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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160343
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】テレコムメット
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/175 20060101AFI20221012BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G10K11/175
H04R1/02 107
H04R1/02 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065031
(22)【出願日】2021-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】501359412
【氏名又は名称】株式会社リンテック21
(74)【代理人】
【識別番号】100144277
【弁理士】
【氏名又は名称】乙部 孝
(72)【発明者】
【氏名】富田 真次
(72)【発明者】
【氏名】田上 貴也
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 秀雄
【テーマコード(参考)】
5D017
5D061
【Fターム(参考)】
5D017AC17
5D017BB16
5D061FF02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】離れた場所との交信を行う簡便なテレワークのための環境を安価に提供するテレコムメットを提供する。
【解決手段】発話者の頭部を覆い周辺への漏話を減らして交信相手との交信を行う交信環境を提供するテレコムメット1であって、遮音特性を有する筐体4と、筐体により作られる空間に、発話者の声を集める収音マイクと発話者へ相手の情報を伝える内部装置と、筐体の外側に向けて内部音声をマスクするマスク音を出力する外部スピーカー2と、を設け、外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号を送る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発話者の頭部を覆い周辺への漏話を減らして交信相手との交信を行う交信環境を提供するテレコムメットであって、
遮音特性を有する筐体と、
該筐体により作られる空間に、発話者の声を集める収音マイクと発話者へ相手の情報を伝える内部装置と、
前記筐体の外側に向けて内部音声をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーと、が設けられ、
該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られることを特徴とするテレコムメット。
【請求項2】
前記筐体の前面が透明部材で構成され、前記収音マイクがヘッドセットマイク又は咽喉マイクであることを特徴とする請求項1に記載のテレコムメット。
【請求項3】
前記マスク信号が、前記内部音声の強度または周波数に応じて生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレコムメット。
【請求項4】
前記マスク信号が、前記内部音声の強度または周波数に応じて前記筐体の外部に存在する外部雑音を加工して生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載のテレコムメット。
【請求項5】
前記マスク信号が、前記内部音声に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のテレコムメット。
【請求項6】
前記マスク信号が、前記内部音声の逆再生音を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載のテレコムメット。
【請求項7】
前記筐体がその下部に袴部材を備えることを特徴とする請求項6に記載のテレコムメット。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭又は公共の場或いは事務所などで周囲からの雑音による妨害や周囲への情報漏れを少なくして離れた場所との交信を行うテレコムワーク(テレワーク)の環境を提供するテレコムメットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークの推進に伴い面談することなしに離れた場所に居る相手と打ち合わせを行う機会が増えている。その際に相手との会話内容を周囲の人に聞かれない環境への要求が増えている。そのような環境を提供する候補としてボーカルや楽器の練習に際して家族及び近隣への音の迷惑を避けるための防音ボックスが種々開示されている。しかし本格的な防音室はその用意に100万円単位の費用が掛かることやその設置にスペースを必要とすることもあって安価で簡便なテレワーク環境の提供への要望が強い。
【0003】
そこで簡便で省スペースなテレワーク環境を提供する候補としてバイク用のヘルメットがある。ヘルメット着用中の電話応答が可能なハンドフリー装置が開示されている(特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-191433号公報
