(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160442
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】予測されるネットワーク状態に基づくハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
H04B 7/185 20060101AFI20221012BHJP
H04W 36/32 20090101ALI20221012BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20221012BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221012BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20221012BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20221012BHJP
【FI】
H04B7/185
H04W36/32
H04W84/06
H04W16/28
H04W4/42
H04W36/30
【審査請求】有
【請求項の数】40
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112154
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2020504701の分割
【原出願日】2018-07-09
(31)【優先権主張番号】15/666,257
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】トゥリーシュ,フレデリック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】衛星ビームのカバレッジ領域内にある航空機にネットワークリソークをうまく配分する方法及び装置を提供する。
【解決手段】衛星通信システムは、ネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索し、各航空機について、ネットワークアクセスサービスを提供する複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別し、各候補衛星ビームにはネットワークアクセスサービスを提供するサービス時間枠が関連付けられていて、各々の各候補衛星ビームについて、関連付けられたサービス時間枠にわたり複数の航空機による予測ビーム使用量を示すビーム使用スコアを取得し、ビーム使用スコアに少なくとも部分的に基づいて複数の航空機の各航空機にネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択して、複数の航空機に対するネットワークアクセスサービスの選択された衛星ビームへのハンドオーバーをスケジューリングする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーの管理方法において、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別するステップと、
前記サービス時間枠にわたり前記複数の衛星ビームについて、前記サービス時間枠にわたる予測ビーム使用量を示すビーム使用スコアを取得するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記各候補衛星ビームの前記ビーム使用スコアに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記取得するステップ及び前記選択するステップが、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択するステップと、
前記複数の航空機の各々について、前記1個以上の候補衛星ビームの前記暫定的な選択に従い、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアを取得するステップと、
前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠のビーム使用基準を満たすと判定されたならば、前記複数の航空機の各々について、前記暫定的に選択された1個以上の候補衛星ビームを採用するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記複数の航空機の各々について、前記1個以上の候補衛星ビームが前記サービス時間枠にわたり連続的に用いられることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たすまで前記暫定的選択及び取得を反復的に実行するステップを更に含み、各反復において、前記暫定的選択が、
前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさないビーム使用スコアを有する暫定的に選択された衛星ビームを有する第1の航空機について、前記暫定的に選択された衛星ビームを、前記サービス時間枠の少なくとも一部にわたり代替衛星ビームと交替させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、各反復について、前記交替が、
前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさない前記暫定的に選択された衛星ビームに関連付けられた航空機を識別するステップと、
前記識別された航空機の各々に関連付けられたビーム融通度に少なくとも部分的に基づいて前記識別された航空機のランク付けされたリストを作成するステップと、
前記ランク付けされたリストに少なくとも部分的に基づいて前記第1の航空機を選択するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5の方法において、前記ビーム融通度が、前記サービス時間枠にわたり前記識別された航空機の各々で使用可能な衛星ビーム数に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、前記第1の航空機が、前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさない前記暫定的に選択された衛星ビームに関連付けられた航空機のうちから無作為に選択されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法において、
前記暫定的な選択及び取得ステップを反復的に実行して複数の候補衛星ビーム割り当ての組を取得するステップを更に含み、前記複数の候補衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の候補衛星ビーム割り当ての各組の候補衛星ビームの各組の各々の各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たすビーム使用スコアを有していることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法において、前記ビーム使用基準が、前記サービス時間枠にわたり閾値を下回り続ける前記ビーム使用スコア、前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠において前記閾値を超え得る最長時間、前記サービス時間枠にわたる所与のビーム使用スコアと前記複数の衛星ビームの平均ビーム使用スコアとの最大差、分散閾値を下回る前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアの分散を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法において、前記衛星ビームの前記選択が、前記各々の各候補衛星ビームの使用コストに少なくとも部分的に基づいて前記衛星ビームを選択するステップ、前記複数の航空機について衛星ビームハンドオーバーの回数を最小化するステップ、航空機に現在サービスしている衛星とは異なる衛星の衛星ビームへのハンドオーバー回数を最小化するステップ、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1~10いずれか1項に記載の方法において、前記各候補衛星ビームの各々の前記ビーム使用スコアを前記取得するステップが、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に関連付けられた推定サービス使用量に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法において、前記複数の衛星ビームが、第1のサイズの第1の複数の衛星ビームと、第2の異なるサイズの第2の複数の衛星ビームとを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記第2の複数の衛星ビームの少なくとも1個のカバレッジ領域が、前記第1の複数の衛星ビームの1個のカバレッジ領域内に位置することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の方法において、前記複数の衛星ビームが複数の衛星群を介して提供されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法において、前記選択が、ハンドオーバー評価トリガを受信するステップに少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記受信されたハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、航空機に現在サービスしている衛星ビームの端から特定の距離内にある前記航空機の検出、複数の衛星ビームの重なり合う領域に進入しつつある航空機の検出、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのビーム使用量が容量閾値を超えたこと、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームによりサービスされる航空機の数が航空機閾値を超えたこと、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのユーザー数がユーザー閾値を超えたこと、前記飛行計画データの変更、ビームデルタ閾値を超える2個以上の衛星ビーム間のビーム使用量の差の検出、又は航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったことを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の方法において、各候補衛星ビームの前記ビーム使用スコアが、経験的ビーム使用データ、前記複数の衛星ビームの各々によりサービスされる固定端末の数、前記固定端末に提供されるサービスレベル、ビーム使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している前記乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している前記乗客に提供されるサービスレベルの組み合わせを含む複数のビーム使用要因に基づいていることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記ビーム使用スコアが、前記複数のビーム使用要因の加重合計を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーを管理する装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信状態にあるメモリと、
前記メモリに保存される命令であって、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索させ、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別させ、
前記サービス時間枠にわたり前記複数の衛星ビームについて、前記サービス時間枠にわたる予測ビーム使用量を示すビーム使用スコアを取得させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記各候補衛星ビームの前記ビーム使用スコアに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングさせる命令とを含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、
前記装置に取得及び選択させるべく動作可能な前記命令が前記プロセッサにより、前記装置に、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択させ、
前記複数の航空機の各々について、前記1個以上の候補衛星ビームの前記暫定的な選択に従い、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアを取得させ、
前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠のビーム使用基準を満たすと判定されたならば、前記複数の航空機の各々について、前記暫定的に選択された1個以上の候補衛星ビームを採用させるべく実行可能であることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置において、前記複数の航空機の各々について、前記1個以上の候補衛星ビームが前記サービス時間枠にわたり連続的に用いられることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項20に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより、前記装置に、
前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たすまで前記暫定的選択及び取得を反復的に実行させるべく実行可能であり、各反復について、前記暫定的選択が、
前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさないビーム使用スコアを有する暫定的に選択された衛星ビームを有する第1の航空機について、前記暫定的に選択された衛星ビームを、前記サービス時間枠の少なくとも一部にわたり代替衛星ビームと交替させることを含むことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、各反復について、前記装置に前記暫定的に選択された衛星ビームを代替衛星ビームと交替させるべく動作可能な前記命令が前記プロセッサにより、前記装置に、
前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさない前記暫定的に選択された衛星ビームに関連付けられた航空機を識別させ、
前記識別された航空機の各々に関連付けられたビーム融通度に少なくとも部分的に基づいて前記識別された航空機のランク付けされたリストを作成させ、
前記複数の航空機の前記1個以上について、前記ランク付けされたリストに少なくとも部分的に基づいて前記ネットワークアクセスサービスを提供すべく前記各候補衛星ビームの異なる1個を再選択させるべく実行可能であることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、前記ビーム融通度が、前記サービス時間枠にわたり前記識別された航空機の各々で使用可能な衛星ビーム数に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項22に記載の装置において、前記第1の航空機が、前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たさない前記暫定的に選択された衛星ビームに関連付けられた航空機のうちから無作為に選択されることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項20に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより、前記装置に、
前記暫定的な選択及び取得を反復的に実行させて複数の候補衛星ビーム割り当ての組を取得させるべく実行可能であり、前記複数の候補衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の候補衛星ビーム割り当ての各組の候補衛星ビームの各組の各々の各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたり前記ビーム使用基準を満たすビーム使用スコアを有していることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項20に記載の装置において、前記ビーム使用基準が、前記サービス時間枠にわたり閾値を下回り続ける前記ビーム使用スコア、前記ビーム使用スコアが前記サービス時間枠において前記閾値を超え得る最長時間、前記サービス時間枠にわたる所与のビーム使用スコアと前記複数の衛星ビームの平均ビーム使用スコアとの最大差、分散閾値を下回る前記複数の衛星ビームの前記ビーム使用スコアの分散を含むことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項19~27のいずれか1項に記載の装置において、前記衛星ビームの前記選択が、前記各々の各候補衛星ビームの使用コストに少なくとも部分的に基づいて前記衛星ビームを選択するステップ、前記複数の航空機について衛星ビームハンドオーバーの回数を最小化するステップ、航空機に現在サービスしている衛星とは異なる衛星の衛星ビームへのハンドオーバー回数を最小化するステップ、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項19~27のいずれか1項に記載の装置において、前記各候補衛星ビームの各々の前記ビーム使用スコアを前記取得するステップが、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に関連付けられた推定サービス使用量に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項19~27のいずれか1項に記載の装置において、前記複数の衛星ビームが、第1のサイズの第1の複数の衛星ビームと、第2の異なるサイズの第2の複数の衛星ビームとを含むことを特徴とする装置。
