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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159781
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】油入機器の冷却構造
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/12 20060101AFI20221011BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
H01F27/12 Z
H01F27/02 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064185
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】波江野 健司
【テーマコード(参考)】
5E050
5E059
【Fターム(参考)】
5E050CA02
5E059BB03
5E059BB13
(57)【要約】
【課題】構造簡単で冷却効率を向上させることができる冷却構造及び油入機器を提供する。
【解決手段】油入変圧器(10)の冷却構造(100)は、流入配管(30)とタンク(1)とを接続する流入口(5)が巻線(3)の底部よりも高い位置に形成されており、流出配管(40)とタンク(1)とを接続する流出口(6)が、鉄心(2)の頂部よりも高い位置に形成されており、タンク(1)の内部には、絶縁油(4)を巻線(3)側に導く導油パイプ(7)が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心、巻線、及び絶縁油を収容するタンクと、前記タンクに前記絶縁油を流入する流入配管及び前記タンクから前記絶縁油を流出する流出配管によって前記タンクと接続される放熱器とを備え、前記タンク及び前記放熱器内において前記絶縁油を循環させる油入機器の冷却構造であって、
前記流入配管と前記タンクとを接続する流入口が、前記巻線の底部よりも高い位置に形成されており、
前記流出配管と前記タンクとを接続する流出口が、前記鉄心の頂部よりも高い位置に形成されており、
前記タンクの内部には、一方の開口が前記流入口に取り付けられるとともに、他方の開口が前記巻線と対向するように設けられて、前記絶縁油を前記巻線側に導く導油パイプが設けられている、冷却構造。
【請求項2】
前記導油パイプでは、前記一方の開口が前記流入口に対して隙間なく取り付けられている、請求項1に記載の冷却構造。
【請求項3】
前記導油パイプは、前記他方の開口が前記一方の開口よりも前記タンクの底側に位置するように、下向きに構成されている、請求項1または2に記載の冷却構造。
【請求項4】
前記流入配管及び前記流出配管の少なくとも一方は、前記放熱器側の端部における管径よりも前記タンク側の端部における管径の方が大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の冷却構造。
【請求項5】
前記流入配管の内面は、前記放熱器側から前記タンク側に向けて低くなるように傾斜している、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷却構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の冷却構造を備える、油入機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、油入機器の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油入変圧器などの油入機器は、タンク内に収容された鉄心、巻線、及び絶縁油を備えており、その動作時には、巻線を流れる電流によるジュール熱などに応じて、鉄心、巻線、及び絶縁油の各温度は、上昇する。このため、油入機器には、鉄心、巻線、及び絶縁油を冷却するための冷却構造が設けられている。このように構成された油入機器では、冷却効率を向上させることが所望される。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている電気機器は、冷却器の上部ヘッダーをタンクの上面より上方に配置し、さらに放熱パネルを鉛直方向に対して傾斜して取り付けることにより、冷却器の高さ方向の中心位置を高くしている。これにより、自然循環の循環効率を向上させ、冷却効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-116339号公報(2014年6月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来技術では、冷却構造が複雑化するという問題点を生じた。
【0006】
