(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160457
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】ウェアラブルディスプレイのための照明装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221012BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/00 313
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113271
(22)【出願日】2022-07-14
(62)【分割の表示】P 2018566837の分割
【原出願日】2017-06-21
(31)【優先権主張番号】62/493,077
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】506144891
【氏名又は名称】イシイ フサオ
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(74)【代理人】
【識別番号】100208395
【弁理士】
【氏名又は名称】北畠 健二
(72)【発明者】
【氏名】中西 美木子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和彦
(72)【発明者】
【氏名】油川 雄司
(72)【発明者】
【氏名】村上 圭一
(72)【発明者】
【氏名】イシイ フサオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高解像度で広視野のシースルーディスプレイを可能にする回折光学素子に画像を投影するためのウェアラブルディスプレイシステムの照明システムに関する。
【解決手段】非常に均一な光分布を有するシースルー画像表示システム用のコンパクトな照明装置が開示される。本発明は、アイグラスタイプのシースルーディスプレイのようなウェアラブルディスプレイを可能にする。このシステムは、視聴者が大きなアイボックスを有することができるように、ディスプレイ装置からの広い発散ビームを提供する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡レンズと、
テンプルと、
複数の色の光源から出射された複数のビームを単一のビームに組み合わせる光コンバイナーと、
前記光コンバイナー側から入射したビームを画像光として反射する表示装置と、
前記表示装置を駆動する回路と、
前記光コンバイナーからのビームの一部の偏光成分を反射して前記表示装置に導光し、前記表示装置により偏光方向が90度変換されて反射された画像光を透過させ、且つ、前記表示装置から出射されて透過した後にミラーにより反射された画像光を反射する偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタに対して前記表示装置とは反対側に設けられたミラーとの間に配置された1/4λ波長板と、
前記眼鏡レンズに取り付けられたホログラフィック光学素子(HOE)又は回折光学素子(DOE)のシースルー光学素子と、
を備えるシースルー表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシースルー表示システムであって、
前記光コンバイナーは、複数の色の光源から出射された複数のビームを、単一のビームに組み合わせる一組のダイクロイックミラーを有する。
【請求項3】
請求項1に記載のシースルー表示システムであって、
前記光コンバイナーは、青色レーザー又はLEDにより出射された青色光、赤蛍光体プレートにより青色光から変換された赤色光、及び緑色蛍光体プレートにより青色光から変換された緑色光を、出力ビームの一部として導光する複数のダイクロイックミラーを備える。
【請求項4】
請求項1に記載のシースルー表示システムであって、
前記光コンバイナーと前記表示装置との間には、単一に組み合わせられたビームを均一化する光パイプ、マイクロレンズアレイ又は拡散板が配置される。
【請求項5】
請求項1に記載のシースルー表示システムであって、
前記表示装置はLCOSであり、
前記画像光は、前記偏光ビームスプリッタにより投影レンズに伝達される。
【請求項6】
請求項1に記載のシースルー表示システムであって、
前記光コンバイナーは、
前記光源からの光ビームを光パイプ、光ファイバー又は拡散板から光ガイドに導く回折光学素子(DOE)又はホログラフィック光学素子(HOE)の光学素子で構成される。
【請求項7】
眼鏡レンズ及びテンプル内に埋め込み可能な照明装置であって、
複数の色の光源から出射された複数のビームを単一のビームに組み合わせる光コンバイナーと、
