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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015976
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1334 20060101AFI20220114BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220114BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220114BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G02F1/1334
G02F1/13357
F21S2/00 450
G09F9/00 336B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119199
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴之
(72)【発明者】
【氏名】碇 昌之
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
3K244
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA74
2H189AA75
2H189AA76
2H189HA16
2H189LA03
2H391AA23
2H391AC03
2H391CA03
2H391CA04
2H391CA06
2H391CA10
2H391CA34
3K244AA04
3K244BA50
3K244CA05
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA13
5G435AA01
5G435AA06
5G435BB12
5G435EE22
5G435GG26
(57)【要約】
【課題】デザイン性を向上し且つ表示品位の低下を抑制する。
【解決手段】本実施形態の表示装置は、第1領域、第2領域及び第3領域に亘って延出した第1側面を有する第1透明基板と、第3領域において第1透明基板と対向する第2透明基板と、ポリマーと液晶分子とを含む高分子分散型の液晶層と、第2透明基板上に配置され第1領域側の一端部と第2領域側の他端部とを有する第3透明基板と、第1領域の直上に位置し一端部と対向する第1発光素子が実装された第1配線基板と、第2領域の直上に位置し他端部と対向する第2発光素子が実装された第2配線基板と、第1発光素子及び第2発光素子に電源を供給する電源回路と、第1領域に配置され電源回路と電気的に接続された第1端子と、第2領域において第2配線基板と対向し第2配線基板と電気的に接続された第2端子と、第1側面に配置され第1端子及び第2端子と電気的に接続された第1導電層と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に亘って延出した第1側面と、を有する第1透明基板と、
前記第3領域において前記第1透明基板と対向する第2透明基板と、
前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持され、ポリマーと液晶分子とを含む高分子分散型の液晶層と、
前記第2透明基板の上に配置され、前記第1領域の側に位置する一端部と前記第2領域の側に位置する他端部とを有する第3透明基板と、
前記第1領域の直上に位置し、前記一端部と対向する第1発光素子が実装された第1配線基板と、
前記第2領域の直上に位置し、前記他端部と対向する第2発光素子が実装された第2配線基板と、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子に電源を供給する電源回路と、
前記第1領域に配置され、前記電源回路と電気的に接続された第1端子と、
前記第2領域において前記第2配線基板と対向し、前記第2配線基板と電気的に接続された第2端子と、
前記第1側面に配置され、前記第1端子及び前記第2端子と電気的に接続された第1導電層と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
前記第1端子と前記第1導電層とを電気的に接続する第1導電性部材と、
前記第2端子と前記第1導電層とを電気的に接続する第2導電性部材と、
をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2配線基板と前記第2端子との間に配置され、前記第2配線基板と前記第2端子とを電気的に接続する接続部材をさらに備え、
前記第2端子は、前記第2導電性部材と重畳する第1部分と、前記接続部材と重畳する第2部分とを有している、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1導電層と電気的に接続された第2導電層をさらに備え、
前記第1透明基板は、前記第1側面と交差し前記第2領域に沿って延出した第2側面を有し、
前記第2導電層は、前記第2側面に配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1導電層と前記第2導電層とを電気的に接続する第3導電性部材と、
前記第2端子と第2導電層とを電気的に接続する第4導電性部材と、
をさらに備える、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2配線基板と前記第2端子との間に配置され、前記第2配線基板と前記第2端子とを電気的に接続する接続部材をさらに備え、
前記第2端子は、前記第4導電性部材と重畳する第1部分と、前記接続部材と重畳する第2部分とを有している、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2端子は、前記第1端子よりも前記第1側面から離間している、請求項4又は5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1領域において前記第1配線基板と対向し、前記第1配線基板と電気的に接続された第3端子をさらに備え、
前記第3端子は、前記第1端子よりも前記第1側面から離間している、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1導電層は、金属材料を含み、前記第1側面の全体を覆っている、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域とを有する第1透明基板と、
