(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160485
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】テンショニングシステム用の位置感知アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A43C 1/06 20060101AFI20221012BHJP
A43B 3/44 20220101ALI20221012BHJP
【FI】
A43C1/06
A43B3/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022115571
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2018548667の分割
【原出願日】2017-03-13
(31)【優先権主張番号】15/070,995
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ビアーズ、ティファニー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーウィングス、アンドリュー エイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】紐、コード、または他の種類のストランドに張力を提供するように設計されたテンショニングシステム用の位置感知アセンブリが開示される。
【解決手段】テンショニングシステムは、中心軸および位置感知アセンブリの周りを回転するように構成されたリール部材を含む。位置感知アセンブリは、シャフトと、表示タブと、光感知ユニットとを含む。位置感知アセンブリは、ストランドが締め付けられ弛緩させられる程度を制御することを支援する。位置感知アセンブリは、ストランドの弛緩を意図するとき、ストランドを締め付けないようにする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーと、
前記アッパーに取り付けられたソール構造と、
前記アッパーと前記ソール構造のうちの一方の内部に設けられたテンショニングシステムと、を備える履物品であって、
前記テンショニングシステムは、
中心軸周りに回転するように構成され、第1の端部から前記第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有するリール部材と、
前記シャフトの前記第2の端部から延びるとともに第1の組のねじ山を有するリードねじであって、前記中心軸周りに回転するように構成される、リードねじと、
前記リードねじが前記中心軸周りを回転するにつれて、当該リードねじに沿って当該リードねじの第1の位置から当該リードねじの第2の位置まで直線状に移動できるように、前記リードねじ上に装着される表示タブと、
前記リードねじに隣接して設けられ、前記第1の位置と前記第2の位置のうちの一方にある前記表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットと、
を含み、
前記リール部材は、前記光感知ユニットによって検知された際の前記表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによって前記テンショニングシステムを締め付けるように構成される履物品。
【請求項2】
前記光感知ユニットは、
前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサと、
前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサと、
を備える、請求項1に記載の履物品。
【請求項3】
前記第1の光センサは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項2に記載の履物品。
【請求項4】
前記第2の光センサは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項3に記載の履物品。
【請求項5】
前記表示タブは、
前記表示タブを貫通し、前記リードねじの前記第1の組のねじ山と螺合する第2の組のねじ山を有する通路と、
前記通路から離反して延びるとともに、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサによって検出され、かつ、前記表示タブが前記第2の位置にあるときには前記第2の光検出器によって検出されるように位置決めされる第1の部分と
を備える、請求項4に記載の履物品。
【請求項6】
前記表示タブは、前記通路から離反して前記第1の部分の反対側に延びる第2の部分を含む、請求項5に記載の履物品。
【請求項7】
ハウジングユニットの表面が前記表示タブの前記リードねじとの連れ回りを規制するように、前記第2の部分が前記表面に接触する、請求項5に記載の履物品。
【請求項8】
前記第1の光センサは、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサが前記第2の部分を検出できるように位置決めされる、請求項7に記載の履物品。
【請求項9】
前記表示タブは、前記第1の位置にあるときには、前記リードねじの終端に配置されるとともに、前記表示タブは、前記第2の位置にあるときには、前記リードねじの前記終端よりも前記シャフトの前記第2の端部の近傍に配置される、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の履物品。
【請求項10】
前記シャフトの前記第2の端部から最も遠い前記リードねじ上の地点に前記表示タブが配置されるときには、前記表示タブは、前記第1の位置にある、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の履物品。
【請求項11】
前記シャフトの前記第2の端部に最も近い前記リードねじ上の地点に前記表示タブが配置されるときには、前記表示タブは、前記第2の位置にある、請求項10に記載の履物品。
【請求項12】
前記第1の位置は、前記テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、前記第2の位置は、前記テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示す、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の履物品。
【請求項13】
前記光感知ユニットは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサを備える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の履物品。
【請求項14】
前記光感知ユニットは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の履物品。
【請求項15】
中心軸周りに回転するように構成されたリール部材であって、第1の端部から前記第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有する、前記リール部材と、
前記シャフトの前記第2の端部から延び、第1の組のねじ山を有するリードねじであって、前記中心軸周りに回転するように構成される、リードねじと、
前記リードねじが前記中心軸周りを回転するにつれて、前記リードねじに沿って前記リードねじ上の第1の位置から前記リードねじ上の第2の位置まで直線状に移動できるように、前記リードねじ上に装着される表示タブと、
前記リードねじに隣接して設けられ、前記第1の位置と前記第2の位置のうちの一方において前記表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットと
を備え、
前記リール部材は、前記光感知ユニットによって検知された際の前記表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによって締め付けられるように構成される、
テンショニングシステム。
【請求項16】
前記光感知ユニットは、
前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサと、
前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサと、
を備える、請求項15に記載のテンショニングシステム。
【請求項17】
前記第1の光センサは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項16に記載のテンショニングシステム。
【請求項18】
前記第2の光センサは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項17に記載のテンショニングシステム。
【請求項19】
前記表示タブは、
前記表示タブを貫通し、前記リードねじの前記第1の組のねじ山と螺合する第2の組のねじ山を有する通路と、
前記通路から離反して延びるとともに、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサによって検出され、かつ、前記表示タブが前記第2の位置にあるときには前記第2の光検出器によって検出されるように位置決めされる第1の部分と
を備える、請求項18に記載のテンショニングシステム。
【請求項20】
前記表示タブは、前記通路から離反して前記第1の部分の反対側に延びる第2の部分を含む、請求項19に記載のテンショニングシステム。
【請求項21】
ハウジングユニットの表面が前記表示タブの前記リードねじとの連れ回りを規制するように、前記第2の部分が前記表面に接触する、請求項19に記載のテンショニングシステム。
【請求項22】
前記第1の光センサは、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサが前記第2の部分を検出できるように位置決めされる、請求項21に記載のテンショニングシステム。
【請求項23】
前記表示タブは、前記第1の位置にあるときには、前記リードねじの終端に配置されるとともに、前記表示タブは、前記第2の位置にあるときには、前記リードねじの前記終端よりも前記シャフトの前記第2の端部の近傍に配置される、請求項15から請求項22のいずれか一項に記載のテンショニングシステム。
【請求項24】
前記シャフトの前記第2の端部から最も遠い前記リードねじ上の地点に前記表示タブが配置されるときには、前記表示タブは、前記第1の位置にある、請求項15から請求項22のいずれか一項に記載のテンショニングシステム。
【請求項25】
前記シャフトの前記第2の端部に最も近い前記リードねじ上の地点に前記表示タブが配置されるときには、前記表示タブは、前記第2の位置にある、請求項24に記載のテンショニングシステム。
【請求項26】
前記第1の位置は、前記テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、前記第2の位置は、前記テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示す、請求項25に記載のテンショニングシステム。
【請求項27】
前記光感知ユニットは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサを備える、請求項15から請求項22のいずれか一項に記載のテンショニングシステム。
【請求項28】
前記光感知ユニットは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備える、請求項27に記載のテンショニングシステム。
【請求項29】
リール部材のシャフトの第2の端部からリードねじを延ばすステップであって、前記リール部材は、中心軸周りに回転するように構成され、前記シャフトは、前記第2の端部に対向する第1の端部を有し、前記リードねじは、前記中心軸周りに回転するように構成され、かつ、前記リードねじは、前記中心軸周りを回転するよう構成される第1の組のねじ山と、前記リードねじが前記中心軸周りを回転するにつれて、当該リードねじに沿って当該リードねじの第1の位置から当該リードねじの第2の位置まで直線状に移動できるように、前記リードねじ上に装着される表示タブと、を含む、リードねじを延ばすステップと、
前記リードねじに隣接して、前記第1の位置と前記第2の位置のうちの一方において前記表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットを設けるステップと、
を備え、
前記リール部材は、前記光感知ユニットによって検知された際の前記表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによってテンショニングシステムを締め付けるように構成される、方法。
【請求項30】
前記光感知ユニットを設けるステップは、
前記第1の位置にある前記表示タブを検出する第1の光センサを位置決めするステップと、
