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  • 特開-切断装置 図1
  • 特開-切断装置 図2
  • 特開-切断装置 図3
  • 特開-切断装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160033
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 3/02 20060101AFI20221012BHJP
   A01G 3/025 20060101ALI20221012BHJP
   A01D 46/24 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A01G3/02 501F
A01G3/025
A01D46/24 A
A01D46/24 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064519
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】521145059
【氏名又は名称】町田 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】町田 健治
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075AA10
2B075JD06
2B075JD22
(57)【要約】
【課題】枝葉に引っかかりにくくすること。
【解決手段】切断装置1は、鋏2と、鋏2を支持する長尺体22と、長尺体22を取り囲むように配置され、開閉自在であり開いた状態で鋏2により切断された切断物を受け止めるキャッチネット32と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋏と、
前記鋏を支持する長尺体と、
前記長尺体を取り囲むように配置され、開閉自在な網状またはシート状の部材を有し、前記部材が開いた状態で前記鋏により切断された切断物を受け止める保持部と、
を有することを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記鋏は開いた状態の前記部材のほぼ中央部に配置される請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記長尺体に沿って配置され、前記部材を閉状態に支持し、前記部材を開状態にするとき緩められる糸状体を有する請求項1または2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記長尺体の前記鋏の取り付け部分近傍に配置され、前記長尺体を取り囲み前記糸状体を支持する糸状体支持部と、前記糸状体支持部を介して前記鋏と反対側に配置され前記部材を保持する部材保持部と、を有し、
前記糸状体は、前記糸状体支持部を介して前記部材の開放端部に接続されている請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記開放端部または前記開放端部の近傍に配置されるおもりを有する請求項4に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果実を切断して用意された網などに落下させる装置が知られている。例えば、複数本の竿部材を相互につなぎ合わせて伸縮自在な竿を形成し、竿の先端に環状のフレームを有する果実落下口を配置し、フレームに筒状の果実収穫シュートを垂れ下げて設けると共に、フレームに駆動装置を固定するためのベース部材を固定し、ベース部材にハサミ様の刃を開閉自在に取り付け、ハサミ様の刃をバネ部材によって開方向に付勢すると共に、駆動装置の駆動力によりハサミ様の刃を閉方向に駆動させることで、果実のヘタないしは軸を切
断して果実を収穫シュートに落下させるようにした高所果実収穫装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-151025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような網が付いた装置を使用して、木の上の枝が生い茂っている箇所に鋏を入れようとすると、ネットが枝葉にひっかかるという問題がある。
1つの側面では、本発明は、枝葉に引っかかりにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、開示の切断装置が提供される。この切断装置は、鋏と、鋏を支持する長尺体と、長尺体を取り囲むように配置され、開閉自在な網状またはシート状の部材を有し、部材が開いた状態で鋏により切断された切断物を受け止める保持部と、を有している。
【発明の効果】
【0006】
1態様では、枝葉にひっかかりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の切断装置を示す図である。
図2】実施の形態の切断装置を示す図である。
図3】取り付け部周辺を拡大した図である。
図4】キャッチネットが開く様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の切断装置を、図面を参照して詳細に説明する。
以下の図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
実施の形態において単数形で表される要素は、文面で明らかに示されている場合を除き、複数形を含むものとする。
【0009】
<実施の形態>
図1および図2は、実施の形態の切断装置を示す図である。
【0010】
実施の形態の切断装置1は、例えば木に生った高いところにある果実を採取する際に使用するものである。果実としては特に限定されないが例えば柿やみかんやリンゴ等が上げられる。
【0011】
切断装置1は、高枝鋏2と果実保持部3とを有している。高枝鋏2は例えばホームセンター等で販売されているものを流用することもできる。高枝鋏2は、鋏21と、鋏21を支持する長尺体22と、把持部23とを有している。なお、図2では把持部23の図示を省略している。
【0012】
例えば使用者が長尺体22を片手で把持し、把持部23をもう片手で把持して鋏21を開閉させることができる。長尺体22には、その長さを延長できる延長機構が設けられていても良い。
果実保持部3は、取り付け部31と、キャッチネット32と、キャッチネット保持部33と、キャッチネット開閉部34と、テグス35、35とを有している。
【0013】
取り付け部31はペットボトルのキャップ(蓋)のような形状をなしている。取り付け部31は、例えばアタッチメント機構を備え、アタッチメントを開いた状態で長尺体22を取り囲み、アタッチメントを閉じることで長尺体22に取り付けることができる。取り付け部31にはテグス35が挿通する開口部311が設けられている。テグス35、35は、それぞれキャッチネット32の開放端部321に取り付けられる。
