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  • 特開-温風暖房機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160240
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】温風暖房機
(51)【国際特許分類】
   F24H 3/06 20220101AFI20221012BHJP
【FI】
F24H3/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064873
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】藤川 朋保
(72)【発明者】
【氏名】小林 悠貴
(57)【要約】
【課題】対流ファンモータのモータリード線がファンフィルタと接触するのを防止できる温風暖房機を提供する。
【解決手段】対流ファン17を駆動する対流ファンモータ18を固定し器具本体1の背面側に縦方向に取り付ける対流ファンモータ固定板19と、対流ファンモータ固定板19に係止されるモータリード線32と、縦断面円弧状のファンフィルタ27と、器具本体1背面側に膨出し、上部から差し込まれるファンフィルタ27を案内する円弧状のフィルタ案内部30を有し、対流ファンモータ固定板19を収納する対流ファンケース26とを備え、対流ファンケース26にファンフィルタ27を差し込むと当接するフィルタ当接部25を対流ファンモータ固定板19の下部に設けたので、対流ファンケース26にファンフィルタ27を差し込んだ時にフィルタ当接部25が当接して、ファンフィルタ27がモータリード線32に接触することを防止できるものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、バーナ部と、該バーナ部からの燃焼ガスを流通させ外周を流通する空気と熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の後方に設けられた対流ファンと、該対流ファンを駆動する対流ファンモータと、前記対流ファンモータを固定するモータ固定部と該モータ固定部の上側及び下側を折り曲げてそれぞれ形成した折り曲げ部と該折り曲げ部を更に折り曲げて形成した脚部とを備え、前記器具本体の背面に縦方向に取り付ける対流ファンモータ固定板と、該対流ファンモータ固定板に係止されるモータリード線と、縦断面円弧状のファンフィルタと、上部から差し込まれる前記ファンフィルタを案内する前記器具本体背面側に膨出する円弧状のフィルタ案内部を有し、前記対流ファンモータ固定板を収納する対流ファンケースとを備えた温風暖房機に於いて、前記ファンフィルタを前記対流ファンケースの前記フィルタ案内部に差し込んだ時、前記ファンフィルタと当接するフィルタ当接部を前記対流ファンモータ固定板の下部に設けたことを特徴とする温風暖房機。
【請求項2】
前記フィルタ当接部を前記下側の前記折り曲げ部に形成したことを特徴とする請求項1記載の温風暖房機。
【請求項3】
前記フィルタ当接部の高さを前記モータリード線の太さよりも大きくしたことを特徴とする請求項2記載の温風暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石油等の燃料の燃焼による排気ガスと室内空気とを熱交換して暖房を行う温風暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、室外の空気をバーナ部に給気すると共にバーナ部に燃料を供給して燃焼させ、その燃焼ガスを外筒から外筒に接続されている熱交換器に供給した後、排気ガスとして室外に排気し、その熱交換器には対流ファンにより室内の空気を送気して、内部を通過する燃焼ガスにより高温となった熱交換器と送気された室内の空気とが熱交換されて、送気された室内の空気が温風となって室内の暖房を行うものがあった。
【0003】
そしてその対流ファンを駆動する対流ファンモータは、対流ファンモータ固定板に固定され、更に対流ファンモータ固定板は器具本体の背面に縦方向に取り付けられ、その対流ファンモータ固定板を器具本体の背面側に膨出させた対流ファンケースに収納していた。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-081104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、設置された器具本体の上の空間が狭くても対流ファンケースにファンフィルタが着脱できるように、ファンフィルタが縦断面円弧状に形成され、更に対流ファンケースのファンフィルタを案内するフィルタ案内部も円弧状に設けられていた。
【0006】
