(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160689
(43)【公開日】2022-10-19
(54)【発明の名称】複数の診断エンジン環境
(51)【国際特許分類】
G16H 10/40 20180101AFI20221012BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128609
(22)【出願日】2022-08-12
(62)【分割の表示】P 2020527945の分割
【原出願日】2018-11-16
(31)【優先権主張番号】62/588,689
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マニッシュ・デシュパンド
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ソープ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の診断エンジンと、複数の診断エンジンのそれぞれと電子通信する機器データマネージャ(IDM)とを含む診断エンジン環境を提供する。
【解決手段】ポイントオブケアシステム100は、複数の診断エンジンと、複数の診断エンジンのそれぞれと電子通信するIDMと、を含む。複数の診断エンジンはそれぞれ、診断エンジンに挿入された試料に対して検査を実施する。IDMは、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザが複数の異なる試料に対して複数の検査を実質的に同時に実施できるようにし、単一のユーザインターフェースを提供して、複数の診断エンジンによる検査を管理し、複数の診断エンジンそれぞれによって実施される検査の結果を受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントオブケアシステムであって:
試料に対する検査を実施し、試料に対する検査に基づいて測定結果を生成するようにそれぞれ構成された複数の診断エンジンと;
複数の診断エンジンそれぞれと電子通信する機器データマネージャ(IDM)と、を含み、該IDMは:
複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して複数の検査が実質的に同時に実施されることを可能にし;
診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から、1つまたはそれ以上の測定結果を受信し;
1つまたはそれ以上の測定結果と、少なくとも1つの他のパラメータとに基づいて、1つまたはそれ以上の計算結果を決定し;
複数の診断エンジンによる検査を管理し、1つまたはそれ以上の計算結果を表示するための単一のユーザインターフェースを提示する
ように構成されている、前記ポイントオブケアシステム。
【請求項2】
ユーザインターフェースは、試料の所与の1つに関連する計算結果を表示する前に、所与の試料に関連する患者識別子の入力を要求する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項3】
IDMは、無線通信を介して複数の診断エンジンそれぞれと通信するように構成されている、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項4】
各診断エンジンは、同じタイプの診断エンジンである、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項5】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、異なるタイプの診断エンジンである、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項6】
複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項7】
ユーザインターフェースは、各診断エンジンに関して、該診断エンジンを表すアイコンを表示する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項8】
各診断エンジンに関するアイコンは、診断エンジンのステータスを示す、請求項7に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項9】
IDMは、複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの他のパラメータは、患者と、測定結果が決定された日時とに関連する1つまたはそれ以上の人口統計情報を含む、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項11】
複数の診断エンジンを制御するための機器データマネージャ(IDM)であって:
複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して複数の検査が実質的に同時に実施されることを可能にし;
診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から、1つまたはそれ以上の測定結果を受信し;
1つまたはそれ以上の測定結果と、少なくとも1つの他のパラメータとに基づいて、1つまたはそれ以上の計算結果を決定し;
複数の診断エンジンによる検査を管理し、1つまたはそれ以上の計算結果を表示するための単一のユーザインターフェースを提示する
ように構成されている、前記機器データマネージャ(IDM)。
【請求項12】
ユーザインターフェースは、試料の所与の1つに関連する計算結果を表示する前に、所与の試料に関連する患者識別子の入力を要求する、請求項11に記載のIDM。
【請求項13】
無線通信を介して複数の診断エンジンそれぞれと通信するように構成されている、請求項11に記載のIDM。
【請求項14】
各診断エンジンは、同じタイプの診断エンジンである、請求項11に記載のIDM。
【請求項15】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、異なるタイプの診断エンジンである、請求項11に記載のIDM。
【請求項16】
複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のIDM。
【請求項17】
ユーザインターフェースは、各診断エンジンに関して、該診断エンジンを表すアイコンを表示する、請求項11に記載のIDM。
【請求項18】
各診断エンジンに関するアイコンは、診断エンジンのステータスを示す、請求項17に記載のIDM。
【請求項19】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項11に記載のIDM。
【請求項20】
少なくとも1つの他のパラメータは、患者と、測定結果が決定された日時とに関連する1つまたはそれ以上の人口統計情報を含む、請求項11に記載のIDM。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月20日出願の米国仮出願第62/588,689号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。上記の特許出願の内容全体を、参照により本明細書に明示的に組み込む。
【背景技術】
【0002】
ポイントオブケア検査は、ケアまたは他の治療が提供される場所で行われる医療診断検査として定義される。ポイントオブケア検査は、ベッドサイド検査、遠隔検査、サテライト検査、および迅速診断検査とも呼ばれる。ポイントオブケア検査の結果は、遅延なく作用させることができるように、比較的迅速に利用可能にされる。これにより、患者、医師、およびケアチームがより迅速に結果を受け取る可能性が高まり、臨床管理の意思決定をより良好にかつより迅速に行うことが可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書には、1つまたはそれ以上の試料を分析するための方法およびシステムが開示される。ポイントオブケアシステムは、複数の診断エンジンと、複数の診断エンジンのそれぞれと電子通信する機器データマネージャ(instrument data manager)(IDM)とを
含む。複数の診断エンジンはそれぞれ、試料に対して検査を実施する。IDMは、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザが複数の異なる試料に対して複数の検査を実質的に同時に実施できるようにし、単一のユーザインターフェースを提供して、複数の診断エンジンによる検査を管理し、複数の診断エンジンそれぞれによって実施される検査の測定結果を受信するように構成される。
【0004】
複数の診断エンジンは、例えば、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含み、複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、異なるタイプの診断エンジンである。1つまたはそれ以上の診断エンジンは、検査を実施し、IDMによって測定結果が受信されるまで、または診断エンジン上で実行されているアプリケーションがシャットダウンするまで、限られた期間、その検査の測定結果を記憶(例えばバッファ)する。ユーザインターフェースは、IDMに関連する診断エンジンの所与の1つをそれぞれが表す1つまたはそれ以上のアイコンを表示する。
【0005】
以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読めばより良く理解される。例示の目的で、いくつかの例が図面に示されている。しかし、主題は、開示される特定の要素および手段に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一態様による例示的なシステム図である。
【
図2】本開示の一態様による例示的な方法の流れ図である。
【
図3】本開示の一態様による例示的な方法の流れ図である。
【
図4A】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4B】ユーザインターフェースの例示的な操作者ログインページを示す図である。
【
図4C】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4D】ユーザインターフェースの例示的な患者情報ページを示す図である。
【
図4E】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4F】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4G】ユーザインターフェースの例示的な患者情報ページを示す図である。
【
図4H】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4I】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4J】ユーザインターフェースの例示的な患者情報ページを示す図である。
【
図4K】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4L】ユーザインターフェースによって提示される例示的な計算結果を示す図である。
【
図4M】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4N】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4O】ユーザインターフェースによって提示される例示的な計算結果を示す図である。
【
図4P】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4Q】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4R】ユーザインターフェースによって提示される例示的な計算結果を示す図である。
【
図4S】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4T】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図4U】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図4V】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5A】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5B】ユーザインターフェースの例示的な操作者ログインページを示す図である。
【
図5C】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図5D】ユーザインターフェースの例示的な患者情報ページを示す図である。
【
図5E】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5F】ユーザインターフェースの例示的な操作者ログインページを示す図である。
【
図5G】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5H】ユーザインターフェースの例示的な操作者ログインページを示す図である。
【
図5I】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図5J】ユーザインターフェースの例示的な患者情報ページを示す図である。
【
図5K】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5L】ユーザインターフェースによって提示される例示的な計算結果を示す図である。
【
図5M】ユーザインターフェースによって表示される例示的なプロンプトを示す図である。
【
図5N】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【
図5O】複数の診断エンジンを表すための、ユーザインターフェースによって提示される例示的なアイコンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ポイントオブケア検査は、ケアまたは他の治療が提供される場所で行われる医療診断検査として定義される。ポイントオブケアシステムまたはデバイスは、例えば、病院、養護施設、クリニック、または個々の患者の家に位置する。本明細書では、ポイントオブケア検査は、ベッドサイド検査、遠隔検査、サテライト検査、および迅速診断検査とも呼ぶ。
【0008】
ポイントオブケアシステムは、典型的には、単一の診断エンジンと、プロセッサと、診断エンジンによって生成された結果を閲覧するためのユーザインターフェースとを含む。例えば、糖尿病検査のためのポイントオブケアシステムは、血液試料を受け取るための単一の診断エンジンと、一度に単一の血液試料検査を処理するように構成されたプロセッサと、その試料に関する検査の結果を表示するためのユーザインターフェースとを含む。特定の従来技術のシステムでは、ユーザインターフェースと診断エンジンとは、同じハウジング内に位置する。典型的にはユーザインターフェースは診断エンジンに取り付けられているので、通常、1人のユーザが1つの診断エンジンを使用して一度に1つだけ検査を実施することができる。ユーザインターフェースが複数の診断エンジンとペアリングすることができる例でさえ、ユーザインターフェースは、複数の検査を同時に制御することを可能にはせず、まして複数の異なるユーザが複数の異なる種類の検査を実施することを可能にはしない。
【0009】
