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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160504
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】炎検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/42 20060101AFI20221012BHJP
   G08B 17/12 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G01J1/42 C
G08B17/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117695
(22)【出願日】2022-07-25
(62)【分割の表示】P 2018064315の分割
【原出願日】2018-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
(72)【発明者】
【氏名】浅野 功
(57)【要約】
【課題】炎からの放射線エネルギーを受光する複数の受光ユニットからの受光信号を加算して検出感度を高める炎検出装置について、単一の受光ユニットのみが見えている範囲を実質的に視野範囲外とするようにしてS/Nの低い視野領域を排除する。
【解決手段】複数の受光ユニット12a,12bを設け、放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号E1,E2を出力する。判断部38は受光ユニット12a,12bから出力された受光信号E1,E2を加算器32で加算した加算受光信号E3に基づいて炎の有無を判断する。判断制御部36は受光信号E1,E2の差分が所定値以下の場合、判断部38による炎の有無の判断又は判断結果の採用を許容し、差分が所定値を上回った場合は判断部38による炎の有無の判断又は判断結果の採用を禁止し、S/Nが悪化した受光信号により炎の有無を判断しないようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
所定の視野範囲に存在する燃焼炎からの放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
前記複数の受光ユニットから出力された複数の受光信号に基づいて炎有無を判断する判断部と、
前記複数の受光信号に基づいて前記判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容又は禁止する判断制御部と、
を備え、
前記複数の受光ユニットは、各々の前記視野範囲が重なる有効視野範囲と、各々の前記視野範囲が重ならない単一視野範囲を有して配置され、
前記判断制御部は、前記判断部による炎の有無の判断又は判断結果の採用を、前記有効視野範囲においては許容し、前記単一視野範囲においては禁止することを特徴とする炎検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の炎検出装置に於いて、
前記判断制御部は、前記複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分、及び前記複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と前記各受光信号との比較に基づいて前記判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容することを特徴とする炎検出装置。
【請求項3】
請求項1記載の炎検出装置に於いて、
前記判断制御部は、前記複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分を検出し、前記差分が所定値以下又は前記所定値を下回った場合は、前記判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容し、前記差分が前記所定値以上又は前記所定値を上回った場合、又は前記複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と前記各受光信号の何れかが略一致する場合は、前記判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を禁止することを特徴とする炎検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有炎燃焼時のCO2共鳴により発生する赤外線放射を検出して、炎の有無を判定する炎検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有炎燃焼により発生する放射線エネルギーを検出して、炎の有無を検出する炎検出装置にあっては、炎と炎以外の赤外線放射体との識別を行うため、有炎燃焼時に発生するCO2の共鳴放射による波長帯域を含む複数の波長帯域における放射線強度を検出して、それら複数の波長帯域における検出値の相対比により炎の有無を検出する2波長式、3波長式等の炎検出装置や炎検出方法がよく知られている。