前記第3領域において前記第1透明基板と対向する第2透明基板と、
前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持された液晶層と、
前記第1領域に配置された第1下端子と、
前記第2領域に配置された第2下端子と、
前記第1領域の直上に位置し、前記第1下端子と対向する第1上端子を有する第1配線基板と、
前記第2領域の直上に位置し、前記第2下端子と対向する第2上端子を有する第2配線基板と、
前記第1配線基板に実装され、前記第1上端子と電気的に接続された第1発光素子と、
前記第2配線基板に実装され、前記第2上端子と電気的に接続された第2発光素子と、
前記第1下端子と前記第1上端子との間に配置され、前記第1下端子と前記第1上端子とを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2下端子と前記第2上端子との間に配置され、前記第2下端子と前記第2上端子とを電気的に接続する第2接続部材と、
を備える、表示装置。
【請求項11】
前記第1領域に配置され、前記第1下端子とは電気的に絶縁された第1端子をさらに備え、
前記第1端子は、前記第2下端子と電気的に接続されている、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1透明基板は、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に亘って延出した第1側面をさらに有し、
前記第1側面に配置され、前記第1端子及び前記第2下端子と電気的に接続された第1導電層をさらに備える、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に亘って延出した第1側面と、前記第1側面と交差する第2側面と、前記第1側面の反対側に位置する第3側面と、を有する第1透明基板と、
前記第3領域において前記第1透明基板と重畳する第2透明基板と、
前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持された液晶層と、
前記第1領域に配置され、前記第1側面に近接する第1端子と、
前記第1領域に配置され、前記第3側面に近接する第4端子と、
前記第2領域に配置され、前記第2側面に沿って並んだ第2端子及び第5端子と、
導電性を有し、前記第1側面に配置された第1反射層と、
導電性を有し、前記第3側面に配置された第3反射層と、
導電性を有し、前記第2側面の前記第1側面側に配置され、前記第1反射層と電気的に接続された第2反射層と、
導電性を有し、前記第2側面の前記第3側面側に配置され、前記第3反射層と電気的に接続され、前記第2反射層から離間した第4反射層と、
を備え、
前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1反射層及び前記第2反射層を介して電気的に接続され、
前記第4端子及び前記第5端子は、前記第3反射層及び前記第4反射層を介して電気的に接続されている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透過状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)を用いた表示装置が種々提案されている。PDLCを用いた表示装置は、表示パネルに光を照射するための照明装置を備える場合が多い。照明装置の一例として、表示パネルと向かい合う導光板と、導光板へ光を入射する発光素子とを備える構成が知られている。
【0003】
導光板の一端側と他端側との双方に発光素子が配置されている場合、発光素子に電力を供給するための配線やケーブルが、導光板の一端側と他端側の双方から引き出されるため、これらを収容する筐体が必要となる場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-84278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、デザイン性を向上し、且つ、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の表示装置は、
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に亘って延出した第1側面と、を有する第1透明基板と、前記第3領域において前記第1透明基板と対向する第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持され、ポリマーと液晶分子とを含む高分子分散型の液晶層と、前記第2透明基板の上に配置され、前記第1領域の側に位置する一端部と前記第2領域の側に位置する他端部とを有する第3透明基板と、前記第1領域の直上に位置し、前記一端部と対向する第1発光素子が実装された第1配線基板と、前記第2領域の直上に位置し、前記他端部と対向する第2発光素子が実装された第2配線基板と、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に電源を供給する電源回路と、前記第1領域に配置され、前記電源回路と電気的に接続された第1端子と、前記第2領域において前記第2配線基板と対向し、前記第2配線基板と電気的に接続された第2端子と、前記第1側面に配置され、前記第1端子及び前記第2端子と電気的に接続された第1導電層と、を備える。
【0007】
本実施形態の表示装置は、
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域とを有する第1透明基板と、前記第3領域において前記第1透明基板と対向する第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持された液晶層と、前記第1領域に配置された第1下端子と、前記第2領域に配置された第2下端子と、前記第1領域の直上に位置し、前記第1下端子と対向する第1上端子を有する第1配線基板と、前記第2領域の直上に位置し、前記第2下端子と対向する第2上端子を有する第2配線基板と、前記第1配線基板に実装され、前記第1上端子と電気的に接続された第1発光素子と、前記第2配線基板に実装され、前記第2上端子と電気的に接続された第2発光素子と、前記第1下端子と前記第1上端子との間に配置され、前記第1下端子と前記第1上端子とを電気的に接続する第1接続部材と、前記第2下端子と前記第2上端子との間に配置され、前記第2下端子と前記第2上端子とを電気的に接続する第2接続部材と、を備える。
