(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160349
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】飲料用演出グラス、反射鏡及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
A47G19/22 S
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021087983
(22)【出願日】2021-04-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC01
3B001DB20
(57)【要約】
【課題】 本発明はグラス本体の側面の映像表示装置格納部を容易に着脱する事が可能で且つ、ユーザーがグラス内部の飲料に手を入れること無しにグラス本体の内部の反射鏡の着脱を行う事が可能な飲料用演出グラス及びその反射鏡を提供することを課題とする。また、その飲料用演出グラスに使用するコンピュータプログラムを収録した記憶媒体を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、前記グラス本体の側面に映像表示装置を格納するための格納部と、前記映像表示装置の映像表示面に表示された画像を前記グラス本体の外部から内部に透過させるための透明部と、前記透明部を透過した画像を前記上部開口の方向に反射させる板形状の反射鏡とを備え、前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
前記グラス本体の側面に映像表示装置を格納するための格納部と、
前記映像表示装置の映像表示面に表示された画像を前記グラス本体の外部から内部に透過させるための透明部と、
前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させる板形状の反射鏡と
を備え、
前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、
前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、
前記格納部の上面又は側面に前記支持棒をはめ込む凹部を備え、
前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、
前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、
前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、
前記透明部は前記グラス本体の側面に位置しており、
前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、
前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定されることを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項4】
前記コの字フレームは柔軟性を有する材料から成る層に覆われていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項5】
上下反転処理及び/又は左右反転処理した画像を出力又は表示する画像制御部を備え、
前記画像制御部が前記映像表示装置の筐体の内部又は外部に実装されたコンピュータソフトウェアである事を特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料用演出グラスで用いる板状の反射鏡であり、
前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、
前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、
前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、
前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、
前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、
前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、
前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定され、
前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させることを特徴とする反射鏡。
【請求項7】
前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の反射鏡。
【請求項8】
前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする請求項6~7のいずれか一項に記載の反射鏡。
【請求項9】
請求項5に記載の飲料用演出グラスで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、
前記コンピュータプログラムが前記画像を上下反転処理及び/又は左右反転処理するものであることを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用演出グラスとその飲料用演出グラスに使用する反射鏡と記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置された反射鏡とを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置されたビームスプリッターとを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6488049号
