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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160189
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】実験台
(51)【国際特許分類】
   B01L 9/02 20060101AFI20221012BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B01L9/02
A47G29/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064798
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】512284033
【氏名又は名称】株式会社ダルトン
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】吉松 圭介
【テーマコード(参考)】
3K100
4G057
【Fターム(参考)】
3K100AA03
3K100AC02
3K100AD01
3K100AE20
4G057AE02
4G057AE03
4G057AE09
4G057AE15
(57)【要約】
【課題】保管中の蓋部材が実験者の邪魔にならず、蓋部材を衛生的且つ安全に保管することができるとともに、蓋部材の構造単純化と軽量化及び保管構造の耐久性向上を図ることができる実験台を提供すること。
【解決手段】上部にシンク4が設けられたコア部2と、該コア部2に天板2Aを備える実験台1において、前記シンク4の上面開口部を着脱可能に覆う蓋部材9と、前記シンク4の下方の前記コア部2の外周面に形成した少なくとも前記蓋部材9の幅を有する開口部2aと、前記シンク4から外した前記蓋部材9を前記開口部2aから収納する前記コア部2内部に形成された収納空間Sと、前記収納空間Sに収納される前記シンク4から外した前記蓋部材9を起立姿勢で保持する背板10とガイドワイヤー12による保持手段とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にシンクが設けられたコア部と、該コア部に天板を備える実験台において、
前記シンクの上面開口部を着脱可能に覆う蓋部材と、
前記シンク下方のコア部外周面に形成した少なくとも前記蓋部材の幅を有する開口部と、
前記シンクから外した蓋部材を前記開口部から収納するコア内部に形成された収納空間と、
前記収納空間に収納される前記シンクから外した蓋部材を起立姿勢で支持する保持手段と、
を備えることを特徴とする実験台。
【請求項2】
前記保持手段は、前記収納空間に収納される蓋部材の少なくとも一部が当接するように当該収納空間の内部に配置される背板と、収納された前記蓋部材を係脱自在に係止する係止手段とのいずれか一方、又は両方を備える請求項1に記載の実験台。
【請求項3】
前記収納空間の底部に、当該収納空間に収納される前記蓋部材の下端部をガイドして位置決めするための位置決めブロックを配置する請求項1または2に記載の実験台。
【請求項4】
前記係止手段は、左右両端が前記開口部近傍の収納空間の両側壁に回動可能に支持されると共に左右の両端から所定長さで突出屈曲する抑え部を有するガイドワイヤーで構成され、該ガイドワイヤーの抑え部によって前記蓋部材の前面上部が略全幅に亘って係止される請求項1~3の何れかに記載の実験台。
【請求項5】
前記係止手段は、左右両端が前記背板に回動可能に支持されると共に左右の両端から所定長さで突出屈曲する正面視略凹状の抑え部で構成され、該抑え部によって収納された前記蓋部材の前面上端縁の一部が係止される請求項1~3の何れかに記載の実験台。
【請求項6】
前記係止手段は、前記開口部の内面上部に、長手方向の上端側を中心として回動可能に支持されたストッパプレートで構成され、該ストッパプレートによって収納された前記蓋部材の前面上端縁の一部が係止される請求項1~3の何れかに記載の実験台。
【請求項7】
前記係止手段は、前記開口部周縁の幅方向両側に、上部側が左右方向に回動可能に支持された一対の係止ブロックであって、その回動中心が当該係止ブロックの下端側にあり且つ左右幅の中心に関し偏位している一対の係止ブロックで構成され、当該係止ブロックによって収納された前記蓋部材の前面の幅方向両端縁の上部が係止される請求項1~3の何れかに記載の実験台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部にシンクが設けられたコア部を備える実験台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、学校の理科教室や研究所の実験室には、各種の実験に供せられる実験台が設置されているが、このような実験台は、手を洗浄したり、薬品などを水で洗い流すためのシンクが上部に設けられたコア部と、該コア部に隣接してテーブルによる天板を備えたものがある。このような実験台においては、シンクを使用しないときには、該シンクの上面開口部が着脱可能な矩形平板状の蓋部材によって覆われ、この蓋部材の上面と天板とによって広い作業スペースが確保されるようにしている。
