(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160074
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04W 12/50 20210101AFI20221012BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20221012BHJP
H04W 12/047 20210101ALI20221012BHJP
H04W 12/06 20210101ALI20221012BHJP
H04W 4/80 20180101ALI20221012BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20221012BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20221012BHJP
H04L 9/08 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H04W12/50
H04W76/10 130
H04W12/047
H04W12/06
H04W4/80
H04W92/08 110
H04L9/00 675A
H04L9/00 601B
H04L9/00 601E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064597
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100119758
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 保宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209705
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】内田 優雨
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA30
5K067AA32
5K067DD17
5K067EE02
5K067FF23
5K067HH22
5K067HH23
5K067HH36
(57)【要約】
【課題】比較的簡単な方法で情報処理端末の通信接続の設定をする。
【解決手段】情報処理装置2は、情報処理端末3との間で近距離無線通信を行う第1通信部21と、情報処理端末3と接続するための第1接続情報26を記憶する第1記憶部23と、サーバ5にアクセスするためのアクセス情報を出力する第1入出力部22と、アクセス情報の出力を制御する第1制御部24と、を備え、サーバ5は、情報処理端末3のアクセスに基づいて情報処理装置2と接続するための第2接続情報35を情報処理端末3に送信し、第1制御部24は、情報処理端末3が送信した第1接続情報26が第1記憶部23に記憶されていない場合、第1入出力部22からアクセス情報を出力させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置とサーバとを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
情報処理端末との間で近距離無線通信を行う第1通信部と、
前記近距離無線通信を介して前記情報処理端末と接続するための第1接続情報を記憶する第1記憶部と、
前記サーバにアクセスするためのアクセス情報を出力する第1出力部と、
前記アクセス情報の出力を制御する第1制御部と、を備え、
前記サーバは、前記情報処理端末が前記アクセス情報に基づいてアクセスした場合、前記情報処理端末が前記近距離無線通信を介して前記情報処理装置と接続するための第2接続情報を前記情報処理端末に送信し、
前記第1制御部は、前記情報処理端末により前記近距離無線通信を介して送信された前記第1接続情報が前記第1記憶部に記憶されていない場合、前記第1出力部から前記アクセス情報を出力させることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記第1通信部が前記情報処理端末から前記近距離無線通信の電波を受信していない場合、前記第1出力部から前記アクセス情報を出力させることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記情報処理端末との間で前記近距離無線通信の設定が行われた場合、前記情報処理端末が前記近距離無線通信を介して送信した前記第1接続情報を前記第1記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記情報処理端末が前記アクセス情報に基づいてアクセスした場合、前記近距離無線通信の有効期限を示す有効期限情報を前記情報処理端末に送信し、
前記第1制御部は、前記情報処理端末により前記近距離無線通信を介して送信された前記有効期限情報に基づいて、前記情報処理端末との通信可否を制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1出力部は、二次元コードを出力する表示部を備え、
前記第1制御部は、前記アクセス情報を前記第1出力部に出力させる場合、前記アクセス情報を前記二次元コードとして前記表示部に出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理端末を備え、
前記情報処理端末は、
前記情報処理装置との間で前記近距離無線通信を行う第2通信部と、
前記第1出力部に出力された前記アクセス情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記アクセス情報に基づいて、前記サーバにアクセスするアクセス部と、
前記アクセス部が取得した前記第2接続情報に基づいて前記情報処理装置との通信設定を行う第2制御部と、
