(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160506
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】自律走行能力を有する車両
(51)【国際特許分類】
B60W 30/165 20200101AFI20221012BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221012BHJP
【FI】
B60W30/165
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117738
(22)【出願日】2022-07-25
(62)【分割の表示】P 2020172713の分割
【原出願日】2016-03-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ケルストローム,アンダース
(57)【要約】 (修正有)
【課題】費用効果の高い方法で自律車両の交通安全を改善する状態を作り出す車両を提供する。
【解決手段】本発明は、自律走行能力を有する車両(100)に関する。自律車両(100)は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、自律車両がパイロット車両を追いかけるように、自律車両がパイロット車両(200)によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応されている。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行能力を有する車両(100)であって、
前記自律車両(100)は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、前記自律車両がパイロット車両(200)を追いかけるように、前記自律車両が前記パイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応された車両。
【請求項2】
前記第1のタイプの自律性は、完全又はほぼ完全に自律走行させることを含む、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1のタイプの自律性は、受信したルート又は目的地に関する走行命令に応じて、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
請求項1又は請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の車両。
【請求項5】
前記第1の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域(10,10’)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第1の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができる、
請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の車両。
【請求項6】
前記第2の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域(20)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第2の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができない、
請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の車両。
【請求項7】
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の自律的な追従を含む、第2のタイプの自律性のために構成された、
請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の車両。
【請求項8】
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の動作を検出し、前記検出された動作に応じて、前記パイロット車両(200)の後方で前記自律車両(100)を走行させる手段(104)を備えた、
請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の車両。
【請求項9】
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の方位若しくは方向、前記自律車両と前記パイロット車両との間の距離、又は、これらの両方を検出する手段(104)を備えた、
請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の車両。
【請求項10】
前記第2の走行モードは、非自律的な走行モード用に構成された、
請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の車両。
【請求項11】
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の制御ユニット(208)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記第1の走行モードは、前記自律車両の制御ユニット(108)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
請求項1~請求項11のいずれか1つに記載の車両。
【請求項13】
前記自律車両(100)は、車両が前記パイロット車両(200)となる能力を有しているか検証する手段(108)を備えている、
請求項1~請求項12のいずれか1つに記載の車両。
【請求項14】
前記自律車両は、物資又は原料の輸送車両(100)である、
請求項1~請求項13のいずれか1つに記載の車両。
【請求項15】
前記自律車両は、トラック(100)である、
請求項1~請求項14のいずれか1つに記載の車両。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか1つに記載の自律走行能力を有する車両(100)を走行させる方法であって、
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)を介して前記自律車両(100)の誘導を可能にするステップ(12)を特徴とする方法。
【請求項17】
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)の動作(13a)を検出するステップと、前記検出されたパイロット車両の動作に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップと、を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)から誘導信号、走行制御信号又はこれら両方を受信するステップ(13b,13c)と、前記受信した信号に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップ(14b,14c)と、を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
車両が前記パイロット車両となる能力を有しているかを検証するステップ(30)を含む、
請求項16~請求項18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
プログラムがコンピュータで実行されるとき、請求項16~請求項19のいずれか1つに記載のステップを実行する、ソフトウエアコード手段を含むコンピュータプログラム。
【請求項21】
自律走行能力を有する車両(100)の制御ユニット(108)であって、
前記制御ユニット(108)は、請求項16~請求項19のいずれか1つに記載のステップを実行するように構成されたソフトウエアコード手段を含むことを特徴とする制御ユニット。
【請求項22】
自律走行能力を有する少なくとも1台の車両(100)であって、前記自律車両は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、前記自律車両がパイロット車両を追いかけるように、前記自律車両が前記パイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応された車両と、
少なくとも1台のパイロット車両(200)と、
前記第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域(10)であって、前記自律車両が前記第1の地理的領域において前記第1のタイプの自律性で走行することができる第1の地理的領域と、前記第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域(20)であって、前記自律車両が前記第2の地理的領域において前記第1のタイプの自律性で走行することができない第2の地理的領域と、前記パイロット車両が、前記第2の地理的領域において走行する能力を有し、前記第2の地理的領域において前記自律車両を誘導することができる、ことを定義したソフトウエアコードを有する制御手段(500)と、
