(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016069
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ゴミ集積ボックス
(51)【国際特許分類】
B65F 1/16 20060101AFI20220114BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119340
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社サンカ
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA03
3E023MA07
3E023MB02
3E023MC02
3E023MC10
(57)【要約】
【課題】前部から上部にかけて大きな上部開口部を開閉蓋で開閉でき且つ奥行きを小さくでき、開閉蓋が全体として大きても衝撃吸収弾性部を用いたストッパ部により衝撃を吸収でき衝撃音も減じられる優れたゴミ集積ボックスを提供すること。
【解決手段】開閉蓋3は複数枚で構成し、閉塞移動先端側の第一の開閉蓋3の取手部10を持って上方へ移動させ開口させる場合は、基端側の第二の開閉蓋3に重合しさらに一緒に上回動移動させることで大きく開口し、逆に前記上部開口部2を閉塞する場合は、第一の開閉蓋3の移動途中で第二の開閉蓋3が下方へつられ回動移動し、その後この第二の開閉蓋3は自重により下方に自動回動移動して衝撃吸収弾性部8に突き当たり衝撃音も出さずに閉塞位置で停止するように構成したゴミ集積ボックス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ボックス本体の前部から上部にかけて開口する上部開口部に、移動させることでこの上部開口部が開閉される湾曲板状の開閉蓋が設けられているゴミ集積ボックスであって、
前記開閉蓋は複数枚で構成され、閉塞移動先端側の第一の開閉蓋を上方へ移動させることで基端側の第二の開閉蓋に重合し前記上部開口部の下側が開口し、重合状態の前記第一の開閉蓋および前記第二の開閉蓋をさらに上方に移動させることで前記上部開口部がさらに開口する構成とされ、
前記各開閉蓋は、下部支点部を支点に前後方向に回動する左右の回動支持部に支持されこの左右の回動支持部とともに前後方向に回動移動自在に設けられた構成とされ、
前記第一の開閉蓋の下方への回動移動を規制する第一のストッパ部と前記第二の開閉蓋の下方への回動移動を規制する第二のストッパ部とが備えられ、少なくともこの第二のストッパ部7の受部は衝撃吸収弾性部で構成されていて、
前記開閉蓋は、前記各ストッパ部により前記各開閉蓋が規制され停止した状態が閉塞状態となるように構成され、
前記各開閉蓋を回動移動させて前記上部開口部を閉塞する際、前記第一の開閉蓋を下方に回動移動する移動途中でこの第一の開閉蓋の回動移動により前記第二の開閉蓋を下方へ回動移動させる下方連動移動機構を備え、この下方連動移動機構により下方へ回動移動させられた第二の開閉蓋が自重により下方に回動移動して前記第二のストッパ部の前記衝撃吸収弾性部に突き当たりこの下方への自重による回動移動が阻止され停止するように構成されていることを特徴とするゴミ集積ボックス。
【請求項2】
前記第一の開閉蓋に開閉回動移動操作用の取手部が設けられ、この第二の開閉蓋は、前記取手部により前記第一の開閉蓋を下方へ回動移動させて前記上部開口部を閉塞する際、この第一の開閉蓋を下方へ回動移動する移動途中で、前記下方連動移動機構により下方へ回動移動させられ、さらにこの第二の開閉蓋は、回動移動途中で自重により下方へ回動移動して前記第二のストッパ部の前記衝撃吸収弾性部に突き当たり停止する構成とされていて、
前記第一の開閉蓋は、前記取手部による操作もしくは自重により、前記第二の開閉蓋3が前記第二のストッパ部に突き当たり停止する閉塞位置まで自重により自動回動移動した後、前記第一のストッパ部に突き当たり停止する閉塞位置まで回動移動して閉塞状態となる構成とされていることを特徴とする請求項1記載のゴミ集積ボックス。
【請求項3】