前記情報処理装置との間で前記近距離無線通信の設定が行われた場合、前記取得部が取得した前記第2接続情報を記憶する第2記憶部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に情報処理システム。
【請求項7】
前記第2制御部は、前記取得部が取得した前記第2接続情報が前記第2記憶部に記憶されている場合、前記情報処理装置との通信設定を行わず、前記第2通信部の機能を起動させることを特徴とする請求項6記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信の通信接続に関する技術に関し、特に利用者が携行する情報処理端末と情報処理装置とのペアリング処理を行う情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムにおいて、利用者が携行するスマートフォンなどの情報処理端末と、ナビゲーション装置などの情報処理装置との無線通信を利用した情報連携が進展している。
【0003】
スマートフォンと、ナビゲーション装置とは、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiに代表される近距離無線通信で接続される。情報処理装置と情報処理端末とは、Bluetooth(登録商標)などで接続する場合、互いの設定情報を登録するペアリング処理が行われる。情報処理装置と情報処理端末とは、ペアリング処理により、誤接続の防止、若しくはセキュリティ向上の認証を行う。
【0004】
しかしながら、情報処理装置と情報処理端末とは、ペアリング処理の仕組みによって、ユーザに対して複雑な手順を要求する場合がある。
【0005】
ところで、携帯端末とサーバとを連携させるため、ネットワークにアクセスするURL(uniform resource locator)を含んだ二次元バーコードを携帯端末から読み取り、セッションレスの状態でサーバと連携させて、サービスを行う構成が知られている(特許文献1)。特許文献1では、情報処理端末と情報処理装置とのペアリング処理を行う情報処理システムについて開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その課題は、比較的簡単な方法で、利用者が携行する情報処理端末と情報処理装置との通信接続の設定をすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、本開示の情報処理システムは、情報処理装置と、サーバと、を備える。上記情報処理装置は、第1通信部と、第1記憶部と、第1出力部と、第1制御部とを備える。上記第1通信部は、上記情報処理端末との間で近距離無線通信を行う。上記第1記憶部は、上記近距離無線通信を介して上記情報処理端末と接続するための第1接続情報を記憶する。上記第1出力部は、上記サーバにアクセスするためのアクセス情報を出力する。上記第1制御部は、上記アクセス情報の出力を制御する。上記サーバは、上記情報処理端末が上記アクセス情報に基づいてアクセスした場合、上記情報処理端末が上記近距離無線通信を介して上記情報処理装置と接続するための第2接続情報を上記情報処理端末に送信する。上記第1制御部は、上記情報処理端末により上記近距離無線通信を介して送信された上記第1接続情報が上記第1記憶部に記憶されていない場合、上記第1出力部から上記アクセス情報を出力させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、比較的簡単な方法で、利用者が携行する情報処理端末と情報処理装置との通信接続の設定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【
図2A】一実施の形態に係る情報処理システムの二次元コードに含まれる情報の構成を示す模式図である。
【
図2B】一実施の形態に係る情報処理システムの第1接続情報の構成を示す模式図である。
【
図2C】一実施の形態に係る情報処理システムの第2接続情報の構成を示す模式図である。
【
図3】一実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置情報の構成を示す模式図である。
【
図4】一実施の形態に係る情報処理システムの第1ペアリング処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】一実施の形態に係る情報処理システムの第2ペアリング処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】一実施の形態に係る情報処理システムの情報提供処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7A】一実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置情報の変形例の構成を示す模式図である。
【
図7B】一実施の形態に係る情報処理システムの第1接続情報の変形例の構成を示す模式図である。
【
図8】一実施の形態に係る情報処理システムの情報提供処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【
図9】一実施の形態に係る情報処理システムの第2ペアリング処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【
図10】一実施の形態に係る情報処理システムの第1ペアリング処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【
図11】一実施の形態に係る情報処理システムの鍵有効期限判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<情報処理システム10の構成>
実施の形態に係る情報処理システム10の構成を
