(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160250
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】画像投射装置及び画像投射方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20221012BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20221012BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20221012BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20221012BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20221012BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20221012BHJP
G02B 7/14 20210101ALI20221012BHJP
【FI】
G03B21/14 D
G03B21/00 D
H04N5/74 A
G02B7/02 C
G02B7/08 C
G03B17/14
G02B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064889
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】須永 寛
【テーマコード(参考)】
2H044
2H101
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2H044AC02
2H044DA03
2H044DC01
2H044HB00
2H101EE08
2K203GC02
2K203GC14
2K203GC19
2K203GC20
2K203HB07
2K203HB08
2K203KA38
2K203KA44
2K203KA63
2K203MA23
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA12
5C058EA26
(57)【要約】
【課題】投射レンズをシフト位置へ容易に移動することが可能な画像投射装置及び画像投射方法を提供する。
【解決手段】投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する画像投射装置であって、前記投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する取得部と、前記目標位置と前記停止位置とに基づき、前記シフト位置の補正に用いる補正値を算出する算出部と、前記目標位置と前記補正値とを関連付けた補正情報を記憶する記憶部と、前記投射レンズを前記シフト位置へ移動させる場合に、前記記憶部に記憶された前記補正情報から前記シフト位置に対応する前記目標位置に関連付けられた前記補正値を取得し、当該補正値で前記シフト位置を補正する補正部と、を備える、画像投射装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する画像投射装置であって、
前記投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する取得部と、
前記目標位置と前記停止位置とに基づき、前記シフト位置の補正に用いる補正値を算出する算出部と、
前記目標位置と前記補正値とを関連付けた補正情報を記憶する記憶部と、
前記投射レンズを前記シフト位置へ移動させる場合に、前記記憶部に記憶された前記補正情報から前記シフト位置に対応する前記目標位置に関連付けられた前記補正値を取得し、当該補正値で前記シフト位置を補正する補正部と、
を備える、画像投射装置。
【請求項2】
前記取得部は、1つの前記目標位置に関して、前記停止位置を複数回取得する、
請求項1に記載の画像投射装置。
【請求項3】
前記算出部は、1つの前記目標位置に関して、当該目標位置と前記取得部によって取得された複数の停止位置の各々との誤差を算出し、得られた複数の誤差の平均値を補正値として算出し、
前記補正部は、前記誤差の平均値で前記シフト位置を補正する、
請求項2に記載の画像投射装置。
【請求項4】
前記投射レンズが交換された場合に、
前記取得部は、前記停止位置を取得し、
前記算出部は、前記補正値を算出し、
前記記憶部は、前記補正情報を記憶する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像投射装置。
【請求項5】
前記取得部は、交換後の前記投射レンズが、交換前の前記投射レンズの位置から所定の範囲内にある前記目標位置の方向へ移動した際の前記停止位置のみを取得する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像投射装置。
【請求項6】
投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する画像投射装置の画像投射方法であって、
取得部が、前記投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する取得工程と、
