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特開2022-160497ロータ位置感知装置およびこれを含むモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160497
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】ロータ位置感知装置およびこれを含むモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/215 20160101AFI20221012BHJP
【FI】
H02K11/215
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116665
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2019512233の分割
【原出願日】2017-09-05
(31)【優先権主張番号】10-2016-0114082
(32)【優先日】2016-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0175775
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シュンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナムフーン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一部のセンサが故障しても駆動が可能な、ロータ位置感知装置およびこれを含むモータを提供する。
【解決手段】センシングマグネット410および、基板を含み、前記センシングマグネット410はメインマグネット411とサブマグネットを含み、前記基板は同一の円形軌道上に配置される第1センサS1,S3および第2センサS2,S4を含み、前記第1センサS1,S3は複数個の第1ホールセンサH1を含み、前記第2センサS2,S4は複数個の第2ホールセンサH2を含み、前記第1ホールセンサH1は前記円形軌道上の円周に沿って第1角度だけ離れて配置され、前記第2ホールセンサH2は前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度だけ離れて配置され、隣り合う前記第1ホールセンサH1と前記第2ホールセンサH2は前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度と異なる第2角度だけ離れて配置される、ロータ位置感知装置を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸;
前記中心軸と結合するマグネット;
前記マグネットと対応するように配置されるセンサー部を含み、
前記センサー部は基板と、前記基板上に配置される第1ホールセンサーと第3ホールセンサーを含む第1グループと、第2ホールセンサーと第4ホールセンサーを含む第二グループを含み、
前記中心軸を基準として前記第1ホールセンサーと前記第3ホールセンサーは半径方向にオーバーラップされるように配置され、
前記中心軸を基準として前記第2ホール センサーと前記第4ホールセンサーは 半径方向にオーバーラップされるように配置される、モーター。
【請求項2】
中心軸;
前記中心軸と結合するマグネット;
前記マグネットと対応するように配置されるセンサー部を含み、
前記センサー部は基板、前記基板上に配置される第1ホールセンサーと第3ホールセンサーを含む第1グループと、第2ホールセンサーと第4ホールセンサーを含む第2グループを含み、
前記第1グループの前記複数のホールセンサーは前記中心軸を中心に第1円周上に配置される少なくとも3つの第1ホールセンサーと第2周上に配置される少なくとも2つの第3ホールセンサーを含み、
前記第2グループの前記複数のホールセンサーは前記第1円周上に配置される少なくとも3つの第2ホールセンサーと前記第2周上に配置される少なくとも2つの第4ホールセンサー含む、モーター。
【請求項3】
中心軸;
前記中心軸と結合するマグネット;
前記マグネットと対応するように配置されるセンサー部を含み、
前記センサ部は、基板と、前記基板に配置された第1ホールセンサと第3ホールセンサとを含む第1グループと、第2ホールセンサと第4ホールセンサとを含む第2グループとを含み、
前記中心軸を基準に前記第1ホールセンサと前記第3ホールセンサは半径方向にオーバーラップされるように配置され、前記中心軸を基準に前記第2ホールセンサと前記第4ホールセンサは半径方向にオーバーラップされるように配置され、
前記第1のグループは第1領域に配置され、第2グループは前記第1領域と離隔された第2領域に配置される、モーター。
【請求項4】
前記第1ホールセンサおよび前記第2ホールセンは、前記中心軸を基準として第1円周上に少なくとも3つずつそれぞれ配置され、
前記第3ホールセンサおよび第4ホールセンサは、前記中心軸を基準にして第2円周上に少なくとも2つずつそれぞれ配置される、請求項1に記載のモーター。
【請求項5】
前記中心軸を基準として、前記3つの第1ホールセンサのうちの少なくとも一つは、前記2つの第3ホールセンサのうちの少なくとも一つと半径方向にオーバーラップされ、
前記中心軸を基準として、前記3つの第2ホールセンサのうちの少なくとも 一 つは、前記2つの第4ホールセンサのうちの少なくとも一つと半径方向にオーバーラップされる、請求項4に記載のモーター。
【請求項6】
中心軸;
前記中心軸と結合するマグネット;
前記マグネットに対応するように配置されたセンサ部を含み、
前記センサ部は、基板と、前記基板に配置された複数のセンサをそれぞれ含む 第1グループと第2グループを含み、
前記第1グループの複数のセンサは、前記中心軸を基準として第1円周上に配置される少なくとも3つの第1ホールセンサと、前記中心軸を基準として第2円周上に配置される少なくとも2つの第2ホールセンサーであり、
前記第2グループの複数のセンサは、前記中心軸を基準として第1円周上に配置される少なくとも3つの第2ホールセンサと、前記中心軸を基準として第2円周上に配置される少なくとも2つの第4ホールセンサーであり、
前記中心軸を基準とする円周上で、第1グループの隣接する2つの第1ホールセンサ間の距離は、第1グループと第2グループの距離より小さい、モータ。
【請求項7】
