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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160650
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】抗MCT1抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20221012BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20221012BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20221012BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221012BHJP
   C07K 16/30 20060101ALI20221012BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20221012BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K19/00
C07K16/28
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K16/30
C12P21/08
A61P13/12
A61P35/00
A61P37/06
A61P37/08
A61P29/00
A61P3/00
A61K39/395 N
A61P1/04
A61P25/00
A61P17/06
A61P17/00
A61P37/02
A61P7/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127690
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020557123の分割
【原出願日】2019-01-04
(31)【優先権主張番号】62/614,081
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/703,223
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/717,289
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/719,364
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520243628
【氏名又は名称】イミューンネクスト・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IMMUNEXT,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】500203709
【氏名又は名称】アムジェン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 渉
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・ロススタイン
(72)【発明者】
【氏名】カトリーヌ・カリエール
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・セレジン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ゴベイユ
(72)【発明者】
【氏名】グレイス・キジョン・リー
(72)【発明者】
【氏名】キンバリー・ピー・シゲナカ
(72)【発明者】
【氏名】マルシア・ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】キム・クオン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・ディ・レヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ジョードン・ケイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ロス・チェンバーズ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・フランシス・タッカー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド・エイ・スクレンチ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】抗体及びその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト化、キメラ、及びヒト抗体ならびにその抗原結合フラグメント、ならびに融合タンパク質、そのような抗体及びその抗原結合フラグメントと融合タンパク質とを含む組成物を提供する。
【解決手段】抗体及びその抗原結合フラグメント、ならびに融合タンパク質は、MCT1、例えばヒトまたは非ヒトMCT1に特異的に結合し、インビトロ及び/またはインビボで1つ以上のMCT1関連機能に拮抗する、それを阻害する、または遮断する。また、これらの抗MCT1抗体、抗原結合フラグメント、融合タンパク質、及び含有する組成物の治療的および診断的使用にも関し、任意にこれらの抗MCT1抗体、抗原結合フラグメント、融合タンパク質、及び含有する組成物は、他の治療薬、例えばミトコンドリア阻害剤及び/またはビグアニドまたは小分子MCT1阻害剤の投与をさらに含む治療レジメンで使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは非ヒトMCT1の細胞外ドメインまたは領域に含まれる1つ以上の残基に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
ヒトまたは非ヒトMCT1に結合し、例えば、インビトロおよび/またはインビボで、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗する、それを阻害する、または遮断する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
非ヒトMCT1、例えば、マウスまたはラットMCT1などのげっ歯類に結合し、任意に例えば、インビトロおよび/またはインビボで、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗する、それを阻害する、または遮断する、単離された抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項4】
ヒトMCT1にさらに結合する、請求項3に記載の単離された抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項5】
抗ヒトMCT1抗体Ab1~Ab95のいずれか1つと、ヒトまたは非ヒトMCT1への結合を競合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
抗ヒトMCT1抗体Ab1~Ab95のいずれか1つと、同じまたは重複するヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
以下:
(i)残基T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、K297、G417、I47、およびD418の1つ以上を含むもの、
(ii)少なくとも3つの残基を含むものであり、前記残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418から選択される残基を含むもの、
(iii)3つの残基を含むものであり、前記残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(iv)3~6つの残基を含むものであり、前記残基の1、2、3、4、5、または6つが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(v)残基T41、S285、およびS286の少なくとも1、2、または3つ全てを含むもの、
(vi)T41を含むもの、
(vii)S286を含むもの、
(viii)S285を含むもの、
(ix)H292を含むもの、
(x)残基T41、S285、S286、Y287、G417、およびD418を含むもの、
(xi)残基T41、S285、およびS286を含むもの、
(xii)残基T41、I47、S285、S286、G417、およびD418を含むもの、
(xiii)残基E46、K289、およびH292を含むもの、
(xiv)残基K297、Y293、およびH292を含むもの、
(xv)例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ、ニワトリ、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、オランウータン)、ウシ、ヒツジ、イヌ、およびネコから選択される、非ヒトMCT1の対応する残基の1つ以上を含むもの、から選択されるヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
任意に、前記エピトープ中に存在する前記残基が、アラニンスキャニングの使用によって同定される、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項8】
前記抗体または抗原結合フラグメントがさらに、以下の残基:
(i)残基P37、I40、K45、E48、およびT55の1つ以上(ループ1)、
(ii)残基Q111(ループ2)、
(iii)残基Q166(ループ3)、
(iv)残基L284、E296、S298の1つ以上(ループ4)、
(v)残基Y353(ループ5)、
(vi)残基Y419、T422の一方もしくは両方(ループ6)、ならびに/または
(vii)上記の任意の組み合わせ、の1つ以上と相互作用する、請求項7に記載の選択されたヒトMCT1上のエピトープに結合する単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
非ヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントであって、非ヒトMCT1が任意に、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ、トリ(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、ガチョウ)、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、オランウータン)、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコから選択され、任意に、非ヒトMCT1上の前記エピトープが、ヒトMCT1のT41、S285、S286、Y287、G417、I47、およびD418の1つ以上として非ヒトMCT1中に対応する残基の1つ以上を含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項10】
例えば、インビトロおよび/またはインビボで、前記非ヒトMCT1の活性(複数可)の1つ以上に拮抗する、それを阻害する、または遮断する、請求項8または9に記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
ヒト、ヒト化、非ヒト霊長類、霊長類化、ニワトリ、げっ歯類、またはキメラである、請求項1~10のいずれか一項に記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項12】
例えば、インビトロおよび/またはインビボで、ヒトMCT1媒介性乳酸輸送を阻害する、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項13】
内因性MCT1発現細胞に結合し、かつ/または組換えもしくは操作されたMCT1発現細胞、例えば、ヒトMCT1発現293細胞に結合する、請求項1~12のいずれかに記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項14】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体;単一特異性抗体;多特異性抗体;多重特異性抗体様ポリペプチド、ヒト化抗体;ヒトまたはヒト化四量体抗体;ヒトまたはヒト化四価抗体;ヒトまたはヒト化多重特異性抗体;一本鎖抗体;ドメイン特異性抗体;単一ドメイン抗体;ドメイン欠失抗体;scFc融合タンパク質;キメラ抗体;合成抗体;組換え抗体;ハイブリッド抗体;多重特異性抗体、二重特異性抗体、ByTE、変異抗体;CDRグラフト化抗体;抗体フラグメント;Fab;F(ab′)2;Fab′フラグメント;Fvフラグメント;一本鎖Fv(scFv)フラグメント;Fdフラグメント;dAbフラグメント;ダイアボディ;ナノボディ;二価ナノボディ;VH抗体;およびミニボディからなる群から選択される、請求項1~13のいずれかに記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項15】
ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項1~14のいずれかに記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項16】
抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかの少なくとも1、2、3、4、5、または6つ全てのCDRを含み、任意に、前記CDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、請求項1~15のいずれかに記載の単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはMCT1との結合を競合するか、または抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかもしくは上記のいずれかの親和性成熟変異体と同じエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項17】
抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかの同じCDRを含み、任意に、前記CDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、請求項1~16のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項18】
Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同じVポリペプチドを含む、請求項1~17のいずれかに記載の抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項19】
Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同じVポリペプチドを含む、請求項1~18のいずれかに記載の抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項20】
Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同一であるVポリペプチドおよびVポリペプチドを含む、請求項1~19のいずれかに記載の抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項21】
抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかに含まれる可変重鎖ポリペプチドおよび/または可変軽鎖ポリペプチドに対して少なくとも80、90、95、96、97、98、99、または100%の配列同一性をそれぞれ有する、可変重鎖ポリペプチドおよび/または可変軽鎖ポリペプチドを含む、請求項1~20のいずれかに記載の抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項22】
配列番号4~6のアミノ酸配列をそれぞれ有するV CDR1、2、および3ポリペプチド、ならびに配列番号7~9のアミノ酸配列をそれぞれ有するV CDR1、2、および3ポリペプチドを含む、請求項1~21のいずれかに記載の抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項23】
任意に、Ab1~Ab95のいずれかと同じCDRを含み、任意に、前記CDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、Ab1~Ab95のいずれかに由来するヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項24】
Ab1~Ab95のいずれかに由来する親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントであって、最大でも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13個のCDR残基が、Ab1~Ab95のいずれか1つの6つのCDRポリペプチドに含まれるCDR残基に対して変異し、任意に、前記親和性成熟抗MCT1抗体が、それが由来する抗MCT1抗体と少なくとも同じもしくはそれを超える親和性でヒトMCT1に結合し、かつ/または前記親和性成熟抗体もしくは抗原結合フラグメントが、例えば、インビボおよび/またはインビボで、ヒトMCT1に拮抗し、任意に、前記CDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、Ab1~Ab95のいずれかに由来する親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項25】
最大でも1、2、3、4、5、6、または7つのCDR残基が、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異している、請求項24に記載の親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントまたは抗原結合フラグメント。
【請求項26】
最大でも1、2、3、または4つのCDR残基が、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異している、請求項24に記載の親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントまたは抗原結合フラグメント。
【請求項27】
最大でも1つまたは2つのCDR残基が、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異している、請求項24に記載の親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントまたは抗原結合フラグメント。
【請求項28】
非ヒトMCT1、任意にげっ歯類、ウサギ、ニワトリ、または非ヒト霊長類MCT1にさらに結合する、請求項1~27のいずれかに記載の抗ヒトMCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項29】
配列番号2および3、配列番号12および13、配列番号14および15、配列番号16および17のVHおよびVLポリペプチドを含む、抗MCT1抗体、あるいは抗体Ab5~Ab95の1つのいずれかのVおよび/もしくはVポリペプチドを含むか、または抗体Ab5~Ab95の1つのいずれかのVおよび/もしくはVポリペプチドのヒト化もしくは親和性成熟変異体を含む、抗MCT1抗体。
【請求項30】
配列番号2、12、14、16、19~32、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、および155から選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドまたは重鎖ポリペプチド、ならびに配列番号3、13、15、17、33~44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、および156から選択されるアミノ酸配列を有する可変軽鎖ポリペプチドまたは軽鎖ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項31】
以下:配列番号2および3、配列番号12および13、配列番号14および15、配列番号16および17、配列番号45および46、配列番号47および48、配列番号49および50、配列番号51および52、配列番号53および54、配列番号55および56、配列番号57および58、配列番号59および60、配列番号61および62、配列番号63および64、配列番号65および66、配列番号67および68、配列番号69および70、配列番号71および72、配列番号73および74、配列番号75および76、配列番号77および78、配列番号79および80、配列番号81および82、配列番号83および84、配列番号85および86、配列番号87および88、配列番号89および90、配列番号91および92、配列番号93および94、配列番号95および96、配列番号97および98、配列番号99および100、配列番号101および102、配列番号103および104、配列番号105および106、配列番号107および108、配列番号109および110、配列番号111および112、配列番号113および114、配列番号115および116、配列番号117および118、配列番号119および120、配列番号121および122、配列番号123および124、配列番号125および126、配列番号127および128、配列番号129および130、配列番号131および132、配列番号133および134、配列番号135および136、配列番号137および138、配列番号139および140、配列番号141および142、配列番号143および144、配列番号145および146、配列番号147および148、配列番号149および150、配列番号151および152、配列番号153および154、ならびに配列番号155および156からそれぞれ選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドおよび可変軽鎖ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項32】
配列番号3、13、15、17、および33~44のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVポリペプチドを含む、請求項1~31のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項33】
配列番号2、12、14、16、および19~32のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVポリペプチドを含む、請求項1~32のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項34】
配列番号13、15、17、および33~44のものから選択されるアミノ酸配列を有するVポリペプチド、ならびに配列番号12、14、16、および19~32のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVHポリペプチドを含む、請求項1~33のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項35】
配列番号3、13、15、17、33~44のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有するVポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVポリペプチドを含む、請求項1~34のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項36】
配列番号2、12、14、16、19~32のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、99%、もしくは100%の配列同一性を有する配列を有するVポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVポリペプチドを含む、請求項1~35のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項37】
配列番号3、13、15、17、33~44のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有するVポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVポリペプチド、および/あるいは配列番号2、12、14、16、19~32のVHポリペプチドに対して少なくとも90、95、96、97、98、99%、もしくは100%の配列同一性を有する配列を有するVポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVポリペプチドを含む、請求項1~36のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項38】
前記重鎖CDR3配列が、18、19、20、21、22、23、または24個のアミノ酸残基を含む、請求項1~37のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項39】
前記重鎖CDR3配列が、21、22、23、または24個のアミノ酸残基を含む、請求項1~38のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項40】
前記重鎖CDR3配列が、配列番号6と同一であるか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なり、任意に、前記差異が、存在する場合、保存的アミノ酸置換を含むか、または同じ長さのCDR3を含むヒトもしくはげっ歯類抗体の重鎖CDR3の同じ位置でよく見られる置換アミノ酸を含む、請求項1~39のいずれかに記載の単離された抗MCT1ヒトまたは抗原結合フラグメント。
【請求項41】
MCT1への結合を参照抗体と競合し、前記参照抗体が、Ab1~Ab95から選択される、請求項1~40のいずれかに記載の単離された抗MCT1ヒトもしくはヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項42】
Ab1~Ab95のいずれかと同じCDRを含み、かつ/またはAb1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体と同じ可変重および/もしくは可変軽CDRポリペプチドを含む、抗ヒトMCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項43】
Ab1~Ab95から選択される抗体の可変重および/または軽ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体。
【請求項44】
重鎖および/または軽鎖定常領域、任意にヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4の重鎖および/または軽鎖定常領域を含み、その定常領域(複数可)が任意に、変異されて、少なくとも1つのエフェクター機能を損なうかまたは増強する、請求項1~43のいずれかに記載の抗MCT1ヒトもしくはヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項45】
前記エフェクター機能が、FcR結合、補体結合、ADCC機能、FcRN結合、およびグリコシル化を含む、請求項44に記載の抗MCT1抗体。
【請求項46】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントの前記CDRが、構造アライメントによって決定したときに2.0Å未満、1.0Å未満、または0.5Å未満の二乗平均偏差(RMSD)だけ異なる対応するCDRのアルファ炭素の位置によって示されるように、Ab1のものと同様のまたは同じ、同様の三次元抗体構造を形成する、請求項1~45のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項47】
Ab1の可変重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびAb1の可変軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項48】
MCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項49】
グリコシル化、FcR結合、FcRN結合、補体結合、およびADCC機能から選択される少なくとも1つのFcエフェクター機能を増強するためにさらに任意に修飾された、ヒト定常ドメイン、任意にIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4を含む、請求項1~48のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項50】
FcR結合および/または補体結合を減少させるように任意に修飾されたヒトIgG1定常領域を含み、E269Rおよび/もしくはK322A変異をさらに任意に含み、かつ/または前記ヒトIgG1定常領域が、配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項1~49のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項51】
請求項1~50のいずれかに記載の少なくとも1つの抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを含む、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド。
【請求項52】
エフェクターT細胞活性および/またはエフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、またはCD8 エフェクターT細胞の数を減少させる、請求項1~51のいずれかに記載の抗MCT1抗体、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド。
【請求項53】
Tr1細胞の活性および/または数を増加させる、請求項1~52のいずれかに記載の抗MCT1抗体、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド。
【請求項54】
エフェクターT細胞活性および/またはエフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、またはCD8 エフェクターT細胞の数を減少させ、さらに、Tr1細胞の活性および/または数を増加させる、請求項1~53のいずれかに記載の抗MCT1抗体、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド。
【請求項55】
請求項1~54のいずれかに記載の少なくとも1つの抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを発現する、細胞。
【請求項56】
ヒト、非ヒト哺乳動物、酵母、細菌、両生類、植物、昆虫、または爬虫類の細胞を含む、請求項55に記載の細胞。
【請求項57】
ヒト細胞、任意にヒト免疫細胞、例えば、T細胞、NK細胞、単球、制御性T細胞、またはマクロファージを含む、請求項55に記載の細胞。
【請求項58】
任意に、ヒト、ヒト化、および/または親和性成熟である、請求項1~57のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗イディオタイプ抗体。
【請求項59】
MCT1に結合する、請求項58に記載の抗イディオタイプ抗体に対して産生された、抗抗イディオタイプ抗体。
【請求項60】
1つ以上のMCT1活性を遮断する、またはそれに拮抗する、請求項59に記載の抗抗イディオタイプ抗体。
【請求項61】
請求項1~60のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または配列番号6のVH CDR3ポリペプチド、あるいはそれと少なくとも80%の配列同一性を有する変異体であって、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合した変異体を含む、融合タンパク質。
【請求項62】
前記抗体ポリペプチドまたはドメインが、Fcポリペプチドまたはそのフラグメント、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のFc領域またはそのフラグメントを含む、請求項61に記載の融合タンパク質。
【請求項63】
細胞、例えば、活性化T細胞またはB細胞、さらに任意にヒト細胞の表面上のMCT1に結合すると、以下の特性:
(i)乳酸の輸送を阻害する、
(ii)ブロモピルビン酸の輸送を阻害する、
(iii)モノカルボン酸、ピルビン酸、ロイシン、バリンおよびイソロイシンに由来する分岐鎖オキソ酸、ケトン体、アセト酢酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、酢酸、乳酸、細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン、脂質、およびケトンのうちの1つまたはそれ以上の輸送を阻害する、
(iv)CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
(v)前記活性化T細胞もしくはB細胞の増殖を阻害する、
(vi)1つ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、
(vii)エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、および/もしくはCD8エフェクターT細胞の活性および/もしくは数を減少させる、
(viii)制御性T(Treg)細胞の割合もしくは活性を増加させる、
(ix)混合リンパ球反応における同種異系活性化を阻害する、
(x)または上記のいずれかの組み合わせ
の1つまたはそれ以上を引き起こす、請求項1~62のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは請求項1~62のいずれかに記載の上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項64】
MCT1に結合すると1つ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、請求項1~63のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは例えば、請求項1~63のいずれかに記載の上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項65】
前記1つ以上の炎症性サイトカインの少なくとも1つが、FGF2、FLT-3L、フラクタルカイン(Fractilkine)、G-CSF、GM-CSF、GRO、IFNα2、IFNγ、IL-3、IL-5、IL-9、IL-10、IL-12p40、IL-12p70、IL-13、IL-17a、IP-10、MCP-1、MDC、MIP-1a、MIP-1b、sCD40L、TNFα、およびTNFβから選択される、請求項1~64のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは請求項64に記載の上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項66】
前記1つ以上の炎症性サイトカインの少なくとも1つが、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、およびIL-6から選択される、請求項1~65のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは請求項64または65に記載の上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項67】
乳酸FLIPRアッセイによって測定したときに100nM未満、50nM未満、または10nM未満のKdを有する活性化T細胞におけるMCT1媒介性乳酸輸送を阻害する、請求項1~66のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項68】
(i)フローサイトメトリーによって測定したときにMCT2、MCT3、MCT4、および/またはCD147に結合しない、
(ii)MCT2、MCT3、および/またはMCT4輸送を阻害しない、
(iii)IL-2の産生を阻害しない、
(iv)単球における乳酸輸送を阻害しない、
(v)未感作、静止、および/または制御性T細胞の増殖を阻害しない、
(vi)RBCにおける乳酸輸送を阻害しない、
(vii)CD25、CD54、CD69、CD95、CD98、CD147、CD154、CD278、CD279、およびHLA-DR/DP/DQから任意に選択される、1つ以上のT細胞活性化マーカーの発現を改変しない、請求項1~67のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項69】
ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のFc領域、任意に、エフェクター機能、半減期、タンパク質分解、またはグリコシル化の少なくとも1つを改変するように修飾されたFc領域を含み、任意に、前記Fc領域が、N-および/またはO-グリコシル化を改変または排除する1つ以上の変異を含む、請求項1~68のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項70】
100nM未満、50nM未満、または10nM未満の親和性(K)を有するヒトMCT1に結合する、請求項1~69のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項71】
加えて、以下の修飾:
(i)細胞毒性薬に共役される、
(ii)二重特異性抗体に含まれる、
(iii)多重特異性抗原結合タンパク質に含まれる、
(iv)標識に共役される、および
(v)別の治療薬、任意に、免疫抑制薬または化学療法薬に共役される、の1つ以上を有する、請求項1~70のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項72】
前記標識が、化学発光標識、常磁性標識、MRI造影剤、蛍光標識、生物発光標識、もしくは放射性標識であるか、または細胞毒性薬が、DNA、RNA、もしくはタンパク質合成を阻害する部分;放射性核種;またはリボソーム阻害タンパク質である、請求項1~71のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項73】
自己免疫、炎症、またはアレルギー状態;代謝障害(例えば、糖尿病)、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、癌;移植レシピエントもしくはEIHI、または任意の他の状態を有するヒト対象の治療に適しており、エフェクターT細胞の数および/もしくは活性、例えば、CD3 T細胞、CD4 T細胞、および/もしくはCD8 T細胞の減少、ならびに/またはTr1もしくはサプレッサーT細胞の活性および/もしくは数の増加が、治療的に望ましい、請求項1~72のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞。
【請求項74】
任意に、それが結合する抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの1つ以上の生物学的効果を中和する、請求項1~73のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項75】
請求項74に記載の抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントであって、任意に、それが結合する前記抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを中和する、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項76】
対象における前記抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボレベルを監視するか、または対象における前記抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボ効果を中和するための、請求項74に記載の抗イディオタイプ抗体を使用する方法。
【請求項77】
請求項1~76のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項78】
請求項77に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項79】
請求項77に記載のポリヌクレオチドまたは請求項78に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞、任意にヒト免疫細胞、例えば、T細胞、B細胞、またはNK細胞。
【請求項80】
有効量の、請求項1~79のいずれか一項に記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を含む、医薬組成物または診断用組成物。
【請求項81】
ヒトまたは非ヒトの療法または予防法での使用に適している、請求項80に記載の医薬組成物。
【請求項82】
単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する方法であって、前記抗体またはその抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で、請求項79に記載の宿主細胞を培養することと、前記培養培地または宿主細胞から前記抗体またはその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む、方法。
【請求項83】
薬学的有効量の、請求項1~82のいずれか一項に記載の単離された抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗イディオタイプ抗体、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を含む、医薬組成物。
【請求項84】
薬学的希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項85】
別の治療薬を含む、請求項83または84に記載の医薬組成物。
【請求項86】
前記他の治療薬が、ミトコンドリア阻害剤、および/またはビグアニド、および/または別のモノカルボン酸輸送体(MCT阻害剤)、例えば、SLC16A1、SLC16A2、SLC16A3、SLC16A4、SLC16A5、SLC16A6、SLC16A7、SLC16A8、SLC16A9、SLC16A10、SLC16A11、SLC16A12、SLC16A13、もしくはSLC16A14阻害剤、またはMCT1、MCT2、MCT3、MCT4、MCT5、MCT6、MCT7、MCT8、MCT9、もしくはMCT10阻害剤であり、前記阻害剤が、上記のトランスポーターの1つ以上を阻害し、さらに前記阻害剤が任意に、小分子、RNAi、抗体、抗体フラグメント、または融合タンパク質を含む、請求項85に記載の医薬組成物。
【請求項87】
前記他の活性剤が、メトホルミン、フェンホルミン、アレクシジン、ビスビグアニド、ブホルミム、クロロヘキシジン、クロルプログアニル、フェニルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサニド、モロキシジン、グリピジド、グリブリド、レパグリニド、サクサグリプチン、シタグリプチン、パモ酸ピルビニウム(Pyrvinum Pamoate)、プログアニル、ドキシサイクリン、アトバクオン、カナグリフロジン、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、チゲサイクリン、チアゾリド(例えば、ニタゾキサニド)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテル、オキシクロザニド、ニクロサミド)、ペルヘキシリン、プロプロノロール、フェノフィブラート、ミコナゾール、ネファゾドン、ペンタミジン、ヒドロコルチゾンヒドロコルチゾン、メタヨードベンジルグアニジン、ロニダミン、アルファトコフェリルスクシネート(一次形態のビタミンE)、炭酸脱水酵素、ME344(MEI Pharma)、HIF1a阻害剤(例えば、クリシン、ケトミン、ジメチル-ビスフェノールA、BAY84-2243)、SR13800、ジメチルオキサロイルグリシン(DMOG)、カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)、カルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、アンチマイシンA、オリゴマイシン、サリノマイシン、ジニトロフェノール、ロテノン、フェンホルミン、チルホスチン9、アトペニンA5、ベルベリン、アジド、シアン化物、亜酸化窒素、三酸化ヒ素、ピルビニウム、カナグリフロジン、ロシグリタゾン、アモバルビタール、ホノキオール、アルクチゲニン、コーヒー酸フェニルエステル、ペルフェナジン(Perhenazine)、トリフルオペラジン(Triflouroperazine)、メチルグリオキサール、および上記のいずれかを含む組み合わせから選択される、請求項85または86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
エフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、および/またはCD8+ エフェクターT細胞の活性および/または数を阻害することを、それを必要としている対象において行うための方法であって、請求項1~87のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項89】
サプレッサーTまたはTr1細胞の活性および/または数を増加させることを、それを必要としている対象において行うための方法であって、治療または予防有効量の、請求項1~88のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項90】
エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、および/またはCD8 エフェクターT細胞の活性および/または数を阻害し、かつサプレッサーTまたはTr1細胞の活性および/または数を増加させることを、それを必要としている対象において行うための方法であって、治療または予防有効量の、請求項1~89のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項91】
前記対象が、エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、もしくはCD8の活性の増加、および/またはサプレッサーTもしくはTr1活性の減少、および/またはサプレッサーTもしくはTr1細胞数の減少を特徴とする、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有する、請求項88~90に記載の方法。
【請求項92】
自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、または前記状態のいずれかに関連する症状を予防または治療するための方法であって、治療または予防有効量の、請求項1~91のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含む、方法。
【請求項93】
自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)が、エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、もしくはCD8の活性の増加、および/またはサプレッサーTもしくはTr1活性の減少、および/またはサプレッサーTもしくはTr1細胞数の減少を特徴とする、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記代謝障害が、ダノン病、真性糖尿病、ガラクトース血症異型、MDP症候群、代謝性ミオパシー、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損症、ウィンチェスター症候群、サリチル酸感受性、X連鎖性低リン血症、アルコール性ケトアシドーシス、アルコール紅潮反応、アルファ-アミノアジピン酸およびアルファ-ケトアジピン酸性尿症、高アニオンギャップ代謝性アシドーシス、痛風、リフィーディング症候群、運動関連低ナトリウム血症、膵炎、黄色脂肪症、およびMetab-Lを含む、請求項92、93、または94に記載の方法。
【請求項95】
前記状態が、活性化T細胞もしくはB細胞および/またはMCT1発現細胞によって少なくとも部分的に媒介される、請求項88~94に記載の方法。
【請求項96】
前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは融合タンパク質の投与が、以下の効果:
(i)活性化T細胞またはB細胞における乳酸輸送を阻害する、
(ii)活性化T細胞またはB細胞におけるブロモピルビン酸毒素の輸送を阻害する、
(iii)CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
(iv)活性化T細胞の増殖を阻害する、
(v)1つ以上の炎症性サイトカインの産生および/または分泌を阻害する、
(vi)IL-2の産生および/または分泌を阻害しない、
(vii)尿中ケトンの産生を増加させる、
(viii)生存期間を延長する、
(ix)移植片拒絶を減少させる、
(x)制御性T(Treg)細胞の割合または活性を増加させる、
(xi)TregであるCD4 T細胞の割合を増加させる、
(xii)IgG1 B細胞の割合を減少させる、
(xiii)胚中心B細胞の割合を減少させる、
(xiv)ヒトRBC中の乳酸輸送を阻害しない、
(xv)T細胞活性化を減少させる、ならびに
(xvi)細胞傷害性T細胞活性を減少させる、の1つ以上を有する、請求項88~95のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
狼瘡、移植片拒絶、移植片対宿主病(GVHD)、1型もしくは2型糖尿病、または肥満症の少なくとも1つを治療または予防するために使用される、請求項88~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
治療有効性が、尿中ケトンの測定、TR1細胞数の増加、炎症性サイトカイン、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、IL-6、IL-2、TIGIT、PD1、グランザイムBから選択されるバイオマーカーの発現の減少もしくは増加、エフェクターT細胞および/もしくはhCD3細胞数の減少、PMBC増殖の抑制、または上記のいずれかの組み合わせによって監視される、請求項88~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
抗MCT1アンタゴニスト抗体の治療有効性を評価する方法であって、上記:尿中ケトン、TR1細胞数、炎症性サイトカイン、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、IL-6、IL-2、TIGIT、PD1、グランザイムBから選択されるバイオマーカーの発現、エフェクターT細胞および/もしくはhCD3細胞数の減少、PMBC増殖の抑制、または上記のいずれかの組み合わせ、のいずれかに対するインビトロまたはインビボでのその効果を検出することを含む、方法。
【請求項100】
癌を治療する、またはその再発を予防するための方法であって、治療または予防有効量の、請求項1~99のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含む、方法。
【請求項101】
前記腫瘍細胞が、MCT1を発現する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が、哺乳動物である、請求項88~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記哺乳動物が、ヒト、非ヒト霊長類、またはげっ歯類である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
活性化T細胞またはB細胞を阻害する、またはその活性を低減するための方法であって、前記活性化細胞を、請求項1~103のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞と接触させることを含む、方法。
【請求項105】
請求項1~104のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞が、単剤療法として投与される、請求項88~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
請求項1~105のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞が、第2の治療薬と組み合わせて投与される、請求項88~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記治療薬が、免疫抑制薬、化学療法薬、ビグアニド、例えば、メトホルミンもしくは別の抗糖尿病薬、または抗炎症薬から選択される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記他の治療薬が、ミトコンドリア阻害剤および/またはビグアニドである、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記他の治療薬が、メトホルミン、フェンホルミン、アレクシジン、ビスビグアニド、ブホルミム、クロロヘキシジン、クロルプログアニル、フェニルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサニド、モロキシジン、グリピジド、グリブリド、レパグリニド、サクサグリプチン、シタグリプチン、パモ酸ピルビニウム、プログアニル、ドキシサイクリン、アトバクオン、カナグリフロジン、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、チゲサイクリン、チアゾリド(例えば、ニタゾキサニド)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテル、オキシクロザニド、ニクロサミド)、ペルヘキシリン、プロプロノロール、フェノフィブラート、ミコナゾール、ネファゾドン、ペンタミジン、ヒドロコルチゾン、メタヨードベンジルグアニジン、ロニダミン、アルファトコフェリルスクシネート(一次形態のビタミンE)、炭酸脱水酵素、ME344(MEI Pharma)、HIF1a阻害剤(例えば、クリシン、ケトミン、ジメチル-ビスフェノールA、BAY84-2243)、SR13800、ジメチルオキサロイルグリシン(DMOG)、カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)、カルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、アンチマイシンA、オリゴマイシン、サリノマイシン、ジニトロフェノール、ロテノン、フェンホルミン、チルホスチン9、アトペニンA5、ベルベリン、アジド、シアン化物、亜酸化窒素、三酸化ヒ素、ピルビニウム、カナグリフロジン、ロシグリタゾン、アモバルビタール、ホノキオール、アルクチゲニン、コーヒー酸フェニルエステル、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、メチルグリオキサール、および上記のいずれかを含む組み合わせから選択される、請求項106~108のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
前記抗体、その抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または医薬組成物が、経腸的、非経口的、または局所的に投与される、請求項88~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
MCT1に結合し、MCT1媒介性乳酸輸送を低減する抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質による治療の有効性を監視するための方法であって、尿中ケトンのレベルを測定することを含む、方法。
【請求項112】
自己免疫、炎症、もしくはアレルギー状態;癌;EIHI;多嚢胞腎疾患(ADPKD);糖尿病もしくは他の代謝障害、および/またはMCT1の上方制御に関連する状態から選択される状態を診断するための方法であって、前記方法が、
(i)前記状態の媒介に関与する細胞を単離することと、
(ii)前記細胞を、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質と接触させることと、
(iii)前記細胞に結合した抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質のレベルを検出することと、を含む、方法。
【請求項113】
前記状態が、自己免疫、炎症、移植、GVHD、代謝障害(例えば、糖尿病)、EIHI;多嚢胞腎疾患(ADPKD);またはアレルギー状態である、請求項111または112に記載の方法。
【請求項114】
前記状態が、自己免疫、炎症、移植、GVHD、代謝障害(例えば、糖尿病)、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、またはアレルギー状態であり、前記細胞が、活性化T細胞またはB細胞である、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記状態が、癌であり、前記細胞が、腫瘍細胞である、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
前記状態が、EIHIであり、前記細胞が、ベータ細胞である、請求項112に記載の方法。
【請求項117】
前記抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質が、以下:
(i)Ab1~Ab95のいずれかから選択される抗MCT1抗体、または上記の抗MCT1抗体のいずれかと同じCDRを含む別の抗MCT1抗体と競合する、
(ii)Ab1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体と同じCDRを含む、
(iii)Ab1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体の親和性成熟またはヒト化変異体を含む、
(iv)MCT1 Ab1(配列番号2)、またはAb1~Ab59のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1(配列番号3)、またはAb2~Ab95のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合する、
(v)MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)、またはAb2~Ab95のいずれかのものを含む、
(vi)MCT1 Ab1(配列番号2)、またはAb2~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1(配列番号3)、またはAb2~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、
(vii)配列番号2、12、14、16、19~32のアミノ酸配列から選択されるか、またはAb5~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、ならびに/あるいは
(viii)配列番号13、15、17、もしくは33~44のアミノ酸配列から選択されるか、またはAb5~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、ならびに/あるいは
(ix)配列番号6と同一の配列を含むか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なる配列を含む、少なくとも1つのペプチドを含み、前記ペプチドが、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合している、の1つ以上を含む、請求項88~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
細胞によるMCT1、任意に機能性MCT1の発現を検出する方法であって、請求項1~117のいずれかに記載の抗MCT1抗体のいずれかが、前記細胞によって発現されたMCT1に結合するかどうかを判断することを含む、方法。
【請求項119】
前記細胞が、非ヒトである、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記細胞が、非ヒトである、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記細胞が、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有するか、または含むと疑われる患者から得られる、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記検出方法が、異常な(増加した)MCT1発現または活性を含む細胞を特徴とする、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有するか、または含むと疑われる患者から得られた細胞試料を使用して、疾患または疾患予後を診断または監視するために使用される、請求項118に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年1月4日出願の米国仮特許第62/613,447号、2018年6月14日出願の米国仮特許第62/684,870号、および2018年9月25日出願の米国仮特許第62/736,025号、および2018年11月30日出願の米国仮特許第62/773,630号の優先権を主張する。これらの仮出願の各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
2019年1月4日に作成された、xxxxxxバイトのサイズを有する「43260.4213.txt」という名前のファイル内の配列表は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は概して、抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト化、キメラ、およびヒト抗体ならびにその抗原結合フラグメント、例えば、アンタゴニスト抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびにそのような抗体およびその抗原結合フラグメントを含有する組成物に関する。そのような抗体および抗原結合フラグメントには、MCT1、例えば、内因性MCT1発現ヒト細胞またはMCT1を発現するように操作された組換え細胞の表面上に発現するMCT1に特異的に結合し、MCT1に関連する1つ以上の機能、例えば、乳酸輸送を促進するその能力に拮抗するものが含まれる。本発明はまた、1つ以上の抗MCT1抗体結合配列を含む融合または多重特異性タンパク質、例えば、多重特異性および二重特異性抗体に関する。本発明はさらに、そのような抗体、抗原結合フラグメント、融合および多重特異性ポリペプチド、ならびにそれらを含有する組成物の治療的および診断的使用に関する。本発明は具体的に、例えば、自己免疫、炎症、アレルギー、移植、GVHD、癌、ならびにMCT1活性の抑制、および/またはTR1細胞数/活性の増加、および/またはエフェクターT細胞の数/活性の減少が治療的に望ましい他の状態の治療のための予防法または治療法としての、これらの抗体およびその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
モノカルボン酸栄養素トランスポーターSLC16A1(MCT1)は、解糖の生成物を含む重要な代謝産物の輸送の促進に寄与するマルチパス膜貫通タンパク質である。MCT1は、溶質チャネルタンパク質(SLC)として既知の表面膜タンパク質の最大のファミリーの1つのメンバーであり、その機能は、重要な細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン、および脂質の膜にわたる輸送を伴う。MCT1は、トランスポーターのSLC16ファミリーに属し、そのうちの5つは、ピルビン酸、乳酸、およびケトン(参考文献34~36)などのモノカルボン酸を、促進されたpH依存性および両方向性の方式で輸送することが示されている。SLC16A1(MCT1)、SLC16A7(MCT2)、SLC16A8(MCT3)、およびSLC16A3(MCT4)は全て、Kmが1~40mMの範囲のモノカルボン酸塩を輸送することが示されている(参考文献37)。MCT1、MCT3、およびMCT4は、Igドメイン含有表面タンパク質CD147(Basigin)と共発現し、これは多くの細胞で、適切な細胞表面発現に重要である(参考文献38、37)。これらのMCTに加えて、他の乳酸トランスポーターには、最近特徴付けられたSLC16A11(参考文献39)およびナトリウム依存性SLC5A8およびSLC5A12(参考文献40)、AQP9(参考文献41、42)、ならびに赤血球上に発現したSLC4A1(Band 3)が含まれる。したがって、9つの独立したタンパク質は、身体全体の細胞内、細胞間、および細胞外への乳酸の輸送を制御および調節することができる。MCT1は、TおよびB細胞における乳酸の輸送に特に関連している(参考文献43)。
【0005】
免疫細胞は、成長全体を通してそれらの代謝要求の変化を受け、それらのエフェクター機能を用いるために特定の代謝状態を必要とする。炎症性疾患モデルにおける解糖の遮断は、有効性を示している(参考文献53)。例えば、リンパ球が活性化の後に解糖経路の使用から遮断された場合、病気にかかりやすいマウスでの狼瘡の発症が予防される(参考文献53)。実際、これらのモデルにおけるIFNγ産生の欠如は、解糖がIFNγの産生に必要であることを示した以前の報告と一致している(参考文献54)。乳酸の輸出の遮断は、解糖経路を通る流束を低減し(参考文献55)、Mycを改変することによって、T細胞をエフェクター機能から離すことができる(参考文献56)。MCT1機能の阻害は、コラーゲン誘発関節炎、同種移植片拒絶、およびGVHDを含む疾患のいくつかの動物モデルでエフェクターT細胞活性を遮断する(参考文献45、47、50、57~59)。
【0006】
しかしながら、非免疫細胞におけるこれらの経路の遍在性および免疫特異的標的の欠如は、治療的介入を妨げてきた。多くの組織にわたるMCTの幅広い発現を考慮して、複数のMCTに達する小分子アプローチは、組織毒性を含む特定の課題をもたらす。例えば、AZ3965は、MCT1およびMCT2に結合する小分子である(参考文献45、46)。このMCT1/2小分子阻害剤は、自己免疫疾患/移植の治療に潜在的な用途を有したが(参考文献47)、無差別な結合は、前臨床モデルにおいて網膜、心臓、および精巣への毒性をもたらした(参考文献48、85)。
【0007】
MCT1が欠損している成人のヒトは、健康である(参考文献49、68)。ホモ接合型MCT1機能喪失(LOF)変異を有する個人は、ケトン利用および代謝の改変によるストレス(感染、飢餓)下でのみ同定された。乳児は、ケトン利用の欠陥、および時には低運動耐容能を示した。これらの様々な症状は、おそらく青年期の骨格筋量の増加により、加齢と共に消えた。ホモ接合型MCT1変異を有する個人のヘテロ接合型ファミリーメンバーは、ケトアシドーシスの病歴がなく、LOF変異が、追加の遺伝的/環境的要因と関連してのみケトアシドーシスを引き起こすことを示唆している(参考文献68)。免疫系の外では、MCT1は、他のMCTと共に骨格筋、腎臓、肝臓、精巣、心臓、および脳を含む複数の臓器に発現する。MCT1変異を有する個人において幅広い毒性がないことは、MCTの膨大な冗長性が原因である可能性がある。例えば、MCT1、MCT2、およびMCT4は全て、網膜に発現し(参考文献69)、MCT1が欠損している個人において網膜の欠陥は観察されず、機能の冗長性を示唆している。現時点では、MCT1が欠損している個人において明らかな免疫不全は観察されていない。加えて、MCT1が欠損しているヒトは、RBC機能不全を示さない。
【0008】
癌性細胞と正常細胞との間には代謝の違いがあり、具体的には、腫瘍細胞は、細胞機能の維持のためのエネルギーを産生させるために、酸化的リン酸化ではなく高速の好気的解糖に依存する。実際、癌細胞は、十分な酸素が存在していても、正常細胞と比べて最大60倍の解糖速度の向上がある。この解糖への依存およびその結果は、「ワールブルク効果」と呼ばれる(参考文献94、95)。悪性細胞は、同化性が高く、それらの成長および生存に必要な構成成分を合成するために、非常に高レベルの栄養素、ATP、およびビルディングブロックを必要とする。解糖経路の使用は、ATPを提供するが、乳酸の産生も駆動し、これは解糖経路の終わりにピルビン酸から産生される。腫瘍細胞による大量の乳酸産生は、癌細胞の細胞内酸性化を防止するために、その消費または排除のための効率的な手段を必要とする。
【0009】
乳酸ホメオスタシスが維持される方法の1つは、モノカルボン酸トランスポーターを介するものである。発現プロファイリング研究は、ほとんどの侵攻性腫瘍タイプが著しく上昇したレベルのMCT1、MCT4、または両方を発現することを確立した(参考文献96)。MCT1およびMCT4の発現は、2つの主要な発癌性転写因子であるMYCおよび低酸素誘導因子-l a(HIF-1a)によってそれぞれ調節され(参考文献96、97)、これらは、グルタミンおよびグルコースの異化に関与するアミノ酸トランスポーターおよび酵素を含む、好気的解糖を支持する主要なタンパク質の産生の著しい増加を導く(参考文献98)。MYC関与および低酸素腫瘍を有する悪性腫瘍は概して、現在の最先端の療法に耐性があり、治療の高い失敗率、再発、および高い患者死亡率を伴う(参考文献99、100)。重要なことに、MCT1の阻害は、エクスビボで腫瘍細胞を死滅させ、インビボで腫瘍退縮を引き起こすことができ、それらの効力は、癌細胞に解糖表現型を強制するメトホルミンなどの薬剤によって増大する(参考文献96、100)。
【0010】
MCT1は通常、膵島、特にベータ細胞において非常に低いレベルで発現する(参考文献101、102)。これはおそらく、これらの細胞による乳酸の取り込みが非常に遅いことを説明する。運動誘発性高インスリン血症(EIHI)の特徴は、激しい身体活動の後の不適切なインスリン分泌であり、これは低血糖症をもたらす(参考文献103)。EIHIは、ベータ細胞におけるMCT1の発現の上昇に関連しており、MCT1を部分的に過剰発現するように操作されたトランスジェニックマウスは、EIHIの特徴の多くを示した(参考文献104)。
【0011】
上記のように、様々な小分子MCT阻害剤が開発されているが、これらの小分子阻害剤の多くは、MCT1に対する特異性を欠いており、それにより標的外毒性を引き起こす。これらの欠点にもかかわらず、小分子MCT1阻害剤は、腫瘍細胞の代謝、増殖、および生存を無効にし、MCT1を高度に発現する腫瘍においてインビボでの腫瘍形成能を損なうことが示されている(参考文献96)。そのような小分子MCT1阻害剤の抗腫瘍効果は、ビグアニドメトホルミンの共投与によって増大し、これは、好気的解糖への腫瘍細胞の依存をさらに増強し、したがって乳酸のMCT1媒介性流出に対する要求を増加させると考えられている。(参考文献96)しかしながら、これまで、表面発現MCT1に結合する抗体、例えば、内因性または操作されたMCT1発現ヒトまたは非ヒト細胞の表面上に発現するMCT1に結合する抗体は報告されていない。さらに、出願者の知る限り、機能的抗体、すなわち、MCT1に結合し、それによりMCT1の作用に拮抗する、それを阻害する、または遮断する抗体は、文献において報告されていない。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、内因性または組換えMCT1発現細胞、例えば、抗体がさらに機能的である、すなわち、そのような抗体がMCT1関連機能に拮抗するヒト細胞の表面上に発現するヒトMCT1に特異的に結合する、抗体およびその抗原結合フラグメントを初めて提供する。
【0013】
