IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社上川製作所の特許一覧

特開2022-159721水素供給パッド及び水素供給システム
<>
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図1
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図2
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図3
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図4
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図5
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図6
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図7
  • 特開-水素供給パッド及び水素供給システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159721
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】水素供給パッド及び水素供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/14 20060101AFI20221011BHJP
   C01B 3/08 20060101ALI20221011BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20221011BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20221011BHJP
【FI】
A61H33/14 B
C01B3/08 Z
C25B1/04
C25B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064089
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000248820
【氏名又は名称】有限会社上川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100115842
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 正則
(72)【発明者】
【氏名】上川 忠雄
【テーマコード(参考)】
4C094
4K021
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094DD01
4C094EE01
4C094GG06
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC03
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA10
4K021DC01
4K021DC03
(57)【要約】
【課題】人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用に加えて、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用できる水素供給パッド及び水素供給システムを提供することにある。
【解決手段】本発明の水素供給パッド1は、板状のパッド本体11の側部12に水素導入口13を形成し、かかる水素導入口13と空気的に連通し、外部に水素を放出するための水素放出部15をパッド本体11の平面部14に形成しているので、水素を供給する手段として、人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用に加えて、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用でき、また、設置したい接地面に対して平置きすることも可能となる。また、本発明の水素供給システムは、かかる水素供給パッド1と、水素を供給可能な水素供給装置と、これらを繋ぐ水素供給管3により構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のパッド本体と、
前記パッド本体の側部に形成された水素導入口と、
前記水素導入口と空気的に連通し、前記パッド本体の平面部に形成された水素放出部と、
を備えたことを特徴とする水素供給パッド。
【請求項2】
前記パッド本体の内部に、前記水素導入口と前記水素放出部を繋ぐ流路が形成されており、
前記水素導入口と前記水素放出部が前記流路を介して空気的に連通することを特徴とする請求項1に記載の水素供給パッド。
【請求項3】
前記パッド本体が、内部に中空部を有する中空の板状部材であり、
前記水素導入口と前記水素放出部が前記中空部を介して空気的に連通することを特徴とする請求項1に記載の水素供給パッド。
【請求項4】
前記水素導入口に水素を供給するための水素供給管を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水素供給パッド。
【請求項5】
前記パッド本体に前記水素導入口が複数個形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水素供給パッド。
【請求項6】
前記水素供給口が、前記パッド本体に2個形成され、
前記2個の水素導入口へ水素を供給するための2本の水素供給管の一端が前記水素導入口に1本ずつ接続され、
前記2本の水素供給管の前記水素導入口と接続されない他端が一体とされ、
前記2本の水素供給管が輪を形成していることを特徴とする請求項5に記載の水素供給パッド。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の水素供給パッドと、