【0003】
ここで、従来技術における2波長式、及び、3波長式の炎検出装置について、簡単に説明する。
【0004】
図10は、燃焼炎と、その他の代表的な放射体の赤外波長域における放射線スペクトルを示す概念図であり、横軸は放射線の波長、縦軸は放射線の相対強度を示す。
【0005】
図10に示すように、燃焼炎のスペクトル特性100においては、CO2の共鳴放射により4.5μm付近の波長帯域に放射線相対強度のピークがあり、また、このピーク波長の近傍に存在する特徴的な波長としては、例えば、長波長側の5.0μm付近に、放射線相対強度が低い波長帯域が存在する。
【0006】
2波長式の炎検出装置にあっては例えば、4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを狭帯域の光学波長バンドパスフィルタにより選択透過(通過)させて、受光センサにより該放射線エネルギーを検出し、これを光電変換したうえで増幅等所定の加工を施してエネルギー量に対応する電気信号(以下、「受光信号」という)とし、上記各々の波長帯域の受光信号レベルの相対比をとり、所定の閾値と比較することにより炎の有無を判定する。
【0007】
これにより、炎以外の赤外線放射体、例えば、スペクトル特性102に示す太陽光(6000°C)等の高温放射体や、スペクトル特性104に示す比較的低温の放射体(300℃程度)、またスペクトル特性106に示す人体などの低温放射体等と炎との識別が可能となる。
【0008】
また、例えば、上述した2波長に加え、CO2の共鳴放射帯である4.5μm帯に対し短波長側の、例えば、2.3μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを2波長式と同様の手法で検出し、これらの3波長帯域における各受光信号の相対比によって炎の有無を判定する3波長式の炎検出装置も知られており炎と炎以外の赤外線放射体との識別性能をさらに向上させている。
【0009】
また、近年にあっては、炎の検出エリアを拡大するため、炎から放射される4.5μm付近の放射線エネルギーを受光する受光ユニットを例えば従来の倍数に増設し、各受光センサで光電変換しこれらを必要に応じ適宜それぞれ増幅等して加工した各受光信号を加算することで、検出エリアを拡大してもS/N(信号対ノイズ比)を損なうことなく、十分な検出感度が得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2016-128796号公報
【特許文献2】特許第3357330号公報
【特許文献3】特開2016-102651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、炎から放射される4.5μm付近の放射線エネルギーを受光する受光ユニットを複数設け、各受光信号を加算して検出感度を高めるようにした炎検出装置にあっては従来、複数の受光ユニットに設けられた受光センサは、配置位置の相違から視野が異なるため、単一の受光センサのみが見えている単一視野範囲が存在し、単一視野範囲に存在する炎からの放射線エネルギーに対してはS/Nを高めることができない問題がある。
【0012】
このような単一視野範囲ではたとえば、遠方の炎は検出できないにも関わらず比較的近くの外乱光源の影響を受けて誤動作する危険性がある。
【0013】
本発明は、受光ユニットの障害を確実に判断するため、炎から放射される放射線エネルギーを受光する受光ユニットを複数設け、各受光信号を加算して検出感度を高めるようにした炎検出装置について、単一の受光ユニットのみが見えている範囲を実質的に視野範囲外とするようにして、S/Nの低い視野領域を排除した炎検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(炎検出装置)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
所定の視野範囲に存在する燃焼炎からの放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
複数の受光ユニットから出力された複数の受光信号に基づいて炎有無を判断する判断部と、
複数の受光信号に基づいて判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容する判断制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
複数の受光ユニットは、各々の視野範囲が重なる有効視野範囲と、各々の視野範囲が重ならない単一視野範囲を有して配置され、
判断制御部は、判断部による炎の有無の判断又は判断結果の採用を、有効視野範囲においては許容し、単一視野範囲においては禁止する。
【0016】
判断制御部は、複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分、及び複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と各受光信号との比較に基づいて判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容する。
