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特開2022-160376残りの流体を計算するための電子装置を有する加圧流体用の容器
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  • 特開-残りの流体を計算するための電子装置を有する加圧流体用の容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160376
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】残りの流体を計算するための電子装置を有する加圧流体用の容器
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/04 20060101AFI20221012BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
F17C13/04 301Z
F17C13/02 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022058193
(22)【出願日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】2103506
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・マリー
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン・モラン
(72)【発明者】
【氏名】バレリー・パトー
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB12
3E172AB17
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB04
3E172BB12
3E172BB17
3E172EB02
3E172JA01
3E172KA03
3E172KA21
3E172KA22
3E172KA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療用酸素ボンベについてボンベの残りの流体値をより正確に計算し、デジタルディスプレイ画面上により高い信頼性で表示することを可能にする。
【解決手段】本発明は、所与の内部体積(2)を有する、加圧流体用の容器(1)、特にガスボンベに関し、容器は、流体分配弁(3)を備え、流体分配弁は、所与の流体流量に各々対応する複数の異なるポジションを採用することが可能な流量を選択するための部材と、電子装置(7)とを備え、電子装置は、圧力を測定するための手段と、圧力測定値を処理するためのマイクロプロセッサ(15)ベースのデータ処理手段(5)と、データ処理手段によって計算された残りの流体を表示するための表示手段(6)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の内部体積(2)を有する、加圧流体用の容器(1)、特にガスボンベであって、前記流体容器(1)は、流体分配弁(3)と電子装置(7)を備え、
前記流体分配弁(3)は、
-0~30L/minの所与の流体流量に各々対応する複数の異なるポジションを採用することが可能な流量を選択するための部材(12)と、ここで、前記流量を選択するための部材(12)は、所望の流量を選択するために使用者によって操作されることが可能であり、
前記電子装置(7)は、
・前記流体容器中に含まれた流体の圧力を測定するための圧力を測定するための手段と、
・前記圧力を測定するための手段によって採られた圧力測定値のうちの少なくともいくつかを処理し、残りの流体について計算するためのマイクロプロセッサ(15)ベースのデータ処理手段(5)と、
・前記データ処理手段(5)によって計算された前記残りの流体について表示するための表示手段(6)と
を備える、流体容器において、
-前記圧力を測定するための手段は、複数の継続する圧力測定(P1...Pn)を行うように構成され、前記継続する圧力測定(P1...Pn)は、5~300秒の所与の頻度(F)で繰り返され、
-前記データ処理手段(5)は、前記所与の頻度(F)で前記圧力を測定するための手段によって測定された前記圧力測定値(P1...Pn)と、前記流量を選択するための部材(12)のポジション、流体の温度、及び前記流体容器の体積の中から選ばれた少なくとも1つの追加のパラメータとに基づいて前記残りの流体について決定するように構成されること