【0003】
上記実験台においてシンクを使用する必要が生じた場合には、このシンクの上面開口部を覆っていた蓋部材が取り外されるが、この取り外された蓋部材の保管場所が問題となる。例えば、蓋部材に汚れが付着している場合には保管時の衛生面や安全面での問題があり、保管場所によってはシンクを使う作業の邪魔になることもあるからである。
【0004】
この点に関し特許文献1には、図18に示すように、取り外された蓋部材109をコア部102のシンク104の前面側に垂直に吊下げた状態で保管するようにした実験台が提案されている。この実験台によれば、図18(a)に示すように、シンク104の不使用時には、該シンク104の上面開口部が蓋部材109で覆われている。そして、シンク104を使用するときには、蓋部材109の上面に設けられた左右一対の把手121を握って該蓋部材109をシンク104から取り外し、この取り外した蓋部材109の背面に設けられた左右一対の不図示のフックをコア部102の前面に突設された左右一対のコの字状の被係合部材122(図18(a)参照)に引っ掛けることによって、図18(b)に示すように、蓋部材109が垂直に吊下げた状態で保管される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5220913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1において提案された実験台においては、図18(b)に示すように垂直に吊下げられた状態で保管される蓋部材109は、コア部102の前面側に露出しているため、学生や研究者などの実験者がシンク104の前に立つと、実験者の大腿部が自然に蓋部材109に触れたり、実験者がシンク104の前で横移動した際に蓋部材109の側部が当該実験者に当たるなどの問題が発生する。加えて、表面が薬品等で汚れた蓋部材109が露出した状態で垂直に吊下げ支持されていると、衛生上及び安全上の問題が解消されない。さらには実験者の体や移動中の器物や装置等が吊下げた蓋部材109に接触したり衝突すると、蓋部材109とコア部102に設けた係止部材が破損して、蓋部材109の落下や損傷、或は蓋部材109の落下による人的被害の惧れがある。
【0007】
また、特許文献1において提案された実験台においては、蓋部材109の表面には把手121が突設され、背面にはフックの他に緩衝材としての複数(4つ)の突起が取り付けられているため、蓋部材109の部品点数が多くなって当該蓋部材109の構造の複雑化と高重量化を招くという問題がある。そして、蓋部材109をシンク104から取り外してこれを垂直に吊下げ支持する動作を多数回繰り返すと、この蓋部材109を吊下げ支持する箇所に破損や損傷が生じ、蓋部材109を長期に亘って安定的に吊下げて保管することができなくなる可能性もある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、シンクから取り外して保管する蓋部材が実験者の邪魔にならず、蓋部材を衛生的且つ安全に保管することができるとともに、蓋部材の構造単純化と軽量化、並びに保管構造の耐久性向上を図ることができる実験台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、上部にシンクが設けられたコア部と、該コア部に天板を備える実験台において、前記シンクの上面開口部を着脱可能に覆う蓋部材と、前記シンク下方のコア部外周面に形成した少なくとも前記蓋部材の幅を有する開口部と、前記シンクから外した蓋部材を前記開口部から収納するコア内部に形成された収納空間と、前記収納空間に収納される前記シンクから外した蓋部材を起立姿勢で支持する保持手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記保持手段は、前記収納空間に収納される前記蓋部材の後面が対面するように当該収納空間の内部に配置される背板と、前記収納された蓋部材を係脱自在に係止する係止手段との何れか一方または両方を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シンクを使用する場合には、シンクから取り外し、この取り外した蓋部材をコア部の開口部から収納空間に収納し、この蓋部材を保持手段によって傾斜状態を含む起立した状態で保持することによって、蓋部材を収納空間に安定的に保管することができる。この場合、蓋部材はコア部の外周面から殆んど突出しないため、この蓋部材が実験者の邪魔になることがなく、汚れた蓋部材が外部に露出することによる衛生上及び安全上の問題が発生することもない。
【0012】
そして、収納空間内で傾斜した状態で収納される蓋部材を係止手段によって係止するだけの簡単な構成によって当該蓋部材を収納空間内で確実に保持した状態で保管することができるため、蓋部材の構造が単純化して当該蓋部材の軽量化が図られ、蓋部材の取り付け/取り外しを簡単に行うことができる。また、係止手段として簡単な構造のものを使用することができるため、蓋部材の収納空間への保管と収納空間からの取り出しを多数回繰り返しても、係止手段の破損や損傷を招くことがなく、蓋部材の保管構造の耐久性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係る実験台の正面図。