【0017】
また、判断制御部は、複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分を検出し、差分が所定値以下又は所定値を下回った場合は、判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容し、振幅積分値の差分が所定値以上又は所定値を上回った場合、又は複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と各受光信号の何れかが略一致する場合は、判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を禁止する。
【発明の効果】
【0018】
(基本的な効果)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、複数の受光ユニットから出力された複数の受光信号に基づいて炎有無を判断する判断部と、複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分、及び複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と各受光信号との比較に基づいて判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容する判断制御部と、を備えたため、
或いは、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、複数の受光ユニットから出力された複数の受光信号に基づいて炎有無を判断する判断部と、複数の受光ユニットから出力された各受光信号の間の差分を検出し、差分が所定値以下又は所定値を下回った場合は、判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容し、差分が所定値以上又は所定値を上回った場合、又は複数の受光ユニットから出力された加算受光信号と各受光信号の何れかが略一致する場合は、判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を禁止する判断制御部と、を備えたため、
複数の受光ユニットを設けた場合に受光位置の相違により単一の受光ユニットのみが見えている単一視野範囲を実質的に排除することで、低S/Nの不要な視野拡がりを抑制するので、たとえばこのような不要視野範囲に存在する外乱光源などによる誤動作を回避できる。すなわち、有効視野を高S/Nの範囲に絞り込むことができる。
【0019】
また、本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、所定の視野範囲に存在する燃焼炎からの放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、複数の受光ユニットから出力された複数の受光信号に基づいて炎有無を判断する判断部と、複数の受光信号に基づいて判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を許容又は禁止する判断制御部と、を備え、複数の受光ユニットは、各々の視野範囲が重なる有効視野範囲と、各々の視野範囲が重ならない単一視野範囲を有して配置され、判断制御部は、判断部による炎の有無の判断又は判断結果の採用を、有効視野範囲においては許容し、単一視野範囲においては禁止することで、S/N改善により検出感度を高めることのできない単一視野範囲からの放射線エネルギーに対し、判断制御部により判断部による炎有無の判断を禁止することで、実質的に単一視野範囲を有効視野範囲外とした炎検出を可能とする。
【0020】
(複数の受光信号の積分値差分による判断制御の効果)
また、判断制御部は、所定期間分の複数の受光信号の振幅積分値の差分を検出し、振幅積分値の差分が所定値以下又は所定値を下回った場合に判断部による炎有無の判断を許容し、振幅積分値の差分が所定値以上又は所定値を上回った場合に判断部による炎有無の判断又は判断結果の採用を禁止するようにしたため、複数の受光信号の差分を確実に検出して炎有無の判断又は判断結果の採用を許容するか禁止するかを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】炎検出装置の実施形態を示したブロック図
図2】炎検出装置の外観を示した説明図
図3】受光センサの構造を示した説明図
図4図3の受光センサの等価回路を示した回路図
図5】受光センサの配置と視野範囲を示した説明図
図6】燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから出力される受光信号を示した信号波形図
図7】燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから得られる加算受光信号の周波数分布を示した説明図
図8】2波長方式の炎検出装置の実施形態を示したブロック図
図9図8の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図
図10】燃焼炎と、その他の代表的な放射体の放射線スペクトルを示した特性図