図1に示す。情報処理システム10は、情報処理装置2と、情報処理端末3と、サーバ5と、を備える。情報処理装置2は、例えば、車両1に搭載されている。車両1は、例えば、自動車、オートバイが挙げられる。情報処理装置2は、例えば、ナビゲーション装置が挙げられる。情報処理端末3は、利用者が携行する端末である。情報処理端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、若しくはノートパソコンが挙げられる。情報処理装置2と情報処理端末3とは、近距離無線通信ネットワーク4を介して、お互いに通信することができるように構成されている。近距離無線通信ネットワーク4は、例えば、Bluetooth(登録商標)を利用したネットワークが挙げられる。サーバ5は、情報処理装置2に関する情報を情報処理端末3に提供する。情報処理装置2に関する情報は、例えば、情報処理端末3が情報処理装置2と通信接続の設定をするために必要な設定情報である。情報処理端末3とサーバ5は、通信ネットワーク6を介して、お互いに通信することができるように構成されている。通信ネットワーク6は、例えば、公衆回線網、インターネット網、専用通信網が含まれる。
【0012】
情報処理システム10では、情報処理装置2が出力した二次元コード25を情報処理端末3が読み取るだけで情報処理装置2と情報処理端末3のペアリング処理が自動的に完了するように構成されている。この結果、情報処理システム10は、利用者が、複雑な接続手順を踏むことなく、比較的簡単に情報処理装置2と情報処理端末3との通信接続の設定を行うことができる。
【0013】
・情報処理装置2
情報処理装置2は、第1通信部21と、第1入出力部22と、第1記憶部23と、第1制御部24と、を備える。以下では、情報処理装置2を車載ナビゲーション装置として説明する。
【0014】
第1通信部21は、情報処理端末3と近距離無線通信ネットワーク4を介して、相互に通信できるように構成されている。第1通信部21は、近距離無線通信の電波を情報処理端末3に送信することができる。第1通信部21は、情報処理端末3から近距離無線通信の電波を受信することができる。
【0015】
第1入出力部22は、情報を入出力するためのインターフェースである。第1入出力部22は、入力装置と、出力装置とを備えている。入力装置は、例えば、リモートコントローラ、タッチパネル、若しくはマイクが挙げられる。出力装置は、例えば、ディスプレイ、若しくはスピーカが挙げられる。ディスプレイは、例えば、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置が挙げられる。第1入出力部22は、例えば、ナビゲーションの検索に関する情報が入力される。第1入出力部22は、例えば、車両1の位置、地図及び目的地までの経路案内に関する案内情報が出力される。
【0016】
また、第1入出力部22は、二次元コード25を出力するインターフェースである。例えば、二次元コード25は出力装置から出力される。出力装置は、二次元コード25が表示される表示装置である。二次元コード25は、例えば、マトリックス式のQRコード(登録商標)が好ましい。二次元コード25は、QRコード(登録商標)だけに限定されるものではない。他の二次元コードでも適用可能であり、マトリックス式の他の種類の二次元コードやスタック式の二次元コードでもよい。二次元コード25には、
図2Aに示すように、例えば、サーバ5のURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。つまり、二次元コード25が示す情報は、サーバ5にアクセスするためのアクセス情報である。サーバ5のURLには、例えば、情報処理装置2を一意に識別可能な固有識別情報、情報処理装置2が公開鍵を生成した日時を示す日時情報が含まれている。以下、情報処理装置2を一意に識別可能な固有識別情報を情報処理装置IDという。また、情報処理装置2が公開鍵を生成した日時を公開鍵生成日時という。
【0017】
第1記憶部23は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される。第1記憶部23は、例えば、地図情報を記憶する。
【0018】
第1記憶部23は、情報処理端末3から送信された接続情報に基づいて、第1接続情報26を記憶する。第1接続情報26には、例えば、
図2Bに示すように、情報処理端末3のアドレス、情報処理端末3で生成された公開鍵が含まれる。情報処理端末3のアドレスは、例えば、MAC(Media Access Control address)アドレス、BD(Bluetooth device address)アドレスが挙げられる。第1接続情報26は、情報処理装置2と情報処理端末3とのペアリング処理に際して、情報処理端末3が送信した近距離無線の電波に含まれている接続情報である。ペアリング処理において情報処理装置2と情報処理端末3とがお互いの認証に成功した場合、情報処理装置2は、第1接続情報26を第1記憶部23に記憶させるように構成されている。情報処理装置2は、第1接続情報26を第1記憶部23に記憶させた後、情報処理端末3との通信接続に第1接続情報26を用いる。
【0019】
第1制御部24は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリから構成される。第1制御部24は、第1通信部21、第1入出力部22及び第1記憶部23の制御を行うことができるように構成されている。第1制御部24は、各種データの転送、種々の演算、データの一時的な格納を行うことにより、各種処理を実行する。例えば、第1制御部24は、ナビゲーションに関する処理を実行する。また、第1制御部24は、情報処理端末3との通信接続に際して、ペアリング処理を実行する。
【0020】
なお、第1記憶部23には、情報処理装置2の第1制御部24の機能を実現するための第1プログラムが記憶されている。第1プログラムは、例えば、情報処理装置2のROM(Read
Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される記憶装置に格納される。第1プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)ディスク、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)が挙げられる。情報処理装置2において実行される第1プログラムは、通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0021】
・情報処理端末3
情報処理端末3は、第2通信部31と、第2入出力部32と、第2記憶部33と、第2制御部34と、を備える。以下では、情報処理端末3をスマートフォンとして説明する。
【0022】
第2通信部31は、近距離無線通信ネットワーク4を介して、情報処理装置2と相互に通信できるように構成されている。第2通信部31は、近距離無線通信の電波を情報処理装置2に送信することができるように構成されている。第2通信部31は、情報処理装置2から近距離無線通信の電波を受信することができるように構成されている。また、第2通信部31は、通信ネットワーク6を介して、サーバ5と相互に通信できるように構成されている。
【0023】
第2入出力部32は、情報を入出力するためのインターフェースである。第2入出力部32は、端末入力装置と、端末出力装置とを備えている。端末入力装置は、例えば、タッチパネル、カメラ、マイクが挙げられる。端末出力装置は、例えば、ディスプレイ、スピーカが挙げられる。ディスプレイは、例えば、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置が挙げられる。カメラは、情報処理装置2の表示装置に出力された二次元コード25を読み取ることができるように構成されている。つまり、第2入出力部32は、二次元コード25が示す情報を取得する取得部でもある。
【0024】
第2記憶部33は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される。第2記憶部33は、第2接続情報35を記憶する。また、第2記憶部33は、プログラム36を記憶する。プログラム36は、第2プログラムともいう。
【0025】
第2接続情報35は、例えば、
図2Cに示すように、情報処理装置2のアドレスと、サーバ5が生成した情報処理装置2の公開鍵とが含まれる。情報処理装置2のアドレスは、例えば、MAC(Media Access Control address)アドレス、若しくはBD(Bluetooth device address)アドレスが挙げられる。第2接続情報35は、情報処理端末3のカメラにより読み取られた二次元コード25に含まれる情報に基づいて、情報処理端末3がサーバ5にアクセスした後、サーバ5から取得する取得情報である。サーバ5は、情報処理装置2と同一の公開鍵生成アルゴリズムを有している。そのため、サーバ5は、情報処理装置2が生成する公開鍵と同一の公開鍵を生成できるように構成されている。情報処理端末3は、サーバ5が生成した情報処理装置2の公開鍵を取得した後、ペアリング処理を実行する。ペアリング処理において情報処理装置2と情報処理端末3とがお互いの認証に成功した場合、情報処理端末3は、第2接続情報35を第2記憶部33に記憶させるように構成されている。情報処理端末3は、第2接続情報35を第2記憶部33に記憶させた後、情報処理装置2との通信接続に第2接続情報35を用いる。
【0026】
プログラム36は、例えば、情報処理装置2と近距離無線通信の接続設定をするための汎用アプリケーションプログラムである。汎用アプリケーションプログラムは、情報処理端末3の初期状態においてインストール済みのアプリケーションプログラムである。汎用アプリケーションプログラムは、例えば、Webブラウザが挙げられる。プログラム36は、例えば、情報処理端末3のカメラが二次元コード25を撮像して二次元コード25を読み取ることにより、起動するように構成されている。情報処理端末3は、プログラム36の起動により、二次元コード25が示すサーバ5のURLにアクセスするように構成されている。情報処理端末3は、情報処理装置2のアドレスをサーバ5から受信するように構成されている。情報処理端末3は、サーバ5が生成した情報処理装置2の公開鍵をサーバ5から受信するように構成されている。また、プログラム36の機能により、情報処理端末3は、近距離無線通信の機能を起動させ、情報処理端末3で生成した公開鍵を、サーバ5から送信された情報処理装置2のアドレスに従って情報処理装置2に送信して、ペアリング処理を実行するように構成されている。
【0027】
第2制御部34は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリから構成される。第2制御部34は、第2通信部31、第2入出力部32及び第2記憶部33の制御を行うことができるように構成されている。第2制御部34は、各種データの転送、種々の演算、データの一時的な格納を行うことにより、各種処理を実行する。例えば、第2制御部34は、プログラム36を実行することにより、二次元コード25が示すサーバ5のURLにアクセスする。第2制御部34は、サーバ5から情報処理装置2の公開鍵の情報を取得した後、情報処理装置2との通信接続に際して、ペアリング処理を実行する。
【0028】
プログラム36は、例えば、情報処理端末3のROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される記憶装置に格納される。プログラム36は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)ディスク、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)が挙げられる。プログラム36は、通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0029】