前記第1グループと前記第2グループは、前記中心軸を基準として円周方向に空間的に離間して配置される、請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
第2円周第の半径は第1円周の半径より大きい、 請求項3又は請求項6に記載のモータ。
【請求項9】
前記第1円周上で前記3つの第1ホールセンサ間間隔と前記3つの第2ホールセンサ間間隔は第1距離であり、
前記第1円周上で前記3つの第1ホールセンサのうちの前記第2グループに隣接する第1ホールセンサと前記3つの第2ホールセンサのうちの前記第1グループに隣接する第2ホールセンサとの間隔は第2距離である、請求項6に記載のモータ。
【請求項10】
中心軸;
前記中心軸と結合するマグネット;
前記マグネットに対応するように配置されたセンサ部を含み、
前記センサ部は基板と、前記中心軸を基準として第1円周上に配置される複数の第1センサー及び複数の第2センサーと、前記中心軸を基準として第2円周上に配置される複数の第3センサ及び複数の第4センサーを含み、
前記 第2円周の半径は前記第1円周の半径より大きく、
前記複数の第1センサーと前記複数の第3センサーは第1グループを形成し、
前記複数の第2センサーと前記複数の第4センサーは第2グループを形成し、
前記第3センサの少なくともいずれかは、前記第1センサのいずれかと周方向に同じ位置に配置される、モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はロータ位置感知装置およびこれを含むモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、モータはロータとステータの電磁的相互作用によってロータが回転することになる。この時、ロータに挿入された回転軸も回転することになり回転駆動力を発生させる。
【0003】
ロータ位置感知装置として、モータの内側には磁気素子を含むセンサが配置される。センサはロータと回転連動可能に設置されたセンシングマグネットの磁力を感知してロータの現在の位置を把握する。
【0004】
一般的に、3相ブラシレス(brushless)モータの場合、このようなセンサが少なくとも3個必要である。U、V、W相の情報を得る3個のセンシングシグナルが必要であるためである。しかし、3個のセンサのうち一つでも故障すれば、ロータ位置感知装置全体の駆動ができない問題点がある。特に、センサの故障が頻繁であるということを考慮すると、一つのセンサの故障によってロータ位置感知装置の全体を取り換えなければならないため、経済的損失が大きいという問題点がある。
【0005】
また、追加としてロータ位置感知装置を設置する場合、追加されたロータ位置感知装置は、既存のロータ位置感知装置が設置された領域と異なる領域に別途に設置されなければならない。これは、センシングマグネットと追加のロータ位置感知装置のセンサとが整列されなければならないためである。しかし。このようなロータ位置感知装置は、追加されるセンサの配置および基板の設計が複雑であり、空間上の制約が大きい問題がある。
【0006】
一方、センシングマグネットの着磁精密度の限界によりセンシングシグナルの分解能が低いため、ロータの現在位置を精密に把握し難いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施例は前記の問題点を解決するためのものであって、一部のセンサが故障しても駆動が可能な、ロータ位置感知装置およびこれを含むモータを提供することをその目的とする。特に、既存の別途の追加の構造なしに既存のPCB上で駆動が可能な、ロータ位置感知装置およびこれを含むモータを提供することをその目的とする。
【0008】
また、実施例は、センサを追加することなく、センシングシグナルの分解能を高めることができる、ロータ位置感知装置およびこれを含むモータを提供することをその目的とする。
【0009】
また、実施例は、追加の構造なしに既存の基板上で2チャネルを具備した、ロータ位置感知装置およびこれを含むモータを提供することをその目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に限定されず、ここで言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための実施例は、センシングマグネットおよび、前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットを含み、前記基板は前記センシングマグネットの中心を基準として、同一の円形軌道上に配置される第1センサおよび第2センサを含み、前記第1センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第2ホールセンサを含み、前記複数個の第1ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って第1角度だけ離れて配置され、前記複数個の第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度だけ離れて配置され、隣り合う前記第1ホールセンサと前記第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度と異なる第2角度だけ離れて配置されるロータ位置感知装置を提供することができる。
【0012】
好ましくは、前記第1センサおよび前記第2センサは、前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記メインマグネットと対応するように配置され得る。
【0013】
好ましくは、前記第1角度は下記の数学式1によって算出されるR1であり得る。
【0014】
<数式1>
R1=R0/3
R0=360°/(N/2)
【0015】
ここで、R1は第1角度であり、R0は電気角度であり、Nは前記メインマグネットの極数である。
【0016】
好ましくは、前記第2角度は、下記の数学式2によって算出されるR2であり得る。
【0017】
<数式2>
R2=R1±R0’/(N/2)
【0018】
ここで、R2は第2角度であり、R1は前記第1角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記メインマグネットの極数である。
【0019】
好ましくは、前記第1センサは3個の前記第1ホールセンサを含み、前記第2センサは3個の前記第2ホールセンサを含むことができる。
【0020】
好ましくは、前記メインマグネットの極数が6であれば、前記第2角度は10°であり得る。
【0021】