図2図1の実験台の平面図。
図3図1の実験台の拡大側面図。
図4図1の実験台のコア部の拡大正面図。
図5図4のA-A線部分断面図。
図6図5のB部拡大詳細図。
図7】(a)~(e)は実施の形態1に係る実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の部分側断面図。
図8】本発明の実施の形態2に係る実験台のコア部の拡大正面図。
図9図8のC-C線部分断面図。
図10図8図9の抑え部の分解斜視図。
図11】(a)~(d)は図8図9の実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の部分側断面図。
図12】本発明の実施の形態3に係る実験台のコア部の拡大正面図。
図13図12のD-D線断面図。
図14】(a)~(d)は図12図13の実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の正面図と部分側断面図。
図15】本発明の実施の形態4に係る実験台のコア部の拡大正面図。
図16図15のE-E線部分断面図。
図17】(a)~(d)は図15図16の実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の正面図と部分側断面図。
図18】特許文献1において提案された実験台のコア部の斜視図であって、(a)はシンクの不使用時の状態を示す図、(b)はシンクの使用時の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る実験台の正面図、図2は同実験台の平面図、図3は同実験台の側面図、図4は同実験台のコア部の拡大正面図、図5図4のA-A線部分断面図、図6図5のB部拡大詳細図、図7(a)~(e)は本発明の実施の形態1に係る実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の部分側断面図である。なお、以下の説明においては、図1図3に矢印にて示す方向をそれぞれ「上下」、「左右」及び「前後」方向とする。
【0015】
本発明に係る実験台は、学校の理科教室などの床面FL上に設置されるものであって、図1及び図2に一例として示す実験台1では、幅方向中央に設置された矩形ボックス状のコア部2と、該コア部2に隣接してこれの左右に設置された一対のテーブル3とを備えている。
【0016】
上記コア部2の前後2箇所の上部には、上方が開口する一対の陶器製のシンク4が対面式に配置されており、各シンク4の奥側(各シンク4の前に立つ実験者にとって奥側)には、逆U字状に屈曲する左右一対の水道の蛇口5がそれぞれ立設されるとともに、各蛇口5の根元部分には開閉栓6がそれぞれ配置されている(図1参照)。また、コア部2の上面の中央に形成された平面状の天板2A(図1及び図2参照)の左右には、ガスバーナーなどを接続するための前後一対のガス栓7が計4つ立設されている。ここで、天板2Aの上面は、化粧面とされている。
【0017】
また、左右一対のテーブル3は、図1図3に示すように、その上部に水平な矩形平板状の天板3Aをそれぞれ備えており、各天板3Aは、左右両端部がコア部2と矩形プレート状の支柱8によってそれぞれ水平に支持されている。ここで、各天板3Aの上面は、化粧面とされている。
【0018】
ところで、本実施の形態に係る実験台1においては、使用していないシンク4の上面開口部は、矩形平板状の蓋部材9によって覆われている。ここで使用時に垂直に起立する一対の蛇口5は、使用しない時には倒されてシンク4内に収納されるため、これらの蛇口5と蓋部材9とが干渉することがない。ここで、シンク4の上面開口部を覆う蓋部材9の上面は、化粧面9aとされており、この蓋部材9がシンク4を覆っている状態では、該蓋部材9の化粧面9aと左右のテーブル3の各天板3A及びコア部2の天板2Aとは水平な同一平面上に位置して(面一状態となって)当該実験台1に広い作業スペースが確保されている。
【0019】
また、図5に示すように、矩形ボックス状のコア部2の各シンク4(図5には一方(前面側)のみを示す)の下方には後述する開口部2aを備える収納空間Sが形成されており、コア部2の各シンク4下方の外周面、図の例ではシンク4の前方に立った実験者に対向する面2Bには、図4及び図5に示すように、少なくとも蓋部材9の左右幅を有する矩形状の開口部2aが形成され、収納空間Sに連なっている。
【0020】
そして、図5に示すように、収納空間Sの開口部2aの近傍(収納空間Sの奥側)には、開口部2aを収納空間の内側から覆う形で矩形平板状の背板10が垂直に対して斜めに傾斜した(上部側が手前に傾く前傾)状態で配設されている。具体的には、背板10は、上端部が開口部2aに近づくように垂直に対して図示の角度αだけ斜めに傾斜(前傾)して配設されている。
【0021】