前記第2の位置にある前記表示タブを検出する第2の光センサを位置決めするステップと、
を備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記光感知ユニットを設けるステップは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出しないように前記第1の光センサを位置決めするステップを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記光感知ユニットを設けるステップは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出しないように前記第2の光センサを位置決めするステップを備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
表示タブを延ばすステップが、
前記表示タブを貫通する通路の第2の組のねじ山を前記リードねじの前記第1の組のねじ山に螺合させるステップと、
前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサによって検出され、かつ、前記表示タブが前記第2の位置にあるときには前記第2の光検出器によって検出されるように、前記通路から離反して延びる、前記表示タブの第1の部分を位置決めするステップと、
を備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記表示タブを延ばすステップは、前記第1の部分の反対側へ前記通路から離反するように、前記表示タブの第2の部分を延ばすステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の部分を延ばすステップは、ハウジングユニットの表面が前記表示タブの前記リードねじとの連れ回りを規制するように、前記第2の部分が前記表面に接触するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の光センサを位置決めするステップは、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサが前記第2の部分を検出できるように前記第1の光センサを位置決めするステップを備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記光感知ユニットを設けるステップは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出する第1の光センサを位置決めするステップを備える、請求項29から請求項36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記光感知ユニットを設けるステップは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出する第2の光センサを位置決めするステップを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記リードねじと、前記リール部材と、前記表示タブと、前記光感知ユニットとは、テンショニングシステムを形成するものであり、
アッパーをソール構造に固定し、前記アッパーと前記ソール構造のうちの少なくとも一方に対して前記テンショニングシステムを固定することによって、履物品を形成するステップと
をさらに備える、請求項29から請求項36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
第1の端部から前記第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有するリール部材を、中心軸周りに回転するように回転させるステップと、
前記シャフトの前記第2の端部から延びるとともに第1の組のねじ山を有するリードねじに隣接して設けられた光感知ユニットによって、第1の位置と第2の位置との一方において表示タブの位置を検出するステップであって、前記リードねじは、前記中心軸周りに回転するように構成され、前記表示タブは、前記リードねじが前記中心軸周りを回転するにつれて、前記リードねじに沿って前記リードねじの第1の位置から前記リードねじの第2の位置まで直線状に移動できるように前記リードねじ上に装着された前記表示タブの位置を検出するステップと、
前記第1の位置と前記第2の位置のうちの一方において前記表示タブを検出したことに基づいて前記リール部材の回転を止めるステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される発明は、一般に、テンショニングシステム用の位置感知アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
履物品は、一般に、2つの主要な要素、すなわち、アッパーとソール構造とを含む。アッパーは、足の周りを包んで足を受けるように構成された1つ以上の要素を含み得る。いくつかの実施形態において、アッパーは、足の甲とつま先にわたり、足の内側および外側側部に沿って、また足の踵の領域にわたって延びる構造を形成し得る。アッパーにはまた、紐、ストラップ、または他の部材などといった、靴の履き心地を調整するために使用可能な固定システムを組み込み得る。固定システムはまた、アッパー内の空隙から足を出し入れすることも可能にする。
【0003】
本発明は、以下の図面および説明を参照することにより、よりよく理解し得る。図面の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を説明することに重点を置いている。さらに、図面において、同様の参照符号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】テンショニングシステムを含む履物品の例示的な実施形態の概略斜視図。
【
図2】テンショニングシステムを含む履物品の例示的な実施形態の内側側部の概略図。
【
図3】破線で履物品示したテンショニングシステムの例示的な実施形態の内側側部の概略図。
【
図4】テンショニングシステムを含む履物品の例示的な実施形態の概略分解図。
【
図5】リール部材を含むテンショニングシステムの例示的な実施形態の代表的な分解図。
【
図6】テンショニングシステム内に含まれるリール部材の例示的な実施形態の概略拡大図。
【
図7】テンショニングシステム内に含まれるリール部材の例示的な実施形態の断面図。
【
図8】弛緩状態のテンショニングシステムの例示的な実施形態の代表図。
【
図9】締め付け状態にあるテンショニングシステムの例示的な実施形態の代表図。
【
図10】表示タブが第1の位置にある位置感知アセンブリの上面図。
【
図11】表示タブが第2の位置にある位置感知アセンブリの上面図。
【
図12】表示タブが第1の位置にある位置感知アセンブリの正面図。
【
図14】例示的な実施形態において、テンショニングシステムおよび履物品の少なくともいずれか一方を製造するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例示的な方法およびシステムは、テンショニングシステム用の位置感知アセンブリに関する。各例は、あり得るバリエーションを単に表すものである。明示的に別段の定めがない限り、構成要素および機能は多様であり、組み合わせたり細分化したりすることができ、操作は順番が変わってもよく、組み合わせたり細分したりし得る。以下の説明では、説明のために、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が示される。しかし、当業者には、本発明は、これらの特定の詳細のすべてがなくても実施され得ることが明らかであろう。
【0006】
履物品には、従来、履物品を着用者の足に固定するために、例えば靴紐を手で結ぶなど、靴紐、または他の機構など、手作業を伴うレーシング機構が使用されてきた。しかし、モータ、トランスミッション、およびリールを利用して、靴紐、ケーブルなどを締め付ける代替の機構が開発されている。これらのようなモータ、トランスミッション、およびリールは、好適には、所望のパラメータ内で締め付け、弛緩させ得るものであり、例えば、履物品が着用されているときには、所望に締め付け、履物品を脱ぐときには、所望に緩める。緩み過ぎ締め付け過ぎは、着用中に不快感を与え得る。
【0007】
しかし、モータやモータコントローラの少なくともいずれか一方は、モータが紐にどのような状態にしているかを必ずしも分かっているわけではない。例えば、モータコントローラがリセットされるか、さもなければ不確定状態になる場合、モータは、その状況下において、着用者の快適レベルを超えて紐を締め付けたり、弛緩させたりしようとする可能性がある。モータまたはモータコントローラは、生来的には、モータが所望のパラメータ内で紐を締め付けたり弛緩させたりするための物理的または光学的ブレーキを提供するシステムを所有していない。
【0008】
テンショニングシステムを含む電動レーシングシステムを含む履物品が開発されている。テンショニングシステムは、紐用のリール部材に固定されたリードねじに取り付けられた表示タブを利用する。リードねじに沿った表示タブの位置は、リール上の紐の状態を示すものであり、ある位置ではリールが緊張していることを示し、別の位置では紐が弛緩していることを示す。光感知ユニットは、表示タブの位置を検出する。表示タブはモータの状態に左右されないので、表示タブは、リール上の実際の紐の状態を一貫して示し得る。
【0009】
本実施形態は、紐、コード、または他の種類のストランドに張力を提供するように設計されたテンショニングシステム用の位置感知アセンブリに関する。例えば、
図1および
図3は、テンショニングシステム300で構成された履物品100の例示的な実施形態を示している。テンショニングシステムは、ストランドを締め付けたり弛緩させたりし得る。例えば、図面に示された例示的な実施形態において、テンショニングシステム300は、レーシングシステム130の紐340を締め付けたり弛緩させたりし得る。紐340の締め付けおよび弛緩の機構の詳細は、
図8から
図13に関して以下に説明される。テンショニングシステムは、ストランドの締め付けや弛緩の程度を制御することを支援する位置感知アセンブリを含み得る。
図10から
図13に関して以下により詳細に説明するように、そのような位置感知アセンブリは、ストランドが弛緩させられることを意図されているときには、ストランドの締め付けを防止し得る。
【0010】
図面に示される例示的な実施形態は、位置感知アセンブリを有するテンショニングシステムで構成された履物品を含む。しかし、テンショニングシステムおよび位置感知アセンブリは、履物品以外の物品とともに使用されてもよいことが理解される。以下でさらに詳細に説明するように、テンショニングシステムは履物に限定されず、他の実施形態において、衣類、スポーツウェア、スポーツ用品および他の種類の衣服を含む様々な種類の衣服にテンショニングシステムを使用可能である。さらに他の実施形態において、テンショニングシステムは、医療用ブレースなどのブレースとともに使用され得る。
【0011】
各図は、履物品とともに使用されるテンショニングシステムにどのように位置感知アセンブリを組み込むことができるかを示している。したがって、各図は、履物品、テンショニングシステム、および位置検知用アセンブリの機構を示す。より詳細には、
図1および
図2は、履物品100の外観を示す。
図3および
図4は、位置感知アセンブリを含むテンショニングシステム300が履物品100とどのように相互に関連しているかを示している。
図5は、両方とも履物品100から分離されたテンショニングシステム300およびレーシングシステム130の機構の詳細図を提供する。
図6および
図7は、テンショニングシステム300のリール部材310の詳細を示す。
図8および
図9は、テンショニングシステム300がいかにして、テンショニングシステム300の紐340を締め付けたり弛緩させたりし、着用者が足の周りの履物品100のアッパー120を締め付け、またアッパー120を弛緩させ、足を内側の空隙(即ち、スロート開口部140を通って)から出し入れすることを容易にすることができるのか、を示している。
図10から
図13は、光感知ユニット520がリードねじ605上に設けられた表示タブ510の位置をどのように検出するかを示す。表示タブ510の位置は、当該位置に関連する紐340の張力を示し得る。
【0012】
また、本実施形態において、履物品100は、運動靴の形態で示されている。しかし、他の実施形態において、テンショニングシステム300は、非限定的に、ハイキングブーツ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、スニーカー、ランニングシューズ、クロストレーニングシューズ、ラグビーシューズ、バスケットボールシューズ、野球用シューズ、ならびに他の種類の履物を含む、他のあらゆる種類の靴とともに使用し得る。いくつかの実施形態において、履物品100は、限定されるものではないが、スリッパ、サンダル、ハイヒール、ローファー、および他のあらゆる種類の履物を含む、様々な種類の非スポーツ関連の履物とともに使用するように構成し得る。
