(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160163
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/43 20060101AFI20221012BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20221012BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
E02F3/43 C
E02F9/20 M
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064743
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】福尾 展弘
(72)【発明者】
【氏名】秋山 将貴
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003AC06
2D003BA03
2D003BB09
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003FA02
2D015HA03
2D015HB04
2D015HB05
(57)【要約】
【課題】積込対象の定点に運搬物を積み込むことが可能な作業機械を提供する。
【解決手段】荷台56の上方に設定された目標積込ポイントPにおいて、ブーム、アーム32、および、バケット33を駆動させることで、バケット33が保持する土砂を放出する動作を自動で行わせるコントローラを有する。コントローラは、目標積込ポイントPにおいて、バケット33の開口面が鉛直になるようにバケット33を回動させた後は、機械本体に対する位置であってバケット33の先端の前後方向の位置Tを維持しながら、バケット33の開口面が下を向くように、ブーム、アーム32、および、バケット33を駆動させる。
【選択図】
図5C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械本体と、
上下方向に回動可能に前記機械本体に取り付けられたブームと、
上下方向に回動可能に前記ブームに取り付けられたアームと、
前記アームに前後方向に回動可能に取り付けられたバケットと、
積込対象の上方に設定された目標積込ポイントにおいて、前記ブーム、前記アーム、および、前記バケットを駆動させることで、前記バケットが保持する運搬物を放出する動作を自動で行わせるコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、前記目標積込ポイントにおいて、前記バケットの開口面が鉛直になるように前記バケットを回動させた後は、前記機械本体に対する位置であって前記バケットの先端の前記前後方向の位置を維持しながら、前記バケットの前記開口面が下を向くように、前記ブーム、前記アーム、および、前記バケットを駆動させることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記目標積込ポイントは、前記積込対象の長手方向および鉛直方向にそれぞれ直交する方向における前記積込対象の中央部に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットが保持する運搬物を放出する動作を自動で行う作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積込位置で停止している運搬車両に対して、油圧ショベルを自動で制御して排土させるシステムが開示されている。特許文献1では、カメラが撮影する画像から、運搬車両の荷台の位置を検出して、自動排土を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運搬物(土砂など)を放出する際に、バケットだけを回動させたのでは、積込対象(運搬車両の荷台など)に運搬物が積み込まれる位置にばらつきが生じる。例えば、土砂の土質に応じて、回動の初期で土砂が放出されたり、回動の後期で土砂が放出されたりするため、土砂の積載位置にばらつきが生じる。そこで、積込対象の定点に運搬物を積み込みできることが望まれる。
【0005】
本発明の目的は、積込対象の定点に運搬物を積み込むことが可能な作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機械本体と、上下方向に回動可能に前記機械本体に取り付けられたブームと、上下方向に回動可能に前記ブームに取り付けられたアームと、前記アームに前後方向に回動可能に取り付けられたバケットと、積込対象の上方に設定された目標積込ポイントにおいて、前記ブーム、前記アーム、および、前記バケットを駆動させることで、前記バケットが保持する運搬物を放出する動作を自動で行わせるコントローラと、を有し、前記コントローラは、前記目標積込ポイントにおいて、前記バケットの開口面が鉛直になるように前記バケットを回動させた後は、前記機械本体に対する位置であって前記バケットの先端の前記前後方向の位置を維持しながら、前記バケットの前記開口面が下を向くように、前記ブーム、前記アーム、および、前記バケットを駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、目標積込ポイントにおいて、バケットの開口面が鉛直になるようにバケットが回動された後は、機械本体に対する位置であってバケットの先端の前後方向の位置が維持されながら、バケットの開口面が下を向くように、ブーム、アーム、および、バケットが駆動される。機械本体に対するバケットの先端の位置を維持しながら、バケットの開口面を下に向かせることで、バケットの回動の初期から後期にわたって、運搬物が放出される位置をほぼ同じにすることができる。これにより、積込対象の定点に運搬物を積み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5A】アームおよびバケットの側面図であり、バケットで土砂を保持した状態を示す図である。
