(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160182
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】光学ユニットおよびそれを用いたヘッドマウントディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221012BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064783
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大石 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】毛利 考宏
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA03
2H199CA24
2H199CA27
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA53
2H199CA64
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA69
2H199CA85
2H199CA87
(57)【要約】
【課題】
小型化、軽量化を図りながら解像度の低下なく画面サイズを拡大できる光学ユニットおよびそれを用いたHMDを提供する。
【解決手段】
ヘッドマウントディスプレイ装置の光学ユニットであって、光源から出射した光を集光する発光部と、発光部で集光された光を照明光として映像光を生成する表示部と、表示部からの映像光を投射する投射レンズと、投射レンズから投射された映像光の光軸を変位させる光軸変換素子と、光軸変換素子で光軸を変位させられた映像光を入力とし装着者の瞳孔に導く導光板を備えた構成とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイ装置の光学ユニットであって、
光源から出射した光を集光する発光部と、
前記発光部で集光された光を照明光として映像光を生成する表示部と、
前記表示部からの映像光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズから投射された映像光の光軸を変位させる光軸変換素子と、
前記光軸変換素子で光軸を変位させられた映像光を入力とし装着者の瞳孔に導く導光板を備えたことを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記表示部で生成する映像光で構成される第1の画像を分割した複数の分割画像をそれぞれ順番に前記表示部で生成し、前記投射レンズから投射された前記複数の分割画像を前記光軸変換素子によりそれぞれ異なる角度で光軸変位させて前記導光板に入力することで、前記第1の画像の拡大画像を生成することを特徴とする光学ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光学ユニットにおいて、
前記光軸変換素子により前記複数の分割画像を光軸変位させる周期は少なくとも120Hzであることを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の光学ユニットにおいて、
前記分割画像は前記第1の画像を2分割した画像であり、
前記光軸変換素子により2つの分割画像を光軸変位させる周期は120Hzであることを特徴とする光学ユニット。
【請求項5】
請求項3に記載の光学ユニットにおいて、
前記分割画像は前記第1の画像を4分割した画像であり、
前記光軸変換素子により4つの分割画像を光軸変位させる周期は240Hzであることを特徴とする光学ユニット。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記光軸変換素子は反射ミラーであって、該反射ミラーをモータで回転させることで前記映像光の光軸を変位させることを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項1から5の何れか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記光軸変換素子は液晶パネルであって、該液晶パネルの領域分割した各セルでの屈折率を変えることで前記映像光の光軸を変位させることを特徴とする光学ユニット。
【請求項8】
制御装置と表示装置を有するヘッドマウントディスプレイ装置であって、
前記表示装置は駆動部と光学ユニットを有し、
前記光学ユニットは、
光源から出射した光を集光する発光部と、
前記発光部で集光された光を照明光として映像光を生成する表示部と、
前記表示部からの映像光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズから投射された映像光の光軸を変位させる光軸変換素子と、
前記光軸変換素子で光軸を変位させられた映像光を入力とし装着者の瞳孔に導く導光板を備え、
前記制御装置によって前記光軸変換素子の光軸変位の制御を行なうことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のヘッドマウントディスプレイ装置において、