を備えた交通制御システム(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行能力を有する車両に関する。また、本発明は、方法、及び、この方法のステップを実行するソフトウエアコード手段を含むコンピュータプログラムに関する。さらに、本発明は、この方法のステップを実行するように構成された制御ユニットに関する。さらにまた、本発明は、自律走行能力を有する少なくとも1台の車両を制御する交通制御システムに関する。
【0002】
本発明は、トラック、バス及び建設機械などの大型車両に適用することができる。トラックについて本発明を説明するが、本発明はこの特定車両に限定されず、乗用車やバスなどの他の車両、アーティキュレートホーラやホイールローダなどの建設機械、船舶及び航空機にも使用することができる。
【0003】
自律車両は、自らを加速、制動及び操舵できる自動運転車両と定義することができる。また、自律車両は、その周囲の状況を検出して、人間入力又は外部制御なしで誘導(navigate)することができる。自律車両は、部分的に又は完全に自律することができる。例えば、車両が自律モードにあるとき、車両操作の運転態様の一部又は全部を、車両制御システムによって処理することができる。そのような場合、車載及び/又はサーバネットワークに配置されたコンピューティングデバイスは、走行ルートの計画、車両態様の検出、車両の周囲の状況の検出、操舵、加速及び制動などの運転機能の制御などの機能を実行するために使用可能である。従って、自律車両は、車両操作の様々な態様で、人間相互作用の必要性を低減又は排除することができる。完全な自律車両は、運転者及び外部制御の管理(supervision)なしにすべての運転機能を実行することができる。
【背景技術】
【0004】
トラックの完全自律レベルに達することは困難であり、複雑な交通環境で起こり得るすべての交通事象に対応する車両技術システム及び基盤技術システムにおける多くの冗長性のため、非常に高価になる可能性がある。この結果、最も困難な環境ではほとんど起こりそうにない交通事象が、より複雑ではなく予測可能な交通環境で一般的に発生する、自律性の利益を得る障壁として機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、費用効果の高い方法で自律車両の交通安全を改善する状態を作り出す車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の車両によって達成される。従って、この目的は、自律走行能力を有する車両によって達成される。自律車両は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、自律車両がパイロット車両を追いかけるように、自律車両がパイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応している。
【0007】
パイロット車両は、その代わりに、先導車両と呼ぶことができる。換言すると、パイロット車両は、自律車両を誘導すると理解することができる。自律車両は、第2の走行モードにおいて、同様に追従車両と呼ぶことができる。一例によれば、自律車両は、パイロット車両が走行した経路を辿ることができる。
【0008】
「誘導」は、第2の走行モードにおいて、自律車両が最初にパイロット車両を自動的に識別して承認し、その後、パイロット車両によって決定された目的地又は所定の目的地に向かってパイロット車両を追いかける点で実行することができる。従って、自律車両は、パイロット車両を識別するシステムを備えることができる。
【0009】
パイロット車両は、タクシーなどの乗用車、自転車乗りなどの理知的に移動する他の物体とすることができる。一例によれば、パイロット車両は、人間の形態をとる運転者によって運転される。他の例によれば、運転者は、パイロット車両内又はパイロット車両に位置して、パイロット車両を運転する。代替例によれば、パイロット車両は、第2の走行モードにおいて、自律車両を誘導できる自律運転可能な自律車両である。そのような場合、パイロット車両は、自律車両より自律性レベルが高い。
【0010】
一例によれば、自律車両は、パイロット車両の後方に位置しつつ誘導されることができる。一例によれば、自律車両は、第2の走行モードにおいて、パイロット車両の直後に位置する。従って、パイロット車両は、自律車両の前方を走行しつつ自律車両を誘導するように適応している。このとき、パイロット車両及び自律車両は、2台の車両コンボイと見ることができる。距離制限(distance limitation)のシステムを使用することによって、パイロット車両と自律車両との間の距離が最小に保たれ、他の車両や移動物体がパイロット車両と自律車両との間のスペースに割り込むことを避けることができる。
【0011】
他の例によれば、「誘導」という用語は、自律車両が何らかの方法でパイロット車両を追いかけることを意味する。一変形例によれば、自律車両がパイロット車両の動作(movement)を無線で検出し、検出された動作に応じて走行し、パイロット車両の経路を辿る能力があることによって実現することができる。従って、この変形例では、走行中に自律車両とパイロット車両との間の通信は必要ない。具体的には、自律車両は、パイロット車両の動作に基づいて誘導することができる。他の変形例又は補足例によれば、パイロット車両が、周囲情報、位置情報及び/又は方向情報などの誘導信号を自律車両に送信し、自律車両が受信した信号に応じて走行することによって実現することができる。さらに他の変形例によれば、パイロット車両が、加速信号、制動信号及び操舵信号などの走行制御信号を自律車両に送信し、自律車両が受信した信号に応じて走行することによって実現することができる。
【0012】
一例によれば、第2のタイプの自律性は、第1のタイプの自律性より自律性のレベルが低い。より低いレベルは、自律車両の誘導において、パイロット車両が支援することによって構成することができる。そのような支援は、(パイロット車両が自律車両に信号を送信せずに自律車両の前方を単に走行することによって)受動的、又は、周囲情報、位置情報及び/又は方向情報などの誘導信号を送信する点で能動的であってもよい。
【0013】
他の例によれば、自律車両は、車両を操舵するシステム、車両を駆動するシステム、及び、車両を制動するシステムなどの運転機能を備えている。また、自律車両は、(レーダ又はカメラなど)車両の周囲の状況を検出するシステムを備えている。さらに、自律車両は、検出システム、操舵システム、駆動システム及び制動システムに動作可能に接続され、検出された周囲の状況に応じて自律車両を走行させる制御ユニットを備えることができる。さらにまた、自律車両は、走行ルートの計画などの機能で車両を誘導するシステムを備えることができる。
【0014】
これによって、自律車両の第1の走行モードを、高速道路などのあまり複雑でなく予測可能な交通環境に対して予め定義し、第2の走行モードを、市街地などのより困難な交通環境に対して予め定義することができる。
【0015】
一例によれば、パイロット車両と自律車両との間で、(コンボイで)相互に走行しつつ、無線の「電子牽引棒(electronic towbar)」装置の一種を使用することができる。
【0016】
一実施形態によれば、第1のタイプの自律性は、完全又はほぼ完全な自律走行を含んでいる。一例によれば、「完全な」自律走行とは、自律車両が完全に自動運転することを意味している。換言すると、運転操作について運転者介入及び外部制御がない。また、「ほぼ完全な」自律走行は、自律車両が何らかの方法で中央制御ハブなどの外部ソースから定期的に支援又は制御されることを含むことができる。そのような外部ソースは、人間介入又は高性能なコンピュータを含んで状況を処理することができる。一例によれば、それ以外はあまり複雑でなく予測可能な交通環境で起こっている、より複雑な交通状況などの特定状況において、外部ソースが運転を支援するか運転を完全に引き継ぐ点で実現することができる。自律車両は、そのような状況が識別されると、支援を求めることができる。その代わりに、自律車両を監視し、そのような状況が識別されると、外部ソースが自動的に支援することができる。
【0017】
他の実施形態によれば、第1のタイプの自律性は、受信したルート又は目的地に関する走行命令に応じて、目的地に向かって車両を自律走行させるように適応されている。従って、ルート又は目的地に沿ってパイロット車両を追いかけることによって構成される、第2の走行モードとは対照的である。特に、第2の走行モードでは、自律車両がルート又は目的地についての情報を持つ必要がない。
【0018】
他の実施形態によれば、第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって車両を自律走行させるように適応されている。一例によれば、第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって自律車両を誘導するように適応されている。
【0019】
他の実施形態によれば、第1の走行モードは、第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域に関連付けられている。自律車両は、第1の地理的領域において、第1のタイプの自律性で走行することができる。一例によれば、第1の地理的領域(交通領域)は、高速道路の一部など、対面交通がなく、交差点がほとんど若しくはまったくなく、歩行者及び自転車などがほとんど若しくはまったくない道路範囲(road stretch)などの比較的複雑でない(容易な)走行状況を有する所定の領域である。