を特徴とする、流体容器。
【請求項2】
前記継続する圧力測定(P1...Pn)は、5~30秒の所与の頻度(F)で繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項3】
前記継続する圧力測定(P1...Pn)は、連続して行われることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項4】
前記容器は、前記流量を選択するための部材(12)のポジションを決定するように構成された少なくとも1つの位置センサ、及び/又は流体の温度を測定するように構成された少なくとも1つの温度センサを備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項5】
前記流体容器の所与の体積は、前記データ処理手段(5)によって、特に前記マイクロプロセッサ(15)又は記憶手段によって記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項6】
前記流体容器の所与の体積は、1L~20Lであることを特徴とする、請求項5に記載の流体容器。
【請求項7】
前記データ処理手段(5)は、前記所与の頻度(F)で前記圧力を測定するための手段によって測定された継続する圧力測定値(P1...Pn)に基づいて少なくとも1つの圧力変動(即ち圧力降下の傾斜)を決定することによって前記残りの流体について決定するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項8】
前記流量を選択するための部材(12)は、回転部材、好ましくは回転ハンドホイールを備え、選択可能なポジションは、角度的にずれた位置であることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項9】
前記継続する圧力測定(P1...Pn)は、数日、数週間、数ヶ月、又は数年の時間期間(dt)にわたって所与の頻度(F)で繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項10】
前記継続する圧力測定(P1...Pn)は、前記容器が使用中であるか否かに関わらず、中断されずに所与の頻度(F)で繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の流体容器。
【請求項11】
加圧ガス、特に酸素、又はN2O/O2、NO/N2、He/O2のガス状混合物、又は医療用空気から選ばれた医療用ガスを貯蔵又は供給するための、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の流体容器(1)の使用。
【請求項12】
前記加圧ガスは、酸素であることを特徴とする、請求項11に記載の流体容器(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧流体、典型的には医療用ガス用の容器、特にガスボンベに関し、容器は、流体分配弁と電子装置を備え、電子装置は、所与の頻度で繰り返される継続する圧力測定を行うための圧力を測定するための手段と、これらの継続する圧力測定値に基づいて残りの流体を決定するためのデータ処理手段とを備える。
【背景技術】
【0002】
酸素、NO/N2、N2O/O2、He/O2の混合物、医療用空気、等などの医療用流体又はガスはガスボンベ又は、一般に、タンクなどの加圧ガス容器中に含まれ、それには分配弁が装備され、分配弁は、ダイヤル式圧力計、又は残りのガス圧力若しくは残りのガスを表示するためのデジタルディスプレイを有する、医療用ガスを供給するために使用される、一体型圧力調整(IPR:integrated pressure-regulating)システムを備えるが、備えなくても良い。一般に、「キャップ」とも呼ばれる剛性保護被覆が、衝撃、落下、汚れ、又は同様のものから弁及びその金具を保護するために使用される。
【0003】
このことから、EP-A-2918892は、一体型圧力調整器とデジタルディスプレイ画面を有する電子装置とを装備されたガスボンベを提案している。
【0004】
加圧流体用の容器用の電子装置は、一般に、圧力及び温度センサ、並びに、特に弁によって送達されるガスの流量に従って変動する残りのガス体積、ガス圧力、及び利用可能な残りのガスを特に計算及び表示するためのプロセッサ及びディスプレイ画面を備える。
