(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159895
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】多面展開表示を構成する自販機の表示制御システム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/12 20060101AFI20221011BHJP
H04N 21/458 20110101ALI20221011BHJP
H04N 21/44 20110101ALI20221011BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20221011BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20221011BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221011BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
G09G5/12
H04N21/458
H04N21/44
H04N5/77
G09F19/00 Z
G09G5/36 510M
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/00 550B
G09G5/00 510M
G09G5/00 555D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064354
(22)【出願日】2021-04-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】521143734
【氏名又は名称】四條 正一
(71)【出願人】
【識別番号】521143745
【氏名又は名称】肥沼 芳明
(71)【出願人】
【識別番号】517127274
【氏名又は名称】王 作政
(74)【代理人】
【識別番号】100180208
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 洋
(72)【発明者】
【氏名】四條 正一
(72)【発明者】
【氏名】肥沼 芳明
(72)【発明者】
【氏名】王 作政
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
【Fターム(参考)】
5C164FA25
5C164MC06S
5C164UB04P
5C164UB36S
5C164UB41S
5C164UC31P
5C164YA11
5C164YA21
5C182AB11
5C182AC43
5C182BA06
5C182BA54
5C182BB02
5C182BB04
5C182BB12
5C182BB13
5C182BC01
5C182BC05
5C182BC26
5C182CB44
5C182CC21
5C182CC24
5C182DA64
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】本願発明の課題は、デジタルサイネージ機能付き操作表示パネルを有する自販機の多面展開方式における同期した動画再生において、自販機本来の販売機能のため中断した場合、常時接続で動画を配信する配信サーバに頼ることのなくシンプルかつ低コストに、自販機の表示を多面展開方式の表示へ復帰させることができる表示制御システムを提供することである。
【解決手段】
販売モードの終了をトリガに前記再生復帰点情報提供手段が前記再生復帰点情報を前記動画再生手段に送信し、該再生復帰点情報を前記動画再生手段が受信して前記再生復帰をすることにより、前記中断に係る前記自販機の動画表示を前記他の複数自販機の動画表示と同期させ、前記多面展開表示の形成に復帰させることを特徴とするシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画表示するサイネージモードと販売画面を表示する販売モードを有し、前記サイネージモードにおいて購入動作を検知した場合に前記動画表示を中断し、前記販売モードで動作する操作表示パネル付き自販機の表示制御システムであって、
a)1又は複数の他自販機の他パート動画と同期して再生されることにより、多面展開表示の形成をするパート動画を記憶する動画記憶手段と、