算出部が、前記目標位置と前記停止位置とに基づき、前記シフト位置の補正に用いる補正値を算出する算出工程と、
記憶部が、前記目標位置と前記補正値とを関連付けた補正情報を記憶する記憶工程と、
補正部が、前記投射レンズを前記シフト位置へ移動させる場合に、前記記憶部に記憶された前記補正情報から前記シフト位置に対応する前記目標位置に関連付けられた前記補正値を取得し、当該補正値で前記シフト位置を補正する補正工程と、
を含む、画像投射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投射装置及び画像投射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ等の画像投射装置には、投射レンズの位置を移動するレンズシフト機能を有する機種がある。当該機種において、ユーザは、例えばリモコン操作やWeb UI(User Interface)からの操作によって、投射レンズの位置を任意の位置に移動させることができる。
【0003】
投射レンズの位置を目的の位置へ移動させる精度は、ユーザの熟練度に依存する。そこで、画像投射装置には、レンズシフト機能によって投射レンズをシフトさせる位置(以下、「シフト位置」とも称される)を記憶し、記憶したシフト位置に投射レンズを移動させる機能が備えられている。
画像投射装置は、投射レンズの位置を移動する際に、当該機能によって記憶されているシフト位置を呼び出し、呼び出したシフト位置に投射レンズを移動する。当該機能は、例えば、投射レンズの交換時に交換後の投射レンズの位置を交換前の投射レンズの位置と同じ位置に設定する場合に利用される。また、当該機能は、例えば、画像投射装置の設置時に投射レンズの位置を調整する際に、投射レンズの位置を調整した後に投射レンズの位置を元に戻したい場合にも利用される。
これにより、ユーザは、熟練度に依存することなく、投射レンズの移動を精度高く行うことができる。
【0004】
投射レンズは、レンズシフト機能の動作停止時にモータを駆動するための電流を止めたとしても、モータの惰性によって移動してしまう。そのため、投射レンズの移動後の目標とする位置と、実際に移動された位置とに誤差が生じる。
そこで、従来の方法では、レンズシフト機能の動作停止時にモータの惰性により投射レンズが一定量移動することを考慮して補正したシフト位置を記憶しておき、投射レンズの移動時に当該シフト位置を呼び出すことで、投射レンズを目標とする位置で停止するようにしている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、レンズシフト機能の動作停止時にモータの惰性により生じる位置の誤差は、投射レンズの種類や経年劣化、画像投射装置本体の設置環境の温度や設置状況等により異なる。そのため、補正して記憶されたシフト位置を呼び出して当該シフト位置へ投射レンズを移動させたとしても、当該シフト位置と投射レンズが実際に停止した位置とに誤差が生じる場合があった。この場合、最終的な微調整をユーザが手動で行う必要があり、ユーザにとって手間であった。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、投射レンズをシフト位置へ容易に移動することが可能な画像投射装置及び画像投射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像投射装置は、投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する画像投射装置であって、前記投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する取得部と、前記目標位置と前記停止位置とに基づき、前記シフト位置の補正に用いる補正値を算出する算出部と、前記目標位置と前記補正値とを関連付けた補正情報を記憶する記憶部と、前記投射レンズを前記シフト位置へ移動させる場合に、前記記憶部に記憶された前記補正情報から前記シフト位置に対応する前記目標位置に関連付けられた前記補正値を取得し、当該補正値で前記シフト位置を補正する補正部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る画像投射方法は、投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する画像投射装置の画像投射方法であって、取得部が、前記投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する取得工程と、算出部が、前記目標位置と前記停止位置とに基づき、前記シフト位置の補正に用いる補正値を算出する算出工程と、記憶部が、前記目標位置と前記補正値とを関連付けた補正情報を記憶する記憶工程と、補正部が、前記投射レンズを前記シフト位置へ移動させる場合に、前記記憶部に記憶された前記補正情報から前記シフト位置に対応する前記目標位置に関連付けられた前記補正値を取得し、当該補正値で前記シフト位置を補正する補正工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、投射レンズをシフト位置へ容易に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像投射システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像投射装