・サーバ5
サーバ5は、第3通信部51と、第3記憶部52と、第3制御部53と、を備える。
【0030】
第3通信部51は、通信ネットワーク6を介して、情報処理端末3と相互に通信できるように構成されている。
【0031】
第3記憶部52は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される。第3記憶部52は、情報処理装置に関する情報54を記憶する。以下では、情報処理装置に関する情報を情報処理装置情報54という。情報処理装置情報54は、例えば、
図3に示すように、情報処理装置IDごとに、情報処理装置2のアドレス及び情報処理装置2の公開鍵生成アルゴリズムを備えるデータである。
【0032】
第3制御部53は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリから構成される。第3制御部53は、第3通信部51及び第3記憶部52の制御を行うことができるように構成されている。第3制御部53は、各種データの転送、種々の演算、データの一時的な格納を行うことにより、各種処理を実行する。例えば、第3制御部53は、情報処理端末3からのアクセスに従って情報処理装置IDを認識すると、該当する情報処理装置情報54を参照する。第3制御部53は、情報処理装置情報54に基づいて、情報処理装置IDに対応する情報処理装置2の公開鍵生成アルゴリズムにより公開鍵を生成する。第3制御部53は、情報処理装置IDに対応する情報処理装置2のアドレス及び生成した公開鍵を情報処理端末3に送信する。なお、情報処理装置2の公開鍵生成アルゴリズムは、例えば、公開鍵生成日時をパラメータとして、公開鍵を生成するように構成されている。
【0033】
なお、第3記憶部52には、サーバ5の第3制御部53の機能を実現するための第3プログラムが記憶されている。第3プログラムは、例えば、サーバ5のROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される記憶装置に格納される。第3プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)ディスク、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)が挙げられる。サーバ5において実行される第3プログラムは、通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0034】
<情報処理システム10の動作>
次に、情報処理システム10のペアリング処理について、
図4、
図5及び
図6を用いて説明する。情報処理装置2が実行するペアリング処理の流れを、
図4に示すフローチャートで説明する。情報処理端末3が実行するペアリング処理の流れを、
図5に示すフローチャートで説明する。以下、ペアリング処理のうち、情報処理装置2が実行する処理を第1ペアリング処理といい、情報処理端末3が実行する処理を第2ペアリング処理という。また、第2ペアリング処理に用いる情報をサーバ5が情報処理端末3に提供する処理の流れを、
図6に示すフローチャートで説明する。以下、第2ペアリング処理に用いる情報をサーバ5が情報処理端末3に提供する処理を情報提供処理という。また、フローチャートのステップをSで示す。
【0035】
・第1ペアリング処理
第1ペアリング処理は、情報処理装置2が起動した場合、及び起動後は定期的に所定の時間間隔で実行される処理である。
【0036】
情報処理装置2は、
図4に示すように、情報処理端末3が発信している近距離無線通信の電波を受信したか否かを判定する(S10)。情報処理装置2は、(1)近距離無線通信の電波を受信しなかった場合(S10:NO)、又は(2)近距離無線通信の電波を受信しているが(S10:YES)、受信した電波に含まれる情報と同一の第1接続情報26を第1記憶部23に有していない場合(S20:NO)、二次元コード25を表示するための処理を実行する(S30~S60)。上記(1)近距離無線通信の電波を受信しなかった場合、及び(2)近距離無線通信の電波を受信しているが、受信した電波に含まれる情報と同一の第1接続情報26を第1記憶部23に有していないの場合を、以下、二次元コード表示条件が成立した場合という。つまり、情報処理装置2は、二次元コード表示条件が成立した場合、公開鍵を生成し(S30)、サーバ5のアクセス先を示すURLを作成する(S40)。サーバのURLには、情報処理装置ID及び公開鍵生成日時を示す情報が含まれる。次いで、情報処理装置2は、作成したURLを含んだ二次元コード25を生成し(S50)、生成した二次元コード25を第1入出力部22の表示装置に表示する(S60)。
【0037】
ここで、(1)近距離無線通信の電波を受信しなかった場合とは、例えば、利用者が車両1の車内において、携行した情報処理端末3の近距離無線の機能を停止している場合が挙げられる。(2)近距離無線通信の電波を受信しているが、受信した電波に含まれる情報と同一の第1接続情報26を第1記憶部23に有していない場合とは、例えば、利用者が車両1の車内において、携行した情報処理端末3の近距離無線の機能を起動させているが、当該車両1にこの情報処理端末3を初めて携行した場合が挙げられる。
【0038】
情報処理装置2は、二次元コード25を表示した後、情報処理端末3が送信している近距離無線通信の電波に基づいて、情報処理端末3が生成した公開鍵を受信したか否かを判定する(S70)。なお、二次元コード25を読み込んだ情報処理端末3が送信している近距離無線通信の電波には、情報処理端末3のアドレス、及び情報処理端末3が生成した公開鍵が含まれている。
【0039】
情報処理装置2は、情報処理端末3から情報処理端末3が生成した公開鍵を受信した場合には(S70:YES)、認証処理を実行する(S80)。