複数の操作者が複数の患者に対して検査を実施しているポイントオブケア現場では、それぞれが独自のユーザインターフェースを有する複数のポイントオブケアシステムを有することが必要である。例えば、第1のユーザ(例えば看護師または検査技師)は、血液試料を糖尿病診断エンジンに挿入し、第2のユーザは、尿試料を尿検査診断エンジンに挿入する。第1のユーザは、糖尿病診断エンジンに関連する第1のユーザインターフェースから結果を受け取り、第2のユーザは、尿検査診断エンジンに関連する第2のユーザインターフェースから結果を受け取る。複数のユーザインターフェースは、検査施設に不要なコストをもたらし、検査施設内で不要なスペースを占有する。さらに、診断エンジンのうちの所与の1つに対してアップグレードが行われる場合、新しい診断エンジン、新しいプロセッサ、および新しいユーザインターフェースを含む完全に新しいポイントオブケアシステムを購入する必要がある。ポイントオブケアシステムのただ1つの構成要素のみが破損した場合、または他の理由で交換が必要な場合にも、同じことが当てはまる。したがって、ポイントオブケアシステムの各構成要素が単一のエンクロージャ内に位置するポイントオブケアシステムでの技術的観点から、いくつかの欠点が明らかである。
【0010】
本明細書には、複数の診断エンジンと、複数の診断エンジンのそれぞれと電子通信する
機器データマネージャ(IDM)とを含むポイントオブケアシステムが開示される。複数の診断エンジンはそれぞれ、試料に対して検査を実施する。IDMは、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザが複数の異なる試料に対して複数の検査を実質的に同時に実施できるようにし、単一のユーザインターフェースを提供して、複数の診断エンジンによる検査を管理し、複数の診断エンジンそれぞれによって実施される検査の測定結果を受信するように構成される。ポイントオブケアシステムおよびユーザインターフェースと対話するための方法も開示される。
【0011】
開示されるポイントオブケアシステムは、任意の数の診断エンジンとペアリングされるIDMおよびユーザインターフェースを含む。診断エンジンに改良が加えられるとき、最新の診断エンジンと既存のユーザインターフェースとをペアリングすることが可能である。さらに、IDMと複数の異なるタイプの診断エンジンとをペアリングし、複数の操作者が異なるタイプの診断エンジンで同時に検査を実行できるようにすることも可能である。これは、ポイントオブケアシステムのユーザが、自分の特定のニーズに合わせて診断エンジンの数およびタイプをカスタマイズすることを可能にする。さらに、IDMおよびユーザインターフェースが検査施設内の複数の診断エンジンを管理するので、診断エンジン自体は限られた処理能力を有していればよく、かつディスプレイ能力をほとんどまたは全く有さなくてよい。
【0012】
本明細書に開示される診断エンジンは、試料に対して1つまたはそれ以上の測定をリアルタイムで実施する。本明細書で使用する「リアルタイム」という用語は、特定の時間に、および/または特定のイベントの発生に基づいて測定値が取得されなければならないことを意味することを意図されていることを理解されたい。特定の時間に測定値を取得しなければならない例では、診断エンジンによる血液試料の検査中、正確な結果が計算されるように、特定の時点でデータを取得しなければならない(例えば、試料に対する検査が開始されてから正確に10秒後)。特定のイベントに基づいて測定値を取得しなければならない例では、試料の加熱が開始され、命令は、試料の温度が100度に達したときに、試料の1つまたはそれ以上の測定値を収集することを含む。いつ、どのように、なぜデータを取得する必要があるのかは、個々の診断エンジンの設計に応じて異なる。さらに、診断エンジンは、測定値に基づいて、1つまたはそれ以上の測定された結果を決定する。測定結果は、リアルタイムまたは非リアルタイムで決定される。本明細書で使用する「非リアルタイム」という用語は、有効と見なされるために特定の時間または特定の時間間隔内で結果が実施される必要がないことを意味するように意図されていることを理解されたい。測定結果は、試料に対する検査の結果を表し、診断エンジンで実施されるリアルタイム測定の1つまたはそれ以上に基づく。測定結果は、さらなる処理および/またはユーザインターフェースへの表示のために、1つまたはそれ以上の診断エンジンによってIDMに送信される。追加としてまたは代替として、1つまたはそれ以上の測定値がIDMに送信される。例えば、診断エンジンは、測定結果のみ、収集された測定値のみ、または測定値と測定結果との組合せをIDMに送信する。
【0013】
IDMは、1つまたはそれ以上の診断エンジンから測定結果を受信し、計算結果を生成する。計算結果は、測定結果と1つまたはそれ以上のパラメータとに基づいて決定される。1つまたはそれ以上のパラメータは、IDMに記憶されているパラメータ、IDMのインターフェースを介してユーザから受信されるパラメータ、および/または診断エンジンから受信されるパラメータである。例示的なパラメータには、限定はしないが、患者に関連する人口統計情報、および測定結果が決定された日時が含まれる。計算結果の生成は、単位変換(摂氏から華氏など)を行うこと、またはある測定結果と別の測定結果の比を計算することを含む。計算結果は、IDMで非リアルタイムで決定される。IDMは、測定結果自体を変更せず、IDMで受信された測定結果および場合によっては他のパラメータに基づいて新たな計算結果を生成することを理解されたい。さらに、患者情報のセキュリ
ティを確保するために、診断エンジンからIDMに患者情報が送信されないことを理解されたい。
【0014】
IDMは、患者情報を受信し、患者情報を測定結果および/または計算結果とリンクする。診断エンジン自体は患者情報を受信しないことを理解されたい。規制基準では、診断エンジンが患者に関連する情報を受信しないようにする必要がある。代わりに、この情報は、IDMで受信および記憶される。IDMは、診断エンジンから受信された測定結果および/またはIDMで決定された計算結果を表示するためのユーザインターフェースを含む。
【0015】
一例では、糖尿病診断エンジンは、血液試料を検査して、血液試料のアルブミンレベルおよび/またはクレアチニンレベルを示す1つまたはそれ以上の測定値を決定する。診断エンジンはリアルタイムプロセッサを有し、したがって測定値はリアルタイムで決定される。血液試料のアルブミンレベルやクレアチニンレベルなど、試料に対する検査の結果を表す測定結果が、診断エンジンによって(リアルタイムまたは非リアルタイムで)生成される。診断エンジンは、測定結果をリアルタイムまたは非リアルタイムでIDMに送信する。IDMは、(例えばIDMに関連するユーザインターフェースを使用して)IDMで受信された測定結果およびパラメータの1つまたはそれ以上に基づいて計算結果を生成する。上記の例を使用して、IDMは、血液試料中のアルブミンレベルとクレアチニンレベルの比計算することによって計算結果を生成する。IDMは、限定はしないが単位変換を含む他の操作を実施する。
【0016】
診断エンジン処理は、試料に対する検査の実施、1つまたはそれ以上の測定結果の計算、およびIDMに通信されるまでの測定結果の記憶に限定される。IDMによって、測定結果のより高度な処理が実施される。例えば、IDMは、診断エンジンによって生成された測定結果と、ユーザによって(例えばユーザインターフェースを介して)提供されたパラメータとから計算結果を生成する。診断エンジン自体の処理の必要性を制限し、IDMで計算結果を生成して表示することで、大きなプロセッサやユーザインターフェースを必要とせずに診断エンジンに改良を加えることが可能になる。IDMでのユーザインターフェースは診断エンジンに依存しないので、診断エンジンは、後で購入することができ、ユーザインターフェースまたはそれらのワールドインターフェースをアップグレードする必要なくアップグレードすることができる。
【0017】
図1は、本開示の一態様によるポイントオブケアシステム100を示す。システム100は、1つまたはそれ以上の診断エンジン102A~102Nと、機器データマネージャ(IDM)104と、ユーザインターフェース108と、ネットワークインフラストラクチャ122とを含む。ユーザインターフェース108は、IDM104の一部である。このシステムは、場合により、バーコードリーダ112、リムーバブルストレージ116、ローカルプリンタ118、およびBluetoothバーコードリーダ120の1つまたはそれ以上を含む。
【0018】
診断エンジン102は、1つまたはそれ以上の検査を実施する。診断エンジン102は、体液試料などの試料の1つまたはそれ以上の特性を決定するために1つまたはそれ以上の検査を実施することができる。例えば、診断エンジン102は、血液試料に関連するHbA1cレベルなど、血液試料の1つもしくは複数の特性を決定するように構成された糖尿病診断エンジンであり、または尿試料中の1つもしくは複数の代謝産物の存在など、尿試料の1つもしくは複数の特性を決定するように構成された尿検査診断エンジンである。
【0019】
診断エンジン102は、診断エンジン102の物理的構成要素(例えば、加熱要素146、混合手段148、光学スキャナ150、ポンプ152、試薬154、消耗品など)を
含むだけでなく、測定結果を得るためにそれらの構成要素の使用が利用される一連の工程も制御する。診断エンジン102は、例えば糖尿病診断エンジンは、混合手段148を使用して試料を混合し、加熱要素146を使用して試料を80℃に加熱し、混合手段148を使用して試料をもう一度混合し、光学スキャナ150を使用して試料の光学読取りを行う。
【0020】
診断エンジン102は、試料を直接または間接的に受け取るように構成される。試料を直接受け取るように構成された診断エンジンは、その試料自体を取り扱う役割を担い、検査中に試料と直接接触する。これらのタイプの診断エンジンの例には、いわゆる「ベンチトップ」血液ガス分析装置(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.が販売するRapidPoint 500など)および自動尿化学分析装置(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.が販売するClinitek Novusなど)が含まれる。
【0021】
代替として、診断エンジンおよびその物理的構成要素は、直接ではなく間接的に試料と接触する。このタイプの例示的な診断エンジンは、試料を直接受け取るのではなく、試料を含む消耗品を受け取る。消耗品とは、試料を含むことができる任意の物理的な構造を表す。消耗品の例には、尿ストリップ、カートリッジ、および側方流動ストリップ(lateral
flow strip)が含まれる。
【0022】
診断エンジン102は、仮想診断エンジンである。仮想診断エンジンは、ポイントオブケアシステムに関連するカメラなどのポイントオブケアシステムの1つまたはそれ以上の機能を利用して、検査試料とインターフェースする。仮想診断エンジンは、患者の血圧や脈拍数を決定するなど、(例えば血圧カフや脈拍数モニタを使用して)患者からの1つまたはそれ以上の測定結果を非侵襲的に決定する。仮想診断エンジンは、周囲温度や湿度など他の情報を決定し、または患者情報の入力を可能にする質問表を提示する。本明細書で使用する「試料」という用語は、仮想診断エンジンからの測定結果を含むことが意図されていることを理解されたい。
【0023】
試料は、当技術分野で知られている方法の任意の1つまたは組合せを使用して患者から得ることができる。例えば、血液試料を得るために、シリンジを使用して患者の静脈から血液を引き抜くことができる。追加としてまたは代替として、血液試料を(例えば遠心分離によって)分離して、血清試料を単離して得ることができる。追加としてまたは場合により、血液試料は、(例えば無菌針で)被験者の指の1本を軽く刺し、次いで所望の量の血液を収集することによって得ることができる。
【0024】
試料の収集に続いて、試料は、試料容器内に配置されるか、または診断エンジン102のうちの所与の1つによって受け取られるように構成された消耗品に配置される。例えば、試料容器は、特定の体積の試料を受け入れるように構成されたプラスチックまたはガラス容器であり、または少量の試料を受け入れるように構成された検査ストリップである。試料容器は、診断エンジン102に挿入することができる任意の体積の試料を受け入れるように構成された任意のタイプの容器を含むことを理解されたい。
【0025】
診断エンジン102によって検査することができる体液には、限定はしないが、尿、血液、血漿、唾液、脳脊髄液、胸膜液、鼻咽頭液などが含まれる。血液試料は、CO2およびO2の分圧の測定値と、血液中の電解質および代謝物の濃度とを取得するために定期的に分析される。リジッド層状センサアセンブリおよび電気回路を利用してそのような測定を行うために、複数の異なる診断エンジンが提供される。そのようなセンサアセンブリを使用して、主な臨床的適応によって、例えばpCO2、pO2、pH、Na+、K+、Ca2+、Cl-、グルコース、乳酸塩、およびヘモグロビンの値の監視によって、医療患
者の状態を評価することができる。しかし、試料はこれらのタイプの試料に限定されず、診断エンジン102は任意のタイプの試料を処理するように構成されることを理解されたい。
【0026】
診断エンジン102は、化学センサを含む。診断エンジン102は、化学的表面、集積回路構造、微小電気機械構造、光学センサ、または化学的特性(化学的タイプ、血液ガスレベル、pHレベル、特定の化学物質の存在、特定の化学物質の量、もしくは他の特性など)に応答する別のデバイスを含む。例えば、診断エンジン102は、透過膜を伴うまたは伴わない化学または生物学的認識要素と、信号トランスデューサ要素、例えば電気化学要素(電流測定または電位差測定)、電気要素(イオン感応性電界効果トランジスタ、コンダクタンス、インピーダンス、電位、または電流)、光学要素(ルミネセンス、蛍光、または屈折率)、熱的要素、および/または圧電要素とを含む。増幅または処理要素は、分析物応答性認識要素および/または信号トランスデューサ要素と統合される。膜トラップ、物理的吸着、マトリックストラップ、反応チャンバ、共有結合、または露出のための別の物理的構造を使用して、生物学的認識フェーズ(酵素、抗体、受容体、DNA、または他の化学物質)が対象の分析物と相互作用して、センサ-トランスデューサインターフェースまたは電極での変化または光学的変化を生成する。免疫センサ、オプトロード、化学カナリア(chemical canaries)、共鳴ミラー、グルコメータ、バイオチップ、および/
またはバイオコンピュータなど、現在知られているまたは今後開発される化学センサが使用される。
【0027】
システム100は、複数の診断エンジン102、および/または複数の異なるタイプの診断エンジン102を含む。例えば、システム100は、第1のタイプの試料(例えば血液試料)を検査するように構成された第1の診断エンジン102Aと、第2のタイプの試料(例えば尿試料)を検査するように構成された第2の診断エンジン102Bとを含む。システム100は、任意の数の異なるタイプおよび組合せの試料を検査するための任意の数の診断エンジン102を含む。例示的な診断エンジン102は、限定はしないが、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、尿検査診断エンジン、および血圧診断エンジンを含む。
【0028】
血液ガス診断エンジンは、血液試料を受け取り、その血液試料の1つまたはそれ以上の特性を決定するように構成される。例えば、血液ガス診断エンジンは、血液試料中の水素イオン(pH)、二酸化炭素の分圧(pCO2)、および酸素の分圧(pO2)のうちの1つまたはそれ以上を測定するように構成される。また、血液ガス診断エンジンは、血液試料中の電解質および代謝産物の存在および/または濃度を測定するように構成される。
【0029】
心臓診断エンジンは、試料を受け取り、1つまたはそれ以上の心臓健康マーカを測定するように構成される。一実施形態では、心臓診断エンジンは、血液試料を受け取り、血液試料中の総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール、トリグリセリド、非HDLコレステロール、および高感度C反応性タンパク質のうちの1つまたはそれ以上を測定するように構成される。さらに、心臓診断エンジンは、血液試料中のトロポニンレベルを検査および/または測定するように構成される。
【0030】
凝固診断エンジンは、血液試料を受け取り、1つまたはそれ以上の血液凝固特性を測定するように構成される。凝固診断エンジンは、以下の検査の1つまたはそれ以上を実施する:プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、および活性化凝固時間(ACT)。凝固診断エンジンは、反応チャンバ内の1つまたはそれ以上の電極に化学膜を塗布し、これは血液試料中にトロンビンを生成する。試料中のトロンビンの生成を加速するために、活性剤も存在する。
