(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160727
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20221013BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20221013BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20221013BHJP
H02G 15/02 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
H01R4/48 A
H01B7/00 306
H02G1/14
H02G15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065085
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】進藤 昌彦
【テーマコード(参考)】
5G309
5G355
5G375
【Fターム(参考)】
5G309FA05
5G355AA03
5G355BA01
5G355BA11
5G375AA02
5G375CA02
5G375CA18
5G375CA19
5G375DA33
5G375DB16
(57)【要約】
【課題】電線の挿し込みが容易であって、かつ、電線と端子との十分な接触圧が確保される端子を提供する。
【解決手段】端子10は、端子本体20とスリーブ30とを有する。端子本体20は、相手端子との接触を担う端子接触部21と、挿込み空間23を有し挿し込まれた電線50との接触を担う電線接触部22とを有する。また、スリーブ30は、開放位置と接触位置との間でスライドする。ここで、電線接触部22が、外面に窪み24aを形成して内面が突き出た突出部24と、突出部24との間に挿込み空間23を開けて挿込み空間23を区画する受け部25とを有する。また、スリーブ30が、開放位置にあるときに窪み24aに入り込み、接触位置への矢印Fの向きのスライドにより電線50に突出部24を押し当てて電線50を受け部25に押し当てさせる押当部31を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手端子との接触を担う端子接触部と、電線が挿し込まれる挿込み空間を有し該挿込み空間内に挿し込まれた電線との接触を担う電線接触部とを有する端子本体、および、
前記電線接触部を取り巻き、該挿込み空間への電線の挿し込みを許容する開放位置と、該挿込み空間を狭める向きに該電線接触部を変形させて該電線接触部と電線と接触させる接触位置との間で電線挿込み方向にスライドするスリーブを備えたことを特徴とする端子。
【請求項2】
前記電線接触部が、前記挿込み空間に面した内面とは逆向きの外面に窪みを形成して該内面が突き出た突出部と、受け部であって該受け部と該突出部との間に該挿込み空間を開けて該挿込み空間を区画する受け部とを有し、
前記スリーブが、前記開放位置にあるときに前記突出部外面の窪みに入り込み、前記接触位置へのスライドにより前記挿込み空間に挿し込まれている電線に該突出部を押し当てて該電線を前記受け部に押し当てさせる押当部を有することを特徴とする請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記突出部および前記押当部の双方が電線挿込み方向に複数配列されていることを特徴とする請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記受け部が、前記挿込み空間を隔てて前記突出部側に向いた基部と、該基部を間に挟んだ左右に、該挿込み空間に挿し込まれた電線に近づく向きに該基部に対し斜めに形成され前記スリーブの前記接触位置へのスライドにより電線の押当てを受ける第1の被押当部および第2の被押当部とを有することを特徴とする請求項2または3に記載の端子。
【請求項5】
前記電線接触部の、電線挿し込みの向きの後端部に、前記スリーブの前記接触位置へのスライドにより電線の一部を取り巻いて前記受け部に接する電線取巻き部を有することを特徴とする請求項2から4のうちのいずれか1項に記載の端子。
【請求項6】
前記接触位置にスライドした前記スリーブの、前記開放位置へのスライドを阻止するロック構造を有することを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手端子との接触を担う端子接触部と、電線との接触を担う電線接触部とを有する端子に関する。
【背景技術】
【0002】
端子と電線との接続には、従来、圧着の技術が多用されている。この圧着は、端子を押し潰すことにより端子と電線を接続する技術である。この圧着では、電線が塑性変形し、この電線の塑性変形が圧着性能の安定に大きく寄与している。
【0003】
近年、端子に接続される電線が細線化の傾向にある。電線が単純に細線化されると切れやすくなるため、硬い材料を使った電線が使用される。硬い材料の電線は塑性変形し難く、圧着には不向きであり、電線の塑性変形を期待することなく電線を十分な強度で端子に接触させる技術を採用する必要がある。