より具体的には、本発明は、MCT1媒介性乳酸輸送の阻害などのMCT1関連機能に拮抗するヒトMCT1に特異的に結合する、新規の抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。
【0014】
本発明はさらに、1つ以上のMCT1結合抗体可変ドメインおよび任意に他の部分、例えば、別の抗原結合可変ドメイン、サイトカイン、または受容体などの別のポリペプチドを含む、MCT1結合融合タンパク質およびMCT1結合多重特異性ポリペプチドを提供する。
【0015】
本発明はさらに、ヒトまたは非ヒトMCT1の細胞外ドメインまたは領域に含まれる1つ以上の残基に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0016】
本発明はさらに、ヒトまたは非ヒトMCT1に結合し、例えば、インビトロおよび/またはインビボで、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗する、それを阻害する、または遮断する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0017】
本発明はさらに、非ヒトMCT1、例えば、マウスまたはラットMCT1などのげっ歯類に結合し、任意に例えば、インビトロおよび/またはインビボで、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗する、それを阻害する、または遮断する、例えば、任意にヒトMCT1にさらに結合する、単離された抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0018】
本発明はさらに、抗ヒトMCT1抗体Ab1~Ab95のいずれか1つと、ヒトまたは非ヒトMCT1への結合を競合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0019】
本発明はさらに、抗ヒトMCT1抗体Ab1~Ab95のいずれか1つと、同じまたは重複するヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0020】
本発明はさらに、以下:
(i)残基T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、K297、G417、I47、およびD418の1つ以上を含むもの、
(ii)少なくとも3つの残基を含むものであり、前述の残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418から選択される残基を含むもの、
(iii)3つの残基を含むものであり、前述の残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(iv)3~6つの残基を含むものであり、前述の残基の1、2、3、4、5、または6つが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(v)残基T41、S285、およびS286の少なくとも1、2、または3つ全てを含むもの、
(vi)T41を含むもの、
(vii)S286を含むもの、
(viii)S285を含むもの、
(ix)H292を含むもの、
(x)残基T41、S285、S286、Y287、G417、およびD418を含むもの、
(xi)残基T41、S285、およびS286を含むもの、
(xii)残基T41、I47、S285、S286、G417、およびD418を含むもの、
(xiii)残基E46、K289、およびH292を含むもの、
(xiv)残基K297、Y293、およびH292を含むもの、
(xv)例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ、ニワトリ、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、オランウータン)、ウシ、ヒツジ、イヌ、およびネコから選択される、非ヒトMCT1の対応する残基の1つ以上を含むもの、から選択されるヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、
任意に、前述のエピトープ中に存在する残基は、アラニンスキャニングの使用によって同定される。
【0021】
本発明はさらに、前述の抗体または抗原結合フラグメントがさらに、以下の残基:
(i)残基P37、I40、K45、E48、およびT55の1つ以上(ループ1)、
(ii)残基Q111(ループ2)、
(iii)残基Q166(ループ3)、
(iv)残基L284、E296、S298の1つ以上(ループ4)、
(v)残基Y353(ループ5)、
(vi)残基Y419、T422の一方もしくは両方(ループ6)、ならびに/または
(vii)上記の任意の組み合わせ、の1つ以上と相互作用する、請求項7に記載の選択されたヒトMCT1上のエピトープに結合する単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0022】
本発明はさらに、非ヒトMCT1上のエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、非ヒトMCT1は任意に、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ、トリ(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、ガチョウ)、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、オランウータン)、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコから選択され、任意に、非ヒトMCT1上の前述のエピトープは、ヒトMCT1のT41、S285、S286、Y287、G417、I47、およびD418の1つ以上として非ヒトMCT1中に対応する残基の1つ以上を含み、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントは、例えば、インビトロおよび/またはインビボで、例えば、前述の非ヒトMCT1の活性(複数可)の1つ以上に拮抗する、それを阻害する、または遮断する。
【0023】
本発明はさらに、ヒト、ヒト化、非ヒト霊長類、霊長類化、ニワトリ、げっ歯類、またはキメラである、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0024】
本発明はさらに、例えば、インビトロおよび/またはインビボで、ヒトMCT1媒介性乳酸輸送を阻害する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0025】
本発明はさらに、内因性MCT1発現細胞に結合し、かつ/または組換えもしくは操作されたMCT1発現細胞、例えば、ヒトMCT1発現293細胞に結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0026】
本発明はさらに、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体;単一特異性抗体;多特異性抗体;多重特異性抗体様ポリペプチド、ヒト化抗体;ヒトまたはヒト化四量体抗体;ヒトまたはヒト化四価抗体;ヒトまたはヒト化多重特異性抗体;一本鎖抗体;ドメイン特異性抗体;単一ドメイン抗体;ドメイン欠失抗体;scFc融合タンパク質;キメラ抗体;合成抗体;組換え抗体;ハイブリッド抗体;多重特異性抗体、二重特異性抗体、ByTE、変異抗体;CDRグラフト化抗体;抗体フラグメント;Fab;F(ab′)2;Fab′フラグメント;Fvフラグメント;一本鎖Fv(scFv)フラグメント;Fdフラグメント;dAbフラグメント;ダイアボディ;ナノボディ;二価ナノボディ;VHH抗体;およびミニボディからなる群から選択される。
【0027】
本発明はさらに、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0028】
本発明はさらに、抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかの少なくとも1、2、3、4、5、または6つ全てのCDRを含み、任意に、前述のCDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはMCT1との結合を競合するか、または抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかもしくは上記のいずれかの親和性成熟変異体と同じエピトープに結合する、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0029】
本発明はさらに、抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかの同じCDRを含む、ヒト化された単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、任意に、前述のCDRは、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される。
【0030】
本発明はさらに、Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同じVHポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0031】
本発明はさらに、Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同じVLポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0032】
本発明はさらに、Ab1~Ab95から選択される抗MCT1抗体またはそのヒト化変異体に含まれるのと同一であるVHポリペプチドおよびVLポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0033】
本発明はさらに、抗MCT1抗体Ab1~Ab95のいずれかに含まれる可変重鎖ポリペプチドおよび/または可変軽鎖ポリペプチドに対して少なくとも80、90、95、96、97、98、99、または100%の配列同一性をそれぞれ有する、可変重鎖ポリペプチドおよび/または可変軽鎖ポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0034】
本発明はさらに、配列番号4~6のアミノ酸配列をそれぞれ有するVH CDR1、2、および3ポリペプチド、ならびに配列番号7~9のアミノ酸配列をそれぞれ有するVL CDR1、2、および3ポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0035】
本発明はさらに、任意に、Ab1~Ab95のいずれかと同じCDRを含み、任意に、前述のCDRが、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義される、Ab1~Ab95のいずれかに由来するヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントである、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0036】
本発明はさらに、Ab1~Ab95のいずれかに由来する親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供し、最大でも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13個のCDR残基は、Ab1~Ab95のいずれか1つの6つのCDRポリペプチドに含まれるCDR残基に対して変異し、任意に、前述の親和性成熟抗MCT1抗体は、それが由来する抗MCT1抗体と少なくとも同じもしくはそれを超える親和性でヒトMCT1に結合し、かつ/または親和性成熟抗体もしくは抗原結合フラグメントは、例えば、インビボおよび/またはインビボで、ヒトMCT1に拮抗し、任意に、前述のCDRは、Kabatに従って、またはChothiaおよびLeskに従って定義され、任意に、最大でも1、2、3、4、5、6、もしくは7つのCDR残基は、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異しているか、または最大でも1、2、3、もしくは4つのCDR残基は、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異しているか、または最大でも1つもしくは2つのCDR残基は、Ab1~Ab95のいずれか1つのCDRポリペプチドに対して変異している。
【0037】
本発明はさらに、非ヒトMCT1、任意にげっ歯類、ウサギ、ニワトリ、または非ヒト霊長類MCT1にさらに結合する、上記のいずれかに記載の抗ヒトMCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0038】
本発明はさらに、配列番号2および3、配列番号12および13、配列番号14および15、配列番号16および17のVHおよびVLポリペプチドを含む、抗MCT1抗体、あるいは抗体Ab5~Ab95の1つのいずれかのVLおよび/もしくはVHポリペプチドを含むか、または抗体Ab5~Ab95の1つのいずれかのVLおよび/もしくはVHポリペプチドのヒト化もしくは親和性成熟変異体を含む、抗MCT1抗体を提供する。
【0039】
本発明はさらに、配列番号2、12、14、16、19~32、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、および155から選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドまたは重鎖ポリペプチド、ならびに配列番号3、13、15、17、33~44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、および156から選択されるアミノ酸配列を有する可変軽鎖ポリペプチドまたは軽鎖ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0040】
本発明はさらに、以下:配列番号2および3、配列番号12および13、配列番号14および15、配列番号16および17、配列番号45および46、配列番号47および48、配列番号49および50、配列番号51および52、配列番号53および54、配列番号55および56、配列番号57および58、配列番号59および60、配列番号61および62、配列番号63および64、配列番号65および66、配列番号67および68、配列番号69および70、配列番号71および72、配列番号73および74、配列番号75および76、配列番号77および78、配列番号79および80、配列番号81および82、配列番号83および84、配列番号85および86、配列番号87および88、配列番号89および90、配列番号91および92、配列番号93および94、配列番号95および96、配列番号97および98、配列番号99および100、配列番号101および102、配列番号103および104、配列番号105および106、配列番号107および108、配列番号109および110、配列番号111および112、配列番号113および114、配列番号115および116、配列番号117および118、配列番号119および120、配列番号121および122、配列番号123および124、配列番号125および126、配列番号127および128、配列番号129および130、配列番号131および132、配列番号133および134、配列番号135および136、配列番号137および138、配列番号139および140、配列番号141および142、配列番号143および144、配列番号145および146、配列番号147および148、配列番号149および150、配列番号151および152、配列番号153および154、ならびに配列番号155および156からそれぞれ選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドおよび可変軽鎖ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0041】
本発明はさらに、配列番号3、13、15、17、および33~44のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVLポリペプチドを含む、上記の実施形態のいずれかに記載のヒト化および/もしくは親和性成熟抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0042】
本発明はさらに、配列番号2、12、14、16、および19~32のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVHポリペプチドを含む、上記の実施形態のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0043】
本発明はさらに、配列番号13、15、17、および33~44のものから選択されるアミノ酸配列を有するVLポリペプチド、ならびに配列番号12、14、16、および19~32のもの、または抗体Ab5~Ab60のいずれかのものから選択されるアミノ酸配列を有するVHポリペプチドを含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0044】
本発明はさらに、配列番号3、13、15、17、33~44のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有するVLポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVLポリペプチドを含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0045】
本発明はさらに、配列番号2、12、14、16、19~32のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、99%、もしくは100%の配列同一性を有する配列を有するVHポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVHポリペプチドを含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0046】
本発明はさらに、配列番号3、13、15、17、33~44のいずれかに対して少なくとも80、85、90、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有するVLポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVLポリペプチド、および/あるいは配列番号2、12、14、16、19~32のVHポリペプチドに対して少なくとも90、95、96、97、98、99%、もしくは100%の配列同一性を有する配列を有するVHポリペプチド、または抗体Ab5~Ab95のいずれかに含まれるVHポリペプチドを含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0047】
本発明はさらに、重鎖CDR3配列が、18、19、20、21、22、23、または24個のアミノ酸残基を含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0048】
本発明はさらに、重鎖CDR3配列が、21、22、23、または24個のアミノ酸残基を含む、上記のいずれかに記載のヒト化抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを提供する。
【0049】
本発明はさらに、重鎖CDR3配列が、配列番号6と同一であるか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なり、任意に、前述の差異が、存在する場合、保存的アミノ酸置換を含むか、または同じ長さのCDR3を含むヒトもしくはげっ歯類抗体の重鎖CDR3の同じ位置でよく見られる置換アミノ酸を含む、上記のいずれかに記載の単離された抗MCT1ヒトまたは抗原結合フラグメントを提供する。
【0050】
本発明はさらに、MCT1への結合を参照抗体と競合し、参照抗体が、Ab1~Ab95から選択される、上記のいずれかに記載の単離された抗MCT1ヒトもしくはヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0051】
本発明はさらに、Ab1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体と同じ可変重および/もしくは可変軽CDRポリペプチドを含む、抗ヒトMCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0052】
本発明はさらに、Ab1~Ab95から選択される抗体の可変重および/または軽ポリペプチドを含む、抗MCT1抗体を提供する。
【0053】
本発明はさらに、重鎖および/または軽鎖定常領域、任意にヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4の重鎖および/または軽鎖定常領域を含み、その定常領域(複数可)が任意に、変異されて、少なくとも1つのエフェクター機能を損なうかまたは増強する、上記のいずれかに記載の抗MCT1ヒトもしくはヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、例えば、前述のエフェクター機能には、FcR結合、補体結合、ADCC機能、FcRN結合、およびグリコシル化が含まれる。
【0054】
本発明はさらに、抗体またはその抗原結合フラグメントのCDRが、構造アライメントによって決定したときに2.0Å未満、1.0Å未満、または0.5Å未満の二乗平均偏差(RMSD)だけ異なる対応するCDRのアルファ炭素の位置によって示されるように、Ab1のものと同様のまたは同じ、同様の三次元抗体構造を形成する、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0055】
本発明はさらに、Ab1の可変重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびAb1の可変軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0056】
本発明はさらに、MCT1 Ab1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVHドメインを含み、かつMCT1 Ab1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVLドメインを含む、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0057】
本発明はさらに、グリコシル化、FcR結合、FcRN結合、補体結合、およびADCC機能から選択される少なくとも1つのFcエフェクター機能を増強するためにさらに任意に修飾された、ヒト定常ドメイン、任意にIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4を含む、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0058】
本発明はさらに、FcR結合および/または補体結合を減少させるように任意に修飾されたヒトIgG1定常領域を含み、E269Rおよび/もしくはK322A変異をさらに任意に含み、かつ/または前述のヒトIgG1定常領域が、配列番号18のアミノ酸配列を含む、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0059】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の少なくとも1つの抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを含む、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを提供する。
【0060】
本発明はさらに、エフェクターT細胞活性および/またはエフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、またはCD8+ エフェクターT細胞の数を減少させる、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを提供する。
【0061】
本発明はさらに、Tr1細胞の活性および/または数を増加させる、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを提供する。
【0062】
本発明はさらに、エフェクターT細胞活性および/またはエフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、またはCD8+ エフェクターT細胞の数を減少させ、さらに、Tr1細胞の活性および/または数を増加させる、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを提供する。
【0063】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の少なくとも1つの抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチドを発現する細胞、例えば、ヒト、非ヒト哺乳動物、酵母、細菌、両生類、植物、昆虫、もしくは爬虫類の細胞、またはヒト細胞、任意にヒト免疫細胞、例えばT細胞、NK細胞、単球、制御性T細胞、またはマクロファージを提供する。
【0064】
本発明はさらに、任意に、ヒト、ヒト化、および/または親和性成熟である、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0065】
本発明はさらに、任意にMCT1に結合し、さらに任意に1つ以上のMCT1活性を遮断する、またはそれに拮抗する、上記の抗イディオタイプ抗体に対して産生された、抗抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0066】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または配列番号6のVH CDR3ポリペプチド、あるいはそれと少なくとも80%の配列同一性を有する変異体であって、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合した変異体を含む、融合タンパク質を提供し、例えば、抗体ポリペプチドまたはドメインは、Fcポリペプチドまたはそのフラグメント、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のFc領域、またはそのフラグメントを含む。
【0067】
本発明はさらに、細胞、例えば、活性化T細胞またはB細胞、さらに任意にヒト細胞の表面上のMCT1に結合すると、以下の特性:
(i)乳酸の輸送を阻害する、
(ii)ブロモピルビン酸の輸送を阻害する、
(iii)モノカルボン酸、ピルビン酸、ロイシン、バリンおよびイソロイシンに由来する分岐鎖オキソ酸、ケトン体、アセト酢酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、酢酸、乳酸、細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン、脂質、およびケトンの1つまたはそれ以上の輸送を阻害する、
(iv)CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
(v)活性化T細胞もしくはB細胞の増殖を阻害する、
(vi)1つまたはそれ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、
(vii)エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、および/もしくはCD8エフェクターT細胞の活性および/もしくは数を減少させる、
(viii)制御性T(Treg)細胞の割合もしくは活性を増加させる、
(ix)混合リンパ球反応における同種異系活性化を阻害する、
(x)または上記のいずれかの組み合わせ
の1つまたはそれ以上を引き起こす、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0068】
本発明はさらに、MCT1に結合すると1つ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは例えば、上記の実施形態のいずれかに記載の上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0069】
本発明はさらに、1つ以上の炎症性サイトカインの少なくとも1つが、FGF2、FLT-3L、フラクタルカイン(Fractilkine)、G-CSF、GM-CSF、GRO、IFNα2、IFNγ、IL-3、IL-5、IL-9、IL-10、IL-12p40、IL-12p70、IL-13、IL-17a、IP-10、MCP-1、MDC、MIP-1a、MIP-1b、sCD40L、TNFα、およびTNFβから選択される、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0070】
本発明はさらに、1つ以上の炎症性サイトカインの少なくとも1つが、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、およびIL-6から選択される、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0071】
本発明はさらに、乳酸FLIPRアッセイによって測定したときに100nM未満、50nM未満、または10nM未満のKdを有する活性化T細胞におけるMCT1媒介性乳酸輸送を阻害する、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0072】
本発明はさらに、
(i)フローサイトメトリーによって測定したときにMCT2、MCT3、MCT4、および/またはCD147に結合しない、
(ii)MCT2、MCT3、および/またはMCT4輸送を阻害しない、
(iii)IL-2の産生を阻害しない、
(iv)単球における乳酸輸送を阻害しない、
(v)未感作、静止、および/または制御性T細胞の増殖を阻害しない、
(vi)RBCにおける乳酸輸送を阻害しない、
(vii)CD25、CD54、CD69、CD95、CD98、CD147、CD154、CD278、CD279、およびHLA-DR/DP/DQから任意に選択される、1つ以上のT細胞活性化マーカーの発現を改変しない、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0073】
本発明はさらに、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のFc領域、任意に、エフェクター機能、半減期、タンパク質分解、またはグリコシル化の少なくとも1つを改変するように修飾されたFc領域を含み、任意に、Fc領域が、N-および/またはO-グリコシル化を改変または排除する1つ以上の変異を含む、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0074】
本発明はさらに、100nM未満、50nM未満、または10nM未満の親和性(KD)を有するヒトMCT1に結合する、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0075】
本発明はさらに、加えて、以下の修飾:
(i)細胞毒性薬に共役される、
(ii)二重特異性抗体に含まれる、
(iii)多重特異性抗原結合タンパク質に含まれる、
(iv)標識に共役される、および
(v)別の治療薬、任意に、免疫抑制薬または化学療法薬に共役される、の1つ以上を有する、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の実施形態のいずれかに記載の上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0076】
本発明はさらに、標識が、化学発光標識、常磁性標識、MRI造影剤、蛍光標識、生物発光標識、もしくは放射性標識であるか、または細胞毒性薬が、DNA、RNA、もしくはタンパク質合成を阻害する部分;放射性核種;またはリボソーム阻害タンパク質である、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0077】
本発明はさらに、自己免疫、炎症、またはアレルギー状態;代謝障害(例えば、糖尿病)、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、癌;移植レシピエントもしくはEIHI、または任意の他の状態を有するヒト対象の治療に適しており、エフェクターT細胞の数および/もしくは活性、例えば、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、および/もしくはCD8+ T細胞の減少、ならびに/またはTr1もしくはサプレッサーT細胞の活性および/もしくは数の増加が、治療的に望ましい、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかに記載の上記のいずれかを発現する細胞を提供する。
【0078】
本発明はさらに、任意に、それが結合する抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの1つ以上の生物学的効果を中和する、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0079】
本発明はさらに、上記に記載の抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、任意に、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントは、それが結合する抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを中和する。
【0080】
本発明はさらに、対象における前述の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボレベルを監視するか、または対象における前述の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボ効果を中和するための、上記の抗イディオタイプ抗体を使用する方法を提供する。
【0081】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメントをコードする、ポリヌクレオチド、それを含有する発現ベクター、ならびに前述のポリヌクレオチドまたは発現ベクター、任意にヒト免疫細胞、例えば、T細胞、B細胞、またはNK細胞を含む宿主細胞を提供する。
【0082】
本発明はさらに、ヒトまたは非ヒト療法または予防法で使用するのに適している、有効量の、上記のいずれか1つに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、または抗抗MCT1抗体もしくは抗原結合フラグメント、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を含む、医薬組成物または診断用組成物を提供する。
【0083】
本発明はさらに、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する方法を提供し、抗体またはその抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で、上記の宿主細胞を培養することと、培養培地または宿主細胞から抗体またはその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む。
【0084】
本発明はさらに、薬学的有効量の、単離された抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗イディオタイプ抗体、融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記のいずれかを発現する細胞を含む、医薬組成物、例えば、薬学的希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含み、任意に、ミトコンドリア阻害剤、および/またはビグアニド、および/または別のモノカルボン酸輸送体(MCT阻害剤)、例えば、SLC16A1、SLC16A2、SLC16A3、SLC16A4、SLC16A5、SLC16A6、SLC16A7、SLC16A8、SLC16A9、SLC16A10、SLC16A11、SLC16A12、SLC16A13、もしくはSLC16A14阻害剤、またはMCT1、MCT2、MCT3、MCT4、MCT5、MCT6、MCT7、MCT8、MCT9、もしくはMCT10阻害剤を含み得るものを提供し、前述の阻害剤は、上記のトランスポーターの1つ以上を阻害し得、さらに前述の阻害剤は任意に、小分子、RNAi、抗体、抗体フラグメント、もしくは融合タンパク質を含むか、または前述の活性剤は、メトホルミン、フェンホルミン、アレクシジン、ビスビグアニド、ブホルミム、クロロヘキシジン、クロルプログアニル、フェニルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサニド、モロキシジン、グリピジド、グリブリド、レパグリニド、サクサグリプチン、シタグリプチン、パモ酸ピルビニウム(Pyrvinum Pamoate)、プログアニル、ドキシサイクリン、アトバクオン、カナグリフロジン、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、チゲサイクリン、チアゾリド(例えば、ニタゾキサニド)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテル、オキシクロザニド、ニクロサミド)、ペルヘキシリン、プロプロノロール、フェノフィブラート、ミコナゾール、ネファゾドン、ペンタミジン、ヒドロコルチゾン、メタヨードベンジルグアニジン、ロニダミン、アルファトコフェリルスクシネート(一次形態のビタミンE)、炭酸脱水酵素、ME344(MEI Pharma)、HIF1a阻害剤(例えば、クリシン、ケトミン、ジメチル-ビスフェノールA、BAY84-2243)、SR13800、ジメチルオキサロイルグリシン(DMOG)、カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)、カルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、アンチマイシンA、オリゴマイシン、サリノマイシン、ジニトロフェノール、ロテノン、フェンホルミン、チルホスチン9、アトペニンA5、ベルベリン、アジド、シアン化物、亜酸化窒素、三酸化ヒ素、ピルビニウム、カナグリフロジン、ロシグリタゾン、アモバルビタール、ホノキオール、アルクチゲニン、コーヒー酸フェニルエステル、ペルフェナジン(Perhenazine)、トリフルオペラジン(Triflouroperazine)、メチルグリオキサール、および上記のいずれかを含む組み合わせから選択される。
【0085】
本発明はさらに、エフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、および/またはCD8+ エフェクターT細胞の活性および/または数を阻害することを、それを必要としている対象において行うための方法を提供し、上記のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、対象に投与することを含む。
【0086】
本発明はさらに、サプレッサーTまたはTr1細胞の活性および/または数を増加させることを、それを必要としている対象において行うための方法を提供し、上記のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、対象に投与することを含む。
【0087】
本発明はさらに、エフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、および/またはCD8+ エフェクターT細胞の活性および/または数を阻害し、かつサプレッサーTまたはTr1細胞の活性および/または数を増加させることを、それを必要としている対象において行うための方法を提供し、上記のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、対象に投与することを含み、例えば、対象は、エフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、もしくはCD8+の活性の増加、および/またはサプレッサーTもしくはTr1活性の減少、および/またはサプレッサーTもしくはTr1細胞数の減少を特徴とする、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有する。
【0088】
本発明はさらに、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、または前述の状態のいずれかに関連する症状を予防または治療するための方法を提供し、上記のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含み、例えば、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)は、エフェクターT細胞、例えば、CD3+、CD4+、もしくはCD8+の活性の増加、および/またはサプレッサーTもしくはTr1活性の減少、および/またはサプレッサーTもしくはTr1細胞数の減少を特徴とするか、あるいは代謝障害は、ダノン病、真性糖尿病、ガラクトース血症異型、MDP症候群、代謝性ミオパシー、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損症、ウィンチェスター症候群、サリチル酸感受性、X連鎖性低リン血症、アルコール性ケトアシドーシス、アルコール紅潮反応、アルファ-アミノアジピン酸およびアルファ-ケトアジピン酸性尿症、高アニオンギャップ代謝性アシドーシス、痛風、リフィーディング症候群、運動関連低ナトリウム血症、膵炎、黄色脂肪症、およびMetab-Lを含むか、あるいは状態は、活性化T細胞もしくはB細胞および/またはMCT1発現細胞によって少なくとも部分的に媒介される。
【0089】
本発明はさらに、抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは融合タンパク質の投与が、以下の効果:
(i)活性化T細胞またはB細胞における乳酸輸送を阻害する、
(ii)活性化T細胞またはB細胞におけるブロモピルビン酸毒素の輸送を阻害する、
(iii)CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
(iv)活性化T細胞の増殖を阻害する、
(v)1つ以上の炎症性サイトカインの産生および/または分泌を阻害する、
(vi)IL-2の産生および/または分泌を阻害しない、
(vii)尿中ケトンの産生を増加させる、
(viii)生存期間を延長する、
(ix)移植片拒絶を減少させる、
(x)制御性T(Treg)細胞の割合または活性を増加させる、
(xi)TregであるCD4 T細胞の割合を増加させる、
(xii)IgG1 B細胞の割合を減少させる、
(xiii)胚中心B細胞の割合を減少させる、
(xiv)ヒトRBC中の乳酸輸送を阻害しない、
(xv)T細胞活性化を減少させる、ならびに
(xvi)細胞傷害性T細胞活性を減少させる、の1つ以上を有する、上記のいずれかに記載の方法を提供する。
【0090】
本発明はさらに、狼瘡、移植片拒絶、移植片対宿主病(GVHD)、1型もしくは2型糖尿病、または肥満症の少なくとも1つを治療または予防するために使用される、上記のいずれかに記載の方法を提供する。
【0091】
本発明はさらに、治療有効性が、尿中ケトンの測定、TR1細胞数の増加、炎症性サイトカイン、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、IL-6、IL-2、TIGIT、PD1、グランザイムBから選択されるバイオマーカーの発現の減少もしくは増加、エフェクターT細胞および/もしくはhCD3+細胞数の減少、PMBC増殖の抑制、または上記のいずれかの組み合わせによって監視される、上記のいずれかに記載の方法を提供する。
【0092】
本発明はさらに、抗MCT1アンタゴニスト抗体の治療有効性を評価する方法を提供し、上記:尿中ケトン、TR1細胞数、炎症性サイトカイン、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、IL-6、IL-2、TIGIT、PD1、グランザイムBから選択されるバイオマーカーの発現、エフェクターT細胞および/もしくはhCD3+細胞数の減少、PMBC増殖の抑制、または上記のいずれかの組み合わせ、のいずれかに対するインビトロまたはインビボでのその効果を検出することを含む。
【0093】
本発明はさらに、癌を治療する、またはその再発を予防するための方法を提供し、上記のいずれかに記載の、治療または予防有効量の、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞、あるいは治療または予防有効量の上記のいずれかを含有する医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含み、例えば、腫瘍細胞は、MCT1を発現し、または対象は、哺乳動物であり、または対象は、ヒト、非ヒト霊長類、もしくはげっ歯類から選択される哺乳動物である。
【0094】
本発明はさらに、活性化T細胞またはB細胞を阻害する、またはその活性を低減するための方法を提供し、前述の活性化細胞を、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞と接触させることを含む。
【0095】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞が、単剤療法として投与される、上記のいずれかに記載の方法を提供する。
【0096】
本発明はさらに、上記のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合ポリペプチド、キメラ抗原受容体(CAR)、多重特異性抗原結合ポリペプチド、または多重特異性もしくは二重特異性抗体ポリペプチド、あるいは上記の少なくとも1つを発現する細胞が、第2の治療薬と組み合わせて投与される、上記のいずれかに記載の方法を提供し、例えば、治療薬は、免疫抑制薬、化学療法薬、ビグアニド、例えば、メトホルミンもしくは別の抗糖尿病薬、または抗炎症薬から選択されるか、あるいは前述の他の治療薬は、ミトコンドリア阻害剤および/またはビグアニドであるか、あるいは前述の他の治療薬は、メトホルミン、フェンホルミン、アレクシジン、ビスビグアニド、ブホルミム、クロロヘキシジン、クロルプログアニル、フェニルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサニド、モロキシジン、グリピジド、グリブリド、レパグリニド、サクサグリプチン、シタグリプチン、パモ酸ピルビニウム、プログアニル、ドキシサイクリン、アトバクオン、カナグリフロジン、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、チゲサイクリン、チアゾリド(例えば、ニタゾキサニド)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテル、オキシクロザニド、ニクロサミド)、ペルヘキシリン、プロプロノロール、フェノフィブラート、ミコナゾール、ネファゾドン、ペンタミジン、ヒドロコルチゾン、メタヨードベンジルグアニジン、ロニダミン、アルファトコフェリルスクシネート(一次形態のビタミンE)、炭酸脱水酵素、ME344(MEI Pharma)、HIF1a阻害剤(例えば、クリシン、ケトミン、ジメチル-ビスフェノールA、BAY84-2243)、SR13800、ジメチルオキサロイルグリシン(DMOG)、カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)、カルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、アンチマイシンA、オリゴマイシン、サリノマイシン、ジニトロフェノール、ロテノン、フェンホルミン、チルホスチン9、アトペニンA5、ベルベリン、アジド、シアン化物、亜酸化窒素、三酸化ヒ素、ピルビニウム、カナグリフロジン、ロシグリタゾン、アモバルビタール、ホノキオール、アルクチゲニン、コーヒー酸フェニルエステル、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、メチルグリオキサール、および上記のいずれかを含む組み合わせから選択される。
【0097】
本発明はさらに、抗MCT1抗体、その抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または医薬組成物が、経腸的、非経口的、または局所的に投与される、上記のいずれかに記載の方法を提供する。
【0098】
本発明はさらに、MCT1に結合し、MCT1媒介性乳酸輸送を低減する抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質による治療の有効性を監視するための方法を提供し、尿中ケトンのレベルを測定することを含む。
【0099】
本発明はさらに、自己免疫、炎症、もしくはアレルギー状態;癌;EIHI;多嚢胞腎疾患(ADPKD);糖尿病もしくは他の代謝障害、および/またはMCT1の上方制御に関連する状態から選択される状態を診断するための方法を提供し、前述の方法は、
(i)状態の媒介に関与する細胞を単離することと、
(ii)前述の細胞を、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質と接触させることと、
(iii)前述の細胞に結合した抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質のレベルを検出することと、を含む。
【0100】
本発明はさらに、状態が、自己免疫、炎症、移植、GVHD、代謝障害(例えば、糖尿病)、EIHI;多嚢胞腎疾患(ADPKD);またはアレルギー状態である、上記の治療および検出方法を提供し、例えば、状態は、自己免疫、炎症、移植、GVHD、代謝障害(例えば、糖尿病)、多嚢胞腎疾患(ADPKD)、またはアレルギー状態であり、細胞は、活性化T細胞もしくはB細胞であるか、または状態は、癌であり、細胞は、腫瘍細胞であるか、または状態は、EIHIであり、細胞は、ベータ細胞である。
【0101】
本発明はさらに、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質が、以下:
(i)Ab1~Ab95のいずれかから選択される抗MCT1抗体、または上記の抗MCT1抗体のいずれかと同じCDRを含む別の抗MCT1抗体と競合する、
(ii)Ab1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体と同じCDRを含む、
(iii)Ab1~Ab95から選択される抗ヒトMCT1抗体の親和性成熟またはヒト化変異体を含む、
(iv)MCT1 Ab1(配列番号2)、またはAb1~Ab59のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1(配列番号3)、またはAb2~Ab95のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合する、
(v)MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)、またはAb2~Ab95のいずれかのものを含む、
(vi)MCT1 Ab1(配列番号2)、またはAb2~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1(配列番号3)、またはAb2~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、
(vii)配列番号2、12、14、16、19~32のアミノ酸配列から選択されるか、またはAb5~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、ならびに/あるいは
(viii)配列番号13、15、17、もしくは33~44のアミノ酸配列から選択されるか、またはAb5~Ab60のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含む抗体と競合するか、またはそれ自体がこれらを含む、ならびに/あるいは
(ix)配列番号6と同一の配列を含むか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なる配列を含む、少なくとも1つのペプチドを含み、前述のペプチドが、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合している、の1つ以上を含む、上記の治療および検出方法を提供する。
【0102】
細胞によるMCT1、任意に機能的MCT1の発現を検出する本発明の方法は、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体のいずれかが前述の細胞によって発現したMCT1に結合するかどうかを決定することを含み、例えば、細胞は、ヒトまたは非ヒトであり、例えば、細胞は、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有するか、もしくは含むと疑われる患者から得られるか、または検出方法は、異常な(増加した)MCT1発現もしくは活性を含む細胞を特徴とする、自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、多嚢胞腎疾患(ADPKD)を有するか、もしくは含むと疑われる患者から得られた細胞試料を使用して、疾患もしくは疾患予後を診断もしくは監視するために使用される。
【0103】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体;単一特異性抗体;多特異性抗体;ヒト化抗体;四量体抗体;四価抗体;多重特異性抗体;一本鎖抗体;ドメイン特異性抗体;単一ドメイン抗体;ドメイン欠失抗体;scFc融合タンパク質;キメラ抗体;合成抗体;組換え抗体;ハイブリッド抗体;変異抗体;CDRグラフト化抗体;抗体フラグメント;Fab;F(ab′)2;Fab′フラグメント;Fvフラグメント;一本鎖Fv(scFv)フラグメント;Fdフラグメント;dAbフラグメント;多重特異性抗体、ダイアボディ;ByTE、二価抗体、ナノボディ;二価ナノボディ;サメ可変IgNARドメイン;VHH抗体;ラクダ抗体;およびミニボディからなる群から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト、ヒト化、もしくはキメラ抗体、またはその抗原結合フラグメントである。
【0105】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗体のいずれかと同じもしくは重複するエピトープと競合するか、またはそれに結合する抗MCT1抗体であり、そのような抗体または抗原結合フラグメントは任意に、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗し、例えば、MCT1媒介性乳酸輸送を阻害する。
【0106】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗MCT1抗体のいずれかとして少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む抗MCT1抗体であり、そのような抗体または抗原結合フラグメントは任意に、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗し、例えば、MCT1媒介性乳酸輸送を阻害する。
【0107】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗MCT1抗体のいずれかのヒト化、キメラ、scFv、または親和性成熟誘導体を含む抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントであり、そのような抗体または抗原結合フラグメントは任意に、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗し、例えば、MCT1媒介性乳酸輸送を阻害する。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗MCT1抗体のいずれかと同じCDR、または重および/または軽可変領域を含む少なくとも1つの抗MCT1抗原結合ドメインを含む融合ポリペプチドまたは多重特異性ポリペプチドであり、そのような融合ポリペプチドまたは多重特異性ポリペプチドは任意に、1つ以上のMCT1関連機能に拮抗し、例えば、MCT1媒介性乳酸輸送を阻害する。
【0109】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントは、19、20、21、22、23、または24個のアミノ酸残基を含む重鎖CDR3配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖CDR3配列は、21、22、または23個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、重鎖CDR3配列は、配列番号6と同一であるか、またはそれから最大で5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なる。いくつかの実施形態では、前述の置換は、存在する場合、保存的アミノ酸置換を含むか、またはヒトもしくはげっ歯類抗体の重鎖CDR3の同じ位置でよく見られる置換アミノ酸を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、参照抗体とMCT1への結合を競合し、参照抗体は、
i.MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)、または
ii.MCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメイン、およびMCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVドメインを含むもの、を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、MCT1 Ab1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVHドメインを含み、かつMCT1 Ab1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVLドメインを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗MCT1抗体のいずれかのVHドメインに含まれるものと同じCDRを含むVHドメインを含み、かつ/または本明細書においてAb1~Ab83として同定される抗MCT1抗体のいずれかのVHドメインと同じCDRを含むVLドメインを含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書においてAb1~Ab95として同定される抗MCT1抗体のいずれかのVHドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVHドメインを含み、かつ/または本明細書においてAb1~Ab83として同定される抗MCT1抗体のいずれかのVHドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の同一性を有するVLドメインを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントは、本発明による抗MCT1抗体によって結合されるエピトープの以下の残基の1つ以上、すなわち、Ab1~Ab95のいずれかに結合し、任意に、エピトープを構成する残基は、アラニンスキャニングによって同定される。
【0116】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントのCDRは、図21に示されるように、構造アライメントによって決定したときに2.0Å未満、1.0Å未満、または0.5Å未満の二乗平均偏差(RMSD)だけ異なる対応するCDRのアルファ炭素の位置によって示されるように、MCT1 Ab1のものと同様の三次元抗体構造を有する。
【0117】
本発明はさらに、配列番号2、12、14、16、19~32、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、および155から選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドまたは重鎖ポリペプチド、ならびに配列番号3、13、15、17、33~44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、150、152、144、146、148、150、152、154、および156から選択されるアミノ酸配列を有する可変軽鎖ポリペプチドまたは軽鎖ポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0118】
本発明は具体的に、以下:配列番号2および3、配列番号12および13、配列番号14および15、配列番号16および17、配列番号45および46、配列番号47および48、配列番号49および50、配列番号51および52、配列番号53および54、配列番号55および56、配列番号57および58、配列番号59および60、配列番号61および62、配列番号63および64、配列番号65および66、配列番号67および68、配列番号69および70、配列番号71および72、配列番号73および74、配列番号75および76、配列番号77および78、配列番号79および80、配列番号81および82、配列番号83および84、配列番号85および86、配列番号87および88、配列番号89および90、配列番号91および92、配列番号93および94、配列番号95および96、配列番号97および98、配列番号99および100、配列番号101および102、配列番号103および104、配列番号105および106、配列番号107および108、配列番号109および110、配列番号111および112、配列番号113および114、配列番号115および116、配列番号117および118、配列番号119および120、配列番号121および122、配列番号123および124、配列番号125および126、配列番号127および128、配列番号129および130、配列番号131および132、配列番号133および134、配列番号135および136、配列番号137および138、配列番号139および140、配列番号141および142、配列番号143および144、配列番号145および146、配列番号147および148、配列番号149および150、配列番号151および152、配列番号153および154、ならびに配列番号155および156からそれぞれ選択されるアミノ酸配列を有する可変重鎖ポリペプチドおよび可変軽鎖ポリペプチドを含む、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0119】
本発明はさらに、MCT1 Ab1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVHドメインを含み、かつMCT1 Ab1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVLドメインを含む、単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0120】
本発明はまた、配列番号6と同一の配列を含むか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なる配列を含む少なくとも1つのペプチドを含む、融合タンパク質を提供し、前述のペプチドは、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合している。いくつかの実施形態では、抗体ポリペプチドまたはドメインは、Fcポリペプチドまたはそのフラグメント、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のFc領域またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、前述の置換は、存在する場合、保存的アミノ酸置換を含むか、またはヒトもしくはげっ歯類抗体の重鎖CDR3の同じ位置でよく見られる置換アミノ酸を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、活性化T細胞またはB細胞の表面上のMCT1に結合すると、以下の特性:
i.乳酸の輸送を阻害する、
ii.ブロモピルビン酸の輸送を阻害する、
iii.モノカルボン酸、ピルビン酸、ロイシン、バリンおよびイソロイシンに由来する分岐鎖オキソ酸、ケトン体、アセト酢酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、酢酸、乳酸、細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン脂質、およびケトンのうちの1つまたはそれ以上の輸送を阻害する、
iv.CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
v.活性化T細胞もしくはB細胞の増殖を阻害する、
vi.1つまたはそれ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、
vii.制御性T(Treg)細胞の割合または活性を増加させる、ならびに
viii.混合リンパ球反応における同種異系活性化を阻害する
のうちの1つ以上を有する。
【0122】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、MCT1に結合すると、1つ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する。いくつかの実施形態では、1つ以上のサイトカイン、例えば、炎症性サイトカインの少なくとも1つ、そのようなサイトカインは、以下:FGF2、FLT-3L、フラクタルカイン、G-CSF、GM-CSF、GRO、IFNα2、IFNγ、IL-3、IL-5、IL-9、IL-10、IL-12p40、IL-12p70、IL-13、IL-17a、IP-10、MCP-1、MDC、MIP-1a、MIP-1b、sCD40L、TNFα、およびTNFβの1つを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の炎症性サイトカインの少なくとも1つは、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、およびIL-6から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、乳酸FLIPRアッセイを介して測定したときに100nM未満、50nM未満、または10nM未満のKdを有する活性化T細胞におけるMCT1媒介性乳酸輸送を阻害する。
【0124】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、
i.フローサイトメトリーによって測定したときにMCT2、MCT3、MCT4、および/またはCD147に結合しない、
ii.MCT2、MCT3、および/またはMCT4輸送を阻害しない、
iii.IL-2の産生を阻害しない、
iv.単球における乳酸輸送を阻害しない、
v.未感作、静止、および/または制御性T細胞の増殖を阻害しない、
vi.RBCにおける乳酸輸送を阻害しない、
vii.CD25、CD54、CD69、CD95、CD98、CD147、CD154、CD278、CD279、およびHLA-DR/DP/DQから任意に選択される、1つ以上のT細胞活性化マーカーの発現を改変しない。
【0125】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のFc領域を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、エフェクター機能、半減期、タンパク質分解、またはグリコシル化の少なくとも1つを改変するように修飾されたFc領域を含み、任意に、Fc領域は、N-および/またはO-グリコシル化を改変または排除する1つ以上の変異を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、100nM未満、50nM未満、または10nM未満の親和性(K)を有するMCT1に結合する。
【0128】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、さらに、以下の修飾:
i.細胞毒性薬に共役される、
ii.二重特異性抗体に含まれる、
iii.多重特異性抗原結合タンパク質に含まれる、
iv.標識に共役される、および
v.別の治療薬、任意に、免疫抑制薬または化学療法薬に共役される、の1つ以上を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、標識は、化学発光標識、常磁性標識、MRI造影剤、蛍光標識、生物発光標識、または放射性標識である。
【0130】
いくつかの実施形態では、細胞毒性薬は、DNA、RNA、またはタンパク質合成を阻害する部分;放射性核種;またはリボソーム阻害タンパク質である。
【0131】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、自己免疫、炎症、もしくはアレルギー状態;癌;またはEIHIを有するヒト対象を治療するのに適している。
【0132】
本発明はまた、任意に、それが結合する抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの1つ以上の生物学的効果を中和する、前述の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。本発明はさらに、抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントに対して産生された、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、任意に、抗抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントは、それが結合する抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを中和する。
【0133】
さらに、いくつかの実施形態では、本発明は、対象における前述の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボレベルを監視するか、または対象における前述の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメントのインビボ効果を中和するための、抗イディオタイプ抗体を使用する方法に関する。
【0134】
本発明はまた、上記の実施形態のいずれかによる抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。加えて、そのようなポリヌクレオチドを含む発現ベクターが提供される。本発明はまた、発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。本発明はさらに、単離された抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する方法に関し、抗体またはその抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で、宿主細胞を培養することと、培養培地または宿主細胞から抗体またはその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む。
【0135】
本発明はさらに、薬学的有効量の、上記の実施形態のいずれかに記載の、単離された抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質、あるいはそれを発現する細胞を含む医薬組成物を提供し、これはさらに、薬学的希釈剤、担体、または賦形剤を含んでもよい。
【0136】
自己免疫、アレルギー、または炎症状態を治療または予防するための方法も本明細書において提供され、治療または予防有効量の、上記の実施形態のいずれかに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質、あるいは上記の医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、状態は、活性化T細胞またはB細胞によって少なくとも部分的に媒介される。
【0138】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質の投与は、以下の効果:
i.活性化T細胞またはB細胞における乳酸輸送を阻害する、