前記光コンバイナー側から入射したビームを画像光として反射する表示装置と、
前記表示装置を駆動する回路と、
前記光コンバイナーからのビームの一部の偏光成分を反射して前記表示装置に導光し、前記表示装置により偏光方向が90度変換されて反射された画像光を透過させ、且つ、前記表示装置から出射されて透過した後にミラーにより反射された画像光を反射する偏光ビームスプリッタ又は偏光子と、
前記偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタに対して前記表示装置とは反対側に設けられたミラーとの間に配置された1/4λ波長板と、
前記眼鏡レンズに取り付けられたホログラフィック光学素子(HOE)又は回折光学素子(DOE)のシースルー光学素子と、
を備える照明装置。
【請求項8】
請求項7に記載の照明装置であって、
前記光コンバイナーと前記表示装置との間には、単一に組み合わせられたビームを均一化する光パイプ、マイクロレンズアレイ又は拡散板が配置される。
【請求項9】
請求項7に記載の照明装置であって、
前記表示装置はLCOSであり、
前記画像光は、前記偏光ビームスプリッタにより投影レンズに伝達される。
【請求項10】
請求項7に記載の照明装置であって、
前記偏光ビームスプリッタは、第1の偏光子がP波を通過し対角線の内面にS波を反射する第1の偏光子と、S波を通過させ第1の偏光子に垂直な別の対角線の内面にP波を反射する第2の偏光子とを有する。
【請求項11】
眼鏡レンズと、
テンプルと、
複数の色の光源から出射された複数のビームを単一のビームに組み合わせる光コンバイナーと、
前記光コンバイナー側から入射したビームを画像光として反射する表示装置と、
前記表示装置を駆動する回路と、
前記光コンバイナーからのビームの一部の偏光成分を透過して前記表示装置に導光し、前記表示装置により偏光方向が90度変換されて反射された画像光を反射させる偏光子と、
前記眼鏡レンズに取り付けられたホログラフィック光学素子(HOE)又は回折光学素子(DOE)であるシースルー光学素子と、
を備えるシースルー表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願]
本出願は、2013年6月27日に出願された米国仮特許出願第61/957,258号の非仮出願である、2014年6月23に位置に出願された国際出願PCT/US2014/000153の部分継続出願(CIP)である。
【0002】
本発明は、高解像度で広視野のシースルーディスプレイを可能にする回折光学素子に画像を投影するためのウェアラブルディスプレイシステムの照明システムに関する。より詳細には、本発明は、非常に小型のフォームファクタを有するウェアラブルディスプレイに適した非常にコンパクトなイルミネータに関する。
【背景技術】
【0003】
ウェアラブルディスプレイは、スマートフォンが普及し市場に受け入れられた後、近年広く注目されている。ウェアラブルディスプレイは、ハンズフリー動作の利点を提供し、通常の視界と同じ距離にディスプレイを装着した人に画像を表示する。これらの利点のために、ウェアラブルディスプレイには非常に大きなニーズがある。しかしながら、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、アイグラスタイプディスプレイなどの従来の近視眼ディスプレイは、視聴者に満足のいくウェアラブルディスプレイのソリューションを提供していない。これらの従来のデバイスは、重すぎ、大きすぎ、暗すぎることが多いからである。さらに、これらの従来のウェアラブルディスプレイは、しばしば低解像度であり、それらの多くは、シースルービューを提供せず、ほとんどが高価であり、小さなサイズの画像しか表示することができない。したがって、透視性の光路を利用して、明るく、小さく、明るく、高解像度のウェアラブルディスプレイ装置を提供することが緊急に求められている。新しいウェアラブル装置は、大きな画像を表示することができる安価で、そのようなウェアラブル装置を身に着けていることを他人に気づかれることなく、ステルス的に装着できることがさらに望ましい。
【0004】
LEDおよびレーザー光源で実現される表示システムは、通常、光強度の不均一な分布を伴う技術的問題を有し、ホモジナイザーが、画像の均一な明るさを提供するために表示システムに通常必要とされる。3つの別個のカラー光源は、ディスプレイ装置上に投影する前に単一の光ビームに結合することを必要とする。コンパクトなアイグラスタイプのディスプレイを可能にするには、ホモジナイザーとコンバイナーの両方を備えた非常に小さなシステムが必要となる。これまでにいくつかのシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8711487号公報