【0008】
本実施形態の表示装置は、
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に亘って延出した第1側面と、前記第1側面と交差する第2側面と、前記第1側面の反対側に位置する第3側面と、を有する第1透明基板と、前記第3領域において前記第1透明基板と重畳する第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に保持された液晶層と、前記第1領域に配置され、前記第1側面に近接する第1端子と、前記第1領域に配置され、前記第3側面に近接する第4端子と、前記第2領域に配置され、前記第2側面に沿って並んだ第2端子及び第5端子と、導電性を有し、前記第1側面に配置された第1反射層と、導電性を有し、前記第3側面に配置された第3反射層と、導電性を有し、前記第2側面の前記第1側面側に配置され、前記第1反射層と電気的に接続された第2反射層と、導電性を有し、前記第2側面の前記第3側面側に配置され、前記第3反射層と電気的に接続され、前記第2反射層から離間した第4反射層と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1反射層及び前記第2反射層を介して電気的に接続され、前記第4端子及び前記第5端子は、前記第3反射層及び前記第4反射層を介して電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の外観の一例を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す表示装置の構成例を示す断面図である。
図3図3は、表示パネルの構成例を示す断面図である。
図4図4は、表示パネルの表示動作を説明するための図である。
図5図5は、表示パネルの構成例を示す平面図である。
図6図6は、図5に示す表示パネルの斜視図である。
図7図7は、図5に示す第2領域と重畳する配線基板の構成例を示す平面図である。
図8図8は、表示パネルの第1変形例を示す平面図である。
図9図9は、図8に示す表示パネルの斜視図である。
図10図10は、図8に示す第2領域と重畳する配線基板の構成例を示す平面図である。
図11図11は、表示パネルの第2変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの外観の一例を示す平面図である。図に示す第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。
【0012】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネル1、発光素子2(2a、2b)、光学素子3(3a、3b)、制御基板4、中継基板5、ゲートドライバGD(GD1、GD2)、ソースドライバSD、配線基板F1、F2、及びF3(F31、F32)、などを備えている。
【0013】
表示パネル1は、一例では、四角形であり、図示した例では、第1方向Xに沿った辺の長さが第2方向Yに沿った辺の長さよりも大きい略長方形状である。表示パネル1は、透明基板10と、透明基板20と、透明基板30と、を備えている。透明基板10と透明基板20とは、第3方向Zに重畳し、その間に高分子分散型の液晶層(後述する液晶層LC)を保持している。透明基板30は、透明基板20に重畳している。一例では、透明基板30は、透明基板20と同形状である。
【0014】
透明基板10は、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3を有している。第1領域A1と第2領域A2とは、一例では、第2方向Yに並んでいる。第3領域A3は、第1領域A1と第2領域A3との間に位置している。図示した例では、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3は、いずれも第1方向Xに沿った長辺を有する略長方形状である。透明基板20は、第3領域A3に配置されている。換言すると、第3領域A3は、透明基板10と透明基板20とが重畳している領域に相当する。また、第1領域A1と第2領域A2とは、透明基板10が透明基板20よりも外側に延出した領域に相当する。透明基板30は、第1領域A1側に位置する端部E30aと、第2領域A2側に位置する端部E30bとを有している。端部E30a及びE30bは、一例では、第1方向Xに延出している。透明基板30は、表示パネル1を照明するための導光板として機能する。
【0015】
表示パネル1は、第3領域A3、すなわち液晶層が設けられた領域に、画像を表示する表示領域DAを有している。表示パネル1は、表示領域DAにおいて、複数の走査線G、及び、複数の信号線Sを備えている。一例では、複数の走査線Gは、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。複数の信号線Sは、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。また、表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを備えている。
【0016】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LC(特に、液晶層LCに含まれる液晶分子)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0017】
ゲートドライバGD及びソースドライバSDは、一例では、第1領域A1に実装され、第1方向Xに並んでいる。図示した例では、ソースドライバSDは、ゲートドライバGD1とゲートドライバGD2との間に配置されている。信号線Sは、非表示領域NDAに引き出され、ソースドライバSDと接続されている。走査線Gは、非表示領域NDAに引き出され、ゲートドライバGD1及びGD2と接続されている。なお、表示装置DSPが備えるゲートドライバGD及びソースドライバSDの数や、信号線SとソースドライバSDとの接続関係、走査線GとゲートドライバGDとの接続関係などは、図示した例に限らない。また、ゲートドライバGD及びソースドライバSDは、そのすべて、あるいは一部の機能が配線基板F3、制御基板4、中継基板5などの他の基板に実装されていてもよい。
【0018】
