(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160554
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】非ルアーコネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20221012BHJP
A61M 5/34 20060101ALI20221012BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A61M39/10 100
A61M5/34 520
A61M5/34 530
A61M5/31
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123253
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2021096803の分割
【原出願日】2011-08-17
(31)【優先権主張番号】13/210,966
(32)【優先日】2011-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/374,325
(32)【優先日】2010-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン ユン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ヨンシアン
(72)【発明者】
【氏名】デヴェッシュ マトゥール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】標準規格の雌ルアーコネクタと容器の間の液密封止の形成を防ぐ非ルアーコネクタを提供する。
【解決手段】非ルアーコネクタは、遠位壁518を含む開口した遠位端、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含む側壁、および遠位壁から遠位方向に延びる細長い先端532を有する容器であって、細長い先端が、流体チャンバへの出入りを可能にする開口部を含む、容器と、標準規格のルアーコネクタが容器に取り付けられるときに、標準規格のルアーコネクタと容器との間の漏出を生じさせる開口した遠位端に配設される非ルアー要素と、を備え、非ルアー要素は、複数のバリア壁552同士の間で離間した、チャンネルへの出入りを可能にする少なくとも1つのすき間557を形成する複数のバリア壁を含み、非ルアー要素は遠位端および近位端を含み、少なくとも1つのすき間は非ルアー要素の遠位端から非ルアー要素の近位端へ延びる。
【選択図】
図34
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置であって、
遠位壁を含む開口した遠位端、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含む側壁、および前記遠位壁から遠位方向に延びる細長い先端を有する容器であって、前記細長い先端が、前記流体チャンバへの出入りを可能にする開口部、近位方向から遠位方向に減少する6%より小さい先細りを含む内面、および標準規格の雌ルアーコネクタと容器の接続を妨げるように大きさが決定される外側の断面の寸法を含む、容器と、
前記容器の前記細長い先端に取り外し可能に取り付けられる雌の非ルアーコネクタであって、ハブ本体であって、開口した近位端、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細りを有し、雌の非ルアーコネクタと標準規格の雌ルアーコネクタの接続を妨げるように大きさが決定される断面幅を有する空洞を画定する内部表面、および前記ハブ本体に取り付けられる針カニューレを含むハブ本体を備え、前記針カニューレが、前記容器の前記開口部に流体連通している開口した遠位端を含む、雌の非ルアーコネクタと、
液密封止が、前記雌の非ルアーコネクタと前記容器の間に形成されること、および前記針カニューレが、前記容器の前記開口部に流体連通していることの表示を与える目に見える表示と、
を備えることを特徴とする薬物送達装置。
【請求項2】
雌の非ルアーコネクタに接続するための非ルアーコネクタであって、
遠位壁を含む開口した遠位端、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含む側壁、および前記遠位壁から遠位方向に延びる細長い先端を有する容器であって、前記細長い先端が、前記流体チャンバへの出入りを可能にする開口部を含む、容器と、標準規格のルアーコネクタが前記容器に取り付けられるときに、前記標準規格のルアーコネクタと前記容器との間の漏出を生じさせる前記開口した遠位端に配設される非ルアー要素と、を備え、
前記非ルアー要素は、複数のバリア壁同士の間で離間した、チャンネルへの出入りを可能にする少なくとも1つのすき間を形成する前記複数のバリア壁を含み、前記非ルアー要素は遠位端および近位端を含み、前記少なくとも1つのすき間は前記非ルアー要素の前記遠位端から前記非ルアー要素の前記近位端へ延びる、ことを特徴とする非ルアーコネクタ。
【請求項3】
前記非ルアー要素は、前記容器の前記遠位壁から遠位方向に延び、かつ前記細長い先端の周りに同軸に配設され、前記非ルアー要素は、前記細長い先端と前記非ルアー要素との間に前記雌の非ルアーコネクタの一部を受け入れるためのチャネルを形成することを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項4】
前記非ルアー要素の内側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法より大きく、かつ前記標準規格の雌ルアーコネクタの外側の断面の寸法より小さいことを特徴とする請求項3に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項5】
前記非ルアー要素は、円形、正方形、および三角形の断面形状の1つを有することを特徴とする請求項4に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項6】
アセンブリであって、
請求項5に記載の非ルアーコネクタと雌の非ルアーコネクタとを備え、前記雌の非ルアーコネクタは前記容器の前記細長い先端に取り外し可能に取り付けられ、前記雌の非ルアーコネクタは、ハブ本体であって、開口した近位端と、前記雌の非ルアーコネクタの前記細長い先端に対する液密のための寸法の空洞を画定する内面と、前記ハブ本体に取り付けられる針カニューレと、を含むハブ本体と、を含み、前記針カニューレは前記空洞と流体連通している開口した遠位端を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのすき間は少なくとも2つのすき間を含み、前記2つのすき間の間に湾曲した断面を有することを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのすき間は、非ルアーコネクタがルアースリップ継ぎ手またはルアーロック継ぎ手を備えるかどうかについての目に見える表示を与えることを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの非ルアーコネクタは、前記非ルアー要素と標準規格の雌ルアーコネクタの間の液密封止の形成を防ぐように選択される寸法を有することを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項10】
前記非ルアー要素は、前記細長い先端を通り越して遠位方向に延びる遠位端を含むことを特徴とする請求項3に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項11】
前記細長い先端は、前記非ルアー要素を通り越して遠位方向に延びる遠位端を含むことを特徴とする請求項3に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項12】
前記複数のバリア壁は、前記細長い先端より短いまたは等しい長さを有することを特徴とする請求項3に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項13】
前記複数のバリア壁は、前記細長い先端より長いまたは等しい長さを有することを特徴とする請求項3に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項14】
前記複数のバリア壁は、非ルアーコネクタの対応する構造に係合するために当該バリア壁に配設された複数のねじ山を有することを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【請求項15】
前記複数のバリア壁の外側の断面の寸法は、標準規格のルアーコネクタの内側の断面の寸法より小さく、前記外側の断面の寸法は前記標準規格のルアーコネクタと前記複数のバリア壁との間で漏出を生じさせる、ことを特徴とする請求項2に記載の非ルアーコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、標準規格の雄のルアーコネクタ(以下、雄ルアーコネクタ)および雌のルアーコネクタ(以下、雌ルアーコネクタ)(standard male and female luer connectors)に関する誤接続を防ぐ、薬物送達システムで用いるための非ルアーコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達装置で用いられるコネクタは、典型的には、一般的なISO規格のルアー接続を共用する。標準規格のルアー先端または標準規格の雄コネクタは、ISO594-1:1986および594-2:1998において国際標準化機構(ISO)によって与えられるような仕様を有し、開口した遠位端から近位端へ増加する6%の先細りと、硬質材料の場合は約0.1545インチ(3.925mm)と約0.1570インチ(3.990mm)の間、および半硬質材料の場合は約0.1545インチ(3.925mm)と約0.1585インチ(4.027mm)の間である先端の遠位端における外側の断面の直径とを含む。標準規格のルアーハブまたは標準規格の雌ルアーコネクタは、開口した近位端から遠位端へ減少する6%の先細りと、約0.168インチ(4.270mm)と約0.170インチ(4.315mm)の間である開口した近位端における内側の断面の寸法とを有し得る。対応する雄ルアーロックコネクタに接続するためのタブまたは突起を組み込む標準規格の雌ルアーコネクタの形態では、突起を含む標準規格の雌ルアーコネクタの外側の断面の寸法は、約0.307インチ(7.80mm)から約0.308インチ(7.83mm)の範囲内である。対応する雄ルアーロックコネクタに接続するためのタブまたは突起を組み込まない標準規格の雌ルアーコネクタの形態では、外側の断面の寸法は、ISO594-2の突起の基部における標準規格の雌ルアーコネクタの最大の外径に基づいて、硬質コネクタの場合は約0.224インチ(5.700mm)、および半硬質コネクタの場合は約0.265インチ(6.730mm)であり得る。ISO594-1によれば、標準規格のルアー先端および/または標準規格のルアーハブの最小の長さは、0.295インチ(7.500mm)である。本明細書で用いられる場合、「標準規格の雄ルアーコネクタ」および「標準規格の雌ルアーコネクタ」という言い回しは、上記の寸法を有するコネクタに言及するものである。
【0003】
本明細書においては総称して標準規格のルアーコネクタと呼ばれる標準規格のルアー雄コネクタおよび標準規格の雌コネクタは、血管内、麻酔、および腸内の送達システムに使用可能であり、あるシステムを他のシステムに適合する薬物送達装置を可能にする構造を含み得る。例えば、いくつかの脊髄軸の薬物送達システムは、他の送達の応用、例えば、中心静脈カテーテル、中心静脈圧部品(central venous pressure parts)、注入ポート、バルーンポート(balloon port)、挿入器ポート(introducer port)、IVルアーコネクタ、腹膜透析カテーテル、肺動脈カテーテル用の遠位ポート、および多くの他のコネクタと共に使用されるコネクタとして同じタイプの標準規格のルアーコネクタを使用することができる。あるタイプの送達システムのための薬物送達システムを、他のタイプの送達システムに用いるためのコネクタに接続する意図していない結果は、そのような接続が、2つの無関係のシステム、すなわち脊髄軸と静脈内(IV)の間の結合をもたらすことになる。各送達システムは、知られた薬物送達システムの交換性が迂回できる明確に異なる目的および異なる投薬法を用いた独特の送達方法を与えることが意図される。そのような迂回は、患者への危害および/または深刻な損傷をもたらし得る。
【0004】
血管アクセスまたはシステム(vascular access or system)のための標準規格のルアーコネクタの使用を制限することが、装置の製造業者および取締機関によって受け入れられている1つの統一見解である。したがって、装置は標準規格のルアーコネクタまたは不適合な装置とは物理的に接続できない異なるタイプのコネクタを有するので、全ての他の装置を修正する必要性がある。新しく提案した小口径のコネクタのための規格、例えば、脊髄軸の用途のためのISO80369-6も、適切な非ルアーコネクタの必要を推し進めた。これらの提案した新しい規約は、標準規格のルアーコネクタに現在用いられている6%の先細りの代わりに、5%の先細りを有するコネクタを含む。加えて、新しい規約は、標準規格のルアーコネクタより小さい内側の断面の寸法および外側の断面の寸法、および標準規格のルアーコネクタより長い長さを有するコネクタを提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬物送達システム間の誤接続を防ぐまたは最小限にする試みは、誤接続について実施者を教育すること、標識を付けること、および色分けすることを含む。しかし、これらの試みは、一時的な解決策を提供するに過ぎない。取り外し可能な非ルアーアダプタを与えるアダプタの使用は、人為的過誤がないまたは減少させる永久の解決策を与えることはやはりない。薬物送達システムが、標準規格のアンプル(ampoule)、小びんまたは他の容器に適合しないので、他の解決策は、薬物送達システムに投薬される薬剤を使用者が満たすことを可能にするためにアダプタの使用が必要とされる。
【0006】
標準規格のルアーコネクタおよび他の意図していない薬物送達システムに関する誤接続を防ぐ、薬物送達システムで用いるための非ルアーコネクタが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、装置の遠位端は、患者に最も近い端部であり、装置の近位端は、患者から遠く離れていると共に実施者に最も近い端部であるという決まりに従う。
【0008】
本明細書で用いられる場合、用語「寸法」には、本明細書に記載された幾何学的形状または幾何学的形状の構成要素の長さ、直径、または幅が含まれるものとする。用語「断面の寸法」には、円形の断面または非円形の断面を有する物体または構成要素の断面の縁上の2点間の最長の距離または最大の距離の測定値が含まれるものとする。2点は、物体の断面の縁の内面または外面上に位置することができる。物体の断面の縁の内面上に位置する2点の断面の寸法は、「内側断面の寸法」と呼ばれるものとし、物体の断面の縁の外面上に位置する2点の断面の寸法は、「外側断面の寸法」と呼ばれるものとする。円形の断面を有する物体の「断面の寸法」は、物体の「直径」と呼ばれ得ることを認識されたい。円形の断面を有する物体については、用語「断面の寸法」および「直径」は、互いに交換可能に用いることができる。