【特許文献2】米国特許公開US2013/0021581号公報
【特許文献3】特開2011-195603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1に示すように、Takedaらによる米国特許第8711487号公報(特許文献1)において、導波管とハーフミラーとの透視能力を実現する眼鏡型ディスプレイシステムが開示されている。このシステムは、ディスプレイとして透過型LCDを組み込み、照明システムは、光源からの光を拡散させるバックライト光ガイドである。このシステムは、透過型LCDに適しているが、必ずしもLCOSやDMDなどの他の表示デバイスには適していない。
【0007】
図2および
図2Aに示されるように、Takahashiらによる米国特許出願公開US2013/0021581号公報(特許文献2)において、小型化のためのイルミネータおよびディスプレイが開示されている。このシステムは、光をコリメートするためのマイクロレンズ116を有するLEDやレーザー11のような多色光源と、
図2Aに示すように光束を合成するダイクロイックミラー117と、LCOS17から垂直方向に配置された偏光ビームスプリッタ(Polarized Beam Splitter/PBS)16を備える。これが眼鏡ディスプレイに使用され、眼鏡のテンプルに埋め込まれている場合、このイルミネータは眼鏡のテンプルの外に突き出る。
【0008】
図3に示すように、Katsumataらによる、特開2011-195603号公報(特許文献1)において、平面光波回路(PLC)が開示されている。レーザダイオードからのビームは、光導波路に導かれ、光波中の光エネルギーは、ある条件において、隣接する光導波路に伝達され得る。この方法は、レーザー光源のコンバイナーに適しており、大量の商業化の前にさらなる検討が必要であるが、大きな可能性を秘めている。
【0009】
本発明は、アイ・グラス・ディスプレイに適用可能な照明装置の実際的な解決策を提示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的の1つは、視野がほぼフルサイズの眼鏡であるシースルー近目ディスプレイ用のコンパクトな照明装置を提供することであるが、照明装置、システムの光学系および電子機器は非常にコンパクトである
図4および
図5の眼鏡のような、眼鏡のテンプル(弦)に埋め込むことができる。LCOS、LCDまたはDMDのような表示装置は、テンプルから眼鏡のレンズに向かって画像を投影するために使用される。眼鏡と人間の眼の幾何学的構成のために、画像は眼鏡のテンプルからその眼レンズに投影され、人間の目に反射される。虚像は、物理的スクリーンなしで空気中に生成される。物理的なスクリーンは、大きな発散角で投射された光を反射し、観察者は大きな視野角で画像を見ることができる。しかし、眼鏡ディスプレイやヘッドアップディスプレイなどのシースルーディスプレイの場合、物理的なスクリーンは存在せず、観察者が画像を見ることができ、しばしば非常に小さい傾向があるいわゆる「アイボックス」においてのみ画像を見ることができる。シースルーディスプレイのアイボックスは、眼球に対する眼鏡ディスプレイの動きに伴って観察者が画像を快適に見るのに十分な大きさでなければならない。これには、アイボックスのサイズを確保するためのイルミネータの特別な設計が必要です。アイボックスのサイズは、表示装置からの光ビームの発散角に密接に関連している。従来の投射型ディスプレイでは、高解像度および鮮明な画像のために、表示装置からの光ビームの発散角を可能な限り小さくする。しかし、シースルーディスプレイは、ディスプレイデバイスからの光ビームの大きな発散角、および高解像度の虚像を必要とする。照明装置は、表示装置の表面に対して大きな角度の収束光を供給しなければならない。これは、エキスパンダーレンズ1006が入射光ビームをコリメーションレンズ1007に拡大し、ビームが実質的に平行になり、第1のマイクロレンズアレイ1007に入る
図7に示す構成で達成することができる。第2のマイクロレンズアレイ1009上に光源の画像を生成する、換言すれば、第2のマイクロレンズアレイ上の画像は、光源に共役である。第2のマイクロレンズアレイ上の像は、コンデンサレンズ1010によって第1のマイクロレンズアレイの共役像として表示装置1013に投影される。集光レンズにおける照明光の直径および集光レンズと表示装置との間の距離は、表示装置への光源の収束角を決定する。これは、イルミネータで大きなアイボックスを確保する方法である。
【0011】
本発明の別の例は、
図10に示すように表示装置の反対側の面に配置された光の偏光角を90度回転させる追加の1/4波長板を使用して照明器のサイズを縮小することである。この構成は、入射光の角度を増加させるのに役立つ集光レンズと表示装置との間の距離を減少させる。ホモジナイザーと組み合わせて、