前記取手部により前記第一の開閉蓋を上方へ回動移動させて前記上部開口部を開口する際、この第一の開閉蓋を上方へ回動移動する移動途中で、前記第二の開閉蓋を上方へ回動移動させる上方連動移動機構が備えられていて、前記取手部により前記第一の開閉蓋を上方へ回動移動させることによりこの第一の開閉蓋は前記第二の開閉蓋の下側に重合されるとともに、前記上方連動移動機構により前記第二の開閉蓋と重合した状態で上方へ回動移動して、前記上部開口部が開口する構成とされていることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のゴミ集積ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、野外の公園や集合住居のゴミ収集場所に設置されるゴミステーションなどのゴミ集積ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
収納ボックス本体1の上部から前部にかけて開口する上部開口部に、取手部を持って上下に移動させることでこの上部開口部が開閉される湾曲板状の開閉蓋が設けられているタイプのゴミステーションが好評である。
【0003】
このタイプのゴミステーションの開閉蓋は、下部支点部を支点に前後方向に回動する左右の回動支持部に支持されこの左右の回動支持部とともに前後方向に回動移動自在に設けられた構成とされていて、取手部を持ってこの開閉蓋を上方へ回動移動させることでこの開閉蓋は天部の下側に重合していき前記上部開口部の下側から徐々に開口していく構成とされ、閉塞する場合は、この開閉蓋を下方のストッパ部に突き当たるまで下方へ回動移動させると閉塞する構成とされている。
【0004】
そのため、取手部を持って上方へ回動移動操作するだけで、前部から上部にかけて大きく開口し、大きなゴミ袋でも片手で開口し投入収納でき、投入後閉塞する場合も片手で下方へ回動移動操作するだけで、途中からは自重により手を放しても、自動的に回動移動しストッパ部に突き当たり閉塞するように構成されていて便利である。
【0005】
しかしながら、開閉蓋を天部の下に重合させるようにして開口させるため、大きな開口部に設計すれば、開閉蓋も大きくなり、横幅だけでなく前後幅が大きくなってしまう。
すなわち、奥行き寸法を大きく設計せざるを得ない構成で、収納容量は大きくなるけれども、ゴミ袋を取り出し難く、底部の清掃も厄介となる。
特に都会では、大きな収納スペースで投入開口部は大きいけれど、開閉はし易く、且つ奥行きの小さいゴミステーションが要望されていて、従来構成では他の条件を満足させると、どうしても奥行き寸法は大きくなり、必要以上に奥行きのあるゴミステーションとなる問題があった。
【0006】
また、開閉蓋が大型となりその自重が大きくなると、自重により下方へ自動回動移動して閉塞する際、閉塞時にストッパ部は大きな衝撃を受けるため、耐久性にも劣り、閉塞時の衝撃音も大きい。
【0007】
またこれを解決するため単にストッパ部の受部にゴム受などの衝撃吸収弾性部を設けただけでは、この衝撃音を十分に消失できない。そのため、高価なダンパー装置などを施さなければならず、製造が厄介となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を見出し、これを解決したもので、前部から上部にかけて大きな上部開口部を開閉蓋で開閉できる構成でありながら、奥行き寸法を小さく設計できる構成で、開閉蓋が大きく重量があっても簡易な衝撃吸収弾性部を用いたストッパ部により自重により自動回動移動させて閉塞する際も、効率良く衝撃を吸収でき十分に衝撃音も減じることができる実用性に優れたゴミ集積ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