【特許文献2】実用新案登録第3106503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるにこれらのハンドフリー装置は外部からの騒音や話の内容が外部へ漏れる漏話についての積極的な対応が不十分である。
【0006】
そこで、この発明の課題の設定は上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、離れた場所との交信を行う簡便なテレワークのための環境を安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテレコムメットは、発話者の頭部を覆い周辺への漏話を減らして交信相手との交信を行う交信環境を提供するテレコムメットであって、遮音特性を有する筐体と、該筐体により作られる空間に、発話者の声を集める収音マイクと発話者へ相手の情報を伝える内部装置と、前記筐体の外側に向けて内部音声をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーと、が設けられ、 該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られることを特徴とするテレコムメットである。
【0008】
発話者の頭部を覆い周辺への漏話を減らして交信相手との交信を行う交信環境を提供するテレコムメットであって、遮音特性を有する筐体と、該筐体により作られる空間に、発話者の声を集める収音マイクと発話者へ相手の情報を伝える内部装置と、前記筐体の外側に向けて内部音声をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーと、が設けられ、 該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られるので、内部では外部雑音に邪魔されず、外部への情報漏洩が少ない環境を容易に構成することができる。
【0009】
請求項2に記載のテレコムメットは、前記筐体の前面が透明部材で構成され、前記収音マイクがヘッドセットマイク又は咽喉マイクであることを特徴とする請求項1に記載のテレコムメットである。
【0010】
筐体の前面が透明部材で構成され、前記収音マイクがヘッドセットマイク又は咽喉マイクであるので、机上に置かれた資料やパソコン画面の情報のアクセスが容易であり、咽頭マイクは外部雑音を収音し難いので外部雑音に煩わされることなく交信が図れる。
【0011】
請求項3に記載のテレコムメットは、前記マスク信号が、前記内部音声の強度または周波数に応じて生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレコムメットである。
【0012】
前記マスク信号が、前記内部音声の強度または周波数に応じて生成されるので、内部音声のマスク作用が効果的になる。
【0013】
請求項4に記載のテレコムメットは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度又は周波数に応じて前記外部雑音を加工して生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレコムメットである。
【0014】
前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度または周波数に応じて前記外部雑音を加工して生成されるので外部に居る人には違和感なくマスク効果の向上を図れる。
【0015】
請求項5に記載のテレコムメットは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のテレコムメットである。
【0016】
内部音声又は内部環境音に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されるので外部に居る人にはマスク効果の向上を図れる。
【0017】
請求項6に記載のテレコムメットは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の逆再生音であることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載のテレコムメットである。
【0018】
マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の逆再生音であるのでマスク信号の生成が容易であり、内部音声又は内部環境音の周波数帯をマスク信号とするのでマスク効果の向上が図れる。
【0019】
請求項7に記載のテレコムメットは、前記筐体がその下部に袴部材を備えることを特徴とする請求項6に記載のテレコムメットである。
【0020】
前記筐体がその下部に袴部材を備えるので遮音特性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】テレコムメットの(A)前面から、(B)背面からの外観図である。
図2】テレコムメットを使用する様子の説明図である。
図3】(A)テレコムメットに付随する集音器及び発声器、(B)咽喉マイクの説明図である。
図4】テレコムメット使用環境について(A)外部との接続(B)音声処理の説明図である。
図5】発話者の音声処理の説明図である。
図6】マスク信号発生のフローチャートである。
図7】(A)多重化回路、(B)マスク音発生の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
