(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160251
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】除塵装置用噴出部、及び除塵ヘッド
(51)【国際特許分類】
B05B 1/14 20060101AFI20221012BHJP
B08B 5/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B05B1/14 Z
B08B5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064890
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】土居 広樹
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 雅之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀治
【テーマコード(参考)】
3B116
4F033
【Fターム(参考)】
3B116AA02
3B116AA47
3B116BB32
4F033AA04
4F033BA02
4F033DA05
4F033EA05
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】噴出部の長手方向において気体を均一に噴出しやすくすることができる除塵装置用噴出部を提供する。
【解決手段】除塵対象に吹き付ける気体を噴出する除塵装置用噴出部(70)であって、金属により短手方向と長手方向を有する矩形板状に形成された第1部材(71)と、一定の厚みの金属により矩形板状に形成され、短手方向の一端で開口する複数の切欠(73)が長手方向の全長にわたって隣接して形成された第2部材(72)と、金属により矩形板状に形成され、貫通孔(81)が形成された第3部材(80)と、を備え、第1部材と第3部材とで第2部材を挟んで一体に接合されており、第3部材には、貫通孔と複数の切欠とを連通させる流路(82)が形成されており、複数の切欠において開口端(73a)から所定範囲には、開口端に近付くほど長手方向における切欠の長さを長くする傾斜部(73b)が形成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除塵対象から塵を除去する除塵装置に用いられ、前記除塵対象に吹き付ける気体を噴出する除塵装置用噴出部であって、
金属により、短手方向と長手方向を有する矩形板状に形成された第1部材と、
一定の厚みの金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、前記短手方向の一端で開口する複数の切欠が前記長手方向の全長にわたって隣接して形成された第2部材と、
金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、貫通孔が形成された第3部材と、を備え、
前記第1部材と前記第3部材とで前記第2部材を挟んで一体に接合されており、
前記第3部材には、前記貫通孔と前記複数の切欠とを連通させる流路が形成されており、
前記複数の切欠において開口端から所定範囲には、前記開口端に近付くほど前記長手方向における前記切欠の長さを長くする傾斜部が形成されている、除塵装置用噴出部。
【請求項2】
前記第2部材において、前記切欠と前記切欠との間の部分である境界部は、前記長手方向における自身の中央を規定する中央線に関して線対称に形成されており、
前記長手方向において前記第2部材の両端部には、前記境界部を半割りした形状である半割部が形成されている、請求項1に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項3】
前記流路における前記開口端の側の端は、前記傾斜部よりも手前に位置している、請求項1又は2に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項4】
前記第2部材の厚みは、0.1~0.3[mm]である、請求項1~3のいずれか1項に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項5】
前記第3部材の厚みは、0.8~1.2[mm]であり、
前記第3部材の厚み方向における前記流路の深さは、0.4~0.6[mm]である、請求項4に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項6】
前記長手方向において、隣接する前記切欠の開口端同士の間隔は、0.5[mm]以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項7】
前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は拡散接合されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項8】
前記第3部材には、前記貫通孔が複数形成されており、
前記流路は、複数の前記貫通孔を、それぞれ同数の前記切欠に連通させている、請求項1~7のいずれか1項に記載の除塵装置用噴出部。
【請求項9】
請求項8に記載の除塵装置用噴出部と、
前記除塵装置用噴出部が取り付けられた本体と、を備える除塵ヘッドであって、
前記本体には、前記気体が供給される供給室と、前記供給室を外部に連通させる第1連通路と、前記供給室を複数の前記貫通孔にそれぞれ連通させる第2連通路と、が形成されている、除塵ヘッド。
【請求項10】
前記本体は直方体状に形成されており、
前記本体の底部には、前記長手方向において前記本体の全長にわたって延び、且つ前記本体の底面に対して所定角度をなす所定平面が形成されており、
前記除塵装置用噴出部は、前記切欠から前記気体が前記所定平面に平行に噴出されるように、前記所定平面に取り付けられている、請求項9に記載の除塵ヘッド。
【請求項11】
前記所定角度は、15~45[°]である、請求項10に記載の除塵ヘッド。
【請求項12】
前記所定角度は、25~35[°]である、請求項10又は11に記載の除塵ヘッド。
【請求項13】
前記第2連通路は、前記所定平面に開口しており、
前記貫通孔は、前記所定平面における前記第2連通路の開口端に対向しており、
前記所定平面において前記第2連通路の開口端の周囲には、シール部材を収納する収納溝が形成されており、
前記収納溝に収納された前記シール部材により、前記本体と前記除塵装置用噴出部との間がシールされている、請求項10~12のいずれか1項に記載の除塵ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光用マスクや基板等の精密な除塵対象から塵を除去する除塵装置に用いられ、除塵対象に吹き付ける気体を噴出する噴出部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の除塵装置用噴出部において、長手方向の略全長にわたるスリットからエア(気体)を噴出する除塵装置用噴出部がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、噴出されるエアの流速を高くするために、スリットの幅は例えば0.1[mm]というように非常に狭くされることが多い。このため、特許文献1に記載の除塵装置用噴出部では、機械加工等により、噴出部の長手方向全長にわたってスリットを均一の幅で形成することが困難である。これに対して、噴出部の長手方向においてスリットを複数に分割して形成することも考えられる。しかし、その場合はスリットとスリットとの間にエアを噴出しない部分が形成され、スリットとスリットとの間のエアの流れが弱くなる。したがって、噴出部の長手方向において、エアを均一に噴出することは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、噴出部の長手方向において気体を均一に噴出しやすくすることができる除塵装置用噴出部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