b)前記パート動画の全域において複数設定された再生復帰位置とその再生予定時刻を関連付けた再生時刻テーブルを格納した再生時刻テーブル記憶装置から、現在時刻の後に設定されている再生予定時刻とその再生復帰位置の組である再生復帰点情報を検索し、送信をする再生復帰点情報提供手段と、
c)前記再生復帰点情報の受信をして、前記再生復帰位置から前記再生予定時刻に再生復帰をして、前記パート動画の再生をする動画再生手段と、
を含み、
前記販売モードの終了をトリガに前記再生復帰点情報提供手段が前記再生復帰点情報を前記動画再生手段に前記送信をし、該再生復帰点情報を前記動画再生手段が前記受信をして前記再生復帰をすることにより、
前記中断に係る前記自販機の動画表示を前記他の複数自販機の動画表示と同期させ、前記多面展開表示の形成に復帰させることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記多面展開表示に係る自販機群の標準時刻を提供する標準時刻提供手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記標準時刻提供手段はインターネット時刻サーバであって、前記標準時刻は該インターネット時刻サーバが提供するインターネット標準時刻であることを特徴とする請求項2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記販売モードは、販売処理完了の通知がされたこと又は所定の時間継続して所定の購入進行動作の検知がないことをトリガに前記終了となることを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルサイネージ機能付き操作表示パネルを有する自販機の操作表示パネルに広告や案内等の動画を再生する表示制御システム、特に複数台の上記自販機を所定の位置に配置して複数操作表示パネルの組合せの表示をする多面展開表示での動画再生をする表示制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、広告、商品の案内等を表示するデジタルサイネージ機能付き操作表示パネルを有する自販機の活用方式として、複数の自販機が同期して一つのテーマをアピールする多面展開表示が注目されている。これら自販機は、広告、商品案内等を伴った動画を表示するサイネージモードの表示動作と、当該自販機に係る商品を販売するためのタッチ等の操作を受け容れる販売モードの表示動作とを有している。
【0003】
複数の自販機を所定の位置に配置し、それらの操作表示パネルにそれぞれのパートを受け持つパート動画を同期表示させる多面展開表示において、それらのいずれかの自販機に対する購入動作による動画表示の中断後の当該動画表示を他の自販機と同期させて復帰させることが課題となる。
自販機は、自販機本来の販売のために、購入者によるタッチ等の操作を検知すると、販売モードの表示動作に切り替わってしまうので、販売に係る動作が終了した場合や、販売に係る動作が一定時間中断してキャンセル扱いとなった場合に、多面展開表示を構成する他の自販機に同期させて動画再生を復帰させる必要があるからである。
【0004】
従来は多面展開表示のためのパート動画を管理し配信する配信サーバを設け、この配信サーバに多面展開表示を展開する自販機を接続し、再生タイミングを同期させた動画をそれぞれの操作表示パネルに配信する方式が採用されていた。自販機自身には、サイネージモードの表示動作を管理する仕組みが備わっておらず、再生タイミングの同期には外部の配信サーバが必要で、自販機と配信サーバとのと常時接続を維持している必要があり、システムの構成や動作が複雑になり、システム構築及び維持が高コストになる問題があった。
【0005】
このような多面展開表示の技術として、特許文献1に記載された技術がある。
ここでは、コンテンツを配信する配信サーバと、ネットワークを介して前記配信サーバから前記コンテンツが配信され、前記コンテンツを複数の表示装置に表示する複数の前記再生装置と、を備えるデジタルサイネージシステムであって、
前記配信サーバは、タイムスタンプを前記再生装置に送信し、前記各再生装置は、前記タイムスタンプを前記配信サーバに送信し、前記配信サーバは、前記送信された前記タイムスタンプに基づいて、前記コンテンツを表示するために必要な前記各再生装置における通信の応答時間の差を算出し、前記各再生装置に前記応答時間の差を送信し、前記各再生装置は、前記配信サーバから送信された前記タイムスタンプに基づいて内部時刻の差を算出し、更に前記配信サーバから送信された前記応答時間の差及び内部時刻の差に基づいて補正値を算出し、前記補正値を適用して算出した内部時刻に基づいてコンテンツの再生の処理を行うことにより同期した再生を実現するシステムが提案されている。
