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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160276
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】掘削システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20221012BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
E02F3/43 C
E02F9/20 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064926
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】福尾 展弘
(72)【発明者】
【氏名】秋山 将貴
(72)【発明者】
【氏名】土井 隆行
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003AC04
2D003BA03
2D003BB09
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】自動運転における掘削作業の効率を向上させる。
【解決手段】掘削制御部35は、掘削列Cに沿って掘削対象物Oを掘削するようにバケット15cを制御する。掘削制御部35は、バケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、上部旋回体13から見てボーダー53よりも奥側X1である場合、掘削列Cを変更することなく次回の掘削をバケット15cに行わせる。掘削制御部35は、バケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、ボーダー53と同じ位置、または上部旋回体13から見てボーダー53よりも手前側X2である場合、掘削列Cを変更して次回の掘削をバケット15cに行わせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、
前記上部旋回体に取り付けられ、掘削対象物を掘削するバケットを有するアタッチメントと、
前記上部旋回体との間に間隔をあけた位置にボーダーを設定するボーダー設定部と、
前記上部旋回体の前後方向に延びる掘削列に沿って、前記上部旋回体に近づく向きに、前記掘削対象物を自動的に掘削するように前記バケットを制御する掘削制御部と、
を備え、
前記掘削制御部は、前記バケットによる1回の掘削が終了したときの前記バケットの位置が、前記上部旋回体から見て前記ボーダーよりも奥側である場合、前記掘削列を変更することなく次回の掘削を前記バケットに行わせ、
前記掘削制御部は、前記バケットによる1回の掘削が終了したときの前記バケットの位置が、前記ボーダーと同じ位置、または前記上部旋回体から見て前記ボーダーよりも手前側である場合、前記掘削列を変更して次回の掘削を前記バケットに行わせる、
掘削システム。
【請求項2】
請求項1に記載の掘削システムであって、
鉛直方向から見たとき、前記ボーダーは、前記上部旋回体から見て奥側に凸の弧状に設定される、
掘削システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットで掘削対象物を掘削するための掘削システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、作業機械を自動運転させ、バケットで掘削対象物を掘削する技術が記載されている。同文献に記載の技術では、上部旋回体から見て奥側から手前側に掘削列に沿って、バケットによる掘削が行われる。そして、掘削が終わると上部旋回体が旋回し、新たな掘削列で掘削が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-123479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある掘削列での掘削が1回の掘削の動作のみで行われる場合、例えばバケットに掘削対象物が入り切っているにもかかわらず掘削を続けるなど、掘削の動作が無駄な動作となる場合がある。一方、ある掘削列での掘削が複数回の掘削の動作で行われる場合、例えばその掘削列に残っている掘削対象物が少ないにもかかわらず掘削が行われるなど、掘削の動作が無駄な動作となる場合がある。そのため、掘削作業の効率を向上させることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、自動運転における掘削作業の効率を向上させることができる掘削システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