【0013】
参考のために、履物品100は、
図1および
図2に示すように、前足領域10と、中足領域12と、踵領域14との3つの一般領域に分割し得る。前足領域10は、一般に、つま先と、中足骨を指骨に接続する関節とに対応する履物品100の部分を含む。中足領域12は、一般に、足のアーチ領域に対応する履物品100の部分を含む。踵領域14は、一般に、踵骨を含む足の後部に対応する履物品100の部分を含む。履物品100はまた、内側側部16および外側側部18をも含み、該内側側部16および外側側部18は、前足領域10、中足領域12、および踵領域14のそれぞれにわたって延び、履物品100に対し背中合わせに対応する。より具体的には、内側側部16は、足の内側領域(すなわち、他方の足に向く表面)に対応し、外側側部18は、足の外側領域(すなわち、他方の足の反対側に向く表面)に対応する。前足領域10、中足領域12、踵領域14と、内側側部16、外側側部18とは、履物品100の正確な領域を切り分けることを意図しない。むしろ、前足領域10、中足領域12、踵領域14と、内側側部16、外側側部18とは、以下の説明の一助とするために履物品100の一般領域を表すことを意図している。履物品100に加えて、前足領域10、中足領域12、踵領域14と、内側側部16、外側側部18とは、そのソール構造、アッパーおよび個々の要素に適用することも可能である。
【0014】
一貫性と便宜のために、例示的な実施形態に対応するこの詳細な説明を通じて、方向性を示す形容詞も使用される。この詳細な説明および特許請求の範囲を通して使用される用語「側方」または「横方向」は、構成要素または要素の幅に沿って延びる方向を指す。例えば、履物品100の横方向は、内側側部16と外側側部18との間に延び得る。さらに、この詳細な説明および特許請求の範囲を通して使用される用語「長手方向」は、要素または構成要素(ソール構造またはアッパーなど)の長さまたは幅を横切って延びる方向を指す。いくつかの実施形態において、履物品100の長手方向は、前足領域10から踵領域14まで延び得る。これらの方向を表す形容詞の各々は、履物品の個々の構成要素、例えばアッパー構造やソール構造の少なくともいずれか一方にも適用できることが理解されよう。また、垂直方向とは、長手方向と横方向とがなす水平面に垂直な方向をいう。これらの方向を示す形容詞の各々は、履物品100を含む実施形態に示された様々な構成要素に加えて、テンショニングシステム300の構成要素にも適用され得ることが理解されよう。
【0015】
いくつかの実施形態において、履物品100は、ソール構造体110およびアッパー120を含み得る。一般に、アッパー120は、あらゆるタイプのアッパーであり得る。特に、アッパー120は、あらゆるデザイン、形状、サイズ、および色を有し得る。例えば、履物品100がバスケットボールシューズである実施形態において、アッパー120は、足首に高い支持を提供するように成形されたハイトップアッパーであってもよい。履物品100がランニングシューズである実施形態において、アッパー120は、ロートップアッパーであってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、ソール構造体110は、履物品100に滑り止めを提供するように構成し得る。滑り止めを提供することに加えて、ソール構造体110は、歩行、ランニングまたは他の歩行活動の間に足と地面との間で圧縮されるときに地面からの反力を和らげ得る。ソール構造体110の構成は、様々な実施形態において、様々な従来の構造または新規な構造を含むように著しく差があってもよい。いくつかの場合において、ソール構造体110の構成は、当該ソール構造体110が使用され得る1つ以上のタイプの着地面に応じて構成され得る。地面の例には、天然芝、人工芝、土、および他の表面が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
異なる実施形態において、ソール構造体110は異なる構成要素を含み得る。例えば、ソール構造体110は、アウトソール、ミッドソール、およびインソールの少なくともいずれか1つを含み得る。さらに、場合によっては、ソール構造体110は、地面に対し滑り止めとして作用する力を増加させるように構成された1つ以上のクリート部材または滑り止め要素を含み得る。
【0018】
例示的な実施形態において、ソール構造体110は、アッパー120に固定され、履物品100が着用されるときに足と地面との間で延びる。アッパー120は、ソール構造体110と連係し、足を受け入れて固定するための履物品100内の内部空隙を形成する。空隙は、足を収容するように形作られるとともに、足の外側部に沿って足の甲を超え、足の内側部に沿い、踵の周りにわたり、足の下に延びる。アッパー120は、少なくとも踵領域14に位置し、スロート開口部140を形成するカラーをも含み得る。アッパー120の内部空隙への着用は、スロート開口部140によって提供される。より詳細には、足はスロート開口部140を経由してアッパー120に挿入され、足はスロート開口部140を通ってアッパー120から抜き得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、履物品100は、レーシングシステム130を含み得る。レーシングシステム130は、前方に延び、踵領域14のカラーおよびスロート開口部140から、中足領域12において足の甲に対応するレーシング領域132を越えて、前足領域10に隣接する領域にまで至る。レーシング領域132は、アッパー120の両側において、外側縁部133と内側縁部134との間に延びる。レーシングシステム130は、履物品100のアッパー120内に足を固定するように構成された様々な構成要素を含み、本明細書に図示され説明された構成要素に加えて、履物のアッパーに通常含まれる追加のまたはオプションの構成要素をさらに含み得る。
【0020】
この実施形態において、複数のストラップ部材136が、レーシング領域132の部分を横切って延びている。テンショニングシステム300(以下に詳細に説明する)とともに、複数のストラップ部材136は、足の比率に対応するように着用者がアッパー120の寸法を変更することを許容する。例示的な実施形態において、複数のストラップ部材136が、外側縁部133と内側縁部134との間のレーシング領域132を横切って横方向に延びる。以下にさらに説明するように、テンショニングシステム300のストラップ部材136および紐340は、着用者が足の周りにアッパー120を締め付け、アッパー120を弛緩させて、内部空隙からの足の出し入れ(すなわち、スロート開口部140を通る)を容易にできるようにする。
【0021】
いくつかの実施形態において、アッパー120は、履物品100の快適性を高めるため、履物品100内に設けられたときに着用者の足を覆って延びるタン138を含む。この実施形態において、タン138は、レーシング領域132を貫通し、アッパー120の対向する外側縁部133と内側縁部134との間の開口部内を動くことが可能である。場合によっては、タン138は、紐やストラップ部材136の間に延び、クッション性を提供し、紐やストラップ部材136によって着用者の足の頂部に加えられる張力を分散させ得る。この構成により、タン138は、履物品100の快適性を高めることが可能である。
【0022】
いくつかの実施形態は、履物品の着用者の足への調節を容易にするための手段を含み得る。該手段は、着用者の足の周りの履物品を締め付けたり弛緩させたりすることを含み得る。いくつかの実施形態において、これらの手段は、テンショニングシステムを含み得る。いくつかの実施形態において、テンショニングシステムは、テンショニング部材、レーシングガイド、テンショニングアセンブリ、ハウジングユニット、モータ、歯車、スプールもしくはリール、および電源のうち、少なくともいずれか1つを含むがこれらに限定されない他の構成要素をさらに含み得る。そのような構成要素は、張力の固定、調整、および、着用者の足に特化された収まりを与える一助となり得る。これらの構成要素、および、種々の実施形態において、履物品を着用者の足に固定し、張力を調節し、特化された収まりを与え得る方法について、以下にさらに詳細に説明する。
【0023】
ここで
図3を参照して、履物品100は、テンショニングシステム300の例示的な実施形態を含む。テンショニングシステム300の実施形態は、いずれかの適切なテンショニングシステムを含み得る。該適切なテンショニングシステムは、「Motorized
Tensioning System」と題されているBeersらの米国特許出願公開第2014/0068838号明細書(2013年8月20日に出願された現在の米国特許出願第14/014,491号)と、「Motorized Tensioning
System with Sensors」と題されたBeersの米国特許出願公開第2014/0070042号明細書(2013年8月20日に出願された現在の米国特許出願第14/014,555号)と、「Footwear Having Removable Motorized Adjustment System」と題されているBeersの米国特許出願公開第2014/0082963号明細書(2013年9月20日に出願された現在の米国特許出願第14/032,524号)(本明細書ではまとめて「自動レーシング事件」と呼ぶ)の1つ以上に開示されているシステムのいずれかを含み、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0024】
異なる実施形態において、テンショニングシステムは、テンショニング部材を含み得る。この詳細な説明および特許請求の範囲を通して使用される「テンショニング部材」という用語は、一般に、細長い形状および高い引張強度を有するなんらかの構成要素を指す。ある場合には、テンショニング部材は、一般に低い弾性をも有し得る。異なるテンショニング部材の例としては、紐、ケーブル、ストラップ、およびコードを含むが、これらに限定されない。場合によっては、テンショニング部材は、衣服や履物用品の少なくともいずれか一方を含む物品を締め付けるために使用し得る。他の場合には、テンショニング部材は、いくつかの構成要素またはシステムを作動させる諸目的のために、予め設定された位置において張力を加えるために使用し得る。
【0025】
例示的な実施形態において、テンショニングシステム300は、紐340という形態のテンショニング部材を含む。紐340は、アッパー120の内部空隙の寸法を手直しし、それにより、アッパー120を着用者の足の周りに締め付ける(または弛緩させる)ように構成される。一実施形態において、紐340は、レーシングシステム130の複数のストラップ部材136を動かし、レーシング領域132の対向する外側縁部133と内側縁部134を互いに近づけて、アッパー120を締め付けるように構成し得る。同様に、紐340は、複数のストラップ部材136を反対方向に移動させて、外側縁部133および内側縁部134をより離反し、アッパー120を弛緩させるようにも構成し得る。この構成により、紐340は、履物品100の張力や足の収まりの少なくともいずれか一方を調整することを支援し得る。以下でより詳細に説明するように、位置感知アセンブリは、シャフト周りにどれくらいの紐が巻かれるか、という制御を支援し得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、紐340は、該紐340の動きが複数のストラップ部材136に伝わるように、ストラップ部材136に接続または繋がれ得る。例えば、紐340は、レーシング領域132を横切って延びる紐340の部分を複数のストラップ部材136の各ストラップ部材に取り付けるために、接着剤または他の適切な機構を用いて、接着、縫合、融合、または取り付け得る。この構成では、テンショニングシステム300を介して紐340に張力が加えられてレーシングシステム130を締め付けたり弛緩させたりすると、紐340はストラップ部材136を開位置または閉位置の間で移動させ得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、紐340は、様々なレーシングガイド領域342を通過するように構成可能であり、該レーシングガイド領域342は、紐340をアッパー120の部分を横切る。場合によっては、レーシングガイド340の端部は、レーシング領域132の外側縁部133と内側縁部134に隣接して終端し得る。いくつかの場合において、レーシングガイド領域342は、アッパー上の従来式のアイレットに同様の機能を提供し得る。特に、紐340が引っ張られ、すなわち締め付けられると、レーシング領域132は、一般に、アッパー120が足の周りに締め付けられるように収縮し得る。一実施形態において、レーシングガイド領域342は、アッパー120を形成する材料の層であって、なんらかの内部層すなわちライニングを含むものの間に、辿り得る、または、設けられ得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、レーシングガイド領域342を使用して、紐340を履物品100のアッパー120の予め定められた構成に配置し得る。
図3から