しかしながら、リアルタイムでコンテンツを配信する配信サーバは必須であり、予め送信されたタイムスタンプに基づいてタイムラグを算出することを実行するなど、サーバ装置との常時接続を維持することは必須であり、システムは複雑であり、高コストであるという問題は十分に解決されているものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の課題は、デジタルサイネージ機能付き操作表示パネルを有する自販機の多面展開表示による動画再生中に自販機本来の販売機能のため中断した場合において、常時接続で動画を同期配信する外部装置のサーバ機能に頼ることのなく、それぞれの自販機が独立して動作するローカル機能をメインに使って多面展開表示へ復帰させることができる表示制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、動画表示するサイネージモードと販売画面を表示する販売モードを有し、前記サイネージモードにおいて購入動作を検知した場合に前記動画表示を中断し、前記販売モードで動作する操作表示パネル付き自販機の表示制御システムであって、
a)1又は複数の他自販機の他パート動画と同期して再生されることにより、多面展開表示の形成をするパート動画を記憶する動画記憶手段と、
b)前記パート動画の全域において複数設定された再生復帰位置とその再生予定時刻を関連付けた再生時刻テーブルを格納した再生時刻テーブル記憶装置から、現在時刻の後に設定されている再生予定時刻とその再生復帰位置の組である再生復帰点情報を検索し、送信をする再生復帰点情報提供手段と、
c)前記再生復帰点情報の受信をして、前記再生復帰位置から前記再生予定時刻に再生復帰をして、前記パート動画の再生をする動画再生手段と、
を含み、
前記販売モードの終了をトリガに前記再生復帰点情報提供手段が前記再生復帰点情報を前記動画再生手段に前記送信をし、該再生復帰点情報を前記動画再生手段が前記受信をして前記再生復帰をすることにより、
前記中断に係る前記自販機の動画表示を前記他の複数自販機の動画表示と同期させ、前記多面展開表示の形成に復帰させることを特徴とするシステムが提供される。
【0009】
ここで前記多面展開表示に係る自販機群の標準時刻を提供する標準時刻提供手段をさらに含む、としてもよい。
【0010】
前記標準時刻提供手段はインターネット時刻サーバであって、前記標準時刻は該インターネット時刻サーバが提供するインターネット標準時刻である、としてもよい。
【0011】
前記販売モードは、販売処理完了の通知がされたこと又は所定の時間継続して所定の購入進行動作の検知がないことをトリガに前記終了となる、としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施例の多面展開表示を形成する動画を表示している自販機群を、操作表示パネルを備える正面から観た模式図である。
【
図2】
図2は、販売モードで表示動作する自販機の一例を示したイメージ図である。
【
図3】
図3は、自販機の内部のハード構成を示した斜視図である。
【
図4】
図4は、制御基板の機能構成と周辺装置を示したブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施例の表示制御システムで再生するパート動画のシークエンス構造と設定された再生復帰位置の関係を示したブロック図のである。
【
図6】
図6は、再生復帰位置と再生予定時刻からなる再生時刻テーブルと再生時間帯との関係を示したチャート図である
【
図7】
図7は、再生復帰位置設定の変形例を示すパート動画のブロック図のである。
【
図8】
図8は、変形例に係る再生時刻テーブルと再生時間帯との関係を示したチャート図である。
【
図9】
図9は、本実施例の自販機の表示動作とそれに関連した購入・販売動作の一例を示したフローチャートである
【
図10】
図10は、サイネージモード表示部のサイネージモード復帰動作の詳細の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体例につき図面を用いた実施例において説明する。
実施例において、本発明の機能を実現する各機能構成部は、予め組み込まれたファームウエア等の制御プログラムあるいは記憶装置に格納された制御プログラムをコンピュータ、回路等のプロセッサーで実行することにより実現される。