複数の発光素子2aは、第1領域A1と重畳し、第1方向Xに等間隔で並んでいる。図示した例では、発光素子2aは、ゲートドライバGD及びソースドライバSDよりも透明基板30に近接している。複数の発光素子2bは、第2領域A2と重畳し、第1方向Xに等間隔で並んでいる。発光素子2a及び2bの各々は、一例では、LED(light emitting diode)であり、第1色の光を出射する第1発光部と、第2色の光を出射する第2発光部と、第3色の光を出射する第3発光部と、を備えている。一例では、第1色は赤色であり、第2色は緑色であり、第3色は青色である。
【0019】
光学素子3aは、第1領域A1において、発光素子2aと透明基板30との間に位置している。図示した例では、光学素子3aは、第1方向Xに延出し、発光素子2aの各々と対向している。光学素子3bは、第2領域A2において、発光素子2bと透明基板30との間に位置している。図示した例では、光学素子3bは、第1方向Xに延出し、発光素子2bの各々と対向している。光学素子3a及び3bは、一例では、入射光をそれぞれ平行光に変換するが、必要に応じて、入射光を拡散してもよい。発光素子2aから発せられた光は、光学素子3aを介して端部E30aから透明基板30に入射され、発光素子2bから発せられた光は、光学素子3bを介して端部E30bから透明基板30に入射される。
【0020】
制御基板4は、画像処理部41、光源ドライバ42、電源回路43などを備えている。画像処理部41は、タイミングコントローラを含む。画像処理部41は、外部から入力された画像データや同期信号などに基づいて各種信号を生成する。一例では、画像処理部41は、画像データに所定の信号処理を行って生成した映像信号をソースドライバSDに出力する。また、画像処理部41は、同期信号に基づいて生成した制御信号を、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、及び光源ドライバ42にそれぞれ出力する。光源ドライバ42は、画像処理部41からの制御信号などに従い、発光素子2a及び2bの点灯期間を制御する。1フレーム期間が複数のサブフレーム(フィールド)期間を有する駆動方式においては、各サブフレームにおいて上述の3つの発光部のうちの少なくとも1つが点灯し、サブフレーム毎に照明光の色が切り替えられる。また、光源ドライバ42は、電源回路43から発光素子2a及び2bに電力を供給する。
【0021】
配線基板F1は、第1領域A1に重畳し、発光素子2aと電気的に接続されている。配線基板F2は、第2領域A2に重畳し、発光素子2bと電気的に接続されている。配線基板F3は、第1領域A1に実装されている。図示した例では、2つの配線基板F31及びF32が第1領域A1に実装されている。一例では、配線基板F31は、ゲートドライバGD1側に位置し、配線基板F32は、ゲートドライバGD2側に位置している。配線基板F3は、表示パネル1と中継基板5とを物理的に及び電気的に接続している。より具体的には、配線基板F3は、発光素子2a及び2b、ゲートドライバGD、及びソースソースドライバSDと中継基板5とを電気的に接続している。中継基板5は、ケーブルCB1及びCB2を介して制御基板4と電気的に接続されている。したがって、発光素子2a及び2bは、配線基板F3、中継基板5、及びケーブルCB1及びCB2を介して、制御基板4が備える光源ドライバ42によってその動作が制御される。
【0022】
図2は、図1に示す表示装置DSPの構成例を示す断面図である。図2は、Y-Z平面と平行な面を示している。表示装置DSPは、表示パネル1、発光素子2a及び2b、光学素子3a及び3b、配線基板F1、F2、及びF3に加え、接続部材61及び62、及び導電層7を備えている。
【0023】
表示パネル1において、透明基板10は、透明基板20と向かい合う主面10Aを有している。主面10Aは、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3に亘って延出している。透明基板20は、第3領域A3において、透明基板10と第3方向Zに対向している。透明基板10と透明基板20とは、シールSEによって貼り合わされている。液晶層LCは、シールSEによって囲まれた領域内に保持されている。透明基板30は、透明基板20の上に配置されている。図示した例では、透明基板30と透明基板20とは、接着剤AD30によって接着されている。
【0024】
また、表示パネル1は、第1領域A1において主面10Aに配置された端子OT、T1、及びREと、第2領域A2において主面10Aに配置された端子T2と、を有している。第1領域A1において、端子OTは、配線基板F3の一端部と重畳し、配線基板F3と接続されている。端子T1は、図示しない配線によって端子OTと接続されている。端子REは、配線WRによって端子OTと接続されている。したがって、端子T1と端子REとは、それぞれ配線基板F3と電気的に接続されている。
【0025】
配線基板F1は、第1領域A1の直上に位置している。発光素子2aは、配線基板F1の下面F1Aに実装されている。発光素子2aは、光学素子3aを介して透明基板30の端部E30aと対向している。図示した例では、光学素子3aは、接着剤AD1によって透明基板30の端部E30aに接着されている。配線基板F1は、発光素子2aと電気的に接続された端子TA1を有している。端子TA1は、下面F1Aに位置し、第1領域A1に配置された端子T1と対向している。接続部材61は、端子TA1と端子T1との間に配置され、両者を電気的に接続している。これにより、配線基板F3と配線基板F1とが電気的に接続される。
【0026】
配線基板F2は、第2領域A2の直上に位置している。発光素子2bは、配線基板F2の下面F2Aに実装されている。発光素子2bは、光学素子3bを介して透明基板30の端部E30bと対向している。図示した例では、光学素子3bは、接着剤AD2によって透明基板30の端部E30bに接着されている。配線基板F2は、発光素子2bと電気的に接続された端子TA2を有している。端子TA2は、下面F2Aに位置し、第2領域A2に配置された端子T2と対向している。接続部材62は、端子TA2と端子T2との間に配置され、両者を電気的に接続している。
【0027】
本実施形態において、第1領域A1に配置された端子REと第2領域A2に配置された端子T2とは、導電層7を介して電気的に接続されている。導電層7は、透明基板10の側面に配置される。ここでの側面とは、第1領域A1と第2領域A2とが並ぶ方向、すなわち第2方向Yに延出した側面である。図2は、表示パネル1の断面図を示しており、導電層7が配置される側面については、図5等を参照しながら説明する。導電層7が端子REと端子T2とを電気的に接続することにより、配線基板F3と配線基板F2とが電気的に接続される。
