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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159785
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】観覧席
(51)【国際特許分類】
   E04H 3/12 20060101AFI20221011BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
E04H3/12 Z
A47C7/62 A
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064192
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000116596
【氏名又は名称】愛知株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 工
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA10
(57)【要約】
【課題】荷物を置く場所の設定の自由度を高めることができる観覧席を提供する。
【解決手段】使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える観覧席は、支持部と、少なくとも1つの脚部と、載置部と、を備える。支持部は、水平方向に延びる柱状の部材であって、複数の着座部を支持する部材である。少なくとも1つの脚部は、支持部を床面から離れた位置にて支持する。載置部は、荷物を載置するための長尺状の部材である。また、載置部は、複数の着座部のうちの隣接する少なくとも2つの着座部の下部空間に亘るように長さを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える観覧席であって、
水平方向に延びる柱状の部材であって、前記複数の着座部を支持する部材である支持部と、
前記支持部を床面から離れた位置にて支持する少なくとも1つの脚部と、
荷物を載置するための長尺状の載置部と、
を備え、
前記載置部は、前記複数の着座部のうちの隣接する少なくとも2つの着座部の下部空間に亘るように長さを有する、観覧席。
【請求項2】
使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える観覧席であって、
水平方向に延びる柱状の部材であって、前記複数の着座部を支持する部材である支持部と、
前記支持部を床面から離れた位置にて支持する少なくとも1つの脚部と、
荷物を載置するための載置部と、
を備え、
前記載置部は、前記複数の着座部の下方に配置されており、前記複数の着座部のうちの隣接する2つの着座部が設置される間隔である設置間隔の長さ以上の長さを有する、観覧席。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の観覧席であって、
前記載置部は、荷物を載置可能な形状である、観覧席。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の観覧席であって、
少なくとも第1の脚部と第2の脚部とを備え、
前記載置部は、一方の端部が前記第1の脚部に連結し、他方の端部が前記第2の脚部に連結する、観覧席。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の観覧席であって、
前記載置部は、荷物を支持するための形態を有する少なくとも1つの保持部を有する、観覧席。
【請求項6】
請求項5に記載の観覧席であって、
前記載置部は、荷物を支持するための第1の形態を有する第1の保持部と、前記第1の形態とは異なる第2の形態を有する第2の保持部と、を前記複数の着座部それぞれに対応する位置に備える、観覧席。
【請求項7】
請求項6に記載の観覧席であって、
前記載置部は、前記第1の保持部として、カップを前方へ傾けて保持するカップホルダを備える、観覧席。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の観覧席であって、
前記載置部は、前記第2の保持部として、荷物を載置可能な荷棚を備える、観覧席。
【請求項9】
請求項8に記載の観覧席であって、
前記荷棚は、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が前記着座部の中央に近い、観覧席。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の観覧席であって、
