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  • 特開-非常用電力供給システム 図1
  • 特開-非常用電力供給システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160739
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】非常用電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/08 20060101AFI20221013BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20221013BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
H02J9/08
H02J9/06
H02B1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065109
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】521146643
【氏名又は名称】株式会社池久保電工社
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】浜口 愛治
【テーマコード(参考)】
5G015
5G211
【Fターム(参考)】
5G015GA06
5G015GA17
5G015HA18
5G015JA52
5G211AA05
5G211DD01
5G211DD04
5G211DD11
5G211DD16
5G211DD20
5G211DD24
5G211GG04
(57)【要約】
【課題】停電時でも容易に使用できる非常用電力供給システムを提供する。
【解決手段】
非常用電力供給システム(100)は、商用電力を複数の負荷回路(107a~107f)に供給する商用電源線(102)と、非常用電力を前記複数の負荷回路に供給する非常用電源線(103)と、停電時に非常用電力を非常用電源線(103)に供給する非常用発電機(2)と、商用電源線(102)及び非常用電源線(103)と前記複数の負荷回路との間に設けられる切替スイッチ(104)とを備える。切替スイッチ(104)は、停電時に前記複数の負荷回路との導通接続を商用電源線(102)から非常用電源線(103)に切り替え、商用電力を受電可能な復電時に前記複数の負荷回路との導通接続を非常用電源線(103)から商用電源線(102)に切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力を受電不能な停電時に複数の負荷回路に非常用電力を供給する非常用電力供給システムであり、
前記商用電力を前記複数の負荷回路に供給可能である商用電源線と、
前記非常用電力を前記複数の負荷回路に供給可能である非常用電源線と、
前記停電時に前記非常用電力を前記非常用電源線に供給可能である非常用発電機と、
前記商用電源線及び前記非常用電源線と前記複数の負荷回路との間に設けられる切替スイッチとを備え、
前記切替スイッチは、前記停電時に前記複数の負荷回路との導通接続を前記商用電源線から前記非常用電源線に切り替え、前記商用電力を受電可能な復電時に前記複数の負荷回路との導通接続を前記非常用電源線から前記商用電源線に切り替えるものである
ことを特徴とする非常用電力供給システム。
【請求項2】
前記非常用電力供給システムは、さらに、前記停電時に導通させる前記負荷回路を前記停電前に選択可能である負荷回路選択スイッチを備える
請求項1記載の非常用電力供給システム。
【請求項3】
前記負荷回路選択スイッチは、前記負荷回路ごとに設けられる
請求項1又は2記載の非常用電力供給システム。
【請求項4】
前記非常用発電機は、移動可能な可搬型発電機である
請求項1~3何れか1項記載の非常用電力供給システム。
【請求項5】
前記可搬型発電機は、液化石油ガスを燃料とする非常用発電機、可燃性液体燃料を燃料とする非常用発電機、液化石油ガスと可燃性液体燃料とを燃料として選択的に使用可能なハイブリッド式非常用発電機、水素を燃料とする非常用発電機、自然エネルギー発電機、又は非常用蓄電池の少なくとも何れかである
請求項1~4何れか1項記載の非常用電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常用電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害による停電時に家庭で使用できる様々な非常用電源装置が知られている。その一例として、特許文献1には可搬型の非常災害用小型発電機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-303433、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、停電時に非常用電源装置を使用するには、非常用電源装置のコンセント(差込口)に対して、電気機器の差込プラグを接続しなければならず手間がかかる。また、使いたい電気機器が複数あり、しかもそれらが冷蔵庫、洗濯機、エアコンのように大型重量物であって離れた場所にある場合には、それらの差込プラグを同時に非常用電源装置に接続することができない。この場合、延長コードを使って接続する方法があるものの、複数本の延長コードを室内の多方向に這わせなければならず手間がかかる上に、それらは昼夜を問わず歩行の障害となり危険である。さらに、夜間に停電した場合には暗所での接続作業となり危険である。
【0005】