【0028】
図3は、表示パネル1の構成例を示す断面図である。表示パネル1は、透明基板10、透明基板20、液晶層LC、透明基板30、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CEに加え、絶縁膜11及び12、容量電極13、配向膜AL1及びAL2を備えている。
【0029】
透明基板10は、透明基板20と向かい合う主面(内面)10Aと、主面10Aと反対側の主面(外面)10Bと、を有している。スイッチング素子SWは、主面10A側に形成されている。絶縁膜11は、主面10Aに形成され、スイッチング素子SWを覆っている。なお、図1に示した走査線G及び信号線Sは、透明基板10と絶縁膜11との間に配置されているが、ここでは図示を省略している。容量電極13は、絶縁膜11及び12の間に配置されている。画素電極PEは、絶縁膜12と配向膜AL1との間において、画素PX毎に配置されている。つまり、容量電極13は、透明基板10と画素電極PEとの間に配置されている。画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重畳し、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
【0030】
透明基板20は、透明基板10と向かい合う主面(内面)20Aと、主面20Aの反対側の主面(外面)20Bと、を備えている。共通電極CEは、主面20Aに配置されている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。なお、スイッチング素子SW、走査線G、及び、信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が設けられてもよい。また、透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が設けられてもよい。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第3方向Zにおいて、複数の画素電極PEと対向している。また、共通電極CEは、容量電極13と電気的に接続されており、容量電極13とは同電位である。
【0031】
液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持され、両者に接している。換言すると、液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に位置している。本実施形態において、液晶層LCは、高分子化合物であるポリマーLpと、液晶分子Lmと、を含む高分子分散型液晶によって形成されている。一例では、ポリマーLpは、液晶性ポリマーである。ポリマーLpは、例えば、液晶性モノマーが配向膜AL1及びAL2の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で重合されることによって得られる。液晶分子Lmは、ポリマーLpの隙間に分散され、その長軸が配向膜AL1及びAL2の配向規制力に沿うように配向される。なお、図中の拡大部分において、ポリマーLpは右下がりの斜線で示し、液晶分子Lmは右上がりの斜線で示している。
【0032】
ポリマーLp及び液晶分子Lmの各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマーLpの光軸と液晶分子Lmの光軸とが、互いに平行である場合、ポリマーLp及び液晶分子Lmの常光屈折率は互いにほぼ同等であり、ポリマーLp及び液晶分子Lmの異常光屈折率は互いにほぼ同等である。このため、ポリマーLpと液晶分子Lmとの間にほとんど屈折率差がない。液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する。以下では、このような状態を『透明状態』と称する。一方、ポリマーLpの光軸と液晶分子Lmの光軸とが、互いに平行でない場合、ポリマーLpと液晶分子Lmとの間に屈折率差が生じる。これにより、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される。以下では、このような状態を『散乱状態』と称する。
【0033】
ポリマーLpの電界に対する応答性は、液晶分子Lmの電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマーLpの配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子Lmの配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。したがって、液晶層LCの透明状態と散乱状態とは、液晶層LCに印加される電圧、より具体的には、画素電極PEと共通電極CEとの間に印加される電圧によって制御することができる。
【0034】
画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧が印加されていない場合、液晶層LCに含まれるポリマーの光軸と液晶分子の光軸とが互いに平行であり、液晶層LCは、透明状態となる。画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧が印加されている場合、液晶層LCに含まれるポリマーの光軸と液晶分子の光軸とが互いに交差し、液晶層LCは、散乱状態となる。液晶層LCは、例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料によって形成されている。
【0035】
透明基板10及び透明基板20は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜、及び、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜を含んでいる。絶縁膜12は、シリコン窒化物などの透明な無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、及び、共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1及びAL2は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1及びAL2は、第1方向Xに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0036】