前記表示部で生成する映像光で構成される第1の画像を分割した複数の分割画像をそれぞれ順番に前記表示部で生成し、前記投射レンズから投射された前記複数の分割画像を前記光軸変換素子によりそれぞれ異なる角度で光軸変位させて前記導光板に入力することで、前記第1の画像の拡大画像を生成することを特徴とするヘッドマウントディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虚像を投射して表示するヘッドマウントディスプレイ装置(HMD:Head Mount Display。以下、HMDと記す)に関する。
【背景技術】
【0002】
HMDは、メガネ状やゴーグル状の虚像を発生させ映像を表示する装置である。HMDは小型パネルに生成した画像を投射レンズや導光板などの光学系を介し観測者の眼に伝達する光学系構成を有しており、観測者の観測する観測画面(FOV:Field of view)の大きさは小型パネルのサイズとそれを何倍に拡大するかの光学系設計で決定される。よって、観測画面を大きくするニーズに対応するためには、パネルサイズを大きくするか光学系を大きくする必要があり、何れも体積が大きくなる方向であり、小型化、軽量化が要求されるHMDにおいては、課題となっていた。
【0003】
本技術分野における背景技術として特許文献1がある。特許文献1では、MEMSミラーと回折格子を組み合わせて、MEMSミラーから出射した光の画角を回折格子で広げることで画角を広げる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0172994号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、MEMSの描画速度が変わらなければ解像度は画角を広げた分だけ低下するという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、小型化、軽量化を図りながら解像度の低下なく画面サイズを拡大できる光学ユニットおよびそれを用いたHMDを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その一例を挙げるならば、ヘッドマウントディスプレイ装置の光学ユニットであって、光源から出射した光を集光する発光部と、発光部で集光された光を照明光として映像光を生成する表示部と、表示部からの映像光を投射する投射レンズと、投射レンズから投射された映像光の光軸を変位させる光軸変換素子と、光軸変換素子で光軸を変位させられた映像光を入力とし装着者の瞳孔に導く導光板を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化、軽量化を図りながら解像度の低下なく画面サイズを拡大できる光学ユニットおよびそれを用いたHMDを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例におけるHMDの概略機能構成図である。
【
図3】実施例における映像表示部の概略構成図である。
【
図4】実施例における導光板の構成を説明する図である。
【
図5】実施例における光軸変換素子の作用を説明する図である。
【
図6】実施例における光軸変換素子を用いた拡大表示を説明する図である。
【
図7】実施例における光軸変換素子を用いた4倍の拡大表示を説明する図である。
【
図8】実施例における光軸変換素子の構成として反射ミラーと回転機構を組み合わせた構成を説明する図である。
【
図9】実施例における光軸変換素子の構成として液晶パネルを用いた構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例0011】
図1は、本実施例におけるHMDの概略外観図である。
図1において、HMD1は、制御装置10と、表示装置20からなり、制御装置10と表示装置20はケーブル29で接続されている。表示する映像信号15は他の顧客端末等から送られ制御装置10に入力される。そして、制御装置10からの制御コマンドと映像信号15がケーブル29を介して表示装置20に送られ、表示装置20においてHMD1の装着者の眼の前に画像光を出力する。なお、
図1は、メガネ状のHMDを示している。また、制御装置10と表示装置20はケーブル29を介さず一体でもよい。
【0012】
図2は、本実施例におけるHMDの概略機能構成図である。
図2において、制御装置10は、表示装置20へ制御コマンドと映像信号を送信する。
【0013】
表示装置20は、駆動部21と、光学ユニットである映像表示部22で構成される。なお、
図2の映像表示部22の構成を1つ備えると片眼式のHMDとなり、二つ備えると両眼式のHMDとなり、
図2の構成は、片眼/両眼の両方の方式のHMDに対応できる構成である。
【0014】
図2において、映像表示部22は、発光部30と表示部40からなる照明光学系50と、表示部40と投射部60と導光部70からなる投射光学系80を備えている。なお、表示部40は、照明光学系50と投射光学系80を兼ねている。
【0015】
発光部30は、光源から出射した光を集光して表示部40を照明する。
【0016】
表示部40は、例えば、LCOS(Liquid crystal on silicon)や、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)等であり、制御装置10から駆動部21を介して入力される映像信号に基づいて、発光部30で集光された光を照明光として変調、あるいは各画素を発光・消光して映像情報が重畳された映像光を生成する。
