システムの表示装置を示す図である。
図3】本発明の一実施形態の給換気システムの機能構成を示すブロック図である。
図4】制御部の機能構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態の給換気システムのシステム管理部における処理の手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態の給換気システムの通常連動処理における処理の手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態の給換気システムの通常連動処理における処理の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態の給換気システムにおける動作すきま説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る給換気システムを図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図1は、本実施形態に係る給換気システムを示したものである。ここで例示する給換気システムは、給換気手段2と二酸化炭素センサ3とシステム管理部4と制御部5とを備えている。
【0026】
給換気手段2は、部屋1の室内に対して外気を導入する及び/又は部屋1室内の空気を排出するものであり、外気に面する壁に配設している。本実施形態の給換気システムによれば、給換気手段2として、部屋1室内に既に設置されている既設の換気扇を使用しているので、給換気手段2を新規に購入する必要はなく、コストの削減を図ることができる。なお、新設の換気扇などの給換気手段を用いることもできる。
【0027】
二酸化炭素センサ3は、部屋1室内の二酸化炭素濃度を検知するものであり、部屋1室内の任意の位置に設置することができる。本実施例においては、二酸化炭素センサ3は1台としているが、複数台用意し、同じ室内の異なる場所に設置することもできる。複数台設置することにより二酸化炭素濃度が場所により異なることを的確に認識することができる。
【0028】
システム管理部4は、上述した給換気手段2の風量調節を制御する制御部5に操作量を与えるためのもので、図3に示すように、記憶部41、演算部42、送信部43、受信部44及び表示部45を備えている。なお、図3において、送信部と受信部が複数の構成としているが、これらは1つの送信部と受信部が担う構成であってもよい。
【0029】
記憶部41は、給換気手段2の制御を行うために必要な情報を記憶するものであり、メモリ等である。なお、メモリは一例であり、その他ハードディスクドライブやSDカード等、データを記憶できる装置であれば、特に種類は限定されない。
【0030】
演算部42は、記憶部41に記憶されたデータを用いて、制御部5への制御指令を演算する装置であり、プロセッサ等である。
【0031】
送信部43は、制御部5などへ操作量を送出する装置である。また、送信部43は、二酸化炭素センサ3へBluetooth(登録商標)でデータの通信も行う。受信部44は、制御部5や二酸化炭素センサ3などからデータを受信するものである。システム管理部4と制御部5は、RS485等のシリアル通信で互いに接続されている。また、システム管理部4と制御部5は、WiFi(登録商標)により接続されている。
【0032】
また、受信部44は、二酸化炭素センサ3から計測データの受信も行い、演算部42にデータを与えるものである。なお、これらの通信又は接続手段は一例であり、他の有線接続でも無線接続とすることも可能である。
【0033】
表示部45は、図2に示すように、本実施例においてはタブレットの液晶ディスプレイであり、部屋1室内の二酸化炭素濃度をリアルタイムに数字で表示させるのに加えて、換気状態を表示させる。なお、表示部45は、フォトフレーム型のLEDライトパネルや有機ELパネルであっても良いし大型パネルであっても良い。
【0034】
表示部45の背景色は、二酸化炭素濃度の変化に応じて段階的に変色する。本実施形態においては、二酸化炭素濃度が正常時の背景色を緑に設定し、二酸化炭素濃度が高くなるにつれ緑から黄、赤色などのように変色させる。二酸化炭素濃度が正常時において背景色を緑に設定することで、それを見る人の視覚疲労を回復し、緊張感を和らげて作業効率の向上の効果がある。
【0035】