【発明を実施するための形態】
【0022】
[炎検出装置]
(装置概要)
図1は炎検出装置の実施形態を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10は、2組の受光ユニット12a,12b、MPU(マイクロコンピュータユニット)15に設けられた判断制御部36と判断部38で構成される。
【0023】
受光ユニット12a,12bは、監視領域に存在する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測するものであり、大別して、燃焼炎からCO2共鳴に伴って放射される、概ね4.5μmを中心波長とする波長帯の放射線エネルギーを観測して光電変換し、受光信号E1,E2を出力する。
【0024】
受光ユニット12a,12bには、受光センサ22a,22b、前置フィルタ24a,24b、プリアンプ26a,26b、メインアンプ28a,28bが設けられ、メインアンプ28a,28bから出力された受光信号E1,E2は終段アンプ30a,30bでさらに増幅され、MPU15のA/D変換ポート35a,35bでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。
【0025】
また、受光ユニット12a,12bからの受光信号E1,E2は加算器32で加算増幅
されて加算受光信号E3としてMPU15に出力され、MPU15のA/D変換ポート35cでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。判断制御部36は、受光ユニット12a,12bから出力された受光信号E1,E2の間の差分ΔEを検出し、差分ΔEが所定値以下又は所定値を下回った場合に判断部38による炎有無の判断を許容し、差分ΔEが所定値を上回った場合に判断部38による炎有無の判断を禁止する、或いは判断結果を採用しない(たとえば炎有りの判断結果であっても外部へ出力しない)ようにしてもよい。
【0026】
差分ΔEはたとえば、受光信号E1に基づくデジタル受光信号と、受光信号E2に基づくデジタル受光信号E1’,E2’について、各々所定期間の積分値を求め、その差として算出する。
【0027】
判断部38は、加算器32から出力された加算受光信号E3に基づき燃焼炎の有無を判断して検出する。
【0028】
(装置外観とセンサユニット)
図2は炎検出装置の外観を示した説明図である。図2に示すように、炎検出装置10は、天井面の検知器ベースに取り付けられる本体50の下部に設けられたカバー52の下面に透光性窓18を設け、透光性窓18の内部に配置された基板54に、図1に示した光学ユニット12a,12bの受光センサ16a,16bを配置している。また、透光性窓18の近傍の内部の受光素子を見渡せる位置に、個別の試験ランプを外部試験光源として収納した試験光源用透光窓25を設けている。
【0029】
(受光ユニット12a,12bの構成)
図1に示した受光ユニット12a,12bにおいて、受光センサ16a,16bは燃焼炎からCO2共鳴に伴って放射される、概ね4.5μmを中心波長とする赤外線波長帯域を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して受光信号として出力し、前置フィルタ24a,24bは受光センサ16a,16bから出力される受光信号から、炎の揺らぎ周波数に対応した所定の周波数帯域の信号成分を選択通過させ、プリアンプ26a,26bは前置フィルタ24a,24bを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28a,28b、終段アンプ30a,30bは炎判断処理に適した信号レベルに増幅して受光信号E1,E2を出力する。
【0030】
ここで、受光センサ16a,16bは、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材を用いて共用する透光性窓18、光学波長フィルタ20a,20b、及び受光素子22a,22bを備えている。
【0031】
終段アンプ30a,30bを介して出力された受光信号E1,E2は、MPU15に設けたA/D変換ポート35a,35bによりデジタル受光信号に変換して読み込まれ、判断制御部36による炎有無の判断の許容又は禁止判定され、許容される場合は判断部38に対し許容が指示され、火災有無が判断される。
【0032】
また、受光ユニット12a,12bから出力された受光信号E1およびE2は加算器32で加算され、加算器32からの加算受光信号E3はMPU15に設けたA/D変換ポート35cによりデジタル受光信号に変換して読み込まれ、判断制御部36から炎有無の判断の許容指示を受けた判断部38による炎有無の判断が実行される。以下、各構成について具体的に説明する。
【0033】
(受光センサ16a,16b)
図3は受光センサの概略構成を示した説明図、図4図3の受光センサの等価回路を示した回路図である。
【0034】