収納ボックス本体1の前部から上部にかけて開口する上部開口部2に、移動させることでこの上部開口部2が開閉される湾曲板状の開閉蓋3が設けられているゴミ集積ボックスであって、前記開閉蓋3は複数枚で構成され、閉塞移動先端側の第一の開閉蓋3を上方へ移動させることで基端側の第二の開閉蓋3に重合し前記上部開口部2の下側が開口し、重合状態の前記第一の開閉蓋3および前記第二の開閉蓋3をさらに上方に移動させることで前記上部開口部2がさらに開口する構成とされ、前記各開閉蓋3は、下部支点部4を支点に前後方向に回動する左右の回動支持部5に支持されこの左右の回動支持部5とともに前後方向に回動移動自在に設けられた構成とされ、前記第一の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第一のストッパ部6と前記第二の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第二のストッパ部7とが備えられ、少なくともこの第二のストッパ部7の受部は衝撃吸収弾性部8で構成されていて、前記開閉蓋3は、前記各ストッパ部6、7により前記各開閉蓋3が規制され停止した状態が閉塞状態となるように構成され、前記各開閉蓋3を回動移動させて前記上部開口部2を閉塞する際、前記第一の開閉蓋3を下方に回動移動する移動途中でこの第一の開閉蓋3の回動移動により前記第二の開閉蓋3を下方へ回動移動させる下方連動移動機構9を備え、この下方連動移動機構9により下方へ回動移動させられた第二の開閉蓋3が自重により下方に回動移動して前記第二のストッパ部7の前記衝撃吸収弾性部8に突き当たりこの下方への自重による回動移動が阻止され停止するように構成されていることを特徴とするゴミ集積ボックスに係るものである。
【0011】
また前記第一の開閉蓋3は、前記取手部10による操作もしくは自重により、前記第二の開閉蓋3が前記第二のストッパ部7に突き当たり停止する閉塞位置まで自重により自動回動移動した後、前記第一のストッパ部6に突き当たり停止する閉塞位置まで回動移動して閉塞状態となる構成とされていることを特徴とする請求項1記載のゴミ集積ボックスに係るものである。
【0012】
また前記第一の開閉蓋3に開閉回動移動操作用の取手部10が設けられ、この第二の開閉蓋3は、前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を下方へ回動移動させて前記上部開口部2を閉塞する際、この第一の開閉蓋3を下方へ回動移動する移動途中で、前記下方連動移動機構9により下方へ回動移動させられ、さらにこの第二の開閉蓋3は、回動移動途中で自重により下方へ回動移動して前記第二のストッパ部7の前記衝撃吸収弾性部8に突き当たり停止する構成とされていて、前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を上方へ回動移動させて前記上部開口部2を開口する際、この第一の開閉蓋3を上方へ回動移動する移動途中で、前記第二の開閉蓋3を上方へ回動移動させる上方連動移動機構11が備えられていて、前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を上方へ回動移動させることによりこの第一の開閉蓋3は前記第二の開閉蓋3の下側に重合されるとともに、前記上方連動移動機構11により前記第二の開閉蓋3と重合した状態で上方へ回動移動して、前記上部開口部2が開口する構成とされていることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のゴミ集積ボックスに係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、前部から上部にかけて大きな上部開口部を開閉蓋で開閉できる構成でありながら、奥行き寸法を小さく設計できる構成で、開閉蓋が大きく重量があっても簡易な衝撃吸収弾性部を用いたストッパ部により自重により自動回動移動させて閉塞する際も、効率良く衝撃を吸収でき十分に衝撃音も減じることができる実用性に優れたゴミ集積ボックスとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本実施例の開閉蓋を閉塞した状態の要部の拡大斜視図である。
【
図3】本実施例の開閉蓋が開口途中の要部の拡大斜視図である。
【
図4】本実施例の開閉蓋を完全に開口した状態の要部の拡大斜視図である。
【
