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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016032
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220114BHJP
   B60L 53/302 20190101ALI20220114BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
H02J7/00 301E
B60L53/302
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119290
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】平島 光
(72)【発明者】
【氏名】木村 勇作
(72)【発明者】
【氏名】原澤 紀雄
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 裕介
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB13
5G503FA01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC23
5H125FF14
5H125FF21
(57)【要約】
【課題】充電コネクタをコネクタホルダに戻した後に二台目の車両を充電するまでの時間が短い場合であっても、二台目の車両の蓄電池に対して高い電力で急速充電することができるようにする。
【解決手段】充電装置は、コネクタピン42を有する充電コネクタ4と、充電コネクタ4が充電に利用されていないときに充電コネクタ4を保持するコネクタホルダ5と、を備え、コネクタホルダ5は、コネクタピン42が挿入されるソケット端子522を有するコネクタ受け部52と、ソケット端子522に接続されて設けられ、ソケット端子522に挿入されたコネクタピン42の熱を放熱部53に伝える伝熱部54と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタピンを有する充電コネクタと、前記充電コネクタが充電に利用されていないときに前記充電コネクタを保持するコネクタホルダと、を備える充電装置において、
前記コネクタホルダは、前記コネクタピンが挿入されるソケット端子を有するコネクタ受け部と、前記ソケット端子に接続されて設けられ、前記ソケット端子に挿入された前記コネクタピンの熱を放熱部に伝える伝熱部と、を備える充電装置。
【請求項2】
前記伝熱部は、前記コネクタピンの熱を前記放熱部に伝える二つの伝熱経路を有する請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記伝熱部は、前記ソケット端子と前記放熱部とに跨って接続される第一伝熱部材を有する請求項1又は2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記伝熱部は、前記第一伝熱部材の中途部と前記放熱部とに跨って接続される第二伝熱部材を有する請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記伝熱部は、前記放熱部に面接触した状態で設けられる伝熱板部材を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車などの車両の蓄電池に充電するための充電装置が開示されている。充電装置は、内部に充電用の回路部を設けた筐体の外側に引き出される充電ケーブルと、充電ケーブルの先端部に設けられて車両に接続するための充電コネクタと、を備える。充電装置には、短時間で車両の蓄電池に急速充電することが可能な充電装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6505351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
急速充電が可能な充電装置では、充電ケーブル及び充電コネクタのコネクタピンに大きな電流が流れるため、充電ケーブルやコネクタピンの温度が急上昇しやすい。このため、この種の充電装置では、充電ケーブルやコネクタピンの温度が規定温度以下である場合には高い電力で蓄電池に急速充電できるが、充電ケーブルやコネクタピンの温度が規定温度を越えると、充電ケーブルやコネクタピンを保護するために低い電力で蓄電池に充電する低速充電モードに切り替えられる。充電時間が決まっている場合に、その充電時間内において、低速充電モードで蓄電池に充電する時間が長くなると、蓄電池の充電量が不十分となることがある。
【0005】