除塵対象から塵を除去する除塵装置に用いられ、前記除塵対象に吹き付ける気体を噴出する除塵装置用噴出部であって、
金属により、短手方向と長手方向を有する矩形板状に形成された第1部材と、
一定の厚みの金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、前記短手方向の一端で開口する複数の切欠が前記長手方向の全長にわたって隣接して形成された第2部材と、
金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、貫通孔が形成された第3部材と、を備え、
前記第1部材と前記第3部材とで前記第2部材を挟んで一体に接合されており、
前記第3部材には、前記貫通孔と前記複数の切欠とを連通させる流路が形成されており、
前記複数の切欠において開口端から所定範囲には、前記開口端に近付くほど前記長手方向における前記切欠の長さを長くする傾斜部が形成されている。
【0007】
上記構成によれば、除塵装置用噴出部は、除塵対象から塵を除去する除塵装置に用いられ、前記除塵対象に吹き付ける気体を噴出する。第1部材は、金属により、短手方向と長手方向を有する矩形板状に形成されている。第2部材は、一定の厚みの金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、前記短手方向の一端で開口する複数の切欠が前記長手方向の全長にわたって隣接して形成されている。第3部材は、金属により、前記第1部材の形状に対応した矩形板状に形成され、貫通孔が形成されている。そして、前記第1部材と前記第3部材とで前記第2部材を挟んで一体に接合されている。
【0008】
このため、第1部材、第2部材、及び第3部材が一体に接合された状態では、第1部材、第2部材、及び第3部材で区画された切欠の内部の空間によりスリットを形成することができる。詳しくは、長手方向の全長にわたって、隣接する複数の切欠により隣接する複数のスリットを形成することができる。そして、前記第3部材には、前記貫通孔と前記複数の切欠とを連通させる流路が形成されている。したがって、第3部材の貫通孔から噴出部の内部へ気体を供給することにより、流路を介して複数の切欠(すなわちスリット)へ気体を供給することができ、スリットから気体を噴出することができる。ここで、複数のスリットの幅は、第2部材の一定の厚みにより規定される。したがって、スリットを機械加工等により形成する必要がなく、噴出部の長手方向全長にわたって複数のスリットを均一の幅で形成しやすくなる。
【0009】
さらに、前記複数の切欠において開口端から所定範囲には、前記開口端に近付くほど前記長手方向における前記切欠の長さを長くする傾斜部が形成されている。このため、隣接するスリットの開口端同士の間隔を短くしやすくなり、スリットとスリットとの間に形成される気体を噴出しない部分の長さを短くしやすくなる。しかも、傾斜部に沿って気体が流れることにより、スリットから噴出した気体は長手方向へ広がりやすくなる。したがって、スリットとスリットとの間の気体の流れが弱くなることを抑制することができ、噴出部の長手方向において気体を均一に噴出しやすくすることができる。
【0010】
第2の手段では、前記第2部材において、前記切欠と前記切欠との間の部分である境界部は、前記長手方向における自身の中央を規定する中央線に関して線対称に形成されており、前記長手方向において前記第2部材の両端部には、前記境界部を半割りした形状である半割部が形成されている。
【0011】
上記構成によれば、前記第2部材において、前記切欠と前記切欠との間の部分である境界部は、前記長手方向における自身の中央を規定する中央線に関して線対称に形成されている。このため、隣接するスリットから中央線に関して対称に気体を噴出しやすくなり、噴出部の長手方向において気体をさらに均一に噴出しやすくすることができる。さらに、前記長手方向において前記第2部材の両端部には、前記境界部を半割りした形状である半割部が形成されている。このため、長手方向において、複数の除塵装置用噴出部を接続した場合に、噴出部の端部の半割部同士を接続することにより、1つの境界部を構成することができる。したがって、長手方向において、複数の除塵装置用噴出部を接続した場合であっても、複数の噴出部にわたって気体を均一に噴出しやすくすることができる。
【0012】
第3の手段では、前記流路における前記開口端の側の端は、前記傾斜部よりも手前に位置している。こうした構成によれば、流路を流れる気体は、切欠において傾斜部よりも手前の部分へ流入する。したがって、傾斜部全体を利用して、傾斜部に沿って気体を流しやすくなる。
【0013】
第4の手段では、前記第2部材の厚みは、0.1~0.3[mm]である。こうした構成によれば、噴出部の長手方向全長にわたって、0.1~0.3[mm]幅のスリットを均一の幅で形成しやすくなる。
【0014】
第5の手段では、前記第3部材の厚みは、0.8~1.2[mm]であり、前記第3部材の厚み方向における前記流路の深さは、0.4~0.6[mm]である。
【0015】
上記構成によれば、前記第3部材の厚みは、0.8~1.2[mm]であるため、前記第3部材の厚み方向における気体の通路としての貫通孔の深さを、0.8~1.2[mm]確保することができる。そして、前記第3部材の厚み方向において、前記流路の深さは0.4~0.6[mm]であり、スリットの幅は0.1~0.3[mm]である。このため、貫通孔から、流路、スリットへと、前記第3部材の厚み方向において、気体の通路の深さを徐々に浅くすることができる。したがって、気体の圧力損失を抑制しつつ、スリットから噴出される気体の流速を高くすることができる。
【0016】
第6の手段では、前記長手方向において、隣接する前記切欠の開口端同士の間隔は、0.5[mm]以下である。こうした構成によれば、スリットとスリットとの間に形成される気体を噴出しない部分の長さをさらに短くしやすくなる。
【0017】
第7の手段では、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は拡散接合されている。こうした構成によれば、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材を接着剤等で接合する場合と比較して、第1部材と第3部材との距離、すなわちスリットの幅を、第2部材の厚みにより正確に規定しやすくなる。
【0018】
第8の手段では、前記第3部材には、前記貫通孔が複数形成されており、前記流路は、複数の前記貫通孔を、それぞれ同数の前記切欠に連通させている。
【0019】
上記構成によれば、前記第3部材には、前記貫通孔が複数形成されている。このため、切欠(スリット)の数が多くなった場合、すなわち噴出部の長手方向の長さが長くなった場合でも、複数の貫通孔から流路を介して複数のスリットへ必要な量の気体を供給しやすくなる。さらに、前記流路は、複数の前記貫通孔を、それぞれ同数の前記切欠に連通させている。このため、各切欠(スリット)に供給される気体の量に差が生じることを抑制することができる。
【0020】