また、図4に示すように、コア部2の収納空間Sの上部の開口部2aの近傍には、その左右両端が収納空間Sの両側壁2Cに固定された支持部材11によって回動可能に支持された左右の両端から所定長さで突出屈曲する横長略凹状の抑え部12aを有するガイドワイヤー12が設けられている。ここで、コア部2の収納空間Sを画成する左右の側壁2Cの上部内面には、平板状の支持部材11がビス13によってそれぞれ取り付けられており、この支持部材11にガイドワイヤー12の左右両端部が回動可能に支持されている。
【0022】
より詳細には、ガイドワイヤー12は、丸棒状の金属棒によって構成されており、図4に示すように、その幅方向中央部に、左右の両端から所定長さで突出屈曲する横長略凹状の抑え部12aを備えている。なお、ガイドワイヤー12は、後述のように蓋部材9をコア部2の収納空間Sに収納するときに該蓋部材9の一部を係止するための係止手段を構成しており、蓋部材9が収納空間Sに収納されていない状態では、該ガイドワイヤー12の抑え部12aは、図5に示すa位置にあって、垂直に対して背板10に向かって斜めに傾斜しており、その自重で背板10によって受けられている。
【0023】
ところで、本実施の形態に係る実験台1においては、前述のようにシンク4を使用しないときには、シンク4の上面開口部が蓋部材9によって覆われているが、シンク4を使用するときには、蓋部材9をシンク4から取り外し、この取り外した蓋部材9をコア部2に開口する開口部2aから収納空間Sに導入してこれを背板10に沿って斜めに収納する。
【0024】
ここで、収納空間Sに収納される蓋部材9の化粧面9aの少なくとも一部が当接するように当該収納空間Sの内部に斜めに配置される背板10と、収納空間Sに収納された蓋部材9を係脱自在に係止する係止手段であるガイドワイヤー12は、収納空間Sに収納される蓋部材9を傾斜した起立姿勢で保持する保持手段を構成している。なお、本実施の形態1では、保持手段を、背板10と係止手段であるガイドワイヤー12とにより構成したが、本発明ではこれらの背板10とガイドワーヤー12の何れか一方のみで保持手段を構成しても良い。この点は後述の実施の形態2~4においても同様である。
【0025】
ところで、収納空間Sの底板2D上の左右2箇所には、図5及び図6に示す一例として樹脂製の位置決めブロック14(図5及び図6には一方のみ図示)が前後方向(図5及び図6の左右方向)に沿って平行に固設されている。ここで、位置決めブロック14は、蓋部材9を収納空間Sに導入する場合に該蓋部材9の幅方向両下端部をガイドして位置決めするためのものであって、図6に詳細に示すように、その一部には、蓋部材9の幅方向下端部が係合するためのV字状に切り欠かれた係合溝14aが形成されている。
【0026】
ここで、本実施の形態1に係る実験台1において、シンク4の不使用時に該シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9は、シンク4を使用するときには該シンク4から取り外されてコア部2内の収納空間Sに収納されて保管されるが、以下、蓋部材9を収納空間Sに収納して保管する要領を図7(a)~(e)にしたがって説明する。
【0027】
シンク4を使用する場合には、図7(a)に示すように、シンク4の上面開口部は、蓋部材9によって覆われている。このとき、係止手段を構成するガイドワイヤー12は、前述のように、その中央の抑え部12aが斜めに立ち上げられており、自重によって背板10に立て掛けられて図示位置(図5に示すa位置)に保持されている。
【0028】
そして、シンク4を使用する際には、図7(b)に示すように、シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9が人手によってシンク4から取り外され、この取り外された蓋部材9は、コア部2の外周面2Bに開口する開口部2aから収納空間Sに導入される。そして、収納空間Sに導入された蓋部材9は、その幅方向両下端部が樹脂製の位置決めブロック14によってガイドされながら収納空間Sの奥側へと移動され、図7(c)に示すように、その化粧面(上面)9aを背板10に略密着させる形で背板10と同じ傾斜角αで傾斜した起立状態(図5に鎖線にて示す状態)に人手により保たれる。蓋部材9は、位置決めブロック14の係合溝14aの位置によって蓋部材9と背板10を一部で当接させ、全面的に略密着しないようにできる。こうすると上面9aが薬品や実験動物による汚れ、例えば解剖した生物の体液や植物に付着した雑菌等で汚れたままの場合でも、背板10に汚れが移ることを回避できる。
【0029】
次に、図7(c)に示す状態(図5に鎖線にて示す状態)からガイドワイヤー12を図7(d)に示すように図示矢印方向(反時計方向)に手で回動させる。すると、ガイドワイヤー12の抑え部12aが自重で垂直に垂れ下がる(図5に示すb位置へと回動する)。そして、この状態から蓋部材9を支えていた手を該蓋部材9から離すと、蓋部材9は、自重による反時計方向のモーメントによって下端縁を中心として反時計方向に回動するが、この回動は、ガイドワイヤー12の抑え部12aが蓋部材9の上部に全幅に亘って係合することによって阻止される。すなわち、蓋部材9は、ガイドワイヤー12の抑え部12aによってその前面上部が略全幅に亘って係止されることによって倒れが防がれ、図7(e)及び図5に示すように、垂直に対して図示の角度β(>α)だけ傾斜した起立状態で保持されて収納空間Sに保管される。なお、このとき、ガイドワイヤー12の抑え部12aは図5に示すc位置にある。