水素を供給可能な水素供給装置と、
当該水素供給装置から前記水素供給パッドの前記水素導入口へ水素を供給するための水素供給管と、
を備えたことを特徴とする水素供給システム。
【請求項8】
前記水素供給装置が、水の電気分解により水素を発生する水素発生装置であることを特徴とする請求項7に記載の水素供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素供給パッド及び水素供給システムに関する。さらに詳しくは、活性酸素を除去することができる水素を効率よく供給する水素供給パッド及び水素供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水素(H)は、元来は気体であるが、これも気体である酸素(O)と結合することにより常温で液体の水(HO)を生成する。水素の特徴の一つとして、このように酸素と結合することにあり、老化や病気の原因となる体内の悪玉活性酸素と結び付いてかかる悪玉活性酸素を除去し、体内の酸化を防止して、老化や病気の原因を取り除くはたらきがあると考えられている。
【0003】
加えて、水素は、酸化-還元電位(Oxidation-Reduction Potential:ORP)を高め、かつ強力な酸化力を有する活性酸素やフリーラジカルの解消に有効となることが知られている。例えば、水素は、皮膚や毛髪等のORPを下げる還元系のはたらきにより、皮膚多毛髪が酸化する原因となる紫外線からのダメージを抑制し、その結果、例えば、皮膚の柔軟性や弾力性を向上させるとともに、毛髪の滑らかさや艶の向上等を図ることができる。
【0004】
このように、人体の皮膚における活性酸素が、健康や美容等にマイナスの影響を及ぼすことが知られることになり、水素を活性酸素と反応させて無害化する検討がなされている(例えば、特許文献1等を参照。)。
【0005】
一方、常圧における水素の水への溶解度は低いため、水素水を飲むことや水素水からなる湯船に浸かることにより人体に取り込むことができる水素の量は極わずかであると考えられる。また、水素を口や鼻から直接吸入することも、酸欠や頭痛等、健康的な問題を招く場合もあり好ましくなかった。加えて、水素は、常温下では気体の存在であり体積が非常に大きいため、水素を保存しておくことは困難であった。
【0006】
また、人体の皮膚に水素を直接的に接触させる方法として、例えば、不織布からなるシート本体と、該シート本体の表面に配されている水素化ホウ素化合物と、該水素化ホウ素化合物を前記シート本体に接着させている接着剤とを備えた水素発生シートも提供されている(例えば、特許文献2等を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-86869号公報
【特許文献2】特開2019-104641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、水素の人体に対する適用について、口や鼻から直接吸引したり、人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用のほか、衣類等を介して人体に適用することによっても効果が期待できるといわれている。一方、前記した特許文献2に記載されたような、人体の皮膚に水素を直接的に接触させる構成にあっては、かかる衣類等を介した適用には対応できず、用途が限定されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、前記に鑑みてなされたものであって、活性酸素を除去することができる水素を効率よく供給する手段として、人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用に加えて、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用できる水素供給パッド及び水素供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明に係る水素供給パッドは、
板状のパッド本体と、
前記パッド本体の側部に形成された水素導入口と、
前記水素導入口と空気的に連通し、前記パッド本体の平面部に形成された水素放出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る水素供給パッドは、前記した本発明において、前記パッド本体の内部に、前記水素導入口と前記水素放出部を繋ぐ流路が形成されており、前記水素導入口と前記水素放出部が前記流路を介して空気的に連通することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る水素供給パッドは、前記した本発明において、前記パッド本体が、内部に中空部を有する中空の板状部材であり、前記水素導入口と前記水素放出部が前記中空部を介して空気的に連通することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る水素供給パッドは、前記した本発明において、前記水素導入口に水素を供給するための水素供給管を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る水素供給パッドは、前記した本発明において、前記パッド本体に前記水素導入口が複数個形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る水素供給パッドは、前記した本発明において、前記水素供給口が、前記パッド本体に2個形成され、前記2個の水素導入口へ水素を供給するための2本の水素供給管の一端が前記水素導入口に1本ずつ接続され、前記2本の水素供給管の前記水素導入口と接続されない他端が一体とされ、前記2本の水素供給管が輪を形成していることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る水素供給システムは、前記した本発明の水素供給パッドと、
水素を供給可能な水素供給装置と、