図11に例を示す。
【0012】
本発明の別の態様は、小型フォームファクタを有するシースルーディスプレイに適した光コンバイナーを提供することである。レーザーおよびLEDのような固体状態光源は、
図8のようなレンズアレイ2002または
図9のようなDOE7002(Diffractive Optical Element/回折光学素子)を備えたセルにパッケージされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】Takedaらによる米国特許第8711487号に開示されているシースルーディスプレイの構造の図である。LCD表示パネル用の照明装置として、バックライトモジュールを使用したものである。
【
図2A】Takahashiらによる米国特許出願公開第US2013/0021581号に記載されているエキスパンダーレンズおよびマイクロレンズを使用してPBSに光を供給する構成の図である。
【
図3】Katsumataらによる、特開2001-195603号公報に開示されている平板光波回路(PLC)を示す図である。レーザダイオードからのビームは、光導波路に導かれ、光波中の光エネルギーは、ある条件において、隣接する光導波路に伝達され得る。これは、複数の光線を1つに結合する別の方法である。
【
図5】テンプル内に光学および表示システムを埋め込むことができる眼鏡の例である。
【
図6】レーザダイオードのチップがコリメートレンズアレイで直接パッケージングされ、ダイクロイックミラーが光ビームをエキスパンダーレンズに結合する本発明の実施例を示す図である。
【
図7】2つのレンズと2つのマイクロレンズアレイを使用するホモジナイザーの例を示す図である。7001はコリメートレンズ、7002は第1フライアイレンズ(これはマイクロレンズアレイとも呼ばれる)である。7003は第2フライアイレンズです。7004はフィールドレンズである。
【
図8】光ファイバーを使用してレーザビームを結合し、ホモジナイザーに導く本発明の例を示す図である。
【
図9】照明装置の構成要素内で光ビームがどのように伝播するかを示す図である。
【
図10】イルミネータのサイズを縮小するために、1/4λリターダと組み合わされたPBS内で光がどのように通過するかを示す図である。
【
図11】縮小されたサイズのイルミネータの構造を示す図である。
【
図12】マイクロレンズアレイを使用して複数の光ビームを光ガイド(光パイプまたは光ファイバー)に結合し、ホモジナイザーおよびPBSに導く本発明の実施例を示す。
【
図12A】光ビームがどのように構成部品を通過するかを示す図である。
【
図13】光ビームを光パイプとPBSとに結合するためにDOEアレイを使用する本発明の例を示す。
【
図14】イルミネータを組み合わせたシースルー表示の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の様々な実施形態の詳細な説明は、観察者のための大きなアイボックスを確保するのに十分な広角(大きなNA)を有するシースルー表示システムの表示装置に光ビームを提供するための様々な照明器を示す。
【0015】
図6および
図7は、マイクロレンズアレイ1002が複数の光源1001を1組のダイクロイックミラー1005にコリメートして光ビームを単一のビームに結合する本発明の例示的実施形態を示す。単一のビームは、エキスパンダーレンズ1006によって拡張され、コリメーションレンズ1007に導かれる。コリメートされたビームは、第2のマイクロレンズアレイ1008によって複数のビームに分割され、画像が光源と共役な第3のマイクロレンズアレイ1009に集束される。第3のマイクロレンズアレイ1009に隣接してコンデンサレンズ(集光レンズ)1010が配置され、プリズム1011を通過し、プリズム1011によって偏光ビームスプリッタPBS1012に向けて反射される。反射された光は、第3のマイクロレンズアレイの各マイクロレンズに対応する各画素の画像を表示装置1013の全領域に投影する第3のマイクロレンズアレイと表示装置は光学的に対応している表示装置1013を焦点とする。
【0016】
図8は、本発明の別の実施形態を示しており、マイクロレンズアレイ2002は、複数の光源2001から投射された光ビームを光に結合して、光パイプとして機能し
図8のPLC平面光回路および
図3のユニットを有する光ファイバーを介して伝送される光ガイド2004に投影するように実装される。
図8は、光源ユニット2005と、コリメートされた又は集光された光ビーム2003を更に示している。合成された光は、エキスパンダーレンズ2006によってコリメーションレンズ2007に拡大される。コリメートされた光は、
図6に示されるものと同じ光学部品を透過する。