【0030】
ここで、図5に鎖線にて示す状態にある蓋部材9には、これを倒そうとする反時計方向のモーメントMが作用するが、このモーメントMは、蓋部材9の自重をW、蓋部材9の重心Gの端部からの距離をLとすると、次式にて求められる。
【0031】
M=W・sinβ・L
以上の要領で収納空間Sに収納保管されている蓋部材9は、ガイドワイヤー12を意図的に持ち上げて当該蓋部材9への係止を解除しない限り倒れることがないため、収納空間Sに安定的に収納されて保持される。
【0032】
そして、シンク4を使用しない場合には、図7(e)に示す状態から蓋部材9を奥側に倒しこれを背板10に略密着させた状態にして、ガイドワイヤー12を持ち上げて図5に示すa位置まで回動し背板10に凭れかけさせ該ガイドワイヤー12の蓋部材9との係止を解除し、収納時とは逆の手順で蓋部材9を収納空間Sから取り出し、この取り出した蓋部材9を図7(a)に示すようにシンク4に上方から被せて該シンク4の上面開口部を該蓋部材9によって覆うことができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態1に係る実験台1によれば、シンク4を使用する場合には、シンク4から取り外した蓋部材9をコア部2の開口部2aから収納空間Sに収納し、収納空間Sに斜めに傾斜して配設された背板10に沿って蓋部材9も収納空間S内で傾斜させ、この蓋部材9の前面上部を略全幅に亘ってガイドワイヤー12によって係止することによって該蓋部材9を収納空間Sに安定的に保持することができる。この場合において、蓋部材9はコア部2の外周面から殆んど突出しないため、この蓋部材9が実験者の邪魔になることがなく、汚れた蓋部材9が外部に露出することによる衛生上及び安全上の問題が発生することもない。本実施の形態1において、蓋部材9を収納空間Sに化粧面9aが背板10に対向する向きに収納すると、蓋部材9を実験者が靴などで蹴ること等があっても、該蓋部材9の化粧面9aが、損傷したり汚れることがなく、蓋部材9の耐久性が高められる。
【0034】
また、収納空間S内で傾斜した状態で収容される蓋部材9の一部をガイドワイヤー12によって係止するだけの簡単な構成によって当該蓋部材9を収納空間S内で確実に収納した状態で保管することができるため、蓋部材9の構造が単純化して当該蓋部材9の軽量化が図られ、蓋部材9の取り付け/取り外しを簡単に行うことができる。そして、係止手段として簡単な構造のガイドワイヤー12を使用することができるため、蓋部材9の収納空間Sへの保管と収納空間Sからの取り出しを多数回繰り返しても、ガイドワイヤー12の破損や損傷を招くことがなく、蓋部材9の保管構造の耐久性が高められる。
【0035】
さらに、本実施の形態1では、収納空間Sに収納される蓋部材9の幅方向両下端部が収納空間Sの底板2D上に配置された位置決めブロック14によってガイドされて位置決めされるため、該蓋部材9と底板2Dや背板10とが擦れることによる底板2Dや背板10の損傷が防がれるという効果も得られる。なお位置決めブロック14は、実施の形態例に限定されるものではない。例えば底板2Dと一体であってもよく、係合溝14aも凸状の係合突起であってもよい。また位置決めブロック14の材質も樹脂製以外に金属製や木製等適宜材料を選択でき、要すれば蓋部材9の下端部のストッパとしての機能を発揮できる構成を備えていればよい。
【0036】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図8図11に基づいて以下に説明する。
【0037】
図8は本発明の実施の形態2に係る実験台のコア部の正面図、図9図8のC-C線部分断面図、図10は抑え部の分解斜視図、図11(a)~(d)は本発明の実施の形態2に係る実験台の蓋部材を収納する要領をその工程順に示す部分側断面図であり、これらの図においては、図1図7において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0038】
本実施の形態2においては、蓋部材9の係止手段のみが実施の形態1のそれとは異なっており、他の構成は、実施の形態1に係る実験台1の構成と同じである。本実施の形態2においては、係止手段は、両端が背板10の上部の幅方向中央に回動可能に支持された正面視略凹状をなす凹状抑え部15で構成されている。
【0039】
上記凹状抑え部15は、図10に示すように、丸棒状の金属棒を屈曲させて構成されている。具体的には、凹状抑え部15は、左右の両端から所定長さで突出屈曲する正面視略凹状に成形されており、その先端部には側面視略L字状に屈曲する鍵状の係止部15aが形成されている。また、この凹状抑え部15の左右両端部は、横方向に水平に延びる軸部15bを構成しており、これらの軸部15bが、ビス16によって背板10に取り付けられた金属製のブラケット17に形成された軸受部17aに差し込まれることによって、凹状抑え部15がその左右の軸部15bを中心として上下に回動可能に背板10によって支持されている。
【0040】
