(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159985
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20221011BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20221011BHJP
G08B 13/00 20060101ALI20221011BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20221011BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/01 D
G08B13/00 A
G08B25/08 E
G07C5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023056
(22)【出願日】2022-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2021064312
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀明
【テーマコード(参考)】
3E138
5C084
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB10
3E138MB14
3E138MC12
3E138MD05
5C084AA04
5C084AA09
5C084BB31
5C084CC31
5C084EE06
5C084FF02
5C084HH12
5C087AA02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD14
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG06
5C087GG67
5H181AA07
5H181BB04
5H181FF05
5H181FF10
5H181MA48
5H181MB03
5H181MB06
(57)【要約】
【課題】精度よく燃料盗難も判定することができる燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムを提供する。
【解決手段】燃料盗難判定システム1は、車両10に搭載された車載器2と、車載器2と通信可能なサーバ3と、を備えている。車載器2が、車両10の燃料残量及び位置を定期に送信する。サーバ3が、車両10の燃料残量及び位置を受信して取得し、取得した複数の車両10の燃料残量及び位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの燃料残量の変化量の標準値を算出する。サーバ3が、対象車両10に搭載された車載器2から位置を受信して、対象車両10が走行した走行経路を取得し、取得した走行経路に対する燃料残量の変化量の標準値と、対象車両10の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部と、
取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、
対象車両が走行した走行経路及び前記対象車両の燃料残量の履歴を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部と、を備えた
燃料盗難判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料盗難判定装置において、
前記算出部は、前記走行経路を所定距離走行する毎の前記燃料残量の変化量の標準値を算出する、
燃料盗難判定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料盗難判定装置において、
前記対象車両が、前記盗難判定部で用いられている前記標準値に対する前記走行経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定部と、
前記逸脱判定部により逸脱したと判定された場合、前記盗難判定部による前記判定を停止させる停止部と、をさらに備えた、
燃料盗難判定装置。
【請求項4】
車両に搭載された車載器と、前記車載器と通信可能なサーバと、を備えた燃料盗難判定システムであって、
前記車載器が、前記車両の燃料残量及び位置を定期的に送信する送信部を有し、
前記サーバが、前記車両の前記燃料残量及び前記位置を受信して取得する第1取得部と、取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、対象車両に搭載された前記車載器から位置を受信して、前記対象車両が走行した走行経路を取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部と、を有する、
燃料盗難判定システム。
【請求項5】
コンピュータに、
複数の車両の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部と、
取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、
対象車両が走行した走行経路及び前記対象車両の燃料残量の履歴を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部として機能させる、