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る目標位置の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る水平方向の誤差の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る垂直方向の誤差の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る投射レンズの移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態に係る水平方向の移動誤差平均の取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態に係る垂直方向の移動誤差平均の取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態に係る画像投射装置の最小構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.画像投射システムの構成>
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像投射システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像投射システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、画像投射システム1は、画像投射装置10と、映像信号入力装置20と、リモコン装置30と、被投射面40とを備える。
【0014】
(1)画像投射装置10
画像投射装置10は、例えば、プロジェクタである。画像投射装置10は、有線もしくは無線で映像信号入力装置20と接続し、映像信号入力装置20から受信した映像信号に基づいて表示画像を生成する。画像投射装置10は、生成した表示画像を被投射面40に投射する。
画像投射装置10は、投射レンズをシフト位置へ移動させるレンズシフト機能を有する。シフト位置は、基準位置から水平方向あるいは垂直方向の位置である。画像投射装置10は、例えば、ユーザによるリモコン装置30の操作に応じて、投射レンズをシフト位置へ移動させる。
【0015】
なお、画像投射装置10は、プロジェクタに限定されない。例えば、画像投射装置10は、映写機であってもよい。また、ユーザによるレンズシフト機能に関する操作は、リモコン装置30からの操作に限定されない。例えば、ユーザによるレンズシフト機能に関する操作は、Web UI(User Interface)からの操作であってもよい。
【0016】
(2)映像信号入力装置20
映像信号入力装置20は、例えば、パソコンやスマートフォンなどである。映像信号入力装置20は、映像信号を画像投射装置10に送信する。
【0017】
(3)リモコン装置30
リモコン装置30は、画像投射装置10に対する制御を行う制御指示を画像投射装置10に入力する。
【0018】
(4)被投射面40
被投射面40は、例えば、スクリーンである。被投射面40には、表示画像が画像投射装置10から投射される。
【0019】
<2.画像投射装置の機能構成>
以上、本発明の実施形態に係る画像投射システム1の構成について説明した。続いて、
図2から
図5を参照して、本発明の実施形態に係る画像投射装置10の機能構成について説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係る画像投射装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、画像投射装置10は、画像処理部11と、受信部12と、投射部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0021】
(1)画像処理部11
画像処理部11は、映像信号入力装置20から受信した映像信号に画質向上などの映像信号処理を施し、投射部13へ送信する。
【0022】
(2)受信部12
受信部12は、画像投射装置10に対する制御を行う制御指示をリモコン装置30から受信し、受信した制御指示を制御部15に送信する。
受信部12は、例えば、電源起動信号や、投射レンズの移動指示や、投射レンズのズーム比および投射サイズの変更指示などを、リモコン装置30から受信して、制御部15に送信する。
【0023】
(3)投射部13
投射部13は、画像処理部11から出力された映像信号処理された映像信号を被投射面40に投射する。
投射部13は、例えば、光源部131と、光学部132と、投射レンズ133と、駆動部134とを備える。
【0024】
(3-1)光源部131
光源部131は、例えば、水銀ランプ、レーザー、発光ダイオードである。光源部131は、光を照射する指示である照射指示を制御部15から受信し、照射光を光学部132に照射する。
【0025】
(3-2)光学部132
光学部132は、映像信号を画像処理部11から受信する。光学部132は、当該映像信号と光源部131の照射光に基づいて表示画像を生成し、液晶パネル等の表示パネルに表示する。
【0026】
(3-3)投射レンズ133
投射レンズ133は、電動レンズもしくは手動レンズである。投射レンズ133は、光学部132により生成された表示画像を被投射面40に投射する。
なお、投射部13は、種別の異なる複数の投射レンズ133を付け替えて装着可能である。