而して、本実施の形態2においても、シンク4の不使用時に該シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9は、シンク4を使用するときには該シンク4から取り外されてコア部2内の収納空間Sに収納されて保管されるが、以下、蓋部材9の収納空間Sに収納して保管する要領を図11(a)~(d)に従って説明する。
【0041】
シンク4を使用する場合には、図11(a)に示すように、シンク4の上面開口部は、蓋部材9によって覆われている。このとき、係止手段を構成する凹状抑え部15は、自重によって垂直に垂れ下がった状態(図9にdにて示す位置)にある。
【0042】
そして、シンク4を使用する際には、図11(b)に示すように、シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9がシンク4から取り外され、この取り外された蓋部材9は、コア部2に開口する開口部2aから収納空間Sに導入される。そして、収納空間Sに導入された蓋部材9は、図11(c)に示すように、凹状抑え部15が上方へと持ち上げられた状態(図9にeにて示す位置)で、収納空間Sの奥側へと押し込まれ、その化粧面(上面)9aが背板10に略密着した形で背板10と略同じ傾斜角で傾斜した状態に保たれる。
【0043】
次に、図11(c)に示す状態から蓋部材9を支えていた手を蓋部材9から離せば、蓋部材9がこれに作用する反時計方向のモーメントによって倒れるが、図11(d)に示すように、凹状抑え部15が自重で下方(反時計方向)へと図9に示すf位置へと回動し、その係止部15aが蓋部材9の上端縁を係止する。したがって、蓋部材9の倒れが凹状抑え部15によって阻止され、図9及び図11(d)に示すように、蓋部材9は、垂直に対して傾斜した起立状態で保持されて収納空間Sに保管される。
【0044】
以上の要領で収納空間Sに収納保管されている蓋部材9は、凹状抑え部15を意図的に持ち上げて蓋部材9への係止を解除しない限り倒れることがないため、収納空間Sに安定的に収納されて保管される。
【0045】
そして、シンク4を使用しない場合には、図9及び図11(d)に示す状態から蓋部材9を奥側に倒してこれを背板10に略密着させた状態にして、図11(c)に示すように凹状抑え部15を上方に持ち上げて係止部15aの蓋部材9との係止を解除し、収納時とは逆の手順で蓋部材9を収納空間Sから取り出し、この取り出した蓋部材9を図11(a)に示すようにシンク4に上方から被せて該シンク4の上面開口部を該蓋部材9によって覆うことができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態2においても、シンク4を使用する場合には、シンク4から取り外した蓋部材9をコア部2の開口部2aから収納空間Sに収納し、収納空間Sに斜めに傾斜して配設された背板10に沿って蓋部材9も収納空間S内で傾斜させ、この蓋部材9の上部を凹状抑え部15によって係止することによって該蓋部材9を収納空間Sに安定的に保管することができる。この場合、蓋部材9はコア部2の外周面から殆んど突出しないため、この蓋部材9が実験者の邪魔になることがなく、汚れた蓋部材9が外部に露出することによる衛生上及び安全上の問題が発生することがない。
【0047】
その他、本実施の形態2においても、前記実施の形態1において得られた効果と同様の効果が得られる。
【0048】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図12図14に基づいて以下に説明する。
【0049】
図12は本発明の実施の形態3に係る実験台のコア部の正面図、図13図12のD-D線部分断面図、図14(a)~(d)は本発明の実施の形態3に係る実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の正面図と部分側断面図であり、これらの図においても、図1図7において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0050】
本実施の形態3においては、蓋部材9の係止手段のみが実施の形態1,2のそれとは異なっており、他の構成は、実施の形態1,2に係る実験台1の構成と同じである。本実施の形態3においては、係止手段は、コア部2の開口部2a周縁の幅方向中央の内面上部に、長手方向一端を中心として回動可能にネジ等の支持軸18aで支持されたストッパプレート18で構成されており、このストッパプレート18は、通常は自重によって図12及び図13に示すように垂直に垂れ下がっている。
【0051】
而して、本実施の形態3においても、シンク4の不使用時に該シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9は、シンク4を使用するときには該シンク4から取り外されてコア部2内の収納空間Sに収納されて保管されるが、以下、蓋部材9の収納空間Sに収納して保管する要領を図14(a)~(d)にしたがって説明する。
【0052】
シンク4を使用する場合には、図14(a)に示すように、シンク4の上面開口部は、蓋部材9によって覆われている。このとき、係止手段を構成するストッパプレート18は、自重によって垂直に垂れ下がった状態にある。