【0031】
糖尿病診断エンジンは、試料中の1つまたはそれ以上の糖尿病マーカを測定するように構成される。一実施形態では、糖尿病診断エンジンは、モノクローナル抗体凝集反応を使用して患者のHbA1cレベルを測定する。追加としてまたは代替として、糖尿病診断エンジンは、アポリクローナルヤギ抗ヒトアルブミン抗血清を使用して血液試料中のアルブミンレベルを検査し、ベネディクトベーレ化学反応を使用して試料のクレアチニンレベルを検査するように構成される。IDM104は、血液試料中のアルブミンレベルとクレアチニンレベルとの比を計算する。
【0032】
尿検査診断エンジンは、尿試料を受け取り、尿試料の1つまたはそれ以上の特性を検査するように構成される。例示的な方法には、クロマトグラフ検出パッド、比色試薬パッド(血液中の分析物の濃度に応じて色が変わる)、および光学検査システムの使用が含まれ、光学検査システムでは、尿の画像が顕微鏡下に置かれて、画像認識アルゴリズムが試料中の物質を同定する。
【0033】
図1Aは、診断エンジン102Nの例示的な構成要素を示す。診断エンジン102Nは、プロセッサ103、メモリ140、無線回路142、加熱要素146、混合手段148、光学センサ150、ポンプ152、および試薬154のうちの1つまたはそれ以上を含む。診断エンジン102のうちの所与の1つが、場合により、任意の数または任意の組合せのこれらの要素を含むことを理解されたい。例えば、診断エンジンは、複数の光学センサ150を含むが、ポンプ152を含まない。診断エンジンは、図示されていない、または本明細書に記載されていない他の構成要素、例えば当業者によって理解されるような分離手段または任意の他の構成要素を含むことをさらに理解されたい。さらに、第1のタイプの診断エンジン(例えば糖尿病診断エンジン)は、第2のタイプの診断エンジン(例えば尿検査診断エンジン)とは異なる数および/または異なる組合せの構成要素を含む。
【0034】
プロセッサ103は、試料を処理するように構成される。例えば、プロセッサ103は、診断エンジン102に挿入された試料に対して検査を実施し、その試料に対する検査の測定結果を表す1つまたはそれ以上の値を出力するために、ユーザからの命令を受信するように構成される。一実施形態では、プロセッサ103は、10秒などの所与の期間内に1つまたはそれ以上の測定値を生成するように構成されたリアルタイムプロセッサである。追加としてまたは代替として、プロセッサ103は、検査試料からの測定値に基づいて測定結果を生成するように構成された非リアルタイムプロセッサである。一例では、診断エンジンは、リアルタイムで測定値を取得するように構成されたリアルタイムプロセッサ、および測定値を処理して測定結果を生成するように構成された非リアルタイムプロセッサなど、複数のプロセッサを含む。
【0035】
プロセッサ103は、診断エンジン102の様々な構成要素(例えば、加熱要素146、混合手段148、光学スキャナ150、ポンプ152、試薬154など)を制御し、それらの構成要素からフィードバックを受信する。プロセッサ103は、それに応じて診断エンジン102の1つまたはそれ以上の特性を(リアルタイムで)調整して、診断エンジン102を適切な動作条件内に保ち、診断エンジン102によって実施される検査の測定結果を取得する。
【0036】
メモリ140は、診断エンジン102によって受信または生成された情報を記憶するように構成される。例えば、メモリ140は、診断エンジン102によって実施された検査の測定結果を表す1つまたはそれ以上の値を記憶するように構成される。一実施形態では、診断エンジン102は、特定のタイプの試料を処理し、その試料に対する検査の測定値および/または測定結果を表す1つもしくは複数の値をメモリ140に記憶し、測定結果をIDM104に送信するようにのみ構成されるように、限られた処理およびメモリ能力
を備える。
【0037】
無線回路142は、診断エンジン102がポイントオブケアシステム100の1つまたはそれ以上の他の構成要素と通信することを可能にする。例えば、無線回路142は、診断エンジン102が測定結果をBluetoothまたはWiFi接続を介してIDM104に通信することを可能にする。追加としてまたは代替として、情報は、プリンタ、情報管理プログラム、または任意の他のタイプの情報システムに通信される。
【0038】
診断エンジン102は、プロセッサ103と通信することができ、プロセッサ103によって制御される1つまたはそれ以上の構成要素を含む。例えば、診断エンジン102は、検査試料を加熱するように構成された加熱要素146、検査試料の1つまたはそれ以上の構成要素を混合するように構成された混合手段148、検査試料の1つまたはそれ以上の光学特性を決定するように構成された光学センサ150、および試料の少なくとも一部を診断エンジン102内のある場所から別の場所に移動させるように構成されたポンプ152のうちの1つまたはそれ以上を含む。診断エンジン102は、ユーザがその特定の診断エンジン102の検査を開始することを可能にするユーザインターフェースを含む。
【0039】
本明細書で論じられるように、
図1に示されるシステム100は、任意の数および任意の組合せのいくつかのタイプの異なる診断エンジン102を含む。診断エンジン102は、検査試料を受け取り、試料に対して検査を実施し、その検査の測定結果をIDM104に送信するように構成される。また、診断エンジン102は、1つまたはそれ以上の測定結果を診断エンジン102のメモリに記憶するように構成される。
【0040】
IDM104は、診断エンジン102A~102Nの1つまたはそれ以上から、1つまたはそれ以上の測定結果を入力として受信するように構成される。測定結果は、例えば、1つまたはそれ以上の診断エンジン102とIDM104との間の接続110を介して受信される。一実施形態では、接続110は無線接続を含む。例えば、接続はBluetooth接続を含む。しかし、接続110は、Zigbee接続やWiFi接続など任意のタイプの無線接続でよいことを理解されたい。別の実施形態では、接続は、ハードワイヤード接続を含む。この接続は、USBケーブルまたは任意の他の適切な通信ケーブルインターフェース技術によって行われる。測定結果は、診断エンジン102によって実施された検査の測定結果を表す1つまたはそれ以上の値を含む。例えば、IDM104は、血液試料のHbA1c値を表す糖尿病診断エンジンから単一の値を受信する、または血液試料の総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、および中性脂肪レベルに対応する心臓診断エンジンから複数の値を受信する。
【0041】
IDM104は、1つまたはそれ以上の検査結果を生成する際に診断エンジン102のプロセッサ103によって使用される診断エンジンプロトコルに対する検査、ソフトウェア更新、または変更を開始するための命令などの情報を診断エンジン102に通信するように構成される。しかし、IDM104は、検査を開始するように診断エンジンに命令を送信した後、診断エンジン自体を制御しないことを理解されたい。この制限は、IDMおよび/または診断エンジンに関する規制に準拠するために課せられる。その代わり、診断エンジン自体の制御は、診断エンジンに関連するプロセッサ103、および/または診断エンジンで1人または数人のユーザから受信された命令によって実施される。
【0042】
IDM104は、プロセッサ105およびメモリ106を含む。プロセッサは、ポイントオブケアシステムの様々なより高レベルの処理機能を実施する。そのようなより高レベルの機能は、メモリ106などのコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令(例えばプログラムコード)を実行することによって実施される。IDM104は、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携
帯情報端末、または他の固定もしくはハンドヘルドコンピューティングデバイスなど、任意の適切なコンピューティングデバイスを含む。
【0043】
プロセッサ105は、診断エンジン102から測定結果を受信したとき、測定結果を処理して、計算結果がポイントオブケアシステムのユーザに提示されるように構成される。例えば、IDM104は、診断エンジン102から1つまたはそれ以上の値(例えば測定結果)を受信する。プロセッサ105は、どの値が特定のヘルスマーカに対応するかを決定するように構成され、それらの値をシステム100のユーザにどのように提示するかを決定する。プロセッサ105は、受信された値を1つまたはそれ以上の他の記憶または受信された値と比較することによって計算結果を生成するように構成され、計算結果を生成するために、血液試料のトリグリセリドとHDLコレステロールとの比など、ある値と別の値との比を計算するように構成される。プロセッサ105は、診断エンジン102から受信された測定値を、ユーザに表示することができる計算結果に変換するように構成された非リアルタイムプロセッサである。非リアルタイムプロセッサ105は、検査が完了したときにプロセッサ103から1つまたはそれ以上の測定結果を受信するように構成され、上述したように情報を処理する。一実施形態では、1つまたはそれ以上の診断エンジン102のための電力は、IDM104によって提供される。追加としてまたは代替として、診断エンジン102は、IDM104のための電力を提供する。
【0044】
メモリ106は、診断エンジン102のいずれかから受信された測定結果、および/またはIDM104によって生成された1つまたはそれ以上の計算結果を記憶するように構成される。メモリ106は、任意の数の測定または計算結果(例えば1000個の結果)を、それらが削除される前に記憶するように構成され、または所定の期間(例えば1年)にわたる測定または計算結果を記憶するように構成される。メモリ106は、1人または数人の患者に関連する情報をさらに記憶する。例えば、メモリ106は、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日などの患者情報を記憶する。メモリ106は、患者の検査結果を患者情報と共に記憶し、後日それらを検索できるようにする。図には示されていないが、診断エンジン102の1つまたはそれ以上は、1つもしくは複数の測定値および/または1つもしくは複数の測定結果を記憶するように構成されたメモリ106と同様のメモリを含むことを理解されたい。
【0045】
ユーザインターフェース108は、インターフェースのユーザに1つまたはそれ以上の計算結果を提示するように構成される。ユーザインターフェース108は、ディスプレイ画面、タッチパネル、オーディオスピーカ、およびマイクロフォンのうちの1つまたはそれ以上を含む。ユーザインターフェース108は、IDM104によって制御される。ユーザインターフェースの機能は、少なくとも一部、IDM104のプロセッサ105上で実行されるコンピュータ実行可能命令(すなわちプログラムコードまたはソフトウェア)によって実装される。IDM104は、接続110を介して1つまたはそれ以上の診断エンジン102から1つまたはそれ以上の測定結果を受信し、測定結果を処理して計算結果を生成し、計算結果および患者情報などの他の情報を、ユーザインターフェース108を介して提示する。
【0046】
ユーザインターフェース108は、診断エンジンに依存せず、これは、任意の数の診断エンジンおよび任意のタイプの診断エンジンに関連する結果を提示することができることを意味する。ユーザインターフェース108は、複数の診断エンジンが同時に同じインターフェースを使用して操作されることを可能にする。インターフェース108のユーザは、検査を開始し、患者情報を入力または閲覧し、ログイン資格情報を入力し、特定の検査の残り時間を閲覧し、所与の診断エンジン102によって実施された検査に基づく計算結果を閲覧することができる。
【0047】
インターフェース108は、異なるタイプの診断エンジン間で共通の画面および要素を実現し、インターフェース108のユーザは単一のインターフェースを学習するだけでよいので、システムの効率を改善する。共通の要素がインターフェースに提示される。追加としてまたは代替として、製品特有の命令など特定の命令が、単一のホーム画面からアクセスすることができるインターフェース108上に提示される。
【0048】
ユーザインターフェースは、ユーザインターフェース上のアイコンを介してユーザが1つまたはそれ以上の以前の検査からの患者情報を収集することを可能にする機能(例えば「過去のエントリ」または「最も最近の患者」機能)を含む。例えば、尿検査を実行しているユーザは、患者の名前、患者の年齢、および患者の性別などの患者情報を入力する。次いで、ユーザは、その検査の実行を選択する。次いで、ユーザは、第2の検査(例えば血液検査)の準備を開始し、ユーザインターフェースのアイコンを介して、患者の名前、患者の年齢、および患者の性別など第1の検査からの情報と共に、第2の検査に関する情報を自動収集することを選択する。この機能は、第1の診断エンジンが第2の診断エンジンとは異なる診断エンジンであっても利用可能である。
【0049】
ユーザインターフェース108は、リモートログイン接続を可能にする。例えば、ユーザは、デバイスの携帯電話でのユーザインターフェースを介して、診断エンジン102のうちの所与の1つによって実施された検査に基づく計算結果にアクセスする。しかし、リモートユーザインターフェースを介してユーザに提供される特権は制限される。ユーザは、リモートユーザインターフェースから計算結果を表示することはできるが、リモートインターフェースから診断エンジン自体を管理すること(例えば新しい検査を開始すること)はできない。一例では、IDM104の制御を可能にするためにソフトウェアがデバイス(例えば携帯電話)にインストールされている場合、デバイスは、IDMを制御する機能しか有さず、任意の他の機能を実施することはできない。
【0050】
ユーザインターフェース108は、検査のステータスまたは計算結果を表示する。ユーザインターフェース108は、複数の検査のステータスまたは計算結果を同時に表示する。例えば、ユーザが第1の患者に対する尿検査と第2の患者に対する血液検査とを実行している場合、ユーザは、尿検査と血液検査とのステータスまたは計算結果の1つまたはそれ以上を単一の画面に表示することができる。これは、第1の会社によって製造された尿検査診断エンジンで尿検査が行われ、第2の会社によって製造された血液検査エンジンで血液検査が行われているときにも当てはまる。一例では、ユーザインターフェースは、インターフェース108の2人の異なるユーザに関連する計算結果を同時に表示するように構成される。例えば、ユーザインターフェース108は、インターフェース108の第1のユーザによって開始された第1の患者に関する血液検査結果と、インターフェース108の第2のユーザによって開始された第2の患者に関する尿検査結果とを同時に表示する。血液診断エンジンおよび尿診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、ユーザインターフェース108にハードワイヤードされないことがある。
【0051】
一例では、IDM104に関連するプロセッサ105およびメモリ106の1つまたはそれ以上は、IDM104の外部にある。例えば、プロセッサ105およびメモリ106は、クラウドに位置する。
【0052】
バーコードリーダ112は、バーコードを読み取るように構成される。例えば、バーコードリーダ112は、患者識別子(例えば患者人口統計)、および受け取られている検査試料のタイプを決定するために、検査試料のバーコードを読み取るように構成される。追加としてまたは代替として、バーコードリーダ112は、操作者を識別または認証するために、ユーザインターフェース108の操作者のIDバッジまたは他の識別子をスキャンするように構成される。IDM104は、バーコードリーダ112から、接続114を介
して、限定はしないが患者情報、検査試料情報、および/または操作者情報を含む情報を受信する。一実施形態では、接続114は、USB通信またはハードワイヤード接続である。しかし、接続114は、BluetoothまたはWiFi接続など任意のタイプの接続でよいことを理解されたい。
【0053】