【0027】
(3-4)駆動部134
駆動部134は、例えば、モータである。駆動部134は、投射レンズ133を移動させる。駆動部134は、例えば、制御部15から入力される駆動指示に応じて、投射レンズ133を移動させる。駆動指示には、例えば、投射レンズ133を任意の位置からシフト位置へ移動させる指示や、投射レンズ133をシフト位置から他のシフト位置へ移動させる指示や、投射レンズ133を基準位置から目標となる位置(以下「目標位置」とも称される)の方向へ移動させる指示や、投射レンズ133を停止位置から基準位置へ移動させる指示等が含まれる。
基準位置は、投射レンズ133を目標位置の方向へ移動させた際に、目標位置と投射レンズ133の停止位置との間に生じる誤差を取得するための基準となる位置である。
当該誤差は、モータの惰性によって生じる。当該誤差の取得時、駆動部134は、基準位置から投射レンズ133の移動を開始する。
【0028】
(4)記憶部14
記憶部14は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0029】
記憶部14は、目標位置と、シフト位置の補正に用いられる補正値とを関連付けた補正情報を記憶する。補正値は、例えば、1つの目標位置に対する複数の停止位置の各々との誤差の平均値(以下、「移動誤差平均」とも称される)である。1つの目標位置に対する停止位置との誤差が1つしかない場合、当該1つの誤差が補正値であってもよい。また、記憶部14は、レンズの種類や画像投射装置10の設置環境に依存しないシフト位置の補正値(以下、「固定の補正値」とも称される)も記憶する。
なお、補正情報や固定の補正値は、レンズの種類や画像投射装置10の設置環境ごとに用意されてもよい。
【0030】
(5)制御部15
制御部15は、画像投射装置10全般の動作を制御する機能を有する。制御部15は、例えば、画像投射装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように制御部15は、取得部151と、算出部152と、補正部153と、駆動制御部154とを備える。
【0031】
(5-1)取得部151
取得部151は、投射レンズ133を基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する。目標位置は、基準位置から水平方向の任意の位置あるいは基準位置から垂直方向の任意の位置である。取得部151は、例えば、レンズマウント側の水平方向及び垂直方向のそれぞれに設けられているポテンションメータの値を基に停止位置を取得する。
【0032】
本実施形態では、取得部151は、投射レンズ133が交換された場合に、停止位置を取得する。なお、取得部151が停止位置を取得するタイミングは、かかる例に限定されない。例えば、取得部151は、画像投射装置10が設置されたタイミングで停止位置を取得してもよい。
【0033】
取得部151は、複数の停止位置を取得する。例えば、取得部151は、投射レンズ133を基準位置から複数の異なる目標位置の各々の方向へ移動させた際の停止位置をそれぞれ取得することで、複数の停止位置を取得する。複数の異なる目標位置は、水平方向のみにおける複数の異なる目標位置であってもよいし、垂直方向のみにおける複数の異なる目標位置であってもよいし、水平方向及び垂直方向の両方における複数の異なる目標値であってもよい。
また、取得部151は、1つの目標位置に関して、投射レンズ133を基準位置から当該目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を複数回取得することで、複数の停止位置を取得してもよい。
【0034】
なお、取得部151は、交換後の投射レンズ133が、交換前の投射レンズ133の位置から所定の範囲内にある目標位置の方向へ移動した際の停止位置のみを取得してもよい。
【0035】
ここで、
図3を参照して、本発明の実施形態に係る目標位置について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る目標位置の一例を示す図である。
図3に示す例では、H1からHN(Nは自然数)のN個の位置の各々が水平方向の目標位置であり、V1からVNのN個の位置の各々が垂直方向の目標位置である。
【0036】
投射レンズ133は、
図3に示す基準位置から各目標位置に向けて移動される。例えば、水平方向の目標位置H1に対する停止位置を取得する場合、投射レンズ133は基準位置から目標位置H1に向けて移動される。取得部151によって目標位置H1に対する停止位置が取得された後、投射レンズ133は基準位置へ戻される。続いて、目標位置H2に対する停止位置を取得する場合、投射レンズ133は基準位置から目標位置H2に向けて移動される。
垂直方向の場合も同様に、垂直方向の目標位置V1に対する停止位置を取得する場合、投射レンズ133は基準位置から目標位置V1に向けて移動される。取得部151によって目標位置V1に対する停止位置が取得された後、投射レンズ133は基準位置へ戻される。続いて、目標位置V2に対する停止位置を取得する場合、投射レンズ133は基準位置から目標位置V2に向けて移動される。
【0037】
(5-2)算出部152
