(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160711
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】ツインカートンおよびツインカートンを組み立てるためのブランク
(51)【国際特許分類】
B65D 5/486 20060101AFI20221013BHJP
B65D 5/00 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
B65D5/486
B65D5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065049
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯島 淳
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA01
3E060AB03
3E060AC02
3E060BA02
3E060BC04
3E060CC05
3E060CC17
3E060CC22
3E060CC42
3E060DA30
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】折り回数を少なくしつつ,2つの商品収容部の幅,奥行きおよび高さのいずれについても異ならせることができるツインカートンを提供する。
【解決手段】第2左側面パネル18にカット線Kが形成されている。第2右側面パネルと第2正面パネルの境界で第2正面パネル17を折り,かつ第1正面パネル13と第1左側面パネルの境界で第1正面パネル13を折る。第1糊代パネル11が第2左側面パネル18のカット線Kによって囲まれる範囲内に接着される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の板紙から作成され,2つの商品収容部(1A,1B,2A,2B)を備えるツインカートン(1,2)であって,
共通背面パネル(15,55)を中央にして,共通背面パネル(15,55)の左側に,起函されたときに第1の商品収容部(1A,2A)を構成する第1右側面パネル(12,52),第1正面パネル(13,53)および第1左側面パネル(14,54)がこの順番に並び,かつ上記第1左側面パネル(14,54)が上記共通背面パネル(15,55)に連続しており,共通背面パネル(15,55)の右側に,起函されたときに第2の商品収容部(1B,2B)を構成する第2右側面パネル(16,56),第2正面パネル(17,57),第2左側面パネル(18,58)がこの順番に並び,かつ上記第2右側面パネル(16,56)が上記共通背面パネル(15,55)に連続しており,
上記第1右側面パネル(12,52)の左端に第1糊代パネル(11,51)が,上記第2左側面パネル(18,58)の右端に第2糊代パネル(19,59)がそれぞれ連続しており,
上記第2左側面パネル(18,58)に,第2左側面パネル(18,58)と第2糊代パネル(19,59)の境界上に間隔をあけて両端部が位置しており,両端部から第2正面パネル(17,57)に向かってのびる部分と,第2左側面パネル(18,58)と第2正面パネル(17,58)との境界に至る途中で方向を変えて,上記両端部から第2正面パネル(17,58)に向かってのびる部分の先端同士をつなぐ部分を含むカット線(K)が形成されており,
上記第2右側面パネル(16,56)と上記第2正面パネル(17,58)の境界(F1)において上記第2正面パネル(17,57)が折られることで上記第2糊代パネル(19,59)が上記共通背面パネル(15,55)に接着され,上記第1正面パネル(13,53)と上記第1左側面パネル(14,54)の境界において上記第1正面パネル(13,53)が折られることで,上記第1糊代パネル(11,51)が上記第2左側面パネル(18,58)の上記カット線(K)によって囲まれる範囲(18A,58A)内に接着されていることを特徴とする,
ツインカートン(1,2)。
【請求項2】
上記共通背面パネルの下端に上記第1の商品収容部の底面開口および上記第2の商品収容部の底面開口の両方を閉じる一つの底面パネル(31,71)が連続している,
請求項1に記載のツインカートン。
【請求項3】
上記第1正面パネルの上端に第1商品収容部の天面開口を閉じる第1天面パネル(21,61)が,上記第2正面パネルの上端に第2商品収容部の天面開口を閉じる第2天面パネル(25,65)が,それぞれ連続している,
請求項1または2に記載のツインカートン。
【請求項4】