ii.活性化T細胞またはB細胞におけるブロモピルビン酸毒素の輸送を阻害する、
iii.CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
iv.活性化T細胞の増殖を阻害する、
v.1つ以上の炎症性サイトカインの産生および/または分泌を阻害する、
vi.IL-2の産生および/または分泌を阻害しない、
vii.尿中ケトンの産生を増加させる、
viii.生存期間を延長する、
ix.移植片拒絶を減少させる、
x.制御性T(Treg)細胞の割合または活性を増加させる、
xi.TregであるCD4 T細胞の割合を増加させる、
xii.IgG1 B細胞の割合を減少させる、
xiii.胚中心B細胞の割合を減少させる、
xiv.ヒトRBC中の乳酸輸送を阻害しない、
xv.T細胞活性化を減少させる、ならびに
xvi.細胞傷害性T細胞活性を減少させる、の1つ以上を有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、方法は、狼瘡を治療または予防するために使用される。
【0140】
いくつかの実施形態では、方法は、移植片拒絶を治療または予防するために使用される。
【0141】
いくつかの実施形態では、方法は、移植片対宿主病(GVHD)を治療または予防するために使用される。
【0142】
いくつかの実施形態では、方法は、糖尿病を治療または予防するために使用される。
【0143】
いくつかの実施形態では、方法は、肥満症を治療または予防するために使用される。
【0144】
いくつかの実施形態では、治療有効性は、尿中ケトンの測定を介して監視される。
【0145】
本発明はさらに、癌を治療する、またはその再発を予防するための方法を提供し、治療または予防有効量の、上記の実施形態のいずれか1つに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質、あるいは上記の実施形態に記載の医薬組成物を、それを必要としている対象に投与することを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、MCT1を発現する。
【0147】
いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、非ヒト霊長類である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、げっ歯類である。
【0148】
本発明はまた、活性化T細胞またはB細胞を阻害する、またはその活性を低減するための方法を提供し、前述の活性化細胞を、上記の実施形態のいずれか1つに記載の抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質と接触させることを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、単剤療法として投与される。
【0150】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質は、第2の治療薬と組み合わせて投与される。
【0151】
いくつかの実施形態では、治療薬は、免疫抑制薬または化学療法薬から選択される。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体、その抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または医薬組成物は、経腸的、非経口的、または局所的に投与される。
【0153】
本発明はさらに、MCT1に結合し、MCT1媒介性乳酸輸送を低減する抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または融合タンパク質による治療の有効性を監視するための方法を提供し、尿中ケトンのレベルを測定することを含む。
【0154】
さらなる態様では、本発明は、自己免疫、炎症、またはアレルギー状態;癌;EIHI;およびMCT1の上方制御に関連する状態から選択される状態を診断するための方法を提供し、前述の方法は、
i.状態の媒介に関与する細胞を単離することと、
ii.前述の細胞を、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質と接触させることと、
iii.前述の細胞に結合した抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質のレベルを検出することと、を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、状態は、自己免疫、炎症、またはアレルギー状態であり、細胞は、活性化T細胞またはB細胞である。
【0156】
いくつかの実施形態では、状態は、癌であり、細胞は、腫瘍細胞である。
【0157】
いくつかの実施形態では、状態は、EIHIであり、細胞は、ベータ細胞である。
【0158】
いくつかの実施形態では、抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはMCT1結合融合タンパク質は、
i.MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)を含む抗体、またはAb1~Ab95のいずれかから選択される抗MCT1抗体と競合する、
ii.MCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号2)、またはAb1~Ab95のいずれかのVドメインに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含み、さらにMCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号3)、またはAb1~Ab95のいずれかのVドメインに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む、抗体と競合する、
iii.MCT1 Ab1の重鎖CDR配列(配列番号4、5、6)およびMCT1 Ab1の軽鎖CDR配列(配列番号7、8、9)を含む、
iv.MCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含み、かつMCT1 Ab1のVドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む、あるいは
v.配列番号6と同一の配列を含むか、またはそれから最大でも5、4、3、2、もしくは1つの残基だけ異なる配列を含む、少なくとも1つのペプチドを含み、前述のペプチドは、別のポリペプチド、例えば、抗体ポリペプチドもしくは抗体ドメイン、血清アルブミン、ヒトもしくは他の霊長類血清アルブミン、アドネクチン、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、グリコール(PEG)、モノメトキシPEG(mPEG)、XTEN分子、rPEG分子、または上記のいずれかのフラグメントもしくは変異体に直接または間接的に結合している。
【図面の簡単な説明】
【0159】
図1】白血球の代謝状態が異なる免疫学的特性に関連していることを示す(参考文献33)。静止細胞、記憶細胞、およびTreg細胞が、酸化的リン酸化(Oxphos)に依存している一方で(左)、エフェクターT細胞増殖およびエフェクター機能は、抗原活性化後の解糖に大きく依存している(右)。
図2】CD3/CD28の活性化が、より高いMCT1およびMCT4発現を誘発すること、ならびにAZ3965による増殖阻害のIC50値が、MCT4の高(ドナー1)または低(ドナー2)発現レベルの存在下で変化しないことを示す(S=3日間刺激、NS=刺激なし、BSG=ベイシジン/CD147)。ドナー1の左から右に、バーは、MCT2、MCT4、およびBSGの刺激されていない発現に対応し、MCT1、MCT2、MCT4、およびBSGの刺激された発現がそれに続く。注:ドナー1は、刺激されていない細胞ではMCT1の発現がなかった。ドナー2の左から右に、バーは、MCT1、MCT2、MCT4、およびBSGの刺激されていない発現に対応し、MCT1、MCT2、MCT4、およびBSGの刺激された発現がそれに続く。
図3】AZ3965を用いた乳酸FLIPRアッセイの結果を含む。AZ3965は、ヒトCD4 T細胞(CD4)、CD8 T細胞(CD8)、B細胞リンパ腫細胞(Daudi)、および末梢血単核球(PBMC)における乳酸輸送を阻害するが、単球(Mono)では阻害しない。100nMのAZ3965の上から下に、曲線は、Daudi、CD4、CD8、PBMC、およびMonoに対応する。
図4】小分子MCT1阻害剤を用いたヒトT細胞増殖アッセイの結果を含む。MCT1阻害は、0.54nMのIC50でT細胞増殖の阻害をもたらす。
図5】小分子MCT1阻害剤を用いたヒト混合リンパ球反応(MLR)アッセイの結果を含む。このMLRアッセイにおけるT細胞増殖は、1.34nMのIC50で阻害された。
図6】AZ3965投与後のインビトロでのT細胞サイトカイン分泌の阻害を示す。T細胞を、薬物投与前の5日間CD3/CD28で活性化した。図の赤い領域(より高い発現)は、黒い点線で縁取られている。他の全ての領域は、青色である(より低い発現)。陰影の強度も発現を示す。AZ3965は、IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、およびIL-6の分泌を阻害するが、IL-2は阻害しない。
図7A】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7B】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7C】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7D】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7E】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7F】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7G】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7H】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7I】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図7J】100nMの小分子MCT1阻害剤による処置または処置なしの4日後の活性化T細胞における様々なT細胞表面マーカーの発現を、非染色対照と比較して示す。各パネルで、抗体非染色対照は、左端のピークである。各パネルで、処置済み状態と未処置状態との間の染色に有意差はない。未処置状態は、処置状態の曲線がわずかにより高い図7Hを除いて、全てのパネルについてわずかにより高い曲線である。ここに示される結果は、以下の細胞表面メーカーについてのものである:CD25(図7A)、CD54(図7B)、CD69(図7C)、CD95(図7D)、CD98(図7E)、CD147(図7F)、CD154(図7G)、CD278(図7H)、CD279(図7I)、およびHLA-DR、DP、DQ(図7J)。
図8】AZ3965を用いた異種GVHDアッセイの結果を示す。AZ3965は、休薬までGVHD罹患率を遮断し、JAK阻害剤よりも優れている。
図9】AZ3965投与期間中の異種GVHD実験(図8)についての組織Tregの頻度の用量依存的増加を示す。
図10】移植片拒絶に対するMCT1小分子阻害剤の効果を示す。10日目に、視覚的および移植片分析の両方で、25mg/kgの化合物の2回/日の投与は、移植片拒絶反応を低減した。
図11A】AZ3965の投与が、ヒツジRBCに曝露されたマウスのIgG1 B細胞および胚中心B細胞の割合を低減することを示す。図11Aは、AZ3965の2.5mpk投与でのIgG1 B細胞の減少を示し、図11Bは、同じ投与量での胚中心B細胞の減少を示す。
図11B】AZ3965の投与が、ヒツジRBCに曝露されたマウスのIgG1 B細胞および胚中心B細胞の割合を低減することを示す。図11Aは、AZ3965の2.5mpk投与でのIgG1 B細胞の減少を示し、図11Bは、同じ投与量での胚中心B細胞の減少を示す。
図12A】異なる種のPBMCの表面上のMCT1への結合のフローサイトメトリー測定によって評価したときのMCT1 Ab1の交差反応性を示す。図12Aは、MCT1 Ab1がヒトPBMCの表面上のMCT1に結合すること、およびそれが刺激された細胞にさらに大きい程度まで結合することを示す。
図12B図12Bは、MCT1 Ab1がカニクイザルMCT1に結合することを示す。
図12C図12Cは、MCT1 Ab1がウサギMCT1に結合することを示す。
図12D図12Dは、MCT1 Ab1がラットMCT1に結合しないことを示す。
図13A】MCT1 Ab1が活性化T細胞に結合することを示す。MCT1 Ab1は、未感作細胞を染色しないが(図13A)、3日目にCD3/CD28活性化細胞の表面を染色する(図13B)。図13Aの唯一の染色は、核染色に対応し、未感作T細胞の存在を確認している。
図13B】MCT1 Ab1が活性化T細胞に結合することを示す。MCT1 Ab1は、未感作細胞を染色しないが(図13A)、3日目にCD3/CD28活性化細胞の表面を染色する(図13B)。図13Aの唯一の染色は、核染色に対応し、未感作T細胞の存在を確認している。
図14】MCT1 Ab1が、インビトロで活性化T細胞における乳酸のMCT1輸送を阻害することを示す。ラットIg対照および緩衝液対照曲線が、対照と比較して変化を示さない一方で、MCT1 Ab1は、7.6nMのKdで対照と比較して乳酸輸送の減少をもたらした(右側の下の曲線)。
図15】MCT1 Ab1が、ATPlite(Kd=1.2nM)を使用した細胞死からのMCT1 Ab1防御によって測定したときに、ブロモピルビン酸毒素の輸送を阻害することを示す。
図16】MCT1 Ab1が、1.3nMのEC50でT細胞増殖を阻害した、T細胞増殖アッセイの結果を含む。
図17】MCT1 Ab1が、ヒト混合リンパ球反応において用量依存的に同種異系活性化を阻害したことを示す。
図18A】5つの異なる種からのRBCの表面におけるMCT1発現を示す。図18Aでは、精製カニクイザルRBC(右)のMCT1 Ab1染色は、発現を欠いている精製ヒトRBC(20ドナー、左)とは対照的に、原形質膜上のMCT1の発現を示す。左のパネルでは、二次abのみの条件、対照条件、およびMCT1 Ab1染色条件の全てが、MCT1の染色を示していない。
図18B図18Bでは、染色は、ウサギRBC(左)の表面上でのMCT1発現を示すが、ラット(中央)またはビーグル(右)RBCの表面上では何も示さない。
図19】ヒトRBCが乳酸輸送のためにMCT1を必要としないことを示す。MCT1のMCT1 Ab1阻害もAZ3965阻害も、FLIPRベースの輸送アッセイを使用して、精製ヒトRBCにおける乳酸輸送を遮断しなかった(参考文献1、2)。なし=阻害剤なし。
図20】狼瘡B細胞のフローサイトメトリー分析の結果を含む。1名の健康な患者および2名の狼瘡患者からのB細胞集団の例示的なMCT1染色は、狼瘡患者に対してMCT1染色の有意な増加を示す。
図21】本出願で43260_4200-MCT1_Ab1.pdbとして寄託されたMCT1 Ab1 Fabの結晶構造のグラフィックレンダリングを含む。画像では、V CDR3が抗原結合表面の残りの部分を超えて延在することが分かる。
図22】MCT1が、様々な機能に関与している一方で、リンパ系外の毒性を回避する冗長経路が存在するが、MCT1が、リンパ系(例えば、B、T細胞)において唯一のトランスポーター経路を有することを概略的に示す。
図23】カニクイザル赤血球(RBC)が高レベルのMCT1を発現することを示す。
図24】カニクイザルが、50mpkでの抗MCT1抗体(Ab1)の反復投与に耐性があることを示す実験を含む。
図25】投与された抗MCT1抗体(Ab1)の良好な結合が存在することを示唆するカニクイザルで観察されたPKデータを含み、結果はさらに、5mpk存在する以上のAb1用量率で、RBCシンクが飽和していることを示す。
図26】タモキシフェン誘導性MCT1ノックアウトマウスの標的組織(筋肉、精巣、および目)を評価する実験を含む。
図27】MCT1ノックアウトマウス動物が、より小さい精巣を有することを示し、顕微鏡的所見は、精子細胞変性を示している。
図28】MCT1 KO表現型が、対照のハウスキーパー遺伝子(HPRT)の発現と比べて、アッセイされた様々な標的組織、すなわち、胸腺、脾臓、リンパ節、精巣、および網膜におけるMCT1発現の強固なタモキシフェン誘導性ノックダウンを付与することを示す。
図29】ノックアウトマウスで観察された精巣における表現型の変化を示す。示されているように、全てのMCT1ノックアウトマウスの精巣において精子細胞変性が観察された(後期精子細胞および精母細胞の欠如、尿細管細胞性の低下、空胞化、ならびに細胞残屑)。
図30】WTマウスおよびMCT1 KOマウスにおける精巣の組織構造をさらに比較し、野生型と比べて、ノックアウトマウスにおいて精子細胞変性の増加を示す。
図31】異なる市販の抗MCT1抗体を比較した結合および機能結果を要約する。図は、Abcamから販売されている全ての抗MCT1抗体(Mabおよびポリクローナル)を使用したMFI(上、フローサイトメトリー、生細胞の細胞結合)およびブロモピルビン酸機能アッセイの結果(下、RLU)を含む。(カタログ番号は、図中に列挙されている)。
図32】ブロモピルビン酸アッセイでMCT1トランスポーター活性を遮断する相対的能力に基づいて、本明細書に開示される異なる抗MCT1抗体、すなわち、INX420、INX444、INX356、INX352、およびINX453のアンタゴニスト活性を検出した実験結果を含む。
図33】本明細書に開示される異なる抗MCT1抗体、すなわち、INX420、INX444、INX356、INX352、およびINX453の可変重領域のアライメントを含む。
図34】本明細書に開示される異なる抗MCT1抗体、すなわち、INX420、INX444、INX356、INX352、およびINX453の可変軽領域のアライメントを含む。
図35図35Aおよび図35Bは、本明細書に開示される抗MCT1のMCT1 293細胞への結合、およびそれらのブロモピルビン酸毒素輸送アッセイにおける相対的機能性をそれぞれ示す。
図36図36A図36Dは、CD4およびCD8 T細胞の増殖を阻害する相対的能力に関して、本明細書に開示される2つの抗MCT1抗体、すなわち、INX310およびINX420を比較する実験データを含む。
図37図37A図37Dは、本明細書に開示される抗MCT1抗体、すなわち、INX420が、小分子MCT1阻害剤化合物と比較できるほど、インビトロでPD1TIGIT細胞の頻度を増加させることを示す実験データを含む。
図38図38A図38Bは、PD1TIGITTr1細胞が、PMBCの増殖を抑制することを示す実験データを含む。
図39】IL-10アンタゴニスト(抗IL-10RB)によるIL-10シグナル伝達の遮断が、本明細書に開示される抗MCT1抗体、すなわち、INX420によるPMBC増殖の抑制に影響を及ぼさないことを示す実験データを含む。
図40図40A図40Dは、本明細書に開示される抗MCT1抗体、すなわち、INX420およびINX310による異種GvHD動物の処置が、対照抗体で処置した異種GvHD動物と比較して、CD3、CD4、およびCD8エフェクターT細胞の数の大幅な減少ならびにTr1細胞の増加をもたらしたことを示す実験データを含む。
図41図41A図41Cは、本明細書に開示される抗MCT1抗体、すなわち、INX420、INX413、およびINX310による異種GvHD動物の処置が、対照抗体で処置した異種GvHD動物と比較して、CD3、CD4、およびCD8エフェクターT細胞の数の大幅な減少をもたらしたことを示す実験データを含む。
図42図42Aおよび図42Bは、異種GvHD動物モデルにおける抗MCT1抗体、すなわち、INX420とINX310の投与が、対照抗体で処置した動物と比較して、生存率、長期防御、および耐性誘導の増加をもたらしたことを示す実験結果を含む。
図43】TIGITおよびPD1が、異種GvHD動物モデルにおけるかなり(75%)のヒトT細胞上で発現し、Tr1細胞の推定バイオマーカーを含むことを示すバイオマーカー発現データを含む。
図44図44Aおよび図44Bは、TIGITおよびPD1が、Tr1細胞の推定バイオマーカーを含み、これらのマーカーを発現する推定Tr1細胞が、エフェクターT細胞の増殖を抑制することを示すバイオマーカー発現データを含む。
図45図45A図45Cは、Tr1細胞が、高レベルのグランザイムBを発現し、FOXP3またはBlimp1を発現しないことを示すバイオマーカー発現データを含む。
図46図46A図46Cは、抗MCT1抗体(INX420)で処置したNSGマウスが、対照抗体で処置した動物と比較して、hCD3 エフェクターT細胞の数が少ないことを示す実験結果を含む。
図47図47Aおよび図47Bは、Tr1細胞が、CD23/CD28刺激後にhCD3 エフェクターT細胞およびPMBCの増殖を抑制することを示す実験結果を含む。
図48】異種GvHD動物モデルにおけるTr1生成の動態を概略的に示し、抗MCT1抗体による処置が、エフェクター相における増殖を抑制することを示す。
図49図49A図49Bは、様々な抗体、サイトカイン、およびリガンドを用いたTr1細胞のエクスビボ培養に関する実験データを含む。観察された結果は、抗TIGITおよびPVRリガンドが、生存率を高めなかったことを示す。対照的に、IL-2、IL-17、およびIL-15による処置は、用量依存的に、Tr1細胞のエクスビボ生存を大幅に増加させた(最大約75%の生存率)。
図50図50A図50Bは、血中ケトンおよびグルコースレベルに基づいて、8~24時間の飢餓条件の後のケトーシスに対する小分子MCT1阻害剤の効果を示す実験データを含む。
図51図51A図51Bは、小分子MCT1阻害剤が、24時間の飢餓後にケトアシドーシスを引き起こさず、小分子MCT1阻害剤の非存在下での飢餓と比較して、pHの最小低減(約0.05)のみを引き起こすことを示す実験データを含む。
図52図52A図52Dは、アラニンスキャニングによって決定したときの、本発明による4つの例示的な抗ヒトMCT1抗体によって結合された予測エピトープを構成するヒトMCT1の残基を示す。結果は、全ての4つの抗体によって結合されたエピトープが、ヒトMCT1の同じ細胞外領域、およびヒトMCT1の実質的に同じ残基を含むことを示す。
図53】アラニンスキャニングによって決定したときの、本発明による4つの抗ヒトMCT1抗体によって結合された予測エピトープを構成するヒトMCT1の特異的残基をさらに示す。この場合もやはり、これらの結果は、全ての4つの抗体によって結合されたエピトープが、ヒトMCT1の同じ細胞外領域、およびヒトMCT1の実質的に同じ残基を含むことを示す。
図54】アラニンスキャニングによって決定したときの、本発明による4つの抗ヒトMCT1抗体によって結合された予測エピトープを構成するヒトMCT1の特異的残基をさらに示す。この場合もやはり、これらの結果は、全ての4つの抗体によって結合されたエピトープが、ヒトMCT1の同じ細胞外領域、およびヒトMCT1の実質的に同じ残基を含むことを示す。
図55】マウスMCT1にさらに結合する本発明による抗ヒトMCT1抗体が、ブロモピルビン酸の毒性作用からマウスMCT1発現トランスフェクタントを防御することを示す実験結果を含む。
【発明を実施するための形態】
【0160】
本発明は、モノカルボン酸トランスポーター1(「MCT1」)に結合する抗体およびその抗原結合フラグメント、前述の抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメントをコードする核酸、前述の抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメントを含む組成物、ならびに診断および療法において前述の抗MCT1抗体、抗体フラグメント、および組成物を使用する方法に関する。
【0161】
抗体標的:MCT1
MCT1は、解糖の生成物を含む重要な代謝産物の輸送の促進に寄与するマルチパス膜貫通タンパク質である。本出願は、新規の抗MCT1抗体、具体的には、本出願においてAb1-Ab83として同定された抗体のいずれかと同じCDRを含むものを含む、抗ヒトMCT1抗体を提供する。本発明以前に、MCT1の機能を遮断する抗MCT1抗体または抗体フラグメントは報告されていない。
【0162】
本発明による抗MCT1抗体または抗体フラグメントのMCT1への結合は、MCT1の機能の少なくとも1つを低減、抑制、減少、または別様に阻害する。これが免疫に関連するため、MCT1のこの結合および阻害は次いで、自己免疫、例えば、活性化T細胞、B細胞、および/または炎症性サイトカイン発現に対して少なくとも1つの抑制効果を有し得る。重要なことに、MCT1は、T細胞およびB細胞上で発現する唯一の免疫学的に関連した乳酸トランスポーターである。本発明の抗MCT1抗体は、エフェクターT細胞活性化の間の解糖へのシフトにより活性化T細胞を特に標的とし、したがって、自己免疫、炎症、およびアレルギー状態を制御するための革新的かつ強力な機会を提供する。実施例で実証されるように、本発明の抗MCT1抗体は、特にヒトにおけるMCT1欠損に関するデータに照らして、リンパ球代謝の選択的阻害および魅力的な安全性プロファイルを提供する。炎症性疾患モデル、例えば、病気にかかりやすいマウスでの狼瘡のモデルにおけるリンパ球解糖の遮断は、これらのモデルにおけるIFNγ産生を防ぎ、リンパ球解糖を安全かつ効果的な方法で遮断する本発明の抗体が、免疫調節薬として強力な可能性を有することのさらなる証拠を提供する。
【0163】
MCT1の機能を遮断または阻害する抗MCT1抗体は、自己免疫を低下させるために使用され得る。具体的には、これらの抗体は、自己免疫、アレルギー、狼瘡、GVHD、敗血症、または望ましくない炎症性免疫応答などの望ましくないヒト免疫応答を抑制するために使用され得る。
【0164】
MCT1の発現は、特定のエネルギー要件および腫瘍細胞の解糖への依存により、癌にも関係している。したがって、本発明の抗体およびその抗原結合フラグメントは、癌治療に適している。ベータ細胞におけるMCT1の過剰発現はまた、運動誘発性高インスリン症(EIHI)の根本的な原因でもあり、そのため本発明の抗体は、EIHIの治療にも適用され得る。
【0165】
特に、MCTタンパク質の小分子阻害剤は、前臨床モデルにおける網膜、心臓、および精巣の毒性と関連付けられているが、MCT1が欠損しているヒトは、これらの臓器のいずれにおいても毒性がなく(参考文献49および実施例)、これは、本発明のMCT1特異性抗体の強力な安全性プロファイルを裏付ける。加えて、MCT1が欠損している個人は、健康であることが示されており、これらの結論は、MCT1がヒトRBC乳酸輸送に関与していないことを示す実施例内のデータによって裏付けられている。
【0166】
ヒトMCT1は、UniProtデータベースに識別子P53985-1で寄託された以下のアミノ酸配列(配列番号1)を有する。
【0167】
配列番号1
MPPAVGGPVGYTPPDGGWGWAVVIGAFISIGFSYAFPKSITVFFKEIEGIFHATTSEVSWISSIMLAVMYGGGPISSILVNKYGSRIVMIVGGCLSGCGLIAASFCNTVQQLYVCIGVIGGLGLAFNLNPALTMIGKYFYKRRPLANGLAMAGSPVFLCTLAPLNQVFFGIFGWRGSFLILGGLLLNCCVAGALMRPIGPKPTKAGKDKSKASLEKAGKSGVKKDLHDANTDLIGRHPKQEKRSVFQTINQFLDLTLFTHRGFLLYLSGNVIMFFGLFAPLVFLSSYGKSQHYSSEKSAFLLSILAFVDMVARPSMGLVANTKPIRPRIQYFFAASVVANGVCHMLAPLSTTYVGFCVYAGFFGFAFGWLSSVFETLMDLVGPQRFSSAVGLVTIVECCPVLGPPLLGRLNDMYGDYKYTYWACGVVIISGIYLFIGMGINYRLLAKEQKANEQKKESKEEETSIDVAGKPNEVTKAAESPDQKDTDGGPKEEESPV
【0168】
MCT1への結合およびMCT1機能の阻害
本発明の抗MCT1抗体は、MCT1に対して任意の好適な親和性および/または結合力を有することができる。親和性は、抗MCT1抗体または他の抗原結合タンパク質のエピトープまたは抗原決定基への結合の強度を指す。典型的には、親和性は、[Ab]×[Ag]/[Ab-Ag]として定義される解離定数Kの観点から測定され、式中、[Ab-Ag]は、抗体-抗原複合体のモル濃度であり、[Ab]は、未結合抗体のモル濃度であり、[Ag]は、未結合抗原のモル濃度である。親和定数Kは、1/Kによって定義される。競合阻害、平衡透析などによる結合ペプチドの特異性および親和性を決定するための好適な方法は、例えば、Harlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988)、Colligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,N.Y.,(1992,1993)、およびMuller,Meth.Enzymol.92:589-601(1983)で見ることができる。
【0169】
親和性は、本明細書の他の箇所に記載されている方法または当該技術分野におけるそれらの既知の同等物のいずれかによって決定され得る。親和性を決定するために使用され得る1つの方法の例は、Scatchard analysis of Munson & Pollard,Anal.Biochem.107:220(1980)に提供されている。結合親和性は、KINEXA、平衡法(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、またはラジオイムノアッセイ(RIA))、または動態分析(例えば、BIAcore(商標)分析)によっても決定され得る。
【0170】
本発明のさらに別の実施形態では、抗MCT1抗体および抗原結合フラグメント、例えば、ヒト、ヒト化、またはキメラ化抗MCT1抗体または抗体フラグメントは、例えば、25℃または37℃で、ELISA、バイオレイヤー干渉法(「BLI」)、KINEXA、または表面プラズモン共鳴によって測定したときに5×10-5M、10-5M、5×10-6M、10-6M、5×10-7M、10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10、10-10、5×10-11、10-11M、5×10-12、10-12M、5×10-13M、または10-13M以下の結合親和性(K)でMCT1に結合し得る。典型的には、本発明によって提供される抗MCT1抗体は、約10-4~約10-12M(例えば、約10-7~約10-10M)の範囲のMCT1に対する親和性を有する。本明細書における免疫反応という用語は典型的には、約10-4M未満の親和性でのMCT1への抗MCT1抗体の結合を指す。例えば、特定の態様において、本発明は、例えば、KINEXAによって決定したときにMCT1に関して約7×10-9M以下の結合親和性(K)を有する抗MCT1抗体を提供する。
【0171】
加えて、本発明の抗MCT1抗体および抗原結合フラグメント、例えば、ヒト、ヒト化、またはキメラ化抗MCT1抗体または抗体フラグメントは、5×10-4-1、10-4-1、5×10-5-1、または10-5-1以下のオフレート(koff)でMCT1に結合する抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントを含み得る。
【0172】
結合力は、結合タンパク質と抗原との間の全相互作用の全体的な強度(例えば、抗MCT1抗体とMCT1との間の相互作用の全強度)を指す。親和性は、抗体または他の結合ペプチド上の単一の抗原結合部位と単一のエピトープまたは抗原決定基との間の非共有結合性相互作用全体の強度である。結合力は典型的には、3つの主要な要因:結合タンパク質の、それが結合するエピトープ(複数可)もしくは抗原決定基(複数可)への固有の親和性、抗体もしくは結合タンパク質および抗原の価数(例えば、3、4、もしくはそれ以上の価数の抗MCT1は典型的には、二価抗体よりも抗原に対して高いレベルの結合力を示し、二価抗体は、特に抗原において反復エピトープが存在する場合、一価抗体よりも抗原に対して高い結合力を有することができる)、ならびに/または相互作用する構成要素の幾何学的配置、によって決定される。結合力は典型的には、親和性を評価するために使用されるのと同じタイプの技術によって測定される。
【0173】
抗MCT1抗体は、それらがMCT1に結合し、それによりMCT1の1つ以上の機能を阻害する能力に基づいて特徴付けられ得る。そのような抗MCT1抗体は、天然の形態で治療薬として直接使用され得る。阻害性抗MCT1抗体は、モノカルボン酸塩、イオン、および様々な他の分子、例えば、毒素の輸送など、MCT1の様々な機能を部分的または完全に阻害し得る。特定の実施形態では、本発明の抗体は、乳酸のMCT1媒介性輸送を阻害する。阻害は、任意の好適な方法によって測定され得る。一態様では、阻害は、阻害抗MCT1抗体が少なくとも約20%、例えば、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%以上(例えば、約25~100%)のMCT1媒介性乳酸輸送の減少を引き起こすことに反映されている。この態様における減少率は、対照と比較して、例えば、MCT1を発現しない細胞または抗体によって遮断されない細胞からの乳酸輸送アッセイの結果と比較して、乳酸輸送への抗MCT1抗体の効果を考慮すると決定され得る。
【0174】
抗MCT1抗体の産生
本発明による抗MCT1モノクローナル抗体(mAb)および抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体方法論、例えば、Kohler and Milstein(1975)Nature 256:495の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術などの異なる方法によって潜在的に産生され得る。また、モノクローナル抗体を産生するための他の技術、例えば、Bリンパ球のウイルス性または発癌性形質転換が、潜在的に使用され得る。
【0175】
ハイブリドーマを調製するための好ましい動物系は、マウス系である。マウスにおけるハイブリドーマ産生は、非常に確立された方法である。融合のための免疫化された脾細胞を単離するための免疫化プロトコルおよび技術は、当該技術分野において既知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合手順も既知である。本発明のキメラまたはヒト化抗体は、上記のように調製されたマウスモノクローナル抗体の配列に基づいて調製され得る。重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、対象となるマウスハイブリドーマから得ることができ、標準的な分子生物学技術を使用して非マウス(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含むように操作され得る。例えば、キメラ抗体を作製するために、当該技術分野において既知の方法を使用して、マウス可変領域がヒト定常領域に結合され得る(例えば、Cabillyらの米国特許第4,816,567号を参照)。ヒト化抗体を作るために、当該技術分野において既知の方法を使用して、マウスCDR領域がヒトフレームワークに挿入され得る(例えば、Winterの米国特許第5,225,539号および米国特許第5,530,101号、Queenらの同第5,585,089号、同第5,693,762号、および同第6,180,370号を参照)。
【0176】
本発明の少なくともいくつかの実施形態によると、抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。MCT1に対するそのようなヒトモノクローナル抗体は、マウス系よりもヒト免疫系の一部を担持するトランスジェニックまたはトランス染色体マウス、例えば、HuMAb Mouse(商標)、KM Mouse(商標)を使用して生成され得る(例えば、Lonberg,et al.(1994)Nature 368(6474):856-859を参照)。したがって、マウスは、マウスIgMまたはKの発現の低下を示し、免疫化に応答して、導入されたヒト重鎖および軽鎖導入遺伝子は、クラススイッチおよび体細胞突然変異を受けて高親和性ヒトIgG Kモノクローナルを生成する(Lonberg,N.et al.(1994)、上記を参照。Lonberg,N.(1994)Handbook of Experimental Pharmacology 113:49-101、Lonberg,N.and Huszar,D.(1995)Intern.Rev.Immunol.13:65-93、およびHarding,F.and Lonberg,N.(1995)Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536-546で考察されている)。別の実施形態では、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるヒト抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子およびヒト軽鎖導入トランス染色体を担持するマウスなど、導入遺伝子およびトランス染色体上にヒト免疫グロブリン配列を担持するマウスを使用して作られ得る。本明細書において「KMマウス(商標)」と称されるようなマウスは、IshidaらのPCT公開第WO02/43478号に詳細に記載されている。
【0177】
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替のトランスジェニック動物系は、当該技術分野において利用可能であり、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗MCT1抗体を作るために使用され得る。例えば、Xenomouse(Abgenix,Inc.)と称される代替のトランスジェニック系が使用され得、そのようなマウスは、例えば、Kucherlapatiらの米国特許第5,939,598号、同第6,075,181号、同第6,114,598号、同第6,150,584号、および同第6,162,963号に記載されている。
【0178】
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替のトランス染色体動物系は、当該技術分野において利用可能であり、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗MCT1抗体を作るために使用され得る。例えば、「TCマウス」と称される、ヒト重鎖トランス染色体およびヒト軽鎖トランス染色体の両方を担持するマウスが使用され得、そのようなマウスは、Tomizuka et al.(2000)Proc.Natl.Acad Sci.USA 97:722-727′に記載されている。さらに、ヒト重鎖および軽鎖トランス染色体を担持するウシは、当該技術分野において記載されており(Kuroiwa et al.(2002)Nature Biotechnology 20:889-894)、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗MCT1抗体を作るために使用され得る。
【0179】
本発明の少なくともいくつかの実施形態によるヒトモノクローナル抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリをスクリーニングするためのファージディスプレイ法を使用して調製され得る。ヒト抗体を単離するためのそのようなファージディスプレイ法は、当該技術分野において確立されている。例えば、Ladnerらの米国特許第5,223,409号、同第5,403,484号、および同第5,571,698号、Dowerらの米国特許第5,427,908号および同第5,580,717号、McCaffertyらの米国特許第5,969,108号および同第6,172,197号、ならびにGriffithsらの米国特許第5,885,793号、同第6,521,404号、同第6,544,731号、同第6,555,313号、同第6,582,915号、および同第6,593,081号を参照されたい。
【0180】
本発明の少なくともいくつかの実施形態によるヒトモノクローナル抗体はまた、免疫化によりヒト抗体応答が引き起こされ得るようにヒト免疫細胞が再構成されたSCIDマウスを使用して調製され得る。そのようなマウスは、例えば、Wilsonらの米国特許第5,476,996号および同第5,698,767号に記載されている。
【0181】
いくつかの実施形態では、ヒトIgマウスが使用されて、例えば、Lonberg,N.et al.(1994)Nature 368(6474):856-859、Fishwild,D.et al.(1996)Nature Biotechnology 14:845-851、ならびにPCT公開第WO98/24884号および同第WO01/14424号によって記載されるように、MCT1抗原および/もしくは組換えMCT1、またはMCT1融合タンパク質の精製または濃縮調製物でそのようなマウスを免疫化することによって、本発明によるヒト抗MCT1抗体を作る。好ましくは、マウスは、最初の注入時に6~16週齢である。例えば、腹腔内でヒトIgマウスを免疫化するために、MCT1抗原の精製または組換え調製物(5~500μgの用量範囲)が使用され得る。
【0182】
一般に、トランスジェニックマウスは、完全フロイントアジュバント中の抗原で腹腔内(IP)に最初に免疫化すると反応し、続いて、不完全フロイントアジュバント中の抗原で1週間おきにIP免疫化を行った(最大合計6回)。しかしながら、フロイント以外のアジュバントも有効であることが分かっている。加えて、アジュバントの非存在下での全細胞は、高度に免疫原性であることが分かっている。免疫応答は、眼窩後方からの採血によって得られる血漿試料を用いて、免疫化プロトコルの間に監視され得る。血漿は、ELISAによってスクリーニングされ得、抗MCT1ヒト免疫グロブリンの十分な力価を有するマウスが融合に使用され得る。屠殺および脾臓の摘出の3日前に、マウスが抗原で静脈内に追加免疫され得る。各免疫化に2~3回の融合が実施される必要があり得ると予想される。典型的には、6~24匹のマウスが各抗原に対して免疫化される。
【0183】
特定の実施形態では、本発明によるヒトモノクローナル抗MCT1抗体を産生するハイブリドーマは、単離され、マウス骨髄腫細胞株などの適切な不死化細胞株に融合された免疫化マウスからの脾細胞および/またはリンパ節細胞を使用して生成され得る。得られたハイブリドーマは、抗原特異性抗体の産生についてスクリーニングされ得る。
【0184】
特定の実施形態では、本発明による抗MCT1抗体は、例えば、当該技術分野において周知であるような組換えDNA技術と遺伝子トランスフェクション法の組み合わせを使用して、宿主細胞トランスフェクトーマ中で産生され得る(例えば、Morrison,S.(1985)Science 229:1202)。例えば、抗体またはその抗体フラグメントを発現するために、部分または完全長の軽鎖および重鎖をコードするDNAは、標準的な分子生物学技術(例えば、対象となる抗体を発現するハイブリドーマを使用するPCR増幅またはcDNAクローニング)によって得ることができ、DNAは、遺伝子が転写および翻訳制御配列に作動可能に結合されるように発現ベクターに挿入され得る。この文脈において、「作動可能に結合された」という用語は、ベクター内の転写および翻訳制御配列が抗体遺伝子の転写および翻訳を調節するそれらの意図された機能を果たすように、抗体遺伝子がベクターにライゲーションされることを意味するよう意図されている。発現ベクターおよび発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子は、別々のベクターに挿入され得るか、またはより典型的には、両方の遺伝子が同じ発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子フラグメントおよびベクター上の相補的制限部位のライゲーション、または制限部位が存在しない場合の平滑末端ライゲーション)によって発現ベクターに挿入される。本明細書に記載される抗体の軽鎖および重鎖可変領域が使用されて、それらを、Vセグメントがベクター内のCHセグメントに作動可能に結合され、Vセグメントがベクター内のCLセグメントに作動可能に結合されるように、所望のアイソタイプの重鎖定常領域および軽鎖定常領域をすでにコードしている発現ベクターに挿入することによって、任意の抗体アイソタイプの完全長抗体遺伝子を作製することができる。追加的または代替的に、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドがインフレームで抗体鎖遺伝子のアミノ末端に結合されるようにベクターにクローン化され得る。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)であってもよい。
【0185】
場合によっては、アンタゴニスト抗MCT1抗体は、動物、例えば、非ヒト哺乳動物、非ヒト霊長類、トリ、または両生類、例えば、カニクイザル、げっ歯類、ウサギ、モルモット、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ニワトリ、カエルを、表面上に無傷MCT1タンパク質、MCT1フラグメント、MCT1融合タンパク質、またはMCT1多量体、および任意に別のアジュバントを発現するウイルス様粒子(VLP)で免疫化することによって得ることができる。VLPの表面上に発現した抗原に対する細胞性または体液性(抗体)免疫応答を引き起こすために、抗原を免疫原として発現するVLPの使用は、当該技術分野において既知である。(例えば、とりわけ、米国特許第10,138,277号、同第10,130,696号、同第10,125,175号、同第10,086,056号、同第10,080,796号、同第10,072,058号、同第10,046,026号、同第10,040,830号、同第9,969,986号、同第9,957,300号、同第9,833,504号、同第9,803,189号、同第9,637,532号、同第9,566,327号、同第9,617,321号、同第9,585,954号、同第9,518,096号、同第9,517,261号、同第9,381,239号、同第9,481,875号、同第9213027号、同第9,296,792号、同第9,216,229号、同第8,980,275号、同第8,889,144号、同第8,852,604号、同第8728985号、同第8,691,209号、同第8,680,244号、同第8,574,590号、同第8,529,906号、同第8,324,149号、同第8,377,691号、同第8,158,130号、同第7,959,928号、同第7,875,450号、同第7,641,896号、同第7,494,656号、同第7,479,280号、同第7,320,793号、同第7,264,810号、同第7229624号、同第7,138,252号、同第6,991,795号、同第6,964,769号、同第6,534,064号、および同第5,667,782号を参照されたく、これらの特許は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)。
【0186】
抗MCT1抗体の発現
好適な宿主細胞は一般に、主題の抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメントが容易に入手可能な技術および材料を使用して組換えにより産生され得る、任意の細胞を含む。例えば、本発明の抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメントは、従来の技術に従って遺伝子操作された宿主細胞において産生され得る。好適な宿主細胞は、外因性DNAで形質転換またはトランスフェクトされ、培養中で成長することができる細胞型であり、細菌、真菌細胞(例えば、酵母)、および培養された高等真核細胞(多細胞生物の培養細胞を含む)、特に培養された哺乳動物細胞、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物細胞を含む。例示的な実施形態では、これらの抗体は、CHO細胞またはHEK-293細胞中で発現し得る。クローン化されたDNA分子を操作し、外因性DNAを様々な宿主細胞に導入するための技術は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor,N.Y.:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubel et al,editors,New York,NY:Green and Wiley and Sons(1993)によって開示されている。
【0187】
いくつかの例示的な実施形態では、抗体は、交配コンピテント酵母、例えば、培養中で成長することができる任意の一倍体、二倍体、または四倍体酵母で発現し得る。発酵発現法に有用な酵母は、一倍体、二倍体、または他の倍数体形態で存在し得る。所与の倍数性の細胞は、適切な条件下で、その形態で無限数の世代にわたって増殖し得る。二倍体細胞はまた、胞子形成して一倍体細胞を形成することができる。順次交配は、二倍体株のさらなる交配または融合を通して、四倍体株をもたらすことができる。本発明は、一倍体酵母、ならびに例えば、交配またはスフェロプラスト融合によって産生された二倍体または他の倍数体酵母細胞の使用を企図する。一例として、そのような酵母は、Saccharomycetaceae科のメンバーを含んでもよく、これには、Arxiozyma、Ascobotryozyma、Citeromyces、Debaryomyces、Dekkera、Eremothecium、Issatchenkia、Kazachstania、Kluyveromyces、Kodamaea、Lodderomyces、Pachysolen、Pichia、Saccharomyces、Saturnispora、Tetrapisispora、Torulaspora、Williopsis、およびZygosaccharomyces属が含まれる。本発明において潜在的に有用な他のタイプの酵母には、Yarrowia、Rhodosporidium、Candida、Hansenula、Filobasium、Sporidiobolus、Bullera、Leucosporidium、およびFilobasidellaが含まれる。
【0188】
対象となるポリペプチドコード配列は、所望の宿主細胞、例えば、酵母または哺乳動物細胞におけるポリペプチドの発現を提供する転写および翻訳調節配列に作動可能に結合される。これらのベクター構成成分としては、以下:エンハンサー要素、プロモーター、および転写終結配列の1つ以上が挙げられ得るが、これらに限定されない。ポリペプチドの分泌のための配列、例えば、シグナル配列なども含まれ得る。発現ベクターはしばしば宿主細胞ゲノムに組み込まれるため、複製起点、例えば、酵母複製起点は任意である。本発明の一実施形態では、対象となるポリペプチドは、酵母二倍体細胞からのポリペプチドの最適化された分泌を提供する配列に作動可能に結合または融合される。
【0189】
プロモーターは、それらが作動可能に結合される特定の核酸配列の転写および翻訳を制御する、構造遺伝子の開始コドンの上流(5′)に位置する非翻訳配列である(一般に約100~1000bp以内)。そのようなプロモーターは、いくつかのクラス:誘導性、構成的、および抑制性プロモーター(リプレッサーの非存在に応じて転写レベルを増加させる)に分類される。誘導性プロモーターは、培養条件のいくつかの変化、例えば、栄養素の存在もしくは非存在、または温度の変化に応じて、それらの制御下でDNAからの転写レベルの増加を開始し得る。プロモーターフラグメントはまた、相同組換えおよび発現ベクターの宿主細胞、例えば、酵母または哺乳動物細胞ゲノムの同じ部位への組込みのための部位として役立ち得る。あるいは、選択可能マーカーが相同組換えの部位として使用され得る。
【0190】
対象となる抗MCT1抗体ポリペプチドは、直接だけでなく、異種ポリペプチド、例えば、シグナル配列、または成熟タンパク質もしくはポリペプチドのN末端に特定の開裂部位を有する他のポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても、組換えにより産生され得る。一般に、シグナル配列は、ベクターの構成成分であってもよく、またはベクターに挿入されるポリペプチドコード配列の一部であってもよい。例えば、選択された異種シグナル配列は、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または酵母細胞内で利用可能な標準経路の1つを通して認識および処理されるものである。加えて、これらのシグナルペプチド配列は、発現系における分泌の増強を提供するように操作され得る。対象となる分泌シグナルはまた、分泌されているタンパク質に対して異種であり得るか、または分泌されているタンパク質の天然の配列であり得る、哺乳動物および酵母シグナル配列を含む。シグナル配列は、プレペプチド配列を含み、場合によっては、プロペプチド配列を含み得る。免疫グロブリン鎖上に見られるシグナル配列、例えば、K28プレプロトキシン配列、PHA-E、FACE、ヒトMCP-1、ヒト血清アルブミンシグナル配列、ヒトIg重鎖、ヒトIg軽鎖などを含む、多くのそのようなシグナル配列が当該技術分野において既知である。例えば、Hashimoto et.al,Protein Eng.,11(2):75(1998)、およびKobayashi et.al.,Therapeutic Apheresis,2(4):257(1998)を参照されたい。
【0191】
ベクターに転写アクチベーター配列を挿入することによって、転写が増加し得る。これらのアクチベーターは、プロモーターに作用してその転写を増加させる、通常約10~300bpのDNAのシス作用エレメントである。転写エンハンサーは、配向および位置に比較的依存せず、イントロン内ならびにコード配列自体内で、転写ユニットに対して5′および3′に見られる。エンハンサーは、コード配列に対して5′または3′位で発現ベクターにスプライシングされ得るが、例えば、プロモーターから5′位に位置している。
【0192】
真核宿主細胞で使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびmRNAの安定化に必要な配列を含み得る。そのような配列は、真核細胞またはウイルスDNAまたはcDNAの非翻訳領域において、3′から翻訳終止コドンまで一般的に利用可能である。これらの領域は、mRNAの非翻訳部分にポリアデニル化フラグメントとして転写されたヌクレオチドセグメントを含む。
【0193】
上記に列挙された構成成分の1つ以上を含む好適なベクターの構築は、標準的なライゲーション技術またはPCR/組換え法を用いる。単離されたプラスミドまたはDNAフラグメントは、必要なプラスミドを生成するために望ましい形態で、または組換え法によって、開裂、調整、または再ライゲーションされる。構築されたプラスミドの正しい配列を確認するための分析のために、宿主細胞を形質転換するためにライゲーション混合物が使用され、適切な場合には、抗生物質耐性(例えば、アンピシリンまたはゼオシン)によって成功した形質転換体が選択される。形質転換体からのプラスミドが調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析され、かつ/または配列決定される。
【0194】
フラグメントの制限およびライゲーションの代替手段として、特定の付着(「att」)部位および組換え酵素に基づく組換え法が使用されて、DNA配列をベクターに挿入することができる。そのような方法は、例えば、Landy,Ann.Rev.Biochem.,58:913-949(1989)に記載され、当業者に既知である。そのような方法は、ラムダおよび大腸菌コードされた組換えタンパク質の混合物によって媒介される分子間DNA組換えを利用する。組換えは、相互作用するDNA分子上のatt部位間で生じる。att部位の説明については、Weisberg and Landy,Site-Specific Recombination in Phage Lambda,in Lambda II,p.21 1-250,Cold Spring Harbor,NY:Cold Spring Harbor Press(1983)を参照されたい。組換え部位に隣接するDNAセグメントは、組換え後に、att部位が各親ベクターによって提供された配列からなるハイブリッド配列であるように切り替えられる。組換えは、いかなるトポロジーのDNA間でも生じ得る。
【0195】
対象となる配列を適切なベクターにライゲーションすること、特異的プライマーを使用してatt B部位を含むPCR産物を生成すること、att部位を含む適切なベクターにクローン化されたcDNAライブラリを生成することなどによって、Att部位が対象となる配列に導入され得る。
【0196】
本明細書で使用される場合、フォールディングは、アミノ酸残基間の相互作用が構造を安定化するように作用する、ポリペプチドおよびタンパク質の三次元構造を指す。非共有結合性相互作用は、構造を決定する上で重要であるが、通常、対象となるタンパク質は、2つのシステイン残基によって形成される分子内および/または分子間の共有ジスルフィド結合を有する。天然に存在するタンパク質およびポリペプチド、またはその誘導体および変異体の場合、適切なフォールディングは典型的には、最適な生物活性をもたらす配置であり、活性、例えば、リガンド結合、酵素活性などについてアッセイによって都合よく監視され得る。
【0197】
場合によっては、例えば、所望の生成物が合成起源のものである場合、生物活性に基づくアッセイはあまり意味がない。そのような分子の適切なフォールディングは、物理的特性、エネルギーの考慮、モデリング研究などに基づいて決定され得る。
【0198】
発現宿主は、フォールディングおよびジスルフィド結合形成を増強する1つ以上の酵素、すなわち、フォールダーゼ、シャペロニン、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼなどをコードする配列の導入によってさらに修飾され得る。そのような配列は、当該技術分野において既知であるように、ベクター、マーカーなどを使用して、酵母宿主細胞において構成的または誘導的に発現し得る。好ましくは、所望の発現パターンに十分な転写調節エレメントを含む配列は、標的化方法論によって宿主細胞ゲノムに安定して組み込まれる。
【0199】
例えば、真核細胞タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(「PDI」)は、タンパク質システイン酸化およびジスルフィド結合異性化の効率的な触媒であるだけでなく、シャペロン活性も示す。PDIの共発現は、複数のジスルフィド結合を有する活性タンパク質の産生を促進することができる。免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(「BIP」)、シクロフィリンなどの発現も興味深い。本発明の一実施形態では、一倍体親株の各々は、別個のフォールディング酵素を発現し、例えば、一方の株は、BIPを発現し得、もう一方の株は、PDIを発現し得るか、またはそれらの組み合わせである。
【0200】
培養された哺乳動物細胞もまた、開示された抗MCT1抗体およびその抗原結合フラグメントの産生のための好ましい例示的な宿主である。述べられたように、CHO細胞は、抗体の発現に特に適している。哺乳動物細胞においてモノクローナル抗体を製造するための多くの手順が当該技術分野において既知である。(Galfre,G.and Milstein,C,Methods Enzym.,73:3-46,1981、Basalp et al.,Turk.J.Biol,24:189-196,2000、Wurm,F.M.,Nat.Biotechnol,22:1393-1398,2004、およびLi et al.,mAbs,2(5):466-477,2010を参照)。以下でさらに詳細に述べられるように、哺乳動物モノクローナル抗体製造スキームで用いられる一般的な宿主細胞株としては、ヒト胚性網膜芽細胞株PER.C6(登録商標)(Crucell N.V.,Leiden,The Netherlands)、NSOマウス骨髄腫細胞(Medical Research Council,London,UK)、CV1サル腎臓細胞株、293ヒト胎児由来腎臓株、BHKベビーハムスター腎臓細胞株、VEROアフリカミドリザル腎臓細胞株、ヒト子宮頸癌細胞株HELA、MDCKイヌ腎細胞、BRLバッファローラット肝臓細胞、W138ヒト肺細胞、HepG2ヒト肝臓細胞、MMTマウス乳腺腫瘍細胞、TRI細胞、MRC5細胞、Fs4細胞、骨髄腫もしくはリンパ腫細胞、またはチャイニーズハムスター(Cricetulus griseus)卵巣(CHO)細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。DP12(CHO K1 dhfr-)細胞株などの、当該技術分野において既知のCHO細胞の多くの異なるサブクローンまたはサブ細胞株が、組換えモノクローナル抗体の産生に有用であり、かつ最適化されている。NSO細胞は、アザグアニンに耐性があるNS-1細胞の非Ig分泌、非軽鎖合成サブクローンである。CHO-DXB11(CHO-DUKX)、CHO-pro3、CHO-DG44、CHO 1-15、CHO DP-12、Lec2、M1WT3、Lec8、pgsA-745などを含む、他のチャイニーズハムスターおよびCHO細胞が市販されており(ATCCなどから)、これらは全て、遺伝的に改変されて、細胞株を様々なパラメーターのために最適化する。モノクローナル抗体は、通常、バッチ供給法を使用して製造され、モノクローナル抗体鎖は、哺乳動物細胞株で発現し、バイオリアクター内の組織培養培地に分泌される。培地(または供給物)は、バイオリアクターに連続的に供給され、組換えタンパク質の発現を最大化する。次いで、回収した培地から組換えモノクローナル抗体が精製される。場合によっては、ジスルフィド結合の還元などを通して抗体を再構築するために追加の手順が必要である。そのような産生方法は、単一バッチで10,000L以上ほどの大きさまで拡大され得る。現在、そのような細胞株および方法論を使用して20pg/細胞/日ほども取得し、10g/L以上ほど高く、10kL~25kLバイオリアクターから15~100kgに達する力価を提供することが日常的である(Li et al,2010)。抗体をコードするポリヌクレオチドの発現ベクターへのクローニング、これらの発現ベクターによる細胞のトランスフェクション、トランスフェクト細胞の選択、ならびにこれらの細胞からの組換えモノクローナル抗体の発現および精製を含む、この産生方法論の様々な詳細が、以下に提供される。
【0201】
哺乳動物細胞における抗MCT1抗体または抗原結合フラグメントの組換え産生のために、抗体またはそのフラグメントをコードする核酸は一般に、さらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクターに挿入される。抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードするDNAに特異的に結合することが可能であるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離または合成される。ベクター構成成分としては概して、以下:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、および転写終結配列、の1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。プロモーター、ターミネーター、選択可能マーカー、ベクター、および他の要素の選択は、当業者のレベルの範囲内の日常的な設計の問題である。そのような要素の多くは、当該技術分野において既知であり、商業的供給元を通して入手可能である。
【0202】
本発明の抗体は、直接だけでなく、例えば、シグナル配列、または成熟タンパク質もしくはポリペプチドのN末端に特定の開裂部位を有する他のポリペプチドである、異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても、組換えにより産生され得る。選択される同種または異種シグナル配列は、例えば、宿主細胞によって認識および処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって開裂される)ものである。哺乳動物細胞の発現では、哺乳動物シグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。
【0203】
そのような発現ベクターおよびクローニングベクターは一般に、ベクターが1つ以上の選択された宿主細胞において複製することを可能にする核酸配列を含む。典型的には、クローニングベクターにおいて、この配列は、ベクターが宿主染色体DNAとは独立して複製することを可能にするものであり、複製起点または自律複製配列を含む。そのような配列は、様々な細菌、酵母、およびウイルスでよく知られており、例えば、プラスミドpBR322からの複製起点は、ほとんどのグラム陰性菌に適しており、2muプラスミド起点は、酵母に適しており、様々なウイルス起点(Simian Virus40(「SV40」)、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口内炎ウイルス(「VSV」)、またはウシパピローマウイルス(「BPV」)は、哺乳動物細胞におけるベクターのクローニングに有用である。概して、複製起点の構成成分は、哺乳動物発現ベクターには必要ではない(SV40起点は典型的には、単にそれが初期プロモーターを含むという理由で使用され得る)。
【0204】
これらのベクターはまた、典型的には、選択可能マーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、もしくはテトラサイクリンに対する耐性を付与する、(b)栄養素要求性欠陥を補完する、または(c)複合培地から入手不可能な重要な栄養素を供給するタンパク質をコードし、例えば、BacilliのD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子である。
【0205】
選択スキームの一例は、薬物を利用して宿主細胞の成長を停止する。薬物選択は概して、外来DNAが挿入された培養哺乳動物細胞を選択するために使用される。そのような細胞は一般に、「トランスフェクタント」と称される。選択剤の存在下で培養され、対象となる遺伝子をそれらの子孫に継代することが可能である細胞は、「安定したトランスフェクタント」と称される。そのような優性選択の例は、ネオマイシン、ミコフェノール酸、およびヒグロマイシンという薬物を使用する。例示的な選択可能マーカーは、抗生物質のネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択は、G-418などのネオマイシンタイプの薬物の存在下で行われる。異種遺伝子での形質転換に成功した細胞は、薬剤耐性を付与するタンパク質を産生し、したがって選択レジメンを生き延びる。
【0206】
選択システムは、「増幅」と称されるプロセスである、対象となる遺伝子の発現レベルの増加のためにも使用され得る。トランスフェクタントの増幅は典型的には、低レベルの選択剤の存在下で細胞を培養し、次いで選択剤の量を増加させて、導入された遺伝子の産物を高レベルで産生する細胞を選択することによって起こる。哺乳動物細胞の例示的な適切な選択可能マーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(「DHFR」)、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン-Iおよび-II、例えば、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどの抗体核酸を取り込む能力がある細胞の同定を可能にするものである。
【0207】
例えば、哺乳動物細胞の増幅可能な選択可能マーカーは、メトトレキサートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の薬物耐性遺伝子(例えば、ハイグロマイシン耐性、多剤耐性、ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)も使用され得る。DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞は、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキサート(「MTX」)を含む培養培地中で形質転換体の全てを培養することによって最初に同定される。野生型DHFRが用いられる場合の適切な宿主細胞は、DHFR活性が欠損しているチャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)細胞株である。
【0208】
あるいは、抗体、野生型DHFRタンパク質、およびアミノグリコシド3′-ホスホトランスフェラーゼ(「APH」)などの別の選択可能マーカーをコードするDNA配列で形質転換または同時形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含む野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン、またはG-418などの選択可能マーカーの選択剤を含む培地での細胞成長によって選択され得る。米国特許第4,965,199号を参照されたい。
【0209】
これらのベクターは、抗体をコードするDNAの転写を促進するエンハンサー配列を含み得る。哺乳動物遺伝子から多くのエンハンサー配列が既知である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、アルファ-フェトプロテイン、およびインスリン)。頻繁に使用されるエンハンサーは、真核細胞ウイルスに由来するものである。その例としては、複製起点の後期側(bp100-270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモータエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる(真核細胞プロモーターの活性化のための増強要素については、Yaniv,Nature,297:17-18,1982も参照)。エンハンサーは、抗体コード配列に対して5′または3′位でベクターにスプライシングされ得るが、例えば、プロモーターから5′位に位置している。
【0210】
発現およびクローニングベクターはまた、概して、宿主生物によって認識され、抗体核酸に作動可能に結合されているプロモーターを含む。プロモーター配列は、真核生物で既知である。ほぼ全ての真核細胞遺伝子は、転写が開始される部位の約25~30個の塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写開始から70~80個の塩基上流に見られる別の配列は、CNCAAT領域であり、Nは、任意のヌクレオチドであり得る。ほとんどの真核細胞遺伝子の3′末端には、コード配列の3′末端にポリAテールを付加するためのシグナルであり得るAATAAA配列がある。これらの配列は全て、真核細胞発現ベクターに適切に挿入される。
【0211】
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの抗体転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、BPV、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、およびほとんどの、例えば、SV40などのウイルスのゲノムから、例えば、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから、ヒートショックプロモーターから得られるプロモーターによって制御され、ただしそのようなプロモーターが宿主細胞系と適合性があることを条件とする。
【0212】
SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含むSV40制限フラグメントとして都合よく得られる。ヒトサイトメガロウイルスの最初期プロモーターは、HindIII E制限フラグメントとして都合よく得られる。ベクターとしてBPVを使用して哺乳動物宿主においてDNAを発現するための系は、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の修飾は、米国特許第4,601,978号に記載されている。単純ヘルペスウイルスからのチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞におけるヒトベータ-インターフェロンcDNAの発現については、Reyes et al.,Nature,297:598-601(1982)も参照されたい。あるいは、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復がプロモーターとして使用され得る。
【0213】
SV40、サイトメガロウイルス、または骨髄増殖性肉腫ウイルスなどの強力な転写プロモーターが使用され得る。例えば、米国特許第4,956,288号および米国特許公開第2003/0103986号を参照されたい。他の好適なプロモーターには、メタロチオネイン遺伝子(米国特許第4,579,821号および同第4,601,978号)由来のプロモーターおよびアデノウイルス主要後期プロモーターが含まれる。哺乳動物細胞で使用するための発現ベクターには、それぞれ受託番号98669、98668、およびPTA-5266で、American Type Culture Collection,10801 University Blvd.,Manassas,VA.USAに寄託されているpZP-1、pZP-9、およびpZMP21、ならびにこれらのベクターの誘導体が含まれる。