【
図5B】アームおよびバケットの側面図であり、バケットの開口面が鉛直にされた状態を示す図である。
【
図5C】アームおよびバケットの側面図であり、バケットの開口面が下を向くように、ブーム、アーム、および、バケットが駆動されている状態を示す図である。
【
図5D】アームおよびバケットの側面図であり、バケットの開口面が下に向けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
(作業機械の構成)
本発明の実施形態による作業機械は、バケットが保持する運搬物を放出する動作を自動で行うものである。作業機械1の側面図である
図1に示すように、作業機械1は、アタッチメント30で作業を行う機械であり、例えば油圧ショベルである。作業機械1は、下部走行体21と上部旋回体22とを備えた機械本体24と、アタッチメント30と、シリンダ40と、を有している。
【0011】
下部走行体21は、作業機械1を走行させる部分であり、例えばクローラを備える。上部旋回体22は、下部走行体21の上部に旋回装置25を介して旋回可能に取り付けられる。上部旋回体22の前部には、キャブ(運転室)23が設けられている。
【0012】
アタッチメント30は、上下方向に回動可能に上部旋回体22に取り付けられる。アタッチメント30は、ブーム31と、アーム32と、バケット33と、を備える。ブーム31は、上下方向に回動可能(起伏可能)に上部旋回体22に取り付けられる。アーム32は、上下方向に回動可能にブーム31に取り付けられる。バケット33は、前後方向に回動可能にアーム32に取り付けられる。バケット33は、土砂(運搬物)の、掘削、均し、すくい、などの作業を行う部分である。なお、運搬物は土砂に限定されず、石でもよく、廃棄物(産業廃棄物など)でもよい。
【0013】
シリンダ40は、アタッチメント30を油圧で回動させることが可能である。シリンダ40は、油圧式の伸縮シリンダである。シリンダ40は、ブームシリンダ41と、アームシリンダ42と、バケットシリンダ43と、を備える。
【0014】
ブームシリンダ41は、上部旋回体22に対してブーム31を回動させる。ブームシリンダ41の基端部は、上部旋回体22に回動可能に取り付けられる。ブームシリンダ41の先端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。
【0015】
アームシリンダ42は、ブーム31に対してアーム32を回動させる。アームシリンダ42の基端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。アームシリンダ42の先端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。
【0016】
バケットシリンダ43は、アーム32に対してバケット33を回動させる。バケットシリンダ43の基端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。バケットシリンダ43の先端部は、バケット33に回動可能に取り付けられたリンク部材34に、回動可能に取り付けられる。
【0017】
また、作業機械1は、角度センサ52と、傾斜角センサ60と、を有している。
【0018】
角度センサ52は、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度を検出する。角度センサ52は、例えば、エンコーダ、レゾルバ、又は、ジャイロセンサである。本実施形態では、上部旋回体22の前方が下部走行体21の前方と一致するときの上部旋回体22の旋回角度を0°としている。
【0019】
傾斜角センサ60は、アタッチメント30の姿勢を検出する。傾斜角センサ60は、ブーム傾斜角センサ61と、アーム傾斜角センサ62と、バケット傾斜角センサ63と、を備える。
【0020】
ブーム傾斜角センサ61は、ブーム31に取り付けられ、ブーム31の姿勢を検出する。ブーム傾斜角センサ61は、水平線に対するブーム31の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、ブーム傾斜角センサ61は、ブームフットピン(ブーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、ブームシリンダ41のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0021】
アーム傾斜角センサ62は、アーム32に取り付けられ、アーム32の姿勢を検出する。アーム傾斜角センサ62は、水平線に対するアーム32の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、アーム傾斜角センサ62は、アーム連結ピン(アーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、アームシリンダ42のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0022】