リムーバブルストレージ116は、測定結果、計算結果、患者情報、およびIDM104のメモリに記憶されるものと同様の他の情報を記憶するように構成される。例えば、リムーバブルストレージ116は、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日などの患者情報を記憶し、測定および/または計算結果を、記憶された患者に関連付ける。リムーバブルストレージ116は、例えば、外付けハードドライブまたはフラッシュメモリを含む。しかし、リムーバブルストレージ116は、任意のタイプのリムーバブルストレージデバイスでよい。
【0054】
ローカルプリンタ118は、IDM104から受信されたデータを印刷するように構成される。データは、計算結果、患者情報、操作者情報、検査の日時、および印刷可能な他の情報の1つまたはそれ以上を含む。一実施形態では、プリンタは、Bluetooth接続を介してIDM104と通信し、IDM104からデータを受信する。しかし、IDM104とローカルプリンタ118とは、任意のタイプの接続を介して通信することができることを理解されたい。
【0055】
Bluetoothバーコードリーダ120は、1つまたはそれ以上のバーコードを読み取るように構成される。Bluetoothバーコードリーダは、IDM104へのその接続が無線(すなわちBluetooth)であることを除いて、バーコードリーダ112と同様に動作する。例えば、バーコードリーダ112は、検査試料のバーコードを読み取って、患者識別子と、受け取られている検査試料のタイプとを決定するように構成される。追加としてまたは代替として、バーコードリーダ112は、操作者を識別または認証するために、ユーザインターフェース108の操作者のIDバッジまたは他の識別子をスキャンするように構成される。一実施形態では、Bluetoothバーコードリーダ120は、バーコードスキャナのように挙動するモバイルデバイスや腕時計など、ハンドヘルドバーコードリーダである。他の操作者情報としては、限定はしないが、キーフォブ、RFID、または任意のタイプの生体認証インジケータが含まれる。
【0056】
ネットワークインフラストラクチャ122は、情報学システム(informatics system)124、ネットワークプリンタ126、ネットワークファイルシステム128、およびウェブ対応デバイス130のうちの1つまたはそれ以上を含む。ネットワークインフラストラクチャは、通信リンク134を介してIDM104と通信する。一実施形態では、通信リンク134は、WiFi通信リンクである。しかし、通信リンクは、Bluetooth、Zigbee、Ethernetなど任意のタイプの通信リンクでよいことを理解されたい。
【0057】
情報学システム124は、ポイントオブケアシステムの1人または数人のユーザがポイントオブケアシステムとどのように対話するかに関する情報を記憶するように構成される。情報学システム124は、1つまたはそれ以上のコンピューティングデバイスを含む。例えば、情報学システム124は、システムの1人または数人の患者および1人または数人の操作者に関連する情報をダウンロードおよび記憶するように構成される。情報学システムは、限定はしないが、ポイントオブケアシステム、実験室システム、または病院に実装される他のシステムを含む、IDM104から情報を受信することができる任意のタイプのシステムを含む。
【0058】
ネットワークプリンタ124は、IDM104から受信されたデータを印刷する。デー
タは、計算結果、患者情報、操作者情報、検査の日時、および印刷可能な他の情報の1つまたはそれ以上を含む。一実施形態では、ネットワークプリンタ124は、WiFi接続134または任意の他の接続を介してIDM104と通信し、IDM104からデータを受信する。
【0059】
ネットワークファイルシステム128は、IDM104から受信されたデータを記憶する。例えば、ネットワークファイルシステム128は、限定はしないが、計算結果と、患者識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、患者の生年月日、日時などの患者情報と、操作者情報とを含む情報を記憶するように構成される。ネットワークファイルシステム128は、患者および/または操作者情報と共に測定または計算結果を記憶する。
【0060】
本発明の一実施形態では、1つまたはそれ以上の個々の診断エンジンは、IDM104以外のデバイスおよび任意の関連する消耗品と直接インターフェースまたは通信することができない。診断エンジンは、IDM104との間で情報を中継し、IDM104は、バーコードリーダ112、リムーバブルストレージ116、ローカルプリンタ118、Bluetoothバーコードリーダ120、情報学システム124、ネットワークプリンタ126、ネットワークファイルシステム126、または任意の他のエンティティを介して、外界との間のすべての通信を制御する。これらの「ワールドインターフェース」を制御することによって、個々の診断エンジンは、特定の測定結果を得るのに必要な構成要素のみを含めばよく、IDM104は、他のデバイス/データベースとのインターフェースに必要とされる構成要素(複数の診断エンジン間で共有することができるリソース)を収容する。
【0061】
本発明のさらに別の実施形態では、1つまたはそれ以上の個々の診断エンジンは、IDM104以外のデバイスおよび任意の関連する消耗品と直接インターフェースまたは通信する能力が限られている。例えば、診断エンジンは、診断エンジンに結合されたバーコードリーダやカメラなどのデバイスを使用して、消耗品自体から消耗品に関する情報(ロット番号、較正情報、および/またはシリアル番号など)を受信することができる。この実施形態では、残りのすべての通信は、診断エンジンとIDM104との間で中継され、IDM104は、バーコードリーダ112、リムーバブルストレージ116、ローカルプリンタ118、Bluetoothバーコードリーダ120、情報学システム124、ネットワークプリンタ126、ネットワークファイルシステム126、または任意の他のエンティティを介して、外界との間のすべての通信を制御する。例示的なシステムは、IDM104以外のデバイスと通信する能力がない、または能力が限られている診断エンジンの組合せを有することができることを理解されたい。
【0062】
システム100および本明細書で述べる任意の構成要素は、「オープンシステム」の一部であることを理解されたい。例えば、IDM104は、様々な製造元からの診断エンジン102に接続して通信するように構成される。IDM104は、IDM104が様々な診断エンジン102と通信することを可能にする新規ソフトウェアをダウンロードまたはインストールするように構成可能である。ユーザインターフェース108は、1つまたはそれ以上の新規の診断エンジンをIDM104に追加できるようにするアイコンを含む。一例では、所与の診断エンジン102は、単一のIDM104によってのみ制御可能である。別の例では、診断エンジン102は、複数のIDM104によって制御可能である。
【0063】
一例では、診断エンジンとIDMとの両方が同じ製造元によって開発される。別の例では、診断エンジンは、診断エンジンのユーザインターフェースとワールドインターフェースとの両方を利用する製造元の外部パートナによって開発される。IDMソフトウェアは、そのような診断エンジンに対応するように更新される必要がある。別の例では、診断エンジンは、診断エンジンのワールドインターフェースのみを利用し、ユーザインターフェ
ースは利用しない製造元の外部パートナによって開発される。別の例では、診断エンジンは、他の外部デバイスのハードウェアおよびソフトウェアと連携して機能する仮想エンジンである。一例として、これは、IDMが、血圧モニタからの結果を他の測定または計算結果と組み合わせて新たな計算結果を生成できるようにする血圧モニタである。別の例では、診断エンジンは、データを取得および操作することができるアプリケーションのみを含む仮想エンジンである。例えば、診断エンジンは、患者に質問表を提出し、周囲温度や湿度などを測定する。これらの結果は、他の測定または計算結果と組み合わされて、新たな計算結果を生成する。
【0064】
図2は、本開示の一態様による例示的な方法を示す。工程202で、第1の試料に対して検査を実施する要求が受信される。要求は、例えば、ポイントオブケアシステムに関連するユーザインターフェースを介して、ポイントオブケアシステムの第1のユーザから受信される。第1の試料は、ポイントオブケアシステムに関連する複数の診断エンジンのうちの第1の診断エンジンに挿入される。複数の診断エンジンは、診断エンジンに挿入された試料に対して検査を実施する。複数の診断エンジンは、例えば、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および/または尿検査診断エンジンを含む。IDMに関連するユーザインターフェースは、複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上と通信するように構成される。第1の試料は、例えば、ポイントオブケアシステムに関連する患者から収集された血液試料または尿試料を含む。第1のユーザは、医師、看護師、検査技師、または患者など、ポイントオブケアシステムの操作者である。
【0065】
工程204で、第1の試料に対して検査を実施するための命令が、第1の診断エンジンに送信される。ユーザインターフェースは、第1の診断エンジンを表すアイコンを表示する。アイコンは、第1の診断エンジンのステータスを示す。例えば、アイコンは、完了率または残り時間について、第1の診断エンジンによって実施されている検査のステータスを表す。追加としてまたは代替として、診断エンジンは、IDMからコマンドを受信せずに試料に対して検査を開始することができることを理解されたい。例えば、診断エンジンは、試料が挿入されたときに自動的に、または診断エンジンでユーザから受信された1つもしくは複数の命令に基づいて、検査を開始する。
【0066】
工程206で、第2の試料に対して検査を実施する要求が、第1のユーザとは異なる第2のユーザから同じユーザインターフェース108を介して受信される。第2の試料は、ポイントオブケアシステムに関連する複数の診断エンジンの第2の診断エンジンに挿入される。第2の診断エンジンは、第1の診断エンジンとは異なるタイプの診断エンジンである。例えば、第1の診断エンジンは糖尿病診断エンジンであり、第2の診断エンジンは尿検査診断エンジンである。別の実施形態では、第1の診断エンジンと第2の診断エンジンとは、同じタイプの診断エンジンである。
【0067】
工程208で、第2の試料に対して検査を実施するための命令が、第2の診断エンジンに送信される。ユーザインターフェースは、第2の診断エンジンを表すアイコンを表示する。アイコンは、第2の診断エンジンのステータスを示す。例えば、アイコンは、完了率または残り時間について、第2の診断エンジンによって実施されている検査のステータスを表す。第1の検査と第2の検査とは、(例えば第1の試料の処理と第2の試料の処理との少なくとも一部が重複するように)実質的に同時に実施される。
【0068】
図3は、本開示の別の態様による例示的な方法を示す。工程302で、複数の診断エンジンのうちの第1の診断エンジンに挿入された第1の試料の第1の検査が開始される。第1の検査は、ポイントオブケアシステム100のユーザインターフェース108を介して第1のユーザから受信された第1のユーザ入力に応答して開始される。工程304で、I
DMは、1つまたはそれ以上の診断エンジンから1つまたはそれ以上の測定結果を受信する。工程306で、IDMは、1つまたはそれ以上の測定結果および少なくとも1つの他のパラメータに基づいて、1つまたはそれ以上の計算結果を決定する。
【0069】
工程308で、複数の診断エンジンのうちの第2の診断エンジンに挿入された第2の試料の第2の検査が開始される。第2の検査は、ポイントオブケアシステム100のユーザインターフェース108を介して第2のユーザから受信された第2のユーザ入力に応答して開始される。第2の診断エンジンは、診断エンジンに挿入された第2の試料に対して検査を実施する。第1の検査と第2の検査とは、実質的に同時に実施される。「実質的に同時に」とは、第1の検査と第2の検査とが同時にまたはほぼ同時に処理されていることを意味するものと理解される。一例では、第1の検査と第2の検査とは、同じ開始時間および/または同じ終了時間を有する。別の例では、第1の検査と第2の検査との少なくとも一部が重畳するように、第2の検査が第2の診断エンジンによって処理されるのと同時に第1の検査が第1の診断エンジンによって処理される。別の例では、第1の検査と第2の検査とは重複せず、同様の時間枠内(例えば、数秒または数分間隔)で実施される。
【0070】
図4A~
図4Vは、本開示の一態様による、IDMのユーザインターフェースの例示的な動作を示す。
図4Aに示されているように、ユーザインターフェースは、1人または数人のユーザによる使用のために利用可能な1つまたはそれ以上の診断エンジンを表示する。診断エンジンは、本明細書ではアナライザとも呼ぶ。ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上のアイコンを表示するように構成され、1つまたはそれ以上のアイコンはそれぞれ、IDMと通信する診断エンジンに対応する。1つまたはそれ以上の診断エンジンは、例えば、Bluetooth接続、WiFi接続、Zigbee接続などの無線接続を使用してIDMに接続される。代替として、診断エンジンは、有線接続を介して、例えばUSBケーブルなどを介してIDMに接続される。IDM、したがってユーザインターフェースは、任意の数の診断エンジンと通信し、それゆえ、それらの診断エンジンそれぞれに対応する任意の数のアイコンを表示する。さらに、ユーザインターフェースは、同時に複数の異なるタイプの診断エンジンと通信する。例えば、ユーザインターフェースは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上と通信する。したがって、
図4Aは、3つの糖尿病診断エンジンと通信するユーザインターフェースを示すが、ユーザインターフェースは、任意の数および任意の組合せの異なる診断エンジンと通信することができることを理解されたい。
【0071】
図4Aに示されるユーザインターフェースは、現在の日時、3つのHbA1c診断エンジンに対応する3つのアイコン、ドロップダウンメニュー、およびユーザが操作者ID(例えばユーザ名)をスキャンまたは入力するためのプロンプトを表示する。しかし、ユーザインターフェースはこの情報またはこれらの構成に限定されないことを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースによって提示されるアイコンは、任意の形状または色を含む。アイコンは、小さいアイコン、大きいアイコン、正方形のアイコン、灰色のアイコン、青いアイコンなどであり、または、診断エンジンは、診断エンジンのリストなど当技術分野で知られている任意の他の表現を使用して示すことができる。
図4Aに示されている診断エンジンは、「アナライザ1」、「アナライザ2」、および「アナライザ3」と名前を付けられているが、診断エンジンは、ユーザによって変更または編集される他の情報を使用して名前を付けてもよいことを理解されたい。例えば、「糖尿病アナライザ」は丸い灰色のアイコンで表され、「血液ガスアナライザ」は正方形の青いアイコンで表され、「尿検査アナライザ」は菱形の紫色のアイコンで表される。アナライザは、例えば、アルファベット順のリスト、最も人気のある分析器、最も最近使用された分析器、最も最近接続された分析器などに基づいて編成される。ユーザインターフェースは、本明細書で述べる例または図に示される例のいずれによっても限定されないことを理解されたい。
【0072】
図4Bに示されているように、診断エンジンの所与の1つを選択したとき、ユーザは、ユーザインターフェースを介してログオン資格情報(例えば「操作者ログイン」情報)を入力するように促される。この図に示されているように、ログオン資格情報は、ユーザ識別子(例えば「操作者ID」)およびパスワードを含む。一例では、第1のユーザは、ユーザインターフェースを介してユーザのログオン資格情報を入力しないと、検査を開始する、または他の形で複数の診断エンジンと対話することができない。別の例では、第1のユーザは、ログイン資格情報を入力せずに検査を開始することができるが、ログイン資格情報を入力しないとその検査の結果を閲覧することができない。さらに別の例では、システムは、検査を開始する前、または検査の結果を閲覧する前に、ログイン資格情報の入力を要求しない。さらに別の例では、システムは、検査を開始する前とその検査の結果を閲覧する前との両方に、ログイン資格情報の入力を要求する。