好ましくは、前記第1センサおよび前記第2センサは、前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記サブマグネットと対応するように配置され得る。
【0022】
好ましくは、前記第1角度は下記の数学式3によって算出されるR1であり得る。
【0023】
<数式3>
R1=R0×n+R3/(N/2)(nは整数)
R0=360°/(N/2)
【0024】
ここで、R1は第1角度であり、R0は電気角度であり、R3は分解能角度、Nは前記サブマグネットの極数である。
【0025】
好ましくは、前記第2角度は、下記の数学式4によって算出されるR2であり得る。
【0026】
<数式4>
R2=R1±R0’/(N/2)
【0027】
ここで、R2は第2角度であり、R1は前記第1角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記サブマグネットの極数である。
【0028】
好ましくは、前記第1センサは2個の前記第1ホールセンサを含み、前記第2センサは2個の前記第2ホールセンサを含むことができる。
【0029】
好ましくは、前記サブマグネットの極数が72であれば、前記第2角度は10°×n+2.5°に1.25°を足した値であり得る。ここで、nは整数である。
【0030】
前記目的を達成するための他の実施例は、センシングマグネットおよび、前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットを含み、前記基板は前記センシングマグネットの中心を基準として、同一の円形軌道上に配置される第1センサおよび第2センサを含み、前記第1センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第2ホールセンサを含み、前記複数個の第1ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って第3角度だけ離れて配置され、前記複数個の第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第3角度だけ離れて配置され、前記第2センサは前記円形軌道の中心を通る基準線を基準として、前記第1センサと対称となる位置で前記円形軌道の円周に沿って第4角度だけシフトされた位置に配置される、ロータ位置感知装置を提供することができる。
【0031】
好ましくは、前記第1センサおよび前記第2センサは、前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記メインマグネットと対応するように配置され得る。
【0032】
好ましくは、前記第3角度は下記の数学式5によって算出されるR3であり得る。
【0033】
<数式5>
R3=R0/3
R0=360°/(N/2)
【0034】
ここで、R3は第3角度であり、R0は電気角度であり、Nは前記メインマグネットの極数である。
【0035】
好ましくは、前記第4角度は、下記の数学式6によって算出されるR4であり得る。
【0036】
<数式6>
R4=R3±R0’/(N/2)
【0037】
ここで、R4は第4角度であり、R3は前記第3角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記メインマグネットの極数である。
【0038】
好ましくは、前記第1センサは3個の前記第1ホールセンサを含み、前記第2センサは3個の前記第2ホールセンサを含むことができる。
【0039】
好ましくは、前記メインマグネットの極数が6であれば、前記第4角度は10°であり得る。
【0040】
好ましくは、前記第1センサおよび前記第2センサは、前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記サブマグネットと対応するように配置され得る。
【0041】
好ましくは、前記第3角度は下記の数学式7によって算出されるR3であり得る。
【0042】
<数式7>
R3=R0n+R3’/(N/2)(nは整数)
R0=360°/(N/2)
【0043】
ここで、R3は第3角度であり、R0は電気角度であり、R3’分解能角度であり、Nは前記サブマグネットの極数である。
【0044】
好ましくは、前記第4角度は、下記の数学式8によって算出されるR4であり得る。
【0045】
<数式8>
R4=R3±R0’/(N/2)
【0046】
ここで、R4は第4角度であり、R3は前記第3角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記サブマグネットの極数である。
【0047】
好ましくは、前記第1センサは2個の前記第1ホールセンサを含み、前記第2センサは2個の前記第2ホールセンサを含むことができる。
【0048】
好ましくは、前記サブマグネットの極数が72であれば、前記第4角度は1.25°であり得る。
【0049】
前記目的を達成するための他の実施例は、回転軸と、前記回転軸が配置されるホールを含むロータおよび前記ロータの外側に配置されるステータと、前記ロータの上側に配置されるロータ位置感知装置を含み、前記ロータ位置感知装置は、センシングマグネットおよび、前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットを含み、前記基板は前記センシングマグネットの中心を基準として、同一の円形軌道上に配置される第1センサおよび第2センサを含み、前記第1センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第2ホールセンサを含み、前記複数個の第1ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って第1角度だけ離れて配置され、前記複数個の第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度だけ離れて配置され、隣り合う前記第1ホールセンサと前記第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第1角度と異なる第2角度だけ離れて配置される、モータを提供することができる。
【0050】