掘削システムは、下部本体と、上部旋回体と、アタッチメントと、ボーダー設定部と、を備える。前記上部旋回体は、前記下部走行体に旋回可能に搭載される。前記アタッチメントは、前記上部旋回体に取り付けられ、掘削対象物を掘削するバケットを有する。前記ボーダー設定部は、前記上部旋回体との間に間隔をあけた位置にボーダーを設定する。前記掘削制御部は、前記上部旋回体の前後方向に延びる掘削列に沿って、前記上部旋回体に近づく向きに、前記掘削対象物を自動的に掘削するように前記バケットを制御する。前記掘削制御部は、前記バケットによる1回の掘削が終了したときの前記バケットの位置が、前記上部旋回体から見て前記ボーダーよりも奥側である場合、前記掘削列を変更することなく次回の掘削を前記バケットに行わせる。前記掘削制御部は、前記バケットによる1回の掘削が終了したときの前記バケットの位置が、前記ボーダーと同じ位置、または前記上部旋回体から見て前記ボーダーよりも手前側である場合、前記掘削列を変更して次回の掘削を前記バケットに行わせる。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、自動運転における掘削作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】掘削システム1を示す図であり、作業機械10などを横から見た図である。
図2図1に示す作業機械10などを上から見た図である。
図3図2のF3-F3矢視図である。
図4図1に示す掘削システム1のブロック図である。
図5図2に示す掘削エリア51などの設定の流れを示すフローチャートである。
図6図3に示す掘削列Cでの掘削に関する処理を示すフローチャートである。
図7図2に示すボーダー53の変形例を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図7を参照して、掘削システム1について説明する。
【0010】
掘削システム1は、図1に示すように、掘削対象物Oを掘削するためのシステムである。掘削システム1は、作業機械10と、撮像装置21と、姿勢検出部23(図4参照)と、入力装置25と、コントローラ30(図4参照)と、を備える。
【0011】
作業機械10は、バケット15cで掘削対象物Oを掘削する掘削作業を行う機械であり、ショベルである。作業機械10は、例えば建設作業を行う建設機械である。作業機械10が掘削する掘削対象物Oは、土砂でもよく、砕石でもよく、廃棄物でもよい。掘削対象物Oは、例えば、山形状(例えば土砂山)でもよく、地面に配置されてもよく、土砂ピットP内に(壁Pwに囲まれるように)配置されてもよい。作業機械10は、下部走行体11(下部本体)と、上部旋回体13と、アタッチメント15と、駆動部17(図4参照)と、を備える。
【0012】
下部走行体11(下部本体)は、作業機械10を走行させる。下部走行体11は、例えばクローラを備える。
【0013】
上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体13には、アタッチメント15が取り付けられる。上部旋回体13は、運転室13aと、カウンタウエイト13bを備える。運転室13aは、操作者が作業機械10の操作をすることが可能な部分である。作業機械10は、操作者に操作されなくてもよく、コントローラ30(図4参照)により自動的に操作される場合がある。カウンタウエイト13bは、作業機械10の前後方向Xのバランスをとるためのおもりである。
【0014】
(作業機械10に関する方向の定義)
下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の回転軸(図2に示す旋回中心13o)が延びる方向を、上下方向Zとする。上下方向Zにおいて、下部走行体11から上部旋回体13に向かう側(向き)を上側Z1とし、その逆側を下側Z2とする。図2に示すように、上下方向Zから見たときにアタッチメント15が延びる方向(上部旋回体13に対してアタッチメント15が突出する方向)を、前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、カウンタウエイト13bから、上部旋回体13へのアタッチメント15の取付部に向かう側を、「前側」とする。前後方向Xにおいて、上部旋回体13から前側を見たときの、上部旋回体13から遠い側を奥側X1とし、上部旋回体13に近い側を手前側X2とする。下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の方向を、旋回方向θとする。
【0015】
アタッチメント15は、図1に示すように、上部旋回体13に取り付けられ、掘削作業を行う部分である。アタッチメント15は、ブーム15aと、アーム15bと、バケット15cと、を備える。ブーム15aは、上部旋回体13に起伏可能(上下方向Zに回転可能)に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに対して回転可能に取り付けられる。バケット15cは、掘削対象物Oを掘削する部分である。バケット15cは、アタッチメント15の先端部に設けられ、アーム15bに回転可能に取り付けられる。バケット15cは、掘削対象物Oをすくうことが可能な形状を有する。
