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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160709
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】歩行バランス支援装具
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A61H3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065037
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】715006960
【氏名又は名称】田中 良幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 良幸
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA23
4C046AA25
4C046AA27
4C046AA48
4C046BB07
4C046BB08
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD12
4C046DD25
4C046DD39
4C046EE02
4C046EE07
4C046FF02
4C046FF33
(57)【要約】
【課題】歩行バランスの補助を更に向上できる技術を提供する。
【解決手段】使用者の身体に傾斜角度センサと、角度と長さを調節できる杖部を持つ装着型杖と、計測制御機器を取り付ける。傾斜角度センサの測定値は計測制御機器に送信され、身体姿勢と床面または地面の傾斜角度が算出される。そして、使用者の歩行動作特徴を格納した歩行動作特徴データベースを参照し、使用者が選択した動作モードに対応して、身体姿勢と床面または地面の傾斜角度に対して適切な杖部の角度と長さを算出し、装着型杖に動作指令値を送信する。杖部の先端は、装着型杖を取り付けた下肢の足が床面または地面から離れても、床面または地面を突いて身体を支えることが可能であり、歩行バランスを補助する機能をさらに向上することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角度と長さを同時もしくは別々に調整するための機構と電動モータなどのアクチュエータを有する杖部を備える装着者の下肢に取り付ける装着型杖と、
前記装着者の身体ならびに前記装着型杖に取り付ける傾斜角度センサと、
前記傾斜角度センサで測定したデータを受信して前記装着者が選択した動作モードと前記装着者の歩行動作特徴を考慮して身体姿勢に応じた前記杖部の角度と前記杖部の長さを算出して前記装着型杖に動作指令値を送信する計測制御機器
を備えることを特徴とする歩行バランス支援装具。
【請求項2】
前記装着型杖は、前記装着者の下肢の足が床面または地面に着いている時も離れている時も前記杖部の先端が床面または地面を突いて装着者の身体を支えることで、歩行バランスを補助する機能を更に向上させること
を特徴とする請求項1に記載の歩行バランス支援装具。
【請求項3】
前記計測制御機器は、前記傾斜角度センサで測定したデータから身体姿勢と床面または地面の傾斜角度を算出する機能と、前記装着者の歩行動作特徴に基づいて前記身体姿勢と前記床面または地面の傾斜角度に応じて適切な杖部の角度と杖部の長さを算出するために用いる歩行動作特徴データベースを有すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩行バランス支援装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行バランスを補助する機能を更に向上させるための歩行バランス支援装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歩行を支援する装着型の装置として、バネを活用して受動歩行の原理に基づいて歩行動作を促進する歩行支援装具(特許文献1)や、電動モータを活用して下肢関節の動きを助ける歩行支援装具(特許文献2)が知られているが、歩行時の動作に対するパワー補助を主としており、歩行時のバランスに関しては陽に考慮されていないため、常用杖を併用して歩行バランスを必要に応じて補うという対処をしている。これに対して、歩行バランスを補助することを目的として、足裏荷重分布に応じて電動モータで動く杖部をブーツに装着して歩行バランスの機能を向上させる歩行支援装具(非特許文献1、非特許文献2)が、本願発明者によって研究開発されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005-230099(P2005-230099A)
【特許文献2】特許第6021124号(P6021124)
【非特許文献1】日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2015講演論文集、2015、1A1-P09.(題名「ZMP理論に基づくハンドフリー・ステッキ機構」)