【0020】
一例によれば、自律車両は、第1の地理的領域において自律走行する能力を有している。
【0021】
他の実施形態によれば、第2の走行モードは、第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域に関連付けられている。自律車両は、第2の地理的領域において、第1のタイプの自律性で走行することができない。一例によれば、第2の地理的領域(交通領域)は、多くの交差点、ロータリ、交通信号、交通標識及び歩行者や自転車などの移動物体がある村若しくは町など、比較的複雑な(困難な)走行状況を有する所定の領域とすることができる。他の例によれば、第2の地理的領域は、高速道路間の領域によって区画されている。
【0022】
一例によれば、自律車両は、第2の地理的領域を自律走行する能力を有していないが、パイロット車両は、第2の地理的領域を走行する能力を有している。例えば、パイロット車両は、より高度な自律車両であるか運転者を有していてもよい。
【0023】
一例によれば、第1の地理的領域及び第2の地理的領域は、デジタルマップ上に定義されている。従って、自律車両の誘導システムは、デジタルマップを備えることができる。第1の地理的領域及び第2の地理的領域に対する自律車両の位置は、GPSを介して決定することができる。一例によれば、特定のパイロット車両は、第1の地理的領域のチェックアウトポイント及び/又は第2の地理的領域へのチェックインポイントに近づく、特定の自律車両に関連付けられてこれを誘導するために識別される。信号は、自動的に生成され、第1の地理的領域のチェックアウトポイント又は第2の地理的領域へのチェックインポイントから所定の目的地へと自律車両を誘導する要求を、識別されたパイロット車両に送信することができる。
【0024】
他の実施形態によれば、第2の走行モードは、パイロット車両の自律的な追従を含む、第2のタイプの自律性のために構成されている。一例によれば、第2のタイプの自律性は、パイロット車両からの制御信号の入力を必要としない。従って、この実施形態では、自律車両は、第2の走行モードにおいて自動運転される。
【0025】
最後に説明した実施形態の他の発展例によれば、自律車両は、パイロット車両の動作を検出し、検出された動作に応じてパイロット車両の後方で自律車両を走行させる手段を備えている。自律車両は、検出された動作に応じて走行する。
【0026】
最後に説明した実施形態のさらなる他の発展例によれば、自律車両は、パイロット車両の方位若しくは方向、及び/又は、自律車両とパイロット車両の間の距離を検出する手段を備えている。自律車両は、検出された情報に応じて走行する。
【0027】
一例によれば、追従車両(自律車両)は、頻繁なサンプリングで先導車両(パイロット車両)の距離及び方位を読み込む。サンプル情報を集めて、先導車両が辿った経路を表すことができる。追従車両は、定義された間隔又は車頭間隔(headway)で同一経路を走行することができる。
【0028】
他の実施形態によれば、第2の走行モードは、非自律的な走行モードのために構成されている。従って、この実施形態では、自律車両は、第2の走行モードにおいて、完全な自動運転をしない。一例によれば、自律車両は、第2の走行モードにおいて、パイロット車両からの制御信号に基づいて走行する。一代替例によれば、パイロット車両は、自律車両に誘導情報を送信する。
【0029】
一例によれば、先導車両は、その位置を既知の座標系で追従車両に通信することができる。追従車両は、その後、カタツムリの軌跡(snail trail)とも呼ばれる、先導車両の「仮想トラック」を辿ることができる。より多くの車両データ、例えば、向き(heading)及び時間について、先導車両は、以下に述べる性能が良くなると報告する。追従車両が自分自身のセンサを使用して、先導車両に対する相対位置又は絶対位置を測定する場合、同じ手法を使用することができる。
【0030】
他の例によれば、先導車両は、基準及び基準に向かうその位置を通信することができる。例えば、先導車両は、それが有する横方向距離をレーンマーキングに通信することができ、追従車両は、同様に自分自身を位置決めして、車載のセンサ、例えば、レーダで先導車両を追いかけることができる。三角測量に基準が使用されていれば、先導車両までの縦方向距離も同様に推定することができる。
【0031】
他の例によれば、先導車両は、経路上の各位置における通信時間に応じて、又は、測定された前方車両までの距離によって、追従車両が辿ることができる経路(カタツムリの軌跡)を既知の座標系で通信することができる。
【0032】
他の代替例又は補足例によれば、パイロット車両は、加速信号、制動信号及び操舵信号などの走行信号を自律車両に送信する。一例によれば、自律車両は、自律車両の第2の走行モードにおいて、パイロット車両から運転される。しかしながら、自律車両の安全関連システムなどの特定のシステムは、自律車両の操舵、駆動及び制動が行われている間、又は、パイロット車両によって少なくともこれらが開始されているとき、依然として自律車両によって動作させることができる。一例によれば、「自律車両を走行させる」という用語は、自律車両の少なくとも一部を動作させることを含んでいる。換言すると、「自律車両を走行させる」は、自律車両の操舵、及び/又は、自律車両の駆動(加速/減速)などを含むことができる。従って、自律車両の制御又は走行の少なくとも一部は、自律車両からパイロット車両に引き継ぐことができる。
【0033】
他の例によれば、自律車両は、第2の走行モードにおいて、パイロット車両の制御ユニットからの走行制御信号に基づいて走行する。一例によれば、自律車両の制御ユニットは、パイロット車両の制御ユニットから走行制御信号を受信し、受信した走行制御信号に応じて自律車両の異なる走行システムに走行制御信号を送信するように適応されている。代替例によれば、パイロット車両の制御ユニットは、自律車両の異なる走行システムを直接制御する。
【0034】
他の実施形態によれば、第2の走行モードは、パイロット車両の制御ユニットによって生成された誘導信号及び/又は走行制御信号に基づいて、自律車両を走行させるように構成されている。
【0035】
他の実施形態によれば、第1の走行モードは、自律車両の制御ユニットによって生成された誘導信号及び/又は走行制御信号に基づいて、自律車両を走行させるように構成されている。
【0036】
他の実施形態によれば、自律車両は、車両がパイロット車両となる能力を有しているかを検証する手段を備えている。従って、検証プロセスは、パイロット/誘導が開始される前に実行することができる。
【0037】
他の実施形態によれば、自律車両は、物資又は原料の輸送車両である。一例によれば、自走車両はトラックである。一実施形態によれば、パイロット車両は乗用車である。一例によれば、乗用車はタクシー業務(taxi operation)に関連付けられている。タクシー業務は、インターネットを介して行うことができる。
【0038】
本発明の他の態様によれば、上記の実施形態及び実施例のいずれか1つに記載された、自律走行能力を有する車両を走行させる方法について、第2の走行モードにおいて、パイロット車両を介して自律車両の誘導を可能にするステップを特徴とする。
【0039】
一実施形態によれば、この方法は、第2の走行モードにおいて、パイロット車両の動作を検出するステップと、検出されたパイロット車両の動作に応じて自律車両を走行させるステップと、を含んでいる。
【0040】
他の実施形態によれば、この方法は、第2の走行モードにおいて、パイロット車両から誘導信号及び/又は走行制御信号を受信するステップと、受信した信号に応じて自律車両を走行させるステップと、を含んでいる。一代替例によれば、この方法は、パイロット車両が走行するのと同時に、パイロット車両から自律車両の誘導信号及び/又は走行制御信号を受信するステップを含んでいる。
【0041】
他の代替例によれば、この方法は、パイロット車両の運転者によって行われた運転操作に基づく、自律車両の誘導信号及び/又は走行制御信号を受信するステップを含んでいる。
【0042】
一例によれば、この方法は、パイロット車両の運転者によって行われた運転操作に基づく、自律車両の走行制御信号を受信するステップを含んでいる。この例の一実現例によれば、パイロット車両の運転者は、操舵、加速、減速などの自律車両の走行特性に関する情報を有し、自律車両が追従できるように、それに応じてパイロット車両を走行させる。パイロット車両の運転者によって行われた運転操作は、自律車両を走行させるためにも使用される。
【0043】
他の代替例によれば、この方法は、パイロット車両から受信した誘導信号及び/又は走行制御信号を修正し、それに応じて自律車両を走行させるために修正された走行制御信号を出力するステップを含んでいる。従って、この例によれば、自律車両の制御ユニットは、受信した制御信号の必要な修正を実行する。
【0044】
他の実施形態によれば、この方法は、車両がパイロット車両となる能力を有しているかを検証するステップを含んでいる。従って、検証手順は、制御を要求するパイロット車両が承認されたことを保証するように適応されている。
【0045】
一代替案によれば、この方法は、パイロット車両のパターンを検出し、検出されたパターンを所定のパターンと比較し、検出されたパターンが所定のパターンと一致していればパイロット車両を承認するステップを含んでいる。
【0046】