そのため、対流ファンケースのフィルタ案内部にファンフィルタを差し込むと、差し込み始めはファンフィルタの先端は対流ファンモータ固定板から離れていくが、更にファンフィルタを差し込んでいくと、ファンフィルタの先端は対流ファンモータ固定板に近づいていき、縦方向に取り付けられた対流ファンモータ固定板の下部で、対流ファンモータ固定板に沿わせて固定していた対流ファンモータのモータリード線が、ファンフィルタの先端と接触してしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、器具本体と、バーナ部と、該バーナ部からの燃焼ガスを流通させ外周を流通する空気と熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の後方に設けられた対流ファンと、該対流ファンを駆動する対流ファンモータと、前記対流ファンモータを固定するモータ固定部と該モータ固定部の上側及び下側を折り曲げてそれぞれ形成した折り曲げ部と該折り曲げ部を更に折り曲げて形成した脚部とを備え、前記器具本体の背面に縦方向に取り付ける対流ファンモータ固定板と、該対流ファンモータ固定板に係止されるモータリード線と、縦断面円弧状のファンフィルタと、上部から差し込まれる前記ファンフィルタを案内する前記器具本体背面側に膨出する円弧状のフィルタ案内部を有し、前記対流ファンモータ固定板を収納する対流ファンケースとを備えた温風暖房機に於いて、前記ファンフィルタを前記対流ファンケースの前記フィルタ案内部に差し込んだ時、前記ファンフィルタと当接するフィルタ当接部を前記対流ファンモータ固定板の下部に設けたものである。
【0008】
又、請求項2では、前記フィルタ当接部を前記下側の前記折り曲げ部に形成したものである。
【0009】
又、請求項3では、前記フィルタ当接部の高さを前記モータリード線の太さよりも大きくしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1によれば、ファンフィルタを対流ファンケースのフィルタ案内部に差し込んだ時、ファンフィルタと当接するフィルタ当接部を対流ファンモータ固定板の下部に設けたので、ファンフィルタとフィルタ当接部が当接して、ファンフィルタがモータリード線に接触することを防止できるものである。
【0011】
又、請求項2によれば、フィルタ当接部を下側の折り曲げ部に形成したので、ファンフィルタと最も接近する折り曲げ部に形成したフィルタ当接部にファンフィルタが当接することで、確実にファンフィルタがモータリード線に接触することを防止できるものである。
【0012】
又、請求項3によれば、フィルタ当接部の高さを前記モータリード線の太さよりも大きくしたので、ファンフィルタがモータリード線に当接する前に必ずフィルタ当接部に当接し、確実にファンフィルタがモータリード線に接触することを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示す温風暖房機の正面斜視図。
図2】同前面板を外した状態を示す正面斜視図。
図3】同ファンフィルタを差し込む途中の状態を示す背面斜視断面図。
図4】同対流ファンモータ固定板の正面図。
図5】同側面図。
図6】同ファンフィルタを差し込んだ状態を示す要部断面図。
図7】同拡大した要部断面図。
図8】同対流ファンモータ固定板の下部を示す要部斜視図。
図9】同フィルタ当接部を示す要部斜視図。
図10】同ファンフィルタとフィルタ当接部が接触している状態を示す要部平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
?次に、この発明を適用した温風暖房機の一実施形態を図面に基づいて説明する。
?1は器具本体で、前面略中央に温風を吹き出す吹き出し口2を設けると共に、前面上部に運転スイッチ3や温度設定スイッチ4等の複数のボタンと温度や時間を表示する表示部5とが一体となった操作・表示ユニット6が設けられ、又背面には屋外の空気を温風暖房機に給気するための給気管7と温風暖房機の排気ガスを屋外に排気するための排気管8とが設けられ、給排気筒(図示せず)に接続されているものである。
【0015】
9は?バーナ部で、燃料供給手段10である燃料ポンプから送られてきた灯油と燃焼用送風機11から送られてくる燃焼用空気とにより燃焼を行い、燃焼ガスを排気ガスとして導く外筒12の一端がバーナ部9に接続されているものである。
【0016】
13は?箱状の排気室で、該排気室13の右側面の下側に外筒12の他端が取り付けられ、内部には外筒12から流入する排気ガスを迂回させて通過させるための仕切板(図示せず)を設けたものである。
【0017】
?14は熱交換器で、3個の偏平箱形の熱交換部15の一端が排気室13の右側面の上側に接続されると共に、各熱交換部15は水平状態で上下に三段に配置して設けられ、更に各熱交換部15は前側が後側よりも低くなるように斜めに設けられているものである。
【0018】
16は各熱交換部15の他端が接続され、各熱交換部15流通後の排気ガスを再び集合させる排気集合室で、内方には各熱交換部15からの排気ガスが衝突する1枚板から成る整流板(図示せず)が備えられ、各熱交換部15の他端が接続される側の反対側に屋外と連通している給排気筒の排気管8が接続されている。