図5を参照して、一実施形態において、紐340は、アッパー120の蛇行形状、すなわち交互に逆の横向き形状に設けられる。いくつかの他の実施形態において、紐340は、レーシングガイド領域342を介して、異なる構成で設けられ得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、テンショニングシステム300は、リール部材310を含む。リール部材310は、テンショニングシステム300のテンショニング装置302内の構成要素である。リール部材310は、紐340を巻き取ったりほどいたりして、テンショニングシステム300を締め付けたり弛緩させたりするために、双方向に中心軸周りを回転するように構成される。
【0030】
例示的な実施形態において、リール部材310は、中心軸に沿って延びるシャフト312と、シャフト312から半径方向外側に延びる複数のフランジとを有するリールまたはスプールである。複数のフランジは、各フランジの中心内に設けられたシャフト312を備えた略円形、すなわち円い形状を有し得る。フランジは、テンショニングシステム300が締め付けられたり弛緩させられたりしたときに巻き付けている間、または巻き戻している間に、紐340が絡み合ったり鳥の巣状になったりしないように、紐340の巻き取り部分を分け、束ねてリール部材310に保つことを支援する。
【0031】
例示的な実施形態において、リール部材310は、リール部材310のシャフト312に沿ってほぼ中間に位置する中央フランジ322を含み得る。中央フランジ322は、該中央フランジ322の対向面の間に延びる開口を形成する孔330を含み得る。孔330は、紐340を通すように構成される。
図3に示すように、紐340は、中央フランジの一方の面から他方の反対側の面まで中央フランジ322の孔330を貫通する。この構成では、紐340の一部が中央フランジ322の両側に設けられ、紐340は、リール部材310に相互連結される。
【0032】
一実施形態において、リール部材310は、シャフト312に少なくとも3つのフランジを含み得る。この実施形態において、リール部材310は、第1の端部フランジ320と、中央フランジ322と、第2の端部フランジ324とを含む。中央フランジ322は、第1の端部フランジ320と第2の端部フランジ324との間のシャフト312に沿って設けられる。第1の端部フランジ320と第2の端部フランジ324とは、中央フランジ322の両側のリール部材310の両端のシャフト312に設けられる。第1の端部フランジ320と第2の端部フランジ324の少なくともいずれか一方は、リール部材310に巻かれた紐340の一部を支え、該紐340の一部がリール部材310の端部から滑り落ちないようにし得るとともに、テンショニングシステム300が締め付けられたり弛緩させられたりしている際には、その巻き付け中または巻き戻し中に、紐340が絡み合ったり鳥の巣状になったりしないようにし得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、テンショニングシステム300のテンショニングアセンブリ302は、ソール構造体110のキャビティ112内に設けられ得る。ソール構造体110は、ソール構造体110の上面にあるアッパー120に隣接して設けられた上面111を含み得る。上面111は、ソール構造体110とアッパー120とを一緒に固定するために、アッパー120またはアッパー120の構成要素に直接的または間接的に取り付けられ、または接合され得る。ソール構造体110はまた、上面111の反対側に設けられた下面、すなわち着地面113を含み得る。着地面113は、ソール構造体110のアウトソールまたは他の構成要素であってもよく、ソール構造体110は、履物品100が着用されたときに地面と接触するように構成される。
【0034】
例示的な実施形態において、キャビティ112は、上面111から下面113に向かって窪むソール構造体の開口部である。テンショニングシステム300のテンショニングアセンブリ302は、ソール構造体110の上方からキャビティ112内に挿入され得る。例示的な実施形態において、キャビティ112は、テンショニングアセンブリ302の直方体形状に対応する略直方体の形状を有する。さらに、キャビティ112は、テンショニングアセンブリ302がキャビティ112内にぴったりと嵌合するように、テンショニングアセンブリ302と同様のサイズおよび寸法を有し得る。この構成では、テンショニングアセンブリ302および関連する構成要素は、履物品100が摩耗すると、下面113によって地面との接触から保護され得る。
【0035】
ここで
図4を参照して、ソール構造体110と、アッパー120と、レーシングシステム130と、テンショニングシステム300とを含む履物品100の分解図が示されている。この実施形態において、レーシングガイド領域342を通る紐340の構成は、内側側部16の内側縁部134と、外側側部18の外側縁部133との間のアッパー120のレーシング領域132を横切って交互に延びることが分かる。
【0036】
さらに、紐340がテンショニングシステム300を締め付けたり弛緩させたりし得ることを容易にするために、紐340の端部は、異なる場所でアッパー120に固定される。
図4に示すように、第1のアンカー344は、紐340の一端を、アッパー120の踵領域14のスロート開口部140の近くまたは近傍のアッパー120に固定し、第2のアンカー346は、紐340の他端を、前足領域10の近くまたは近傍のアッパー120に固定する。第1のアンカー344と第2のアンカー346とは、アッパー120に取り付けまたは接合させることができ、結び目付け、接着、縫製、接着剤または他の形態の取り付けを含むが、これらに限定されないなんらかの適切な機構であってもよい。
【0037】
図5は、リール部材310と、紐340と、位置感知アセンブリとを含むテンショニングシステム300の構成要素の例示的な実施形態の分解図を示す。いくつかの実施形態において、テンショニングシステム300は、テンショニングアセンブリ302を含み得る。該テンショニングアセンブリ302は、着用者の履物品100の適合を固定し、調整し、手直しするために、紐340とストラップ部材136との少なくともいずれか一方を含むレーシングシステム130の構成要素の張力を調整するように構成される。テンショニングアセンブリ302は、紐またはストラップのようなテンショニング部材の張力を調整するためのなんらかの適切な装置であってもよく、上述の「自動レーシング事件」に記載されたなんらかの装置または機構を含み得る。
【0038】
図5を参照して、テンショニングアセンブリ302のいくつかの構成要素が、ハウジングユニット304の一部の中に示されている。いくつかの実施形態において、ハウジングユニット304は、テンショニングアセンブリ302の構成要素の配置を最適化するように形作られ得る。一実施形態において、テンショニングアセンブリ302は、ほぼ直方体形状を有するハウジングユニット304を含む。しかし、ハウジングユニット304の形状および構成は、テンショニングシステム300内で使用されるテンショニングアセンブリのタイプおよび構成に従って変更されてもよいことを理解されたい。
【0039】
この実施形態において、テンショニングアセンブリ302は、モータ350に機械的に連結されたリール部材310を含む。いくつかの実施形態において、モータ350は、電気モータを含み得る。しかし、他の実施形態において、モータ350は、当技術分野で知られているあらゆる種類の非電気モータを含み得る。DCモータ(永久磁石モータ、ブラシ付きDCモータ、ブラシレスDCモータ、スイッチドリラクタンスモータなど)、ACモータ(例えば、摺動ロータ付きモータ、同期電気モータ、非同期電気モータ、誘導モータなど)、ユニバーサルモータ、ステッパーモータ、圧電モータ、および当技術分野で知られている他のあらゆる種類のモータを含む。
【0040】
モータ350は、テンショニングアセンブリ302の1つ以上の構成要素を駆動するために使用され得るクランクシャフト352をさらに含み得る。例えば、歯車354は、リール部材310に機械的に連結されてもよく、モータ350のクランクシャフト352によって駆動され得る。この構成では、リール部材310は、モータ350と連通して設けられ、中心軸を中心として双方向に回転し得る。
【0041】
参考のために、以下の詳細な説明は、中心軸周りの1つ以上の構成要素の回転方向を説明する際に、用語「第1の回転方向」および「第2の回転方向」を使用する。便宜上、第1の回転方向および第2の回転方向は、リール部材310のシャフト312の中心軸周りの回転方向を指し、概して逆向きの回転方向である。第1の回転方向は、シャフト312の第1の端部600の視点から構成要素を見るとき、中心軸周りの構成要素の反時計回りの回転を指し得る。その場合、第2の回転方向は、同じ視点から構成要素を見るとき、中心軸を中心とした構成要素の時計回りの回転によって特徴付け得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、テンショニングアセンブリ302は、モータ350に電力を供給するための手段を含み得、該手段は、電源360を含む。電源360は、テンショニングアセンブリ302およびモータ350に電力を供給して制御するように構成された、バッテリおよび制御ユニット(図示せず)の少なくともいずれか一方を含み得る。電源360は、モータ350およびテンショニングシステム302に電力を供給するために使用され得る1つ以上のタイプのバッテリ技術の、あらゆる適切なバッテリであり得る。使用可能なあり得る電池技術の1つは、リチウムポリマー電池である。バッテリ(単数または複数)は、充電式または交換式のユニットが可能であり、平らなもの、円筒形のもの、コイン型のものとしてパッケージされる。加えて、バッテリは、単一の電池、または直列または並列の電池であってもよい。他の適切なバッテリおよび電源の少なくともいずれか一方を電源360に使用し得る。
【0043】
図示の実施形態において、モータ350、電源360、リール部材310、クランクシャフト352、および歯車354は、すべて、テンショニングアセンブリ302内のこれらの構成要素のすべてを受け入れて保護するよう機能し得る制御ユニットまたは他の要素のような追加の構成要素とともに、ハウジングユニット304内に設けられる。しかし、他の実施形態において、これらの構成要素のうちのいずれか1つ以上を、アッパーとソール構造体の少なくともいずれか1つを含む履物品の他のいずれかの部分に配置し得る。
【0044】
ハウジングユニット304は、開口部305を含み、該開口部305は、紐340がリール部材310に連結するために、テンショニングアセンブリ302に入ることを可能にする。上述のように、紐340は、リール部材310の中央フランジ322の孔330を挿通し、リール部材310と相互連結する。紐340が中央フランジ322の孔330を通って設けられる場合、紐340は、中央フランジ322の一方の側に位置する第1の紐部分500と、中央フランジ322の反対側に位置する第2の紐部分502とを含み得る。このように、ハウジングユニット304の開口部305は、紐340の第1の紐部分500および第2の紐部分502の両方が、テンショニングアセンブリ302のハウジングユニット304の内側のリール部材310のまわりに巻かれ、巻き戻されることを可能にする。
【0045】
ここで
図6を参照して、リール部材310の例示的な実施形態の拡大図が示されている。この実施形態において、リール部材310は、リール部材310の長手方向の長さに沿って第1の端部600から第2の端部602まで延びる中心軸を有する。上述したように、リール部材310は、第1の回転方向にも反対の第2の回転方向にも中心軸周りを回転して、シャフト312の一部の周囲に紐340を巻くように、またはシャフト312の一部の周囲から紐340を巻き戻すように構成される。加えて、リール部材310は、ねじ603を含み得、該ねじ603は、第2の端部602に設けられており、該第2の端部602は、モータ350と連動するように、歯車354とクランクシャフト352の少なくともいずれか一方を含む、1つ以上の歯車アセンブリ構成要素と連結するように構成される。この構成により、モータ350は、リール部材310を第1の回転方向と第2の回転方向とに中心軸周りに回転させ得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、リール部材310は、第1の端部600に設けられたリードねじ605を含み得る。以下により詳細に説明するように、リードねじ605は、位置感知アセンブリの一部であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、リール部材310のシャフト312の各部分は、シャフト312から離れて拡がる複数のフランジを参照しつつ記述し得る。例えば、第1のシャフト部610は、第1の端部フランジ320と中央フランジ322との間に延び、第2のシャフト部612は、第2の端部フランジ324と中央フランジ322との間に延びる。シャフト312はまた、第1の端部フランジ320から第1の端部600まで延びる第3のシャフト部614と、第2の端部フランジ324から第2の端部602まで延びる第4のシャフト部616を含み得る。いくつかの実施形態において、ねじ603は、第4のシャフト部616に設けられてもよい。いくつかの実施形態において、リードねじ605は、第3のシャフト部614に設けられてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、複数のフランジの各々は、2つの対向する面を有し、該2つの対向する面は、リール部材310の対向する端部に向けられた表面を備える。例えば、第1の端部フランジ320は、シャフト312の第1の端部600に向けられた面を有する外面620と、第2の端部602に向けられた面を有する反対の内面621とを有する。同様に、第2の端部フランジ324は、第2の端部602に向けられた面を有する外面625と、シャフト312の第1の端部600に向けられた面を有する、反対の内面624とを有する。中央フランジ322は、第1の面622と反対側の第2の面623とを含む。中央フランジ322の第1の面622は、シャフト312の第1の端部600に向けられる表面を有し、該表面は、第1の端部フランジ320の内面621に対向する。中央フランジ322の第2の面623は、シャフト312の第2の端部602に向けられる表面を有し、該表面は、第2の端部フランジ324の内面624に対向する。