請求項3に記載のツインカートンを組み立てるためのブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はツインカートンおよびツインカートンを組み立てるためのブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
一枚の板紙から組み立てられる2つの商品収容部を備える紙製の箱体(ツインカートン)が知られている。紙製箱体は扁平に折り畳まれた状態で工場,店舗等に出荷される。工場,店舗等において扁平に折り畳まれた状態の箱体が起函され,2つの商品収容部のそれぞれに商品が収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭59-112718号公報
【特許文献2】実公昭58-33416号公報
【0004】
一般には平らな状態の板紙を所定形状に打ち抜き,所定箇所に折り線(罫線)を入れ,折り線に沿って板紙を折りかつ適所を接着する製函機(サックマシン)を用いて,起函すれば箱体が完成する扁平状態の箱体が作られる。
【0005】
扁平な状態な箱体を作るために,製函機において板紙は複数回折られることになる。特許文献1に記載の箱は側壁5と端壁4との間で1回,側壁3と端壁4との間で1回,合計2回,板紙を折ることになる。折り回数は少ないが特許文献1に記載の箱は仕切壁6によって空間を仕切るタイプなので,2つの商品収容部の奥行を同一にせざるを得ない。
【0006】
これに対して特許文献2に記載は,2つの商品収容部の奥行を異ならせることができる容器を開示する(奥行が同じである2つの商品収容部を備える実施例が開示されているが,異ならせることは可能)。しかしながら,起函すれば箱体が完成する扁平状態の箱体を作成するには,一枚の板紙を,面(1)と面(2)の境界,面(7)と面(8)の境界,面(1’)と面(2’)の境界,面(7’)と面(8’)の境界の4回にわたって折らなければならない。折り回数が増えるほど製函機における工程が増え,歩留まりが悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は,扁平状態の箱体を作るための折り回数を少なくしつつ,2つの商品収容部の幅,奥行きおよび高さのいずれについても異ならせることができるツインカートンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるツインカートンは,一枚の板紙から作成され,2つの商品収容部を備えるものであって,共通背面パネルを中央にして,共通背面パネルの左側に,起函されたときに第1の商品収容部を構成する第1右側面パネル,第1正面パネルおよび第1左側面パネルがこの順番に並び,かつ上記第1左側面パネルが上記共通背面パネルに連続しており,共通背面パネルの右側に,起函されたときに第2の商品収容部を構成する第2右側面パネル,第2正面パネルおよび第2左側面パネルがこの順番に並び,かつ上記第2右側面パネルが上記共通背面パネルに連続しており,上記第1右側面パネルの左端に第1糊代パネルが,上記第2左側面パネルの右端に第2糊代パネルがそれぞれ連続しており,上記第2左側面パネルに,第2左側面パネルと第2糊代パネルの境界上に間隔をあけて両端部が位置しており,両端部から第2正面パネルに向かってのびる部分と,第2左側面パネルと第2正面パネルとの境界に至る途中で方向を変えて,上記両端部から第2正面パネルに向かってのびる部分の先端同士をつなぐ部分を含むカット線が形成されており,上記第2右側面パネルと上記第2正面パネルの境界において上記第2正面パネルが折られることで上記第2糊代パネルが上記共通背面パネルに接着され,上記第1正面パネルと上記第1左側面パネルの境界において上記第1正面パネルが折られることで,上記第1糊代パネルが上記第2左側面パネルの上記カット線によって囲まれる範囲内に接着されていることを特徴とする。「左」および「右」は相対的な関係を明確にするための用語であり,「左」を「右」に,「右」を「左」に,それぞれ読み替えてもよい。
【0009】
この発明によると,一枚の板紙を2回折ることによって,起函すれば第1,第2の商品収容部(筒体)が完成する扁平状態のカートンを作ることができる。
【0010】
また,この発明のツインカートンは,第1,第2の商品収容部の幅,奥行きおよび高さのいずれについても互いに異ならせることができる。
【0011】
一実施態様では,上記共通背面パネルの下端に上記第1の商品収容部の底面開口および上記第2の商品収容部の底面開口の両方を閉じる一つの底面パネルが連続している。一つの底面パネルを用いることによって第1,第2の商品収容部を互いに隣接させた状態とすることができる。
【0012】