前記荷棚は、前記少なくとも1つの脚部を挿入可能に形成されるスリットを備え、前記スリットの間に前記少なくとも1つの脚部が挟まれるように配置されている、観覧席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、観覧席に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、野球場やスタジアムの観覧席に設置される、椅子用カップホルダが開示されている。具体的には、下方へ延在するブラケットの腕部にカップホルダ本体が装着され、カップが保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-142932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の着座部が連結される観覧席の下方には広い空間が形成される場合があり、その空間に荷物を置くことができると好ましい。しかし、特許文献1に記載の技術では、着座部同士の間又はその近傍の位置にカップが置けるだけであり、荷物を置く場所の設定の自由度がないという問題があった。
【0005】
本開示の一局面は、荷物を置く場所の設定の自由度を高めることができる観覧席を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える観覧席であって、支持部と、少なくとも1つの脚部と、載置部と、を備える。支持部は、水平方向に延びる柱状の部材であって、複数の着座部を支持する部材である。少なくとも1つの脚部は、支持部を床面から離れた位置にて支持する。載置部は、荷物を載置するための長尺状の部材である。また、載置部は、複数の着座部のうちの隣接する少なくとも2つの着座部の下部空間に亘るように長さを有する。
【0007】
このような構成によれば、座体の下部空間を広く使用することができるため、荷物を置く場所の設定の自由度を高めることができる。
【0008】
本開示の一態様は、使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える観覧席であって、支持部と、少なくとも1つの脚部と、載置部と、を備える。支持部は、水平方向に延びる柱状の部材であって、複数の着座部を支持する部材である。少なくとも1つの脚部は、支持部を床面から離れた位置にて支持する。載置部は、荷物を載置するための部材である。また、載置部は、複数の着座部の下方に配置されており、複数の着座部のうちの隣接する2つの着座部が設置される間隔である設置間隔の長さ以上の長さを有する。
このような構成によれば、載置部が設置間隔以上の長さを有するから、荷物を置く場所の設定の自由度を高めることができる。
【0009】
上述した観覧席において、載置部は、荷物を載置可能な形状であってもよい。このような構成によれば、長さを有する載置部上の広い範囲に荷物を置くことができる。
上述した観覧席は、少なくとも第1の脚部と第2の脚部とを備えてもよい。載置部は、一方の端部が第1の脚部に連結し、他方の端部が第2の脚部に連結してもよい。このような構成によれば、荷物を置くことができる範囲を、第1の脚部と第2の脚部との間で自由に設定することができる。
【0010】
上述した観覧席において、載置部は、荷物を支持するための形態を有する少なくとも1つの保持部を有してもよい。このような構成によれば、保持部に荷物を置くことができる。
上述した観覧席において、載置部は、荷物を支持するための第1の形態を有する第1の保持部と、第1の形態とは異なる第2の形態を有する第2の保持部と、を複数の着座部それぞれに対応する位置に備えてもよい。このような構成によれば、複数の種類の荷物をその載置に適した保持部に置くことができる。
【0011】
上述した観覧席において、載置部は、第1の保持部として、カップを前方へ傾けて保持するカップホルダを備えてもよい。このような構成によれば、着座部の下方の空間を有効に使って、カップを置くことができる。また、カップが前方へ傾いているため、使用者がカップを取りやすい。
【0012】
上述した観覧席において、載置部は、第2の保持部として、荷物を載置可能な荷棚を備えてもよい。このような構成によれば、前後方向に関して、載置部の幅とは異なる幅の荷棚に荷物を置くことができる。したがって着座部の下方の空間をより有効に使って荷物を置くことができる。
【0013】
上述した観覧席において、荷棚は、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が着座部の中央に近くてもよい。このような構成によれば、使用者の足の置き場の邪魔にならないように、荷物を置くことができる。
【0014】