【0009】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態の薬物送達システムは、脊髄軸の薬物送達の応用、麻酔の薬物送達の応用、血管内の薬物送達の応用、または他の薬物送達の応用に使用することができる。
【0010】
本発明の第1の態様は、雌の非ルアーコネクタに接続するための雄の非ルアーコネクタに関連する。1つまたは複数の実施形態では、非ルアーコネクタは、遠位壁を含む開口した遠位端と、遠位壁から近位方向に延びる側壁とを備える容器を含む。側壁は、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含む。容器は、遠位壁から遠位方向に延びる細長い先端も備える。細長い先端は、チャンバへの出入りを可能にする開口部、外面、および遠位端を含む。
【0011】
1つまたは複数の実施形態では、細長い先端の外面は、先端の遠位端で測定した外側の断面の寸法が0.1545インチ(3.925mm)以下である。1つまたは複数の特定の実施形態では、先端の遠位端で測定した細長い先端の外側の断面の寸法が、約0.100インチ(2.540mm)から約0.145インチ(3.683mm)の範囲内である。いっそうさらなる特定の実施形態では、細長い先端の遠位端で測定した細長い先端の外側の断面の寸法が、約0.1306インチ(3.317mm)から約0.1326インチ(3.368mm)の範囲内である。
【0012】
1つまたは複数の実施形態の細長い先端は、容器の遠位壁から細長い先端の遠位端まで測定した長さが約0.200インチ(5.080mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内であってもよい。
【0013】
細長い先端の外面は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細りを有してもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、外面の先細りは、約3%から約5.9%の範囲内であってもよい。
【0014】
1つまたは複数の実施形態では、細長い先端の外面は、近位方向から遠位方向に減少する6%を超える先細りを有してもよい。
【0015】
1つまたは複数の実施形態の非ルアーコネクタは、容器の細長い先端に取り外し可能に取り付けられる雌の非ルアーコネクタをさらに備えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、雌の非ルアーコネクタは、開口した近位端、および空洞を画定する内部表面を有するハブ本体を含む。ハブ本体は、適宜、ハブ本体に取り付けられる針カニューレを含んでもよい。針カニューレは、容器の開口部に流体連通している開口した近位端を含んでもよい。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、ハブ本体の空洞は、開口した近位端で測定した内側の断面の寸法が0.168インチ(4.270mm)未満であってもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、ハブ本体の空洞は、近位端における内側の断面の寸法が約0.110インチ(2.794mm)から約0.150インチ(3.810mm)の範囲内にあってもよい。いっそうさらなる特定の実施形態では、ハブ本体の空洞は、開口した近位端で測定した内側の断面の寸法が約0.1417インチ(3.599mm)から約0.1437インチ(3.650mm)の範囲内であってもよい。
【0017】
雌の非ルアーコネクタの1つまたは複数の実施形態の空洞は、長さが約0.250インチ(6.350mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内であってもよい。
【0018】
1つまたは複数の実施形態では、空洞の内部表面は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細りを有する。1つまたは複数の特定の実施形態では、空洞の内部表面は、約3%から約5.9%の範囲内、またはあるいは約0.5%から約2.9%の範囲内の近位方向から遠位方向に減少する先細りを有する。
【0019】
1つまたは複数の実施形態では、空洞の内部表面は、近位方向から遠位方向に減少する6%を超える先細りを有する。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、容器の細長い先端は、正方形の断面の形状を備えてもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、細長い先端の外面は、正方形の断面の形状を備えてもよい。1つまたは複数の実施形態の雌の非ルアーコネクタの空洞は、正方形の断面の形状を有する内部表面を有してもよい。雌の非ルアーコネクタは、細長い先端、またはより具体的には細長い先端の外面との液密封止を形成するように選択される内側の断面の寸法を有することもできる。1つまたは複数の代替的実施形態では、細長い先端は、円形の断面の形状を有してもよい。雌の非ルアーコネクタの空洞は、細長い先端との液密封止を形成するように選択される内側の断面の寸法を有してもよい。具体的には、空洞の内側の断面の寸法の形状および/またはサイズは、細長い先端の外面との液密封止を形成するように選択されてもよい。
【0021】
本発明の第2の態様は、非ルアー要素を備える雌の非ルアーコネクタに接続するための非ルアーコネクタに関連する。1つまたは複数の実施形態では、非ルアーコネクタは、遠位壁を含む開口した遠位端と、遠位壁から遠位方向に延びる側壁と有する容器を備える。側壁は、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含んでもよい。容器は、遠位壁から遠位方向に延びる細長い先端を備えることもできる。細長い先端は、チャンバへの出入りを可能にする開口部を含む。1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素は、容器の開口した遠位端に配設され、標準規格のルアーコネクタと容器の液密の接続を防ぐようになっている。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、細長い先端は、外面を備え、外面上に非ルアー要素を配設することができる。1つまたは複数の変形形態の非ルアー要素は、細長い先端の外側の断面の寸法より大きい外側の断面の寸法を有する外部表面を備えてもよい。非ルアー要素の外側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法よりやはり大きくてもよい。非ルアー要素の外側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタと細長い先端の接続を防ぐことができる。1つまたは複数の代替的実施形態では、非ルアー要素の外部表面は、円形の断面の形状、正方形の断面の形状、および三角形の断面の形状のうちの1つを有する。
【0023】
第2の態様による非ルアーコネクタの実施形態は、他に本明細書に記載されたように、容器の細長い先端に取り外し可能に取り付けられる雌の非ルアーコネクタを備えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、雌の非ルアーコネクタは、細長い先端またはより具体的には先端の外面との液密封止を形成するように選択される断面の寸法を有する空洞を有してもよい。
【0024】
1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素は、容器の遠位壁から遠位方向に延びる。非ルアー要素は、細長い先端の周りに同軸に配設され、細長い先端と雌の非ルアーコネクタの一部を受け入れる非ルアー要素の間のチャンネルを形成してもよい。1つまたは複数の変形形態では、非ルアー要素の内側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法より大きく、標準規格の雌ルアーコネクタの外側の断面の寸法未満であってもよい。1つまたは複数の代替的実施形態では、非ルアー要素は、円形の断面、正方形の断面、および三角形の断面のうちの1つを有する。1つまたは複数の実施形態の非ルアー要素は、チャンネルへの出入りを可能にする少なくとも1つのすき間を備えてもよい。一変形形態では、非ルアー要素は、少なくとも2つのすき間を含み、2つのすき間の間に湾曲した断面形状を備える。別の変形形態では、非ルアー要素は、遠位端および近位端を備え、少なくとも1つまたは2つのすき間が、非ルアー要素の遠位端から非ルアー要素の近位端まで延びる。さらに別の変形形態では、少なくとも1つまたは2つのすき間が、遠位端から非ルアー要素の遠位端と非ルアー要素の近位端の間を部分的にある距離まで延びる。1つまたは複数の実施形態に設けられる1つまたは複数のすき間は、非ルアーコネクタが、ルアースリップ継ぎ手またはルアーロック継ぎ手を備えるかについての目に見える表示を与えてもよい。1つまたは複数の実施形態の非ルアーコネクタが、非ルアー要素と標準規格の雌ルアーコネクタの間の液密封止の形成を防ぐように選択される寸法を有する少なくとも1つのすき間を組み込んでもよい。一変形形態では、非ルアー要素の遠位端は、細長い先端を通り越して遠位方向に延びる。別の変形形態では、細長い先端は、非ルアーコネクタの遠位端を通り越して遠位方向に延びる遠位端を含む。
【0025】
非ルアー要素が細長い先端の周りに同軸に配設される1つまたは複数の実施形態では、非ルアーコネクタは、本明細書に記載されるように、容器の細長い先端に取り外し可能に取り付けられる雌の非ルアーコネクタを備えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、雌の非ルアーコネクタは、ハブ本体、および雌の非ルアーコネクタと細長い先端の液密接続のために寸法を決められた空洞を含んでもよい。1つまたは複数の実施形態では、雌の非ルアーコネクタの空洞は、細長い先端との液密封止を形成するように選択される断面の寸法を有してもよい。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素は、細長い先端の遠位端における非ルアーコネクタに設けられてもよい。非ルアー要素は、細長い先端の遠位端に配設され、細長い先端と標準規格の雌ルアーコネクタタの間の液密封止の形成を防ぐようになっていてもよい。1つまたは複数の実施形態では、細長い先端は、遠位端から容器の遠位壁まで延びる外面を有する本体壁を備えてもよく、非ルアー要素は、細長い先端の遠位端を横切って細長い先端の本体壁の外面まで開口部を延ばす細長い先端の開口部に流体連通している切り込みを備える。1つまたは複数の特定の実施形態では、非ルアー要素は、細長い先端の遠位端に配設される複数の切り込みを備える。複数の切り込みは、先端の遠位端の周に沿って互いに隣接して配設されてもよく、先端の開口部を囲んでもよい。1つまたは複数の変形形態では、複数の切り込みは、細長い先端の遠位端に延びる楔形を有する。細長い先端の長さは、複数の切り込みに沿って変わり得る。具体的には、細長い先端は、先端の開口部から先端の外面まで遠位端に沿って増加する長さを有し得る。1つまたは複数の実施形態では、細長い先端の外面は、近位方向から遠位方向に5%減少する先細りを有する。先端は、標準規格の雌ルアーコネクタと容器の接続を妨げるように大きさが決定される外側の断面の寸法を有することもできる。
【0027】
切り込みを備える非ルアーコネクタの実施形態は、他に上述したように、1つまたは複数の切り込みは、細長い先端に取り外し可能に取り付けられる雌の非ルアーコネクタを含んでもよい。雌の非ルアーコネクタは、雌の非ルアーコネクタと細長い先端の液密の接続のために寸法を決められた空洞を画定する内部表面を備えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、雌の非ルアーコネクタを容器に取り付けると、切り込みが、ハブ本体の内部表面に接触することができ、液密封止が、細長い先端の遠位端と雌の非ルアーコネクタの間に形成される。1つまたは複数の代替的実施形態では、標準規格の雌ルアーコネクタを容器に取り付けると、切り込みが、標準規格の雌ルアーコネクタの内面からある距離に配設され、細長い先端の遠位端と標準規格の雌ルアーコネクタの間の液密封止の形成を防ぐ。雌の非ルアーコネクタの内部表面は、近位方向から遠位方向に減少する5%の先細りを有してもよい。1つまたは複数の代替的実施形態では、非ルアー要素は、チャンネルへの出入りを可能にする少なくとも1つのすき間をさらに備えてもよい。
【0028】
本発明の第3の態様は、容器および雌の非ルアーコネクタを備える薬物送達装置に関連する。1つまたは複数の実施形態では、容器は、遠位壁を含む開口した遠位端、および遠位壁から近位方向に延びる側壁を備える。側壁は、流体を保持するための流体チャンバを画定する内面を含む。細長い先端は、遠位壁に配設され、遠位壁から遠位方向に延びる。細長い先端は、チャンバへの出入りを可能にする開口部、および近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細りを含む内面を備える。細長い先端は、標準規格の雌ルアーコネクタと容器の接続を妨げるように大きさが決定される外側の断面の寸法を有することができる。雌の非ルアーコネクタは、開口した近位端、および空洞を画定する内部表面を含むハブ本体を備えてもよい。ハブ本体の内部表面は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細りを有してもよい。空洞は、雌の非ルアーコネクタと標準規格の雌ルアーコネクタの接続を妨げるように大きさが決定される内側の断面の寸法を有してもよい。ハブ本体は、適宜、容器の開口部に流体連通している開口した遠位端を含む、ハブ本体に取り付けられる針カニューレを備えてもよい。
【0029】
1つまたは複数の実施形態の薬物送達装置は、液密封止が、雌の非ルアーコネクタと容器の間に形成されること、および針カニューレが、容器の開口部に流体連通していることの表示を与える目に見える表示を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】従来技術による標準規格の雄ルアーコネクタを有する注射器外筒の斜視図である。
【
図2】
図1の注射器外筒および標準規格の雄ルアーコネクタの断面側面図である。
【
図3】
図2の標準規格の雄ルアーコネクタの拡大図である。
【
図4】従来技術による標準規格の雌ルアーコネクタを有する針ハブの断面側面図である。
【
図5】本発明の1つまたは複数の実施形態による雌の非ルアーコネクタの斜視図である。
【
図6】
図5に示される非ルアーハブの近位端からの斜視図である。
【
図7】
図5に示される雌の非ルアーコネクタの側面立面図である。
【
図8】コネクタを90度回転した後の
図7に示される雌の非ルアーコネクタの側面立面図である。
【
図9】
図7に示される雌の非ルアーコネクタの正面立面図である。
【
図10】
図7に示される雌の非ルアーコネクタの背面立面図である。
【
図11】線11-11に沿った
図7に示される雌の非ルアーコネクタの断面図である。
【
図12】近位端から見た
図11に示される雌の非ルアーコネクタの斜視図である。
【
図13】遠位端から見た
図11に示される雌の非ルアーコネクタの斜視図である。
【
図14】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の近位端からの斜視図である。
【
図17】容器を90度回転した後の