【0016】
駆動部17は、作業機械10を駆動させる。具体的には、駆動部17は、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させる旋回モータ(図示なし)を備える。駆動部17は、上部旋回体13に対してブーム15aを起伏させるブームシリンダ17aと、ブーム15aに対してアーム15bを回転させるアームシリンダ17bと、アーム15bに対してバケット15cを回転させるバケットシリンダ17cと、を備える。
【0017】
撮像装置21は、撮像対象物の、位置および形状の三次元情報を検出する。上記「撮像対象物」は、掘削対象物O、および掘削対象物Oの周辺物の少なくともいずれかである。撮像装置21は、距離の情報(奥行きの情報)を有する画像(距離画像)を取得する。撮像装置21は、距離画像と二次元画像とに基づいて、撮像対象物の三次元情報を検出してもよい。撮像装置21は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。撮像装置21は、作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部(例えば作業現場)に配置されてもよい。作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部に配置されてもよい点は、図4に示す姿勢検出部23、入力装置25、およびコントローラ30についても同様である。
【0018】
この撮像装置21は、レーザー光を用いて三次元の情報を検出する装置を備えてもよい。撮像装置21は、例えばLiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)を備えてもよく、TOF(Time Of Flight)センサを備えてもよい。撮像装置21は、電波を用いて三次元の情報を検出する装置(例えばミリ波レーダなど)を備えてもよい。撮像装置21は、ステレオカメラを備えてもよい。撮像装置21が三次元の情報と二次元の情報とに基づいて撮像対象物の三次元の位置および形状を検出する場合などには、撮像装置21は、二次元の画像を検出可能なカメラを備えてもよい。
【0019】
姿勢検出部23は、図1に示す作業機械10の姿勢を検出する。姿勢検出部23(図4参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回角度を検出する。姿勢検出部23は、上部旋回体13に対するブーム15aの回転角度(起伏角度)を検出する。姿勢検出部23は、ブーム15aに対するアーム15bの回転角度を検出する。姿勢検出部23は、アーム15bに対するバケット15cの回転角度を検出する。姿勢検出部23は、上部旋回体13に対するブーム15aの回転軸に取り付けられる角度センサを備えてもよい(アーム15bおよびバケット15cについても同様)。姿勢検出部23は、地面などに対するブーム15aの傾斜角度を検出する傾斜センサを備えてもよい(アーム15bおよびバケット15cについても同様)。姿勢検出部23は、ブーム15aを駆動するシリンダのストローク(シリンダチューブに対するシリンダロッドの位置)を検出するストロークセンサを備えてもよい(アーム15bおよびバケット15cについても同様)。姿勢検出部23は、二次元画像または距離画像に基づいてブーム15aの姿勢を検出するものでもよい(アーム15bおよびバケット15cについても同様)。この場合、二次元画像または距離画像は、撮像装置21により撮像されてもよい。
【0020】
入力装置25は、作業者に各種情報を入力させる装置である。入力装置25は、例えば作業者が携帯する携帯情報端末(例えばタブレット、スマートフォンなど)でもよい。入力装置25は、作業機械10に設けられてもよく、作業機械10を遠隔操作する設備に設けられてもよい。
【0021】
コントローラ30(図4参照)は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行う。例えば、図4に示すように、コントローラ30は、撮像装置21、姿勢検出部23、および入力装置25から信号を受信する。例えば、コントローラ30は、駆動部17を駆動させるための信号を出力する。コントローラ30は、掘削エリア設定部31と、ボーダー設定部33と、掘削制御部35と、を備える。
【0022】
掘削エリア設定部31は、掘削エリア51(図2参照)を設定する(後述)。ボーダー設定部33は、ボーダー53(図2参照)を設定する(後述)。
【0023】
掘削制御部35は、図1に示す作業機械10を自動的に作動させる。掘削制御部35(図4参照)は、アタッチメント15の作動を制御することで、バケット15cの作動を制御し、バケット15cによる掘削を制御する(自動掘削を行わせる)(後述)。
【0024】
(作動)
掘削システム1は、次のように作動するように構成される。
【0025】
(設定)