自律車両が追従する最初のステップは、先導車両を識別することである。正しい先導車両を追いかけることは重要である。この識別は、通信元が不明であれば、通信が不十分である場合の異なる方法で行うことができる。識別は、例えば、先導車両が自律追従車両によって捉えることができるパターン又は同等のもの(信号又は動作)、例えば、ライトを点滅させて通信し、又は、点滅するパターンがどのように見えるかを予め定義することによって行うことができる。誤った先導車両が選ばれた場合、機能安全が危うくなる可能性がある。
【0047】
他の代替例によれば、この方法は、パイロット車両から識別信号を受信し、受信した識別信号を所定の信号と比較し、受信した信号が所定の信号と一致していればパイロット車両を承認するステップを含んでいる。
【0048】
他の代替例によれば、この方法は、パイロット車両が自律車両の走行を開始すべき開始地点に関する情報と共にパイロット車両に信号を送信するステップを含んでいる。開始地点は、「第1のタイプの自律性を保証しない」と定義された第2の地理的領域への入口地点とすることができる。その代わりに、開始地点は、商品受領地点、商品配達地点、サービス工場などであってもよい。他の代替例によれば、この方法は、パイロット車両が自律車両の走行を開始すべき時間に関する情報と共にパイロット車両に信号を送信するステップを含んでいる。
【0049】
他の代替例によれば、この方法は、自律車両の目的地に関する情報と共にパイロット車両に信号を送信するステップを含んでいる。この目的地は、「第1のタイプの自律性を保証する」と定義された第1の地理的領域への入口地点とすることができる。その代わりに、この目的地は、商品受領地点、商品配達地点、サービス工場などであってもよい。
【0050】
他の代替例によれば、この方法は、自律車両の走行特性に関する情報と共にパイロット車両に信号を送信するステップを含んでいる。自律車両の走行特性に関する情報は、自律車両のタイプ若しくはモデル、及び/又は、積載重量に関連した特定の特性とすることができる。そのような自律車両の走行特性は、パイロット車両によって使用されて、自律車両の誘導を計画して実行することができる。
【0051】
本発明の他の態様によれば、プログラムがコンピュータで実行されるとき、上記方法の実施形態及び実施例のいずれかのステップを実行する、ソフトウエアコード手段を含むコンピュータプログラムに関する。
【0052】
本発明の他の態様によれば、自律走行能力を有する車両の制御ユニットに関し、制御ユニットが、上記方法の実施形態及び実施例のいずれか1つに記載のステップ(複数も可能)を実行するように構成された、ソフトウエアコード手段を含むことを特徴とする。
【0053】
本発明の他の態様によれば、
自律走行能力を有する少なくとも1台の車両であって、自律車両は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、自律車両がパイロット車両を追いかけるように、自律車両がパイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応されている車両と、
少なくとも1台のパイロット車両と、
第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域であって、自律車両が第1の地理的領域において第1のタイプの自律性で走行することができる第1の地理的領域と、第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域であって、自律車両が第2の地理的領域において第1のタイプの自律性で走行することができない第2の地理的領域と、パイロット車両が、第2の地理的領域において走行する能力を有し、かつ、第2の地理的領域において自律車両を誘導することができること、を定義するソフトウエアコードを有する制御手段と、
を有する交通制御システムに関する。
【0054】
一例によれば、制御手段は、遠隔の制御ユニット/ハブ/センターに設けられている。代替例又は補足例によれば、制御手段は、自律車両及びパイロット車両の少なくとも一方に少なくとも部分的に設けられている。
【0055】
一実施形態によれば、制御手段は、自律車両が第1の地理的領域にあり、かつ、第2の地理的領域に近づいたとき、パイロット車両を要求するように適応されている。
【0056】
最後に説明した実施形態のさらなる発展例によれば、要求は、パイロット車両が自律車両の誘導を開始すべき開始地点、パイロット車両が自律車両の誘導を開始すべき時間、自律車両の目的地の少なくとも1つに関する情報を含んでいる。
【0057】
本発明のさらなる利点及び有利な特徴は、以下の説明及び従属請求項に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
添付の図面を参照して、複数の例として挙げられた本発明の実施形態のより詳細な説明を以下に示す。
【0059】
【
図1】高速道路上の自律トラックの上方からの図である。
【
図2a】パイロット車両によって誘導される自律トラックの側面図である。
【
図2b】パイロット車両によって誘導及び制御される自律トラックの側面図である。
【
図3】「自律性を保証する」及び「自律性を保証しない」と定義された異なる地理的領域における自律トラック及びパイロット車両の概略図である。
【
図4a】第1実施形態に係る自律トラックの異なるユニットのブロック図である。
【
図4b】第2実施形態に係る自律トラック及びパイロット車両の異なるユニットのブロック図である。
【
図5a】交差点においてパイロット車両によって誘導される
図4aに記載の自律トラックの概略図である。
【
図5b】交差点においてパイロット車両によって誘導される
図4bに記載の自律トラックの概略図である。
【
図7a】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図7b】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図7c】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図8a】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図8b】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図8c】異なる実施形態の方法のブロック図である。
【
図9】「第1のタイプの自律走行を保証する」及び「第1のタイプの自律走行を保証しない」と定義された異なる地理的領域において、複数の自律トラック及び複数のパイロット車両を監視する交通システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、第1実施形態に係る、高速道路を走行中の自律走行能力を有する車両100の上方からの概略図である。自律車両100は、貨物移動車両、具体的にはトラックによって形成されている。自律車両100は、説明を容易にするため、以下においては自律トラック100と称する。
【0061】
自律トラック100は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、自律トラック100がパイロット車両200を追いかけるように、自律トラック100がパイロット車両200によって誘導されるように構成された第2の走行モード(
図2a及び
図2b参照(以下により詳細に説明する))と、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応されている。第1のタイプの自律性は、完全又はほぼ完全に自律走行することを含んでいる。第1のタイプの自律性は、受信した経路又は目的地に関する走行命令に応じて、目的地に向かって自律トラック100を自律走行させるように適応されている。第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって自律トラック100を自律走行させるように適応されている。
【0062】
第1の走行モードは、
図3に示すように、第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域10,10’に関連付けられている。自律トラック100は、第1の地理的領域において、第1のタイプの自律性で走行することができる。第2の走行モードは、第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域20に関連付けられている。自律トラック100は、第2の地理的領域において、第1のタイプの自律性で走行することができない。
【0063】
自律トラック100は、
図1において、自律トラック100の制御ユニット(以下でより詳細に説明する)によって制御される、第1の走行モードにある。自律トラック100は、周囲の状況を検出するシステムを備えている。このシステムは、前方を向く円弧101の短距離レーダと、より小さい前方を向く円弧103を走査する長距離レーダと、を含んでいる。第1の実施形態によれば、自律トラック100は、第1の走行モードにおいて、全く人手なしで動作するように適応されている。その代わりに、自律トラック100は、第1の走行モードにおいて、限定的な人間介入で動作するように適応されていてもよい。
【0064】