テレワークのために事務所や家庭などで外線に繋がれた相手と良好な交信を行うためには、周囲雑音に妨害され難いとともに外線からの対話が漏洩しづらい環境が必要とされる。そういう環境を提供する候補として防音ボックスが挙げられる。しかし、従来の防音ボックスは設置スペースを必要とし費用も嵩むという難点が有った。また、ハンズフリーの会話をするバイク用の装置も提供されているが、外部への会話の漏洩対策は見られない。そこで、本発明は従来のテレコム環境の提供手段の抱える問題点を解決するべく発明者の試行錯誤の開発から生まれたものである。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
音には空気中を伝わって耳に届く「空気音」と、足音や物の落下音が床や壁を伝わって聞える「固体音」の2種類がある。「空気音」はジェット機の音や自動車の音、楽器の音など、空気中を伝わってくる音で、「固体音」は上階の足音やスピーカーの振動音、電車やトラックの振動音、トイレの排水音など、物体を振動させて聞えてくる音である。
【0024】
本発明のテレコムメットは頭部に被って用いるので内部への雑音及び外部への漏れ音声は空気により伝達されるものが主体である。ここでテレワークをするために離れた場所の相手との交信を行う自装置に於いて問題になるのは外部雑音(N)による妨害と交信内容(S)の漏洩である。つまり、内部でのS/Ni(内部S/N)を上げ、外部でのS/N(外部S/N)を下げることが求められる。さらに、相手装置へ高いS/Nでの送信が行われることが望ましい。
【0025】
上記の要件を踏まえて開発された本願発明の第1実施例となるテレコムメット1を以下に説明する。図1(A)は、前面からの外観の斜視図である。図1(B)は、背面からの外観の斜視図である。筐体の寸法は幅が約30cm、奥行き約30cm、高さ約30cmとした。また、遮音特性の向上のために筐体の内部には吸音材を貼付し、筐体の下部に袴部材5を付着してある。遮音特性のさらなる向上には袴部材の長さを使用者の肺を覆う長さ以上にすることが好ましい。発話者の音声は体からも出てくるからである。
【0026】
筐体の部材は、軽いバルサ材などの木材、プラスチック、薄い金属など剛性を有し、軽い素材が好適である。
【0027】
図1に示すようにテレコムメット1は全体が箱型で、前面は透明部材で構成され、発話者が資料やキーボード、モニター画面の観測の妨げにならないようになっている。筐体の側面には、後述する外部へ漏れる音をマスクするマスク音を発生する外部スピーカー2が設けられる。
【0028】
図2にテレコムメット1の使用時の様子を示す。使用者は椅子に座り机20の上には必要に応じてモニター10が置かれる。テレワークの相手との交信は発話者が装着するヘッドセットのイヤホンを内部装置として、ヘッドセットマイクを収音マイク9として用いることが簡便である。なお、外部雑音が大きい環境では、収音マイクとして後述するは咽喉マイクを用いても良い。
【0029】
図3(A)のテレコムメット1には、発話者の耳の傍に位置する耳そばスピーカー8と、後述するマスク信号発生に用いられる外部雑音を拾う収音マイク7が設けられている。工場や建設現場のように外部雑音が大きい環境でテレコムメット1を使う場合は、収音マイクとして図3(B)に示す咽喉マイクの使用で相手装置への会話音のS/Nの向上が図れる。
【0030】
図4(A)には、テレコムメット1が使われるテレワークの構成を示す。発話者の用いるスマートフォンやパソコン13には、収音マイク9と耳そばスピーカー8が接続される。公衆回線15を経て相手装置14が接続され相手との会話が行われる。テレワークで問題となる会話内容の漏話は、テレコムメットの遮音特性により抑えられるが漏話内容の外部人間による認識を妨げるには会話内容をマスクするマスク音を外部へ発生する。
【0031】
人間の聴覚は複合音を聞いたとき、オームの法則としてその成分音を別々に聞き分ける能力を持っているので、マスク音は信号音とスペクトルが重なることでその効果が高いことが知られている。また内部から漏れる音声のレベルが大きくなる場合にはマスク音も大きくして外部S/Nを下げる必要がある。
【0032】
テレコムメットの外部へ送出するマスク信号の生成に際して、発話者が大きな声を出す或いは内部環境音が大きくなると信号成分(S)が大きくなるのでこれに対応してマスク音で作られるノイズ成分(N)も大きくすることで所定のS/N以下に制御することができる。また、マスク音の周波数成分は信号成分の周波数成分と重なることが効果的なのでマスク信号の生成に外部S/Nを所定の値よりも低くするために、会話者の発する音声或いは内部環境音の強度と周波数により制御されることが望ましい。
【0033】
テレコムメットの外部には周囲の人の話し声や空調機の騒音など外部雑音が存在する。そこで、外部雑音を内部の発話者の声或いは内部環境音の周波数成分でフィルタリングし、強度を発話者の音声強度により調整することでテレコムメットの周辺でのS/Nを所定の値以下に押さえて内部情報の漏洩を防止することができる。
【0034】
音声加工には既成のプロセッサーを流用することも可能である。多くの加工メニューにおいて内部音声又は内部環境音について、内部音声又は内部環境音の波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることが好適である。複数の加工済み音声を合算してマスク信号とすることもできる。
【0035】