上述した観覧席において、荷棚は、少なくとも1つの脚部を挿入可能に形成されるスリットを備え、スリットの間に少なくとも1つの脚部が挟まれるように配置されていてもよい。このような構成によれば、着座部の下方に脚部があっても、荷棚を少なくとも1つの脚部の左右に亘って配置することができる。したがって、着座部の下方の空間を広く使って荷物を置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の観覧席を示す概略図であって、図1Aは正面図であり、図1Bは上面図であり、図1Cは側面図である。
図2】第1実施形態の観覧席の座体を拡大した上面図である。
図3】変形例の観覧席を示す概略図であって、板状の腕部が支持部と載置部とを連結しているときの図である。図3Aは正面図であり、図3Bは上面図であり、図3Cは側面図である。
図4】変形例の観覧席を示す概略図であって、略L字状の腕部が支持部と載置部とを連結しているときの図である。図4Aは正面図であり、図4Bは上面図であり、図4Cは側面図である。
図5】変形例の観覧席を示す概略図であって、第1の脚部及び第2の脚部が壁面に設置されている場合に、腕部が第1の脚部及び第2の脚部と載置部とを連結しているときの図である。図5Aは正面図であり、図5Bは上面図であり、図5Cは側面図である。
図6】変形例の観覧席を示す概略図であって、第1の脚部及び第2の脚部が壁面に設置されている場合に、腕部が支持部と載置部とを連結しているときの図である。図6Aは正面図であり、図6Bは上面図であり、図6Cは側面図である。
図7】変形例の観覧席を示す概略図であって、カップホルダのみを備えるときの図である。図7Aは正面図であり、図7Bは上面図であり、図7Cは側面図である。
図8】変形例の観覧席を示す概略図であって、2種類の荷棚を備えるときの図である。図8Aは正面図であり、図8Bは上面図であり、図8Cは側面図である。
図9】変形例の観覧席を示す概略図であって、2つのワイヤ部を備えるときの図である。図9Aは正面図であり、図9Bは上面図であり、図9Cは側面図である。
図10】変形例の観覧席を示す概略図であって、前後の幅が狭い載置部を備えるときの図である。図10Aは正面図であり、図10Bは上面図であり、図10Cは側面図である。
図11】変形例の観覧席を示す概略図であって、載置部が第1の脚部と第2の脚部との間に納まらないときの図である。図11Aは正面図であり、図11Bは上面図であり、図11Cは側面図である。
図12】変形例の観覧席を示す概略図であって、第1の脚部及び第2の脚部が壁面に設置されている場合に、載置部が第1の脚部と第2の脚部との間に納まらないときの図である。図12Aは正面図であり、図12Bは上面図であり、図12Cは側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1A~1Cに示す観覧席1は、座体2a~2eと、支持部12と、第1の脚部21と、第2の脚部22と、載置部31と、を備える。観覧席1は、例えば、野球場やスタジアムに設置して用いられる。なお座体2a~2eは同一の形態である。そのため、それらを区別せずに説明するとき、説明の便宜上、座体2と記載する場合がある。
【0017】
以下の説明において、前後、左右、上下などの方向を用いて各部の構成を説明する場合があるが、それらの方向は説明の便宜上用いているに過ぎず、本開示の実施の態様について何ら限定するものではない。上述した方向は、使用者が観覧席1に着座したときの使用者を基準とした方向である。
【0018】
座体2は、着座部3と、背もたれ4と、を備える。着座部3及び背もたれ4は一体として形成されており、左右方向から見て略L字状に形成されている。着座部3は、上面視で略矩形であって、使用者が着座可能な着座面を有する。すなわち観覧席1は、使用者が着座可能な着座面を有する複数の着座部を備える。着座部3は、留め具13を備える。留め具13は、着座部3の下面に設けられる。留め具13は、支持部12を挟むように構成されている。留め具13は、支持部12と着座部3とを連結する。隣り合う着座部3は、左右方向に間隔を空けて配置される。背もたれ4は、正面視で略矩形であり、着席する使用者の背中を支持可能に構成されている。
【0019】
支持部12は、水平方向に延びる2本の円柱状の部材であって、2本が前後方向に平行に並べて配置される。支持部12は着座部3を支持する。支持部12は、例えば金属で形成されている。
【0020】
