(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160017
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】有害鳥獣忌避装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A01M 29/06 20110101AFI20221012BHJP
A01M 29/12 20110101ALI20221012BHJP
A01M 29/18 20110101ALI20221012BHJP
A01M 29/16 20110101ALI20221012BHJP
A01M 29/30 20110101ALI20221012BHJP
【FI】
A01M29/06
A01M29/12
A01M29/18
A01M29/16
A01M29/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】86
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207185
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】517354102
【氏名又は名称】株式会社花園
(74)【代理人】
【識別番号】100169133
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】名古谷 聡
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121AA07
2B121CC21
2B121CC28
2B121CC33
2B121CC37
2B121DA25
2B121DA53
2B121DA59
2B121DA70
2B121EA21
2B121FA13
2B121FA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熊、猪、鹿など人的被害を齎す有害鳥獣に対して、これを忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法を提供する。
【解決手段】有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品1と、該骨格部品を展開させるための動力手段と、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材2とを備え、非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、有害鳥獣忌避装置でありその使用方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置であって、
展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品と、
該骨格部品を展開させるための動力手段と、
該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、
非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、
有害鳥獣忌避装置。
【請求項2】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は保持部分から遊離する構成をなし、
該該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難が可能であることを特徴とする、
請求項1記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項3】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
保持部分の軸に螺旋状の条痕が設置され、
該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することを特徴とする、
請求項1又は2記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項4】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品は、
骨格の先端部の重量配分が大きくなるように設定され、
該該骨格部品の展開時に回転しながら展開する際に、遠心力により展開の確実性を向上せしむることを特徴とする、
請求項2又は3記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項5】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
バネ動力によるものであることを特徴とする、
請求項1乃至4の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項6】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とする、
請求項1乃至4の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項7】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする、
請求項6記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項8】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、
該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする、
請求項7記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項9】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする、
請求項6記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項10】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする、
請求項6記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項11】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力によるものであることを特徴とする、
請求項1乃至4の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項12】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする、
請求項1乃至11の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項13】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする、
請求項6乃至12の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項14】
該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、
気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする、
請求項13記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項15】
該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料は、
アンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項14記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項16】
該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は、
布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする、
請求項1乃至14の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項17】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする、
請求項6乃至12の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項18】
該破裂弾は、
内部に液体或いは粉体が収納され、
有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする、
請求項17記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項19】
該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料は、
アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項18記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項20】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
該骨格部品を展開させるための動力手段により発音が行われ、
該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする、
請求項1乃至19の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項21】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
該骨格部品を展開させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする、
請求項20記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項22】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする、
請求項21記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項23】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
ガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする、
請求項20乃至22の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項24】
有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置であって、
気体により伸長可能な部品と、
該伸長可能な部品を伸長させるための動力手段と、
該伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、
非常時に動力手段により伸長可能な部品を展開せしめ、伸長可能な部品及び対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、
有害鳥獣忌避装置。
【請求項25】
該気体により伸長可能な部品は、
使用後に気体の圧力が低下すると巻き戻り、再使用が可能であることを特徴とする、
請求項24記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項26】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とする、
請求項24又は25記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項27】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする、
請求項26記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項28】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、