【0014】
取り付け部31の内部に図示しない巻き取り機構が設けられていてもよい。この場合、テグス35、35は、キャッチネット32が開くにつれて取り付け部31から繰り出され、キャッチネット32が閉じるにつれて巻き取り機構により巻き取られて取り付け部31内に収容される。
【0015】
キャッチネット32は、鋏21によりカットされた果実や枝葉等を受け止める円錐状の網である。網状のものの代わりにシート状のものを用いてもよい。キャッチネット32は、開閉自在である。図1は、キャッチネット32を閉めた状態を示しており、図2は、キャッチネット32を開放した状態を示している。
【0016】
キャッチネット32の開放端部321にはおもり322が取り付けられている。なお、おもり322の数や配置位置は特に限定されず、キャッチネット32の開放端部321の近傍に配置されていてもよい。
【0017】
キャッチネット32の頂部付近(取り付け部31を介して鋏21と反対側)にはキャッチネット保持部33が配置されている。キャッチネット保持部33は、例えばゴム製の環状部材である。ゴム製にすることにより、例えばキャッチネット32に落下した果実が傷つくことを抑制できる。このキャッチネット保持部33も取り付け部31と同様に高枝鋏2に後付け可能である。
【0018】
キャッチネット開閉部34は、テグス341、341とテグスガイド管342とテグス巻き取り部343とを有している。テグス341、341の一方の端部は、テグス巻き取り部343に収容されている。テグス341、341の他方の端部はテグスガイド管342を通り、取り付け部31を介して、キャッチネット32の開放端部321に取り付けられている。
【0019】
なお、テグス35およびテグス341は糸状体の一例であり、その他の糸やワイヤー等であってもよい。本実施の形態のテグス巻き取り部343はリールを有している。テグス巻き取り部343を使用することで、テグス341を引っ張ったり緩めたりすることができる。
【0020】
テグスガイド管342は、一定の間隔で複数配置されている。このテグスガイド管342は、結束バンド41により長尺体22に取り付けられている。これにより、容易に長尺体22に装着が可能である。
なお、テグス巻き取り部343の構造は、一例であり、テグス341を引っ張ったり緩めたりする方法は図示のものに限定されない。
【0021】
図3は、取り付け部周辺を拡大した図である。図3は、図2の矢印A側から切断装置1を見た図である。なお、図3ではキャッチネット32の大きさを図1よりも小さく表記している。また、図3ではおもり322やキャッチネット保持部33等の一部の表記を省略している。
【0022】
キャッチネット32の開放端部321には一定間隔(例えば60度間隔)でテグス35が取り付けられている。また、開口部311のうち2つの開口部311a、311aには、それぞれテグス341、341が挿入され、キャッチネット32の開放端部321aに取り付けられている。
【0023】
図3(b)、(c)、(d)はキャッチネット32の連結部分を説明する図である。図3(b)は、キャッチネット32の連結部分を内側から見た図であり、図3(c)は、キャッチネット32の連結部分を外側から見た図であり、図3(d)は、キャッチネット32の連結部分を上から見た図である。
図4は、キャッチネットが開く様子を説明する図である。なお、図4では取り付け部31の表記の一部を省略している。
【0024】
使用者がテグス巻き取り部343を把持してテグス341を緩めると、キャッチネット32の自重に加え、おもり322によりキャッチネット32が開き始める。そして、キャッチネットの開口部の開口面積がほぼ最大になった時点で支持部323により支持される。
【0025】
逆に使用者がキャッチネット32を閉める(折りたたむ)場合は、使用者がテグス巻き取り部343を把持してテグス341、341を巻き取る。これにより、キャッチネット32が閉じる。図示していないが、巻き取ったテグス341、341が緩まないように例えばテグス巻き取り部343近傍にテグス341、341を支持するクリップ等が設けられていてもよい。
【0026】
以上述べたように、実施の形態の切断装置1は、鋏2と、鋏2を支持する長尺体22と、長尺体22を取り囲むように配置され、開閉自在であり開いた状態で鋏2により切断された切断物を受け止めるキャッチネット32と、を有する。
鋏2を使用するとき以外はキャッチネット32を閉めておくことで、切断装置1を木に挿入したときにキャッチネット32が枝葉にひっかかりにくくなる。
また、切断装置1の主な特徴は以下である。
鋏2がキャッチネット32のほぼ中央部に配置されている。これにより、切断により落下する収穫物をより確実に受け止めることができる。
既存の高枝鋏2に果実保持部3を後付けできる。
キャッチネット32の開閉は、使用者がテグス巻き取り部343を把持してテグスを緩めたり、巻き取ったりするだけである。
キャッチネット保持部33はゴム製なので収穫物を傷つけにくい。
テグス巻き取り部343でテグスの長さを調整するので、長尺体22に延長機構が設けられていても対応できる。
【0027】
以上、本発明の切断装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 切断装置
2 高枝鋏
21 鋏
22 長尺体
23 把持部
3 果実保持部
31 取り付け部
311 開口部
32 キャッチネット
33 キャッチネット保持部
34 キャッチネット開閉部
341 テグス
342 テグスガイド管
343 テグス巻き取り部
35 テグス
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋏と、
前記鋏を支持する長尺体と、
前記長尺体を取り囲むように配置され、開閉自在な網状またはシート状の部材を有し、前記部材が開いた状態で前記鋏により切断された切断物を受け止める保持部と、
前記長尺体に沿って配置され、前記部材を閉状態に支持し、前記部材を開状態にするとき緩められる糸状体と、
を有することを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記鋏は開いた状態の前記部材のほぼ中央部に配置される請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記長尺体の前記鋏の取り付け部分近傍に配置され、前記長尺体を取り囲み前記糸状体を支持する糸状体支持部と、前記糸状体支持部を介して前記鋏と反対側に配置され前記部材を保持する部材保持部と、を有し、
前記糸状体は、前記糸状体支持部を介して前記部材の開放端部に接続されている請求項1に記載の切断装置。
【請求項4】
前記開放端部または前記開放端部の近傍に配置されるおもりを有する請求項3に記載の切断装置。