第1の脚部21及び第2の脚部22は、上下に長さを有する部材であって、金属で形成されている。第1の脚部21及び第2の脚部22は、左右方向に間隔を空けて設けられ、支持部12を床面から離れた位置にて支持する。第1の脚部21及び第2の脚部22の水平方向の断面は、略H字状である。第1の脚部21及び第2の脚部22は、留め具15と、固定具16と、を備える。留め具15は、第1の脚部21及び第2の脚部22の上端に設けられる。留め具15は、支持部12を挟むように構成されている。留め具15は、支持部12と第1の脚部21とを連結し、また、支持部12と第2の脚部22とを連結する。固定具16は、第1の脚部21及び第2の脚部22の下端に設けられる。固定具16は、第1の脚部21及び第2の脚部22を床面に固定する。なお、観覧席1は第1の脚部21及び第2の脚部22以外にも同等の形状である脚を有している。そして支持部12は第1の脚部21及び第2の脚部22以外の脚でも支持される。
【0021】
載置部31は、上面視で左右方向に長さを有する略長方形であって、荷物を載置するための長尺状の部材である。載置部31は、角筒状で、下側には長手方向に延びる切り込みが形成されている。載置部31の断面は、下方が開口する略C字状である。載置部31は、前後の幅よりも左右の幅の方が広く、かつ、上下の幅よりも左右の幅の方が広い。また、載置部31は、上下の幅よりも前後の幅の方が広い。載置部31は、床面から距離を空けた位置に配置されている。載置部31は、観覧席1を正面から見たときに、第1の脚部21と第2の脚部22との間に配置されている。換言すれば、上下及び左右に広がる平面に投影したときに、載置部31は、第1の脚部21と第2の脚部22との間に配置されている。載置部31は、着座部3のうちの隣接する少なくとも2つの着座部3の下部空間に亘るように長さを有する。本実施形態では、載置部31は、座体2aから座体2dの下部空間に亘るように配置されている。載置部31は、一方の端部が第1の脚部21に連結し、他方の端部が第2の脚部22に連結している。載置部31の前後方向の幅は、後述するカップホルダ41の直径よりも広く設計されている。
【0022】
載置部31は、複数のカップホルダ41と、複数の荷棚42と、を備える。それぞれの着座部3の下方にカップホルダ41及び荷棚42が1つずつ配置される。すなわち、載置部31は、カップホルダ41と、荷棚42とを複数の着座部3それぞれに対応する位置に備える。
【0023】
カップホルダ41は、カップを支持するための形態を有する。本実施形態では、カップホルダ41は、カップやペットボトルなどを保持するための筒状の部材である。カップホルダ41の下側の端部には底が設けられる。カップホルダ41は、カップを前方へ傾けて保持するよう配置されている。
【0024】
荷棚42は、荷物を支持するための形態を有する。荷棚42は、荷物を載置可能である。本実施形態では、図2に示されるように、荷棚42は、3つのワイヤ部421と、フレーム部422と、を備える。ワイヤ部421は、上面視で前後に長さを有する略長方形の環状形状を有する部材である。フレーム部422は、上面視で略矩形の略環状形状を有する部材である。3つのワイヤ部421は、左右方向に間隔を空けて配置され、フレーム部422により連結されている。荷棚42は、第1の脚部21を挿入可能に形成されるスリット423を備える。スリット423は、隣り合う2つのワイヤ部421の間に形成される。また、スリット423は、フレーム部422の一部が閉じないことにより形成される。荷棚42は、スリット423の間に第1の脚部21が挟まれるように配置されている。また、着座部3の前後方向に関する中央の位置を示す仮想線を仮想線5とする。荷棚42は、図2に示されるように、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が着座部3の中央に近くなるように配置されている。なお、着座部3の前端は着座部3の前方部分における使用者が着席可能な領域の端部であり、着座部3の後端は着座部3の後方部分における使用者が着席可能な領域の端部である。つまり、前後方向に関する着座部3の中央とは、使用者が着席可能な領域の中央である。また、図2は、支持部12等、一部の部品を省略している。
載置部31は、載置部31を床面から支持するための補助脚51を備えていてもよい。
【0025】
[1-2.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0026】
(1a)載置部31は、長尺状の部材であって、座体2aから座体2dの下部空間に亘るように配置されている。このような構成によれば、座体2の下部空間の広い範囲において、カップホルダ41や荷棚42を配置することができる。したがって、座体2の下方において、荷物を置く場所の設定の自由度を高めることができる。
【0027】
(1b)載置部31は、一方の端部が第1の脚部21に連結し、他方の端部が第2の脚部22に連結している。このような構成によれば、荷物を置くことができる範囲を、第1の脚部21と第2の脚部22との間で自由に設定することができる。
【0028】
(1c)載置部31は、カップホルダ41と、荷棚42とを複数の着座部3それぞれに対応する位置に備える。このような構成によれば、例えばカップと鞄など、異なる種類の荷物を置くことができる。