図16に示される容器の側面立面図である。
【
図20】線20-20に沿った
図17に示される容器の断面図である。
【
図21】近位端から見た
図17に示される容器の斜視図である。
【
図22】遠位端から見た
図17に示される容器の斜視図である。
【
図23】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの斜視図である。
【
図26】線26-26に沿った
図23に示される容器の拡大した部分断面図である。
【
図27】近位端から見た
図26に示される容器の斜視図である。
【
図28】遠位端から見た
図26に示される容器の斜視図である。
【
図29A】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図29B】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図29C】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図29D】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図29E】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図32】線32-32に沿った
図29に示される容器の拡大した部分断面図である。
【
図33】近位端から見た
図37に示される容器の斜視図である。
【
図35】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの部分斜視図である。
【
図39】線39-39に沿った
図36に示される容器の拡大した部分断面図である。
【
図40】近位端から見た
図39に示される容器の斜視図である。
【
図41】遠位端から見た
図39に示される容器の斜視図である。
【
図42】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の斜視図である。
【
図43】
図42に示される容器の拡大した部分側面立面図である。
【
図44】容器を90度回転した後の
図43に示される容器の側面立面図である。
【
図47】線47-47に沿った
図44に示される容器の断面図である。
【
図48】遠位端から見た
図47に示される容器の斜視図である。
【
図49】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの拡大した部分斜視図である。
【
図50】
図49に示される容器の拡大した部分側面立面図である。
【
図51】容器を90度回転した後の
図50に示される容器の側面立面図である。
【
図54】線54-54に沿った
図50に示される容器の断面図である。
【
図55】近位端から見た
図54に示される容器の斜視図である。
【
図56】遠位端から見た
図54に示される容器の斜視図である。
【
図57】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の遠位端からの拡大した部分斜視図である。
【
図61】線61-61に沿った
図58に示される容器の拡大した部分断面図である。
【
図62】遠位端から見た
図61に示される容器の拡大した部分斜視図である。
【
図63】
図62に示される容器の先端の拡大した部分図である。
【
図64】従来技術による標準規格のルアーコネクタのための既存のISO規格と、脊髄軸の用途のための雄コネクタおよび雌コネクタのための提案した規格とを比較する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載する構成またはプロセスのステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々なやり方で実行または実施することができる。
【0032】
本発明の態様は、他の不適合なまたは意図していない標準規格のルアーコネクタとの誤接続を防ぐ非ルアーコネクタに関連する。本明細書では、非ルアーコネクタは、上述のように、標準規格のルアーコネクタとは異なる形状、寸法または構造を有するコネクタとして定義されるものとする。非ルアーコネクタは、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタとして特徴付けされないまたは定義されない形状、寸法または構造を有するコネクタをやはり含むものとする。1つまたは複数の特定の実施形態では、非ルアーコネクタは、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタとは異なる長さおよび/または断面の寸法を有する。さらなる特定の実施形態では、非ルアーコネクタは、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタとは異なる先細りを有する。いっそうさらなる特定の実施形態では、非ルアーコネクタは、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタより穏やかな先細りと、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタより小さい断面の寸法と、上記定義のような、またはISO594-1:1986もしくはISO594-2:1998によるルアーコネクタより長い長さとを有する。具体的には、本明細書に記載された非ルアーコネクタの実施形態は、標準規格のルアーコネクタと非ルアーコネクタの接続を防ぐ特徴を組み込む。本明細書で用いられる場合、標準規格のルアーコネクタは、標準規格のルアーコネクタを組み込む針ハブ、注射器または他の送達の部品を含むことができる。
図1~
図4に、例示的な標準規格のルアーコネクタを示す。
図1は、遠位端111および近位端119を有する注射器外筒100を示す。注射器外筒100は、遠位端111から近位端119まで延びる側壁112を含むと共に、流体を保持するためのチャンバ116を画定する内面114を含む。注射器外筒100は、遠位端111に隣接した遠位壁118、および注射器外筒の近位端119に配設されたフランジ120も備える。ルアーコネクタ121は、遠位壁118から延びると共にチャンバ116に流体連通している通路124を備える開口した先端122の形態で設けられる。先端122は、外側の断面の寸法、および標準規格の雄ルアーコネクタに典型的なものである長さを画定する外面126を含む。
【0033】
図4に、標準規格の雌ルアーコネクタを有する例示的な標準規格の針ハブ130を示す。針ハブ130は、開口した遠位端131、および開口した近位端139を備える。ハブ本体132は、遠位端131から近位端139まで延びる。図示した実施形態では、ルアーコネクタ133は、空洞136を画定する内面134を備えるハブ本体132の形態で設けられる。空洞136は、注射器外筒の先端122との液密係合を可能にするように大きさが決定されると共にそれを可能にするように形状を有する。
図4に示される針ハブ130は、開口した遠位端111に取り付けられる針カニューレ140も備える。針カニューレ140は、空洞136に流体連通している開口した遠位端142を備える。ハブ本体132の内面134は、標準規格の雌ルアーコネクタに典型的なものである内側の断面の寸法および長さを有する。
【0034】
注射器外筒100の標準規格のルアーコネクタと針ハブ130の標準規格のルアーコネクタの両方は、互いに締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するように大きさが決定され、成形される。具体的には、先端122の外面は、上記のように、先端122が針ハブ130の内面との締まり嵌め接続を形成することを可能にする標準規格の雄ルアーコネクタに典型的なものである先細り、長さおよび形状を有しており、やはり上記のように、この針ハブ130の内面も、標準規格の雌ルアーコネクタに典型的なものである先細り、長さおよび形状を有する。1つまたは複数の代替的実施形態では、注射器外筒100は、ルアーロックコネクタ(luer lock connector)(図示せず)の形態の標準規格の雄ルアーコネクタを備えることができ、これは、針ハブ130を注射器外筒100に取り付けるために、針ハブ130の協働構造、例えば、
図4に示されるように、外向きに延びるタブ138に係合するねじ山付きの部分を備える。
【0035】
本発明の第1の態様は、非ルアーコネクタと標準規格のルアーコネクタの接続を防ぐ寸法および/もしくは形状を有するまたは特徴を組み込む非ルアーコネクタに関連する。本発明の第2の態様は、標準規格のルアーコネクタへの接続を防ぐための非ルアー要素を利用する非ルアーコネクタを含む。本発明の第3の態様は、非ルアーコネクタと標準規格のルアーコネクタの間の液密の接続の形成を防ぐ非ルアーコネクタを含み、それによって接続における漏出させる、または液体の漏出の可能性を増加させる。
【0036】
図5~
図13に、本発明の第1の態様、第2の態様、および第3の態様による薬物送達装置の一部として利用できる雌の非ルアーコネクタ200の1つまたは複数の実施形態を示す。具体的には、雌の非ルアーコネクタ200は、後述する容器の非ルアーコネクタに取り付けることができる非ルアー部分230を備える。
【0037】
雌の非ルアーコネクタ200は、開口した遠位端201、および開口した近位端209を備える。雌の非ルアーコネクタ200は、対応する非ルアーコネクタとの締まり嵌め接続を形成するための非ルアー部分230も含む。非ルアー部分230は、雌の非ルアーコネクタ200の不可欠な構成部品であり、
図5~
図13に示される実施形態では、雌の非ルアーコネクタ200の開口した近位端209から遠位方向に延びる壁212として設けられる。壁212は、対応する非ルアーコネクタの少なくとも一部を受け入れる空洞216を画定する内面214を備える。雌の非ルアーコネクタ200は、半径方向外向きに延びるリム218を雌の非ルアーコネクタ200の遠位端201における外面203の全周に沿って配設した外面203を含む。
図5~
図13に示される実施形態におけるリム218は、ロック用の特徴またはねじ山付き構成要素を備える対応する非ルアーコネクタに係合するためのリム218の少なくとも一部に沿って配設される半径方向外向きに延びるタブ220を備える。タブ220は、ロック用の特徴またはねじ山付き構成要素との係合を容易にするために2つの先細りの端部を備えてもよい。リム218は、雌の非ルアーコネクタ200の残りの部分の断面の直径より大きい断面の直径を有する内面219を備える。
【0038】
壁212の内面214は、雌の非ルアーコネクタ200と他の対応する非ルアーコネクタの係合または取り付けを可能にする寸法および/または形状を有する。後述するように、対応する非ルアーコネクタは、標準規格の雌ルアーコネクタの内面134で測定した内側の断面の寸法より小さいもしくは大きい外側の断面の寸法を有する外面を含む。しかし、対応する非ルアーコネクタの外側の断面の寸法は、液密の接続をもたらすために、
図5~
図13に示される雌の非ルアーコネクタ200の内面214に適切に係合するように大きさが決定され、および/またはそのように成形される。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、壁212の内面214は、非円形の断面を有する対応する非ルアーコネクタとの液密係合を形成するように成形されてもよい。具体的には、壁212の内面214は、正方形、三角形、または他の非円形の断面を有することができ、この断面は、正方形、三角形、または他の非円形の断面を有する外面のある非ルアーコネクタとの締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を可能にする。
【0040】
加えて、壁212の内面214は、雌の非ルアーコネクタ200と標準規格の雄ルアーコネクタの係合を防ぐ寸法および/または形状を有する。具体的には、壁212の内面214は、標準規格の雄ルアーコネクタ、例えば、円形の断面を有する外面126を有する先端122との締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ正方形、三角形、または他の非円形の断面を有することができる。壁212の内側の断面の寸法が、先端122または典型的なルアーコネクタの標準規格の雄コネクタが空洞216内に配設されることを可能にするように大きさが決定される実施形態では、内面214における壁212の非円形の断面の形状は、先端の外面126との間の十分な接触を防ぎ、それによってそれらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ。1つまたは複数の実施形態では、壁212の内側の断面の寸法は、先端122または他の標準規格の雄ルアーコネクタの外側の断面の寸法より大きくてもよく、これによって先端または他のルアーコネクタの外面126との間の十分な接触をやはり防ぎ、それによってそれらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ。
【0041】
図示した実施形態では、取り付け端部210は、第1の狭くなった壁222であって、壁212から、第1の狭くなった壁222に隣接して遠位に配設される第2の狭くなった壁224まで延在する第1の狭くなった壁222も備える。第3の狭くなった壁226は、第2の狭くなった壁224に隣接して遠位に配設され、雌の非ルアーコネクタ200の近位端209まで延びる。第1の狭くなった壁222の内側の断面の寸法は、壁212の内面で測定した壁212の内側の断面の寸法未満である。第1の狭くなった壁222は、先細り、すなわち遠位方向に減少する内側の断面の寸法を有することができる。第1の狭くなった壁222の内側の断面の寸法または形状は、雌の非ルアーコネクタ200と標準規格の雄ルアーコネクタの付着をやはり防ぐことができる。
【0042】
第2の狭くなった壁224は、第1の狭くなった壁222の内側の断面の寸法および壁212の内側の断面の寸法より小さい内側の断面の寸法を有する。
図11に示されるように、第2の狭くなった壁224は、先細りを有することができ、先細りの内側の断面の寸法は遠位方向に減少する。
図11に示される実施形態では、第2の狭くなった壁224の先細り、すなわち内側の断面の寸法の減少は、厳しいまたは劇的である。1つまたは複数の代替的実施形態では、第2の狭くなった壁224の先細り、すなわち内側の断面の寸法の減少は、緩やかであってもよく、および/または第2の狭くなった部分は、一定の内側の断面の寸法を有することができる。第3の狭くなった壁226は、壁212の内側の断面の寸法、第1の狭くなった壁222、および第2の狭くなった壁224より小さい内側の断面の寸法を有する。第3の狭くなった壁226は、一定の内側の断面の寸法を有することができ、または