好ましくは,上記第1正面パネルの上端に第1商品収容部の天面開口を閉じる第1天面パネルが,上記第2正面パネルの上端に第2商品収容部の天面開口を閉じる第2天面パネルが,それぞれ連続している,天面については,第1,第2の商品収容部のそれぞれに別個に第1,第2の天面パネルを設けることによって,第1,第2の商品収容部の天面をそれぞれ個別に開閉することができる。
【0013】
この発明はさらに,上述したツインカートンを組み立てるためのブランクも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施例のツインカートンの展開図である。
【
図2】組み立て途中の第1実施例のツインカートンである。
【
図3】組み立て途中の第1実施例のツインカートンである。
【
図4】組み立て途中の第1実施例のツインカートである。
【
図5】第1実施例のツインカートンの斜視図である。
【
図6】第2実施例のツインカートンの展開図である。
【
図7】第2実施例のツインカートンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から
図5は第1実施例のツインカートンの実施例を示している。
【0016】
図5を参照して,
図5は組み立てが完成したツインカートン1の斜視図である。ツインカートン1は,左右に隣り合いかついずれもが正面方向に突出する第1,第2の2つの商品収容部1A,1Bを備えるもので,2つの商品収容部1A,1Bのそれぞれに商品(内容物)を収納することができる。
図5に示すツインカートン1の構造等は,その組み立て工程を説明することによって明らかになるので,以下,
図1~
図4を参照してツインカートン1の組み立て工程を詳細に説明する。
【0017】
図1はツインカートン1のブランク(展開図)である。
図1のブランクは組み立てられたときにツインカートン1の内面となる面を示しており,板紙を
図1に示す形状に打ち抜きかつ折り目(折り線,罫線)をつけることで形成される。
図1には谷折りされる折り目が一点鎖線によって,山折りされる折り目が二点鎖線によってそれぞれ示されている。板紙に代えて段ボール,プラスチックシート等を用いることもできる。いずれにしてもツインカートン1は1枚のシート(板紙)から構成される。
【0018】
ツインカートン1のブランクはそのほぼ中央に共通背面パネル15を備えている。後述するように,共通背面パネル15は,ツインカートン1が備える第1,第2の2つの収容部1A,1Bの背面パネルとして共通に用いられる。
【0019】
共通背面パネル15の左側に,糊代パネル11,第1右側面パネル12,第1正面パネル13および第1左側面パネル14がこの順番に左側から並び,第1左側面パネル14と共通背面パネル15とが連続している。共通背面パネル15の右側には,第2右側面パネル16,第2正面パネル17,第2左側面パネル18および糊代パネル19がこの順番に並び,共通背面パネル15と第2右側面パネル16とが連続している。
【0020】
共通背面パネル15の上端には第1フックパネル23が連続し,第1フックパネル23の上端にさらに第2フックパネル24が連続している。第1,第2のフックパネル23,24にはフック孔23A,24Aがあけられており,第1,第2のフックパネル23,24の境界の折り目に沿って第2フックパネル24を折り畳むことで第1,第2のフックパネル23,24を重ね合わせると,2つのフック孔23A,24Aはピッタリと重なり合う。第2フックパネル24の先端には,ツインカートン1を組み立てるときに紙パネル同士の干渉を避けるために切り欠き24Bが形成されている。共通背面パネル15と第1フックパネル23との境界に折り目は無く,共通背面パネル15と第1フックパネル23は組み立てられた状態(
図5)において面一となる。
【0021】
共通背面パネル15の下端には共通底面パネル31が連続している。共通底面パネル31も,上述した共通背面パネル15と同様にツインカートン1に形成される第1,第2の商品収容部1A,1Bの両方に共通に用いられる。共通底面パネル31の先端には2つの差込片32,33が連続しており,一方(左側)の差込片32は第1の商品収容部1Aの一部として,他方(右側)の差込片33は第2の商品収容部1Bの一部として,それぞれ用いられる。
【0022】
第1正面パネル13の上端に第1天面パネル21が連続し,第1天面パネル21にはさらに差込片22が連続している。同様に,第2正面パネル17の上端に第2天面パネル25が連続し,第2天面パネル25にはさらに差込片26が連続している。第1,第2天面パネル21,25は,第1,第2の商品収容部1A,1Bの天面パネルとしてそれぞれ用いられる。
【0023】