【0017】
投射部60は表示部40からの映像光を投射し、導光部70で映像光を装着者の瞳孔に導く。導光部は、映像光を複製して広げることで、装着者の装着位置ずれがあっても映像光が装着者の瞳孔に到達できるようにする。
【0018】
駆動部21は、発光部30内の光源の駆動と、表示部40への映像信号の送信と共に駆動を行う。
【0019】
図3は、本実施例における映像表示部22の概略構成図である。
図3において、映像表示部22は、前述したように、発光部30と表示部40からなる照明光学系50と、表示部40と投射部60を構成する投射レンズ61と導光部70を構成する導光板71からなる投射光学系80を備え、さらに、投射レンズ61と導光板71との間に光軸変換素子90を有している。
【0020】
発光部30は、光源31と光源33、集光レンズ32、34、ダイクロイックミラー35、マイクロレンズアレイ(以下、MLAと記す)36、結像レンズ37を有している。なお、発光部30は、PBS41を介して映像表示装置42を照明できるのであれば、一部の部品が省略されていてもよいし、また、他の部品が追加されていてもよい。
【0021】
発光部30において、光源31は緑色の光(G光)を出射し、光源33は、赤色光源と青色光源が同一パッケージに実装されており、赤色と青色の光(R光とB光)を出射する。なお、
図3では、2色の光源が同一のパッケージに実装されている光源33を例として示しているが、3色の光源の各々が独立したパッケージ内に実装されていても良いし、3色の光源が1つのパッケージ内に集積して実装されていても良い。
【0022】
光源31から出射した光は、集光レンズ32に入射する。集光レンズ32は、その略合成焦点位置に光源31が位置する関係で配置されている。光源31から出射した光束は、集光レンズ32に入射してコリメート光となる。光源31からのコリメート光は、ダイクロイックミラー35に向かって出射する。同様に、光源33から出射した光は、集光レンズ34に入射してコリメート光となり、ダイクロイックミラー35に向かって出射する。ダイクロイックミラー35は、R光とB光とG光の光軸を揃えて合成し、各色のコリメート光を合成して出射する。
【0023】
MLA36は、マイクロメートル単位の大きさのレンズが連続して配置された光学レンズであり、ダイクロイックミラー35から出射した略コリメート光束を受光する。
【0024】
MLA36から出射した光束は、結像レンズ37に入射する。結像レンズ37は、コリメート光を集光しながらPBS41に向かって結像させる。なお、結像される像は、MLA36の入射側に備えられたそれぞれのレンズの開口の像を重ね合わせたものになる。MLA36が備える開口を照明する光の強度分布は一様ではないが、後段の結像レンズ37などによって重ね合わせられるため、均一な強度分布を持つ照明光を提供できる。
【0025】
表示部40は、偏光光学素子であるPBS(Polarizing Beam Splitter:偏光ビームスプリッタ)41と、映像表示装置42を有している。なお、
図3は、映像表示装置42がLCOSの場合を示している。
【0026】
PBS41は、透明材質で構成され、入射面と反射面と出射面を有する光学材である。反射面は、結像レンズ37の光軸に対して傾斜しており、偏光選択性の反射性能を有する。すなわち、S偏光は反射するがP偏光は透過する。そのため、結像レンズ37からの光束がP偏光の場合、結像レンズ37からの光束は反射面を透過し映像表示装置42を照明する。
【0027】
映像表示装置42は、LCOSであって、液晶層と表示パネルで構成される。表示パネルは、発光部30から入射した照明光を反射させる。液晶層は、発光部30から入射した照明光の偏光を映像信号に基づいて変調し操作することで出射する光を制御する。これにより、映像表示装置42は、映像信号に基づいて発光部30から入射した光を変調して映像光を生成する。映像表示装置42で生成した映像光は、PBS41を介して投射部60を構成する投射レンズ61に入射する。
【0028】
投射レンズ61は、映像表示装置42の像を投射する。映像表示装置42の像を利用者から所望の距離に存在しているように網膜に結像するために、投射レンズ61は映像表示装置42の像を虚像として提供する。そのために、投射レンズ61からの映像光は光軸変換素子90を介して導光板71へ出射する。
【0029】
導光板71は、映像表示装置42が生成した映像光を投射レンズ61から取り込み、内部反射させて映像光を複製して広げることで利用者の眼前にまで導く。
【0030】
図4は、導光板の構成を説明する図である。
図4において、(a)は、回折素子を用いた導光板であるSRG(Surface Relief Grating)方式導光板の模式図であって、入射光72が接続プリズム73を介してSRG方式導光板74に入射し、SRG方式導光板74では、回折素子により回折と透過を繰り返し、入射光を複製して出射光75を生成する。(b)は、BSA(Beam Splitter Array)方式導光板の模式図であって、入射光72が接続プリズム73を介してBSA方式導光板76に入射し、BSA方式導光板76では、ビームスプリッタにより反射と透過を繰り返し、入射光を複製して出射光75を生成する。
【0031】