図11に示されるように、遠位方向に減少する先細りの内側の断面の寸法を有する近位部分と、一定の内側の断面の寸法を有する遠位部分とを備える。第3の狭くなった壁226は、壁212から第3の狭くなった壁226まで含む雌の非ルアーコネクタの開口した近位端209からハブの開口した遠位端まで延びる空洞216内で針カニューレを支持するように成形されおよび大きさが決定される。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、空洞216は、0.168インチ(4.270mm)の近位端209で測定した内側の断面の寸法を有する。1つまたは複数の特定の実施形態では、空洞216は、近位端209で測定した内側の断面寸法が約0.100インチ(2.540mm)から約0.1600インチ(4.064mm)の範囲内、またはより具体的には約0.1300インチ(3.302mm)から約0.1500インチ(3.810mm)の範囲内である。いっそうさらなる特定の実施形態では、空洞216は、近位端209で測定した内側の断面寸法が約0.1417インチ(3.599mm)から約0.1437インチ(3.650mm)の範囲内である。近位端209における空洞216の内側の断面の寸法の下限には、0.1400インチ(3.556mm)、0.1404インチ(3.566mm)、0.1408インチ(3.576mm)、0.1412インチ(3.586mm)、および0.1416インチ(3.597mm)が含まれ得る。近位端209における空洞216の内側の断面の寸法の上限には、0.1439インチ(3.655mm)、0.1443インチ(3.665mm)、0.1447インチ(3.675mm)、0.1451インチ(3.686mm)、および0.1455インチ(3.696mm)が含まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、空洞216の内側の断面の寸法は、約0.100インチ(2.540mm)から0.119インチ(3.023mm)、約0.130インチ(3.302mm)から約0.139インチ(3.531mm)、約0.140インチ(3.556mm)から約0.149インチ(3.785mm)、約0.150インチ(3.810mm)から約0.159インチ(4.039mm)、または約0.159インチ(4.039mm)から約0.167インチ(4.242mm)の範囲内であり得る。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、壁212の内面214は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細り、すなわち6%未満の割合で近位端209から遠位端201に向かって減少する内側の断面寸法を有してもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、壁212の内面214は、近位方向から遠位方向に減少する先細りが約3%から約5.9%の範囲内である。1つまたは複数の実施形態では、壁212の内面214の先細りは、近位方向から遠位方向に減少する約0.5%から約2.9%の範囲内とすることができる。特定の実施形態では、壁212の内面214の先細りは、近位方向から遠位方向に減少する約5%である。近位方向から遠位方向に減少する壁212の内面214の先細りの下限には、4.2%、4.4%、4.6%、4.8%が含まれ得る。近位方向から遠位方向に減少する壁212の内面214の先細りの上限には、5.2%、5.4%、5.6%、5.8%が含まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、壁212の内面214は、近位方向から遠位方向に減少する6%を超える先細り、すなわち6%を超える割合で近位端209から遠位端201に向かって減少する内側の断面寸法を有してもよい。
【0045】
1つまたは複数の実施形態では、近位端209から第2の狭くなった壁224の端(ただし、第2の狭くなった壁を含まない)まで測定した空洞216の長さは、約0.200インチ(5.080mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内とすることができる。さらなる特定の実施形態では、近位端209から第2の狭くなった壁224の端(ただし、第2の狭くなった壁224を含まない)までの空洞216の長さは、約0.295インチ(7.500mm)から約0.400インチ(10.16mm)の範囲内とすることができる。いっそうさらなる特定の実施形態では、空洞216の長さは、約0.303インチ(7.696mm)とすることができる。
【0046】
雌の非ルアーコネクタの外面203は、第1の狭くなった壁222からハブの開口した遠位端201に隣接した位置まで延在する少なくとも1つのアームを備える。
図5~
図13に示される実施形態では、雌の非ルアーコネクタ200は、雌の非ルアーコネクタ200の両側に配設されると共に第1の狭くなった壁222から開口した遠位端201に隣接した位置まで延びる2つのアーム231、232を備える。アーム231、232は、雌の非ルアーコネクタの外面203とアーム231、232の間の空間234、236を画定する。アーム231、232は、指で握る領域または握持する面を与え、使用中にこの上で雌の非ルアーコネクタ200を握持する。アーム231、232は、そのような指で握る領域を与えることが知られている任意の形状を有することができる。1つまたは複数の代替的実施形態では、雌の非ルアーコネクタ200は、その外面203上に何の構造もないものとすることができる。
【0047】
開口した遠位端201に隣接して、雌の非ルアーコネクタは、ハブの外面203から半径方向に外向きに延びる2つのアーム231、232に隣接して配設される環状ディスク(annular disc)240を備える。4つの個別の突出部243、244、245、246は、外面203から半径方向に外向きに延びると共に、同じ軸に沿って環状ディスク240から開口した遠位端201まで延びる。
図11および
図12に示されるように、4つの個別の突出部243、244、245、246は、第3の狭くなった壁226に沿って位置する。
【0048】
図6により明らかに示されるように、リム218は、スタイレット(stylet)および脊椎穿刺針(spinal needle)と共に用いるための凹みを備えることができる。1つまたは複数の代替的実施形態では、凹みは、凹みが針カニューレの斜端と位置合わせされる針の斜端の向きの表示(needle bevel orientation indicator)を与える。
【0049】
図14~
図22に、本発明の第1の態様による薬物送達装置に用いる非ルアーコネクタの1つまたは複数の実施形態を示す。
図14~
図22は、別の非ルアーコネクタ、例えば、上記の雌の非ルアーコネクタ200へ取り付けるための非ルアー部分330を含む非ルアーコネクタ300を示す。
図14~
図22の非ルアーコネクタ300が、注射器外筒310の形態の容器に対して一体に形成されて示されている。容器は、他の形態、例えば、薬の袋、硬膜外ポンプ(epidural pump)、および当技術分野で知られている他の容器内に設けられてもよい。
図14~
図22に示される注射器外筒310は、遠位端311と、開口した近位端319と、遠位端311から開口した近位端319まで延びる側壁312とを備える。側壁312は、流体を保持するためのチャンバ316を画定する内面314を含み、この液体には、液体の薬剤および/または他の液体が含まれ得る。開口した近位端319は、オプションフランジ(option flange)320を含んでもよく、遠位端311は、遠位壁318を含む。非ルアー部分330は、容器内に一体に形成されるまたは一体に設けられる。具体的には、
図14~
図22に示される実施形態では、非ルアー部分330は、遠位壁318から遠位方向に延びると共に開口部334を含む先端332の形態で設けられる。先端332は、遠位壁318から先端の遠位端333まで延びる。先端332は、外面338と、チャンバ316と開口部334の間の流体連通を可能にする通路342を画定する内面340とを備える。
【0050】
図示した実施形態では、先端332は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4に示される針ハブ130と注射器外筒310の接続を防ぐ寸法および/または形状を有する。具体的には、非ルアー部分330は、円形の断面および/またはより小さいもしくはより大きい外側の断面の寸法を有する典型的なルアーコネクタに適合しない正方形の断面および/または外側の断面の寸法を有する。図示した実施形態では、先端332は、正方形の断面を有する先端332の通路342の周りの囲壁を形成するように接続される4つの個別の壁343、344、345、346の形態で示されている。1つまたは複数の実施形態では、壁343および346の交差点および壁345および344の交差点において先端332の外面338から測定される先端332の外側の断面の寸法は、針ハブ130のルアーコネクタ133のハブ本体132の内面134の内側の断面の寸法より大きい。したがって、ハブ本体132は、先端332が空洞136内に配設されるように先端332上に嵌まるまたは先端332上を滑ることができ、ハブ本体132の内面134は、先端332の外面338との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成することができない。したがって、非ルアー部分330は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、針ハブ130のルアーコネクタ133の接続を防ぐ。後述するように、非ルアー部分330は、別の対応する非ルアーコネクタへの接続を可能にする寸法および/または形状を有する。
【0051】
1つまたは複数の代替的実施形態では、先端332は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法より小さい外側の断面の寸法を有することができる。そのような実施形態では、先端332のより小さい外側の断面の寸法は、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するのに十分なルアーコネクタの内面134と先端の外面338の間の接触を防ぐ。
【0052】
1つまたは複数の実施形態では、ハブ本体132の内面134が、先端332が空洞136内に配設されるように、ハブ本体132が、先端332の外面338上を滑ることを可能にするのに十分な大きさの内側の断面の寸法を有する場合でも、先端332の正方形の断面は、ハブ本体132の内面134が、先端332の外面338との締まり嵌め接続および/または液密封止を形成するのに十分な先端332の外面338との接触をするのを防ぐ。これは、内面134が曲がっており、先端332の外面338と接触しないからである。言い換えると、正方形の断面を有する先端332の角は、円形の断面を有するハブ、例えば、針ハブ130の内面と接触しない。1つまたは複数の代替的実施形態では、先端332は、標準規格の雌ルアーコネクタの内面、例えばルアーコネクタ133の内面134との十分な接触を防ぎ、それによってそれらの間の締まり嵌め接続および/または液密封止の形成を防ぐ三角形の断面または他の断面を有してもよい。
【0053】
先端332は、標準規格の雌ルアーコネクタとの締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ長さも有することができる。具体的には、先端332の長さは、あまりに長くまたはあまりに短くて、先端332およびルアーコネクタの内面134のそれぞれの先細りが、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するように位置合わせすることができないものであり得る。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、先端332は、遠位端333における外側の断面の寸法が0.1545インチ(3.925mm)以下である。さらなる特定の実施形態では、先端332は、遠位端333における外側の断面の寸法が約0.1200インチ(3.048mm)から約0.1500インチ(3.810mm)の範囲内、またはより具体的には約0.1300インチ(3.302mm)から約0.1400インチ(3.556mm)の範囲内である。いっそうさらなる特定の実施形態では、先端332は、遠位端333において外側の断面の寸法が約0.1306インチ(3.317mm)から約0.1326インチ(3.368mm)の範囲内であってもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、遠位端333における先端332の外側の断面の寸法が、約0.100インチ(2.540mm)から約0.119インチ(3.023mm)、約0.120インチ(3.048mm)から約0.129インチ(3.277mm)、約0.130インチ(3.302mm)から約0.139インチ(3.531mm)、約0.140インチ(3.556mm)から約0.149インチ(3.785mm)、または約0.150インチ(3.810mm)から約0.154インチ(3.912mm)の範囲内である。遠位端333における先端332の外側の断面の寸法の上限には、0.1328インチ(3.373mm)、0.1330インチ(3.378mm)、0.1332インチ(3.383mm)、0.1334インチ(3.388mm)、0.1336インチ(3.393mm)、および0.1338インチ(3.399mm)が含まれ得る。遠位端333における先端332の外側の断面の寸法の下限には、0.1304インチ(3.312mm)、0.1302インチ(3.307mm)、0.1298インチ(3.297mm)、0.1296インチ(3.292mm)、0.1294インチ(3.287mm)、0.1292インチ(3.282mm)、および0.1290インチ(3.277mm)が含まれ得る。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、先端332の外面338は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細り、すなわち6%未満の割合で近位方向から遠位方向に減少する外側の断面の寸法を有してもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、先端332の外面338は、近位方向から遠位方向に減少する先細りが約3%から約5.9%の範囲内、または約0.5%から約2.9%の範囲内とすることができる。特定の実施形態では、先端332の外面338は、近位から遠位の方向に減少する5%の先細りを有する。
【0056】
1つまたは複数の実施形態では、先端332の外面338は、近位方向から遠位方向に減少する6%を超える先細り、すなわち6%を超える割合で近位方向から遠位方向に減少する外側の断面の寸法を有してもよい。
【0057】
1つまたは複数の実施形態では、遠位壁318から先端の遠位端333までの先端332の長さは、約0.200インチ(5.080mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、先端332の長さは、約0.250インチ(6.350mm)から約0.450インチ(11.43mm)の範囲内、またはより具体的には約0.295インチ(7.500mm)から約0.400インチ(10.16mm)の範囲内とすることができる。いっそうさらなる特定の実施形態では、先端332の長さは、約0.300インチ(7.620mm)とすることができる。
【0058】
対応する非ルアーコネクタ、例えば、
図5~
図13の雌の非ルアーコネクタ200との使用時、先端332は、雌の非ルアーコネクタ200の空洞216に挿入される。力が、注射器外筒310に遠位方向に加えられ、および/または雌の非ルアーコネクタ200に近位方向に加えられて、雌の非ルアーコネクタの壁212の内面214に、先端332の外面338を締まり嵌め接続および/または液密係合で係合させる。注射器外筒310から雌の非ルアーコネクタ200を取り除くためには、力が、容器に近位方向に加えられ、および/または雌の非ルアーコネクタ200に遠位方向に加えられて、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を係合解除する。
【0059】
図23~
図28は、本発明の第1の態様による薬物送達装置に用いる非ルアーコネクタ400の他の実施形態を示す。具体的には、