掘削に必要な情報がコントローラ30(図4参照)に設定される。以下、コントローラ30については図4を参照して説明する。具体的には、図2に示す掘削エリア51と、ボーダー53と、図3に示す掘削開始高さZsと、1サイクル深さZcと、最終深さZeと、が設定される(図5参照)。
【0026】
掘削エリア51は、図2に示すように、掘削対象物Oが配置される範囲である。掘削エリア51の少なくとも一部に、掘削対象物Oが配置される。コントローラ30は、掘削エリア51の内側でバケット15cに掘削を行わせるように制御する。コントローラ30は、掘削エリア51の外側ではバケット15cに掘削を行わせない。鉛直方向AZから見たとき、掘削エリア51の形状は、様々に設定されてもよい。鉛直方向AZから見たとき、掘削エリア51は、多角形でもよく、例えば四角形でもよく、例えば長方形でもよく、長方形以外の四角形でもよく、これらに近い形状(例えば略多角形など)でもよい。鉛直方向AZから見たとき、掘削エリア51は、円形でもよく、楕円形でもよく、これらに近い形状(例えば略円形など)でもよい。掘削エリア51に関する方向であって水平面と平行の、ある方向を、エリア前後方向AXとする。エリア前後方向AXおよび鉛直方向AZのそれぞれに直交する方向を、エリア横方向AYとする。
【0027】
掘削エリア51の設定は、様々に行われてもよい。掘削エリア51は、掘削エリア設定部31(図4参照)により自動的に設定(算出)されてもよい。具体的には例えば、掘削エリア51は、撮像装置21(図1参照)が取得した掘削対象物Oおよびその周辺部の距離画像に基づいて、自動的に算出されてもよい。掘削エリア51は、掘削対象物Oが配置される作業現場の三次元情報(例えば土砂ピットPの三次元情報など)に基づいて、自動的に算出されてもよい。掘削エリア51は、アタッチメント15でのティーチング(後述)により設定されてもよい。掘削エリア51は、入力装置25(図1参照)に入力された値(例えば座標など)により設定されてもよい。掘削エリア51は、掘削エリア設定部31(図4参照)に予め設定された固定値でもよく、例えば作業現場の情報(地形、土砂ピットPの構造など)に基づいて予め算出および設定された値でもよい。
【0028】
掘削エリア51がティーチングにより設定される場合の、掘削エリア51の設定の具体例は、次の通りである。掘削エリア51がティーチングにより設定される場合、掘削エリア51の内側と外側との境界を決めるための位置(ティーチングポイント、例えば境界上の位置)が、操作者のアタッチメント15の操作により指定される。ここでは、鉛直方向AZから見て掘削エリア51が長方形である場合について説明する。鉛直方向AZから見た掘削エリア51の4つの角の位置を、ポイント51a、ポイント51b、ポイント51c、およびポイント51dとする。
【0029】
作業機械10の操作者が、作業機械10を操作し、鉛直方向AZから見た掘削エリア51の対角となる位置、具体的にはポイント51aおよびポイント51cのティーチングを行う(図5に示すステップS11およびS12を参照)。例えば、ポイント51aのティーチングは、次のように行われる。操作者が、アタッチメント15を操作し、ポイント51aとして設定しようとする位置にバケット15cの先端を移動させる。そして、操作者が、例えば入力装置25(図1参照)の決定ボタンを押すことなどにより、このときのバケット15cの先端の位置が、ポイント51aとして設定される。具体的には、掘削エリア設定部31(図4参照)には、ポイント51aの前後方向Xの位置の座標(Xa)、上下方向Zの位置の座標(Za)、および、旋回方向θの値(角度)(θa)が設定される。例えば、図3に示すように、ポイント51aの上下方向Zの位置(Za)が、後述する掘削の深さの基準位置とされてもよい。図2に示すポイント51aと同様に、ポイント51cが、ティーチングにより設定される。具体的には、掘削エリア設定部31(図4参照)には、ポイント51cの前後方向Xの座標(Xc)、上下方向Zの座標(Zc)、および旋回方向θの値(角度)(θc)が設定される。
【0030】
掘削エリア設定部31(図4参照)は、ポイント51aおよびポイント51cの位置に基づいて、ポイント51bおよびポイント51dの位置を算出する。具体的には例えば、鉛直方向AZから見たときにアタッチメント15の長手方向に延びるアタッチメント15の中心軸を、アタッチメント中心軸15eとする。ポイント51aとポイント51cとの中央(例えばポイント51aとポイント51cとを結んだ直線の中点)を、エリア中央51oとする。このとき、鉛直方向AZから見たときに、アタッチメント中心軸15eがエリア中央51oを通るときの上部旋回体13の前後方向Xが、エリア前後方向AXとして設定される。エリア前後方向AXが決まると、エリア横方向AYも決まる。なお、エリア前後方向AXおよびエリア横方向AYは、ティーチング結果に基づいて設定されなくてもよく、例えば作業現場の座標系の座標軸の方向などに基づいて設定されてもよい。
【0031】