燃料盗難判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上述した燃料盗難判定装置として、車両停車中の燃料残量の変化量に基づいて盗難を判定する装置が知られている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-113941号公報
【特許文献2】国際公開第2020/059119号
【特許文献3】特許第6752082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、燃料盗難の手口が巧妙化しており、従来の技術では、精度よく燃料盗難を判定することができない、という問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度よく燃料盗難も判定することができる燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムは、下記[1]~[5]を特徴としている。
[1]
複数の車両の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部と、
取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、
対象車両が走行した走行経路及び前記対象車両の燃料残量の履歴を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部と、を備えた
燃料盗難判定装置であること。
[2]
[1]に記載の燃料盗難判定装置において、
前記算出部は、前記走行経路を所定距離走行する毎の前記燃料残量の変化量の標準値を算出する、
燃料盗難判定装置であること。
[3]
[1]又は[2]に記載の燃料盗難判定装置において、
前記対象車両が、前記盗難判定部で用いられている前記標準値に対する前記走行経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定部と、
前記逸脱判定部により逸脱したと判定された場合、前記盗難判定部による前記判定を停止させる停止部と、をさらに備えた、
燃料盗難判定装置であること。
[4]
車両に搭載された車載器と、前記車載器と通信可能なサーバと、を備えた燃料盗難判定システムであって、
前記車載器が、前記車両の燃料残量及び位置を定期的に送信する送信部を有し、
前記サーバが、前記車両の前記燃料残量及び前記位置を受信して取得する第1取得部と、取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、対象車両に搭載された前記車載器から位置を受信して、前記対象車両が走行した走行経路を取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部と、を有する、
燃料盗難判定システムであること。
[5]
コンピュータに、
複数の車両の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部と、
取得した複数の前記車両の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部と、
対象車両が走行した走行経路及び前記対象車両の燃料残量の履歴を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部として機能させる、
燃料盗難判定プログラムであること。
【0007】
上記[1]、[4]及び[5]の構成の燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムによれば、盗難判定部が、対象車両の走行経路に対する燃料残量の変化量の標準値と、対象車両の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する。これにより、精度よく、燃料盗難も判定することができる。
上記[2]の構成の燃料盗難判定装置によれば、算出部は、走行経路を所定距離走行する毎の燃料残量の変化量の標準値を算出する。これにより、精度よく、燃料盗難を判定することができる。
上記[3]の構成の燃料盗難判定装置によれば、対象車両が標準値に対する走行経路から逸脱したときは燃料盗難の判定を行わない。これにより、精度よく、燃料盗難を判定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、精度よく、燃料盗難も判定することができる燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムを提供することができる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の燃料盗難判定装置としての燃料盗難判定システムの一例を示す構成図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す車載器が行う処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図1に示すサーバがDBに格納した走行経路ごとの燃料残量の変化量を示すグラフである。
【
図6】
図6は、
図1に示すサーバが行う処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図1に示すサーバの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0012】
本実施形態の燃料盗難判定システム1(燃料盗難判定装置)は、トラック(車両)10の燃料盗難が行われた否かを判定するシステムである。同図に示すように、燃料盗難判定システム1は、車両の一例であるトラック10に搭載された車載器2と、車載器2とインターネット通信網11を介して通信可能なサーバ3と、サーバ3とインターネット通信網11を介して通信可能な端末6と、を備えている。