【請求項31】
求項30に記載の装置において、前記第2の複数の衛星ビームの少なくとも1個のカバレッジ領域が、前記第1の複数の衛星ビームの1個のカバレッジ領域内に位置することを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項19~31のいずれか1項に記載の装置において、前記複数の衛星ビームが複数の衛星群を介して提供されることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項19~32のいずれか1項に記載の装置において、前記選択が、ハンドオーバー評価トリガを受信するステップに少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置において、前記受信されたハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、前記航空機に現在サービスしている衛星ビームの端から特定の距離内にある航空機の検出、複数の衛星ビームの重なり合う領域に進入しつつある航空機の検出、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのビーム使用量が容量閾値を超えたこと、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームによりサービスされる航空機の数が航空機閾値を超えたこと、前記複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのユーザー数がユーザー閾値を超えたこと、前記飛行計画データの変更、ビームデルタ閾値を超える2個以上の衛星ビーム間のビーム使用量の差の検出、又は航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったことを含むことを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項19~34のいずれか1項に記載の装置において、各候補衛星ビームの前記ビーム使用スコアが、経験的ビーム使用データ、前記複数の衛星ビームの各々によりサービスされる固定端末の数、前記固定端末に提供されるサービスレベル、ビーム使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している前記乗客に提供されるサービスレベルの組み合わせを含む複数のビーム使用要因に基づいていることを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、前記ビーム使用スコアが、前記複数のビーム使用要因の加重合計を含むことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に無線通信、特に予測されるネットワーク状態に基づく衛星ビームハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
旅客航空機の乗客が飛行中に広帯域ネットワークアクセスを求めるケースが増えている。旅客航空機は、衛星通信リンク等の共有通信リンクを介してネットワークアクセスサービスの提供を受けることができる。航空機は、(例:衛星通信システムの衛星を介して)地上局と通信して乗客にネットワークアクセス接続を提供する航空機搭載のマルチユーザーアクセス端末を有していてよい。例えば、ユーザーは自身の通信機器(例:スマートフォン、ラップトップ、タブレット等)を、マルチユーザーアクセス端末からサービスの提供を受けて共有通信リンクを介して他のネットワーク(例:インターネット)にデータ通信をルーティングする無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)に接続することができる。衛星通信システムはマルチビーム衛星システムであってよく、共有通信リンクは、共有通信リンク用の衛星ビームのリソースを用いることができる。各衛星ビームのリソースは柔軟に適用できる一方、各航空機は、潜在的に全員が広帯域コンテンツに同時にアクセスし得る多数のユーザーを表していてよい。無線通信システム用に帯域幅を拡張するのは高価であり、追加的な使用可能スペクトルが使用できないこともある。衛星ビームのカバレッジ領域内の航空機がビーム内でのネットワークリソースの使用に大きな影響を及ぼす恐れがあり、ある場合には衛星システムの特定のビームが過剰に使用される恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ネットワーク状態に基づく予測的衛星ビームハンドオーバーの方法、システム、及び装置について記述する。固定端末及び航空機の移動ユーザーからのネットワークサービスに対する需要が限られたシステムリソースを取り合うため、衛星通信システムは乏しいネットワークリソースをよりうまく分配する技術を用いてもよい。これらの技術により、より大きなネットワーク需要が予想されるサービス領域又はサービス期間において航空機がネットワークリソースを最適に使用できるようになる。
【0004】
ビームハンドオーバーマネージャは、記述する技術を用いるサービス時間枠にわたる衛星システムのネットワークリソースの使用効率を向上させることができる。複数の航空機の飛行計画データに基づいて、ビームハンドオーバーマネージャは、サービス時間枠にわたりネットワークアクセスサービスを航空機に提供すべく衛星システムの衛星ビームの候補の組を決定する。各衛星ビームについて予測ビーム使用量を示すビーム使用スコアが、サービス時間枠にわたり各衛星ビームに対して計算される。ビームハンドオーバーマネージャは次いで、各衛星ビームのビーム使用スコアがサービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすか否かを判定する。基準を満たす場合、ビームハンドオーバーマネージャは、サービス時間枠にわたり満足できるレベルでネットワークアクセスサービスを航空機に提供可能であるとして衛星ビームの候補の組を受容することができる。ビームハンドオーバーマネージャは次いで、衛星ビームの各候補の組に基づいて航空機のハンドオーバーをスケジューリングする。しかし、基準が満たされない場合、ビームハンドオーバーマネージャは各種の技術を用いて、衛星ビームのビーム使用スコアがビーム使用基準を満たすように衛星ビームの候補の組を調整することができる。
【0005】
以下の図面を参照することにより本開示の実施形態の特性及び利点に対する理解が深まるであろう。添付の図面において、類似要素又は特徴に同一の参照ラベルを付している場合がある。更に、同種類の様々な要素は、参照ラベルの後ろに類似要素を区別すべくハイフンと第2のラベルが付されていることで区別できる。本明細書で第1の参照ラベルのみが用いられている場合、記述は、第2の参照ラベルに依らず同じ第1の参照ラベルを有する任意の類似要素にも当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本明細書に含まれる原理を記述し得る、衛星通信システムの簡略図である。
【
図2】
図2は、本開示の各種の態様による、衛星が衛星ビームによりネットワークカバレッジを提供するサービス領域の一例を示す概念図である。
【
図3】
図3は、本開示の各種の態様による、飛行計画データに基づく航空機向けの候補衛星ビームの決定を示すサービス使用可能性を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示の各種の態様による、各種の固定端末による衛星ビームの予想されるビーム使用チャートの一例を示す。
【
図4B】
図4Bは、本開示の各種の態様による、サービス時間枠にわたり候補衛星ビームを航空機に割り当てる最適化反復を示す予想されるビームリソース使用の一連のチャートを示す。
【
図4C】
図4Cは、本開示の各種の態様による、サービス時間枠にわたり候補衛星ビームを航空機に割り当てる最適化反復を示す予想されるビームリソース使用の一連のチャートを示す。
【
図4D】
図4Dは、本開示の各種の態様による、サービス時間枠にわたり候補衛星ビームを航空機に割り当てる最適化反復を示す予想されるビームリソース使用の一連のチャートを示す。
【
図5】
図5は、本開示の各種の態様による、ビーム融通度に基づく複数の航空機のランク付けされたリストの一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本開示の各種の態様による、予測されるネットワーク状態に基づく衛星ビームハンドオーバーを管理するフロー図である。
【
図7】
図7は、本開示の各種の態様による、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行うビームハンドオーバーマネージャの一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示の各種の態様による、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行うゲートウェイの一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行う例示的方法のフロー図である。
【
図10】
図10は、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行う例示的方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
記述する特徴は、予測されるネットワーク状態に基づく衛星ビームハンドオーバーに関する。記述するハンドオーバー技術は飛行計画データを用いて、複数の航空機にネットワークサービスを提供すべく候補衛星ビームを識別することができる。各候補衛星ビームは、ビームカバレッジ領域及び飛行計画データに基づいて特定のサービス時間枠にわたりネットワークサービスを提供すべく使用可能であってよい。この技術は次いで、各候補衛星ビームについてビーム使用スコアを取得することができ、スコアは関連付けられたサービス時間枠にわたる候補衛星ビームの予測ビーム使用量を示す。この技術により、衛星通信システムは、候補衛星ビームのビーム使用スコアに基づいて各航空機のネットワークサービスを提供すべく衛星ビームを選択することができる。衛星ビームが選択された後、システムは次いで、航空機向けのネットワークサービスの、選択された衛星ビームへのハンドオーバー又は一連のハンドオーバーをスケジューリングすることができる。
【0008】
以下の記述は複数の例を提供するものであって、本明細書に記述する原理の実施形態の範囲、適用可能性、又は構成を限定することを意図していない。むしろ、以下の記述は、当業者が本明細書に記述する原理の実施形態を実行できるようにする説明を提供する。要素の機能及び配置に対して各種の変更を加えることができる。
【0009】
従って、各種の実施形態は、各種の手順又は要素を適宜省略、代替する又は追加することができる。例えば、記述するものとは異なる順序で本方法を実行してもよく、且つ各種のステップを追加、省略又は結合することができる。また、特定の実施形態に関して記述する態様及び要素が各種の他の実施形態に組み込まれてよい。また、以下のシステム、方法、装置、及びソフトウェアが個別又は包括的に、より大規模なシステムの要素であってよく、他のプロシージャの適用を優先又は別途変更してよい点を理解されたい。
【0010】
図1は衛星通信システム100の簡略図であり、本明細書に含まれる原理を記述し得る。衛星通信システム100は、移動乗物130aに搭乗しているユーザー180にネットワークアクセスサービスを提供することができる。ネットワークアクセスサービスは、有線(例:イーサネット)又は無線(例:WLAN)接続176を介してユーザー180が自身の通信機器175を接続できるマルチユーザーアクセス端末170を介してユーザー180に提供することができる。マルチユーザーアクセス端末170は、衛星ビーム145を介してネットワークアクセスサービスの提供を受けることができる。衛星通信システム100は、複数の移動乗物130(例:移動乗物130a、130n等)及び各移動乗物130のネットワークユーザー180にネットワークサービスを提供可能な多重アクセスシステムである。移動乗物130a~130nを航空機として図示しており、且つ航空機が以下の記述で例として用いられているが、航空機への言及はまた、バス、列車、船舶等、複数の乗客を輸送する任意の種類の移動乗物であってよい点に注意されたい。
【0011】
衛星通信システム100は、静止衛星システム、中軌道(MEO)、又は低軌道(LEO)衛星システムを含む任意の適当な種類の衛星システムを含んでいてよい。単一の衛星ビーム145のみ図示しているが、衛星105は、各々が地上の異なる地域に向けられた多数(例:典型的には20~500等)の衛星ビーム145を送信するマルチビーム衛星であってよい。衛星105の衛星ビーム145は、互いにサイズが異なる衛星ビームを含んでいてよい。衛星ビーム145の数は、比較的広大な地理的領域をカバーでき、且つカバーされた領域内での周波数再使用可能にする。マルチビーム衛星システムにおける周波数再使用は、所与のシステム帯域幅でシステムの性能を向上させることができる。1個の衛星105を含むように図示しているが、衛星通信システム100は複数の衛星を含んでいてよい。複数の衛星は、互いに少なくとも部分的に重なり合うサービスカバレッジ領域を有していてよい。
【0012】
衛星通信システム100は、1個以上の有線又は無線リンクを介して互いに接続可能なゲートウェイシステム115及びネットワーク120を含んでいる。ゲートウェイシステム115は、衛星105を介して1機以上の航空機130と通信すべく構成されている。ネットワーク120は、任意の適当な公衆又は専用回線を含んでいてよく、インターネット、電話通信ネットワーク(例:公衆交換電話網(PSTN)等)等、他の通信ネットワーク(図示せず)に接続されていてよい。ネットワーク120はゲートウェイシステム115を、同じく衛星105と通信状態にある他のゲートウェイシステムに接続することができる。代替的に、ゲートウェイと他のノードを接続している別個のネットワークを用いて協働してユーザートラフィックをサービスさせることができる。ゲートウェイシステム115はまた、ネットワーク120又は他の通信ネットワーク内の宛先に向けられた固定端末185及び航空機130からの返送リンク信号を(衛星105を介して)受信すべく構成されていてよい。
【0013】
ゲートウェイシステム115は、ネットワーク120と衛星105の間のインターフェースを提供する装置又はシステムであってよい。ゲートウェイシステム115は、アンテナ110を用いてゲートウェイアップリンク135及びゲートウェイダウンリンク140を介して衛星105との間で信号を送受信することができる。アンテナ110は、双方向可能であって、衛星105との間で確実に通信を行えるよう充分な送信出力及び受信感度で設計されていてよい。一実施形態において、衛星105は、指定された周波数帯域及び特定の分極化の範囲でアンテナ110から信号を受信すべく構成されている。
【0014】
衛星通信システム100はまた、ゲートウェイシステム115及び/又はネットワーク120に接続可能なビームハンドオーバーマネージャ125を含んでいる。ビームハンドオーバーマネージャ125は、衛星通信システム100によりネットワークアクセスサービスが提供される航空機130の飛行計画データを受信することができる。ビームハンドオーバーマネージャ125は、飛行計画データが最初に受信又は更新された時点で既に飛行中である航空機130の、又はまだ飛行中ではないが飛行計画を提出済み又は別途飛行経路を計画済みの航空機の飛行計画データを受信することができる。例えば、飛行計画データは、ネットワーク120等を介してアクセス可能な集中データベースから複数の航空機130の各々で受信することができる。集中データベースは例えば、提出された飛行計画情報(例:米国連邦航空局(FAA)に提出された飛行経路等)を含んでいてよく、現状情報(例:離陸情報、GPS座標、飛行遅延等)により補足されていてよい。飛行計画データは、現在のルート情報、計画されたルート情報、又は航空機130に関連付けられた他の経路関連情報を含んでいてよい。例えば、計画された情報は、出発地及び目的地の位置、及び行程中の計画された移動経路、高度、速度等を含んでいてよい。現在の情報は現在の(又は最後に報告された)位置、高度、速度等を含んでいてよい。他の経路関連情報は、同様の行程からの天候パターン又は履歴データを含んでいてよい。
【0015】