本開示は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、構造簡単で冷却効率を向上させることができる冷却構造及び油入機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一側面に係る冷却構造は、鉄心、巻線、及び絶縁油を収容するタンクと、前記タンクに前記絶縁油を流入する流入配管及び前記タンクから前記絶縁油を流出する流出配管によって前記タンクと接続される放熱器とを備え、前記タンク及び前記放熱器内において前記絶縁油を循環させる油入機器の冷却構造であって、前記流入配管と前記タンクとを接続する流入口が、前記巻線の底部よりも高い位置に形成されており、前記流出配管と前記タンクとを接続する流出口が、前記鉄心の頂部よりも高い位置に形成されており、前記タンクの内部には、一方の開口が前記流入口に取り付けられるとともに、他方の開口が前記巻線と対向するように設けられて、前記絶縁油を前記巻線側に導く導油パイプが設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、構造簡単で冷却効率を向上させることができる冷却構造及び油入機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態1に係る冷却構造を備えた油入変圧器の要部構成例を示す側面図である。
図2】上記油入変圧器の要部構成例を示す、図1のA-A線矢視図である。
図3】上記油入変圧器の要部構成例を示す、図1のB-B線矢視図である。
図4】上記油入変圧器での絶縁油の具体的な循環経路を説明する図である。
図5】本開示の実施形態2に係る冷却構造の要部構成例を示す拡大側面図である。
図6】本開示の実施形態3に係る冷却構造の要部構成例を示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、以下の説明では、油入機器として、例えば、三相電力の油入変圧器に適用した場合について説明する。しかしながら、本開示の油入機器は、タンク内に鉄心、巻線、及び絶縁油を収容したものであれば何等限定されるものではなく、本開示の冷却構造は、例えば、リアクトルなどの油入機器にも適用することができる。
【0011】
<冷却構造100及び油入変圧器10>
図1図4を参照して、本実施形態の冷却構造100及び油入変圧器10について具体的に説明する。図1は、本開示の実施形態1に係る冷却構造を備えた油入変圧器の要部構成例を示す側面図である。図2は、上記油入変圧器の要部構成例を示す、図1のA-A線矢視図である。図3は、上記油入変圧器の要部構成例を示す、図1のB-B線矢視図である。図4は、上記油入変圧器での絶縁油の具体的な循環経路を説明する図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の冷却構造100は、油入変圧器10に一体的に設けられている。本実施形態の冷却構造100は、タンク1と、少なくとも1つ、例えば、6つの放熱器20とを備える。
【0013】
タンク1は、金属製の筐体である。タンク1の内部には、鉄心2、巻線3、及び絶縁油4が収容されている。また、タンク1の内部には、例えば、無負荷時タップ切換器Kの切換器本体K1が設置されている。この切換器本体K1には、後述のタップ巻線が電気的に接続されており、タンク1の外部に引き出された操作ハンドルK2が操作されることにより、切換器本体K1が動作して、油入変圧器10でのタップ電圧の切換動作が行われる。
【0014】
鉄心2は、油入変圧器10の動作時に、磁気回路を構成して磁束が流れる。また、鉄心2では、磁束が流れたときに鉄損を生じて、熱を発する発熱体を構成する。
【0015】
巻線3は、三相電力の相毎に、鉄心2の一部に巻回されて電気回路を構成する。巻線3は、油入変圧器10の動作時に、電流が流れることでジュール熱を生じて、熱を発する発熱体を構成する。巻線3は、例えば、鉄心2に順次巻回された2次巻線(低圧巻線)及び1次巻線(高圧巻線)を含んでおり(図示せず)、例えば、3本の各タップ巻線T(図2)が1次巻線に接続されている。
【0016】
巻線3の底部及び上部には、当該巻線3に対して絶縁油4を導くための油導部8及び9がそれぞれ設置されている。これらの油導部8及び9は、例えば、プレスボード等の絶縁材料を用いて構成された同一の構造体からなる。
【0017】
具体的には、例えば、油導部8は、図3に示すように、鉄心2の周りに配置されるリング形状の基材8aと、基材8a上で周方向に等間隔で配置された複数、例えば、12個の直方体形状の油導片8bとを備える。油導部8では、油導路8c(図3に点線にて例示)が周方向で隣接する2個の油導片8bの間に形成されており、絶縁油4が油導路8cによって導かれることにより、当該絶縁油4は放熱器20側から鉄心2側及び巻線3側に向かって効率よく流れることができる。
【0018】
絶縁油4には、例えば、JIS2号絶縁油などの絶縁流体が用いられており、絶縁油4が、タンク1の内部に満たされることによってタンク1と巻線3などの電気部材との間での絶縁性が確保されている。また、絶縁油4は、冷却構造100の冷却対象物であり、かつ、当該冷却構造100の他の冷却対象物(すなわち、鉄心2や巻線3など)を冷却する冷却媒体としても機能する。
【0019】
すなわち、本実施形態の冷却構造100では、絶縁油4は、発熱した鉄心2及び発熱した巻線3によって加熱されることにより、自然対流による流れ場を形成し、更には流入配管30及び流出配管40を介してタンク1と放熱器20との間で当該絶縁油4が流入及び流出することにより、タンク1及び放熱器20内を循環する。そして、放熱器20において、絶縁油4から鉄心2及び巻線3から伝播された熱が放熱されて、当該絶縁油4自体も冷却される。
【0020】
放熱器20は、絶縁油4を冷却するための装置である。放熱器20は、複数の放熱パネル21を備えている。複数の各放熱パネル21では、その内部で絶縁油4が上記自然対流によって上側から下側に向かって流れるときに、放熱パネル21の周囲の空気との間で熱交換を行うことにより、当該絶縁油4は冷却される。
【0021】