【0005】
例えば、残りの流体、圧力、及び同様のものに関する情報を提供するための電子装置を装備されたガスボンベを説明するFR-A-3050053、FR-A-3087870、及びFR-A-3016679が参照がされ得る。
【0006】
実際には、表示される残りの流体は、不正確であるか又は変動することが多く、即ち、表示される残りの流体値は、通常、上昇又は下降することが観察される。そのような不正確さは、例えば、残りの流体が所与の時間期間の単位で、例えば1時間毎又は10分毎に減少することにつながり、それは、ユーザにとってのある程度の不確実さ及び/又は低水準の信頼性をもたらす。
【0007】
これは、医療環境では、使用者は残りの流体が1分毎に減少するのを見たい、即ち、より正確でより信頼性の高い情報から利益を得ることが可能であることを期待するので、満足のいくものではない。
【0008】
しかしながら、この不正確さは、特に、2つの同一の測定値に対して最大で100mbarの測定変動を示し得る圧力センサの正確さを高め得るいくつかの効果、使用中に膨張するガスなどの温度効果、電力消費に対する制限、使用者によって望まれるディスプレイの反応性(例えば1秒未満で表示する)、低流量の使用(例えば、1分に数リットルでは、センサの不正確さと比較可能な小さな圧力降下をもたらす)、及び容器の実質的な充填に起因する。
【0009】
これらの効果の全てにより、より信頼性が高く、より正確な残りの流体値、例えば1分毎に減少する残りの流体値を計算及び提供することの困難さが悪化する。
【0010】
言い換えれば、1つの問題は、従って、ガス分配弁とデジタルディスプレイ画面を有する電子装置とを取り付けられた流体容器、特にガスボンベ、とりわけ医療用酸素ボンベについての残りの流体値をより正確に計算し、デジタルディスプレイ画面上により高い信頼性で表示することを可能にすることである。
【発明の概要】
【0011】
本発明による1つの解決策は、所与の内部体積を有する、加圧流体用の容器、特にガスボンベに関し、容器は、流体分配弁と電子装置を備え、
流体分配弁は、
-0~30L/minの所与の流体流量に各々対応する複数の異なるポジションを採用することが可能な流量を選択するための部材と、ここで、流量を選択するための部材は、所望の流量を選択するために使用者によって操作されることが可能であり、
電子装置は、
・流体容器中に含まれた流体の圧力を測定するための圧力を測定するための手段と、
・圧力を測定するための手段によって採られた圧力測定値のうちの少なくともいくつかを処理し、残りの流体について計算するためのマイクロプロセッサベースのデータ処理手段と、
・データ処理手段によって計算された残りの流体について表示するための表示手段と
を備える、容器において、
-圧力を測定するための手段は、複数の継続する圧力測定(P1...Pn)を行うように構成され、継続する圧力測定(P1...Pn)は、5~300秒の所与の頻度(F)で繰り返され、
-データ処理手段は、所与の頻度(F)で圧力を測定するための手段によって測定された圧力測定値(P1...Pn)と、流量を選択するための部材のポジション、流体の温度、及び流体容器の体積の中から選ばれた少なくとも1つの追加のパラメータとに基づいて残りの流体について決定するように構成されること
を特徴とする。
【0012】
検討中の実施形態に応じて、本発明の加圧流体用の容器は、以下の特徴のうちの1つ以上を備え得る:
-継続する圧力測定(P1...Pn)は、時間期間(dt)にわたって所与の頻度(F)で繰り返される。
-時間期間(dt)は、数日、数週間、数ヶ月、又は数年である。
-継続する圧力測定(P1...Pn)は、容器が使用中である、例えば貯蔵中であるか否かに関わらず、中断されずに所与の頻度(F)で繰り返される、即ち連続して行われる。
-継続する圧力測定(P1...Pn)は、5~150秒、好ましくは5~90秒、より好ましくは5~30秒の所与の頻度(F)で繰り返される。
-流量を選択するための部材は、0~25L/minの流体流量に対応する異なるポジションを採用するように構成される。
-それは、流量を調節するための部材のポジションを決定するように構成された少なくとも1つの位置センサを備える。
-容器は、流体の温度を測定するように構成された少なくとも1つの温度センサを備える。
-流体容器の所与の体積は、データ処理手段によって、特にマイクロプロセッサ又は記憶手段によって記憶され、好ましくは、流体容器の所与の体積は、1L~20Lである。