算出部152は、目標位置と停止位置とに基づき、シフト位置の補正に用いる補正値を算出する。具体的に、算出部152は、目標位置と、投射レンズ133が当該目標位置の方向へ移動された際に取得部151によって取得された停止位置との差分を、目標位置と停止位置との誤差として算出する。算出部152は、1つの目標位置に対して取得部151によって得られた複数の停止位置から、1つの目標位置に関して複数の誤差を算出する。算出部152は、得られた複数の誤差の平均値(移動誤差平均)を算出する。当該移動誤差平均が補正値である。算出部152は、目標位置と、当該目標位置に関して算出した補正値(移動誤差平均)とを関連付けた補正情報を記憶部14に書き込んで記憶させる。
このように、1つの目標位置に関して停止位置が複数回取得されている場合、算出部152は、1つの目標位置に関して、当該目標位置と取得部151によって取得された複数の停止位置の各々との誤差を算出し、得られた複数の誤差の平均値を補正値として算出する。
【0038】
なお、目標位置と停止位置の差分から得られた1つの誤差をそのまま補正値として用いることも考えられる。しかしながら、モータの惰性によって生じる誤差の大きさは常に同じであるとは限らないため、当該補正値によるシフト位置の補正効果をあまり期待できない場合がある。
例えば、投射レンズ133を移動する距離、ギアの噛み具合、モータの劣化具合などによって誤差の大きさは異なり得る。そのため、目標位置と停止位置の差分から得られた1つの誤差をそのまま補正値して用いると、当該補正値が得られた状況と投射レンズ133をシフト位置へ移動した状況とが異なる場合、シフト位置の補正の精度が低くなる。
【0039】
そこで、本実施形態のように、様々な目標位置の各々に対して投射レンズ133の移動を複数回繰り返すことで、様々なシチュエーションを考慮した停止位置を複数取得することができる。そして、得られた複数の停止位置に基づき算出される移動誤差平均を補正値として用いることで、1つの誤差をそのまま補正値として用いる場合と比較し、精度高くシフト位置の補正を行うことができる。
【0040】
以下、取得部151による停止位置の取得から記憶部14による補正情報の記憶までの一連の処理のことを「キャリブレーション処理」と称する。キャリブレーション処理は、例えば、投射レンズ133が交換された際や、画像投射装置10が新しく設置された際や、画像投射装置10の設置位置が変更された際などに行われる。
これにより、画像投射装置10は、交換後のレンズの種類や、新しく設置された画像投射装置10の種類(機種)や、変更後の設置位置の設置環境に応じた補正情報を取得することができる。よって、画像投射装置10は、レンズの種類、画像投射装置10の種類、設置環境に応じたシフト位置の補正を行うことができる。
【0041】
ここで、
図4及び
図5を参照して、目標位置と停止位置との誤差について具体的に説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る水平方向の誤差の一例を示す図である。
図5は、本発明の実施形態に係る垂直方向の誤差の一例を示す図である。
図4及び
図5に示す例では、各目標位置においてM回(Mは自然数、M≧2)ずつ誤差が算出され、それぞれ移動誤差平均(Hn_ave、Vn_ave)が算出されている。
【0042】
図4には、目標位置H1に関して、1回目の移動における誤差が-1、2回目の移動における誤差が+1、M回目の移動における誤差が0、移動誤差平均(Hn_ave)が0である例が示されている。また、目標位置H2に関して、1回目の移動における誤差が+4、2回目の移動における誤差が+3、M回目の移動における誤差が+2、移動誤差平均が+3である例が示されている。目標位置HNに関して、1回目の移動における誤差が+6、2回目の移動における誤差が+5、M回目の移動における誤差が+7、移動誤差平均が+6である例が示されている。
【0043】
図5には、目標位置V1に関して、1回目の移動における誤差が-1、2回目の移動における誤差が-2、M回目の移動における誤差が0、移動誤差平均(Vn_ave)が-1である例が示されている。また、目標位置V2に関して、1回目の移動における誤差が-2、2回目の移動における誤差が-3、M回目の移動における誤差が-1、移動誤差平均が-2である例が示されている。目標位置VNに関して、1回目の移動における誤差が-5、2回目の移動における誤差が-6、M回目の移動における誤差が-7、移動誤差平均が-6である例が示されている。
【0044】
(5-3)補正部153
補正部153は、ユーザによって投射レンズ133の移動先として指定されたシフト位置を補正する。補正部153は、投射レンズ133をシフト位置へ移動させる場合に、記憶部14に記憶された補正情報から当該シフト位置に対応する目標位置に関連付けられた補正値を取得し、当該補正値でシフト位置を補正する。
なお、補正情報が記憶部14に記憶されていない場合、即ちキャリブレーション処理が実行されていない場合、補正部153は、記憶部14に記憶されている固定の補正値でシフト位置を補正してもよい。
【0045】
例えば、補正部153は、記憶部14に記憶された補正情報を参照し、シフト位置と一致する目標位置に関連付けられた移動誤差平均を補正値として取得する。補正部153は、取得した移動誤差平均でシフト位置を補正する。
なお、誤差が1つしか取得されておらず、移動誤差平均が算出されていない場合、補正部153は、取得されている1つの誤差を補正値として取得してもよい。
【0046】