【実施例0014】
(多面展開表示する自販機群の模式図)
図1は、本実施例の多面展開表示を形成する動画を表示している自販機群を、操作表示パネルを備える正面から観た模式図である。
自販機1001A、1001B及び1001Cは、サイネージモードの動作と販売モードの動作を有しているが、ここではサイネージモードで動作中の自販機群を図示している。
【0015】
これらの自販機群は、それぞれ操作表示パネル1002A、1002B及び1002Cを備えている。ここでは、「龍」の動画を再生中であり、1002Aに表示された「龍」の尻尾のパート動画と、1002Bに表示された「龍」の胴体のパート動画と、1002Cに表示された「龍」の頭部のパート動画と、が一体となって「龍」というテーマの動画を形成する多面展開表示中である。
上記3つの操作表示パネルが、それぞれのパート動画を同期させて再生することにより、3つのパート動画が一体で一つのテーマの動画を表す多面展開表示を形成するように自販機が配置されている。
【0016】
いずれかの自販機の操作表示パネルに対するタッチが検知されると、その自販機はパート動画の再生を中断し、販売モードとなって購入者のタッチ位置に応じた購入支援動作をする販売画面を表示する。
ここでは動画再生中の操作表示パネルへのタッチの検知をトリガに販売モードに切替わる方式を採用しているが、パート動画再生を中断し販売モードに切替わるトリガは、これに限定されるものではない。例えば、自販機に人感センサーを設けて、人検知をトリガに販売モードに切替わる方式を採用してもよい。
【0017】
図2は、販売モードで表示動作する自販機1001Aの一例を示したイメージ図である。自販機1004B及び1004Cも、これと同様の販売モード動作が採用されている。
操作表示パネル1002Aには、複数の商品イメージ2001とそれぞれの商品に対応する商品選択ボタン2002が示される販売画面が表示されている。
購入者の商品選択ボタンへのタッチを検知して、購入者が望む商品を販売の対象として選択をすることができる。
この選択の状態で、次に示す商品購入の決済を完了すると、後で示すように購入者の選択に係る商品が払出しされる。
【0018】
これらの自販機群は、金銭取り扱いインタフェース1003A、1003B及び1003Cを備え、販売モードにおける商品購入の決済のためのインタフェースとなる。
ここでは、電子マネーを受け付ける読取機を採用しているが、本発明で採用可能な金銭取り扱いインタフェースはこれに限定されるものではなく、クレジットカード読み取りインタフェース、金銭投入口などが適宜採用されうる。
【0019】
これらの自販機群は、それぞれ商品払出し口1004A、1004B及び1004Cを備えている。
図4において説明する商品販売管理制御部4007からの制御命令に従って、これら商品払出し口に、販売モードにおける商品購入の決済が完了した商品の払出しされる。
商品払出し口は、商品払出し口に商品払出しを検知するセンサーを設けられ、商品払出しを検知して払出し完了の通知を商品販売管理制御部4007に送信するように構成されている。
商品販売管理制御部4007が払出し完了の通知を受信することにより、販売モードの終了となる。
販売モードの終了情報は、後で説明するように、商品販売管理制御部4007からサイネージモード表示部4001に送信される。
【0020】
これらの自販機群は、ネットワーク1005を経由してインターネット時刻サーバ1006及び多面展開表示を形成するパート動画の再生復帰位置と再生予定時刻の組から構成される再生時刻テーブルを格納した再生時刻テーブルデータベース1007と接続している。
【0021】
(自販機の内部構成)
図3は、自販機1001Aの内部のハード構成を示した斜視図である。
自販機群を構成する他の自販機1001B及び1001Cもこれと同様のハード構成である。
【0022】
自販機1001Aは、本体キャビネット3001を有している。本体キャビネット3001は、複数の鋼板を適宜組み合わせることにより、前面が開口した箱状に構成してあり、本体キャビネット3001の前面開口は、開閉可能な外扉3002によって閉塞される。
外扉3002を閉塞した状態で施錠され、
図1で示すように正面には、表示操作部パネル1002Aが設けてある。表示操作パネルは、大型の表示パネルとタッチされた領域を検出し通知するタッチ検出部とを組み合わせたものである。サイネージモードでは
図1で示すようなパート動画が表示され、販売モードでは
図2に示すような販売画面が表示される。タッチ検出部は、後で示す制御基板の機能構成部にタッチされた領域を含むタッチ検出通知を送信する。