また、制御部5は、上述した給換気手段2の風量調節を制御するためのもので、図4に示すように、風量調節部51と、送信部52と、受信部53とを備えている。
【0036】
図4に示すように、制御部5の風量調節部51は、上述した給換気手段2の運転状況を制御するためのもので、システム管理部4の送信部43から与えられる風量データに応じた操作量に基づいて、周波数を可変させることで給換気手段2のモータ21及びファン22の回転数が変動し、風量を制御するものである。
【0037】
図5及び図6は、上述したシステム管理部4が実施する処理の内容を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照しながら、給換気システムの動作について説明する。
【0038】
図5に示すように、まず、この給換気システムにおいてシステム管理部4のソフトを起動させると、表示部45に検索画面が表示され(ステップS1)、検索ボタンを押されたか検知される(S2)。
【0039】
検索ボタンが押されたことが検知されると(S2の「YES」)、検索された二酸化炭素センサ3の結果が表示される(S3)。検索結果が表示された二酸化炭素センサ3の中から指定するセンサが押されたか検知される(S4)。
【0040】
指定センサが押されたことが検知されると(S4の「YES」)、指定された二酸化炭素センサ3が接続され、モニタ画面に移行する(S5)。
【0041】
次に、二酸化炭素センサ3と500ms周期でデータ更新がされているか否かを判断する(S6)。500ms周期でデータ更新がされていない場合には(S6の「NO」)、ソフト終了するかの確認を行う(S10)。「終了」の決定がされた場合(S10の「YES」)、終了し、ソフト終了しない場合(S10の「NO」)、S6に戻る。
【0042】
500ms周期でデータ更新がされている場合には(S6の「YES」)、無線と有線接続状態の確認を行い(S7)、通常連動処理がされる(S8)。
【0043】
図6は通常連動処理を示すフローチャートである。通常連動処理において、演算部42は、受信部44を通じて二酸化炭素センサ3の検出した二酸化炭素濃度を取得する(S801)。自動制御がされ(S802の「YES」)、センサ接続が正常な場合(S803の「YES」)、給換気手段2の換気風量が停止しているか判断する。センサ接続が正常でない場合、換気風量が「弱」と決定され、給換気手段2の換気風量運転が「弱」で運転されることとなる。
【0044】
給換気手段2の換気風量が「停止」になっている場合に(S804の「YES」)、受信部44で受信した二酸化炭素濃度と予め設定された風量切換閾値を比較する。記憶部41が風量切換閾値を有している。風量切換閾値はユーザーが設定可能である。本実施例においては、換気風量運転の「強」と「中」の切換閾値は900ppm、「中」と「弱」の切換閾値は700ppmと設定しており、700ppm以下では換気風量運転が「弱」、700ppmより大きく900ppm以下なら換気風量運転が「中」、900ppmを超えた場合には換気風量運転が「強」となり、部屋1室内の二酸化炭素濃度を検知することで3段階の風量切換制御が可能となっている。
【0045】
二酸化炭素濃度が900ppmを超えている場合に、給換気手段2の換気風量を「強」(S805の「YES」)、二酸化炭素濃度が900ppm以下で700ppmを超えている場合に、換気風量を「中」(S817の「YES」)、二酸化炭素濃度が700ppm以下の場合は換気風量を「弱」(S817の「NO」)にそれぞれ決定する。送信部43を通じて換気風量の操作量を与え風量調節部51から出力しリターンさせる。この結果、給換気手段2がそれぞれ「強」「中」「弱」の換気風量で運転されることになり部屋1室内の二酸化炭素濃度が漸次減少する。
【0046】
給換気手段2が換気風量は「停止」になっておらず(S804の「NO」)、換気風量が「弱」の場合(S809の「YES」)、まず二酸化炭素濃度が1500ppmを超えているか判断する(S810)。
【0047】
ここで、図8に示されるように、換気風量運転の「強」と「中」の切換閾値を900ppm、換気風量運転の「中」と「弱」の切換閾値を700ppmに設定し、換気風量運転の「強」と「中」の間及び換気風量運転の「中」と「弱」の間に、10ppmの動作すきまを設けている。動作すきまを設けることにより、出力のバタツキ防止と制御の安定性を図ることができる。なお、本実施例において動作すきまの値を10ppmに固定しているが、設定可能としてもよい。