【0049】
例示的な実施形態において、中央フランジ322は、上述の孔330を含む。孔330は、中央フランジ322の第1の面622と第2の面623との間に延び、紐340が中央フランジ322の対向する側、すなわち両面の間に延びることを可能にする開口部を提供する。いくつかの実施形態において、中央フランジ322は、シャフト312から半径方向外側に延び、孔330は、中央フランジ322に設けられ、シャフト312から離間する。この実施形態において、孔330は、中央フランジ322の外周縁部に隣接して設けられる。異なる実施形態において、中央フランジ322の外周縁部と孔330の位置との間の距離は多様であってもよい。例えば、距離は、テンショニングアセンブリ302とモータ350の少なくともいずれか一方の回転速度に基づいて決定されてもよく、テンショニングシステム300内の所望の張力に基づいて決定され得る。
【0050】
図6に示すように、紐340が中央フランジ322の孔330を通って延びるとき、紐340は、中央フランジ322の一方の側に設けられた第1の紐部分500と、中央フランジ322の反対側に設けられた第2の紐部分502とを含み得る。この実施形態において、第1の紐部分500は、第1の面622に対応する中央フランジ322の側に設けられ、第2の紐部分502は、第2の面623に対応する中央フランジ322の側に設けられる。この構成により、紐340はリール部材310と相互に連結され得る。
【0051】
以下でさらに説明するように、リール部材310は、第1の回転方向に回転して紐340を巻き、または第2の回転方向に回転して紐340を巻き戻し、それによって、テンショニングシステム300を締め付け、または弛緩させるように動作し得る。例えば、自動操作または使用者の入力に基づくことを含み、リール部材310の回転を制御するために、モータ350と、テンショニングシステム300に関連する制御ユニットとの少なくともいずれか一方を使用し得る。テンショニングシステム300が締め付けられると、リール部材310は、回転し、紐340は、孔330において中央フランジ322に相互連結される。この回転により、第1の紐部分500と第2の紐部分502とは、中央フランジ322が対向するシャフト312の部分に巻き付けられる。具体的には、第1の紐部分500が第1のシャフト部610に巻き付けられ、第2の紐部分502が第2のシャフト部612に巻き付けられる。
【0052】
この実施形態において、中央フランジ322の第1の面622と第1の端部フランジ320の内面621とは、第1のシャフト部610の端部の境界、すなわち壁として機能し、テンショニングアセンブリ302によって紐340を巻いたり巻き戻したりする際に、リール部材310の第1のシャフト部610に第1の紐部分500を維持し続けることを補助する。同様に、中央フランジ322の第2の面623および第2の端部フランジ324の内面624は、第2のシャフト部612の端部の境界、すなわち壁として機能し、テンショニングアセンブリ302によって紐340を巻いたり巻き戻したりする際に、リール部材310の第2のシャフト部612に第2の紐部分502を維持し続けることを補助する。この構成では、第1の紐部分500と第2の紐部分502を含む紐340は、テンショニングシステム300の動作中に絡み合ったり、鳥の巣状になったりすることを防ぎ得る。
【0053】
図7は、リール部材310の断面図を示し、テンショニングシステム300内の紐340とリール部材310との相互連結を示す。この実施形態において、紐340の第1の紐部分500は、中央フランジ322の第1の面624の表面の孔330を通って延び、紐340の第2の紐部分502は、中央フランジ322の反対側にある第2の面623の表面の孔330から外側に延びる。この構成では、紐340は、中央フランジ322の孔330を介してリール部材310に相互連結され、リール部材310が中心軸周りに回転すると、第1の紐部分500が第1のシャフト部610に、第2の紐部分502が第2のシャフト部612の周りに、それぞれ巻き付けられるようにする。
【0054】
いくつかの実施形態において、テンショニングシステム300は、少なくとも締め付け状態と弛緩状態との間で制御されるように動作し得る。しかし、異なる実施形態において、テンショニングシステム300は、完全に締め付けた状態と完全に弛緩した状態との間にわたる張力の様々な程度、すなわち締め付け量に置かれるように制御され得ることを理解されたい。加えて、テンショニングシステム300は、予め定められた張力設定、あるいは使用者が規定する張力設定を含み得る。テンショニングシステム300が締め付け状態にあるかどうか、弛緩状態にあるかどうか、または締め付け状態と弛緩状態との間の状態にあるかどうかを決定するために、位置感知アセンブリが使用され得る。
図8および
図9は、弛緩状態(
図8)と締め付け状態(
図9)との間で操作されるテンショニングシステム300の例示的な実施形態を示す。テンショニングアセンブリ302を使用してテンショニングシステム300を締め付けたり弛緩させたりする方法は、テンショニングシステム300を締め付け状態から弛緩状態に弛緩させるために逆の順序で実行されてもよいことを理解されたい。
図10から
図13は、光感知ユニット520を使用して表示タブ510の位置を検知する位置感知アセンブリの例示的な実施形態を示す。表示タブ510の位置は、テンショニングシステム300の状態を示し得る。
【0055】
図8を参照して、同図は、弛緩状態のテンショニングシステム300の例示的な実施形態が示す。この実施形態において、着用者の足800は、最初に弛緩状態にあるテンショニングシステム300を備えた履物品100に挿入される。弛緩状態では、レーシングシステム130と複数のストラップ部材136とは、足800をアッパー120の内部空隙内に入れることができるように、解放されており、開位置にある。紐340は、レーシングシステム130のストラップ部材136に接続され、また、リール部材310の中央フランジ322の孔330を挿通することによって、テンショニングアセンブリ302のリール部材310に相互連結される。この構成では、リール部材310の一部の周りに紐340を巻くことにより、紐340に張力が生じ、レーシングシステム130の複数のストラップ部材136を閉位置に引っ張り、テンショニングシステム300が締め付け状態のときに、足800のまわりのアッパー120を締め付ける。
【0056】
図9は、締め付け状態にあるシステム300の例示的な実施形態を示す。この実施形態において、テンショニング装置302は、リール部材310を中心軸周りに第1の回転方向(例えば、反時計回り)に回転させて、紐340に張力を加え、テンショニングシステム300を締め付ける。紐340と孔330を通る中央フランジ322との相互連結により、リール部材310が第1の回転方向に回転すると、第1の紐部分500は、第1のシャフト部610の周りに巻き付けられ、第2の紐部分502が第2のシャフト部612の周りに巻き付く。張力は、紐340に加えられ、紐340から複数のストラップ部材136に伝達されて、テンショニングシステム300が締め付け状態にあるときに、レーシングシステム130を閉位置に移動させて、足800の周りにアッパー120を固定する。
【0057】
同様に、上述した
図8に示しているように、リール部材310の回転を反対の第2の回転方向にして、シャフト312の一部から紐340を巻き戻し、テンショニングシステム300を弛緩状態に戻し得る。加えて、いくつかの実施形態において、リール部材310の第2の回転方向への回転は、モータ350によって、紐340とストラップ部材136の少なくともいずれか一方または両方を手で引っ張る使用者によって、実行され得る。
【0058】
例示的な実施形態において、第1の回転方向であれ、第2の回転方向であれ、そのいずれかまたは両方におけるリール部材310の回転により、紐340が、リール部材310のシャフト312の一部の周りに概ね等しく巻き付けられ、または、巻き戻される。すなわち、テンショニングシステム300が締め付け状態にあるとき、第1のシャフト部610に巻き付けられた第1の紐部分500の量および第2のシャフト部612に巻き付けられた第2の紐部分502の量は、中央フランジ322の両側でほぼ等しくなる。同様に、紐340をリール部材310から巻き戻す際、テンショニングシステム300が締め付け状態から弛緩状態に置かれたとき、紐340の概ね等しい部分が中央フランジ322の両側から解かれる。すなわち、第1のシャフト部610から巻き戻されたまたは巻き出された第1の紐部分500の量と、第2のシャフト部612から巻き戻されまたは巻き出された第2の紐部分502の量とは、ほぼ等しい。
【0059】
どのくらいの紐がシャフト周りに巻かれるかを制御するために、位置感知アセンブリがテンショニングシステムに含まれ得る。
図5、ならびに、
図10から
図13を参照して、テンショニングシステム300は、位置感知アセンブリを有するものとして示されている。いくつかの実施形態において、位置感知アセンブリは、シャフトを含み得る。例えば、位置感知アセンブリは、第3のシャフト部614を含み得る。位置感知アセンブリのシャフトは、シャフト312の残余の部分と同じ回転軸周りに回転するように構成され得る。いくつかの実施形態において、シャフトは、シャフト312の残余の部分と一体であってもよい。他の実施形態において、シャフトは、シャフト312と第1の端部フランジ320の少なくともいずれか一方に接続された別部品であってもよい。いくつかの実施形態において、位置感知アセンブリのシャフトはリードねじであってもよい。例えば、
図5から
図13に示す位置感知アセンブリは、リードねじ605を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、位置感知アセンブリは、表示タブを含み得る。例えば、位置感知アセンブリは、表示タブ510を含み得る。いくつかの実施形態において、位置感知アセンブリは、光感知ユニット520を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、表示タブ510は、リードねじ605を受け入れるように構成された通路1300を有し得る。通路1300は、リードねじ605のねじ山と螺合可能なねじ山をさらに含み得る。表示タブ510の外部は、第1の光センサ540と第2の光センサ550とが以下に説明する方法で表示タブ510を検出することを可能にするなんらかの幾何学的形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、
図5および
図10から
図13に示すように、表示タブ510の外面は、直方体の形状を有し得る。別の例では、他の実施形態において、表示タブの外面は、円弧状、三角形状、または四角形状を有し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、表示タブ510は、表示タブ510の通路1300を含む部分から離れて延びる第1の部分1202を含み得る。
図13に示すように、第1の部分1202は、高さH1を有し得る。高さH1は、リードねじ605からの干渉なしに、光感知ユニット520が表示タブ510を検出するために十分な距離だけ第1の部分1202がリードねじ605を越えて延びるように選択され得る。光感知ユニット520によって検出された表示タブ510の一部は、検出可能な領域であってもよい。いくつかの実施形態において、通路1300を含む表示タブ510の一部は、第1のユニットであってよく、また第1の部分1202は、前記第1のユニットに取り付けられた第2のユニットであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、通路を含む表示タブの一部は、ナットであってもよく、表示タブの第1の部分は、前記ナットから延びるフラグ、タブ、または他の物であってもよい。いくつかの実施形態において、表示タブは、ナットであってもよい。
【0063】