【0073】
一実施形態では、ログオン資格証明は、ユーザインターフェースに関連するバーコードリーダを使用してスキャン可能なバーコードにコード化される。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースのバーコードスキャナがユーザのログオン資格情報を含むバーコードをスキャンすることを可能にするために、「スキャン」ボタンを選択する。ポイントオブケアシステムは、ユーザのログオン資格情報を取得するために、音声認識、および顔認識技法などの生体認証情報を使用する。ログイン資格情報は、ユーザインターフェースによって提示されるキーボードを介する、または音声-テキスト変換処理を使用するなど、様々な方法によって入力されることを理解されたい。
【0074】
ユーザインターフェースは、ポイントオブケアシステムが位置する場所で働くユーザ全員または一部などの複数の操作者識別子を表示するリストおよび/またはドロップダウンメニューを含む。ユーザは、自分のログイン資格情報を入力するために、それらの識別子の所与の1つを選択する。追加としてまたは代替として、ユーザは、ポイントオブケアシステムにアクセスするために、操作者識別子に加えてパスワードを入力するように促される。
【0075】
図4Cに示されるように、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。例えば、この図に示されているように、ユーザが前の工程でHbA1c診断エンジンを選択した場合、ユーザは、血液試料を含むHbA1cカートリッジをHbA1c診断エンジンに挿入するように促される。ユーザインターフェースに接続された複数のHbA1c診断エンジンがある例では、ユーザインターフェースは、HbA1cカートリッジをHbA1c診断エンジンのいずれかに挿入するようにユーザに促すか、またはHbA1cカートリッジを、ユーザが選択したアイコンに対応するHbA1c診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。ユーザインターフェースは、ユーザが選択したアイコンに対応する任意のタイプの検査カートリッジを挿入するようにユーザに促すことができることを理解されたい。例えば、ユーザが尿検査診断エンジンに対応するアイコンを選択した場合、ユーザインターフェースは、尿試料を尿検査診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。
【0076】
一実施形態では、ユーザは、診断エンジンの所与の1つを選択する前に、診断エンジンの所与の1つに検査試料を挿入する。この実施形態では、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを挿入するようにユーザに促す工程をスキップするか、または利用可能な診断エンジンのいずれかから、もしくは利用可能な診断エンジンの一部から、選択したい診断エンジンを選ぶようにユーザに促す。診断エンジンに検査試料を挿入し、および/または診断エンジンの所与の1つを選択した後、ユーザは、「OK」ボタンを選択して次の画面に進む。これは、「進む」ボタンなど任意のタイプのボタンでよいことを理解されたい。一例では、ユーザは、「次の画面」という口頭コマンドを発することなどによって、
口頭でユーザインターフェースと通信して進む。別の例では、診断エンジンの所与の1つに検査試料が挿入されていることが検出されたとき、ユーザインターフェースは自動的に次の画面に進む。
【0077】
図4Dに示されているように、ユーザインターフェースは、患者情報を表示し、および/または選択された検査試料に関連する患者情報を入力するようにユーザに促す。例えば、ユーザインターフェースは、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日を表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。患者識別子は、文字、数字、記号などの任意の組合せでよい。患者情報がこれらの情報に限定されないことを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースはまた、患者の身長、体重、既存の症状、過去の検査結果などを表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。さらに、ユーザインターフェースは、患者情報の匿名性を保つために、患者の名前など、これらの情報のいくつかを表示しないこともある。一実施形態では、ユーザインターフェースは、患者情報を決定するためにバーコードをスキャンするように構成される。例えば、バーコードは、検査試料に位置し、患者情報を表示するためにユーザインターフェースによって読み取られて復号される。追加としてまたは代替として、ユーザは、ユーザインターフェースを介して患者情報のすべてまたは一部を手動で入力する必要がある。
【0078】
ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力するのを支援するために、「最近の患者」アイコンや「患者リスト」アイコンなどの追加のアイコンを提示する。例えば、最近の患者のアイコンは、ユーザが選択したとき、ポイントオブケアシステムに関連する数人(例えば25人)の最も最近の患者をユーザインターフェースに表示させる。ユーザは、患者の情報を手動で入力するのではなく、最近の患者のアイコンを選択し、リストから患者の名前または識別子を選択する。ユーザが患者リストアイコンを選択することにより、インターフェースは、診断エンジンのうちの所与の1つに今まで関連したすべての患者のリスト、または診断エンジンの場所に関連付けられたすべての患者、例えばポイントオブケアシステムが位置する養護施設内のすべての患者のリストを表示する。
【0079】
図4Eに示されているように、患者情報を入力または確認した後、診断エンジンは、検査試料に対する検査を実行し始める。ユーザインターフェースは、ユーザからのプロンプトに応答して、選択されたアイコンに対応する診断エンジンに、試料に対する検査の実行を開始するように命令する。ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上の診断エンジンのステータスを表示するように構成される。一実施形態では、ユーザインターフェースは、複数の利用可能な診断エンジンそれぞれのステータスを表すアイコンを表示するように構成される。この図に示されるように、ユーザインターフェースは、アナライザ1によって実施されている検査のステータスを表示し、アナライザ2およびアナライザ3が使用のために利用可能であることを表示する。例えば、ユーザインターフェースは、アナライザ1によって実施されている検査の完了までに2分25秒残っていることを表示する。ユーザインターフェースは、所与の診断エンジンのステータスを様々な方法で表示する。例えば、ユーザインターフェースは、完了率、残り時間、経過時間を表示し、および/または診断エンジンのステータスを(例えばグラフィカルステータスインジケータを使用して)グラフィカルに表示する。
【0080】
ユーザインターフェースによって提示される各アイコンは、単一の診断エンジンに対応する。診断エンジンに対応するアイコンは、この図に示されているように、例えば「x」ボタンをクリックするようにユーザに促すことによって、実行を開始した後にユーザが検査をキャンセルすることを可能にする。さらに、ユーザインターフェースは、ユーザが検査を一時停止する、または様々な方法で検査と対話することを可能にする。やはりこの図に示されているように、ユーザインターフェースは、同じユーザまたは別のユーザが、第
1の検査がまだ実行されている間に新たな検査を開始することを可能にする。一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザがシステムに現在ログインされているかに関係なく、新たな検査が選択されるたびに自分の資格証明を入力するようにユーザに促す。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、操作者が自分のログイン資格情報を入力することを必要とせずに、その操作者が別の検査を開始することを可能にする。ユーザは、例えば、ユーザインターフェースのドロップダウンメニューからログアウトオプションを選択することによってシステムから「ログアウト」する。
【0081】
図4Fに示されているように、ユーザが、異なる1つの診断エンジンに対応する異なる1つのアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、第2の診断エンジンに第2の検査カートリッジを挿入するようにユーザに促す。第2の診断エンジンは、第1の診断エンジンとは異なるタイプの診断エンジンであることを理解されたい。例えば、第1の診断エンジンは糖尿病検査であり、第2の診断エンジンは心臓診断エンジンである。本明細書で論じるように、ユーザインターフェースは、診断エンジンに依存せず、これは、ユーザインターフェースが複数の異なるタイプの診断エンジンと通信することを可能にされることを意味する。第2の診断エンジンに対応するアイコンを選択したインターフェースのユーザは、第1の検査を促した第1の操作者であるか、または第1の操作者とは異なる第2の操作者である。インターフェースは、検査カートリッジを診断エンジンに挿入するように命令する前に、ログイン資格情報を入力するようにユーザに促す。
【0082】
図4Gに示されるように、ユーザインターフェースは、患者情報を表示するか、または第2の試料に関連する患者について選択された検査に関する患者情報を入力するようにユーザに促すことができる。例えば、ユーザインターフェースは、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日のうちの1つまたはそれ以上を表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。第2の患者は、第1の患者と同じ患者でよい。例えば、操作者は、第1の診断エンジンを使用して患者にHbA1c検査を実施し、第2の診断エンジンを使用して同じ患者に血液ガス検査を実施することを望む。代替として、第2の患者は、第1の患者とは異なる患者でよい。
【0083】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、第2の患者に関連する患者情報を決定するためにバーコードをスキャンするように構成される。例えば、バーコードは、第2の検査試料に位置し、第2の患者に関連する患者情報を表示するためにユーザインターフェースによって読み取られて復号される。追加としてまたは代替として、ユーザは、ユーザインターフェースを介して第2の患者情報のすべてまたは一部を手動で入力する必要がある。
【0084】
図4Hに示されるように、第2の診断エンジンは、第2の患者に関連する試料に対して検査を実行し始める。ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力または確認した後に、試料に対する検査を開始するように診断エンジンに命令する。ユーザインターフェースは、複数の利用可能な診断エンジンそれぞれのステータスを表すアイコンを表示するように構成される。この図に示されるように、ユーザインターフェースは、アナライザ1によって実施されている検査のステータスおよびアナライザ2によって実施されている検査のステータスを表示し、アナライザ3が使用のために利用可能であることを表示する。例えば、第1のアナライザに対応するアイコンは、アナライザ1の残り時間が1分44秒であることを示し、第2のアナライザに対応するアイコンは、アナライザ2の残り時間が2分22秒であることを示す。
【0085】
ユーザインターフェースは、同じユーザまたは異なるユーザが、第1の検査および第2の検査がまだ実行されている間に新たな検査を開始することを可能にする。一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザがシステムに現在ログインされているかに関係な
く、新たな検査が選択されるたびに操作者資格証明の入力をユーザに促す。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、操作者が自分のログイン資格情報を入力することを必要とせずに、同じ操作者が別の検査を開始することを可能にする。ユーザは、例えば、ユーザインターフェースのドロップダウンメニューからログアウトオプションを選択することによってシステムから「ログアウト」する。
【0086】
図4Iに示されているように、ユーザが、異なる1つの診断エンジンに対応する異なる1つのアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースと通信する第3の診断エンジンなど、別の診断エンジンに検査カートリッジを挿入するようにユーザに促す。第3の診断エンジンは、第1の診断エンジンおよび/または第2の診断エンジンとは異なるタイプの診断エンジンであることを理解されたい。例えば、第1のタイプの診断エンジンは糖尿病診断エンジンであり、第2の診断エンジンは心臓診断エンジンであり、第3の診断エンジンは尿検査診断エンジンである。別の例では、第3の診断エンジンは、第1の診断エンジンと同じタイプの診断エンジンであり、第2のタイプの診断エンジンは、異なるタイプの診断エンジンである。
【0087】
図4Jに示されるように、ユーザインターフェースは、患者情報を表示し、および/または第3の患者に関する選択された検査試料に関連する患者情報を入力するようにユーザに促す。例えば、ユーザインターフェースは、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日を入力するようにユーザに促す。一実施形態では、ユーザインターフェースは、第3の患者に関連する患者情報を決定するためにバーコードをスキャンおよび/または復号するように構成される。バーコードは、例えば第3の検査試料に位置する。追加としてまたは代替として、ユーザは、ユーザインターフェースを介して第3の患者情報のすべてまたは一部を手動で入力する必要がある。
【0088】
図4Kに示されるように、第3の診断エンジンは、第3の患者に関連する試料に対して検査を実行し始める。ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力または確認した後に、試料に対する検査を開始するように第3の診断エンジンに命令する。ユーザインターフェースは、複数の利用可能な診断エンジンそれぞれのステータスを表すアイコンを表示するように構成される。ユーザインターフェースは、試料に対して検査を実施した診断エンジンに対応するアイコンまたは他の視覚的表現を選択することによって、ユーザが結果を閲覧することを可能にする。ユーザは、他の診断エンジンのステータスに関係なく結果の閲覧を選択することができる。ユーザが閲覧する結果は計算結果であることを理解されたい。計算結果は、本明細書で述べるように、診断エンジンのうちの所与の1つから受信された測定結果に基づいてIDMによって決定される。
【0089】
図4Lに示されるように、ユーザインターフェースは、診断エンジンのうちの所与の1つによって実施された検査に対応する結果(例えば計算結果)を表示する。一実施形態では、ユーザは、自分のログイン資格情報を入力せずに結果を閲覧する。例えば、インターフェースの操作者がアナライザ1に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、アナライザ1によって実施された検査に対応する結果を表示する。ユーザがアナライザ2に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、アナライザ2によって実施された検査に対応する結果を表示するように構成される。ユーザがアナライザ3に対応するアイコンを選択したのに応答して、ユーザインターフェースは、検査がまだ完了していないことをユーザに示すアラートを生成するか、または検査がまだ完了していない場合でさえ検査に関連する現在の結果を表示する。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、操作者がシステムに現在ログインされていない限り、結果を表示しない。例えば、システムにログインされている第1の操作者は、その操作者に関連する操作者識別子を使用して開始されたすべての結果など、その操作者に関連する任意の患者に関する結果を閲覧することができる。さらに、操作者は、少なくとも
