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  • 特開-電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器 図1
  • 特開-電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器 図2
  • 特開-電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159734
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/20 20060101AFI20221011BHJP
   A47J 27/04 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A47J36/20
A47J27/04 F
A47J27/04 C
A47J27/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064117
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】516028299
【氏名又は名称】有限会社大志
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】谷口 健二
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055AA08
4B055AA22
4B055BA31
4B055CA13
4B055CB08
(57)【要約】
【課題】本発明は、同時に多くの個数や種類の蒸し料理を行う場合に最適な電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器を提供することを目的とする。
【解決手段】内鍋2と、内鍋2を加熱する加熱部4と、内鍋2の開口を覆う蓋部3と、からなる電気圧力鍋100であって、内鍋2の底側に配置される下方が無孔の下段用蒸トレイ41と、内鍋2の内側において下段用蒸トレイ41の上に配置される下方が無孔の上段用蒸トレイ42と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱部と、前記内鍋の開口を覆う蓋部と、からなる電気圧力鍋であって、
前記内鍋の底側に配置される下方が無孔の下段用蒸トレイと、
前記内鍋の内側において前記下段用蒸トレイの上に配置される下方が無孔の上段用蒸トレイと、を備えることを特徴とする電気圧力鍋。
【請求項2】
前記下段用蒸トレイの下に配置される嵩上げ具を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気圧力鍋。
【請求項3】
前記下段用蒸トレイと前記上段用蒸トレイとの間に配置され、前記下段用蒸トレイと前記上段用蒸トレイとの間隔を保持するトレイ用隙間保持具を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気圧力鍋。
【請求項4】
内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱部と、前記内鍋の開口を覆う蓋部と、からなる電気圧力鍋において、前記内鍋の内側に配置されて用いられる電気圧力鍋用蒸し器であって、
前記内鍋の底側に配置される下方が無孔の下段用蒸トレイと、
前記内鍋の内側において前記下段用蒸トレイの上に配置される下方が無孔の上段用蒸トレイと、を備えることを特徴とする電気圧力鍋用蒸し器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器に関し、詳しくは、内鍋に配置される蒸トレイを備える電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器に関する。
【背景技術】
【0002】
火を使わずに調理をできる点や、短時間で調理を行うことができる点等、様々なメリットがあることから電気圧力鍋の利用が増えている。この電気圧力鍋は、内鍋に具材を入れ、内鍋周囲の熱源によって加熱することによって煮込み料理等の調理が行われているが、煮込み料理に限らず蒸し料理を行うこともできる。
【0003】
電気圧力鍋を使った蒸し料理は、通常、非特許文献1にあるように付属の蒸台を使い、内鍋の底にこの蒸台を配置し、その上に具材を載せて調理を行うことになる。したがって、電気圧力鍋には、非特許文献2にあるように蒸台が付属している商品も多い。
【0004】
ところで例えば、弁当を作る場合等、1つの調理器で同時に複数の調理を行うことができれば便利である。そこで、非特許文献3にあるように電気圧力鍋の内鍋の上に蒸し料理用の蒸トレイを載せて、この蒸トレイと内鍋の底部を使い2品同時に調理できる電気圧力鍋も知られている。また、電気調理器による同時調理に関する発明も、特許文献も特許文献1、2のように複数出願されている。
また、蒸し料理には液体の料理部材もあり、これも蒸すことができように、下方が無孔のトレイを備えた炊飯器が特許文献3に記されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-172901号公報
【特許文献2】特開2018-149097号公報