【0214】
真核宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生物の有核細胞)で使用される発現ベクターは一般に、転写終結およびmRNAの安定化に必要な配列も含む。そのような配列は、真核細胞またはウイルスDNAまたはcDNAの5′、時には3′の非翻訳領域から一般に入手可能である。これらの領域は、抗体をコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化フラグメントとして転写されたヌクレオチドセグメントを含む。1つの有用な転写終結構成成分は、ウシ成長ホルモンのポリアデニル化領域である。WO94/11026およびそこに開示されている発現ベクターを参照されたい。
【0215】
対象の抗体をクローン化または発現するための好適な宿主細胞には、上記の原核生物、酵母、または高等真核生物細胞が含まれる。しかしながら、脊椎動物細胞への関心が最も高く、培養における脊椎動物細胞の増殖は、日常的な手順となっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40(COS-1(ATCC番号CRL 1650)によって形質転換されたサル腎臓CV1株;およびCOS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児由来腎臓株(懸濁培養での成長用にサブクローン化された293または293細胞)(ATCC番号CRL 1573;Graham et al,J.Gen.Virol,36:59-72(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10、ATCC No.CRL 1632;BHK 570、ATCC No.CRL 10314);CHO細胞(CHO-K1、ATCC番号CCL 61;CHO-DG44、Urlaub et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216-4220(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.,23:243-251(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68(1982));MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒトヘパトーマ細胞株(Hep G2)である。追加の好適な細胞株は、当該技術分野において既知であり、American Type Culture Collection,Manassas,VAなどの公的な寄託機関から入手可能である。
【0216】
宿主細胞は、抗体産生のための上記の発現またはクローニングベクターで形質転換され、上記で考察されるように、プロモーターを誘発する、形質転換体を選択する、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅させるために適切に修飾された従来の栄養素培地で培養される。
【0217】
本発明の抗体を産生するために使用される哺乳動物宿主細胞は、様々な培地で培養され得る。ハムF10(Sigma-Aldrich Corporation,St.Louis,MO)、最小必須培地((「MEM」(Sigma-Aldrich Corporation,St.Louis,MO))、ロズウェルパーク記念研究所-1640培地(「RPMI-1640」、Sigma-Aldrich Corporation,St.Louis,MO)、およびダルベッコ改変イーグル培地(「DMEM」Sigma-Aldrich Corporation,St.Louis,MO)は、宿主細胞の培養に適している。加えて、Ham et al.,Meth.Era.,58:44(1979)、Barnes et al.,Anal.Biochem.,102:255(1980)、米国特許第4,767,704号、同第4,657,866号、同第4,927,762号、同第4,560,655号、もしくは同第5,122,469号、WO90/03430、WO87/00195、または米国特許再審査30,985号は、宿主細胞の培養培地として使用され得る。これらの培地はいずれも、必要に応じてホルモン、ならびに/または他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、もしくは上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸など)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(ゲンタマイシン薬など)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、およびグルコース、もしくは同等のエネルギー源が補充されてもよい。任意の他の必要な補充剤も、当業者に既知であろう適切な濃度で含まれ得る。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で以前に使用されたものであり、当業者には明らかであろう。培地および培養条件の開発および最適化の方法は、当該技術分野において既知である。(Gronemeyer et al,Bioengineering,1(4):188-212,2014を参照)。
【0218】
培養条件が最適化され、好ましい細胞株クローンが選択された後、これらの細胞は、この目的のために選び、選択された特定の細胞株に最適化された、培地および供給物を細胞培養に連続的に供給することを伴うバイオリアクター(多くのモデルが市販されている)のバッチ供給プロセスで、最も一般的に培養される(付着細胞または懸濁培養のいずれか)。(Butler,M.,Appl.Microbiol.Biotechnol,68:283-291,2005、およびKelley,B.,mAb,l(5):443-452,2009を参照)。同量の培地がバイオリアクターから回収されている間、培地および供給物が培養に連続的に供給される、灌流システムも利用可能である。(Wurm,2004)。合成培地も市販されており、バッチ供給培養で細胞を成長させるために利用可能であり、ウシ血清アルブミンなどの動物構成成分の使用などによる外部供給源からの汚染の可能性を回避する。しかしながら、細胞密度、培養生存率、および生産性の向上に役立つために、動物構成成分を含まない加水分解物が市販されている。(Li et al.,2010)。ローラーボトルで利用可能なヘッドスペース、成長および発現段階での酸化還元電位、産生中にジスルフィド結合を維持するための還元剤の存在などに対する細心の注意を含む、細胞培養培地を最適化しようとして多くの研究が実施されてきた(例えば、Hutterer et al.,mAbs,5(4):608-613,2013、およびMullan et al,BMC Proceed.,5(Suppl 8):P110,2011を参照)。組換えモノクローナル抗体産生中の有害な酸化の可能性に対処するために、様々な方法論が開発されてきた。(例えば、米国特許第8,574,869号を参照)。培養細胞は、栄養素を連続的に、または別々に投与された量として供給することによって成長し得る。多くの場合、細胞濃度、pH、温度、C0、d02、浸透圧、グルコース、乳酸、グルタミン、およびグルタミン酸などの代謝産物の量などの様々なプロセスパラメータは、較正された分析装置への直接接続によるオンライン、またはオペレーターの介入によるオフラインのいずれかで、細胞成長中のプローブの使用によって監視される。培養ステップはまた、典型的には、培養で成長する細胞が、細胞選択について当該技術分野で既知の任意の手段によって、トランスフェクトされた組換え遺伝子を維持することを確実にすることを伴う。
【0219】
発酵後、すなわち、最大の細胞成長および組換えタンパク質発現に到達すると、培養ステップの後に典型的には採取ステップが続き、それによって細胞は、培地から分離され、それにより採取された細胞培養培地が得られる。(Liu et al,mAbs,2(5):480-499,2010を参照)。典型的には、カラムクロマトグラフィなどを伴う様々な精製ステップが培養に続いて、組換えモノクローナル抗体を細胞構成成分および細胞培養培地構成成分から分離する。組換えモノクローナル抗体の産生のこの段階に必要である正確な精製ステップは、タンパク質の発現部位、すなわち、細胞自体のサイトゾル、または細胞培養培地に排出されるタンパク質のより一般的に好ましい経路に依存する。様々な細胞構成成分は、分画遠心分離技術、重力ベースの細胞沈降、および/またはタンジェント流精密濾過または深層濾過を含み得るサイズ排除クロマトグラフ/濾過技術などの当該技術分野において既知の技術を使用して分離され得る。(Pollock et al,Biotechnol.Bioeng.,110:206-219,2013、およびLiu et al,2010を参照)。細胞構成成分の遠心分離は、連続ディスクスタック遠心分離機を使用して大規模に達成され得、続いて、深層フィルタおよび膜フィルタを使用して浄化される。(Kelley,2009を参照)。ほとんどの場合、浄化後、組換えタンパク質は、抗体のFcドメインに対するプロテインAの高い親和性により、プロテインAクロマトグラフィによってさらに精製され、典型的には、低pH/酸性化溶出ステップを使用して行われる(典型的には、酸性化ステップは、予防的なウイルス不活化ステップと組み合わされる)。懸濁培養中の動物細胞を可溶性タンパク質から分離するために、酸性またはカチオン性高分子電解質を使用する凝集および/または沈殿ステップも用いられる。(Liu et al,mAbs,2(5):480-499,2010)。最後に、アニオンおよびカチオン交換クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフ(「HIC」)、疎水性電荷誘導クロマトグラフ(HCIC)、セラミックヒドロキシアパタイト(Ca(POOH)を使用したヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、およびこれらの技術の組み合わせは、典型的には、組換えモノクローナル抗体の溶液を洗練させるために使用される。超遠心分離技術を使用することによって、所望のモノクローナル抗体の最終的な製剤および濃縮が達成され得る。精製収率は典型的には、70~80%である。(Kelley,2009)。
【0220】
抗イディオタイプ抗体
本発明の別の態様は、抗イディオタイプ抗体および抗抗イディオタイプ抗体に関する。抗イディオタイプ抗体は、別の抗体(標的抗体)の決定基を認識する抗体である。概して、抗イディオタイプ抗体は、標的抗体の抗原結合部位の決定基を認識する。典型的には、標的抗体は、モノクローナル抗体である。抗イディオタイプ抗体は概して、標的モノクローナル抗体の供給源と同じ種および遺伝子型の動物(特にマウス)を、標的モノクローナル抗体で免疫化することによって調製される。免疫化された動物は、標的モノクローナル抗体のイディオタイプ決定基に対する免疫応答を開始し、標的モノクローナル抗体のイディオタイプ決定基に対する抗体を産生する。抗イディオタイプモノクローナル抗体を生成するために、免疫化された動物の脾臓細胞などの抗体産生細胞が使用され得る。さらに、抗イディオタイプ抗体はまた、動物を免疫化して抗抗イディオタイプ抗体を産生するために使用され得る。これらの免疫化された動物は、標準的な技術を使用して抗抗イディオタイプモノクローナル抗体を生成するために使用され得る。抗抗イディオタイプ抗体は、抗イディオタイプ抗体を調製するために使用された元の標的モノクローナル抗体と同じエピトープに結合し得る。抗抗イディオタイプ抗体は、元の標的モノクローナル抗体と同じ抗原特異性を有する他のモノクローナル抗体を表す。
【0221】
標的抗体との抗イディオタイプ抗体の結合が、標的抗体の関連抗原によって阻害される場合、および抗イディオタイプ抗体が、標的抗体と同じ特異性で抗体応答を誘発する場合、それは、標的抗体の抗原を模倣する。そのような抗イディオタイプ抗体は、「内部イメージ抗イディオタイプ」であり、あたかも元の抗原であるかのように抗体応答を誘発することが可能である。(Bona and Kohler,Anti-Idiotypic Antibodies And Internal Image,in Monoclonal And Anti-Idiotypic Antibodies:Probes For Receptor Structure And Function,VenterJ.C.,Frasser,C.M.,Lindstrom,J.(Eds.),Alan R.Liss,N.Y.,1984.pp 141-149)。内部イメージ抗イディオタイプ抗体を組み込んだワクチンは、ウイルス、細菌、および寄生虫に対する防御反応を誘発することが示されている(Kennedy et al.,(1986)Science,232:220-223、McNamara et al.(1985)Science 226:1325-1326)。内部イメージ抗イディオタイプ抗体は、腫瘍関連抗原に対する免疫を誘発することも示されている(Raychauhuri el al.(1986)J.Immunol.137:1743-1749、Raychauhuri et al.(1987)J.Immunol.139:3902-3910、Bhattacharya-Chatterjee et al.(1987)J.Immunol.139:1354-1360、Bhattacharya-Chatterjee et al.(1988)J.Immunol.141:1398-1403、Herlyn,D.et al.(1989)Intern.Rev.Immunol.4:347-357、Chen,Z.-J et al.(1990)Cell Imm.Immunother.Cancer 351-359、Herlyn,D.et al.(1991)In Vivo 5:615-624、Furuya et al.(1992)Anticancer Res.12:27-32、Mittelman A.et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 89:466-470、Durrant,L.G.et al.(1994)Cancer Res.54:4837-4840、Mittelman,A.et al.(1994)Cancer Res 54:415-421、Schmitt,H.et al.(1994)Hybridoma 13:389-396、Chakrobarty,M.et al.(1995)J.Immunother.18:95-103、Chakrobarty,M.et al.(1995)Cancer Res.55:1525-1530、Foon,K.A.et al.(1995)Clin.Cancer Res.1:1205-1294、Herlyn,D,et al.(1995)Hybridoma 14:159-166、Sclebusch,H.et al.(1995)Hybridoma 14:167-174、Herlyn,D.et al.(1996)Cancer Immunol Immunother.43:65-76)。
【0222】
MCT1の抗イディオタイプ抗体は、例えば、マウスなどの動物を、MCT1、またはMCT1の少なくとも1つの抗原エピトープを含有するその免疫原性部分を含む、免疫原性量の組成物で免疫化することによって調製され得る。組成物はまた、好適なアジュバント、および免疫原性を提供するために必要な任意の担体を含有し得る。MCT1を認識するモノクローナル抗体は、上記のように免疫化された動物の細胞から調製され得る。次いでMCT1のエピトープを認識するモノクローナル抗体が選択され、免疫原性量の抗MCT1モノクローナル抗体を含む組成物を調製するために使用される。典型的には、25~200μgの用量の精製MCT1モノクローナルが、好適なアジュバントにおいて十分であろう。
【0223】
動物は、投与の間に14~30日の間隔で2~6回免疫化されてもよい。典型的には、動物は、腹腔内、皮下、静脈内、またはこれらの組み合わせなどの任意の適切な投与経路によって免疫化される。抗イディオタイプ抗体の産生は、標準的なイムノアッセイ法を使用して、免疫化期間中に監視され得る。標的モノクローナル抗体と反応する抗体の適切な力価を有する動物は、抗体産生細胞を採取する3日前に免疫原として使用されるモノクローナル抗体で再免疫化され得る。好ましくは、脾臓細胞が使用されるが、他の抗体産生細胞が選択されてもよい。上記のように、抗体産生細胞が採取され、骨髄腫細胞と融合されてハイブリドーマを産生し、好適な抗イディオタイプ抗体産生細胞が選択される。
【0224】
抗抗イディオタイプ抗体は、免疫原として抗イディオタイプモノクローナル抗体を使用することによって、別の回の免疫化およびハイブリドーマ産生によって産生される。
【0225】
競合、エピトープマッピング、構造類似性
本明細書に記載されるモノクローナル抗体と実質的または本質的に同じエピトープに結合する1つ以上の抗体の同定は、アラニンスキャニングを使用して容易に決定され得る。加えて、抗体競合が評価され得る様々な免疫学的スクリーニングアッセイのいずれか1つ。多くのそのようなアッセイが日常的に実施されており、当該技術分野において周知である(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、1997年8月26日に発行された米国特許第5,660,827号を参照)。本明細書に記載される抗体が結合するエピトープを実際に決定することは、本明細書に記載されるモノクローナル抗体と同じ、または実質的に同じ、または重複するエピトープに結合する抗体を同定するために決して必要ではないことが理解される。
【0226】
例えば、検査される試験抗体が異なる供給源動物から得られるか、または異なるIgアイソタイプでさえある場合、対照抗体が試験抗体と混合され、次いでMCT1を含有する試料に適用される単純な競合アッセイが使用され得る。ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロッティング、およびBIACORE(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences,Marlborough,MA)分析の使用に基づくプロトコルは、そのような単純な競合研究での使用に適している。
【0227】
特定の実施形態では、対照抗MCT1抗体は、MCT1抗原試料に適用する前のある期間にわたって、異なる量の試験抗体と(例えば、約1:1、1:2、1:10、または約1:100の比で)予め混合される。他の実施形態では、対照および様々な量の試験抗体が、MCT1抗原試料への曝露中に単純に別々に添加され、混合され得る。結合抗体を遊離抗体から(例えば、分離または洗浄技術を使用して未結合抗体を排除することによって)、かつ対照抗体を試験抗体から(例えば、種特異的またはアイソタイプ特異的二次抗体を使用するか、もしくは対照抗体を検出可能な標識で特異的に標識することによって)区別され得る限り、試験抗体がMCT1抗原に対する対照抗体の結合を低減するかどうかが決定され得、試験抗体が対照抗MCT1抗体と実質的に同じエピトープを認識することを示す。完全に無関係な抗体(MCT1に結合しない)の存在下での(標識)対照抗体の結合は、対照の高い値として役立ち得る。対照の低い値は、標識対照抗体を、同じであるが標識されていない対照抗体とインキュベートすることによって得ることができ、そこで競合が起こり、標識抗体の結合を低減する。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での標識抗体反応性の有意な低減は、実質的に同じエピトープを認識する試験抗体、すなわち、標識対照抗体と競合するものを示す。例えば、MCT1への対照抗体の結合を、約1:1または1:10~約1:100の任意の試験抗体比で、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、またはそれ以上、例えば、少なくとも約70%(例えば、約65~100%)低減する任意の試験抗体は、対照抗体と実質的に同じまたは重複するエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられる。
【0228】
好ましくは、そのような試験抗体は、試験抗体の非存在下で観察された対照抗体の結合の、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%(例えば、約95%)、MCT1抗原への対照抗体の結合を低減する。
【0229】
MCT1(またはその一部分)が固定化される表面に試験抗体が飽和濃度で適用される単純な競合アッセイもまた、有利に用いられ得る。単純な競合アッセイにおける表面は、例えば、BIACORE(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences,Marlborough,MA)チップ(または表面プラズモン共鳴(「SPR」)分析に適したその他の媒体)である。MCT1をMCT1でコーティングされた表面に結合する対照抗体の結合が測定される。対照抗体のMCT1含有表面のみへのこの結合は、試験抗体の存在下での対照抗体の結合と比較される。試験抗体の存在下での対照抗体によるMCT1含有表面への結合の有意な低減は、試験抗体が対照抗体と「競合する」ように、試験抗体が対照抗体と実質的に同じエピトープを認識することを示す。対照抗体の結合を少なくとも約20%以上、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約70%以上、またはそれ以上低減する任意の試験抗体は、対照抗体と実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられ得る。好ましくは、そのような試験抗体は、MCT1への対照抗体の結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、またはそれ以上)低減する。対照抗体および試験抗体の順序を逆にすることができ、すなわち、競合アッセイにおいて、対照抗体が最初に表面に結合され、次いで、試験抗体がその後に表面と接触させられることが理解されるであろう。代替的に、(抗体が競合していると仮定して)二次抗体について見られる結合の減少がより大きい規模になることが予想されるため、MCT1抗原に対してより高い親和性を有する抗体が最初にMCT1含有表面に結合される。そのようなアッセイのさらなる例は、例えば、Saunal and Regenmortel,J.Immunol.Methods,183:33-41(1995)に提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0230】
加えて、抗体が、別の抗体と同じもしくは重複するMCT1上のエピトープ(複数可)、または試験抗体によって結合されたエピトープに結合するかどうかは、特にウエスタンブロットベースのアッセイを使用して決定され得る。このアッセイでは、典型的には10~25、10~20、または10~15アミノ酸長のタンパク質の重複部分を含む、抗体によって結合された抗原であるMCT1タンパク質に対応するペプチドのライブラリが作られる。MCT1配列を含むこれらの異なる重複するアミノ酸ペプチドは合成され、PEPSPOTS(商標)ニトロセルロース膜(JPT Peptide Technologies,Berlin,Germany)に共有結合される。次いで、製造元の推奨に従ってブロットが調製およびプローブされる。
【0231】
本質的に、イムノブロットアッセイは、ライブラリ内のどのペプチドが試験抗体に結合するかを蛍光測定手段によって検出し、それにより抗原、すなわちMCT1上のどの残基が試験抗体と相互作用するかを同定することができる。(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,935,340号を参照)。
【0232】
様々なエピトープマッピング技術が当該技術分野において既知である。一例として、抗原および抗体のX線共結晶学;NMR;SPR(例えば、25°または37℃)、アレイベースのオリゴ-ペプチドスキャニング(または「ペプスキャン分析」)、部位特異的突然変異誘発(例えば、アラニンスキャニング)、突然変異誘発マッピング、水素-重水素交換、ファージディスプレイ、および限定タンパク質分解は全て、当該技術分野において周知であるエピトープマッピング技術である(例えば、Epitope Mapping Protocols:Second Edition,Methods in Molecular Biology,editors Mike Schutkowski and Ulrich Reineke,2nd Ed.,New York,NY:Humana Press(2009)、およびEpitope Mapping Protocols,Methods in Molecular Biology,editor Glenn Morris,1st Ed.,New York,NY:Humana Press(1996)を参照されたく、これらの両方が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0233】
本明細書に記載されるモノクローナル抗体と実質的または本質的に同じエピトープに結合する1つ以上の抗体、例えば、MCT1 Ab1またはその変異体の同定は、抗体の競合が評価され得る様々な免疫学的スクリーニングアッセイのいずれか1つを使用して容易に決定され得る。多くのそのようなアッセイが日常的に実施されており、当該技術分野において周知である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、1997年8月26日に発行された米国特許第5,660,827号を参照)。本明細書に記載される抗体が結合するエピトープを決定することは、本明細書に記載されるモノクローナル抗体と同じまたは実質的に同じエピトープに結合する抗体を同定するために決して必要ではないことが理解される。
【0234】
例えば、検査される試験抗体が異なる供給源動物から得られるか、または異なるIgアイソタイプでさえある場合、対照抗体(例えば、MCT1 Ab1、またはAb1~Ab95のいずれか、または例えば、上記の抗体のいずれかのフラグメントもしくは変異体)が試験抗体と混合され、次いでMCT1 Ab1およびAb1~Ab95のいずれかによって結合されることが既知であるMCT1を含有する試料に適用される、単純な競合アッセイが用いられ得る。ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロッティング、およびBIACORE(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences,Marlborough,MA)分析に基づくプロトコル(本明細書の実施例のセクションに記載される)は、そのような単純な競合研究での使用に適している。
【0235】
特定の実施形態では、方法は、対照抗体を、MCT1抗原試料に適用する前のある期間にわたって、異なる量の試験抗体と(例えば、約1:1、1:2、1:10、または約1:100の比で)予め混合することを含む。他の実施形態では、対照および様々な量の試験抗体が、MCT1抗原試料への曝露中に別々に添加され、混合され得る。結合抗体を遊離抗体から(例えば、分離または洗浄技術を使用して未結合抗体を排除することによって)、かつ対照抗体を試験抗体から(例えば、種特異的またはアイソタイプ特異的二次抗体を使用するか、もしくは対照抗体を検出可能な標識で特異的に標識することによって)区別され得る限り、方法は、試験抗体がMCT1抗原に対する対照抗体の結合を低減することを決定するために使用され得、試験抗体が対照抗体(例えば、MCT1 Ab1またはAb1~Ab95のいずれか)と実質的に同じエピトープを認識することを示す。完全に無関係な抗体(MCT1に結合しない)の存在下での(標識)対照抗体の結合は、対照の高い値として役立ち得る。対照の低い値は、標識対照抗体を、同じであるが標識されていない対照抗体とインキュベートすることによって得ることができ、そこで競合が起こり、標識抗体の結合を低減する。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での標識抗体反応性の有意な低減は、実質的に同じエピトープを認識する試験抗体、すなわち、標識対照抗体と競合するものを示す。例えば、MCT1へのMCT1 Ab1の結合を、約1:1または1:10~約1:100の任意のMCT1 Ab1:試験抗体比で、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、またはそれ以上、例えば、少なくとも約70%(例えば、約65~100%)低減する任意の試験抗体は、MCT1 Ab1、またはAb1~Ab95のいずれかと実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられる。好ましくは、そのような試験抗体は、試験抗体の非存在下で観察されたMCT1 Ab1の結合の、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%(例えば、約95%)、MCT1へのMCT1 Ab1の結合を低減する。これらの方法は、他の対照抗体と競合する抗体を同定および/または評価するように適合され得る。
【0236】
MCT1が固定化される表面に試験抗体が飽和濃度で適用される単純な競合アッセイもまた、有利に用いられ得る。単純な競合アッセイにおける表面は、例えばOCTET(登録商標)および/またはPROTEON(登録商標)に適した媒体である。MCT1でコーティングされた表面への対照抗体(例えば、MCT1 Ab1、またはAb2~Ab95のいずれか)の結合が測定される。対照抗体のMCT1含有表面のみへのこの結合は、試験抗体の存在下での対照抗体の結合と比較される。試験抗体の存在下での対照抗体によるMCT1含有表面への結合の有意な低減は、試験抗体が対照抗体と「競合する」ように、試験抗体が対照抗体と実質的に同じエピトープを認識することを示す。MCT1への対照抗体(MCT1 Ab1など)の結合を少なくとも約20%以上、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約70%以上、またはそれ以上低減する任意の試験抗体は、対照抗体(例えば、MCT1 Ab1)と実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられ得る。好ましくは、そのような試験抗体は、MCT1抗原への対照抗体(例えば、MCT1 Ab1)の結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、またはそれ以上)低減する。対照抗体および試験抗体の順序を逆にすることができ、すなわち、競合アッセイにおいて、対照抗体が最初に表面に結合され、次いで、試験抗体がその後に表面と接触させられることが理解されるであろう。好ましくは、(抗体が競合していると仮定して)二次抗体について見られる結合の減少がより大きい規模になることが予想されるため、MCT1に対してより高い親和性を有する抗体が最初にMCT1含有表面に結合される。そのようなアッセイのさらなる例は、例えば、Saunal and Regenmortel,J.Immunol.Methods,183:33-41(1989)に提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0237】
抗体、その抗原結合フラグメント、または抗体誘導体が、上記で定義されたエピトープ領域の1つに結合するかどうかの決定は、当業者に既知の方法で行われ得る。そのようなマッピング/特徴付け方法の別の例では、抗MCT1抗体のエピトープ領域は、MCT1タンパク質中の曝露されたアミン/カルボキシルの化学修飾を使用するエピトープ「フットプリント法」によって決定され得る。そのようなフットプリント技術の1つの特定の例は、質量分析法(「HXMS」)によって検出される水素-重水素交換の使用であり、受容体およびリガンドタンパク質アミドプロトンの水素/重水素交換、結合、および逆交換が生じ、タンパク質結合に関与する主鎖アミド基は、逆交換され、したがって、重水素化されたままになる。関連する領域は、消化性タンパク質分解、高速ミクロボア高性能液体クロマトグラフィ分離、および/またはエレクトロスプレーイオン化質量分析によってこの時点で同定され得る(例えば、Ehring H.,Analytical Biochemistry,267(2):252-259(1999)、およびEngen,J.R.& Smith,D.L.,Anal.Chem.,73:256A-265A(2001)を参照)。好適なエピトープ同定技術の別の例は、核磁気共鳴エピトープマッピング(「NMR」)であり、典型的には、遊離抗原、および抗体などの抗原結合ペプチドと複合体を形成する抗原の二次元NMRスペクトルにおけるシグナルの位置が比較される。抗原は典型的には、抗原に対応するシグナルのみが、NMRスペクトルにおいて見られ、抗原結合ペプチドからのシグナルが見られないように、15Nで選択的に同位体標識されている。抗原結合ペプチドとの相互作用に関与するアミノ酸に由来する抗原シグナルは典型的には、遊離抗原のスペクトルと比較して複合体のスペクトルにおける位置をシフトし、結合に関与するアミノ酸は、そのようにして同定され得る。例えば、Ernst Schering Res.Found.Workshop,(44):149-67(2004)、Huang et al,J.Mol.Biol,281(l):61-67(1998)、およびSaito and Patterson,Methods,9(3):516-24(1996)を参照されたい。エピトープマッピング/特徴付けは、質量分析(「MS」)法を使用して実施され得る(例えば、Downard,J.Mass Spectrom.,35(4):493-503(2000)、およびKiselar and Downard,Anal.Chem.,71(9):1792-801(1999)を参照)。
【0238】
プロテアーゼ消化技術はまた、エピトープマッピングおよび同定との関連で有用であり得る。抗原決定基関連の領域/配列は、プロテアーゼ消化によって、例えば、37℃およびpH7~8でMCT1に対して約1:50の比でトリプシンを一晩(「o/n」)使用し、続いてペプチド同定のために質量分析法(「MS」)の分析を行うことによって決定され得る。抗MCT1抗体によってトリプシン開裂から保護されたペプチドは、続いて、トリプシン消化に供された試料と、抗体とインキュベートされ、次いで、例えばトリプシンによる消化に供された試料を比較することによって(それにより、抗体のフットプリントが明らかになる)、同定され得る。キモトリプシンまたはペプシンなどの他の酵素は、同様のエピトープ特徴付け方法で使用され得る。さらに、酵素消化は、潜在的な抗原決定基配列が、MCT1結合ポリペプチドとの関連でMCT1の領域内にあるかどうかを分析するための迅速な方法を提供することができる。ポリペプチドが表面に露出していない場合は、免疫原性/抗原性の点で関連がない可能性が最も高い(例えば、同様の技術の考察についてManca,Ann.1st.Super.Sanita.,27(1):15-9(1991)を参照)。
【0239】
部位特異的突然変異誘発は、結合エピトープの特徴付けに有用な別の技術である。例えば、「アラニンスキャニング」部位特異的突然変異誘発(例えば、アラニンスキャン、アラニンスキャニング突然変異誘発、アラニンスキャニング突然変異、コンビナトリアルアラニンスキャニング、またはアラニン点変異の作成としても既知)では、タンパク質セグメント内の各残基は、例えば、直接ペプチドまたはタンパク質合成、部位特異的突然変異誘発、GENEART(商標)変異誘発サービス(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA U.S.A.)、またはショットガン突然変異誘発などの方法論によって、アラニン残基(またはアラニンが野生型配列中に存在するバリンなどの別の残基)で置き換えられる。それにより、分子の一連の単一点変異体がこの技術を使用して生成され、生成された変異体の数は、分子内の残基の数に等しく、各残基は、一度に1つずつ、単一アラニン残基によって置き換えられる。アラニンは概して、他の多くのアミノ酸が有し得る二次構造の選好を模倣することができる、その嵩高くない、化学的に不活性なメチル官能基のため、天然(野生型)残基を置き換えるために使用される。続いて、天然残基をアラニンで置き換える効果は、アラニンスキャニング変異体の結合親和性にあり、その結合パートナーは、SPR結合実験などであるが、これに限定されない方法を使用して測定され得る。突然変異が結合親和性の大幅な低減につながる場合、変異した残基が結合に関与している可能性が最も高い。構造エピトープに特異的なモノクローナル抗体(すなわち、フォールディングされていないタンパク質に結合しない抗体)が、結合親和性実験の陽性対照として使用されて、アラニン置換がタンパク質の全体的な三次構造に影響しないことを検証することができる(タンパク質の全体的なフォールドの変化が間接的に結合に影響を及ぼし、それにより偽陽性の結果を生じさせる可能性があるため)。例えば、Clackson and Wells,Science,267:383-386(1995)、Weiss et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97(16):8950-8954(2000)、およびWells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:1-6(1996)を参照されたい。
【0240】
電子顕微鏡は、エピトープ「フットプリント」にも使用され得る。例えば、Wang et al.,Nature,355:275-278(1992)は、低温電子顕微鏡、三次元画像再構成、およびX線結晶学の同時適用を使用して、ネイティブササゲモザイクウイルスのカプシド表面上のFabフラグメントの物理学的フットプリントを決定した。
【0241】
エピトープ評価用の「ラベルフリー」アッセイの他の形式には、SPR(BIACORE(登録商標)システム、GE Healthcare Life Sciences,Marlborough,MAとして商業的に販売されている)および反射型干渉分光法(「RifS」)が含まれる(例えば、Fagerstam et al,Journal of Molecular Recognition,3:208-14(1990)、Nice et al,J.Chromatogr.,646:159-168(1993)、Leipert et al,Angew.Chem.Int.Ed.,37:3308-3311(1998)、Kroger et al,Biosensors and Bioelectronics,17:937-944(2002)を参照)。
【0242】
いくつかの実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、別の抗MCT1抗体と同じまたは同様の構造を有し得る。好ましい実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、MCT1 Ab1、またはAb1~Ab95のいずれかの構造と同様の構造を有する。構造類似性は、X線結晶学、NMR、または他の既知の方法によって得られる三次元タンパク質構造の構造アライメントによって評価され得る。同様の構造は、比較される2つのタンパク質のCDRのCアルファ炭素間の位置の違いを分析することで決定され得る。一般に、1つ以上のCDRにおける5Å未満、4Å未満、3Å未満、2Å未満、1Å未満、または0.5Å未満の平均RMSDが、同様のタンパク質構造を示す。したがって、一実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、構造アライメントにおいて0.5Å未満の平均RMSDを有するMCT1 Ab1の構造と同じ構造を採用するCDRを有する。
【0243】
別の実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、タンパク質表面の物理化学的特性においてMCT1 Ab1と同様であり得る。特定の実施形態では、抗体は、抗体の結合表面において、MCT1 Ab1、またはAb1~Ab95のいずれかの表面電荷と同じ表面電荷を有する。別の実施形態では、抗体は、同じ静電ポテンシャルおよび/または疎水性を有する。
【0244】
例示的な抗MCT1抗体、抗体フラグメント、および融合タンパク質
一実施形態では、本発明の抗体は、MCT1 Ab1の重鎖および軽鎖CDRを含む。一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号4、5、6の重鎖CDRおよび配列番号7、8、9の軽鎖CDRを含む。
【0245】
一実施形態では、本発明の抗体または抗体フラグメントは、MCT1 Ab1、またはAb2~Ab95のいずれかのVドメインおよびVドメインを含む。一実施形態では、本発明の抗体または抗体フラグメントは、配列番号2のアミノ酸配列、またはAb2~Ab95のいずれかのVドメインに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む。一実施形態では、本発明の抗体または抗体フラグメントは、配列番号3のアミノ酸配列、またはAb1~Ab95のいずれかのVドメインに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む。一実施形態では、本発明の抗体または抗体フラグメントは、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメイン、および配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含む。
【0246】
一実施形態では、本発明の抗体または抗体フラグメントは、Ab2~Ab95のいずれかのVドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメイン、およびVドメインAb1~Ab95のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するVドメインを含み、好ましくは、これらの相同VおよびVドメインは、同じ抗体、すなわち、Ab2~Ab95の1つのドメインに対応する。
【0247】
一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、MCT1 Ab1(配列番号6)の重鎖CDR3またはその変異体を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するペプチドを含む。特に、MCT1 Ab1の重鎖CDR3は、ほとんどのCDRよりも長く、MCT1 Ab1上の抗原結合表面の平面を超えて明確に延在するため、この配列(配列番号6)を有するペプチドまたはその変異体を含む融合タンパク質は、MCT1 Ab1の1つ以上の機能または結合能力を保持することができる。
【0248】
さらなる修飾
抗体複合体
いくつかの実施形態では、本発明は、ペイロード薬物(多くの場合、細胞毒性)に結合された抗体(または一本鎖可変フラグメント(scFv)などの抗体フラグメント)からなる、抗体-薬物複合体(ADC)を特徴とする。抗体は、ADCを標的癌細胞に結合させる。多くの場合、ADCは、細胞によって内在化され、薬物が細胞内に放出される。標的化により、副作用はより低く、より広い治療濃度域をもたらす。親水性リンカー(例えば、PEG4Mal)は、MDR(多剤耐性)トランスポーターを通して耐性癌細胞から薬物が送り出されるのを防ぐのに役立つ。
【0249】
別の態様では、本発明は、細胞毒素、薬物(例えば、免疫抑制薬)、または放射性毒素などの治療薬にコンジュゲートされた抗MCT1抗体またはそのフラグメントを含む免疫複合体を特徴とする。そのような複合体は、本明細書において「免疫複合体」と称される。1つ以上の細胞毒素を含む免疫複合体は、「免疫毒素」と称される。細胞毒素または細胞毒性薬は、細胞に有害である(例えば、死滅させる)任意の薬剤を含む。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-ジヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにそれらの類似体または相同体が挙げられる。治療薬としてはまた、例えば、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス-ジクロロジアミンプラチナ(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられる。
【0250】
本発明の少なくともいくつかの実施形態による、抗体にコンジュゲートされ得る治療用細胞毒素の他の例としては、デュオカルマイシン、カリケアマイシン、メイタンシン、およびオーリスタチン、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。カリケアマイシン抗体複合体の例は、市販されている(Mylotarg(商標)Wyeth)。
【0251】
細胞毒素は、当該技術分野において利用可能なリンカー技術を使用して、本発明の少なくともいくつかの実施形態に従って抗体にコンジュゲートされ得る。細胞毒素を抗体にコンジュゲートするために使用されてきたリンカータイプの例としては、ヒドラゾン、チオエーテル、エステル、ジスルフィド、およびペプチド含有リンカーが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、リソソーム区画内の低pHによる開裂を受けやすい、またはカテプシン(例えば、カテプシンB、C、D)などの腫瘍組織で優先的に発現するプロテアーゼなどのプロテアーゼによる開裂を受けやすいリンカーが選択され得る。細胞毒素のタイプ、リンカー、および治療薬を抗体にコンジュゲートするための方法の更なる考察については、Saito,G.et al.(2003)Adv.Drug Deliv.Rev.55:199-215、Trail,P.A.et al.(2003)Cancer Immunol.Immunother.52:328-337、Payne,G.(2003)Cancer Cell 3:207-212、Allen,T.M.(2002)Nat.Rev.Cancer 2:750-763、Pastan,I.and Kreitman,R.J.(2002)Curr.Opin.Investig.Drugs 3:1089-1091、Senter,P.D.and Springer,C.J.(2001)Adv.Drug Deliv.Rev.53:247-264も参照されたい。
【0252】
本発明の抗体はまた、放射性同位元素にコンジュゲートされて、放射性免疫複合体とも称される細胞毒性放射性医薬品を生成することもできる。診断的または治療的に使用するために抗体にコンジュゲートされ得る放射性同位元素の例としては、ヨウ素131、インジウム111、イットリウム90、およびルテチウム177が挙げられるが、これらに限定されない。放射性免疫複合体を調製するための方法は、当該技術分野において確立されている。Zevalin(登録商標)(BiogenlDEC)およびBexxar(登録商標)(Corixa Pharmaceuticals)を含む、放射免疫複合体が市販されており、同様の方法が、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗体を使用して放射性免疫複合体を調製するために使用され得る。
【0253】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に従って含有する抗ヒトMCT1抗体および複合体は、所与の生物学的応答を修飾するために使用され得、薬物部分は、古典的な化学治療薬に限定されると解釈されるべきではない。例えば、薬物部分は、所望の生物活性を有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。そのようなタンパク質としては、例えば、酵素的に活性な毒素、またはその活性フラグメント、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、もしくはジフテリア毒素;腫瘍壊死因子もしくはインターフェロンγなどのタンパク質;または生体応答修飾物質、例えば、リンホカイン、インターロイキン-1(「IL-1」)、インターロイキン-2(「IL-2」)、インターロイキン-6(「IL-6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、もしくは他の成長因子が挙げられ得る。
【0254】
そのような治療部分を抗体にコンジュゲートするための技術は周知であり、例えば、Arnon et al.,”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243-56(Alan R.Liss,Inc.1985)、Hellstrom et al.,”Antibodies For Drug Delivery”,in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623-53(Marcel Dekker,Inc.1987)、Thorpe,”Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”,in Monoclonal Antibodies′84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475-506(1985)、”Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwin et al.(eds.),pp.303-16(Academic Press 1985)、およびThorpe et al.,”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.,62:119-58(1982)を参照されたい。
【0255】
定常領域、Fcドメイン、および翻訳後修飾の修飾
フレームワークまたはCDR領域内で行われた修飾に加えて、またはその代わりとして、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗体は、典型的には、血清半減期、補体固定、Fc受容体結合、および/または抗原依存性細胞傷害性などの抗体の1つ以上の機能特性を改変するための、Fc領域内の修飾を含むように操作され得る。さらに、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗体は、化学的に修飾され得る(例えば、1つ以上の化学的部分が抗体に付着され得る)か、またはそのグリコシル化を改変し、この場合もやはり、抗体の1つ以上の機能特性を改変するように修飾され得る。そのような実施形態は、以下でさらに説明される。Fc領域の残基の番号付けは、KabatのEUインデックスの番号付けである。
【0256】
一実施形態では、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域中のシステイン残基の数が変えられる、例えば、増加または減少するように修飾される。このアプローチは、Bodmerらによる米国特許第5,677,425号にさらに記載されている。CH1のヒンジ領域のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖および重鎖のアセンブリを容易にするように、または抗体の安定性を増加もしくは減少させるように変えられる。
【0257】
別の実施形態では、抗体のFcヒンジ領域は、抗体の生物学的半減期を減少させるように変異される。より具体的には、抗体が天然のFcヒンジドメインSpA結合と比較してブドウ球菌プロテインA(SpA)結合を損なっているように、1つ以上のアミノ酸変異が、FcヒンジフラグメントのCH2-CH3ドメイン界面領域に導入される。このアプローチは、Wardらによる米国特許第6,165,745号にさらに詳細に記載されている。
【0258】
別の実施形態では、抗体は、その生物学的半減期を増加させるように修飾される。様々なアプローチが可能である。例えば、Wardの米国特許第6,277,375号に記載されるように、以下の突然変異の1つ以上が導入され得る:T252L、T254S、およびT256F。または、Prestaらによる米国特許第5,869,046号および同第6,121,022号に記載されるように、生物学的半減期を延長するために、抗体は、IgGのFc領域のCH2ドメインの2つのループから得られたサルベージ受容体結合エピトープを含有するようにCH1またはCL領域内で改変され得る。
【0259】
さらに他の実施形態では、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を改変するように、少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置き換えることにより改変される。例えば、アミノ酸残基234、235、236、237、297、318、320、および322から選択される1つ以上のアミノ酸は、抗体がエフェクターリガンドに対する改変された親和性を有するが、親抗体の抗原結合能力を保持するように、異なるアミノ酸残基で置き換えられ得る。親和性が改変されているエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1構成成分であり得る。このアプローチは、米国特許第5,624,821号および同第5,648,260号(両方ともWinterらによる)にさらに詳細に記載されている。
【0260】
いくつかの実施形態では、アミノ酸残基329、331、および322から選択される1つ以上のアミノ酸は、抗体がC1q結合を改変しており、かつ/または補体依存性細胞傷害性(CDC)を低減または無効にしているように、異なるアミノ酸残基で置き換えられ得る。このアプローチは、Idusogieらによる米国特許第6,194,551号にさらに詳細に記載されている。
【0261】
別の実施形態では、アミノ酸位置231および239内の1つ以上のアミノ酸残基は、改変されて、それにより、補体を固定する抗体の能力を改変する。このアプローチは、BodmerらによるPCT公開第WO 94/29351号にさらに記載されている。
【0262】
さらに別の実施形態では、Fc領域は、以下の位置で1つ以上のアミノ酸を修飾することによって、Fγ受容体に対する抗体の親和性を高めるように修飾される:238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438、または439。このアプローチは、PrestaによるPCT公開第WO00/42072号にさらに記載されている。さらに、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、およびFcRnに対するヒトIgG1の結合部位は、マッピングされており、結合が改善された変異体が記載されている(Shields,R.L.et al.2001)J.Biol.Chem.276:6591-6604を参照)。位置256、290、298、333、334、および339での特異的突然変異は、FcγRIIIへの結合を改善することが示されている。加えて、以下の組み合わせ変異体がFcγRIII結合を改善することが示されている:T256A/S298A、S298A/E333A、S298A/K224A、およびS298A/E333A/K334A。さらに、M252Y/S254T/T256EまたはM428L/N434Sなどの突然変異は、FcRnへの結合を改善し、抗体循環半減期を延長する(Chan CA and Carter PJ(2010)Nature Rev Immunol 10:301-316を参照)。
【0263】
さらに別の実施形態では、抗体は、インビボでのFabアーム交換を無効にするように修飾され得る。具体的には、このプロセスは、他のIgG4抗体間でのIgG4半分子(1つの重鎖および1つの軽鎖)の交換を伴い、機能的に一価である二重特異性抗体を効果的にもたらす。重鎖のヒンジ領域および定常ドメインへの突然変異は、この交換を無効にすることができる(Aalberse,RC,Schuurman J.,2002,Immunology 105:9-19を参照)。
【0264】
さらに別の実施形態では、抗体のグリコシル化が修飾される。例えば、非グリコシル化抗体が作られ得る(すなわち、抗体はグリコシル化を欠いている)。グリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性を高めるように改変され得る。そのような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1つ以上の部位を改変することによって達成され得る。例えば、1つ以上の可変領域フレームワークのグリコシル化部位の排除をもたらし、それによりその部位でのグリコシル化を排除する、1つ以上のアミノ酸置換が行われ得る。そのような非グリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を高め得る。そのようなアプローチは、Coらによる米国特許第5,714,350号および同第6,350,861号にさらに詳細に記載されている。
【0265】
追加的または代替的に、フコシル残基の量が低減した低フコシル化抗体または二分GlcNac構造が増加した抗体など、改変されたタイプのグリコシル化を有する抗体が作られ得る。そのような改変されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能力を高めることが実証されている。そのような炭水化物修飾は、例えば、グリコシル化機構が改変された宿主細胞内に抗体を発現することによって達成され得る。グリコシル化機構が改変された細胞は、当該技術分野において記載されており、本発明の少なくともいくつかの実施形態による組換え抗体を発現して、それによりグリコシル化が改変された抗体を産生する宿主細胞として使用され得る。例えば、細胞株Ms704、Ms705、およびMs709は、フコシルトランスフェラーゼ遺伝子FUT8(a(1,6)フコシルトランスフェラーゼ)を欠いており、これによりMs704、Ms705、およびMs709細胞株において発現した抗体は、それらの炭水化物上でフコースを欠いている。Ms704、Ms705、およびMs709 FUT8細胞株は、2つの置換ベクターを使用してCHO/DG44細胞のFUT8遺伝子を標的破壊することによって作製される(Yamaneらによる米国特許公開第2004/0110704号およびYamane-Ohnuki et al.(2004)Biotechnol Bioeng 87:614-22を参照)。別の例として、HanaiらによるEP1,176,195は、フコシルトランスフェラーゼをコードする機能的に破壊されたFUT8遺伝子を有する細胞株について記載し、そのような細胞株において発現する抗体は、1,6結合関連酵素を低減または排除することによって低フコシル化を示する。Hanaiらはまた、抗体のFc領域に結合するN-アセチルグルコサミンにフコースを付加する酵素活性が低いか、または酵素活性を有しない細胞株、例えば、ラット骨髄腫細胞株YB2/0(ATCC CRL 1662)について記載する。PrestaによるPCT公開第WO03/035835号は、Asn(297)結合炭水化物にフコースを付着させる能力が低下し、その宿主細胞内で発現した抗体の低フコシル化をもたらす、変異体CHO細胞株、Lecl3細胞について記載する(Shields,R.L.et al.(2002)Biol.Chem.277:26733-26740も参照)。UmanaらによるPCT公開第WO99/54342号は、操作された細胞株において発現した抗体が、二分GlcNac構造の増加を示し、これが抗体のADCC活性の増加をもたらすように、糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、P(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するよう操作された細胞株について記載する(Umana et al.(1999)Nat.Biotech.17:176-180も参照)。あるいは、抗体のフコース残基は、フコシダーゼ酵素を使用して開裂され得る。例えば、フコシダーゼ-L-フコシダーゼは、フコシル残基を抗体から除去する(Tarentino,A.L.et al.(1975)Biochem.14:5516-23)。
【0266】
本発明によって企図される本明細書における抗体の別の修飾は、例えば、半減期を増強するための、他の水溶性部分、典型的にはポリマーのペグ化または付加である。抗体は、例えば、抗体の生物学的(例えば、血清)半減期を延長させるようにペグ化され得る。抗体をペグ化するために、抗体またはそのフラグメントは、1つ以上のPEG基が抗体または抗体フラグメントに付着するようになる条件下で、典型的には、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体などのポリエチレングリコール(PEG)と反応させられる。好ましくは、ペグ化は、反応性PEG分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応またはアルキル化反応を介して行われる。本明細書で使用される場合、「ポリエチレングリコール」という用語は、モノ(Ci-Cio)アルコキシ-もしくはアリールオキシ-ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール-マレイミドなどの他のタンパク質を誘導体化するために使用されている任意の形態のPEGを包含するよう意図される。特定の実施形態では、ペグ化される抗体は、非グリコシル化抗体である。タンパク質をペグ化するための方法は、当該技術分野において既知であり、本発明の少なくともいくつかの実施形態による抗体に適用され得る。例えば、NishimuraらによるEP0154316およびIshikawaらによるEP0401384を参照されたい。
【0267】
核酸分子
本発明はさらに、本発明による抗MCT1抗体、またはそのフラグメントもしくは複合体をコードする核酸を提供する。核酸は、細胞全体、細胞溶解物、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在し得る。核酸は、アルカリ/SDS処理、CsClバンド形成、カラムクロマトグラフィ、アガロースゲル電気泳動、および当該技術分野において周知のその他を含む標準技術によって、他の細胞構成成分または他の汚染物質、例えば、他の細胞核酸またはタンパク質から精製されると、「単離されている」または「実質的に純粋な状態にされている」。Ausubel,et al.(2011)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.を参照されたい。本発明の少なくともいくつかの実施形態による核酸は、例えば、DNAまたはRNAであり得、イントロン配列を含んで含まなくてもよい。好ましい態様では、核酸はcDNA分子である。
【0268】
本発明の少なくともいくつかの実施形態による核酸は、標準的な分子生物学技術を使用して得ることができる。ハイブリドーマ(例えば、以下でさらに説明される、ヒト免疫グロブリン遺伝子を担持するトランスジェニックマウスから調製されたハイブリドーマ)によって発現した抗体の場合、ハイブリドーマによって作製された抗体の軽鎖および重鎖をコードするcDNAは、標準的なPCR増幅またはcDNAクローン化技術によって得ることができる。免疫グロブリン遺伝子ライブラリから(例えば、ファージディスプレイ技術を使用して)得られた抗体の場合、抗体をコードする核酸は、ライブラリから回収され得る。
【0269】
いったんVおよびVセグメントをコードするDNAフラグメントが得られると、これらのDNAフラグメントは、標準的な組換えDNA技術によってさらに操作されて、例えば、可変領域遺伝子を完全長抗体鎖遺伝子、Fabフラグメント遺伝子、またはscFv遺伝子に変換することができる。これらの操作では、VまたはVをコードするDNAフラグメントは、抗体定常領域または可動性リンカーなど、別のタンパク質をコードする別のDNAフラグメントに作動可能に結合される。先に定義したように、「作動可能に結合された」とは、2つのDNAフラグメントが結合され、これにより2つのDNAフラグメントによってコードされたアミノ酸配列が、インフレームのままであることを意味する。
【0270】
領域をコードする単離されたDNAは、VをコードするDNAを、重鎖定常領域(CH1、CH2、およびCH3)をコードする別のDNA分子に作動可能に結合することによって、完全長重鎖遺伝子に変換され得る。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において既知であり(例えば、Kabat,E.A.,el al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242を参照)、これらの領域を包含するDNAフラグメントは、標準的なPCR増幅によって得ることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM、またはIgD定常領域であり得るが、ほとんどは、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4定常領域である。Fabフラグメント重鎖遺伝子の場合、VをコードするDNAは、重鎖CH1定常領域のみをコードする別のDNA分子に作動可能に結合され得る。
【0271】
領域をコードする単離されたDNAは、VをコードするDNAを、軽鎖定常領域、CLをコードする別のDNA分子に作動可能に結合することによって、完全長軽鎖遺伝子(ならびにFab軽鎖遺伝子)に変換され得る。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において既知であり(例えば、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242を参照)、これらの領域を包含するDNAフラグメントは、標準的なPCR増幅によって得ることができる。軽鎖定常領域は、カッパ(κ)またはラムダ(λ)定常領域であり得るが、ほとんどは、例えば、κ定常領域である。
【0272】
scFv遺伝子を作製するために、VおよびVをコードするDNAフラグメントは、可動性リンカーをコードする、例えば、アミノ酸配列(Gly4-Ser)3をコードする別のフラグメントに作動可能に結合され、これによりVおよびV配列は、V領域およびV領域が可動性リンカーで結合された隣接一本鎖タンパク質として発現することができる(例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423-426、Huston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 85:5879-5883、McCafferty et al.,(1990)Nature 348:552-554を参照)。
【0273】
ベクター
本発明はまた、本発明のDNAが挿入されたベクターを提供する。レトロウイルス由来のベクターは、柔軟なゲノムを有することに加えて、遺伝的安定性および高発現を可能にするため、長期的な遺伝子移入を実現するのに適したツールである。さらに、レトロウイルスベクターを用いた臨床経験は、それらの使用における有効性および安全性を最適化するためのガイダンスを提供する。
【0274】
要約すると、抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする天然または合成核酸の発現は、典型的には、抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはその一部分をコードする核酸を、プロモーターに作動可能に結合結し、発現ベクターに構築することによって達成される。ベクターは、真核生物における複製および組み込みに好適であり得る。典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳ターミネーター、開始配列、および所望の核酸配列の発現の調節に有用なプロモーターを含む。
【0275】
核酸は、多くのタイプのベクターにクローン化され得る。例えば、核酸は、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、およびコスミドが挙げられるが、これらに限定されないベクターにクローン化され得る。特に興味深いベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列決定ベクターが挙げられる。
【0276】
さらに、発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供されてもよい。ウイルスベクター技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)、および他のウイルス学および分子生物学のマニュアルに記載されている。ベクターとして有用であるウイルスとしては、レトロウイルス、ガンマレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。概して、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能する複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択可能マーカーを含む(例えば、WO01/96584、WO01/29058、および米国特許第6,326,193号)。
【0277】
哺乳動物細胞への遺伝子移入のために、多くのウイルスベースの系が開発されてきた。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達系に便利なプラットフォームを提供する。選択された遺伝子が、当該技術分野において既知の技術を使用してベクターに挿入され、レトロウイルス粒子にパッケージングされ得る。次いで、組換えウイルスが単離され、インビボまたはエクスビボのいずれかで対象の細胞に送達され得る。多くのレトロウイルス系が、当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、アデノウイルスベクターが使用される。多くのアデノウイルスベクターが、当該技術分野において既知である。一実施形態では、レトロウイルスベクターが使用される。
【0278】
追加のプロモーター要素、例えばエンハンサーは、転写開始の頻度を調整する。典型的には、これらは、開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、多くのプロモーターは最近、開始部位の下流でも同様に機能的要素を含有することが示されている。多くの場合、プロモーター要素間の間隔は柔軟であり、そのため要素が互いに対して反転または移動した場合に、プロモーター機能は維持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、活性が低下し始める前に、プロモーター要素間の間隔が50bpまで離れて増加し得る。プロモーターに応じて、個々の要素が協調的にまたは独立してのいずれかで機能して、転写を活性化することができるように思われる。
【0279】
前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、伸長成長因子-1α(EF-1α)、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長い末端反復(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バーウイルス前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびにアクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターなどであるが、これらに限定されないヒト遺伝子プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない様々なプロモーター配列が使用され得る。さらに、本発明は、構成的プロモーターの使用に限定されるべきではない。誘導性プロモーターもまた、本発明の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用は、そのような発現が望まれる場合に作動可能に結合されるポリヌクレオチド配列の発現をオンにするか、または発現が望まれない場合に発現をオフにすることが可能な分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例としては、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0280】
抗体、抗体の抗原結合フラグメント、またはその一部分の発現を評価するために、細胞に導入される発現ベクターは、選択可能マーカー遺伝子もしくはレポーター遺伝子のいずれか、またはその両方を含んで、ウイルスベクターを通してトランスフェクトまたは感染されることが求められている細胞の集団からの発現細胞の同定および選択を容易にすることができる。他の態様では、選択可能マーカーは、別個のDNA片上で運ばれ、同時トランスフェクション手順において使用され得る。選択可能マーカーおよびレポーター遺伝子の両方には、宿主細胞での発現を可能にするために、適切な調節配列が隣接していてもよい。有用な選択可能マーカーには、例えば、neoなどの抗生物質耐性遺伝子が含まれる。
【0281】