【0029】
(1d)載置部31は、カップを前方へ傾けて保持するカップホルダ41を備える。このような構成によれば、座体2の下方の空間を有効に使って、カップを置くことができる。また、カップが前方へ傾いているため、使用者がカップを取りやすい。
【0030】
(1e)載置部31は、荷棚42を備える。このような構成によれば、例えば、載置部31よりも前後方向の幅が広い荷棚42に荷物を置くことができる。したがって、座体2の下方の空間をより有効に使って荷物を置くことができる。
【0031】
(1f)荷棚42は、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が前記着座部の中央に近い。このような構成によれば、使用者の足の置き場の邪魔にならないように、荷物を置くことができる。
【0032】
(1g)荷棚42は、第1の脚部21を挿入可能に形成されるスリット423を備え、スリット423の間に第1の脚部21が挟まれるように配置されている。このような構成によれば、座体2の下方に第1の脚部21があっても、荷棚42を第1の脚部21の左右に亘って配置することができる。したがって、座体2の下方の空間を広く使って荷物を置くことができる。
なお、第1実施形態では、カップホルダ41が第1の形態を有する第1の保持部に相当し、荷棚42が第2の形態を有する第2の保持部に相当する。
【0033】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0034】
(2a)上記実施形態では、座体2aから座体2dの下部空間に亘るように配置されている載置部31を例示した。しかし、載置部31は、座体2aから座体2dの下部空間に亘るように配置されていなくてもよい。例えば、載置部31は、座体2のうちの隣接する2つの座体2が設置される間隔である設置間隔の長さ以上の長さを有していればよい。換言すれば、載置部31は、隣接する着座部3の左右方向における中心間の長さ以上の長さを有していればよい。
【0035】
(2b)上記実施形態では、一方の端部が第1の脚部21に連結し、他方の端部が第2の脚部22に連結している載置部31を例示した。しかし、載置部31の端部は第1の脚部21及び第2の脚部22に連結していなくてもよい。例えば、図3A~3Cに示されるように、載置部60は、腕部61と、挟持部62と、を備えていてもよい。腕部61は、上下方向に長さを有する、板状の部材である。腕部61は、挟持部62を介して載置部60と支持部12とを連結する。挟持部62は、支持部12を挟み込んで保持するように構成される。このような構成によれば、支持部12から載置部60を吊り下げることができる。
【0036】
また、腕部61は、図4A~4Cに示されるように、左右方向から見て略L字状であってもよい。なお、腕部61はこれ以外の様々な形状であってもよい。例えば、柱状やパイプ状であってもよい。また例えば、断面がH型であってもよい。
【0037】
(2c)上記実施形態では、第1の脚部21及び第2の脚部22が、固定具16により床面に固定されている構成を例示した。しかし、第1の脚部21及び第2の脚部22は床面に固定されていなくてもよい。例えば、図5C及び図6Cに示されるように、第1の脚部21及び第2の脚部22は、階段状の床の垂直な壁面に固定されていてもよい。この場合、図5A~5C及び図6A~6Cに示されるように、載置部70は、腕部71を備えていてもよい。図5A~5Cに示されるように、腕部71は第1の脚部21及び第2の脚部22と載置部70とを連結してもよい。このような構成によれば、第1の脚部21及び第2の脚部22から載置部70を吊り下げることができる。また、図6A~6Cに示されるように、腕部71は挟持部62を介して載置部70と支持部12とを連結してもよい。このような構成によれば、支持部12から載置部70を吊り下げることができる。
【0038】
(2d)上記実施形態では、載置部31がカップホルダ41及び荷棚42を備える構成を例示した。しかし、載置部31が備える荷物部の種類はこれに限定されるものではない。例えば、3種類以上の荷物部を備えていてもよく、荷物を支持するための第3の形態を有する第3の荷物部を備えていてもよい。また、カップホルダ41及び荷棚42のうちの一方のみを備えていてもよい。例えば、図7A~7Cに示されるように、カップホルダ41のみを備えていてもよい。この場合でも、載置部31におけるカップホルダ41の左右の領域には、荷物を置くことが可能である。また、載置部31は、カップホルダ41及び荷棚42の両方を備えていなくてもよい。例えば、載置部31自体が荷物を載置可能な形状であってもよい。具体的には、載置部31は、載置部31自体が荷物を安定して載置できる程度の前後幅を有しており、上面が略水平を成していてもよい。