【0013】
車載器2は、
図2に示すように、インターネット通信部21と、GPS通信部22と、外部接続端子23と、CANインタフェース24と、制御部25と、を備えている。インターネット通信部21は、インターネット通信網11に接続するための回路やアンテナなどで構成されている。GPS通信部22は、周知のように複数のGPS(Global Positioning System)衛星から発振される電波を受信して、受信した電波から現在位置、時刻を求めて後述する制御部25に出力する。外部接続端子23には、表示部30やスピーカ40などの外部機器が接続されている。表示部30には、目的地までの走行経路などを表示する。スピーカ40は、ドライバに対して走行経路などを案内する音声を出力する。
【0014】
CANインタフェース(I/F)24は、車内のCAN(Controller Area Network)バスに接続するために設けられている。車載器2は、CAN通信を行うことにより、CANから燃料残量やその他の速度、G値(加速度)、エンジン回転数などの運行情報を取得できる。
【0015】
制御部25は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備え、プログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)で構成され、車載器2全体の制御を司る。制御部25は、定期的にGPS通信部22から現在位置を求めてサーバ3に送信する。また、制御部25は、CANI/F24から定期的に燃料残量やその他運行情報を取得してサーバに送信する。
【0016】
サーバ3は、
図3に示すように、インターネット通信部31と、データベース(DB)32と、制御部33と、を有している。
【0017】
インターネット通信部31は、インターネット通信網11に接続するための回路などで構成されている。DB32は、車載器2から定期的に送信される位置、燃料残量の履歴などが記録される。制御部33は、例えばRAMやROMなどのメモリを備え、プログラムに従って動作するCPU(コンピュータ)で構成され、サーバ3全体の制御を司る。
【0018】
端末6は、例えばPCやスマートフォンなどから構成され、インターネット通信網11を介してサーバ3と通信する。端末6は、配送業者が所有する端末である。
【0019】
次に、上述した構成の燃料盗難判定システム1の動作について
図4~
図6を参照して説明する。車載器2の制御部25(以下、車載器2と略記する)は、イグニッションスイッチ(以下、IGと略記)がオンしたか否かを判定する(
図4のS1)。IGがオンされていれば(S1でY)、車載器2は、定期的に燃料残量、その他運行情報、位置を取得して(S2)、送信部として機能し、取得した燃料残量、その他運行情報、位置をサーバ3に送信する(S3)。
【0020】
その後、車載器は、IGがオフしたか否かを判定する(S4)。IGがオフされていなければ(S4でN)、車載器2は、再びS2に戻り、定期的に燃料残量、その他運行情報、位置の取得、サーバ3への送信を繰り返す。IGがオフされていれば(S4でY)、車載器2は、S1に戻る。サーバ3は、第1取得部、第2取得部として機能し、各トラック10の車載器2から送信された燃料残量、その他運行情報、位置を受信(取得)して、DB32に格納する。
【0021】
サーバ3は、算出部として機能し、
図5に示すように、複数のトラック10から取得した燃料残量及び位置の履歴に基づいて、走行経路A~Cごとの燃料残量の変化量の標準値を算出して、DB32に格納する。ここでは、サーバ3は、一運行中に一のトラック10から受信した位置の履歴から走行経路を算出する。また、サーバ3は、一運行中に一のトラック10から受信した燃料残量の履歴から走行経路を所定距離走行する毎の燃料残量の変化量を算出する。サーバ3は、複数のトラック10がそれぞれ一運行終了するごとに、この走行経路、燃料残量の変化量を算出する。サーバ3は、このように算出されたデータから同一の走行経路に対する燃料残量の変化量を抽出し、これら抽出した複数の燃料残量の変化量に基づいて走行経路を所定距離走行する毎の燃料残量の変化量の標準値を算出する。標準値としては、燃料残量の変化量の平均値であってもよいし、中央値、最頻値であってもよい。
【0022】
また、サーバ3は、
図5に示す走行経路A~Cごとの燃料残量の変化量の標準値に基づいてトラック10の燃料盗難を判定する。ここでは、サーバ3は、対象車両であるトラック10が現運行を終了すると、その現運行中に送信された位置の履歴から現運行の走行経路を取得する(
図6のS5)。また、サーバ3は、対象車両であるトラック10の現運行中に送信された燃料残量の履歴から現運行での燃料残量の変化量を取得する(S5)。
【0023】
その後、サーバ3は、標準値が算出された走行経路A~C(
図5)のうちS5で取得した走行経路に近い一つを抽出する。サーバ3は、逸脱判定部として機能し、抽出した走行経路A~CとS5で取得した走行経路とを比較して、現運行での走行経路が抽出した走行経路A~Cから逸脱したか否かを判定する(S6)。サーバ3は、逸脱していると判定すると(S6でN)、停止部として機能し、燃料盗難の判定を終了する。
【0024】
一方、サーバ3は、走行経路から逸脱していないと判定すると(S6でY)、盗難判定部として機能し、S5で取得した現運行での燃料残量の変化量と、抽出した走行経路A~Cに対する燃料残量の変化量の標準値と、を比較する(S7)。S7では、サーバ3は、走行経路上の同じ地点における現運行での燃料残量の変化量と、標準値と、を比較する。サーバ3は、現運行での燃料残量の変化量と標準値との差分である比較値(