図2aは、パイロット車両200によって誘導される、第2の走行モードの第1の変形例における自律トラック100の側面図である。第2の走行モードは、パイロット車両200の自律的な追従を含む、第2のタイプの自律性のために構成されている。自律トラック100は、(レーダ及び/又はカメラなどで)パイロット車両の動作を検出し、検出された動作に応じてパイロット車両200の後方に自律トラック100を走行させる手段を有している。具体的には、検知手段は、パイロット車両の方位若しくは方向、及び/又は、自律トラック100とパイロット車両200との間の距離を検出するように適応されている。第1の変形例では、パイロット車両200は、自律トラック100が目的地に向かって走行するようにこれを受動的に誘導し、自律トラック100は、パイロット車両200の経路を辿るように適応されている。
【0065】
パイロット車両200は、乗用車によって形成され、説明を容易にするため、以下においてはパイロット車両200と呼ぶ。パイロット車両200は、第1の実施形態によれば、パイロット車両の人間の運転者によって運転されるように適応されている。その代わりに、パイロット車両200は、パイロット車両に人間の運転者がいなくても走行するように適応されていてもよい。他の例によれば、パイロット車両200は、自律的又は半自律的に走行するように適応されていてもよい。
【0066】
図2bは、自律トラック100がパイロット車両200の制御ユニットによって能動的に誘導及び/又は制御される、第2の走行モードの第2変形例における自律トラック100の側面図である。具体的には、自律トラック100及びパイロット車両200は、これらの間で信号を伝達する無線接続に適応されている。
【0067】
図3は、「第1のタイプの自律性を保証する」と定義された2つの第1の地理的領域10,10’、及び、「第1のタイプの自律性を保証しない」と定義された第2の地理的領域20の概略図である。
【0068】
第1の地理的領域(交通領域)10,10’は、対面交通がなく、交差点がほとんど若しくはまったくなく、歩行者及び自転車などがほとんど若しくはまったくない道路範囲など、比較的複雑でない(容易な)走行状況を有する所定の領域であって、高速道路の一部として例示されている。第1の自律走行モードは、「第1のタイプの自律性を保証する」と定義された第1の地理的領域10,10’に関連付けられている。自律トラック100は、第1の地理的領域において、自律走行することができる。
【0069】
第2の地理的領域(交通領域)20は、多くの交差点、ロータリー、交通信号、交通標識、歩行者及び自転車などの移動物体を有する村や町など、比較的複雑な(困難な)走行状況を有する領域を含む所定の領域である。図示の例によれば、第2の地理的領域は、高速道路間の領域によって区画されている。第2の走行モードは、「第1のタイプの自律性を保証しない」と定義された第2の地理的領域20に関連付けられている。自律トラック100は、第2の地理的領域において、第1のタイプの自律性で走行することができない。その代わりに、自律トラック100は、第2の地理的領域において、パイロット車両200によって誘導されることができる。
【0070】
図示の例によれば、自律トラック100は、第1の地理的領域10から第2の地理的領域20へと走行した後、第1の地理的領域10’へと走行する。第1の地理的領域10と第2の地理的領域20との間の境界に、チェックインポイント30が設けられている。目的地40は、第2の地理的領域20内に示されている。第2の地理的領域20と第1の地理的領域10’との間の境界に、チェックアウトポイント50が設けられている。
【0071】
図示の例によれば、チェックインポイント30は第1の地理的領域10に設けられ、チェックアウトポイント50は第1の地理的領域10’に設けられている。チェックインポイント30及びチェックアウトポイント50のそれぞれは、少なくともパイロット車両200を収容、好ましくは、少なくとも自律トラック100を収容、より好ましくは、少なくとも1組のパイロット車両200及び自律トラック100を走行方向に沿って配置して収容し、両方の車両が静止状態にある場合、検証手順を実行することができるのに十分な長さである、高速道路に接続された間道(by-road)のそばの領域によって形成されている。
【0072】
図4aは、第1実施形態に係る自律トラック100の異なるユニットのブロック図である。自律トラック100は、推進システム102、センサシステム104、制御システム106及びコンピュータシステム108などの様々なサブシステムを備えている。また、各サブシステムは、相互接続することができる。従って、自律トラック100の上述した1つ以上のサブシステムは、付加機能若しくは物理コンポーネントに分割されてもよく、より少ない機能若しくは物理コンポーネントに組み合わされてもよい。
【0073】
推進システム102は、自律トラック100に対して駆動力(powered motion)を供給するように動作可能なコンポーネントを含むことができる。推進システム102は、エンジン/モータ、エネルギー源、トランスミッション及び車輪/タイヤを含んでいる。エンジン/モータは、内燃機関、電動モータ又はこれらの組み合わせによって形成することができる。この例によれば、エンジンはディーゼルエンジンである。
【0074】
エネルギー源は、エンジン/モータに完全に又は部分的にエネルギーを供給することができる、エネルギー源とすることができる。本開示の範囲内で考えられるエネルギー源の例として、ガソリン、軽油、他の石油系燃料、プロパン、他の圧縮ガスベースの燃料、エタノール、ソーラパネル、バッテリ、他の電源を開示する。エネルギー源(複数も可能)は、付加的に又は代替的に、燃料タンク、バッテリ、キャパシター及び/又はフライホイールの任意の組み合わせを含むことができる。エネルギー源は、自律トラック100の他のシステムに対してエネルギーを供給することもできる。
【0075】
トランスミッションは、エンジン/モータから車輪/タイヤへと機械動力を伝達するように動作可能な要素を備えている。トランスミッションは、ギアボックス、クラッチ、ディファレンシャル及びドライブシャフトを含んでいる。トランスミッションの他の要素も可能である。ドライブシャフトは、1つ以上の車輪/タイヤに連結することができる、1つ以上のアクスルを含むことができる。
【0076】
センサシステム104は、全地球測位システム(GPS)、レーダ(並びにレーザレンジファインダ/LIDAR及びカメラの代替例又は補足例として)、操舵センサ、スロットル/ブレーキセンサなどのいくつかの要素を含むことができる。GPSは、地球に対する自律トラック100の位置に関する情報を提供するように動作可能なトランシーバを含んでいる。レーダは、物体、及び、場合によっては、自律トラック100のローカル環境内で、その速度及び向きを検出する無線信号を利用するシステムを構成する。また、レーダは、無線信号を送受信するように構成された複数のアンテナを有することができる。操舵センサは、自律トラック100の操舵角を検出するシステムを含んでいる。
【0077】
スロットル/ブレーキセンサは、自律トラック100のスロットル位置又はブレーキ位置のいずれかを検出するシステムを含んでいる。いくつかの実施形態では、別々のセンサが、スロットル位置及びブレーキ位置を測定することができる。いくつかの実施形態では、スロットル/ブレーキセンサは、アクセルペダル(スロットル)及びブレーキペダルの両方の角度を測定することができる。
【0078】
制御システム106は、操舵ユニット、スロットル、ブレーキユニット、センサ統合アルゴリズム、コンピュータビジョンシステム、誘導/経路指定システム、障害物回避システムを含む様々な要素を含むことができる。操舵ユニットは、自律トラック100の向きを調整するように動作可能な、任意の機能の組み合わせを構成することができる。例えば、スロットルは、エンジン/モータの動作速度を制御することができ、従って、自律トラック100の速度を制御することができる。ブレーキユニットは、自律トラック100を減速させるように動作可能であってもよい。
【0079】
誘導/経路指定システムは、自律トラック100の走行経路を決定するように構成することができる。誘導/経路指定システムは、自律トラック100の運転中に、動的に走行経路をさらに更新することができる。いくつかの実施形態では、誘導/経路指定システムは、GPSからのデータ及び公知のマップを組み込んで、自律トラック100の走行経路を決定することができる。
【0080】
障害物回避システムは、センサデータに基づいて潜在的な障害物を評価し、自律トラック100を制御して潜在的な障害物を回避するか、さもなければ通り越すように構成された制御システムを構成することができる。
【0081】
また、制御システム106は、自律トラック100がその環境内のデバイスと通信する手段を提供する、無線通信システムを備えている。無線通信システムは、1つ以上のデバイスと直接的又は通信ネットワークを介して無線通信するように構成されている。例えば、無線通信システムは、CDMA、EVDO、GSM/GPRSなどの3Gセルラー方式通信、WiMAX若しくはLTEなどの4Gセルラー方式通信を使用することができる。その代わりに、無線通信システムは、例えば、WiFiを使用して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる。いくつかの実施形態では、無線通信システムは、例えば、赤外線リンク、Bluetooh又はZigBeeを使用して、デバイスと直接通信することができる。本開示の範囲内では、様々な車両通信システムなどの他の無線プロトコルも可能である。例えば、無線通信システムは、車両間の公衆データ通信及び/又は専用データ通信を含むことができる、1つ以上の狭域通信(DSRC)デバイスを含むことができる。