-データ処理手段は、所与の頻度(F)で圧力を測定するための手段によって測定された継続する圧力測定値(P1...Pn)に基づいて少なくとも1つの圧力変動(即ち圧力降下の傾斜)を決定することによって残りの流体を決定するように構成される。
-流量を選択するための部材は、回転部材、好ましくは回転ハンドホイールを備え、選択可能なポジションは、角度的にずれた位置である。
【0013】
より一般には、本発明の加圧流体用の容器はまた、以下の追加の特徴のうちの1つ以上を備え得る:
-容器は、組み合わされた圧力及び温度センサを備える。
-1つ以上の圧力及び温度センサは、圧力及び/又は温度測定を行うように、流体分配弁の内部ガス回路と流体連通状態にある。
-容器は、1~20L(水当量)、好ましくは2~15L(水当量)の流体を貯蔵するための内部体積を備える。
-流体容器の内部体積は、データ処理手段によって、特にマイクロプロセッサ又は記憶手段、例えばEEPROM(登録商標)又は同様のものによって記憶される。
-データ処理手段は、使用者によって選択された流量をそこから推定するために、少なくとも1つの位置センサによって決定された流量を選択するための部材のポジションを処理するように構成される。
-データ処理手段は、タイマを備える。
-1つ以上のセンサは、データ処理手段に流体の圧力及び/又は温度の測定値(即ち信号)を提供するために、データ処理手段に電気的に接続される。
-温度センサは、-40℃~+70℃の1つ以上の温度を測定するように構成される。
-データ処理手段は、1つ以上のアルゴリズムを実装する1つ以上のマイクロプロセッサを備える。
-回路基板が電子装置中に配置される。
-回路基板は、1つ以上のマイクロプロセッサを支える。
-1つ以上のマイクロプロセッサは、1つ以上の圧力及び温度センサによって提供された圧力及び/又は温度測定値を処理するように構成される。
-データ処理手段は、回路基板を備える。
-データ処理手段は、マイクロコントローラの形態で一体化された少なくとも1つのマイクロプロセッサを備える。
-1つ以上のマイクロプロセッサ、特に1つ以上のマイクロコントローラは、特にソフトウェア又は専用アルゴリズム内にデータを保存するように構成される。
-流体圧力及び温度測定が行われる流体分配弁の内部通路は、加圧流体、特に加圧ガスが貯蔵されるガス容器の内部体積と流体連通状態にある。
-データ処理手段及び表示手段は、電流源によって電流を供給される。
-1つ以上のセンサは、前記又はある電流源によって電流を供給される。
-電流源は、再充電可能であることもないこともある1つ以上の電気バッテリ又は電池を備える。
-1つ以上の単一の圧力及び/又は温度センサは、ガスの圧力及び/又は温度を決定することを可能にする埋め込み式電子機器を備える。
-組み合わされた圧力及び温度センサは、ガスの圧力を決定するための膜ベースの手段と、ガスの温度を測定するための温度プローブベースの手段とを備える埋め込み式電子機器を備える。
-膜ベースの手段及び温度プローブベースの手段は、センサ本体中の内部通路、即ち単一の同じガスダクトによって伝達されるガスと接触するように配置される。
-単一の圧力及び温度センサの埋め込み式電子機器は、それに信号及び/又は測定された圧力及び温度値を通信するために、データ処理手段に電気的に接続される。
-単一の圧力及び温度センサの埋め込み式電子機器は、1つ以上の追加のマイクロプロセッサを備える。
-電子装置は、流体の圧力、容器中の流体の体積、及び弁によって送達されるガスの流量、及び残りのガスも、即ち、容器中に残っている流体の量及び/又はガスが弁によって送達される流量に対する使用の持続時間を表示するように構成されたデジタル圧力計である。
-電子装置の表示手段は、デジタルディスプレイとも呼ばれるデジタルディスプレイ画面、例えばLCD画面を備える。
-流体分配弁は、所望の流量で流体、典型的にはガス、特に医療用ガスを送達するための送達出口コネクタ又は端部金具を備える。
-流体分配弁は、流体容器の内部体積から流体分配弁の内部ガス回路中に加圧流体が流れることを可能にするために、流体分配弁の内部ガス回路と流体連通状態にある流体入口オリフィスを備える。
-流体分配弁の流体入口オリフィスは、流体容器の内部体積と流体連通状態にある。
-流体分配弁の内部ガス回路は、送達出口コネクタ、特に流体を使用又は伝達する装置、例えば医療用装置又は可撓性ダクトが流体接続された送達出口コネクタに分配弁の流体入口オリフィスを流体接続する。
-流体分配弁は、形状が円錐台形又は円筒形である、ねじ山取り付け端部金具、即ち拡張部を備える。