例えば、エリア前後方向AXが、鉛直方向AZから見て長方形の掘削エリア51の2辺(互いに対向する2辺、図2では短辺)が延びる方向とされる。エリア横方向AYが、鉛直方向AZから見て長方形の掘削エリア51の残りの2辺(図2では長辺)が延びる方向とされる。すると、ポイント51aおよびポイント51cの位置に基づいて、ポイント51bおよびポイント51dの位置が決定される。なお、ポイント51bおよびポイント51dがティーチングにより設定されてもよい。掘削エリア設定部31は、ポイント51a、ポイント51b、ポイント51c、およびポイント51dに囲まれた領域を、掘削エリア51として設定する。
【0032】
ボーダー53は、掘削列Cを変えて掘削を行うか否かの境界である(掘削の詳細は後述)。ボーダー53は、上部旋回体13との間に間隔をあけた位置に設定される。例えば、ボーダー53の少なくとも一部は、掘削エリア51の内側に設定される。鉛直方向AZから見たとき、ボーダー53は、直線状でもよく、曲線状でもよい(図7に示すボーダー153を参照)。鉛直方向AZから見たとき、ボーダー53は、例えばエリア横方向AYに延びるように設定される。図7に示すように、鉛直方向AZから見たとき、ボーダー153は、弧状でもよく、例えば円弧状でもよく、さらに詳しくは旋回中心13oを中心とする円弧状でもよい。鉛直方向AZからみたとき、ボーダー153は、奥側X1に凸の弧状(例えば円弧状)でもよい。
【0033】
図2に示すボーダー53の設定(図5に示すステップS21を参照)は、様々に行われてもよい(図7に示すボーダー153も同様)。ボーダー53は、ボーダー設定部33(図4参照)により自動的に算出されてもよい。具体的には例えば、ボーダー53は、掘削エリア51の情報(位置)、およびバケット15cの情報(容量、形状、大きさなど)に基づいて、自動的に算出されてもよい。ボーダー53は、アタッチメント15でのティーチングにより設定されてもよい。ボーダー53は、入力装置25(図1参照)に入力された値(例えばポイント51aとポイント51cとを通る直線からの距離など)により設定されてもよい。ボーダー53は、ボーダー設定部33(図4参照)に予め設定された固定値でもよく、作業現場の情報(地形、土砂ピットPの構造など)に基づいて予め算出および設定された値でもよい。
【0034】
図3に示す掘削開始高さZsは、バケット15cによる掘削対象物Oの掘削開始時の、バケット15cの(さらに詳しくはバケット15cの先端部の)高さである。掘削開始高さZsは、掘削対象物Oの最も高い位置(頂点)の高さ、または頂点よりも高い位置に設定されることが好ましい。掘削開始高さZsの設定(図5に示すステップS22を参照)は、様々に行われてもよい。掘削開始高さZsは、コントローラ30(図4参照)に自動的に算出されてもよく、具体的には例えば撮像装置21(図1参照)が撮像した距離画像から自動的に算出されてもよい。掘削開始高さZsは、アタッチメント15でのティーチングにより設定されてもよい。掘削開始高さZsは、入力装置25(図1参照)に入力された値により設定されてもよい。掘削開始高さZsは、掘削の基準となる位置(例えばポイント51aなど)の高さでもよく、掘削の基準となる位置(ポイント51a)に基づいて決定されてもよい。掘削開始高さZsは、予め設定された固定値でもよい。
【0035】
1サイクル深さZcは、バケット15cが掘削を1サイクル(1回)行うときの掘削の深さ(上下方向Zの長さ)である。1サイクル深さZcの設定(図5に示すステップS23を参照)は、様々に行われてもよい。1サイクル深さZcは、コントローラ30(図4参照)に自動的に算出されてもよく、具体的には例えばバケット15cの情報(容量、形状、大きさなど)に基づいて自動的に算出されてもよい。1サイクル深さZcは、入力装置25(図1参照)に入力された値により設定されてもよく(最終深さZeも同様)、コントローラ30(図4参照)に予め設定された固定値でもよい(最終深さZeも同様)。
【0036】
最終深さZeは、掘削の基準となる位置(例えばポイント51a)から、バケット15cによる掘削作業が完了する位置までの深さである。最終深さZeの設定(図5に示すステップS24を参照)は、様々に行われてもよい。コントローラ30(図4参照)は、バケット15cに掘削対象物Oを最終深さZeまで掘削させ、最終深さZeよりも深い位置を掘削させない。
【0037】
(掘削の流れ)
掘削システム1(図4参照)は、次のように掘削を行うように構成される。掘削制御部35(図4参照)は、バケット15cが自動的に掘削対象物Oを掘削するように、バケット15cを制御する。掘削制御部35は、図2に示す掘削エリア51の内側で、掘削対象物Oを掘削するようにバケット15cを制御する。掘削制御部35(図4参照)は、掘削列Cに沿って掘削対象物Oを掘削するようにバケット15cを制御する。掘削列Cは、前後方向Xに延びる。なお、図2では、掘削列Cの中心軸のみを図示した。
【0038】