【0040】
ここで、認証処理は、情報処理装置2及び情報処理端末3のそれぞれが生成した公開鍵を交換して、自らが生成した公開鍵と通信相手が生成した公開鍵を掛け合わせる演算を施し、その演算値が一致するか否かを検証する処理である。すなわち、具体的には、情報処理装置2は、情報処理装置2が生成した公開鍵を情報処理端末3に送信し、情報処理端末3は、情報処理端末3が生成した公開鍵を情報処理装置2に送信する。しかしながら、本実施の形態では、情報処理装置2が生成した公開鍵を情報処理端末3に送信する代わりに、サーバ5が、情報処理装置2の公開鍵生成アルゴリズムに基づいて生成した公開鍵を情報処理端末3に送信するように構成されている。なお、サーバ5が生成した公開鍵は、公開鍵生成日時が略同一であれば、情報処理装置2が生成した公開鍵と同一となるように構成されている。次いで、情報処理装置2は、自らが生成した公開鍵と情報処理端末3から送信された公開鍵を掛け合わせる演算を行って、第1演算値X1を生成し、生成した第1演算値X1を情報処理端末3に送信する。同様にして、情報処理端末3は、自らが生成した公開鍵とサーバ5から送信された公開鍵を掛け合わせる演算を行って、第2演算値X2を生成し、生成した第2演算値X2を情報処理装置2に送信する。最後に、情報処理装置2及び情報処理端末3は、それぞれ、第1演算値X1と第2演算値X2が一致するか否かを検証し、一致している場合には認証に成功したものと判定する。認証に成功した場合、第1演算値X1及び第2演算値X2は、情報処理装置2と情報処理端末3の秘密鍵として取り扱われる。以後、情報処理装置2及び情報処理端末3は、お互いがこの秘密鍵を保持することにより、新たにペアリング処理をすることなく、通信接続をすることができる。
【0041】
情報処理装置2は、認証処理に成功した場合には(S90:YES)、情報処理端末3のアドレス、及び情報処理端末3が生成した公開鍵を第1接続情報26として第1記憶部23に記憶し(S100)、第1接続情報26に基づいて情報処理端末3と通信接続を行う(S110)。これにより、情報処理装置2は、次回以降、当該情報処理端末3とのペアリング処理は不要となる。
【0042】
一方、情報処理装置2は、認証処理に失敗した場合には(S80:NO)、情報処理端末3と近距離無線通信の接続設定を行わず、第1ペアリング処理を終了する。
【0043】
また、情報処理装置2は、二次元コード表示条件が成立しなかった場合、つまり近距離無線通信の電波を受信し(S10:YES)、かつ受信した電波に含まれる情報と同一の第1接続情報26を第1記憶部23に有している場合(S20:YES)には、第1記憶部23に記憶されている第1接続情報26に基づいて、情報処理端末3と通信接続を行う(S120)。この場合、情報処理装置2は、通信相手が過去に通信接続がある情報処理端末3であるため、新たに認証処理を行って第1接続情報26を再設定する必要はない。
【0044】
・第2ペアリング処理
第2ペアリング処理は、
図5に示すように、情報処理端末3が情報処理装置2に表示された二次元コード25を読み込んだ場合の処理である。なお、情報処理装置2が二次元コード25を表示せず、情報処理端末3が二次元コード25を読み込む必要がない場合、情報処理端末3は、既に情報処理装置2と通信接続の実績があり、かつ近距離無線通信の機能も起動されているので、情報処理端末3は、ペアリング処理を行わない。
【0045】
情報処理端末3は、カメラを用いて情報処理装置2に表示された二次元コード25を撮像し、二次元コード25を読み込むと(S210)、読み込んだ二次元コード25に含まれているサーバ5のURLを取得する(S220)。次いで、情報処理端末3は、取得したサーバ5のURLに基づいてサーバ5にアクセスし(S230)、サーバ5から情報処理装置2のアドレス及びサーバ5で生成された公開鍵を取得する(S240)。サーバ5で生成された公開鍵は、情報処理装置2と同一の公開鍵生成アルゴリズムに基づいて生成された公開鍵である。
【0046】
情報処理端末3は、サーバ5から取得した情報処理装置2のアドレス及びサーバ5が生成した公開鍵と同一の第2接続情報35を第2記憶部33に有していない場合には(S250:NO)、近距離無線通信の機能を起動させる。情報処理端末3は、近距離無線通信の機能を起動させることで近距離無線通信の電波を発信し(S260)、公開鍵を生成して(S270)、情報処理端末3のアドレス及び生成した公開鍵を情報処理装置2に送信し(S280)、認証処理を実行する(S290)。認証処理は、第1ペアリング処理で述べた通りである。一方、情報処理装置2は、情報処理端末3から情報処理端末3のアドレス及び公開鍵を受信し(
図4のS70参照)、認証処理を実行する(
図4のS80参照)。
【0047】
情報処理端末3は、認証処理に成功した場合には(S300:YES)、情報処理装置2のアドレス、及びサーバ5が生成した情報処理装置2の公開鍵を第2接続情報35として第2記憶部33に記憶し(S310)、第2接続情報35に基づいて情報処理装置2と通信接続を行う(S320)。これにより、情報処理端末3は、次回以降、当該情報処理装置2とのペアリング処理は不要となる。
【0048】
一方、情報処理端末3は、認証処理に失敗した場合には(S300:NO)、情報処理装置2と近距離無線通信の接続設定を行わず、エラー表示を行う(S350)。例えば、情報処理装置2とサーバ5の公開鍵生成アルゴリズムが同一であっても、双方の公開鍵生成日時が著しく異なっている場合には、認証処理には失敗する。そのためエラー表示を行う場合、情報処理端末3は、情報処理装置2が公開鍵を生成した公開鍵生成日時を表示装置に表示し、情報処理装置2が内蔵するシステム時計が正確でない旨のメッセージを表示するようにしてもよい。なお、情報処理端末3の表示装置に表示された公開鍵生成日時は、二次元コード25に含まれている情報である。
【0049】