バケット傾斜角センサ63は、リンク部材34に取り付けられ、バケット33の姿勢を検出する。バケット傾斜角センサ63は、水平線に対するバケット33の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、バケット傾斜角センサ63は、バケット連結ピン(バケット基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、バケットシリンダ43のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0023】
(輸送車の構成)
輸送車3の側面図である
図2に示すように、輸送車3は、積込対象である荷台56を有する車両である。輸送車3は、作業機械1によって積み込まれた土砂(積載物)を輸送するための車両であり、ダンプカーでもよく、トラックでもよい。
【0024】
輸送車3は、本体部55と、荷台56と、を備える。本体部55は、走行可能であり、荷台56を支持する。本体部55は、運転室57を備える。荷台56は、運転室57よりも、輸送車3における後側に配置されている。
【0025】
以下では、輸送車3に関する方向について、運転室57から荷台56に向かう側を「輸送車後側」、荷台56から運転室57に向かう側を「輸送車前側」という。
【0026】
荷台56は、蓋を有しておらず、例えば箱形などである。荷台56は、床面56aと、後部あおり板面56bと、側部あおり板面56cと、鳥居面56dと、を備える。床面56aは、荷台56の底面(下側の面)である。後部あおり板面56bは、荷台56の輸送車後側の面であり、床面56aの輸送車後側の部分から上に突出する。側部あおり板面56cは、荷台56の左右の面であり、床面56aの左右の端部から上に突出する。鳥居面56dは、荷台56の輸送車前側の面であり、床面56aの輸送車前側の部分から上に突出する。鳥居面56dは、側部あおり板面56cよりも上に突出し、後部あおり板面56bよりも上に突出する。
【0027】
荷台56は、土砂(積載物)を収容する。荷台56は、本体部55に対して可動でもよく、本体部55に固定されてもよい。なお、作業機械1が積込作業(排土作業)を行う積込対象は、輸送車3の荷台56でなくてもよく、例えば地面などに直接置かれた容器などであってもよい。
【0028】
(携帯端末の構成)
図1に示すように、携帯端末5は、作業現場にいる作業者により操作される端末であり、例えばタブレット端末である。携帯端末5は、作業機械1と相互に通信可能である。なお、携帯端末5は、スマートフォン等であってもよい。
【0029】
(作業機械および携帯端末の回路構成)
作業機械1および携帯端末5の回路図である
図3に示すように、作業機械1は、コントローラ11と、作業機械側通信装置12と、記憶装置13と、を有している。
【0030】
コントローラ11は、作業機械1を自動制御する。コントローラ11は、土砂の掘削から排土までの一連の動作を作業機械1に自動で行わせる。つまり、作業機械1は自動運転される。具体的には、コントローラ11は、角度センサ52および傾斜角センサ60の検出値に基づいて、旋回装置25およびアタッチメント30を自動で動作させる。
【0031】
作業機械側通信装置12は、携帯端末5の後述する携帯端末側通信装置16と通信可能である。記憶装置13は、後述する目標積込ポイントを記憶可能である。
【0032】
携帯端末5は、携帯端末側コントローラ15と、携帯端末側通信装置16と、ディスプレイ17と、タッチパネル18と、を有している。
【0033】
携帯端末側通信装置16は、作業機械1の作業機械側通信装置12と通信可能である。携帯端末側コントローラ15は、携帯端末側通信装置16を介して、作業機械1からアーム32の先端(バケット33の基端)の位置の情報を受信する。
【0034】
ここで、作業機械1および輸送車3の上面図である
図4に示すように、土砂の掘削から排土までの一連の動作は、作業機械1の上部旋回体22の旋回方向に輸送車3の長手方向が沿うようにして、輸送車3が停止された状態で行われる。つまり、土砂溜まり70からバケット33で土砂を掬った後に、上部旋回体22を旋回させて、輸送車3の荷台56の上方にバケット33を位置させる。そして、荷台56の中に排土した後に、上部旋回体22を先ほどとは逆方向に旋回させて、土砂溜まり70の上方にバケット33を位置させる。これを自動で繰り返させる。土砂溜まり70は、土砂ピットや土砂山である。
【0035】
作業機械1のコントローラ11は、荷台56の上方に目標積込ポイントPを設定する。目標積込ポイントPは、作業機械1が輸送車3に対して積込作業(排土作業)を行う目標位置である。積込作業は、バケット33が保持する土砂を荷台56に放出する作業である。目標積込ポイントPの設定は、所謂ティーチングにより行われる。
【0036】
ティーチングは、以下のようにして行われる。まず、オペレータによるマニュアル操作で、アーム32の先端(バケット33の基端)を、荷台56の上方に位置させる。この位置を、携帯端末5を所持する作業者が確認して、問題なければ、タッチパネル18を操作して位置を確定する。この情報が、作業機械1のコントローラ11に送信され、このときのアーム32の先端の位置が、目標積込ポイントPとして設定されて、記憶装置13に記憶される。
【0037】
ティーチングにより、目標積込ポイントPは、荷台56の長手方向に複数設定される。目標積込ポイントPは、荷台56の長手方向および鉛直方向にそれぞれ直交する方向(短手方向)における荷台56の幅の中央部に設定される。