第9の手段では、第8の手段に記載の除塵装置用噴出部と、前記除塵装置用噴出部が取り付けられた本体と、を備える除塵ヘッドであって、前記本体には、前記気体が供給される供給室と、前記供給室を外部に連通させる第1連通路と、前記供給室を複数の前記貫通孔にそれぞれ連通させる第2連通路と、が形成されている。
【0021】
上記構成によれば、除塵ヘッドは、第8の手段に記載の除塵装置用噴出部と、前記除塵装置用噴出部が取り付けられた本体と、を備えている。前記本体には、前記気体が供給される供給室と、前記供給室を外部に連通させる第1連通路と、が形成されている。このため、除塵ヘッドの外部から第1連通路を介して供給室へ気体を供給することができる。そして、本体には、前記供給室を複数の前記貫通孔にそれぞれ連通させる第2連通路が形成されている。このため、供給室から第2連通路を介して除塵装置用噴出部の複数の貫通孔、ひいては切欠(スリット)へ気体を供給することができる。さらに、第1連通路から供給室を介して複数の第2連通路へ気体が供給されるため、複数の第2連通路へ気体を供給するための第1連通路の数を減らすことができる。しかも、第1連通路から分岐した分岐路により複数の第2通路へ気体を供給する場合と比較して、複数の第2連通路へ均等に気体を供給しやすくなる。
【0022】
第10の手段では、前記本体は直方体状に形成されており、前記本体の底部には、前記長手方向において前記本体の全長にわたって延び、且つ前記本体の底面に対して所定角度をなす所定平面が形成されており、前記除塵装置用噴出部は、前記切欠から前記気体が前記所定平面に平行に噴出されるように、前記所定平面に取り付けられている。
【0023】
上記構成によれば、前記本体は直方体状に形成されており、前記本体の底部には、前記長手方向において前記本体の全長にわたって延び、且つ前記本体の底面に対して所定角度をなす所定平面が形成されている。このため、直方体状の本体の底部を切削等することにより、前記長手方向において前記本体の全長にわたって延びる所定平面を容易に形成することができる。さらに、所定平面が本体の底面に対してなす所定角度を、所定平面を形成する際に容易に調節することができる。
【0024】
そして、前記除塵装置用噴出部は、前記切欠(スリット)から前記気体が前記所定平面に平行に噴出されるように、前記所定平面に取り付けられている。このため、除塵装置用噴出部自体の構成を変更しなくても、上記所定角度を調節することにより、本体の底面に対する気体の噴出角度を容易に調節することができる。
【0025】
第11の手段では、前記所定角度は、15~45[°]である。こうした構成によれば、除塵装置用噴出部から気体を噴出して除塵対象に吹き付けた場合に、除塵ヘッドの底部と除塵対象との間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する気体の速度の水平成分の方向へ引き込まれることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認されている。このため、除塵対象から除去された塵が、スリットから噴出する気体の速度の水平成分と反対方向へ飛散することを抑制することができ、除去された塵が除塵対象に再付着することを抑制することができる。
【0026】
第12の手段では、前記所定角度は、25~35[°]である。こうした構成によれば、除塵装置用噴出部から気体を噴出して除塵対象に吹き付けた場合に、除塵ヘッドの底部と除塵対象との間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する気体の速度の水平成分の方向へ引き込まれる効果が顕著になることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認されている。
【0027】
第13の手段では、前記第2連通路は、前記所定平面に開口しており、前記貫通孔は、前記所定平面における前記第2連通路の開口端に対向しており、前記所定平面において前記第2連通路の開口端の周囲には、シール部材を収納する収納溝が形成されており、前記収納溝に収納された前記シール部材により、前記本体と前記除塵装置用噴出部との間がシールされている。
【0028】
上記構成によれば、前記第2連通路は、前記所定平面に開口しており、前記貫通孔は、前記所定平面における前記第2連通路の開口端に対向している。このため、第2連通路と貫通孔とを接続することができる。ここで、前記所定平面において前記第2連通路の開口端の周囲には、シール部材を収納する収納溝が形成されており、前記収納溝に収納された前記シール部材により、前記本体と前記除塵装置用噴出部との間がシールされている。こうした構成によれば、シール部材を収納する収納溝を、本体の所定平面に形成しているため、収納溝を除塵装置用噴出部に形成する必要がない。したがって、噴出部を薄板状等の薄型に形成することができ、噴出部の構成を簡潔にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図9】供給ブロック及び噴出プレートの下部斜視図。
【
図14】フォトマスクに対する噴出プレートの角度を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、露光装置で用いられるフォトマスクの塵を除去する除塵装置に具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。除塵装置は、フォトマスクの上面に空気(気体)を噴出して塵を除去し、除去された塵を吸引してダクトへ排出する。
【0031】
図1に示すように、除塵装置10は、除塵ヘッド組立体20、フード11、持ち手12A,12B等を備えている。
【0032】
除塵ヘッド組立体20には、フード11が取り付けられている。フード11は、一対の長側面11aと一対の短側面11bと上底11cと有する有底矩形筒状(矩形筒状)に形成されている。フード11の上側の開口である第1開口11dは、ダクト18に接続されている。ダクト18は、吸引装置(図示略)に接続されており、フード11内の空気を吸引し、ひいてはフード11の下側の開口である第2開口から空気を吸引する。
【0033】
図2は、除塵ヘッド組立体20の斜視図である。除塵ヘッド組立体20は、2つの第1除塵ヘッド21、2つの第2除塵ヘッド40、2つの第1継手ブロック50、2つの第2継手ブロック60、連結板20a等を備えている。
【0034】
2つの第1除塵ヘッド21は、互いに平行に対向して配置されている。2つの第1除塵ヘッド21は、上記一対の長側面11a(
図1参照)にそれぞれ取り付けられている。第1除塵ヘッド21(除塵ヘッド)は、6つ(複数)の供給ブロック22を備えている。6つの供給ブロック22は、第1除塵ヘッド21(除塵装置10)の長手方向(所定方向)に並んで、互いに連結されている。第1除塵ヘッド21の長手方向における長さは、例えば600~800[mm]である。なお、6つの供給ブロック22により本体が構成され、本体は6つの供給ブロック22(本体構成部)に分割されている。
【0035】
2つの第2除塵ヘッド40は、互いに平行に対向して配置されている。2つの第2除塵ヘッド40は、上記一対の短側面11b(
図1参照)にそれぞれ取り付けられている。第2除塵ヘッド40は、第1除塵ヘッド21の長手方向における長さよりも短く形成されている。
【0036】
第1除塵ヘッド21と第2除塵ヘッド40との間には、第1継手ブロック50又は第2継手ブロック60が設けられている。連結板20aは、矩形枠状の板材であり、2つの第1除塵ヘッド21、2つの第2除塵ヘッド40、2つの第1継手ブロック50、及び2つの第2継手ブロック60を矩形枠状に連結している。
【0037】