このことから、同一の充電ケーブルを用いて、複数台の車両の蓄電池に対して連続して十分に急速充電できるようにするためには、一台目の車両の蓄電池の充電が完了した後、充電ケーブルやコネクタピンの温度が規定温度よりも十分に下回るまで待った後に、二台目の車両の蓄電池の充電を開始する必要がある。すなわち、複数台の車両の蓄電池に対して連続して急速充電するためには、複数台の車両の蓄電池を充電する間隔を長く確保する必要がある、という問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、充電コネクタをコネクタホルダに戻した後に二台目の車両を充電するまでの時間が短い場合であっても、二台目の車両の蓄電池に対して高い電力で急速充電することが可能な充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、コネクタピンを有する充電コネクタと、前記充電コネクタが充電に利用されていないときに前記充電コネクタを保持するコネクタホルダと、を備え、前記コネクタホルダは、前記コネクタピンが挿入されるソケット端子を有するコネクタ受け部と、前記ソケット端子に接続されて設けられ、前記ソケット端子に挿入された前記コネクタピンの熱を放熱部に伝える伝熱部と、を備える充電装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る充電装置によれば、コネクタホルダのソケット端子が伝熱部を介して放熱部に接続されているため、充電コネクタをコネクタホルダに戻したときに、コネクタピン及びこれに接続された充電ケーブルの熱をソケット端子から伝熱部を介して放熱部に効率よく逃がすことができる。これにより、コネクタピン及び充電ケーブルの温度を規定温度以下まで効率よく低下させることができる。従って、充電コネクタをコネクタホルダに戻した後に二台目の車両を充電するまでの時間が短い場合であっても、二台目の車両の蓄電池に対して高い電力で急速充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る充電装置の外観を示す斜視図である。
図2】上記充電装置のコネクタホルダを、そのケースの左側の側壁部を透過した状態で示す斜視図である。
図3図2のIII-IIIの位置での上記コネクタホルダの断面、及び、充電コネクタの先端部の断面を示す断面図である。
図4図3のIV-IVの位置での上記コネクタホルダの断面図である。
図5】本発明の第二実施形態に係る充電装置のコネクタホルダを、そのケースの左側の側壁部を透過した状態で示す斜視図である。
図6図5のVI-VIの位置での上記コネクタホルダの断面、及び、充電コネクタの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一実施形態〕
以下、図1図4を参照して本発明の第一実施形態について説明する。本実施形態では、説明の便宜上、図1等に示す上下、左右及び前後の矢印に示す方向を、上下方向、左右方向及び前後方向と定義して構成要素の位置や向き等を説明する。図1に示すように、充電装置1は、電気自動車などの車両の蓄電池に充電するものであり、筐体2と、充電ケーブル3と、充電コネクタ4と、コネクタホルダ5とを備える。
【0011】
筐体2は矩形箱状に形成され、筐体2の内部に充電用の回路部(不図示)が設けられている。筐体2の前面21には、充電の状態等の各種状態を表示する表示パネル211などが設けられている。充電ケーブル3は、筐体2内部の回路部に電気的に接続され、筐体2の側面22から外側に延びている。充電ケーブル3は可撓性を有する。充電コネクタ4は、充電ケーブル3の先端に設けられている。充電コネクタ4は、樹脂製のコネクタ本体と、コネクタ本体の先端側に形成された円筒状の接続部41(図3参照)と、接続部41の内側に位置して充電ケーブル3と電気的に接続されるコネクタピン42(図3参照)と、コネクタ本体の基端側に形成されたグリップ部と、を有する。充電コネクタ4のグリップ部の基端部側に充電ケーブル3が接続される。接続部41の軸線とコネクタピン42の軸線とは互いに平行している。図3では、コネクタピン42が一つだけ図示されているが、コネクタピン42は左右方向(図3において紙面に直交する方向)に間隔をあけて二つ並んでいる。
【0012】
充電装置1では、充電コネクタ4を車両のインレット(不図示)に差し込むことで、車両の蓄電池に充電することができる。充電装置1では、充電ケーブル3や充電コネクタ4のコネクタピン42の温度が規定温度以下である場合には高い電力で車両の蓄電池に急速充電し、充電ケーブル3やコネクタピン42の温度が規定温度を越えている場合には低い電力で車両の蓄電池に充電する。
【0013】
コネクタホルダ5は、筐体2の側面22の前端側に設けられる。充電コネクタ4が車両のインレットから取り外されて車両の充電に利用されていないときに、当該充電コネクタ4がコネクタホルダ5に保持される。充電コネクタ4をコネクタホルダ5に保持するため充電コネクタ4が挿入されるコネクタホルダ5の後述するケース51の前側開口5111は、筐体2の前面21側に向いている。
【0014】
図2及び図3に示すように、コネクタホルダ5は、ケース51と、コネクタ受け部52と、放熱部53と、伝熱部54とを備える。ケース51は、平板部材に曲げ加工を施して前壁部511、後壁部512、上壁部513、下壁部514及び左右の側壁部515を有する矩形箱状である。前壁部511は、上壁部513の前端部から前方斜め下方に折り曲げられて延び、その前端部から下方に折り曲げられて延びている。前壁部511の下端部と下壁部514の前端部、更に左右の側壁部515の前端部とによって、前後方向に貫通する矩形状の前側開口5111が形成されている。後壁部512には、後壁部512の前後面内において、前後方向に貫通する矩形状の後側開口5121が形成されている。