【0038】
コントローラ11は、自身が設定した目標積込ポイントPに対して積込作業を行わせる。このとき、コントローラ11は、目標積込ポイントPにおいて、バケット33の開口面が鉛直になるようにバケット33を回動させた後は、機械本体24に対する位置であってバケット33の先端の前後方向の位置を維持しながら、バケット33の開口面が下を向くように、ブーム31、アーム32、および、バケット33を駆動させる。
【0039】
具体的には、アーム32およびバケット33の側面図である
図5A~
図5Dに示すように、ブーム31、アーム32、および、バケット33が駆動される。まず、
図5Aに示すように、バケット33で土砂を保持した状態で、アーム32の先端が目標積込ポイントPに位置され、そこでブーム31、アーム32、および、バケット33が停止される。このとき、バケット33の開口面は水平である。
【0040】
次に、
図5Bに示すように、バケット33の開口面が鉛直になるようにバケット33が回動される。これにより、バケット33に保持されている土砂の一部が荷台56の上に落ちる。
【0041】
次に、
図5Cに示すように、機械本体24に対する位置であってバケット33の先端の前後方向の位置Tを維持しながら、バケット33の開口面が下を向くように、ブーム31、アーム32、および、バケット33を駆動させる。具体的には、バケット33の開口面が下を向くようにブーム31が回動されるとともに、アーム32が上部旋回体22の方に移動される(アーム引きされる)。ブーム31の回動に伴って、バケット33内の土砂が荷台56の上に落ちる。
【0042】
そして、
図5Dに示すように、バケット33の開口面が下に向けられる。これにより、バケット33に保持されていた土砂のほとんどすべてが荷台56の上に落ちる。
【0043】
機械本体24に対するバケット33の先端の位置Tを維持しながら、バケット33の開口面を下に向かせることで、バケット33の回動の初期から後期にわたって、土砂が放出される位置をほぼ同じにすることができる。これにより、荷台56の定点に土砂を積み込むことができる。
【0044】
また、荷台56の短手方向における荷台56の中央部に設定された目標積込ポイントPにおいて、土砂を放出する動作を行わせることで、荷台56から土砂がこぼれるのを抑制することができる。
【0045】
なお、バケット33の開口面が水平の状態(
図5Aに示す状態)から、バケット33の開口面が下を向いた状態(
図5Dに示す状態)にわたって、バケット33の先端の位置Tを維持するように、ブーム31、アーム32、および、バケット33を駆動させることが考えられる。しかし、この場合、アーム32の先端よりもバケット33の先端の方が上部旋回体22に近いため、バケット33を回動させると、上部旋回体22側においてバケット33が荷台56からはみ出して、荷台56の外に土砂がこぼれる恐れがある。そこで、バケット33が荷台56からはみ出さないように、バケット33の先端を目標積込ポイントPに位置させることが考えられる。しかし、この場合、アーム32の先端が上部旋回体22から遠くになりすぎて、アタッチメント30の構造上、バケット33の開口面を水平に保てなくなる恐れがある。
【0046】
本実施形態では、バケット33の開口面を水平にした状態で、アーム32の先端を目標積込ポイントPに位置させ、バケット33の開口面を鉛直にした後は、機械本体24に対するバケット33の先端の位置Tを維持しながら、バケット33を回動させることで、バケット33の開口面を水平に保ったり、バケット33が荷台56からはみ出さないようにしたりすることができる。
【0047】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る作業機械1によれば、目標積込ポイントPにおいて、バケット33の開口面が鉛直になるようにバケット33が回動された後は、機械本体24に対する位置であってバケット33の先端の前後方向の位置Tが維持されながら、バケット33の開口面が下を向くように、ブーム31、アーム32、および、バケット33が駆動される。機械本体24に対するバケット33の先端の位置を維持しながら、バケット33の開口面を下に向かせることで、バケット33の回動の初期から後期にわたって、土砂が放出される位置をほぼ同じにすることができる。これにより、荷台56の定点に土砂を積み込むことができる。
【0048】
また、目標積込ポイントPは、荷台56の長手方向および鉛直方向にそれぞれ直交する方向における荷台56の中央部に設定されている。このような目標積込ポイントPにおいて、土砂を放出する動作を行わせることで、荷台56から土砂がこぼれるのを抑制することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1 作業機械
3 輸送車
5 携帯端末
11 コントローラ
12 作業機械側通信装置
13 記憶装置
15 携帯端末側コントローラ
16 携帯端末側通信装置
17 ディスプレイ
18 タッチパネル
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 キャブ
24 機械本体
25 旋回装置
30 アタッチメント
31 ブーム
32 アーム
33 バケット
34 リンク部材
40 シリンダ
41 ブームシリンダ
42 アームシリンダ
43 バケットシリンダ
52 角度センサ
55 本体部
56 荷台(積込対象)
57 運転室
60 傾斜角センサ
61 ブーム傾斜角センサ
62 アーム傾斜角センサ
63 バケット傾斜角センサ