人間の会話の認識を妨げるにはホワイトノイズのような広い周波数帯域よりも、会話に用いられる周波数帯のマスク音が効果的とされていることを踏まえて図4(B)には発話者の音声を拾う収音マイク9の信号を用いて外部雑音を拾う集音マイク7の内容を制御する仕組みを記載している。
【0036】
マスク信号の発生の詳細について図5を用いて説明する。図5のP1では、発話者の音声と相手からの音声とからなる内部音声を拾う収音マイク9の信号は図4のアナログ・デジタル変換器11により内部音声デジタル信号に変換される。アナログ・デジタル変換は市販のA/D変換ICやインタフェイスにアナログ・デジタル変換機能を有するマイクロコンピュータにより行う。図4の信号処理装置12では内部音声の強度または周波数に応じて白色雑音や筐体の外部に存在する外部雑音を加工してマスク信号を生成する。
【0037】
図5のP3では、内部音声の周波数により雑音源を制御する。周波数による制御にはP2において内部音声デジタル信号をフーリエ変換して周波数成分に分ける周波数分析を行う。その周波数成分により白色雑音や集音マイク9からの外部雑音の強度を変調する。周波数分析のために用いるフーリエ変換には市販のFFTのアルゴリズムを組み込んだICやFFTソフトウエアを蓄積したFPGA,マイコンなどを適宜用いる。得られた周波数成分の所定の変換を経た強度に応じて白色雑音や筐体の外部に存在する外部雑音を加工してマスク信号を生成するための制御信号A1を得る。
【0038】
図5のP4では音声信号の強度を制御信号とする構成を説明する。内部音声の強度を使うには、内部音声のアナログ・デジタル変換で得られる内部音声デジタル信号の所定期間での平均値を算出し、その平均値を振幅制御信号A2として、マスク音源となる会話周波数帯に多くのパワーを持つようにした白色雑音や筐体の外部に存在する外部雑音の強度を変調する。平均は平均時間幅を時間変動させることや、サンプル値に対して平均する枠を移動させて平均を取る移動平均が好ましい。
【0039】
図5のP5では遅延制御をする制御信号A3を生成する。P1で得られた内部音声デジタル信号をメモリへ蓄え所定の時間後に読み出し加算して出力する。この方法で周波数帯域は内部音声の周波数帯域が確保されるが時間をずらせた音声信号が多重化されるため本体の音声の認識が困難になる。
【0040】
その他、波形の立ち上がり整形はサンプリング値の強度を変動させることで行う。高調波混合はサンプル値の読み出しクロックをサンプリング周波数の整数倍や可変倍にして行う。また遅れ混合はサンプル値を蓄えたメモリからの読み出しに時間を置いて行うことで実現する。様々な手法で得られるマスク信号をさらに図7の多重化装置で多重化することでマスク効果の向上が図れる。
【0041】
内部音声又は内部環境音の大きさと周波数を維持しながらマスク音を作成する手段として逆再生を用いる。逆再生のフローを示す図6を用いて今回採用した逆再生の仕組みを説明する。逆再生は信号成分を所定の時間記録してその記録内容について時間を逆方向にして再生する。母音については逆再生しても聞き取り可能であるが、一般の会話では母音のみの頻度は低く一般会話を逆再生した場合に元の内容の聞き取りは困難である。
【0042】
このフローは2つのカウンターC及びBを用いる。カウンターCは記録する処理単位の長さを決める。S0:カウンターBをゼロにする。S1:カウンターCをゼロにする。データをDで表し、ScはカウンターCの間の発話者からの信号で、DcはカウンターCの値に対応するDの内容を示す。S2:D2へS1とD1の和が蓄えられる。S3:カウンターCの値が一つ増える。S4:Cが予め定めた値nに等しいか否かを調べ、C<nではS2へ戻る。C=nでS5へ移る。S5:蓄えたDcの内容(S1+S2+・・・+Sc)をA1へ移す。S6:Bをカウントアップする。S7:Bが所定の値Nに比べB<NでS1へ戻る。B=1で最初の状態S0へ戻る。ここでB=1であれば、所定の長さの信号A1が逆再生されてマスク信号となる。
【0043】
B=1で一つのデータの場合、それをさらに逆再生すると原音が再生されるので複数の逆再生音を重ねることで情報漏洩のリスクを減らすことができる。このフローでは予め定めるN個のデータの多重化が可能である。
【0044】
図7(A)に多重化に用いるアナログ加算器の様子を示す。アナログ方式ではオペアンプを用いて構成される。また処理をデジタル的に行うことも可能である。各種方式で生成された制御信号を単独で用いても加算器34で合成してもよい。加算器34の出力は制御信号Aoとなる。雑音源31からの雑音を振幅制御器へ入力して制御信号Aoにより雑音源からの雑音の大きさを制御して得られたマスク信号を増幅器33で増幅して外部スピーカー2へ送りテレコムメット周辺のS/Nを低下させて内部音声の認識し難くさせる。
【0045】
本発明では、内部S/Nの向上と外部S/Nの低下が課題となり、その解決手段が本発明の技術思想である。本発明によりテレワークを行うための離れた場所に居る相手との交信に対して情報の漏洩の不安が少ない環境を提供することができるので昨今のテレワーク市場の需要を満足を図ることに繋がり産業の発展に帰するものである。
【符号の説明】
【0046】
1 テレコムメット
2 外部スピーカー
3 透明部材
4 筐体
5 袴部材
6 前部材
7 収音マイク
8 耳そばスピーカー
10モニター
11 A/D変換
12 信号処理装置
31 雑音源
32 振幅制御器
33 増幅器
34 加算器


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7