【非特許文献2】Proceedings of the IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems,pp.5445-5450,2018.(題名「Robotic Hand-Free-Stick for Walking Balance Assistance」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の従来技術(非特許文献1、非特許文献2)では、ひとつの電動モータで杖部の角度と杖部の長さを同時に調節する機構であるため、杖部の先端が床または地を突いて歩行バランスを補助できるのは、歩行支援装具(非特許文献1、非特許文献2)を装着した下肢の足が床または地についている時のみに限定されるという問題があった。
【0005】
そこで本発明では、装着した下肢の足が床または地に着いている時も離れている時も、杖部の先端が床または地を突いて身体を支えることで、歩行バランスを補助する機能を更に向上させるための歩行バランス支援装具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するため、本発明による歩行バランス支援装具では、角度と長さを同時もしくは別々に調整するための機構と電動モータなどのアクチュエータを有する杖部を備える装着者の下肢に取り付ける装着型杖と、前記装着者の身体姿勢を測定するために前記装着者の身体(左右の大腿や下腿や足や上腕や前腕や手および体幹の表裏などの部位)および前記装着型杖に取り付ける傾斜角度センサと、前記傾斜角度センサで測定したデータを受信して前記装着者が選択した動作モードと装着者の身体姿勢に適切な杖部の角度と杖部の長さを算出して前記装着型杖に動作指令値を送信する計測制御機器とを備えている。
【0007】
前記装着型杖は、二対を用意すれば左右の下肢に装着して使用することもできる。
【0008】
前記傾斜角度センサは、身体の任意の部位に必要とする個数を取り付けて使用する。必要に応じて、前記装着型杖と前記計測制御機器に取り付けてもよい。
【0009】
前記計測制御機器は、演算処理能力と電気信号の入出力機能を有する小型のコンピュータと、傾斜角度センサの測定値から床面または地面の傾斜角度を算出する機能と、前記装着者が選択した動作モードに対して前記床面または地面の傾斜角度に応じて前記杖部の動かし方を指定する歩行動作特徴データベースとを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明による歩行バランス支援装具によれば、装着者の下肢に装着した装着型杖は、足が床または地から離れても杖部が床または地を突いて装着者の身体を支えることができるので、歩行バランスを補助する機能が更に向上されて、装着者は常用杖を手にもって歩行する場合と同じように安定した歩行動作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る歩行バランス支援装具10について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明による歩行バランス支援装具10の全体構成と動作手順を概説する図である。前記歩行バランス支援装具10は、装着型杖100を装着者1の下肢に取り付けて、計測制御機器200と傾斜角度センサ300を装着者1の身体もしくは前記装着型杖100に取り付けて使用される。
【0013】
前記装着者1が装着して起動した前記歩行バランス支援装具10の動作モードを選択した後にスタート指令を送ると、前記計測制御機器200は前記傾斜角度センサ300の測定データを受け取る。そして、前記計測制御機器200は前記装着型杖100の杖部110に動作指令値を送信する。前記装着者1が前記歩行バランス支援装具10にリセット指令を送ると、前記杖部110は初期状態に自動復帰する。前記動作モードの選択と前記スタート指令と前記リセット指令は、物理的なスイッチの操作でもよいし、音声による指令でもよい。
【0014】
図2は、一対の前記装着型杖100を使用する際の、前記計測制御機器200において計算処理をする手順を説明する概略図である。前記計測制御機器200は前記傾斜角度センサ300の測定データをまとめて身体姿勢(q)201として受け取る。そして、床面または地面の傾斜角度(α)202を算出する。前記傾斜角度(α)202が正の場合は上り坂であり、前記傾斜角度(α)202が負の場合は下り坂である。前記傾斜角度(α)は歩行動作特徴データベース203に送られ、前記装着者1の歩行動作に適した前記杖部110の角度(θ)を求める関数F(q)204と前記杖部110の長さ(L)を求める関数G(θ)205が選択される。そして、身体姿勢(q)と関数F(q)を用いて求めた前記杖部110の角度(θ)を実現するために第1電動モータ制御器206から動作指令値(S1)と、前記杖部110の角度θと関数G(θ)を用いて求めた前記杖部110の長さ(L)を実現するために必要となる第2電動モータ制御器207から動作指令値(S2)が、前記装着型杖100に送信される。
【0015】
前記装着者1が両脚に前記装着型杖100を取り付けて使用する際は、前記計測制御機器200を二つ用意してもよいし、前記計測制御機器200に第3電動モータ制御器と第4電動モータ制御器を追加して拡張してもよい。
【0016】
図3は、前記歩行動作特徴データベース203を説明する概略図である。装着者1が選択した動作モードに合わせた、床面または地面の傾斜角度(α)に対する杖部110の角度(θ)を求める関数F(q)と、前記杖部110の長さ(L)を求める関数G(θ)などを、歩行動作特徴として格納する。
【0017】