表示タブ510は、ねじ付き通路1300を含む表示タブ510の一部から離れて延びる第2の部分1204を含み得る。
図13に示すように、第2の部分1204は、高さH2を有し得る。以下により詳細に説明する理由により、高さH2は、表示タブ510の表面1206がハウジングユニット304の底面510に接触するのに十分な距離だけ、リードねじ605を越えて第2の部分1204が延びるように選択され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、第2の部分1204は、検出可能領域であるとともにハウジングユニット304の表面に接触する部分であり得る。換言すれば、光感知ユニット520は、第1の部分1202の代わりに第2の部分1204を検出するように配置し得る。例えば、光感知ユニットは、
図13に示している光感知ユニット520の場合よりも、表面560の近くに配置し得る。より具体的な例では、光感知ユニットは、表面560と接触し得る。第2の部分1204が検知可能な領域である実施形態において、高さH1は、リードねじ605からの干渉なしに光感知ユニット520が表示タブ510を検出するのに十分な距離より第2の部分1204が短く延びるように選択され得る。加えて、そのような実施形態において、高さH2は、リードねじ605からの干渉なしに、光感知ユニット520が表示タブ510を検出するのに十分な距離だけ、リードねじ605を越えて第2の部分1204が延びるように選択され得る。
【0065】
光感知ユニット520は、ある物体が在ることを2つの異なる位置において検出することが可能であるとともに、物体が第1の位置にあるときと物体が第2の位置にあるときとを区別可能なあらゆる種類の光感知ユニットであり得る。例えば、光感知ユニット520は、第1の位置(
図10)を検出可能な第1の光センサ540と、第2の位置(
図11)を検出可能な第2の光センサ550とを含み得る。第1の光センサ540と第2の光センサ550は、物体が在ることを検出し得る。より具体的には、第1の光センサ540と第2の光センサ550は、表示タブ510が在ることを検出し得る。いくつかの実施形態において、第1の光センサ540は、該第1の光センサが第1の位置にある表示タブ510が在ることを検出できるように位置決めされ、指向され得る。例えば、
図13に示すように、第1の光センサ540は、表示タブ510が第1の位置にあるとき、第1の光センサ540が表示タブ510の検知可能領域を検出できるように、表示タブ510と垂直に位置合わせされ得る。いくつかの実施形態において、第2の光センサ550は、第2の光センサ550が第2の位置の表示タブ510が在ることを検出できるように位置決めされ、指向され得る。例えば、第2の光センサ550は、表示タブ510が第1の位置にあるとき、第2の光センサ550が表示タブ510の検知可能領域を検出できるように、表示タブ510と垂直に位置合わせされ得る。いくつかの実施形態において、
図10および
図11に示すように、第1の光センサ540は、第2の光センサ550が設けられた光感知ユニット520と同じ面に設けられ得る。このような構成では、第1の光センサ540と第2の光センサ550を並置し得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1の光センサ540は、第2の光センサ550と垂直に位置合わせされ得る。第1の光センサ540と第2の光センサ550との間の間隔については、動作光感知ユニット520とともに後述する。光感知ユニット520は、物体が第1の位置にあるときと物体が第2の位置にあるときの間を区別するよう構成され得る。例えば、光感知ユニット520は、物体が第1の位置にあるときと、物体が第2の位置にあるときとを区別するようにプログラムされたプロセッサに接続され得る。
【0066】
次に、位置感知アセンブリの動作の例示的な実施形態を説明する。第3のシャフト部614は、シャフト312の残余の部分と同じ回転軸周りを回転し得るので、第3のシャフト部614は、シャフト312が回転するのと同じ回数だけ回転し得る。したがって、第3のシャフト部614の回転は、シャフト312の回転に対応する。第3のシャフト部614が回転する間、ハウジングユニット304の表面560と表示タブ510の底面1206との間の接触は、表示タブ510がシャフト312と連れ回りすることを阻止し得る。第3のシャフト部614が回転すると、表示タブ510とねじ605との螺合は、ハウジングユニット304の表面560と表示タブ510の底面1206とが接触していることと相俟って、表示タブ510がねじ605に沿って直線状に第1の直線方向と、第1の直線方向とは反対の第2の直線方向との双方に進行させる。第1の直線方向は、中央フランジ322と第1の端部フランジ320との双方から離れる方向に指向し得る。第2の直線方向は、中央フランジ322と第1の端部フランジ320との双方に対向するように指向し得る。表示タブ510は、第1の位置(
図10)と第2の位置(
図11)との間でねじ605に沿って直線状に移動し得る。表示タブ510は、ねじ605に沿って第1の直線方向に第1の位置まで直線状に移動する(
図10)。表示タブ510は、ねじ605に沿って第2の直線方向に第2の位置に向かって直線状に移動する(
図11)。
【0067】
図10は、第1の位置にある表示タブ510を示す。表示タブ510は、表示タブ510が第1の直線方向に移動し得る限り、第1の位置に設けられる。いくつかの実施形態において、ハウジングユニット304の表面570は、表示タブ510がシャフト312の端部600から抜け出して第1の直線方向にさらに移動することを防止し得る。
【0068】
図11は、第2の位置にある表示タブ510を示す。表示タブ510は、表示タブ510が第2の直線方向に移動し得る限り、第2の位置に設けられる。いくつかの実施形態において、ねじ山がないこと、および、膨出領域640のより大きな直径があること、の少なくともいずれか一方は、表示タブ510が第2の直線方向にさらに移動することを防止し得る。例示的な実施形態は、第3のシャフト部614の膨出領域640を示しているが、表示タブ510が第2の直線方向にさらに移動することを防ぐために、膨出領域が設けられている場所にナットまたは他の物体を配置してもよいことが理解される。いくつかの実施形態において、膨出領域640を省略してもよく、その場合、第1の端部フランジ320は、表示タブ510が第2の直線方向にさらに移動することを防止し得る。
【0069】
第3のシャフト部614の直径、第3のシャフト部の長さ、およびねじ特性(例えば、ねじ山の角度、ねじ山のピッチ、および単位距離当たりのねじ山の数の少なくともいずれか1つ)の少なくともいずれか1つは、テンショニングシステム300の弛緩状態と締め付け状態に対応させて選択し得る。したがって、いくつかの実施形態において、
図10に示す表示タブ510の第1の位置は、
図8に示すテンショニングシステム300の完全弛緩状態に対応してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、
図11に示す表示タブ510の第2の位置は、
図9に示すテンショニングシステム300の完全締め付け状態に対応し得る。このように、ねじ605に沿った表示タブ510の位置は、紐340の相対的な張力を示し得る。
図10と
図11は、表示タブ510の最も際立った位置を示しているが、表示タブ510は、テンショニングシステム300の異なる度合いの張力を示す第1の位置と第2の位置との間の位置を有し得ることが理解される。
【0070】
図10から
図13は、光感知ユニット520がリードねじ605上に設けられた表示タブ510の位置をどのように検出するかを含む、光感知ユニット520の動作を示す。表示タブ510が第1の位置に設けられると、第1の光センサ540は、表示タブ510が在ることを検出し得る一方、第2の光センサ550は、表示タブ510が在ることを検出し得ない。言い換えれば、表示タブ510が在ることを検出する第1の光センサ540と表示タブ510が無いことを検出する第2の光センサ550との状態は、表示タブ510が第1の位置にあり、テンショニングシステム300が弛緩状態にあることを示し得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、表示タブ510が第2の位置に設けられると、第1の光センサ540は、表示タブ510が在ることを検出し得ず、第2の光センサ550は、表示タブ510が在ることを検出し得る。言い換えれば、表示タブ510が無いことを検出する第1の光センサ540と表示タブ510が在ることを検出する第2の光センサ550との状態は、表示タブ510が第2の位置にあり、テンショニングシステム300が締め付け状態にあることを示し得る。いくつかの実施形態において、表示タブ510の幅Wと、第1の光センサ540と第2の光センサ550との間の距離の少なくともいずれか一方は、第1の位置および第2の位置が上述のように検出されるように選択され得る。いくつかの実施形態において、表示タブ510の幅Wと、第1の光センサ540と第2の光センサ550との間の距離の少なくともいずれか一方は、第1の光センサ540と第2の光センサ550とが同時に表示タブ510が在ることを検出不能に選択し得る。いくつかの実施形態において、第1の光センサ540は、表示タブ510が第2の位置にあるとき、表示タブ510が第1の光センサ540の視線から外れるように、表示タブ510に対して配置または指向され得る。いくつかの実施形態において、第2の光センサ550は、表示タブ510が第1の位置にあるとき、表示タブ510が第2の光センサ550の視線から外れるように、表示タブ510に対して配置または指向され得る。
【0072】
他の実施形態において、表示タブ510の幅Wと、第1の光センサ540と第2の光センサ550との間の距離の少なくともいずれか一方は、第1の光センサ540と第2の光センサ550とが同時に表示タブ510が在ることを検出可能に選択し得る。そのような実施形態において、第1の光センサ540と第2の光センサ550の両方が同時に表示タブ510の存在を検出する状態は、表示タブ510が、第1の位置と第2の位置との間のところに位置し、そのため、テンショニングシステム300は、締め付け状態と弛緩状態の間の状態にあるということを示し得る。いくつかの実施形態において、第1の光センサ540と第2の光センサ550とはそれぞれ、各々のセンサを特定の方向に向けるように揺動し得る。
【0073】
表示タブ510の第1の位置を検出することによって、位置感知アセンブリは、紐がシャフト周りに巻き付けられているときと、巻き付けられていないときとを示す状態を検出し得る。これらの状態を検出することは、シャフト312の回転がいつ停止すべきかを判定することを支援し得る。シャフト312がいずれの紐にもないときにシャフト312を回転させないようにすることは、紐340が以前に巻いた回転方向とは反対の回転方向に紐340がシャフト312の周りに巻き始めることを防止し得る。シャフト312がいずれの紐にもないとき、シャフト312の回転を停止することは、紐を最弛緩状態にし得る。換言すれば、より少ない紐がシャフト312にあることは、より多くの紐がアッパー120の内側縁部134と外側縁部133との間に位置することを意味する。その結果、内側縁部134と外側縁部133とは、紐340がシャフト312から解かれるにつれて、さらに離間して設けられ得る。シャフト312にある紐が多くなればなるほど、内側縁部134と外側縁部133との間に位置する紐340の割合は少なくなる。その結果、紐340がシャフト312の周りに巻かれるにつれて、内側縁部134と外側縁部133とは、互いに近づき得る。一実施形態において、紐340は、より詳細に既述したが、レーシングシステム130の複数のストラップ部材136を動かし、レーシング領域132において対向する外側縁部133と内側縁部134とを互いに近づけて、アッパー120を締め付けるように構成し得る。
【0074】
図14は、例示的な実施形態において、テンショニングシステムと物品の少なくともいずれか一方を製造するためのフローチャートである。このフローチャートは、テンショニングシステム300と履物品100の少なくともいずれか一方に利用され得るが、同様に、あらゆる適切なシステム、物品、またはデバイスを製造するためにも利用され得る。
【0075】
ステップ1400において、リードねじがシャフトの第2の端部からリール部材まで延び、リール部材は中心軸周りに回転するように構成され、前記シャフトが第2の端部に対向する第1の端部を有し、前記リードねじが中心軸周りに回転するように構成される。リードねじは、中心軸周りに回転するように構成された第1の組のねじ山と、リードねじに取り付けられた表示タブとを含み、リードねじが中心軸周りを回転するときに、表示タブがリードねじに沿ってリードねじの第1の位置からリードねじの第2の位置まで直線状に移動できるようにする。一例では、表示タブを延ばすことは、表示タブを貫通する通路の第2の組のねじ山をリードねじの第1の組のねじ山に螺合させることと、表示タブが第1の位置にあるときには第1の光センサによって検出され、表示タブが第2の位置にあるときには第2の光検出器によって検出されるように、表示タブの第1の部分を通路から離反して延びるよう位置決めすることとを備える。