【0023】
操作表示パネル1002Aの裏側に制御基板3003とパート動画を記憶した動画記憶装置3004が設けられている。制御基板の構成は、後で説明する。
動画記憶装置3004として、USBメモリ、SDカード、ハードディスク等の装置をデータ容量やデータ送信速度の必要に応じて適宜採用する。
【0024】
外扉3002の内側の操作表示パネル下に、上記金銭取り扱いインタフェースの本体部に当たる金銭取り扱い部3005、払出し口1004Aの内側が配置されている。
本体キャビネット3001には、金銭取り扱い部で決済が完了した商品を払出し口1004Aに払出しする機構を備えた商品管理収納部3006が設けられている。
【0025】
(制御基板の機能構成)
図4は、制御基板3003の機能構成と周辺装置を示したブロック図である。
制御基板3003は、サイネージモード表示部4001、通信部4002、販売モード表示部4006そして商品販売管理制御部4007という機能構成部から構成されている。
サイネージモード表示部4001は、標準時刻提供部4003、再生復帰点情報提供部4004そして動画再生部4005という下位階層の機能構成部に分かれる。
【0026】
標準時刻提供部4003は、通信部4002と協働してネットワーク1005上にあるインターネット時刻サーバ1006と接続しており、他の機能構成部に対して現在時刻としてインターネット標準時刻を提供する。
再生復帰点情報提供部4004は、後で説明する商品販売管理制御部4007からの販売モードの終了の通知をトリガに、再生時刻テーブルデータベース1007から現在時刻における再生復帰点情報を検索し、動画再生部4005に送信する
動画再生部4005は、再生復帰点情報を受信して、その情報に含まれる再生復帰位置からその情報に含まれる再生予定時刻に動画記憶装置3004に記憶されたパート動画の再生復帰をし、操作表示パネル1002Aからのタッチ検出通知を受信して再生を中断する。
このように自販機それぞれにローカルに設けた機能構成部をメインに多面展開表示を形成するパート動画の再生の中断及び再生復帰を制御する。
【0027】
通信部4002は、所定の通信プロトコルによりネットワークに接続し、制御基板を構成する機能構成部とネットワーク上のインターネット時刻サーバや再生時刻テーブルデータベースとを通信させる。
【0028】
販売モード表示部4006は、サイネージモードで表示中の操作表示パネル1002Aからのタッチ検出通知を受信して、動作を開始する。まず、予め初期画面として設定した販売画面を表示する。初期画面の表示後における操作表示パネルからのタッチ検出通知又は下記商品販売管理制御部4007からの表示制御命令を受信して、購入者に対する購入動作支援画面として設定した販売画面に遷移する。
【0029】
商品販売管理制御部4007は、販売モードにおける操作表示パネル1002Aから所定の領域へのタッチ検出通知を受信して、画面タッチに係るの購入商品選択等を判断し、販売モード表示部4006に対して所定の応答を示す販売画面への遷移の表示制御命令を送信する。
また、商品販売管理制御部4007は、金銭取り扱い部3005電子マネー読取等による決済完了の通知を受けて、商品管理収納部3006に対して、商品選択に係る商品の払出し命令を送信する。
さらに、商品販売管理制御部4007は、払出し口1004Aからの払出し完了の通知を受信して、サイネージモード表示部4001に販売モードの終了の通知を送信する。
販売モードでの動作中において、90秒の時間継続して、上記タッチ検出通知、上記決済完了の通知等の購入進行動作がない場合においても、商品販売管理制御部4007は、サイネージモード表示部4001に販売モードの終了の通知を送信する。
【0030】
(パート動画を構成するシークエンス)
図5は、本実施例の表示制御システムで再生するパート動画のシークエンス構造と設定された再生復帰位置の関係を示したブロック図のである。
パート動画5001は、ひとまとまりの動画として視覚的に区別できるn個シークエンスが時間軸に沿って接続されたものである。
すなわち、動画のタイムライン5002で示す時間軸に沿って、タイムライン時刻00時00分00秒(以下、タイムライン時刻00:00:00というように簡略表記する)の開始点5003からS(1)5004、S(2)5005、・・・・、S(n-1)5006、S(n)5007というようにn個のシークエンスが、C(1)5008、C(2)5009、・・・・、C(n-1)5010、C(n-1)5011で示される(n-1)個の接続点でつながっている。