該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする、
請求項27記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項29】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする、
請求項26記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項30】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする、
請求項26記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項31】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力によるものであることを特徴とする、
請求項24又は25記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項32】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする、
請求項24乃至31の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項33】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする、
請求項24乃至32の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項34】
該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、
気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする、
請求項33記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項35】
該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料は、
アンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項34記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項36】
該気体により伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は、
布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする、
請求項24乃至35の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項37】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする、
請求項24乃至36の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項38】
該破裂弾は、
内部に液体或いは粉体が収納され、
有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする、
請求項37記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項39】
該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料は、
アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項38記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項40】
該気体により伸長可能な部品を伸長に際して、
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段により発音が行われ、
該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする、
請求項24乃至39の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項41】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする、
請求項40記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項42】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする、
請求項41記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項43】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
ガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする、
請求項40乃至42の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置。
【請求項42】
有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置の使用方法であって、
展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品と、
該骨格部品を展開させるための動力手段と、
該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、
非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、
有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項43】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は保持部分から遊離する構成をなし、
該該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難が可能であることを特徴とする、
請求項42記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項44】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
保持部分の軸に螺旋状の条痕が設置され、
該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することを特徴とする、
請求項42又は43記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項45】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品は、
骨格の先端部の重量配分が大きくなるように設定され、
該該骨格部品の展開時に回転しながら展開する際に、遠心力により展開の確実性を向上せしむることを特徴とする、
請求項43又は44記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項46】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
バネ動力によるものであることを特徴とする、
請求項42乃至45の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項47】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とする、
請求項42乃至45の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項48】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする、
請求項47記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項49】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、
該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする、
請求項48記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項50】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする、
請求項47記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項51】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする、
請求項47記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項52】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力によるものであることを特徴とする、
請求項42乃至45の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項53】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする、
請求項42乃至52の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項54】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする、
請求項48乃至53の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項55】
該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、
気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする、
請求項54記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項56】
該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料は、
アンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項55記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項57】
該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は、
布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする、
請求項42乃至56の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項58】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする、
請求項47乃至53の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項59】
該破裂弾は、
内部に液体或いは粉体が収納され、
有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする、
請求項58記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項60】
該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料は、
アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項59記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項61】
該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、
該骨格部品を展開させるための動力手段により発音が行われ、
該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする、