図3に示すように、受光センサ16a,16bは、基板40a,40bの表面に支持配置された焦電体45a,45bを備え、これに受光電極25a、25bを設け、基板40a,40bの裏面側に配置されたFET27を備えてなる受光素子部22a,22bと、基板40a,40bを基部38a,38b上に支持するため、基部38a,38bを貫通して設けられた端子42a,42bと、受光素子部22a,22bの前方に4.5μmを中心とした赤外線を選択透過する光学波長フィルタ20a,20bを備えたカバー部材44a,44bとからなるパッケージ化された構成を有している。
【0035】
また、受光素子部22a,22bの等価回路は、図4に示すように、FET27のゲートから例えば焦電体45aと、図4では図示省略した高抵抗29の並列回路を介してゲート端子Gに接続し、またFET27のドレインとソースをそれぞれドレイン端子Dとソース端子Sに接続している。各端子は図4の端子42aとして(図4には2本しか図示していないが、それぞれに対応する端子がある)パッケージ外部に引き出される。
【0036】
ここで、光学波長フィルタ20aは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、サファイア等の基板上に、公知の方法でそれぞれ形成することができる。
【0037】
(透光性窓18)
透光性窓18は、図2及び図3に示したように、受光センサ16a,16bが収納された図4のセンサユニットの監視エリア側に相当する上面側であって、受光センサ16a,16bの前面側に設けた所定の開口部に配置され、上述のように、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため受光素子部22a,22bは、受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、所定の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。本実施形態にあっては、透光性窓18は共用部材として、受光センサ16a,16bに含まれるものとして説明する。
【0038】
(受光センサ16a,16bの視野範囲)
図5は受光センサの配置と視野範囲を示した説明図である。図5に示すように、回路基板48上に隣接して配置された受光センサ16a,16bは、透光性窓18の内側に配置されており、軸心線間距離で示す所定の間隔dだけ離れた異なる位置に配置されている。
【0039】
このため受光センサ 16a,16bは所定の拡がり角度θをもつ視野範囲を検知エリアとしているが、位置の相違により、受光センサ16aの上側の視野範囲の限界線60と受光センサ16bの上側の視野範囲の限界線62との間の領域64は、受光センサ16aのみから見える単一視野範囲となる。
【0040】
また、受光センサ16aの下側の視野範囲の限界線60と受光センサ16bの下側の視野範囲の限界線62との間の領域66は、受光センサ16bのみから見える単一視野範囲となる。
【0041】
このため単一視野範囲64に存在する炎からの放射線エネルギーは受光センサ16aのみで受光され、図1の受光ユニット12aからの受光信号E1は所定レベルとなるが、受光ユニット12bからの受光信号E2はゼロレベルとなり、加算器32からの加算受光信号E3は受光信号E1と同じであり、S/Nの改善により検出感度を高めることはできない。
【0042】
また、単一視野範囲66に存在する炎からの放射線エネルギーは受光センサ16bのみで受光され、図1の受光ユニット12bからの受光信号E2は所定レベルとなるが、受光ユニット12aからの受光信号E1はゼロレベルとなり、加算器32からの加算受光信号
E3は受光信号E2と同じであり、S/Nの改善により検出感度を高めることはできない。
【0043】
このようにS/N改善により検出感度を高めることのできない単一視野範囲64,66からの放射線エネルギーに対し、本実施形態にあっては、判断制御部36により判断部38による炎有無の判断を禁止することで、実質的に単一視野範囲64,66を有効視野範囲外とした炎検出を可能とする。
【0044】
(前置フィルタ24a)
前置フィルタ24aは、周波数選択部として機能し、受光センサ16aの受光素子部22aから出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26aに特定の周波数帯域の信号成分を含む受光信号を出力する。このような周波数選択フィルタは、前置フィルタとしてだけでなくプリアンプから終段アンプまで適宜に配置され、周波数選択(抽出)しつつ信号増幅されるようになっている。
【0045】
(プリアンプ26a,26bとメインアンプ28a,28b)
プリアンプ26a,26bは、前置フィルタ24a,24bを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a,28bは、プリアンプ26a,26bからの各受光信号を、受光信号E1,E2として出力する。終段アンプ30a,30bは、受光信号E1,E2を最終的に炎判断処理に適した信号レベルに調整増幅し、E1’,E2’としてMPU15のA/D変換ポート35a,35bへ出力する。
【0046】
(加算アンプ32)
加算アンプ32は、受光ユニット12a,12bのメインアンプ28a,28bからの受光信号E1,E2を入力して加算した後に、後段のMPU15に設けたAD変換ポート35cの入力に適した電圧レベルの加算信号E3に変換して出力する。