【特許文献3】特開2016-25968号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ようでん|パナソニックの電気圧力なべでとうもろこしを蒸す方法、[令和3年3月16日検索]、インターネット〈https://yoden.co.jp/shinobu/14838〉
【非特許文献2】SIROCA|おいしい料理いろいろ、鍋まかせ、[令和3年3月16日検索]、インターネット〈https://www.siroca.co.jp/kitchen/autoclave/〉
【非特許文献3】SHARP|ヘルシオホットクックKN-HW10E、[令和3年3月16日検索]、インターネット〈https://jp.sharp/hotcook/products/knhw10e/usability/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
蒸し料理は、材料が軟らかく仕上がるという長所、水の中で加熱しないので、たんばく質、無機質やビタミンなど栄養素の損失が少ないという長所、蒸し水がなくならない限り焦げる心配がないという長所がある。このため、蒸し料理には焼売、肉饅頭、蒸しパン、茶わん蒸し、おこわ、ちまき、柏餅だけでなく、野菜、魚介類、肉の種々の材料が用いられる。また、煮物、酒蒸し、土瓶蒸しなど液体が入った料理もある。
【0008】
このように、蒸し料理には多くの種類があるが、非特許文献1、2にあるように電気圧力鍋に付属する蒸台を使って、内鍋の底に蒸台を配置する構成の場合には、1品しか調理することができない。
【0009】
他方で、非特許文献3や特許文献1、2、3のように、内鍋の上に蒸用の蒸トレイをセットする構成の場合、2品同時に調理することはできるが、下段側は内鍋の底部に直接具材が接することになるので蒸し料理そのものを作ることはできない。また、下段側には汁物や煮物や炊飯等、水分の多い料理に限られてしまう。また、下段側に蒸すための水だけを用いてしまうと、上段だけの料理に限られてしまうので、1品しか作ることができなくなってしまう。
【0010】
また、内鍋の上に蒸用の蒸トレイをセットする構成の場合、調理後の上段の蒸トレイの料理は取り出しやすいが、下段の料理は具材によっては内鍋から取り出し難い。例えば、魚の煮物のような場合である。また、調理を開始する前においても、下段の料理は、内鍋の底に具材を配置することになるが、見た目を重視したいような料理の場合に内鍋の底に綺麗に具材を配置することが難しいというような問題が、内鍋の上に蒸用の蒸トレイをセットする構成にはある。
また、内鍋の上に蒸用の蒸トレイをセットする構成の場合、内鍋の高さに余裕があっても、焼売や豚饅頭などの蒸し料理は積み重ねることができず、一度に少量しか蒸すことができない。
【0011】
そこで、同時に多くの個数や種類の蒸し料理を行う場合に最適な電気圧力鍋及び電気圧力鍋用蒸し器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の電気圧力鍋は、内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱部と、前記内鍋の開口を覆う蓋部と、からなる電気圧力鍋であって、前記内鍋の底側に配置される下方が無孔の下段用蒸トレイと、前記内鍋の内側において前記下段用蒸トレイの上に配置される下方が無孔の上段用蒸トレイと、を備えることを特徴とする。
【0013】
下段用蒸トレイと上端用蒸トレイの2つの蒸トレイを用いるため、電気圧力鍋を使って数多くの蒸し料理を同時に作ることができる。また、非特許文献3や特許文献1、2のように、下段側において内鍋の底部を使い蒸さない食材を配置する構成に比べ、蒸し料理のバリエーションを増やすことができ、また、調理後に蒸し料理を取り出しやすく、調理前にも綺麗に具材を配置することができる。また、蒸トレイの下方が無孔であるので、液体の料理部材も蒸すことができ、バリエーションを増やすことができる。また、沸騰で跳ねた熱湯が食材に掛かることがない。
【0014】
本発明の電気圧力鍋においては、前記下段用蒸トレイの下に配置される嵩上げ具を、更に備えることが好ましい。嵩上げ具により下段用蒸トレイと内蓋の底部とが直接接しないため、蒸し料理において内鍋の底部に十分量の水を入れておくことができる。なお、この嵩上げ具は線材を用いて構成することができる。
【0015】
また、本発明の電気圧力鍋においては、前記下段用蒸トレイと前記上段用蒸トレイとの間に配置され、前記下段用蒸トレイと前記上段用蒸トレイとの間隔を保持するトレイ用隙間保持具を、更に備えることが好ましい。
【0016】
これにより、トレイ用隙間保持具によって下段用蒸トレイと上段用蒸トレイとの間に十分な間隔を確保できるので、下段用蒸トレイ側において水蒸気を満遍なく行きわたらせることができる。なお、このトレイ用隙間保持具は線材を用いて構成することができる。
【0017】
また、このトレイ用隙間保持具は、下方に延在する下段用規制部と、上方に延在する上段用規制部と、を備える構成が好ましい。このような構成とすることで、内鍋の内側において下段用蒸トレイと上段用蒸トレイの位置が安定することになる。そして、現用規制部と上段用規制部は、内鍋2までの距離がそれぞれ異なった構成が更に好ましい。
【0018】
その他、本発明の電気圧力鍋においては、上段用蒸トレイは着脱可能であることが好ましい。上段用蒸トレイを取り外すことで、茶わん蒸しなどの高い蒸し料理を入れることができ、バリエーションを増やすことができる。