【0082】
電源は、自律トラック100の様々なコンポーネントに電力を供給することができ、例えば、再充電可能なリチウムイオンバッテリ又は鉛バッテリを構成することができる。
【0083】
自律トラック100の機能の多く又はすべては、コンピュータシステム108によって制御されている。コンピュータシステム108は、データ記憶装置112などの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令114を実行する、少なくとも1つの制御ユニット又はプロセッサ110(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含む)を含むことができる。コンピュータシステム108は、自律トラック100の個々のコンポーネント又はサブシステムを分散方式で制御することができる、複数のコンピューティングデバイスを構成することもできる。いくつかの実施形態では、データ記憶装置112は、プロセッサ110によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができ、自律トラック100の様々な機能を実行する。データ記憶装置114は、推進システム102、センサシステム104及び制御システム106のうちの1つ以上にデータを送信、これらからデータを受信、これらと相互作用及び/又はこれらを制御する命令を含む、付加的な命令を同様に含むことができる。これらの命令に加えて、データ記憶装置114は、道路マップ、経路情報などのデータを他の情報に格納することができる。そのような情報は、自律モード、半自律モード(及び/又は手動モード)において、自律トラック100の走行中に、自律トラック100及びコンピュータシステム108が使用することができる。
【0084】
コンピュータシステム108は、様々なサブシステム(例えば、推進システム102、センサシステム104及び制御システム106)から受信した入力に基づいて、自律トラック100の機能を制御することができる。例えば、コンピュータシステム108は、センサシステム104からの入力を利用して、推進システム102及び制御システム106によって生成された出力を推定することができる。実施形態によると、コンピュータシステム108は、自律トラック100の多くの態様及びそのサブシステムを監視するように動作可能である。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム108は、センサシステム104から受信した信号に基づいて、自律トラック100のいくつか又はすべての機能を無効にすることができる。
【0085】
自律トラック100のコンポーネントは、それぞれのシステムの内部又は外部の他のコンポーネントと相互接続して動作するように構成することができる。例えば、例示的な実施形態では、自律モードで走行する自律トラック100の周囲の状況に関する情報を構成することができる、複数の画像をカメラが取り込むことができる。周囲の状況は、車両走行中の道路のパラメータを含むことができる。例えば、コンピュータビジョンシステムは、車道の複数の画像に基づいて、傾斜(勾配)又は他の特徴を認識することができる。また、全地球測位システムとコンピュータビジョンシステムによって認識された特徴との組み合わせは、データ記憶装置に格納されたマップデータと共に使用され、特定の道路パラメータを決定することができる。さらに、レーダユニットは、車両の周囲の状況に関する情報を提供することもできる。
【0086】
換言すると、(入力指示センサ及び出力指示センサと呼ぶことができる)様々なセンサとコンピュータシステム108との組み合わせは、相互作用して、自律トラック100を制御するために提供される入力の指示、又は、自律トラック100の周囲の状況の指示を提供することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム108は、無線システム以外のシステムによって提供されるデータに基づいて、様々な物体について決定することができる。例えば、自律トラック100は、車両の視野内の物体を検出するように構成された、レーザ又は他の光学センサを有することができる。コンピュータシステムは、様々なセンサからの出力を使用して、車両の視野内の物体に関する情報を決定することができる。コンピュータシステムは、様々な物体の距離情報及び方向情報を決定することができる。コンピュータシステムは、様々なセンサからの出力に基づいて、物体が望ましいか望ましくないかを決定することもできる。
【0087】
無線通信システムは、パイロット車両200の外部又は内部のデバイスと通信するように構成することができる、無線送信機及び無線受信機を含むことができる。
【0088】
図4bは、例示的な実施形態に係る自律トラック100及びパイロット車両200における異なるユニットのブロック図である。特に、制御システム106は、パイロット車両200と通信するように適応されている。第2実施形態によれば、パイロット車両200には、推進システム202、センサシステム204、制御システム206及びコンピュータシステム208など、自律トラック100について上述したように、同様なシステムが設けられている。説明を容易にするため、パイロット車両200の同様なシステムは、ここでは詳細に説明しない。
【0089】
図5aは、交差点において、パイロット車両によって誘導される
図4aに記載の自律トラックの概略図である。この例によれば、パイロット車両は、自律トラックの走行に応じた方法で走行する。コーナーリングに関して、パイロット車両は、コーナーの周りで、自律トラックの旋回半径に応じた経路220aに沿って操舵される。従って、パイロット車両200は、パイロット車両自体に必要なよりも、コーナーの周りにより長いルートをとる。従って、自律トラック100は、パイロット車両200の経路210aと同じ経路220aを辿る。また、トラックは乗用車よりも長い加減速距離を必要とする事実のために、好ましくは、パイロット車両がトラックに対応した方法で走行することもできる。従って、パイロット車両に人間の運転者がいる場合、運転者はトラックの走行特性を知っていなければならない。その代わりに、パイロット車両が自律車両である場合、トラックの走行特性に応じて適応されるべきである。
【0090】
図5bは、交差点において、パイロット車両によって誘導される
図4bに記載の自律トラックの概略図である。この場合、パイロット車両は、少なくともコーナーリングに関して、通常運転に従って走行する。自律トラック100はパイロット車両200よりも長い旋回半径220を有しているという事実のため、パイロット車両がコーナーを曲がるとき、自律トラック100は、パイロット車両200の経路210bを完全に辿らない。従って、自律トラック100は、パイロット車両200の経路210bから外れた経路220bを辿る。好ましくは、パイロット車両は、加速及び制動などの他の運転操作に関して、自律トラックの走行に応じた方法で依然として走行することができる。
【0091】
図6は、第1実施形態の方法のブロック図であって、自律トラック100によって実行されるステップを示す。この実施形態は、自律トラック100の第2の走行モードにおいて、パイロット車両200を介して自律トラック100を誘導可能にするステップ12を含んでいる。一例によれば、第2の走行モードは、「第1のタイプの自律性を保証しない」と定義された第2の地理的領域20に関連付けられている。自律トラックは、第2の地理的領域において、第1のタイプの自律性に従って走行することができない。
【0092】
図7aは、第2実施形態の方法のブロック図であって、自律トラック100によって実行されるステップを示す。この実施形態は、上述したように、自律トラック100の第2の走行モードにおいて、パイロット車両200を介して自律トラックを誘導可能にするステップ12に続けて行われる、パイロット車両200の動作を検出するステップ13aと、パイロット車両200の動作の検出に基づいて自律トラック100を走行させるステップ14aと、を含んでいる。
【0093】
図7bは、第3実施形態の方法のブロック図であって、自律トラック100によって実行されるステップを示す。この実施形態は、上述したように、自律トラック100の第2の走行モードにおいて、パイロット車両200を介して自律トラックを誘導可能にするステップ12に続けて行われる、パイロット車両200の制御ユニット208から誘導情報の形態をとる制御信号を受信するステップ13bと、受信した制御信号に基づいて自律トラック100を走行させるステップ14bと、を含んでいる。
【0094】
図7cは、第4実施形態の方法のブロック図であって、自律トラック100によって実行されるステップを示す。この実施形態は、上述したように、自律トラック100の第2の走行モードにおいて、パイロット車両200を介して自律トラックを誘導可能にするステップ12に続けて行われる、パイロット車両200の制御ユニット208から加速信号、制動信号及び操舵信号の形態をとる走行制御信号を受信するステップ13cと、受信した走行制御信号に基づいて自律トラック100を走行させるステップ14cと、を含んでいる。
【0095】