請求項43乃至60の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項62】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
該骨格部品を展開させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする、
請求項61記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項63】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする、
請求項62記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項64】
該骨格部品を展開させるための動力手段による発音は、
ガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする、
請求項61乃至63の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項65】
有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置の使用方法であって、
気体により伸長可能な部品と、
該伸長可能な部品を伸長させるための動力手段と、
該伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、
非常時に動力手段により伸長可能な部品を展開せしめ、伸長可能な部品及び対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、
有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項66】
該気体により伸長可能な部品は、
使用後に気体の圧力が低下すると巻き戻り、再使用が可能であることを特徴とする、
請求項65記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項67】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とする、
請求項65又は66記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項68】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする、
請求項67記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項69】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、
該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする、
請求項68記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項70】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする、
請求項67記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項71】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
ガス圧によるものであり、
該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする、
請求項67記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項72】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力によるものであることを特徴とする、
請求項65又は66記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項73】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする、
請求項65乃至71の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項74】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする、
請求項65乃至72の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項75】
該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、
気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする、
請求項73記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項76】
該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料は、
アンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項75記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項77】
該気体により伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は、
布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする、
請求項65乃至76の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項78】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段は、
火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、
該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、
気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする、
請求項65乃至77の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項79】
該破裂弾は、
内部に液体或いは粉体が収納され、
有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする、
請求項78記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項80】
該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料は、
アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする、
請求項79記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項81】
該気体により伸長可能な部品を伸長に際して、
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段により発音が行われ、
該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする、
請求項65乃至80の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項82】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする、
請求項81記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項83】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする、
請求項82記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【請求項84】
該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、
ガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする、
請求項81乃至83の何れか一に記載の有害鳥獣忌避装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化や国土の市街地化等の要因により、野生鳥獣による被害が多発するようになってきた。特に本年は山林でのドングリ類の不作も相俟って熊が人間の居住地近傍に出没し、これに遭遇して被害を被るといった例が頻発している。
【0003】
さらに、猪や鹿などの増加による農作物被害は甚大であり、又これらの動物にあっても人に遭遇して被害を齎すことが多くなっている。
【0004】
発明者は、水中に生息する鮫等の人的被害或いは食害を齎す生物を忌避する装置について継続的に研究開発を行い、これらを忌避する装置及びその使用方法について開示した。(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今般、地上の有害鳥獣に対してもこれを忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法が求められている。
【0007】
発明者は、水中における有害魚類等の忌避装置のノウハウを元に、地上の有害鳥獣に対してもこれを忌避し安全性を向上させる装置及びその使用方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品と、該骨格部品を展開させるための動力手段と、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、有害鳥獣忌避装置でありその使用方法である。
【0009】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は保持部分から遊離する構成をなし、該該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難が可能であることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、保持部分の軸に螺旋状の条痕が設置され、該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品はが骨格の先端部の重量配分が大きくなるように設定され、該該骨格部品の展開時に回転しながら展開する際に、遠心力により展開の確実性を向上せしむることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がバネ動力によるものであることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とし、さらに本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする。或いは本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力によるものであることを特徴とする。或いは本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路に気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料がアンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材が布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、該破裂弾の内部に液体或いは粉体が収納され、有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする。
【0023】
また本発明は、該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料がアンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、該骨格部品を展開させるための動力手段により発音が行われ、該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音が該骨格部品を展開させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音がその周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする。