-分配弁のねじ山取り付け端部金具は、流体入口オリフィスを支える。
-容器は、加圧ガスボンベである。
-ガスボンベは、ガスボンベの内部、即ち、加圧ガスを含む内部体積と流体連通状態にある流体出口オリフィスを支える首部を備える。
-ガスボンベの流体出口オリフィスは、タップ加工される。
-流体分配弁のねじ山取り付け端部金具は、ガスボンベのタップ加工された首部中にねじ込まれる。
-流体分配弁の内部ガス回路は、流体分配弁の本体中に作られ、例えばその中に穿設される。
-流体分配弁の送達出口コネクタは、可撓性ガスダクト、又は医療用装置若しくは装置など、流体を使用する別の装置に流体接続されるように構成される。
-データ処理手段は、電子装置用の剛性ハウジング中に配置される。
-流量を選択するための装置は、互いから角度的にずれた複数のポジション間を移動するように構成された回転ハンドホイールを備え、各ポジションは、所与の所望のガス流量値に対応する。
-流量を選択するための装置は、選択可能な所望のガス流量に対応するマーキングを備える。
-流量を選択するための装置は、流量を所望のガス流量値に調節するために弁の本体中に配置された流量を調節するための装置と更に協働する。
-流量を調節するための装置は、オリフィスが弁の本体中のガスの経路中に配置された目盛り付きディスクを備える。
-ガス出口コネクタは、回転ハンドホイールの中心に配置され、即ち、それらは、互いに同軸線上に配置される。
-電子装置のデジタルディスプレイは、使用者に様々な使用情報項目、特に残りのガス、ガス圧力、ガス体積、ガス流量、そうでなければ警告アイコン、例えば残量警告若しくはパイプ制限警告、等、又は他の情報若しくはグラフ表示、例えばグラフ棒、等を表示するように構成される。
-データ処理手段は、警告、特に制限警告又は残りの流体警告がトリガされた場合に音響警告及び視覚警告をトリガするように構成される。
-電子装置は、データ記憶手段を更に備える。
-データ記憶手段は、読み出し専用メモリ、好ましくはEEPROM又は同様のものを備える。
-データ記憶手段は、回路基板上、好ましくは、マイクロプロセッサを支える回路基板上に配置される。
-電子装置は、特にねじ込むことによって又はピンベースのシステムを使用することによってガス分配弁の本体に取り付けられる。
-電源は、回路基板、1つ以上のマイクロプロセッサ、並びにデジタルディスプレイ、圧力及び温度センサ及び/又は警告LEDなどの、電流で動作する構成要素の全てに電力を供給する。
-流体分配弁は、流体分配弁の周りに配置された剛性被覆体を備える保護被覆によって保護される。
-電流源は、保護被覆中の区画中に配置される。
-デジタルディスプレイを備える電子装置用のハウジングは、被覆体中に作られた開口部中に収容される。
-被覆体は、ガス分配弁を収容するように寸法決めされた内部空間を画定する。
-被覆体は、ポリマー材料、金属、又はそれらの組み合わせから作られる。
-被覆体は、1つ以上の持ち手を備え、好ましくは、持ち手は、被覆の上にあるように配置され、即ち、それは、実質的に被覆の頂部上に位置する。
-ガス分配弁は、一体型圧力調整器又はIPRを有する弁、即ち容器から出口コネクタに流体を伝達する内部回路上に配置された流体圧力調整システムを含む弁である。
-ガス圧力調整手段は、内部ガス回路上に配置される。
-ガス圧力調整手段は、圧力調整弁及び弁座を備える。 それらは、ガスの圧力が容器中に貯蔵されたガスの高圧、典型的には数十~数百barからより低い予め設定された使用圧力、典型的には数bar、例えば2~5bar absまで低減されることを可能にする。
-流体分配弁は、黄銅などの銅合金から作られる。
-被覆体は、それが支持体、特に病院のベッドのバー又は患者を搬送するためのストレッチャー若しくは同様のものに固定されることを可能にするように設計された固定システムを更に備える。
-被覆体は、移動可能な、好ましくは枢動する固定システムを更に備える。
-流体容器は、満杯のとき、少なくとも130~200bar abs、典型的には200bar absよりも高い圧力で、又は少なくとも300bar absの圧力でさえガスを含む。
-容器は、円筒形、特にオジーブの一般的形状を有し、金属若しくは金属合金(例えば、鋼、アルミニウム、等)又は1つ以上の複合材料から作られる。
-流体容器は、酸素、NO/N2、O2/N2O、若しくはHe/O2の混合物、空気、又は別の医療用ガスなどのガス又はガスの混合物を含む。
【0014】