掘削列Cは、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させずに、バケット15cに掘削を行わせたときの、バケット15cの軌跡である。掘削列Cは、掘削エリア51内に複数設定される。図3に示すように、掘削列Cは、複数の掘削段D(図3では3段)のそれぞれに設定される。図3に示す例では、掘削段Dには、上側Z1から下側Z2の順に、第1掘削段D1と、第2掘削段D2と、第3掘削段D3と、がある。第1掘削段D1の上側Z1端部の高さは、例えば掘削開始高さZsまたは掘削開始高さZsよりも低い位置である。第1掘削段D1には、複数の掘削列Cが設定され得る。図3に示す例では、第1掘削段D1には、4列の掘削列C(掘削列C1、C2、C3、およびC4)が設定される。図2に示すように、同じ掘削段Dの掘削列Cの中心軸どうしの間隔は、一定間隔でもよく、例えば一定の旋回方向θの間隔でもよく、例えば一定のエリア横方向AYの間隔でもよい。同じ掘削段Dの掘削列Cの中心軸どうしの間隔は、一定でなくてもよい。図3に示すように、第1掘削段D1と同様に、第2掘削段D2には、4列の掘削列C(掘削列C5、C6、C7、およびC8)が設定される。第2掘削段D2の上側Z1端部の高さは、掘削開始高さZsから1サイクル深さZcを引いた高さである。第3掘削段D3には、4列の掘削列C(掘削列C9、C10、C11、C12)が設定される。第3掘削段D3の下側Z2端部の高さは、最終深さZeの高さである。第3掘削段D3の上側Z1端部の高さは、掘削開始高さZsから、1サイクル深さZcの2倍を引いた高さでもよい。1段の掘削段Dの掘削列Cの数(例えば図4に示す例では4つ)は、複数の掘削段Dの間で同じでもよく、相違してもよい。
【0039】
掘削制御部35(図4参照)は、図2に示すバケット15cを手前側X2に移動させる。掘削制御部35は、手前側X2に掘削対象物Oを掘削するように、バケット15cを制御する。それぞれの掘削列Cでは、1回または複数回の掘削が行われる(後述)。
【0040】
掘削制御部35(図4参照)は、掘削列Cを変えながら、バケット15cに掘削を行わせる。例えば、掘削制御部35は、上部旋回体13の旋回角度(旋回方向θの向き)を変えさせることで、バケット15cが掘削を行う掘削列Cを変えてもよい。例えば、掘削制御部35は、下部走行体11を走行させることで、バケット15cが掘削を行う掘削列Cを変えてもよい。
【0041】
図3に示す、ある掘削列C(例えば掘削列C1)での掘削が完了し、次に掘削される掘削列Cは、掘削が完了した掘削列Cと同じ掘削段Dの掘削列C(掘削列C2、C3、C4のいずれか)でもよく、掘削が完了した掘削列Cと異なる掘削段Dの掘削列Cでもよい。
【0042】
ある掘削列Cでの掘削が完了し、掘削列Cが変えられる場合の具体例は、次の通りである。まず、第1掘削段D1での掘削が行われる。例えば、掘削列C1で、1回または複数回の掘削が行われる(後述)。掘削列C1での掘削が完了すると、掘削列C2、C3、およびC4でも同様に掘削が行われる。具体的には例えば、奥側X1に向かって見たときの、第1掘削段D1の左側部分(エリア横方向AYの一方)から右側部分(エリア横方向AYの一方とは反対側)に順に、掘削列C1、C2、C3、C4の順に掘削が行われる。例えば、奥側X1に向かって見たときの、第1掘削段D1の右側部分から左側部分に順に、掘削列C4、C3、C2、C1の順に、掘削が行われてもよい。例えば、第1掘削段D1のエリア横方向AY中央部(掘削列C2、C3)の掘削が行われた後、エリア横方向AY外側部分での掘削が行われてもよい。第1掘削段D1の掘削が完了すると、第2掘削段D2での掘削が行われる。第2掘削段D2の掘削が完了すると、第3掘削段D3での掘削が行われる。なお、第1掘削段D1の一部のみの掘削列C(例えば掘削列C1)での掘削が完了し、次に、第1掘削段D1とは異なる第2掘削段D2の掘削列C(例えば掘削列C5)での掘削が行われてもよい。第1掘削段D1から第3掘削段D3までの全ての掘削列Cでの掘削が完了すると、掘削エリア51(図2参照)での掘削作業が完了する。
【0043】
(1つの掘削列Cでの掘削)
図2に示す、ある1つの掘削列Cでの掘削について説明する。バケット15cが、掘削列Cの奥側X1部分(例えば掘削列Cの中で最も奥側X1の部分)から掘削を開始する(図6に示すステップS31を参照)。バケット15cが上部旋回体13に向かって掘削を行い、所定の条件が満たされると、バケット15cによる1回の掘削が終了する(図6に示すステップS32を参照)。例えば、上記「所定の条件」は、1回の掘削においてバケット15cが掘削した掘削対象物Oの量(掘削量)が、所定量を超えたことでもよく、掘削量が所定量を超えたと想定される状態になったことでもよい。具体的には例えば、「所定の条件」は、バケット15cが移動した距離(掘削ストローク)が所定値以上となったことでもよい。例えば、「所定の条件」は、撮像装置21(図1参照)が撮像したバケット15c内の掘削対象物Oの量が所定値以上となったことでもよい。例えば、「所定の条件」が満たされている状態でさらに掘削が行われても、バケット15cに入る掘削対象物Oの量は増えない(または略増えない)。また、「所定の条件」が満たされている状態でさらに掘削が行われても、バケット15cが持ち上げられたときにバケット15cから掘削対象物Oがこぼれる場合がある。そのため、「所定の条件」が満たされている状態でさらに行われる掘削の動作は、無駄な動作となる。そのため、「所定の条件」が満たされたときに、バケット15cによる1回の掘削を終了させることが好ましい。