ビームハンドオーバーマネージャ125は受信した飛行計画データを用いて、飛行計画データが知られている時間、又は他の何らかの時間間隔であってよいサービス時間枠にわたり複数の航空機130上の移動マルチユーザー端末にネットワークサービスを提供する候補衛星ビームを識別することができる。各候補衛星ビームは、異なるサービスウインドウにわたり異なる航空機にネットワークサービスを提供すべく使用可能であってよい。飛行計画データは、予測される飛行ルート情報、又は航空機の飛行経路を推定できる他の情報(例:出発地の位置、目的地の位置、出発時間、推定到着時刻等)を含んでいてよい。
【0016】
ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、各候補衛星ビームについてビーム使用スコアを取得することができ、スコアは、関連付けられたサービス時間枠にわたる候補衛星ビームの予測ビーム使用量を示す。候補衛星ビームの予測ビーム使用量は、関連付けられたサービス時間枠内で候補衛星ビームからサービスの提供を受ける任意のマルチユーザーアクセス端末170及び/又は固定端末185の予測されるネットワーク需要に基づいていてよい。ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、衛星ビームのビーム使用スコアに基づいて各航空機のネットワークサービスを提供する衛星ビームを選択することができる。衛星ビームが選択された後で、ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、航空機130向けのネットワークサービスの、選択された衛星ビームへのハンドオーバー又は一連のハンドオーバーをスケジューリングすることができる。ビームハンドオーバーマネージャ125が各々の航空機130について選択された衛星ビームへのハンドオーバーをスケジューリングする仕方は実施形態毎に異なっていてよい。いくつかの実施形態において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、各々の選択された衛星ビーム及び各々へのハンドオーバー時間を示すデータをメモリに保存することにより、ハンドオーバーをスケジューリングする。ハンドオーバー時刻が到来したならば、ビームハンドオーバーマネージャ125は衛星通信システム100を介して、選択された衛星ビームを示す対応マルチユーザーアクセス端末170にメッセージを伝送することにより航空機130に通知することができる。メッセージは、メッセージの宛先であることの判定に使用可能な、マルチユーザーアクセス端末170及び/又は航空機130の一意な識別子を含んでいてよい。メッセージに応答して、マルチユーザーアクセス端末170は次いで、選択された衛星ビームに通信をハンドオーバーすることができる。選択された衛星ビームへの通信のハンドオーバーは例えば、動作周波数、分極化、出力レベル等、マルチユーザーアクセス端末170の1個以上のパラメータの変更を含んでいてよい。ハンドオーバーが第2の衛星への通信の切り替えを含む実施形態において、これはまたアンテナ165の向きを第2の衛星に変えることを含んでいてよい。
【0017】
他の実施形態において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、選択された衛星ビームのいくつか又は全て及び各々へのハンドオーバー時刻を示す各メッセージを各航空機130に伝送することによりハンドオーバーをスケジューリングする。各航空機130のマルチユーザーアクセス端末170は、自身への各メッセージをメモリに保存することができる。ハンドオーバー時刻が到来したならばマルチユーザーアクセス端末170は選択された衛星ビームに通信をハンドオーバーする。
【0018】
衛星105の各衛星ビーム145は、そのカバレッジ領域内の航空機130をサポートする(例:アップリンク及びダウンリンクリソースを提供する)ことができる。異なる衛星ビーム145のカバレッジは重なり合っていなくても、又は重なりの程度が異なっていてもよい。衛星105の衛星ビーム145は、(例:ビームを介してサービスを提供すべくビームの強度又は利得により画定されるビーム形状で)部分的に重なり合うビームが異なる範囲の周波数及び/又は分極化(例:異なる色)を用いる比較的広大な地理的領域を完全又はほぼ完全にカバーすべくタイル状に配置されて部分的に重なり合っていてよい。いくつかの衛星ビーム145が他の衛星ビーム145とは異なるサイズを有して(異なるビーム幅を有して)いてよい。例えば、一つの衛星ビームのカバレッジ領域が異なる衛星ビーム部分的に重なっていても、又はその内部に完全に含まれていてもよい。いくつかの衛星ビーム145は需要がより高い領域(例:より高密度に存在する領域)に照準を合わされていてよい一方、他の衛星ビーム145はより広大な領域にわたりサービスを提供する。従って、任意の所与の位置にある航空機130に、同一衛星の、又はある場合には異なる衛星群の衛星ビームであってよい複数の使用可能な衛星ビームのうち1個がサービス提供可能であってよい。
【0019】
マルチユーザーアクセス端末170は航空機130aに搭載されたアンテナ165を用いて、衛星ビームダウンリンク155a及び衛星ビームアップリンク160aを介して衛星105に信号を伝送することができる。アンテナ165は、(例:能動追跡型の)アンテナ165を衛星105に向ける高度及び方位ジンバルに搭載されていてよい。衛星通信システム100は、国際電気通信連合(ITU)によるKu、K、又はKa帯域、例えばKa帯域のダウンリンク部で17.7~21.2ギガヘルツ(GHz)、アップリンク部の27.5~31GHzで動作可能である。代替的に、衛星通信システム100は、C帯域、X帯域、S帯域、L帯域等、他の周波数帯域で動作可能である。
【0020】
衛星通信システム100において、ユーザー180a~180nは、移動機器175を介してネットワークアクセスサービスを使用することができる。各ユーザー180a~180nは、移動機器175(例:デスクトップコンピュータ、ラップトップ、セットトップボックス、スマートフォン、タブレット、インターネット対応テレビ等)をマルチユーザーアクセス端末170に(例:有線又は無線接続を介して)接続することにより、衛星通信システム100を介してサービスの提供を受けることができる。
図1に示すように、移動機器175a~175nは有線又は無線接続176(例:Wi-Fi、イーサネット等)を介してマルチユーザーアクセス端末170に接続されている。マルチユーザーアクセス端末170は、衛星ビームダウンリンク155aを介して衛星105からデータを受信し、衛星ビームアップリンク160aを介して衛星105にデータを送信することができる。航空機130n等、衛星ビーム145内の他の航空機は衛星ビームダウンリンク155nを介して衛星105からデータを受信し、衛星ビームアップリンク160nを介して衛星105にデータを送信することができる。衛星通信システム100が航空機130に搭乗した移動ユーザー180に移動ネットワークアクセスサービスを提供する様子を示しているが、本明細書に記述する移動ユーザーへのネットワークアクセスサービスの提供の原理を、固定位置に配置された、又は複数の移動ユーザーが衛星通信システム100を介してネットワークアクセスを要求する可能性がある各種の輸送モードにあるマルチユーザーアクセス端末を用いて提供できる点を理解されたい(例:列車、船舶、バス等)。
【0021】
衛星105の各衛星ビーム145はまた、多くの固定端末185をサポートすることができる。固定端末185は、衛星ビームダウンリンク155bを介して衛星105からデータを受信し、衛星ビームアップリンク160bを介してデータを送信することができる。固定端末185は、超小型地球局(VSAT)等、任意の双方向衛星地上局であってよい。固定端末185は、固定端末に関連付けられた加入者に、データ、音声、及び映像信号等のサービスを提供することができる。各固定端末は典型的に、少数のユーザー(例:住居又は企業)にサービスを提供することができる。
図1に示すように、特定の周波数範囲及び分極化に割り当てられた衛星ビーム145は、固定端末185及びマルチユーザーアクセス端末170の両方に衛星ビームダウンリンク155又は衛星ビームアップリンク160を搬送することができる。固定端末185及びマルチユーザーアクセス端末170向けの衛星ビームダウンリンク155又は衛星ビームアップリンク160は、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、マルチ周波数時分割多重アクセス(MF-TDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)等の多重化技術を用いて衛星ビーム145内で多重化することができる。
【0022】
図2は、本開示の各種の態様による、衛星105aが衛星ビームを用いてネットワークカバレッジを提供するサービス領域200の一例を示す説明図である。衛星105aは、特定のシステム帯域幅を使用し、且つ(関連付けられた衛星ビームカバレッジ領域により示す)複数の衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dを有していてよい。衛星ビーム205は各々、システムリソースの部分(例:分極化及びシステム帯域幅の部分等)を用いることができる。衛星ビームカバレッジ領域は、衛星ビームを介したサービスのための最小の所望の信号レベルに関連付けられた対応する衛星ビームの所与のビーム形状レベルを示すことができる。例えば、衛星ビームカバレッジ領域は、ピーク利得から-1dB、-2dB、又は-3dBの減衰を表していても、又は絶対信号強度、信号対雑音比(SNR)、又は信号対干渉及び雑音比(SINR)レベルにより定義されてもよい。衛星ビーム205の衛星ビームカバレッジ領域は、衛星の方位角、周波数、又は意図的なビーム整形技術(例:整形アンテナシステム、ビームフォーミング等)のような様々な理由によりサイズ及び/又は寸法が異なっていてよい。各衛星ビーム205は、その衛星ビームカバレッジ領域内の1機以上の航空機にサービスすることができ、且つ2個以上の衛星ビーム205内の航空機が所与の時点で衛星ビームの任意のものによりサービスされてよい。
【0023】
図示するサービス領域200は、衛星105aの全サービス領域に含まれる領域であってよく、簡潔のため
図2に示していない他の衛星ビームを含んでいてよい。衛星105aは、様々な種類の衛星システムの一部であってよい。例えば、衛星105aは、衛星ビームが各々特定の地理的領域に意図的に固定された固定ビームアーキテクチャを使用することができる。固定ビームは、角度ビーム幅及びカバレッジ領域が時間経過に伴い意図的に変化しないスポットビームを指す。静止衛星は固定ビームを用いる場合が多い。いくつかの例において、固定ビームシステムにおける隣接衛星ビームの衛星ビームカバレッジ領域は連続カバレッジを提供すべく部分的に重なっていてよく、重なり合う衛星ビームは異なる範囲の周波数及び/又は分極化(例:色)を用いる。他の例において、衛星105aは低軌道(LEO)衛星システムの一部であってよい。安定した低軌道を維持するために、LEO衛星システムの衛星は、地球の回転速度と同じとは限らない最低軌道速度を維持する必要がある。特定の衛星の軌道が静止軌道ではないため、衛星105aは、サービス領域200にわたり連続的なカバレッジを提供するために衛星のネットワークであってよい。衛星のネットワークは、サービス領域200に連続的なネットワークサービスを提供するために同様の軌道経路に従って移動してよい。
【0024】
図2に、サービス時間枠内でサービス領域200を飛行しているか又は飛行する予定の複数の航空機130の飛行計画を示す。例えば、航空機130a、130b、及び130cは、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dを通って移動していても、又は移動が予測されていてよい。ビームハンドオーバーマネージャ125は、各航空機130に関してビームハンドオーバーマネージャ125が受信する飛行計画データを介して各航空機130の予測移動経路を決定することができる。
【0025】
各航空機130の現在の地理的位置及び予測移動軌道から、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠にわたる各航空機130の予測位置(例:所定の時間又は飛行データが分かっている時間等)を決定することができる。予測位置に基づいて、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠内で各航空機130にネットワークアクセスサービスを提供可能と見込まれた候補衛星ビームを識別することができる。各々の見込まれた候補衛星ビームは、サービス時間枠にわたりネットワークサービスを提供可能な各航空機130に関連付けられたサービスウインドウを有していてよい。
【0026】
図3に、本開示の各種の態様による、飛行計画データに基づく航空機に対する候補衛星ビームの決定を示すサービス使用可能性300a、300b、300c、及び300dを示す。例えば、
図3は、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dが、サービス時間枠305にわたり
図2の航空機130a、130b、及び130cにネットワークサービスを提供可能な時間帯を示していてよい。サービス時間枠305は、固定時間(例:所与の分数又は時間数等)であっても、又は飛行データの使用可能性又は時間経過に伴う飛行データの推定された正確さに基づいて動的に決定されてもよい。
【0027】
具体的には、サービス使用可能性300aは、
図2の衛星ビーム205aが航空機130a、130b、及び130cの各々への候補ビームである場合のサービスウインドウt
SW[A:1]310a1、t
SW[B:1]310b1、及びt
SW[C:1]310c1を示す。
図2から分かるように、航空機130bは、衛星ビーム205aのカバレッジ領域内でその飛行計画を開始し、その様子をサービス時間枠305の開始時点で開始されるサービスウインドウt
SW[B:1]310b1により
図3に示す。航空機130a、130cの飛行計画データは、サービス時間枠305の開始時点(現在時刻であってよい)で衛星ビーム205aのカバレッジ領域外にいるよう航空機に指示する。従って、サービスウインドウt
SW[A:1]310a1、t
SW[C:1]310c1はサービス時間枠305の開始時点では開始されない。
図2に、各々がサービス時間枠305の終了前に終了するサービスウインドウt
SW[B:1]310b1及びt
SW[C:1]310c1により
図3に示すサービス時間枠305の終了前に衛星ビーム205aのカバレッジ領域から出る航空機130b、130cを示している。しかし、サービスウインドウ310a1に示すように、一旦衛星ビーム205aのカバレッジ領域内に入れば、航空機130aはサービス時間枠305の終了前に衛星ビーム205aのカバレッジ領域から出ることはない。
【0028】
別の例において、
図2の衛星ビーム205bのサービス使用可能性300bはまた、衛星ビーム205bが異なる時点で異なる時間にわたり航空機130a、130b、及び130cにネットワークサービスを提供することを示している。サービス使用可能性300bにおいて、サービスウインドウt
SW[A:2]310a2、t
SW[B:2]310b2、及びt
SW[C:2]310c2は、衛星ビーム205bが航空機130a、130b、及び130cの各々にサービスを提供する候補ビームである時間を示す。
図2で分かるように、航空機130a、130b、及び130cは全て、衛星ビーム205b以外の衛星ビームのカバレッジ領域でその飛行経路を開始する。これを
図3に示しており、サービス時間枠305の開始時点でいずれのサービスウインドウも開始されない。また、航空機130a、130b、及び130cは
図2において衛星205bのカバレッジ領域の外でその飛行経路を終了する。これを
図3に示しており、サービスウインドウt
SW[A:2]310a2、t
SW[B:2]310b2、及びt
SW[C:2]310c2がサービス時間枠305の終了前に終了する。
【0029】
同様の例において、サービス使用可能性300c、300dは、衛星ビーム205c、205dが航空機130a、130b、130cへの候補ビームであるサービスウインドウ310を示す。具体的には、衛星ビーム205cはサービスウインドウtSW[A:3]310a3、tSW[B:3]310b3、及びtSW[C:3]310c3の各々にわたる航空機130a、130c、及び130dへの候補ビームであり、衛星ビーム205dはサービスウインドウtSW[A:4]310a4、tSW[B:4]310b4、及びtSW[C:4]310c4の各々にわたる航空機130a、130c、及び130dへの候補ビームである。
【0030】
従って、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービスの提供を受けている各航空機130について、サービス時間枠305内で航空機へのサービスの提供に使用可能な各ビームに関連付けられたサービスウインドウを決定することができる。また、各衛星ビーム205は、多数の固定端末にサービスを提供することができる。固定端末のサービスに起因するビーム使用量もまたサービス時間枠305にわたり推定することができる。
【0031】