【0004】
ここで、特許文献1には、片持ち梁形状の電線接続用バネ片を備え、電線を挿し込むとその電線により電線接続用バネ片が弾性変形して挿し込んだ電線を押さえる構造の接続端子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上掲の特許文献1の接続端子の場合、電線と端子との接触圧を圧着に代わるだけの圧力とすることは困難である。あるいは、電線と端子との接触圧を上げようとして電線接続用バネ片のバネ力を強めると今度は電線の挿し込みが困難となるおそれがある。
【0007】
本発明は、電線の挿し込みが容易であって、かつ、電線と端子との十分な接触圧が確保される端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の端子は、
相手端子との接触を担う端子接触部と、電線が挿し込まれる挿込み空間を有し挿込み空間内に挿し込まれた電線との接触を担う電線接触部とを有する端子本体、および、
電線接触部を取り巻き、挿込み空間への電線の挿し込みを許容する開放位置と、挿込み空間を狭める向きに電線接触部を変形させて電線接触部と電線と接触させる接触位置との間で電線挿込み方向にスライドするスリーブを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の端子は、上記のスリーブを備えている。そのスリーブを開放位置に置いて電線を挿し込み、その後、そのスリーブを接触位置にスライドさせる。これにより、電線の挿し込みが容易であって、かつ、電線と端子との十分な接触圧が確保される。
【0010】
ここで、本発明の端子において、
電線接触部が、挿込み空間に面した内面とは逆向きの外面に窪みを形成して内面が突き出た突出部と、受け部であって該受け部と突出部との間に挿込み空間を開けて挿込み空間を区画する受け部とを有し、
スリーブが、開放位置にあるときに突出部外面の窪みに入り込み、接触位置へのスライドにより挿込み空間に挿し込まれている電線に突出部を押し当てて電線を受け部に押し当てさせる押当部を有することが好ましい。
【0011】
このような突出部と押当部を備えることにより、簡易な構造で、電線の挿込みの容易性と、電線と端子との十分な接触圧の確保とを両立させることができる。
【0012】
また、突出部と押当部を備えた構造において、突出部および押当部の双方が電線挿込み方向に複数配列されていることが好ましい。
【0013】
複数配列されていることで、電線を端子に一層確実に接触させることができる。
【0014】
また、本発明の端子において、上記受け部が、挿込み空間を隔てて突出部側を向いた基部と、その基部を間に挟んだ左右に、挿込み空間に挿し込まれた電線に近づく向きに基部に対し斜めに形成され、スリーブの接触位置へのスライドにより電線の押当てを受ける第1の被押当部および第2の被押当部とを有することが好ましい。
【0015】
上記の第1の被押当部および第2の被押当部が形成されている構造の場合、電線を切断する向きに広がる断面において、突出部と第1の被押当部と第2の被押当部との3箇所で電線を支えることになる。これにより、例えば第1のの被押当部および第2の被押当部が存在せず、突出部と平坦な受け部との2箇所で電線を挟む構造と比べ、同じバネ力であっても電線に対する垂直抗力が向上する。また、上記の第1の被押当部および第2の被押当部が形成されている構造の場合、上下・左右双方について安定した接触を得ることができる。
【0016】
さらに、本発明の端子において、電線接触部の、電線挿し込みの向きの後端部に、スリーブの接触位置へのスライドにより電線の一部を取り巻いて受け部に接する電線取巻き部を有することが好ましい。
【0017】
この電線取巻き部を有する構造の場合、電線の姿勢が安定し、狙い通りの接触圧を得ることができる。
【0018】
さらに、本発明の端子において、接触位置にスライドしたスリーブの、開放位置へのスライドを阻止するロック構造を有することが好ましい。
【0019】
このロック構造を備えると、スリーブの開放位置への不用意なスライドが抑えられ、端子と電線との安定的な接触が維持される。
【発明の効果】
【0020】
上記の本発明によれば、電線の挿し込みが容易であって、かつ、電線と端子との十分な接触圧が確保される端子が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態としての端子を示す図である。
【
図2】スリーブが開放位置にあり電線を挿し込んだ状態にある端子を示した図である。
【
図3】スリーブを接触位置にスライドさせた状態の端子を示した図である。
【
図4】本発明の第2実施形態としての端子を示す図である。
【
図5】スリーブが開放位置にあり電線を挿し込んだ状態の端子を示した図である。
【
図6】スリーブを接触位置にスライドさせた状態にある端子を示した図である。
【
図7】
図5(C)に円R1で囲って示した背面図の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態としての端子を示す図である。ここで、