本発明はまた、加圧ガス、特に酸素、又はN2O/O2、NO/N2、He/O2のガス状混合物、又は医療用空気の中から選ばれた医療用ガスを貯蔵又は供給するための、本発明による容器の使用に関する。
【0015】
本発明はここで、添付された図を参照して、非限定的な例示として与えられる以下の発明を実施するための形態からより良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による、電子装置を有するガス分配弁を装備された流体容器の概略図である。
図2】本発明による、加圧流体用のガスボンベタイプの容器の一実施形態を示す。
図3】本発明による、流体容器の電子装置によって行われる所与の頻度での継続する圧力測定を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明による、加圧流体用の容器1の概略図であり、図2は、軸AAのそのような流体容器1の一実施形態、即ちここでは加圧ガスボンベを示す。
【0018】
より正確には、流体容器1は、例えば200bar absよりも高い圧力で(満杯のときの圧力)加圧ガスを貯蔵するための内部体積2を備え、IPRなどの流体分配弁3を装備し、流体分配弁3を、図2に見られる送達出口コネクタ11にガス分配弁3の本体内の流体、即ちここでは酸素などのガスを伝達するように容器1の内部体積2と流体連通状態にある内部流体通路又は回路(図示せず)が貫通し、送達出口コネクタ11には、例えば可撓性ガスダクト(図示せず)又は送達されたガスを使用する別の装置が流体接続される。
【0019】
図2における加圧ガス用のボンベ又は容器1は、円筒体及び首部を備え、即ちそれは形状がオジーブである。円筒体は、圧力、典型的には130~300bar absの、又は300bar absさえ超える最大圧力下でガスを貯蔵するための内部体積2を画定する。首部は、内部体積2と連通状態にある流体入口/出口オリフィスを備え、ガスが内部体積2から引き出されることを可能にするか、又は逆に、内部体積2が空のときに充填されることを可能にする。ガス分配弁3は、ガスボンベの首部中のオリフィスの高さに据え付けられ、典型的にはねじ込まれる。
【0020】
容器1は、円筒形の一般的形状を有し、金属若しくは金属合金(例えば、鋼、アルミニウム、等)又は1つ以上の複合材料から作られる。それは、酸素、NO/N2、O2/N2O、若しくはHe/O2の混合物、空気、又は任意の他の医療用ガス、典型的には医療用酸素などのガス又はガスの混合物を含む。
【0021】
ここでは内部調整手段を含むIPRであるガス分配弁3は、ガスボンベの首部の高さに拡張部又はねじ山取り付け端部金具を介してねじ込まれ、即ち、それは、補助タッピングを支える流体入口/出口オリフィス中にねじ込まれる。
【0022】
ガス分配弁3は、加えて、送達出口コネクタ11と呼ばれるガス分配コネクタ又は端部金具を備え、それには、弁3によって送達されたガスを使用する医療用装置又は装置、例えば、後続する治療に対応する医者又は同様の人物によって指示された流量で患者にガスを送達する呼吸マスクにガスを伝達するために使用される、例えば可撓性プラスチックから作られるパイプなどの可撓性ガスダクトを接続することができる。弁体は、好ましくは、黄銅又はステンレス鋼から作られる。
【0023】
加えて、ガス分配弁3は、容器1の内部ガス通路内及び/又は内部体積2中のガスの圧力及び/又は温度を測定し、マイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5に圧力測定値(即ち、数値又は数値に対応する信号)を送達するために、互いに異なる圧力センサ4及び温度センサ、又は単一の圧力及び温度センサのうちのいずれかを備える。
【0024】
好ましくは、単一の圧力及び温度センサ4は、測定を行うために必要とされるタップ又はボアの数を減少させることによって弁の全体的な構造が簡略化されることを可能にし、それはまた、漏出のリスクを低下させるので、このタイプのセンサが使用される。
【0025】
マイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5は、1つ以上のアルゴリズムを実装する1つ以上のマイクロプロセッサを備えるデータ処理ユニット又は装置、例えば、1つ以上のアルゴリズム、等を実装する1つ以上のマイクロプロセッサ15、好ましくは1つ以上のマイクロコントローラを支える回路基板であるか、又はこのような回路基板を備える。データ処理手段5はまた、駆動手段、制御電子機器、又は同様の名称で呼ばれる。
【0026】
マイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5は、1つ以上の圧力及び温度センサによって提供された生の圧力及び温度測定値を処理するように構成される。それらは、好ましくは、流体分配弁3に取り付けられた電子装置7、例えばデジタル圧力計用のハウジング中に配置され、それは、残量又は他のパラメータを表示するための、LCD画面又は同様のものなどのデジタルディスプレイ6を更に備える。
【0027】
送達出口コネクタ11によって送達されなければならないガスについての所望の流量を選択するために、例えば、医者又は同様の人物によって指示されたものを満たすために使用される、回転ハンドホイールなどの、使用者が作動させることができる流量を選択するための装置12が更に設けられる。図2に例示するように、流量を選択するための装置12は、所与の流量値、即ち典型的には、0L/min~30L/min、好ましくは0~25L/minの選択可能なガス流量値に各々対応する、互いからずれた複数の角度位置間で回転させることができる回転ハンドホイールであり得る。
【0028】
例えば、選択可能な流量値は、次の通りであり得る:0、0.5、1、2、3、5、8、10、12、15、20、22、及び25L/min、又は任意の他の値。流量を選択するための装置12、即ち回転ハンドホイールを作動させることによって使用者によって選択される所望の流量値は、流量を選択するための装置12の上方に位置する読み出し窓14、例えば、弁3の周りに配置され、それを衝撃又は他の外部応力から保護する役割を果たす保護被覆13の本体10中に作られた切り抜き中に表示される。
【0029】
流量を選択するための装置12は、流量を所望のガス流量値に調節するために、分配弁3の本体中に配置された流量を調節するための装置と更に協働し、例えば、流量を調節するための装置は、オリフィスが分配弁3の本体中のガスの経路中に配置された目盛り付きディスクであり得る。そのような配置は、それ自体知られている。
【0030】
所望のガス流量が選択されると、流量を選択するための装置12のポジション、例えば回転ハンドホイールの角度位置は、1つ以上の位置センサによって決定され得る。回転ハンドホイールの角度位置を知ることは、次いで、データ処理手段5が選択された所望のガス流量の値を知ることを可能にする。
【0031】
図2の実施形態では、送達出口コネクタ11は、流量を選択するための回転ハンドホイール12の中心に、及びその同軸線上に配置されるが、それらはまた、他の可能の実施形態に従って互いから分離することができる(図示せず)。
【0032】
加えて、1つ以上の圧力センサ4は、図3を参照して以下に説明するように、ボンベ1中のガス、即ち内部体積2からのガスの圧力を測定し、次いで、取られた圧力測定値(即ち、数値又は数値に対応する信号)をデータ処理手段5に送達するように構成及び配置される。
【0033】
1つ以上の圧力及び温度センサ4によって取られ、送信される圧力(又は温度)測定値は、例えば、生の圧力及び/若しくは温度値、又は生の圧力及び/若しくは温度値に対応する、電圧若しくは電流値などの他の数量のうちのいずれかを表す信号である。これらの圧力及び/又は温度測定値は、データ処理手段5によって処理されて、残りの流体、又は容器1中のガスの体積、容器1中のガス圧力、等などの他の情報項目が決定される。
【0034】
この情報は、使用者、典型的には医者又は看護師などの介護者のためにディスプレイ6上に表示することができる。
【0035】
また、持続時間の計算又は他の時間追跡が実施されることを可能にするために、例えばデータ処理手段5の内部にタイマが設けられる。
【0036】
(水当量の)容器1中の内部体積2は、直接、マイクロプロセッサ15に実装されたソフトウェア中か、又は電子装置7のEEPROMタイプ又は同様のタイプのコンピュータメモリ中に、記憶手段9によって直接記憶することができる既知の値である。コンピュータメモリは、マイクロプロセッサ15を支える回路基板上に配置し、それに電気的に接続することができる。例えば、医療用酸素(即ち医療品質の酸素)を送達するために使用される、このように装備されたガスボンベは、典型的には、1L~20(水当量)、典型的には2L~15Lの内部体積2を有し、例えば、問題のボンベに応じて、体積は、2L、3.5L、4.6L、5L、7L、10L、11L、又は15Lの順序であり得る。
【0037】
記憶手段9はまた、例えば、継続する時間の間に経過した持続時間、圧力及び/又は温度測定値、又は選択器のポジション、ボンベの構成、充填圧力、警告、等などの他のパラメータなどの他のデータを記憶し得る。