第1右側面パネル12の上下端および第1左側面パネル14の上下端にフラップ41が,第2右側面パネル16の上下端および第2左側面パネル18の上下端にフラップ42が,それぞれ連続している。これらのフラップ41,42は,第1,第2の商品収容部1A,1Bの天面および底面の両側縁からの異物進入の抑制等のために設けられる。
【0024】
第2左側面パネル18にカット線Kが形成されている(
図1,
図2,
図3においてカット線Kを強調して示す。)。カット線Kは,第2左側面パネル18と糊代パネル19の境界上に間隔をあけて両端部が位置しており,両端部から第2正面パネル17に向かってのびる部分と,第2左側面パネル18と第2正面パネル17との境界に至る途中で方向を変えて,2つの両端部から第2正面パネル17に向かってのびる部分の先端同士をつなぐ部分を含む。カット線Kによって,第2左側面パネル18は,カット線Kによって囲まれる範囲18Aと,カット線Kの外側の範囲18Bとに区分けされる。カット線Kによって囲まれる範囲18Aにおいては第2左側面パネル18と糊代パネル19の境界に折り目はない。他方,カット線Kの外側範囲18Bにおいては第2左側面パネル18と糊代パネル19の境界には折り目が形成されている。
【0025】
図1に示すブランクを用いてツインカートン1は組立てられる。
図2を参照して,第2右側面パネル16と第2正面パネル17の境界(符号F1で示す)において第2正面パネル17を折り畳み,第2右側面パネル16の内面に重ね合わせる。折り目F1において第2正面パネル17が折り畳まれることで,第2正面パネル17に連続する第2左側面パネル18および糊代パネル19も他のパネルの内面に重ね合わされる。
【0026】
糊代パネル19の内面には接着剤Nが塗布される(
図1,
図2においてハッチングで示す)。接着剤Nによって,糊代パネル19の内面と糊代パネル19が重ね合わされる共通背面パネル15の内面とが接着される。
【0027】
図3を参照して,次に第1正面パネル13と第1左側面パネル14との境界(符号F2で示す)において第1正面パネル13を折り畳み,第1左側面パネル14の内面に重ね合わせる。第1正面パネル13が折り畳まれることで,第1正面パネル13に連続する第1右側面パネル12および糊代パネル11も他のパネルの内面に重ね合わされる。
【0028】
折り目F2において第1正面パネル13が折り畳まれると,糊代パネル11は第2左側面パネル18のカット線Kによって囲まれる範囲18Aにちょうど重なる。糊代パネル11の内面には接着剤Nが塗布される。接着剤Nによって糊代パネル11の内面と,糊代パネル11が重ね合わされる範囲18Aの外面とが接着される。
図3に示すように,糊代パネル11はカット線Kによって囲まれる範囲18Aよりもわずかに小さい寸法を有しており,糊代パネル11がカット線Kの外側範囲18Bに接着されることはない。
【0029】
折り目F1および折り目F2において2回折るだけで,起函前の扁平な状態のツインカートン1を作ることができる。
【0030】
第1右側面パネル12,第1正面パネル13,第1左側面パネル14をそれらの隣接するものの間で直角に折り曲げ,第2右側面パネル16,第2正面パネル17,第2左側面パネル18をそれらの隣接するものの間で直角に折り曲げる(起函)。第1右側面パネル12,第1正面パネル13,第1左側面パネル14および共通背面パネル15から構成される上下が開口した筒体と,第2右側面パネル16,第2正面パネル17,第2左側面パネル18および共通背面パネル15から構成される上下が開口した筒体の2つの筒体とが,左右に隣り合って形成される。
【0031】
図4は,第2右側面パネル16,第2正面パネル17および第2左側面パネル18のみが折り曲げられ,一方(右側)の筒体のみが形成されている様子を便宜的に示している。
【0032】
第2左側面パネル18が糊代パネル19に対して直角に折り曲げられたとき,第2左側面パネル18にはカット線Kに沿う孔があく。すなわち,カット線Kによって囲まれる範囲18Aは共通背面パネル15の内面に重ねられたままとどまる(
図2参照,カット線Kによって囲まれる範囲18Aには糊代パネル11が重ねられて接着されるので,
図4において範囲18Aは見えない。)。これは,カット線Kによって囲まれる範囲18Aに糊代パネル19が連続し,糊代パネル19が共通背面パネル15の内面に接着されているからである。他方,第2左側面パネル18が直角に折り曲げられたときにカット線Kの外側範囲18Bは糊代パネル19(共通背面パネル15)に対して直角な姿勢をとり,このために第2左側面パネル18に孔があくことになる(孔があいたように見える)。そして,第1右側面パネル12に連続する糊代パネル11が孔の中に入り込んでいるような状態となる。