図8aは、第5実施形態の方法のブロック図であって、自律トラック100が第1の地理的領域10を走行し、第2の地理的領域20に近づいて進入したとき、自律トラック100によって実行されるステップを示す。この実施形態は、続けて実行される、第1の走行モードで自律トラック100の制御ユニット108からの走行制御信号に基づいて自律トラック100を走行させるステップ16と、パイロット車両200に自律トラックを誘導することを要求する信号を送信し、この要求に応じてパイロット車両から確認信号を受信した後のみ、第2の走行モードでパイロット車両によって自律トラックの誘導を開始するステップ17と、を含んでいる。また、この方法は、上述した第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態のいずれか1つに記載の連続したステップ12~14を含んでいる。
【0096】
図8bは、第5実施形態の方法の変形例のブロック図であって、自律トラック100及びパイロット車両200によって実行されるステップを示す。自律トラック100によって実行されるステップは、
図8aと同じである。説明を容易にするため、パイロット車両200によって実行されるステップについてのみ以下に説明する。この方法は、パイロット車両200が、パイロット車両に自律トラックを誘導するように要求する自律トラック100からの信号を受信するステップ21を含んでいる。また、この方法は、パイロット車両200が、自律トラック100に確認信号を送信するステップ22を含んでいる。
【0097】
図8cは、第6実施形態の方法のブロック図であって、パイロット車両が正しい先導車両であることを検証するために、自律トラック100及びパイロット車両200によって実行されるステップを示す。この方法は、パイロット車両200が、自律トラック100に対して、パターン又はこれと同様なもの(特定の方法で点滅する光などの信号又は動作)などの所定の識別信号を通信するステップ26を含んでいる。自律トラック100は、ステップ28で識別信号を受信し、ステップ30で識別信号が正しいか否かを検証する。パイロット車両200が先導車両として承認されれば、この方法は、上述した第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態のいずれか1つに記載の連続したステップ12~14に進める。もちろん、第6実施形態を第5実施形態と組み合わせてもよい。
【0098】
図9は、「自律性を保証する」及び「自律性を保証しない」と定義された異なる地理的領域において、複数の自律トラック及び複数のパイロット車両を監視する交通システムの概略図である。交通システムは、複数の衛星400を含む全地球測位システムを備えている。衛星400は、第1の地理的領域10における複数の自律トラック100,100’、並びに、第2の地理的領域20における複数の自律トラック100’’及び複数のパイロット車両200,200’,200’’の位置を監視する。また、交通システムは、車両の位置に関する情報を衛星から受信する、中央ユニット500を備えている。さらに、中央ユニット500は、自律トラックの方向、並びに、各自律トラックがそれぞれのチェックインポイント及びチェックアウトポイントに到着する時間を決定する。また、中央ユニット500は、チェックポイントに近づく自律トラックを誘導する可用性をチェックするパイロット車両の位置及び場合によっては方向を決定するように適応されている。さらにまた、中央ユニット500は、特定の自律トラックと特定のパイロット車両とを組み合わせるために、自律トラック及びパイロット車両と通信するように適応されている。
【0099】
本発明は、上述及び図示の実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内で、多くの変更及び修正を行うことができることを認識するであろう。
【0100】
一応用例によれば、複数の自律トラック100は、第1の地理的領域10(高速道路上)において、コンボイで走行することができる。特定のチェックアウトポイントで第1の地理的領域10から離れるように計画された自律トラック100の台数に応じて、対応する台数のパイロット車両200がチェックアウトポイントで出会うことが要求される。各パイロット車両は、第2の地理的領域20内で、単一かつ専任の自律トラック100の1台をそれぞれの目的地へと誘導する。
【0101】
他の応用例によれば、自律車両は、トラックの代わりに、ホイールローダ又はダンプ(dumper)などの建設機械によって形成することができる。そして、第1の地理的領域は、建設現場、例えば、鉱山など、公共アクセスが制限された領域であってもよい。第2の地理的領域は、建設機械が建設現場に出入りする必要がある公道であってもよい。パイロット車両は、建設機械に関連付けられて、第2の地理的領域において建設機械を誘導する。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行能力を有する車両(100)であって、
前記自律車両(100)は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、前記自律車両がパイロット車両(200)を追いかけるように、前記自律車両が前記パイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応され、
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両がコーナーを曲がるとき、前記自律車両は前記パイロット車両の経路を完全に辿らないように構成され、前記自律車両は前記パイロット車両の旋回半径よりも長い旋回半径を有しているので、前記コーナーにおける前記自律車両の経路が前記パイロット車両の経路から外れている、車両。
【請求項2】
前記第1のタイプの自律性は、完全又はほぼ完全に自律走行させることを含む、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1のタイプの自律性は、受信したルート又は目的地に関する走行命令に応じて、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
請求項1又は請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の車両。
【請求項5】
前記第1の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域(10,10’)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第1の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができる、
請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の車両。
【請求項6】
前記第2の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域(20)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第2の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができない、
請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の車両。
【請求項7】
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の自律的な追従を含む、第2のタイプの自律性のために構成された、
請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の車両。
【請求項8】
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の動作を検出し、前記検出された動作に応じて、前記パイロット車両(200)の後方で前記自律車両(100)を走行させる手段(104)を備えた、
請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の車両。
【請求項9】
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の方位若しくは方向、前記自律車両と前記パイロット車両との間の距離、又は、これらの両方を検出する手段(104)を備えた、
請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の車両。
【請求項10】
前記第2の走行モードは、非自律的な走行モード用に構成された、
請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の車両。
【請求項11】
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の制御ユニット(208)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記第1の走行モードは、前記自律車両の制御ユニット(108)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
請求項1~請求項11のいずれか1つに記載の車両。
【請求項13】
前記自律車両(100)は、車両が前記パイロット車両(200)となる能力を有しているか検証する手段(108)を備えている、
請求項1~請求項12のいずれか1つに記載の車両。
【請求項14】
前記自律車両は、物資又は原料の輸送車両(100)である、
請求項1~請求項13のいずれか1つに記載の車両。