前記目的を達成するための他の実施例は、回転軸と、前記回転軸が配置されるホールを含むロータおよび前記ロータの外側に配置されるステータと、前記ロータの上側に配置されるロータ位置感知装置を含み、前記ロータ位置感知装置は、センシングマグネットおよび、前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットを含み、前記基板は前記センシングマグネットの中心を基準として、同一の円形軌道上に配置される第1センサおよび第2センサを含み、前記第1センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは前記円形軌道上で隣り合う複数個の第2ホールセンサを含み、前記複数個の第1ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って第3角度だけ離れて配置され、前記複数個の第2ホールセンサは前記円形軌道上の円周に沿って前記第3角度だけ離れて配置され、前記第2センサは前記円形軌道の中心を通る基準線を基準として、前記第1センサと対称となる位置で前記円形軌道の円周に沿って第4角度だけシフトされた位置に配置されるモータを提供することができる。
【0051】
実施例は、センシングマグネットおよび前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットと、前記基板は第1センサ、第2センサおよび第3センサを含み、前記第1センサ、前記第2センサおよび前記第3センサは前記センシングマグネットの中心を基準として、互いに異なる円形軌道上にそれぞれ配置される、ロータ位置感知装置を提供することができる。
【0052】
好ましくは、前記第1センサは前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記サブマグネットと対応するように配置され得る。
【0053】
好ましくは、前記第2センサおよび前記第3センサは前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記メインマグネットと対応するように配置され得る。
【0054】
好ましくは、前記第2センサは複数個の第2ホールセンサを含み、前記第3センサは複数個の第3ホールセンサを含み、前記第2ホールセンサと前記第3ホールセンサは前記センシングマグネットの円周方向を基準として整列配置され得る。
【0055】
好ましくは、前記第2センサと前記第3センサは並列に連結され得る。
【0056】
好ましくは、前記第1センサは4個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは3個の第2ホールセンサを含み、前記第3センサは3個の第3ホールセンサを含むことができる。
【0057】
好ましくは、前記基板は前記第1センサと前記第2センサと前記第3センサと連結される制御部を含み、前記制御部は前記第2センサおよび前記第3センサのうちいずれか一つが故障と判断されると、他の一つのセンシングシグナルに基づいてロータの位置を感知することができる。
【0058】
他の実施例は、回転軸と、前記回転軸が配置されるホールを含むロータとおよび前記ロータの外側に配置されるステータと、前記ロータの上側に配置されるロータ位置感知装置を含み、前記ロータ位置感知装置は、センシングマグネットおよび、前記センシングマグネットの上側に配置される基板を含み、前記センシングマグネットはメインマグネットとサブマグネットと、前記基板は第1センサ、第2センサおよび第3センサを含み、前記第1センサ、前記第2センサおよび前記第3センサは前記センシングマグネットの中心を基準として、互いに異なる円形軌道上にそれぞれ配置され得る。
【0059】
好ましくは、前記ロータはロータコアおよび前記ロータコアの外周面を囲んで配置される複数個のマグネットを含むことができる。
【0060】
好ましくは、前記ロータコアと前記マグネットを収容する缶部材をさらに含むことができる。
【0061】
好ましくは、前記複数個のマグネットは前記ロータコアの外周面に1段で配置され、前記複数個のマグネットは互いに所定間隔で離隔して配列され得る。
【0062】
好ましくは、前記第1センサは前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記サブマグネットと対応するように配置され得る。
【0063】
好ましくは、前記第2センサおよび前記第3センサは前記センシングマグネットの半径方向を基準として、前記メインマグネットと対応するように配置され得る。
【0064】
好ましくは、前記第2センサは複数個の第2ホールセンサを含み、前記第3センサは複数個の第3ホールセンサを含み、前記第2ホールセンサと前記第3ホールセンサは前記センシングマグネットの円周方向を基準として整列配置され得る。
【0065】
好ましくは、前記第2センサと前記第3センサは並列に連結され得る。
【0066】
好ましくは、前記第1センサは4個の第1ホールセンサを含み、前記第2センサは3個の第2ホールセンサを含み、前記第3センサは3個の第3ホールセンサを含むことができる。
【発明の効果】
【0067】
実施例によると、第1センサに追加に第2センサを配置することによって、第1センサに故障が発生した場合にも、ロータの位置を感知できる有利な効果を提供する。
【0068】
実施例によると、第2センサの位置を第1センサの位置と対応する位置で、分解能が2倍となるように一定の角度だけシフトして、ロータの位置を精密に把握できる有利な効果を提供する。
【0069】
実施例によると、既存のPCBに並列にセンサを追加し、センシングマグネットを拡張して、別途の追加の構造なしに既存PCB上で2チャネルのセンシング構成を具現する有利な効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】実施例に係るモータの概念図。
図2】センシングマグネットを図示した図面。
図3】センシングシグナルを図示した図面。
図4】ロータ位置感知装置を図示した図面。
図5】メインマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第1実施例を図示した図面。
図6】サブマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第1実施例を図示した図面。
図7】メインマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第2実施例を図示した図面。
図8】外側センサを基準とする、第1センサと第2センサを図示した図面。
図9】メインマグネットについて、分解能が60°である従来センシングシグナルと、分解能が30°に高くなったセンシングシグナルを比較して示したグラフ。
図10】サブマグネットについて、分解能が60°である従来センシングシグナルと、分解能が30°に高くなったセンシングシグナルを比較して示したグラフ。