【0044】
(ボーダー53の判定)
掘削制御部35(図4参照)は、バケット15cによる1回の掘削(以下、単に「1回の掘削」という)が終了したときのバケット15cの位置が、上部旋回体13から見てボーダー53よりも奥側X1か否かを判定する(図6に示すステップS41を参照)。
【0045】
1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、ボーダー53よりも奥側X1である場合(ステップS41でYESの場合)について説明する。この場合は、掘削列Cの手前側X2の部分に、掘削対象物Oが多く残っている状態である。そこで、この場合、掘削制御部35(図4参照)は、掘削列Cを変更することなく次回の掘削をバケット15cに行わせる(図6に示すステップS42を参照)。例えば、掘削列C1で1回の掘削が終了した場合、次回も掘削列C1での掘削をバケット15cに行わせる。この場合、掘削制御部35は、1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置またはその近傍から、次回の掘削をバケット15cに行わせる。
【0046】
1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、上部旋回体13から見てボーダー53と同じ位置、または、ボーダー53よりも手前側X2である場合(図6に示すステップS41でNOの場合)について説明する。この場合は、この掘削列C1でさらに掘削しても、バケット15cに入る掘削対象物Oが少ないことが想定される。さらに詳しくは、掘削列C1のうち、1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置よりも手前側X2の部分には、掘削対象物Oが残っている。しかし、残っている掘削対象物Oの量は、バケット15cを十分満たせないような少なさである(そうなるようにボーダー53の位置が設定される)。そのため、バケット15cに掘削を行わせても、この掘削が無駄な動作となる。そこで、この場合、掘削制御部35(図4参照)は、掘削列Cを変更して(残っている掘削対象物Oは見切って)次回の掘削をバケット15cに行わせる(図6に示すステップS43を参照)。具体的には例えば、掘削制御部35は、掘削列Cを掘削列C1から掘削列C2に変更して、次回の掘削をバケット15cに行わせる。
【0047】
(ボーダー153の形状)
上記のように、図7に示すように、ボーダー153は、鉛直方向AZから見たとき、奥側X1に凸の弧状に設定されてもよい。このようにボーダー153が設定される理由は、次の通りである。図2に示す例では、鉛直方向AZから見たときに掘削エリア51の手前側X2の境界がエリア横方向AYに延び(例えば直線状であり)、かつ、ボーダー153がエリア横方向AYに延びる直線状である。この例では、ボーダー53よりも手前側X2での掘削列Cの長さが、掘削列Cによって(旋回方向θによって、エリア横方向AYによって)異なる。具体的には、ボーダー153よりも手前側X2での掘削列Cの長さが、エリア横方向AYの中央部よりも、エリア横方向AYの外側(ポイント51a、ポイント51bに近い側)で長い。そして、上記のように、ボーダー53よりも手前側X2で1回の掘削が終了した場合は、この掘削列Cに掘削対象物Oが残ることになる。そのため、エリア横方向AYの中央部よりも、エリア横方向AYの外側で、掘削対象物Oが多く残ることが想定される。
【0048】
一方、図7に示す例では、ボーダー153は、鉛直方向AZから見たとき、奥側X1に凸の弧状に設定される。よって、ボーダー153よりも手前側X2での掘削列Cの長さが、各掘削列Cで(旋回方向θで、エリア横方向AYで)一定または略一定になる。よって、エリア横方向AY(旋回方向θ)の位置が異なる掘削列Cごとの、掘削列Cに残る掘削対象物Oの量を、一定または略一定にすることができる。よって、掘削対象物Oの手前側X2部分で、万遍なく掘削対象物Oを掘削することができる。例えば、掘削エリア51内の手前側X2部分で、万遍なく掘削対象物Oを掘削することができる。よって、掘削作業の効率を向上させることができる。
【0049】
(第1の発明の効果)
図1に示すように、掘削システム1は、下部走行体11(下部本体)と、上部旋回体13と、アタッチメント15と、図4に示すボーダー設定部33と、掘削制御部35と、を備える。図1に示す上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に搭載されたものである。アタッチメント15は、上部旋回体13に取り付けられる。アタッチメント15は、掘削対象物Oを掘削するバケット15cを有する。ボーダー設定部33(図4参照)は、図2に示すように、上部旋回体13との間に間隔をあけた位置にボーダー53を設定する。掘削制御部35(図4参照)は、上部旋回体13の前後方向Xに延びる掘削列Cに沿って、上部旋回体13に近づく向き(手前側X2)に、掘削対象物Oを自動的に掘削するようにバケット15cを制御する。