そこで本発明は、停電時でも容易に使用できる非常用電力供給システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一形態である請求項1に記載の非常用電力供給システム(100)は、
商用電力を受電不能な停電時に複数の負荷回路(107a~107f)に非常用電力を供給する非常用電力供給システム(100)であり、
前記商用電力を前記複数の負荷回路(107a~107f)に供給可能である商用電源線(102)と、
前記非常用電力を前記複数の負荷回路(107a~107f)に供給可能である非常用電源線(103)と、
前記停電時に前記非常用電力を前記非常用電源線(103)に供給可能である非常用発電機(2)と、
前記商用電源線(102)及び前記非常用電源線(103)と前記複数の負荷回路(107a~107f)との間に設けられる切替スイッチ(104)とを備え、
前記切替スイッチ(104)は、前記停電時に前記複数の負荷回路(107a~107f)との導通接続を前記商用電源線(102)から前記非常用電源線(103)に切り替え、前記商用電力を受電可能な復電時に前記複数の負荷回路(107a~107f)との導通接続を前記非常用電源線(103)から前記商用電源線(102)に切り替えるものであることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の非常用電力供給システムは、
前記停電時に導通させる前記負荷回路(107a~107f)を前記停電前に選択可能である負荷回路選択スイッチ(107a2~107f2)を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の非常用電力供給システムは、
前記負荷回路選択スイッチ(107a2~107f2)は、前記負荷回路(107a~107f)ごとに設けられることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の非常用電力供給システムは、
前記非常用発電機(2)は、移動可能な可搬型発電機であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の非常用電力供給システムは、
前記可搬型発電機は、液化石油ガスを燃料とする非常用発電機、可燃性液体燃料を燃料とする非常用発電機、液化石油ガスと可燃性液体燃料とを燃料として選択的に使用可能なハイブリッド式非常用発電機、水素を燃料とする非常用発電機、自然エネルギー発電機、又は非常用蓄電池の少なくとも何れかであることを特徴とする。
【0011】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一形態によれば、停電時であっても容易に非常用電力を電気機器に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態による非常用電力供給システムの概要構成図である。
図2】本発明の第2実施形態による非常用電力供給システムの概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図3を参照して、本発明の一形態による非常用電力供給システムの実施形態について説明する。以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0015】
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「第1」及び「第2」と記載する場合、それらは異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。また、本明細書及び図面で使用する符号は、異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序、優劣、関係性を示すために用いるものではない。
【0016】
第1実施形態〔図1
【0017】
非常用電力供給システム100の構成
【0018】
第1実施形態の非常用電力供給システム100は、平時には商用電源1から商用電力が供給される。他方、災害時などの停電時には、非常用発電機2から非常用電力が供給される。非常用電力供給システム100は、停電時に非常用発電機2を作動して非常用電力を供給する「非常用発電機作動システム」として構成されており、非常用電源の取扱いをより簡単に、安全に使用することができるものである。
【0019】
第1実施形態の非常用電力供給システム100は、分電盤101を備える。分電盤101は、商用電源1に接続される商用電源線102と、非常用発電機2に接続される非常用電源線103と、切替スイッチ104と、検知制御部105と、主電源線106と、負荷回路部107とを有する。
【0020】
商用電源線102は、商用電源1による商用電力を分電盤101に供給する電線で構成されている。商用電源線102の途中には漏電開閉器102aが接続されており、漏電が検知された場合に回路を遮断して安全を確保する。
【0021】
非常用電源線103は、非常用発電機2による非常用電力を分電盤101に供給する電線である。非常用電源線103の途中には、商用電源線102と同様の機能を有する漏電開閉器103aが設けられている
【0022】
漏電開閉器102a、103aの二次側には、切替スイッチ104が接続されている。切替スイッチ104は、主電源線106に繋ぐ電源供給元を、商用電源1と非常用発電機2との間で切り替えるものである。
【0023】
切替スイッチ104による電源切替は、検知制御部105により行われる。検知制御部105は、検知部105aと制御部105bとを有する。検知部105aは、商用電源1(商用電源線102)の停電を検知する。制御部105bは、検知部105aが停電を検知した検知信号に基づいて後述する負荷回路選択スイッチ107a2~107f2を自動でオンオフする制御を実行する。