【特許文献2】特許第6528162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1~2はユーザーがグラス内部の飲料に手を入れること無しにグラス本体の内部の反射鏡の着脱を行う事は出来ない。また、グラス本体の側面の映像表示装置格納部を容易に着脱する事が出来ない。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、グラス本体の側面の映像表示装置格納部を容易に着脱する事が可能で且つ、ユーザーがグラス内部の飲料に手を入れること無しにグラス本体の内部の反射鏡の着脱を行う事が可能な飲料用演出グラス及びその反射鏡を提供することを課題とする。また、その飲料用演出グラスに使用するコンピュータプログラムを収録した記憶媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、前記グラス本体の側面に映像表示装置を格納するための格納部と、前記映像表示装置の映像表示面に表示された画像を前記グラス本体の外部から内部に透過させるための透明部と、前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させる板形状の反射鏡とを備え、前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、前記格納部の上面又は側面に前記支持棒をはめ込む凹部を備え、前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、前記透明部は前記グラス本体の側面に位置しており、前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定されることを特徴とする。
また、前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする。
また、前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする。
また、前記コの字フレームは柔軟性を有する材料から成る層に覆われていることを特徴とする。
また、上下反転処理及び/又は左右反転処理した画像を出力又は表示する画像制御部を備え、前記画像制御部が前記映像表示装置の筐体の内部又は外部に実装されたコンピュータソフトウェアである事を特徴とする。
本発明の反射鏡は、上記飲料用演出グラスで用いる板状の反射鏡であり、前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定され、前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させることを特徴とする。
また、前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする。
また、前記コの字フレームのサイズは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする。
本発明の記憶媒体は、上記飲料用演出グラスで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、前記コンピュータプログラムが前記画像を上下反転処理及び/又は左右反転処理するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用演出グラスは、ユーザーがグラス本体内部の飲料により手を濡らす事無しにグラス本体内部の反射鏡本体部を着脱出来る。
本発明の飲料用演出グラスは格納部の上部とグラス本体の上部開口の端部にコの字フレームを同時に挿入して固定する方式のためグラス本体への反射鏡の取付けと格納部の取付けを同時に行う事が出来る。
本発明の飲料用演出グラスは反射鏡の支持棒先端に備えるコの字フレームと結合する凹部を格納部の上面か側面に備えるため、反射鏡と格納部とグラス本体の三者を強固に結合できる。また、凹部によりコの字フレームが水平方向に動かないように物理的にロックする事が出来る。
本発明の飲料用演出グラスは格納部の一部とグラス本体の上部開口の端部をコの字フレームを挿入して固定する方式のためコの字フレームにグラス本体の上部開口の端部と格納部の一部(より厳密には格納部の上部)を挟み込む事が出来る。
本発明の飲料用演出グラスは上下反転又は左右反転した画像を映像表示装置に出力または表示する画像制御部を備えるため、ユーザーはどの方向から上部開口のグラス内の反射鏡を見た場合にでも画像が上下又は左右反転する事は無い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図(a)及び断面図(b)
【
図2】凹部を格納部の側面に備えた飲料用演出グラスの例を示す断面図
【
図3】反射像の画像反転の例を示す上方断面図(a),(b)
【
図4】支持棒を反射鏡の最左端位置に固定した例を示す斜視図(a)及び支持棒を反射鏡の中部分に固定した例を示す斜視図(b)
【
図5】コの字フレームを柔軟性を有する材料から成る層で覆った例を示す断面図
【
図6】画像制御部の上下反転又は左右反転処理プログラムのフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用演出グラスの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1はグラス本体10、反射鏡2、映像表示装置80を格納する格納部20から概略構成される。
グラス本体10は通常のコップやグラス又はジョッキと同じく上部開口11を有する有底の筒状体であり、グラス本体10は内部に飲料Lを充填する事が出来る。グラス本体10はその側面に映像表示装置80(より厳密には映像表示面81)に表示された画像82をグラス本体の外部から内部へ透過させるための透明部12を少なくとも一つは備える。グラス本体10の材質に特に制限は無いが透明なガラスや樹脂が望ましい。なお、
図1(a)や
図1(b)のグラス本体10は通常のグラスと同じく全てのエリアが透明なグラスを想定しているがグラス本体10は必ずしも全体が透明(透明部12)である必要は無く、画像82を透過する透明部12以外のエリアは非透明でも構わない。
反射鏡2は板状の部材であり、グラス本体10の内部にグラス底面に対して鉛直方向に傾斜した状態で配置されることによりグラス本体10側面の透明部12を透過した画像82をグラス本体10の上部開口11方向に反射する(なお、
図1(a)や