これら開始点及び接続点を再生復帰位置として設定し、後で示す再生時刻テーブルを生成し、再生時刻テーブルデータベース1007に記憶させる。
ここでシークエンスS(1)、S(2)、・・・・、S(n-1)、S(n)の再生所要時間はT(1)5012、T(2)5013、・・・・、T(n-1)5014、T(n)5015で示されている。
ここでは、n個のシークエンスをすべて再生するための再生所要時間は6分間丁度のものを採用し、標準時刻で示された時分秒で指定された開始時刻に再生開始され、すべてのシークエンスが再生完了すると、開始点であるタイムライン時刻00:00:00から繰り返し再生される。
尚、本発明で採用可能なパート動画の再生所要時間はこれに限定されるものではなく、標準時刻おいて刻まれる秒単位のタイミングに同期可能な再生所要時間が、動画の内容や動画再生の目的等に合わせて適宜変更されうる。
【0031】
図6は、再生復帰位置6002と再生予定時刻6003からなる再生時刻テーブル6000と再生時間帯6001との関係を示したチャート図である。
再生時刻テーブル6000は、標準時刻で00時00分00秒(以下、標準時刻00:00:00というように簡略に表記する)から標準時刻24:00:00までの24時間分を作成し、再生時刻テーブルデータベース1007に格納している。
ここでは、説明の簡略化のため、再生時間帯の内6004で示す標準時刻00:00:00から6005で示す標準時刻01:00:00を少し過ぎたところまでの再生時刻テーブル6000を示している。標準時刻の01時台~23時台の再生復帰位置と再生予定時刻との関係は、00時台における再生復帰位置6002と再生予定時刻6003との関係と同様である。上記パート動画5001は、丁度6分毎に繰り返し再生されており、タイムライン時刻であらわす再生復帰位置6002と再生予定時刻6003の関係も6分毎に繰り返される。
【0032】
再生復帰位置6002は、6006で示した最初の接続点であるC(1)から始まり、C(2)、・・・・、C(n-2)、C(n-1)と続き、開始点であるタイムライン時刻00:00:00に戻り、C(1)から同様の再生復帰位置を繰り返し続いていく。
上記繰り返しの再生復帰位置と組みになる再生予定時刻6003は、6007で示す標準時刻T(1)から始まり、T(1)+ T(2)、・・・・、T(1)+ T(2)+・・・+T(n-2)、T(1)+ T(2)+・・・+T(n-2)+T(n-1)と続き、標準時刻00:06:00となる。以下、同様に各シークエンス再生所要時間が順次加算された再生予定時刻が続いていく。
ここで示すようにパート動画のシークエンスの開始点及び接続点を再生復帰位置に設定することにより、中断後に復帰する自販機のパート動画は、いずれかのシークエンスの始まりで再生復帰することができ、復帰後の不連続が目立たない動画の切れ目において動画再生を再開することができる効果がある。
【0033】
(再生復帰位置設定の変形例)
図7は、再生復帰位置設定の変形例を示すパート動画のブロック図のである。
本変形例でも、
図5で示したものと同じシークエンス構造のパート動画を採用するものとし、
図5で示したものと同じものについては、同じ番号を付してある。
動画のタイムライン5002で示す時間軸に沿って、7001で示すタイムライン時刻00:00:01、7002で示すタイムライン時刻00:00:02、・・・・、7003で示すタイムライン時刻00:05:58、7004で示すタイムライン時刻00:05:59、7005で示すタイムライン時刻00:06:00というように1秒刻みで再生復帰位置が設定されている。
【0034】
図8は、変形例に係る再生時刻テーブル8000と再生時間帯8001との関係を示したチャート図である。
ここでも、再生時間帯を、標準時刻で00時00分00秒から24時00分までの24時間として、再生時刻テーブルが作成されており、この時間帯において上記パート動画5001が繰り返し再生される。
再生復帰位置8002は、8004で示すタイムライン時刻00:00:01から1秒づつ順次設定されており、丁度6分目のところで8005に示す再生開始位置であるタイムライン時刻00:00:00に戻るように設定され、以降6分毎に同様に1秒毎に設定される。
上記繰り返しの再生復帰位置と組みになる再生予定時刻8003は、8006で示す標準時刻00:00:01から1秒毎に標準時刻24:00:00まで順次設定される。
【0035】