【0015】
ケース51の内部には、コネクタ受け部52を固定するための取付部材516及び支持部材517が設けられている。取付部材516は、平板部材に曲げ加工を施して形成され、互いに直交する方向に延びる第一平板部5161及び第二平板部5162を有する。第一平板部5161は、ケース51の内面である上壁部513の下面に重ねられ、左右方向に並ぶ二つのネジ101によって上壁部513に固定されている。第二平板部5162は、第一平板部5161に対して直角に折り曲げられ、第一平板部5161の前端から下方に延びている。第二平板部5162の板厚方向は、前後方向に一致している。第二平板部5162は、前壁部511と後壁部512との間に位置する。取付部材516の左右方向の寸法は、ケース51内部の左右方向の寸法とほぼ等しく、取付部材516の左右端部がそれぞれ左右の側壁部515の内面に当接した状態で設けられる。
【0016】
支持部材517は、平板部材に曲げ加工を施して形成され、上から順番に並ぶ第一取付板部5171、支持板部5172、延長板部5173、カバー板部5174及び第二取付板部5175を有する。第一取付板部5171は、取付部材516の第二平板部5162に重ねられ、左右方向に並ぶ二つのネジ102によって第二平板部5162に固定され、第二平板部5162と同様に下方に延びている。支持板部5172は、第一取付板部5171の下端部から前方斜め下方に折り曲げられて延びている。支持板部5172の前面は、ケース51の前側開口5111に対して当該前面の上部が後方側に傾いた傾斜面になっている。支持板部5172には、その板厚方向に貫通する挿通孔5177が形成されている。なお、支持板部5172は、例えば第一取付板部5171に対して折り曲げられず、第一取付板部5171と同様に下方に延びてもよい。
【0017】
延長板部5173は、支持板部5172の下端部から前方に折り曲げられて延びている。カバー板部5174は、延長板部5173の前端部から下方に折り曲げられて延び、その下端部から後方斜め下方に折り曲げられて延びている。第二取付板部5175は、カバー板部5174の下端部から後方に折り曲げられて延びている。第二取付板部5175は、ケース51の内面である下壁部514の上面に重ねられ、左右方向に並ぶ二つのネジ103によって下壁部514に固定されている。支持部材517の左右方向の寸法は、ケース51の内部の左右方向の寸法とほぼ等しく、支持部材517の左右端部がそれぞれ左右の側壁部515の内側面に当接した状態で設けられる。このように設けられる支持部材517及び取付部材516により、ケース51の内部の空間は、前壁部511側の第一空間S1と後壁部512側の第二空間S2とに区画されている。
【0018】
コネクタ受け部52は、受け部本体521と、二つのソケット端子522とを備える。受け部本体521は、電気的な絶縁材料により円筒状に形成されている。受け部本体521の外周部には、受け部本体521の径方向外側に張り出す平板状の鍔部5212が設けられている。受け部本体521の内径寸法は、充電コネクタ4の接続部41の外径寸法に対して同等あるいは若干大きくなっており、受け部本体521内に充電コネクタ4の接続部41を挿入可能になっている。充電コネクタ4の接続部41が受け部本体521内に挿入されることにより、コネクタ受け部52は充電コネクタ4を保持することが可能になっている。
【0019】
受け部本体521の内部には、二つの円筒状の端子収容部5211が左右方向に並んで設けられている。二つの端子収容部5211はそれぞれ、受け部本体521の底壁部(後壁部)から後方に突出するように設けられている。二つの端子収容部5211の内部にそれぞれソケット端子522が挿入されて設けられる。
【0020】
二つのソケット端子522はそれぞれ、導電性を有する雌型の端子金具である。ソケット端子522は、充電コネクタ4のコネクタピン42を挿入可能な円筒状のピン接続部5221と、後述する伝熱線542を挿入可能な円筒状の伝熱線接続部5222とを有する。ソケット端子522は、ピン接続部5221と伝熱線接続部5222とが同軸方向に繋がった形状になっている。ソケット端子522は、受け部本体521の充電コネクタ4が挿入される開口部側にピン接続部5221が配置される向きで、端子収容部5211内に設けられる。受け部本体521内に充電コネクタ4が挿入されると、コネクタピン42が端子収容部5211内のピン接続部5221に挿入されるようになっている。ピン接続部5221にコネクタピン42が挿入されると、ピン接続部5221の内周面とコネクタピン42の外周面とが接触するように、ピン接続部5221及びコネクタピン42の各寸法が構成されている。伝熱線接続部5222には後述する伝熱線542が挿入され、伝熱線接続部5222をかしめて当該伝熱線542に圧着させるようになっている。
【0021】