【0076】
一例において、表示タブを延ばすことは、表示タブの第2の部分を、第1の部分の反対側に通路から離反するように延ばすことを含む。一例において、第2の部分を延ばすことは、第2の部分をハウジングユニットの表面に接触させて、表面がリードねじの回転に連動して表示タブを回転させないようにすることを含む。
【0077】
ステップ1402において、光感知ユニットは、リードねじに隣接して設けられ、第1の位置および第2の位置のうちの1つにおいて表示タブの位置を検出するように構成される。一例では、リール部材は、光感知ユニットによって検知された際の表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによってテンショニングシステムを締め付けるように構成される。一例では、リードねじ、リール部材、表示タブ、および光感知ユニットは、テンショニングシステムを形成する。
【0078】
ステップ1404において、光感知ユニットを配置することは、第1の位置にある表示タブを検出するために第1の光センサを位置決めすることをさらに含む。一例では、光感知ユニットを位置決めすることは、第2の位置にある表示タブを検出しないように第1の光センサを位置決めすることを含む。一例では、第1の光センサを位置決めすることは、表示タブが第1の位置にあるときに第1の光センサが第2の部分を検出できるように第1の光センサを位置決めすることを含む。
【0079】
ステップ1406において、光感知ユニットを配置することは、第2の位置にある表示タブを検出するために第2の光センサを位置決めするステップをさらに含む。一例では、光感知ユニットを配置するステップは、第1の位置にある表示タブを検出しないように第2の光センサを位置決めするステップを備える。
【0080】
ステップ1408において、履物品は、アッパーをソール構造に固定し、アッパーとソール構造の少なくとも一方に対してテンショニングシステムを固定することによって形成される。
【0081】
態様例
例1における履物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造と、アッパーおよびソール構造のうちの1つの中に設けられたテンショニングシステムとを含み、テンショニングシステムは、中心軸周りに回転するように構成されたリール部材であって、第1の端部から第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有する、リール部材と、シャフトの第2の端部から延び、第1の組のねじ山を有するリードねじであって、中心軸周りに回転するように構成される、リードねじと、リードねじが中心軸周りを回転するときに、表示タブがリードねじに沿ってリードねじの第1の位置からリードねじの第2の位置まで直線状に移動できる、リードねじに装着される表示タブと、リードねじに隣接して設けられ、第1の位置および第2の位置のうちの1つにおいて表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットとを含み、リール部材は、光感知ユニットによって検出された表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによってテンショニングシステムを締め付けるように構成される。
【0082】
例2において、例1の履物品は、選択的に、第1の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサと、第2の位置にある表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサとをさらに含む。
【0083】
例3において、例1および例2のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、第1の光センサが第2の位置にある表示タブを検出しないように位置決めされることをさらに含む。
例4において、例1から例3のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、第2の光センサが第1の位置にある表示タブを検出しないように位置決めされることをさらに含む。
【0084】
例5において、例1から例4のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが、表示タブを貫通し、リードねじの第1の組のねじ山と螺合する第2の組のねじ山を有する通路と、通路から離反して延びるとともに、表示タブが第1の位置にあるときに第1の光センサによって検出され、かつ、表示タブが第2の位置にあるときに第2の光検出器によって検出されるように位置決めされる第1の部分とを備えることをさらに含む。
【0085】
例6において、例1から例5のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが、通路から第1の部分の反対側に延びる第2の部分を含むことをさらに含む。
例7において、例1から例6のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、第2の部分をハウジングユニットの表面に接触させて、表面がリードねじの回転に連動して表示タブを回転させないようにすることをさらに含む。
【0086】
例8において、例1から例7のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが第1の位置にあるときには、第1の光センサが第2の部分を検出できるように第1の光センサが設けられることをさらに含む。
【0087】
例9において、例1から例8のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが第1の位置にあるときにはリードねじの終端に配置されるとともに、表示タブが第2の位置にあるときにはリードねじの終端よりもシャフトの第2の端部の近傍に配置されることをさらに含む。
【0088】
例10において、例1から例9のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが、シャフトの第2の端部から最も遠いリードねじ上の地点に配置されるときには、表示タブは第1の位置にあることをさらに含む。
【0089】
例11において、例1から例10のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、表示タブが、シャフトの第2の端部に最も近いリードねじ上の地点に配置されるときには、表示タブは第2の位置にあることをさらに含む。
【0090】
例12において、例1から例11の1つ以上の履物品は、選択的に、第1の位置が、テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、第2の位置が、テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示すことをさらに含む。
【0091】
例13において、例1から例12の1つ以上の履物品は、選択的に、光感知ユニットが、第1の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサを備えることをさらに含む。
【0092】
例14において、例1から例13のいずれか1つ以上の履物品は、選択的に、光感知ユニットが、第2の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備えることをさらに含む。
【0093】
例15におけるテンショニングシステムは、中心軸周りに回転するように構成されたリール部材であって、第1の端部から第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有する、リール部材と、シャフトの第2の端部から延び、第1の組のねじ山を有するリードねじであって、中心軸周りに回転するように構成される、リードねじと、リードねじが中心軸周りを回転するにつれて、リードねじに沿ってリードねじ上の第1の位置からリードねじ上の第2の位置まで直線状に移動できるように、リードねじ上に装着される表示タブと、リードねじに隣接して設けられ、第1の位置と第2の位置のうちの一方において表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットと、を備え、リール部材は、光感知ユニットによって検出された際の表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによって締め付けられるように構成される。
【0094】
例16において、例15のテンショニングシステムは、選択的に、光感知ユニットが、第1の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサと、第2の位置にある表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサとを含むことをさらに備える。
【0095】
例17において、例15および例16のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、第1の光センサが第2の位置の表示タブを検出しないように位置決めされていることをさらに含む。
【0096】
例18において、例15から例17のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、第2の光センサが、第1の位置の表示タブを検出しないように位置決めされていることをさらに含む。
【0097】
例19において、例15から例18のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、表示タブが、表示タブを貫通し、リードねじの第1の組のねじ山と螺合する第2の組のねじ山を有する通路と、通路から離反して延びるとともに、表示タブが第1の位置にあるときに第1の光センサによって検出され、かつ、表示タブが第2の位置にあるときに第2の光検出器によって検出されるように位置決めされる第1の部分とを備えることをさらに含む。
【0098】
例20において、例15から例19のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、表示タブが、通路から第1の部分の反対側に延びる第2の部分を備えることをさらに含む。
【0099】
例21において、例15から例20のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、ハウジングユニットの表面が表示タブのリードねじとの連れ回りを規制するように、第2の部分が表面に接触することをさらに含む。
【0100】
例22において、例15から例21のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、第1の光センサが、表示タブが第1の位置にあるときには第1の光センサが第2の部分を検出できるように位置決めされることをさらに含む。
【0101】
例23において、例15から例22のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、表示タブが、第1の位置にあるときには、リードねじの終端に配置され、表示タブが、第2の位置にあるときには、リードねじの終端よりもシャフトの第2の端部の近傍に配置されることをさらに含む。
【0102】
例24では、例15から例23のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、表示タブが、シャフトの第2の端部から最も遠いリードねじ上の地点に配置されるときには、表示タブは第1の位置にあることをさらに含む。
【0103】
例25において、例15から例24のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、表示タブが、シャフトの第2の端部に最も近いリードねじ上の地点に配置されるときには、表示タブは第2の位置にあることをさらに含む。
【0104】
例26において、例15から例25のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、第1の位置が、テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、第2の位置は、テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示すことをさらに含む。
【0105】
例27において、例15から例26のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、光感知ユニットが、第1の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサを備えることをさらに含む。
【0106】
例28において、例15から例27のいずれか1つ以上のテンショニングシステムは、選択的に、光感知ユニットが、第2の位置で表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備えることをさらに含む。光感知ユニットが、第2の位置の表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備えることをさらに含む。