【0047】
(A/D変換ポート35a,35b,35c)
A/D変換ポート35a、35b,35cはMPU15の入力ポートとして設けたA/D変換器であり、受光信号(アナログ受光信号)E1,E2を終段アンプ30a,30bで処理した後の各信号及び加算信号E3をデジタル信号に変換して読み込む。
【0048】
(判断制御部36)
図6は燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから出力される受光信号を示した信号波形図であり、図6(A)はA/D変換ポート35aからの、E1’由来のデジタル信号波形を示し、図6(B)はA/D変換ポート35bからの、E2’由来のデジタル信号波形を示す。
【0049】
なお、本実施形態にあっては、A/D変換は64Hzで受光信号をサンプリングして行うものとし、すなわち各信号につき1秒間に64点のデジタルデータが得られるものとする。また、簡単のため、以降はA/D変換後の信号も変換前と同じく受光信号E1’,E2’,E3という。
【0050】
判断制御部36は、図1の受光ユニット12a,12bから出力される図6に示す受光信号E1’,E2’の間の差分を検出する。判断制御部36による差分の検出は、図6に示す受光信号E1’、E2’をT=2秒(128データ)単位で、受光信号E1,E2の中点となる基準電位からのプラス及びマイナス側の振幅との差分の絶対値となる積分値ΣE1’,ΣE2’を求め、積分値の差分ΔEを、
ΔE=ΣE1’-ΣE2’
として算出する。
【0051】
続いて、判断制御部36は、積分値の差分ΔEの絶対値が所定値以下又は所定値を下回った場合に判断部38による炎有無の判断を許容し、一方、積分値の差分のΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回った場合には、判断部38による炎有無の判断を禁止する制御を行う。
【0052】
このため受光ユニット12a,12bが正常に動作している場合に、受光信号E1’,E2’の積分値の差分ΔEの絶対値が所定値以下又は所定値を下回ることから、判断制御部36は判断部38による炎有無の判断を許容する。
【0053】
これに対し受光ユニット12a,12bの何れか一方が障害を起した場合には、受光信号E1’,E2’の相違が大きくなり、受光信号E1’,E2’の積分値の差分ΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回ることから、判断制御部36は判断部38による炎有無の判断を禁止する。或いは、積分値の差分のΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回った場合には、判断部38で判断結果を採用しない(たとえば炎有りの判断結果であっても外部へ出力しない)ようにしても良い。
【0054】
また、判断制御部36が受光信号E1’,E2’の積分値の差分ΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回ることで判断部38による炎有無の判断を禁止する制御は、受光ユニット12a,12bの何れかの障害に起因している可能性が高いことから、判断制御部36は装置内に設けている内部試験光源の駆動により試験光を受光センサ16a,16bに照射する試験を行い、このとき受光ユニット12a,12bから出力される受光信号E1,E2から障害を検出して確定する制御を行う。
【0055】
更に、図5に示した単一視野範囲64,66の何れかから放射線エネルギーを受けた場合にも、受光信号E1’,E2’の相違が大きくなり、受光信号E1’,E2’の積分値の差分ΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回ることから、判断制御部36は判断部38による炎有無の判断を禁止し、これにより単一視野範囲64,66を実質的に炎検出器10の視野範囲外とすることができる。
【0056】
(判断部38)
判断部38は、加算器32で加算された図6に示す受光信号E1’,E2’を2秒ごとに加算した加算受光信号E3を加算受光信号E3の中点となる基準電位からのプラス及びマイナス側の振幅との差分の絶対値となる積分値ΣE3を求める。
【0057】
次いで、判断部38は、積分値ΣE3が、予め設定された基準レベル以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、積分値ΣE3が基準レベルを超えた場合には、炎有り判断の第1要素とする。
【0058】
また、判断部38は加算受光信号E3を2秒間(128データ)ごとに高速フーリエ変換して結果を分析し、たとえば8Hz以下の周波数帯域に主成分がある場合に炎有り判断の第2要素とし、第1要素と第2要素とに基づく複合的な炎有無判断を行う。
【0059】
図7は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから得られる加算受光信号E3の周波数分布を示した説明図である。判断部38は、図6に示す受光信号E1’,E2’を加算した加算受光信号E3をT=2秒間(128データ)ごとに高速フーリエ変換して、図7に示す周波数分布を得る。
【0060】