第1継手ブロック50には、高圧(所定圧)の清浄な空気(クリーンドライエア)が供給される第1ポート51が設けられている。第2継手ブロック60には、高圧(所定圧)の清浄な空気(クリーンドライエア)が供給される第2ポート61が設けられている。第1ポート51と第2ポート61には、等しい流量の空気が供給される。第1ポート51及び第2ポート61は、除塵装置10における長手方向の一端部に設けられている。
【0038】
図3,4に示すように、各供給ブロック22の内部には、各供給室23が形成されている。供給室23は、四角柱の空間として形成されており、第1除塵ヘッド21の長手方向に延びている。隣接する供給室23は、互いに連通している。第1除塵ヘッド21の長手方向における一端の供給ブロック22の供給室23は、第1継手ブロック50の内部に形成された継手流路52を介して、第1ポート51に連通している。第1除塵ヘッド21の長手方向における他端の供給ブロック22の供給室23は、第2継手ブロック60の内部に形成された継手流路62に連通している。
【0039】
第2除塵ヘッド40は、供給ブロック42を備えている。供給ブロック42の内部には、供給室43が形成されている。供給室43は、継手流路62に連通している。なお、第1ポート51から一方の第1除塵ヘッド21の各供給室23を介して一方の第2除塵ヘッド40に空気を供給する継手流路52,62は、第1供給流路を構成している。第2ポート61から他方の第1除塵ヘッド21と他方の第2除塵ヘッド40とに空気を直接供給する継手流路62は、第2供給流路を構成している。供給室23,43の流路面積は、第1供給流路の流路面積及び第2供給流路の流路面積よりも大きい。なお、第1除塵ヘッド21の長手方向において、第1ポート51と反対側の端部及び第2ポート61と反対側の端部は、他の部材により閉じられている。
【0040】
【0041】
供給ブロック22は、直方体状に形成されている。供給ブロック22の下底部(底部)には、断面直角三角形状の三角溝29が形成されている。三角溝29は、供給ブロック22の長手方向(所定方向)の全長にわたって形成されている。三角溝29の面積が大きい方の底面である底面29a(所定平面)には、2つの開口33が形成されている(
図9参照)。供給ブロック22の下底部において2つの開口30の周囲には、Oリング等のシール部材を収納する収納溝34がそれぞれ形成されている。
【0042】
供給ブロック22の長手方向の両端部には、供給室23を長手方向で外部に連通させる第1連通路24が形成されている。供給ブロック22の上底部(底部)には、2つの開口30が形成されている。供給ブロック22の上底部において2つの開口30の周囲には、Oリング等のシール部材を収納する収納溝31がそれぞれ形成されている。
【0043】
供給ブロック22には、供給室23を2つの開口30にそれぞれ連通させる連通路25が形成されている。供給ブロック22には、連通路25に平行に延びる連通路27が形成されている。供給ブロック22には、連通路25と連通路27とを連通させる連通路26が形成されている。供給ブロック22には、連通路27と開口33とを連通させる連通路28が形成されている。供給ブロック22の長手方向において、連通路25,27,28の長さは等しい。連通路26の流路面積は、連通路25の流路面積及び連通路27の流路面積よりも小さい。
【0044】
2つの開口30は、連結板20aにより覆われる。収納溝31に収納されたシール部材により、供給ブロック22の上底部と連結板20aとの間がシールされている。なお、連通路25~28により、第2連通路が構成されている。すなわち、第2連通路は、供給室23から開口33と反対側へ延びた後に開口33の側へ折り返して開口33に接続されている。第2連通路において、折り返しの部分である連通路26の流路面接は他の部分の流路面積よりも小さい。第2連通路は、底面29aに開口している。
【0045】
供給ブロック22の長手方向において、供給ブロック22の一端には供給室23と連通した第1係合部35が設けられ、供給ブロック22の他端には供給室23と連通し且つ隣接する供給ブロック22の第1係合部35と係合する第2係合部36が設けられている。第1係合部35及び第2係合部36は、環状の凹部として形成されている。
【0046】
図6に示すように、隣接する供給ブロック22は、連結リング37を介して連結されている。
図7に示すように、連結リング37は、四角筒状(環状)のリング本体37bを備えている。リング本体37bの外周縁部には、環状の突条37aが設けられている。突条37aは、リング本体37bにおいて中心軸線方向の中央に設けられている。
【0047】
図8は、
図4のA部を拡大して示す斜視図である。連結リング37は、2つの第1連通路24、第1係合部35、及び第2係合部36の内周面に嵌合している。すなわち、第1係合部35と第2係合部36とは、連結リング37を介して係合している。第1係合部35と第2係合部36とは、連結リング37の突条37aにより隔離されている。第1係合部35及び第2係合部36には、それぞれOリング等のシール部材38が収納されている。第1係合部35(供給ブロック22)と連結リング37のリング本体37bとの間は、シール部材38によりシールされている。第2係合部36(供給ブロック22)と連結リング37のリング本体37bとの間は、シール部材38によりシールされている。シール部材38は、連結リング37の径方向に圧縮されている。このため、隣接する供給ブロック22の長手方向の相対位置にばらつきが生じたとしても、第1係合部35と連結リング37との間、及び第2係合部36と連結リング37との間をシール部材38により安定してシールすることができる。
【0048】
図9は、供給ブロック22及び噴出プレート70の下部を示す斜視図である。底面29aには、噴出プレート70が取り付けられている。収納溝34に収納されたシール部材により、底面29a(供給ブロック22の下底部)と噴出プレート70との間がシールされている。噴出プレート70は、フォトマスクに吹き付ける空気を噴出する。
【0049】
図10は噴出プレート70の上面側を示す分解斜視図であり、
図11は噴出プレート70の下面側を示す分解斜視図である。噴出プレート70(噴出部、除塵装置用噴出部)は、第1プレート71、第2プレート72、第3プレート80等を備えている。
【0050】
第1プレート71(第1部材)は、例えば一定の厚みのステンレス鋼(金属)により、短手方向と長手方向とを有する矩形板状に形成されている。第1プレート71の厚みは、例えば0.3~0.7[mm]であり、0.4~0.6[mm]であることが望ましく、本実施形態では0.5[mm]である。第1プレート71は圧延により形成されており、厚みの公差は±5[μm]である。第1プレート71の長手方向の両端部及び中央部には、短手方向に並ぶ2つのねじ孔71aがそれぞれ形成されている。ねじ孔71aは、第1プレート71をエッチングすることで形成されている。
【0051】
第2プレート72(第2部材)は、例えば一定の厚みのステンレス鋼(金属)により、短手方向と長手方向とを有する矩形板状に形成されている。第2プレート72の形状は、第1プレート71の形状に対応している。第2プレート72の厚みは、例えば0.1~0.3[mm]が望ましく、本実施形態では0.1[mm]である。第2プレート72は圧延により形成されており、厚みの公差は±5[μm]である。第2プレート72の長手方向の両端部及び中央部には、短手方向に並ぶ2つのねじ孔72aがそれぞれ形成されている。
【0052】
第2プレート72には、短手方向の一端で開口する複数の切欠73が長手方向の全長にわたって隣接して(隣り合って)形成されている。切欠73は、矩形状に形成されている。複数の切欠73において開口端73aから第2プレート72の短手方向の所定範囲には、開口端73aに近付くほど長手方向における切欠73の長さを長くする傾斜部73bが形成されている。すなわち、複数の切欠73は、開口端73a側が広がっている形状である。ねじ孔72a及び切欠73は、第2プレート72をエッチングすることで形成されている。