【0053】
そして、シンク4を使用する際には、図14(b)に示すように、シンク4の上面開口部を覆っていた蓋部材9がシンク4から取り外され、この取り外された蓋部材9は、コア部2に開口する開口部2aから収納空間Sに導入される。そして、収納空間Sに導入された蓋部材9は、図14(c)に示すように、ストッパプレート18が上方へと持ち上げられた状態(横に退避した状態)で、収納空間Sの奥側へと押し込まれ、その化粧面(上面)9aが背板10に略密着した形で該背板10と同じ傾斜角で傾斜した状態に保たれる。
【0054】
次に、図14(c)に示す状態からストッパプレート18と蓋部材9から手を離せば、図14(d)に示すように、ストッパプレート18が自重で垂直に垂れ下がるとともに、蓋部材9がこれに作用する反時計方向のモーメントによって倒れるが、この蓋部材9の倒れは、ストッパプレート18が当該蓋部材9の幅方向上部に係合することによって阻止され、蓋部材9は、垂直に対し傾斜した起立状態で保持されて収納空間Sに保管される。
【0055】
以上の要領で収納空間Sに収納保管されている蓋部材9は、ストッパプレート18を意図的に回動させて蓋部材9への係止を解除しない限り倒れることがないため、収納空間Sに安定的に収納されて保管される。
【0056】
そして、シンク4を使用しない場合には、図14(d)に示す状態から蓋部材9を奥側に倒してこれを背板10に略密着させた状態で、図14(c)に示すようにストッパプレート18を上方に回動させてこれを開口部2aから退避させ、収納時とは逆の手順で蓋部材9を収納空間Sから取り出し、この取り出した蓋部材9を図14(a)に示すようにシンク4に上方から被せて該シンク4の上面開口部を該蓋部材9によって覆うことができる。
【0057】
以上のように、本実施の形態3においても、シンク4を使用する場合には、シンク4から取り外した蓋部材9をコア部2の開口部2aから収納空間Sに収納し、収納空間Sに斜めに傾斜して配設された背板10に沿って蓋部材9も収納空間S内で傾斜させ、この蓋部材9の上部をストッパプレート18によって係止することによって該蓋部材9を収納空間Sに安定的に保管することができる。この場合、蓋部材9はコア部2の外周面から殆んど突出しないため、前記実施の形態1,2と同様に、蓋部材9が実験者の邪魔になることがなく、汚れた蓋部材9が外部に露出することによる衛生上及び安全上の問題が発生することがない。
【0058】
その他、本実施の形態3においても、前記実施の形態1,2において得られた効果と同様の効果が得られる。
【0059】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4を図15図17に基づいて以下に説明する。
【0060】
図15は本発明の実施の形態4に係る実験台のコア部の正面図、図16図15のE-E線部分断面図、図17(a)~(d)は本発明の実施の形態4に係る実験台の蓋部材を収納して保管する要領をその工程順に示すコア部の正面図と部分側断面図であり、これらの図においても、図1図7において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0061】
本実施の形態4においては、蓋部材9の係止手段のみが実施の形態1~3のそれとは異なっており、他の構成は、実施の形態1~3に係る実験台1の構成と同じである。本実施の形態においては、係止手段は、コア部2の開口部2a周縁の幅方向両側上部に、下端部がビス19によって回動自在に支持された一対の矩形プレート状の係止ブロック20で構成されている。ここで、各係止ブロック20は、図15に示すように、その回動中心(ビス19の中心)が当該係止ブロック20の幅方向中心に対して幅方向外側にεだけ偏位している。
【0062】
而して、本実施の形態4においても、シンク4の不使用時に該シンク4の上面開口部を覆っている蓋部材9は、シンク4を使用するときには該シンク4から取り外されてコア部2内の収納空間Sに収納されて保管されるが、以下、蓋部材9を収納空間Sに収納して保管する収納要領を図17(a)~(d)にしたがって説明する。
【0063】
シンク4を使用しない場合には、シンク4の上面開口部は、蓋部材9によって覆われている。このとき、係止手段を構成する左右一対の係止ブロック20は、自重によって開口部2aの内側に向かって傾いた状態(左右の係止ブロック20が正面から見て略ハの字状の状態)にある。すなわち、前述のように、各係止ブロック20の回動中心は、当該係止ブロック20の幅方向中心に対して幅方向外側(開口部2aとは反対側)にε(図15参照)だけ偏位しているため、各係止ブロック20は、これに外力が作用しない状態では、図15及び図17(a)に示すように、自重によって開口部2aの内側に向かって傾いた状態(左右の係止ブロック20が正面から見て略ハの字状の状態)にある。なお、各係止ブロック20は、不図示の切欠きやストッパによってその傾斜角が規制されている。
【0064】