レポーター遺伝子は、トランスフェクトされた可能性のある細胞を同定し、調節配列の機能性を評価するために使用される。概して、レポーター遺伝子は、レシピエントの生物または組織中に存在しないか、またはそれによって発現せず、かつその発現がいくつかの容易に検出可能な特性、例えば、酵素活性によって明らかにされるポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の好適な時点でアッセイされる。好適なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパク質遺伝子を含み得る(例えば、Ui-Tei et al.,2000 FEBS Letters 479:79-82)。好適な発現系は周知であり、既知の技術を使用して調製され得るか、または商業的に入手され得る。概して、レポーター遺伝子の最高レベルの発現を示す最小5′隣接領域を有する構築物が、プロモーターとして同定される。そのようなプロモーター領域は、レポーター遺伝子に結合され、プロモーター駆動転写を調節する能力について薬剤を評価するために使用され得る。
【0282】
形質導入
細胞に遺伝子を導入および発現する方法は、当該技術分野において既知である。発現ベクターとの関連で、ベクターは、当該技術分野における任意の方法によって、宿主細胞、例えば、哺乳動物、細菌、酵母、または昆虫細胞に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって宿主細胞に移入され得る。
【0283】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、粒子衝撃、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクターおよび/または外因性核酸を含む細胞を産生するための方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Sambrook et al.(2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)を参照されたい。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための好ましい方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0284】
対象となるポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法としては、DNAおよびRNAベクターの使用が挙げられる。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するために最も広く使用されている方法になっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスなどに由来し得る。例えば、米国特許第5,350,674号および同第5,585,362号を参照されたい。
【0285】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段としては、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズなどのコロイド分散系、ならびに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームなどの脂質ベースの系が挙げられる。インビトロおよびインビボでの送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0286】
非ウイルス送達系が利用される場合、例示的な送達ビヒクルは、リポソームである。脂質製剤の使用は、(インビトロ、エクスビボ、またはインビボでの)宿主細胞への核酸の導入のために企図される。別の態様では、核酸は、脂質と関連し得る。脂質に関連する核酸は、リポソームの水性内部にカプセル化され得る、リポソームの脂質二重層内に散在し得る、リポソームおよびオリゴヌクレオチドの両方に関連する結合分子を介してリポソームに付着し得る、リポソームに封入され得る、リポソームと複合体化し得る、脂質を含有する溶液中に分散され得る、脂質と混合され得る、脂質と組み合わされ得る、脂質中に懸濁液として含有され得る、ミセルに含有され得るかもしくはミセルと複合体化され得る、または別様に脂質と関連し得る。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクター関連組成物は、溶液中の特定の構造に限定されない。例えば、それらは、ミセルとして二重層構造で、または「崩壊した」構造を伴って存在し得る。それらはまた、単に溶液中に散在し、おそらくサイズまたは形状が均一ではない凝集体を形成する可能性がある。脂質は、天然または合成脂質であり得る脂肪物質である。例えば、脂質としては、細胞質で自然に発生する脂肪滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素およびその誘導体、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、およびアルデヒドを含有する化合物のクラスが挙げられる。
【0287】
使用に適した脂質は、商業的供給源から入手され得る。例えば、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)は、Sigma,St.Louis,Mo.から入手され得、リン酸ジセチル(「DCP」)は、K&K Laboratories(Plainview,N.Y.)から入手され得、コレステロール(「Choi」)は、Calbiochem-Behringから入手され得、ジミリスチルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)および他の脂質は、Avanti Polar Lipids,Inc.(Birmingham,Ala.)から入手され得る。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質の原液は、摂氏約-20度で保存され得る。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するため、唯一の溶媒として使用される。「リポソーム」は、封入された脂質二重層または凝集体の生成によって形成される、様々な単一および多層の脂質ビヒクルを包含する総称である。リポソームは、リン脂質二重層膜および内部水性媒体を伴う小胞構造を有するものとして特徴付けられ得る。多重膜リポソームは、水性媒体によって分離された複数の脂質層を有する。それらは、リン脂質が過剰の水溶液中に懸濁されると自然に形成される。脂質構成成分は、閉鎖構造の形成前に自己再構成を受け、脂質二重層の間に水および溶解溶質を閉じ込める(Ghosh et al.,1991 Glycobiology 5:505-10)。しかしながら、溶液中に通常の小胞構造とは異なる構造を有する組成物も包含される。例えば、脂質はミセル構造をとり得るか、または単に脂質分子の不均一な凝集体として存在してもよい。リポフェクタミン-核酸複合体も企図される。
【0288】
外因性核酸を宿主細胞に導入するか、または別様に細胞を本発明の阻害剤に曝露するために使用される方法に関係なく、宿主細胞における組換えDNA配列の存在を確認するために、様々なアッセイが実施され得る。そのようなアッセイとしては、例えば、サザンブロッティングおよびノーザンブロッティング、RT-PCRおよびPCR;例えば、免疫学的手段(ELISAおよびウエスタンブロット)による、または本発明の範囲内にある薬剤を同定するための本明細書に記載されるアッセイによる、特定のペプチドの存在または非存在の検出などの、当業者に周知の「分子生物学的」アッセイが挙げられる。
【0289】
治療用途
上記の方法によって得られた単離された抗MCT1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそれを含む組成物は、対象における疾患、障害、または状態の治療での薬剤として使用され得る。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、自己免疫、炎症、またはアレルギー状態を治療するために使用され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、癌の治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、EIHIの治療に使用され得る。
【0290】
対象
本明細書で言及される対象は、任意の生存対象であってもよい。好ましい実施形態では、対象は、哺乳動物である。本明細書で言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であり得る。本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、マウスおよびハムスターなどのげっ歯目の哺乳動物、ならびにウサギなどのウサギ目の哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない任意の哺乳動物を指す。哺乳動物は、ネコ(猫)およびイヌ(犬)を含む食肉目からのものであり得る。哺乳動物は、ウシ(牛)およびブタ(豚)を含む偶蹄目からのもの、またはウマ(馬)を含む奇蹄目のものであり得る。哺乳動物は、霊長目、セボイド目、もしくはシモイド(サル)目、または真猿亜目(ヒトおよび類人猿)のものであり得る。
【0291】
いくつかの実施形態では、抗体、抗体フラグメント、または組成物が投与される対象は、ヒトなどの霊長類である。いくつかの実施形態では、霊長類は、サルまたは類人猿である。対象は、男性または女性であり得、乳児、若年、青年、成人、および高齢対象を含む、任意の好適な年齢であり得る。いくつかの実施例では、患者または対象は、疾患、抗体療法のための、および/または毒性転帰を評価するための検証された動物モデルである。
【0292】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、別の免疫療法、ならびに/または化学療法、放射線、および/もしくは造血幹細胞移植(HSCT)、例えば、同種異系HSCTを含む他の療法による治療後に、持続性または再発性疾患を有する。いくつかの実施形態では、投与は、対象が別の療法に対して耐性になったにもかかわらず、対象を効果的に治療する。いくつかの実施形態では、対象は、再発していないが、再発のリスクが高いなど、再発のリスクがあると判断され、したがって化合物または組成物は、例えば、再発の可能性を低減するか、または再発を予防するために予防的に投与される。
【0293】
いくつかの実施形態では、方法は、対象、組織、または細胞への抗MCT1抗体、抗体フラグメント、または含有する組成物の投与を含む。治療される対象、または組織もしくは細胞が由来する対象は、MCT1の発現に関連する疾患、状態、または障害を有するか、そのリスクがあるか、または有すると疑われる対象であり得る。いくつかの実施形態では、抗体、抗体フラグメント、または組成物は、治療される特定の疾患または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、抗体、抗体フラグメント、または組成物は、疾患または状態を有するか、またはそのリスクがある対象などの対象に投与される。いくつかの態様では、方法はそれにより、自己免疫障害を媒介する活性化T細胞またはB細胞の割合を減少させることなどによって、疾患または状態の1つ以上の症状を治療、例えば、改善する。
【0294】
機能活性および/または評価
MCT1の阻害は、自己免疫応答を下方制御するために使用され得る。下方制御は、すでに進行中の自己免疫応答を阻害もしくは遮断する形態であり得るか、または自己免疫応答の誘発を妨げることを伴い得る。MCT1媒介性乳酸輸送を阻害することによって、活性化免疫細胞の機能が阻害され得る。例えば、MCT1 Ab1は、活性化T細胞およびB細胞上で発現し、免疫学的に関連するMCT1に結合し得、それにより、これらの細胞によって媒介される自己免疫応答を下方調節する。本明細書に開示されるように、他の抗MCT1抗体は、例えば、活性化T細胞活性または増殖を阻害するそれらの能力によって、かつ/あるいはインビトロでの、または炎症、アレルギー、もしくは自己免疫疾患モデルにおけるそれらの免疫抑制効果に基づいて同定され得る。
【0295】
抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下で、例えば、細胞増殖またはエフェクター機能(例えば、抗体産生、サイトカイン産生、食作用)を測定するために、当該技術分野において認識されている多くの細胞活性化の読み出しが用いられ得る。試験抗体がMCT1を阻害する能力は、測定されている増殖またはエフェクター機能の減少をもたらす抗体の能力を測定することによって容易に決定され得る。したがって、免疫抑制性であり、自己免疫活性化を遮断する試験抗体の能力は、異なる濃度の抗原でのサイトカイン産生および/または増殖を測定することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、本発明の治療方法の有効性を監視するために炎症性サイトカインの産生または分泌が使用され得る。
【0296】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体を用いた治療の有効性は、尿中ケトンの検出によって測定され得る。特に、MCT1 Ab1は、げっ歯類MCT1と交差反応しないため、マウス研究におけるインビボ結果は、ケトン尿がヒト白血球から直接誘発され得、それは、これらがNSGマウスにおける唯一の標的細胞であるためであることを示唆し得る。加えて、MCT1阻害の観察された免疫調節効果のいくつかは、研究が、ケトンの血中濃度の増加がインフラマソームを抑制することができることを示しているため、ケトンの生成から間接的に生じ得る(参考文献67)。
【0297】
いくつかの態様では、本発明の抗体を用いた治療の有効性は、臨床転帰を評価することによって測定される。自己免疫、炎症、またはアレルギー状態の治療の場合、治療有効性は、状態の改善によって測定され得る。例えば、狼瘡の症状の減少、GVHDの生存率の改善、移植片拒絶の低減、自己抗体濃度の減少など。癌の治療の場合、これは、腫瘍負荷または腫瘍細胞量の低減、腫瘍の安定化、無増悪生存率、または全生存率を含み得る。EIHIの治療の場合、そのような臨床転帰には、身体活動後の低血糖症の低減が含まれ得る。
【0298】
免疫応答の下方制御
MCT1阻害は、免疫応答を下方制御するために使用され得る。下方制御は、すでに進行中の免疫応答を阻害もしくは遮断する形態であり得るか、または免疫応答の誘発を妨げることを伴い得る。活性化免疫細胞の機能は、免疫細胞応答を下方制御することによって、または免疫細胞に特異的アネルギーを誘発することによって、またはその両方によって阻害され得る。例えば、抗MCT1抗体は、活性化T細胞上のMCT1に結合し、それにより免疫応答を下方調節し得る。この抗体は、単一特異性または多重特異性であり得、例えばそれは、BiTEなどの二重特異性抗体を含み得る。例えば、そのような抗体は、例えば、免疫細胞、例えば、活性化T細胞またはB細胞上の細胞表面受容体を標的とする、MCT1抗原結合部分および別の抗原結合部分を含むことができる。そのような抗体は、MCT1抗原結合部位を含むことに加えて、分子を特定の細胞集団に標的化するために、B細胞抗原受容体、T細胞抗原受容体、またはFcもしくは他の受容体に結合する結合部位を含み得る。二重特異性抗体に対するこの第2の抗原の選択は、標的とされる細胞集団の選択に柔軟性を提供する。本明細書に開示されるように、他のヒトMCT1結合抗体は、T細胞活性または増殖を阻害するそれらの能力によって、かつ/あるいはインビトロでの、または炎症、アレルギー、もしくは自己免疫疾患モデルにおけるそれらの免疫抑制効果に基づいて同定され得る。
【0299】
本発明による抗MCT1抗体と抗原を同時投与することによって、特定の抗原に対する耐性が誘発され得る。例えば、特定のポリペプチドに対する耐性が誘発され得る。免疫応答が望ましくないアレルゲンまたは外来ポリペプチドに対する免疫応答が阻害され得る。例えば、第VIII因子を受けた患者は、この凝固因子に対する抗体を頻繁に生成する。本発明による抗MCT1抗体と組換え第VIII因子の共投与は、この望ましくない免疫応答を抑制し得る。
【0300】
本発明による抗MCT1抗体は、免疫応答を下方調節するために、免疫細胞上の共刺激受容体の活性を遮断するか、または免疫細胞上で発現した免疫抑制受容体もしくはリガンドの活性を刺激する別の薬剤と組み合わせて使用され得る。例示的な分子としては、PD-1、PDL-1アゴニスト、可溶性形態のCTLA-4、抗B7-1抗体、抗B7-2抗体、LAG-3、TIM-3、BTLA、B7-H4、B7H3などの1つ以上を標的とするアンタゴニスト抗体、および/またはCD40、CD137、OX40、GITR、CD27、CD28、ICOS、もしくはVISTAの1つ以上を標的とするアゴニスト抗体、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。これらの部分は、単一の組成物または化合物、例えば、本発明による抗MCT1抗体を含有し、免疫アゴニスト抗体をさらに含む二重特異性抗体に組み合わされ得るか、またはそれは、別の免疫抑制ポリペプチドもしくは他の活性剤に融合している、本発明による抗MCT1抗体を含有する融合ポリペプチドを含み得る。代替的に、これらの部分は、同じまたは異なる組成物中で別々または個別の実体として(同時にまたは順次に)投与されて、対象における免疫細胞媒介性免疫応答を下方制御し得る。
【0301】
本発明による抗MCT1抗体と組み合わされ得る特定の免疫抑制分子の例としては、共刺激シグナルを遮断する抗体(例えば、CD28もしくはICOSに対する)、CTLA4を介して阻害シグナルを活性化する抗体、および/または他の免疫細胞マーカーに対する(例えば、CD40、CD40リガンド、もしくはサイトカインに対する)抗体、融合タンパク質(例えば、CTLA4-FcもしくはPD-1-Fc)、および免疫抑制薬(例えば、ラパマイシン、シクロスポリンA、もしくはFK506)が挙げられる。
【0302】
さらなる実施形態では、本発明による抗MCT1抗体を含有する二重特異性抗体は、例えば、特定のタイプの細胞、例えば活性化T細胞またはBリンパ球上にのみ見られるマーカーを使用して、特定の細胞集団を標的とするのに有用である。MCT1を遮断することによる免疫応答の下方制御は、例えば、組織、皮膚、および臓器移植、移植片対宿主病(GVHD)、もしくはアレルギーの状況において、または全身性エリテマトーデス、IBD、RA、乾癬、および多発性硬化症などの自己免疫および炎症性疾患において、免疫応答を下方調節するのに有用である。例えば、MCT1機能の遮断により、組織移植における組織破壊が低減される。典型的には、組織移植では、移植片の拒絶は、免疫細胞による異物としてのその認識を通して開始され、移植を破壊する免疫反応がその後に続く。移植前または移植時に、免疫細胞上のMCT1を阻害する分子を単独で、または別の下方調節剤と併せて投与すると、共刺激シグナルの生成を阻害することができる。さらに、MCT1を遮断することはまた、免疫細胞をアネルギー化するために十分であり得、それにより対象における耐性を誘発する。
【0303】
一部の疾患または一部の対象において十分な免疫抑制または耐性を達成するために、他の分子の共刺激機能を遮断することが必要な場合がある。例えば、移植前または移植時に、これらの抗原の各々の活性を有するか、またはこれらの抗原に対する抗体を遮断するペプチドの組み合わせの可溶性形態を投与することによって(別々に、もしくは一緒に単一組成物中で)、B7-1およびB7-2の機能を遮断することが望ましい場合がある。あるいは、MCT1を遮断し、B7-1および/またはB7-2の共刺激活性をさらに阻害することが望ましい場合がある。
【0304】
主題の抗MCT1抗体は、自己免疫疾患の治療に特に有用である。多くの自己免疫障害は、自己組織に対して反応性であり、かつ疾患の病理に関与するサイトカインおよび自己抗体の産生を促進する、免疫細胞の不適切な活性化の結果である。自己反応性免疫細胞の活性化を防ぐことで、疾患の症状が低減または解消され得る。主題の抗MCT1抗体の投与は、自己反応性免疫細胞の抗原特異的耐性を誘発し得、これは、疾患からの長期的な緩和をもたらし得る。加えて、B7分子と共刺激受容体の受容体-リガンド相互作用を妨害することによって免疫細胞の共刺激を遮断する薬剤の同時投与は、免疫細胞活性化を阻害して、疾患過程に関与し得る自己抗体またはサイトカインの産生を防ぐのに有用であり得る。
【0305】
主題の抗MCT1抗体を介した免疫応答の下方制御はまた、自家組織の自己免疫攻撃を治療するのに有用であり得る。したがって、自己免疫攻撃によって引き起こされるか、または悪化する状態(例えば、心臓病、心筋梗塞、またはアテローム性動脈硬化症)は、MCT1を阻害することによって和らげられ得るか、または改善され得る。したがって、主題の抗ヒトMCT1抗体を使用してMCT1を阻害することによって、自己免疫疾患などの自己免疫攻撃によって悪化した状態(ならびに心臓病、心筋梗塞、およびアテローム性動脈硬化などの状態)を調節することは、本発明の範囲内である。
【0306】
前述のように、自己免疫および炎症性障害を予防または緩和するための本発明による抗MCT1抗体の有効性は、ヒト自己免疫および炎症性疾患の十分に特徴付けられた多くの動物モデルを使用して決定され得る。例としては、マウス実験的自己免疫性脳炎、MRL/lpr/lprマウスまたはNZBハイブリッドマウスにおける全身性エリテマトーデス、マウス自己免疫性コラーゲン関節炎、NODマウスおよびBBラットにおける真性糖尿病、ならびにマウス実験的重症筋無力症が挙げられる。Paul ed.,Fundamental Immunology,Raven Press,New York,1989,pages 840-856を参照されたい。
【0307】
免疫細胞活性化の阻害は、例えば、IgE産生を阻害することによって、アレルギーおよびアレルギー反応の治療において治療的にさらに有用である。主題の抗MCT1抗体は、アレルギー性の対象に投与されて、対象における免疫細胞媒介性アレルギー反応を阻害することができる。MCT1の阻害は、適切なMHC分子と併せたアレルゲンへの曝露を伴い得る。アレルギー反応は、アレルゲンの侵入経路およびマスト細胞または好塩基球へのIgEの沈着のパターンに応じて、本質的に全身性または局所性であり得る。したがって、免疫細胞媒介性アレルギー反応は、主題の抗ヒトMCT1抗体の投与によって局所的または全身的に阻害され得る。
【0308】
自己免疫、炎症、またはアレルギー状態の治療
本発明による抗体、抗体フラグメント、および医薬組成物は、活性化T細胞またはB細胞を阻害し、かつ自己免疫、アレルギー、または炎症状態など、これが治療的に望ましい状態を治療するために使用され得る。これらの組成物は、B細胞活性もしくはT細胞活性化もしくは増殖またはサイトカイン発現の抑制を必要としている対象において、それを行うのに有効な量の本発明による抗体または抗体フラグメントを含む。そのような自己免疫、炎症、およびアレルギー状態としては、例えば、関節炎状態、例えば、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、乾癬、強皮症、多発性硬化症、狼瘡、IBD、ITP、糖尿病、GvHD、サルコイドーシス、アレルギー性喘息、および肝炎関連肝毒性が挙げられる。これらの抗体はまた、移植された細胞、組織、または臓器、例えば、組織移植片、CAR-T細胞もしくは遺伝子療法構築物、または含有する細胞などに対する望ましくないT細胞免疫応答を阻害するために使用され得る。
【0309】
本発明の抗体が単独で、または他の治療薬、特に他の免疫抑制分子と組み合わせて使用され得る特定の状態としては、後天性免疫不全症候群(AIDS)、後天性脾萎縮症、急性前部ブドウ膜炎、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性痛風性関節炎、急性壊死性出血性白質脳炎、急性または慢性副鼻腔炎、急性化膿性髄膜炎(もしくは他の中枢神経系炎症性障害)、急性重度炎症、アジソン病、副腎炎、成人発症型糖尿病(II型糖尿病)、成人発症型特発性副甲状腺機能低下症(AOIH)、無ガンマグロブリン血症、無顆粒球症、血管炎(脈管炎、任意に、大型血管炎、任意に、リウマチ性多発性筋痛症、および巨細胞性(高安)関節炎(giant cell(Takayasu′s)arthritis)を含む)、アレルギー状態、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎、アレルギー性過敏症障害、アレルギー性神経炎、アレルギー反応、円形脱毛症、完全脱毛症、アルポート症候群、肺胞炎、任意にアレルギー性肺胞炎または線維化性肺胞炎、アルツハイマー病、アミロイドーシス、筋萎縮性側索硬化症(ALS;ルーゲーリック病)、好酸球関連障害、任意に好酸球増加症、アナフィラキシー、強直性脊椎炎、血管拡張症、抗体媒介性腎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗原-抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜疾患、抗リン脂質抗体症候群、抗リン脂質症候群(APS)、アフタ、アフタ性口内炎、再生不良性貧血、不整脈、動脈硬化症、動脈硬化性疾患、関節炎、任意に関節リウマチ、例えば、急性関節炎、もしくは慢性関節リウマチ、慢性進行性関節炎、変形性関節炎、回虫症、アスペルギルス腫、好酸球を含む肉芽腫、アスペルギルス症、アスペルミオジェネース(aspermiogenese)、喘息、任意に気管支喘息(asthma bronchiale)、気管支喘息(bronchial asthma)、もしくは自己免疫性喘息、毛細血管拡張性運動失調症、失調性硬化症、アテローム性動脈硬化症、自閉症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性血糖尿病、自己免疫性精巣炎および卵巣炎を含む精巣および卵巣の自己免疫障害、膠原病に関連する自己免疫障害、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性耳疾患(AGED)、自己免疫性甲状腺炎などの甲状腺炎を含む自己免疫性内分泌疾患、自己免疫性腸症症候群、自己免疫性性腺機能不全、自己免疫性聴力損失、自己免疫性溶血、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝臓障害、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性膵炎、自己免疫性多腺性内分泌障害、多腺性自己免疫症候群I型、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、自己免疫媒介性胃腸疾患、軸索およびニューロン神経障害、バロー病、ベーチェット病、良性家族性および虚血再灌流傷害、良性リンパ球性血管炎、ベルガー病(IgA腎症)、愛鳥家肺、失明、ベック病、閉塞性細気管支炎(非移植)対NSIP、気管支炎、気管支肺炎性アスペルギルス症、ブルトン症候群、水疱性類天疱瘡、カプラン症候群、心筋症、心血管虚血、キャッスルマン症候群、セリアック病(Celiac disease)、セリアックスプルー(グルテン性腸症)、脳変性、脳虚血、および血管新生に伴う疾患、シャーガス病、チャネル病、任意にてんかん、CNSのチャネル病、脈絡網膜炎、脈絡膜炎、自己免疫性血液障害、慢性活動性肝炎もしくは自己免疫性慢性活動性肝炎、慢性接触皮膚炎、慢性好酸球性肺炎、慢性疲労症候群、慢性肝炎、慢性過敏性肺炎、慢性炎症性関節炎、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性難治性炎症、慢性粘膜皮膚カンジダ症、慢性神経障害、任意にIgM多発性神経障害もしくはIgM媒介性神経障害、慢性閉塞性気道疾患、慢性肺炎症性疾患、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)もしくは亜急性甲状腺炎、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、CNS炎症性障害、CNS血管炎、セリアック病、コーガン症候群、寒冷凝集素病、ポリープ性大腸炎、大腸炎、例えば、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)、潰瘍性大腸炎(colitis ulcerosa)、膠原線維性大腸炎、T細胞の浸潤および慢性炎症反応を伴う状態、先天性心ブロック、先天性風疹感染症、クームス陽性貧血、冠動脈疾患、コクサッキー心筋炎、CREST症候群(石灰症、レイノー現象)、クローン病、クリオグロブリン血症、クッシング症候群、毛様体炎、任意に慢性毛様体炎、異時性毛様体炎(heterochronic cyclitis)、虹彩毛様体炎、もしくはフックス毛様体炎、嚢胞性線維症、サイトカイン誘発性毒性、難聴、変性性関節炎、脱髄疾患、任意に自己免疫性脱髄疾患、脱髄性神経障害、デング熱、疱疹状皮膚炎およびアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎を含む皮膚炎、皮膚筋炎、急性炎症成分を伴う皮膚病、デビック病(視神経脊髄炎)、糖尿病性大動脈障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、ダイアモンド・ブラックファン貧血、びまん性間質性肺線維症、拡張型心筋症、円板状狼瘡、白血球漏出を伴う疾患、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、エコーウイルス感染症、アレルギー性またはアトピー性湿疹を含む湿疹、ラスムッセン脳炎ならびに辺縁系脳炎および/もしくは脳幹脳炎などの脳炎、脳脊髄炎、任意にアレルギー性脳脊髄炎(allergic encephalomyelitis)もしくはアレルギー性脳脊髄炎(encephalomyelitis allergica)および実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)、動脈内過形成、心内膜炎、内分泌性眼症、子宮内膜症、心内膜心筋線維症、眼球陥入水晶体過敏性眼内炎、眼内炎、アレルギー性腸炎、好酸球増加-筋痛症候群、好酸球性筋膜炎、流行性角結膜炎、後天性表皮水疱症(EBA)、上強膜、上強膜炎、エプスタイン-バーウイルス感染症、持久性隆起性紅斑、多形紅斑、らい性結節性紅斑、結節性紅斑、胎児赤芽球症、食道運動障、本態性混合型クリオグロブリン血症、篩骨、エヴァン症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)、第VIII因子欠乏症、農夫肺、リウマチ熱(febris rheumatica)、フェルティ症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、フィラリア症、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、食中毒、前面胃萎縮、巨細胞性関節炎(giant cell arthritis)(側頭動脈炎(temporal arthritis))、巨細胞性肝炎、巨細胞性多発筋痛、糸球体腎炎、慢性もしくは急性糸球体腎炎(例えば、原発性GN)などのネフローゼ症候群を伴う、および伴わない糸球体腎炎(GN)、グッドパスチャー症候群、痛風性関節炎、顆粒球輸血関連症候群、リンパ腫様肉芽腫症を含む肉芽腫症、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、肉芽腫性ブドウ膜炎、グレーヴス病、ギラン-バレー症候群、滴状乾癬、血色素尿症発作、ハンマン-リッチ病、橋本病、橋本脳炎、ヘモクロマトーシス、溶血性貧血もしくは自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を含む免疫性溶血性貧血、溶血性貧血、血友病A、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、痛覚過敏、低ガンマグロブリン血症、性腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、特発性尿崩症、特発性顔面麻痺、特発性甲状腺機能低下症、特発性IgA腎症、突発性膜性GNもしくは突発性膜性腎症、特発性腎炎症候群、特発性肺線維症、特発性スプルー、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgE媒介性疾患、任意にアナフィラキシーおよびアレルギー性もしくはアトピー性鼻炎、lgG4関連硬化性疾患、限局性回腸炎、免疫複合体腎炎、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性および遅延型過敏症に関連する免疫応答、免疫媒介性GN、成人もしくは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む免疫調節リポタンパク質、封入体筋炎、感染性関節炎、抗精子抗体に起因する不妊症、ブドウ膜の全てもしくは一部の炎症、炎症性腸疾患(IBD)炎症性過剰増殖性皮膚疾患、炎症性ミオパシー、インスリン依存性糖尿病(1型)、膵島炎、間質性膀胱炎、間質性肺疾患、間質性肺線維症、虹彩炎、虚血再灌流障害、関節炎、若年性関節炎、若年性皮膚筋炎、若年性糖尿病、若年発症型(I型)真性糖尿病、小児インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)、若年発症関節リウマチ、川崎症候群、乾性角結膜炎、キパノソミアシス(kypanosomiasis)、ランバート-イートン症候群、リーシュマニア症、ハンセン病、白血球減少症(leucopenia)、白血球接着不全症、白血球破砕性血管炎、白血球減少症(leukopenia)、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線形IgA皮膚症、線状IgA疾患(LAD)、レフラー症候群、ルポイド肝炎、狼瘡(腎炎、脳炎、小児、非腎性、腎外、円板状、脱毛症を含む)、狼瘡(SLE)、播種性紅斑性狼瘡、ライム関節炎、ライム病、リンパ性間質性肺炎、マラリア、男性および女性の自己免疫性不妊症、上顎、中型血管炎(川崎病および結節性多発動脈炎を含む)、I型およびII型を含む膜性(membrano-)または膜性(membranous)増殖性GN(MPGN)、および急速進行性GN、膜性GN(膜性腎症)、メニエール病、髄膜炎、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発性血管炎、片頭痛、微小変化腎症、混合性結合組織病(MCTD)、感染性単核球症、モーレン潰瘍、ムッハ-ハーベルマン病、多巣性運動神経障害、多発性内分泌腺不全、多臓器障害症候群(敗血症、外傷、もしく出血に続発するものなど)、多臓器障害症候群、脊髄視覚MSなどの多発性硬化症(MS)、多発性硬化症、おたふく風邪、筋障害、胸腺腫関連重症筋無力症などの重症筋無力症、重症筋無力症、心筋炎、筋炎、ナルコレプシー、壊死性腸炎、および全層性大腸炎、および自己免疫性炎症性腸疾患、壊死性、皮膚、もしくは過敏性血管炎、新生児狼瘡症候群(NLE)、ネフローゼ、ネフローゼ症候群、神経疾患、視神経脊髄炎(デビック病)、視神経脊髄炎、神経ミオトニー、好中球減少症、非癌性リンパ球増加症、非肉芽腫性ブドウ膜炎、非悪性胸腺腫、眼球および眼窩炎症性障害、眼球瘢痕性類天疱瘡、卵巣炎、交感神経眼炎、オプソクローヌスミオクローヌス症候群(OMS)、オプソクローヌスミオクローヌス症候群(OMS)、および感覚神経障害、視神経炎、肉芽腫性精巣炎、変形性関節症、回帰性リウマチ、膵炎、汎血球減少症、PANDAS(Streptococcusに関連する小児自己免疫神経精神障害)、傍腫瘍性小脳変性症、腫瘍随伴症候群、傍腫瘍性神経症候群を含む腫瘍随伴症候群、任意にランバート-イートン筋無力症候群もしくはイートン-ランバート症候群、リーシュマニアなどの寄生虫病、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリー-ロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、パーソネージ-ターナー症候群、パルボウイルス感染症、水疱性類天疱瘡および皮膚類天疱瘡などの類天疱瘡、天疱瘡(尋常性天疱瘡を含む)、紅斑性天疱瘡、落葉状天疱瘡、天疱瘡粘膜類天疱瘡、天疱瘡、消化性潰瘍、周期性四肢麻痺、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血(pernicious anemia)(悪性貧血(anemia perniciosa))、悪性貧血、水晶体抗原性ブドウ膜炎、肺硬変、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I、II、およびIII型、原発性慢性多発性関節炎、多発性軟骨炎(例えば、難治性または再発性多発性軟骨炎)、多内分泌性自己免疫疾患、多内分泌不全、多腺性症候群、任意に自己免疫性多腺性症候群(もしくは多腺性内分泌障害症候群)、リウマチ性多筋痛、多発筋炎、多発筋炎/皮膚筋炎、多発性神経障害、急性多発性神経根炎、心臓切開後症候群、後部ブドウ膜炎、もしくは自己免疫性ブドウ膜炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、連鎖球菌感染後腎炎、ワクチン接種後症候群、初老期認知症、原発性胆汁性肝硬変、原発性甲状腺機能低下症、原発
性特発性粘液水腫、原発性リンパ球増加症(モノクローナルB細胞リンパ球増加症を含む、任意に、良性の単クローン性ガンマグロブリン血症および意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、MGUSを含む)、原発性粘液水腫、原発性進行性MS(PPMS)、および再発寛解型MS(RRMS)、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性全身性硬化症、増殖性関節炎、乾癬、例えば、尋常性乾癬、乾癬、乾癬性関節炎、肺胞蛋白症、肺浸潤性好酸球増加症、真正赤血球性貧血もしくは無形成症(PRCA)、純赤血球無形成症、化膿性もしくは非化膿性副鼻腔炎、膿疱性乾癬および爪の乾癬、腎盂炎、壊疽性膿皮症、ケルヴァン甲状腺炎、レイノー現象、反応性関節炎、反復性流産、血圧応答の低減、反射性交感神経性ジストロフィー、難治性スプルー、ライター病もしくは症候群、再発性多発軟骨炎、心筋組織もしくは他の組織の再灌流傷害、再灌流傷害、呼吸窮迫症候群、むずむず脚症候群、網膜自己免疫、後腹膜線維症、レイノー症候群、リウマチ性疾患、リウマチ熱、リウマチ、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、風疹ウイルス感染症、サムプター症候群(Sampter′s syndrome)、サルコイドーシス、住血吸虫症、シュミット症候群、SCID、およびエプスタイン-バーウイルス関連疾患、強膜、強膜炎、強指症(sclerodactyl)、強皮症、任意に全身性強皮症、硬化性胆管炎、播種性硬化症、全身性硬化症などの硬化症、感音性難聴、血清反応陰性脊椎関節炎、シーハン症候群、シュルマン症候群、珪肺、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、蝶形骨洞炎、スティーブンス-ジョンソン症候群、スティッフマン(もしくはスティッフパーソン)症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、亜急性皮膚エリテマトーデス、突発性難聴、スザック症候群、シデナム舞踏病、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)(SLE)もしくは全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematodes)、皮膚SLE、全身性壊死性血管炎、ANCA関連血管炎、任意にチャーグ-ストラウス血管炎もしくは症候群(CSS)、脊髄ろう、高安動脈炎、毛細血管拡張症、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、閉塞性血栓性血管炎(thromboangiitis ubiterans)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および自己免疫もしくは免疫媒介性血小板減少症を含む血小板減少症、例えば、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(慢性もしくは急性ITPを含む)、血小板減少性紫斑病(TTP)、甲状腺中毒症、組織傷害、トロサ-ハント症候群、中毒性表皮壊死症、毒素性ショック症候群、輸血反応、一過性乳児低ガンマグロブリン血症、横断性脊髄炎(transverse myelitis)、横断性脊髄炎(traverse myelitis)、熱帯性肺好酸球増加症、結核、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病(UCTD)、蕁麻疹、任意に慢性アレルギー性蕁麻疹、および慢性自己免疫性蕁麻疹を含む慢性特発性蕁麻疹、ブドウ膜炎、前部ブドウ膜炎、網膜ブドウ膜、弁膜炎、血管機能不全、血管炎、脊椎関節炎、水疱性皮膚病、白斑、ウェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫(GPA))、ウィスコット-アルドリッチ症候群、またはX連鎖性高IgM症候群が挙げられる。
【0310】
本明細書で特定される疾患状態は、例示的であり、網羅的ではないことが意図されることを理解されたい。
【0311】
少なくともいくつかの実施形態によると、ラクトースのMCT1媒介性輸送を減少させるように機能する、本明細書に記載の抗MCT1抗体、そのフラグメント、複合体、またはそれを含む医薬組成物は、免疫系関連疾患の治療に使用され得る。
【0312】
任意に、免疫系関連状態は、免疫関連状態、本明細書に列挙される自己免疫疾患、狼瘡、移植拒絶および移植片対宿主病、ならびに/または活性化T細胞およびB細胞の遮断の場合、本明細書に列挙される免疫関連疾患、ならびに/または免疫療法(免疫刺激の阻害)の場合のものを含む。
【0313】
任意に、免疫状態は、自己免疫疾患、移植拒絶、炎症性疾患、アレルギー状態、または移植片対宿主病から選択される。特定の実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、狼瘡を治療するために使用され得る。一実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、移植片対宿主病(GVHD)を治療するために使用され得る。別の実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、移植片拒絶を治療するために使用され得る。さらに別の実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、I型糖尿病を治療するために使用され得る。一実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、II型糖尿病を治療するために使用され得る。別の実施形態では、本発明の抗MCT1抗体は、肥満症を治療するために使用され得る。
【0314】
特定の実施形態では、MCT1 Ab1が、狼瘡を治療するために使用され得る。一実施形態では、MCT1 Ab1が、移植片対宿主病(GVHD)を治療するために使用され得る。別の実施形態では、MCT1 Ab1が、移植片拒絶を治療するために使用され得る。さらに別の実施形態では、MCT1 Ab1が、I型糖尿病を治療するために使用され得る。一実施形態では、MCT1 Ab1が、II型糖尿病を治療するために使用され得る。別の実施形態では、MCT1 Ab1が、肥満症を治療するために使用され得る。同様に、これらの実施形態の各々では、MCT1 Ab1の1つ以上のCDRを含む変異体または融合タンパク質が使用され得る。
【0315】
任意に、治療は、免疫関連状態の治療に有用な別の部分、例えば、メトホルミンと組み合わされる。
【0316】
したがって、主題の抗体を使用した全身性エリテマトーデスの治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、全身性エリテマトーデスを治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。同様に、主題の抗体を使用したGVHDの治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、GVHDを治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。本発明の少なくともいくつかの実施形態による薬剤を使用した多発性硬化症の治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、多発性硬化症を治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。同様に、主題の抗体を使用した関節リウマチまたは他の関節炎状態の治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、関節リウマチを治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。加えて、主題の抗体を使用した1型糖尿病の治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、1型糖尿病を治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。主題の抗体を使用した乾癬の治療は、例えば、任意に本明細書に記載されるような、乾癬を治療するための任意の既知の治療薬または方法と組み合わされ得る。
【0317】
上記の療法において、例えば、上記または他の自己免疫もしくは炎症状態の1つを有する対象は、本明細書に開示される抗MCT1抗体または本発明による抗原結合フラグメントが投与され、この抗体は、活性化T細胞および/もしくはB細胞、ならびに/または疾患の病理に関与する炎症誘発性サイトカインの産生を抑制し、それにより疾患の症状を予防または改善し、例えば、T細胞耐性または長期の免疫抑制を誘発するTregの誘発により、長期の疾患寛解をもたらす可能性がある。
【0318】
本発明の少なくともいくつかの実施形態よる、本明細書に列挙される治療薬および/またはそれを含む医薬組成物は、例えば、同種移植もしくは異種移植の急性もしくは慢性拒絶または炎症性もしくは自己免疫傷害の治療または予防、あるいは耐性の誘発のために、唯一の活性成分として、または免疫調節レジメンにおける他の薬物もしくは他の抗炎症薬と一緒に投与され得る。
【0319】
癌の治療
治療され得る癌には、血管が新生されていない、またはまだ実質的に血管が新生されていない腫瘍、ならびに血管が新生された腫瘍が含まれる。癌は、非固形腫瘍(血液腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫など)を含み得るか、または固形腫瘍を含み得る。本発明の抗体で治療される癌のタイプとしては、癌腫、芽細胞腫、および肉腫、ならびに特定の白血病またはリンパ系悪性腫瘍、良性および悪性腫瘍、および悪性腫瘍、例えば、肉腫、癌腫、および黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない。成人腫瘍/癌および小児腫瘍/癌も含まれる。
【0320】
血液癌は、血液または骨髄の癌である。血液(または血行性)癌の例としては、急性白血病(急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia)、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)、ならびに骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、および赤白血病など)、慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病(myelocytic(granulocytic)leukemia)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)、および慢性リンパ性白血病)を含む白血病、真性多血症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(無痛性および高悪性度の形態)、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、および脊髄形成異常が挙げられる。
【0321】
固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体領域を含まない組織の異常な塊である。固形腫瘍は、良性または悪性の場合がある。様々なタイプの固形腫瘍は、それらを形成する細胞のタイプ(肉腫、癌腫、およびリンパ腫)にちなんで名付けられる。肉腫および癌腫などの固形腫瘍の例としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、リンパ系悪性腫瘍、膵臓癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、肝細胞癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、褐色細胞腫脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱癌、黒色腫、ならびにCNS腫瘍(神経膠腫(脳幹神経膠腫および混合神経膠腫など)、膠芽腫(多形膠芽腫としても既知))星細細胞腫、CNSリンパ腫、胚腫、髄芽腫、シュワン細胞腫頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、および脳転移)が挙げられる。
【0322】
好ましくは、本発明の抗体は、腫瘍細胞がMCT1の発現に対して陽性である癌を治療するために使用される。一般に、MCT1陽性腫瘍細胞は、既知の方法によって同定され得る。例えば、腫瘍細胞上のMCT1発現は、本発明の抗体を使用した免疫蛍光法またはフローサイトメトリーによって同定され得る。代替的に、MCT1発現は、標的細胞に対する本発明の抗体による阻害の観察を通して機能的に測定され得る。
【0323】
生検とは、個体からの組織および/または細胞の切除である。そのような切除は、切除された組織および/または細胞に対して実験を実施するために、個体から組織および/または細胞を採取することであり得る。この実験は、個体が特定の状態または疾患状態を有しているか、および/または罹患しているかを判断するための実験を含み得る。状態または疾患は、例えば、癌であり得る。宿主におけるMCT1発現腫瘍細胞の存在を検出することに関して、宿主の細胞を含む試料は、全細胞、その溶解物、または全細胞溶解物の画分、例えば、核もしくは細胞質画分、全タンパク質画分、または核酸画分を含む試料であり得る。試料が全細胞を含む場合、細胞は、宿主の任意の細胞、例えば、血液細胞または内皮細胞を含む任意の臓器または組織の細胞であり得る。
【0324】
他のMCT1関連状態、例えば、EIHIの治療
本発明の抗体および抗体フラグメントはまた、正常細胞または罹患細胞におけるMCT1の発現を伴う任意の他の状態、障害、または疾患を治療、予防、または診断するために使用され得る。例えば、本発明はまた、対象におけるEIHIを治療または予防する方法を企図し、その方法は、本発明による抗体または抗体フラグメントを投与することを含む。
【0325】
投与方法
本発明の組成物は、局所治療または全身治療のどちらが望まれるかに応じて、多くの方法で投与され得る。
【0326】
概して、投与は、局所的、非経口的、または経腸的であり得る。
【0327】
本発明の組成物は典型的には、非経口投与に適している。本明細書で使用される場合、医薬組成物の「非経口投与」は、対象の組織の物理的な裂け目を特徴とする任意の投与経路、および組織の裂け目を通した医薬組成物の投与を含み、したがって概して、血流、筋肉、または内臓への血液への直接投与をもたらす。したがって、非経口投与としては、組成物の注射、外科的切開を通した組成物の適用、組織貫通非外科的創傷を通した組成物の適用などによる医薬組成物の投与が挙げられるが、これらに限定されない。特に、非経口投与は、皮下、腹腔内、筋肉内、胸骨内、静脈内、動脈内、髄腔内、脳室内、尿道内、頭蓋内、腫瘍内、滑液嚢内注射または注入、ならびに腎臓透析注入技術が挙げられるが、これらに限定されないと企図される。好ましい実施形態では、本発明の組成物の非経口投与は、皮下または腹腔内投与を含む。
【0328】
非経口投与に適した医薬組成物の製剤は典型的には、活性成分を、滅菌水または滅菌等張食塩水などの薬学的に許容される担体と組み合わせて含む。そのような製剤は、ボーラス投与または連続投与に適した形態で調製、包装、または販売され得る。注射可能な製剤は、アンプル、または防腐剤を含む複数回用量の容器などの単位剤形で調製、包装、または販売され得る。非経口投与用の製剤としては、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、エマルジョン、ペーストなどが挙げられるが、これらに限定されない。そのような製剤は、懸濁剤、安定剤、または分散剤が挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の追加の成分をさらに含んでもよい。非経口投与用の製剤の一実施形態では、活性成分は、再構成された組成物の非経口投与前に、好適なビヒクル(例えば、滅菌発熱性物質除去蒸留水)で再構成するための乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態で提供される。非経口製剤はまた、塩、炭水化物、および緩衝剤(例えば、3~9のpHまで)などの賦形剤を含有し得る水溶液を含むが、いくつかの用途では、それらは、滅菌非水性溶液として、または滅菌発熱性物質除去蒸留水などの好適なビヒクルと併せて使用される乾燥形態として、より好適に製剤化され得る。例示的な非経口投与形態としては、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の溶液または懸濁液が挙げられる。そのような剤形は、必要に応じて好適に緩衝化され得る。有用である他の非経口投与可能な製剤としては、微結晶形態でまたはリポソーム調製物中に活性成分を含むものが挙げられる。非経口投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化され得る。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0329】
「経口の」、「経腸の」、「経腸的に」、「経口的に」、「非-非経口の」、「非-非経口的に」などの用語は、消化管に沿った経路または方法による個体への化合物または組成物の投与を指す。組成物の「経口」投与経路の例としては、液体または固体形態の組成物の口からの嚥下、経鼻空腸または胃瘻チューブを介した組成物の投与、組成物の十二指腸内投与、および例えば、消化管の下部腸管に坐剤を使用した直腸投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0330】
好ましくは、単離された抗MCT1抗体または抗体フラグメントを含む製剤化組成物は、注射による投与に適している。
【0331】
局所投与用の医薬組成物および製剤としては、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、半固体、単相組成物、多相組成物(例えば、水中油型、油中水型)、フォーム、マイクロスポンジ、リポソーム、ナノエマルジョン、エアロゾルフォーム、ポリマー、フラーレン、および粉末が挙げられ得る。従来の薬学的担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが必要であるか、または望ましい場合がある。
【0332】
経口投与用の組成物および製剤としては、粉末もしくは顆粒、水もしくは非水性媒体中の懸濁液または溶液、カプセル、サシェット、または錠剤が挙げられる。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましい場合がある。
【0333】
非経口、髄腔内、または脳室内投与用の組成物および製剤としては、緩衝液、希釈剤、ならびに浸透促進剤、カーダー化合物(carder compound)、および他の薬学的に許容される担体または賦形剤などであるが、これらに限定されない他の好適な添加剤も含み得る、滅菌水溶液が挙げられ得る。
【0334】
本発明の医薬組成物としては、溶液、エマルジョン、およびリポソーム含有製剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらの組成物は、予め形成された液体、自己乳化固体、および自己乳化半固体が挙げられるが、これらに限定されない様々な構成成分から生成され得る。
【0335】
本発明の医薬組成物は、便利に単位剤形で提供され得、製薬業において周知の従来の技術に従って調製され得る。そのような技術は、活性成分を医薬担体(複数可)または賦形剤(複数可)と組み合わせるステップを含む。概して、製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉化固体担体またはその両方と均一かつ密接に組み合わせ、次いで必要に応じて、生成物を成形することによって調製される。
【0336】
本発明の組成物は、錠剤、カプセル、液体シロップ、軟質ゲル、坐剤、エアロゾル、および浣腸剤などの多くの可能な剤形のいずれかに製剤化され得る。本発明の組成物はまた、水性、非水性、または混合媒体中の懸濁液として製剤化され得る。水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁液の粘度を増加させる物質をさらに含有し得る。懸濁液はまた、安定剤も含有し得る。
【0337】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、フォームとして製剤化および使用され得る。医薬フォームとしては、エマルジョン、マイクロエマルジョン、クリーム、ゼリー、およびリポソームなどの製剤が挙げられるが、これらに限定されない。基本に性質は似ているが、これらの製剤は、最終生成物の構成成分および一貫性が異なる。細胞レベルでのオリゴヌクレオチドの取り込みを増強する薬剤もまた、本発明の医薬組成物および他の組成物に添加され得る。例えば、リポフェクチン(米国特許第5,705,188号)などのカチオン性脂質、カチオン性グリセロール誘導体、およびポリリジン(WO97/30731)などのポリカチオン性分子も、オリゴヌクレオチドの細胞取り込みを増強する。
【0338】
本発明の組成物は、加えて、医薬組成物に従来見られる他の補助構成成分を含有してもよい。したがって、例えば、組成物は、例えば鎮痒薬、収斂薬、局所麻酔薬、もしくは抗炎症薬などの追加の適合性のある薬学的に活性な物質を含有し得るか、または染料、香味剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定剤など、本発明の組成物の様々な剤形を物理的に製剤化するのに有用な追加の物質を含有し得る。しかしながら、そのような物質は、添加される場合、本発明の組成物の構成成分の生物活性を過度に妨げてはならない。製剤は、滅菌され、必要に応じて補助剤、例えば、製剤の核酸(複数可)と有害に相互作用しない潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色剤、香料、および/または芳香族物質などと混合され得る。
【0339】
抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む製剤は、薬学的に許容される賦形剤(複数可)を含み得る。製剤に含まれる賦形剤は、例えば、抗体および投与方法に応じて異なる目的を有する。一般に使用される賦形剤の例としては、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、感染に対する水(water-for-infection)、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせ、安定剤、可溶化剤および界面活性剤、緩衝液および防腐剤、等張化剤、充填剤、ならびに潤滑剤が挙げられるが、これらに限定されない。抗MCT1抗体を含む製剤は典型的には、動物血清(例えば、ウシ血清アルブミン)などの任意の非ヒト構成成分の非存在下で調製および培養されているであろう。
【0340】
製剤または組成物はまた、結合分子または細胞で治療されている特定の兆候、疾患、または状態に有用な2つ以上の活性成分、例えば、それぞれの活性が互いに悪影響を及ぼさない、結合分子または細胞に相補的な活性を有する活性成分を含有し得る。そのような活性成分は、意図された目的に有効である量で組み合わせて好適に存在する。したがって、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化学療法剤などの薬学的に活性な薬剤または薬物、例えば、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどをさらに含む。いくつかの実施形態では、薬学的に活性な薬剤または薬物は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG3、CTLA4、KIR、CD244、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、TIM3、および/またはA2aRを標的とする薬物を含み得る。これらの阻害剤の例としては、ピジリズマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、MDX-1105、BMS-936559、MEDI4736、MPDL3280A、MSB0010718C、トレメリムマブ、およびイピリムマブが挙げられるが、これらに限定されず、これらは単独で、または他の薬剤、例えば、GM-CSFと組み合わせて投与され得る。
【0341】
抗体は、同じまたは異なる組成物で、同時にまたは異なる時間に、およびいずれかの順序で投与され得る、他の治療薬と組み合わされ得る。例えば、本発明の抗体は、PD-1またはPD-L1アゴニスト、CTLA4-Ig、サイトカイン、サイトカインアゴニストもしくはアンタゴニスト、または別の受容体アゴニストもしくはアンタゴニストの投与を含む治療レジメンで投与され得る。
【0342】
いくつかの態様における医薬組成物は、組成物の送達が、治療される部位の感作の前に、かつそれを引き起こすのに十分な時間で起こるように、徐放、遅延放出、および持続放出送達系を用いることができる。多くのタイプの放出送達系が利用可能であり、既知である。そのような系は、組成物の反復投与を回避することができ、それにより、対象および医師の利便性を向上させる。
【0343】
投与
いくつかの実施形態における医薬組成物は、治療有効量または予防有効量などの、疾患または状態を治療または予防するのに有効な量の抗MCT1抗体または抗体フラグメントを含有する。いくつかの実施形態における治療的または予防的有効性は、治療された対象の周期的な評価によって監視される。数日またはそれ以上の反復投与の場合、状態に応じて、疾患症状の望ましい抑制が起こるまで治療が繰り返される。しかしながら、他の投与レジメンが有用であり得、決定され得る。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与、組成物の複数回ボーラス投与、または組成物の連続注入投与によって送達され得る。
【0344】
抗体または抗体フラグメントは、1回以上の用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、前述の有効量の抗体は、単回用量として投与され得る。いくつかの実施形態では、前述の有効量の抗体は、ある期間にわたって2回以上の用量として投与され得る。投与のタイミングは、管理医の判断の範囲内であり、患者の臨床状態に依存する。個々のニーズは異なるが、特定の疾患または状態に対する所与の抗体の有効量の最適範囲の決定は、当該技術分野の範囲内である。有効量は、治療的または予防的利益を提供する量を意味する。投与される投与量は、レシピエントの年齢、健康状態、および体重、もしあれば同時治療の種類、治療の頻度、および所望の効果の性質に依存する。いくつかの実施形態では、有効量の抗体またはそれらの抗体を含む組成物は、非経口的に投与される。いくつかの実施形態では、投与は、静脈内投与であり得る。いくつかの実施形態では、投与は、疾患部位内への注射によって直接行われ得る。
【0345】
本発明の目的のために、投与される本発明の抗体の量または用量は、妥当な時間枠にわたって対象または動物において治療的または予防的応答をもたらすのに十分であるべきである。例えば、本発明の抗体の用量は、投与の時間から約2時間以上、例えば約12~約24時間以上の期間で、抗原に結合するか、または疾患を検出、治療、もしくは予防するのに十分でなければならない。特定の実施形態では、期間は、さらに長くなり得る。用量は、特定の抗体の有効性および動物(例えば、ヒト)の状態、ならびに治療される動物(例えば、ヒト)の体重によって決定される。
【0346】
担体材料と組み合わせて単一剤形を作り出すことができる活性成分の量は、治療されている対象、および特定の投与方法に応じて異なる。担体材料と組み合わせて単一剤形を産生することができる活性成分の量は概して、治療効果をもたらす組成物の量である。概して、100パーセントのうち、この量は、薬学的に許容される担体と組み合わせて、約0.01パーセント~約99パーセントの活性成分、例えば、約0.1パーセント~約70パーセント、ほとんどは、例えば、約1パーセント~約30パーセントの活性成分の範囲である。
【0347】
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調整される。例えば、単回ボーラスが投与されてもよく、いくつかの分割用量が時間をかけて投与されもよく、または用量は、治療状況の緊急性によって示されるように、比例的に減少または増加してもよい。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を投与単位形態に製剤化することが特に有利である。投与単位形態は、本明細書で使用される場合、治療される対象のための単位投与量として適した物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と共に所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の少なくともいくつかの実施形態による投与単位形態の仕様は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに(b)固体における感受性の治療のためにそのような活性化合物を配合する、当該技術分野に固有の制限によって決定され、かつこれらに直接依存する。
【0348】
本明細書に開示される抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与について、投与量は、宿主の体重の約0.0001~100mg/kg、より一般には0.01~5mg/kgの範囲である。例えば、投与量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重、もしくは10mg/kg体重、または1~10mg/kgの範囲内であり得る。例示的な治療計画は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回、または3~6ヶ月に1回の投与を伴う。本発明の少なくともいくつかの実施形態による、本明細書に開示される抗体の好ましい投与レジメンは、静脈内投与による1mg/kg体重または3mg/kg体重を含み、本明細書に開示される抗体は、以下の投与スケジュールの1つを使用して与えられる:(i)6回の用量を4週間毎、次いで3か月毎、(ii)3週間毎、(iii)3mg/kg体重を1回、続いて、1mg/kg体重を3週間毎。
【0349】
いくつかの方法では、異なる結合特異性を有する2つ以上のモノクローナル抗体が同時に投与され、その場合、本明細書に開示される各抗体の投与量は、示される範囲内に入る。本明細書に開示される抗体は通常、複数の機会に投与される。単回投与間の間隔は、例えば、毎日、毎週、毎月、3ヶ月毎、または毎年であり得る。患者における標的抗原に対する抗体の血中濃度を測定することによって示されるように、間隔は不規則でもあり得る。いくつかの方法では、投与量は、約1~1000μg/ml、いくつかの方法では、約25~300μg/mlの血漿抗体濃度を達成するように調整される。
【0350】
代替的に、治療薬は、持続放出製剤として投与され得、その場合、より少ない頻度の投与が必要とされる。投与量および頻度は、患者における治療薬の半減期によって異なる。概して、ヒト抗体は、最も長い半減期を示し、ヒト化抗体、キメラ抗体、および非ヒト抗体が続く。融合タンパク質の半減期は、大きく異なり得る。投与量および投与頻度は、治療が予防的であるか治療的であるかによって異なり得る。予防用途では、比較的低い投与量が長期間にわたって比較的低頻度の間隔で投与される。一部の患者は、今後一生治療を受け続ける。治療用途では、疾患の進行が軽減または終了するまで、例えば、患者が疾患の症状の部分的または完全な改善を示すまで、比較的短い間隔で比較的高い投与量が必要になる場合がある。その後、患者は、予防計画を施され得る。
【0351】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒であることなく、特定の患者、組成物、および投与方法のための所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るように変化し得る。選択された投与量レベルは、用いられる本発明の特定の組成物、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられている特定の化合物の排泄速度、治療期間、用いられる特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、および/または材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、健康全般、および以前の病歴、ならびに医療分野で周知の同様の要因を含む、様々な薬物動態学的因子に依存する。
【0352】
いくつかの実施形態では、抗体は、別の抗体または操作された細胞または受容体または薬剤などの別の治療介入、例えば、細胞毒性薬または治療薬と同時に、または任意の順序で順次になど、併用療法の一部として投与される。いくつかの実施形態における抗体は、1つ以上の追加の治療薬と、または別の治療的介入と関連して、同時にまたは任意の順序で順次にのいずれかで共投与される。いくつかの状況では、抗体は、抗体が1つ以上の追加の治療薬の効果を増強するように、またはその逆になるように、時間的に十分に近い別の療法と同時投与される。いくつかの実施形態では、抗体は、1つ以上の追加の治療薬の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗体は、1つ以上の追加の治療薬の後に投与される。
【0353】
変化形態
本明細書に記載される本発明の抗体の機能的部分は、本発明の範囲に含まれる。抗体に関して使用される場合、「機能的部分」という用語は、本発明の抗体の任意の部分またはフラグメントを指し、この部分またはフラグメントは、それが一部である抗体(親抗体)の生物活性を保持する。機能的部分は、例えば、親抗体と同様の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識するか、または疾患を検出、治療、もしくは予防する能力を保持する抗体の部分を包含する。親抗体に関して、機能的部分は、例えば、親抗体の約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%、またはそれ以上を構成することができる。
【0354】
機能的部分は、その部分のアミノ末端もしくはカルボキシ末端、または両方の末端に追加のアミノ酸を含むことができ、これらの追加のアミノ酸は、親抗体のアミノ酸配列には見られない。望ましくは、追加のアミノ酸は、例えば、標的細胞を認識し、癌を検出、治療、または予防するなどの機能的部分の生物学的機能を妨げない。より望ましくは、追加のアミノ酸は、親抗体の生物活性と比較して、生物活性を増強する。
【0355】
本明細書に記載される本発明の抗体の機能的変異体は、本発明の範囲に含まれる。本明細書で使用される場合、「機能的変異体」という用語は、親抗体と実質的または有意な配列同一性または類似性を有する抗体、ポリペプチド、またはタンパク質を指し、この機能的変異体は、それが変異体である抗体の生物活性を保持する。機能的変異体は、例えば、親抗体と同様の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力を保持する、本明細書に記載される抗体(親抗体)の変異体を包含する。親抗体に関して、機能的変異体は、例えば、親抗体とアミノ酸配列が少なくとも約30%、50%、75%、80%、90%、98%、またはそれ以上同一であり得る。
【0356】
機能的変異体は、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を伴う親抗体のアミノ酸配列を含むことができる。代替的または追加的に、機能的変異体は、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を伴う親抗体のアミノ酸配列を含むことができる。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的変異体の生物活性を妨害または阻害しないことが好ましい。非保存的アミノ酸置換は、機能的変異体の生物活性を増強し得、これにより機能的変異体の生物活性は、親抗体と比較して増加する。
【0357】