より詳しくは、情報処理装置2とサーバ5とが、例えば、毎時00分、10分、20分、30分…と10分間ごとに公開鍵が変わる公開鍵生成アルゴリズムを有している場合が考えられる。情報処理装置2のシステム時計が20分間遅れており、情報処理装置2が10時に公開鍵を生成し、サーバ5が10時20分に公開鍵を生成した場合には、公開鍵生成アルゴリズムが同一であっても情報処理装置2とサーバ5の公開鍵は同一とならない。そのため、情報処理端末3は、認証処理には失敗する。この場合、情報処理端末3は、例えば、「車載機の時刻を直してください」というメッセージを情報処理端末3に表示する。
【0050】
また、情報処理端末3は、二次元コード25を介してサーバ5から取得した情報処理装置2のアドレス及び公開鍵と同一の第2接続情報35を第2記憶部33に有している場合には(S250:YES)、近距離無線通信の機能を起動させることにより、近距離無線通信の電波を発信する(S330)。情報処理端末3は、第2記憶部33に記憶されている第2接続情報35に基づいて、情報処理装置2と通信接続を行う(S340)。この場合、情報処理端末3は、通信相手が過去に通信接続がある情報処理装置2であるため、新たに認証処理を行って第2接続情報を再設定する必要はない。
【0051】
・情報提供処理
図6に示した情報提供処理は、情報処理端末3が二次元コード25の情報に基づいてサーバ5にアクセスした場合(
図5のS230参照)にサーバ5が実行する処理である。
【0052】
サーバ5は、情報処理端末3がアクセスしたURLに基づいて、対応する情報処理装置2の情報処理装置IDを認識する。サーバ5は、対応する情報処理装置ID及び情報処理端末3がサーバ5にアクセスした日時に基づいて、公開鍵を生成する(S410)。サーバ5は、公開鍵を生成する際のアルゴリズムを、対応する情報処理装置情報54の公開鍵生成アルゴリズムと同じにしている。
【0053】
次に、サーバ5は、対応する情報処理装置IDに基づいて情報処理装置2のアドレスを取得する(S420)。情報処理装置2のアドレスは、対応する情報処理装置情報54の情報処理装置2のアドレスに基づく。
【0054】
次に、サーバ5は、生成した公開鍵及び取得した情報処理装置2のアドレスを情報処理端末3に送信する(S430)。この結果、情報処理端末3は、サーバ5が生成した公開鍵及び情報処理装置2のアドレスを受信する(
図5のS240参照)。
【0055】
以上、情報処理システム10では、情報処理装置2が二次元コード25を表示した場合、情報処理端末3は二次元コード25を読み込むだけで情報処理装置2との間のペアリング処理を自動的に完了し、通信接続の設定を行うことができる。そのため、情報処理システム10によれば、比較的簡単な方法で、容易に情報処理端末3と情報処理装置2との通信接続の設定をすることができる。
【0056】
すなわち、情報処理システム10においては、従来、利用者が近距離無線通信の設定において行わなければならない複雑な操作手順、例えば、ユーザが情報処理端末3のネットワーク接続に関する設定画面を開いて近距離無線通信の設定をアクティブにする操作をする必要がない。また、情報処理システム10においては、例えば、ユーザが情報処理装置2のメニュー設定画面を開き、近距離無線通信の設定がアクティブになっている情報処理端末3を検索し、情報処理端末3を選択する操作、情報処理装置2が発行したPINコードやパスワードを情報処理端末3において確認する操作などの一連のペアリング操作をする必要はない。この結果、情報処理システム10では、ペアリング処理における利用者の操作負担を軽減することができる。
【0057】
また、情報処理端末3は、専用アプリケーションをインストールすることなく、汎用アプリケーションを用いて通信接続の設定をすることができる。そのため、情報処理システム10においては、情報処理装置2と情報処理端末3の通信接続をより促進することができる。さらに、情報処理端末3が情報処理装置2との通信接続の設定ができない場合には、エラー表示をして、通信接続を支援する情報を提供するので、利用者による対処が可能である。例えば、情報処理装置2が内蔵するシステム時計が正確でない旨のメッセージを表示した場合には、情報処理装置2が内蔵するシステム時計の時刻を修正することにより通信接続の設定をすることができる。
【0058】
また、情報処理システム10では、二次元コード表示条件が成立した場合、つまり情報処理装置2が情報処理端末3との通信接続を検知できない場合のみ二次元コード25を表示して、情報処理端末3の通信接続を促すように構成されている。このため、利用者は、必要な場合だけ二次元コード25を読み込む作業を行えばよいので、作業に煩わしさを感じることが少ない。
【0059】
<変形例>
・鍵有効期限の設定
上記実施の形態に係る情報処理システム10では、鍵情報に有効期限を設定しなかったが、鍵情報に有効期限を設定してもよい。鍵情報とは、ペアリングに必要な情報であり、例えば、通信相手のアドレス、公開鍵及び秘密鍵に関する情報である。例えば、サーバ5が、一元的に鍵有効期限を管理し、鍵有効期限が到来した場合、情報処理装置2が鍵情報を削除するようにしてもよい。例えば、車両1をレンタカーやレンタルバイクのシェアリング車両として用いる場合、車両1の利用期間を鍵有効期限として設定することができる。これにより、車両1に搭載された情報処理装置2に接続実績がある情報処理端末3であっても、鍵有効期限後には情報処理装置2に通信接続をすることはできない。
【0060】
図7Aは、変形例における情報処理装置情報54Aのデータ構成を示す図である。情報処理装置情報54Aは、情報処理装置IDごとに、情報処理装置2のアドレス、情報処理装置2の公開鍵生成アルゴリズム、及び鍵有効期限を備えるデータである。情報処理装置情報54Aの鍵有効期限は、情報処理装置2に転送され、公開鍵の鍵有効期限が到来すると、情報処理装置2が鍵情報を削除するように構成されている。