図1(A)、(B)、(C)、(D)は、それぞれ、斜視図、側面図、背面図、および
図1(C)に示す矢印X-Xに沿う断面図である。
【0024】
ここに示す端子10は、端子本体20とスリーブ30とを備えている。これら端子本体20およびスリーブ30は、それぞれ板金加工で形成されて互いに組み合わされている。
【0025】
端子本体20は、端子接触部21と電線接触部22を有する。端子接触部21は、相手端子(不図示)との接触を担っている。また、電線接触部22は、電線が挿し込まれる挿込み空間23を有し、その挿込み空間23内に挿し込まれた電線50(
図2参照)との接触を担っている。
【0026】
また、スリーブ30は、端子本体20の電線接触部22を取り巻いている。このスリーブ30は、
図1および
図2に示す位置である開放位置と
図3に示す接触位置との間で、端子本体20に対し矢印Fで示す電線挿込み方向にスライドする。このスリーブ30のスライドに関しては後述する。
【0027】
端子本体20の電線接触部22は、その底板側に、挿込み空間23に向かって突き出た突出部24を有する。本実施形態では、この突出部24は、矢印Fで示す電線挿込み方向に複数個(ここでは2つ)配列されている。そして、その突出部24の外面には窪み24aが形成されている。
【0028】
また、スリーブ30は、その底板側に、電線接触部22の突出部24と同様な形状の押当部31を有する。この押当部31は、スリーブ30が
図1に示す開放位置にあるときには、突出部24の外面の窪み24aに入り込んでいる。この押当部31も、矢印Fで示す電線挿込み方向、すなわち、スリーブ30がスライドする方向に複数個(ここでは3つ)配列されている。本実施形態において、電線接触部22の突出部24が2つであるのに対し押当部31が3つ配列されているのは、
図3に示すように、突出部24をその前端と後端で持ち上げるためである。
【0029】
図2は、スリーブが開放位置にあり電線を挿し込んだ状態にある端子を示した図である。
図2(A)、(B)、(C)、(D)は、それぞれ、側面図、正面図、背面図、および、断面図(
図1(C)に示す矢印X-X参照)である。
【0030】
この
図2では、
図1と同様、スリーブは開放位置にある。スリーブ30が開放位置にあるときは、押当部31が突出部24の外面の窪み24aに入り込んでいる。スリーブ30をこの開放位置からスライドさせるにはある程度の力が必要であり、スリーブ30は、この開放位置で仮係止された状態にある。
【0031】
スリーブ30が開放位置にあるときは、挿込み空間23は電線50の挿し込みに十分な広さを有し、電線50は、矢印Fで示す電線挿込み方向に、大きな抵抗を受けることなく挿し込まれて、電線接触部22の突出部24と天板25との間に入り込む。この天板25は、本発明にいう受け部の一例に相当する。
【0032】
図3は、スリーブを接触位置にスライドさせた状態の端子を示した図である。
【0033】
図2に示したように、スリーブ30が開放位置にある状態で電線50を挿し込む。その後、スリーブ30を、この実施形態では電線挿込みの向きと同じ矢印Fの向きに、スリーブ30を開放位置に仮係止させておく力を超える力で、
図3に示す接触位置までスライドさせる。すると、スリーブ30が開放位置にあったときは突出部24の外面の窪み24aに入り込んでいた押当部31が窪み24aから外れて、突出部24を押し上げる。すると、電線50は、突出部24により、天板25に強く押し当てられた状態、すなわち既定の接触圧で接触した状態となる。本実施形態では、天板25の、電線50が押し当てられる面は、突出部24側を向いた平面となっている。
【0034】
ここで、端子本体20には、前方に折り返された折返し片26が形成されている。一方スリーブ30には、
図2に示す開放位置にあるときにその折返し片26を収容する収容部32が形成されている。そして、スリーブ30を
図3に示す接触位置にスライドさせると、折返し片26は、収容部32から抜け出て、収容部32の直ぐ後ろに位置した状態となる。この折返し片26は収容部32を抜けるときに一旦弾性変形して抜け出たときに元の形に戻る。このため、接触位置にスライドしたスリーブ30を開放位置にスライドさせようとしても折返し片26が収容部32の入り口に引っかかり、スライドが阻止される。すなわち、接触位置にスライドしたスリーブ30は、その接触位置でロックされる。折返し片26および収容部32は、本発明にいうロック構造の一例を構成している。
【0035】
ここで、本実施形態における天板25の、電線50に接触する面は平面に形成されている。これは、電線50が硬いことに起因している。ここで、圧着の場合、電線が接触する面にはセレーションと呼ばれる凹凸形状が形成される。これは、圧着に向いた電線はある程度柔らかく圧着により電線を塑性変形させてそのセレーションに入り込ませることにより、高い接触圧を得ることができるからである。これに対し、本実施形態で採用される電線50は硬く、天板25の電線50に接触する面にセレーションに類する凹凸形状を形成しても、接触圧の向上は期待できない。ただし、ある程度の接触圧の向上が期待できるときは、セレーションに類する凹凸形状を形成してもよい。