図7】本実施例の開閉蓋を完全に開口した状態の説明側面図である。
【
図8】本実施例の第一の開閉蓋を閉塞操作して第二の開閉蓋に係止し第二の開閉蓋が閉塞回動する時点での説明側面図である。
【
図9】本実施例の第一の開閉蓋がまだ閉塞状態となる前に第二の開閉蓋が自重により自動回動して閉塞状態となった時点での説明側面図である。
【
図10】本実施例の第一および第二の開閉蓋が閉塞状態となった時点の説明側面図である。
【
図11】本実施例の正面下部の底部清掃用掃き出し開口部が開閉戸で閉塞されている状態の下部の説明斜視図である。
【
図12】本実施例の開閉戸を横スライドさせて最大限に底部清掃用掃き出し開口部を開口した状態であってこの開口部外側接地面にちりとりを置いた状態の説明斜視図である。
【
図13】本実施例の底部清掃用掃き出し開口部を開閉する開閉戸とそのスライドガイド機構を示す説明側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0016】
収納ボックス本体1の前部から上部にかけて開口する上部開口部2に開閉自在に設けた湾曲板状の開閉蓋3は、複数枚で構成され、移動先端側の第一の開閉蓋3を上方へ移動させることで基端側の第二の開閉蓋3に重合し前閉塞記上部開口部2の下側が開口し、さらにこの重合状態の第一の開閉蓋3および第二の開閉蓋3を上方に移動させることで前記上部開口部2がさらに開口する。
【0017】
具体的には各開閉蓋3は、下部支点部4を支点に前後方向に回動する左右の回動支持部5に支持されこの左右の回動支持部5とともに前後方向に回動移動自在に設けた構成とされ、前記第一の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第一のストッパ部6と前記第二の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第二のストッパ部7に下方への回動移動が規制された位置が、この各開閉蓋3の閉塞位置となるように構成されている。
【0018】
さらに説明すると、各開閉蓋3を下方へ回動移動させて前記上部開口部2を閉塞する際、たとえば取手部10を持って、第一の開閉蓋3を下方に回動移動すると、その移動途中で連動移動機構9により前記第二の開閉蓋3が下方へ回動移動させられる。
この下方連動移動機構9により下方へ回動移動させられた第二の開閉蓋3が移動直後を含む移動途中で、(少なくとも最後は)自重により下方へ自動回動移動して、前記第二のストッパ部7の衝撃吸収弾性部8に突き当たり、この下方への自重による回動移動が阻止される。
【0019】
したがって、たとえ開閉蓋3の全体長さが長く大きな上部開口部2となるように設計しても、開閉蓋3は複数枚構成で、互いに重なることで上部開口部2を開閉する構成のため、長い開閉蓋3の収納スペースが必要となる構成でなく、収納ボックス本体1の前後方向の寸法すなわち奥行きを大きくせずに済むこととなる。
【0020】
またたとえ開閉蓋3の全重量が大きくても複数枚に分割して各重量を減じられていて、その分割した開閉蓋3が自重で自動回動閉塞するようにしてもストッパ部7までの移動ストロークはそれだけ短くなり、また少なくとも手で回動移動操作する第一の開閉蓋3により連動してその回動移動途中で自動回動移動する第二の開閉蓋3の閉塞位置で止めるストッパ部7の受部は衝撃吸収弾性部8で構成されているから、簡易な構成で閉塞時の衝撃を十分に吸収でき、衝撃音も十分に減じることができる。
【実施例0021】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例では、方形の収納ボックス本体1の左右側面板部13の間に低い正面板部12と高い背面板部22が設けられ、上部には前後幅の短い天板部23が設けられ、この収納ボックス1の前部から上部からにかけて大きな上部開口部2が設けられていて、この上部開口部2を開閉させる湾曲板状の開閉蓋3が前後方向にして上下方向に回動移動自在に設けられている構成としている。
【0023】