本発明の抗体のアミノ酸置換は、例えば、保存的アミノ酸置換である。保存的アミノ酸置換は、当該技術分野において既知であり、特定の物理的および/または化学的特性を有する1つのアミノ酸が、同じまたは同様の化学的または物理的特性を有する別のアミノ酸に交換されるアミノ酸置換を含む。例えば、保存的アミノ酸置換は、別の酸性/負に帯電した極性アミノ酸に置換された酸性/負に帯電した極性アミノ酸(例えば、AspまたはGlu)、非極性側鎖が非極性側鎖を有する別のアミノ酸に置換されたアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Cys、Valなど)、別の塩基性/正に帯電した極性アミノ酸に置換された塩基性/正に帯電した極性アミノ酸酸(例えば、Lys、His、Argなど)、極性側鎖を有する別の非荷電アミノ酸に置換された極性側鎖を有する非荷電アミノ酸(例えば、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyrなど)、ベータ分岐側鎖を有する別のアミノ酸に置換されたベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、Ile、Thr、およびVal)、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸に置換された芳香族側鎖を有するアミノ酸、(例えば、His、Phe、Trp、およびTyr)などであり得る。
【0358】
また、アミノ酸は、ベクター設計に基づいて配列に付加され得るか、または配列から除去され得る。
【0359】
抗体は、他の構成要素、例えば、他のアミノ酸が機能的変異体の生物活性を実質的に変化させないように、本明細書に記載の特定のアミノ酸配列(複数可)から本質的になることができる。
【0360】
本発明の実施形態の抗体(機能的部分および機能的変異体を含む)は、抗体(またはその機能的部分もしくは機能的変異体)がそれらの生物活性、例えば、抗原に特異的に結合する能力、哺乳動物における疾患細胞を検出する能力、または哺乳動物における疾患を治療または予防する能力などを保持するという条件で、任意の長さであり得、すなわち、任意の数のアミノ酸を含むことができる。例えば、抗体は、約50~約5000アミノ酸長、例えば、50、70、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、1000アミノ酸長、またはそれ以上であり得る。
【0361】
本発明の実施形態の抗体(本発明の機能的部分および機能的変異体を含む)は、1つ以上の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含むことができる。そのような合成アミノ酸は、当該技術分野において既知であり、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、α-アミノn-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-およびトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリンβ-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、α-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、N′-ベンジル-N′-メチル-リジン、N′,N′-ジベンジル-リジン、6-ヒドロキシリジン、オルニチン、α-アミノシクロペンタンカルボン酸、α-アミノシクロヘキサンカルボン酸、α-アミノシクロヘプタンカルボン酸、α-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、α,γ-ジアミノ酪酸、α,β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニン、およびα-tert-ブチルグリシンが挙げられる。
【0362】
本発明の実施形態の抗体(機能的部分および機能的変異体を含む)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、例えば、ジスルフィド架橋を介して環化、もしくは酸付加塩に変化、および/あるいは任意に、二量体化もしくは重合、またはコンジュゲートされ得る。
【0363】
本発明の実施形態の抗体(その機能的部分および機能的変異体を含む)は、当該技術分野において既知の方法によって得ることができる。抗体は、ポリペプチドまたはタンパク質を作る任意の好適な方法によって作製され得る。ポリペプチドおよびタンパク質をデノボ合成する好適な方法は、Chan et al.,Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2000、Peptide and Protein Drug Analysis,ed.Reid,R.,Marcel Dekker,Inc.,2000、Epitope Mapping,ed.Westwood et al.,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2001、および米国特許第5,449,752号などの参考文献に記載されている。また、ポリペプチドおよびタンパク質は、標準的な組換え方法を使用して、本明細書に記載の核酸を使用して組換えにより産生され得る。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.2001、およびAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley&Sons,N Y,1994を参照されたい。さらに、本発明の抗体のいくつか(その機能的部分および機能的変異体を含む)は、植物、細菌、昆虫、哺乳動物、例えば、ラット、ヒトなどの供給源から単離および/または精製され得る。単離および精製の方法は、当該技術分野において周知である。代替的に、本明細書に記載の抗体(その機能的部分およびその機能的変異体を含む)は、企業によって商業的に合成され得る。この点で、本発明の抗体は、合成、組換え、単離、および/または精製であり得る。
【0364】
および/またはV配列、またはそれに付着している定常領域(複数可)を修飾することによって、新しい変異体抗体を作製するために、本明細書に開示されるVおよびV配列を有する抗体が使用され得る。したがって、MCT1への結合など、本発明の抗体の少なくとも1つの機能特性を保持する構造的に関連する変異体抗体を作製するために、本発明の変異体抗体の構造的特徴が使用される。例えば、1つの抗MCT1変異体抗体、例えば、Ab1~Ab95またはその変異の1つの1つ以上のCDR領域が、本明細書で考察されるように、既知のフレームワーク領域および/または他のCDRと組み換えにより組み合わされて、本発明の追加の組み換え操作された抗MCT1抗体(例えば、MCT1に結合する抗体)を作製し得る。操作方法の出発物質は、本明細書に提供されるVおよび/もしくはV配列の1つ以上、またはその1つ以上のCDR領域であってもよい。操作された抗体を作製するために、本明細書に提供されるVおよび/もしくはV配列の1つ以上、またはその1つ以上のCDR領域を有する抗体を実際に調製する(すなわち、タンパク質として発現する)必要はない。むしろ、配列(複数可)に含まれる情報は、元の配列(複数可)から生じる「第2世代」配列(複数可)を作製するための出発物質として使用され、次いで、「第2世代」配列(複数可)が調製され、タンパク質として発現する。改変した抗体配列を調製および発現するために、標準的な分子生物学技術が使用され得る。
【0365】
改変した抗体配列(複数可)によってコードされた抗体は、本明細書に提供される方法によって、かつ配列を用いて産生された抗MCT1抗体の機能特性の1つ、いくつか、または全てを保持し得、その機能特性は、特定のKレベル以下での変異体MCT1もしくは変異体MCT1複合体への結合、および/または免疫細胞活性の調節、および/または例えば、活性T細胞もしくはB細胞などの所望の標的細胞への選択的結合を含む。改変した抗体の機能特性は、当該技術分野において利用可能な、かつ/または本明細書に記載の標準的なアッセイを使用して評価され得る。
【0366】
突然変異は、抗MCT1抗体コード配列の全てまたは一部に沿ってランダムにまたは選択的に導入され得、得られた修飾抗MCT1抗体は、結合活性および/または他の所望の機能特性についてスクリーニングされ得る。
【0367】
定義
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料が、本発明または本発明の試験で使用され得るが、好適な方法および材料は、以下に記載される。材料、方法、および例は、単に例示的なものであり、限定することを意図するものではない。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品化学および製薬化学に関連して利用される命名法、ならびにそれらの実験手順および技術は、当該技術分野において周知であり、一般に使用されているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤、および送達、ならびに患者の治療に使用され得る。
【0368】
本明細書で使用される場合、「5′キャップ」(RNAキャップ、RNA 7-メチルグアノシンキャップ、またはRNA mGキャップとも呼ばれる)は、転写開始直後の真核生物メッセンジャーRNAの「前」または5′末端に付加されている修飾グアニンヌクレオチドである。5′キャップは、最初に転写されたヌクレオチドに結合されている末端基からなる。その存在は、リボソームによる認識およびRNaseからの防御にとって重要である。キャップ付加は転写と連結され、各々が互いに影響し合うように共転写的に起こる。転写開始直後に、合成されているmRNAの5′末端は、RNAポリメラーゼに関連するキャップ合成複合体によって結合される。この酵素複合体は、mRNAキャッピングに必要である化学反応を触媒する。合成は、多段階の生化学反応として進行する。キャッピング部分は、その安定性または翻訳の効率などのmRNAの機能性を調節するように修飾され得る。
【0369】
本明細書の説明および以下の特許請求の範囲全体にわたって使用される場合、「a」、「an」、および「the」の意味は、文脈から明らかにそうでないと示されない限り、複数の参照を含む。
【0370】
本明細書で使用される場合、「アレルギー性疾患」は、アレルギー反応を伴う疾患を広く指す。より具体的には、「アレルギー性疾患」は、アレルゲンが特定され、そのアレルゲンへの曝露と病理学的変化の発症との間に強い相関があり、その病理学的変化が免疫学的機構を有することが証明されている疾患として定義される。ここで、免疫学的機構とは、白血球がアレルゲン刺激に対して免疫応答を示すことを意味する。
【0371】
「同種異系」または「ドナー由来」という用語は、材料が導入される個体と同じ種の異なる動物に由来する任意の材料を指す。1つ以上の遺伝子座の遺伝子が同一でない場合、2人以上の個体は、互いに同種異系であると言われる。いくつかの態様では、同じ種の個体からの同種異系材料は、抗原的に相互作用するために遺伝的に十分に異なり得る。
【0372】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、しぜんはアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体を広く指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされているアミノ酸、ならびに後に修飾されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、およびO-ホスホセリン)である。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸(すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基に結合している炭素)、およびR基(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)と同じ基本的な化学構造を有する化合物を指す。類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有し得るが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化合物を指す。
【0373】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原と特異的に結合する免疫グロブリン分子を指す。一態様では、抗原は、MCT1である。抗体は、天然源または組換え源に由来する無傷の免疫グロブリンであり得、無傷の免疫グロブリンの免疫反応性部分であり得る。この用語は、最も広い意味で使用され、無傷の抗体を含むポリクローナルおよびモノクローナル抗体、ならびにフラグメント抗原結合(Fab)フラグメント、F(ab′)フラグメント、Fab′フラグメント、Fvフラグメント、組換えIgG(rIgG)フラグメント、一本鎖可変フラグメント(scFv)を含む一本鎖抗体フラグメント、ByTE、多重特異性抗体ポリペプチド、ダイアボディ、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)フラグメントを含む機能的(抗原結合)抗体フラグメントが含まれる。この用語は、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムジ-scFv、およびタンデムトリ-scFvなどの遺伝子操作および/または別様に修飾された形態の免疫グロブリンを包含する。特に明記しない限り、「抗体」という用語は、その機能的抗体フラグメントを包含することがさらに理解されるべきである。この用語はまた、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、無傷または完全長の抗体を包含する。
【0374】
「抗原結合フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、無傷の抗体の一部分を指し、かつ無傷の抗体の抗原決定可変領域を指す。抗体フラグメントの例としては、フラグメント抗原結合(Fab)フラグメント、F(ab′)フラグメント、Fab′フラグメント、Fvフラグメント、組換えIgG(rIgG)フラグメント、一本鎖可変フラグメント(scFv)を含む一本鎖抗体フラグメント、単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)フラグメント、ダイアボディ、および抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン、VおよびVは、別々の遺伝子によってコードされるが、それらは、それらが、VおよびV領域が対合して一本鎖FV(scFV)として既知の一価の分子を形成する単一タンパク質鎖として作製されることを可能にする剛性リンカーによって、組換え方法を使用して結合され得る。例えば、Bird,et al.(1988)Science 242:423-426、Huston,et al.(1988)Proc Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883、およびOsbourn,et al.(1998)Nat.Biotechnol.16:778を参照されたい。一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されることが意図される。完全なIgG分子または他のアイソタイプをコードする発現ベクターを生成するために、特定のscFvの任意のVおよびV配列が、ヒト免疫グロブリン定常領域cDNAまたはゲノム配列に結合され得る。VおよびVは、タンパク質化学または組換えDNA技術のいずれかを使用して、免疫グロブリンのFab、Fv、または他のフラグメントの生成にも使用され得る。ダイアボディなどの一本鎖抗体の他の形態も包含される。ダイアボディは、VおよびVドメインが単一ポリペプチド鎖上に発現するが、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それにより、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合させて、2つの抗原結合部位を作る、二価の二重特異性抗体である。例えば、Holliger,et al.(1993)Proc Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448、Poljak,et al.(1994)Structure 2:1121-1123を参照されたい。さらに、抗体またはその抗原結合部分(抗原結合フラグメント、抗体フラグメント、抗体部分)は、抗体または抗体部分と1つ以上の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合的または非共有結合的会合によって形成される、より大きい免疫接着分子の一部であり得る。免疫接着分子の例には、四量体scFv分子を作るためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,et al.(1995)Hum.Antibodies Hybridomas 6:93-101)、ならびに二価のビオチン化scFv分子を作るためのシステイン残基、マーカーペプチド、およびC-末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047-1058)が含まれる。FabおよびF(ab′)2フラグメントなどの抗体部分は、全抗体のパパインまたはペプシン消化のそれぞれなどの従来の技術を使用して、全抗体から調製され得る。さらに、抗体、抗体部分、および免疫接着分子は、本明細書に記載されるように、標準的な組換えDNA技術を使用して得ることができる。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、異種、同種異系、同系、またはそれらの修飾形態、例えば、ヒト化、キメラ、二重特異性、または多重特異性抗体であり得る。
【0375】
本明細書で使用される場合、「抗体重鎖」は、それらの天然に存在する配座で全ての抗体分子中に存在する2つのタイプのポリペプチド鎖のより大きい方を指す。
【0376】
本明細書で使用される場合、「抗体軽鎖」は、それらの天然に存在する配座で全ての抗体分子中に存在する2つのタイプのポリペプチド鎖のより小さい方を指す。カッパおよびラムダ軽鎖は、2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。本明細書で使用される場合、「合成抗体」という用語は、例えば、本明細書に記載されるバクテリオファージによって発現する抗体などの、組換えDNA技術を使用して生成される抗体を意味する。この用語はまた、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成され、そのDNA分子が抗体タンパク質を発現する抗体、または抗体を特定するアミノ酸配列を意味すると解釈されるべきであり、ここで、DNAまたはアミノ酸配列は、入手可能であり、かつ当該技術分野において周知の合成DNAまたはアミノ酸配列技術を使用して得られている。
【0377】
「抗原」または「Ag」という用語は、免疫応答を誘発する分子、例えば、(体液性)自己免疫の場合は自己抗原、または移植の場合は同種抗原、またはアレルギー状態の場合はアレルゲンを指す。この免疫応答は、抗体産生、もしくは特定の免疫学的に適格な細胞の活性化、またはその両方を伴い得る。当業者は、実質的に全てのタンパク質またはペプチドを含む任意の巨大分子が抗原として役立ち得ることを理解するであろう。さらに、抗原は、組換えまたはゲノムDNAに由来し得る。当業者は、免疫応答を誘発するタンパク質をコードするヌクレオチド配列または部分ヌクレオチド配列を含む任意のDNAが、したがって、その用語が本明細書で使用される場合の「抗原」をコードすることを理解するであろう。さらに、当業者は、抗原が遺伝子の完全長ヌクレオチド配列によってのみコードされる必要がないことを理解するであろう。本発明が、2つ以上の遺伝子の部分ヌクレオチド配列の使用を含むが、これに限定されないこと、およびこれらのヌクレオチド配列が、所望の免疫応答を誘発するポリペプチドをコードするために様々な組み合わせで配置されることは容易に明らかである。さらに、当業者は、抗原が「遺伝子」によってコードされる必要が全くないことを理解するであろう。抗原が、生成され得る、合成され得る、もしくは生体試料に由来し得るか、またはポリペプチド以外の巨大分子であり得ることは容易に明らかである。そのような生体試料としては、組織試料、腫瘍試料、細胞、または他の生体構成成分を含む流体が挙げられ得るが、これらに限定されない。一態様では、抗原は、MCT1である。
【0378】
本明細書で使用される場合、「自己免疫」または「自己免疫疾患もしくは状態」は、個体自体の組織またはその共分離体もしくは発現から生じ、かつそれらに向けられた疾患または障害、あるいはそれから生じる状態を広く指し、かつそれらを含む。ここで、自己免疫状態には、炎症またはアレルギー状態、例えば、関節リウマチなどの組織破壊に関連する可能性のある自己抗原に対する宿主免疫反応を特徴とする慢性疾患が含まれる。
【0379】
「自家」という用語は、後に再導入される同じ個体に由来する任意の材料を指す。
【0380】
「AZ3965」は、本明細書において、同じ結合親和性、PK、およびMCT1/2選択性を有するAZ3965およびその類似体を集合的に指すために使用される。(参考文献50)
【0381】
「結合する」という用語は、分子が互いにごく近接している安定した会合をもたらす2つの分子間の魅力的な相互作用を指す。分子結合の結果は時に、分子複合体が形成であり、ここで、構成成分を一緒に保持する引力は概して、非共有結合であり、したがって通常は、共有結合よりもエネルギー的に弱い。
【0382】
本明細書で使用される場合、「癌」は、悪性増殖または腫瘍(例えば、調節されていない細胞成長)を引き起こす異常で制御されていない細胞分裂を特徴とする、任意の腫瘍性疾患(侵襲性か転移性かにかかわらず)を広く指す。本明細書で使用される場合、「癌」または「癌性」という用語は、悪性増殖または腫瘍を引き起こす異常で制御されていない細胞分裂を特徴とする、任意の腫瘍性疾患(侵襲性か、非侵襲性か、転移性かにかかわらず)を包含すると理解されるべきであり、これらの非限定的には例は、本明細書に記載されている。これには、典型的には調整されていない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における任意の生理学的状態が含まれる。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのような癌のより具体的な例としては、扁平上皮癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌を含む)、腹膜癌、肝細胞癌、胃癌(gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)(胃腸癌を含む)、膵臓癌、膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌(hepatoma)、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌または腎癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌(hepatic carcinoma)、および様々なタイプの頭頸部癌、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非分割細胞NHL;巨大病変NHL;マントル細胞リンパ腫;エイズ関連リンパ腫;およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症);慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;多発性骨髄腫、および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)が挙げられる。本発明による治療に適した他の癌としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ系悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の治療に適した癌性状態には、MCT1を発現する癌が含まれる。
【0383】
本明細書で使用される場合、「相補性決定領域」、「超可変領域」、または「CDR」は、抗体の軽鎖または重鎖の可変領域に見られる超可変領域または相補性決定領域(CDR)の1つ以上を広く指す。Kabat,et al.(1987)Sequences of Proteins of Immunological Interest National Institutes of Health,Bethesda,Md.を参照されたい。これらの表現には、Kabat,et al.(1983)Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.of Health and Human Servicesによって定義される超可変領域、または抗体の3次元構造の超可変ループが含まれる。Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901-917。各鎖のCDRは、フレームワーク領域によってごく近接して保持され、他の鎖からのCDRと共に、抗原結合部位の形成に寄与する。CDR内には、選択性決定領域(SDR)として説明されている選択されたアミノ酸があり、これは、抗体-抗原相互作用においてCDRによって使用される重要な接触残基を表す。(Kashmiri Methods 36:25-34(2005))。
【0384】
抗体に関して本明細書で使用される場合、「競合する」という用語は、第1の抗体またはその抗原結合フラグメント(または部分)が、第2の抗体またはその抗原結合フラグメントの結合に十分類似した方法でエピトープに結合し、これにより第1の抗体のその同族エピトープとの結合の結果が、第2の抗体の非存在下での第1の抗体の結合と比較して、第2の抗体の存在下で検出可能に減少することを意味する。第2の抗体のそのエピトープへの結合も第1の抗体の存在下で検出可能に減少する代替手段が当てはまる可能性があるが、そうである必要はない。つまり、第2の抗体が、第1の抗体のそのそれぞれのエピトープへの結合を阻害することなく、第1の抗体が、第2の抗体のそのエピトープへの結合を阻害することができる。しかしながら、同じ程度か、より大きい程度か、より小さい程度かにかかわらず、各抗体が他の抗体とその同族のエピトープまたはリガンドとの結合を検出可能に阻害する場合、抗体は、それらのそれぞれのエピトープ(複数可)の結合について互いに「交差競合」すると言われている。競合抗体および交差競合抗体の両方が本発明に包含される。そのような競合または交差競合が起こる機構(例えば、立体障害、配座変化、または共通のエピトープもしくはその一部分への結合)にかかわらず、当業者は、本明細書に提供される教示に基づいて、そのような競合および/または交差競合抗体が包含され、本明細書に開示される方法に有用であり得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、MCT1への結合に関してMCT1 Ab1と競合または交差競合し得る。
【0385】
「超可変領域」または「HVR」と同義の「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非隣接配列を指すことが当該技術分野において既知である。一般に、各重鎖可変領域内に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、および各軽鎖可変領域内に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが当該技術分野において既知である。一般に、各完全長重鎖可変領域内に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)、ならびに各完全長軽鎖可変領域内に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)が存在する。
【0386】
「サイトカイン」という用語は、細胞シグナル伝達に関与する幅広いカテゴリーの小タンパク質を指す。概して、それらの放出は、それらの周囲の細胞の挙動に何らかの影響を及ぼす。サイトカインは、免疫調節薬として自己分泌シグナル伝達、傍分泌シグナル伝達、および/または内分泌シグナル伝達に関与し得る。サイトカインとしては、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、および腫瘍壊死因子が挙げられる。サイトカインは、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、およびマスト細胞を含む免疫細胞、ならびに内皮細胞、線維芽細胞、および様々な間質細胞を含む、幅広い細胞によって産生される。「ケモカイン」は、走化性の媒介に一般に関与するサイトカインのファミリーである。
【0387】
「MCT1の発現に関連する疾患」という語句には、MCT1の発現に関連する疾患、または例えば、狼瘡などの自己免疫疾患を含むMCT1を発現する細胞に関連する状態、またはMCT1を発現する細胞に関連する癌性もしくは非癌性の兆候が含まれるが、これらに限定されない。
【0388】
本明細書で使用される場合、「EC50」という用語は、アッセイにおいてその最大応答または効果の50%をもたらす、試験化合物、例えば、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの用量を指す。
【0389】
「有効量」または「治療に有効な量」は、個体の疾患、状態、または障害を予防または治療するのに十分である用量を指す。治療的または予防的使用に有効な量は、例えば、治療されている疾患または障害の段階および重症度、患者の年齢、体重、および一般的な健康状態、ならびに処方する医師の判断に依存する。用量のサイズはまた、選択された活性物質、投与方法、投与のタイミングおよび頻度、特定の活性物質の投与に付随して起こり得る任意の有害な副作用の存在、性質、および程度、ならびに所望の生理学的効果によって決定される。様々な疾患または障害が、おそらく各投与回または様々な投与回で本発明の抗体を使用して、複数回の投与を伴う長期治療を必要とする可能性があることが、当業者によって理解されるであろう。
【0390】
「エピトープ」または「結合部位」は、抗原結合ペプチド(抗体など)が特異的に結合する抗原上の範囲または領域である。タンパク質エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成成分とも呼ばれる)、および結合に直接関与しない他のアミノ酸残基、例えば、特異的抗原結合ペプチドによって効果的に遮断されるアミノ酸残基(換言すれば、アミノ酸残基は特異的抗原結合ペプチドの「フットプリント」内にある)を含み得る。本明細書におけるエピトープという用語は、抗MCT1抗体に特異的に結合するMCT1の任意の特定の領域における両方のタイプのアミノ酸結合部位を含む。MCT1は、多くの異なるエピトープを含むことができ、これには、(1)線状ペプチド抗原決定基、(2)成熟MCT1配座において互いに近接して位置する1つ以上の非隣接アミノ酸からなる配座抗原決定基、および(3)炭水化物基などの、MCT1タンパク質に共有結合的に付着した分子構造から、全体もしくは一部のいずれかとしてなる翻訳後抗原決定基が含まれ得るが、これらに限定されない。特に、「エピトープ」という用語は、タンパク質またはペプチド、例えば、MCT1中の特定の残基を含み、これらは、アラニンスキャニング技術などの既知の認められた方法によって決定されるように、そのようなタンパク質またはペプチド中の結合に関与する。そのような方法は、本明細書で例示されている。
【0391】
本明細書における「発現ベクター」は、標的宿主細胞、例えば、細菌、昆虫、酵母、植物、両生類、爬虫類、トリ、または哺乳動物細胞、最も典型的には、酵母または哺乳動物細胞、例えば、CHO細胞内での外来タンパク質の発現のための操作を容易にする要素を含むDNAベクターを指す。好都合なことに、形質転換のための配列の操作およびDNAの産生は、最初に細菌宿主、例えば、大腸菌で実施され、通常、ベクターは、細菌の複製起点および適切な細菌選択マーカーを含む、そのような操作を容易にする配列を含む。選択マーカーは、選択培養培地で成長した形質転換宿主細胞の生存または成長に必要なタンパク質をコードする。選択遺伝子を含むベクターで形質転換されていない宿主細胞は、培養培地中で生存しない。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素に対する耐性を付与する、(b)栄養素要求性欠陥を補完する、または(c)複合培地から入手不可能な重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。酵母の形質転換のための例示的なベクターおよび方法は、例えば、Burke,D.,Dawson,D.,&Stearns,T.,Methods in yeast genetics:a Cold Spring Harbor Laboratory course manual,Plainview,NY:Cold Spring Harbor Laboratory Press(2000)に記載されている。本発明の方法で使用するための発現ベクターは、形質転換された宿主株を同定するための選択可能な栄養要求性マーカーまたは薬物マーカーを含む、酵母または哺乳動物特異的配列を含み得る。酵母宿主細胞におけるベクターのコピー数を増幅するために、薬物マーカーがさらに使用され得る。
【0392】
「発現する」および「産生する」という用語は、本明細書では同義語として使用され、遺伝子産物の生合成を指す。これらの用語は、遺伝子のRNAへの転写を包含する。これらの用語はまた、RNAの1つ以上のポリペプチドへの翻訳を包含し、さらに全ての天然に生じる転写後および翻訳後修飾を包含する。抗体または抗原結合フラグメントの発現/産生は、細胞の細胞質内、および/または細胞培養の増殖培地などの細胞外環境内であり得る。
【0393】
「Fc受容体」および「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体に結合するもの(ガンマ受容体)であり、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライス形態を含む、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスの受容体を含む。FcγRII受容体には、主にその細胞質ドメインが異なる類似のアミノ酸配列を有するFcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)が含まれる。FcRは、Ravetch and Kinet,Ann.Rev.Immunol.,9:457-92(1991)、Capel et al.,Immunomethods,4:25-34(1994)、およびde Haas et al,J.Lab.Clin.Med.,126:330-41(1995)で考察されている。「FcR」にはまた、母体IgGの胎児への移行に寄与し(Guyer et al,J.Immunol.,117:587(1976)、およびKim et al.,J.Immunol.,24:249(1994))、かつ循環中の抗体の半減期を調節および/または延長するように主に機能する、新生児受容体FcRnも含まれる。開示された抗MCT1抗体が非グリコシル化される限り、発現系および/または配列の結果として、主題の抗体は、FcRn受容体に結合するが、Fcγ受容体には結合しない(または最小限に結合する)ことが予想される。
【0394】
「Fc領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。「Fc領域」は、天然配列Fc領域または変異体Fc領域であり得る。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、Cys226の位置のアミノ酸残基から、またはPro230からそのカルボキシル末端まで伸びると定義されている。Fc領域の残基の番号付けは、Kabatと同様にEUインデックスの番号付けである。Kabat et al,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th edition,Bethesda,MD:U.S.Dept.of Health and Human Services,Public Health Service,National Institutes of Health(1991)。免疫グロブリンのFc領域は概して、2つの定常ドメイン、CH2およびCH3を含む。
【0395】
「フレームワーク領域」または「FR」という表現は、抗体の軽鎖および重鎖の可変領域内のフレームワーク領域の1つ以上を指す(Kabat et al,Sequences of Proteins of Immunological Interest,4th edition,Bethesda,MD:U.S.Dept.of Health and Human Services,Public Health Service,National Institutes of Health(1987)を参照)。これらの表現は、抗体の軽鎖および重鎖の可変領域内のCDR間に挿入されたアミノ酸配列領域を含む。
【0396】
「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を有する。例示的な「エフェクター機能」には、C1q結合;補体依存性細胞傷害(「CDC」);Fc受容体結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害(「ADCC」);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体(「BCR」))の下方制御などが含まれる。そのようなエフェクター機能は概して、Fc領域を結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わせる必要があり、そのような抗体エフェクター機能を評価するための当該技術分野において既知の様々なアッセイを使用して評価され得る。「天然配列Fc領域」は、自然に見られるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。「変異体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のものとは異なるが、それでもなお天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保持するアミノ酸配列を含む。好ましくは、変異体Fc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、天然配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域において、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、約1~約10のアミノ酸置換、および例えば、約1~約5のアミノ酸置換を有する。本明細書の変異体Fc領域は、例えば、天然配列Fc領域および/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の配列同一性、ほとんどは、例えば、それと少なくとも約90%の配列同一性、さらには、例えば、それと少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する。
【0397】
本明細書で使用される場合、「移植片対宿主病」(GVHD)は、同種異系骨髄移植または造血幹細胞移植の一般的な合併症を指し、移植された骨髄における機能的免疫細胞は、レシピエントを「外来」として認識し、宿主組織に対する免疫応答をもたらす。1959Billingham Criteriaによると、GVHDが生じるためには、3つの基準を満たす必要がある:1)生存可能で機能的な免疫細胞での免疫適格移植片の投与、2)レシピエントは免疫学的に組織不適合性である、3)レシピエントは免疫不全であり、したがって移植された細胞を破壊または不活性化することができない。臨床的に、移植片対宿主病は、急性型および慢性型に分けられる。急性型または劇症型の疾患(aGVHD)は通常、移植後最初の100日以内に観察され、関連する罹患率および死亡率のため、移植の有効性に対する主要な課題である。慢性型の移植片対宿主病(cGVHD)は通常、100日後に生じる。中等度から重度のcGVHDの出現は、長期生存に悪影響を及ぼす。骨髄移植後、汚染物質として、または意図的に宿主に導入され、移植片中に存在するT細胞は、宿主組織を抗原的に外来として認識した後、移植レシピエントの組織を攻撃する。T細胞は、TNFαおよびインターフェロン-ガンマ(IFNγ)を含む、過剰なサイトカインを産生する。幅広い宿主抗原、特にヒト白血球抗原(HLA)が、移植片対宿主病を引き起こす可能性がある。しかしながら、移植片対宿主病は、HLAと同一の兄弟がドナーである場合でさえ生じる可能性がある。古典的には、急性移植片対宿主病は、肝臓、皮膚、および粘膜、ならびに胃腸管への選択的損傷を特徴とする。追加の研究は、その移植片対宿主病が免疫系(骨髄および胸腺など)自体を含む臓器、ならびに特発性肺炎の形態の肺を標的とすることを示している。慢性移植片対宿主病も上記の臓器を攻撃するが、その長期にわたる経過により、結合組織および外分泌腺への損傷も引き起こす可能性がある。
【0398】
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」は、本発明の組換え発現ベクターなどの本発明の核酸分子が導入された細胞を広く指す。宿主細胞は、原核細胞(例えば、大腸菌)、または酵母、昆虫(例えば、SF9)、両生類などの真核細胞、またはCHO、HeLa、HEK-293などの哺乳動物細胞、例えば、培養細胞、外植片、およびインビボの細胞であり得る。「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書では互換的に使用される。そのような用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫も指すことを理解されたい。突然変異または環境の影響により後継世代で特定の改変が生じる可能性があるため、子孫は、実際には親細胞と同一ではない可能性があるが、それでもなお本明細書で使用される用語の範囲内に含まれる。
【0399】
本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」は、ヒトによって産生された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体、および/または当業者に既知の、もしくは本明細書に開示される、ヒト抗体を作るための技術のいずれかを使用して作られた抗体を意味する。ヒト抗体のこの定義には、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体が含まれる。そのような一例は、マウス軽鎖およびヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知の様々な技術を使用して産生され得る。一実施形態では、ヒト抗体は、ファージライブラリから選択され、そのファージライブラリは、ヒト抗体を発現する(Vaughan et al.,Nature Biotechnology,14:309-314,1996、Sheets et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)95:6157-6162,1998、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381,1991、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581,1991)。ヒト抗体はまた、内因性遺伝子座の代わりにヒト免疫グロブリン遺伝子座が遺伝子導入された動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化されたマウスの免疫化によって作製され得る。このアプローチは、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、および同第5,661,016号に記載されている。代替的に、ヒト抗体は、標的抗原に対する抗体を産生するヒトBリンパ球を不死化することによって調製されてもよい(そのようなBリンパ球は、個体から、もしくはcDNAの単一細胞クローニングから回収され得るか、またはインビトロで免疫されていてもよい)。例えば、Cole et al.Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77,1985、Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86-95,1991、および米国特許第5,750,373号を参照されたい。
【0400】
「ヒトモノクローナル抗体」は、フレームワークおよびCDR領域の両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する、単一結合特異性を示す抗体を指す。一実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合したヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマによって産生される。これには、例えば、治療薬または診断薬などのエフェクター剤に結合された、完全ヒトモノクローナル抗体およびその複合体および変異体が含まれる。
【0401】
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」は、ヒト細胞によって作られる抗体により厳密に類似するように改変された可変領域および定常領域を有する非ヒト細胞によって作られる抗体を広く含む。例えば、非ヒト抗体のアミノ酸配列を改変して、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に見られるアミノ酸を組み込むことによる。本発明のヒト化抗体は、例えばCDRにおいて、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基を含み得る(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはインビボでの体細胞突然変異によって導入された変異)。本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフト化された抗体も含む。本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語はまた、例えば、MCT1または別の標的抗原への抗体の結合を増強するために、ヒト化および親和性成熟の両方である親和性成熟抗体も含む。
【0402】
本明細書で使用される場合、「IC50」という用語は、生化学的アッセイにおいて50%の阻害をもたらす、試験化合物、例えば、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントの用量を指す。
【0403】
本明細書で互換的に使用される「炎症性障害」、「炎症状態」、および/または「炎症」は、慢性または急性の炎症性疾患を広く指し、炎症性自己免疫疾患および炎症性アレルギー状態を明示的に含む。これらの状態には、一例として、病原体、損傷した細胞、または刺激物などの有害な刺激に対する免疫応答の調節不全を特徴とする炎症性異常が含まれる。炎症性疾患は、様々なヒト疾患の根底にある。炎症過程に病因がある非免疫疾患には、癌、アテローム性動脈硬化症、および虚血性心疾患が含まれる。炎症に関連する障害の例としては、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、サルコイドーシス、血管炎、間質性膀胱炎、正補体血症性蕁麻疹様血管炎、心膜炎、筋炎、抗合成酵素症候群、マクロファージ活性化症候群、ベーチェット症候群(Behget′s Syndrome)、PAPA症候群、ブラウ症候群、痛風、成人および若年スティル病、クリオピリン関連周期熱症候群、マックル-ウェルズ症候群、家族性風邪誘発性自己炎症症候群、新生児期発症多臓器性炎症性疾患、家族性地中海熱、慢性乳児神経、皮膚、および関節症候群、全身型若年性特発性関節炎、高IgD症候群、シュニッツラー症候群、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPSP)、歯肉炎、歯周炎、肝炎、肝硬変、膵炎、心筋炎、血管炎、胃炎、痛風、痛風性関節炎、ならびに乾癬、アトピー性皮膚炎、湿疹、酒さ、蕁麻疹、および座瘡から選択される炎症性皮膚障害が挙げられる。
【0404】
本明細書で使用される場合、「阻害剤」という用語は、標的に結合し、それを生物学的に不活性にするか、または活性をより低くする化合物を指す。特定の実施形態では、化合物は、抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、化合物の阻害効果は、MCT1媒介性乳酸輸送の阻害を介して測定される。
【0405】
「単離された」生物学的構成成分(単離された抗体、または細胞、またはベクター、またはタンパク質、または核酸など)は、その環境から実質的に分離もしくは精製された構成成分、または構成成分が天然に存在する生物の細胞中の他の生物学的構成成分、例えば、他の染色体および染色体外のDNAおよびRNA、タンパク質、ならびにオルガネラなどを指す。「単離された」核酸およびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。この用語はまた、組換え技術ならびに化学合成によって調製された核酸およびタンパク質も包含する。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することができるか、または例えば、宿主細胞などの非天然環境中に存在することができる。
【0406】
本明細書で使用される場合、「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指すよう意図される(例えば、MCT1に特異的に結合する単離された抗体は、MCT1以外の抗原を特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない可能性がある。
【0407】
本明細書で使用される場合、「標識」または「検出可能な部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、または他の物理的手段によって検出可能な組成物を広く指す。
【0408】
本明細書で使用される場合、「狼瘡」は、あらゆるタイプの狼瘡を含むよう意図される。以下で考察されるループスには4つのタイプがある。本明細書で使用される場合、「狼瘡様状態」は、腎臓炎、タンパク尿の増加、および脾腫などの狼瘡に類似した症状を伴う炎症状態を含むよう意図される。「全身性エリテマトーデス」または(「SLE」)は、狼瘡の最も一般的な形態であり、軽度または重度であり得、主要な臓器系に影響を及ぼす可能性がある。これは、ほとんどの人が「狼瘡」に関連する状態である。これは、原因不明の自己免疫疾患であり、ループス腎炎と呼ばれる腎臓の炎症を引き起こす可能性があり、これは、血液から老廃物を濾過する身体の能力に影響を及ぼす可能性があるか、または重度の場合、透析もしくは腎臓移植を必要とする腎臓損傷を引き起こす可能性がある。また、SLEは、肺高血圧症と呼ばれる肺の血圧の上昇を引き起こす可能性があり、呼吸困難を引き起こす可能性がある。さらに、SLEは、神経系および脳の炎症を引き起こす可能性があり、これは、記憶障害、混乱、頭痛、および脳卒中を引き起こす可能性がある。さらに、SLEは、脳の血管に炎症を引き起こす可能性があり、これは、高熱、発作、および行動変化を引き起こす可能性がある。また、SLEは、動脈硬化または冠動脈疾患を引き起こす可能性があり、冠動脈壁上の沈着物の蓄積は、心臓発作を引き起こす可能性がある。本明細書における「皮膚狼瘡」は、皮膚にのみ影響を及ぼす狼瘡状態を指す。皮膚の慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)(円板状エリテマトーデス[DLE]とも呼ばれる)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、および腫脹性狼瘡に影響を及ぼす3つのタイプの狼瘡がある。皮膚エリテマトーデスまたは円板状エリテマトーデスは、多くのタイプの発疹および病変(痛み)を引き起こす可能性があり、最も一般的には円板状発疹と呼ばれ、隆起し、鱗状で赤くなるが、痒くはない。発疹の領域は、円板または円のように見える。皮膚狼瘡の別の一般的な例は、蝶型紅斑として既知の、頬上かつ鼻梁を横切る発疹である。他の発疹または痛みは、顔、首、もしくは頭皮上(日光もしくは蛍光灯に曝露されている皮膚の領域)、または口、鼻、もしくは膣内に現れ得る。脱毛および皮膚の色素もしくは色の変化も、皮膚狼瘡の症状である。皮膚狼瘡を有する人の約10%が全身性狼瘡を発症する。しかしながら、これらの人々はすでに全身性狼瘡を患っており、皮膚の発疹が主な症状である可能性が高い。「薬物誘発性エリテマトーデス」は、SLEを有しない人において狼瘡様症状を引き起こす可能性がある特定の薬物によって引き起こされる状態である。概して、この狼瘡は、一時的なものであり、通常、投薬を中止してから数ヶ月以内に治まる。狼瘡様症状を誘発することが既知の医薬品には、血圧の薬であるヒドララジンおよびメチルドパ、プロカインアミドと呼ばれる心臓の薬、および金属中毒の場合に使用されるD-ペニシラミンと呼ばれる薬物が含まれる。薬物誘発性狼瘡の他の原因には、ミノサイクリン(座瘡の治療に使用)、イソニアジド(結核の治療)、および抗TN F(関節リウマチの治療に使用)が含まれる。薬物誘発性狼瘡の症状は全身性狼瘡の症状に類似しており、しかしながら、SLEとは異なるが、主要な臓器に影響を及ぼすことはほとんどない。新生児狼瘡は、真の形態の狼瘡ではない。これは、狼瘡を有する女性の乳児に影響を及ぼす稀な状態であり、子宮内の胎児に作用する母親からの抗体によって引き起こされる。出生時、乳児は、皮膚の発疹、肝臓の問題、または血球数の低下を有する可能性があるが、これらの症状は概して、数ヶ月後に完全に消え、持続的な影響はない。新生児狼瘡を患っている一部の乳児はまた、深刻な心臓の欠陥を有する可能性がある。
【0409】
「MCT1」は、プロトン結合モノカルボン酸トランスポーターである。MCT1は、解糖の生成物を含む重要な代謝産物の輸送の促進に寄与するマルチパス膜貫通タンパク質である。これは、乳酸、ピルビン酸、ロイシン、バリン、およびイソロイシン由来の分岐鎖オキソ酸、ならびにケトン体アセトアセテート、ベータ-ヒドロキシブチレート、および酢酸など、多くのモノカルボン酸の細胞膜を横切る急速な輸送を触媒する。組織および状況に応じて、MCT1は、乳酸およびケトン体の内外への輸送を媒介する。MCT1は、溶質チャネルタンパク質(SLC)として既知の表面膜タンパク質の最大のファミリーの1つのメンバーであり、その機能は、重要な細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン、および脂質の膜にわたる輸送を伴う。MCT1は、トランスポーターのSLC16ファミリーに属し、そのうちの5つは、ピルビン酸、乳酸、およびケトンなどのモノカルボン酸を、促進されたpH依存性および両方向性の方式で輸送することが示されている。MCT1はまた、次の名前のいずれかで呼ばれ得る:モノカルボン酸トランスポーター1、SLC16A1、HHF7、MCT、MCT1、MCT1D、溶質キャリアファミリー16メンバー1。ヒトにおいて、これは、SLC16A1遺伝子によってコードされる。
【0410】
「MCT2」は、プロトン結合モノカルボン酸トランスポーターである。これは、乳酸、ピルビン酸、ロイシン、バリン、およびイソロイシン由来の分岐鎖オキソ酸、ならびにケトン体アセトアセテート、ベータ-ヒドロキシブチレート、および酢酸など、多くのモノカルボン酸の原形質膜を横切る急速な輸送を触媒する。これはまた、高親和性ピルビン酸トランスポーターとしても機能する。MCT2はまた、次の名前のいずれかで呼ばれ得る:モノカルボン酸トランスポーター2、SLC16A7、MCT2、溶質キャリアファミリー16メンバー7。ヒトにおいて、これは、SLC16A7遺伝子によってコードされる。
【0411】
「MCT3」は、プロトン結合モノカルボン酸トランスポーターである。これは、乳酸、ピルビン酸、ロイシン、バリン、およびイソロイシン由来の分岐鎖オキソ酸、ならびにケトン体アセトアセテート、ベータ-ヒドロキシブチレート、および酢酸など、多くのモノカルボン酸の原形質膜を横切る急速な輸送を触媒する。これはまた、高親和性ピルビン酸トランスポーターとしても機能する。MCT3の発現は、網膜色素上皮および脈絡叢上皮に限定されており、頂端膜上に見られるMCT1とは対照的に、基底膜に位置している。MCT3はまた、次の名前のいずれかで呼ばれ得る:モノカルボン酸トランスポーター3、SLC16A8、MCT3、REMP、溶質キャリアファミリー16メンバー8。ヒトにおいて、これは、SLC16A8遺伝子によってコードされる。
【0412】
「MCT4」は、プロトン結合モノカルボン酸トランスポーターである。MCT4はまた、次の名前のいずれかで呼ばれ得る:モノカルボン酸トランスポーター4、SLC16A3、MCT 3、MCT 4、MCT-3、MCT-4、MCT3、MCT4、溶質キャリアファミリー16メンバー3。ヒトにおいて、これは、SLC16A3遺伝子によってコードされる。
【0413】
「多重特異性抗体」または「多重特異性抗原結合タンパク質」は、2つ以上の抗原結合領域を有するポリペプチドまたは抗体を指す。これには、二重特異性抗体が含まれる。これらの抗原結合領域は、異なる抗原または同じ抗原の異なるエピトープに結合し得る。
【0414】
「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、直鎖もしくは分岐鎖、一本鎖もしくは二本鎖、またはそれらのハイブリッドであるRNAまたはDNAを指す。この用語はまた、RNA/DNAハイブリッドも包含する。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子フラグメント、エクソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体などの修飾ヌクレオチド、ウラシル、他の糖、およびフルオロリボースおよびチオレートなどの連結基、ならびにヌクレオチド分岐を含み得る。ヌクレオチドの配列は、標識化構成成分とのコンジュゲーションなどによって重合後にさらに修飾され得る。この定義に含まれる他のタイプの修飾は、キャップ、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の類似体での置換、およびポリヌクレオチドをタンパク質、金属イオン、標識化構成成分、他のポリヌクレオチド、または固体支持体に付着させるための手段の導入である。ポリヌクレオチドは、化学合成によって得ることができるか、または微生物に由来し得る。「遺伝子」という用語は、生物学的機能に関連するポリヌクレオチドの任意のセグメントを指すために広く使用される。したがって、遺伝子には、ゲノム配列におけるようなイントロンおよびエクソン、またはcDNAにおけるようなコード配列のみ、および/またはそれらの発現に必要な調節配列が含まれる。例えば、遺伝子はまた、mRNAもしくは機能的RNAを発現するか、または特定のタンパク質をコードし、かつ調節配列を含む、核酸フラグメントも指す。
【0415】
核酸は、別の核酸配列と機能的な関係に置かれると「作動可能に結合」される。例えば、シグナル配列のDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現する場合、ポリペプチドのDNAに作動可能に結合されており、プロモーターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に結合されている。概して、「作動可能に結合された」とは、結合されているDNA配列が隣接しており、分泌リーダーの場合は隣接しており、かつリーディングフレーム内にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、隣接している必要はない。結合は、好都合な制限部位でのライゲーションによって、あるいは当業者によく知られているPCR/組換え法(GATEWAY11 Technology;Invitrogen,Carlsbad California)を介して達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが従来の慣行に従って使用される。
【0416】
「薬学的に許容される担体」または「賦形剤」とは、製剤化中の医薬組成物において、かつ/または貯蔵を可能にするために従来から使用されている化合物または材料を指す。
【0417】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、互換的に使用され、修飾(例えば、リン酸化またはグリコシル化)にかかわらず、任意の長さのアミノ酸残基のポリマーを広く指す。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の類似体または模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。ポリペプチドは、例えば、糖タンパク質を形成するための炭水化物残基の付加によって修飾され得る。「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、糖タンパク質、ならびに非糖タンパク質を明示的に含む。
【0418】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、ポリヌクレオチド配列の特異的転写を開始するのに必要な、細胞の合成機構、または導入された合成機構によって認識されるDNA配列として定義される。
【0419】
本明細書で使用される場合、「予防有効量」は、疾患の予防または疾患の再発の防止のために患者に投与された場合、疾患または再発のそのような予防をもたらすのに十分である化合物の量を広く指す。予防有効量は、兆候および/または症状の発生を予防するのに有効な量であり得る。「予防有効量」は、疾患およびその重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重、病歴、状態に対する素因、既存の状態に応じて異なり得る。
【0420】
本明細書で使用される場合、「組換え」は、産物、例えば、細胞、または核酸、タンパク質、もしくはベクターを広く指し、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが、異種核酸の導入、または天然核酸もしくはタンパク質の改変によって修飾されていること、あるいは細胞が、そのように修飾された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)形態内に見られない遺伝子を発現するか、またはそうでなければ異常発現するか、低発現するか、もしくは全く発現しない天然遺伝子を発現する。
【0421】
本明細書で使用される場合、「組換えヒト抗体」という用語は、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子またはそれから調製されたハイブリドーマ(以下にさらに記載)に対してトランスジェニックまたはトランス染色体である動物(例えば、マウス)から単離された抗体、(b)ヒト抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体、(c)組換えのコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体、および(d)他のDNA配列へのヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを含む任意の他の手段によって調製、発現、作成、または単離された抗体など、組換え手段によって調製、発現、作成、または単離される全てのヒト抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、フレームワークおよびCDR領域がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する。しかしながら、特定の実施形態では、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列にトランスジェニックな動物が使用される場合、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され得、したがって、組換え抗体のVおよびV領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VおよびV配列に由来し、かつそれらに関連しているが、インビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在しなくてもよい配列である。
【0422】
本明細書における「選択可能マーカー」は、例えば、形質転換事象を通して、その遺伝子を受容する細胞に成長表現型(物理的成長特性)を付与する遺伝子または遺伝子フラグメントを指す。選択可能マーカーは、その選択可能マーカー遺伝子を受容しない細胞が成長することができない条件下で、選択成長培地においてその細胞が生存および成長することを可能にする。選択可能マーカー遺伝子は概して、いくつかのタイプに分類され、例えば、細胞に抗生物質または他の薬物への耐性、2つの温度感受性(「ts」)変異体が交雑されるとき、またはts変異体が形質転換されるときに温度への耐性を付与する遺伝子などのポジティブ選択可能マーカー遺伝子;生合成遺伝子であって、その生合成遺伝子を有しない全ての細胞に必要とされる特定の栄養素を欠く培地で成長する能力を細胞に付与する生合成遺伝子、または野生型遺伝子を有しない細胞によって、細胞を成長不可能にする突然変異生合成遺伝子などのネガティブ選択マーカー遺伝子などを含む。好適なマーカーとしては、ZEO、G418、LYS3、MET1、MET3a、ADE1、ADE3、URA3などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0423】
本明細書における療法または診断の文脈における「対象」または「患者」または「個体」は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などの哺乳動物および非哺乳動物を含み、すなわち、本発明に従って治療されるのに適したいかなるものとしては、トリおよび哺乳動物対象が挙げられるが、これらに限定されず、例えば、哺乳動物である。本発明に従って治療されることを必要としている任意の哺乳動物対象が、好適である。両方の性別および任意の発達段階(すなわち、新生児、乳児、若年者、青年期、および成人)のヒト対象は、本発明に従って治療され得る。本発明はまた、動物対象、特にマウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、およびウマなどの哺乳動物対象に対して、獣医学的目的、ならびに薬物スクリーニングおよび薬物開発目的で実施され得る。「対象」は、「固体」および「患者」と互換的に使用される。
【0424】
抗体(例えば、第1の抗体)が別の抗体(例えば、第2の抗体)と同じエピトープに「実質的に」または「少なくとも部分的に」結合するという語句は、第1の抗体のエピトープ結合部位が、第2の次抗体のエピトープ結合部位を構成する抗原上のアミノ酸残基の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上を含むことを意味する。また、第1の抗体が第2の抗体と実質的にまたは部分的に同じまたは重複するエピトープに結合することは、上記のように、第1および第2の抗体が抗原への結合において競合することを意味する。したがって、モノクローナル抗体「と実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する」という用語は、抗体がその抗体と「競合する」ことを意味する。対象となる抗体「と同じまたは重複するエピトープまたは決定基に結合する」という語句は、抗体が対象となる前述の抗体と、対象となる前述の抗体が特異的に結合するMCT1上の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、)または全ての残基に関して「競合する」ことを意味する。本明細書に記載されるモノクローナル抗体と実質的または本質的に同じエピトープに結合する1つ以上の抗体の同定は、アラニンスキャニングを使用して容易に決定され得る。加えて、抗体競合が評価され得る様々な免疫学的スクリーニングアッセイのいずれか1つ。多くのそのようなアッセイが日常的に実施されており、当該技術分野において周知である(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、1997年8月26日に発行された米国特許第5,660,827号を参照)。本明細書に記載される抗体が結合するエピトープを実際に決定することは、本明細書に記載されるモノクローナル抗体と同じ、または実質的に同じ、または重複するエピトープに結合する抗体を同定するために決して必要ではないことが理解される。
【0425】
「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外因性核酸でトランスフェクト、形質転換、または形質導入された細胞である。細胞は、一次対象細胞およびその子孫を含む。
【0426】
本明細書で使用される場合、「療法」、「治療の」、「治療する」、または「治療」は、疾患を治療すること、疾患もしくはその臨床症状の進行を阻止もしくは低減すること、および/または疾患を緩和して、疾患もしくはその臨床症状の後退を引き起こすことを広く指す。療法は、疾患、兆候、および/または疾患の症状の予防、治療(treatment)、治療(remedy)、低減、緩和、および/またはそれらからの軽減の提供を包含する。療法は、疾患の兆候および/または症状(例えば、炎症、疼痛)が進行している患者における兆候および/または症状の緩和を包含する。療法はまた、「予防」も包含する。療法を目的とした「低減した」という用語は、兆候および/または症状の臨床的に有意な低減を広く指す。療法には、再発、または再発性の兆候および/もしくは症状(例えば、炎症、疼痛)の治療が含まれる。療法は、いつでも兆候および/または症状の発現を妨げること、ならびに既存の兆候および/または症状を低減し、既存の兆候および/または症状を排除することを包含するが、これらに限定されない。療法には、慢性疾患(「維持」)および急性疾患の治療が含まれる。例えば、治療は、兆候および/または症状(例えば、炎症、疼痛)の再発(relapse)または再発(recurrence)の治療または予防を含む。
【0427】
本明細書で使用される場合、「Treg細胞」(サプレッサーT細胞または誘導性Treg細胞またはiTregとも呼ばれる場合がある)は、免疫系を調節し、自己抗原に対する耐性を維持し、自己免疫疾患を阻止することができるT細胞の亜集団を指す。Foxp3 CD4CD25制御性T細胞(Treg)は、正常な条件下で末梢性耐性を維持する上で重要である。
【0428】
本明細書における「Tr1細胞」という用語は、制御性T細胞の特定のタイプまたは集団、すなわち、一般に、それらのCD49bおよびLAG-3の発現に基づいて科学文献で特徴付けられる、高レベルのIL-10を発現するCD4 Foxp3細胞を含む1型制御性T細胞(Tr1)を指す。これらの細胞は、IL-4およびIL-17の非存在下で、IL-10、TGF-β、およびグランザイム(Gz)Bを分泌するそれらの能力によってさらに特徴付けられる。報告によると、Tr1細胞が免疫応答を制御する主な機構は、IL-10およびTGF-βの分泌、ならびにGzBを介した骨髄細胞の死滅を含む。Tr1細胞は、HLA不一致胎児肝臓造血幹細胞移植後に耐性が生じた患者の末梢血で最初に観察され、いくつかの免疫媒介性疾患において炎症性およびエフェクターT細胞応答を調節すると報告されている。これらの細胞は、1型糖尿病および多発性硬化症などの自己免疫状態の患者の治療における細胞療法での潜在的な臨床使用の評価につながったAg特異的な方法において、インビトロで生成および増殖され得る。
【0429】
本明細書で使用される場合、「可変領域」または「VR」は、抗体の抗原への結合に直接関与する抗体の軽鎖および重鎖の各対内のドメインを広く指す。各重鎖は、一端に可変ドメイン(V)を有し、その後に多くの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V)、およびそのもう一端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列し、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列する。
【0430】
「ベクター」は、プラスミド、ファージ、コスミド、またはウイルスなどのレプリコンであり、核酸セグメントは、セグメントの複製または発現をもたらすように作動可能に挿入され得る。ベクターは、調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー)、選択マーカー、およびポリアデニル化シグナルなどであるが、これらに限定されない1つ以上の追加の配列を含み得る。多種多様な宿主細胞を形質転換するためのベクターは、当業者に周知である。それらには、プラスミド、ファージミド、コスミド、バキュロウイルス、バクミド、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、ならびに他の細菌、酵母、およびウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載のベクターは、宿主ゲノムに組み込まれ得るか、または細胞もしくは核において独立して維持され得る。