1人の操作者がシステムにログインされている限り、任意の他の操作者に関連する結果を閲覧することができる。例えば、複数の医師がいる病院の第1の医師は、その第1の医師が開始した検査に関する結果を閲覧することができ、また、第1の医師がシステムにログインされている限り、第2の医師が開始した検査に関する結果も閲覧することができる。
【0090】
ユーザインターフェースは、インターフェースのユーザによるアイコンの選択に応答して任意のタイプの情報を表示するように構成される。例えば、ユーザインターフェースは、検査に関連する結果に対応する、診断エンジンから受信された値を表示する。選択されたアイコンがHbA1cアナライザに対応する例では、ユーザインターフェースは、この図に示されるように、5.6%など患者のHbA1cレベルに対応する値を表示する。ユーザが心臓診断エンジンに対応するアイコンを選択する例では、ユーザインターフェースは、心臓診断エンジンから受信された結果に対応する1つまたはそれ以上の値を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、患者の総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、非HDLコレステロール、および高感度C反応性タンパク質に対応する値を表示する。
【0091】
ユーザインターフェースは、診断エンジンから受信された情報以外の情報を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、操作者ID、患者ID、検査の日時、診断エンジン識別子、患者の名、患者の姓、患者の性別、および患者の生年月日を表示する。ユーザインターフェースはこれらの情報の一部のみを表示することもあり、ここで述べる情報に限定されないことを理解されたい。
【0092】
ユーザインターフェースは、ユーザが結果についてコメントすることを可能にする。例えば、「コメント」ボタンをクリックすることによって、ユーザは、「HbA1cレベルが正常範囲内にある」または「6か月後の患者のフォローアップ」など、検査に関連する情報を入力する。ユーザインターフェースはさらに、ユーザが「印刷」アイコンをクリックすることによって結果を印刷することを可能にするか、またはユーザが「送信」アイコンを選択することによって結果を別のエンティティに送信することを可能にする。例えば、ユーザが「印刷」アイコンを選択したとき、ユーザインターフェースは、プリンタのリストを表示するか、または利用可能なプリンタの1つを選択して自動的に印刷する。追加としてまたは代替として、ユーザが「送信」アイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、ユーザが電子メールアドレス、もしくは結果を受信することが可能な他のシステムなどの宛先を手動で入力することを可能にするか、またはユーザがドロップダウンメニューから宛先を選択することを可能にする。
【0093】
図4Mに示されているように、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが現在結果を閲覧しているアイコンに対応する検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、検査に関連する結果をユーザが閲覧する前、閲覧中、または閲覧後の任意の時点で、検査カートリッジを取り外すためのこの命令を提示することができる。一例では、ユーザインターフェースは、結果を閲覧済みであること、または結果を印刷もしくは送信済みであることをユーザが選択したのに応答してのみ、このメッセージを表示する。ユーザインターフェースは、結果をデータベースに自動的に記憶するように構成される。また、結果を記憶するこのプロセスは、診断エンジンによって実施された検査の結果をユーザが閲覧する前、閲覧中、または閲覧後に実施される。ユーザインターフェースはまた、検査カートリッジを適切に廃棄する方法など、追加情報も表示する。
【0094】
図4Nに示されるように、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースに接続されている診断エンジンのすべてまたは一部のステータスを表示する。ユーザが所与の診断エンジンに関連する結果を閲覧し、その診断エンジンから検査カートリッジを取り外し
た後、ユーザインターフェースは、診断エンジンが再び利用可能であることを表示する。例えば、ユーザインターフェースは、使用のために利用可能であるものとして診断エンジンを示す、その診断エンジンに対応するアイコンを表示する。この図に示されるように、ユーザインターフェースは、アナライザ1が利用可能であること、アナライザ2によって実施される検査が完了したことを示すインジケータ、およびアナライザ3によって実施されている検査のステータス(例えば、残り12秒)を表示する。ユーザインターフェースは、診断エンジンによって実施される検査が完了した後は常に、アナライザが使用のために利用可能であることを表示することを理解されたい。
【0095】
インターフェースのユーザは、アイコンの任意の1つを選択して、そのアイコンに対応する診断エンジンと対話する。例えば、ユーザは、アナライザ1を使用して検査を実施するために、アナライザ1に対応するアイコンを選択する。ユーザは、アナライザ2に関連する検査の結果を閲覧するために、アナライザ2に対応するアイコンを選択する。ユーザがアナライザ3を選択したことに応答して、インターフェースは、アナライザ3が現在検査を実行していることをユーザに警告し、場合により、ユーザがその検査の部分的な結果を閲覧することを可能にする。
【0096】
図4Oに示されているように、ユーザがアナライザ2に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、そのアナライザに関連する検査の結果を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、アナライザ2に対応する診断エンジンから受信された値を表示する。選択されたアイコンがHbA1cアナライザに対応する例では、ユーザインターフェースは、この図に示されるように、4.3%など患者のHbA1cレベルに対応する値を表示する。ユーザインターフェースは、操作者ID、患者ID、検査の日時、診断エンジン識別子、患者の名、患者の姓、患者の性別、および患者の生年月日など、診断エンジンから受信された情報以外の追加の情報を表示する。追加としてまたは代替として、ユーザインターフェースは、ユーザが結果についてコメントする、結果を印刷する、または結果を1つまたはそれ以上の他の場所に送信することを可能にする。
【0097】
図4Pに示されているように、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが現在結果を閲覧しているアイコンに対応する検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが結果を閲覧する前、閲覧中、または閲覧後の任意の時点で、検査カートリッジを取り外すためのこの命令を提示することができる。一例では、ユーザインターフェースは、結果を閲覧済みであること、または結果を印刷もしくは送信済みであることをユーザが選択したのに応答してのみ、このメッセージを表示する。
【0098】
図4Qに示されるように、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースに接続されている診断エンジンのすべてまたは一部のステータスを表示する。ユーザが所与の診断エンジンに関連する結果を閲覧し、その診断エンジンから検査カートリッジを取り外した後、ユーザインターフェースは、診断エンジンが再び利用可能であることを表示する。例えば、ユーザインターフェースは、使用のために利用可能であるものとして診断エンジンを示す、その診断エンジンに対応するアイコンを表示する。
【0099】
図4Rに示されているように、ユーザがアナライザ3に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、そのアナライザに関連する検査の結果を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、アナライザ3に対応する診断エンジンから受信された値を表示する。選択されたアイコンがHbA1cアナライザに対応する例では、ユーザインターフェースは、この図に示されるように、6.9%など患者のHbA1cレベルに対応する値を表示する。ユーザインターフェースは、操作者ID、患者ID、検査の日時、診断エンジン識別子、患者の名、患者の姓、患者の性別、および患者の生年月日
など、診断エンジンから受信された情報以外の追加の情報を表示する。追加としてまたは代替として、ユーザインターフェースは、ユーザが結果についてコメントする、結果を印刷する、または結果を1つまたはそれ以上の他の場所に送信することを可能にする。
【0100】
図4Sに示されているように、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが現在結果を閲覧しているアイコンに対応する検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが結果を閲覧する前、閲覧中、または閲覧後の任意の時点で、検査カートリッジを取り外すためのこの命令を提示することができる。一例では、ユーザインターフェースは、結果を閲覧済みであること、または結果を印刷もしくは送信済みであることをユーザが選択したのに応答してのみ、このメッセージを表示する。
【0101】
図4Tに示されているように、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースに現在接続されているすべての診断エンジンが使用のために利用可能であることを示す。例えば、アナライザ1、アナライザ2、アナライザ3によって実施された検査に基づく各結果(例えば計算結果)が閲覧されている場合、それらの診断エンジンはそれぞれ、ポイントオブケアシステムの同じユーザまたは異なるユーザが使用のために利用可能である。ユーザインターフェースに現在ログインされているユーザは、例えばドロップダウンメニューからログアウトオプションを選択することによって、ユーザインターフェースを介してポイントオブケアシステムからログアウトすることを選択する。追加としてまたは代替として、ユーザは、1分間などの非活動期間後、システムからログアウトされる。別の例では、ユーザは、結果を閲覧した後、自動的にログアウトされる。
【0102】
図4Uに示されているように、ユーザは、ログアウトしたいことを確認するように促される。例えば、ユーザインターフェースは、「ログアウトしますか?」というメッセージを表示し、ユーザインターフェースのOKボタンを選択するなどによってユーザが確認した後にのみ、ユーザをシステムからログアウトする。この時点で、同じユーザまたは別のユーザは、ユーザインターフェースを介して自分の操作者資格情報を入力することによって、システムに再度ログインすることができる。
【0103】
図4Vに示されているように、ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上の診断エンジンが使用のために利用可能であることを示す1つまたはそれ以上のアイコンまたは他の視覚的表現を表示する。アイコンの所与の1つが、試料に対する検査を開始するためにインターフェースのユーザによって選択される。
【0104】
図5A~5Oは、本開示の別の態様による、ユーザインターフェースの例示的な動作を示す。
図5Aに示されているように、ユーザインターフェースは、1人または数人のユーザによる使用のために利用可能な1つまたはそれ以上の診断エンジンを表示する。診断エンジンは、本明細書ではアナライザとも呼ぶ。ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上のアイコンを表示するように構成され、1つまたはそれ以上のアイコンはそれぞれ、ユーザインターフェースと通信する診断エンジンに対応する。1つまたはそれ以上の診断エンジンは、例えば、Bluetooth接続、WiFi接続、USBケーブル、または当業者に知られている任意のタイプの接続を使用してユーザインターフェースに接続される。ユーザインターフェースは、任意の数の診断エンジンと通信し、それゆえ、それらの診断エンジンそれぞれに対応する任意の数のアイコンを表示する。さらに、ユーザインターフェースは、同時に複数の異なるタイプの診断エンジンと通信する。例えば、ユーザインターフェースは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上と通信する。
【0105】
図5Aに示されるユーザインターフェースは、現在の日時、3つの異なる診断エンジン
に対応する3つのアイコン、ドロップダウンメニュー、およびユーザが操作者IDをスキャンまたは入力するためのプロンプトを表示する。しかし、ユーザインターフェースはこの情報またはこれらの構成に限定されないことを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースによって提示されるアイコンは、任意の形状または色を含む。アイコンは、小さいアイコン、大きいアイコン、正方形のアイコン、灰色のアイコン、青いアイコンなどであり、または、診断エンジンは、診断エンジンのリストなど当技術分野で知られている任意の他の表現を使用して示すことができる。
図5Aに示されている診断エンジンは、「臨床1」、「臨床2」、および「尿アナライザ」と名前を付けられているが、診断エンジンは、ユーザによって変更または編集される他の情報を使用して名前を付けてもよいことを理解されたい。さらに、ユーザインターフェースは、本明細書で述べる例または図に示される例のいずれによっても限定されないことを理解されたい。
【0106】
図5Bに示されているように、診断エンジンの所与の1つを選択したとき、ユーザは、ユーザインターフェースを介してログオン資格情報(例えば「操作者ログイン」情報)を入力するように促される。この図に示されているように、ログオン資格情報は、ユーザ識別子(例えば「操作者ID」)およびパスワードを含む。一例では、第1のユーザは、ユーザインターフェースを介してユーザのログオン資格情報を入力しないと、検査を開始する、または他の形で複数の診断エンジンと対話することができない。別の例では、第1のユーザは、ログイン資格情報を入力せずに検査を開始することができるが、ログイン資格情報を入力しないとその検査の結果を閲覧することができない。さらに別の例では、システムは、検査を開始する前、または検査の結果を閲覧する前に、ログイン資格情報の入力を要求しない。さらに別の例では、システムは、検査を開始する前とその検査の結果を閲覧する前との両方に、ログイン資格情報の入力を要求する。
【0107】
ログオン資格証明は、ユーザインターフェースに関連するバーコードリーダを使用してスキャン可能なバーコードにコード化される。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースのバーコードスキャナがユーザのログオン資格情報を含むバーコードをスキャンすることを可能にするために、「スキャン」ボタンを選択する。さらに、ポイントオブケアシステムは、ユーザのログオン資格情報を取得するために、音声認識、および顔認識技法などの生体認証情報を使用する。ログイン資格情報は、ユーザインターフェースによって提示されるキーボードを介する、または音声-テキスト変換処理を使用するなど、様々な方法によって入力されることを理解されたい。
【0108】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ポイントオブケアシステムが位置する場所で働くユーザ全員または一部などの複数の操作者識別子を含むリストおよび/またはドロップダウンメニューを表示する。ユーザは、自分のログイン資格情報を入力するために、それらの識別子の所与の1つを選択する。追加としてまたは代替として、ユーザは、ポイントオブケアシステムにアクセスするために、ログイン資格情報に関連するパスワードを入力するように促される。