シフト位置と一致する目標位置が存在しない場合、補正部153は、シフト位置に近い目標位置に関連付けられた移動誤差平均を補正値として取得する。例えば、補正部153は、シフト位置に最も近い目標位置に関連付けられた移動誤差平均を補正値として取得する。
【0047】
また、補正部153は、シフト位置に近い目標位置が複数存在する場合、複数の目標値の各々に関連付けられている移動誤差平均に基づき、補正値を取得する。例えば、補正部153は、取得した複数の移動誤差平均の平均値を補正値として算出する。このように、1つのシフト位置に関して、該当する補正値が複数存在する場合、補正部153は、複数の補正値の平均値を補正値として取得してもよい。
【0048】
(5-4)駆動制御部154
駆動制御部154は、補正部153によって補正されたシフト位置へ投射レンズ133を移動するよう駆動部134を制御する。
【0049】
<3.処理の流れ>
以上、本発明の実施形態に係る画像投射装置10の機能構成について説明した。続いて、
図6から
図8を参照して、本発明の実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0050】
(1)投射レンズの移動処理の流れ
まず、
図6を参照して、投射レンズ133の移動処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る投射レンズ133の移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0051】
図6に示すように、まず、画像投射装置10は、投射レンズ133の交換が行われたか否かを確認する(ステップS101)。
投射レンズ133の交換が行われた場合(ステップS101/YES)、処理をステップS102へ進める。一方、投射レンズ133の交換が行われていない場合(ステップS101/NO)、処理をステップS105へ進める。
【0052】
処理がステップS102へ進んだ場合、画像投射装置10は、投射レンズ133のキャリブレーション処理を実行するか否かをユーザに確認する(ステップS102)。
キャリブレーション処理を実行する場合(ステップS102/YES)、処理をステップS103へ進める。一方、キャリブレーション処理を実行しない場合(ステップS102/NO)、処理をステップS105へ進める。
【0053】
処理がステップS103へ進んだ場合、画像投射装置10は、水平方向の移動誤差平均を取得する(ステップS103)。水平方向の移動誤差平均を取得する処理の詳細は後述する。水平方向の移動誤差平均の取得後、処理をステップS104へ進める。
【0054】
水平方向の移動誤差平均の取得後、画像投射装置10は、垂直方向の移動誤差平均を取得する(ステップS104)。垂直方向の移動誤差平均を取得する処理の詳細は後述する。垂直方向の移動誤差の取得後、処理をステップS105へ進める。なお、ステップS103とステップS104の処理の順番は逆であってもよい。
【0055】
処理がステップS105へ進んだ場合、画像投射装置10は、ユーザが投射レンズ133を移動させた際の移動後の任意の位置をシフト位置として登録する(ステップS105)。
【0056】
シフト位置の登録後、登録したシフト位置へ投射レンズ133を移動するために当該シフト位置を呼び出す(ステップS106)。
【0057】
シフト位置が呼び出された場合、画像投射装置10は、キャリブレーション処理が実行済みであるか否かを確認する(ステップS107)。
キャリブレーション処理が実行済みである場合(ステップS107/YES)、画像投射装置10は、処理をステップS108へ進める。一方、キャリブレーション処理が実行済みでない場合(ステップS107/NO)、画像投射装置10は、処理をステップS109へ進める。
【0058】
処理がステップS108へ進んだ場合、画像投射装置10は、キャリブレーション処理で取得した移動誤差平均でシフト位置を補正する(ステップS108)。
【0059】
処理がステップS109へ進んだ場合、画像投射装置10は、固定の補正値でシフト位置を補正する(ステップS109)。
【0060】
シフト位置の補正後、画像投射装置10は、補正後のシフト位置へ投射レンズ133を移動させる(ステップS110)。
【0061】
(2)水平方向の移動誤差平均の取得処理の流れ
続いて、
図7を参照して、水平方向の移動誤差平均の取得処理(ステップS103)の流れについて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る水平方向の移動誤差平均の取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
なお、水平方向の移動誤差平均の取得処理において、Sumは投射レンズ133を移動するごとに取得される誤差の合計である。Nは、移動誤差平均を取得する目標位置の個数である。nは、移動誤差平均が取得された目標位置の個数である。Mは、1つの目標位置に対して誤差を取得する回数である。mは、1つの目標位置に対して誤差が取得された回数である。
【0062】
図7に示すように、まず、画像投射装置10は、Sum、n、及びmを0で初期化し、Nを目標位置の個数、Mを誤差の取得を試行する回数で初期化する(ステップS201)。
【0063】
次いで、画像投射装置10は、n<Nであるか否かを判定する(ステップS202)。
n<Nである場合(ステップS202/YES)、画像投射装置10は、処理をステップS203へ進める。一方、n<Nでない場合(ステップS202/NO)、画像投射装置10は、水平方向の移動誤差平均の取得処理を終了する。