広告媒体として活用する場合のように多面展開表示をする時間をより長くするニーズある場合に、このような短い間隔で再生復帰位置の設定をすることにより対応することができる。
ここでは、24時間の再生時刻テーブルを採用しているが、本発明の再生時刻テーブルはこれに限定されるものではない。1時間の再生時刻テーブル、1週間の再生時刻テーブルなどが、適宜採用されうる。
【0036】
再生復帰位置をパート動画のシークエンスが切れる繋ぎ目に設定する方式、所定の時間間隔で設定する方式など、再生復帰位置設定方式は多面展開表示する目的や必要に応じて適宜変更されうる。
そして、このように目的や必要に応じて作成された再生時刻テーブルを利用することにより、同期機能を備えた動画配信サーバに頼ることのなく、それぞれの自販機にローカルに設けられた動画再生機能をメインとして、よりシンプルかつ低コストに、自販機の表示を多面展開方式の表示へ復帰させることができる。
多面展開表示する自販機群は、インターネット時刻サーバ1006から標準時刻を取得するのみで、実質的に独立して動作しているにも関わらず、同期した表示動作をすることが可能になるのである。
【0037】
(自販機の動作)
図9は、本実施例の自販機1001Aの表示動作とそれに関連した購入・販売動作の一例を示したフローチャートである。自販機1001B及び1001Cの動作も同様のフローで動作する。
動作開始ステップ9001において、所定の開始時刻に、自販機管理者の操作よって、自販機1001Aの動作が開始される。ここでは、サイネージモードで動作開始させる。
【0038】
サイネージモード動作ステップ9002において、サイネージモード表示部4001によって、パート動画の再生が行われ、多面展開表示を形成される。
タッチ検出ステップ9003において、購入者によって操作表示パネル1002Aに画面タッチされると、サイネージモードの表示動作は中断され、操作表示パネル1002Aからタッチ検出通知が販売モード表示部4006に送信される。
【0039】
販売モード動作ステップ9004において、販売モード表示部4006によって販売画面が表示される。販売画面は、購入者からの画面タッチによる購入動作を検知するものであり、商品選択の検知が主たる機能である。
販売画面における商品選択が検知された状態で、金銭取り扱い部3005に対する購入者の電子マネー読取等による決済がされ、払出し口1004Aからの払出し完了の通知が送信される。
ここで、90秒間継続して操作表示パネル1002Aからのタッチ検出の通知又は払出し口1004Aからの払出し完了の通知が商品販売管理制御部4007によって受信されない場合、タイムアウトとなって、商品販売管理制御部4007はサイネージモード表示部4001に販売モード終了の通知を送信し、システムの動作はサイネージモード復帰ステップ9006に移る。
【0040】
販売終了ステップ9005において、商品販売管理制御部4007は、販売モード動作ステップにおける払出し口1004Aからの払出し完了の通知を受信して、サイネージモード表示部4001に販売モードの終了の通知を送信する。
【0041】
サイネージモード復帰ステップ9006において、販売モードの終了の通知を受信したサイネージモード表示部4001は、後で示すようなサイネージモード復帰の動作により、サイネージモードの表示に復帰してパート動画を再生する。
【0042】
(サイネージモード復帰の動作詳細)
図10は、サイネージモード表示部4001のサイネージモード復帰動作の詳細の一例を示したフローチャートである。
販売モード終了受信ステップ10001において、商品販売管理制御部4007からの販売モードの終了の通知を受信する。
再生復帰点検索ステップ10002において、再生復帰点情報提供部4004は、再生時刻テーブルデータベース1007から現在時刻における再生復帰点情報を検索し、動画再生部4005に送信する。
再生復帰点情報受信ステップ10002において、動画再生部4005は、再生復帰点情報を受信する。
再生復帰ステップ10004において、動画再生部4005は、再生復帰点情報に含まれる再生復帰位置からその情報に含まれる再生予定時刻に再生復帰をして、動画記憶装置3004に記憶されたパート動画の再生をする。
【0043】
以上のようなシステムの動作により、デジタルサイネージ機能付き操作表示パネルを有する自販機において、常時接続で動画を同期配信する配信サーバに頼ることのなく、実質的に独立したローカルの機能によって、多面展開表示を形成するための他の自販機の表示と同期した動画再生への復帰を制御し、多面展開表示を維持することができる。