図4Aに、本開示の各種の態様による、各種の固定端末による衛星ビームの推定ビーム使用量のチャート400の一例を示す。例えば、チャート400は、各衛星ビーム205によりネットワークサービスが提供される固定端末に起因する、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dのビーム使用量を示していてよい。チャート400に示す推定ビーム使用量は、衛星ビーム205のカバレッジ領域内にある任意の航空機130の推定ネットワークリソース需要を除外していてよい。固定端末は一般に、自身に現在サービスを提供している衛星ビーム205のカバレッジ領域から移動しないため、サービス時間枠305にわたるネットワーク需要の変化が、異なる時刻におけるネットワークリソース需要、各衛星ビーム205がサービスを提供する異なる人口等、を含む多くの他の要因に起因して生じ得る。サービス時間枠305にわたる推定ビーム使用量を、ビーム割り当ての決定(例:ハンドオーバー決定及びスケジューリング等に要する最小時間単位等)に用いる時間単位であり得る複数の時間セグメント415の各々について推定することができる。
【0032】
チャート400に示す推定ビーム使用量は、現在の需要及び需要履歴データに基づいて推定することができる。例えば、チャート400に示す固定端末用のビーム使用量は、衛星ビーム205dの固定端末推定ビーム使用量420dが現在(例:サービス時間枠305の開始時点)最も高いことを示す。また、衛星ビーム205a、205dの固定端末推定ビーム使用量420a、420dは各々、サービス時間枠305にわたり減少すると予想されるのに対し、固定端末推定ビーム使用量420cはサービス時間枠305にわたり増加する予想され、固定端末推定ビーム使用量420bはサービス時間枠305にわたりほぼ一定であると予想される。チャート400に、正規化されたスケール0~120における衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dの固定端末推定ビーム使用量420を示しており、100は各衛星ビームの最大容量(異なるビームに対して異なり得る)を表す。
【0033】
また、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠305にわたる各航空機130のサービス使用量を決定することができる。サービス時間枠305にわたる各航空機用のサービス使用量は、サービス使用履歴データ、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用する乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用する乗客に提供されたサービスレベル、所与のビームについて衛星と航空機の間の通信の予測スペクトル効率(例:スペクトル効率は、ビーム内での航空機の位置又は大気の状態等に基づいて変化し得る)等に基づいて決定することができる。
【0034】
図4B、4C、及び4Dに、本開示の各種の態様による、サービス時間枠にわたる航空機の候補衛星ビームへの割り当ての最適化反復を示す予想ビームリソース使用の一連のチャートを示す。最適化処理は、衛星ビームのビーム使用スコアが1個以上のビーム使用基準を満たすまで、1機以上の航空機を異なる衛星ビームに反復的に再割り当てすることにより実行することができる。各衛星ビームのビーム使用スコアは例えば、
図4B~4Dに示すように正規化されたビーム使用量であってよく、又は他の仕方(例:フィルタリング等)で推定ビーム使用量から決定されてもよい。ビーム使用基準は例えば、サービス時間枠にわたり閾値を下回り続けるビーム使用スコア、ビーム使用スコアがサービス時間枠における閾値を超える最大時間量、所与のビーム使用スコアとサービス時間枠にわたる複数の衛星ビームのビーム使用スコアの平均との最大差、又は分散閾値を下回る複数の衛星ビームのビーム使用スコアの分散を含んでいてよい。
【0035】
最適化は、候補ビームに対して航空機の暫定的選択を行い、暫定的選択に基づいてビーム使用量を決定して、ビーム使用基準が満たされるまで1機以上の航空機を異なるビームに再割り当てする多数の反復を実行することを含み得る。最適化反復のために再割り当てする航空機の選択は、最大ビーム融通性、無作為選択等による航空機の選択を含む再割り当て選択ルールに従い実行することができる。例えば、所与の衛星ビームが、特定のサービス時間枠にわたり1個以上のビーム使用基準を満たさない場合、所与の衛星ビームが暫定的に選択された航空機は、サービス時間枠の少なくとも一部においてその暫定的なビーム割り当てが変更され得る。この処理は、全ての衛星ビームが暫定的な割り当てに従いビーム使用基準を満たすまで続く場合がある。代替的に、最適化処理は、以下に更に詳細に述べるように、最適又はほぼ最適なビーム割り当て解を発見する価値関数を用いる最適化を含んでいてよい。最適化処理が終了したならば、暫定的に選択された衛星ビームは、ビームハンドオーバーマネージャ125により採用されてよく、各航空機に対して衛星ビームが暫定的な選択に従い使用される。別の実施形態において、最適化処理により、航空機にネットワークアクセスサービスを提供する1個以上の衛星ビーム割り当ての組が得られ得る。各衛星ビーム割り当ての各組は、サービス時間枠にわたり各航空機を(例:連続的に)サービスすべく暫定的に割り当てられた1個以上の衛星ビームを有していてよい。衛星ビーム割り当ての組の各衛星ビームは、サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用スコアを有していてよい。すなわち、ビーム使用基準が満たされた暫定的な選択の複数の組を決定することができる。いくつかの例において、複数の組から選択すべく追加的な基準(例:ハンドオーバー総数、所与の航空機のハンドオーバー数、等)が適用されてよい。
【0036】
図4B、4C、及び4Dのグラフの例において、各航空機130のサービス使用量は、サービス時間枠305にわたり定数値20機であると推定される。しかし、この値は例示目的であって、衛星通信システム内の1個の航空機の典型的な正規化されたサービス使用量を示すものではない可能性がある。また、航空機130の推定サービス使用量はサービス時間枠305にわたり変化し得る。
【0037】
ビーム最適化処理は、各種の条件又は事象により起動することができる。トリガは周期的(例:最適化は1個の時間セグメント415又は所定個数の時間セグメント415毎に、サービス時間枠305毎、又は他のタイミングで実行されてよい)であっても、又は位置に基づいていてよい(例:複数の衛星ビームの重なり合う領域に進入しつつある航空機に現在サービスを提供している衛星ビームの端から特定の距離で航空機が検出された場合等に最適化を実行してよい)。トリガはまた、衛星ビームのビーム使用量が容量閾値を超えた、衛星ビームによりサービスされる航空機の数が航空機閾値を超えた、衛星ビームのユーザー数がユーザー閾値を超えた、1個以上の衛星ビームの容量需要の変化が閾値を超えた、又は2個以上の衛星ビーム(例:隣接ビーム、領域内のビーム等)間のビーム使用量の差がビームデルタ閾値を超えた等の負荷均衡基準に基づいて生起する場合がある。トリガはまた、飛行計画データに変更があった(例:航空機がネットワークに進入又は退出)場合、又は航空機に対するネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回った場合に設定され得る。
【0038】
図4Bに、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dの推定ビーム使用量425のチャートを示す。チャート425は、衛星ビーム205により予見的にサービスされる航空機130に加え、チャート400の固定端末による予想ビームリソース使用を示していてよい。チャート425は、衛星ビーム205への航空機130の初期割り当てによる衛星ビーム205のビーム使用スコア430を示していてよい。衛星ビーム205の初期割り当ては既定ルールに従い行われてよい。既定ルールは、現在サービスを提供している、又は、まずサービスウインドウの開始時点で航空機130が最初に進入するカバレッジ領域を有する衛星ビーム205により航空機130にネットワークサービスを提供することを含んでいてよい。複数の衛星ビーム205のカバレッジ領域に航空機130が最初に進入した場合、ビームハンドオーバーマネージャ125は、どの候補衛星ビームが可能な最長サービスを航空機130に提供できるに基づいて候補衛星ビームを選択することができる。選択された衛星ビームのカバレッジ領域から航空機130が出た後で、ビームハンドオーバーマネージャ125は、どの候補衛星ビームが可能な最長サービスを航空機130に提供できるかに基づいて別の候補衛星ビームを選択することができる。追加的又は代替的に、候補衛星ビームの初期割り当ての既定ルールは、ビーム優先度(例:最大容量ビームを最初に選択、同一衛星からのビームを優先、等)又は無作為選択等、他の要因を含んでいてよい。現在航空機にサービスを提供している同一衛星からのビームが使用できない場合、既定ルールはサービスを提供する異なる衛星に航空機を割り当てることができる。複数の衛星がサービスの提供に使用できる場合、既定ルールは優先度ルールに従い衛星を選択することができる(例:同一技術を用いる衛星を優先、同一オペレータからの衛星を優先、同様のリンク性能を示す衛星を優先、等)。
【0039】
サービス領域200に示す飛行経路及び上述の既定ルールに基づいて、初期割り当ては、衛星ビーム205cに最初に航空機130aにネットワークサービスを提供させることができる。航空機130aが衛星ビーム205cから出ることが予測される場合、初期割り当ては、航空機130aへのネットワークサービスを衛星ビーム205aにハンドオーバーすることができる。航空機130bに関して、最初は衛星ビーム205aにより、次いで航空機130bが衛星ビーム205aのカバレッジ領域から出ることが予測されるならば衛星ビーム205dにより、ネットワークサービスが提供されてよい。航空機130cは、サービスウインドウの開始時点で衛星ビーム205dからネットワークサービスの提供を受け始めてよいが、次いで衛星ビーム205dのカバレッジ領域から出ることが予測されるならば衛星ビーム205cに割り当てられる。
【0040】
図4Bに、衛星ビームに航空機を割り当てる既定ルールの適用に基づいて、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dの各々のビーム使用スコア430a1、430b1、430c1、及び430d1を示す。ビーム使用スコア430に基づいて、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ビーム割り当ての更なる最適化が実行されているか否かを判定することができる。
図4Bの例において、ビーム使用スコア430を、各時間セグメント415に対して(例:ビーム容量に)正規化されたビーム使用量として示す。他の例において、ビーム使用スコアは単一の値であってよい。例えば、ビーム使用スコアは、サービス時間枠305にわたるビーム使用量430の平均、ビーム使用量430がビーム使用閾値(例:ビーム容量の80%)を超える時間の百分率、ビーム使用量430のピーク値、ビーム使用量の加重平均(例:ビーム使用量が多いほど指数関数的に増大する重みを与える、ビーム使用量の値が現在時刻に近いほど重みを増す、等)、又はこれらの技術の組み合わせとして決定することができる。いくつかの例において、ビームハンドオーバーマネージャ125は比較用ビーム使用スコアを用いてもよく、この場合各衛星ビームのビーム使用スコアは、ビーム使用量と衛星ビーム205の全部又は部分集合(例:隣接ビーム、領域毎、等)の平均的ビーム使用量との差に基づいている。
【0041】
図4Bに示す例において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、衛星ビーム205dが、サービスウインドウにわたり所定の閾値(例:ビーム容量の80%)を超えるビーム使用スコア430d1を有していると判定することができる。ビームハンドオーバーマネージャ125はまた、衛星ビーム205cも、ビーム205dのビーム使用スコアよりは低いが、所定の閾値を超えるビーム使用スコア430c1を有していると判定することができる。ビーム使用閾値は、ビーム使用スコアの判定に用いる機能に基づく所定の値であってよい。少なくとも1個のビームがビーム使用基準を満たさないビーム使用スコアを有しているとの判定に起因して、ビームハンドオーバーマネージャ125は、1機以上の航空機130a、130b、又は130cの候補衛星ビームの再選択を決定することができる。
【0042】
衛星ビーム205dが最高ビーム使用スコア430を有しているとの判定に基づいて、ビームハンドオーバーマネージャ125は、別の候補衛星ビームに割り当て可能なサービス時間枠305の少なくとも一部にわたり衛星ビーム205dに割り当てられた航空機130を識別することができる。いくつかの例において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、航空機130のランク付けされたリストをその再割り当て判定に用いてよく、ランク付けされたリストは各航空機130に関連付けられたビーム融通性の尺度に基づいている。ビーム融通性の尺度は、各々のサービス時間枠にわたり各航空機130で使用できる衛星ビーム数に基づいていてよい。ランク付けされたリストの更なる詳細は以下の
図5に関する記述に見出すことができる。
【0043】
図4Cに、第1の最適化反復の後で推定された衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dのビーム使用量のチャート450を示す。チャート450は、ビームハンドオーバーマネージャ125が、チャート425から判定されたビーム使用スコアに基づいて第1の最適化反復を実行した後での衛星ビーム205のビーム使用スコア430を示していてよい。
【0044】
第1の最適化反復において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、航空機130bを最も高いビーム融通度を有していることを認識し、航空機130bがサービス時間枠305の少なくとも一部にわたり衛星ビーム205bに再割り当てすることを認識することができる。チャート450は、サービス時間枠305の少なくとも一部にわたり航空機130bが衛星ビーム205dから衛星ビーム205bに再割り当てされた後の候補衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dの各々のビーム使用スコア430a2、430b2、430c2、430d2を示す。図から分かるように、衛星ビーム205dの結果的に得られたビーム使用スコア430d2が、航空機130bにサービスすべく割り当てられたサービスウインドウにわたり、
図4Bのビーム使用スコア430d1と比較して低下している。しかし、ビームハンドオーバーマネージャ125はここで、衛星ビーム205cが依然としてビーム使用閾値を超えるビーム使用スコア430c2を有していると考えてよい。このため、ビームハンドオーバーマネージャ125は、1機以上の航空機130a、130b又は130cへの候補衛星ビームの再選択を決定することができる。
【0045】
図4Dに、衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dのビーム使用スコアのチャート475を示す。チャート475は、ビームハンドオーバーマネージャがチャート450から判定されたビーム使用スコアに基づいて第2の最適化反復を実行した後での衛星ビーム205のビーム使用スコアを示していてよい。衛星ビーム205cが最高ビーム使用スコアを有しているとのチャート450からの判定に基づいて、ビームハンドオーバーマネージャ125は、以前は衛星ビーム205cに割り当てられていた航空機130が別の候補衛星ビームに割り当てられていると認識することができる。再び、ビームハンドオーバーマネージャ125は航空機130のランク付けされたリストを用いてよい。
【0046】
本例の場合、ビームハンドオーバーマネージャ125は、航空機130cを最高ビーム融通度を有すると認識して、サービス時間枠305の少なくとも一部にわたり航空機130cを衛星ビーム205aに再割り当て可能であると認識することができる。
図2に示すように、衛星ビーム205aは、航空機130cが、衛星ビーム205dのカバレッジ領域から出る前であっても航空機130cにサービス可能である。チャート475は、航空機130cが航空機130cへの衛星ビーム205aのサービスウインドウの衛星ビーム205aに再割り当てされた後の、候補衛星ビーム205a、205b、205c、及び205dのビーム使用スコア430a2、430b2、430c2、430d2を各々示している。図から分かるように、衛星ビーム205cの結果的に生じたビーム使用スコア430c3が
図4Cに示すビーム使用スコア430c2に比べて減少しており、現在はサービス時間枠305全体にわたる閾値を下回る。ビームハンドオーバーマネージャ125は、最適化処理が、サービス時間枠305にわたりビーム使用閾値を下回る全ての衛星ビームのビーム使用スコア430に基づいて完了していると判定することができる。しかし、第2の最適化反復の後で、1個以上の衛星ビームのビーム使用スコア430がビーム使用基準を満たさない場合、ビームハンドオーバーマネージャ125はビーム使用基準が満たされるまで追加的な反復を実行し続けることができる。航空機130にネットワークサービスを連続的に提供する候補衛星ビームの組が決定された状態で、ビームハンドオーバーマネージャ125は、各航空機130にサービスを提供すべく選択された候補衛星ビームの各組に従うサービス時間枠にわたり、航空機130のハンドオーバーをスケジューリングすることができる。
図4B~4Dに示す例で述べた航空機の再割り当てが対応サービスウインドウにわたり実行された(例:第2の最適化反復における航空機130cの衛星ビーム205aへの再割り当てがサービスウインドウt
SW[C:1]にわたる再割り当てを含む)にも拘わらず、あるケースにおいて航空機の再割り当ては対応サービスウインドウの一部に対するものに過ぎない場合がある。