図11】メインマグネットの拡張領域を図示した図面。
図12】センシングシグナルを図示した図面。
図13】実施例に係るロータ位置感知装置を図示した図面。
図14】第1センサと第2センサと第3センサを図示した図面。
図15】センシングマグネットの円周方向に整列配置される第2センサと第3センサを図示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付された図面と関連する以下の詳細な説明と好ましい実施例からさらに明白となるはずである。そして、本発明の説明において、本発明の要旨を不要に曖昧にさせる恐れがある関連した公知の技術に対する詳細な説明は省略する。
【0072】
第2、第1等のように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されはしない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第2構成要素は第1構成要素と命名され得、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名され得る。および/またはという用語は、複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0073】
図1は、実施例に係るモータの概念図である。図1を参照すると、実施例に係るモータは、回転軸100と、ロータ200と、ステータ300と、ロータ位置感知装置400を含むことができる。
【0074】
回転軸100はロータ200に結合され得る。電流の供給を通じてロータ200とステータ300に電磁的相互作用が発生するとロータ200が回転し、これに連動して回転軸100が回転する。回転軸100は車両の操向軸と連結されて操向軸に動力を伝達することができる。回転軸100はベアリングによって支持され得る。
【0075】
ロータ200はステータ300と電気的相互作用を通じて回転する。
【0076】
ロータ200はロータコア210と、マグネット220を含むことができる。ロータコア210は、円形の薄い鋼板の形態の複数個のプレートが積層された形状で実施され得る。ロータコア210の中心には回転軸100が結合するホールが形成され得る。ロータコア210の外周面にはマグネット220をガイドする突起が突出され得る。マグネット220はロータコア210の外周面に付着され得る。複数個のマグネット220は一定の間隔でロータコア210の周りに沿って配置され得る。ロータ200はマグネット220を囲んでマグネット220がロータコア210から離脱しないように固定させ、マグネット220が露出することを防止する缶部材を含むことができる。
【0077】
一方、ロータ200は円筒形の単品であるロータコア210と、ロータコア210に1段で配置されるマグネット220から構成され得る。ここで、1段とは、ロータ200の外周面にスキュー(skew)がないようにマグネット220が配置され得る構造を意味する。したがって、ロータコア210の縦断面とマグネット220の縦断面を基準とするとき、ロータコア210の高さとマグネット220の高さとが同一に形成され得る。すなわち、高さ方向を基準として、マグネット220がロータコア210の全体を覆うように実施され得る。
【0078】
ステータ300は、ロータ200と電気的相互作用を誘発するためにコイルが巻かれ得る。コイル320を巻くためのステータ300の具体的な構成は次の通りである。ステータ300は複数個のティースを含むステータコア310を含むことができる。ステータコア310は環状のヨーク部分が設けられ、ヨークから中心方向にコイルが巻かれるティースが設けられ得る。ティースはヨーク部分の外周面に沿って一定の間隔で設けられ得る。一方、ステータコア310は薄い鋼板の形態の複数個のプレートが相互に積層されて構成され得る。また、ステータコア310は複数個の分割コアが相互に結合されるか連結されて構成され得る。
【0079】
ロータ位置感知装置400はセンシングマグネット410と基板420を含むことができる。
【0080】
ハウジング500は円筒状に形成されて内部にステータ300とロータ200が装着され得る空間が設けられる。この時、ハウジング500の形状や材質は多様に変形され得るが、高温でもよく耐え得る金属材質が選択され得る。ハウジング500の開放された上部はカバー600が覆う。
【0081】
図2は、センシングマグネットを図示した図面である。
【0082】
図2を参照すると、センシングマグネット410はメインマグネット411と、サブマグネット412と、センシングプレート413を含むことができる。センシングマグネット410は、ロータ200上に配置されてロータ200の位置を示す。
【0083】
センシングプレート413は円盤状に形成される。そして、センシングプレート413の中心に回転軸100が結合される。メインマグネット411はセンシングプレート413の中央に配置される。そして、サブマグネット412はメインマグネット411の外側に配置され、センシングプレート413の縁に配置され得る。
【0084】
メインマグネット411はロータ200のマグネット220と対応する。換言すると、ロータ200のマグネット220の極数とメインマグネット411の極数は同じである。例えば、ロータ200のマグネット220が6極の場合、メインマグネット411も6極である。また、ロータ200のマグネット220とメインマグネット411は極分割領域が整列されて、メインマグネット411の位置がロータ200のマグネット220の位置を示すことができる。このようなメインマグネット411はロータ200の初期位置を把握するのに利用される。
【0085】
サブマグネット412は、ロータ200の細部的な位置を精密に把握するのに利用される。例えば、サブマグネット412は72極であり得る。
【0086】
基板420に配置されたセンサは、センシングマグネット410の回転により、メインマグネット411とサブマグネット412による磁束の変化を感知する。基板420はセンシングマグネット410の上に配置され得る。
【0087】
図3は、センシングシグナルを図示した図面である。
【0088】
図3を参照すると、基板420に配置されたセンサはメインマグネット411のN極とS極の変化を感知して、3個のセンシングシグナルT1、T2、T3を感知することができる。そして、基板420はサブマグネット412の磁束の変化を感知して2個のセンシングシグナルE1、E2を感知することができる。
【0089】