【請求項15】
前記自律車両は、トラック(100)である、
請求項1~請求項14のいずれか1つに記載の車両。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか1つに記載の自律走行能力を有する車両(100)を走行させる方法であって、
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)を介して前記自律車両(100)の誘導を可能にするステップ(12)を特徴とする方法。
【請求項17】
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)の動作(13a)を検出するステップと、前記検出されたパイロット車両の動作に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップと、を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)から誘導信号、走行制御信号又はこれら両方を受信するステップ(13b,13c)と、前記受信した信号に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップ(14b,14c)と、を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
車両が前記パイロット車両となる能力を有しているかを検証するステップ(30)を含む、
請求項16~請求項18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
プログラムがコンピュータで実行されるとき、請求項16~請求項19のいずれか1つに記載のステップを実行する、ソフトウエアコード手段を含むコンピュータプログラム。
【請求項21】
自律走行能力を有する車両(100)の制御ユニット(108)であって、
前記制御ユニット(108)は、請求項16~請求項19のいずれか1つに記載のステップを実行するように構成されたソフトウエアコード手段を含むことを特徴とする制御ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
他の応用例によれば、自律車両は、トラックの代わりに、ホイールローダ又はダンプ(dumper)などの建設機械によって形成することができる。そして、第1の地理的領域は、建設現場、例えば、鉱山など、公共アクセスが制限された領域であってもよい。第2の地理的領域は、建設機械が建設現場に出入りする必要がある公道であってもよい。パイロット車両は、建設機械に関連付けられて、第2の地理的領域において建設機械を誘導する。
以下に、項目として表現される、本発明の考えられる特徴と特徴の組み合わせを記述する。
[項目1]
自律走行能力を有する車両(100)であって、
前記自律車両(100)は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、前記自律車両がパイロット車両(200)を追いかけるように、前記自律車両が前記パイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応された車両。
[項目2]
前記第1のタイプの自律性は、完全又はほぼ完全に自律走行させることを含む、
項目1に記載の車両。
[項目3]
前記第1のタイプの自律性は、受信したルート又は目的地に関する走行命令に応じて、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
項目1又は項目2に記載の車両。
[項目4]
前記第1のタイプの自律性は、パイロット車両の誘導なしで、目的地に向かって前記車両(100)を自律走行させるように適応された、
項目1~項目3のいずれか1つに記載の車両。
[項目5]
前記第1の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域(10,10’)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第1の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができる、
項目1~項目4のいずれか1つに記載の車両。
[項目6]
前記第2の走行モードは、前記第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域(20)に関連付けられ、
前記自律車両(100)は、前記第2の地理的領域において、前記第1のタイプの自律性で走行することができない、
項目1~項目5のいずれか1つに記載の車両。
[項目7]
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の自律的な追従を含む、第2のタイプの自律性のために構成された、
項目1~項目6のいずれか1つに記載の車両。
[項目8]
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の動作を検出し、前記検出された動作に応じて、前記パイロット車両(200)の後方で前記自律車両(100)を走行させる手段(104)を備えた、
項目1~項目7のいずれか1つに記載の車両。
[項目9]
前記自律車両(100)は、前記パイロット車両(200)の方位若しくは方向、前記自律車両と前記パイロット車両との間の距離、又は、これらの両方を検出する手段(104)を備えた、
項目1~項目8のいずれか1つに記載の車両。
[項目10]
前記第2の走行モードは、非自律的な走行モード用に構成された、
項目1~項目6のいずれか1つに記載の車両。
[項目11]
前記第2の走行モードは、前記パイロット車両(200)の制御ユニット(208)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
項目10に記載の車両。
[項目12]
前記第1の走行モードは、前記自律車両の制御ユニット(108)によって生成された誘導信号、走行制御信号又はこれらの両方に基づいて、前記自律車両(100)を走行させるように構成された、
項目1~項目11のいずれか1つに記載の車両。
[項目13]
前記自律車両(100)は、車両が前記パイロット車両(200)となる能力を有しているか検証する手段(108)を備えている、
項目1~項目12のいずれか1つに記載の車両。
[項目14]
前記自律車両は、物資又は原料の輸送車両(100)である、
項目1~項目13のいずれか1つに記載の車両。
[項目15]
前記自律車両は、トラック(100)である、
項目1~項目14のいずれか1つに記載の車両。
[項目16]
項目1~項目15のいずれか1つに記載の自律走行能力を有する車両(100)を走行させる方法であって、
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)を介して前記自律車両(100)の誘導を可能にするステップ(12)を特徴とする方法。
[項目17]
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)の動作(13a)を検出するステップと、前記検出されたパイロット車両の動作に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップと、を含む、
項目16に記載の方法。
[項目18]
前記第2の走行モードにおいて、前記パイロット車両(200)から誘導信号、走行制御信号又はこれら両方を受信するステップ(13b,13c)と、前記受信した信号に応じて前記自律車両(100)を走行させるステップ(14b,14c)と、を含む、
項目16又は項目17に記載の方法。
[項目19]
車両が前記パイロット車両となる能力を有しているかを検証するステップ(30)を含む、
項目16~項目18のいずれか1つに記載の方法。
[項目20]
プログラムがコンピュータで実行されるとき、項目16~項目19のいずれか1つに記載のステップを実行する、ソフトウエアコード手段を含むコンピュータプログラム。
[項目21]
自律走行能力を有する車両(100)の制御ユニット(108)であって、
前記制御ユニット(108)は、項目16~項目19のいずれか1つに記載のステップを実行するように構成されたソフトウエアコード手段を含むことを特徴とする制御ユニット。
[項目22]
自律走行能力を有する少なくとも1台の車両(100)であって、前記自律車両は、第1のタイプの自律走行用に構成された第1の走行モードと、前記自律車両がパイロット車両を追いかけるように、前記自律車両が前記パイロット車両によって誘導されるように構成された第2の走行モードと、を含む少なくとも2つの異なる走行モードに適応された車両と、
少なくとも1台のパイロット車両(200)と、
前記第1のタイプの自律性を保証すると定義された第1の地理的領域(10)であって、前記自律車両が前記第1の地理的領域において前記第1のタイプの自律性で走行することができる第1の地理的領域と、前記第1のタイプの自律性を保証しないと定義された第2の地理的領域(20)であって、前記自律車両が前記第2の地理的領域において前記第1のタイプの自律性で走行することができない第2の地理的領域と、前記パイロット車両が、前記第2の地理的領域において走行する能力を有し、前記第2の地理的領域において前記自律車両を誘導することができる、ことを定義したソフトウエアコードを有する制御手段(500)と、
を備えた交通制御システム(300)。
【外国語明細書】