当該水素供給装置から前記水素供給パッドの前記水素導入口へ水素を供給するための水素供給管と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る水素供給システムは、前記した本発明において、前記水素供給装置が、水の電気分解により水素を発生する水素発生装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る水素供給パッドは、板状のパッド本体の側部に水素導入口を形成し、かかる水素導入口と空気的に連通し、外部に水素を放出するための水素放出部をパッド本体の平面部に形成しているので、水素を供給する手段として、人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用に加えて、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用できる。また、水素供給パッドを設置したい接地面に対して平置きすることも可能となる。
【0019】
また、かかる水素供給パッドと、水素を供給可能な水素供給装置を備えた水素供給システムは、かかる水素供給パッドの奏する効果を好適に享受し、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用でき、シンプルな構造で爆発もなく安全な水素供給システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る水素供給パッドの一態様を示した斜視図である。
図2図1に示した水素供給パッドをA-A断面で切断した内部構造図である。
図3】本発明に係る水素供給パッドの一態様を示した斜視図である。
図4】水素供給装置(水素発生装置)の一態様を示した内部構造図である。
図5】水素供給システムの適用例を示した図である。
図6】水素供給システムの適用例を示した図である。
図7】水素供給パッドの他の態様を示した斜視図である。
図8図1に示した水素供給パッドをA-A断面で切断した内部構造図の他の態様である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(I)本発明に係る水素供給パッド1の構成:
以下、図面を用いて、本発明に係る水素供給パッド1の一態様について説明する。
【0022】
図1及び図3は、本発明に係る水素供給パッド1の一態様を示した斜視図、図2は、図1に示した水素供給パッド1をA-A断面で切断した内部構造図、をそれぞれ示す。なお、図1は水素供給パッド1のみ、図3は水素供給パッド1の水素導入口13に、水素供給装置2(後記する図4参照。)と接続するための水素供給管3を接続した構成を示している。
【0023】
本発明に係る水素供給パッド1は、後記する水素供給装置2(図4参照。)と接続され、板状のパッド本体11と、前記パッド本体11の側部12に形成された水素導入口13と、前記水素導入口13と空気的に連通し、前記パッド本体11の平面部14に形成された水素放出部15と、を基本構成として備える。
【0024】
図1等に示した水素供給パッド1は、本実施形態にあっては、略円盤状の板状部材からなるパッド本体11を有する。かかるパッド本体11は、水素等と化学反応を起こさず、また、人体に安全な材料であれば制限はなく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂を従来公知の成形方法により成形することにより構成することができる。また、アルミニウム、銅等の金属材料を用いて形成するようにしてもよい。
【0025】
パッド本体11のサイズとしては、水素を導入、放出できるものであれば特に制限はないが、図1等に示すように円盤状とする場合は、例えば、直径をφ15~100mmとすることが好ましく、厚さは、例えば、2~10mm程度とすることが好ましいが、これらは円盤状とする場合のあくまでも一例であり、かかるサイズには限定されない。
【0026】
また、パッド本体11ないしは水素供給パッド1の形状は、かかる円盤状には限定されず、三角形状、矩形状、正方形状、台形状等の四角形状、五角形状等の多角形状、楕円形状、多角形状、幾何学形状等の任意の板形状を採用することができる。なお、これらの板形状とされた場合も、サイズは特に限定されない。
【0027】
円盤状の板状部材からなるパッド本体11の側部12には、水素供給装置2から水素を導入するための水素導入口13が形成されている。
【0028】
図2に内部構造図を示すように、水素導入口13は、パッド本体11の側部12が開口された状態で形成され、本実施形態にあっては、パッド本体11の内部に形成されている水素の流路16と空気的に連通する。
【0029】
水素導入口13は、図3に示すように、水素供給装置2と繋がる水素供給管3と繋がれ、水素供給装置2から供給される水素は、水素供給管3を介して、水素導入口13からパッド本体11に導入される。
【0030】
水素導入口13は、内部に、流路16と繋がる管挿入口13aが形成され、かかる管挿入口13aを水素導入管3の内部に挿入することにより、流路16と水素導入管3が空気的に連通することになる。
【0031】
水素供給管3は、水素供給装置2から水素供給パッド1に水素を供給できるものであれば特に制限はなく、例えば、柔軟性を有するポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂等の従来公知の樹脂製チューブ等を広く用いることができる。
【0032】
水素導入口13は、平面部14に形成されていた場合、載置する際に水素供給管3が邪魔になるため、平置きすることが難しく、利便性等に劣ることになっていた。一方、本発明にあっては、水素が導入される水素導入口13をパッド本体11の側部12(パッド本体11が側部12として側面を有する場合は、かかる側面も含む。)に生成していることにより、人体の皮膚に水素を直接的に接触させる用途に限定されず、衣服等を介した適用にも対応でき、また、水素供給パッド1を設置したい接地面に対して平行に載置する(平置きする)ことも可能となる。
【0033】