図23~
図28は、非ルアーコネクタ、例えば、上記の雌の非ルアーコネクタ200へ取り付けるための非ルアー部分430を含む非ルアーコネクタ400を示す。
図14~
図22を参照して上述したように、非ルアーコネクタ400は、注射器外筒410の形態の容器に対して一体に形成されて示されている。
図14~
図22に関して上述した通り、容器が、他の形態、例えば、薬の袋、硬膜外ポンプ、および当技術分野で知られている他の容器内に設けられてもよい。
図23~
図28に示される注射器外筒410は、遠位壁418を備える。非ルアー部分430は、容器内に一体に形成されるまたは一体に設けられる。具体的には、
図23~
図28に示される実施形態では、非ルアー部分430は、注射器外筒410の遠位壁418から遠位方向に延びると共に開口部434を含む先端432の形態で設けられる。先端432は、遠位壁418から先端の遠位端433まで延びる本体壁436を含む。本体壁436は、外面438と、注射器外筒410のチャンバと開口部434の間の流体連通を可能にする通路442を画定する内面440とを備える。先端432の遠位端433は、本体壁436の外面438から開口部434まで内向きに延びる端壁444も備える。
【0060】
図示した実施形態では、本体壁436は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4に示される針ハブ130と注射器外筒410の接続を防ぐ寸法および/または形状を有する。具体的には、非ルアー部分430の本体壁436は、より小さいもしくはより大きい内側の断面の寸法を有する典型的なルアーコネクタに適合しない外側の断面の寸法および/または厚さを有する。図示した実施形態では、本体壁436は、正方形の断面を有する先端432の通路442の周りに囲壁を形成する円形の断面を有する連続した壁の形態で示されている。1つまたは複数の実施形態では、外面438における本体壁436の外側の断面の寸法は、針ハブのルアーコネクタ133のハブ本体132の内面134の内側の断面の寸法より大きい。したがって、ハブ本体132は、先端432が空洞136内に配設されるように本体壁436上に嵌まるまたは本体壁436上を滑ることができず、ハブ本体132の内面134は、本体壁436の外面438との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成することができない。したがって、非ルアー部分430は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、針ハブ130の接続を防ぐ。後述するように、非ルアー部分430は、別の対応する非ルアーコネクタへの接続を可能にする外側の断面の寸法を有する。
【0061】
本体壁436の厚さは、標準規格の雌ルアーコネクタと非ルアーコネクタ430の接続を防ぐ寸法を有することもできる。具体的には、本体壁436は、先端432の外側の断面の寸法を増加させる厚さを有することができ、これは、上述のように標準規格の雌ルアーコネクタとの締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ。本体壁436の厚さは、通路442の断面の寸法を減少させ、先端432の外側の断面の寸法を維持することによって変更することもできる。
【0062】
1つまたは複数の代替的実施形態では、先端432は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4に示される針ハブ130のルアーコネクタ133の内側の断面の寸法より小さい外側の断面の寸法を有することができる。そのような実施形態では、本体壁436のより小さい外側の断面の寸法は、ルアーコネクタの内面134と本体壁の外面438の間のそれらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するのに十分な接触を防ぐ。非ルアー部分430または先端432は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4のルアーコネクタ133との締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ長さも有することができる。具体的には、本体壁436の長さは、あまりに長くまたはあまりに短くて、本体壁436およびルアーコネクタの内面134のそれぞれの先細りが、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するように位置合わせすることができないものであり得る。
【0063】
1つまたは複数の実施形態では、先端432は、先端の遠位端433または端壁444において0.1545インチ(3.925mm)未満の外側の断面の寸法を有する。先端432の外側の断面の寸法は、先端の外側表面438上の2点間の最も長い距離を含むことが理解されよう。さらなる特定の実施形態では、先端432は、先端の遠位端433におけるまたは端壁444において外側の断面の寸法が約0.1200インチ(3.048mm)から約0.1500インチ(3.810mm)の範囲内、またはより具体的には約0.1300インチ(3.302mm)から約0.1400インチ(3.556mm)の範囲内である。いっそうさらなる特定の実施形態では、先端432は、端壁444におけるまたは先端の遠位端において外側の断面の寸法が約0.1306インチ(3.317mm)から約0.1326インチ(3.368mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、端壁444におけるまたは先端の遠位端433における先端432の外側の断面の寸法は、約0.100インチ(2.540mm)から約0.119インチ(3.023mm)、約0.120インチ(3.048mm)から約0.129インチ(3.277mm)、約0.130インチ(3.302mm)から約0.139インチ(3.531mm)、約0.140インチ(3.556mm)から約0.149インチ(3.785mm)、または約0.150インチ(3.810mm)から約0.154インチ(3.912mm)の範囲内である。端壁444または先端の遠位端433における先端432の外側の断面の寸法の上限には、0.1328インチ(3.373mm)、0.1326インチ(3.368mm)、0.1330インチ(3.378mm)、0.1332インチ(3.383mm)、0.1334インチ(3.388mm)、0.1336インチ(3.393mm)、および0.1338インチ(3.399mm)が含まれ得る。端壁444におけるまたは先端の遠位端433における先端432の外側の断面の寸法の下限には、0.1306インチ(3.317mm)、0.1304インチ(3.312mm)、0.1302インチ(3.307mm)、0.1298インチ(3.297mm)、0.1296インチ(3.292mm)、0.1294インチ(3.287mm)、0.1292インチ(3.282mm)、および0.1290インチ(3.277mm)が含まれ得る。
【0064】
1つまたは複数の実施形態では、先端432の外面438は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細り、すなわち6%未満の割合で近位方向から遠位方向に減少する外側の断面寸法を有してもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、先端432の外面438は、近位方向から遠位方向に減少する先細りが約3%から約5.9%の範囲内、または約0.5%から約2.9%の範囲内とすることができる。特定の実施形態では、先端432の外面438は、近位から遠位の方向に減少する5%の先細りを有することができる。
【0065】
1つまたは複数の実施形態では、遠位壁418から先端の遠位端433までの、すなわち端壁444における先端432の長さは、約0.200インチ(5.080mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、遠位壁418から先端の遠位端433までの、すなわち端壁444における先端432の長さは、約0.250インチ(6.350mm)から約0.450インチ(11.43mm)の範囲内、またはより具体的には約0.295インチ(7.500mm)から約0.400インチ(10.16mm)の範囲内とすることができる。いっそうさらなる特定の実施形態では、遠位壁418から先端の遠位端433までの、すなわち端壁444における先端432の長さは、約0.300インチ(7.620mm)とすることができる。
【0066】
対応する非ルアーコネクタ、例えば、
図5~
図13の雌の非ルアーコネクタ200との使用時、先端432は、雌の非ルアーコネクタ200の空洞216に挿入される。力が、注射器外筒410に遠位方向に加えられ、および/または雌の非ルアーコネクタ200に近位方向に加えられて、雌の非ルアーコネクタの壁212の内面214に、先端432の外面438を締まり嵌め接続および/または液密係合で係合させる。注射器外筒410から雌の非ルアーコネクタ200を取り除くためには、力が、容器に近位方向に加えられ、および/または雌の非ルアーコネクタ200に遠位方向に加えられて、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を係合解除する。
【0067】
図29~
図34に、本発明の第2の態様による薬物送達装置に用いる非ルアーコネクタ500の1つまたは複数の実施形態を示す。
図29~
図34は、非ルアー要素550に標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、上記の針ハブ130が付着するのを防ぐ非ルアー要素550を含む非ルアーコネクタ500を示す。
図29~
図34の非ルアーコネクタ500は、
図14~
図22を参照して上述したように、注射器外筒510の形態の容器に対して一体に形成されて示される。容器は、他の形態、例えば、薬の袋、硬膜外ポンプ、および当技術分野で知られている他の容器内に設けられてもよい。
図29~
図34に示される注射器外筒510は、遠位壁518を備える。先端532は、注射器外筒510の遠位壁518から遠位方向に延び、通路542と、注射器外筒のチャンバに流体連通している開口部534と備える。
【0068】
先端の外面538は、対応する非ルアーコネクタの内面との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成する寸法および/または形状を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、先端の外面538は、非ルアーコネクタ500と標準規格の雌ルアーコネクタの誤った締まり嵌め接続および/または誤った液密係合を使用者に無理やりさせることを可能にできる寸法および/または形状を有する。後述するように、非ルアー要素は、そのような誤った接続または係合を防ぐ。1つまたは複数の実施形態では、先端の外面538は、標準規格の雌ルアーコネクタとの締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぎ、代わりに、対応する非ルアーコネクタとのそのような接続および/または係合を可能にする寸法および/または形状を有する。
【0069】
1つまたは複数の実施形態では、先端532は、先端の遠位端536で測定した外側の断面の寸法が0.1545インチ(3.925mm)未満である。さらなる特定の実施形態では、先端は、遠位端536で測定した外側の断面の寸法が約0.1200インチ(3.048mm)から約0.1500インチ(3.810mm)の範囲内、またはより具体的には約0.1300インチ(3.302mm)から約0.1400インチ(3.556mm)の範囲内である。いっそうさらなる特定の実施形態では、先端は、遠位端536で測定した外側の断面の寸法が約0.1306インチ(3.317mm)から約0.1326インチ(3.368mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、遠位端536で測定した先端532外側の断面の寸法は、約0.100インチ(2.540mm)から約0.119インチ(3.023mm)、約0.120インチ(3.048mm)から約0.129インチ(3.277mm)、約0.130インチ(3.302mm)から約0.139インチ(3.531mm)、約0.140インチ(3.556mm)から約0.149インチ(3.785mm)、または約0.150インチ(3.810mm)から約0.154インチ(3.912mm)の範囲内である。遠位端536で測定した先端532の外側の断面の寸法の上限には、0.1328インチ(3.373mm)、0.1330インチ(3.378mm)、0.1332インチ(3.383mm)、0.1334インチ(3.388mm)、0.1336インチ(3.393mm)、0.1314インチ(3.338mm)、および0.1338インチ(3.399mm)が含まれ得る。遠位端536で測定した先端532の外側の断面の寸法の下限には、0.1304インチ(3.312mm)、0.1307インチ(3.320mm)、0.1302インチ(3.307mm)、0.1298インチ(3.297mm)、0.1296インチ(3.292mm)、0.1294インチ(3.287mm)、0.1292インチ(3.282mm)、および0.1290インチ(3.277mm)が含まれ得る。
【0070】
1つまたは複数の実施形態では、先端532の外面538は、近位方向から遠位方向に減少する6%未満の先細り、すなわち6%未満の割合で近位方向から遠位方向に減少する外側の断面寸法を有してもよい。1つまたは複数の特定の実施形態では、先端532の外面538は、近位方向から遠位方向に減少する先細りが約3%から約5.9%、または約0.5%から約2.9%の範囲内とすることができる。特定の実施形態では、先端532の外面538は、近位方向から遠位方向に減少する5%の先細りを有する。
【0071】
1つまたは複数の実施形態では、遠位壁518から先端の遠位端536までの先端532の長さは、約0.200インチ(5.080mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、遠位壁518から先端の遠位端536までの先端532の長さは、約0.250インチ(6.350mm)から約0.450インチ(11.43mm)の範囲内、またはより具体的には約0.295インチ(7.500mm)から約0.400インチ(10.16mm)の範囲内とすることができる。いっそうさらなる特定の実施形態では、遠位壁518から先端の遠位端536までの先端532の長さは、約0.300インチ(7.620mm)とすることができる。
【0072】
非ルアー要素550は、容器内に一体に形成されるまたは一体に設けられる。具体的には、
図29~
図34に示される実施形態では、非ルアー要素550は、注射器外筒の遠位壁518に一体に形成および配設され、先端532と同軸の関係で遠位方向に延びる。非ルアー要素550は、先端532と非ルアー要素550の間にチャンネル560を形成する。図示した実施形態では、非ルアー要素550は、遠位方向に遠位壁518から延びる複数のバリア壁(barrier wall)552として示されている。バリア壁552は、空いたまたは離れている遠位端558および近位端559を備える。バリア壁552は、遠位壁518に対して片持ちにされるものとして説明することができる。
【0073】