【0027】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音がガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする。
【0028】
また本発明は、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、気体により伸長可能な部品と、該伸長可能な部品を伸長させるための動力手段と、該伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、非常時に動力手段により伸長可能な部品を展開せしめ、伸長可能な部品及び対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、有害鳥獣忌避装置及びその使用方法である。
【0029】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品が使用後に気体の圧力が低下すると巻き戻り、再使用が可能であることを特徴とする。
【0030】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであることを特徴とし、さらに本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする。
【0031】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする。
【0032】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする。或いは本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする。
【0033】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力によるものであることを特徴とする。また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする。
【0034】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする。
【0035】
また本発明は、該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする。
【0036】
また本発明は、該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料がアンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0037】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材が布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする。
【0038】
また本発明は、気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする。
【0039】
また本発明は、該破裂弾の内部に液体或いは粉体が収納され、有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする。
【0040】
また本発明は、該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料がアンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0041】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長に際して、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段により発音が行われ、該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする。
【0042】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音が該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする。
【0043】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする。
【0044】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音がガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係る、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法は、簡便な構成で熊はもとより猪、鹿など人間に害を齎す可能性のある有害鳥獣に遭遇した際にこれを忌避し、或いはこれらから逃避する時間的余裕を確保し、人体の安全性を向上させるとともにこれら有害鳥獣による食害等の被害を軽減することにも資することができ、、もって社会に貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、本発明に係る装置の実施形態のうち、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品を展開した一例を説明するための概念図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る装置の実施形態のうち、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品を展開した一例を説明するための概念図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る装置の実施形態のうち、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品を展開した一例を説明するための概念図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る装置の実施形態のうち、気体により伸長可能な部品を用いる場合の例を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品と、該骨格部品を展開させるための動力手段と、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、有害鳥獣忌避装置でありその使用方法である。
【0048】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は保持部分から遊離する構成をなし、該該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難が可能であることを特徴とする。本装置は基本的に鳥獣に危害を加えたり駆除することを目的としたものではなく、これら鳥獣に遭遇した場合に人間の安全性を少しでも高めることが目的である。この目的からは、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難することで少しでも安全性が高まれば有効であると言える。
【0049】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、保持部分の軸に螺旋状の条痕が設置され、該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することを特徴とする。
【0050】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品はが骨格の先端部の重量配分が大きくなるように設定され、該該骨格部品の展開時に回転しながら展開する際に、遠心力により展開の確実性を向上せしむることを特徴とする。該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することは有効である。これにより、遠心力によって展開が容易になり、動力に対する要求も低くなってコストダウンにも寄与する。
【0051】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がバネ動力によるものであることを特徴とする。
【0052】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、
ガス圧によるものであることを特徴とし、さらに本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする。或いは本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする。ガス圧源としては炭酸水の製造に用いる市販の二酸化炭素小型ボンベを含む小型ボンベなども有効に用いることができる。
【0053】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする。或いは本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする。
【0054】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段は、火薬の爆発力によるものであることを特徴とする。或いは本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする。なお、火薬の爆発力を用いる場合にも火薬類取締法の適用を受けない火工品を用いれば一般の使用にも問題はない。
【0055】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする。
【0056】
また本発明は、該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路に気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする。
【0057】
また本発明は、該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料がアンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。ここで、獣類の尿成分を含む溶液については、一般に動物は非常に鋭敏な嗅覚を備えており、特に熊などの大型獣の尿などはほとんどの動物がこれを忌避する。また、雄の熊の尿に対しては雌熊、特に子連れの雌熊は非常な嫌厭を示すことが知られており、特に危険な子連れ雌熊の忌避に有効である。ここで、尿の採取は動物園等における獣舎の排水などから行うことができる。
【0058】
また本発明は、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材が布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする。
【0059】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品を展開させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され骨格部品を展開する残余の或いは展開後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする。
【0060】
また本発明は、該破裂弾の内部に液体或いは粉体が収納され、有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする。
【0061】
また本発明は、該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料がアンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0062】
また本発明は、該有害鳥獣忌避装置の骨格部品の展開に際して、該骨格部品を展開させるための動力手段により発音が行われ、該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする。
【0063】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音が該骨格部品を展開させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする。