【0053】
第2プレート72において、切欠73と切欠73との間の部分である各境界部74は、第2プレート72の長手方向における自身の中央を規定する中央線Cに関して線対称に形成されている。すなわち、各境界部74は、自身の中央線Cに関して線対称の形状である。第2プレート72の長手方向において、各境界部74の先端の幅、すなわち隣接する切欠73の開口端73a同士の間隔、は、0.5[mm]以下が望ましく、本実施形態では0.4[mm]である。
【0054】
第2プレート72の長手方向において第2プレート72の両端部には、境界部74を半割りした形状である半割部74hが形成されている。第2プレート72の長手方向において、2つの第2プレート72を隣接させた場合に、2つの半割部74h(隣接した半割部74h)により1つの境界部74が形成される。
【0055】
第3プレート80(第3部材)は、例えば一定の厚みのステンレス鋼(金属)により、短手方向と長手方向とを有する矩形板状に形成されている。第3プレート80の形状は、第1プレート71の形状に対応している。第3プレート80の厚みは、例えば0.8~1.2[mm]が望ましく、本実施形態では1.0[mm]である。第3プレート80は圧延により形成されており、厚みの公差は±5[μm]である。第3プレート80の長手方向の両端部及び中央部には、短手方向に並ぶ2つのねじ孔80aがそれぞれ形成されている。
【0056】
第3プレート80には、2つ(複数)の貫通孔81が形成されている。貫通孔81(導入口)は、矩形状に形成されており、第3プレート80の長手方向においてねじ孔80aとねじ孔80aとの間で延びている。ねじ孔80aは、第3プレート80をエッチングすることで形成されている。
【0057】
第3プレート80には、貫通孔81から、第3プレート80の短手方向のうち上記切欠73の開口端73a側に延びる複数の溝82が形成されている。溝82の深さは、0.4~0.6[mm]が望ましく、本実施形態では0.5[mm]である。溝82は、第3プレート80をハーフエッチングすることで形成されている。溝82は、貫通孔81に連通している。噴出プレート70が組み立てられ状態において、各溝82は、貫通孔81と各切欠73とを連通させる流路を構成している。溝82における開口端73aの側の端82aは、切欠73の上記傾斜部73bよりも手前に位置している(
図12参照)。複数の溝82において、貫通孔81との連通部の流路面積は互いに等しい。
【0058】
第3プレート80には、溝82に準じた複数の溝83が形成されている。複数の溝83は、第3プレート80の長手方向において、貫通孔81の両端部にそれぞれ連通している。各溝83は、2つの切欠73に連通している(
図12参照)。溝83のその他の構成は、溝82と同様である。2つの貫通孔81は、複数の溝82,83(流路)により、それぞれ10(同数)の切欠73に連通させられている。
【0059】
第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80は、同一の材質(例えばSUS304)で形成されている。第1プレート71と第3プレート80とで第2プレート72を挟んで、第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80は拡散接合されている。拡散接合は、第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80を、例えば厚み方向に所定の圧力で加圧し、真空炉中で800~900[℃]に加熱することにより実行される。第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80が一体に接合された状態では、第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80で区画された各切欠73の内部の空間により各スリットが形成される。第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80の厚み方向におけるスリットの幅は、第2プレート72の厚みにより規定され、0.1[mm]である。
【0060】
図13は、2つの第1除塵ヘッド21の縦断面斜視図である。なお、手前側の長側面11aは、表示を省略している。
【0061】
連通路25~28により構成される第2連通路は、噴出プレート70の複数の貫通孔81に供給室23をそれぞれ連通させている。すなわち、貫通孔81は、供給ブロック22の底面29aにおける第2連通路の開口端に対向している(
図9参照)。供給ブロック22(第1除塵ヘッド21)の長手方向において、第2連通路の長さは貫通孔81の長さと等しい。
【0062】
各供給ブロック22には、各噴出プレート70が取り付けられている。すなわち、6つ(複数)の供給ブロック22により構成される本体には、6つ(複数)の噴出プレート70が本体の長手方向に並んで取り付けられている。供給室23は、複数の噴出プレート70に沿って本体の長手方向に延びている。
【0063】
2つの第1除塵ヘッド21の噴出プレート70のスリットから噴出する空気がフード11の下方内側へ向かうように、一対の長側面11aに第1除塵ヘッド21がそれぞれ取り付けられている。
【0064】
図14は、フォトマスクMに対する噴出プレート70の角度を示す側面図である。供給ブロック22の底面29aは、供給ブロック22の底面29bに対して第1角度θ1をなしている。そして、噴出プレート70は、第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80が、底面29aに平行になるように底面29aに取り付けられている。このため、噴出プレート70のスリットから空気が底面29aに平行に噴出され、噴出プレート70(第1除塵ヘッド21)のスリットから噴出する気体の進行方向(矢印D1)とフォトマスクMの上面とがなす角度は、第1角度θ1となる。第1角度θ1は、15~45[°]が望ましく、25~35[°]がより望ましく、本実施形態では30[°]である。
【0065】
第1除塵ヘッド21の噴出プレート70のスリットの開口端とフォトマスクMの上面との距離h1は、5~20[mm]が望ましく、本実施形態では7.0[mm]である。
【0066】
図15は、2つの第2除塵ヘッド40の縦断面である。供給ブロック42は、上記供給ブロック22に準じた構成を備えている。供給ブロック42の内部には、供給ブロック22の供給室23、及び連通路25~28に対応して、供給室43、及び連通路45~48が形成されている。一方の供給ブロック42の供給室43は、開口62aを介して第2継手ブロック60の継手流路62に連通している。供給室43の流路面積は、開口62aの流路面積よりも大きい。
【0067】
供給ブロック42には、噴出プレート90が取り付けられている。噴出プレート90は、噴出プレート70に準じた構成を備えており、噴出プレート70を長手方向において半分にした構成と同様である。
【0068】
2つの第2除塵ヘッド40の噴出プレート90のスリットから噴出する空気がフード11の下方内側へ向かうように、一対の短側面11bに第2除塵ヘッド40がそれぞれ取り付けられている。
【0069】
供給ブロック42の底面49aは、供給ブロック42の底面49bに対して第2角度θ2をなしている。そして、噴出プレート90は、底面49aに取り付けられている。このため、噴出プレート90のスリットから空気が底面49aに平行に噴出される。第2角度θ2は、第1角度θ1と等しく設定されている。