本実施例の開閉蓋3は二枚で構成され、閉塞移動先端側の第一の開閉蓋3を上方へ回動移動させることで基端側の第二の開閉蓋3に重合して前記上部開口部2の下側が開口し、さらにこの重合状態の第一の開閉蓋3および第二の開閉蓋3を上方に回動移動させることで、ともに天板部23の下側に隠れ収納され前記上部開口部2がさらに開口する構成としている。
【0024】
具体的には、下部支点部4を支点に前後方向に回動するV状の回動支持部5を収納ボックス本体1の内側左右に立設し、この左右の回動支持部5に支持された各開閉蓋3が、この左右の回動支持部5とともに前後方向にして上下方向に回動移動自在となるように構成している。
【0025】
また前記第一の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第一のストッパ部6と前記第二の開閉蓋3の下方への回動移動を規制する第二のストッパ部7とが備えられ、双方のこのストッパ部6、7の受部は、具体的構成は異なるが、ゴムで形成した衝撃吸収弾性部8で構成していて、この各開閉蓋3は、前記各ストッパ部6、7によりそれぞれの下方への回動移動が規制された位置が、この各開閉蓋3の閉塞位置となり、このストッパ停止状態が閉塞状態となるように構成している。
【0026】
さらに説明すると、前記各開閉蓋3を回動移動させて前記上部開口部2を閉塞する際、前記第一の開閉蓋3の取手部10を掴んで下方に回動移動する移動途中でこの第一の開閉蓋3の回動移動により前記第二の開閉蓋3を下方へ回動移動させる下方連動移動機構9を備え、この下方連動移動機構9により下方へ回動移動させられた第二の開閉蓋3が自重によりその回動途中で下方に自動回動移動して前記第二のストッパ部7の前記衝撃吸収弾性部8に突き当たりこの下方への自重による回動移動が阻止され、取手部10を掴んで下方へ閉塞しようとしている第一の開閉蓋3より先立って第二の開閉蓋3が閉塞停止位置まで自動回動して停止するように構成している。
【0027】
すなわち、第一の開閉蓋3に開閉回動移動操作用の取手部10が設けられ、この第二の開閉蓋3は、前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を下方へ回動移動させて前記上部開口部2を閉塞する際、この第一の開閉蓋3を下方へ回動移動する移動途中で、前記下方連動移動機構9により下方へ回動移動させられ、さらにこの第二の開閉蓋3は、回動移動途中で自重により下方へ自動回動移動して前記第二のストッパ部7の前記衝撃吸収弾性部8に突き当たり先に停止する構成としている。
【0028】
また前記第一の開閉蓋3は、前記取手部10による操作もしくは手を放せば途中から自重により、すなわち前記第二の開閉蓋3が自動回動移動して停止した後、さらに回動移動させたとえ手を放しても第一の開閉蓋3も自重により前記第一のストッパ部6に突き当たり停止する閉塞位置まで自動回動移動して停止し閉塞状態となる構成としている。
【0029】
したがって、たとえ開閉蓋3の全体長さが長く大きな上部開口部2となるように設計しても、開閉蓋3は複数枚構成で、互いに重なることで上部開口部2を開閉する構成のため、長い開閉蓋3の収納スペースが必要となる構成でないから、収納ボックス本体1の前後方向の寸法すなわち奥行きを大きくせずに済むこととなる。
【0030】
またたとえ開閉蓋3の全重量が大きくても複数枚に分割して各重量を減じていて、その分割した開閉蓋3が自重で自動回動閉塞する構成としていて、さらにストッパ部7までの移動ストロークもそれだけ短くなり、少なくとも手で回動移動操作する第一の開閉蓋3により連動してその回動移動途中で自重により自動回動移動する第二の開閉蓋3の閉塞停止位置までのストロークは短くなり、またこの閉塞位置で止めるストッパ部7の受部は衝撃吸収弾性部8で構成されているから、簡易な構成で閉塞時の衝撃を十分に吸収でき、衝撃音も十分に減じることができる。
【0031】
また前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を上方へ回動移動させて前記上部開口部2を開口する際、この第一の開閉蓋3を上方へ回動移動する移動途中で、前記第二の開閉蓋3を上方へ回動移動させる上方連動移動機構11が備えられていて、前記取手部10により前記第一の開閉蓋3を上方へ回動移動させることによりこの第一の開閉蓋3は前記第二の開閉蓋3の下側に重合されるとともに、前記上方連動移動機構11により前記第二の開閉蓋3と重合した状態でそのまま双方とも上方へ回動移動させて前記上部開口部2を大きく開口することができる構成としている。