図7に示すように、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを周波数軸で観測すると、概ね8Hzよりも低周波側に高い出力レベルを示す周波数特性FLが得られることから、受光信号E3の周波数の主要な成分が8Hzまでの周波数帯域FLに存在し、8Hzを超える例えば16Hzまでの高周波側の周波数帯域FHは低いレベルを示す。このような分布特性は、炎を観測した場合の信号の特徴である。
【0061】
このため、加算受光信号E3の周波数分布に基づく炎判断は、例えば8Hzまでの範囲となる低周波側の周波数分布FLの積分値ΣFLおよび8Hzを超え16Hzまでの範囲となる高周波側の積分値ΣFHを求め、両積分値の比ΣFL/ΣFHが、予め設定された閾値以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、ΣFL/ΣFHが閾値を超えた場合には、炎有り判断の第2要素とする。
【0062】
そして、判断部38は、炎有り判断の第1要素と2要素の両方が成立し、且つ、たとえばこれが所定回数連続した場合に炎有りとの判断を確定して火災検出信号を外部に出力する。
【0063】
[2波長式の炎検出装置]
(受光ユニット12a,12b)
図8は2波長方式としての炎検出装置の実施形態を示したブロック図である。図8に示すように、本実施形態による2波長方式の炎検出装置10は、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測して光電変換による受光信号E1,E2を出力する2組の受光ユニット12a,12bに加え、新たに概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E4を出力する受光ユニット12cが設けられる。
【0064】
受光ユニット12a,12bは、図1の実施形態と同じであり、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測した受光信号E1,E2出力する。
【0065】
受光ユニット12a,12b,12cからの受光信号に基づくE1’,E2’,E4’及び加算器32からの加算受光信号E3は、それぞれMPU15に設けたA/D変換ポート35a,35b,35d,35cの各々でデジタル受光信号に変換して取り込こまれている。
【0066】
MPU15に設けられた判断制御部36は図1の実施形態と同じであり、受光ユニット12a,12bから出力された受光信号E1’,E2’の間の差分ΔEを検出し、差分ΔEの絶対値が所定値以下又は所定値を下回った場合に判断部38による炎有無の判断を許容し、差分ΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回った場合に判断部38による炎有無の判断を禁止する。ここでも、図1の1波長式の実施形態同様に、積分値の差分のΔEの絶対値が所定値以上又は所定値を上回った場合には、判断部38で判断結果を採用しないようにしても良い。
【0067】
(受光ユニット12c)
受光ユニット12cは、受光センサ16a,16bとは異なる所定の波長帯域を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光センサ16cを備える。即ち、受光ユニット12a,12bは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E1,E2を出力するのに対し、受光ユニット12cは、本実施形態においては概ね5.0μm~7.0μmの赤外線波長帯域の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E4を出力する。
【0068】
また、受光ユニット12cは、受光センサ16cに続いて、受光センサ16cから出力される受光信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ24cと、前置フィルタ24cを通過した信号成分を初段増幅するプリアンプ26cと、プリアンプ26cからの出力を増幅するメインアンプ28cとで構成される。受光ユニット12cのメインアンプ28cから出力された受光信号E4は、終段アンプ30cを介して、MPU15のA/D変換ポート35dへ入力され、デジタル受光信号に変換して読み込まれ、炎の判断処理に用いられる。
【0069】
(受光センサ16cの構成)
受光センサ16cは、概ね5.0μmを超える所定の波長帯域の放射線を良好に透過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィルタである光学波長フィルタ20cと、光学波長フィルタ20cを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する図4の受光素子部22aと同様の等価回路でなる受光素子部22cを備え、図3に示した受光センサ16aと同様な構造により、パッケージ化された構成とする。
【0070】
(受光センサ16a~16cの波長透過特性)
図9は、図8の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
【0071】