【0070】
供給ブロック42の底面49bの高さは、供給ブロック22の底面29bの高さと等しい。このため、第2除塵ヘッド40の噴出プレート90のスリットの開口端とフォトマスクMの上面との距離h2(図示略)は、距離h1と等しい。
【0071】
以上の構成を備える除塵装置10の下面にフォトマスクMの上面を対向させ、除塵装置10の短手方向にフォトマスクMを相対移動させる。これにより、噴出プレート70,90のスリットから噴出された空気により、フォトマスクMの上面に付着した塵が除去され、フード11の上部に接続されたダクト18により塵が吸引される。
【0072】
このとき、2つの噴出プレート70及び2つの噴出プレート90により、四方からフォトマスクMの上面に向けて空気が噴出される。特に、第1角度θ1及び第2角度θ2が15~45[°]に設定されているため、除塵ヘッド21,40の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認された。すなわち、フォトマスクMの上面から除去された塵が、除塵装置10の下方から外側へ漏れることが抑制される。なお、従来の除塵装置では、フォトマスクMの上面から除去された塵が、除塵装置の下方から外側へ相当量漏れていることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認された。
【0073】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0074】
・噴出プレート70の複数のスリットの幅は、第2プレート72の一定の厚みにより規定される。したがって、スリットを機械加工等により形成する必要がなく、噴出プレート70の長手方向全長にわたって複数のスリットを均一の幅で形成しやすくなる。
【0075】
・複数の切欠73において開口端73aから所定範囲には、開口端73aに近付くほど長手方向における切欠73の長さを長くする傾斜部73bが形成されている。このため、隣接するスリットの開口端73a同士の間隔を短くしやすくなり、スリットとスリットとの間に形成される空気を噴出しない部分の長さを短くしやすくなる。しかも、傾斜部73bに沿って空気が流れることにより、スリットから噴出した空気は長手方向へ広がりやすくなる。したがって、スリットとスリットとの間の空気の流れが弱くなることを抑制することができ、噴出プレート70の長手方向において空気を均一に噴出しやすくすることができる。
【0076】
・第2プレート72において、切欠73と切欠73との間の部分である境界部74は、長手方向における自身の中央を規定する中央線Cに関して線対称に形成されている。このため、隣接するスリットから中央線Cに関して対称に空気を噴出しやすくなり、噴出プレート70の長手方向において空気をさらに均一に噴出しやすくすることができる。さらに、長手方向において第2プレート72の両端部には、境界部74を半割りした形状である半割部74hが形成されている。このため、長手方向において、複数の噴出プレート70を接続した場合に、噴出プレート70の端部の半割部74h同士を接続することにより、1つの境界部74を構成することができる。したがって、長手方向において、複数の噴出プレート70を接続した場合であっても、複数の噴出プレート70にわたって空気を均一に噴出しやすくすることができる。
【0077】
・溝82(流路)における切欠73の開口端73aの側の端82aは、傾斜部73bよりも手前に位置している。こうした構成によれば、流路を流れる空気は、切欠73において傾斜部73bよりも手前の部分へ流入する。したがって、傾斜部73b全体を利用して、傾斜部73bに沿って空気を流しやすくなる。
【0078】
・第2プレート72の厚みは、0.1~0.3[mm]である。こうした構成によれば、噴出プレート70の長手方向全長にわたって、0.1~0.3[mm]幅のスリットを均一の幅で形成しやすくなる。
【0079】
・第3プレート80の厚みは、0.8~1.2[mm]であるため、第3プレート80の厚み方向における空気の通路としての貫通孔81の深さを、0.8~1.2[mm]確保することができる。そして、第3プレート80の厚み方向において、流路の深さは0.4~0.6[mm]であり、スリットの幅は0.1~0.3[mm]である。このため、貫通孔81から、流路、スリットへと、第3プレート80の厚み方向において、空気の通路の深さを徐々に浅くすることができる。したがって、空気の圧力損失を抑制しつつ、スリットから噴出される空気の流速を高くすることができる。
【0080】
・噴出プレート70の長手方向において、隣接する切欠73の開口端73a同士の間隔は、0.5[mm]以下である。こうした構成によれば、スリットとスリットとの間に形成される空気を噴出しない部分の長さをさらに短くしやすくなる。
【0081】
・第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80は拡散接合されている。こうした構成によれば、第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80を接着剤等で接合する場合と比較して、第1プレート71と第3プレート80との距離、すなわちスリットの幅を、第2プレート72の厚みにより正確に規定しやすくなる。
【0082】
・第3プレート80には、貫通孔81が複数形成されている。このため、切欠73(スリット)の数が多くなった場合、すなわち噴出プレート70の長手方向の長さが長くなった場合でも、複数の貫通孔81から流路を介して複数のスリットへ必要な量の空気を供給しやすくなる。さらに、流路は、複数の貫通孔81を、それぞれ同数の切欠73に連通させている。このため、各切欠73(スリット)に供給される空気の量に差が生じることを抑制することができる。
【0083】
・第1除塵ヘッド21は、噴出プレート70と、噴出プレート70が取り付けられた供給ブロック22と、を備えている。供給ブロック22には、空気が供給される供給室23と、供給室23を外部に連通させる第1連通路24と、が形成されている。このため、第1除塵ヘッド21の外部から第1連通路24を介して供給室23へ空気を供給することができる。そして、供給ブロック22には、供給室23を複数の貫通孔81にそれぞれ連通させる第2連通路が形成されている。このため、供給室23から第2連通路を介して噴出プレート70の複数の貫通孔81、ひいては切欠73(スリット)へ空気を供給することができる。さらに、第1連通路24から供給室23を介して複数の第2連通路へ空気が供給されるため、複数の第2連通路へ空気を供給するための第1連通路24の数を減らすことができる。しかも、第1連通路24から分岐した分岐路により複数の第2通路へ空気を供給する場合と比較して、複数の第2連通路へ均等に空気を供給しやすくなる。
【0084】
・供給ブロック22は直方体状に形成されており、供給ブロック22の底部には、長手方向において供給ブロック22の全長にわたって延び、且つ供給ブロック22の底面29bに対して第1角度θ1(所定角度)をなす底面29aが形成されている。このため、直方体状の供給ブロック22の底部を切削等することにより、長手方向において供給ブロック22の全長にわたって延びる底面29aを容易に形成することができる。さらに、底面29aが供給ブロック22の底面29bに対してなす第1角度θ1を、底面29aを形成する際に容易に調節することができる。
【0085】
・噴出プレート70は、スリットから空気が底面29aに平行に噴出されるように、底面29aに取り付けられている。このため、噴出プレート70自体の構成を変更しなくても、上記第1角度θ1を調節することにより、供給ブロック22の底面に対する空気の噴出角度を容易に調節することができる。