【0032】
また本実施例の前記第一の開閉蓋3を下方に回動移動する移動途中でこの第一の開閉蓋3の回動移動により前記第二の開閉蓋3を下方へ回動移動させる下方連動移動機構9は、第一の開閉蓋3の後端部に、第二の開閉蓋3の前端部の連結受片部24に掛止係止して第二の開閉蓋3を連られ回動させる掛け止め連結片部25を設けた構成としている。
【0033】
具体的には、金属板材で形成し前端部に取手部10を突設した第一の開閉蓋3の後端部に上方へ折曲形成した引っ掛け用の連結片部25を幅広く設け、この引っ掛け用の連結片部25が引っ掛け係止される連結受片部24を同様にして第二の開閉蓋3の前端部に設けた構成としている。
【0034】
また、本実施例ではこの連結受片部24が前記閉塞停止位置となる第一のストッパ部6を兼ねる構成としている。すなわち、本実施例では、この下方連動移動機構9により第一の開閉蓋3を下方へ回動移動操作している途中で上方に重合している第二の開閉蓋3の前端部の連結受片部24に第一の開閉蓋3の後端部の連結片部25が達してこれを引っ掛けることで連動して第二の開閉蓋3が回動移動を開始し、この第二の開閉蓋3は自重により自動回動移動して、取手部10を掴んで回動移動操作している第一の開閉蓋3より先に第二のストッパ部7の受部の衝撃吸収弾性部8に突き当たり閉塞停止位置で停止する。そしてさらにそのまま手で第一の開閉蓋3を下方へ回動移動させるか、手を放して自重により自動回動させると第一の開閉蓋3は第一のストッパ部6に突き当たり閉塞停止位置で止まるが、本実施例ではこの第二のストッパ部6を衝撃吸収弾性部8を付設した前記連結受片部24とし、下方連動移動機構9と兼ねる構成としている。
【0035】
一方第一の開閉蓋3を上方へ回動移動する移動途中で、前記第二の開閉蓋3を上方へ回動移動させる上方連動移動機構11は、第一の開閉蓋3の前端部に、第二の開閉蓋3の前端部に設けた突き当て部26が突き当たり連られ回動させる突き当て受部27を設けた構成としている。
【0036】
具体的には、前記第二の開閉蓋3の前端縁を下方へ垂設して設けた連結受片部24(の前側)を突き当て受部27とし、これにクッション材として樹脂受部を数か所張着し、一方第一の開閉蓋3の前端部に段差部を上方に突出形成して設け、この突出部28の上面に前記取手部10を設けるとともに、この段差部を前記突き当て受部27に突き当てる突き当て部26としている。
【0037】
本実施例の収納ボックス本体1の正面板部12下部に、底部清掃用掃き出し開口部14が設けられ、この底部清掃用掃き出し開口部14を開閉する開閉戸15が移動自在に備えられている。
【0038】
前記底部清掃用掃き出し開口部14は、前記収納ボックス本体1の底板部16の底面と同じ高さが開口されていて、この底面を伯耆で掃き出す底残ゴミが外部へ掃き出し排出される構成としている。
【0039】
前記底部清掃用掃き出し開口部14の開口幅は、前記収納ボックス本体1の前記正面板部12の横幅もしくは前記側面板部13の前後幅の1/2以下の開口幅寸法であって、且つこの掃き出し開口部14外側接地面に置かれ前記伯耆で掃き出す底面の底残ゴミを受け取るちりとり17の前記伯耆幅とほぼ合致するちりとり横幅とほぼ合致する開口幅寸法に設定されている。
【0040】
また前記底部清掃用掃き出し開口部14の上下幅は左右幅に比べて小さく横長状開口部に構成されていて、前記開閉戸15は、スライドガイド機構18により横幅方向にスライド移動自在に設けられ前記底部清掃用掃き出し開口部14を開閉する横スライド戸に構成されている。
【0041】