図4は、表示パネル1の表示動作を説明するための図である。画素電極PE(PE1、PE2)と共通電極CEとは、液晶層LC1を間に挟み、互いに向かい合っている。ここでは、画素電極PE1と共通電極CEとの間には、電圧が印加されず、画素電極PE2と共通電極CEとの間に電圧が印加されているものとする。また、以下では、発光素子2aから光学素子3aを介して透明基板30に入射した光L1について説明するが、発光素子2bから光学素子3bを介して透明基板30に入射した光についても同様である。
【0037】
端部E30aから透明基板30に入射した光L1は、透明基板20側から表示パネル1に入射し、透明基板20、液晶層LC1、透明基板10などを伝播する。画素電極PE1と重畳する液晶層LCは透明状態である。このため、光L1は、液晶層LCのうち画素電極PE1と重畳する領域でほとんど散乱されない。一方、画素電極PE2と重畳する液晶層LCは散乱状態である。このため、光L1は、液晶層LCのうち画素電極PE2と重畳する領域で散乱される。光L1のうち、一部の散乱光L11は、透明基板20の主面20Bを透過し、一部の散乱光L12は、透明基板10の主面10Bを透過し、他の散乱光は表示パネル1内を伝播する。
【0038】
画素電極PE1と重畳する領域では、表示パネル1に入射する外部光L2は、液晶層LCでほとんど散乱されることなく透過される。画素電極PE2と重畳する領域では、主面10Bから入射した外部光L3は、液晶層LCで散乱された後に、その一部の光L31が主面20Bを透過する。また、主面20Bから入射した外部光L4は、液晶層LCで散乱された後に、その一部の光L41が主面10Bを透過する。
【0039】
このため、ユーザは、表示パネル1を主面20B側から観察した場合には、画素電極PE2と重畳する領域で光L1の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L31が表示パネル1を透過するため、ユーザは、表示パネル1を透かして主面10B側の背景を視認することもできる。同様に、ユーザは、表示パネル1を主面10B側から観察した場合には、画素電極PE2と重畳する領域で光L1の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L41が表示パネル1を透過するため、ユーザは、表示パネル1を透かして主面20B側の背景を視認することもできる。なお、画素電極PE1と重畳する領域では、液晶層LCが透明状態であるため、光L1の色はほとんど視認されず、ユーザは、表示パネル1を透かして背景を視認することができる。
【0040】
図5は、表示パネル1の構成例を示す平面図である。透明基板10は、略長方形状であり、第1方向Xに沿った側面SX1及びSX2と、第1領域A1及び第2領域A2が並ぶ第2方向Yに沿った側面SY1及びSY2とを有している。つまり、側面SY1及びSY2は、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3に亘って延出している。側面SX1は、第1領域A1に沿って延出し、側面SX2は、第2領域A2に沿って延出している。図示した例では、側面SX1及びSX2の長さは、側面SY1及びSY2の長さより大きいが、側面SY1及びSY2の長さと同等以下であってもよい。
【0041】
第1領域A1において、表示パネル1は、端子OT1、OT2、T11、T12、RE1、及びRE2を有している。
端子OT1及びOT2は、側面SX1に沿って配置されている。図示した例では、端子OT1及びOT2は、第2方向Yにおいて、ゲートドライバGD及びソースドライバSDよりも側面SX1に近接している。端子OT1は、側面SY1側に位置し、配線基板F31と電気的に接続される。端子OT2は、側面SY2側に位置し、配線基板F32と電気的に接続される。
【0042】
端子T11及びRE1は、配線基板F31と透明基板20との間に位置している。端子T11は、端子RE1よりも側面SY1から離間している。端子T11及びRE1は、配線を介して端子OT1とそれぞれ接続されている。端子T11と端子RE1とは、互いに電気的に絶縁されている。
端子T12及びRE2は、配線基板F32と透明基板20との間に位置している。端子T12は、端子RE2よりも側面SY2から離間している。端子T12及びRE2は、配線を介して端子OT2とそれぞれ接続されている。端子T12と端子RE2とは、互いに電気的に絶縁されている。なお、図2に示した端子T1は、図5に示す端子T12に相当する。
【0043】
第2領域A2において、表示パネル1は、端子T21及びT22を有している。
端子T21は、側面SY1側に配置されている。図示した例では、端子T21は、第1方向Xに並んだ第1部分P211と第2部分P212とを有している。第1部分P211及び第2部分P212は、電気的に接続されている、あるいは一体的に形成されている。第1部分P211は、第2部分P212より側面SY1に近接している。
端子T22は、側面SY2側に配置されている。図示した例では、端子T22は、第1方向Xに並んだ第1部分P221と第2部分P222とを有している。第1部分P221及び第2部分P222は、電気的に接続されている、あるいは一体的に形成されている。第1部分P221は、第2部分P222よりも側面SY2に近接している。なお、図2に示した端子T2は、図5に示す端子T22に相当する。
【0044】
第1領域A1の端子RE1と第2領域A2の端子T21の第1部分P211とは、導電層71を介して電気的に接続されている。導電層71は、側面SY1に配置されている。また、第1領域A1の端子RE2と第2領域A2の端子T22の第1部分P221とは、導電層72を介して電気的に接続されている。導電層72は、側面SY2に配置されている。
【0045】
第1領域A1において、端子RE1と側面SY1との距離DR1、及び端子RE2と側面SY2との距離DR2は、いずれも端子RE1と端子RE2との距離DR0よりも小さい。図示した例では、距離DR1と距離DR2とは、互いに等しいが、異なっていてもよい。また、第2領域A2において、端子T21の第1部分P211と側面SY1との距離DT1、及び端子T22の第1部分P221と側面SY2との距離DT2は、いずれも端子T21と端子T22との距離DT0よりも小さい。図示した例では、距離DT1と距離DT2とは、互いに等しいが、異なっていてもよい。なお、距離DR0、DR1、DR2、DT0、DT1、及びDT2は、第1方向Xに沿った距離である。
【0046】