【0086】
・第1角度θ1は、15~45[°]である。こうした構成によれば、噴出プレート70から空気を噴出してフォトマスクMに吹き付けた場合に、第1除塵ヘッド21の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認されている。このため、フォトマスクMから除去された塵が、スリットから噴出する空気の速度の水平成分と反対方向へ飛散することを抑制することができ、除去された塵がフォトマスクMに再付着することを抑制することができる。
【0087】
・第1角度θ1は、25~35[°]である。こうした構成によれば、噴出プレート70から空気を噴出してフォトマスクMに吹き付けた場合に、第1除塵ヘッド21の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれる効果が顕著になることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認されている。
【0088】
・第2連通路は、底面29aに開口しており、貫通孔81は、底面29aにおける第2連通路の開口端に対向している。このため、第2連通路と貫通孔81とを接続することができる。ここで、底面29aにおいて第2連通路の開口端の周囲には、シール部材を収納する収納溝34が形成されており、収納溝34に収納されたシール部材により、供給ブロック22と噴出プレート70との間がシールされている。こうした構成によれば、シール部材を収納する収納溝34を、供給ブロック22の底面29aに形成しているため、収納溝34を噴出プレート70に形成する必要がない。したがって、噴出プレート70を薄板状等の薄型に形成することができ、噴出プレート70の構成を簡潔にすることができる。
【0089】
・噴出プレート70には、複数の貫通孔81、所定方向(噴出プレート70の長手方向)に延びて所定方向で隣接する複数のスリット、及び複数の貫通孔81をそれぞれ同数の複数のスリットに連通させる流路が形成されている。このため、複数の貫通孔81から噴出プレート70の内部へ空気を供給することにより、流路を介して複数のスリットへ空気を供給することができ、複数のスリットから空気を噴出することができる。したがって、第1除塵ヘッド21において所定方向全長にわたるスリット形成する必要がなく、各スリットを均一の幅で形成しやすくなる。さらに、噴出プレート70には、複数の貫通孔81が形成されている。このため、スリットの数が多くなった場合、すなわち噴出プレート70の所定方向の長さが長くなった場合でも、複数の貫通孔81から流路を介して複数のスリットへ必要な量の空気を供給しやすくなる。しかも、流路は複数の貫通孔81を、それぞれ同数のスリットに連通させている。このため、各スリットに供給される空気の量に差が生じることを抑制することができる。
【0090】
・噴出プレート70が取り付けられた供給ブロック22には、空気が供給される供給室23と、供給室23を外部に連通させる第1連通路24と、が形成されている。このため、第1除塵ヘッド21の外部から第1連通路24を介して供給室23へ空気を供給することができる。そして、供給ブロック22には、供給室23を複数の貫通孔81にそれぞれ連通させる第2連通路が形成されている。このため、供給室23から第2連通路を介して噴出プレート70の複数の貫通孔81、ひいてはスリットへ空気を供給することができる。さらに、第1連通路24から供給室23を介して複数の第2連通路へ空気が供給されるため、複数の第2連通路へ空気を供給するための第1連通路24の数を減らすことができる。しかも、第1連通路24から分岐した分岐路により複数の第2通路へ空気を供給する場合と比較して、複数の第2連通路へ均等に空気を供給しやすくなる。以上により、第1除塵ヘッド21のスリットが延びる所定方向において空気を均一に噴出しやすくすることができる。
【0091】
・供給ブロック22には、複数の噴出プレート70が所定方向に並んで取り付けられており、供給室23は、複数の噴出プレート70に沿って所定方向に延びており、第2連通路は、供給室23を複数の噴出プレート70の複数の貫通孔81にそれぞれ連通させている。こうした構成によれば、複数の噴出プレート70を所定方向に並んで取り付けることにより、所定方向の長さが長い第1除塵ヘッド21を実現することができる。さらに、所定方向の長さが長い第1除塵ヘッド21を1つの噴出プレート70で実現する場合と比較して、各噴出プレート70において所定方向全長にわたって空気を均一に噴出することが容易であるため、第1除塵ヘッド21の所定方向全長にわたって空気を均一に噴出しやすくすることができる。しかも、複数の噴出プレート70に沿って所定方向に延びる共通の供給室23から、複数の噴出プレート70の複数の貫通孔81に空気を導入することができるため、1つの第1連通路24により供給室23へ空気を供給することができる。
【0092】
・収納溝34は、複数の噴出プレート70にそれぞれ対応して、所定方向に並んで形成されており、収納溝34にそれぞれ収納されたシール部材により、供給ブロック22と各噴出プレート70との間がシールされている。こうした構成によれば、所定方向の長さが長い噴出プレート70と供給ブロック22との間を1つのシール部材によりシールする場合と比較して、各噴出プレート70と供給ブロック22との間をシール部材により安定してシールすることができる。
【0093】
・本体は、複数の噴出プレート70にそれぞれ対応する供給ブロック22に分割されている。このため、本体を複数の供給ブロック22に分割して構成することができ、供給ブロック22の数を増やすことにより本体の所定方向の長さを長くすることができる。そして、所定方向において、供給ブロック22の一端には供給室23と連通した第1係合部35が設けられ、供給ブロック22の他端には供給室23と連通し且つ第1係合部35と係合する第2係合部36が設けられている。このため、第1係合部35と第2係合部36とを係合させることにより、隣り合う供給ブロック22を連結することができるとともに隣り合う供給ブロック22の供給室23を連通させることができる。
【0094】
・所定方向において、第2連通路の長さは貫通孔81の長さと等しい。こうした構成によれば、供給室23から貫通孔81まで、所定方向において均一に空気を流しやすくなる。
【0095】
・第2連通路は、供給室23から貫通孔81と反対側へ延びた後に貫通孔81の側へ折り返して貫通孔81に接続されている。こうした構成によれば、第2連通路の供給室23から貫通孔81までの長さを長くしやすくなるため、第2連通路を空気が流れる間に所定方向における空気の流量を均一に近付けることができる。
【0096】
・第2連通路において、折り返しの部分(連通路26)の流路面接は他の部分の流路面積よりも小さい。こうした構成によれば、第2連通路において折り返しの部分で一旦流路を絞ることにより、所定方向における空気の流量のばらつきを縮小することができる。
【0097】
・フード11は、一対の長側面11aと一対の短側面11bとを有する矩形筒状に形成され、空気を吸引するダクト18に上側の第1開口11dが接続され、下側の第2開口から空気を吸引する。このため、第1除塵ヘッド21から噴出された空気によりフォトマスクMから除去された塵を、第2開口から吸引して第1開口11dからダクト18へ排出することができる。
【0098】