前述したように、メインマグネット411はロータ200に結合されたマグネットがそのまま模写されているため、メインマグネット411を基準とする磁束の変化を感知してロータ200の位置を感知することができる。このようなセンシングシグナルT1、T2、T3は、モータの初期駆動に使われ得るものであって、それぞれU、V、W相の情報をフィードバックすることができる。
【0090】
図4は、ロータ位置感知装置を図示した図面である。
【0091】
図4で図示した通り、基板420の形態はメインマグネット411とサブマグネット412の配列に対応して環状に具現され得る。
【0092】
基板420は第1センサS1、S3と、第2センサS2、S4を含むことができる。第1センサS1、S3と第2センサS2、S4はセンシングマグネット410の中心Cを基準として、同一の円形軌道上に配列され得る。第1センサS1、S3はこのような円形軌道上で隣り合う複数個の第1ホールセンサH1を含むことができる。そして、第2センサS2、S4はこのような円形軌道上で隣り合う複数個の第2ホールセンサH2を含むことができる。
【0093】
相対的に内側に位置した第1センサS1および第2センサS2は、メインマグネット411に配置された円形軌道に沿って配置され得る。換言すると、第1センサS1および第2センサS2は、センシングマグネット410の半径方向を基準として、メインマグネット411と対応するように配置され得る。相対的に外側に配置された第1センサS3および第2センサS4は、サブマグネット412が配置された円形軌道に沿って配置され得る。換言すると、第1センサS3および第2センサS4は、センシングマグネット410の半径方向を基準として、サブマグネット412と対応するように配置され得る。
【0094】
第1実施例
図5は、メインマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第1実施例を図示した図面である。
【0095】
図4および図5を参照すると、基板420の内側に配置された第1センサS1と第2センサS2は、メインマグネット411による磁束の変化をそれぞれ感知する。
【0096】
第1センサS1は3個の第1ホールセンサH1を含むことができる。このような第1センサS1は、メインマグネット411の回転に対応してU、V、W相の連続したセンシングシグナルを生成することができる。3個の第1ホールセンサH1は第1角度R1だけ離れて配置され得る。
【0097】
第2センサS2は3個の第2ホールセンサH2を含むことができる。このような第2センサS2も、メインマグネット411の回転に対応してU、V、W相の連続したセンシングシグナルをさらに生成することができる。したがって、第1センサS1のある第1ホールセンサH1が故障した場合にも、U、V、W相の連続したセンシングシグナルを生成することができる。3個の第2ホールセンサH2は第1ホールセンサH1と同様に第1角度R1だけ離れて配置され得る。
【0098】
ここで、第1角度R1は下記の数学式1によって算出され得る。
【0099】
【数1】
【0100】
ここで、R1は第1角度であり、R0は電気角度であり、Nはメインマグネット411の極数であり、定数「3」はU、V、W相の個数を意味する。
【0101】
例えば、ロータ200のマグネット220が6極の場合、メインマグネット411の極数は6である。したがって、該当モータの電気角度R0は120°である。その結果、第1角度R1は40°に算出され得る。ここで、電気角度とは、360°を基準として、マグネットのN極とS極が占めるマグネットの物理的な角度(機械角)を表す。例えば、ロータ200のマグネット220が8極の場合、該当モータの電気角度R0は90°である。
【0102】
第2センサS2はセンシングシグナルの分解能を高めるために、第1センサS1に対応する位置からシフトされた位置に配置され得る。換言すると、第1センサS1と第2センサS2は同一の円形軌道上で、第1角度R1と異なる第2角度R2だけ離れて配置され得る。すなわち、隣り合う第1ホールセンサH1aと第2ホールセンサH2aは、円形軌道上の円周に沿って第1角度R1と異なる第2角度R2だけ離れて配置され得る。
【0103】
ここで、第2角度R2は下記の数学式2によって算出され得る。
【0104】
【数2】
【0105】
ここで、R2は第2角度であり、R1は第1角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nはメインマグネット411の極数である。
【0106】
メインマグネット411によるセンシングシグナルの分解能は60°に設定することができるが、この時、分解能を60°から30°に2倍高めるために、電気角度30°だけシフトが必要な場合、R1が40°であれば、第2角度R2は30°または50°に算出され得る。
【0107】
図6は、サブマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第1実施例を図示した図面である。
【0108】
図4および図6を参照すると、基板420の外側に配置される第1センサS3と第2センサS4は、サブマグネット412による磁束の変化をそれぞれ感知する。
【0109】
第1センサS3は2個の第1ホールセンサH1を含むことができる。このような第1センサS3は、サブマグネット412の回転に対応して連続したセンシングシグナルを生成することができる。2個の第1ホールセンサH1は第1角度R1だけ離れて配置され得る。
【0110】
第2センサS4は2個の第2ホールセンサH2を含むことができる。このような第2センサS4も、サブマグネット412の回転に対応して連続したセンシングシグナルをさらに生成することができる。したがって、第1センサS3のある第1ホールセンサH1が故障した場合にも、連続したセンシングシグナルを生成することができる。2個の第2ホールセンサH2は第1ホールセンサH1と同様に第1角度R1だけ離れて配置され得る。
【0111】
ここで、第1角度R1は下記の数学式3によって算出され得る。
【0112】
【数3】
【0113】
ここで、R1は第1角度であり、R0は電気角度であり、R3’は分解能角度、Nはサブマグネット412の極数である。
【0114】
例えば、サブマグネット412の極数が72であり、したがって、該当モータの電気角度R0は10°である。R3が90°であれば、第1角度R1は10°×n+2.5°となる。したがって、物理的に2個の第1センサS3を第1角度R1で離して配置させることは非常に難しい。したがって、電気角度R0が10°である場合、これと位相差が同じである10°×n+2.5°を第1角度R1として算出することができる。
【0115】