図9に示すように、図8の透光性窓18であるサファイアガラスにより、概ね7.0μm付近以下の放射線が良好に透過するショートウェーブパス特性(又は、ロングウェーブカット特性)を有する透過率特性70が得られる。そして、光学波長フィルタ20a,20bを構成する、概ね4.5μm付近を中心波長とするバンドパスフィルタにより、当該中心波長近傍の波長帯域の放射線エネルギーを透過する透過率特性72が得られる。これらの組合せにより、合成特性74をもつ狭帯域バンドパスフィルタが構成される。
【0072】
一方、透光性窓18であるサファイアガラスの透過率特性70と、光学波長フィルタ20cを構成するロングパスフィルタの透過率特性76の組合せにより、概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の放射線エネルギーを透過する合成特性78をもつ広帯域バンドパスフィルタが構成される。
【0073】
ここで、5.0~7.0μmの帯域を検出する受光センサ16cの視野は、有効視野を概ね包含するようにする。
【0074】
(2波長方式による炎判断)
MPU15に設けられた判断部38は、判断制御部36による炎有無の判断を許容する制御指示を受けた場合、当該許容判断の元となった受光信号E1’,E2’に対応する期間の受光信号E3,E4’の各々について信号振幅(基準電位からの差分の絶対値)の時間積分処理を行い、積分値ΣE3,ΣE4’を算出する。ここで、積分値ΣE3,ΣE4’は、便宜上、炎積分値ΣE3,非炎積分値ΣE4’として区別する。
【0075】
次いで、判断部15は、炎積分値ΣE3が、予め設定された基準レベル以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、炎積分値ΣE3が基準レベルを超えた場合には、非炎積分値ΣE4’との相対比ΣE3/ΣE4’を算出し、相対比(ΣE3/ΣE4’)が、予め設定された閾値を超えた場合は、炎と判定して炎有り判断の第1要素とし、閾値以下の場合には、例えば、人体等の炎以外の比較的低温の放射線源による受光出力があったものとして、炎判断は抑止して行わない。
【0076】
炎判断の第1要素は、図1の実施形態においてはΣE3が基準レベル(閾値)を超えることで成立するのに対し、本実施形態における炎判断の第1要素は、ΣE3が基準レベル(閾値)を超え、且つ相対比ΣE3/ΣE4’が別の閾値を超えることで成立する。
【0077】
また、判断部38は、判断制御部36による炎有無の判断を許容する制御指示を受けた場合、図1の実施形態に示したように、加算器32から出力された積分値の比ΣFL/ΣFHが基準レベルを超えた場合には、炎判断の第2要素とする。
【0078】
そして、判断部38は、炎有り判断の第1要素と第2要素の両方が成立し、且つ、たとえば所定の回数連続した場合に炎有りと判断を確定して火災検出信号を外部に出力する。
【0079】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、受光ユニット12a,12bからの受光信号E1,E2を加算器32で加算して加算受光信号E3として判断部38により炎有無の判断を行っているが、これに限定されず、例えば、受光ユニット12a,12bからの受光信号E1’,E2’の平均を求め、平均受光信号に基づいて判断部38により炎有無の判断するようにしても良い。
【0080】
上記の実施形態は、2波長方式の炎検出装置として、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを観測して炎を判定しているが、4.5μm付近の波長帯域と、2.3μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを観測して炎を判定するようにしても良い。
【0081】
また、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm帯の短波長側の、例えば、2.3μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを、5.0μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを検出し、これらの3波長帯域における受光信号の相対比が炎からの放射の特徴に従うことを炎有りの判断要素とする3波長式の炎検出装置としても良い。
【0082】
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0083】
10:炎検出装置
12a,12b,12c:受光ユニット
15:MPU
16a,16b,16c:受光センサ
18:透光性窓
20a,20b,20d:光学波長フィルタ
22a,22b,22c:受光素子部
24a,24b,24c:前置フィルタ
26a,26b,26c:プリアンプ
27:FET
28a,28b,28c:メインアンプ
30a,30b,30c:終段アンプ
32:加算器
35a,35b,35c,35d:A/D変換ポート
36:判断制御部
38:判断部
45a,45b:焦電体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10