図1(b)の破線矢印は映像表示面81に表示された画像82の光路Wのイメージを説明のために図示した物である)。反射鏡は画像82の光を反射出来ればどのような材質の鏡でも良いが、反射率を高めるために金属を有する層を少なくとも一つは備える事が望ましい。反射鏡の例としてはアルミやステンレス等の金属の反射層を備えた通常の鏡の他に金属粒子を含有している誘電体層を備えたビームスプリッター等が挙げられる。反射鏡2はその外周近傍に反射鏡2をグラス本体10内に固定又は支持するための棒形状の支持棒4が固定されている。支持棒4(の先端)は上部開口11の方向に向かって伸びており、支持棒4の先端には
図1(a)又は
図1(b)のように格納部20の上面の凹部と結合するコの字形状のコの字フレームを備える。
格納部20は映像表示装置80をグラス本体10の側面に固定しておくための部材またはチェンバーである。格納部20の上面には支持棒4(より厳密には支持棒4のコの字フレーム3)をはめ込むための凹部21を備える。なお、
図1(a)又は
図1(b)のように映像表示装置80はその映像表示面81をグラス本体10内の反射鏡2又は飲料Lの方向を向いた状態で格納部20に挿入固定される。
【0010】
コの字フレーム3は上部開口11の端部13と格納部20の一部(上部)を同時に挟み込む事が可能であるため、
図1(a)又は
図1(b)のようにコの字フレーム3に上部開口11の端部13(つまりグラス本体10の最上端部)と凹部21を同時に挿入することにより格納部20がグラス本体10に固定されるだけでなくグラス本体10の内部に反射鏡2が前記グラス本体10の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定される。
図1(a)又は
図1(b)のようにコの字フレーム3に上部開口11の端部13(つまりグラス本体10の最上端部)と凹部21を同時に挿入することにより上部開口11の端部13と格納部20の上部がコの字フレーム3に挟み込まれるため、その結果、コの字フレーム3の内部で端部13と格納部20の上部がホールド(固定)される。
本発明の飲料用演出グラス1ではユーザーUが指等でコの字フレーム3を摘まんで上部より端部13と格納部20に挿入するだけでグラス本体10と格納部20と反射鏡2の三者の結合が可能である。また、ユーザーUが指等でコの字フレーム3を摘まんだ状態で端部13と格納部20を下方に引っ張る事によりグラス本体10と格納部20と反射鏡2の三者の分離が可能である。グラス本体10と格納部20と反射鏡2の三者の結合の強さはコの字フレーム3と格納部20(又は反射鏡2)との結合部位の摩擦を調整することによりコントロール可能である。
本発明の飲料用演出グラス1ではグラス本体10から反射鏡2や格納部20を分離する際はグラス本体10の内部の飲料Lにより手が濡れる事は一切無い。
なお、凹部21の位置は
図1(b)のような格納部20の上面に配置しても良いし、
図2のように格納部20の側面に配置しても良い。また、凹部21を格納部20の上面と側面の両方に配置しても良い。本発明の飲料用演出グラス1はコの字フレーム3と結合する凹部
21を格納部の上面又は側面に備えるため、反射鏡2と格納部20とグラス本体10の三者を強固に結合できる。凹部21により
図3(a)のようにコの字フレーム3が(上部開口11に対して)水平方向に動かないように物理的にロックする事が出来る。また、凹部21の形状を(上部開口11に対して)水平方向にも垂直方向にも動かないようにする形状にしても良い。凹部21の形状はコの字フレーム3と結合する形状なら特に制限は無い。
【0011】
画像82の光路Wと反射鏡2について補足しておく。
透明部12(つまりグラス本体10の側面)を透過した画像82を反射鏡2を以って上部開口11方向に反射させるには(
図1(b)のように)グラス本体10の底面に対して反射鏡2が鉛直方向に傾斜している必要が有る(特に反射鏡2とグラス本体10のなす角Aが45度の時が最も歪みなく画像82を上部開口11方向へ反射出来る)。そのため、支持棒4は反射鏡2に対して必ず傾斜した状態で固定されている必要が有る(より厳密には支持棒4を地面に対して垂直に配置した場合、反射鏡2は地面に対して傾斜した状態になる必要が有る)。支持棒4は反射鏡2に対して傾斜した状態で固定されているため反射鏡2はグラス本体10の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態でグラス本体10の内部に固定される。
反射鏡2はグラス本体10の底部に対して傾斜しているため
図1(a)や
図1(b)の光路Wのように映像表示面81に表示された画像82は透明部12を透過した後に反射鏡2により上部開口11方向へ反射し上部開口11を経てユーザーUの眼に至る。
【0012】
図3(a)のようにユーザーUの視点の位置により反射鏡2に写る反射像83(画像82の反射像)はユーザーUから見て上下反転する事がある。また、映像表示装置81を上下逆さまに格納部20に配置した場合もユーザーUの視点の位置により反射像83は上下反転と左右反転をする事がある。ユーザーUから見た反射像83が上下反転又は左右反転する事象を防ぐには
図3(b)のように画像を上下反転又は左右反転処理する画像制御部100を用いて画像82を予め上下反転又は左右反転させた状態で映像表示装置80(映像表示面81)に出力すれば良い。なお、
図3(b)内の反射像85は画像82の上下又は左右反転画像の反射像のイメージを図示した物である。
なお、画像制御部100はICチップとしてグラス本体10の側面や底部に埋め込んでも良いし、
図3(b)のように映像表示装置80の筐体内部又は外部のコンピューターやICにコンピュータソフトウェア(又はコンピュータプログラム)として実装又はインストールしても良い。極端な話、画像制御部100は遠隔地にある外部サーバーコンピューターのクラウドストレージ内に実装又はインストールしても良い。
【0013】
本発明の飲料用演出グラス1の反射鏡2を設計又は製造する上で一つ注意点が有る。それは反射鏡2のどのエリアに支持棒4を設けるか(固定するか)という点である。
仮に
図4(b)のように支持棒4を反射鏡2の中央付近に固定した場合は、支持棒4が画像82の中央部を遮るため画像82の反射像83に支持棒4の反射像84が写り込んでしまいユーザーUは反射像83を正常に視認する事が不可能になる。そのため、支持棒4の反射鏡2上の固定位置は
図4(a)のように反射鏡2の最右端位置か最左端位置(より厳密には反射鏡2の外周部で最も右方の位置又は最も左方の位置)のいずれかにしなければいけない。なお、
図4(a)と