また前記スライドガイド機構18は、前記収納ボックス本体1の底部16の正面側縁部に設けられた前記底部清掃用掃き出し開口部14を開閉する前記開閉戸15のスライド底面19に、この開閉戸15の下部に設けられたガイド突片20がスライド自在に係合するガイド溝21が設けられた構成とされていて、このスライド底面19を介して外へ掃き出される前記底残ゴミが引っかかる凸部がこのスライド底面19には形成されていないスライドガイド機構に構成されている。すなわち、立板状の開閉戸15の下部を逆L状に折曲形成してスライド底面に摺動するスライド戸底面31がスライド底面19上を摺動するように構成するとともに、この先端の垂下片を前記ガイド突片20とし、これがスライド底面19の横スライド方向に貫通形成したガイド溝21にスライド自在に係合する構成とし、この開閉戸15を横スライドさせて開口すると正面板部12の下部の固定板32の裏側に収納される位置の上下のガイド板33に沿うように開閉戸15を横スライドする構成として前記スライドガイド機構18を構成している。
【0042】
したがって、収納ボックス本体1の底部16を伯耆とこれと横幅がほぼ同等のちりとり17とで清掃する場合、前記底部清掃用掃き出し開口部14を開口して伯耆で底残ゴミを外へ掃き出すが、この際、この底部清掃用掃き出し開口部14を閉塞している開閉戸15をスライド移動して開口し、この掃き出し開口部14外側接地面に、前記伯耆で掃き出す底面の底残ゴミを受け取れるようにちりとり17を置いて、収納ボックス本体1内に差し入れた伯耆で底部16の底面を掃き、前記開口した底部清掃用掃き出し開口部14からその外側接地面に置いたちりとり17へ掃き出し落とし入れる。
【0043】
この下部の底部清掃用掃き出し開口部14は、収納ボックス本体1の底部16の底面と同じ高さが開口されているため、この底面上の底残ゴミを伯耆でそのまま簡単に外部へ掃き出し排出できることになり、しかも、この底部清掃用掃き出し開口部14の開口幅は、収納ボックス本体1の前記正面板部12の横幅もしくは前記側面板部13の前後幅、すなわち開口部形成側の横幅の1/2以下の開口幅寸法で、且つこの掃き出し開口部14外側接地面に置かれ前記伯耆で掃き出す底面の底残ゴミを受け取るちりとり17の横幅、すなわち伯耆幅とほぼ合致するちりとりの横幅とほぼ合致する開口幅寸法に設定されている、または前記開閉戸15を位置決め開口位置まで開口した際の前記底部清掃用掃き出し開口部14の開口幅が前記開口幅寸法に設定されているため、必要以上に大きな掃き出し開口部14を形成する構成ではないから、仮に適当に掃き出しても周囲を汚すおそれも少なく、また大きな開口部を形成しない分コストダウンも図れ、また体裁も損なわない構成とすることも容易な構成となる。
【0044】
しかもこの掃き出し開口部14の開口幅または最大開口した幅や位置決め位置まで開口した幅を、伯耆幅と合致するちりとり17の横幅にほぼ合致させた開口幅寸法に設定しているため、この開口部14めがけて伯耆で底面に沿って底残ゴミを掃き出すことで、予めちりとり17を前述のようにセットしておけば、ほとんどそのまま周囲を汚すことなくそのちりとり17に底残ゴミを掃き入れ回収できることとなる。
【0045】
すなわち、通常の外回り掃除に使用する市販の簡易な伯耆と、これと横幅が同等でセットになる市販のちりとり17とで清掃でき、しかも従来のようにこのちりとり17までをも収納ボックス本体1内に差し入れて掃き掃除をしなくとも、ちりとり17は前記開口部14外側接地面にセットし、伯耆だけを収納ボックス本体1内に差し入れて、ちりとり17めがけて掃き掃除することで、外側周囲をほとんど汚すことなく、ちりとり17に底残ゴミを掃き落とし回収することが容易にできることとなる。
【0046】
さらに具体的に説明すると、本実施例では、収納ボックス本体1の底板部16の正面側に下がり傾斜部を設けて、底板部16が脚部30で底上げされた構成で、底面が高い位置となっているが、前端部はこの下がり傾斜部により少し低い位置となり、この低い位置となった正面板部12の下部に、前記横長の底部清掃用掃き出し開口部14が設けられ、この外側に置くちりとり17との高低差が大きくならないように構成し、この底部清掃用掃き出し開口部14にこれを開閉する引き取手部29付きの横長の開閉戸15が横スライド移動自在に設けた構成としている。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。