【0064】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音がその周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする。ス圧源や火薬等を用いる場合、このガスの流速を利用して笛状の部品を備える等の方法で音声を発するようにすることで、忌避効果を増大することができる。これは、火薬等の爆発音も同様である。ここで、獣類はそれぞれに嫌厭する音の周波数があることが知られており、特に所謂超音波領域に過敏に反応することも知られており、これらの周波数の音声を発することも有効である。
【0065】
また本発明は、該骨格部品を展開させるための動力手段による発音がガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする。
【0066】
また本発明は、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、気体により伸長可能な部品と、該伸長可能な部品を伸長させるための動力手段と、該伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、非常時に動力手段により伸長可能な部品を展開せしめ、伸長可能な部品及び対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめることを特徴とする、有害鳥獣忌避装置及びその使用方法である。
【0067】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品が使用後に気体の圧力が低下すると巻き戻り、再使用が可能であることを特徴とする。
【0068】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであることを特徴とし、さらに本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は小型ボンベにより供給されることを特徴とする。
【0069】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が小型ボンベにより供給されるガス圧によるものであり、該小型ボンベは、二酸化炭素を充填されたものであることを特徴とする。
【0070】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクにコンプレッサから供給されたことを特徴とする。或いは本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段がガス圧によるものであり、該ガス圧は耐圧タンクに手動ポンプで供給されたことを特徴とする。
【0071】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力によるものであることを特徴とする。また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力とガス圧を併用したものであることを特徴とする。
【0072】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは展開後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射することを特徴とする。
【0073】
また本発明は、該ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路には、気体、液体或いは粉体の貯留槽が設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する際に、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を包含せしむることを特徴とする。
【0074】
また本発明は、該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料がアンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。
【0075】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材が布帛、プラスチックシート、網状部材或いはこれらの組み合わせ部材であることを特徴とする。
【0076】
また本発明は、気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段が火薬の爆発力及び/又はガス圧を利用したものであって、該有害鳥獣忌避装置の中央付近にノズルが設置され、気体により伸長可能な部品を伸長させる残余の或いは伸長後の圧力気体を用いてゴム弾或いは破裂弾を有害鳥獣に向けて発射することを特徴とする。
【0077】
また本発明は、該破裂弾の内部に液体或いは粉体が収納され、有害鳥獣の体躯或いは有害鳥獣周辺に着弾後収納された液体或いは粉体が飛散することを特徴とする。
【0078】
また本発明は、該破裂弾に収納される液体或いは粉体の材料がアンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物であることを特徴とする。ここで、獣類の尿成分を含む溶液については、一般に動物は非常に鋭敏な嗅覚を備えており、特に熊などの大型獣の尿などはほとんどの動物がこれを忌避する。また、雄の熊の尿に対しては雌熊、特に子連れの雌熊は非常な嫌厭を示すことが知られており、特に危険な子連れ雌熊の忌避に有効である。ここで、尿の採取は動物園等における獣舎の排水などから行うことができる。
【0079】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長に際して、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段により発音が行われ、該発音により有害鳥獣の忌避効果が助長されることを特徴とする。
【0080】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音が該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段として用いるガス圧による気流を用いて行われることを特徴とする。
【0081】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音は、その周波数が人間の可聴範囲によらず対象となる有害鳥獣が嫌厭する周波数に設定されてなることを特徴とする。ス圧源や火薬等を用いる場合、このガスの流速を利用して笛状の部品を備える等の方法で音声を発するようにすることで、忌避効果を増大することができる。これは、火薬等の爆発音も同様である。ここで、獣類はそれぞれに嫌厭する音の周波数があることが知られており、特に所謂超音波領域に過敏に反応することも知られており、これらの周波数の音声を発することも有効である。
【0082】
また本発明は、該気体により伸長可能な部品を伸長させるための動力手段による発音がガス圧を用いた発音及び火薬による爆発音の併用によりなることを特徴とする。
【0083】
本発明に係る、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法は、簡便な構成で熊はもとより猪、鹿など人間に害を齎す可能性のある有害鳥獣に遭遇した際にこれを忌避し、或いはこれらから逃避する時間的余裕を確保し、人体の安全性を向上させるとともにこれら有害鳥獣による食害等の被害を軽減することにも資することができ、もって社会に貢献することが出来る。
【実施例0084】
以下、本発明に係る、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法の実施の例を図面を用いて説明する。
図1乃至
図3は、本発明に係る器具の実施形態のうち、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品を展開した一例を説明するための概念図である。
【0085】
本実施例では、有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるための装置及びその使用方法であって、展開可能で且つ未使用時は折り畳んで収納される骨格部品と、該骨格部品を展開させるための動力手段と、該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材とを備え、非常時に動力手段により骨格部品を展開せしめ、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材の視覚効果により有害鳥獣を忌避し安全性を向上せしめるようにした。骨格部品1としては一般にワンタッチ傘として知られる部品を用い、骨格部品を展開させるための動力手段としてはバネを用いている。
【0086】
骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材としては、軽量のプラスチックフィルムに彩色を施したものを用いた。かかる彩色は有害鳥獣を驚かせ、忌避させるために有効である。
【0087】
骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材は保持部分から遊離する構成をなし、該該骨格部品及び該骨格部品に付帯して対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難が可能にした。本装置は基本的に鳥獣に危害を加えたり駆除することを目的としたものではなく、これら鳥獣に遭遇した場合に人間の安全性を少しでも高めることが目的である。この目的からは、対象鳥獣の視覚に刺激を与える部材を残置したまま避難することで少しでも安全性が高まれば有効であると言える。
【0088】
骨格部品の展開に際して、保持部分の軸に螺旋状の条痕が設置され、該該骨格部品の展開時に回転しながら展開することにより、展開速度を向上させ且つ対象鳥獣の視覚に対する刺激を増強することも有効である。これにより、遠心力によって展開が容易になり、動力に対する要求も低くなってコストダウンにも寄与する。
【0089】
本実施例に於いては、動力手段としてバネを用いたが、ガス圧によるものを用いることも有効である。ガス圧源としては炭酸水の製造に用いる市販の二酸化炭素小型ボンベを含む小型ボンベ、或いはコンプレッサや手動ポンプにより充填された耐圧タンクからの空気圧なども好適に用いられる。
【0090】
また、圧力源としては火薬の爆発力を用いることも有効であり、これと前記のガス圧源を組み合わせても良い。なお、火薬の爆発力を用いる場合にも火薬類取締法の適用を受けない火工品を用いれば一般の使用にも問題はない。
【0091】
これらガス圧源や火薬等を用いる場合、このガスをノズルから有害鳥獣に向け噴射することや、ノズルを介しての圧力気体を有害鳥獣に向けて噴射する経路に気体、液体或いは粉体の貯留槽を設置してアンモニアガス、アンモニア水、酢酸水溶液、獣類の尿成分を含む溶液、トウガラシ粉、カラシ粉、或いはこれらの複数の混合物など該有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を含めて噴射することは、有害鳥獣の忌避に有効である。
【0092】
ここで、獣類の尿成分を含む溶液については、一般に動物は非常に鋭敏な嗅覚を備えており、特に熊などの大型獣の尿などはほとんどの動物がこれを忌避する。また、雄の熊の尿に対しては雌熊、特に子連れの雌熊は非常な嫌厭を示すことが知られており、特に危険な子連れ雌熊の忌避に有効である。ここで、尿の採取は動物園等における獣舎の排水などから行うことができる。
【0093】
また、有害鳥獣が忌避する気体、液体或いは粉体の材料を含めて噴射することに代えて、これらを収納した破裂弾を発射することや、ゴム弾などの個体を発射することも有効である。
【0094】
また、ガス圧源や火薬等を用いる場合、このガスの流速を利用して笛状の部品を備える等の方法で音声を発するようにすることで、忌避効果を増大することができる。これは、火薬等の爆発音も同様である。ここで、獣類はそれぞれに嫌厭する音の周波数があることが知られており、特に所謂超音波領域に過敏に反応することも知られており、これらの周波数の音声を発することも有効である。
本実施例の形態に於いても、骨格部品を展開させる形態と同様に気体噴射、忌避材料の噴射などを行うことが可能である。また、体により伸長可能な部品が使用後に気体の圧力が低下すると巻き戻り、再使用が可能とすることもできる。これは、子供用玩具の吹き戻しと同様の原理である。