第2センサS4はセンシングシグナルの分解能を高めるために、第1センサS3に対応する位置からシフトされた位置に配置され得る。換言すると、第1センサS3と第2センサS4は同一の円形軌道上で、第1角度R1と異なる第2角度R2だけ離れて配置され得る。すなわち、隣り合う第1ホールセンサH1aと第2ホールセンサH2aは円形軌道上の円周に沿って第1角度R1と異なる第2角度R2だけ離れて配置され得る。
【0116】
ここで、第2角度R2は下記の数学式4によって算出され得る。
【0117】
【数4】
【0118】
ここで、R2は第2角度であり、R1は第1角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nはサブマグネット412の極数である。したがって、シフトされる電気角度R0’が45°であり、サブマグネット412の極数が72であれば、第2角度R2は第1角度R1の10°×n+2.5°に1.25°を足した値である。
【0119】
その結果、図6で図示した通り、隣り合う第1ホールセンサH1aと第2ホールセンサH2aを、第1角度R1の10°×n+2.5°に1.25°を足した値だけ離して配置させると、センシングシグナルの分解能を90°から45°に高めることができる。
【0120】
第2実施例
図7は、メインマグネットと対応する第1センサと第2センサの配置に対する第2実施例を図示した図面である。
【0121】
図4および図7を参照すると、基板420の内側に配置された第1センサS1と第2センサS2は、メインマグネット411による磁束の変化をそれぞれ感知する。
【0122】
第1センサS1は3個の第1ホールセンサH1を含むことができる。このような第1センサS1は、メインマグネット411の回転に対応してU、V、W相の連続したセンシングシグナルを生成することができる。3個の第1ホールセンサH1は第3角度R3だけ離れて配置され得る。
【0123】
第2センサS2は3個の第2ホールセンサH2を含むことができる。このような第2センサS2も、メインマグネット411の回転に対応してU、V、W相の連続したセンシングシグナルをさらに生成することができる。したがって、第1センサS1のある第1ホールセンサH1が故障した場合にも、U、V、W相の連続したセンシングシグナルを生成することができる。3個の第2ホールセンサH2は第1ホールセンサH1と同様に第3角度R3だけ離れて配置され得る。
【0124】
ここで、第3角度R3は下記の数学式5によって算出され得る。
【0125】
【数5】
【0126】
ここで、R3は第3角度であり、R0は電気角度であり、Nは前記メインマグネットの極数である。定数「3」はU、V、W相の個数を意味する。
【0127】
例えば、ロータ200のマグネット220が6極の場合、メインマグネット411の極数は6である。したがって、該当モータの電気角度R0は120°である。その結果、第1角度R1は40°に算出され得る。例えば、ロータ200のマグネット220が8極の場合、該当モータの電気角度R0は90°である。
【0128】
第2センサS2はセンシングシグナルの分解能を高めるために、第1センサS1に対応する位置からシフトされた位置に配置され得る。換言すると、第1センサS1のそれぞれの第1ホールセンサH1に対して、軸中心Cを通る基準線CLを基準として、対称となる位置を図7のPとする時、図7のPから円周に沿って第4角度R4でシフトされた位置に第2センサS2の第2ホールセンサH2が位置することができる。
【0129】
ここで、前記第4角度は、下記の数学式6によって算出されるR4であるロータ位置感知装置。
【0130】
【数6】
【0131】
ここで、R4は第4角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記メインマグネット411の極数である。
【0132】
メインマグネット411によるセンシングシグナルの分解能は60°に設定することができるが、この時、分解能を60°から30°に2倍高めるために、電気角度30°だけシフトが必要な場合、第2角度R2は10°に算出され得る。したがって、メインマグネット411の極数が6であれば、第2センサS2を第1センサS1に比べて10°だけ時計回り方向または反時計回り方向に移動させて配置すれば、センシングシグナルの分解能を60°から30°に高めることができる。
【0133】
図8は、外側センサを基準とする、第1センサと第2センサを図示した図面である。
【0134】
図4および図8を参照すると、基板420の外側に配置された複数個のセンサは、第1センサS3と第2センサS4に区分され得る。第1センサS3と第2センサS4はサブマグネット412による磁束の変化をそれぞれ感知する。
【0135】
第1センサS3は2個の第1ホールセンサH1を含むことができる。このような第1センサS3は、サブマグネット412の回転に対応して連続したセンシングシグナルを生成することができる。2個の第1ホールセンサH1は第3角度R3だけ離れて配置され得る。
【0136】
ここで、第3角度R3は下記の数学式7によって算出され得る。
【0137】
【数7】
【0138】
ここで、R3は第3角度であり、R0は電気角度であり、R3’は分解能角度、Nはサブマグネット412の極数である。
【0139】
例えば、サブマグネット412の極数が72であり、したがって、該当モータの電気角度R0は10°である。R3’が90°であれば、第3角度R3は10°×n+2.5°となる。したがって、物理的に2個の第1ホールセンサH1を第3角度R3で離して配置させることは非常に難しい。したがって、電気角度R0が10°である場合、これと位相差が同じであり10°×n+2.5°を第3角度R3として算出することができる。
【0140】
そして、電気角度R0を90°にした時、電気角度45°だけシフトが必要な場合、第4角度R4は<数学式8>を通じて1.25°に算出され得る。
【0141】
【数8】
【0142】
ここで、R4は第4角度であり、R0’はシフトされる電気角度であり、Nは前記サブマグネット412の極数である。
【0143】
したがって、サブマグネット412の極数が72であれば、センシングシグナルの分解能を90°に設定することができるが、第2センサS4を第1センサS3に比べて1.25°だけ時計回り方向または反時計回り方向に移動させて配置すれば、センシングシグナルの分解能を90°から45°に高めることができる。
【0144】
図9は、メインマグネットについて、分解能が60°である従来センシングシグナルと、分解能が30°に高くなったセンシングシグナルを比較して示したグラフである。