図5A~5Oは、診断エンジンに対応するアイコンの所与の1つを選択した後、ユーザインターフェースが、自分のログイン資格情報を入力するようユーザに促すことを示すが、ユーザインターフェースは、検査プロセスの任意の時点で、自分のログイン資格情報を入力するようにユーザに促すことができることを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースは、アイコンの所与の1つを閲覧して選択する前、診断エンジンの所与の1つに対して検査を開始する前、および/または所与の診断エンジンに関連する結果(例えば計算結果)を閲覧する前に、自分のログイン資格情報を入力するようにユーザに促す。
【0109】
図5Cに示されているように、ユーザインターフェースは、検査試料カートリッジを診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。例えば、この図に示されているように、ユーザが前の工程でHbA1c診断エンジンを選択した場合、ユーザは、血液試料を含むHb
A1cカートリッジをHbA1c診断エンジンに挿入するように促される。ユーザインターフェースに接続された複数のHbA1c診断エンジンがある例では、ユーザインターフェースは、HbA1cカートリッジをHbA1c診断エンジンのいずれかに挿入するようにユーザに促すか、またはHbA1cカートリッジを、ユーザが選択したアイコンに対応するHbA1c診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。ユーザインターフェースは、ユーザが選択したアイコンに対応する任意のタイプの検査カートリッジを挿入するようにユーザに促すことができることを理解されたい。例えば、ユーザが尿検査診断エンジンに対応するアイコンを選択した場合、ユーザインターフェースは、尿試料を尿検査診断エンジンに挿入するようにユーザに促す。
【0110】
一実施形態では、ユーザは、診断エンジンの所与の1つを選択する前に、診断エンジンの所与の1つに検査試料を挿入する。この実施形態では、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを挿入するようにユーザに促す工程をスキップするか、または利用可能な診断エンジンのいずれかから、もしくは選択したい利用可能な診断エンジンの一部から選択するようにユーザに促す。診断エンジンに検査試料を挿入し、および/または診断エンジンの所与の1つを選択した後、ユーザは、「OK」ボタンを選択して次の画面に進む。これは、「進む」ボタンなど任意のタイプのボタンでよいことを理解されたい。一例では、ユーザは、「次の画面」という口頭コマンドを発することなどによって、口頭でユーザインターフェースと通信して進む。別の例では、診断エンジンの所与の1つに検査試料が挿入されていることが検出されたとき、ユーザインターフェースは自動的に次の画面に進む。
【0111】
図5Dに示されているように、ユーザインターフェースは、患者情報を表示し、および/または選択された検査試料に関連する患者情報を入力するようにユーザに促す。例えば、ユーザインターフェースは、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日を入力するようにユーザに促す。患者識別子は、文字、数字、記号などの任意の組合せでよい。患者情報がこれらの情報に限定されないことを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースはまた、患者の身長、体重、既存の症状、過去の検査結果などを表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。さらに、ユーザインターフェースは、患者情報の匿名性を保つために、患者の名前など、これらの情報のいくつかを表示しないこともある。一実施形態では、ユーザインターフェースは、患者情報を決定するためにバーコードをスキャンするように構成される。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースのバーコードスキャナを有効にするために「スキャン」ボタンを選択する。バーコードは、検査試料に位置し、患者情報を表示するためにユーザインターフェースによって読み取られて復号される。追加としてまたは代替として、ユーザは、ユーザインターフェースを介して患者情報のすべてまたは一部を手動で入力する必要がある。
【0112】
ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力するのを支援するために、「最近の患者」アイコンや「患者リスト」アイコンなどの追加のアイコンを提示する。例えば、最近の患者のアイコンは、ユーザが選択したとき、ポイントオブケアシステムに関連する数人(例えば25人)の最も最近の患者をユーザインターフェースに表示させる。ユーザは、患者の情報を手動で入力するのではなく、最近の患者のアイコンを選択し、リストから患者の名前または識別子を選択する。ユーザが患者リストアイコンを選択することにより、インターフェースは、診断エンジンのうちの所与の1つに今まで関連したすべての患者のリスト、または診断エンジンの場所に関連付けられたすべての患者、例えばポイントオブケアシステムが位置する養護施設内のすべての患者のリストを表示する。
【0113】
図5Eに示されているように、患者情報を入力または確認した後、診断エンジンは、検査試料に対する検査を実行し始める。ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力または確認したことに応答して、選択されたアイコンに対応する診断エンジンに、試料
に対する検査の実行を開始するように命令する。ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上の診断エンジンのステータスを表示するように構成される。一実施形態では、ユーザインターフェースは、複数の利用可能な診断エンジンそれぞれのステータスを表すアイコンを表示するように構成される。この図に示されているように、ユーザインターフェースは、臨床1によって実施されている検査のステータス(例えば、残り1分45秒)を表示し、臨床2アナライザおよび尿アナライザが使用のために利用可能であることを表示する。ユーザインターフェースは、所与の診断エンジンのステータスを様々な方法で表示する。例えば、ユーザインターフェースは、完了率、残り時間、経過時間を表示し、および/または診断エンジンのステータスを(例えばグラフィカルステータスインジケータを使用して)グラフィカルに表示する。
【0114】
図5Fに示されているように、ユーザは、ポイントオブケアシステムからログアウトするように促される。一実施形態では、ユーザは、診断エンジンが検査の実行を開始した後、ポイントオブケアシステムから自動的にログアウトされる。別の実施形態では、ユーザは手動でログアウトする必要があるが、自分のログイン資格情報を再入力しないと別の検査を開始することができない。例えば、ユーザが「臨床2」アイコンを選択した場合、ユーザインターフェースは、検査を開始する前に自分のログイン資格情報を入力するようにユーザに促す。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、同じユーザが、自分のログイン資格情報を入力せずに、新たな検査を開始することを可能にする。この図に示されているように、ユーザインターフェースからログアウトすることを選択した後、操作者に、「ログアウトしますか?」というメッセージが提示される。ユーザは、OKボタンをクリックするか、またはシステムからログアウトした後に別の検査を開始したいことを確認する必要がある。
【0115】
図5Gに示されているように、ユーザインターフェースは、1つまたはそれ以上の診断エンジンの現在のステータスを再び表示する。ユーザインターフェースは、操作者が、試料に対して検査を実行するために診断エンジンの所定の1つを選択することを可能にする。操作者は、第1の検査を実行した第1の操作者であるか、または第1の操作者とは異なる第2の操作者である。診断エンジンに対応するアイコンの所与の1つが選択された後、ユーザインターフェースは、自分のログイン資格情報を入力するように操作者に促す。一実施形態では、ユーザインターフェースは、操作者が新たな検査を選択するたびに、自分のログイン資格情報を入力するように操作者に促す。したがって、操作者が第1の検査を実行したのと同じ操作者である場合でさえ、ユーザインターフェースは、自分のログイン資格情報を入力するようにその操作者に要求する。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、第1の操作者が、その操作者がまだシステムにログインされている限り自分のログイン資格情報を入力することなく第2の検査を開始することを可能にする。
【0116】
図5Hに示されているように、ユーザは、ユーザインターフェースを介して操作者ログイン情報を入力するように促される。この図に示されているように、ユーザは、文字、数字、記号などの任意の組合せを含むログイン資格情報を入力するように促される。操作者識別子は、限定はしないが、ユーザ名、パスワード、PIN番号、および、ユーザインターフェースに関連するバーコードリーダを使用してスキャン可能なバーコードを含む、任意の種類の識別子を含むことを理解されたい。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースのバーコードスキャナを有効にするために「スキャン」ボタンを選択する。さらに、ポイントオブケアシステムは、ユーザを識別するために、音声認識、および顔認識技法などの生体認証情報を使用する。ログイン資格情報は、ユーザインターフェースによって提示されるキーボードを介する、または音声-テキスト変換処理を使用するなど、様々な方法によって入力される。
【0117】
図5Iに示されているように、ユーザインターフェースは、検査試料カートリッジを診
断エンジンに挿入するようにユーザに促す。例えば、この図に示されているように、ユーザが前の工程でHbA1c診断エンジンを選択した場合、ユーザは、血液試料を含むHbA1cカートリッジをHbA1c診断エンジンに挿入するように促される。診断エンジンに検査試料を挿入し、および/または診断エンジンの所与の1つを選択した後、ユーザは、「OK」ボタンを選択するか、または他の方法でユーザインターフェースと通信して、次の画面に進む。
【0118】
図5Jに示されているように、ユーザインターフェースは、患者情報を表示し、および/または選択された検査試料に関連する患者情報を入力するようにユーザに促す。例えば、ユーザインターフェースは、患者に関連する識別子、患者の姓、患者の名、患者の性別、および患者の生年月日を表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。患者情報がこれらの情報に限定されないことを理解されたい。例えば、ユーザインターフェースはまた、患者の身長、体重、既存の症状、過去の検査結果などを表示するか、またはそれらを入力するようにユーザに促す。一実施形態では、ユーザインターフェースは、患者情報を決定するためにバーコードをスキャンするように構成される。ユーザは、ユーザインターフェースのバーコードスキャナを有効にするために「スキャン」ボタンを選択する。バーコードは、例えば検査試料に位置する。ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力するのを支援するために、「最近の患者」アイコンや「患者リスト」アイコンなどの追加のアイコンを提示する。
【0119】
図5Lに示されるように、ユーザインターフェースは、診断エンジンのうちの所与の1つによって実施された検査に関連する検査の結果(例えば計算結果)を表示する。一実施形態では、ユーザインターフェースは、結果を閲覧する前に、自分のログイン資格情報を入力するようにユーザに促す。別の実施形態では、任意のユーザが、自分のログイン資格情報を入力せずに結果を閲覧することができる。例えば、インターフェースのユーザが臨床アナライザ(Clinical Analyzer)1に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユ
ーザインターフェースは、臨床アナライザ1によって実施される検査に関連する結果を表示する。ユーザが臨床アナライザ2に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、臨床アナライザ2によって実施される検査に関連する結果を表示するように構成される。
【0120】
ユーザインターフェースは、インターフェースのユーザによるアイコンの選択に応答して任意のタイプの情報を表示するように構成される。例えば、ユーザインターフェースは、診断エンジンから受信された測定結果に基づく計算結果を表示する。選択されたアイコンがHbA1cアナライザに対応する例では、ユーザインターフェースは、この図に示されるように、5.6%など患者のHbA1cレベルに対応する値を表示する。別の実施形態では、ユーザが心臓診断エンジンに対応するアイコンを選択したのに応答して、ユーザインターフェースは、心臓診断エンジンから受信された測定結果に対応する1つまたはそれ以上の計算結果を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、患者の総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、非HDLコレステロール、および高感度C反応性タンパク質に対応する値を表示する。ユーザインターフェースは、診断エンジンから受信された情報以外の情報を表示する。例えば、ユーザインターフェースは、操作者ID、患者ID、検査の日時、診断エンジン識別子、患者の名、患者の姓、患者の性別、および患者の生年月日を表示する。ユーザインターフェースはこれらの情報の一部のみを表示することもあり、ここで述べる情報に限定されないことを理解されたい。
【0121】
ユーザインターフェースは、ユーザが測定結果および/または計算結果についてコメントすることを可能にする。例えば、「コメント」ボタンをクリックすることによって、ユーザは、「HbA1cレベルが正常範囲内にある」または「6か月後の患者のフォローア
ップ」など、検査に関連する情報を入力する。ユーザインターフェースはさらに、ユーザが「印刷」アイコンをクリックすることによって結果を印刷することを可能にするか、またはユーザが「送信」アイコンを選択することによって結果を別のエンティティに送信することを可能にする。例えば、ユーザが「印刷」アイコンを選択したとき、ユーザインターフェースは、プリンタのリストを表示するか、または利用可能なプリンタの1つを選択して自動的に印刷する。追加としてまたは代替として、ユーザが「送信」アイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、ユーザが、電子メールアドレス、もしくは結果を受信することが可能な他のシステムなどの宛先を手動で入力することを可能にするか、またはユーザがドロップダウンメニューから宛先を選択することを可能にする。
【0122】
図5Mに示されているように、ユーザインターフェースは、検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが現在結果を閲覧しているアイコンに対応する検査カートリッジを取り外すようにユーザに命令する。ユーザインターフェースは、ユーザが結果を閲覧する前、閲覧中、または閲覧後の任意の時点で、検査カートリッジを取り外すためのこの命令を提示することができる。一例では、ユーザインターフェースは、結果を閲覧済みであること、または結果を印刷もしくは送信済みであることをユーザが選択したのに応答してのみ、このメッセージを表示する。ユーザインターフェースは、診断エンジンから受信された結果をデータベースに自動的に記憶するように構成される。また、検査結果を記憶するこのプロセスは、診断エンジンによって実施された検査の結果をユーザが閲覧する前、閲覧中、または閲覧後に実施される。ユーザインターフェースはまた、検査カートリッジを適切に廃棄する方法など、追加情報も表示する。
【0123】