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気圧力鍋用蒸し器は、内鍋と、前記内鍋を加熱部と、前記内鍋の開口を覆う蓋部と、からなる電気圧力鍋において、前記内鍋の内側に配置されて用いられる電気圧力鍋用蒸し器であって、前記内鍋の底側に配置される下方が無孔の下段用蒸トレイと、前記内鍋の内側において前記下段用蒸トレイの上に配置される下方が無孔の上段用蒸トレイと、を備えることを特徴とする。
【0020】
電気圧力鍋を用いた料理において、簡単に複数の料理を同時に作ることができる。また、非特許文献3や特許文献1、2のように、下段側において内鍋の底部を使い蒸さない食材を配置する構成に比べ、蒸し料理のバリエーションを増やすことができ、また、調理後に蒸し料理を取り出しやすく、調理前にも綺麗に具材を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態の電気圧力鍋の要部の構成を示す斜視図である。
図2】Aは本発明の実施形態の電気圧力鍋用蒸し器が内鍋に挿入された状態を示す断面図であり、Bは下段用蒸トレイ(上段用蒸トレイと共通部品)を示す斜視図である。
図3】Aは嵩上げ具を示す斜視図であり、Bはトレイ用隙間保持具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0023】
[実施形態]
図1図3を参照して、実施形態に係る電気圧力鍋100について説明する。電気圧力鍋100は圧力炊飯のみならず、根菜、豆、肉などの圧力料理、無水料理、スロークッカー、温め直し、そして蒸し料理ができる調理機器である。
【0024】
電気圧力鍋100は、図1に示す本体1、内鍋2、蓋部3と、図2Aに示す電気圧力鍋用蒸し器4からなる。なお、電気圧力鍋用蒸し器4は、蒸し料理用などの調理の際に用いるため、電気圧力鍋100の付属品という位置付けのものである。したがって、必ずしも使用されるわけではなく、料理によっては、当然ながらこの電気圧力鍋用蒸し器4は使用されないこともある。
【0025】
内鍋2は金属製であり、汚れが落ち易いように、また錆びないように、フッ素などでコーティングされている。図1に示すように、内鍋2が入れられる本体1は、内鍋2を加熱する加熱部11を備えている。加熱部11として本実施形態では、内鍋2の底部に配設される第1コイル111と側面に配設される第2コイル112とからなり、コイルによる電磁力を利用して内鍋2を加熱するものを示しているが、加熱部11としてラジエントヒーターやシーズヒーターなどでも構わない。
【0026】
蓋部3はパッキン311を有するアルミ製の内蓋31を備えており、本体1の第1係合突起12と蓋部3の第2係合突起32の係合により、蓋部3は本体1と着脱可能である。内鍋2が入れられた本体1に蓋部3が時計方向の回転で係合されると、内蓋31が内鍋2の開口を覆って内鍋2を密閉する。
なお、電気圧力鍋100の本体1、内鍋2、蓋部3については、非特許文献1~3にあるような一般的な調理器と同様のものである。
電気圧力鍋用蒸し器4は、図2図3に示すように、下段用蒸トレイ41、上段用蒸トレイ42、嵩上げ具43とトレイ用隙間保持具44からなる。
【0027】
下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42は、共通部品であり、図2Bに示すように、深さが浅い鍋形のトレイであり、汚れが落ち易いように、また錆びないように、フッ素などでコーティングされている。本実施形態では具体的には、アルミ製のものにフッ素樹脂コーティングしたものを用いている。また、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42は、電気圧力鍋100の他に、電子レンジでも使用できるような材質、例えばセラミックで形成してもよい。
【0028】
図2Aに示すように、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42が内鍋2に入れられた状態で下段用蒸トレイ41、上段用蒸トレイ42と内鍋2の間に隙間S1、S2ができるように、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42の最外径(フランジ41a、42bの外径)は、内鍋2の内径よりも小さくなっている。そして、この隙間Sは、内鍋2の底の水Wによる水蒸気が下段用蒸トレイ41内と上段用蒸トレイ42内へ入るための通路となる。
【0029】
嵩上げ具43は、図2Aに示すように、内鍋2と下段用蒸トレイ41の間に水が入る空部を設けるために、下段用蒸トレイ41を内鍋2の底から隙間S3だけ嵩上げするための部材である。
【0030】
この嵩上げ具43は、図3Aに示すように、下方の大きな円形の第1線材431と、上方の大中小の円形の第2~第4線材432、433、434と、これら4つの円形の線材を溶接で接続する3つの第5線材435からなる。そして、このように嵩上げ具43を線材で構成することによって、下段用蒸トレイ41との接触を抑えられるため、蒸気による熱が均一に伝わりやすくなる。
【0031】
トレイ用隙間保持具44は、図2Aに示すように、内鍋2の底の水Wの水蒸気が下段用蒸トレイ41内と上段用蒸トレイ42内へ入るための通路を確保するための部材である。
【0032】
このトレイ用隙間保持具44は、図3Bに示すように、嵩上げ具43と同様の形状の第1~第5線材441~445に3つの第6線材446を加えたものである。そして、この第6線材446は、長円形の線材をハット曲げして、横に倒した形状となっている。
【0033】