図4(b)内の飲料用演出グラス1は図を見やすくするため格納部20を省略して図示している。
本発明の飲料用演出グラス1のコの字フレーム3を設計する上で一つ注意点が有る。
市販のスマートフォンやPDAやタブレット等の映像表示装置を含む筐体は薄型のモデルでも5[mm]以上の厚さを有する物が殆どであり(フレキシブルディスプレイ等特殊な映像表示装置は除く)、また、グラス本体10の上部開口11の端部13の厚さは強度の問題から2[mm]以上の厚さが望ましい(なお、市販のグラスは側面の壁の厚さが2[mm]以上の物が殆どである)。本発明の飲料用演出グラス1ではコの字フレーム3は上部開口11の端部13と格納部20の一部(上部)を同時に挟み込む事が可能な事が必須条件であるため、コの字フレーム3は最低でも7[mm](つまり2[mm]+5[mm])程度の厚さの物体が挿入可能である必要が有る(実際は格納部20の側面の厚さ(最低でも1~2[mm])も考慮する必要があるためコの字フレーム3は8~9[mm]以上の厚さの物体が挿入可能である事が望ましい)。
ビールジョッキ等の乾杯行為時に他のグラスに衝突させるグラスをグラス本体10として用いる場合は強度の観点から上部開口11の端部13の厚さを3[mm]~4[mm]以上の厚さにする必要があり、その場合はコの字フレーム3は最低でも1cm以上の厚さの物体が挿入可能である事が望ましい。
【0014】
反射鏡2と格納部20とグラス本体10の三者を強固に結合するために
図5のようにコの字フレーム3を柔軟性を有する材料から成る層6で覆っても良い。コの字フレーム3を柔軟性を有する材料から成る層6で覆うことにより、コの字フレーム3と格納部20(又は上部開口11の端部13)の結合部Jの摩擦を大きく出来るため反射鏡2と格納部20とグラス本体10の三者の固定強度を強く出来る。コの字フレーム3を柔軟性を有する材料から成る層6で覆う他のメリットとしては様々な端部13の厚さに対応可能な点が挙げられる。
なお、結合部Jの結合強度を強くするためにコの字フレーム3にバネ機構(又はネジによる万力機構)を組み込むことにより結合部Jにおいてのコの字フレーム3が格納部20(又は端部13)に与えるテンション又は応力を強化しても良い。
【0015】
[反射鏡の第1の実施の形態]
以下、本発明の反射鏡の第1の実施の形態を図面を用いて示すが、上記第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1(a)及び
図1(b)に示すように、本発明の反射鏡2は飲料用演出グラス1で用いる板状の反射鏡2であり、反射鏡2の外周部近傍に棒形状の支持棒4が固定されており、支持棒4は上部開口11の方向に向かって伸びており、支持棒4の先端に凹部21と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレーム3を備えており、支持棒4は反射鏡2に対して傾斜した状態で反射鏡2に固定されており、支持棒4を地面に対して垂直方向に配置した場合に反射鏡2は地面に対して傾斜した状態になり、反射鏡2は金属を有する層を少なくとも一つは備え、コの字フレーム3は上部開口11の端部と格納部20の上部(又は一部)を同時に挟み込む事が可能であり、コの字フレーム3に上部開口11の端部13と凹部21を同時に挿入することにより上部開口11の端部13と格納部20の上部がコの字フレーム3に挟み込まれ、コの字フレーム3に上部開口11の端部13と凹部21を同時に挿入することにより格納部20がグラス本体10に固定され、コの字フレーム3に上部開口11の端部13と凹部21を同時に挿入することによりグラス本体10の内部に反射鏡2がグラス本体10の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定され、透明部12を透過した画像82を上部開口11の方向に反射させることを特徴とする反射鏡2。
また、
図4(a)に示すように、支持棒4は反射鏡2の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする。
また、コの字フレーム3は1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする。
【0016】
図6に本発明の飲料用演出グラス1で用いる上下反転処理及び/又は左右反転処理を行うコンピュータプログラムのフローチャートの例を示す。
STEP1において画像82をコンピュータメモリより取得し、STEP2において画像82に上下反転処理及び/又は左右反転処理を行う。STEP3において画像82を映像表示装置に出力又は表示後にプログラムを終了する。なお、画像の反転のアルゴリズムについてはフォトレタッチソフト等に用いられている既知のアルゴリズムを用いれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、グラス本体とグラス本体内部に配置される反射鏡と映像表示装置格納部の三者を容易に結合又は分離出来る飲料用演出グラスであり、グラス本体内に反射鏡を固定する際にはユーザーはグラス本体10の内部の飲料Lに手を浸す必要は無い。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0018】
U ユーザー
A なす角
W 光路
J 結合部
L 飲料
1 飲料用演出グラス
2 反射鏡
3 コの字フレーム
4 支持棒
5 反射面
6 柔軟性を有する材料から成る層
10 グラス本体
11 上部開口
12 透明部
13 端部(上部開口の端部)
20 格納部
21 凹部
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 画像
83 反射像
84 支持棒の反射像
85 反射像(画像82の上下又は左右反転画像の反射像)
100 画像制御部
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
前記グラス本体の側面に映像表示装置を格納するための格納部と、
前記映像表示装置の映像表示面に表示された画像を前記グラス本体の外部から内部に透過させるための透明部と、
前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させる板形状の反射鏡と
を備え、
前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、