【0039】
(2e)上記実施形態では、カップを前方へ傾けて保持するカップホルダ41を例示した。しかし、カップホルダ41は、カップを前方へ傾けて保持しなくてもよい。例えば、カップホルダ41は、カップを水平に保持するように設計されていてもよい。またカップホルダ41の形状は、カップ等を保持可能な範囲で様々な形状を採用できる。例えば、底側ほど細い筒状のカップを保持できる、底のない孔が載置部31に形成されていてもよい。
【0040】
(2f)上記実施形態では、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が着座部3の中央に近い荷棚42を例示した。しかし、荷棚42は、前後方向に関して、後方の端部よりも前方の端部の方が着座部3の中央に近くなくてもよい。例えば、荷棚42は、前後方向に関して、後方の端部から着座部3の中央までの長さと、前方の端部から着座部3の中央までの長さとが同じであってもよい。
【0041】
(2g)上記実施形態では、第1の脚部21を挿入可能に形成されるスリット423を備える荷棚42を例示した。しかし、荷棚42は、スリット423を備えていなくてもよい。例えば、図8A~8Cに示されるように、第2の脚部22を備える座体2dと、座体2b,2c,2eとで異なる形状の荷棚80が設けられてもよい。例えば、座体2dの下部には、1つのワイヤ部801と、環状形状のフレーム部802と、を備える荷棚80が設けられてもよい。また、座体2b,2c,2eの下部には、2つのワイヤ部803と、環状形状のフレーム部804と、を備える荷棚80が設けられてもよい。さらに座体2aの下部には、正面視で略L字状に折れ曲がった形状の荷棚85が設けられてもよい。荷棚85は、1つのワイヤ部851と、環状形状のフレーム部852とを備える。荷棚85は、第1の脚部21の側面に固定される。
【0042】
(2h)上記実施形態では、3つのワイヤ部421がフレーム部422により連結されている荷棚42を例示した。しかし、荷棚42の形状はこれに限定されるものではない。例えば、図9A~9Cに示されるように、2つのワイヤ部811と、略環状形状のフレーム部812と、を備える荷棚81が設けられてもよい。また、荷棚42は、1つのワイヤ部421を備えていてもよいし、4つ以上のワイヤ部421を備えていてもよい。
【0043】
(2i)上記実施形態では、前後方向の幅が、カップホルダ41の直径よりも広く設計されている載置部31を例示した。しかし、載置部31の形状はこれに限定されるものではない。例えば、図10A~10Cに示されるように、上下方向の長さよりも前後方向の長さの方が狭い載置部90が用いられてもよい。この場合、カップホルダ41は、接続部411を備えていてもよい。接続部411は、載置部90を上下に挟み込むように配置され、載置部90に固定される。接続部411は、例えば、座体2の前縁の下部空間など、使用者がカップを取りやすい位置にカップホルダ41を配置するよう、前方に延び出す構成であってもよい。
【0044】
(2j)上記実施形態では、載置部31,60,70,90が、観覧席1を正面から見たときに第1の脚部21と第2の脚部22との間に配置されている構成を例示した。しかし、載置部31,60,70,90は、観覧席1を正面から見たときに第1の脚部21と第2の脚部22との間に配置されていなくてもよい。例えば、図11A~11C及び図12A~12Cに示されるように、載置部60,70は、第2の脚部22の左右両側に亘って配置されていてもよい。
【0045】
(2k)上記実施形態では、第1の脚部21及び第2の脚部22が、左右方向に間隔を空けて設けられている構成を例示した。しかし、観覧席1は、少なくとも1つの脚部を備えていればよい。例えば、観覧席1は、支持部12の左右方向の中央を1つの脚部で支える、いわゆる止まり木のような形状であってもよい。そして、1つの脚部が2つの着座部3を支える構成であってもよい。1つの脚部が2つの着座部3を支える構成を左右方向に複数並べてもよい。
【0046】
(2l)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…観覧席、2a~2e…座体、3…着座部、4…背もたれ、5…仮想線、12…支持部、13,15…留め具、16…固定具、21…第1の脚部、22…第2の脚部、31,60,70,90…載置部、41…カップホルダ、42,80,81,85…荷棚、51…補助脚、61,71…腕部、62…挟持部、411…接続部、421,801,803,811,851…ワイヤ部、422,802,804,812,852…フレーム部、423…スリット。
図1
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図12