図4は、前記歩行動作特徴データベース203を作成する第一の手順を説明する概略図である。前記歩行バランス支援装具10を装着する前の装着者が、常用杖を手に持って歩行する際の身体と常用杖の動きを、傾斜角度センサに限らずモーションキャプチャー・システム等の身体動作測定をするための専用機材を用いて計測・記録をする。次に、前記装着者1に前記装着型杖100を取り付ける下肢の部位を定め、前記杖部110の回転中心となる位置(P)から見た常用杖の先端の空間軌道を求める。ここで、歩行中の常用杖の先端は、図中の[1]→[2]→[3]→[1]の順番で繰り返して動く。次に、前記位置(P)から常用杖の先端の空間軌道上の任意の点まで直線を引き、任意の点に対する直線の傾き角度を前記杖部110の角度(θ)、任意の点に対する直線の長さを前記杖部110の長さ(L)として算出する。そして、身体姿勢(q)から前記杖部110の角度(θ)を求める関数F(q)と、前記杖部110の角度(θ)から杖部の長さ(L)を求める関数G(θ)を設計して格納する。作成する手順は、床面または地面の傾斜角度(α)に関わらず、同様である。
【0018】
前記歩行動作特徴データベース203の作成する第二の手順について説明する。前記歩行バランス支援装具10を装着した装着者が、手に持った常用杖の先端に前記杖部の先端114をテープ等で固定する。そして、前記杖部110の角度(θ)と前記杖部110の長さ(L)が自由に滑らかに変わるように電動モータの電源を切った状態で、前記装着者1が前記常用杖を手に持って歩行する際の身体姿勢(q)と前記杖部110の角度(θ)と前記杖部110の長さ(L)を、前記第一の手順と同様に計測・記録し、身体姿勢(q)から前記杖部110の角度(θ)を求める関数F(q)と、前記杖部110の角度(θ)から杖部の長さ(L)を求める関数G(θ)を設計して格納する。
【0019】
前記歩行動作特徴データベース203に格納する歩行動作特徴は、装着者1が常用杖を手に持って歩行する際の身体と常用杖の動作だけに限定するものではない。例えば、前記装着者1が常用杖を手に持って階段を昇降する動作1や、前記装着者1が常用杖を手に持って椅子から立位する際の身体と常用杖の動作2や、前記装着者1が常用杖を手に持って自動車をはじめとする乗り物から乗降する際の身体と常用杖の動作3を含めることも可能である。そして、前記動作1と前記動作2と前記動作3を、前記装着者1が選択できる動作モードとして前記歩行動作特徴データベース203に追加することも可能である。
【0020】
図5図6図7は、膝関節部位に装着型杖100を取り付けるために開発した歩行バランス支援装具10を説明する概略図である。前記装着型杖100は、二個の電動モータを備える杖部110と、下肢に取り付けるための装着部150から成る。計測制御機器200はベルトで大腿部に巻いて取り付け、慣性方式の傾斜角度センサ301、302、303から無線または有線を介して測定データを受信し、前記装着型杖100に動作指令値を送信する。
【0021】
前記計測制御機器200は、腰に巻いたポシェットの中に入れて使用してもよいし、前記装着型杖100に取り付けて一体化してもかまわない。また、傾斜角度センサ300は前記装着型杖100と大腿と下腿などにベルトなどで巻いて固定して取り付けてもよいし、着衣に両面テープで固定して取り付けてもよい。
【0022】
前記杖部110は軽量金属であるアルミニウム合金を素材として作成され、第1電動モータ111で前記杖部110の角度(θ)を調整し、第2電動モータ112で二つのリンクが回転ジョイントで連結して構成されるスライダリンク機構113の第1リンク113aの角度(φ)を変えて前記杖部110の長さ(L)を調整する。前記杖部110の長さ(L)は、前記杖部110の回転中心となる前記第1電動モータ111の回転中心位置115から杖部の先端114までの距離である。第2リンク113bの角度(ψ)は、前記第1リンク113aの角度(φ)で機構的に定まる。前記杖部の先端114は、床面または地面の傾斜角度(α)の算出誤差による影響の軽減と消音を兼ねてゴムを取り付ける。前記第1リンク113aと前記第2リンク113bは、少量の変形をする樹脂等の素材で作成してもよい。
【0023】
前記杖部110の長さを調節する機構は、前記スライダリンク機構113に限るものではなく、上下にスライドする並進機構に置き換えて、前記第2電動モータ112で動かしてもよい。
【0024】
前記装着部150は、前記杖部110を取り付ける土台151と、前記土台151を取り付ける膝関節部分を覆うカバーと、下肢に取り付けるために用いるベルトから成る。前記杖部110と前記土台151を取り付けるために用いる固定具の長さは、前記杖部の先端114と前記装着者1の足が床または地についた時の位置関係に基づいて調整する。
【0025】
図8に示すように、前記杖部の先端114の大きさと形状は、前記装着者1の必要に応じて自由に取り替えてよい。例えば、大きくした杖部の先端114aにしてもよいし、曲線的な杖部の先端114bにしてもよいし、二股や三股や四股に増やした杖部の先端114cにしてもよい。
【0026】
図9は、常用杖を手に持って歩行した場合の身体姿勢と常用杖の動作を測定した一例を示す図である。上側の図は、右手に常用杖を持って杖歩行をする装着者の身体姿勢(q)と常用杖にマーカーを取り付け、モーションキャプチャー・システムで測定したマーカーの三次元位置を線でつないで描いた線画であり、歩行の側面から見た結果である。○印は関節位置、線は身体の部位および常用杖を示している。下図は、常用杖の代わりに、装着型杖100を膝関節に取り付けて使用する状態を想定して描いた結果である。前記装着型杖100の杖部の回転中心位置115(P)は膝関節である。前記装着型杖100の杖部の先端114の位置は、常用杖の先端の位置と同じである。