バリア壁552は、チャンネル560に面する内面554と、外面556とを備える。図示した実施形態では、バリア壁552は、先端532の長さに等しい長さを有する。1つまたは複数の代替的実施形態では、バリア壁552の長さは、より大きい先端532の長さ未満または先端532の長さより大きいものであり得る。バリア壁552の長さが先端532の長さ未満であるとき、バリア壁552の長さは、あまりに短くてそれが標準規格の雌ルアーコネクタとの誤った接続を使用者が無理やりすることを防ぐことができないものとすべきではない。すなわち、バリア壁552の長さは、そのような誤った接続を防ぐのにやはり十分である。バリア壁552の長さが先端532より長いときのバリア壁552の長さは、製造の容易さおよび使用の容易さに関連した実際的な配慮によらない限り特に限定されない。1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552の長さと先端532の長さの間の差は、約0.070インチ(1.778mm)未満である。1つまたは複数の特定の実施形態では、バリア壁552の長さと先端532の長さの間の差は、約0.00インチ(0.000mm)から約0.050インチ(1.270mm)の範囲内、または約0.051インチ(1.295mm)から約0.070インチ(1.778mm)の範囲内である。
【0074】
バリア壁552の内面554は、非ルアーコネクタの対応する構造に係合するためにそこに配設された複数のねじ山を有することができる。例えば、雌の非ルアーコネクタ200が非ルアーコネクタ500に取り付けられるとき、雌の非ルアーコネクタの外面203に配設されたタブ220が、バリア壁552の内面554に配設された複数のねじ山に係合する。複数のねじ山とタブ220の間の係合は、雌の非ルアーコネクタ200に対して注射器外筒510および/または非ルアーコネクタ500を回転させることによって達成される。
【0075】
図29~
図34に示される実施形態のバリア壁552は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法、例えば、
図4のハブ本体132の内側の断面の寸法以下である外側の断面の寸法を有する断面を備える。バリア壁552の外側の断面の寸法は、ルアーコネクタ、例えばハブ本体132の開口した近位端が、チャンネル560に入り、先端532の外面538に係合するのを妨げるように大きさを決定することができる。1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、標準規格のルアーコネクタの内側の断面の寸法未満とすることができ、標準規格のルアーコネクタがバリア壁552に取り付けられるときに、標準規格のルアーコネクタとバリア壁552の間で漏出を引き起こす特徴を含む。1つまたは複数の特定の実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタがチャンネル560に入るのを防ぐ形状を有することができる。
【0076】
1つまたは複数の特定の実施形態では、バリア壁の外側の断面の寸法は、0.170インチ(4.315mm)より大きくすることができる。1つまたは複数の代替的実施形態では、バリア壁552の厚さは、バリア壁552の内側の断面の寸法が0.170インチ(4.315mm)未満であるように、またはさもなければ標準規格の雌ルアーコネクタがチャンネル560に入るのを妨げるように大きさが決定されるように調整されてもよい。
【0077】
標準規格の雌ルアーコネクタが対応する雄ルアーロックコネクタに係合するための突起を組み込む実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、約0.307インチ(7.80mm)より大きいものであり得る。雌のルアーコネクタが突起を組み込まない実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、約0.224インチ(5.700mm)より大きいものであり得る。
【0078】
1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、約0.175インチ(4.445mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内である。1つまたは複数の特定の実施形態では、バリア壁552の外側の断面の寸法は、約0.175インチ(4.445mm)から約0.264インチ(6.706mm)、約0.265インチ(6.730mm)から約0.305インチ(7.747mm)、約0.305インチ(7.747mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内とすることができる。バリア壁552の外側の断面の寸法の上限には、0.300インチ(7.620mm)、0.302インチ(7.671mm)、0.304インチ(7.722mm)、0.306インチ(7.772mm)、0.308インチ(7.83mm)、0.310インチ(7.874mm)、および0.312インチ(7.925mm)が含まれ得る。バリア壁の外側の断面の寸法の下限には、0.260インチ(6.604mm)、0.262インチ(6.655mm)、0.264インチ(6.706mm)、0.266インチ(6.756mm)、0.268インチ(6.807mm)、および0.270インチ(6.858mm)が含まれ得る。
【0079】
1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552は、内側の断面の寸法が約0.200インチ(5.080mm)から約0.305インチ(7.747mm)の範囲内である。1つまたは複数の特定の実施形態では、バリア壁552の内側の断面の寸法は、約0.200インチ(5.080mm)から約0.264インチ(6.706mm)の範囲内、または約0.265インチ(6.730mm)から約0.305インチ(7.747mm)の範囲内である。バリア壁552の内側の断面の寸法の下限には、0.260インチ(6.604mm)、0.262インチ(6.655mm)、0.264インチ(6.706mm)、0.266インチ(6.756mm)、0.268インチ(6.807mm)、および0.270インチ(6.858mm)が含まれる。バリア壁552の外側の断面の寸法の上限には、0.300インチ(7.620mm)、0.302インチ(7.671mm)、0.304インチ(7.722mm)、0.306インチ(7.772mm)、0.308インチ(7.83mm)、および0.310インチ(7.874mm)が含まれる。
【0080】
図29Bおよび
図29Eに示されるように、1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素550は、先端532の周りに連続的に延びる連続した単数のバリア壁として設けることができる。
図29Bに示されるように、1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素550は、先端532の周りに連続的に延びる一様な連続した単数のバリア壁として設けられてもよい。
図29Eに示されるように、1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素550は、先端532がカラー(collar)の湾曲または凹みを通じて見える、先端532の周りに延びる1つまたは複数の湾曲または凹みを有する先端532と同一平面をなす連続した単数のバリア壁として設けられてもよい。
図29A、
図29C、
図29Dおよび
図30~
図34に示される実施形態では、非ルアー要素550は、バリア壁552同士の間で離間した少なくとも1つのすき間557または複数のすき間を形成する複数のバリア壁552として示される。
図29Aに示されるように、1つまたは複数の実施形態では、図示の本実施形態のすき間557は、バリア壁の遠位端558から近位端559まで延びる。
図29Cおよび
図29Dに示されるように、1つまたは複数の代替的実施形態では、すき間557は、遠位端558から遠位端558と近位端559の間の距離まで延びることができる。バリア壁内にすき間557を組み込む実施形態では、標準規格の雌ルアーコネクタが、ルアーコネクタの内面がバリア壁の外面556と接触するようにバリア壁552上に嵌まることができる場合、すき間557は、先端を通じて送達される流体が漏出することになるコネクタの外部への開口部を設けることによって液密封止の形成を防ぐまたは妨げる。1つまたは複数の代替的実施形態では、すき間557は、非ルアー要素550がスリップコネクタ(slip connector)またはロックコネクタ(locking connector)と同様に機能するかについての目に見える表示を与える。言い換えると、すき間557は、非ルアー要素550がルアースリップ継ぎ手(luer slip fitting)またはルアースロック継ぎ手(luer lock fitting)を含むかについての目に見える表示を与える。具体的には、すき間557の存在は、バリア壁552の内面554が、複数のねじ山、または対応する非ルアーコネクタをバリア壁552にロックするために協働する他のロック用の特徴がないことについての目に見える表示を与える。1つまたは複数の実施形態では、すき間557の不存在は、バリア壁552の内面554が、複数のねじ山、または対応する非ルアーコネクタをバリア壁552にロックするための他のロック用の特徴を含むことの目に見える表示を与える。
【0081】
図示した実施形態では、バリア壁552は、まとめると、円形の断面をやはり有する先端532の周りに部分的な囲壁を形成する円形の断面を有する個別の壁の形態で示される。1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552は、三角形の断面、または他の円形の断面を有することができ、この断面は、円形の断面を有する標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば
図1~
図3のハブ本体132が、チャンネル560内で嵌まるまたは滑るのを防ぎ、先端532およびハブ本体132の内面134が、先端532の外面538との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するのを防ぐ。したがって、非ルアー要素550は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、針ハブ130のルアーコネクタ133と注射器外筒510の接続を防ぐ。
【0082】
1つまたは複数の代替的実施形態では、バリア壁552は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法より小さい外側の断面の寸法を有することができる。そのような実施形態では、バリア壁552のより小さい外側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタの内面134とバリア壁552の外面556の間で、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するのに十分な接触を防ぐ。バリア壁552は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば
図4に示されるルアーコネクタ133との締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ長さをやはり有し得る。具体的には、バリア壁552の長さは、あまりに長くてまたはあまりに短くて、ルアーコネクタ133の内面134との液密係合を可能にすることができないものであり得る。
【0083】
後述するように、非ルアー要素550は、別の対応する非ルアーコネクタへの接続を可能にする外側の断面の寸法を有してもよい。例えば、雌の非ルアーコネクタ200は、内面214が、先端の外面538と締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するようにチャンネル560内で嵌まるように大きさが決定された外の断面の寸法を有する外部表面を有してもよい。
【0084】
図23~
図28を参照して上述したように、非ルアー要素550は、雌のルアーコネクタが軟質材料または半硬質材料、典型的にはゴムまたはエラストマの弁または封止を組み込むときに、先端532と標準規格の雌ルアーコネクタの間で誤った締まり嵌め接続および/または液密係合を使用者が無理やりすることを防ぐために利用することもできる。そのような装置では、ゴムまたはエラストマの弁または封止が、非ルアーコネクタのサイズおよび形状に適合しており、雌のルアーコネクタ内の流体の漏出を封止するので、弁または封止は、使用者が、雄コネクタと雌コネクタの間で誤った接続の漏出を見るのを防ぐことができる。典型的には、そのような弁または封止は、標準規格の雌ルアーコネクタのハブの空洞内、または標準規格の雌ルアーコネクタのハブの空洞の内面上に配設される。そのような弁または封止を備える標準規格の雌ルアーコネクタは、軟質ルアーコネクタまたは半硬質ルアーコネクタと呼ばれ得る。典型的には、弁または封止は、標準規格の雌ルアーコネクタ内面または空洞が、種々の形状に適合することを可能にするために利用される。これによって、標準規格の雌ルアーコネクタと雄コネクタの間の液密封止の形成が不十分であることによる雄コネクタと標準規格の雌コネクタの間の漏出を防ぐ。そのような実施形態では、先端532の外側表面538は、標準規格の雌ルアーコネクタに潜在的に接続され得るものであり、弁または封止が、先端532と標準規格の雌ルアーコネクタの間の封止をもたらす。1つまたは複数の実施形態では、バリア壁552は、上記のように弁または封止を含む標準規格の雌ルアーコネクタと先端532の接続を防ぐ内側の断面の寸法を有するように成形および/または大きさが決定される。具体的には、バリア壁552の内側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタの内側の断面の寸法より大きく、標準規格の雌ルアーコネクタの外側の断面の寸法未満である。したがって、標準規格の雌ルアーコネクタを非ルアーコネクタ500に接続しようとすると、バリア壁552が、先端532がゴムまたはエラストマの弁または封止を貫くのを物理的に阻止し、したがって標準規格の雌ルアーコネクタのハブ本体が先端532に付着するのを防ぐように標準規格の雌ルアーコネクタのハブ本体がバリア壁552と位置合わせされることになる。よって、非ルアーコネクタ500は、本明細書に記載された非ルアーコネクタ500を、意図していない標準規格の雌の軟質ルアーコネクタと共に使用者が利用し得る危険を最小にする。
【0085】
使用時、非ルアーコネクタ500を正しい、対応する非ルアーコネクタ、例えば、
図5~
図13に示される雌の非ルアーコネクタ200に組み立てるために、先端532が空洞216内に配設されるように、壁212が、バリア壁552と先端532の間のチャンネル560に挿入される。先端の外面538が雌の非ルアーコネクタ200の壁の内面214に係合するまで、力が注射器外筒510に遠位方向に加えられる。バリア壁552の内面554上のねじ山付きの部分を利用する実施形態では、雌の非ルアーコネクタ200の壁212は、チャンネル560に装着され、タブ220がねじ山付きの部分に係合するように注射器外筒510に対して回転する。
【0086】
図35~
図41に、本発明の第2の態様による薬物送達装置に用いる非ルアーコネクタ600の1つまたは複数の実施形態を示す。
図35~
図41は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、上記の針ハブ130の付着を防ぐ非ルアー要素650を含む非ルアーコネクタ600を示す。
図35~
図41の非ルアーコネクタ600は、