【0019】
17は器具本体1の背面に設けられた対流ファンで、対流ファンモータ18により駆動され、室内空気を吸引しこれを外筒12及び熱交換器14に向かって送風して排気ガスと熱交換させて温風とし、吹き出し口2から吹き出して室内を温風暖房するものである。
【0020】
19は対流ファンモータ固定板で、前記器具本体1の背面に縦方向に取り付けられ、長方形状のモータ固定部20の中心に前記対流ファンモータ18を固定し、該モータ固定部20の上側及び下側を折り曲げてそれぞれ折り曲げ部21を形成し、該折り曲げ部21の先端部分を更に折り曲げて脚部22を形成したもので、該脚部22を前記器具本体1の背面に縦方向に取り付けて固定されるものである。
【0021】
前記モータ固定部20の上部中央及び下部中央には、モータ固定部20から折り曲げ部21にかけて空気が通過するための通気部23がそれぞれ形成され、該通気部23の周縁及び対流ファンモータ固定板19の両端で上側の折り曲げ部21から下側の折り曲げ部21にかけて立ち部24がそれぞれ形成され、更に、前記下側の折り曲げ部21で通気部23の周縁左右の立ち部24に、それぞれフィルタ当接部25が設けられているものである。
【0022】
26は対流ファンケースで、対流ファン17及び対流ファンモータ18が固定されている対流ファンモータ固定板19の上下左右を囲うように前記器具本体1の背面に取り付けられ、対流ファンケース26の上面には長方形で縦断面円弧状のファンフィルタ27を抜き差しするためのフィルタ着脱口28が形成され、一端が前記器具本体1の背面に取り付けられた左右の側板29の他端側には差し込まれたファンフィルタ27を案内する前記器具本体背面側に膨出する円弧状のフィルタ案内部30を有するものである。
又、前記フィルタ案内部30の下端には差し込まれたファンフィルタ27の先端部分を受ける溝部31が設けられているものである。
【0023】
32はモータリード線で、前記対流ファンモータ18に電源供給するもので、前記器具本体1内から前記対流ファンモータ18にかけて前記対流ファンモータ固定板19の側面部分に結束バンド等の固定部材により固定されるものである。
【0024】
次にこのファンフィルタ27の着脱動作を図面に示された好適な一実施形態で説明する。
まず図3に示すように、フィルタ着脱口28にファンフィルタ27を差し込んでいくと、円弧状のフィルタ案内部30によってファンフィルタ27の先端は、対流ファンモータ固定板19の上側のモータ固定部20から折り曲げ部21にかけての円弧状の部分に近づいていくが、そこを通過すると、対流ファンモータ固定板19から離れていき、モータ固定部20の中心付近で一番離れた状態となる。
【0025】
そしてモータ固定部20の中心付近を通過すると逆に対流ファンモータ固定板19に近づいて行き、ファンフィルタ27の先端が、対流ファンモータ固定板19の下側の折り曲げ部21に形成されているフィルタ当接部25に接触する。
【0026】
この時、図9に示すように、ファンフィルタ27の先端が最初に接触するフィルタ当接部25の上端は緩やかに曲線状に形成されているので、ファンフィルタ27の先端がフィルタ当接部25に接触してからもスムーズにファンフィルタ27が差し込めるものである。
又、フィルタ当接部25がファンフィルタ27を差し込んだときに、フィルタ当接部25がガイドとして作用し、ファンフィルタ27の先端が器具本体1の内部方向に歪むことを防止できるものである。
【0027】
そして更にファンフィルタ27を差し込んでいくと、ファンフィルタ27の先端がフィルタ当接部25に接触したまま更に溝部31に到達してファンフィルタ27の差し込みが終了するものである。
【0028】
このファンフィルタ27の先端が溝部31に到達した時、フィルタ当接部25の先端は、フィルタ案内部30の内面よりも器具本体1背面へ僅かに突出しているので、ファンフィルタ27は左右方向の中央付近が僅かに器具本体1背面側にたわみ、フィルタ当接部25がファンフィルタ27の先端を器具本体1背面へ溝部31に押し当てる状態となり、それがファンフィルタ27を差し込む手に固定感として伝わり、ファンフィルタ27の装着感が向上するものである。
【0029】
又、図10に示すように、本一実施形態では、モータリード線32の直径が5mmに対して、フィルタ当接部25の高さが6mmなので、ファンフィルタ27を抜き差しするときに、フィルタ当接部25の脇に這わせて固定されているモータリード線32にファンフィルタ27が接触することがなく、ファンフィルタ27の接触によるモータリード線32の破損を防止できるものである。
【符号の説明】
【0030】
1 器具本体
9 バーナ部
14 熱交換器
17 対流ファン
18 対流ファンモータ
19 対流ファンモータ固定板
20 モータ固定部
21 折り曲げ部
22 脚部
25 フィルタ当接部
26 対流ファンケース
27 ファンフィルタ
30 フィルタ案内部
32 モータリード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10