図6は、図5に示す表示パネル1の斜視図である。図6は、側面SY2側を示している。導電層72は、一例では、例えば銀などの金属材料を含む導電性ペーストを塗布することで形成される。導電層72は、側面SY2の全体に亘って形成されている。なお、図示は省略するが、導電層71も同様に、側面SY1の全体に亘って形成されている。金属材料によって形成された導電層71及び72は、透明基板10を伝搬する光を反射する反射層としても機能する。
【0047】
図示した例では、表示装置DSPは、導電性部材81及び導電性部材82を備えている。
導電性部材81は、端子RE2と導電層72とを電気的に接続する。すなわち、導電性部材81は、第1領域A1において主面10Aと側面SY2とに亘って配置され、端子RE2及び導電層72とそれぞれ接している。導電性部材82は、端子T22と導電層72とを電気的に接続する。すなわち、導電性部材82は、第2領域A2において主面10Aと側面SY2とに亘って配置され、端子T22及び導電層72とそれぞれ接している。導電性部材81及び82は、例えばフレキシブル配線基板、導電性テープ等の折り曲げが可能なシート状の部材であるが、導電性樹脂などの他の導電材料が適用されてもよい。このような導電性部材81及び82を設けることにより、主面10Aと側面SY2との境界における電気的な破断を抑制することができる。
【0048】
本実施形態において、端子T22は、導電性部材82及び接続部材62の双方と接している。すなわち、端子T22の第1部分P221は、導電性部材82と重畳する部分に相当し、端子T22の第2部分P222は、接続部材62と重畳する部分に相当する。上述したように、第2部分P222は、第1部分P221よりも側面SY2から離間している。したがって、第1方向Xにおいて、接続部材62は、導電性部材82よりも側面SY2から離間している。なお、第1領域A1において、端子T12は、接続部材61と重畳している。
【0049】
図7は、図5に示す第2領域A2と重畳する配線基板F2の構成例を示す平面図である。配線基板F2は、端子EA、EK、TA2、及びTK2を有している。端子EA及びEKは、発光素子2bと重畳し、発光素子2bのアノード電極及びカソード電極とそれぞれ接続される。端子EAの各々は、配線LAによって端子TA2と接続されている。端子EKの各々は、配線LKによって端子TK2と接続されている。
【0050】
端子TA2は、透明基板10に配置された端子T22の第2部分P222と重畳している。第2部分P222と端子TA2との間には、図6に示した接続部材62が介在し、第2部分P222と端子TA2とを電気的に接続している。端子TK2は、透明基板10に配置された端子T21の第2部分P212と重畳している。第2部分P212と端子TK2との間には、同様の接続部材62が介在し、第2部分P212と端子TK2とを電気的に接続している。なお、図示は省略するが、配線基板F1は、配線基板F2と同一の構成である。
【0051】
図1に示した光源ドライバ42は、電源回路43から発光素子2a及び発光素子2bの各々にカソード電圧及びアノード電圧を供給する。発光素子2a及び2bのカソード電圧は、電源回路43から例えばケーブルCB1、中継基板5、及び配線基板31を介して表示パネル1の端子OT1へ供給される。発光素子2a及び発光素子2bのアノード電圧は、電源回路43から例えばケーブルCB2、中継基板5、及び配線基板32を介して表示パネル1の端子OT2へ供給される。
【0052】
発光素子2bのカソード電圧及びアノード電圧は、配線基板F31及びF32と接続された表示パネル1の端子OT1及びOT2から配線を介して端子RE1及びRE2に供給される。端子RE1及びRE2と導電層71及び72とは、第1領域A1において、それぞれ導電性部材を介して電気的に接続される。導電層71及び72は、第1領域A1から第2領域A2まで延出し、第2領域A2において、導電性部材を介して端子T21及びT22と電気的に接続される。端子T21及びT22は、各々と重畳する接続部材62を介して配線基板F2の端子TK2及びTA2と電気的に接続される。配線基板F2において、端子TK2及びTA2は、配線LA及びLBを介して端子EA及びEKと電気的に接続される。この端子EA及びEKが重畳する発光素子2bのカソード電極及びアノード電極と接続されることで、発光素子2bにカソード電圧及びアノード電圧が供給される。
【0053】
また、発光素子2aのカソード電圧及びアノード電圧は、配線基板F31及びF32と接続された表示パネル1の端子OT1及びOT2から配線を介して端子T11及びT12に供給される。端子T11及びT12は、各々と重畳する接続部材61を介して配線基板F1が備える端子と電気的に接続される。配線基板F1において、配線基板F2の場合と同様に、発光素子2aのカソード電極及びアノード電極にカソード電圧及びアノード電圧が供給される。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、液晶層LCを間に挟み配線基板F31及びF32と反対側に位置する配線基板F2は、導電層71及び72を介して配線基板F3と電気的に接続されている。導電層71及び72は、導電性ペーストを塗布することで透明基板10の側面SY1及びSY2に形成されている。換言すると、配線基板F2にケーブルや他の配線基板を接続することなく、配線基板F2と配線基板F3とを電気的に接続することができる。したがって、配線基板F2に接続されるケーブルや配線基板を収容する筐体が不要となり、デザイン性が向上する。
【0055】
また、配線基板F1に関しても配線基板F2と同様に、配線基板F31及びF32と電気的に接続されている。すなわち、配線基板F1は、表示パネル1よりも外側に延出することなく、第1領域A1の範囲内に位置している。このような構成によれば、配線基板F1として配線基板F2と同一の構成の配線基板を利用することができる。また、発光素子2a及び2b、ゲートドライバGD、及びソースドライバSDの制御信号の供給路を配線基板F31及びF32に集約することができるため、配線基板F31及びF32などの筐体への収容が容易になる。
【0056】
さらに、導電層71及び72は、金属材料を含み、反射層としても機能する。このような導電層71及び72が側面SY2及びSY2の全体に亘って配置されているため、透明基板10内を伝搬し、側面SY1及びSY2に到達した光を効果的に反射することができる。すなわち、透明基板10からの漏れ光を抑制することができるとともに、側面SY1及びSY2に到達した光を再利用することができる。したがって、表示パネル1の輝度の低下を抑制することができる。
【0057】