【0036】
また、本実施形態における天板25を、突出部24を上下逆向きにした形状の天板、すなわち、突出部24と対向する部分が挿込み空間23に向かって突き出た形状の天板としてもよい。こうすれば、電線50は、上に向かって突き出た突出部24と天板の下に向かって突き出た部分とに挟まれることになる。
【0037】
なお、この実施形態では、スリーブ30の接触位置は、開放位置よりも矢印Fで示す前方にあり、開放位置にあるスリーブ30を矢印Fで示す前方にスライドさせることでスリーブ30を接触位置に移動させる構造となっている。ただし、スリーブ30の接触位置は、開放位置よりも前方にある必要はない。接触位置を開放位置よりも後方に置き、開放位置にあるスリーブ30を後方にスライドさせることで、スリーブ30を接触位置に移動させる構造を採用してもよい。
【0038】
次に、第2実施形態の端子について説明する。
【0039】
なお、以下では、これまで説明してきた第1実施形態の端子の要素と同じ要素については、第1実施形態の各図に付した符号と同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態の端子との相違点を中心に説明する。
【0040】
図4は、本発明の第2実施形態としての端子を示す図である。ここで、
図4(A)、(B)、(C)、(D)は、それぞれ、斜視図、側面図、背面図、および
図4(C)に示す矢印Y-Yに沿う断面図である。
【0041】
この
図4(C)、(D)にも、第2実施形態としての特徴が表れているが、その説明は後に回す。
【0042】
図5は、スリーブが開放位置にあり電線を挿し込んだ状態にある端子を示した図である。
図2(A)、(B)、(C)、(D)は、それぞれ、側面図、正面図、背面図、および、断面図(
図4(C)に示す矢印Y-Y参照)である。
【0043】
また、
図6は、スリーブを接触位置にスライドさせた状態の端子を示した図である。
【0044】
以下、第1実施形態の端子との相違点について説明する。
【0045】
図7は、
図5(C)に円R1で囲って示した背面図の拡大図である。
【0046】
端子本体20の電線接触部22には、挿込み空間23を隔てて突出部24と対向する側に天板25が設けられている。前述の第1実施形態における天板25の、電線50が突出部24に押されて突き当てられる部分は平板となっている。これに対し、この第2実施形態における天板25は、挿込み空間23を隔てて前記突出部24側を向いた基部251と、その基部251を間に挟んだ左右に、挿込み空間23に挿し込まれた電線50に近づく向き、すなわち
図7に矢印S1、S2で示す向きに基部251に対し斜めに形成された第1の被押当部252および第2の被押当部253が形成されている。この第2実施形態の場合、スリーブ30の接触位置へのスライドにより電線50の押当てを受けるのは基部251ではなく、その両側に形成されている第1の被押当部252および第2の被押当部253である。すなわち、スリーブ30が接触位置へスライドすると、電線50は、突出部24により矢印Uで示す上向きの力を受けるとともに、第1の被押当部252および第2の被押当部253からの矢印S1,S2で示される斜めの向きの力を受ける。すなわち、電線50は、その円周方向3か所で押される。これにより、前述の第1実施形態のように突出部24と平板の天板25との2箇所で電線50を挟む構造と比べ、同じバネ力であっても電線50に対する垂直抗力が向上する。また、これら第1の被押当部252および第2の被押当部253が形成されている構造の場合、上下・左右双方について安定した接触を得ることができる。
【0047】
図8は、電線接触部の後端部の拡大断面図である。ここで、
図8(A)、(B)、(C)は、それぞれ、
図4(D)の、円R2で囲って示した部分の拡大図、
図5(D)の、円R3で囲って示した部分の拡大図、および、
図6(B)の、円R4で囲って示した部分の拡大図である。
【0048】
この第2実施形態の場合、この
図8に示すように、電線接触部22の、矢印Fで示す電線挿し込みの向きの後端部に電線取巻き部27が形成されている。この電線取巻き部27は、上方に開口し電線を50を受け入れる溝271が形成された形状を有し、スリーブ30が接触位置へスライドしたときに電線50を取り巻いて溝271の淵272が天板25に接する。この電線取巻き部27を有する構造の場合、電線50の、挿込み空間23に挿し込まれた部分の姿勢が安定し、狙い通りの接触圧を得ることができる。
【0049】
以上、第1実施形態と第2実施形態のいずれにおいても、スリーブ30が開放位置にある状態で電線50を容易に挿し込むことができ、また、スリーブを接触位置にスライドさせることで電線50と端子10の十分な接触圧が確保される。
【符号の説明】
【0050】
10 端子
20 端子本体
21 端子接触部
22 電線接触部
23 挿込み空間
24 突出部
24a 窪み
25 天板(受け部)
251 基部
252 被押当部
26 折返し片
27 電線取巻き部
30 スリーブ
31 押当部
32 収容部
50 電線