【0017】
図9は、
図6および
図8に示される光ビームについてのより詳細な光路を示す。複合光ビーム3006は、複数の波長の光を含み、光ファイバーのエッジまたは発散角を有するレーザーダイオード/LEDから放射される。光源3006と第2のマイクロレンズアレイ3009は光学的に対応しており、第1のマイクロレンズアレイ3008と表示装置3013も光学的に対応する。入射光は、ホモジナイザー3007から3010を通過し、プリズム3011によって偏光子3015に反射され、S波を光吸収体3014に反射し、P波を表示装置3013に送る。表示装置は、P波からS波までの明るい画像の偏光回転で光を反射し、S波は、偏光子3015によって投影レンズに向かって方向3016で反射する。
【0018】
図10は、本発明の実施形態の例を示す。入射光は、P波のみを透過し、S波を反射または吸収する偏光板4001を通過する。偏光板4001通過した光は、偏光ビームスプリッタ(Polarized Beam Splitter/PBS)4007に入射し、PBS表面4007(S波のみを透過し、P波を反射する)に当たる。光4002はP波のみを含むので、PBS4007によってLCOS4004に向けて反射され、LCOSは入射光の偏光を画像信号に応じて変化させ、PBSに向かって明るい画像でS波を反射する。S波はPBSを通過し、偏光の1/4ラムダ(波長)回転を有するリターダを通過し、ミラー4006によって反射され、1/4波長リターダを通過して2回目の1/2λの光の偏光となり、入射光はP波となり、このイルミネータの出口4008に向かってPBS4007によって反射される。このシステムの利点は、入射光4002および出射光(4009)が並んでいることであり、
図9に示されている先の例の、入射光3006および出射光3016は、照明器のより多くのスペースを必要とする異なるレベルにある。
【0019】
図11は、レーザダイオード5001がセル内にパッケージングされ、マイクロレンズアレイ5002が、レーザダイオードを形成する複数の波長を有する複数のビームを光ファイバーに集中させる本発明の他の実施形態を示し、PLC5015(平面光波回路は、複数のビームを単一のビームに結合する。エキスパンダーレンズ5006はホモジナイザー5007から5010に向けて光ビームを拡大する。ホモジナイザーの後の光のP波は偏光子5016を通過し、S波を含む残留光はホモジナイザーに反射される。P波光は、偏光子5011(Pass-PおよびReflect-S型)によって表示装置5012に向けて反射される。表示装置は、画像のS波光を偏光子5011に反射し、1/4波長板5012及びミラー5013に通過する。リターダは、画像光の偏光を1/4λだけ回転させ、光はミラー5013によって反射され、光はリターダ5013を透過し、リターダ5013はリターダ4005とミラー4006の両方と同様に機能する。再度、偏光の1/4回転を追加して、1/2回転で終了する。入ってくるS波は、リターダおよびミラーによってP波に変換され、偏光子によって照明器の出口に向かって反射される。このシステムは、ホモジナイザーと表示装置との間の距離が前の例と比較して1/2であるため、収束光のNAをより大きく表示装置に提供する。この表示システムは、表示装置内の光学部品を通る反射光の光路が重複しているため、PBSのサイズよりも2倍長い。
【0020】
図12は、本発明の別の実施形態を示しており、ここでは、レーザダイオードおよびLED6001のような光源は、マイクロレンズアレイ6002とともにパッケージされ、光源からの光ビームを、光の分布を均質化する光パイプ6003である。ライトパイプの出口の画像は表示装置6013に投影される。したがって、ライトパイプの出口の光ビームと表示装置6013に投影された光ビームは光学的に共役である。偏光子6010は、ライトパイプとクロスPBS6011(偏光ビームスプリッタ)との間に配置される。クロスPBS6011は、2つの対角線方向6014、6015に異なるタイプ(PまたはS)の偏光を有する偏光表面コーティングを有する4つの三角プリズムを備える。
図12に示すように、入射光線6009は、偏光子6010によってP波に偏光され、PBS6011に埋め込まれた偏光子によって表示装置6013に反射される。S波を有する画像光を含む表示装置によって反射されたビームは、投影レンズに向かって方向6012に沿って反射され、P波を有する残留光は、偏光子を通過して吸収材6016に進む。
【0021】