コネクタ受け部52は、支持部材517の支持板部5172の挿通孔5177に前方側から受け部本体521を挿入し、鍔部5212を支持板部5172の前面に重ねて不図示のボルト及びナットで固定することで、支持板部5172に取り付けられて支持される。コネクタ受け部52を支持板部5172に取り付けた状態において、受け部本体521の充電コネクタ4が挿入される開口部等が、ケース51の前側開口5111を通してケース51の外側に露出する。コネクタ受け部52を支持板部5172に取り付けた状態において、二つの端子収容部5211の後端部が、ケース51の後側開口5121に対向するように位置する。
【0022】
図2図4に示すように、放熱部53は、例えばアルミニウム等の熱伝導率の高い材料からなり、板状のベース部531と、ベース部531の後面に並設された複数の放熱フィン532とを備える空冷ヒートシンクである。ベース部531は、ケース51の後壁部512とほぼ同じ大きさの矩形板状に形成されている。放熱部53は、ベース部531の前面を後壁部512の後面に面接触させ、ベース部531によって後壁部512の後側開口5121をケース51の外側から塞ぐように配置される。そして、放熱部53は、ベース部531の四隅において四つのネジ104によってベース部531を後壁部512に固定することでケース51に取り付けられる。放熱部53をケース51に取り付けた状態において、ベース部531の前面の一部領域は後壁部512の後側開口5121を通してケース51の内側(第二空間S2)に露出する。
【0023】
伝熱部54は、伝熱板部材541と、二本の伝熱線542(第一伝熱部材)と、押さえ部材543と、二つの圧着端子544(第二伝熱部材)と、二つの伝熱ブロック545(第二伝熱部材)とを備える。伝熱板部材541は、例えばアルミニウム等の熱伝導率の高い材料からなり、矩形平板状に形成されている。伝熱板部材541は、ケース51の後壁部512の後側開口5121を通してケース51の内側に露出する放熱部53のベース部531の前面に面接触した状態で配置される。そして、伝熱板部材541は、複数のネジ105(図3参照)によって放熱部53のベース部531に固定される。伝熱板部材541の板厚はケース51の後壁部512の板厚より厚くなっており、放熱部53に固定された伝熱板部材541がケース51内にせり出すようになっている。伝熱板部材541は、平板部材をクランク状に曲げ加工されて形成された固定部材106を介してケース51にも固定されている。固定部材106は、ケース51の後壁部512の前面(内面)に重なるように配置されて左右二つの皿ネジ107によって固定される。その固定部材106の後面に伝熱板部材541の前面が重なるように伝熱板部材541が配置されて左右二つの皿ネジ107によって固定される。
【0024】
二本の伝熱線542はそれぞれ、複数本の金属細線5421(例えば銅製の細線)をより合わせた断面円形状のリッツ線である。二本の伝熱線542の一端部側はそれぞれ、ソケット端子522の伝熱線接続部5222に挿入されて圧着固定される。二本の伝熱線542の他端部側はそれぞれ、ソケット端子522から端子収容部5211の外側に出て後方に延び、そこから上方に折り曲げられて伝熱板部材541の前面に沿うように上方に延びる。それら二本の伝熱線542の他端部側はそれぞれ、伝熱線542を構成する複数本の金属細線5421をほぐして左右方向に広げた状態で伝熱板部材541の前面に接触させて配置される(図4参照)。そして、二本の伝熱線542の他端部側は、押さえ部材543によって、伝熱板部材541の前面に押し付けられる。このように、二本の伝熱線542はそれぞれ、二つのソケット端子522と伝熱板部材541の前面とに跨って接続される。
【0025】
押さえ部材543は、ポリカーボネートなどのように電気的な絶縁性を有する材料により矩形板状に形成されている。押さえ部材543の後面には、上下方向に延びる矩形凹状の二つの挿入溝5431が左右方向に間隔をあけて並んで形成されている。二つの挿入溝5431はそれぞれ、押さえ部材543の上下方向の両側に開口している。二つの挿入溝5431内にはそれぞれ、伝熱板部材541の前面に沿って配置された二本の伝熱線542の他端部側が挿入可能になっている。押さえ部材543は、二つの挿入溝5431内に二本の伝熱線542の他端部側を挿入した状態で、伝熱板部材541の前面に複数の皿ネジ108及びナット109によって固定される。このように押さえ部材543が固定されると、伝熱線542の他端部側において複数本の金属細線5421が挿入溝5431内で左右方向に広がった状態で押さえ部材543によって伝熱板部材541の前面に押し付けられる。左右方向に広がった複数本の金属細線5421は、挿入溝5431の底面及び左右両側面にも押し付けられた状態となる。このとき、伝熱線542の他端部は、押さえ部材543の挿入溝5431から上方に突出せずに挿入溝5431内に配置される。
【0026】
伝熱線542の他端部側及び押さえ部材543と伝熱板部材541の前面との間には、電気的な絶縁性を有する絶縁シート110が設けられる。絶縁シート110は、伝熱線542と伝熱板部材541とを電気的に絶縁する。絶縁シート110は、弾力性を有しており、熱伝導率の高い材料によって構成される。絶縁シート110が伝熱線542の他端部側と伝熱板部材541の前面との間に挟まれることで、伝熱線542の他端部側と伝熱板部材541の前面との間に生じる微妙な隙間を当該絶縁シート110により埋めて、伝熱線542の他端部側と伝熱板部材541の前面との密着度を高めることができる。これにより、伝熱線542の他端部側から伝熱板部材541に効率よく熱を伝えることができる。