流出配管40は、タンク1と、放熱器20の上部パイプとを接続して、タンク1から放熱器20に絶縁油4を流出する管である。流出配管40は、例えば、内径が均一ではないレジューサパイプ、つまり放熱器20側の端部における管径よりもタンク1側の端部における管径の方が大きいパイプを用いて構成されている。
【0022】
流出配管40のタンク1側の端部は、鉄心2の頂部よりも高い位置に形成されている流出口6において、タンク1と、例えば溶接により接続されている。また、流出配管40と、放熱器20の上部パイプとの接続は、例えば、流出配管40の放熱器20側の端部に設けられたフランジ(図示せず)と、放熱器20の上部パイプ端部に設けられたフランジ(図示せず)とをボルト締めすることにより、接続されている。
【0023】
流入配管30は、タンク1と、放熱器20の下部パイプとを接続して、放熱器20からタンク1に絶縁油4を流入する管である。流入配管30は、例えば、均一な内径を有するストレートパイプ、つまりタンク1側の端部における管径と放熱器20側の端部における管径とが等しいパイプを用いて構成されている。
【0024】
流入配管30のタンク1側の端部は、巻線3の底部よりも高い位置に形成されている流入口5において、タンク1と、例えば溶接により接続されている。また、流入配管30と、放熱器20の下部パイプとの接続は、例えば、流入配管30の放熱器20側の端部に設けられたフランジ(図示せず)と、放熱器20の下部パイプ端部に設けられたフランジ(図示せず)とをボルト締めすることにより、接続されている。
【0025】
本実施形態の冷却構造100では、放熱器20によって冷却された絶縁油4を巻線3側に導く導油パイプ7がタンク1の内部に設けられている。導油パイプ7は、例えば、プレスボードなどの絶縁材料を用いて、均一の内径を有する円筒形状に構成されたパイプである。導油パイプ7では、一方の開口7aが流入口5に取り付けられるとともに、他方の開口7bが巻線3と対向するように設けられている。
【0026】
具体的には、一方の開口7aは、図示しないフランジを介して隙間なく取り付けられている。これにより、本実施形態の冷却構造100では、放熱器20から導油パイプ7に対して、絶縁油4を効率よく流入することができ、冷却効率を容易に向上させることができる。
【0027】
また、他方の開口7bは、図1に示すように、一方の開口7aよりもタンク1の底側に位置するように、下向きに構成されている。これにより、本実施形態の冷却構造100では、導油パイプ7からの絶縁油4が巻線3の上側に流れるのを抑制することができ、少なくとも巻線3の冷却効率を容易に向上させることができる。
【0028】
また、導油パイプ7では、図2に示すように、各相の巻線3に対して、他方の開口7bが巻線3の底部側の油導部8の油導路8cに対向するように設けられている。これにより、本実施形態の冷却構造100では、油導路8cを介して導油パイプ7から冷却された絶縁油4を巻線3側及び鉄心2側に効率よく流すことができ、これらの巻線3及び鉄心2を効率よく冷却することが可能となって、冷却効率をより確実に向上させることができる。
【0029】
以上の構成により、本実施形態の冷却構造100及び油入変圧器10では、当該油入変圧器10の動作時において、鉄心2及び巻線3から熱が伝えられた絶縁油4は、図4に矢印4Fで示すように、流出配管40を介して放熱器20の複数の各放熱パネル21の内部に流入する。そして、絶縁油4は、放熱パネル21の周囲に熱を放熱しつつ、放熱パネル21の内部を下向きに流れて、流入配管30及び導油パイプ7を介して油導部8の油導路8cに流入する。その後、絶縁油4は、鉄心2及び巻線3から熱を吸熱して当該鉄心2及び巻線3を冷却しつつ、油導部9の油導路を介してタンク1の上側の流出配管40に向かって流れる。
【0030】
以上のように構成された本実施形態の冷却構造100及び油入変圧器10では、流入口5が、巻線3の底部よりも高い位置に形成されており、流出口6が、鉄心2の頂部よりも高い位置に形成されている。また、タンク1の内部には、一方の開口7aが流入口5に取り付けられるとともに、他方の開口7bが巻線3と対向するように設けられて、絶縁油4を巻線3側に導く導油パイプ7が設けられている。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、冷却構造が複雑化することなく、構造簡単で冷却効率を向上させることができる冷却構造100及び油入変圧器10を構成することができる。
【0031】
尚、例えば、流入口5の上側に絶縁材料を配置して、タンク1の内部を上側部分と下側部分とに分割することにより、流入口5からの冷却された絶縁油4が巻線3の上側に直ちに流れるのを抑制する構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、冷却構造の冷却効率を大幅に向上させることが難しい場合がある。つまり、絶縁油4が巻線3の上側に直ちに流れるのを抑制するためには、鉄心2及び巻線3に隙間を生じることなく密接するように、絶縁材料を設ける必要がある。
【0032】
ところが、鉄心2は、通常、外周部分に段差を有しており、完全な多角形柱体ではなく、巻線3の外周形状も完全な円周形状ではない。特に、巻線3にタップ巻線Tが設けられている場合では、巻線3の外周形状が完全な円周形状とならずに、タップ巻線Tの部分がその周囲部分よりも突出した突出部となる。このため、鉄心2及び巻線3に対して、隙間を生じることなく絶縁材料を設置することは困難となり易い。従って、上記隙間から絶縁油4が、巻線3の上側に直ちに流れるのを抑えることができずに、冷却効率の大幅な向上が難しくなることがある。