【0047】
図5は、ビーム融通度に基づく複数の航空機130のランク付けされたリスト500の一例を示すブロック図である。ランク付けされたリスト500は、
図1に示すようにビームハンドオーバーマネージャ125により作成されたリストを示していてよい。ランク付けされたリスト500は、(「航空機C」とラベル付けされた)最高融通性ランク505、続いて(「航空機D」とラベル付けされた)ランク510、及び(「航空機A」とラベル付けされた)ランク515を含んでいてよい。ランク付けされたリスト500の末尾は(「航空機N」とラベル付けされた)最低融通性ランク520である。
【0048】
ビームハンドオーバーマネージャ125が候補衛星ビームの組についてビーム使用スコアを最適化したならば、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ランク付けされたリスト500を用いて、航空機の再割り当て融通性に基づいて航空機を異なる衛星ビームに再割り当てすることができる。最適化処理は
図4B、4C及び4Dに関する記述で議論した。いくつかの例において、閾値を超えたビーム使用スコアを有していた各候補衛星ビームを有する航空機がビームハンドオーバーマネージャ125により識別される。これらの航空機を前提に、ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、各々の識別された航空機に関連付けられたビーム融通度に基づいて、識別された航空機のランク付けされたリスト500を作成することができる。ビーム融通度は、関連付けられたサービス時間枠にわたり識別された航空機の各々が使用可能な衛星ビーム数に基づいていてよい。例えば、ビーム融通度は、各時間セグメント415で使用可能なビーム数の集計(例:中央値、平均等)、又は少なくとも特定の数(例:2以上)の使用可能なビームを有する時間セグメントの数に基づいて決定することができる。いくつかの例において、ビーム融通度は、1個以上の候補ビームのビーム使用量が閾値を超える時間セグメントの組に基づいて決定される。
【0049】
図5において、少なくとも4個の航空機、すなわち航空機A、航空機C、航空機D、及び航空機Nが、閾値を超えるビーム使用スコアを有する各候補衛星ビームを有している。ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、ビーム融通度に基づいて各航空機にランク付けすることができる。各航空機の融通度を評価したならば、ビームハンドオーバーマネージャ125は航空機Cを最も融通性が高い(すなわち、候補衛星ビームの再割り当てに最適)のに対し、航空機Nは最も融通性に欠けると評価する。1機以上の航空機に対して候補衛星ビームを再選択する必要がある状況において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、航空機Cがランク付けされたリスト500内でビーム再割り当てに最も高い融通性を有している航空機Cについて再選択処理を開始してよい。いくつかの例において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、各航空機に関わるハンドオーバーの数を含む、ランク付けされたリスト500の作成に際して追加的な検討事項を考慮することができる。従って、ビームハンドオーバーマネージャ500は、下位のランク付けされた航空機に関する再選択シナリオの方がより良い結果をもたらす可能性があるため、航空機Cに関わる候補衛星ビームの再選択を迂回することを選択する場合がある。ビームハンドオーバーマネージャ125は、再選択処理を実行すべくランク付けされたリストから1機以上の航空機を選択することができる。
【0050】
図6は、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを管理する一例としての方法600のフロー図である。方法600は例えば、
図1、7、及び8のビームハンドオーバーマネージャ125により、1個以上のマルチビーム衛星群を介して多数の航空機及び固定端末にサービスしている衛星通信システム100に対して実行することができる。方法600は、上述のようなトリガイベント又は条件であってよいトリガ602から開始される。
【0051】
ブロック605において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠にわたる航空機の候補衛星ビームへの初期割り当てを決定することができる。サービス時間枠は、最適化処理が起動された時点(例:最適化の現在時刻)に開始されて、所定の、又は衛星通信システムがサービスする航空機の飛行計画データの使用可能性又は予測される正確さに基づいて動的に決定されてよい時間にわたり継続することができる。候補衛星ビームは、衛星通信システムのサービス領域内の航空機130にネットワークアクセスサービスを提供可能な1個以上のマルチビーム衛星の衛星ビーム205であってよい。衛星ビーム205はまた、サービス領域内の多数の固定端末にネットワークアクセスサービスを提供することができる。衛星ビーム205の初期割り当ては、上述のように既定ルールに従い行うことができる。
【0052】
ビームハンドオーバーマネージャ125は次いで、ビーム選択最適化副処理650を実行することができる。ビーム選択最適化副処理650を用いて探索木を辿ることができ、木の各ビーム選択ノードは、サービス時間枠にわたり各航空機にサービスを逐次(例:連続的に、又は可能な所与の衛星ビームカバレッジになるべく近く等)提供するためのビーム割り当ての組として理解されていてよい。
【0053】
ビーム使用最適化副処理650のブロック610において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ビーム割り当ての現在の組(例:第1の最適化パスへの初期割り当て)に基づいて各候補衛星ビームのビーム使用スコアを決定する。例えば、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠にわたる各ビームのビーム使用量を決定することができ、ビーム使用スコアはサービス時間枠にわたるビーム使用量の関数(例:平均、加重平均、ピークビーム使用量、ビーム使用量が閾値を超えた時間、フィルタリング、正規化等)として決定することができる。また、ビームハンドオーバーマネージャ125は他の最適化尺度を考慮してよい。例えば、ビームハンドオーバーマネージャ125は、航空機130が遭遇するハンドオーバーに最適化コストを割り当てることができる。航空機がある衛星ビームから受けているサービスを別の衛星ビームに切り替える衛星ビームハンドオーバーには特定量のシステムリソース及びオーバーヘッドの使用が伴うため、ハンドオーバー回数の増加は実際には全体的なシステム性能を低下させ得る。また、ハンドオーバーは、ユーザー体感に影響を及ぼし得る一時的なサービス混乱をユーザーにもたらす恐れがある。従って、ハンドオーバーの最適化コストは、システム性能及びユーザー体感に影響し得るあらゆるハンドオーバーコストを考慮してよい。
【0054】
ブロック615において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、各候補衛星ビームのビーム使用スコアを評価する。評価は、ビームハンドオーバーマネージャ125による、ビーム使用スコアがビーム使用基準を満たすか否かの判定を含んでいてよい。ビーム使用基準は、実施形態毎に異なっていてよい。例えば、ビーム使用基準は、閾値を下回る全ての衛星ビームのビーム使用スコアを含んでいてよい。別の例において、基準は、ビーム使用スコアの相対尺度(例:隣接ビーム又は領域内のビーム間の差が閾値を下回る)を含んでいてよい。また、暫定的な選択もまた、ハンドオーバー基準に従い評価することができる。例えば、衛星通信システムにサービスされている航空機130のハンドオーバーの合計回数に基づいて解に優先順位を付けることができる(例:ハンドオーバーの合計回数が少ないビーム使用基準を達成した解が優先される等)。追加的又は代替的に、ハンドオーバー基準は、ハンドオーバーの最大回数又はサービス時間枠内で所与の航空機に対するハンドオーバー間の最短時間を含んでいてよく、又は任意の航空機130のハンドオーバーの最大回数が少ない解を優先する。また、基準は、サービス時間枠内で衛星ビーム内における航空機の予測位置等の航空機位置基準を含んでいてよい。例えば、長期間にわたり衛星ビームの端に向かう航空機が少ない解の方が、ビーム端領域により多くの航空機を有する解よりも高いランクを付けられる。いくつかの例において、衛星ビームは、ビームの使用コストに基づいて割り当てられるコスト尺度を有していてよく、基準は解の評価に際してコスト尺度を考慮してよい。
【0055】
決定ブロック620において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ビーム使用基準を満たしながら、候補衛星ビームの組が航空機130にネットワークアクセスサービスを提供可能であるか否かを判定する。候補衛星ビームの組がビーム使用基準を満たす場合、方法600はブロック630へ進み、ビームハンドオーバーマネージャ125が将来のサービスウインドウの各々の決定された候補衛星ビームへの航空機130のハンドオーバーをスケジューリングする。候補衛星ビームの組がビーム使用基準を満たさない場合、本方法はブロック625へ進む。
【0056】
ブロック625において、衛星ビームのビーム使用を最適化すべくビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠の少なくとも一部にわたり1機以上の航空機を異なる候補衛星ビームに再割り当てする。ビームハンドオーバーマネージャ125は、実施形態毎に異なり得る各種の最適化技術を用いてよい。例えば、ビームハンドオーバーマネージャ125は、1機以上の航空機130を、現在割り当てられているものとは異なる候補衛星ビームに無作為に割り当ててよい。別の例において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、最高ビーム使用スコアを有する候補衛星ビームを選択して、サービス時間枠にわたりビームによりサービスされている1機以上の航空機130を異なるビームに再割り当てすることができる。異なる候補衛星ビームに割り当てる1機以上の航空機130の決定に際して、ビームハンドオーバーマネージャ125は、上述のように各航空機のビーム融通度に基づいて1機以上の航空機130のランク付けされたリストを用いてよい。更に別の技術において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ハンドオーバー回数を最小化する再割り当てに基づいて候補衛星ビーム又は航空機130を再割り当てすることができる。従って、より少ない航空機を再割り当てすること、又はハンドオーバー回数を増やさない再割り当てを実行することが任意選択であるならば、ビームハンドオーバーマネージャ125は最適化処理を行う間、他の要因よりもこの考慮を優先させてよい。
【0057】
ブロック625で候補衛星ビームの組を再割り当てしたならば、方法600はブロック610へ戻り、ビームハンドオーバーマネージャ125は上述のようにビーム使用スコアを各候補衛星ビームに割り当てる。ブロック615でビーム使用スコアを評価した後で、ビームハンドオーバーマネージャ125は再び、候補衛星ビームの最適化された組がビーム使用基準を満たしながら各航空機にネットワークサービスを提供するか否かを判定する。提供しない場合、方法600は別の最適化反復を行うべくブロック625へ進む。提供する場合、方法600はブロック630で終了し、ビームハンドオーバーマネージャ125は最適化されたビーム割り当ての組に関連付けられたハンドオーバーをスケジューリングしている。
【0058】
ブロック610、615、620及び625について述べたように、最終的なビーム割り当てを決定すべくビーム選択最適化副処理650がブロック625でのビーム再割り当てルール(例:航空機を異なるビームに再割り当てするルール)及びブロック620でのビーム使用基準を用いて実行される。初期割り当て(例:既定ルール又は現在の割り当て等に基づく)から開始され、次いで基準(例:ビーム使用基準、ハンドオーバー基準、航空機位置基準等)が満たされたならば探索を停止する反復的再割り当てを用いる技術により、現在の割り当てを最少回数変更して基準を満たす解を発見することができる。しかし、これらの技術もまた、基準を満たす解の発見に失敗するか、又は解空間全体にわたり最適に達しない解を発見する場合がある。最適又はほぼ最適なビーム割り当て解を発見すべく他の最適化技術を追加的又は代替的に用いてもよい。例えば、ビーム使用最適化副処理650がビーム融通度に従いビーム再割り当てを用いる所与の回数の反復で解の発見に失敗した場合、1機以上の航空機の異なるビームへの無作為再割り当て等の技術を用いてより広い範囲の解の組が得られる。
【0059】
最適又はほぼ最適な解を発見するための最適化技術は、候補衛星ビームのビーム使用スコア及び他の最適化尺度を考慮する価値関数を最適化することができる。例えば、価値関数は、価値関数のコスト尺度として、ビーム使用スコア(例:ビーム使用量のサービスに及ぼす影響等を評価した)、サービス時間枠にわたるビーム使用量、ハンドオーバーの回数及び/又は頻度、及び特定のビームの使用コストを組み込むことができる。価値関数は、各航空機が各候補ビームを通過する際の予測サービス使用量を考慮することができる。例えば、各航空機についてサービス時間枠にわたる予想データ信号速度を推定することができ、サービス使用は、航空機が所与のビームを通過する際の衛星と航空機との間の通信の予想スペクトル効率を考慮することができる(例:スペクトル効率はビームの中央でより高いか、又は予測される大気状態の影響を受けることがある)。
【0060】
いくつかの例において、モンテカルロ木検索を用いて、ビーム選択ノード間のビーム選択経路を辿ることができる。モンテカルロ木検索は、無作為又は準無作為拡張ルールを用いて所与のビーム選択ノードから子ビーム選択ノードを選択することができ、バックプロパゲーションを用いて、各ビーム選択ノードでの更新されたビーム使用スコアに基づいて異なるビーム選択ノードから広がることができる。追加的又は代替的に、ビーム選択ノードの探索木を剪定する、ミニマックス剪定、単純ミニマックス剪定、又はアルファベータ剪定を含む分枝限定法を用いてもよい。
【0061】
いくつかの例において、ビーム最適化副処理650は、動的プログラミング等の組み合わせ最適化法を用いてサービス時間枠にわたり各航空機に対する(例:価値関数の最大化に基づく)最適又はほぼ最適なビーム選択を計算することができる。一例において、衛星通信システム内での航空機の割り当てを、ナップサック制約(例:ビーム帯域幅等のシステム制約の適用等)を有する一般化された割り当て問題としてモデル化できる。動的プログラミング技術は、サービス時間枠にわたる複数のビーム割り当て仮説を評価して価値関数に従い最適又はほぼ最適なビーム割り当てを決定することができる。いくつかの例において、近似プログラミング技術を用いて計算量を減らすことができる。例えば、ビーム使用スコア、ハンドオーバーコスト等における近似(例:丸め、精度切り捨て等)を用いて
解空間を限定することができる。いくつかの例において、確率的最適化技術を用いて、飛行計画データ、固定端末に起因するビーム使用量の推定、各航空機のサービス使用量の推定等の入力における不確実性を考慮することができる。
【0062】
図7は、本開示の各種の態様による、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行うビームハンドオーバーマネージャ125aの一例を示すブロック図である。ビームハンドオーバーマネージャ125aは、
図1に関して記述するビームハンドオーバーマネージャ125の一例であってよい。ビームハンドオーバーマネージャ125aは、共有リンクインターフェース710、選択トリガ検知器720、候補衛星ビーム割り当て器730、ビーム使用スコア計算器740、ビーム使用基準評価器750、最適化マネージャ760、航空機融通性マネージャ770、及びハンドオーバースケジューラ780を含んでいてよい。これら要素の各々は互いに通信可能に接続されていてよい。
【0063】
共有リンクインターフェース710は、飛行計画データ、飛行状況データ、ネットワークリソースデータ、衛星データ等の情報を受信することができる。共有リンクインターフェース710はまた、ハンドオーバースケジューラ780から受信したフォワードビームハンドオーバーデータであってもよい。共有リンクインターフェース710は、データの一部か又は全部を選択トリガ検知器720、候補衛星ビーム割り当て器730、及び航空機融通性マネージャ770に転送することができる。選択トリガ検知器720は、サービス時間枠にわたり1機以上の航空機130にネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択すべく候補衛星ビーム割り当て器730にトリガを送ることができる。選択トリガ検知器720にトリガを送らせるインスタンスは周期的であっても、又は上述の状況下で生起してもよい(例:ビーム端から特定距離内にある航空機、新たなビームに進入しつつある航空機、閾値を超えるビームのビーム使用量、航空機閾値を超える衛星ビームによりサービスされる航空機の数、ユーザー閾値を超える衛星ビームのユーザー数、ビームデルタ閾値を超える2個以上の衛星ビーム間のビーム使用量の差等)。
【0064】