パッド本体11の平面部14の片面には、水素を外部に放出するための水素放出部15が形成されている(なお、図1等では、水素放出部15が形成されている平面部に14の符号を付けている。また、図2及び後記する図8には、水素導入口13から水素放出部15までの水素の流れを点線で示している。)。
【0034】
水素放出部15は、本実施形態にあっては、図2に示すように、パッド本体11の内部に形成される水素の流路16と繋がる(空気的に連通する)円形状の孔が形成されている。パッド本体11の内部は、水素の流路16が形成されており、かかる流路16が水素導入口13及び水素放出部15と繋がる(空気的に連通している)ため、水素導入口13と水素放出部15も空気的に連通し、水素導入口13から導入された水素が、流路16を介して水素放出部15から外部に放出される。水素放出部15はパッド本体11の平面部14のどの面(例えば両面)に形成されていてもよいが、放出効率等を考慮して、片面に形成されることが好ましい。
【0035】
パッド本体11の平面部14に形成される水素放出部15は、本実施形態で挙げた円形状のほか、任意の形状とすることができ、例えば、三角形状、四角形状等の多角形状、楕円形状、針の孔状(点状)等とすることができる。また、水素放出部15の個数も、図1等に示した1個に限らず、2個以上としてもよく、2~5個とすることが好ましいが、特にこれらの個数には限定されない。また、水素放出部15を針の孔状(点状)等、サイズを非常に小さくする場合は、パッド本体11の平面部14に無数に形成してもよい。
【0036】
また、パッド本体11の平面部14の一部をメッシュ(網状)にして、かかるメッシュにより水素放出部15を形成するようにしてもよい。また、水素放出部15が形成され、発明の目的及び効果を妨げない範囲で、パッド本体11の平面部14に、不織布等の通気性に優れたシート材料を保護材等の目的で装着させるようにしてもよい。
【0037】
(II)水素供給装置2の構成:
本発明の水素供給システムS(後記する図5及び図6を参照。)は、前記した(I―1)で説明した水素供給パッド1と、水素を供給可能な水素供給装置2とを備え、かかる水素供給装置2から供給される水素が、水素供給管3を介して、水素供給パッド1の水素導入口13から導入されるものである。
【0038】
次に、水素供給システムSで使用する水素供給装置2の一態様を説明する。本実施形態では、図4に示した、水の電気分解により水素を発生する水素発生装置2を例として説明する。一方、本発明で使用可能な水素供給装置2としては、水素供給パッド1に水素を供給可能なものであればよく、単純なものとしては、図示しない水素ボンベ等が挙げられ、その他、内部に水素を発生させることが可能な水素発生材料(例えば、酸化カルシウムと粉末アルミニウムの組み合わせ等。水を加えると水素を発生する。)を含む装置や袋体を用いるようにしてもよい。
【0039】
水素供給装置2から供給される水素の圧力(水素圧)は、特に限定はないが、例えば、0.98~98kPaの範囲から選択するようにしてもよいが、特にかかる範囲には限定されない。
【0040】
図4は、水素供給装置(水素発生装置)2の一態様を示した内部構造図である。図4に示した構成の水素供給装置2は、水(本装置2にあっては精製水Wが好ましい。)の電気分解により、水素(と酸素)を発生する構成である。
【0041】
図4に示した水素供給装置2は、水素出口21から水素が外部に放出される。かかる水素出口21に、一端を水素供給パッド1の水素導入口13に接続した水素供給管3の他端が接続され、水素供給装置2から放出される水素が、水素供給管3を介して、水素供給パッド1の水素導入口13から水素供給パッド1の内部の流路16に導入され、かかる流路16と空気的に連通する、水素供給パッド1のパッド本体11の平面部14に形成される水素放出部15から外部に放出される。
【0042】
水素供給装置2は、キャップ22を外して内部の水槽25に精製水Wを投入(図4に投入された精製水Wの上面の一例を示した。)すると、投入した精製水Wが水素ガス発生スタック(以下、「SEL」とする場合もある。)23に流れ込む。SEL23には図示しない電極が配設され、前記の操作で精製水WがSEL23に流れ込むことにより、SEL23内で水(精製水W)が電気分解され、水素と酸素を発生することになる。このうち、精製水Wと水素がドレインタンク24に導入され、精製水Wと酸素は、再度水槽25へ導入される。
【0043】
酸素は、フィルタ26の下部を通過して、酸素排出口27を介してキャップ22に形成された小穴22aより外部へ放出される。一方、水素が、水素出口21に導かれ、接続された水素供給管3から、水素供給パッド1のパッド本体11の側部12に形成された水素導入口13に導入されることになる。
【0044】
なお、前記の構成は、水素供給装置2の一態様である、水の電気分解により、水素(と酸素)を発生する構成の水素発生装置2の一例であり、水素発生装置2(あるいは水素供給装置2)として異なる構成のものを使用してもよい。
【0045】
(III)発明の効果:
以上説明した本発明の水素供給パッド1によれば、板状のパッド本体11の側部12に水素導入口13を形成し、かかる水素導入口13と空気的に連通し、外部に水素を放出するための水素放出部15をパッド本体11の平面部14に形成しているので、水素を供給する手段として、人体の皮膚に水素を直接接触させることによる適用に加えて、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用できる。また、水素供給パッド1を設置したい接地面に対して平置きすることも可能となる。
【0046】
また、かかる水素供給パッド1と、水素を供給可能な水素供給装置2を備えた水素供給システムSは、かかる水素供給パッド1の奏する効果を好適に享受し、衣類等を介して人体に適用する等の用途にも適用でき、シンプルな構造で爆発もなく安全な水素供給システムSとなる。
【0047】
(IV)水素供給システムSの適用例:
かかる効果を奏する本発明の水素供給システムSの適用例を、図面を用いて説明する。図5及び図6は、水素供給システムSの適用例を示した図である。図5は、水素供給パッド1を椅子Cの背もたれ面C1と座面C2に平置きして設置した態様を示している。また、図6は、水素供給パッド1をベッドBの座面(マットレス)B1に平置きして設置した態様を示している。
【0048】
このように、本発明の水素供給システムSは、衣類等を介して使用者P(人体)に適用する等の用途にも簡便に適用でき、水素供給パッド1を設置したい接地面に対して平置きできる。また、腕と脇の間等に挟み込んでもよい。そして、これ以外でも、所望の用途に用いることができる。
【0049】
(V)実施形態の変形:
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
【0050】
例えば、前記した実施形態では、水素供給パッド1として、パッド本体11の側部12に形成される水素導入口13が1個である態様を示して説明した。一方、水素導入口13は、パッド本体11に複数個形成しても問題はない。
【0051】
図7は、水素供給パッド1の他の態様を示した斜視図である。なお、前記した内容と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0052】
図7に示した水素供給パッド1は、水素導入口13が、円盤状のパッド本体11の中心に対して略対称の位置に1個ずつ、計2個形成されている。また、水素供給管3も、2本の水素供給管3の一端(端部)がそれぞれの水素導入口13に1本ずつ接続されるとともに、2本の水素供給管3の水素導入口13と接続されない他端(端部)が、一体部材31により一体とされている態様を示している、
【0053】
図7に示す一体部材31は、2本の水素供給管3を一体化するとともに、一体部材31から延びる1本の管32は、かかる2本の水素供給管3の他端と空気的に連通する。管32は水素供給装置2の水素供給部(図4における水素出口21等。)と接続されることにより、水素供給装置2から供給される水素が管32を通じて2本の水素供給管3に水素が供給される。
【0054】
また、2本の水素供給管3から水素導入口13を介して水素供給パッド1に水素が送られ、水素供給パッド1(パッド本体11)の平面部14に形成された水素放出部15から水素が放出されることについては前記した実施形態と同様である。
【0055】
かかる図7に示した構成によれば、2本の水素供給管3により輪が形成されることになり、例えば、輪の内部に腕、首、足、胴部等を挿入することにより水素供給パッド1を簡便に装着することができ、さらに用途が広がることになる。
【0056】
前記した実施形態では、水素供給パッド1を構成するパッド本体11の内部に流路16を形成し、側部12に形成された水素導入口13と平面部14に形成された水素放出部15を、かかる流路16を介して空気的に連通した構成を例に挙げて説明した。
【0057】
一方、水素供給パッド1の構成はこれには限定されず、例えば、水素供給パッド1を構成するパッド本体11の内部に中空部17を形成し、かかる中空部17(水素の流路となる。)を介して、水素導入口13と水素放出部15を空気的に連通した構成として、水素導入口13から導入された水素を水素放出部15から外部に放出するようにしてもよい。
【0058】
図8は、図1に示した水素供給パッド1をA-A断面で切断した内部構造図の他の態様である。なお、前記した内容と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0059】
図8に示した構成によれば、水素供給パッド1は、パッド本体11の側部12が開口された状態で形成されるとともに、本実施形態にあっては、パッド本体11の内部に形成されている中空部17と空気的に連通し、水素の流路となるかかる中空部17を介して、水素導入口13と水素放出部15を空気的に連通することになる。
【0060】
なお、水素導入口13の内部に、中空部17と繋がる管挿入口13aが形成され、かかる管挿入口13aを水素導入管3の内部に挿入することや、水素供給管3から水素導入口13を介して水素供給パッド1に水素が送られ、水素供給パッド1(パッド本体11)の平面部14に形成された水素放出部15から水素が放出されることについては、流路16と中空部17が異なる点を除いて、前記した実施形態と略同様である。
【0061】
前記した実施形態では、水素供給システムSの適用例を図5及び図6を用いて説明したが、本発明の水素供給システムSは、椅子CやベッドBでの適用以外の任意の環境で適用することができる。
【0062】
なお、本発明に係る水素供給パッド1は、人体の皮膚に水素を直接的に接触させる用途に限定されないことは前記したとおりであり、人体の皮膚に水素を直接的に接触させる用途を否定するわけでなく、本発明を人体の皮膚に水素を直接的に接触させる用途に適用しても全く問題ない。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、活性酸素と結合してかかる活性酸素を除去することができる水素を効率よく供給する手段として、産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0064】
1 …… 水素供給パッド
11 …… パッド本体
12 …… 側部
13 …… 水素導入口
13a …… 管挿入口
14 …… 平面部
15 …… 水素放出部
16 …… 流路
17 …… 中空部
2 …… 水素供給装置(水素発生装置)
21 …… 水素出口
22 …… キャップ
22a …… 小孔
23 …… 水素ガス発生スタック(SEL)
24 …… ドレインタンク
25 …… 水槽
26 …… フィルタ
27 …… 酸素排出口
3 …… 水素供給管
31 …… 一体部材
32 …… 管
B …… ベッド
B1 ……座面(マットレス)
C …… 椅子
C1 …… 背もたれ面
C2 …… 座面
P …… 使用者
S …… 水素供給システム
W …… 精製水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8