図7Bは、変形例1における第1接続情報26Aのデータ構成を示す図である。第1接続情報26Aは、第1接続情報26に鍵有効期限を付加したデータである。なお、変形例1では、上記実施の形態で説明した同一の機能を有する部位及び同一の処理には同一の参照符号を付し、その説明については省略する。
【0061】
・情報提供処理
図8は、変形例の情報提供処理の流れを示すフローチャートである。S410及びS420の工程は、上記実施の形態の工程と同一であるため、S425以降の工程について説明する。
【0062】
サーバ5は、対応する情報処理装置IDに基づいて情報処理装置2の鍵有効期限を取得する(S425)。情報処理装置2の鍵有効期限は、対応する情報処理装置情報54の情報処理装置2の鍵有効期限に基づく。
【0063】
次に、サーバ5は、生成した公開鍵、取得した情報処理装置2のアドレス及び鍵有効期限を情報処理端末3に送信する(S435)。
【0064】
・第2ペアリング処理
図9は、変形例の第2ペアリング処理の流れを示すフローチャートである。S210からS230までの工程、及びS300以降の工程は、上記実施の形態の工程と同一であるため、S245からS290までの工程について説明する。
【0065】
情報処理端末3は、サーバ5から情報処理装置2のアドレス、サーバ5で生成された公開鍵及び鍵有効期限を取得する(S245)。サーバ5で生成された公開鍵は、情報処理装置2と同一の公開鍵生成アルゴリズムに基づいて生成された公開鍵である。
【0066】
情報処理端末3は、サーバ5から取得した情報処理装置2のアドレス及びサーバ5が生成した公開鍵と同一の第2接続情報35を第2記憶部33に有していない場合(S250:NO)、近距離無線通信の機能を起動させる。情報処理端末3は、近距離無線通信の機能を起動させることで近距離無線通信の電波を発信し(S260)、公開鍵を生成して(S270)、情報処理端末3のアドレス、生成した公開鍵、及び鍵有効期限を情報処理装置2に送信し(S280)、認証処理を実行する(S290)。
【0067】
・第1ペアリング処理
図10は、変形例の第1ペアリング処理の流れを示すフローチャートである。S10からS60までの工程は、上記実施の形態の工程と同一であるため、S75以降の工程について説明する。
【0068】
情報処理装置2は、二次元コード25を表示した後、情報処理端末3が送信している近距離無線通信の電波に基づいて、情報処理端末3が生成した公開鍵及び公開鍵有効期限を受信したか否かを判定する(S75)。なお、二次元コード25を読み込んだ情報処理端末3が送信している近距離無線通信の電波には、情報処理端末3のアドレス、情報処理端末3が生成した公開鍵、及び鍵有効期限が含まれている。
【0069】
情報処理装置2は、情報処理端末3から情報処理端末3が生成した公開鍵及び鍵有効期限を受信した場合には(S75:YES)、認証処理を実行する(S80)。
【0070】
情報処理装置2は、認証処理に成功した場合には(S90:YES)、情報処理端末3のアドレス、情報処理端末3が生成した公開鍵、及び鍵有効期限を第1接続情報26Aとして第1記憶部23に記憶し(S105)、第1接続情報26Aに基づいて情報処理端末3と通信接続を行う(S115)。これにより、情報処理装置2は、次回以降、当該情報処理端末3とのペアリング処理は不要となる。
【0071】
一方、情報処理装置2は、認証処理に失敗した場合には(S80:NO)、情報処理端末3と近距離無線通信の接続設定を行わず、第1ペアリング処理を終了する。
【0072】
また、情報処理装置2は、二次元コード表示条件が成立しなかった場合、つまり近距離無線通信の電波を受信し(S10:YES)、かつ受信した電波に含まれる情報と同一の第1接続情報26Aを第1記憶部23に有している場合(S20:YES)には、第1記憶部23に記憶されている第1接続情報26Aに基づいて、情報処理端末3と通信接続を行う(S120)。この場合、情報処理装置2は、通信相手が過去に通信接続がある情報処理端末3であるため、新たに認証処理を行って第1接続情報26Aを再設定する必要はない。
【0073】
・鍵有効期限判定処理
鍵有効期限判定処理は、情報処理装置2が内蔵するシステム時計に基づいて定期的に実行する処理である。
図11は、変形例の鍵有効期限判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
情報処理装置2は、内蔵するシステム時計に基づいて第1接続情報26Aの有効期限を参照し、鍵情報の有効期限が切れているか否かを判定する(S510)。情報処理装置2は、鍵情報の有効期限が切れている場合(S510:YES)、鍵情報、つまり第1接続情報26A及び秘密鍵を削除する(S520)。これにより、情報処理装置2は、以後、情報処理端末3と通信をすることができない。一方、情報処理装置2は、鍵情報の有効期限が切れていない場合(S510:NO)、鍵有効期限判定処理を終了する。
【0075】
以上、変形例によれば、利用期間を設定して情報処理装置2と情報処理端末3を通信接続することができるので、シェアリング車両1に搭載された情報処理装置2に好適に適用することができる。これにより、特定の利用者だけでなく不特定多数の利用者に対しても、比較的簡単な方法で、利用者が携行する情報処理端末3と情報処理装置2との通信接続の設定をすることができる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴う構成もまた、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1 車両
2 情報処理装置
3 情報処理端末
4 近距離無線通信ネットワーク
5 サーバ
6 通信ネットワーク
21 第1通信部
22 第1入出力部
23 第1記憶部
24 第1制御部
25 二次元コード
26,26A 第1接続情報
31 第2通信部
32 第2入出力部
33 第2記憶部
34 第2制御部
35 第2接続情報
36 プログラム
51 第3通信部
52 第3記憶部
53 第3制御部
54,54A 情報処理装置に関する情報