【0145】
メインマグネット411の極数が6であれば、図9の(a)で図示した通り、第1センサS3によりセンシングシグナルの分解能が60°と確認される。しかし、図7および図9の(b)で図示した通り、第2センサS2を追加し、第2センサS2の第2ホールセンサ(図7のH2)の位置を第1センサS1の第1ホールセンサH1に比べて10°だけ時計回り方向に移動させて配置すると、センシングシグナルの分解能を60°から30°に高めることができる。したがって、モータの初期駆動位置をより精密に把握することができる。
【0146】
図10は、サブマグネットについて、分解能が90°である従来センシングシグナルと、分解能が45°に高くなったセンシングシグナルを比較して示したグラフである。
【0147】
サブマグネット412の極数が72であれば、図10の(a)で図示した通り、第1センサS3によりセンシングシグナルの分解能が90°と確認される。しかし、図8および図10の(b)で図示した通り、第2センサS4を追加し、第2センサS4の第2ホールセンサ(図8のH2)の位置を第1センサS3の第1センサS1に比べて1.25°だけ時計回り方向に移動させて配置すると、センシングシグナルの分解能を90°から45°に高めることができる。
【0148】
第3実施例
図11は、メインマグネットの拡張領域を図示した図面である。
【0149】
図2および図11を参照すると、メインマグネット411はセンシングマグネット410の中心に向かって拡張された拡張領域411aを含むことができる。拡張領域411aは、第2センサ(図13の422)に並列に追加される第3センサ(図13の423)の位置に対応する部分である。一方、サブマグネット412はロータ200の細部的な位置を精密に把握するのに利用される。例えば、サブマグネット412は72極であり得る。
【0150】
基板420はセンサが配置され得る。センサはセンシングマグネット410の回転により磁束の変化を感知する。基板420はセンシングマグネット410の上に配置され得る。
【0151】
図12は、センシングシグナルを図示した図面である。
【0152】
図12を参照すると、基板420に配置されたセンサは、メインマグネット411のN極とS極の変化を感知して3個のセンシングシグナルT1、T2、T3を感知することができる。そして、サブマグネット412の磁束の変化を感知して2個のセンシングシグナルE1、E2を感知することができる。
【0153】
前述したように、メインマグネット411はロータ200に結合されたマグネットがそのまま模写されているため、メインマグネット411を基準とする磁束の変化を感知してロータ200の位置を感知することができる。このようなセンシングシグナルS1、S2、S3は、モータの初期駆動に使われ得るものであって、それぞれU、V、W相の情報をフィードバックすることができる。
【0154】
図13は実施例に係るロータ位置感知装置を図示した図面であり、図14は第1センサと第2センサと第3センサを図示した図面である。
【0155】
図13および図14を参照すると、基板420は第1センサ421と、第2センサ422と、第3センサ423を含むことができる。第1センサ421はセンシングマグネット410の回転により、サブマグネット412による磁束の変化を感知する。第2センサ422と、第3センサ423はセンシングマグネット410の回転により、メインマグネット411による磁束の変化を感知する。基板420の形態はメインマグネット411とサブマグネット412の配列に対応して円弧状に配置され得る。
【0156】
第1センサ421と、第2センサ422と、第3センサ423はそれぞれセンシングマグネット410の中心Cを基準として、互いに異なる軌道O1、O2、O3上にそれぞれ配列され得る。センシングマグネット410の半径方向を基準として、第1センサ421は第2センサ422の外側に配置され、第3センサ423は第2センサ422の内側に配置される。
【0157】
第1センサ421は複数個の第1ホールセンサ421a(例えば、4個の第1ホールセンサ)を含み、複数個のセンサはサブマグネット412と整列するように外側の軌道O1に沿って一定の間隔で配置され得る。
【0158】
第2センサ422は、複数個の第2ホールセンサ422a(例えば、3個の第2ホールセンサ)がメインマグネット411と整列するように、中間軌道O2に沿って一定の間隔で配置され得る。第3センサ423は、複数個の第3ホールセンサ423a(例えば、3個の第3ホールセンサ)がメインマグネット411の拡張領域411aが整列するように、内側の軌道O3に沿って一定の間隔で配置され得る。
【0159】
図15は、センシングマグネットの円周方向に整列配置される第2センサと第3センサを図示した図面である。
【0160】
この時、図15を参照すると、第2センサ422の第2ホールセンサ422aと第3センサ423の第3ホールセンサ423aは、センシングマグネット410の円周方向を基準として整列配置される。第2ホールセンサ422aと第3ホールセンサ423aは、互いに異なる円形軌道上に配置される。そして、第2ホールセンサ422aと第3ホールセンサ423aは、センシングマグネット410の円周方向を基準として整列するため、第3ホールセンサ423aが追加されることによって基板420を拡張したり別途の基板420を設置してケーブルで連結する必要がない。すなわち、センシングマグネット410の半径方向を基準として、既存の基板420の内側に第3センサ423の実装領域を確保するため、2チャネルのセンシング構造を具現しながらも設置空間の制約を克服することができる。前述したように、これに対応してメインマグネット411はセンシングマグネット410の中心に向かって拡張された拡張領域411aを含む。
【0161】
第2センサ422と第3センサ423は電気的に並列に連結され得る。したがって、第2センサ422に異常が発生した場合、第3センサ423でセンシングシグナルを検出することができる。
【0162】
以上、本発明の好ましい一実施例に係るロータ位置感知装置およびこれを含むモータについて、添付された図面を参照して具体的に詳察した。
【0163】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更および置換が可能である。したがって、本発明に開示された実施例および添付された図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施例および添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15