図13は、実施形態の例を示す。緑色は、技術的にも経済的にも効率的ではなく、蛍光体による波長の変換が非常に有用であるため、3色のLEDまたはレーザーを使用することは経済的でも実用的でないことが多い。1308は青色レーザーまたはLEDであり、青色が最も効率的であるため、波長変換なしで使用される。1307はコリメーションレンズであり、131はコリメートされた青色ビームであり、ダイクロイックミラー1306)によって出力ビーム1313に反射される。1308は青色レーザーまたはLEDであり、1311はコリメーションレンズである。1312は、青色光を緑色光1315に変換し、ミラー1310に向けて反射する緑色蛍光体プレートである。1302は別の青色レーザーまたはLEDであり、1303はコリメーションレンズであり、1304は青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体プレートである1314。
【0022】
図14は、実施形態の別の例を示す。3つの異なる色の光源1405,1406,1407は、1つのビーム1411に配置されて一体化され、光ガイド1401に導かれる。光ガイド内の光ビーム1411は、リフレクタ1402およびディフューザ1403によって複数回反射され、ディフューザ1403に対して実質的に法線方向1302に放出される。この実施例は、ディフューザ1403表面から均質化された光分布を提供する。
【0023】
[1]
LCD、LCOS、マイクロミラー又はマイクロシャッターの表示装置と、
前記表示装置を駆動する回路と、
眼鏡レンズとテンプルと、
眼鏡レンズに取り付けられたホログラフィック光学素子(HOE)又は回折光学素子(DOE)のシースルー光学素子と、
少なくとも1つの自由形状面を有する少なくとも1つのレンズと、空気を介して眼鏡に画像光を投射する少なくとも1つのミラーとを有するテンプル内に埋め込まれた投影光学系と、
固体光源によって活性化されたレーザー、LED、OLED又は蛍光体の発光デバイスを有する複数の色の光源又は複数の色の光源を単一のビームに組み合わせるダイクロックプリズム、PBS、光ファイバー、自由形状レンズ、DOE、HOE又は平面光導波回路による光コンバイナーと、前記合成された光ビームの前記表示装置への入射角が10度より大きい全反射プリズムと、により構成される照明装置と、
を備えるシースルー表示システム。
[2]
[1]に記載のシースルー表示システムのコンバイナーであって、
光源のビームは、ダイクロイックプリズムによって、空気よりも高い屈折率を有する長方形管の群と光ファイバーとの光パイプに結合される。
[3]
[1]に記載のシースルー表示システムのコンバイナーであって、
光源のビームは、偏光ビームスプリッタによって、空気よりも高い屈折率を有する矩形管の群からの光パイプと光ファイバーとに結合される。
[4]
[1]に記載のシースルー表示システムであって、
ライトパイプ、マイクロレンズアレイ又は拡散板のホモジナイザーは、均質化されたものが、コンバイナーと表示装置との間に配置される。
[5]
[1]に記載のシースルー表示システムであって、
表示装置はLCOSであり、
スプリッタ面上の偏光子の層とLCOS表示面に平行な1/4波長板とLCOSからのPBSの反対側にある2つの三角プリズムからなる立方体偏光ビームスプリッタを用いて、単一のPBSが必要な画像光を投影レンズに伝達する。
[6]
[1]に記載のシースルー表示システムであって、
コンバイナーは、
前記光源からの光ビームを光パイプ、光ファイバー又は拡散板から光ガイドに導く回折光学素子(DOE)又はホログラフィック光学素子(HOE)の光学素子で構成される。
[7]
LCOSの表示装置と、
前記表示装置を駆動する回路と、
眼鏡レンズとテンプルと
であって、
レーザー、LED又はOLEDの発光デバイスを有する複数の色の光源と、複数の波長を含む光束を集光するマイクロレンズアレイと、複数の色の光源を単一のビームに組み合わせる光コンバイナーと、を含む照明装置と、
を備える照明装置であって、
前記光コンバイナーは、ダイクロイックプリズム、PBS、光ファイバー又は平面光導波回路であり、前記合成されたビームの前記表示装置への入射角は20度より大きいウェアラブルディスプレイのための照明装置。
[8]
[7]に記載の照明装置であって、
マイクロレンズアレイは、ホログラフィック光学素子又は回折光学素子によるDOEのアレイである。
[9]
[7]に記載の照明装置であって、
マイクロレンズアレイは、自由形状レンズのアレイである。
[10]
[7]に記載の照明装置であって、
PBSは、第1の偏光子がP波を通過し対角線の内面にS波を反射する第1の偏光子と、
S波を通過させ第1の偏光子に垂直な別の対角線の内面にP波を反射する第2の偏光子と
を有するクロスプリズムである。
本発明の特定の実施形態が本明細書に図示され説明されてきたが、当業者には他の修正および変更が行われることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内にあるすべての改変および変更を包含することが意図されていることを理解されたい。