【0050】
[構成1-1]掘削制御部35(図4参照)は、バケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、上部旋回体13から見てボーダー53よりも奥側X1である場合、掘削列Cを変更することなく次回の掘削をバケット15cに行わせる。
【0051】
[構成1-2]掘削制御部35(図4参照)は、バケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、ボーダー53と同じ位置、または上部旋回体13から見てボーダー53よりも手前側X2である場合、掘削列Cを変更して次回の掘削をバケット15cに行わせる。
【0052】
上記[構成1-1]により、次の効果が得られる。ある掘削列Cにおいてバケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、上部旋回体13から見てボーダー53よりも奥側X1である場合(場合α)を考える。この場合、掘削列Cにおける手前側X2部分に多くの掘削対象物Oが残っていることが想定される。そこで、上記[構成1-1]では、バケット15cによる1回の掘削が終了したときの掘削列C(例えば掘削列C1)を変更することなく、前回と同じ掘削列C(例えば掘削列C1)で、バケット15cに掘削を行わせる。よって、この掘削列Cの手前側X2部分の掘削対象物Oを掘削することができる。
【0053】
上記[構成1-2]により、次の効果が得られる。ある掘削列Cにおいてバケット15cによる1回の掘削が終了したときのバケット15cの位置が、ボーダー53と同じ位置、または上部旋回体13から見てボーダー53よりも手前側X2である場合を考える。この場合、上記の場合αに比べ、この掘削列C(例えば掘削列C1)における手前側X2部分に残っている掘削対象物Oが少ない。そのため、この掘削列C(例えば掘削列C1)でさらに掘削を行っても、掘削できる掘削対象物Oの量は少なく、掘削作業の効率が悪い。そこで、上記[構成1-2]では、掘削制御部35は、掘削列Cを変更して(例えば掘削列C1から掘削列C2に変更して)、変更後の掘削列C(この例では掘削列C2)で、次回の掘削をバケット15cに行わせる。したがって、上記[構成1-1]および[構成1-2]により、ボーダー53が設定されない場合に比べ、自動運転における掘削作業の効率を向上させることができる。
【0054】
(第2の発明の効果)
[構成2]図7に示すように、鉛直方向AZから見たとき、ボーダー153は、上部旋回体13から見て奥側X1に凸の弧状に設定される。
【0055】
上記[構成2]により、ボーダー153よりも手前側X2の掘削列Cの長さ(掘削ストローク)を、上部旋回体13の旋回角度(旋回方向θの向き)が変わっても一定または略一定にすることができる。よって、上部旋回体13の旋回角度が変わっても、ボーダー153よりも手前側X2部分に残る掘削対象物Oの量を一定または略一定にすることができる。よって、掘削対象物Oの手前側X2部分で、万遍なく掘削対象物Oを掘削することができる。よって掘削作業の効率をより向上させることができる。
【0056】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、図4に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、図5および図6に示すフローチャートのステップの順序が変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、各種設定値(例えば1サイクル深さZc)、設定範囲(例えば掘削エリア51)、およびボーダー53などは、作業中に一定でもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じて自動的に変えられてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。具体的には、図4に示すコントローラ30の構成要素(掘削エリア設定部31、ボーダー設定部33、および掘削制御部35)が、1つのコントローラ30にまとめて設けられてもよく、別々に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 掘削システム
11 下部走行体(下部本体)
13 上部旋回体
15 アタッチメント
15c バケット
33 ボーダー設定部
35 掘削制御部
53、153 ボーダー
C、C1~C12 掘削列
O 掘削対象物
X1 奥側
X2 手前側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7