【0033】
2つの筒体の形成の後,底面側のフラップ41,42を直角に折り曲げ,共通底面パネル31および差込片32,33を直角に折り曲げて差込片32,33を第1,第2正面パネル13,17の内面に沿って差し込むことで,2つの筒体の底面が共通底面パネル31によって同時に閉じられる。共通底面パネル31および2つの差込片32,33によって,2つの筒体は左右に隣り合う状態が拘束されることになる。
【0034】
2つの筒体の開放している天面側から,2つの筒体内にそれぞれ内容物が入れられる。その後,天面側のフラップ41を直角に折り曲げ,第1天面パネル21および差込片22を直角に折り曲げて差込片22を共通背面パネル15の内面に沿って差込むことで,第1の商品収容部1Aが完成する。同様に,天面側のフラップ42を直角に折り曲げ,第2天面パネル25および差込片26を直角に折り曲げて差込片26を共通背面パネル15の内面に沿って差し込むことで,第2の商品収容部1Bが完成する(
図5参照)。
【0035】
幅および奥行が異なる2つの商品収容部1A,1Bを持つツインカートン1には,典型的には,寸法が異なりかつ互いに関連する異なる商品,たとえば,乳液とスキンクリーム,醤油とソースなどが収納される。2つの商品を一度に購入することができ,店舗側および消費者側の双方の利便性を高めることができる。
【0036】
ツインカートン1は,典型的には,
図3に示す折り畳まれた扁平な状態で,商品を収納する工場,店舗等に出荷され,商品収納工場,店舗等において第1,第2の商品収容部1A,1Bの起函と商品収納とが行われる。
【0037】
図6および
図7は第2実施例のツインカートン2を示している。第2実施例のツインカートン2が備える2つの商品収容部2A,2Bは,幅,奥行きに加えて高さも互いに異なっている。
【0038】
基本的なパネル構造は,第1実施例のツインカートン1と同じである。ツインカートン2のブランクは,ほぼ中央に共通背面パネル55を備え,共通背面パネル55の左側に糊代パネル51,第1右側面パネル52,第1正面パネル53および第1左側面パネル54がこの順番に左側から並び,第1左側面パネル54と共通背面パネル55とが連続している。共通背面パネル55の右側には,第2右側面パネル56,第2正面パネル57,第2左側面パネル58および糊代パネル59がこの順番に並び,共通背面パネル55と第2右側面パネル56とが連続している。
【0039】
第1実施例のツインカートン1と異なり,第2実施例のツインカートン2はフックパネルを備えていない。共通背面パネル55の上部および糊代パネル59の上部にフック孔55A,59Aがあけられており,折り目F1で第2正面パネル57を折り畳むと,2つのフック孔55A,59Aがぴったりと重なり合う。
【0040】
共通背面パネル55の下端に共通底面パネル71が連続し,その先端に2つの差込片72,73が連続している。第1正面パネル53の上端に第1天面パネル61が連続し,第1天面パネル61にはさらに差込片62が連続している。同様に,第2正面パネル57の上端に第2天面パネル65が連続し,第2天面パネル65にはさらに差込片66が連続している。第1右側面パネル52の上下端および第1左側面パネル54の上下端にフラップ81が,第2右側面パネル56の上下端および第2左側面パネル58の上下端にフラップ82が,それぞれ連続している。第2左側面パネル58にカット線Kが形成されており(
図6においてカット線Kを強調して示す。),カット線Kによって,第2左側面パネル58は,カット線Kによって囲まれる範囲58Aと,カット線Kの外側の範囲58Bとに区分けされる。
【0041】
折り目F1において第2正面パネル57を折り畳んで糊代パネル59を共通背面パネル55に接着し,折り目F2において第1正面パネル53を折り畳み,糊代パネル11を第2左側面パネル58のカット線Kによって囲まれる範囲58Aに接着し,その後に起函することで,共通背面パネル55から幅,奥行きおよび高さが異なる2つの商品収容部2A,2Bを備えるツインカートン2が完成する(
図7)。
【符号の説明】
【0042】
1,2 ツインカートン
1A 第1の収容部
1B 第2の収容部
11,19,51,59 糊代パネル
12,52 第1右側面パネル
13,53 第1正面パネル
14,54 第1左側面パネル
15,55 共通背面パネル
16,56 第2右側面パネル
17,57 第2正面パネル
18,58 第2左側面パネル
18A,58A カット線によって囲まれる範囲
21,61 第1天面パネル
25,65 第2天面パネル
31,71 共通底面パネル
F1,F2 折り目
K カット線
N 接着剤