本実施例では、導光板により映像光を複製して広げる前の導光板への入射光である小さな映像光の光軸を光軸変換素子90により変位させることにより、表示エリアを拡大する。特に導光板方式を用いる光学系では、導光板入射角度が眼前で復元されるためその導光板入り口近傍での角度変換のみ行えばよい。また人間の観測能力以上に高速に行うことで、全画面同時に拡大表示可能である。以下、本実施例における、画面拡大の詳細について説明する。
【0032】
図5は、本実施例における光軸変換素子90の作用を説明する図である。
図5において、(a)は、導光板71の入射部77に入射する入射光と、入射光を導光し出射する導光/出射領域78から出射光の関係を示している。すなわち、入射部に入射した光線の入射角度θを再現して出射部から出射光は出射する。人間の眼は角度情報を位置情報に変換するため、導光板では、入射光の入射角度を出射光で再現することで、入射光の位置情報を再現している。
(b)は、入射光を光軸変換素子90で光軸変換することで、出射光において角度情報をずらし、それにより、入射光の位置情報をずらす原理を説明する図である。すなわち、導光板71の入射部77に入射する前に、光軸変換素子90にて、入射光の光線の角度を変える。これにより、導光板は、変わった光軸を再現して導光/出射領域78から出射光を出射する。例えば、図に示すように、光軸変換素子90通過後の光線の角度が点線から実線で示すように変わった場合、実線で示す“A“という、入射光で構成される表示画面は点線で示す“A“という表示画面に位置が変わったように、導光/出射領域78からの出射光を見ている観測者は認識する。
【0033】
図6は、本実施例における光軸変換素子90を用いた拡大表示を説明する図である。
図6(a)において、光軸変換素子90に入力する映像光からなる画像95を、光軸変換素子90により光軸を画像95の画角分変位させれば、変位前の画角96と変異後の画角97で横に2倍の画角の表示を得ることができる。そのため、(b)に示すように、光軸変換素子90に入力する映像光からなる画像95を左右に分割したそれぞれの分割画像を光軸変換素子90により、高速に、例えばフレームレート120Hzの周期で光軸を切り替えれば、人が知覚せず、疑似的に横に2倍の拡大表示を行うことができる。すなわち、映像表示装置42で生成する映像光で構成される所定画像を2分割した2つの分割画像をそれぞれ順番に映像表示装置42で生成し、投射レンズ61から投射された2つの分割画像を光軸変換素子90により、横に2倍の画角となるようにそれぞれ異なる角度で光軸変位させて導光板71に入力することで、所定画像の2倍の拡大画像を生成することができる。なお、本実施例では、画角当たりの画素数を保ったまま表示領域を拡大させるため、解像度の低下はない。
【0034】
図7は、本実施例における光軸変換素子90を用いた4倍の拡大表示を説明する図である。
図7(a)は、光軸変換素子90に入力する映像光からなる画像95である。これに対して、(b)に示すように、画像95を上下左右に4分割したそれぞれの分割画像(1)(2)(3)(4)を(C)に示すように、光軸変換素子90により、高速に、例えばフレームレート240Hzの周期で光軸を切り替えれば、人が知覚せず、疑似的に4倍の拡大表示を行うことができる。
【0035】
なお、分割画像の境界部分は、境界を目立たなくするために数画素分を重ねてもよい。その場合、重なり部分は明るさがむらになるので、例えば、LCOS側で重なり部分の明るさを落とす等の処理を行ってもよい。なお、境界を重ねることで、重ねない場合に比べて光軸変異の変更角度を小さくできるというメリットがある。
【0036】
図8は、本実施例における光軸変換素子の構成として反射ミラーとモータ等の回転機構を組み合わせた構成を説明する図である。
図8において、(a)は、光軸変換素子はMEMSミラー91であって、MEMSミラー91を、反射点Oを中心に回転させることで光軸変換を行う。(b)は、光軸変換素子はプリズムミラー92であって、プリズムミラー92をモータ93の回転軸94に接続し、プリズムミラー92を、回転軸94を中心に回転させることで光軸変換を行う。画面分割としては、右図に示したように、上下左右に分割してもよい。
【0037】
なお、光軸変換素子の光軸回転の制御は、制御装置10から行い、例えば、ミラーの角度センサからの情報に基づいて制御すればよい。
【0038】
図9は、本実施例における光軸変換素子の構成として液晶パネルを用いた構成を説明する図である。
図9において、光軸変換素子は液晶パネル98であって、液晶パネル98の領域分割した各セルでの電圧を変えて屈折率を変える。これにより、光軸を曲げたい方向に対して各セルの屈折率分布をつくり、疑似的にミラー/プリズムと同じ効果を得る。
【0039】
以上のように、本実施例によれば、HMD光学系内に光軸を動的に傾ける機構を追加することにより、元の光学系を大きくすることなく、画面の表示可能領域を拡大することができる。これにより、小型化、軽量化を図りながら解像度の低下なく画面サイズを拡大できる光学ユニットおよびそれを用いたHMDを提供できる。
【0040】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:HMD、10:制御装置、20:表示装置、21:駆動部、22:映像表示部、30:発光部、40:表示部、50:照明光学系、60:投射部、70:導光部、80:投射光学系、42:映像表示装置、61:投射レンズ、71:導光板、90:光軸変換素子、77:入射部、78:導光/出射領域、95:画像、96:変位前の画角、97:変異後の画角、91:MEMSミラー、92:プリズムミラー、98:液晶パネル