図7参照)が、閾値より大きければ(S8でY)、サーバ3は、燃料盗難であると判定して(S9)、処理を終了する。これに対して、サーバ3は、現運行での燃料残量の変化量と、標準値と、の差分である比較値が、閾値より小さければ(S8でN)、サーバ3は、燃料盗難の判定を終了する。
【0025】
上述した実施形態によれば、サーバ3が、対象車両であるトラック10の走行経路に対する燃料残量の変化量の標準値と、現運行での燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する。これにより、精度よく、燃料盗難も判定することができる。
【0026】
上述した実施形態によれば、サーバ3は、走行経路を所定距離走行する毎の燃料残量の変化量の標準値を算出する。これにより、精度よく、燃料盗難を判定することができる。
【0027】
上述した実施形態によれば、対象車両が、標準値が算出された走行経路から逸脱したときは燃料盗難の判定を行わない。これにより、精度よく、燃料盗難を判定することができる。
【0028】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0029】
上述した実施形態によれば、サーバ3は、走行経路を所定距離走行する毎の燃料残量の変化量の標準値を算出していたが、これに限ったものではない。サーバ3は、全走行経路を走行したときの燃料残量の変化量の標準値を算出するようにしてもよい。
【0030】
また、上述した実施形態によれば、対象車両のトラック10が現運行を終了した後に、サーバ3が燃料盗難を判定していたが、これに限ったものではない。トラック10が運行中に受信した燃料残量及び位置の履歴に基づいて、燃料盗難を判定するようにしてもよい。
【0031】
ここで、上述した本発明に係る燃料盗難判定装置、燃料盗難判定システム及び燃料盗難判定プログラムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。[1]
複数の車両(10)の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部(33)と、
取得した複数の前記車両(10)の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部(33)と、
対象車両(10)が走行した走行経路及び前記対象車両(10)の燃料残量の履歴を取得する第2取得部(33)と、
前記第2取得部(33)により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両(10)の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部(33)と、を備えた
燃料盗難判定装置(1)。
[2]
[1]に記載の燃料盗難判定装置(1)において、
前記算出部(33)は、前記走行経路を所定距離走行する毎の前記燃料残量の変化量の標準値を算出する、
燃料盗難判定装置(1)。
[3]
[1]又は[2]に記載の燃料盗難判定装置(1)において、
前記対象車両(10)が、前記盗難判定部で用いられている前記標準値に対する前記走行経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定部(33)と、
前記逸脱判定部により逸脱したと判定された場合、前記盗難判定部による前記判定を停止させる停止部(33)と、をさらに備えた、
燃料盗難判定装置(1)。
[4]
車両(10)に搭載された車載器(2)と、前記車載器(2)と通信可能なサーバ(3)と、を備えた燃料盗難判定システム(1)であって、
前記車載器(2)が、前記車両(10)の燃料残量及び位置を定期的に送信する送信部(25)を有し、
前記サーバ(3)が、前記車両(10)の前記燃料残量及び前記位置を受信して取得する第1取得部(33)と、取得した複数の前記車両(10)の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部(33)と、対象車両(10)に搭載された前記車載器から位置を受信して、前記対象車両(10)が走行した走行経路を取得する第2取得部(33)と、前記第2取得部(33)により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記対象車両(10)の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部(33)と、を有する、
燃料盗難判定システム(1)。
[5]
コンピュータ(33)に、
複数の車両(10)の燃料残量及び位置の履歴を取得する第1取得部(33)と、
取得した複数の前記車両(10)の前記燃料残量及び前記位置の履歴に基づいて、走行経路ごとの前記燃料残量の変化量の標準値を算出する算出部(33)と、
対象車両(10)が走行した走行経路及び前記対象車両(10)の燃料残量の履歴を取得する第2取得部(33)と、
前記第2取得部(33)により取得した前記走行経路に対する前記燃料残量の変化量の前記標準値と、前記第2取得部により取得した前記対象車両(10)の燃料残量の変化量と、の比較に基づいて燃料盗難を判定する盗難判定部(33)として機能させる、
燃料盗難判定プログラム。
【符号の説明】
【0032】
1 燃料盗難判定システム(燃料盗難判定装置)
2 車載器
3 サーバ
10 トラック(車両、対象車両)
25 制御部(送信部)
33 制御部(第1取得部、算出部、第2取得部、盗難判定部、逸脱判定部、停止部)