【0038】
より一般には、回路基板などのマイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5を備える電子装置7、例えばデジタル圧力計は、図2に例示するように、流体分配弁3の周りに配置され、それを衝撃又は他の起こり得る損傷から保護する役割を果たす保護被覆13、例えばポリマー及び/又は金属から作られた剛性被覆の本体10中に設けられた開口部又は区画中に収容される。
【0039】
被覆13の本体10は、ガス分配弁、即ちここでは一体型圧力調整器又はIPRを有する弁を収容するように寸法決めされた体積又は区画を画定する。それは、加えて、ここでは被覆13の上にあるように配置され、即ち被覆13の本体10の頂部上に実質的に位置し、ここでは実質的に上向きに突出する2つの支持直立部17によって本体10に接続されている1つ以上の持ち手16を備える。
【0040】
一実施形態によると、被覆体10は、それが支持体、特に病院のベッドのバー又は患者を搬送するためのストレッチャー若しくは同様のものに固定されることを可能にするように設計された固定システム18(完全には見えていない)、好ましくは枢動する固定手段を更に備え得る。
【0041】
電子装置7のデジタルディスプレイ6は、図2に例示するように、電子装置7用の剛性ハウジング、特に正面によって支えられたデジタル画面、例えば液晶ディスプレイ(LCD)又は同様のものを備える。それは、カラーで又は白黒で表示され得る。
【0042】
デジタルディスプレイ6は、被覆13中に配置された電気エネルギー源(見えない)、例えば、被覆体の壁中に作られ、移動可能なフラップ又は同様のものによって閉鎖された電池区画中に配置された1つ以上のバッテリ又は電池によって電力を供給される。電源はまた、特にマイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5を動作させるために電流を必要とする電子装置7の他の構成要素に電力を供給する役割を果たす。
【0043】
上記で説明したように、電子装置7のデジタルディスプレイ6は、例えば、圧力及びガス体積値、残量(時間及び分単位)又は他の情報若しくはデータなどの使用情報の全てを使用者に表示することを可能にし、例えば、所望の若しくは実際のガス流量の値(L/min若しくは他の単位)、又は残量(時間及び分単位)はまた、グラフ棒によって表され得る。例えば、デジタルディスプレイ6は、例えば約29~37mmの高さと、例えば約39~43mmの幅を有する画面を備える。
【0044】
マイクロプロセッサ15ベースのデータ処理手段5、典型的には回路基板はまた、故障、特に制限、又は低すぎるガスの量若しくは残量が検出された場合、少なくとも1つの音響警告及び/又は視覚警告、好ましくはその両方をトリガするように、音響警告手段及び/又は視覚警告手段、好ましくはその両方を制御するように構成される。
【0045】
本発明によると、データ処理手段5は、圧力を測定するための手段4、典型的には圧力センサによって取られた継続する圧力測定値(P1...Pn)に基づいて、ガスボンベ中で利用可能な残りのガスをより正確に計算するように構成される。
【0046】
より正確には、図3に例示するように、圧力を測定するための手段4は、5~300秒、好ましくは5~30秒の所与の頻度(F)で経時的に繰り返される継続する圧力測定(P1...Pn)を好ましくは連続して行うように構成される。これらの複数の継続する圧力測定(P1...Pn)は、図3に見られるように、圧力測定のセット、ブロック、又はグループを形成する。
【0047】
加えて、データ処理手段5は、所与の頻度(F)で測定されたこれらの圧力測定値(P1...Pn)に基づいて残りの流体の量を決定する。
【0048】
これらの継続する圧力測定(P1...Pn)は、経時的な圧力変動、即ち経時的な圧力降下の1つ以上の傾斜を確立することを可能にする。そのため、残りの流体が計算されることを可能にするのは、圧力降下のこれらの傾斜である。
【0049】
加えて、流量を選択するための部材12のポジション、流体の温度、及び流体容器の体積の中から選ばれる1つ以上の追加のパラメータが、更により正確に残りの流体を計算するために使用される。この計算は、それ自体知られている方法で実行され得る。
【0050】
本発明による加圧流体用の容器1、特にガスボンベは、医療用酸素又は任意の他の医療用ガスを貯蔵及び分配するのに特に良く適している。
図1
図2
図3
【外国語明細書】