【0027】
二つの圧着端子544はそれぞれ、導電性を有する材料からなり、圧着筒部5441と、接続板部5442とを備える。圧着筒部5441は、伝熱線542が通る筒状に形成されている。圧着筒部5441の内側に伝熱線542を通した状態で圧着筒部5441をその径方向から潰すことで、圧着筒部5441を伝熱線542に固定することができる。接続板部5442は、圧着筒部5441の軸方向の端部から該軸方向に対して斜めに延びる平板状に形成されている。
【0028】
二つの圧着端子544(圧着筒部5441)はそれぞれ、ソケット端子522に固定される伝熱線542の一端部側と、伝熱板部材541に押し付けられる伝熱線542の他端部側との間に位置する伝熱線542の中途部に固定される。二つの圧着端子544を二本の伝熱線542に固定した状態において、二つの圧着端子544の接続板部5442はそれぞれ、圧着筒部5441から伝熱板部材541の前面に沿うように下方に延びる。二つの接続板部5442はそれぞれ、接続板部5442の板厚方向が前後方向に向くようにして伝熱板部材541の前面に対して前方に間隔をあけて位置する。二つの接続板部5442はそれぞれ、二つの伝熱ブロック545を介して伝熱板部材541の前面に接続される。二本の伝熱線542にそれぞれ固定された二つの圧着端子544は、左右方向に間隔をあけて並んで配置される。
【0029】
二つの伝熱ブロック545はそれぞれ、導電性を有する材料からなり、矩形ブロック状に形成されている。二つの伝熱ブロック545は、伝熱板部材541の前面に面接触し、且つ左右方向に間隔をあけて並んだ状態で配置される。それら二つの伝熱ブロック545の前面にはそれぞれ、伝熱線542に固定された圧着端子544の接続板部5442が面接触した状態で二つの皿ネジ111及びナット112によって固定される。二つの伝熱ブロック545はそれぞれ、上記のように圧着端子544が固定された後に、二つの皿ネジ113及びナット114によって伝熱板部材541の前面に固定される。二つの伝熱ブロック545と伝熱板部材541の前面との間には、これらを電気的に絶縁する上記絶縁シート110が設けられる。伝熱ブロック545の下端は、絶縁シート110の下端より僅かに上側に位置している。換言すると、絶縁シート110は、伝熱ブロック545より下側に僅かに突出している。伝熱ブロック545と皿ネジ113及びナット114との間には絶縁ブッシュ115が設けられる(図2参照)。これら絶縁シート110及び絶縁ブッシュ115により、伝熱ブロック545と伝熱板部材541とを電気的に絶縁するようになっている。
【0030】
充電装置1では、充電コネクタ4をケース51の前側開口5111から挿入してコネクタ受け部52に差し込むと、充電コネクタ4の接続部41が受け部本体521内に挿入される。充電コネクタ4の接続部41が受け部本体521内に挿入されることで、充電コネクタ4がコネクタホルダ5に保持され、充電コネクタ4の二つのコネクタピン42がそれぞれ、コネクタホルダ5の二つのソケット端子522のピン接続部5221に挿入される。コネクタピン42がピン接続部5221に挿入されると、コネクタピン42の外周面がピン接続部5221の内周面に接触した状態となる。
【0031】
充電装置1においては、車両の充電を行った後に、充電ケーブル3や充電コネクタ4の二つのコネクタピン42の温度が高くなった状態で、当該充電コネクタ4をコネクタホルダ5のコネクタ受け部52に差し込むと上記のような状態になるため、充電ケーブル3や二つのコネクタピン42の熱はそれぞれ、ソケット端子522のピン接続部5221から伝熱線接続部5222へと伝わり、伝熱線接続部5222から伝熱線542へと伝わる。伝熱線542へと伝わった熱は、押さえ部材543の挿入溝5431内で複数本の金属細線5421が左右方向に広がった状態となっている伝熱線542の他端部側から絶縁シート110、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝わる。さらに、伝熱線接続部5222から伝熱線542へと伝わった熱は、伝熱線542の中途部に固定された圧着端子544の圧着筒部5441から接続板部5442へと伝わり、接続板部5442から伝熱ブロック545、絶縁シート110、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝わる。このように、二つのコネクタピン42の熱はそれぞれ、二つの伝熱経路をたどって放熱部53に伝わり、放熱部53によって放散される。なお、伝熱経路としては、伝熱線542から圧着端子544を経由する経路の方が熱抵抗が小さいため、こちらの経路が主経路となり、押さえ部材543に固定されている伝熱線542の他端部側を経由する経路が補助的な経路となってもよい。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の充電装置1によれば、コネクタホルダ5は、コネクタピン42が挿入されるソケット端子522を有するコネクタ受け部52と、ソケット端子522に接続されて設けられ、ソケット端子522に挿入されたコネクタピン42の熱を放熱部53に伝える伝熱部54とを備える。これにより、コネクタピン42がソケット端子522に挿入された状態では、コネクタピン42及びこれにつながる充電ケーブル3の熱を、ソケット端子522及び伝熱部54を介して放熱部53に伝えることができる。このため、コネクタピン42及び充電ケーブル3の熱を効率よく逃がして、コネクタピン42及び充電ケーブル3の温度を効率よく低下させることができる。すなわち、コネクタピン42及び充電ケーブル3の温度をより短い時間で規定温度よりも十分に下回らせることができる。従って、充電コネクタ4をコネクタホルダ5に戻した後に二台目の車両を充電するまでの時間が短い場合であっても、二台目の車両の蓄電池に対して高い電力で急速充電することができる。