図14~
図22を参照して上述したように、注射器外筒610の形態の容器と一体に形成されて示される。容器は、他の形態、例えば、薬の袋、硬膜外ポンプ、または当技術分野で知られている他の容器内に設けられてもよい。
図35~
図41に示される注射器外筒610は、遠位壁618と、遠位壁618から遠位方向に延びる先端632とを備える。先端632は、通路642と、注射器外筒610のチャンバに流体連通している開口部634とを備える。先端632は、遠位端636および近位端639を備える。
【0087】
先端の外面638は、対応する非ルアーコネクタ、例えば、雌の非ルアーコネクタ200の外面との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成する寸法および/または形状を有することができる。しかし、本発明による先端の外面638の寸法および/または形状は、標準規格の雌ルアーコネクタとの非ルアーコネクタ600の誤った締まり嵌め接続および/または液密係合を使用者に無理やりさせることを可能にすることができることを理解されたい。後述するように、非ルアー要素650は、そのような誤った接続またはその係合を防ぐ。1つまたは複数の実施形態では、先端の外面638は、標準規格の雌ルアーコネクタとの締まり嵌め接続および/または液密係合を無理やりさせるのを防ぐが、対応する非ルアーコネクタとのそのような接続および/または係合を可能にする寸法および/または形状を有する。1つまたは複数の実施形態では、先端の外面638は、
図29~
図34を参照して上述したような外側の断面の寸法を有する。1つまたは複数の実施形態では、先端632の外面638は、
図29~
図34をやはり参照して上述したような先細りを有することができる。1つまたは複数の実施形態の先端632の外面638は、
図29~
図34を参照して上述したような長さを有することができる。
【0088】
非ルアー要素650は、容器内に一体に形成されるまたは一体に設けられる。具体的には、
図35~
図41に示される実施形態では、非ルアー要素650は、先端632の外面638に一体に形成および配設される。非ルアー要素650は、先端の外面638から半径方向に外向きに延びる。非ルアー要素650は、先端の外面638から測定したときに、先端632の外側の断面の寸法より大きい外側の断面の寸法を画定する外部表面652を備える。図示した実施形態では、非ルアー要素650は、少なくとも1つの狭窄する縁部654を有する円形のディスクとして示される。
【0089】
非ルアー要素650は、先端632の遠位端636と近位端639の間に配設される。図示した実施形態では、非ルアー要素650は、遠位端636および近位端639の間のほぼ中点に配設される。1つまたは複数の代替的実施形態では、非ルアー要素650は、先端632の遠位端636に隣接してまたは先端632の遠位端636に配設され得る。適宜、非ルアー要素650は、先端632の近位端639に隣接してまたは先端632の近位端639に配設され得る。
【0090】
1つまたは複数の実施形態における非ルアー要素650の位置は、標準規格の雌ルアーコネクタと先端632の接続を防ぐように修正することができる。具体的には、1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650は、先端632の遠位端636の近くに配設することができて、標準規格の雌ルアーコネクタの空洞より短い長さの内部空洞を有する対応する雌の非ルアーコネクタだけの液密係合を可能にする。したがって、非ルアー要素650は、標準規格の雌ルアーコネクタが、先端632上を近位方向に完全に滑るのを防ぐと共に、標準規格の雌ルアーコネクタと先端632の間の締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を防ぐ。すなわち、標準規格の雌ルアーコネクタは、先端の外面638と標準規格の雌ルアーコネクタの内側表面の接触によって液密接続を形成するために、標準規格の雌ルアーコネクタが先端632上を十分に近位方向に移動される前に、非ルアー要素650に接触する。
【0091】
図35~
図41に示される実施形態の非ルアー要素650は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4に示される針ハブ130のルアーコネクタ133の内側の断面の寸法より大きい外側の断面の寸法を有する断面を備える。具体的には、非ルアー要素650の外側の断面の寸法は、標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、ハブ本体132の開口した近位端が、先端の外面638上を滑るまたは先端の外面638上に嵌まり、先端632の外面638に完全に係合するのを防ぐ。言い換えると、非ルアー要素650は、近位方向の先端632上のルアーコネクタの移動に対するバリアとして機能する。
【0092】
1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650の外側の断面の寸法は、約0.175インチ(4.445mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内である。1つまたは複数の特定の実施形態では、非ルアー要素650の外側の断面の寸法は、約0.175インチ(4.445mm)から約0.305インチ(7.747mm)の範囲内、または約0.306インチ(7.772mm)から約0.500インチ(12.70mm)の範囲内である。非ルアー要素650の外側の断面の寸法の上限には、0.300インチ(7.620mm)、0.302インチ(7.671mm)、0.304インチ(7.722mm)、0.306インチ(7.772mm)、0.308インチ(7.83mm)、および0.310インチ(7.874mm)が含まれる。非ルアー要素650の断面の寸法の下限には、0.170インチ(4.315mm)、0.172インチ(4.369mm)、0.174インチ(4.420mm)、0.176インチ(4.470mm)、0.178インチ(4.521mm)、および0.180インチ(4.572mm)が含まれる。
【0093】
図35~
図41に示される実施形態では、非ルアー要素650は、先端632の周りに周方向に連続して延びる連続した単数のディスク状の構造として与えられてもよい。1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650は、先端532の外面538の周の一部の周りに配設される個別の突起部の形態で設けることができる。空間は、突起部同士の間に設けることができる。個別の突起部および/または突起部同士の間の空間を組み込む実施形態では、ルアーコネクタの内面が非ルアー要素650の外部表面652に接触するように、標準規格の雌ルアーコネクタが非ルアー要素650上に嵌まることができる場合、空間は、ルアーコネクタの内面に接触しない非ルアー要素650および/または先端の外面638の領域を設けることによって、液密封止の形成を防ぐまたは妨げる。1つまたは複数の特定の実施形態では、空間は、標準規格の雌ルアーコネクタの内部から流体の漏出を引き起こす非ルアーコネクタの外面638までの開口部になる。
【0094】
図示した実施形態では、非ルアー要素650は、円形の断面を有する。1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650は、正方形、三角形の断面、または他の非円形の断面を有することができ、これは、円形の断面を有する標準規格の雌ルアーコネクタ、例えば、
図4の針ハブ130のルアーコネクタ133を妨げる。具体的には、先端632およびハブ本体132の内面134が、先端632の外面638と締まり嵌め接続および/または液密係合を形成できないように、針ハブ130のハブ本体132は、非ルアー要素650上に嵌まるまたは非ルアー要素650上を滑ることが防がれる。したがって、非ルアー要素650は、標準規格の雌ルアーコネクタと非ルアーコネクタ600の注射器外筒610の接続を防ぐ。具体的には、非ルアー要素650が、標準規格の円形の雌ルアーの内側の断面の寸法より小さい非円形の外側の断面の寸法を有する場合、流体の漏出を引き起こす非ルアー要素650および/または先端632の間の接触点に間隙がある。
【0095】
後述するように、非ルアー要素650は、先端632と別の対応する非ルアーコネクタの接続を可能にするために先端632に配置される。例えば、雌の非ルアーコネクタ200の空洞216は、内面214が、先端632の外部表面638との締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するように、その遠位端636から非ルアー要素650までの先端632の長さに等しい長さを有することができる。したがって、1つまたは複数の実施形態では、先端632と雌の非ルアーコネクタ200の間の締まり嵌め接続および/または液密係合の形成を可能にするために、非ルアー要素650は、非ルアー要素650に遠位方向に隣接した点と先端の遠位端636の間の先端632の長さが雌の非ルアーコネクタ200の空洞216の長さ以下であるように配置される。
【0096】
1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650は、
図29~
図34を参照して上述したように、先端632と弁または封止を備える標準規格の雌ルアーコネクタの接続を防ぐ外側の断面の寸法を有するように配置され、成形され、および/または大きさが決定される。1つまたは複数の実施形態では、非ルアー要素650は、標準規格の雌ルアーコネクタが先端632の長さ上を滑ることが防がれるように配置され、先端632によって弁または封止を貫くと、先端632の開口部634が、標準規格の雌ルアーコネクタの開口した近位端に隣接してまたはその近くに残るが、先端632の外面と標準規格の雌ルアーコネクタの内面の間の相当な接触を引き起こすのに十分には空洞に入らないようになっている。すなわち、標準規格の雌ルアーコネクタの弁または封止は、非ルアー要素650に接触し、先端632と標準規格の雌ルアーコネクタの相当の接触が達成される前に、標準規格の雌ルアーコネクタがさらに近位に移動することを防ぐ。開口部634の配置は、標準規格の雌ルアーコネクタの空洞内に配設される弁または封止の能力を損ない、弁または封止が存在するにも関わらず見える漏出が生じる。したがって、非ルアーコネクタ600は、使用者が、意図していない標準規格の雌ルアーコネクタと共に本明細書に記載された非ルアーコネクタ600をうっかり利用できる危険を最小限にする。
【0097】
使用時、非ルアーコネクタ600を、対応する非ルアーコネクタ、例えば、
図5~
図13に示される雌の非ルアーコネクタ200に組み立てるために、非ルアーコネクタ600の先端632は、ハブの空洞216内に配設される。先端632の外面638が、締まり嵌め接続および/または液密係合で雌の非ルアーコネクタ200の壁の内面214に係合するまで、力が非ルアーコネクタ600に遠位方向に加えられる。
【0098】
図42~
図63に、本発明の第3の態様による薬物送達装置に用いる非ルアーコネクタ700の1つまたは複数の実施形態を示す。
図42~
図63は、誤接続における液体の漏出または漏出の可能性を増大させることによって非ルアーコネクタ700と標準規格の雌ルアーコネクタの間の液密の接続の形成を防ぐための構造を含む非ルアーコネクタ700を示す。非ルアーコネクタ700は、非ルアーコネクタ700と別の対応する非ルアーコネクタ、例えば、雌の非ルアーコネクタ200の付着を可能にする構造も有する。
図42~
図63の非ルアーコネクタ700は、
図14~
図22を参照して上述したように、注射器外筒710の形態で設けられる容器に対して一体に形成されて示される。容器は、他の形態、例えば、薬の袋、硬膜外ポンプ、および当技術分野で知られている他の容器内に設けられてもよい。
図42~
図63に示される注射器外筒710は、遠位壁718を備える。先端732は、遠位壁718から遠位方向に延び、通路742と、注射器外筒710のチャンバに流体連通している開口部734とを備える。先端732は、遠位端736および近位端739を有する。先端は、開口部734から先端の外面738まで延びる遠位端736に配設される端壁740を備える。
【0099】
先端の外面738は、標準規格の雌ルアーコネクタの内面との液密係合の形成を防ぐ寸法および/または形状を有することができる。図示した実施形態では、先端732は、そこに一体に形成される非ルアー要素を備える。具体的には、端壁740は、切り込み743、または先端の開口部734を拡大するための他の構造を備えており、切り込み743、または先端の開口部734を拡大するための他の構造は、先端の外面738まで延びるようになっている。言い換えると、切り込み743は、空洞216の内面214が非ルアーの先端732の外面738とのきつい締まり嵌めを形成しないならば、端壁740が標準規格の雌ルアーの空洞の端壁などの平面に押し付けられるときでも、流体が開口部734から先端の外面738へ逃れるための経路を与える。これを達成するために、切り込み743は、通路から側壁を通じて延びて先端の遠位端における側部壁内にすき間を形成する。切り込み743は、斜端のあるまたは湾曲した縁部を、先端の遠位端で側部壁にすき間を形成する先端の外面738に隣接した先端732の遠位端736に与えることができる。
【0100】
先端732とハブまたはコネクタの間の液密係合を確立するために、ハブまたはコネクタが標準規格の雌ルアーコネクタまたは雌の非ルアーコネクタを有するかどうかに関係なく、典型的には、液密封止が、先端の外面738と雌コネクタの内面の間に形成される。液密封止が雌コネクタの内面(すなわち、空洞)と先端732の間に形成されない場合、液密係合は、雌コネクタと先端732の間に形成されないことになる。液密係合が形成されない場合、以下の理由により、漏出は生じるかもしれないし、生じないかもしれない。
【0101】
先端732の外面738が、雌コネクタの空洞の内面との液密封止の形成を防ぐ外側の断面の寸法を有する実施形態では、先端732の遠位端736は、先端732の端壁740が空洞の内面の遠位端に接触し、潜在的に少なくとも部分的に液密封止を形成することを可能にする寸法を有してもよい。それにより、使用者が、標準規格の雌ルアーコネクタと共に先端732を利用することが可能になる。そのような状況では、ほんの一部だけの場合でも、先端732の端壁740と雌コネクタの空洞の遠位端の間の封止から生じ得る漏出は、あまりに小さすぎて実施者によって気付かれない可能性がある。
【0102】
図42~
図63に示される実施形態では、端壁740に配設された切り込み743は、それが容器内の流体の漏出に関してより大きい出口または大通りを与えることになるので、端壁740と、標準規格の雌のルアーハブの遠位の内面、例えば、針ハブ130の内面134との間の液密封止の形成を防ぐ。したがって、切り込み743は、先端の端壁740がハブの空洞の遠位の内面と液密接触している場合でも、先端732とハブの間のサイド空間への出口を設けることによって、先端732の端壁740において液密封止の形成を防ぐ。したがって、液密封止が端壁740に形成されないため先端732と標準規格の雌ルアーコネクタの間の接続が不適切であり、流体が、ハブの内面134と先端の外面738の間で漏出することが許される場合、切り込み743は、先端732と標準規格の雌ルアーコネクタの間の漏出を最大にする。
【0103】