候補衛星ビーム割り当て器730は最初に、既定ルールに基づいて航空機130を候補衛星ビームに暫定的に割り当てることができる。ビーム使用スコア計算器740は、衛星ビームが候補衛星ビーム割り当て器730により決定された各候補についてビーム使用スコアを計算することができる。ビーム使用スコアは、上述のように各種の要因で決定されてよい。ビーム使用基準評価器750は、ビーム使用スコア計算器740により決定された1個以上のビーム使用スコアが、上述のように1個以上のビーム使用基準を満たすか否かを評価することができる。基準は、1個以上のビーム使用スコアが所定の閾値を超えるか否かをビーム使用基準評価器750が判定する所定のビーム使用閾値を含んでいてよい。判定はサービス時間枠の一部又は全部にわたり行われてよい。
【0065】
最適化マネージャ760は多くの最適化技術を、候補衛星ビームの組がビーム使用基準を満たさないとビーム使用基準評価器750が判定するインスタンスにおける候補衛星ビームの割り当てられた組に適用することができる。一つの技術は、1機以上の航空機130を、初期割り当てで割り当てられたものとは異なる候補衛星ビームに無作為に割り当てることを含んでいてよい。別の技術において、最適化マネージャは、衛星ビームに関連付けられた航空機のうち、別の候補衛星ビームに割り当てられる際に最も高い融通性を有するものを示す航空機融通性情報を航空機融通性マネージャ770から受信することができる。最適化技術が適用されたならば、候補衛星ビーム割り当て器730は結果的に生じた情報を受信することができる。追加的又は代替的に、最適化マネージャ760は、上述のように、モンテカルロ木検索、分枝限定法、又は動的プログラミングを含む価値関数を用いる最適化技術を採用することができる。
【0066】
ハンドオーバースケジューラ780は、ビーム使用基準評価器750のビーム使用基準に対する決定又は最適化マネージャ760の最適化結果に基づいて、サービス時間枠にわたり候補衛星ビームの選択された組への各航空機のハンドオーバーをスケジューリングすることができる。
【0067】
図8は、本開示の各種の態様による、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行うゲートウェイ115aの一例を示すブロック図である。ゲートウェイ115aは、
図1に関して記述するゲートウェイ115の一例であってよい。ゲートウェイ115aは、トランシーバ810、通信インターフェース820、ビームハンドオーバーマネージャ125b、プロセッサ830、メモリ840、ソフトウェアコード845、及びバス850を含んでいてよい。
【0068】
トランシーバ810は、地上局アンテナシステム110aを介してマルチユーザーアクセス端末170bと衛星105との間の通信を管理する。トランシーバ810は上述のように、1個以上のアンテナを介して二方向通信を行うことができる。トランシーバ810はまた、パケットを変調して、変調されたパケットを送信すべくアンテナに提供すると共に、アンテナから受信したパケットを復調することができるモデムを含んでいてよい。いくつかの例において、送信機は受信機と共にトランシーバ810に組み込まれていてよい。トランシーバ810は、1個以上の周波数帯域(例:Ka、Ku等)にわたり衛星105と通信すべく構成され、且つ衛星105に信号を送信し、衛星105から信号を受信すべく自動的にアンテナ110aの向きを調整すべく構成されていてよい。
【0069】
通信インターフェースモジュール820は、ネットワーク120aとの間のネットワークトラフィックを制御する。通信インターフェース820は、有線ネットワークインターフェース(例:イーサネット、ファイバチャネル等)及び/又は無線ネットワークインターフェース(例:IEEE802.11準拠インターフェース等)を実装していてよい。
【0070】
プロセッサ830は、インテリジェントハードウエア装置、例えば中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、ASIC等を含んでいてよい。プロセッサ830は、モデム810又は通信インターフェース820を介して受信した情報、或いは送信のため通信インターフェース820又はモデム810へ送られる情報を処理することができる。プロセッサ830は、単独で又はゲートウェイ115aと接続されて、航空機負荷予測に基づいて衛星容量を割り当てる各種の態様を扱うことができる。
【0071】
メモリ840は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)を含んでいてよい。メモリ840は、実行されたならば本明細書に記述する各種の機能をプロセッサ830に実行させるべく構成された命令を含むコンピュータ可読、コンピュータ実行可能コード845を保存することができる。代替的に、コード845はプロセッサ830により直接実行可能ではないが、(例:コンパイルされて実行された際に)本明細書に記述する各種の機能をゲートウェイ115aに実行させるべく構成されていてよい。
【0072】
ビームハンドオーバーマネージャ125bは、メモリ840及びプロセッサ830と協働して、予測されるネットワーク状態に基づく衛星ビームハンドオーバーの実行を含む上述の機能を実行することができる。例えば、ビームハンドオーバーマネージャ125bは、予測されるビーム使用量に基づいて1個以上のサービス時間枠にわたり航空機にネットワークサービスを提供する候補衛星ビームのビーム使用スコアを計算することができる。ビーム使用スコアに基づいて、ビームハンドオーバーマネージャ125bは、各航空機にネットワークサービスを提供する衛星ビームを選択することができる。ビームハンドオーバーマネージャ125bは次いで、各航空機に対するネットワークサービスの選択された衛星ビームへのハンドオーバーをスケジューリングし、その後変化するネットワーク状態に基づいて特定の航空機に対する衛星ビームを再選択することができる。
【0073】
ゲートウェイ115aの要素は、個々に又は集合的に、適用可能な機能の一部又は全てをハードウェアで実行すべく適合された1個以上の特定用途向け集積回路(ASIC)に実装されていてよい。代替的に、この機能は1個以上の集積回路上の1個以上の他の処理装置(又はコア)により実行されてもよい。他の実施形態において、当分野で公知の任意の仕方でプログラムされていてよい他の種類の集積回路(例:構造化/プラットフォームASIC、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、及び他のセミカスタムIC)を用いてもよい。各装置の機能はまた、全体的又は部分的に、1個以上の汎用又は専用プロセッサにより実行されるべくフォーマット化されてメモリに格納された命令により実行することができる。
【0074】
図9は、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行う例示的方法900のフロー図である。方法900は、例えば
図1、7、及び8のビームハンドオーバーマネージャ125により実行することができる。
【0075】
方法900のブロック905において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、マルチビーム衛星システムを介してネットワークアクセスサービスが提供される1機以上の航空機の飛行計画データを受信して、1機以上の航空機の飛行経路を予測する。ビームハンドオーバーマネージャ125は、ネットワーク120を介して飛行計画データを受信するか、又は航空機130から(例:衛星105を介して)データを受信してもよい。
【0076】
飛行計画データにより、ビームハンドオーバーマネージャ125はブロック910において、各航空機130について、サービス時間枠にわたりネットワークアクセスサービスを(例:連続的に)提供する各候補衛星ビームを識別する。ブロック915において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、あるサービス時間枠の各衛星ビームについて、サービス時間枠にわたる予測ビーム使用量を示すビーム使用スコアを取得することができる。各候補衛星ビームのビーム使用スコアは、経験的ビーム使用データ、複数の衛星ビームの各々によりサービスされる固定端末の数、固定端末に提供されるサービスレベル、ビーム使用履歴データ、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベルのうち1個以上を含む複数のビーム使用要因に基づいていてよい。ビーム使用スコアはまた、複数のビーム使用要因の加重合計であってよい。
【0077】
ブロック920においてビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠にわたり、各候補衛星ビームのビーム使用スコアに部分的に基づいて複数の航空機の各航空機にネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択する。いくつかの例において、選択は、各候補衛星ビームのビーム使用スコアに関して各航空機に関連付けられた推定サービス使用量に基づいていてよい。いくつかの例において、選択は、候補衛星ビームの各々の使用コスト、複数の航空機に対する衛星ビームのハンドオーバー回数の最小化、航空機に現在サービスしている衛星とは異なる衛星の衛星ビームへのハンドオーバーの最小化、又はこれらの組み合わせに基づいてよい。いくつかの例において、選択はハンドオーバー評価トリガの受信に基づいていてよく、トリガは、1個以上の周期的トリガ、航空機に現在サービスしている衛星ビームの端から特定の距離内にある航空機の検出、複数の衛星ビームの重なり合う領域に進入しつつある航空機の検出、複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのビーム使用量が容量閾値を超えたこと、複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームによりサービスされる航空機の数が航空機閾値を超えたこと、複数の衛星ビームのうち1個の衛星ビームのユーザー数がユーザー閾値を超えたこと、飛行計画データの変更、ビームデルタ閾値を超える2個以上の衛星ビーム間のビーム使用量の差の検出、又は航空機に対するネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったことであってよい。
【0078】
方法900は次いでブロック925へ進み、ビームハンドオーバーマネージャ125が、サービス時間枠にわたり複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングする。ブロック930において、方法900は
図10に記述する別の例に続くことができる。
【0079】
図10は、予測されるネットワーク状態に基づいて衛星ビームハンドオーバーを行う例示的方法1000のフロー図である。方法1000は、方法900の態様を実行する例示的な方法であってよい。方法1000は、例えば
図1、7、及び8のビームハンドオーバーマネージャ125により実行することができる。
【0080】
方法1000は、
図9のブロック910で複数の航空機にネットワークアクセスサービスを提供する各候補衛星ビームが識別された後で、よい。ブロック1005において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、複数の航空機の各々について、サービス時間枠にわたりネットワークアクセスサービスを提供する候補衛星ビームの各組を暫定的に選択する。暫定的な選択は例えば、ビーム割り当ての既定ルールに基づいていてよい。候補衛星ビームの暫定的な選択により、ビームハンドオーバーマネージャ125はブロック1010において、サービス時間枠にわたり各航空機に関連付けられた各ビームの推定サービス使用量に基づいて候補衛星ビームの各組のビーム使用スコアを更新する。ブロック1015において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、複数の衛星ビームのうち少なくとも1個のビーム使用スコアがサービス時間枠にわたるビーム使用基準を満たさないか否かを判定する。ブロック1015でビームハンドオーバーマネージャ125が、衛星ビームがサービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用スコアを有すると判定した場合、方法1000は終了し、基準ビーム割り当てに基づいてサービス時間枠にわたりハンドオーバーをスケジューリングすべくブロック925へ戻る。ブロック1015でビームハンドオーバーマネージャ125が、少なくとも1個の衛星ビームがサービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たさないビーム使用スコアを有すると判定した場合、方法1000はブロック1020へ進む。
【0081】
ブロック1020において、ビームハンドオーバーマネージャ125は、サービス時間枠にわたりビーム使用スコアがビーム使用基準を満たさない複数の衛星ビームの少なくとも1個によりサービスされている航空機を識別する。識別された航空機に対して、ビームハンドオーバーマネージャ125は、ビーム使用基準を満たさないビーム使用スコアを有する衛星ビームを代替衛星ビームと交替させることができる。一例において、ビームハンドオーバーマネージャ125はブロック1025において、各々の識別された航空機に関連付けられたビーム融通度に基づいて、識別された航空機のランク付けされたリストを作成する。ビーム融通度は、関連付けられたサービス時間枠にわたり識別された航空機の各々について使用可能な衛星ビーム数に基づいていてよい。ランク付けされたリストを用いて、ビームハンドオーバーマネージャ125はブロック1030において、ネットワークアクセスサービスを提供する各候補衛星ビームの異なる1個を再選択する。方法1000は次いでブロック1010へ戻り、ブロック1030における航空機への候補衛星ビームの再割り当てに基づいて候補衛星ビームのビーム使用スコアを更新する。
【0082】
上述の方法が可能な実装方式を記述しており、その動作及びステップを、他の実装方式が可能であるように再配置又は別途変更できる点に注意されたい。いくつかの例において、本方法の2個以上の態様を組み合わせてもよい。例えば、各方法の態様が他の方法のステップ又は態様、或いは本明細書に記述する他のステップ又は技術を含んでいてよい。従って、本開示の態様は、利用者嗜好及び保守インターフェースを提供することができる。
【0083】
本明細書の記述は、当業者が本開示を作成又は使用できるようにすべく提供する。本開示への各種の変更は当業者には容易に理解可能であり、本明細書に定める一般原理は本開示の範囲から逸脱することなく他の変更例に適用することができる。従って、本開示は本明細書に記述する例及び設計に限定されず、本明細書に開示する原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲に従うものとする。
【0084】
本明細書に記述する機能はハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせにより実装されていてよい。プロセッサにより実行されるソフトウェアに実装されている場合、この機能はコンピュータ可読媒体に1個以上の命令又はコードとして保存又は媒体を介して伝送することができる。他の例及び実装方式は本開示及び添付の請求項の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質に起因して、本明細書に記述する機能を、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、有線接続、又はこれらの任意の組み合わせを用いて実装することができる。機能を実装する特徴もまた、機能の複数部分が異なる物理的位置に実装された分散方式を含めて、各種の位置に物理的に配置されていてよい。また、請求項を含む本明細書で用いる、項目のリスト(例:「少なくとも1個の」又は「1個以上の」等の語句から始まる項目のリスト)で用いられる「又は」は包含的リストが示しており、例えばA、B、又はCの少なくとも1個のリストは、A又はB又はC、或いはAB又はAC又はBC、或いはABC(すなわちA及びB及びC)を意味している。
【0085】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む非一時的コンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含んでいる。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによりアクセス可能な任意の使用可能な媒体であってよい。一例として、但し限定的にではなく、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM、又はその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、又はその他の磁気記憶装置、又は所望のプログラムコード手段を命令又はデータ構造の形式で搬送又は保存に使用可能であって汎用又は専用コンピュータ、或いは汎用又は専用プロセッサによりアクセス可能な他の任意の非一時的媒体含んでいてよい。また、任意の接続も適宜コンピュータ可読媒体と称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、高周波、及びマイクロ波等の無線技術を用いてウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔ソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、高周波及びマイクロ波等の無線技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で用いる、ディスク(disk及びdisc)は、CD、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びBlu-rayディスクを含んでおり、diskは通常、磁気的にデータを再生するのに対し、discはレーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0086】