【0033】
充電装置1では、伝熱部54は、放熱部53に面接触した状態で設けられる伝熱板部材541を有する。この伝熱板部材541により、ソケット端子522から伝熱板部材541に伝わった熱を、伝熱板部材541の板厚方向に直交する面方向(図2図4において上下左右方向)に拡散した上で放熱部53に効率よく伝えることができる。従って、コネクタピン42及び充電ケーブル3の熱をさらに効率よく逃がして、コネクタピン42及び充電ケーブル3の温度をさらに効率よく低下させることができる。
【0034】
充電装置1では、伝熱部54は、コネクタピン42の熱を、ソケット端子522から複数本の金属細線5421が左右方向に広がった状態となっている伝熱線542の他端部側、絶縁シート110、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝える第一伝熱経路と、ソケット端子522から伝熱線542、伝熱線542の中途部に固定された圧着端子544、伝熱ブロック545、絶縁シート110、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝える第二伝熱経路とを有する。これにより、伝熱部54の二つの伝熱経路を放熱部53の互いに異なる部分に接続して、伝熱部54が接続される放熱部53の領域を拡大することができる。従って、コネクタピン42の熱を伝熱部54から放熱部53に効率よく伝えることができる。また、第一伝熱経路において、絶縁シート110を介して伝熱板部材541に接続される伝熱線542の他端部側が、複数本の金属細線5421を左右方向に広げた状態となっているため、絶縁シート110及び伝熱板部材541との接触面積を広くすることができ、これにより更に効率よく熱を伝えることができる。第二伝熱経路において、圧着端子544と絶縁シート110及び伝熱板部材541との間に伝熱ブロック545が設けられていることにより、圧着端子544から伝熱ブロック545に伝わった熱を、伝熱ブロック545の板厚方向に直交する面方向(図2図4において上下左右方向)に拡散した上で放熱部53に効率よく伝えることができる。
【0035】
充電装置1では、伝熱部54は、ソケット端子522と伝熱板部材541とに跨って接続される伝熱線542(第一伝熱部材)と、伝熱線542の中途部と伝熱板部材541とに跨って接続される圧着端子544(第二伝熱部材)及び伝熱ブロック545(第二伝熱部材)とを有する。これにより、伝熱線542の中途部に圧着端子544を取り付けるだけで、二つの伝熱経路を簡単に構成することができる。
【0036】
充電装置1では、コネクタホルダ5がコネクタ受け部52及び伝熱部54を収容するケース51を備え、放熱部53はケース51の外側に配置されている。これにより、コネクタ受け部52及び伝熱部54をケース51によって水分や塵埃から保護しながら、コネクタピン42の熱がケース51の内部において籠ることを抑制して、伝熱部54から放熱部53に伝わった熱をケース51の外側において効率よく放散することができる。
【0037】
充電装置1では、二つのソケット端子522が互いに間隔をあけて配置され、二本の伝熱線542が互いに間隔をあけて配置され、二つの圧着端子544が互いに間隔をあけて配置され、二つの伝熱ブロック545が互いに間隔をあけて配置された上で、二つ伝熱ブロック545及び二本の伝熱線542と伝熱板部材541とが絶縁シート110や絶縁ブッシュ115によって電気的に絶縁されている。これにより、二つのソケット端子522にそれぞれ二つのコネクタピン42が挿入されても、二つのコネクタピン42の間で電気的に短絡することを抑制又は防止することができる。
【0038】
〔第二実施形態〕
次に、図5及び図6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0039】
本実施形態の充電装置は、図5及び図6に示すコネクタホルダ5Cの他に、第一実施形態と同様の筐体2、充電ケーブル3及び充電コネクタ4(図1参照)を備える。コネクタホルダ5Cの構成は、後述する伝熱部54Cの構成を除いて、第一実施形態のコネクタホルダ5と同様である。伝熱部54Cは、伝熱板部材541と、二本の伝熱線542(第一伝熱部材)と、二つの第一圧着端子546(第一伝熱部材)と、二つの第二圧着端子547(第二伝熱部材)と、二つの伝熱ブロック548と、を備える。伝熱板部材541やこれをケース51の後壁部512の固定するための固定部材106は第一実施形態と同様である。