【0033】
これに対して、本実施形態では、巻線3に対して、導油パイプ7から冷却された絶縁油4を直接的に導くことができるので、簡単な構成を用いて、冷却構造100の冷却効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0034】
〔実施形態2〕
本開示の実施形態2について、図5を用いて具体的に説明する。図5は、本開示の実施形態2に係る冷却構造の要部構成例を示す拡大側面図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0035】
本実施形態2と上記実施形態1との主な相違点は、レジューサパイプを用いて流入配管30Aを構成した点である。
【0036】
本実施形態の冷却構造100では、図5に示すように、流入配管30Aは、上記レジューサパイプ、つまり放熱器20側の端部における管径よりもタンク1側の端部における管径の方が大きいパイプを用いて構成されている。これにより、本実施形態では、タンク1に流入する絶縁油4の流量を増加させることができ、当該絶縁油4の循環流量を増加させて冷却効率を容易に向上させることができる。
【0037】
〔実施形態3〕
本開示の実施形態3について、図6を用いて具体的に説明する。図6は、本開示の実施形態3に係る冷却構造の要部構成例を示す拡大側面図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0038】
本実施形態3と上記実施形態1との主な相違点は、流入配管30Bを巻線3の底部側に向けて傾斜させた点である。
【0039】
本実施形態の冷却構造100では、図6に示すように、流入配管30Bの内面は放熱器20側からタンク1側に向けて低くなるように傾斜している。これにより、本実施形態では、タンク1に流入する絶縁油4の上向きの流れがより抑制され、絶縁油4を油導部8の方向により導き易くなる。この結果、本実施形態では、導油パイプ7からの絶縁油4が巻線3の上側に流れるのを抑制することができ、少なくとも巻線3の冷却効率を容易に向上させることができる。
【0040】
尚、上記の各実施形態の説明では、無負荷時タップ切換器を有する油入変圧器に適用した場合について説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、負荷時タップ切換器を有する油入変圧器に適用してもよい。
【0041】
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本開示の一側面に係る冷却構造は、鉄心、巻線、及び絶縁油を収容するタンクと、前記タンクに前記絶縁油を流入する流入配管及び前記タンクから前記絶縁油を流出する流出配管によって前記タンクと接続される放熱器とを備え、前記タンク及び前記放熱器内において前記絶縁油を循環させる油入機器の冷却構造であって、前記流入配管と前記タンクとを接続する流入口が、前記巻線の底部よりも高い位置に形成されており、前記流出配管と前記タンクとを接続する流出口が、前記鉄心の頂部よりも高い位置に形成されており、前記タンクの内部には、一方の開口が前記流入口に取り付けられるとともに、他方の開口が前記巻線と対向するように設けられて、前記絶縁油を前記巻線側に導く導油パイプが設けられている。
【0042】
上記構成によれば、構造簡単で冷却効率を向上させることができる。
【0043】
上記一側面に係る冷却構造において、前記導油パイプでは、前記一方の開口が前記流入口に対して隙間なく取り付けられてもよい。
【0044】
上記構成によれば、導油パイプに対して、絶縁油を効率よく流入することができ、冷却効率を容易に向上させることができる。
【0045】
上記一側面に係る冷却構造において、前記導油パイプは、前記他方の開口が前記一方の開口よりも前記タンクの底側に位置するように、下向きに構成されてもよい。
【0046】
上記構成によれば、導油パイプからの絶縁油が巻線の上側に流れるのを抑制することができ、少なくとも巻線の冷却効率を容易に向上させることができる。
【0047】
上記一側面に係る冷却構造において、前記流入配管及び前記流出配管の少なくとも一方は、前記放熱器側の端部における管径よりも前記タンク側の端部における管径の方が大きくてもよい。
【0048】
上記構成によれば、タンク及び放熱器の少なくとも一方に流入する絶縁油の流量を増加させることができ、当該絶縁油の循環流量を増加させて冷却効率を容易に向上させることができる。
【0049】
上記一側面に係る冷却構造において、前記流入配管の内面は、前記放熱器側から前記タンク側に向けて低くなるように傾斜してもよい。
【0050】
上記構成によれば、導油パイプからの絶縁油が巻線の上側に流れるのを抑制することができ、少なくとも巻線の冷却効率を容易に向上させることができる。
【0051】
また、本開示の一側面に係る油入機器は、上記いずれかの冷却構造を備える。
【0052】
上記構成によれば、構造簡単で冷却効率を向上させることができる。
【0053】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 タンク
2 鉄心
3 巻線
4 絶縁油
5 流入口
6 流出口
7 導油パイプ
7a 一方の開口
7b 他方の開口
10 油入変圧器(油入機器)
20 放熱器
21 放熱パネル
30、30A、30B 流入配管
40 流出配管
100 冷却構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6