端壁740における液密係合を適切に確立するためのハブまたはコネクタについては、雌の非ルアーコネクタは、切り込み743を収納および密封するための寸法および/または形状を有さなければならない。雌の非ルアーコネクタ200の内面214は、非ルアーの雄先端の先細りに対応する先細りを有するように成形されてもよく、したがって先端の外面と雌コネクタの内面の間の密接な接触を与え、雌コネクタから漏出の流体を流し得るそれらの間の空間を実質的になくす。これは、切り込み743を完全に密封または封止し、正しい非ルアーの雄雌接続からの流体の漏出防ぐ。
【0104】
切り込み743は、標準規格の雌ルアーコネクタの内面が切り込み743を密封または封止することを防ぐ寸法および/または形状を有する。1つまたは複数の実施形態では、先端732は、標準規格の雌ルアーコネクタの内面が切り込み743を密封または封止することができないやり方で切り込み743を配置または配設することを可能にする寸法、先細りまたは形状を有することができる。具体的には、先端の外面738が、標準規格の雌ルアーコネクタとの液密の形成を防ぐ先細り、長さおよび/または外側の断面の寸法を有する実施形態では、切り込み743が、配置されてもよく、標準規格の雌ルアーコネクタの内面が接触するのを防ぐ、または切り込み743を十分に密封するまたは封止するのを防ぐ寸法または形状を有してもよい。1つまたは複数の実施形態では、先端732の長さは、標準規格の雌ルアーコネクタの先端732への取り付けが、標準規格の雌ルアーコネクタと切り込み743の間の封止の形成を防ぐ標準規格の雌ルアーコネクタおよび先端732内のデッド空間をもたらすように修正されてもよい。概して、切り込みは、誤った雄雌接続のデッド空間の中への漏出が見えることになるのに十分であるが、先端の外面と雌の空洞の内面の間の接触が十分であるにも関わらず正しい接続を漏出させるのには十分大きくない端壁740から先端732の近位端739に向かって測定した深さを有することになる。
【0105】
1つまたは複数の実施形態では、切り込み743は、端壁740から先端732の近位端739に向かって測定した深さが約0.010インチ(0.254mm)から約0.100インチ(2.540mm)の範囲内である。1つまたは複数の特定の実施形態では、切り込み743の深さは、約0.01インチ(0.254mm)から約0.049インチ(1.245mm)の範囲内、または約0.500インチ(12.70mm)から約0.100インチ(2.540mm)の範囲内とすることができる。切り込み743の深さの上限には、0.040インチ(1.016mm)、0.042インチ(1.067mm)、0.044インチ(1.118mm)、0.046インチ(1.168mm)、0.048インチ(1.219mm)、0.050インチ(1.270mm)、0.052インチ(1.321mm)、0.054インチ(1.372mm)、0.056インチ(1.422mm)、0.058インチ(1.473mm)、および0.060インチ(1.524mm)が含まれる。切り込み743の深さの下限には、0.005インチ(0.127mm)、0.006インチ(0.1524mm)、0.007インチ(0.1778mm)、0.008インチ(0.2032mm)、0.009インチ(0.2286mm)、0.012インチ(0.3048mm)、0.014インチ(0.3556mm)、0.016インチ(0.4064mm)、0.018インチ(0.4572mm)、および0.02インチ(0.5080mm)が含まれる。1つまたは複数の実施形態の切り込み743は、幅または断面の寸法が約0.010インチ(0.254mm)から約0.080インチ(2.032mm)の範囲内とすることができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、切り込み743は、幅が約0.01インチ(0.254mm)から約0.049インチ(1.245mm)の範囲内、または約0.05インチ(1.270mm)から約0.08インチ(2.032mm)の範囲内である。切り込み743の幅の上限には、0.040インチ(1.016mm)、0.042インチ(1.067mm)、0.044インチ(1.118mm)、0.046インチ(1.168mm)、0.048インチ(1.219mm)、0.050インチ(1.270mm)、0.052インチ(1.321mm)、0.054インチ(1.372mm)、0.056インチ(1.422mm)、0.058インチ(1.473mm)、および0.060インチ(1.524mm)が含まれる。切り込み743の幅の下限には、0.005インチ(0.127mm)、0.006インチ(0.1524mm)、0.007インチ(0.1778mm)、0.008インチ(0.2032mm)、0.009インチ(0.2286mm)、0.012インチ(0.3048mm)、0.014インチ(0.3556mm)、0.016インチ(0.4064mm)、0.018インチ(0.4572mm)、および0.02インチ(0.5080mm)が含まれ得る。
【0106】
図42~
図48の切り込み743は、端壁740の幅を通じて延びる壁内の凹みとして示される。切り込み743は、開口部734の両側に配設される2つの切り込みとして特徴付けることができる。
【0107】
図49~
図56に示される実施形態では、端壁740は、2つの切り込み744、746を備えることができる。図示した実施形態では、2つの切り込み744、746は、開口部734から測定したときに互いに対して直角に配設される。1つまたは複数の代替的実施形態では、追加の切り込みが加えられてもよい。切り込みは、互いから一定間隔または不規則間隔で離間することができる。
図49~
図56の切り込みは、端壁740を横切って配設されている、開口部734から外向きに放射する4つの別個の切り込みとして説明することもできる。4つの切り込みは、開口部734から測定したときに90度間隔で配設されるように示される。
【0108】
図57~
図63に示される実施形態では、端壁740は、遠位端の周に沿って互いに隣接して配設される複数の切り込み750を備えることができる。複数の切り込み750は、先端732の開口部を囲む。複数の切り込み750は楔形を有し、複数の切り込み750の各々は、端壁740の中に延び、点を形成する。言い換えると、複数の切り込みは、ジグザグの輪郭を有する。1つまたは複数の実施形態では、複数の切り込み750の各々は、端壁の中に近位方向に延びる減少する傾斜を有する第1の側752と、遠位方向に第1の側から隣接した切り込みの第1の側まで延在する増加する傾斜を有する第2の側754とを備える。縁部755は、第1の側および第2の側を接続する。縁部755は、角度を付けられるおよび/または外面738から開口部734まで減少する傾斜を有するものとして示される。複数の切り込み750は、端壁740から測定するとき、開口部734から先端の外面738まで増加する高さを有し得る。言い換えると、複数の切り込み750は、先端の開口部734に向かって角度を付けられ得る。
【0109】
1つまたは複数の実施形態では、角度を付けられた複数の切り込み750は、
図29~
図34および
図35~
図41を参照して上述したように、標準規格の雌ルアーコネクタと共に利用できる弁または封止を突き刺すまたは切断するように適合された刃先756を含む。具体的には、使用者が弁または封止を有する標準規格の雌ルアーコネクタを非ルアーコネクタ700に組み立てようと試みるとき、複数の切り込みの刃先756は、弁または封止を切断および/または弁または封止を突き刺し、それによって弁または封止が不適切に接続された非ルアーコネクタ700と標準規格の雌ルアーコネクタの間の漏出を最小にするのを妨げる。加えて、1つまたは複数の実施形態の刃先756は、標準規格の雌ルアーコネクタに損傷を与える可能性もあり、さらに、標準規格の雌ルアーコネクタと非ルアーコネクタ700の接続をさらに阻害または妨げる。したがって、刃先756は、意図していない標準規格の雌ルアーコネクタと共に本明細書に記載された非ルアーコネクタ700を利用し得る危険を最小にする。
【0110】
1つまたは複数の実施形態では、端壁740に配設された切り込み743を、バリア壁552同士の間で離間した少なくとも1つのすき間557または複数のすき間を形成する複数のバリア壁552と共に使用して、先端を通じて送達される流体が漏出することになるコネクタの外部への開口部を設けることによって端壁740と標準規格の雌のルアーハブの遠位の内面の間の液密封止の形成を防ぐことができる。本実施形態のすき間557は、バリア壁の遠位端558から近位端559まで延びる。1つまたは複数の代替的実施形態では、すき間557は、遠位端558から遠位端558と近位端559の間のある距離まで延び得る。
【0111】
1つまたは複数の実施形態では、
図29~
図34を参照して上述したように、先端の外面738は、外側の断面の寸法および/または先細りを有することができる。1つまたは複数の実施形態の先端732は、
図29~
図34を参照して上述したような長さを有することもできる。
【0112】
対応する非ルアーコネクタ、例えば、
図5~
図13の雌の非ルアーコネクタ200との使用時、先端732が、雌の非ルアーコネクタ200の空洞216に挿入される。力が注射器外筒710に遠位方向に加えられる、および/または雌の非ルアーコネクタ200に近位方向に加えられて、雌の非ルアーコネクタの壁212の内面214を先端723の外面738に締まり嵌め接続および/または液密係合で係合させる。雌の非ルアーコネクタ200を注射器外筒710から取り除くために、力が容器に近位方向に、および/または雌の非ルアーコネクタ200に遠位方向に加えられて、それらの間の締まり嵌め接続および/または液密係合を係合解除する。
【0113】
1つまたは複数の実施形態では、切り込み743、切り込み744、746および複数の切り込み750は、脊髄軸の用途の提案した新しい規格を採用することになる雄コネクタと共に利用することができる。具体的には、ISO80369-6の下、保健医療の応用における液体および気体用の小口径のコネクタについては、雄コネクタおよび雌コネクタの先細りは、既存のISOのルアー規格の雄コネクタおよび雌コネクタの近位端から遠位端まで6%から5%に修正される。雄コネクタの場合は、新しい5%の先細りは、近位端から開口した遠位端までコネクタの外側の断面の寸法のより緩やかな減少をもたらす。雌コネクタの場合は、新しい5%の先細りは、
図64に示されるように、開口した近位端から遠位端までコネクタの内側の断面の寸法のより緩やかな減少をもたらす。加えて、雄コネクタの開口した遠位端における外側の断面の寸法は、現在のISOのルアー規格の範囲、0.1545インチ(3.925mm)から0.1585インチ(4.027mm)より小さいものである。具体的には、現在提案されているISO規格は、約.1306インチ(3.317mm)から約.1326インチ(3.369mm)の範囲内で測定するために、開口した遠位端における雄コネクタの外側の断面の寸法を与える。開口した近位端における雌コネクタの側の断面の寸法は、現在のISOのルアー規格、0.168インチ(4.270mm)から0.170インチ(4.315mm)の範囲未満である。具体的には、現在提案されているISO規格は、約0.1417インチ(3.599mm)から約0.1437インチ(3.650mm)の範囲内で測定するために、開口した近位端における雌コネクタの内側の断面の寸法を与える。脊髄軸の用途のための雄コネクタの長さは、0.295インチ(7.500mm)から約0.300インチ(7.620mm)へやはり増加する。脊髄軸の用途のための雌コネクタの長さは、0.295インチ(7.500mm)から約0.303インチ(7.696mm)へやはり増加する。
【0114】
雄コネクタと雌コネクタの両方のための脊髄軸の用途のための新しいISO規格におけるより穏やかな先細り、ならびに雄コネクタおよび雌コネクタのより小さい外側の断面の寸法および内側の断面の寸法は、それぞれ、脊髄軸の用途のための雄コネクタと雌の標準規格のルアーコネクタの液密の接続、および脊髄軸の用途のための雌コネクタと雄の標準規格のルアーコネクタの液密の接続を防ぐためのものである。しかし、その遠位端における脊髄軸の用途のための雄コネクタのより小さい外側の断面の寸法は、使用者がうっかりまたは意図的に脊髄軸の用途のための雄コネクタを雌の標準規格のルアーコネクタに取り付けることを可能にすることができ、これは、脊髄軸の用途のための雄コネクタのより小さい外側の断面の寸法を収納できるその遠位端における内側の断面の寸法を有することができる。脊髄軸の用途のための雄コネクタと雌の標準規格のルアーコネクタに取り付ける能力は、理想的ではない場合でも、意図していない流体または液体を誤った送達箇所で患者に送達するのに十分な少なくとも一部の液密係合の形成を可能にし得る。
【0115】
本明細書に記載された切り込み743、切り込み744、746、および複数の切り込み750は、開口部734を先端の外面738に接続し、先端の遠位端とより大きい標準規格の雌コネクタの遠位壁の間の部分的な液密の接続を防ぎ、雌の標準規格のルアーコネクタに誤って取り付けられる脊髄軸の用途のための雄コネクタを利用するのに十分な液密係合を使用者が確立できないようになっている。具体的には、切り込み743、切り込み744、746、および複数の切り込み750は、そのような誤った接続からの漏出を増加させ、脊髄軸の用途のための新しいISOの提案の迂回を防ぐ。
【0116】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、本明細書に記載された薬物送達装置の構成部品の適合性に関する目に見える表示を与えるように目に見える表示を組み込んでもよい。具体的には、非ルアーコネクタを有する容器は、正しい対応する雌の非ルアーコネクタの色に対応する色を有してもよく、または正しい対応する雌の非ルアーコネクタの色に対応する色付きの高分子材料から作製されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、注射器のプランジャーロッド(plunger rod)も、正しい対応する雌の非ルアーコネクタに対応する色を有してもよい。目に見える表示が、雌の非ルアーコネクタのハブ本体および/または針シールド(needle shield)に配置されてもよい。他の目に見える表示が、容器および/または雌の非ルアーコネクタが非ルアーコネクタを含むことを知らせる標識付けを含んでもよい。
【0117】
本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「1つの実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明するある特定の特徴、構造材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて様々な箇所における、「1つまたは複数の実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」または「1つの実施形態では」などの言い回しの出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態に言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切なやり方で組み合されてもよい。
【0118】
特定の実施形態を参照して本明細書の本発明を説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用の例示に過ぎないことを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の方法および装置に様々な修正および変更がなされてもよいことは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲および均等の範囲内にある修正形態および変更形態を含むことが意図される。