トレイ用隙間保持具44は、下方の大きな円形の第1線材441と上方の大きな円形の第2線材442をこの第6線材446のハットの天部で連結し、ハットの側面部が第1線材441と第2線材442の外側に延在し、ハットのつば部が上下に延在する形状となっている。
【0034】
このつば部の下方に延在する部分が、下段用規制部44aであり、下段用蒸トレイ41のフランジ41aと当接することにより、下段用蒸トレイ41と内鍋2の隙間S1を確保する。
【0035】
また、このつば部の上方に延在する部分が上段用規制部44bであり、上段用蒸トレイ42の側壁42bと当接することにより、上段用蒸トレイ41と内鍋2の隙間S2を確保する。
また、ハットの側面部の幅(第1線材441から第2線材442までの高さに等しい。)が下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42の隙間S4を確保する。
【0036】
なお、図2A図3Bからわかるように、下段用規制部44aと上段用規制部44bは、内鍋2までの距離が異なっており下段用規制部44aは内鍋までの距離(隙間S1)が短く、上段用規制部44bは内鍋2までの距離が長くなっている。このような構成により、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42の位置が内鍋2の中心に位置し易くなり、隙間S1、隙間S2が全周に亘って確実に確保できる。
【0037】
蒸し料理用が行われるとき、内鍋2に嵩上げ具43が入れられ、この嵩上げ具43の高さを超えないように水Wが入れられる。そして、蒸し料理の食材が入れられた下段用蒸トレイ41が入れられ、トレイ用隙間保持具44が入れられ、蒸し料理の食材が入れられた上段用蒸トレイ42が入れられ、内鍋2が本体1に入れられて蓋部3で内鍋2が密閉される。
【0038】
そして、加熱部4で水Wが加熱され、その水蒸気が下段用蒸トレイ41と内鍋2の隙間S1を通り、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42の隙間S4を通って下段用蒸トレイ41に入り込む。また、下段用蒸トレイ41と内鍋2の隙間S1を通った水蒸気は上段用蒸トレイ41と内鍋2の隙間S2を通って上段用蒸トレイ41に入り込む。これにより、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42に入れられた蒸し料理の食材が蒸される。
【0039】
本発明の電気圧力鍋100及び電気圧力鍋用蒸し器4は、2段の蒸トレイを用いるため、数多くの蒸し料理や多種の蒸し料理を同時に作ることができる。また、蒸トレイは下方が無孔であるので、液体の料理部材も蒸すことができ、バリエーションを更に増やすことができる。また、沸騰で跳ねた熱湯が食材に掛かることがない。
【0040】
また、嵩上げ具43により下段用蒸トレイ41と内蓋2の底部とが直接接しないため、蒸し料理において内鍋2の底部に十分な量の水Wを入れておくことができる。これにより、水Wが無くなって蒸し料理が焦げるのを防止することができる。
【0041】
また、トレイ用隙間保持具44によって下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42との間に十分な間隔を確保できるので、下段用蒸トレイ41側において水蒸気を満遍なく行きわたらせることができる。
【0042】
また、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42は、深さが浅くてそれぞれ出し入れができるので、調理直後に熱い蒸し料理を取り出しやすく、調理前にも綺麗に具材を配置することができる。また、上端用蒸トレイを取り外すことで、茶わん蒸しなどの高さが高い蒸し料理を入れることができ、バリエーションを更に増やすことができる。
【0043】
なお、上述の実施形態の蒸トレイは2段であったが、更に段数を増加させることも可能である。また、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42の上方側であれば、水蒸気が通るための孔を明けることも可能である。
また、下段用蒸トレイ41と上段用蒸トレイ42を出し入れ易くするために、それぞれに取っ手などの取り出し手段を設けることができる。
【0044】
また、上述の実施形態の嵩上げ具43とトレイ用隙間保持具44は線材であったが、本発明の嵩上げ具43とトレイ用隙間保持具44の形状・材質はこれに限定しない。たとえば、トレイ用隙間保持具44の3つの第6線材446を射出成型部品にし、これを嵩上げ具43に取り付けることでトレイ用隙間保持具44を形成してもよい。また、嵩上げ具43とトレイ用隙間保持具44を共通部品にし、さらに、この共通部品を下段用蒸トレイ41や上段用蒸トレイ42に着脱可能に取り付けることができるようにしてもよい。
【0045】
また、本発明は電気圧力鍋100に関するものであるが、この電気圧力鍋とは、内鍋を有する炊飯器なども含まれることは当然である。
また、本実施形態においては、電気圧力鍋用蒸し器4は、電気圧力鍋100の付属品として説明したが、電気圧力鍋用蒸し器4を単体で販売し、既存の電気圧力鍋に対して使用することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
100:電気圧力鍋
2:内鍋
3:蓋部
4:加熱部
4:電気圧力鍋用蒸し器
41:下段用蒸トレイ
42:上段用蒸トレイ
43:嵩上げ具
44:トレイ用隙間保持具
44a:下段用規制部
44b:上段用規制部
W:水
図1
図2
図3