【0048】
二酸化炭素濃度が1500ppmを超えている場合、換気風量を「強」(S810の「YES」)、二酸化炭素濃度が1500ppm以下で1000ppmを超えている場合に、換気風量を「中」(S811の「YES」)、二酸化炭素濃度が1000ppm以下の場合は換気風量を「0」(S811の「NO」)にそれぞれ決定する。送信部43を通じて換気風量の操作量を与え風量調節部51から出力しリターンさせる。この結果、給換気手段2がそれぞれ「強」「中」「弱」の換気風量で運転されることとなり部屋1室内の二酸化炭素濃度が漸次減少する。なお、これらの数値については、任意に設定できる構成としてもよい。
【0049】
換気風量が「中」の場合(S812の「YES」)、まず二酸化炭素濃度が900ppmを超えているか判断する(S813)。二酸化炭素濃度が900ppmを超えている場合(S813の「YES」)、換気風量を「強」(S813の「YES」)、二酸化炭素濃度が690ppmより小さい場合、換気風量を「弱」(S814の「YES」)、二酸化炭素濃度が900ppm以下で690ppm以上の場合換気風量を「0」(S814の「NO」)にそれぞれ決定する。
【0050】
送信部43を通じて換気風量の操作量を与え風量調節部51から出力しリターンさせる。この結果、給換気手段2がそれぞれ「強」「弱」「中」の換気風量で運転されることとなり部屋1室内の二酸化炭素濃度が漸次減少する。
【0051】
換気風量が「強」の場合(S812の「NO」)、まず二酸化炭素濃度が690ppmより小さいか判断する(S815)。二酸化炭素濃度が690ppmより小さい場合換気風量を「弱」(S815の「YES」)、二酸化炭素濃度が690ppm以上で890ppmより小さい場合は換気風量を「中」(S816の「YES」)、二酸化炭素濃度が890ppm以上の場合換気風量を「0」(S816の「NO」)にそれぞれ決定する。なお、上記した種々の数値については、任意に設定できる構成としてもよい。
【0052】
送信部43を通じて換気風量の操作量を与え風量調節機51から出力しリターンさせる。この結果、給換気手段2がそれぞれ「弱」「中」「強」の換気風量で運転されることとなり部屋1室内の二酸化炭素濃度が漸次減少する。
【0053】
自動制御がされておらず(S802の「NO」)、手動制御で「弱」を選択した場合「弱」(S806の「YES」)、手動制御で「中」を選択した場合「中」(S807の「YES」)、手動制御で「強」を選択した場合「強」(S808の「YES」)、それ以外の場合「停」(S808の「NO」)にそれぞれ決定する。送信部43を通じて換気風量の操作量を与え風量調節機51から出力しリターンさせる。この結果、給換気手段2がそれぞれ「弱」「中」「強」「停止」の換気風量となる。
【0054】
通常連動処理が行われ、表示部45にリアルタイムの二酸化炭素濃度や換気状態等の表示処理が行われる(S9)。表示処理(S9)が終了するとS6に戻りこれが繰り返し行われる。
【0055】
以上の通り、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0056】
例えば、上記の実施形態は、給換気手段の一例として、換気扇を用いた場合の例であるが、これに限られず、例えば扇風機やサーキュレータ、シーリングファン、ポンプ、モーターによる開閉機構を備えたドアや窓など、モーターを備えた種々の電気機器に利用可能である。
【0057】
また、上記の実施形態は、制御部とシステム管理部とが別体で構成された例であるが、これに限られず、制御部とシステム管理部が一体で構成されたシステムとすることも可能である。また、上記の実施形態は、「弱」「中」「強」「停止」の4段階の制御の例であるが、これに限られず、2段階や3段階、もしくは5段階以上とすることも可能である。また、上記の契機となる数値については、その他の数値に設定してもよく、任意に設定できる構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 部屋
2 換気扇(給換気手段)
21 モータ
22 ファン
3 二酸化炭素センサ
4 システム管理部
41 記憶部
42 演算部
43 送信部
44 受信部
45 表示部
5 制御部
51 風量調節部
52 送信部
53 受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8