図5Nに示されるように、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースに接続されている診断エンジンのすべてまたは一部のステータスを表示する。ユーザが所与の診断エンジンに関連する検査の結果を閲覧し、その診断エンジンから検査カートリッジを取り外した後、ユーザインターフェースは、診断エンジンが再び利用可能であることを表示する。例えば、ユーザインターフェースは、使用のために利用可能であるものとして診断エンジンを示す、その診断エンジンに対応するアイコンを表示する。この図に示されているように、ユーザインターフェースは、臨床1アナライザが検査を完了したこと、および臨床2アナライザおよび尿アナライザが使用のために利用可能であることを表示する。この図に示されているように、ユーザインターフェースは、システムに現在ログインされている操作者を示すために、画面の上部に操作者IDを表示する。この情報は、画面上のどこに表示されてもよく、または表示されなくてもよいことを理解されたい。
【0124】
図5Oに示されているように、ユーザインターフェースは、システムに現在ログインされている操作者を、一定の非活動期間の後、自動的にログアウトする。例えば、ユーザインターフェースは、非活動状態が60秒続いた後、現在の操作者を自動的にログアウトする。ユーザインターフェースは、任意の期間後に操作者をユーザインターフェースからログアウトし、この期間は、ポイントオブケアシステムが位置する場所の管理者など、ユーザインターフェースの操作者によって設定されることを理解されたい。この図に示されているように、ユーザがシステムからログアウトされた後、ユーザインターフェースは、「操作者IDをスキャンまたは入力する」というプロンプトを表示する。この時点で、ユーザが「臨床1」に対応するアイコンを選択したことに応答して、ユーザインターフェースは、ログイン資格情報を入力するようにユーザに要求する。
【0125】
方法およびシステムを、好ましい実施形態および特定の例に関連して述べてきたが、本明細書における実施形態は、あらゆる点において限定ではなく例示として意図されているので、範囲は、記載される特定の実施形態に限定されることは意図されていないことを理解されたい。
【0126】
別段に明示的に述べられていない限り、本明細書に記載されている任意の方法は、その操作が特定の順序で実施されることを要求するものとして解釈されることは意図されていない。したがって、方法クレームが、その操作が従うべき順序を実際に記載していない場合、または操作が特定の順序に限定されることが特許請求の範囲または明細書に特に別段に明記されていない場合、順序の示唆は何ら意図されていない。これは、以下のものを含む、解釈のために場合によっては明示していないことについても当てはまる:工程または操作フローの配列に関する論理;文法体系または句読点法に由来する明白な意味;および明細書に記載されている実施形態の数またはタイプ。
【0127】
本開示の範囲または精神から逸脱することなく、様々な修正および変形を施すことができることが当業者には明らかであろう。他の実施形態は、本明細書および本明細書に記載されている実践例を考察すれば当業者には明らかであろう。本明細書および例示的な図は、単に例示と見なされることが意図されており、真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【0128】
例示的実施形態
1.複数の診断エンジンと電子通信する機器データマネージャ(IDM)によって行われる方法であって、該IDMは、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して複数の検査が実質的に同時に行われることを可能にし、複数の診断エンジンによる検査を管理し、複数の診断エンジンそれぞれによって行われる検査の測定結果を受信するための単一のユーザインターフェースを提示し、該方法は:
ユーザインターフェースを介して、第1のユーザから、診断エンジンのうちの第1の診断エンジンに関連する試料に対して検査を行う要求を受信する工程と;
第1の診断エンジンに、第1の診断エンジンに関連する試料に対する検査を行うための命令を送信する工程と;
ユーザインターフェースを介して、第2のユーザから、診断エンジンのうちの第2の診断エンジンに関連する試料に対する検査を行う要求を受信する工程と;
第2の診断エンジンに、第2の診断エンジンに関連する検査を行うための命令を送信する工程と
を含み、
ここで、第1の診断エンジンに関連する検査と第2の診断エンジンに関連する検査とは、実質的に同時に行われる
前記方法。
2.ユーザインターフェースを介して、第1の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力するように第1のユーザに促す工程と;
ユーザインターフェースを介して、第2の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力するように第2のユーザに促す工程と
をさらに含み、
ここで、情報は、患者識別子、患者人口統計、試料人口統計、および順序情報(order information)のうちの1つまたはそれ以上を含む、
請求項1に記載の方法。
3.第1のユーザが第1の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力すること、および第2のユーザが第2の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力することの少なくとも一方のプロンプトは、対応する検査が開始された後に表示される、請求項2に記載の方法。
4.ユーザインターフェースを介して、第1の診断エンジンに関連する検査を開始した後、第1の診断エンジンを表すアイコンを表示する工程と;
ユーザインターフェースを介して、第2の診断エンジンに関連する検査を開始した後、
第2の診断エンジンを表すアイコンを表示する工程と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
5.複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
6.第1の診断エンジンと第2の診断エンジンとは、異なるタイプの診断エンジンである、請求項5に記載の方法。
7.第1のユーザは、第2のユーザと同じユーザである、請求項1に記載の方法。
8.第1のユーザは、第2のユーザとは異なるユーザである、請求項1に記載の方法。
9.IDMは、複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項1に記載の方法。
10.測定結果および少なくとも1つの他のパラメータに基づいて計算結果を生成する工程をさらに含み、
ここで、少なくとも1つの他のパラメータは、患者と、測定結果が決定された日時とに関連する人口統計情報を含む
請求項9に記載の方法。
11.複数の診断エンジンと電子通信する機器データマネージャ(IDM)であって、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して複数の検査が実質的に同時に行われることを可能にし、複数の診断エンジンによる検査を管理し、複数の診断エンジンそれぞれによって行われる検査の結果を受信するための単一のユーザインターフェースを提示し、ここで、該IDMは、プロセッサおよびメモリを含み、メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶し、命令は、プロセッサによって実行されるとき、該IDMに:
ユーザインターフェースを介して、第1のユーザから、診断エンジンのうちの第1の診断エンジンに関連する試料に対して検査を行う要求を受信する操作と;
第1の診断エンジンに、第1の診断エンジンに関連する試料に対する検査を行うための命令を送信する操作と;
ユーザインターフェースを介して、第2のユーザから、診断エンジンのうちの第2の診断エンジンに関連する試料に対する検査を行う要求を受信する操作と;
第2の診断エンジンに、第2の診断エンジンに関連する検査を行うための命令を送信する操作と
を行わせ、
ここで、第1の診断エンジンに関連する検査と第2の診断エンジンに関連する検査とは、実質的に同時に行われる、
前記機器データマネージャ(IDM)。
12.命令は、実行されるとき、該IDMに:
ユーザインターフェースを介して、第1の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力するように第1のユーザに促す操作と;
ユーザインターフェースを介して、第2の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力するように第2のユーザに促す操作と
をさらに行わせ、
ここで、情報は、患者識別子、患者人口統計、試料人口統計、および順序情報のうちの1つまたはそれ以上を含む、
請求項11に記載のIDM。
13.第1のユーザが第1の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力すること、および第2のユーザが第2の診断エンジンに関連する試料に対応する情報を入力することの少なくとも一方のプロンプトは、対応する検査が開始された後に表示される、請求項12に記載のIDM。
14.命令は、実行されるとき、該IDMに:
ユーザインターフェースを介して、第1の診断エンジンに関連する検査を開始した後、
第1の診断エンジンを表すアイコンを表示する操作と;
ユーザインターフェースを介して、第2の診断エンジンに関連する検査を開始した後、第2の診断エンジンを表すアイコンを表示する操作と
をさらに行わせる、請求項11に記載のIDM。
15.複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のIDM。
16.第1の診断エンジンと第2の診断エンジンとは、異なるタイプの診断エンジンである、請求項15に記載のIDM。
17.第1のユーザは、第2のユーザと同じユーザである、請求項11に記載のIDM。
18.第1のユーザは、第2のユーザとは異なるユーザである、請求項11に記載のIDM。
19.複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項11に記載のIDM。
20.測定結果および少なくとも1つの他のパラメータに基づいて計算結果を生成する工程をさらに含み、
ここで、少なくとも1つの他のパラメータは、患者または測定結果が決定された日時に関連する人口統計情報を含む
請求項19に記載のIDM。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントオブケアシステムであって:
リアルタイムプロセッサーと;
リアルタイムプロセッサーによって処理され、試料に対する検査を実施し、試料に対する検査に基づいて測定結果を生成するようにそれぞれ構成された複数の診断エンジンと;
複数の診断エンジンそれぞれと電子通信する単一の機器データマネージャ(IDM)と、を含み、該単一のIDMは:
複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して第1の検査と第2の検査が同時に実施されることを可能にし、ここで、同時に、とは、さらに、第1の検査と第2の検査とは、同時に実施されるとして、または、第1の検査と第2の検査とは重畳する時間帯に実施されるとして、規定され、;
複数の診断エンジンにより実施される第1の検査と第2の検査の1つまたはそれ以上の測定結果を受信し;
1つまたはそれ以上の測定結果と、少なくとも1つの他のパラメータとに基づいて、1つまたはそれ以上の計算結果を決定し;
複数の診断エンジンによる検査を示すユーザ入力を受信し、1つまたはそれ以上の計算結果を表示するための単一のユーザインターフェースを提示する
ように構成されている、前記ポイントオブケアシステム。
【請求項2】
ユーザインターフェースは、試料の所与の1つに関連する計算結果を表示する前に、所与の試料に関連する患者識別子の入力を要求する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項3】
単一のIDMは、無線通信を介して複数の診断エンジンそれぞれと通信するように構成されている、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項4】
各診断エンジンは、同じタイプの診断エンジンである、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項5】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、異なるタイプの診断エンジンである、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項6】
複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項7】
ユーザインターフェースは、各診断エンジンに関して、該診断エンジンを表すアイコンを表示する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項8】
各診断エンジンに関するアイコンは、診断エンジンのステータスを示す、請求項7に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項9】
単一のIDMは、複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの他のパラメータは、患者と、測定結果が決定された日時とに関連する1つまたはそれ以上の人口統計情報を含む、請求項1に記載のポイントオブケアシステム。
【請求項11】
複数の診断エンジンを制御するための単一の機器データマネージャ(IDM)であって:
該単一の機器データマネージャ(IDM)は、複数の診断エンジンそれぞれと通信して、複数の診断エンジンを使用して複数のユーザによって複数の試料に対して第1の検査と第2の検査が同時に実施されることを可能にし、ここで、同時に、とは、さらに、第1の検査と第2の検査とは、同時に実施されるとして、または、第1の検査と第2の検査とは重畳する時間帯に実施されるとして、規定され、;
複数の診断エンジンにより実施される第1の検査と第2の検査の1つまたはそれ以上の測定結果を受信し;
1つまたはそれ以上の測定結果と、少なくとも1つの他のパラメータとに基づいて、1つまたはそれ以上の計算結果を決定し;
複数の診断エンジンによる検査を示すユーザ入力を受信し、1つまたはそれ以上の計算結果を表示するための単一のユーザインターフェースを提示する
ように構成されている、前記単一の機器データマネージャ(IDM)。
【請求項12】
ユーザインターフェースは、試料の所与の1つに関連する計算結果を表示する前に、所与の試料に関連する患者識別子の入力を要求する、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項13】
無線通信を介して複数の診断エンジンそれぞれと通信するように構成されている、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項14】
各診断エンジンは、同じタイプの診断エンジンである、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項15】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上は、異なるタイプの診断エンジンである、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項16】
複数の診断エンジンは、血液ガス診断エンジン、心臓診断エンジン、凝固診断エンジン、糖尿病診断エンジン、および尿検査診断エンジンのうちの少なくとも1つを含む、請求
項11に記載の単一のIDM。
【請求項17】
ユーザインターフェースは、各診断エンジンに関して、該診断エンジンを表すアイコンを表示する、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項18】
各診断エンジンに関するアイコンは、診断エンジンのステータスを示す、請求項17に記載の単一のIDM。
【請求項19】
複数の診断エンジンのうちの1つまたはそれ以上から測定結果を非リアルタイムで受信する、請求項11に記載の単一のIDM。
【請求項20】
少なくとも1つの他のパラメータは、患者と、測定結果が決定された日時とに関連する1つまたはそれ以上の人口統計情報を含む、請求項11に記載の単一のIDM。
【外国語明細書】