【0431】
「異種」という用語は、異なる種の動物に由来する移植片を指す。
【0432】
本発明を説明してきたが、以下の実施例は、本発明およびその固有の利点をさらに実証するために提供される。以下の実施例は、特許請求された本発明を説明するために提供され、これを限定するものではない。
【実施例0433】
実施例1:T細胞上のMCTの差次的発現
材料および方法
市販されているSM化合物AZ3965(MedChem Express,NJ)およびその関連類似体を使用して、免疫細胞におけるMCT1経路の固有の生物学を明らかにすることを促した。明確にするために、同じ結合親和性、PK、およびMCT1/2選択性を有するAZ396およびその類似体を集合的に「AZ3965」と称する。
【0434】
MCT1、MCT2、MCT4、およびBSG(CD147)発現を、2つの異なるドナーからの非刺激および刺激白血球で測定した。「刺激」状態では、細胞をCD3/CD28で3日間活性化した。刺激細胞を、AZ3965による増殖の阻害について試験した。
【0435】
結果
MCT1は、解糖の産物を含む代謝産物の移動を促進し、これは、活性化T/B細胞においてより重要である(図1)。2つのドナーのMCT1、MCT2、MCT4、およびBSG(CD147)の発現レベルが図2に示され、活性化T細胞がMCT1(図13Bも)を上方制御するが、MCT2は上方制御せず、静止T細胞も活性化T細胞もMCT2を高レベルで発現せず、固体間で、活性化T細胞におけるMCT4の発現が異なることを実証する。AZ3965阻害アッセイ(結果は図2に示される)は、MCT4発現が高い(0.59nM)対MCT4発現が低い(0.43nM)個体におけるT細胞増殖の抑制のIC50が区別できないことを示す。これらの結果は、MCT4が、活性化T細胞における乳酸輸送に大きく寄与しないこと、およびMCT1特異的標的化が、MCT4の存在下でさえT細胞機能を阻害することを実証する。
【0436】
追加のデータは、マウスMCT4欠損T細胞が、CD3/CD28による活性化後にWT T細胞と同一であることを示す。
【0437】
実施例2:AZ3965阻害剤を使用して検証された炎症/自己免疫障害のインビトロおよびインビボでのMCT1標的化の実行可能性
インビトロ
乳酸輸送に対する効果.乳酸FLIPRアッセイを使用して、AZ3965がヒトT細胞(CD4およびCD8の両方)、B細胞リンパ腫(Daudi)、およびPBMCにおいて乳酸輸送を阻害するが、単球では阻害しないことを示した(図3)。AZ3965は、影響を受けた細胞において乳酸輸送を最大80%阻害したが、単球では輸送に影響を及ぼさず、これは、処置された固体における自然免疫応答を防御するのに重要である。
【0438】
ヒトT細胞増殖.ヒトT細胞増殖アッセイにおいて、MCT1阻害剤の投与は、0.54nMのIC50でT細胞増殖を低減した(図4)。
【0439】
ヒト混合リンパ球反応(MLR).ヒトMLRアッセイにおいて、MCT1阻害剤の投与は、1.34nMのIC50でT細胞増殖を低減した(図5)。
【0440】
T細胞サイトカイン分泌.T細胞を、インビトロで5日間、CD3/CD28で活性化した。後続のAZ3965投与は、次のサイトカイン:IFNγ、GM-CSF、TNFα、IL-10、およびIL-6の分泌を阻害した(図6)。
【0441】
活性化マーカー.CD3/CD28活性化T細胞を100nMの小分子MCT1阻害剤で4日間処置するか、または4日間未処置にした(未処置対照)。これらの条件を陰性(抗体非染色)対照と比較した。200を超えるCDマーカーを、フローサイトメトリー染色によって評価した。TCR刺激後のフローサイトメトリー染色によって観察されるように、MCT1阻害は、表面PD1およびCTLA4の発現のわずかな増加を除いて、細胞表面マーカー(例えば、CD25、CD44、CD69、CD4、CD8、LFA、クラスI/IIなど、図7A図7Jを参照)のT細胞発現を妨げない。リンパ球のAZ3965処置も、細胞生存率に影響を与えない。
【0442】
インビボ
GVHD抑制およびTreg頻度の増加.ヒトPBMCを、GVHDのマウスモデルの免疫不全NSGマウスに移入した。AZ3965投与は、JAK阻害剤CP-690550よりも優れた方法で異種GVHD中のマウス生存を延長し、休薬までGVHD罹患率を低減した(図8)。この異種GVHD実験の20日目に、制御性T(Treg)細胞であるCD4 T細胞の割合のAZ3965用量依存的な増加が、2mg/kg(2.5% Treg)~50mg/kg(10%)で観察された(図9)。このモデルでは、Tregは典型的には、一部には炎症性微小環境が原因で、リンパ球減少環境への移行後に長く生存しない(参考文献60~62)。別のGVHD実験では、AZ3965は、CFSE標識化T細胞の増殖によって測定したときにマウスGVHDを軽減した(BALB/c->C57BL/6)。
【0443】
移植片拒絶.マウス同種移植片アッセイでは、25mg/kgの化合物投与により、移植片拒絶反応が低減した(図10)。
【0444】
B細胞IgG1応答の阻害.AZ3965投与(2.5mpk/日)も、ヒツジRBCに対するIgG1応答を介して測定したときにB細胞免疫グロブリン産生を阻害した(図11A)。この投与はまた、胚中心B細胞の割合を約30%低減した(図11B)。
【0445】
尿中ケトンの増加.ヒトにおけるMCT1の喪失と一致して(参考文献49)、AZ3965が投与されたマウスは、関連するケトアシドーシスを伴わない尿中ケトンの測定可能であるが有害ではない増加を示した。
【0446】
結論
これらの研究は、狼瘡などの自己免疫疾患の治療標的化の重要な特徴である、T細胞およびB細胞の両方の応答を低減するMCT1阻害の有効性を示す。したがって、MCT1は、炎症を制御するための実行可能な薬物標的であり、阻害は、先天性免疫に対する影響は示さないが、適応免疫/体液性免疫には大きい影響を示す。
【0447】
実施例3:抗ヒトMCT1抗体の開発および結合特性化
MCT1 Ab1 mAbの選択.MCT1 Ab1は、MCT1発現およびMCT1ノックアウト(KO)細胞株を使用した、細胞ベースのげっ歯類免疫化および結合スクリーンに従って選択された、ラット抗ヒトMCT1モノクローナル抗体である。
【0448】
結合親和性およびMCT1交差反応性.結合平衡除外アッセイ(KinExA)分析は、MCT1 Ab1が6.3nMのKdでヒトMCT1に結合することを明らかにした。MCT1 Ab1はまた、カニクイザル(cyno)およびウサギMCT1と高度に交差反応性であるが、げっ歯類MCT1とは交差反応性ではない(図12A図12D)。
【0449】
結合特異性.HEK-293 WT細胞は、RT-PCRによって測定したときに、MCT1/CD147のみを発現し、他のMCTは発現しない。本発明の抗体の結合特異性を測定するために、HEK-293 MCT1/CD147ダブルKO細胞株が、陰性対照として使用され得る。さらに、このダブルKO細胞株を、個々のトランスポーター(MCT1、MCT2、MCT3、MCT4、CD147)を発現するように操作した。フローサイトメトリーを使用して、これらの操作された細胞株は、Flagタグ付きタンパク質の検出によって各タンパク質の発現を、かつ表面染色によって抗MCT1抗体の結合について測定され得る。
【0450】
活性化T細胞へのMCT1 Ab1の結合.MCT1 Ab1は、MCT1に特異的に結合し、3日目にヒトCD3/CD28活性化T細胞上の細胞表面発現の増加を確認したが(図13B)、静止未感作T細胞上では低い染色を示したか、または全く示さなかった(図13A)。この結合は、図2に示される発現データを確認し、mRNA分析に基づく予測を確認する。
【0451】
結論
MCT1 Ab1は、非常に特異的なラット抗ヒトMCT1抗体である。
【0452】
実施例4:抗MCT1抗体によるMCT1阻害のインビトロ特性化
乳酸輸送の阻害.FLIPR Tetra(登録商標)およびpH感受性色素BCECFを使用した細胞ベースの乳酸輸送アッセイ(参考文献63~65)は、MCT1 Ab1が活性化T細胞において用量依存的に乳酸輸送を遮断することができることを証明した(Kd=7.6nM)(図14)。
【0453】
ブロモピルビン酸毒性の阻害.MCT1は、抗癌毒素ブロモピルビン酸のインビトロ有効性に必要な唯一のトランスポーターであるため(参考文献66)、150μMの濃度でこの毒素を使用して、細胞のインビトロ死滅を測定するために第2の細胞ベースの機能アッセイが開発された。このアッセイでは、ATPliteを使用した細胞死からの防御によって測定したように、ブロモピルビン酸毒性の用量依存的阻害が観察された(Kd=1.2nM)(図15)。
【0454】
T細胞増殖、炎症性サイトカイン産生、および同種異系活性化の阻害.MCT1 Ab1は、CD3/CD28刺激培養物において1.3nMのEC50でT細胞増殖を阻害した(図16)。本発明の抗MCT1抗体または抗体フラグメントはまた、刺激後3日目の刺激されたT細胞において、対照と比較して、炎症性サイトカインの産生を阻害するその能力について試験され得る。CD3/CD28活性化を伴うMCT1 Ab1A、MCT1 Ab1Aは、ヒト混合リンパ球反応において同種異系活性化を50~60%阻害した(例えば、図17を参照)。
【0455】
実施例5:抗MCT1抗体投与のインビボ免疫調節効果
致命的GVHDからの防御.3週間の異種GVHD研究(ヒトPBMC->NSGマウスを使用)は、1週間に1回の薬物または対照投与および群当たりn=8マウスで実施され得る。様々な用量の抗MCT1抗体について、致命的GVHDからの防御が、試験期間MCT1 Ab1全体にわたって毎日観察され得る。絶対リンパ球数(ALC)および炎症性サイトカインによって示されるT細胞集団は、2回の用量のMCT1 Ab1抗MCT1抗体または対照を投与した後、14日目に測定され得る。血中CD4 T細胞増殖の低減および炎症性サイトカインの低減が観察される。これらのデータが低用量で高い効力を示す場合、いくつかの実施形態では、MCT1 Ab1、抗MCT1抗体、または抗体フラグメントは、自己免疫疾患の治療薬として皮下投与され得る。
【0456】
尿中ケトンの増加.ケトン尿症は、3つの実験の異種GVHD研究の4日目に測定され得、用量依存性について分析され得る。MCT1 Ab1そのような薬物誘発性のケトンの増加は、臨床研究で使用するためのオンターゲットMCT1阻害の近位にある薬力学(PD)バイオマーカーを提供し得る。
【0457】
さらに、予備的なメタボロミクス研究結果は、MCT1 Ab1で処置されたヒトT細胞における酸化代謝および生存率の増加と共に、ATPおよびNADHの生成の改善を示している。
【0458】
実施例6:抗MCT1特異性抗体を用いたヒトMCT1の標的化の安全性
MCT1は、ヒトRBC上では発現しない。MCT1 Ab1を使用して、対照条件および二次抗体のみの条件で、カニクイザルRBCおよびヒトRBC(20ドナー)を染色した。結果は、高レベルでMCT1を発現しないカニクイザルRBCとは全く対照的に、MCT1がヒトRBC上では発現しないことを明確に示している(図18A)。MCT1はまた、ウサギRBC上で発現するが、ラットまたはビーグルRBC上では発現しない(図18B)。
【0459】
MCT1 Ab1およびAZ3965は、ヒトRBC乳酸輸送に影響を及ぼさない。MCT1 Ab1およびAZ3965を使用して、10mM乳酸の存在下でFLIPRベースの輸送アッセイ(参考文献1、2)を使用して、精製されたヒトRBCにおけるMCT1乳酸輸送を阻害した。乳酸輸送のレベルを、乳酸塩なしの対照条件および乳酸の存在下での阻害剤なしの条件と比較した。結果は、ヒトRBCにおける乳酸輸送がAZ3965またはMCT1 Ab1処置によって影響を受けないことを示し(図19)、MCT1もMCT2もRBCにおける乳酸輸送に必要ではないことを確認している。
【0460】
条件付きMCT1 KOマウス系統は、MCT1阻害の限られた毒性を確認している。毒性学的懸念を評価するために、条件付きMCT1 KOマウス系統が開発された。これらのマウスを、全ての組織においてタモキシフェンを使用して両方のMCT1対立遺伝子を欠失させるように生後に誘発し、欠失から4ヶ月後に深刻な有害所見は見られなかった。精子形成前に精子細胞変性が観察されたが、精子形成のこの段階は解糖系であり(参考文献82)、実際には新しい種類の可逆性避妊薬の標的である(参考文献83、84)ため、この損失は可逆的であると見なされた。免疫学的に、マウスは、正常な造血を支持する免疫区画細胞性の変化を示さなかった。しかしながら、リンパ球増殖および活性化に対して観察されたSMおよびmAb阻害剤による影響と一致して、全ての組織においてMCT1が条件付きで欠失させたマウスは、OTII(OVA特異的トランスジェニックTCR)T細胞移入研究によって測定したときに抗原特異的免疫応答の有意な低減を示し、T細胞記憶への影響はほとんどなかった。したがって、これらの研究およびMCT1が欠損している個人(参考文献49)で発生した限られた毒性の懸念は、特定の抗MCT1 mAbが毒性を伴わないか、または限られた毒性を伴い、強力な免疫調節活性を有するという証拠を提供する。
【0461】
結論
抗MCT1 mAbを用いたヒトにおけるMCT1の標的化は、安全である。既存のデータは、優れた安全性プロファイルを強く示している。MCT1が欠損している成人ヒトは、健康であり(参考文献49、68)、MCT1が欠損している個人において明らかな免疫不全は観察されておらず、かつ成人のMCT1が欠損しているヒトはさらに、神経学的に障害がなく(参考文献49)、MCT1の喪失後にヒトの脳に影響がないことを示唆している。MCT1変異を有する個人において幅広い毒性がないことは、MCTの膨大な冗長性が原因である可能性が高い。
【0462】
加えて、我々のデータは、MCT1がヒト赤血球(RBC)上の主要な乳酸トランスポーターではなく、MCT1が欠損しているヒトがRBC機能不全を示さないことを確認している。
【0463】
実施例7:抗MCT1抗体を用いたB細胞阻害を介した狼瘡の治療
狼瘡患者における形質細胞上のMCT1の発現の大幅な増加.狼瘡患者および健康な患者からの形質細胞をMCT1 Ab1で染色し、フローサイトメトリーで測定した。図20は、健康なB細胞対狼瘡B細胞のMCT1発現の例示的なフローサイトメトリーデータを示し、罹患した細胞のMCT1発現の大幅な増加を明らかにしている。
【0464】
結論
狼瘡の病因に関与する主要な適応免疫細胞であるB細胞に関して、結果は、MCT1が狼瘡患者における形質細胞上ではるかに高度に発現することを示している(図20)。したがって、抗MCT1抗体は、エフェクター細胞代謝を標的とするだけでなく、狼瘡患者の全ての病原性リンパ球でそうする可能性がある。
【0465】
実施例8:抗MCT1抗体のヒト化および選択
ヒト化
抗MCT1抗体MCT1 Ab1は、ラット/ヒトキメラである。MCT1 Ab1のヒト化は、免疫原性試験(別名「脱免疫化」)と連携して実施される(参考文献87)。ヒト化および脱免疫化が組み合わされ、それにより機能、親和性、および特異性を維持しながら、低い免疫原性プロファイルをもたらす。T細胞エピトープの除去は、免疫原性のリスクを最小限に抑え、したがって患者が治療の全過程を受けることを可能にする。このアプローチは、結合ドメインの注意深い分析、適切なヒト配列セグメントの選択、およびインシリコツールの適用を組み合わせて、提案されたヒト化抗体配列を生成し、ヒト化抗体のパネルを産生する。3つの抗体を親和性に基づいて選択する。
【0466】
3つのmAbの評価には、EpiScreen(商標)テクノロジーを使用した免疫原性評価が含まれ、これは、20名を超える健康なボランティアドナーからの血液試料を使用した経時的な樹状細胞:T細胞共培養アッセイを使用する。陽性レスポンダーの割合として表される免疫原性を、既知の臨床免疫原性を有する様々な臨床グレードの生物製剤のデータベースに対してベンチマークする。目標は、10%未満の陽性レスポンダーである。
【0467】
対照としてのMCT1 Ab1と共に3つのmAbを全IgGフォーマットに変換する。「サイレント」FcドメインをIgG1上で選択する。ala/alaなどの既知の抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)サイレンシング変異をFcドメインに付加することは、MCT1抗炎症効果を維持しながら潜在的な毒性を低減する。これらのmAbを、各々200mgのスケールで発現および精製し、この材料を、単一のリード候補を選択するために使用する。
【0468】
親和性測定
細胞ベースのアッセイを、MCT1(他のMCTはなし)を発現するように操作されたCD147-/-HEK-293細胞と使用し、親和性を、Sapidyneの免疫センサーベースの結合平衡除外分析(KinExa)を使用して測定する。CD147は、MCT1表面発現に影響を及ぼすことが知られているため(参考文献88)、MCT1 cDNAも、CD147の有無にかかわらず、CD147-/-MCT1-/-細胞に導入して、MCT1 Ab1結合親和性に対するこのパートナータンパク質の影響を推定する。
【0469】
インビトロでの機能試験
MAbを、標準的なT細胞活性化アッセイを使用してランク付けする。CD4 T細胞を、ヒトPBMCからの陰性選択によって単離し、次いで、3つのヒト化MCT1 mAbまたはアイソタイプ対照の各々と氷上で30分間インキュベートする。T細胞および抗体を、抗CD3/CD28コーティング96ウェル平底プレート上に置き、72時間培養し、その後、Luminexによるサイトカイン産生の分析のために上清を回収する。別に、三重水素チミジン(3H)を培養物に8時間添加して、3Hの取り込みによる増殖を測定する。
【0470】
mAbを、固有のドナーを使用した3つの独立した実験で試験して、活性を確認する。各抗体を、半対数希釈(0.01→30μg/mL)で試験し、IC50値を計算して、どれが最も強力であるか(最低濃度で最高の有効性)を決定する。
【0471】
非ヒト霊長類(NHP)交差反応
カニクイザルにおける強力なT細胞増殖を促進する抗CD3クローンSP34およびCD28を使用して、関連する毒性種、カニクイザル(cyno)における機能的活性の保持をスクリーニングするために、ヒトT細胞活性化アッセイと同一のアッセイを使用する。カニクイザルからの全血をWorld Wide Primates(Florida)から得て、T細胞を陰性選択によって単離する。T細胞を抗体とインキュベートし、CD3コーティングプレート上で72時間培養する。サイトカイン産生を、非ヒト霊長類(NHP)特異的Luminexアッセイで分析し、増殖を3Hの取り込みによって測定する。IC50スコアをヒトと比較する。
【0472】
インビボでの機能テスト
異種GVHDは、照射されたマウス宿主への異種ヒトT細胞の養子移入によって媒介される全身性疾患である。MCT1 Ab1を様々な用量で試験して、T細胞増殖の減少を決定し、異種GVHDのNSGモデルにおけるサイトカインレベルを低減する。3つのmAbの各々を、MCT1 Ab1および対照IgG1と共にさらに試験して、インビボ機能性を確認する。群当たり8匹のマウスを2回の反復実験で使用し、10、3、1、または0.3mpkの各抗体を、ヒトPBMC移入時ならびに移入後2日目および4日目に投与する。14日目にマウスから採血し、絶対リンパ球数(ALC)およびサイトカインレベルを、それぞれフローサイトメトリーおよびLuminex分析によって決定する。各マウスの体重を追跡し、その初期体重の20%超を失ったいかなるマウスも屠殺する。カプラン-マイヤー曲線を、各抗MCT1抗体を対照と比較する統計ログランク検定を使用して、各実験に対して生成する。
【0473】
さらなる修飾
記載されるヒト化は、免疫原性を増加させることなく、結合、特異性、および効力を維持する場合が多い。これらの機能をさらに改善するために、CDRの周囲の復帰突然変異が導入されて、結合および効力を高めることができる。代替的に、CDRの近くの配列を維持し、突然変異により可変ドメイン内の任意の予測される免疫原性T細胞エピトープを排除することによって、抗体はヒト化され得る。抗体半減期を改善するために、FcRn結合突然変異が導入され得る。
【0474】
ヒト化抗体の特徴
本発明のいくつかのヒト化抗体は以下を有する:
a.MCT1のみを発現するHEK-293細胞への結合によって示されるMCT1特異的結合。
b.インビトロCD3/CD28アッセイにおける、ヒトT細胞と同様に90%超の効力でのカニクイザルとの交差反応性。
c.20名を超える健康なボランティアドナーのうち、10%未満の陽性リスポンダーの免疫原性。
d.異種GVHDモデルにおけるインビボ効力の確認。
【0475】
結論
ヒト化mAb抗MCT1 Ab4を、上記の基準を満たすことによって、かつインビトロCD3/CD28アッセイを使用してIC50値をランク付けすることによって選択し、抗MCT1 Ab4は、高い効力および低い変動性を有する(実験内および実験間で)。ヒト化抗MCT1抗体Ab4ならびにAb3およびAb2(全てab1に由来)のヒト化可変重および可変軽配列は、請求項に先行する配列表に含まれている。
【0476】
実施例9:親和性成熟
ヒト化抗体MCT1 Ab4を、ファージディスプレイ技術を使用して親和性成熟させる。
【0477】
抗体を一本鎖Fv(scFv)フォーマット(可溶性またはM13ファージに結合のいずれか)に変換し、ヒト化中に使用されるMCT1 HEK-293細胞株への結合について試験して、可変ドメインが選択したフォーマットと互換性があることを確認し、ベースラインを確立する。このscFvフォーマットを達成するために、可変重(V)および軽(V)ドメインをコードする遺伝子を、15アミノ酸リンカーを介して結合する(参考文献89)。次いで、出発抗体のCDR内の特定のアミノ酸を同定し、ランダム突然変異誘発の標的とする。加えて、特定のフレームワーク残基は、故意にまたはランダムに突然変異され得る。得られた変異体を使用して、M13ファージの表面上に提示されるscFvファージディスプレイライブラリ(約1×10メンバーを有する)を生成する。MCT1細胞株を使用した3回の選択を、親和性成熟scFvを同定するために各回の抗原濃度を低減することによって実施する。
【0478】
親和性成熟scFvを配列決定し、10個未満の固有のscFvを選択し、可溶性発現およびIMAC精製のためにスケールアップする。3つを親和性に基づいて選択し、サイレントIgGフォーマットに変換する。
【0479】
3つを(a)インビトロT細胞アッセイにおけるIC50効力、および(b)異種GVHDモデルにおけるインビボ機能によってランク付けする。ランク付けは、効力および変動性の両方を組み込み、理想的な候補は、高い効力および低い変動性を有する。最高ランクのmAbをMCT1 Ab5.01、他をMCT1 Ab5.02およびMCT1 Ab5.03として指定する。
【0480】
親和性成熟の追加の回が実施され得る。Ab1の例示的なヒト化親和性成熟変異体の配列、すなわち、Ab5~Ab60は、本明細書の請求項に先行する配列表で見ることができる。
【0481】
結論
本発明の親和性成熟ヒト化抗体は、最適化された皮下投与のために、2mg/kg未満の効力を有し得る。低用量での有効性を決定ために、対象となる抗体MCT1 Ab1の異種GVHDデータが使用され得る。
【0482】
実施例10:抗MCT1抗体の物理化学的評価
MCT1 Ab5.01を、好適な堅牢性、溶解度、および安定性について評価する。特に、(a)高温での物理化学的安定性、(b)溶解度、ならびに(c)典型的な製造プロセス設定で見られる物理的ストレスおよび低pHストレスについて試験する。
【0483】
物理化学的安定性評価を、異なる緩衝液、pH、および賦形剤の4つの製剤で実施する。製剤の各々に高温(40℃)で最大4週間ストレスを与え、次いで、(a)ダイマーまたは高分子量種に凝集する傾向(SEC-HPLC、cGE、および吸光度による)、ならびに(b)異性化、脱アミド化、および/または酸化による任意の潜在的な分解(iCEによる電荷変異体の変化によって観察されるような)について評価する。
【0484】
皮下投与への適合性を評価するために、MCT1 Ab5.01を2つの別々の製剤において150mg/mLで調製する。これらの試料を、4週間の安定性評価に使用したのと同じ試験パネルで分析し、後に上記の分析評価が続く。
【0485】
強制分解の物理的および化学的手段を使用したストレス研究は、複数回の凍結融解、撹拌、および低pH条件後のMCT1 Ab5.01の分解に対する感受性を評価する。低pH研究は、潜在的なウイルスの不活性化のために抗体製造中に典型的に使用される条件を模倣する。
【0486】
さらに、CHO-DG44 DHFRミニプールを使用して2.5グラムの精製抗体を製造する。材料を、SDS-PAGE、SEC-HPLC、LALによる内毒素、およびフローサイトメトリーによる結合によって純度について分析する。
【0487】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、以下を有し得る:
a.4週間の安定性試験中の最小(10%未満)の凝集、純度の低下、および電荷変異体の変化
b.強制分解ストレス研究における同じ特徴の最小(5%未満)の変化
c.100mg/mLを超える溶解度
【0488】
実施例11:細胞株の開発
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株を使用したMCT1 Ab5.01のcGMP商業的生産を可能にするために、高発現細胞株を開発する。
【0489】
コドン最適化、遺伝子合成、および発現ベクターへの挿入のための配列を生成する。合計6つの異なるコドン最適化変異体を調製し、パイロットタンパク質産生(1mg未満)によって確認する。宿主細胞株(CHO-M)を、6つの抗体変異体配列を使用してトランスフェクトし、安定したプールを生成する。安定したプールのうちの1つを選択し、細胞株の生産性を高めるために再トランスフェクトする。2つのクローニングステップの後、10~12の最高力価のクローンを拡大し、リサーチセルバンク(RCB)として凍結保存する。流加培養でクローンのさらなる評価を実施し、力価および生産性に基づいて上位3つのクローンを選択する。クローンの安定性を確認するために、表現型の安定性研究を、最大60世代の細胞株の連続継代によって実施し、抗体産生および生産性を監視する。上記のように、インビトロ効力およびインビボ機能を確認した後、最高力価のクローンを選択する。生成物の品質を確認するために、精製した抗体を、凝集および断片化(SEC-HPLCによる)ならびに電荷の不均一性(icIEFによる)について評価する。RP-UPLC MS/MSを使用したペプチドマッピングを、予想されるアミノ酸配列を確認するために最高の発現体上で実施する。
【0490】
いくつかの実施形態では、本発明のクローンは、少なくとも1g/Lを産生し得る。mAb遺伝子のコピー数を増やすために、上位のクローンが再トランスフェクトされ得る。
【0491】
実施例12:バイオマーカー発見および疾病関連性
薬力学(PD)バイオマーカー発見
ケトンは、PDバイオマーカーとして使用され得る。これらの代謝産物は、(a)尿中または血中で容易に測定され、(b)抗MCT1抗体の投与によって誘発される可能性があり、かつ(c)作用機構(MOA)において妥当な役割を果たし、重要な免疫調節機能を単独で示す(参考文献67)。PDバイオマーカーをさらに詳しく説明するために、MCT1 Ab5.01をインビトロT/B細胞アッセイ(狼瘡に関与する両方の細胞型)およびインビボアッセイでさらに使用する。
【0492】
代謝産物.メタボロミクス研究を使用して、内因性化合物、生体異物およびその代謝産物を含む、約12,000の小分子実体の相対濃度プロファイル、ならびに1,100を超える脂質種の完全な定量測定を評価する。血漿およびヒト細胞を、インビトロTおよびB細胞アッセイからの細胞と共に、異種GVHDモデル(MCT1 Ab5.01および対照で処置)から単離する。異種GVHDの場合、10名の健康なドナー、1つの投与量、および採血のための様々な時点で実験を行う。インビトロ試験の場合、10名の健康なボランティア(抗CD3/CD28もしくはCD40L/IL4でそれぞれ刺激)または10名の狼瘡患者(さらなる刺激なし)からのヒトTおよびB細胞を、MCT1 Ab5.01または対照で処置する。包括的メタボロミクスおよびリピドミクス技術を使用した質量分析ベースのメタボロミクスで分析を行って、各試料中に存在する分析物を同定および測定する。生化学的変化分析には、各アッセイで追加のMOAを示す代謝経路分析が含まれ、新規の代謝産物は、後続のMS分析を使用してデコンボリューションする。
【0493】
サイトカイン.キメラMCT1 Ab1および対照で処置された白血球を比較して、例えば、IFNγおよびIL10を含む推定バイオマーカーとしていくつかのサイトカインを得るために、Luminex研究からのデータが使用され得る。サイトカインバイオマーカーを決定するためにも、MCT1 Ab5.01が使用される。異種GVHDモデルからの、ならびにインビトロTおよびB細胞アッセイにおける、処置済み細胞集団と未処置細胞集団との間の違いを比較する。異種GVHD実験を5名の異なるドナーで行い、動物を少なくとも2つのMCT1 Ab5.01投与量で処置し、4つの異なる時点で血漿を収集する。臨床エンドポイント(移植片受容または拒絶反応の遅延)との相関をスコアリングし、追加のサイトカインバイオマーカーを同定する。
【0494】
転写産物.RNA-seqによるトランスクリプトミクスを使用して、異種GVHDモデル(10名の健康なドナー)における細胞のMCT1 Ab5.01処置、ならびに健康なボランティア(抗CD3/CD28もしくはCD40L/IL-4のそれぞれで刺激)または狼瘡患者(さらなる刺激なし)を使用したインビトロTおよびB細胞アッセイに関連付けられた、差次的に発現した遺伝子および経路を同定する。細胞ペレットを、RNA単離、ポリ(A)に富むライブラリ調製、およびIllumina計器上での両末端配列決定に供する。生データをfastq形式で提供し、バイオインフォマティクスを、公的に利用可能な差次的発現のパイプライン(R/BioconductorからのSTARアライナーおよびDESeq2)を使用して実施する。差次的に発現した転写産物を、以下に記載されるように、インビボおよびインビトロ系の両方にわたって検証する。
【0495】
ヒトTおよびT/B細胞アッセイ.上記のT細胞およびPBMCアッセイに加えて、TおよびB細胞への影響を、共培養系で測定する。T細胞を、ヒトPBMCからの陰性選択によって単離し、抗CD3/CD28コーティング96ウェル平底プレート上でCD19精製B細胞と5日間共培養する。上清を回収して、Ig産生(IgMおよび総IgG)ならびにB細胞活性化マーカー(CD80、CD83、CD86、クラスII MHC、および細胞内Ig)を測定する。MCT1 mAbまたはアイソタイプ対照を、培養開始時に濃度範囲(0.1~10μg/mL)で添加する。B細胞活性化に対する直接的な影響を測定するために、CD19精製B細胞を、アゴニストCD40L(100ng/mLのmegaCD40L、Enzo Life Sciences)、IL-2(50U/mL)、およびIL-4(400U/mL)と培養する。B細胞の増殖、活性化、およびIg産生を5日間の期間にわたって評価する。MCT1 Ab5.01または対照を、培養開始時に添加する。
【0496】
PDバイオマーカーの選択および確認
尿中ケトンは、強力な候補バイオマーカーであり得る。他の検体も検査し(血清/血漿/細胞)、分析して、変化する分子構成成分(例えば、アセトン、アセトアシディック酸(acetoacidic acid)、β-ヒドロキシ酪酸、および/または環状、飽和、もしくは不飽和ケトンなどのより広いクラス)を同定する。これは、RNA-seqおよび/またはフローもしくはPhosFlowサイトメトリーによって発見された、潜在的に対応する(または新しい)遺伝子/タンパク質の変化を伴うメタボロミクスセクションで達成される。PDバイオマーカーを、病理学的エンドポイントとの相関に基づいて選択する。異種GVHDからのデータはまた、NSG-SGM3マウス(再構成されたヒト幹細胞)および/またはヒトMCT1ノックインマウスなどの追加モデルを使用して確認され得る。
【0497】
SGM3マウス(再構成幹細胞).NOD/scid/IL2受容体ガンマノックアウトマウス(NSG)は、ヒト血液細胞の生着、特にCD34造血幹細胞を使用した長期生着のための標準的なマウス系統である。この生着は、はるかに少数の骨髄細胞を伴い、血液中に多数のヒトリンパ球を生成する。最近、ヒトサイトカイン遺伝子の群は、このモデルに組み込まれている(スチール因子、GM-CSF、およびIL-3、別名「SGM3」)。SGM3モデルは、高レベルのリンパ球および高レベルのヒト骨髄細胞の両方を支持し、ヒト血液細胞のより完全な生着を提供する。
【0498】
ヒトMCT1ノックイン(KI)マウス.ヒトSLC16A1(MCT1)cDNAがエクソン1でノックインされたKI/KOマウスモデルを生成し、終了停止は、マウス遺伝子の発現を妨げ、したがってマウスSLC16A1遺伝子のKOを作製する。このモデルは、MCT1 Ab5.01が内因性MCT1標的に結合することを可能にするげっ歯類系統を提供する。このマウス系統を使用して、MCT1 KIマウスから、ヒト狼瘡で観察される表現型(B細胞活性化、抗ds DNA抗体、糸球体腎炎、インターフェロン-α遺伝子サイン)の多くに近似する(B6xDBA)F1マウスへのCD8枯渇脾細胞の移入などの追加の狼瘡関連研究を実施する(参考文献90、91)。いくつかの実施形態では、本発明の抗MCT1 mAbは、これらの狼瘡様表現型の多くを抑制し得る。
【0499】
MCT1健康対照および患者試料のヒト狼瘡疾患関連
マウスおよびヒトのデータは、MCT1の発現が慢性炎症の部位で増加していることを示唆する。例えば、狼瘡患者の末梢血におけるヒト形質細胞によるMCT1の細胞表面発現は、健康なドナーと比較して劇的に増加している(図20)。MCT1発現を、MCT1 Ab5.01および系統分析を使用して、狼瘡患者からの細胞で研究する。少なくとも3名の健康なボランティアおよび3名の狼瘡患者に対して研究を実施する。
【0500】
健康な細胞および狼瘡細胞におけるMCT1発現の決定.健康なドナーおよび狼瘡患者からの血液白血球におけるMCT1の構成的発現を決定するために、T細胞、B細胞、およびNK細胞を含む様々な免疫集団を、MCT1(MCT1 Ab5.01)、CD45、CD16、CD56、CD14、CD138、CD8、CD19、CD4、およびCD3のフロー染色によって特徴付ける。抗Ki67およびCell Trace Violetを、細胞増殖のためにここで、かつ以下で使用する。
【0501】
T/B細胞増殖のMCT1 Ab5.01阻害の測定.MCT1 Ab5.01がTおよびB細胞増殖を阻害するかどうかを決定するために、精製TまたはB細胞を、抗CD3/CD28ビーズ+IL-2、またはmegaCD40L+IL-4+IL-2でそれぞれ刺激する。T細胞にはCD3、CD4、CD8、CCR7、CD45RA、CD127、およびCD25を、B細胞にはCD19、CD20、CD38、CD27、IgD、およびIgGを使用して、様々な細胞亜集団を同定する。MCT1上の細胞内エピトープに結合する市販の抗体を使用してMCT1を検出する(これらの抗体は、MCT1 Ab5.01と競合しない)。
【0502】
狼瘡におけるリンパ球増殖のMCT1 Ab5.01阻害.リンパ球増殖のMCT1 Ab5.01阻害を、狼瘡患者からのPBMCを使用して実施する。MCT1(市販)、CD3、CD4、CD8、CCR7、CD45RA、CD127、CD25、およびCD56、または個別にCD19、CD20、CD38、CD27、およびIgGの染色によって、様々なTおよびB細胞集団を同定する。
【0503】
図20に示されるデータを考慮すると、MCT1発現は、疾患の重症度、タイプ、および/または進行段階に相関している可能性がある。追加の患者を評価し、追加の細胞型を研究する。
【0504】
実施例13:カニクイザルにおける非GLP毒性/PK/PD.
試験材料の製造.6グラムのMCT1 Ab5.01を産生し、材料を純度(SDS-PAGE、SEC-HPLC)および内毒素レベル(LAL)について分析する。
【0505】
非GLP毒性/PK/PD.表1に要約されるように、用量漸増標的媒介性薬物動態(TMDD)研究、続いて反復投与毒性、単回投与PK、およびPD/TDAR研究を含む、カニクイザルにおける4段階の研究を実施する。精巣および網膜の生体分布および組織分析が実施され得る。
【表1】
【0506】
研究1-標的媒介性薬物動態(TMDD)の用量漸増評価.MCT1は、ヒト赤血球(RBC)上には存在しないが、カニクイザルのRBC上には存在する(図18A)。したがって、2匹の動物に対して最初のカニクイザル研究を実施して、RBCシンクを克服するために必要な用量を決定し、ヒト血液ではなくカニクイザルにおける大きいTMDD標的である、RBCの非存在下での正確なPKおよび毒性を推定する。抗体がRBCに結合するNHP研究では、一過性貧血を引き起こすことは珍しくない(参考文献92)。この貧血状態の間に、動物に再投与し、MCT1 Ab5.01の血清レベルを典型的な抗体の予測PKと比較する。カニクイザルには漸増用量のMCT1 Ab5.01を投与し、免疫表現型決定/受容体占有分析は、後続のカニクイザル研究で全てのMCT1結合RBCを除去するための最適な用量を示唆している。この分析の時点を、以前の調査に基づいて選択する(参考文献92)。これにより、ヒトにおける白血球へのMCT1 Ab5.01の結合に近似する用量の評価が可能になる。
【0507】
TMDD評価は、追加の研究のためにカニクイザルにおける合理的で達成可能な投薬を可能にする用量を特定する。ヒトRBCではなくカニクイザル上のMCT1の異常な発現により、カニクイザルのRBC区画内の任意のTMDDの評価を、毒性およびPK研究を実施する前に最初に実施する。これを、MCT1 Ab5.01の血清レベルを測定し、貧血を監視しながら、これらの値を典型的な抗体の予測PKと比較することによって達成する。
【0508】
研究2-毒性.毒性試験のために、この薬物の推定最小薬理作用量(MABEL)よりも高い1mpkであると推定される低用量で、3匹の動物に対してパイロット2週間研究を実施する。これに続いて、毒性を測定するために4匹の動物に対して10倍超高い用量を検査する。製剤化が可能にする場合、50mpkなどのより高い用量を選択し得る。出血スケジュール:1日目投与前、投与後10分、1時間、および24時間、次の投与の直前、放出時、または剖検時。臨床測定および健康観察を毎日行い、毎週要約する。血液学、凝固、血清化学、インスリン、バイオマーカー、および受容体占有率を、標準的な時点で評価する。より高い用量で処置した動物を剖検し、組織病理学を使用して組織を分析する。
【0509】
カニクイザルにおけるMCT1 Ab5.01についてNOAEL(無毒性量)を決定する。NOAELは、標準的な毒性学的基準に基づいているか、または毒性試験で観察されない場合、最高の処方用量レベルがNOAELとして機能する。いくつかの実施形態では、本発明による抗MCT1抗体は、有意な毒性を引き起こさず、有意な炎症性サイトカイン放出を刺激しない。
【0510】
研究3-PK.MCT1 Ab5.01のクリアランスを決定するために、1日目投与前、投与後10分、1時間、24時間、および168時間、ならびに投与後3週間および4週間のPK分析のために、1回の投与後の3匹のカニクイザルから血液試料を採取する。血清PKをELISAによって決定し、データを直線性、Cmax、AUC、CL、Vd、および最終t1/2決定について検査する。抗薬物抗体(ADA)応答も評価する。サンドイッチELISA ADAアッセイに必要な抗MCT1 Ab5.01抗体ツールは、記載されるようにMCT1 Ab5.01を使用して、カニクイザル(CRL)の超免疫化後に生成される(参考文献93)。投与前および投与後4週間からの血清を、適格なADAアッセイを使用して比較する。
【0511】
本発明の抗体は、約20日のヒトIgGに対する正常なPKを有し得る。PKがより短い場合、既知のFcRn結合突然変異を調査して、mAb半減期を改善する。
【0512】
研究4-PD/TDAR.MCT1 Ab5.01の免疫調節効果を評価するために、T細胞依存性抗体応答(TDAR)を2つの用量レベルで実施する。合計8匹の動物(各用量で雄2匹、雌2匹)に、単回用量のMCT1 Ab5.01を静脈内投与する。追加の4匹の動物(雄2匹、雌2匹)に陰性対照を投与する。0日目に動物をKLHおよびMCT1 Ab5.01で免疫化する。研究開始前、ならびに7、10、14、21、および28日目に血液試料を採取し、ELISAによって抗KLH力価について分析する。いくつかの実施形態では、これらの力価は、本発明の抗MCT1抗体によって25~90%阻害される。
【0513】
本発明の抗体は、皮下(SC)投与を支持する効力を有し得る。ヒト白血球を有するNSGモデルは、1mpkで効果を示し、SCの目標は、2mpk以下である。MCT1 Ab1は、異種GVHDにおいて約1mpkのMABELを有した。TDARを使用して、ヒトにおけるMCT1 Ab5.01に対してより正確なMABELを提供する。
【0514】
実施例14:前臨床および臨床プログラム計画
上記の実験は、MOA、有効性、および安全性に関する広範なデータセットを提供する。
【0515】
狼瘡に対するものを含む抗MCT1抗体を使用する治療薬の開発は、非ヒト霊長類およびヒト組織におけるMCT1 Ab5.01の効果に関するコンパイルされたデータに基づいている。健康なボランティアにおける第1相単回漸増投与試験および狼瘡患者における複数回漸増投与試験を実施する。第2の研究計画には、活動性(非腎臓)の全身性疾患を有する狼瘡患者における治療の臨床効果を評価するための複数回投与のプラセボ対照無作為化構成要素が含まれる。
【0516】
実施例15:インビトロMCT1機能アッセイ:ブロモピルビン酸感受性
HEK293T細胞を、抗MCT1抗体または小分子MCT1阻害剤で37℃において1時間前処置する。次いで、細胞を細胞毒性試薬3-ブロモピルビン酸(3-BrPy)と共に、25~500μMの濃度で2~6時間インキュベートする。死にかけている細胞からのATPを、96ウェルプレートで市販の生存率キット(ATPlite,PerkinElmer)を使用して定量化し、発光を使用して生存率を測定する。ATP産生の低減は、抗体の機能性を示す。陽性対照抗体は、ヒト化前のマウスまたはキメラ抗体である。陰性対照細胞株は、MCT1/CD147ダブルノックアウト293T細胞である。
【0517】
このアッセイを使用して、機能的、すなわち、アンタゴニスト抗MCT1抗体を同定することができる。
【0518】
実施例16:非ヒト霊長類におけるインビボ研究は、抗MCT1抗体の治療有効性および安全性を裏付ける
MCT1(ヌル変異体)を発現しないヒトは、報告によると主要な毒性を示さない。MCT1の発現がないことに関連する唯一の既知の異常には、思春期前の患者でのみ観察され、高齢の対象では観察されない誘発ケトアシドーシスが含まれる。明白な免疫表現型は報告されていない。さらに、免疫に対するMCT1の効果に基づいて、これらの対象が自己免疫疾患または自己免疫の発症からのある程度の防御さえ有し得ることが発明者らによって理論化されている。
【0519】
ヒト療法のための抗MCT1抗体の安全性および有効性をさらに裏付けるために、50mpkの投与量の抗ヒトMCT1抗体をカニクイザルに投与した。この実施例で開示され、かつ本明細書で参照される図面によって裏付けられるように、30日後に毒性は観察されなかった。
【0520】
図22に示されるように、MCT1が様々な機能に関与する一方で、リンパ系外の毒性を回避する冗長経路がある。対照的に、MCT1は、リンパ系(B、T細胞)に唯一のトランスポーター経路を有し、これは、リンパ系におけるこのトランスポーター経路およびその関連する活性を遮断するためのアンタゴニスト抗MCT1抗体の有効性を可能にする。
【0521】
図23に示されるように、カニクイザル赤血球(RBC)は、高レベルのMCT1を発現する。これに基づいて、カニクイザルにおけるアンタゴニスト抗MCT1抗体の効果を試験し、特に抗MCT1抗体投与後のRBCに対するいかなる効果も調べた。また、カニクイザルが抗体の治療有効投与量に耐性を有することができるかどうかを判断した。
【0522】
図24の結果から明らかなように、カニクイザルは、50mpkでのAb1の反復投与に耐性があり、投与後にRBC質量の初期低減があるが、これは短時間で解消する。これらの結果は、アンタゴニスト抗MCT1抗体が霊長類において安全かつ有効であるはずであることを示す。
【0523】
図25にさらに示されるように、カニクイザルにおいて観察されたPKデータは、予備的ではあるが、抗MCT1抗体の十分な曝露があったことをさらに示し、結果は、5mpk以上のAb1用量率で、RBCシンクが飽和していることを示す。
【0524】
さらに、抗MCT1抗体の投与の30日後に、特に週4回の用量のアンタゴニスト抗MCT1抗体(Ab1)を50mpkで投与した後に、良好な暴露で有意な生存中毒性は観察されなかったことがさらに観察された。特に、H&Eを使用して評価した臓器の全て(心臓、筋肉、精巣、および眼)に有害な組織学的所見は見られなかった。
【0525】
実施例17:マウスの条件付きKO毒性学的評価
治療薬としてのアンタゴニスト抗MCT1抗体の潜在的な安全性および有効性をさらに評価するために、マウスにおけるMCT1の条件付きノックアウトの効果を研究した。
【0526】
図26に示されるように、タモキシフェン誘導性MCT1ノックアウトマウスにおける標的組織(筋肉、精巣、および眼)を評価した。研究した臓器の全て(精巣を除く)は、遺伝子型に関連した変化はなく、正常であることが分かった。図27に示されるように、MCT1ノックアウトマウス動物は、より小さい精巣を有することを示し、顕微鏡的所見は、精子細胞変性を示している。
【0527】
図28にさらに示されるように、MCT1 KO表現型は、対照のハウスキーパー遺伝子(HPRT)の発現と比べて、アッセイされた様々な標的組織、すなわち、胸腺、脾臓、リンパ節、精巣、および網膜におけるMCT1発現の強固なタモキシフェン誘導性ノックダウンを付与することを示す。図29はさらに、ノックアウトマウスで観察された精巣における表現型の変化を示す。示されているように、全てのMCT1ノックアウトマウスの精巣において精子細胞変性が観察された(後期精子細胞および精母細胞の欠如、尿細管細胞性の低下、空胞化、ならびに細胞残屑)。図30はさらに、WTマウスおよびMCT1 KOマウスにおける精巣の組織構造を比較し、野生型と比べて、ノックアウトマウスにおいて精子細胞変性の増加を示す。
【0528】
実施例18:以前に報告された抗MCT1抗体は、拮抗活性を示さない
MCT1に結合するとされる市販の抗体が多くある。出願者のこれらの抗体のスクリーニングに基づいて、細胞表面に発現したMCT1に結合するものはなく、さらに発明者らの知る限りでは、これらの市販の抗MCT1抗体のいずれも、MCT1の効果を調節または遮断しない。
【0529】
図31は、異なる市販の抗MCT1抗体を用いたこれらの結果を要約する。図は、全ての市販のAbcam抗MCT1抗体(Mabおよびポリクローナル)を使用したMFI(上、フローサイトメトリー、生細胞の細胞結合)およびブロモピルビン酸機能アッセイの結果(下、RLU)を含む。(カタログ番号は、図中に列挙されている)。
【0530】
これらの結果から分かるように、これらの市販の抗MCT1抗体は、MCT1発現細胞に結合せず、結果として、MCT1関連活性に対する効果を誘発しない。対照的に、これらの同じアッセイにおける本発明の抗MCT1抗体は、MCT1細胞表面発現MCT1(異なる細胞上)に結合し、MCT1のトランスポーター機能(すなわち、ブロモピルビン酸を輸送するその能力)を強力に遮断する。同様の結果(図示せず)は、本発明者らによって現在まで試験されてきた他の全ての市販の抗MCT1抗体について観察されている。
【0531】
実施例19:例示的な抗MCT1抗体(Ab1)のヒト化
上記の実施例で使用したラット抗MCT1抗体の可変重鎖および軽鎖ポリペプチド(Ab1またはINX310)を、ヒト療法用のヒト化抗MCT1抗体を提供するために、既知の方法を使用してヒト化した。例示的なヒト化重鎖および軽鎖は、以下に示される。示された配列では、可変重鎖または軽鎖ポリペプチドには下線が引かれ、それに関連する定常領域(IgG1定常領域)は太字である。例示的な配列は、C1qおよびFcR結合を排除する突然変異(E269R/K322A突然変異)を含むように修飾された、FcサイレントヒトIgG1/カッパ主鎖(ヒトIgG1)(Uniprot P01857)を含む。可変領域には下線が引かれ、定常領域は太字である。シグナル配列は、示された例示的なヒト化軽鎖および重鎖配列には示されていない。
ヒト化重鎖
>aMCT1_Humanized_VH1_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
MVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH2_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLKESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
MVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH3_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
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AVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPA
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH4_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
LVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFP
AVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPA
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH_AmbCons_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLQESGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYN
SEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTEDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
TVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFP
AVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPA
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH_AmbMod_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYN
SEFKSRLSISRDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
TVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFP
AVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPA
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>aMCT1_Humanized_VH_AmbAgg_hIgG1_INXsilent_HC
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYN
SEFKSRLTISKDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
TVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFP
AVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPA
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化軽鎖
>aMCT1_Humanized_VL1_hKappa_LC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPKLLIYNRHNLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL2_hKappa_LC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPKLLIYNRHNLQSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL3_hKappa_LC
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL4_hKappa_LC
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL_AmbCons_hKappa_LC
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL_AmbMod_hKappa_LC
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>aMCT1_Humanized_VL_AmbAgg_hKappa_LC
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGQPPKLLIYNRHNLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0532】
本発明による例示的なヒト化抗MCT1抗体が、以下にさらに記載される。例示的なヒト化抗体は、共通の軽鎖を含む。配列の太字の残基は、予測されたCDRである(IMGT DomainGapAlignを使用して同定)。
ラット抗MCT1抗体(Ab1またはINX310)
> Rat Anti-MCT1 Ab _VH
QVQLKATGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYN
SEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTDDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGA
SVTVSS
> Rat Anti-MCT1 Ab _VL
NIHLTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGAGTKLELK
ヒト化抗MCT1抗体1(Ab2またはINX352)
> Humanized Anti-MCT1 antibody 1_VH
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
LVTVSS
> Humanized Anti-MCT1 antibody 1, 2 and 3 _VL
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
ヒト化抗MCT1抗体2(Ab3またはINX356)
> Humanized Anti-MCT1 antibody 2_VH
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
MVTVSS
> Humanized Anti-MCT1 antibody 1, 2 and 3 _VL
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
ヒト化抗MCT1抗体3(Ab4またはINX364)
> Humanized Anti-MCT1 antibody 3 _VH
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
LVTVSS
> Humanized Anti-MCT1 antibody 1, 2 and 3 _VL
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
サイレントIgG1(定常)
●E269R/K322A
>IgG1_INX_Silent
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0533】
実施例20:親和性成熟、ヒト化抗MCT1抗体
上記の実施例で開示されたラット抗MCT1抗体の可変重鎖および軽鎖ポリペプチド(Ab1またはINX310)を、ヒト療法用のヒト化抗MCT1抗体を提供するために、ヒト化し、親和性成熟させた。これらの抗体は、高い親和性でヒトMCT1に結合し、ヒト対象において実質的に非免疫原性であるはずである。これらのヒト化され親和性成熟した抗MCT1抗体(Ab5~Ab60)のVおよびV配列は、本出願の請求項の直前にある配列表に含まれている。Ab1(INX310)と同様に、これらの抗体は、インビトロまたはインビボでMCT1の効果に拮抗するために使用され得、それらの親和性の増加に基づいて、それらは、Ab1(INX310)よりも強力であるはずである。図32は、ブロモピルビン酸機能アッセイ、すなわち、INX420、INX356、INX364、INX444、およびINX453における、本発明による異なる抗MCT1抗体の拮抗活性を比較する実験結果を含む。
【0534】
図33および図34は、本明細書に開示される異なる抗MCT1抗体の可変重および可変軽領域の配列を比較するアライメントを含む。特に、これらの図は、Ab1(INX310)、それに由来する3つのヒト化抗体、すなわち、Ab2(INX352)、Ab3(INX356)、およびAb4(INX364)のVおよびV配列を、Ab1(Ab23(INX420)、Ab47(INX444)、およびAb56(INX453))由来のヒト化親和性成熟抗MCT1抗体にそれぞれ整列させた。これらのアライメントのボックスで囲まれた領域は、フレームワーク残基の配列の違いを示す。CDRは太字であり、親抗体Ab1およびそのヒト化変異体、すなわち、Ab2(INX352)、Ab3(INX356)、およびAb4(INX364)のCDRと比較した、これらの親和性成熟抗体のCDR変化を示す。
【0535】
実施例21:他の高親和性、機能的抗MCT1抗体の単離
追加の抗ヒトMCT1抗体をニワトリにおいて産生した。機能的抗ヒトMCT1結合抗体の産生を潜在的に誘発するために、ニワトリを、それらの表面上にヒトMCT1タンパク質を発現する組換え細胞で免疫化した。これらの動物から血清を得て、抗MCT1結合抗体をスクリーニングした。次いで、前述の抗体をコードする核酸をクローン化し、宿主細胞で発現した。そのような方法は、請求項に先行する配列表に含まれる配列を有する抗ヒトMCT1抗体Ab61~Ab95を含む、100を超える推定ヒトMCT1結合抗体の単離をもたらした。
【0536】
これらの抗体をさらにスクリーニングして、MCT1を発現する293細胞に特異的に結合する抗体を同定した。図35Aは、MCT 293細胞への抗MCT1抗体の結合を示し、その配列の一部は、請求項に先行する配列表に含まれている。これらの抗体は、配列表において抗MCT1抗体Ab61~Ab95として同定され、かつ代替命名法によって同定され(「LM-XXX」または「MCT」指定)、その一部は、図35Aおよび図35Bで同定される。図35Aの結合結果から、これらの抗体の多くがMCT1を発現する293細胞に、Ab1(INX310)に匹敵する親和性で結合することが分かる。
【0537】
293細胞の表面上に発現したヒトMCT1に特異的に結合することが実証された同じ抗MCT1抗体を、以前に記載されたブロモピルビン酸毒素輸送アッセイにおけるMCT1の効果を遮断するか、またはそれに拮抗するMCT1結合抗体をスクリーニングする機能アッセイでさらにスクリーニングした。図35Bにさらに示されるように、これらの機能スクリーニング方法は、これらの抗ヒトMCT1抗体の多くが、このアッセイで機能的であること、すなわち、それらがATP-liteによって測定されるように細胞死からの防御を提供したことを実証した。これらの追加の抗ヒトMCT1抗体は、Ab1の配列、ならびに本明細書においてAb2~Ab60として同定される、それに由来するヒト化および親和性成熟変異体と比較して配列多様性を有し、すなわち、これらの追加の抗MCT1抗体のいずれも、Ab1~Ab60と同じCDRを含まない。
【0538】
Ab61~Ab95と称されるこれらの35個の他の抗ヒトMCT1抗体の配列は、本出願の請求項に先行する配列表で見ることができる。配列表には、重および軽CDR、可変重鎖および軽鎖ポリペプチド、重および軽ポリペプチドのアミノ酸配列が含まれ、さらに、これらの35個の抗ヒトMCT1抗体の各々をコードする核酸の配列が含まれる。ヒトMCT1への、Ab1に匹敵するそれらの結合親和性およびブロモピルビン酸毒素アッセイにおけるそれらの機能的活性に基づいて、これらの抗体の多くが、例えば、ヒト化および/または親和性成熟によって、他の治療的抗MCT1抗体を開発するために使用され得ると予想される。
【0539】
得られた抗体は、高い親和性でヒトMCT1に結合し、さらに、ヒト対象において実質的に非免疫原性であるべきである。Ab1(INX310)およびそれに由来するヒト化または親和性成熟変異体(Ab2~Ab60)と同様に、Ab61~Ab95に由来するヒト化および/または親和性成熟抗MCT1抗体は、潜在的に、インビトロまたはインビボでMCT1の効果に拮抗するために使用され得、潜在的に、炎症、自己免疫、およびアレルギー状態、癌、移植およびGVHD、ならびにTR1細胞の増加および/もしくはエフェクターT細胞の減少、またはMCT1活性の減少が治療上望ましい他の状態などの疾患の治療で使用され得る。
【0540】
さらに、本明細書に開示されるヒト化またはヒト化親和性成熟重および軽ポリペプチドの異なる組み合わせが組み合わされて、他の機能的(アンタゴニスト)抗MCT1抗体を産生し得ることが企図される。また、本明細書に開示される例示的なヒト化またはヒト化親和性成熟重および軽ポリペプチドのいずれも、さらにヒト化され得るか、または他のヒト化可変重鎖および軽鎖ポリペプチドを含む他のヒト化抗MCT1抗体が、ヒト療法に適した他のヒト化抗MCT1抗体を得るための既知のヒト化方法によって、Ab1(INX310)、またはAb2~Ab95のいずれかに由来し得る。また、これらのヒト化配列は、結合親和性が増加した抗MCT1抗体を得るために、さらに親和性成熟し得る。さらに、これらのヒト化または親和性成熟抗体ポリペプチドは、他の周知の多重特異性抗体フォーマットの中で、二重特異性抗体、BsAbs、二重可変ドメイン-IgG(DVD-Ig)ダイアボディなどの異なるフォーマットであり得る、多重特異性結合ポリペプチドに組み込まれ得る。
【0541】
これらのヒト化重および軽ポリペプチドはさらに、異なるヒトIgG定常ドメイン、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4定常ドメインまたはそのドメインもしくはフラグメントと関連している可能性がある。これらの定常領域は、必要に応じて、FcR結合、例えばFcγR(IgG)、FcεRI(IgE)、FcαRI(IgA)、FcμR(IgM)、およびFcδR(IgD)結合、補体結合、ADCC活性、CDC活性、FcRN結合などの少なくとも1つのエフェクター機能を損なうかまたは増強するように修飾され得る。例示的な「エフェクター機能」としては、Clq結合、補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御などが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなエフェクター機能は概して、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わされることを必要とし、そのような抗体エフェクター機能を評価するための当該技術分野において既知の様々なアッセイを使用して評価され得る。
【0542】
ヒトまたは動物療法で使用するためのヒト化抗MCT1抗体を産生するために使用され得る、Ab1または本明細書に開示される他の抗MCT1抗体に由来する代替のヒト化重および軽ポリペプチドを得るために、他のヒト化または親和性成熟法が使用され得るため、実証されるヒト化およびヒト化親和性成熟配列は、例示的であることが意図される。本発明は特に、Ab1~Ab95のいずれかと同じCDRを含む任意の抗MCT1抗体を包含する。
【0543】
実施例22:本発明による異なる抗MCT1抗体の効力
本発明による2つの抗MCT1抗体、すなわち、INX420およびINX310の効力を、異なる抗体濃度でのCD4およびCD8 T細胞の増殖に対するそのような抗体の効果を決定するアッセイで比較した。図36A図36Dに示されるように、両方の抗体は、CD4およびCD8 T細胞の増殖を阻害した。これらの2つの抗体のうち、親和性成熟抗体INX420は、CD4およびCD8 T細胞の増殖をより強力に阻害し、これらの機能アッセイで1桁のnM効力を有する。
【0544】
これらの結果は、親抗体Ab1と同様に、Ab1の親和性成熟によって得られたこの抗MCT1抗体が、本発明による別の抗MCT1抗体(Ab1)と比較して、CD4+およびCD8 T細胞の増殖を強力に抑制することを実証する。
【0545】
実施例23:Tr1細胞に対する抗MCT1抗体のインビトロ効果
本発明による抗MCT1抗体を、Tr1細胞に対するそれらの効果を評価するためにインビトロアッセイでさらに評価した。Tr1細胞を生成するために使用される方法およびTr1細胞を使用するアッセイが、以下に記載される。
【0546】
Tr1細胞およびTr1機能アッセイのインビトロ生成
Tr1細胞を、新鮮な総hPBMCのCD3/CD28刺激(+INX420)を使用してインビトロで生成し、これらの細胞を、以下に記載の方法および材料を使用して、抗MCT1抗体を用いた機能アッセイにおいてインビトロで試験する。
試薬
1.96ウェル組織培養平底プレート(Falcon、カタログ番号353072)
2.50mL試薬リザーバ(Costar、カタログ番号4870)
3.PBS(Corning、カタログ番号21-040-CV)
4.培地-RPMI1640(HyClone、カタログ番号SH30096.01)。10%ヒト血清、1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン、10mM HEPES
5.Jurkatの培地-RPMI1640(HyClone、カタログ番号SH30096.01)。10%FBS、1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタイン、10mM Hepes
6.抗CD3-クローンOKT3(Bio X Cell、カタログ番号BE0001-2)
7.抗CD28-クローン15E8(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-093-375)
8.アフェレーシスコーン血液
9.Histopaque 1077
10.INX420ロット17069-8129269
11.Versene 1×(Gibco、カタログ番号15040-066)
【表2】
-1/0日目:抗CD3を備えたコートプレート
1.ストックOKT3をPBS中で1ug/mLに希釈する
2.100uLの1ug/mL OKT3を96ウェル平底プレートの各ウェルに添加する
3.4℃で一晩または37Cで1時間インキュベートする
0日目:新鮮なヒトPBMCの刺激
1.コア血液から新鮮なPBMCを調製する
●滅菌状態で50mLファルコンに血液を移し、PBSで30mLに希釈する
●希釈した血液の下に13mLのHistopaque 1077をゆっくりと重ねる
●穏やかな加速(1/5または3/9)で室温において20分間850×gで遠心分離し、ブレーキをオフにする。
●血漿/フィコール界面から単核細胞を回収し、50mLのPBS中に再懸濁し、400×gで5分間遠心分離する。
●細胞を数え(1:10希釈)、200K/100uL(210/mL)でhPBMCを調製する
2.RPMI中でOKT3コーティングプレートを2回洗浄する
●プレートからPBSを除去する
●すぐに200uLのRPMIをウェルに添加する
●培地を除去し、200uLのRPMIをウェルに添加する
3.OKT3コーティングプレートを取り、残りのRPMIを除去する。滅菌ガーゼで覆われたペーパータオルでプレートを拭き取ることによって、いかなる残っている培地も除去されることを確実にする
4.RPMIにおいて2倍で全ての試薬およびmAbを調製し、1ウェル当たり100uLを添加する
5.100uL中200kで細胞を添加し、37℃/5%COで最大7日間インキュベートする。
細胞を7日より長く培養する場合は、10×のmAb(CD28、INX420)を含む20uLの培地で培養物を補充する
【0547】
Tr1表現型決定
本発明による抗MCT1抗体で処置した動物の血清に由来するTr1細胞を、以下のように表現型決定する:
材料および方法:
-全血の100を分析のために使用した
-染色-1洗浄プロトコルを使用して血液を染色して、以下のAbパネルを用いた絶対細胞数を可能にし、続いて溶解緩衝液(BD Bioscience、#349202)を用いた。全血を10×抗体(以下に示す)と共にインキュベートし、30分後、製造元の指示に従って大量の1×溶解緩衝液(少なくとも6回)で血液を溶解した。または、血液を最初にACKで溶解し(10分)、PBSで洗浄し、以下の表に記載されるとおりに抗体ミックスで染色した。
以下のフローパネル(血液ALCについて)
【表3】
【表4】
【0548】
以下に記載のフロー抗体を、推定上のTr1細胞の表面上に発現するマーカーの表面特性化にさらに使用した。
【表5】
【0549】
以下に記載のフロー抗体を、推定上のTr1細胞によって細胞内に発現するマーカーの細胞内特性化にさらに使用した。
【表6】
7日目:FACSおよび抑制アッセイのために細胞を回収する
1.200uLの培養培地(プールウェル)から細胞を回収する
2.1ウェル毎に150uLの滅菌Verseneを添加することによって、プレートから残った細胞を分離し、37℃で10分間インキュベートし、以前に回収した培地と組み合わせる
3.細胞を、振とうしながら(400rpm)、50uLの抗体ミックス(Tr1純度チェックのパネル)で室温において30分間染色するか、または抑制アッセイに進む
【0550】
生成されたTr1細胞を使用するインビトロアッセイ
本発明による抗MCT1抗体の効果は、アッセイ、例えば、以下に記載のアッセイで上記のように生成されたT1r1細胞を使用するインビトロアッセイで評価され得る。
1.生存率
2.TIGITPD1セルの数および%
3.ヒトCD3+(またはTIGITPD1)細胞を用いた抑制アッセイ
4.6/7日目:新鮮なヒトPBMCまたはT細胞(Jurkatを含む)の増殖の抑制
【0551】
前述のアッセイで使用され得る例示的な試薬および材料が以下に記載される。
試薬および材料
●CD3/CD28 Dynabeads(Life Technologies、カタログ番号11131D)
●Cell Trace Violet(Invitrogen#C34557)
●レスポンダー細胞:PBMC、T細胞、Jurkat細胞
【表7】
【0552】
結果
図37A図37Dの結果によって示されるように、CD3/CD28刺激後の例示的な抗MCT1抗体、INX420によるPMBCのインビトロ処置は、PD1TIGIT細胞の数の実質的な増加をもたらした。また、観察された結果は、同じインビトロアッセイで小分子MCT1阻害剤によって誘発された結果に匹敵した。
【0553】
図38の結果によってさらに示されるように、これらのインビトロ実験は、同じ例示的な抗MCT1抗体、INX420を用いた処置の結果として産生されたPD1TIGIITTr1細胞が、PMBCの増殖を強力に抑制することをさらに明らかにした。
【0554】
実験が抗MCT1抗体およびIL-10アンタゴニストの存在下でのPMBCの増殖を評価した図39のインビトロ実験結果によってさらに示されるように、IL-10アンタゴニスト(例えば、抗IL10RB)によるIL-10シグナル伝達の遮断が、抗MCT1抗体を用いた処置から生じたPMBC増殖のTr1媒介性抑制を妨害しなかったことが実証された。
【0555】
上記の実験結果は、臨床的に重要であり、これは、Tr1細胞の頻度/機能の欠陥およびその数が、多くの自己免疫および炎症性疾患(前臨床および臨床モデルにおける)で実証されており、IL-10を産生するTr1細胞が疾患の防御に関連すること、ならびにインビボでTr1細胞ブーストをもたらす薬物が、T細胞媒介性疾患、例えば、自己免疫および炎症状態ならびに同種異系移植の治療/予防において潜在的な用途を有することを示すためである。
【0556】
実施例24:異種GvHDアッセイにおける抗MCT1抗体の効果
本発明による例示的な抗MCT1抗体、すなわち、INX420、INX413、およびINX310を、GVHDのインビボモデル、すなわち、異種GvHDモデルでさらに評価した。
【0557】
異種GvHDモデル:
このGvHD動物モデルでは、雄のNSGマウスを亜致死照射(250rad)で処置し、その後、これらのマウスに2.5×10の新鮮なヒトPBMCを投与した(0日目)。抗ヒトMCT1の最初の用量を細胞と組み合わせ、静脈内注射する。フォローアップ処置スケジュールは、毎週である(7、14、および21日目、腹腔内)。抗MCT1(INX420またはその他)およびヒトIgG1対照の両方に10mg/Kgで(または指定のとおり)投与する。
【0558】
以前に(0、7、14、21日目)抗MCT1で処理された再攻撃接種実験の場合、NSGマウスに、同じドナーの以前に凍結させたヒトPBMCの2.5×10の2回目の投与を投与する(42日目)。これらのマウスの生存率および体重減少を、追加の抗体処置なしで監視し、同じドナーPBMCを投与したNSGマウスの新しいコホートと比較する。
【0559】
絶対リンパ球数(ALC).