前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、
前記格納部の上面又は側面に前記支持棒をはめ込む凹部を備え、
前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、
前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、
前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、
前記透明部は前記グラス本体の側面に位置しており、
前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、
前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定されることを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項4】
前記コの字フレームは柔軟性を有する材料から成る層に覆われていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料用演出グラスで用いる板状の反射鏡であり、
前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、
前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、
前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、
前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、
前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、
前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、
前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、
前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定され、
前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させることを特徴とする反射鏡。
【請求項6】
前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の反射鏡。
【請求項7】
前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする請求項5又は6に記載の反射鏡。
【請求項8】
請求項1に記載の飲料用演出グラスで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、
前記コンピュータプログラムが前記画像を上下反転処理及び/又は左右反転処理するものであることを特徴とする記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、前記グラス本体の側面に映像表示装置を格納するための格納部と、前記映像表示装置の映像表示面に表示された画像を前記グラス本体の外部から内部に透過させるための透明部と、前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させる板形状の反射鏡とを備え、前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、前記格納部の上面又は側面に前記支持棒をはめ込む凹部を備え、前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、前記透明部は前記グラス本体の側面に位置しており、前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定されることを特徴とする。
また、前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする。
また、前記コの字フレームは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする。
また、前記コの字フレームは柔軟性を有する材料から成る層に覆われていることを特徴とする。
本発明の反射鏡は、上記飲料用演出グラスで用いる板状の反射鏡であり、前記反射鏡の外周部近傍に棒形状の支持棒が固定されており、前記支持棒は前記上部開口の方向に向かって伸びており、前記支持棒の先端に前記凹部と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームを備えており、前記支持棒は前記反射鏡に対して傾斜した状態で前記反射鏡に固定されており、前記支持棒を地面に対して垂直方向に配置した場合に前記反射鏡は地面に対して傾斜した状態になり、前記反射鏡は金属を有する層を少なくとも一つは備え、前記コの字フレームは前記上部開口の端部と前記格納部の上部を同時に挟み込む事が可能であり、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記上部開口の端部と前記格納部の上部が前記コの字フレームに挟み込まれ、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記格納部が前記グラス本体に固定され、前記コの字フレームに前記上部開口の端部と前記凹部を同時に挿入することにより前記グラス本体の内部に前記反射鏡が前記グラス本体の底部に対して鉛直方向に傾斜した状態で固定され、前記透明部を透過した前記画像を前記上部開口の方向に反射させることを特徴とする。
また、前記支持棒は前記反射鏡の最右端位置又は最左端位置のいずれかの位置に固定されていることを特徴とする。
また、前記コの字フレームのサイズは1cm以上の厚さの物体が挿入可能なことを特徴とする。
本発明の記憶媒体は、上記飲料用演出グラスで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、前記コンピュータプログラムが前記画像を上下反転処理及び/又は左右反転処理するものであることを特徴とする。