・2つの第1除塵ヘッド21のスリットから噴出する空気がフード11の下方内側へ向かうように、一対の長側面11aに第1除塵ヘッド21がそれぞれ取り付けられている。このため、フード11の下方内側において2つの第1除塵ヘッド21から噴出された空気を衝突させることができ、第1除塵ヘッド21から噴出された空気がフード11の下方から外側へ漏れることを抑制することができる。特に、第1角度θ1は15~45(25~35)[°]であり、フォトマスクMの上面と供給ブロック22の底面29bとを平行に配置した場合は、第1除塵ヘッド21の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれるようにすることができる。
【0099】
・2つの第2除塵ヘッド40のスリットから噴出する空気がフード11の下方内側へ向かうように、一対の短側面11bに第2除塵ヘッド40がそれぞれ取り付けられている。このため、長側面11aに取り付けられた第1除塵ヘッド21から噴出された空気が、フォトマスクMに付着した塵を除去した後に短側面11bの下方からフード11の外側へ漏れることを抑制することができる。
【0100】
・長側面11aに平行な方向から見て、2つの第1除塵ヘッド21のスリットから噴出する空気の進行方向とフォトマスクMの上面とがなす角度である第1角度θ1が15~45[°]であり、短側面11bに平行な方向から見て、2つの第2除塵ヘッド40のスリットから噴出する空気の進行方向とフォトマスクMの上面とがなす角度である第2角度θ2が15~45[°]である。こうした構成によれば、除塵ヘッド21,40の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれるようにすることができる。
【0101】
・第1角度θ1は、25~35[°]であり、第2角度θ2は、25~35[°]である。こうした構成によれば、除塵ヘッド21,40の底部とフォトマスクMとの間の空気が、負圧及び空気の粘性により、スリットから噴出する空気の速度の水平成分の方向へ引き込まれる効果が顕著になる。
【0102】
・2つの第1除塵ヘッド21のスリットの開口端とフォトマスクMの上面との距離h1、及び2つの第2除塵ヘッド40のスリットの開口端とフォトマスクMの上面との距離h2は、5~20[mm]である。こうした構成によれば、上記作用効果が奏されることが、本願発明者による実験及びシミュレーションで確認されている。
【0103】
・2つの第1除塵ヘッド21に空気をそれぞれ供給する第1ポート51及び第2ポート61が、除塵装置10における所定方向の一端部に設けられている。このため、除塵装置10における所定方向の一端部に、第1ポート51及び第2ポート61をまとめて配置することができる。そして、第1供給流路は、第1ポート51から一方の第1除塵ヘッド21の供給室23を介して一方の第2除塵ヘッド40空気を供給する。このため、第1除塵ヘッド21の供給室23を利用することで、所定方向において第1ポート51と反対側の除塵装置10の端部に配置された第2除塵ヘッド40に空気を供給することができる。また、第2供給流路は、第2ポート61から他方の第1除塵ヘッド21と他方の第2除塵ヘッド40とに空気を直接供給することができる。
【0104】
・除塵装置10は、第1ポート51と第2ポート61とに等しい流量の空気を供給する。こうした構成によれば、複数の噴出プレート70の複数のスリットに等しい流量の空気を供給しやすくなり、各スリットに供給される空気の量に差が生じることを抑制することができる。
【0105】
・供給室23の流路面積は、第1供給流路の流路面積及び第2供給流路の流路面積よりも大きい。こうした構成によれば、第1供給流路及び第2供給流路に供給された空気を供給室23で一旦拡散させることができ、供給室23から複数の第2連通路に等しい流量の空気を供給しやすくなる。
【0106】
・第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80の拡散接合により、第2プレート72の境界部74が第1プレート71及び第3プレート80と接合するため、各スリット幅を安定させることができる。
【0107】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0108】
・距離h1,h2を、2~30[mm]に設定することもできる。
【0109】
・第1角度θ1,第2角度θ2を、10~50[°]に設定することもできる。
【0110】
・2つの第2除塵ヘッド40を省略することもできる。
【0111】
・第1係合部35と第2係合部36とが、直接係合するように形成することもできる。例えば第1係合部35を環状の凸部として形成し、第2係合部36を環状の凹部として形成し、第1係合部35と第2係合部36とを嵌合させてもよい。
【0112】
・供給ブロック22に収納溝34を形成することに代えて、噴出プレート70に収納溝を形成することもできる。
【0113】
・供給ブロック22の底部全体に底面29a(所定平面)を形成することもできる。
【0114】
・噴出プレート70の長手方向において、隣接する切欠73の開口端73a同士の間隔を、0.5~1.0[mm]に設定することもできる。
【0115】
・第2プレート72の厚みを、0.05~0.5[mm]に設定することもできる。
【0116】
・溝82(流路)における切欠73の開口端73aの側の端82aを、傾斜部73bよりも奧に位置させることもできる。
【0117】
・境界部74が線対称でない形状を採用することもできる。
【0118】
・底面29aと、噴出プレート70のスリットから空気を噴出する方向とが、平行でない構成を採用することもできる。
【0119】
・第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80を、アルミ合金や、銅合金により形成することもできる。
【0120】
・第1プレート71、第2プレート72、及び第3プレート80を、溶接で接合したり、接着剤で接合したりすることもできる。
【0121】
・一方の第1除塵ヘッド21に空気を供給する第1供給流路と、他方の第1除塵ヘッド21に空気を供給する第2供給流路と、一方の第2除塵ヘッド40に空気を供給する第3供給流路と、他方の第2除塵ヘッド40に空気を供給する第4供給流路と、を備える、といった構成を採用することもできる。そして、第1供給流路と第2供給流路とに等しい流量の空気を供給し、第3供給流路と第4供給流路とに等しい流量の空気を供給する。こうした構成によれば、2つの第1除塵ヘッド21に等しい流量の空気を供給しやすくなり、2つの第1除塵ヘッド21のスリットから噴出される空気の量に差が生じることを抑制することができる。また、2つの第2除塵ヘッド40に等しい流量の空気を供給しやすくなり、2つの第2除塵ヘッド40のスリットから噴出される空気の量に差が生じることを抑制することができる。
【0122】
・噴出プレート70,90が噴出する気体として、窒素や、酸素、アルゴン等を採用することもできる。
【0123】
・除塵対象として、液晶基板や、ウエハ、ガラス基板等を採用することもできる。
【0124】
なお、上記の各変更例を組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0125】
10…除塵装置、20…除塵ヘッド組立体、21…第1除塵ヘッド(除塵ヘッド)、22…供給ブロック、23…供給室、24…第1連通路、25…連通路、26…連通路、27…連通路、28…連通路、40…第2除塵ヘッド(除塵ヘッド)、42…供給ブロック、43…供給室、45…連通路、46…連通路、47…連通路、48…連通路、62a…開口、70…噴出プレート(噴出部)、71…第1プレート(第1部材)、72…第2プレート(第2部材)、73…切欠、73a…開口端、73b…傾斜部、74…境界部、80…第3プレート(第3部材)、81…貫通孔(導入口)、82…溝(流路)、83…溝(流路)、90…噴出プレート(噴出部)。