そして、シンク4を使用する際には、図17(a)に示すように、シンク4の上面開口部を覆っていた蓋部材9がシンク4から取り外され、取り外された蓋部材9は、コア部2に開口する開口部2aから収納空間Sに導入される。蓋部材9が導入されるとき位置決めブロック14の係合溝14aに支持された蓋部材9の下端を回転中心として上端を収納空間Sの奥側へ押し込む。この押し込みに伴い蓋部材9の左右の外側辺は、略ハの字状に傾いている左右の係止ブロック20の対向する内側辺に当接しつつ当該係止ブロック20を開口部2aから退避する方向へビス19を中心に回動させる(図17(b))。
【0065】
このままさらに蓋部材9の上端を収納空間Sの奥側へ押し込むと、蓋部材9は回動している左右の係止ブロック20を過ぎ、上面9aが背板10の前面に略密着する形になる(図17(c)→図17(d))。一方、蓋部材9が通過した左右の係止ブロック20は自重で元の姿勢に復帰回動して蓋部材9の手前に位置する。そこで蓋部材9を押し込んでいる手を離すと手前側へ倒れようとする蓋部材9を元位置に復帰した係止ブロック20が支え、この蓋部材9を係止する(図17(d))。
【0066】
以上により、図16及び図17(d)に示す蓋部材9は、垂直に対して傾斜した起立状態で保持されて収納空間Sに保管される。
【0067】
以上の要領で収納空間Sに収納保管されている蓋部材9は、左右の係止ブロック20を意図的に且つ同時に回動させて開口部2aから退避させない限り倒れることがないため、収納空間Sに安定的に収納されて保管される。
【0068】
そして、シンク4の使用が終われば、図16及び図17(d)に示す状態から蓋部材9を奥側に倒してこれを背板10に略密着させた状態にし、図17(c)に示すように左右の係止ブロック20を開口部2aから退避させる側に回動させる(略正立させる)ことによって、係止ブロック20による蓋部材9の係止を解除し、係止が解かれた蓋部材9は自重で手前側へ倒れてくるからこれを手で受け止め、収納時とは逆の手順で蓋部材9を収納空間Sから取り出し、この蓋部材9をシンク4に上方から被せて該シンク4の上面開口部を当該蓋部材9によって覆うことができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態4においても、シンク4を使用する場合には、シンク4から取り外した蓋部材9をコア部2の開口部2aから収納空間Sに収納し、収納空間Sに斜めに傾斜して配設された背板10に沿って蓋部材9も収納空間S内で傾斜させ、この蓋部材9の上部を左右の係止ブロック20によって係止することによって該蓋部材9を収納空間Sに安定的に起立状態で保管することができる。この場合、蓋部材9はコア部2の外周面から殆んど突出しないため、この蓋部材9が実験者の邪魔になることがなく、汚れた蓋部材9が外部に露出することによる衛生上及び安全上の問題が発生することがない。
【0070】
その他、本実施の形態4においても、前記実施の形態1~3において得られた効果と同様の効果が得られる。
【0071】
以上の実施の形態1~4においては、背板10がすべて収納空間Sに前傾姿勢(角度α)で設置された例であった。本発明は、図示しないが、背板10を後傾させた姿勢、或は略直立させた姿勢で設けたものであってもよい。背板10が後傾姿勢で設けられた収納空間Sでは、蓋部材9を後傾した背板10に凭れさせて支持できるから係止手段は設けなくてもよい。また背板10が略直立している場合には、蓋部材9も略直立乃至微小角の傾きで起立するから、ガイドワイヤー12を始めとする上記実施形態2~4と同じ係止手段を設ける。
本発明では、背板10を設けないでも収納する蓋部材9を収納空間Sの内部に起立状態で支持することができる構成があることを以下に説明する。なお背板10は、蓋部材9が収納されない場合、収納空間Sの内部をカバーする化粧板としての役割もある。
【0072】
シンク4から外した蓋部材9を収納空間S内において起立姿勢で保持する保持手段としては、先に述べた背板10とガイドワイヤー12等の係止手段による保持手段に代えて、又は係止手段と併用する形で、収納空間Sに収納される蓋部材9の上半側の前面、または後面、若しくは前後両面に対向するように当該収納空間Sに配置する線状体、棒状体、帯状体の何れかにより保持するようにしても良い。
【0073】
上述した実施の形態1~4においては、収納空間Sに収納する蓋部材9を係脱自在に支持する係止手段は、安全性及びコスト面から出来るだけ簡潔な構成のものとしたが、本発明では、適宜ラッチ機構やバネを利用した係止構造を備える係止手段によって、収納する蓋部材9が押し込まれれば自動的にその蓋部材9を係止し、蓋部材9を起立姿勢で支持できる構造とすることができる。
【0074】
本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
1 実験台
2 コア部
2A コア部の天面
2B コア部の外周面
2C コア部の側壁
2D コア部の底板
2a コア部の開口部
4 シンク
9 蓋部材
9a 蓋部材の化粧面
10 背板
12 ガイドワイヤー(係止手段)
12a ガイドワイヤーの抑え部
14 位置決めブロック
15 凹状抑え部(係止手段)
18 ストッパプレート(係止手段)
20 係止ブロック(係止手段)
S 収納空間
ε 係止ブロック20の偏位量
α 背板10の傾き角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18