本明細書の開示との関連で記述する各種の例示的ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能論理装置、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア要素、又は本明細書に記述する機能を実行すべく設計されたそれらの任意の組み合わせで実装又は実行されてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替的にプロセッサは任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってよい。プロセッサはまた、コンピュータ装置の組み合わせ(例:DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数マイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1個以上のマイクロプロセッサ、又はこのような他の任意の構成)として実装されていてよい。各装置の機能はまた、全体的又は部分的に、1個以上の汎用又は専用プロセッサにより実行されるべくフォーマット化されてメモリに格納された命令と共に実装されていてよい。
【0087】
添付の図面において、同様の要素又は特徴に同一参照ラベルが付されていてよい。更に、同種の様々な要素は、参照ラベルの後ろのハイフン及び同様の要素を区別する第2のラベルにより区別することができる。本明細書で第1の参照ラベルだけが用いられる場合、この記述は第2の参照ラベルに拘わらず同じ第1の参照ラベルを有する同様の要素の任意のものに適用可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーの管理方法において、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記サービス時間枠におけるサービス使用量を決定するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機についての前記各候補衛星ビームおよび決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法が、さらに、
前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおけるビーム使用量を推定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記選択するステップが、前記複数の衛星ビームにおおいて推定された前記ビーム使用量に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法がさらに、
前記衛星ビームを選択するステップの後に、前記サービス時間枠にわたり各航空機について推定されたサービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、各候補衛星ビームにおけるビーム使用量を更新するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、前記複数の衛星ビームにおける推定された前記ビーム使用量が、前記複数の航空機上にない複数の端末についてのものであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記選択するステップが、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択するステップと、
前記複数の航空機の各々について暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームに応じて、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量を更新するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法が、さらに、
前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量が前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすまで、前記暫定的に選択するステップと前記更新するステップとを反復的に実行するステップと、
前記複数の航空機の各々について、暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームを採用するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記暫定的に選択するステップと前記更新するステップとを反復的に実行するステップが、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記最適化するステップが、
関連する航空機が候補衛星ビームを通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新するステップと、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法が、さらに、
複数の衛星ビーム割り当ての組を取得するステップであって、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組において、各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用量を有するものであるステップ、を含み、
前記選択するステップが、前記衛星ビーム割り当ての組の各組についての各々のハンドオーバー尺度に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の衛星ビーム割り当ての組の中から1つの衛星ビーム割当ての組を選択するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項12】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーを管理する装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記メモリに保存される命令であって、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索させ、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機の各航空機に関するサービス使用量を決定させ、
前記複数の航空機についての各候補衛星ビームおよび決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングさせる命令と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の衛星ビームにおけるビーム使用量を推定させることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記選択させることが、前記複数の衛星ビームにおおいて推定された前記ビーム使用量に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置において、前記衛星ビームを選択させた後に、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記サービス時間枠にわたり各航空機について推定されたサービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、各候補衛星ビームにおけるビーム使用量を更新させることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項13に記載の装置において、前記複数の衛星ビームにおける推定された前記ビーム使用量が、前記複数の航空機上にない複数の端末についてのものであることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択させて、
前記複数の航空機の各々について暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームに応じて、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量を更新させることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量が前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすまで、前記暫定的に選択させることと前記更新させることとを反復的に実行させ、
前記複数の航空機の各々について、暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームを採用させることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、前記暫定的に選択させることと前記更新させることとを反復的に実行させる前記命令が、前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化させることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、前記価値関数を最適化させる命令が、前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
関連する航空機が候補衛星ビームを通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新させ、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正させることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項12に記載の装置において、前記価値関数を最適化させる命令が、前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
複数の衛星ビーム割り当ての組を取得させ、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組において、各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用量を有するものであり、
前記衛星ビーム割り当ての組の各組についての各々のハンドオーバー尺度に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の衛星ビーム割り当ての組の中から1つの衛星ビーム割当ての組を選択させることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項12に記載の装置において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする装置。
【請求項23】
複数の衛星を含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーの管理方法において、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星の各候補衛星を識別するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記サービス時間枠におけるサービス使用量を決定するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機についての前記各候補衛星および決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する1個以上の衛星を選択するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星への少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記選択するステップが、さらに、1以上の優先度ルールに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、1以上の前記優先度ルールが、衛星技術に基づく優先度、衛星のオペレータに基づく優先度、リンク性能に基づく優先度、またはこれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、前記選択するステップが、ハンドオーバー評価トリガを受信するステップに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、受信された前記ハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、前記飛行計画データの変更、または航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったこと、のうちの1つ以上を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法が、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化するステップを含み、
前記選択するステップが、最適化された前記価値関数に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記最適化するステップが、
関連する航空機が候補衛星を通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新するステップと、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23に記載の方法において、前記複数の衛星が、少なくとも部分的に互いに重複する複数のサービスカバレッジ領域を有することを特徴とする方法。
【請求項32】
複数の衛星を含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーを管理する装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信状態にあるメモリと、
前記メモリに保存される命令であって、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索させ、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星の各候補衛星を識別させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機の各航空機についてのサービス使用量を決定させ、
前記複数の航空機についての各候補衛星および決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する1個以上の衛星を選択させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星への少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングさせる命令と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、前記選択させることが、さらに、1以上の優先度ルールに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置において、1以上の前記優先度ルールが、衛星技術に基づく優先度、衛星のオペレータに基づく優先度、リンク性能に基づく優先度、またはこれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項32に記載の装置において、前記選択させることが、ハンドオーバー評価トリガを受信させることに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、受信された前記ハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、前記飛行計画データの変更、または航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったこと、のうちの1つ以上を含むことを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項32に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化させ、
前記選択させることが、最適化された前記価値関数に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置において、前記装置に最適化を実行させる前記命令が、前記プロセッサにより前記装置に、