【0040】
二本の伝熱線542はそれぞれ、第一実施形態と同様のリッツ線である。二本の伝熱線542の一端部側はそれぞれ、ソケット端子522の伝熱線接続部5222に挿入されて圧着固定される。二本の伝熱線542の他端部側はそれぞれ、ソケット端子522から端子収容部5211の外側に出て伝熱板部材541に向けて後方に延び、そこから折り曲げられて上方に延びる。そして、二本の伝熱線542の他端部側はそれぞれ、伝熱板部材541の前面に対して前方に間隔をあけて上方に延びた状態で配置される。それら二本の伝熱線542の他端部にはそれぞれ、第一圧着端子546が固定される。
【0041】
二つの第一圧着端子546はそれぞれ、導電性を有する材料からなり、第一実施形態の圧着端子544と同様に圧着筒部5461及び接続板部5462を備える。圧着筒部5461は、伝熱線542が通る筒状に形成されている。圧着筒部5461内に伝熱線542の他端部側を挿入した状態で当該圧着筒部5461をその径方向から押し潰すことにより、圧着筒部5461を伝熱線542の他端部側に固定することができるようになっている。接続板部5462は、圧着筒部5461の軸方向の端部から該軸方向に延びる平板状に形成されている。二つの第一圧着端子546の圧着筒部5461はそれぞれ、上記のように二本の伝熱線542の他端部側に固定される。二つの第一圧着端子546をそれぞれ二本の伝熱線542に固定した状態において、第一圧着端子546の接続板部5462は、圧着筒部5461(伝熱線542の他端部側)から伝熱板部材541の前面に沿うように上方に延びる。接続板部5462は、接続板部5462の板厚方向が前後方向に向くようにして伝熱板部材541の前面に対して前方に間隔をあけて配置される。二つの接続板部5462はそれぞれ、伝熱ブロック548を介して伝熱板部材541に接続される。二本の伝熱線542にそれぞれ固定された二つの第一圧着端子546は、左右方向に間隔をあけて並んで配置される。
【0042】
二つの第二圧着端子547は、第一実施形態の二つの圧着端子544(図2,3参照)と同じ構成である。二つの第二圧着端子547の圧着筒部5471はそれぞれ、二本の伝熱線542の中途部に固定される。二つの第二圧着端子547の接続板部5472はそれぞれ、圧着筒部5471から伝熱板部材541の前面に沿うように下方に延びる。二つの接続板部5472はそれぞれ、接続板部5472の板厚方向が前後方向に向くようにして伝熱板部材541の前面に対して前方に間隔をあけて配置される。二つの接続板部5472はそれぞれ、二つの伝熱ブロック548を介して伝熱板部材541に接続される。二本の伝熱線542にそれぞれ固定された二つの第二圧着端子547は、左右方向に間隔をあけて並んで配置される。
【0043】
二つの伝熱ブロック548はそれぞれ、導電性を有する材料からなり、第一ブロック部5481、第二ブロック部5482及び連結部5483を有する。第一ブロック部5481及び第二ブロック部5482はいずれも矩形ブロック状に形成されている。伝熱ブロック548は、第一ブロック部5481と第二ブロック部5482とが上下方向に間隔をあけて並んで配置され、それらの第一及び第二ブロック部5481,5482の左右一方端側を連結部5483により連結して一体に構成されている。連結部5483は第一及び第二ブロック部5481,5482よりも左右寸法が小さくなっており、伝熱ブロック548は、第一及び第二ブロック部5481,5482の間に隙間を有する略C字状に形成されている。
【0044】
二つの伝熱ブロック548は、上下方向に延びて左右方向に間隔をあけて並び、伝熱板部材541の前面に面接触した状態で配置される。それら二つの伝熱ブロック548にはそれぞれ、伝熱線542の他端部側に固定された第一圧着端子546の接続板部5462が、第一ブロック部5481の前面に面接触した状態で二つの皿ネジ117及びナット118によって固定される。このとき、伝熱線542の他端部側及び、それに固定された第一圧着端子546の圧着筒部5461は、伝熱ブロック548における第一及び第二ブロック部5481,5482の間の隙間(連結部5483の側方の隙間)内に配置される。また、二つの伝熱ブロック548にはそれぞれ、伝熱線542の中途部に固定された第二圧着端子547の接続板部5472が、第二ブロック部5482の前面に面接触した状態で二つの皿ネジ119及びナット120によって固定される。
【0045】
二つの伝熱ブロック548はそれぞれ、上記のように第一圧着端子546及び第二圧着端子547が固定された後に、上下方向に並ぶ四つの皿ネジ121及びナット122によって伝熱板部材541の前面に固定される。伝熱ブロック548と伝熱板部材541の前面との間には、これらを電気的に絶縁する第一実施形態と同様の絶縁シート123が設けられる。四つの皿ネジ121及びナット122と伝熱ブロック548との間には、これらを電気的に絶縁する絶縁ブッシュ124が設けられる。これらにより、伝熱ブロック548と伝熱板部材541とを電気的に絶縁するようになっている。二つの伝熱ブロック548における第一及び第二ブロック部5481,5482の間の隙間内に配置される、伝熱線542の他端部側及び、それに固定された第一圧着端子546の圧着筒部5461と、それらに対向する伝熱板部材541の前面との間にも絶縁シート123が設けられる。これにより、伝熱線542の他端部側及び第一圧着端子546の圧着筒部5461と伝熱板部材541との間でも電気的な短絡が発生することを抑制又は防止することができるようになっている。絶縁シート123は、伝熱ブロック548より上下側に僅かに突出している。