図8は、表示パネル1の第1変形例を示す平面図である。第1変形例は、側面SX2に導電層73及び74が配置されている点で、図5に示す例と相違している。導電層73と導電層74とは、互いに離間し、電気的に接続されていない。導電層73は、側面SY1側に位置し、導電層71と電気的に接続されている。すなわち、第1領域A1の端子RE1と第2領域A2の端子T21とは、導電層71及び73を介して電気的に接続されている。導電層74は、側面SY2側に位置し、導電層72と電気的に接続されている。すなわち、第1領域A1の端子RE2と第2領域A2の端子T22とは、導電層72及び74を介して電気的に接続されている。導電層73及び74は、一例では、導電層71及び72と同一材料によって形成されている。
【0058】
第2領域A2において、端子T21及びT22は、第1方向Xの中央近傍に位置している。すなわち、端子T21と側面SY1との距離DT1、及び端子T22と側面SY2との距離DT2は、いずれも端子T21と端子T22との距離DT0よりも大きい。図示した例では、端子T21は端子RE1よりも側面SY1から離間し、端子T22は、端子RE2よりも側面SY2から離間している。すなわち、距離DT1は、距離DR1よりも大きく、距離DT2は、距離DR2よりも大きい。
【0059】
第1変形例では、端子T21が有する第1部分P211と第2部分P212とは、第2方向Yに並んでいる。端子T22が有する第1部分P221と第2部分P222とは、第2方向Yに並んでいる。第1部分P211及びP221は、第2部分P212及びP222よりも側面SX2に近接している。
【0060】
図9は、図8に示す表示パネル1の斜視図である。表示装置DSPは、導電性部材81に加え、導電性部材83及び84を備えている。導電性部材83は、導電層72と導電層74とを電気的に接続する。すなわち、導電性部材83は、第2領域A2において側面SY2と側面SX2とに亘って配置され、導電層72及び導電層74とそれぞれ接している。導電性部材84は、端子T22と導電層74とを電気的に接続する。すなわち、導電性部材84は、第2領域A2において主面10Aと側面SX2とに亘って配置され、端子T22及び導電層74とそれぞれ接している。導電性部材83及び84は、例えばフレキシブル配線基板、導電性テープ等の折り曲げが可能なシート状の部材であるが、導電性樹脂などの他の導電材料が適用されてもよい。このように導電性部材83及び84を設けることにより、側面SY2と側面SX2との境界、及び主面10Aと側面SX2との境界において電気的な破断を抑制することができる。
【0061】
端子T22は、導電性部材84及び接続部材62の双方と接している。すなわち、端子T22の第1部分P221は、導電性部材84と重畳する部分に相当し、端子T22の第2部分P222は、接続部材62と重畳する部分に相当する。上述したように、第2部分P222は、第1部分P221よりも側面SX2から離間している。したがって、第2方向Yにおいて、接続部材62は、導電性部材84よりも側面SX2から離間している。
【0062】
図10は、図8に示す第2領域A2と重畳する配線基板F2の構成例を示す平面図である。配線基板F2において、端子TA2と端子TK2とは、第1方向Xのほぼ中央に位置している。端子TA2は、透明基板10に配置された端子T22の第2部分P222と重畳している。端子TK2は、透明基板10に配置された端子T12の第2部分P212と重畳している。
【0063】
第1変形例によっても、図5に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、第1変形例によれば、側面SX2が導電層73及び74によってほとんど覆われているため、側面SX2からの漏れ光を抑制することができるとともに、側面SX2に到達した光を再利用することができる。したがって、表示パネル1の輝度の低下をさらに抑制することができる。
【0064】
図11は、表示パネル1の第2変形例を示す平面図である。第2変形例は、端子T21の第2部分P212が側面SY1に近接し、端子T22の第2部分P222が側面SY2に近接している点で、第1変形例と相違している。第2変形例においては、図7に示す配線基板F2が第2領域A2の上方に配置される。第2変形例においても、側面SX2に導電層73及び74が配置されているため、第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、表示装置1のデザイン性を向上し、且つ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0066】
本実施形態において、透明基板10は第1透明基板に相当し、透明基板20は第2透明基板に相当し、透明基板30は第3透明基板に相当する。透明基板10の側面SY2は第1側面に相当し、側面SX2は第2側面に相当し、SY1は第3側面に相当する。配線基板F1は第1配線基板に相当し、発光素子2aは第1発光素子に相当する。配線基板F2は第2配線基板に相当し、発光素子2bは第2発光素子に相当する。配線基板F32は、第3配線基板に相当する。導電性部材81は第1導電性部材に相当し、導電性部材82は第2導電性部材に相当し、導電性部材83は第3導電性部材に相当し、導電性部材84は第4導電性部材に相当する。
【0067】
また、端子RE及びRE2は、第1端子に相当する。端子T2及びT22は、第2端子、又は第2下端子に相当する。端子T1及びT12は、第3端子、又は第1下端子に相当する。端子RE1は、第4端子に相当する。端子T21は、第5端子に相当する。端子TA1は、第1上端子に相当する。端子TA2は、第2上端子に相当する。導電層72は、第1導電層、又は第1反射層に相当する。導電層74は、第2導電層、又は第2反射層に相当する。導電層71は、第3反射層に相当する。導電層73は、第4反射層に相当する。
【0068】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…表示パネル、2a,2b…発光素子、3a,3b…光学素子、4…制御基板、61,62…接続部材、7,71,72,73,74…導電層、F1,F2,F31,F32,81,82,83,84…導電性部材、10,20,30…透明基板、E30a…一端部、E30b…他端部、10A…主面、A1…第1領域、A2…第2領域、A3…第3領域、SX1,SX2,SY1,SY2…側面、T11,T12,T21,T22,RE1,RE2,TA1,TA2…端子、P211,P221…第1部分、P212,P222…第2部分。
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