関連する航空機が候補衛星を通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新させ、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正させることを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項32に記載の装置において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項32に記載の装置において、前記複数の衛星が、少なくとも部分的に互いに重複する複数のサービスカバレッジ領域を有することを特徴とする装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーの管理方法において、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記サービス時間枠におけるサービス使用量を決定するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機についての前記各候補衛星ビームおよび決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法が、さらに、
前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおけるビーム使用量を推定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記選択するステップが、前記複数の衛星ビームにおおいて推定された前記ビーム使用量に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法がさらに、
前記衛星ビームを選択するステップの後に、前記サービス時間枠にわたり各航空機について推定されたサービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、各候補衛星ビームにおけるビーム使用量を更新するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、前記複数の衛星ビームにおける推定された前記ビーム使用量が、前記複数の航空機上にない複数の端末についてのものであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記選択するステップが、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択するステップと、
前記複数の航空機の各々について暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームに応じて、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量を更新するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法が、さらに、
前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量が前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすまで、前記暫定的に選択するステップと前記更新するステップとを反復的に実行するステップと、
前記複数の航空機の各々について、暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームを採用するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記暫定的に選択するステップと前記更新するステップとを反復的に実行するステップが、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記最適化するステップが、
関連する航空機が候補衛星ビームを通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新するステップと、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法が、さらに、
複数の衛星ビーム割り当ての組を取得するステップであって、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組において、各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用量を有するものであるステップ、を含み、
前記選択するステップが、前記衛星ビーム割り当ての組の各組についての各々のハンドオーバー尺度に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の衛星ビーム割り当ての組の中から1つの衛星ビーム割当ての組を選択するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項12】
複数の衛星ビームを含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーを管理する装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記メモリに保存される命令であって、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索させ、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各候補衛星ビームを識別させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機の各航空機に関するサービス使用量を決定させ、
前記複数の航空機についての各候補衛星ビームおよび決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する衛星ビームを選択させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星ビームへの少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングさせる命令と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の衛星ビームにおけるビーム使用量を推定させることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記選択させることが、前記複数の衛星ビームにおおいて推定された前記ビーム使用量に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置において、前記衛星ビームを選択させた後に、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記サービス時間枠にわたり各航空機について推定されたサービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、各候補衛星ビームにおけるビーム使用量を更新させることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項13に記載の装置において、前記複数の衛星ビームにおける推定された前記ビーム使用量が、前記複数の航空機上にない複数の端末についてのものであることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各々について、前記サービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記1個以上の候補衛星ビームを暫定的に選択させて、
前記複数の航空機の各々について暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームに応じて、前記サービス時間枠にわたる前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量を更新させることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の衛星ビームにおける前記ビーム使用量が前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすまで、前記暫定的に選択させることと前記更新させることとを反復的に実行させ、
前記複数の航空機の各々について、暫定的に選択された前記1個以上の候補衛星ビームを採用させることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、前記暫定的に選択させることと前記更新させることとを反復的に実行させる前記命令が、前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化させることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、前記価値関数を最適化させる命令が、前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
関連する航空機が候補衛星ビームを通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新させ、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正させることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項12に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
複数の衛星ビーム割り当ての組を取得させ、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組が、前記サービス時間枠にわたり前記複数の航空機の各々に前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星ビームの各組を有し、前記複数の衛星ビーム割り当ての各組において、各衛星ビームが、前記サービス時間枠にわたりビーム使用基準を満たすビーム使用量を有するものであり、
前記衛星ビーム割り当ての組の各組についての各々のハンドオーバー尺度に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の衛星ビーム割り当ての組の中から1つの衛星ビーム割当ての組を選択させることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項12に記載の装置において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする装置。
【請求項23】
複数の衛星を含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーの管理方法において、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星の各候補衛星を識別するステップと、
前記複数の航空機の各航空機について、前記サービス時間枠におけるサービス使用量を決定するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機についての前記各候補衛星および決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する1個以上の衛星を選択するステップと、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星への少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記選択するステップが、さらに、1以上の優先度ルールに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、1以上の前記優先度ルールが、衛星技術に基づく優先度、衛星のオペレータに基づく優先度、リンク性能に基づく優先度、またはこれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、前記選択するステップが、ハンドオーバー評価トリガを受信するステップに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、受信された前記ハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、前記飛行計画データの変更、または航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったこと、のうちの1つ以上を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法が、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化するステップを含み、
前記選択するステップが、最適化された前記価値関数に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記最適化するステップが、
関連する航空機が候補衛星を通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新するステップと、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23に記載の方法において、前記複数の衛星が、少なくとも部分的に互いに重複する複数のサービスカバレッジ領域を有することを特徴とする方法。
【請求項32】
複数の衛星を含む衛星通信システムにおける航空機に対する衛星ビームハンドオーバーを管理する装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信状態にあるメモリと、
前記メモリに保存される命令であって、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、
前記衛星通信システムを介して乗客にネットワークアクセスサービスが提供されている複数の航空機の飛行計画データを検索させ、
前記複数の航空機の各航空機について、前記飛行計画データの少なくとも一部に基づいて、あるサービス時間枠にわたり前記ネットワークアクセスサービスを提供する前記複数の衛星の各候補衛星を識別させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機の各航空機についてのサービス使用量を決定させ、
前記複数の航空機についての各候補衛星および決定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の航空機の各航空機に前記ネットワークアクセスサービスを提供する1個以上の衛星を選択させ、
前記サービス時間枠にわたり、前記複数の航空機のうち少なくとも1個について、選択された衛星への少なくとも1回のハンドオーバーをスケジューリングさせる命令と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、前記選択させることが、さらに、1以上の優先度ルールに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置において、1以上の前記優先度ルールが、衛星技術に基づく優先度、衛星のオペレータに基づく優先度、リンク性能に基づく優先度、またはこれらの組み合わせ、を含むことを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項32に記載の装置において、前記選択させることが、ハンドオーバー評価トリガを受信させることに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、受信された前記ハンドオーバー評価トリガが、1個以上の周期的トリガ、前記飛行計画データの変更、または航空機に対する前記ネットワークアクセスサービスのサービスレベルがサービス閾値を下回ったこと、のうちの1つ以上を含むことを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項32に記載の装置において、前記命令が前記プロセッサにより前記装置に、さらに、
前記複数の航空機の各航空機に関する推定された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、価値関数を最適化させ、
前記選択させることが、最適化された前記価値関数に少なくとも部分的に基づくことを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置において、前記装置に最適化を実行させる前記命令が、前記プロセッサにより前記装置に、
関連する航空機が候補衛星を通過する際に、推定された前記サービス使用量を更新させ、
更新された前記サービス使用量に少なくとも部分的に基づいて、前記価値関数を修正させることを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項32に記載の装置において、前記サービス使用量が、サービス使用履歴データ、各航空機で前記ネットワークアクセスサービスを使用している乗客の推定人数、各航空機でネットワークアクセスサービスを使用している乗客に提供されるサービスレベル、衛星と航空機の間の関連するビームについての通信の予測スペクトル効率、またはこれらの組み合わせ、に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項32に記載の装置において、前記複数の衛星が、少なくとも部分的に互いに重複する複数のサービスカバレッジ領域を有することを特徴とする装置。
【外国語明細書】