【0046】
第二実施形態のコネクタホルダ5Cでは、充電コネクタ4がコネクタホルダ5Cに保持されると、充電コネクタ4の二つのコネクタピン42がそれぞれ、コネクタホルダ5Cの二つのソケット端子522のピン接続部5221に挿入され、コネクタピン42の外周面がピン接続部5221の内周面に接触した状態となる。このような状態となると、充電ケーブル3や二つのコネクタピン42の熱はそれぞれ、ソケット端子522のピン接続部5221から伝熱線接続部5222へと伝わり、伝熱線接続部5222から伝熱線542へと伝わる。伝熱線542へと伝わった熱は、伝熱線542の他端部側に固定された第一圧着端子546の圧着筒部5461から接続板部5462へと伝わり、接続板部5462から伝熱ブロック548(第一ブロック部5481)、絶縁シート123、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝わる。さらに、伝熱線接続部5222から伝熱線542へと伝わった熱は、伝熱線542の中途部に固定された第二圧着端子547の圧着筒部5471から接続板部5472へと伝わり、接続板部5472から伝熱ブロック548(第二ブロック部5482)、絶縁シート123、伝熱板部材541の順に経由して放熱部53に伝わる。このように、二つのコネクタピン42の熱はそれぞれ、二つの伝熱経路をたどって放熱部53に伝わり、放熱部53によって放散される。
【0047】
第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、第二実施形態のコネクタホルダ5Cでは、伝熱ブロック548が、第一圧着端子546に接続される第一ブロック部5481と、第二圧着端子547に接続される第二ブロック部5482とを連結部5483によって一体に形成して構成されている。これにより、前後方向から見た伝熱ブロック548の面積は、第一ブロック部5481、第二ブロック部5482のそれぞれの面積よりも大きいため、伝熱ブロック548に伝わった熱を上下左右方向により広く拡散した上で、伝熱板部材541に効率よく伝えることができる。従って、コネクタピン42及び充電ケーブル3の熱をさらに効率よく逃がして温度を低下させることができる。
【0048】
第二実施形態においては、例えば第一ブロック部5481と第二ブロック部5482とが別個に形成され、互いに間隔をあけて配置されてもよい。
【0049】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、空冷ヒートシンクである放熱部53を備えているが、このような放熱部53(空冷ヒートシンク)は必須ではなく、コネクタホルダ5,5Cのケース51や充電装置1の筐体2等に伝熱部54,54Cを接続するように構成し、コネクタピン42の熱をケース51や筐体2を介して放散させるようにしてもよい。或いは、伝熱板部材541を放熱部としてみなす構成としてもよい。
【0050】
本発明において、伝熱線542は、複数本の金属細線5421をより合わせたリッツ線に限らず、例えば一本の金属線(例えば銅線)であってもよい。また、伝熱線542の中途部に取り付けられた圧着端子544,547の接続板部5442,5472は、少なくとも伝熱板部材541の前面に沿って伝熱線542の他端部が延びる方向と異なる方向に延びればよく、例えば、伝熱線542の中途部から伝熱板部材541の前面に沿うように右方向や左方向に延びて配置されてもよい。
【0051】
本発明において、伝熱部54,54Cは、例えば、コネクタピン42の熱を放熱部53に伝える伝熱経路を三つ以上有してもよい。伝熱部54が三つ以上の伝熱経路を有するためには、例えば同一の伝熱線542の中途部に二つ以上の圧着端子544,547を取り付けるようにしてもよい。伝熱線542や圧着端子544,546,547、伝熱ブロック545,548、伝熱板部材541は、例えば、電気的な絶縁材料によって構成されてもよい。
【0052】
本発明においては、例えば、二つのソケット端子522が伝熱線542や圧着端子544,546,547、伝熱ブロック545,548を介さずに伝熱板部材541に直接接続されてもよい。また、伝熱線542や圧着端子544,546,547、伝熱ブロック545が伝熱板部材541を介さずに放熱部53に直接接続されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 充電装置
4 充電コネクタ
42 コネクタピン
5,5C コネクタホルダ
52 コネクタ受け部
522 ソケット端子
53 放熱部
54,54C 伝熱部
541 伝熱板部材
542 伝熱線(第一伝熱部材)
544 圧着端子(第二伝熱部材)
545 伝熱ブロック(第二伝熱部材)
546 第一圧着端子(第一伝熱部材)
547 第二圧着端子(第二伝熱部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6