【0107】
例29における方法は、リール部材のシャフトの第2の端部からリードねじを延ばすステップであって、リール部材は、中心軸周りに回転するように構成され、シャフトは、第2の端部に対向する第1の端部を有し、リードねじは、中心軸周りに回転するように構成され、かつ、リードねじは、中心軸周りを回転するよう構成される第1の組のねじ山と、リードねじが中心軸周りを回転するにつれて、当該リードねじに沿って当該リードねじの第1の位置から当該リードねじの第2の位置まで直線状に移動できるように、リードねじ上に装着される表示タブと、を含む、リードねじを延ばすステップと、リードねじに隣接して、第1の位置と第2の位置のうちの一方において表示タブの位置を検出するように構成された光感知ユニットを設けるステップと、を備え、リール部材は、光感知ユニットによって検知された際の表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによってテンショニングシステムを締め付けるように構成される。
【0108】
例30において、例29の方法は、選択的に、光感知ユニットを配置するステップは、第1の位置で表示タブを検出する第1の光センサを位置決めするステップと、第2の位置にある表示タブを検出する第2の光センサを位置決めするステップと、を備えることをさらに含む。
【0109】
例31において、例29および例30のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、光感知ユニットを配置するステップが、第2の位置にある表示タブを検出しないように第1の光センサを位置決めするステップを備えることをさらに含む。
【0110】
例32において、例29から31のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、光感知ユニットを配置するステップが、第1の位置にある表示タブを検出しないように第2の光センサを位置決めするステップを備えることをさらに含む。
【0111】
例33において、例29から32のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、表示タブを延ばすステップが、表示タブを貫通する通路の第2の組のねじ山をリードねじの第1の組のねじ山に螺合させるステップと、表示タブが第1の位置にあるときには第1の光センサによって検出され、表示タブが第2の位置にあるときには第2の光検出器によって検出されるように、通路から離反して延びる、表示タブの第1の部分を位置決めするステップと、を備えることをさらに含む。
【0112】
例34において、例29から例33のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、表示タブを延ばすステップは、第1の部分の反対側へ通路から離反するように表示タブの第2の部分を、延ばすことを備えることをさらに含む。
【0113】
例35において、例29から例34のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、第2の部分を延ばすステップは、ハウジングユニットの表面が表示タブのリードねじとの連れ回りを規制するように、第2の部分が表面に接触することをさらに含む。
【0114】
例36において、例29から例35のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、第1の光センサを位置決めするステップが、表示タブが第1の位置にあるときには第1の光センサが第2の部分を検出できるように第1の光センサを位置決めするステップを備えることをさらに含む。
【0115】
例37において、例29から例36のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、光感知ユニットを配置するステップが、第1の位置で表示タブを検出する第1の光センサを位置決めするステップを備えることをさらに含む。
【0116】
例38において、例29から例37のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、光感知ユニットを配置するステップが、第2の位置にある表示タブを検出する第2の光センサを位置決めするステップを備えることをさらに含む。
【0117】
例39において、例29から38のいずれか1つ以上の方法は、選択的に、リードねじと、リール部材と、表示タブと、光感知ユニットとは、テンショニングシステムを形成するものであり、アッパーをソール構造に固定し、アッパーとソール構造のうちの少なくとも一方に対してテンショニングシステムを固定することによって、履物品を形成するステップとをさらに備えることをさらに含む。
【0118】
例40における方法は、第1の端部から第1の端部に対向する第2の端部まで延びるシャフトを有するリール部材を、中心軸周りに回転するように回転させるステップと、シャフトの第2の端部から延びるとともに第1の組のねじ山を有するリードねじに隣接して設けられた光感知ユニットによって、第1の位置と第2の位置との一方において表示タブの位置を検出するステップであって、リードねじは、中心軸周りに回転するように構成され、表示タブは、リードねじが中心軸周りを回転するにつれて、リードねじに沿ってリードねじの第1の位置からリードねじの第2の位置まで直線状に移動できるように前記リードねじ上に装着された表示タブの位置を検出するステップと、第1の位置と第2の位置のうちの一方において表示タブを検出したことに基づいてリール部材の回転を止めるステップと、を含む。
【0119】
本発明の様々な実施形態について説明したが、説明は限定ではなく例示的なものを意図しており、本発明の範囲内にあるより多くの実施形態および実施が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその等価物に照らして制限されるものではない。また、添付の特許請求の範囲の範囲内で様々な修正および変更を行うことが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーと、
前記アッパーに取り付けられたソール構造と、
前記アッパーと前記ソール構造とのうちの一方の内部に設けられたテンショニングシステムと、を備える履物品であって、
前記テンショニングシステムは、
中心軸周りに回転するように構成されたリール部材と、
前記リール部材に関して装着された表示タブであって、前記表示タブは、前記リール部材が前記中心軸周りを回転するにつれて、第1の位置から第2の位置まで直線状に移動可能である、表示タブと、
前記表示タブに隣接して設けられた光感知ユニットであって、前記第1の位置と前記第2の位置とのうちの一方にある前記表示タブの位置を前記表示タブへの直接の視線によって検出するように構成された光感知ユニットと、
を含み、
前記リール部材は、前記光感知ユニットによって検知された際の前記表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによって前記テンショニングシステムを締め付けるように構成される、
履物品。
【請求項2】
前記光感知ユニットは、
前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサと、
前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサと、
を備える、請求項1に記載の履物品。
【請求項3】
前記第1の光センサは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項2に記載の履物品。
【請求項4】
前記第2の光センサは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項3に記載の履物品。
【請求項5】
前記表示タブは、
前記表示タブを貫通する通路と、
前記通路から離反して延びる第1の部分であって、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサによって検出され、かつ、前記表示タブが前記第2の位置にあるときには前記第2の光センサによって検出されるように位置決めされる第1の部分と、
を備える、請求項4に記載の履物品。
【請求項6】
前記表示タブは、前記通路から離反して前記第1の部分の反対側に延びる第2の部分を含む、請求項5に記載の履物品。
【請求項7】
ハウジングユニットの表面が前記表示タブの前記リール部材との連れ回りを規制するように、前記第2の部分が前記表面に接触する、請求項6に記載の履物品。
【請求項8】
前記第1の光センサは、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサが前記第2の部分を検出できるように位置決めされる、請求項7に記載の履物品。
【請求項9】
前記第1の位置は、前記テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、前記第2の位置は、前記テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示す、請求項1に記載の履物品。
【請求項10】
前記光感知ユニットは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第1の光センサを備える、請求項1に記載の履物品。
【請求項11】
前記光感知ユニットは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出するように位置決めされた第2の光センサを備える、請求項10に記載の履物品。
【請求項12】
履物品を作成する方法であって、
ソール構造をアッパーに取り付けることと、
テンショニングシステムを作成することと、を含み、
前記テンショニングシステムを作成することは、
中心軸周りに回転するようにリール部材を構成することと、
前記リール部材に関して表示タブを装着することであって、前記表示タブは、前記リール部材が前記中心軸周りを回転するにつれて、第1の位置から第2の位置まで直線状に移動可能である、ことと、
前記表示タブに隣接して光感知ユニットを設けることであって、前記光感知ユニットは、前記第1の位置と前記第2の位置とのうちの一方にある前記表示タブの位置を前記表示タブへの直接の視線によって検出するように構成される、ことと、
によって実行され、
前記リール部材は、前記光感知ユニットによって検知された際の前記表示タブの位置に少なくとも部分的に基づいて、シャフト周りに紐を巻き付けることによって前記テンショニングシステムを締め付けるように構成され、
前記方法は更に、前記アッパーと前記ソール構造とのうちの一方の内部に前記テンショニングシステムを設けることを含む、
方法。
【請求項13】
前記光感知ユニットを設けることは、
前記第1の位置にある前記表示タブを検出する第1の光センサを位置決めすることと、
前記第2の位置にある前記表示タブを検出する第2の光センサを位置決めすることと、
を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の光センサは、前記第2の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の光センサは、前記第1の位置にある前記表示タブを検出しないように位置決めされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記表示タブは、
前記表示タブを貫通する通路と、
前記通路から離反して延びる第1の部分であって、前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサによって検出されるよう位置決めされ、かつ、前記表示タブが前記第2の位置にあるときには前記第2の光センサによって検出されるように位置決めされる第1の部分と、
を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記表示タブは、前記第1の部分の反対側へ前記通路から離反するように延びる第2の部分を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ハウジングユニットの表面が前記表示タブの前記リール部材との連れ回りを規制するように、前記第2の部分は前記表面に接触する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記表示タブが前記第1の位置にあるときには前記第1の光センサが前記第2の部分を検出できるように、前記第1の光センサは位置決めされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の位置は、前記テンショニングシステムが弛緩状態にあることを示すとともに、前記第2の位置は、前記テンショニングシステムが締め付け状態にあることを示す、請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】