100uLの全血を分析に使用する:染色-1洗浄プロトコルを使用して血液を染色して、以下のAbパネルを用いた絶対細胞数を可能にし、続いて溶解緩衝液(BD Bioscience、#349202)を用いた。全血を10×抗体(以下に示す)と共にインキュベートし、30分後、製造元の指示に従って大量の1×溶解緩衝液(少なくとも6回)で血液を溶解した。または、血液を最初にACKで溶解し(10分)、PBSで洗浄し、以下の表に記載されるとおりに抗体ミックスで染色した。
【0560】
エクスビボ抑制実験
ヒト化NSGマウス(抗MCT1で処置)を67日目または指定された他の日に屠殺し、脾臓から単一細胞懸濁液を調製し、続いて、hCD3+細胞のビーズベースの濃縮を行った。単離した細胞を、古典的な抗CD3/抗CD28刺激(dynabeads,Life Technologies,#11131D)条件下で、異なるドナーの新鮮なヒトPBMCの有無にかかわらず72~96時間播種し、続いて、三重水素チミジンで16時間パルシングして、増殖を評価した。
【表8】
【0561】
代替的に、新鮮なPBMC増殖の抑制を、Cell Trace(商標)Violet色素の希釈の減少として測定した。この目的のために、レスポンダーPBMCの細胞標識化を、フローサイトメトリー用のCell Trace(商標)Violet Cell Proliferation Kit(C34557,Thermo Fisher)で行った。次いで、レスポンダーPBMCを様々な量のTr1細胞と96時間共培養した。Tr1細胞をTIGIT+PD1+細胞として定義し、磁気ビーズ技術(Miltenyi Biotech)を使用して単離した。
【0562】
エクスビボTr1生存率
ヒト化NSGマウス(抗MCT1で処置)を32日目または指定された他の日に屠殺し、脾臓から単一細胞懸濁液を調製し、続いて、hCD3+細胞のビーズベースの濃縮を行った。単離した細胞を、Tr1生存率を得るために検体(上記の表を参照)で播種した。
【0563】
結果
図40A図40Dおよび図41A図41Cの結果によって示されるように、これらの実験は、本発明による例示的な抗MCT1抗体、すなわち、異種GvHDモデルにおけるINX420、INX413、およびINX310を用いた処置が、対照抗体で処置されたNSGマウスと比較して、CD3、CD4、およびCD8エフェクターT細胞の数の有意な減少をもたらしたことを明らかにした。さらに、これらの抗MCT1抗体は両方とも、Tr1細胞の数の大幅な増加を誘発した。
【0564】
さらに、図42A図42Bの実験結果によって示されるように、これらの同じ例示的な試験済み抗MCT1抗体は、これらの動物が同じドナー由来のドナーPMBCを42日目に再攻撃接種された場合、異種GvHDモデルにおいて長期の防御および耐性をさらに誘発した。
【0565】
図43および図44に含まれるバイオマーカーの結合結果によってさらに示されるように、TIGITおよびPD1は、Tr1細胞の推定バイオマーカーであり、これは、これらのバイオマーカーは、異種GvHDモデルにおけるヒトT細胞の75%超で発現するためである。図45の実験結果によってさらに示されるように、Tr1細胞は、高レベルのグランザイムBを発現するが、FOXP3またはBlimp1を発現しない。
【0566】
図46A図46Cの実験は、14日目に、これらのNSGマウスが多くのエフェクター細胞を含むことをさらに実証し、hCD3細胞の増殖が、例示的な抗MCT1抗体(INX420)によって抑制されることをさらに示している。図47A図47Bの実験結果はまた、Tr1細胞が、hCD3細胞および総PMBCの増殖を強力に抑制することを示している。
【0567】
図48は、異種GvHDモデルでのTr1細胞生成の動態を概略的に示す。具体的には、図は、抗MCT1抗体がTエフェクター相を低減することを示す。図49A図49Bは、エクスビボTr1生存因子を示す。図49Bはさらに、標的細胞の死滅が、Tr1細胞がそのような抑制を誘発する機構ではないこと、およびTr1細胞が、標的細胞との共培養で生存するが、個別に培養すると死滅することを示す。図49Aに示される実験結果は、抗TIGITおよびPVRリガンドが、エクスビボTr1生存率を改善しないことを明らかにする。対照的に、図49Aにさらに示されるように、IL-2、IL-7、およびIL-15は、用量依存的な方法でエクスビボTr1生存率を高め、Tr1細胞生存率は、最大約75%増加した。
【0568】
実施例25:ケトーシスに対する小分子MCT1アンタゴニストの効果
安全性に対するMCT1阻害剤の効果を、それらのケトーシスに対する効果に基づいて評価するために、さらに実験を実施した。図50A図50Bの実験結果によって示されるように、小分子MCT1阻害剤(SMI)は、8~24時間の飢餓によって誘発されたケトーシスを増強し、SMiによって引き起こされたケトーシスは、飢餓時に低血糖症を進行させ、かつSMi処置は、飢餓によって引き起こされたケトーシスおよび低血糖症を増強する。
【0569】
対照的に、図51A図51Bの実験結果は、SMiの存在下および非存在下での24時間の飢餓が、ケトアシドーシスを誘発しなかったことを示した。むしろ、本発明者らは、高用量のSMiにおいてのみ、わずかな飢餓依存性のpH低減(7.3から7.1)およびわずかな追加の低減(約0.05)を観察しただけであった。
【0570】
実施例26:アラニンスキャニング実験による機能的抗MCT1抗体のエピトープ特性化
本発明の機能的抗MCT1抗体によって結合されるエピトープ(複数可)を構成するMCT1残基を同定するために、アラニンスキャニング実験をさらに実施した。具体的には、4つの例示的な機能的抗ヒトMCT1抗体(INX444、INX420、LM183、およびLM186)によって結合されるエピトープを、標的タンパク質MCT1のモデル構造で視覚化した。これらの4つの抗体を、本明細書で同定されたものを代表するように選択した。特に、これらの抗体のうちの2つは、マウス抗ヒトMCT1抗体INX310(Ab1)の親和性成熟変異体であり、他の2つは、ニワトリ抗ヒトMCT1抗体である。これらの4つの抗体は全て、機能的であり、すなわち、全てヒトMCT1機能を遮断する。
【0571】
構築されたアラニンスキャニングライブラリ内の各変異クローンへの各試験Fabの結合を、ハイスループットフローサイトメトリーによって2連で決定した。各時点について、バックグラウンド蛍光を生データから差し引き、次いで、これをWT標的タンパク質とのFab反応性に正規化した。各変異クローンについて、平均結合値を発現の関数としてプロットした(対照反応性によって表される)。予備的な一次重要クローンを同定するために、対照MAbまたはFabへの70%を超えるWT結合および試験Fabへの15%未満のWT結合の閾値を適用した。二次クローンは、設定した閾値を満たしていないが、その結合活性の減少および重要残基への近接は、変異した残基が抗体の一部である可能性をさらに示唆する。
【0572】
以下の表は、試験した4つ全ての抗ヒトMCT1抗体に由来するFab(複数可)の標的(ヒトMCT1タンパク質)への結合のために同定された重要残基を含む。重要残基は、その突然変異が特定の抗体との最低の反応性をもたらした残基である。検証済みの重要残基は、側鎖が抗体-エピトープ相互作用に最もエネルギー的に寄与するアミノ酸を表す(Bogan,A.A.and Thorn,K.S.(1998).「Anatomy of hot spots in protein interfaces」.J.Mol.Biol.280,1-9、Lo Conte,L.,Chothia,C.,and Janin,J.(1999).The atomic structure of protein-protein recognition sites.J.Mol.Biol.285,2177-2198.,1999)。したがって、これらの残基は、結合エピトープへの主要なエネルギー的寄与因子である可能性が高い。
【表9】
【0573】
以下の表には、これらの同じ4つの抗体のMCT1エピトープを構成する同定された重要残基の平均結合反応性(および範囲)が含まれる。Fab結合の重要残基(赤枠で囲まれている)は、突然変異が試験Fabへの結合については陰性であったが、対照Fabへの結合については陽性であった残基であった。閾値ガイドラインを満たさなかった追加の二次残基(青枠で囲まれている)を同定したが、その結合活性の減少および重要残基への近接は、それらが抗体エピトープの一部である可能性があることを示唆した。
【表10】
【0574】
具体的には、これら4つの例示的な機能的抗ヒトMCT1抗体(INX444、INX420、LM183、およびLM186)の結合に関与する重要残基および二次残基を、標的MCT1タンパク質のモデル構造でさらに視覚化した。図52は、アラニンスキャニングによって同定されたこれら4つの異なる抗体の予測された抗MCT1エピトープを含む残基を示す。これらの抗体の4つ全てのエピトープを構成する残基が、ヒトMCT1の同じ細胞外領域に含まれていることが分かり、これは、本明細書に開示される機能的抗ヒトMCT1抗体の多くまたは全てが、ヒトMCT1上の同じまたは重複するエピトープに結合する可能性が高いことを示唆する。図53および図54はさらに、試験した4つの例示的な抗MCT1抗体によって結合された特定のヒトMCT1残基をマッピングする。
【0575】
エピトープ分析に基づいて、本発明は、以下:
(x)残基T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、K297、G417、I47、およびD418の1つ以上を含むもの、
(xi)少なくとも3つの残基を含むものであり、前述の残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418から選択される残基を含むもの、
(xii)3つの残基を含むものであり、前述の残基の少なくとも1、2、または3つ全てが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(xiii)3~6個の残基を含むものであり、前述の残基の1、2、3、4、5、または6つが、T41、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418を含むもの、
(xiv)残基T41、S285、およびS286の少なくとも1、2、または3つ全てを含むもの、
(xv)T41を含むもの、
(xvi)S286を含むもの、
(xvii)S285を含むもの、
(xviii)H292を含むもの、
(xix)残基T41、S285、S286、Y287、G417、およびD418を含むもの、
(xx)残基T41、S285、およびS286を含むもの、
(xxi)残基T41、I47、S285、S286、G417、およびD418を含むもの、
(xxii)残基E46、K289、およびH292を含むもの、
(xxiii)残基K297、Y293、およびH292を含むもの、
(xxiv)げっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ、ニワトリ、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、オランウータン)、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコから選択される、非ヒトMCT1の対応する残基の1つ以上を含むもの、から選択されるヒトMCT1上のエピトープに結合する、任意の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを少なくとも包含し、
任意に、エピトープ中に存在する残基を、アラニンスキャニングの使用によって同定する。
【0576】
同じエピトープ分析に基づいて、本発明は、ヒトMCT1のループ1~6に含まれる以下のヒトMCT1残基、または非ヒトMCT1、例えば、げっ歯類もしくは非ヒト霊長類MCT1のループ1~6領域に含まれる対応する残基のいずれかをさらに含み得る上記のヒトMCT1上のエピトープに結合する、任意の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを少なくともさらに包含する。
(i)残基P37、I40、K45、E48、およびT55の1つ以上(ループ1)、
(ii)残基Q111(ループ2)、
(iii)残基Q166(ループ3)、
(iv)残基L284、E296、S298の1つ以上(ループ4)、
(v)残基Y353(ループ5)、
(vi)残基Y419、T422の一方もしくは両方(ループ6)、ならびに/または
(vii)上記の任意の組み合わせ。
【0577】
実施例27:マウスMCT1への抗ヒトMCT1抗体(INX444)の結合
本明細書に開示される少なくとも機能的な1つの抗ヒトMCT1抗体(INX444)はまた、マウスMCT1に結合する。これは、主題の抗ヒトMCT1抗体がヒトMCT1タンパク質上で相互作用するヒトMCT1の領域またはエピトープまたは残基が、異なる種、例えば、ヒトおよびマウス、ならびに非ヒト霊長類などの考え得る他の種のMCT1タンパク質で保存される可能性が高いことをさらに示す。
【0578】
さらに、マウスMCT1に結合するこの抗ヒトMCT1抗体は、マウスMCT1を発現するトランスフェクタントをブロモピルビン酸の毒性作用から防御することがさらに実証された。具体的には、図55に示されるように、この同じ抗体は、2つの異なるAb濃度(低10ug/mL、高100ug/mL)で試験した場合、陽性対照、AZ3965(小分子MCT1阻害剤、緑)と同様に、ブロモピルビン酸の毒性作用から、マウスMCT1を発現するトランスフェクタントを防御する。
【0579】
対照的に、他の2つの試験済みの機能的抗ヒトMCT1抗体、すなわち、同じ実験のINX420およびINX438は、マウスMCT1機能を遮断しなかった(ベースライン)。(150uMのブロモピルビン酸では、トランスフェクタント細胞がこのブロモピルビン酸濃度で完全に死滅しないため、培地のみの対照はゼロに到達しないことに留意されたい)。
【0580】
この結果は、主題の抗ヒトMCT1抗体がヒトMCT1タンパク質上で相互作用する機能的エピトープまたは残基が、異なる種のMCT1タンパク質で保存される可能性が高いことをさらに裏付け、これは、主題の抗ヒトMCT1抗体が競合結合アッセイで使用されて、他の機能的抗MCT1抗体、すなわち、ヒトMCT1の1つ以上の活性に拮抗する、阻害する、もしくは遮断するもの、またはそのオルソログ、例えば、げっ歯類もしくは非ヒト霊長類MCT1タンパク質の1つ以上の活性に拮抗する、阻害する、もしくは遮断するものをスクリーニングし得ることを示唆する。
参考文献
このリストの参考文献は、参照により組み込まれ、上記の明細書中の参照番号によって言及される。
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MCT1および抗MCT1抗体配列
ヒトMCT1アミノ酸配列
配列番号:1
MPPAVGGPVGYTPPDGGWGWAVVIGAFISIGFSYAFPKSITVFFKEIEGIFHATTSEVSWISSIMLAVMYGGGPISSILVNKYGSRIVMIVGGCLSGCGLIAASFCNTVQQLYVCIGVIGGLGLAFNLNPALTMIGKYFYKRRPLANGLAMAGSPVFLCTLAPLNQVFFGIFGWRGSFLILGGLLLNCCVAGALMRPIGPKPTKAGKDKSKASLEKAGKSGVKKDLHDANTDLIGRHPKQEKRSVFQTINQFLDLTLFTHRGFLLYLSGNVIMFFGLFAPLVFLSSYGKSQHYSSEKSAFLLSILAFVDMVARPSMGLVANTKPIRPRIQYFFAASVVANGVCHMLAPLSTTYVGFCVYAGFFGFAFGWLSSVFETLMDLVGPQRFSSAVGLVTIVECCPVLGPPLLGRLNDMYGDYKYTYWACGVVIISGIYLFIGMGINYRLLAKEQKANEQKKESKEEETSIDVAGKPNEVTKAAESPDQKDTDGGPKEEESPV
MCT1 Ab1(INX310)VH
配列番号:2
QVQLKATGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTDDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGASVTVSS
MCT1 Ab1(INX310)VL
配列番号:3
NIHLTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGAGTKLELK
MCT1 Ab1(INX310)VH CDR1
配列番号:4
GFSLTNYH
MCT1 Ab1(INX310)VH CDR2
配列番号:5
IRSSGNT
MCT1 Ab1(INX310)VH CDR3
配列番号:6
ARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWG
MCT1 Ab1(INX310)VL CDR1
配列番号:7
QNINNY
MCT1 Ab1(INX310)VL CDR2
配列番号:8
NRH
MCT1 Ab1(INX310)VL CDR3
配列番号:9
YQYSDGYT
Ab1(INX310)
>INX310_VH
配列番号:10
QVQLKATGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYN
SEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTDDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGA
SVTVSS
>INX310_VL
配列番号:11
NIHLTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGAGTKLELK
Ab2(INX352)
>INX352_VH
配列番号:12
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
LVTVSS
>INX352|INX356|INX364_VL
配列番号:13
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab3(INX356)
>INX356_VH
配列番号:14
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
MVTVSS
>INX352|INX356|INX364_VL
配列番号:15
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab4(INX364)
>INX364_VH
配列番号:16
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
LVTVSS
>INX352|INX356|INX364_VL
配列番号:17
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
サイレントIgG1(定常)
E269R/K322A
>IgG1_INX_Silent
配列番号:18
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:19
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGT
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH1_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:20
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:21
QVQLKESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH2_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:22
QVQLKESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:23
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH3_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:24
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYN
PSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:25
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH4_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:26
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:27
QVQLQESGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTEDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
>aMCT1_Humanized_VH_AmbCons_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:28
QVQLQESGPGLVQPTQTLSITCTVSGFSLTNYHLQWVRQTPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLSISRDTSKNQVFLKMNSLKTEDTGVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:29
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLSISRDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH_AmbMod_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:30
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLSISRDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変重鎖ポリペプチド
配列番号:31
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLTISKDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSS
ヒト化Ab1(INX310)重鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VH_AmbAgg_hIgG1_INXsilent_HC
配列番号:32
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWMGFIRSSGNTEYNSEFKSRLTISKDTSKNQVYLQMNSLKTEDTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHRDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTL
PPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLT
VDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:33
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPKLLIYNRHNLQSGVPS
RFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGQGTKLEIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VL1_hKappa_LC
配列番号:34
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPKLLIYNRHNLQSGVPS
RFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:35
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VL3_hKappa_LC
配列番号:36
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:37
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
>aMCT1_Humanized_VL4_hKappa_LC
配列番号:38
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPS
RFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPS
DEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTL
SKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:39
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VL_AmbCons_hKappa_LC
配列番号:40
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:41
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VL_AmbMod_hKappa_LC
配列番号:42
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
ヒト化Ab1(INX310)可変軽鎖ポリペプチド
配列番号:43
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGQPPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGGGTKVEIK
ヒト化Ab1(INX310)軽鎖ポリペプチド
aMCT1_Humanized_VL_AmbAgg_hKappa_LC
配列番号:44
NIQMTQSPSLLSASVGDRVTISCKGSQNINNYLAWFQQKFGQPPKLLIYNRHNLQTGIPS
RFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
Ab5(INX402)
>VH 配列番号:45
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>LC 配列番号:46
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab6(INX403)
>VH 配列番号:47
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:48
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab7(INX404)
>VH 配列番号49
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWRHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号50
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab8(INX405)
>VH 配列番号:51
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRFVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:52
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab9(INX406)
>VH 配列番号:53
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNKWIHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:54
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab10(INX407)
>VH 配列番号55
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYMMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:56
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab11(INX408)
>VH 配列番号:57
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:58
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab12(INX409)
>VH 配列番号:59
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWIHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号60
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab13(INX410)
>VH 配列番号:61
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYWSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:62
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab14(INX411)
>VH 配列番号63
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
VL 配列番号:64
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab15(INX412)
>VH 配列番号:65
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGWWYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:66
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab16(INX413)
>VH 配列番号67
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYFSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:68
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab17(INX414)
>VH 配列番号:69
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARKRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号70
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab18(INX415)
>VH 配列番号71
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWMHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号72
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab19(INX416)
>VH 配列番号73
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARERWVHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号74
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab20(INX417)
>VH 配列番号75
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:76
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab21(INX418)
>VH 配列番号77
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:78
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab22(INX419)
>VH 配列番号79
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGSYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号80
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab23(NX420)
>VH 配列番号81
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRFVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号82
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab24(INX421)
>VH 配列番号:83
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWIHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号84
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab25(INX422)
>VH 配列番号85
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:86
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab26(INX423)
>VH 配列番号:87
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGWWYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号88
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab27(INX424)
>VH 配列番号:89
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWMHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号90
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab28(INX425)
>VH 配列番号:91
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARERWVHGTYFSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:92
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab29(INX426)
>VH 配列番号:93
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:94
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab30(INX427)
>VH 配列番号95
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGSYYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:96
DIQMTQSPSSLSASVGDKVTITCRGSQNINNYLAWFQQKPGKTPALLIYNRHNLQSGVPSRFRGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYCYQYSDGYTFGPGTKVDIK
Ab31(INX428)
>VH 配列番号:97
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:98
EIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVFYNSYNRNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYYSTPSFTFGPGTKVDIK
Ab32(INX429)
>VH 配列番号:99
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号100
AIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWFQQKPGKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDSPPYTFGLGTKLEIK
Ab33(INX430)
>VH 配列番号:101
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:102
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab34(INX431)
>VH 配列番号:103
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:104
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWFQQKPGKAPKSLIYAASSLQSGVPSKFSGSGSGTDFTLTINGLQPEDFATYYCQQTDSLPYTFGQGTKLEIK
Ab35(INX432)
>VH 配列番号:105
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号106
NIHLTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGAGTKLELK
Ab36(INX433)
>VH 配列番号:107
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:108
NIHLTQSPSLLSASVGDRVTLSCKGSQNINNYLAWFQQKFGETPKLLIYNRHNLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDVATYFCYQYSDGYTFGAGTKLELK
Ab37(INX434)
>VH 配列番号:109
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWRHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:110
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab38(INX435)
>VH 配列番号:111
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRFVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:112
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab39(INX436)
>VH 配列番号:113
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNKWIHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:114
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab40(INX437)
>VH 配列番号:115
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYMMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:116
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab41(INX438)
>VH 配列番号:117
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:118
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab42(INX439)
>VH 配列番号:119
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWIHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:120
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab43(INX440)
>VH 配列番号:121
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYWSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:122
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab44(INX441)
>VH 配列番号:123
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:124
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab45(INX442)
>VH 配列番号:125
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGWWYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:126
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab46(INX443)
>VH 配列番号:127
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNSWYHGTYFSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:128
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab47(INX444)
>VH 配列番号:129
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARKRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:130
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab48(INX445)
>VH 配列番号:131
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWMHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:132
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab49(INX446)
>VH 配列番号:133
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARERWVHGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:134
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab50(INX447)
>VH 配列番号:135
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGTYYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:136
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab51(INX448)
>VH 配列番号:137
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYVMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:138
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab52(INX449)
>VH 配列番号:139
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGSYYSPGYYVMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:140
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab53(INX450)
>VH 配列番号:141
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRFVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:142
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab54(INX451)
>VH 配列番号:143
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWIHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:144
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab55(INX452)
>VH 配列番号:145
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:146
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab56(INX453)
>VH 配列番号:147
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGWWYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:148
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab57(INX454)
>VH 配列番号:149
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWMHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:150
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab58(INX455)
>VH 配列番号:151
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARERWVHGTYFSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:152
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab59(INX456)
>VH 配列番号:153
QVQLKESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGFSLTNYHLQWVRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVHGTWYSPGYYLMDAWGQGTLVTVSS
>VL 配列番号:154
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab60(INX457)
>VH 配列番号:155
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTNYHLQWIRQPPGKGLEWIGFIRSSGNTEYNPSLKSRVTISRDTSKNQVSLKLSSVTAADTAVYYCARNRWVQGSYYSPGYYLMDAWGQGTMVTVSS
>VL 配列番号:156
DIQLTQSPSAMSASVGDRVTITCRASQGISNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVASRFSGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSDILPYTFGQGTKVEIK
Ab61(MCT1 3303 A07またはLM-183)
CDR1-HC(配列番号:161)
GFDFSNY
CDR2-HC(配列番号:162)
GDSASY
CDR3-HC(配列番号:163)
ASEGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:164)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:165)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:166)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:167)
DNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:168)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:169)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGGGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYDNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVRAEDEAVYYCGSAGNSGAFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:170)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATGACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAGTCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTTCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGCAGTGCAGGCAATAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab62(LM-185またはMCT1 3303 B04-1)
CDR1-HC(配列番号:171)
GFDFSNY
CDR2-HC(配列番号:172)
GDSASY
CDR3-HC(配列番号:173)
ASEGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:174)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:175)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:176)
SGGSSYG
CDR2-LC(配列番号:177)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:178)
GSRDSSGADL
LCタンパク質(配列番号:179)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGSSYGWFQQKSPGSALVTLIYYNDKRPSNIPSRFSGSKSGSTGILTISGVQAEDEAVYYCGSRDSSGADLFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:180)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGCAGCAGTTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCTTGTCACTCTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCATTTTGACCATCTCTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGGAGCAGGGACAGCAGTGGTGCTGATCTATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab63(LM-186またはMCT1 3308 B04-2)
CDR1-HC(配列番号:181)
GFSFSSR
CDR2-HC(配列番号:182)
DNDGGYP
CDR3-HC(配列番号:183)
GAYGGGWYAASSIDA
HCタンパク質(配列番号:184)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFSFSSRGMFWVRQAPGKGLEYVAGIDNDGGYPNYGSAVKGRATISRDNRQSTVRLQLNNLRADDTGTYYCAKGAYGGGWYAASSIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:185)
GTCACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGCAGCCGGGGCATGTTCTGGGTGCGACAGGCACCTGGCAAGGGGCTGGAATACGTTGCGGGTATTGATAATGATGGTGGTTACCCAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACAGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGACGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAGGGTGCTTATGGTGGTGGTTGGTATGCCGCTAGTAGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:186)
SGGVGQWYG
CDR2-LC(配列番号:187)
DNTNRPS
CDR3-LC(配列番号:188)
ANTYSDGNDAP
LCタンパク質(配列番号:189)
ALTQPSSVSANPGEAVKITCSGGVGQWYGWFQQKAPGSAPVTVIHDNTNRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVQAEDEAVYFCANTYSDGNDAPFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:190)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAGCCGTCAAGATCACCTGCAGTGGAGGTGTCGGCCAGTGGTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGGCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCCATGACAACACCAACAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGCGAATACATACAGCGACGGTAATGATGCTCCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab64(LM-188またはMCT1 3308 E08)
CDR1-HC(配列番号:191)
GFTFSSR
CDR2-HC(配列番号:192)
DNDGGYP
CDR3-HC(配列番号:193)
GAYGGGWYAASSIDA
HCタンパク質(配列番号:194)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFTFSSRGMFWVRRAPGKGLEYVAGIDNDGGYPNYGSAVKGRATISRDNRQSTVRLQLNNLRADDTGTYYCAKGAYGGGWYAASSIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:195)
GTCACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCACCTTCAGCAGCCGGGGCATGTTCTGGGTGCGACGGGCACCTGGCAAGGGGCTGGAATACGTTGCGGGTATTGATAATGATGGTGGTTACCCAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACAGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGACGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAGGGTGCTTATGGTGGTGGTTGGTATGCCGCTAGTAGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:196)
SGGVGQWYG
CDR2-LC(配列番号:197)
DNTNRPS
CDR3-LC(配列番号:198)
ANTYSDGNDAP
LCタンパク質(配列番号:199)
ALTQPSSVSANPGEAVKITCSGGVGQWYGWFQQKAPGSAPVTVIYDNTNRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVQAEDEAVYFCANTYSDGNDAPFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:200)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAGCCGTCAAGATCACCTGCAGTGGAGGTGTCGGCCAGTGGTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGGCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATGACAACACCAACAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGCGAATACATACAGCGACGGTAATGATGCTCCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab65(LM-189またはMCT1 3308 G12)
CDR1-HC(配列番号:201)
GFSFSSR
CDR2-HC(配列番号:202)
DNDGGYP
CDR3-HC(配列番号:203)
GAYGGGWYAASSIDA
HCタンパク質(配列番号:204)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFSFSSRGMFWVRQAPGKGLEYVAGIDNDGGYPNYGSAVKGRATISRDNRQSTVRLQLNNLRADDTGTYYCAKGAYGGGWYAASSIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:205)
GTCACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGCAGCCGGGGCATGTTCTGGGTGCGACAGGCACCTGGCAAGGGGCTGGAATACGTTGCGGGTATTGATAATGATGGTGGTTACCCAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACAGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGACGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAGGGTGCTTATGGTGGTGGTTGGTATGCCGCTAGTAGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:206)
SGGGGGWYG
CDR2-LC(配列番号:207)
DNTNRPS
CDR3-LC(配列番号:208)
ANTDSDGNDAP
LCタンパク質(配列番号:209)
ALTQPSSVSANPGETVKITCSGGGGGWYGWYQQKSPGSAPVTVIYDNTNRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVQAEDEAVYFCANTDSDGNDAPFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:210)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCGAACCCGGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCGGCTGGTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATGACAACACCAACAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGCGAATACAGACAGCGACGGTAATGATGCTCCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab66(LM-190またはMCT1 3308 H02)
CDR1-HC(配列番号:211)
GFSFSSR
CDR2-HC(配列番号:212)
DNDGGYP
CDR3-HC(配列番号:213)
GAYGGGWYAASSIDA
HCタンパク質(配列番号:214)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFSFSSRGMFWVRQAPGKGLEYVAGIDNDGGYPNYGSAVKGRATISRDNRQSTVRLQLNNLRADDTGTYYCAKGAYGGGWYAASSIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:215)
TCCGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGCAGCCGGGGCATGTTCTGGGTGCGACAGGCACCTGGCAAGGGGCTGGAATACGTTGCGGGTATTGATAATGATGGTGGTTACCCAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACAGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGACGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAGGGTGCTTATGGTGGTGGTTGGTATGCCGCTAGTAGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:216)
SGGVGQWYG
CDR2-LC(配列番号:217)
DNTKRPS
CDR3-LC(配列番号:218)
ANTYSDGNDAP
LCタンパク質(配列番号:219)
ALTQPSSVSANLGEAVKITCSGGVGQWYGWYQQKAPGSAPVTVIYDNTKRPSNIPSRFSGSASGSTATLTITGVRAEDEAVYFCANTYSDGNDAPFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:220)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGAAGCCGTCAAGATCACCTGCAGTGGAGGTGTCGGCCAGTGGTATGGCTGGTACCAGCAGAAGGCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATGACAACACCAAGAGACCCTCAAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCGCATCCGGCTCCACAGCCACACTAACCATCACTGGAGTCCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGCGAATACATACAGCGACGGTAATGATGCTCCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab67(LM-193またはMCT1 3310 A07)
CDR1-HC(配列番号:221)
GFDFSNY
CDR2-HC(配列番号:222)
GDSASY
CDR3-HC(配列番号:223)
ASEGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:224)
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HC DNA(配列番号:225)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:226)
SGGSGSYG
CDR2-LC(配列番号:227)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:228)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:229)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGSGSYGWFRQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVRAEDEAVYFCGSAGNSGAFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:230)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACAGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTAGTGGCAGCTATGGCTGGTTCCGGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGCAGGCAACAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab68(LM-194またはMCT1 3310 B07-1)
CDR1-HC(配列番号:231)
GFDFSSY
CDR2-HC(配列番号:232)
GDGASY
CDR3-HC(配列番号:233)
ASEGSYWYYETGGIDT
HCタンパク質(配列番号:234)
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HC DNA(配列番号:235)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAGCTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGCATACGTCGCTGGTATCGGCGACGGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGAGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAACTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:236)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:237)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:238)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:239)
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LC DNA(配列番号:240)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGCAGGCAACAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab69(LM-195またはMCT1 3310 B07-2)
CDR1-HC(配列番号:241)
GFDFSSY
CDR2-HC(配列番号:242)
GDGASY
CDR3-HC(配列番号:243)
ASEGSYWYYETGGIDT
HCタンパク質(配列番号:244)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSSYEMLWVRQAPGKGLAYVAGIGDGASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCAKASEGSYWYYETGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:245)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAGCTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGCATACGTCGCTGGTATCGGCGACGGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAACTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:246)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:247)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:248)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:249)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGGGSYGWFQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVRAEDEAVYFCGSAGNSGAFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:250)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGCAGGCAACAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab70(LM-197またはMCT1 3310 E01)
CDR1-HC(配列番号:251)
GFDFSSY
CDR2-HC(配列番号:252)
GNSASY
CDR3-HC(配列番号:253)
PSDGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:254)
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HC DNA(配列番号:255)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAGCTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATTCGTCGCTGGTATTGGCAACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGAAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAACCTTCCGATGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:256)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:257)
DNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:258)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:259)
ALTQPSSVSANPGGTVKITCSGGGGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYDNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVRAEDEAVYYCGSAGNSGAFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:260)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATGACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAGTCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTTCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGCAGTGCAGGCAATAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab71(LM-198またはMCT1 3310 E03)
CDR1-HC(配列番号:261)
GFDFSNY
CDR2-HC(配列番号:262)
GDSASY
CDR3-HC(配列番号:263)
ASEGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:264)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSALRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:265)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCGCACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:266)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:267)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:268)
GSGDSSGGI
LCタンパク質(配列番号:269)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGGGSYGWFQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQVDDEAVYFCGSGDSSGGIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:270)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGCTCCAAATCCGGCTCCACGGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGTCGACGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGGAGACAGCAGTGGTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab72(LM-199またはMCT1 3310 E04)
CDR1-HC(配列番号:271)
GFDFSNY
CDR2-HC(配列番号:272)
GDSASY
CDR3-HC(配列番号:273)
ASEGSYWYYEAGGIDT
HCタンパク質(配列番号:274)
AVTLDESGGGLRTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:275)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCGGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:276)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:277)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:278)
GSAGNSGA
LCタンパク質(配列番号:279)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGGGSYGWFQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVRAEDEAVYFCGSAGNSGAFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:280)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCAGCTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCAGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCGAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGCAGGCAACAGTGGTGCATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab73(LM-201またはMCT1 3310 H09)
CDR1-HC(配列番号:281)
GFDFSSY
CDR2-HC(配列番号:282)
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HCタンパク質(配列番号:284)
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HC DNA(配列番号:285)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAGCTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGCATACGTCGCTGGTATCGGCGACGGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGAGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAACTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC(配列番号:286)
SGGGGSYG
CDR2-LC(配列番号:287)
YNDKRPS
CDR3-LC(配列番号:288)
GSAGNSGA
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Ab84(LM-184またはMCT1 3303 C03)
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Ab85 (LM-187またはMCT1 3308 B07)
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LCタンパク質(配列番号:409)
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Ab86(LM-191またはMCT1 3310 A01)
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ALTQPSSVSASPGGTVKITCSGSSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVQAEDEAVYFCGSYGSTDAAIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:420)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCCGCGAGCCCAGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGAGTAGTGGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGCTACGGCAGCACTGATGCTGCTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab87(LM-192またはMCT1 3310 A02-1)
CDR1-HC GFDFSNY(配列番号:421)
CDR2-HC GDSASY(配列番号:422)
CDR3-HC ASEGSYWYYEAGGIDT(配列番号:423)
HCタンパク質(配列番号:424)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:425)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC SGGYSSYG(配列番号:426)
CDR2-LC YNAKRPS(配列番号:427)
CDR3-LC GTADRSSTAL(配列番号:428)
LCタンパク質(配列番号:429)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGYSSYGWYQQKSPGSAPVTLIYYNAKRPSNIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGTADRSSTALFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:430)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTTACAGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCTCCTGTCACTCTGATCTATTACAACGCCAAGAGACCCTCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGACTGCAGACAGGAGCAGTACTGCTTTATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab88(LM-196またはMCT1 3310 C01)
CDR1-HC GFDFSSY(配列番号:431)
CDR2-HC GDGASY(配列番号:432)
CDR3-HC ASEGSYWYYETGGIDT(配列番号:433)
HCタンパク質(配列番号:434)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSSYEMLWVRQAPGKGLAYVAGIGDGASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKASEGSYWYYETGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:435)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAGCTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGCATACGTCGCTGGTATCGGCGACGGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGAGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAACTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC SGGSGSYG(配列番号:436)
CDR2-LC YNDKRPS(配列番号:437)
CDR3-LC GSGDRSYDGM(配列番号:438)
LCタンパク質(配列番号:439)
ALTQPSSVSANPGETVEITCSGGSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIHYNDKRPSDIPSRFSGSASGSTATLTITGVQVEDEAVYFCGSGDRSYDGMFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:440)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGGGTAGTGGCAGCTACGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCCATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCGCATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGTCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGGAGACAGGAGTTATGATGGTATGTTCGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab89(LM-200またはMCT1 3310 F12)
CDR1-HC GFDFSNY(配列番号:441)
CDR2-HC GDSASY(配列番号:442)
CDR3-HC ASEGSYWYYEAGGIDT(配列番号:443)
HCタンパク質(配列番号:444)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKASGFDFSNYEMLWVRQAPGKGLEYVAGIGDSASYSAYGVAVKGRATISRDNGQSTLRLQLNGLRAEDTGTYYCTKASEGSYWYYEAGGIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:445)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCGACTTCAGCAACTACGAAATGCTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCTGGTATTGGCGACAGTGCTAGTTACTCAGCATACGGGGTGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACACTGAGGCTGCAGCTGAACGGCCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCACCAAAGCTTCCGAGGGTTCCTACTGGTATTATGAAGCTGGTGGTATCGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC SGGSSTYG(配列番号:446)
CDR2-LC RNDNRPS(配列番号:447)
CDR3-LC GSADSSGAI(配列番号:448)
LCタンパク質(配列番号:449)
ALTQPSSVSANLGGTVEITCSGGSSTYGWYQQKSPGSAPVTVIYRNDNRPSNIPSRFSGSKYGSTGTLTITGVQAEDEAVYLCGSADSSGAIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:450)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGGGTAGCAGCACCTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATAGGAACGACAACAGACCCTCAAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATACGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTATGTGGGAGTGCAGACAGCAGTGGTGCTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab90 (MCT1 3308 A05)
CDR1-HC GFSFSGF(配列番号:451)
CDR2-HC DDGGSS(配列番号:452)
CDR3-HC DTAACTYPCGSYVHTIDT(配列番号:453)
HCタンパク質(配列番号:454)
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSGFSMGWVRQTPGKGLEWVAGIDDGGSSTYYGAAVKGRATISRDNGQSTVRLQLSNLRAEDTGIYYCARDTAACTYPCGSYVHTIDTWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:455)
TCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCGCTCAGTCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGTGGTTTCAGCATGGGTTGGGTGCGCCAGACGCCCGGCAAAGGGCTGGAATGGGTCGCTGGTATTGATGATGGTGGCAGTAGCACCTACTACGGGGCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAGCAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCATCTACTACTGCGCCAGAGATACTGCTGCTTGTACTTATCCTTGTGGTTCTTATGTGCATACGATAGACACATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC SGGGGDYG(配列番号:456)
CDR2-LC YSDKRPP(配列番号:457)
CDR3-LC GGWDDTNGGI(配列番号:458)
LCタンパク質(配列番号:459)
ALTQPSSVSANLGGTVKITCSGGGGDYGWFQQKSPGSAPVTVIYYSDKRPPNIPSRFSGSLSGSTATLTITGVQAEDEAVYYCGGWDDTNGGIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:460)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTGGCGACTATGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAGCGACAAGAGACCCCCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCCTATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGTGGCTGGGACGATACTAATGGTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab91 (MCT1 3309 D07)
CDR1-HC GFSFSSY(配列番号:461)
CDR2-HC RSSGSS(配列番号:462)
CDR3-HC AGCSDCWRSTPGRIDA(配列番号:463)
HCタンパク質(配列番号:464)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFSFSSYGMGWVRQAPGKGLEFIAGIRSSGSSTYYGAAVKGRATITRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTATYYCAKAGCSDCWRSTPGRIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:465)
ACGAATTCGGCCGTGACGTTGGACGAGTCTGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGCAGTTATGGCATGGGCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATTCATCGCGGGTATTAGAAGCAGTGGTAGTAGCACATACTACGGGGCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCACGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGCCACCTACTACTGCGCCAAAGCTGGTTGTAGTGATTGTTGGCGTAGTACTCCTGGTAGGATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCG
CDR1-LC SGSSSGYGYG(配列番号:466)
CDR2-LC TNTNRPS(配列番号:467)
CDR3-LC GSYDSNTYLGL(配列番号:468)
LCタンパク質(配列番号:469)
ALTQPSSVSANLGGTVEITCSGSSSGYGYGWYQQKSPGSAPVTLIYTNTNRPSDIPSRFSGSTSGSTNTLTIAGVQAEDEAVYYCGSYDSNTYLGLFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:470)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGAGTAGCAGTGGCTATGGTTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTCTGATCTATACTAACACCAACAGACCCTCGGACATCCCTTCGCGATTCTCCGGTTCCACATCCGGCTCCACAAACACATTAACGATCGCTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTATTGTGGGAGCTACGACAGCAACACTTATCTTGGTCTATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab92(MCT1 3310 A05)
CDR1-HC GFTFSSY(配列番号:471)
CDR2-HC SKDGGSD(配列番号:472)
CDR3-HC GIGVGNIDA(配列番号:473)
HCタンパク質(配列番号:474)
AVTLDESEGGLHTPGGGLSLVCKASGFTFSSYAMYWIRQAPGKGLEWVAYISKDGGSDTAYETAVKGRATISRDDGQSTVRLQLNNLRAEDTATYYCARGIGVGNIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:475)
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGAGGGCGGCCTCCATACACCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCACCTTCAGCAGTTATGCCATGTACTGGATCCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTCGCCTATATTAGCAAGGATGGTGGTAGTGACACAGCATACGAGACAGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACGACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGCCACCTACTACTGCGCCAGAGGTATTGGTGTTGGTAACATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCC
CDR1-LC SGSSSGYGYG(配列番号:476)
CDR2-LC TNTNRPS(配列番号:477)
CDR3-LC GSYDSNTYLGL(配列番号:478)
LCタンパク質(配列番号:479)
ALTQPSSVSANLGETVKITCSGTSDNNYFGWYQQKSPGSAPVTVIYGNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQADDEAVYFCGSYDTYVNDDIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:480)
GCCCTGAcTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCTGGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGACTAGTGACAATAACTACTTTGGTTGGTATCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACGGTGATCTATGGCAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGACGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGCTATGACACCTATGTTAATGATGATATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
Ab93(MCT1 3310 A12)
CDR1-HC GFDFSSY(配列番号:481)
CDR2-HC YKDGGSD(配列番号:482)
CDR3-HC GIGIGNIDA(配列番号:483)
HCタンパク質(配列番号:484)
AVTLDESGGGLQTPGGGLSLVCKASGFDFSSYAMYWIRQAPGKGLEWVAYIYKDGGSDTAYETAVKGRATISRDDGQSTMRLQLNNLRAEDTATYYCARGIGIGNIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:485)
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGGGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTTGACTTCAGCAGTTACGCCATGTACTGGATCCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTCGCCTATATTTACAAGGATGGTGGTAGTGACACAGCATACGAGACAGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACGACGGGCAGAGTACGATGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGCCACCTACTACTGTGCCAGAGGTATTGGTATTGGTAACATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCC
CDR1-LC SGNSDNNYFG(配列番号:486)
CDR2-LC GNDKRPS(配列番号:487)
CDR3-LC GSYDTYVNDDM(配列番号:488)
LCタンパク質(配列番号:489)
ALTQPSSVSANPGGTVEITCSGNSDNNYFGWFQQKSPGSAPVTVIYGNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQADDEAVYFCGSYDTYVNDDMFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:490)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGAATAGTGACAATAACTACTTTGGCTGGTTCCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCAGTCACTGTGATCTATGGCAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGACGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGCTACGACACCTATGTCAATGATGACATGTTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTT
Ab94 (MCT1 3311 B04)
CDR1-HC GFTFSSF(配列番号:491)
CDR2-HC SNDGGG(配列番号:492)
CDR3-HC GGGASSIDA(配列番号:493)
HCタンパク質(配列番号:494)
AVTLDESEGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFSSFNMFWVRQAPGKGLEFVAAVSNDGGGTWYATAVKGRATISKDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCARGGGASSIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:495)
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGAGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGGCTCCGGGTTCACCTTCAGCAGCTTCAACATGTTCTGGGTGCGACAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAATTCGTCGCTGCTGTTAGCAATGATGGTGGTGGCACATGGTACGCGACGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAAGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAGAGGTGGTGGTGCCAGTAGTATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCC
CDR1-LC SGGSGRYG(配列番号:496)
CDR2-LC ANTKRPS(配列番号:497)
CDR3-LC GSIDNNYVGI(配列番号:498)
LCタンパク質(配列番号:499)
ALTQPSSVSANPGETVKITCSGGSGRYGWYQQKSPGSAPVTVIRANTKRPSDIPSRFSGSKSGSTGTLTITGVQVEDEAVYFCGSIDNNYVGIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:500)
GCCCTGAcTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCAGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTAGTGGCAGGTACGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCAGGGCTAACACCAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGTCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGCATAGACAACAACTATGTTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
Ab95(MCT1 3311 B07)
CDR1-HC GFTISSY(配列番号:501)
CDR2-HC SGSGRY(配列番号:502)
CDR3-HC DGGGNYWNAAGGIDA(配列番号:503)
HCタンパク質(配列番号:504)
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTISSYTMQWVRQAPDKGLEYVASISGSGRYTGYGAAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKDGGGNYWNAAGGIDAWGHGTEVIVSS
HC DNA(配列番号:505)
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGGCTCCGGGTTCACCATCAGCAGTTACACCATGCAGTGGGTGCGACAGGCGCCCGACAAGGGGTTGGAATATGTCGCCAGTATTAGCGGCAGTGGTAGATACACAGGCTACGGGGCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGATGGTGGTGGTAATTACTGGAATGCTGCTGGTGGTATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCC
CDR1-LC SGGSSTYG(配列番号:506)
CDR2-LC NDDERPS(配列番号:507)
CDR3-LC GNEDSSAGKGGI(配列番号:508)
LCタンパク質(配列番号:509)
ALTQPSSVSANLGGTVEITCSGGSSTYGWYQQKSPGSAPVTLIYNDDERPSNIPSRFSGSTSDFTGTLTITGVQADDEAVYFCGNEDSSAGKGGIFGAGTTLTVL
LC DNA(配列番号:510)
GCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCGAACCTGGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGGGTAGCAGCACCTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTCTGATTTATAATGATGATGAGAGACCCTCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCACATCCGACTTCACGGGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGACGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAATGAAGACAGCAGTGCTGGTAAAGGTGGCATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
【配列表】
2022160650000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトMCT1に結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであって、以下:
(i)残基T41を含み、以下の残基:E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、K297、G417、I47、およびD418のうちの1つまたはそれ以上をさらに含むか、または含まないエピトープ、または
(ii)少なくとも3つの残基を含むエピトープであって、前記残基のうちの1個がT41であり、残りの残基のうちの少なくとも1または2個が、E46、S285、S286、Y287、K289、H292、Y293、G417、I47、およびD418から選択される残基である、エピトープ、
から選択されるヒトMCT1のエピトープに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
ヒトMCT1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、配列番号4、5、6のアミノ酸配列をそれぞれ含むV CDR1、2、および3、ならびに配列番号7、8、9のアミノ酸配列をそれぞれ含むV CDR1、2、および3を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
請求項2に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおけるV CDR1、2、および3、ならびにV CDR1、2、および3を含む、ヒト化抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4の重鎖および/または軽鎖定常領域を含み、前記重鎖および/または軽鎖定常領域が、適宜変異されて、少なくとも1つのエフェクター機能またはグリコシル化を損なうかまたは増強し、前記エフェクター機能が、FcR結合、補体結合、ADCC機能、およびFcRN結合から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、活性化ヒトT細胞またはB細胞の表面上のヒトMCT1に結合することにより、以下の特性:
(i)乳酸の輸送を阻害する、
(ii)ブロモピルビン酸の輸送を阻害する、
(iii)モノカルボン酸、ピルビン酸、ロイシン、バリンおよびイソロイシンに由来する分岐鎖オキソ酸、ケトン体、アセト酢酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、酢酸、乳酸、細胞栄養素、代謝産物、イオン、ホルモン、脂質、およびケトンのうちの1つまたはそれ以上の輸送を阻害する、
(iv)CD3/CD28刺激T細胞の増殖を阻害する、
(v)前記活性化T細胞もしくはB細胞の増殖を阻害する、
(vi)1つ以上の炎症性サイトカインの産生を阻害する、
(vii)エフェクターT細胞、例えば、CD3、CD4、および/もしくはCD8エフェクターT細胞の活性および/もしくは数を減少させる、
(viii)制御性T(Treg)細胞の割合もしくは活性を増加させる、
(ix)混合リンパ球反応における同種異系活性化を阻害する
のうちの1つまたはそれ以上を引き起こす、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
薬学的有効量の請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項9】
請求項8に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項10】
抗MCT1抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する方法であって、前記抗体またはその抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で、請求項9に記載の宿主細胞を培養することと、前記培養培地または宿主細胞から前記抗体またはその抗原結合フラグメントを回収することとを含む、方法。
【請求項11】
自己免疫状態、アレルギー状態、炎症状態、代謝障害、癌、移植レシピエント、細胞療法レシピエント、EIHI状態、または多嚢胞腎疾患(ADPKD)の治療で使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記自己免疫状態が、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患(IBD)、関節リウマチ(RA)、乾癬、多発性硬化症、強皮症、または特発性血小板減少性紫斑病(ITP)である、請求項11に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または医薬組成物。
【請求項13】
前記癌が、MCT1を発現する、請求項11に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または医薬組成物。
【請求項14】
エフェクターT細胞もしくはB細胞の活性もしくは数の減少、またはサプレッサーTもしくはTr1細胞の活性もしくは数の増加で使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項6に記載の医薬組成物。
【外国語明細書】