【0064】
処理がステップS203へ進んだ場合、画像投射装置10は、m<Mであるか否かを判定する(ステップS203)。
m<Mである場合(ステップS203/YES)、画像投射装置10は、処理をステップS204へ進める。一方、m<Mでない場合(ステップS203/NO)、画像投射装置10は、処理をステップS209へ進める。
【0065】
処理がステップS204へ進んだ場合、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置に移動する(ステップS204)。
次いで、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置から目標位置Hnの方向へ移動する(ステップS205)。
次いで、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置から目標位置Hnの方向へ移動した際の誤差を算出する(ステップS206)。具体的に、画像投射装置10は、目標位置と停止位置との差分を誤差として算出する。
誤差の算出後、画像投射装置10は、算出済みの誤差の合計値Sumを算出する(ステップS207)。
Sumの算出後、画像投射装置10は、mの値を1だけカウントアップする(ステップS208)。カウントアップ後、画像投射装置10は、m<Mでなくなるまで、ステップS203からステップS208の処理を繰り返す。
【0066】
処理がステップS209へ進んだ場合、画像投射装置10は、基準位置から目標位置Hnの方向へ投射レンズ133をM回移動した場合の移動誤差平均(Hn_ave)を算出する(ステップS209)。具体的に、画像投射装置10は、SumをMで除算することで移動誤差平均を算出する。
画像投射装置10は、算出した移動誤差平均を記憶部14に保存(記憶)させる(ステップS210)。
【0067】
次いで、画像投射装置10は、m及びSumを0で初期化する(ステップS211)。初期化後、画像投射装置10は、nの値を1だけカウントアップする(ステップS212)。カウントアップ後、画像投射装置10は、n<Nでなくなるまで、ステップS202からステップS212の処理を繰り返す。
【0068】
(3)垂直方向の移動誤差平均の取得処理の流れ
続いて、
図8を参照して、垂直方向の移動誤差平均の取得処理(ステップS104)の流れについて説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る垂直方向の移動誤差平均の取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
なお、垂直方向の移動誤差平均の取得処理において、Sumは投射レンズ133を移動するごとに取得される誤差の合計である。Nは、移動誤差平均を取得する目標位置の個数である。nは、移動誤差平均が取得された目標位置の個数である。Mは、1つの目標位置に対して誤差を取得する回数である。mは、1つの目標位置に対して誤差が取得された回数である。
【0069】
図8に示すように、まず、画像投射装置10は、nを0で初期化する(ステップS301)。
【0070】
次いで、画像投射装置10は、n<Nであるか否かを判定する(ステップS302)。
n<Nである場合(ステップS302/YES)、画像投射装置10は、処理をステップS303へ進める。一方、n<Nでない場合(ステップS302/NO)、画像投射装置10は、垂直方向の移動誤差平均の取得処理を終了する。
【0071】
処理がステップS303へ進んだ場合、画像投射装置10は、m<Mであるか否かを判定する。
m<Mである場合(ステップS303/YES)、画像投射装置10は、処理をステップS304へ進める。一方、m<Mでない場合(ステップS303/NO)、画像投射装置10は、処理をステップS309へ進める。
【0072】
処理がステップS304へ進んだ場合、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置に移動する(ステップS304)。
次いで、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置から目標位置Vnの方向へ移動する(ステップS305)。
次いで、画像投射装置10は、投射レンズ133を基準位置から目標位置Vnの方向へ移動した際の誤差を算出する(ステップS306)。具体的に、画像投射装置10は、目標位置と停止位置との差分を誤差として算出する。
誤差の算出後、画像投射装置10は、算出済みの誤差の合計値Sumを算出する(ステップS307)。
Sumの算出後、画像投射装置10は、mの値を1だけカウントアップする。カウントアップ後、画像投射装置10は、m<Mでなくなるまで、ステップS303からステップS308の処理を繰り返す。
【0073】
処理がステップS309へ進んだ場合、画像投射装置10は、基準位置から目標位置Vnの方向へ投射レンズ133をM回移動した場合の移動誤差平均(Vn_ave)を算出する(ステップS309)。具体的に、画像投射装置10は、SumをMで除算することで移動誤差平均を算出する。
画像投射装置10は、算出した移動誤差平均を記憶部14に保存(記憶)させる(ステップS310)。
【0074】