【0027】
図10は、図9の結果を基にして、前記装着型杖100と身体の動き方を説明する図である。図の横軸は進行方向への前記杖部の先端114の位置(x)であり、縦軸は前記杖部の先端114の高さ(z)、前記杖部110の角度(θ)、前記杖部110の長さ(L)、下腿の傾斜角度(q1)、大腿の傾斜角度(q2)である。○印は、グラフを描く上で用いたデータである。
【0028】
図11は、図10で示した下腿の傾斜角度(q1)と大腿の傾斜角度(q2)で定まる身体姿勢(q)を用いて前記杖部110の角度(θ)を求める関数F(q)を設計した結果を示している。なお、q=(q1,q2)であり、関数F(q)は多項式でなくてもよい。図10中の○印は実測データ、*印は関数F(q)で求めた値であり、おおむね一致していることがわかる。つまり、設計した関数F(q)を用いれば、歩行中に下腿と大腿に取り付けた傾斜角度センサ300の測定値から把握する身体姿勢(q)に応じて変化する前記杖部110の角度(θ)を求めることができる。
【0029】
図12は、図11で説明した関数F(q)を用いて求めた前記杖部110の角度(θ)を用いて前記杖部110の長さ(L)を求めるための関数G(θ)を設計した結果を示している。関数G(θ)は、記杖部の先端114が床面または地面から離れる区間となる[1]-[2]間と[3]-[1]間と、記杖部の先端114が床面または地面を突く区間となる[2]-[3]間で切り替えて設計している。関数G(θ)で用いる数式は、[1]-[2]間と[3]-[1]間と[2]-[3]間で別の数式を用いて設計しても良いし、全て共通の数式で設計してもよい。また、関数G(θ)は多項式でなくてもよい。
【0030】
図13は、図12で説明した関数G(θ)で求めた前記杖部110の長さ(L)から、(数1)と(数2)の変換式を用いて、第1リンク113aの角度(φ)を求めた結果を示している。
(数1)
【0031】
φ=acos{((L1)×(L1)+(La)×(La)―(L2)×(L2))/(2×L1×La)}×(180/π)
(数2)
【0032】
La=L―L0+L1×sqrt(3)
【0033】
ここで、(数1)と(数2)は、前記杖部110のスライダリンク機構113に応じて幾何学的に導出できる数式である。
【0034】
本発明の目的は、電動モータを1個にした装着型杖でも実現できる。例えば、図14では、杖部の角度を調整する第1電動モータ111の代わりにベアリング116を取り付けて、杖部110を自由回転させる機構を採用した場合の装着型杖である。杖部の角度(θ)は重力と歩行動作により発生する回転力で変化させる。前記杖部110の角度(θ)は、前記杖部110に傾斜角度センサ304を取り付けて測定値を用いて算出すればよい。そして、図5で示した2個の電動モータを用いる装着型杖100と同じ動作手順で、関数G(θ)を用いて前記杖部110の長さ(L)を求め、第2電動モータ112で前記杖部110の長さ(L)を調整する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明による歩行バランス支援装具によれば、両手は塞がらない状態で歩行が出来るので、立位状態で手を使う必要がある作業者の歩行バランスを補助することで労働負担を軽減する手段として提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明となる歩行バランス支援装具の全体構成と動作手順を説明する概略図である。
図2】計測制御機器において計算処理をする手順を説明する概略図である。
図3】歩行動作特徴データベースを説明する概略図である。
図4】歩行動作特徴データベースを作成する手順を説明する概略図である。
図5】本実施形態に係る歩行バランス支援装具の概略図である。
図6】本実施形態に係る歩行バランス支援装具が傾斜した時の概略図である。
図7】装着型杖を説明する概略図である。
図8】杖部の先端の大きさと形状に関する補足説明をするための図である。
図9】常用杖を手に持って歩行した場合の身体姿勢と常用杖の動作を測定した一例を示す図である。
図10】装着型杖と身体の動き方を説明する図である。
図11】身体姿勢(q)を用いて杖部の角度(θ)を求める関数F(q)を設計した結果である。
図12】杖部の角度(θ)を用いて杖部の長さ(L)を求めるための関数G(θ)を設計した結果である。
図13】関数G(θ)で求めた杖部の長さ(L)から第1リンクの角度(φ)を求めた結果である。
図14】本実施形態に係る歩行バランス支援装具で電動モータを1個にした装着型杖の概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1 装着者
10 歩行バランス支援装具
100 装着型杖
110 杖部
111 第1電動モータ
112 第2電動モータ
113 スライダリンク機構
113a 第1リンク
113b 第2リンク
114、114a、114b、114c 杖部の先端
115 杖部の回転中心
116 ベアリング
150 装着部
151 土台
200 計測制御機器
203 歩行動作特徴データベース
300 傾斜角度センサ
301、302、303、304 慣性方式の傾斜角度センサ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14