次いで、画像投射装置10は、m及びSumを0で初期化する(ステップS311)。初期化後、画像投射装置10は、nの値を1だけカウントアップする(ステップS312)。カウントアップ後、画像投射装置10は、n<Nでなくなるまで、ステップS302からステップS312の処理を繰り返す。
【0075】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る画像投射装置10は、取得部151と、算出部152と、記憶部14と、補正部153とを備える。
取得部151は、投射レンズ133を基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する。算出部152は、目標位置と停止位置とに基づき、シフト位置の補正に用いる補正値を算出する。記憶部14は、目標位置と補正値とを関連付けた補正情報を記憶する。補正部153は、投射レンズ133をシフト位置へ移動させる場合に、記憶部14に記憶された補正情報からシフト位置に対応する目標位置に関連付けられた補正値を取得し、当該補正値でシフト位置を補正する。
【0076】
かかる構成により、本発明の実施形態に係る画像投射装置10は、投射レンズ133をレンズシフト機能によってシフト位置へ移動させる際に、シフト動作の停止時にモータの惰性によって動く量を考慮したシフト位置に投射レンズ133を移動する。これにより、ユーザは、画像投射装置10の設置時や投射レンズ133の交換時、モータの惰性によって動く量の調整を手動で行うことなく、投射レンズ133をシフト位置へ移動させることができる。
【0077】
よって、本発明の実施形態に係る画像投射装置10は、投射レンズ133をシフト位置へ容易に移動することを可能とする。
また、画像投射装置10の機能によって投射レンズ133をシフト位置へ容易に移動することができるため、ユーザは、画像投射装置10の設置時や投射レンズ133の交換時におけるメンテナンスにかかる時間を削減することもできる。
また、画像投射装置10の機能によって投射レンズ133をシフト位置へ移動させる精度が高まり、ユーザが手動でシフト位置を調整する必要がなくなるため、ユーザは各々の熟練度に依存することなく投射レンズ133の移動を行うことができる。
【0078】
<4.変形例>
続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0079】
モータの惰性により生じる誤差が基準位置から目標位置までの距離に依存しない場合、キャリブレーション処理において水平方向及び垂直方向の目標位置をそれぞれ1つずつにすることで、キャリブレーション処理にかかる時間を短縮してもよい。
【0080】
移動誤差平均を取得する目標位置の個数Nと、1つの目標位置に対して誤差を取得する回数Mは、ユーザが任意の値に設定可能であってよい。これにより、例えばユーザが投射レンズ133のキャリブレーション処理に時間がかかると判定した場合、ユーザは、NとMの値を調整することでキャリブレーション処理にかかる時間を短縮することができる。
【0081】
上述の実施形態では、基準位置の数が1つである例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、基準位置の数は複数であってもよい。基準位置の数が複数ある場合、画像投射装置10は、登録したシフト位置を再呼び出しして投射レンズ133を移動させる際に、当該投射レンズ133の現在の位置からより近い基準位置へ投射レンズ133を移動させてから、シフト位置へ移動させるようにしてもよい。これにより、画像投射装置10は、登録したシフト位置の再呼び出し時に基準位置へ移動するのにかかる時間を短縮することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、上述した各実施形態における画像投射装置10の全部又は一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0083】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0084】
さらに、
図9を参照して、本発明の実施形態に係る最小構成の画像投射装置50について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る画像投射装置50の最小構成を示すブロック図である。
図9に示すように、画像投射装置50は、少なくとも、取得部51と、算出部52と、記憶部53と、補正部54とを備える。
【0085】
取得部51は、投射レンズを基準位置から目標位置の方向へ移動させた際の停止位置を取得する。算出部52は、目標位置と停止位置とに基づき、シフト位置の補正に用いる補正値を算出する。記憶部53は、目標位置と補正値とを関連付けた補正情報を記憶する。補正部54は、投射レンズをシフト位置へ移動させる場合に、記憶部53に記憶された補正情報からシフト位置に対応する目標位置に関連付けられた補正値を取得し、当該補正値でシフト位置を補正する。
【符号の説明】
【0086】
1 画像投射システム
10 画像投射装置
11 画像処理部
12 受信部
13 投射部
14 記憶部
15 制御部
20 映像信号入力装置
30 リモコン装置
40 被投射面
50 画像投射装置
51 取得部
52 算出部
53 記憶部
54 補正部
131 光源部
132 光学部
133 投射レンズ
134 駆動部
151 取得部
152 算出部
153 補正部
154 駆動制御部