【0024】
切替スイッチ104の二次側は、主電源線106が接続されており、主電源線106には負荷回路部107が接続されている。負荷回路部107には、主電源線106から分岐する複数の負荷回路107a~107fを有する。なお、「複数の負荷回路」として本実施形態では6つの負荷回路107a~107fを有する例を示すが、2つ以上ならばいくつでもよい。
【0025】
各負荷回路107a~107fは、構成が同一である。ここで各負荷回路107a~107fには、ブレーカー107a1~107f1と、負荷回路選択スイッチ107a2~107f2とを有しており、それらの端末は電気機器の差込プラグを差し込むコンセント107a3~107f3に接続されている。各負荷回路選択スイッチ107a2~107f2は、前述した制御部105bに対して、それぞれ信号線105cを介して接続されており、制御部105bが出力する選択信号を受けて回路の開閉を制御するものである。各負荷回路選択スイッチ107a2~107f2は、例えばリレーで構成することができる。
【0026】
以上のような分電盤101に接続される商用電源1は、地域の電力会社等が運営するものであって商用電力を供給する。
【0027】
以上のような分電盤101に接続される非常用発電機2は、基本的に、平時ではなく停電等の非常時に稼働されるものである。なお、非常用発電機2を試運転したり、点検運転したりする場合には、停電時ではない平時であっても使用することはもちろん可能である。非常用発電機2としては、5kVA以上の定格出力のものを用いるのが好ましい。また、非常用発電機2としては、例えば移動可能な「可搬型発電機」を使用することができる。可搬型発電機にはタイヤが付いているものがあり、平時は倉庫に収納しておき、非常時に倉庫から出して移動するのが容易だからである。また、タイヤが付いていない場合でも、軽量であり人力で移動させることが可能なものがあるからである。可動型発電機を例示すると次のとおりである。
【0028】
(1)液化石油ガス(LPG)を燃料とする非常用発電機
(2)可燃性液体燃料(ガソリン、軽油)を燃料とする非常用発電機
(3)液化石油ガス(LPG)と可燃性液体燃料(ガソリン、軽油)とを燃料として選択的に使用可能なハイブリッド式非常用発電機
(4)水素を燃料とする非常用発電機
(5)自然エネルギー発電機(前記(1)~(4)の発電機を除く。)
(6)非常用蓄電池
【0029】
これらの可動型発電機の中では、特に液化石油ガス(LPG)を燃料として用いる非常用発電機(1)(3)が好ましい。液化石油ガスは、LPガスシリンダー(ボンベ)やバルク貯槽で長期保存しても劣化しにくく、例えばガソリン発電機で必要な燃料の抜き取りやキャブレター清掃等のメンテナンスが不要であり、長期保管後でもスムーズに始動できるからである。また、LPガスシリンダーは、外力に強く、多少凹んでも使用可能であり、災害に強い点でも好ましい。
【0030】
また、非常用発電機(1)(3)の中でも、特にハイブリッド式非常用発電機(3)が好ましい。LPガス発電機は定格出力が1kVA未満で容量が小さいものが多く、消費電力(W)の少ない電気製品しか利用できないためである。ハイブリッド式非常用発電機(3)には、定格出力が5kVAを超えるものもあり、複数の電気機器を同時に使用することができるからである。そのようなハイブリッド式非常用発電機(3)としてはSSJホールディングス株式会社製の「ELSONA(登録商標)」(品番:HYB5500L)を例示でき、その定格出力は低圧LPガスで5.0kVA、ガソリンで5.5kVAとなっている。
【0031】
非常用電力供給システム100の動作
【0032】
次に、非常用電力供給システム100の動作を説明する。検知部105aは商用電源線102に対して商用電源1の電力供給が停止する停電を継続的に監視している。このとき、負荷回路部107の負荷回路107a~107fには、商用電力が供給されている。
【0033】
そして検知部105aが停電を検知すると、検知信号が切替スイッチ104に出力されて、切替スイッチ104が商用電源線102から非常用電源線103へと接続対象を切り替える。これにより商用電源線102は負荷回路部107に対して遮断される。
【0034】
これとともに検知部105aは、制御部105bに停電の検知信号を出力する。制御部105bは、複数の負荷回路107a~107fのうち、事前に選択された特定の負荷回路(例えば負荷回路107a、107c、107e)に対する非常用電力の供給をオンにし、事前に選択されていない特定の負荷回路(例えば負荷回路107b、107d、107f)に対する非常用電力の供給をオフにする負荷回路選択スイッチ107a2~107f2に対して開閉信号を出力する。これにより、事前選択された特定の負荷回路(例えば負荷回路107a、107c、107e)のみに対して非常用発電機2による非常用電力を供給することができる。
【0035】
停電時に非常用発電機2を使用する負荷回路107a~107fを事前選択するには、操作盤(図示略)により行う。そのような操作盤は、分電盤101に設けていてもよいし、建物の室内の壁面に液晶画面付きの操作パネルとして設けてもよい。操作盤で、特定の負荷回路107a~107fを事前選択することで、負荷回路選択設定信号が制御部105bに送られて記憶される。停電時になると、制御部105bは、その負荷回路選択設定信号に応じて負荷回路選択スイッチ107a2~107f2に対して開閉信号を出力する。
【0036】
負荷回路107a~107fを事前選択する観点は、停電時にも継続使用したいか否かという点と、非常用発電機2で使用できる定格出力の容量による。操作盤には、非常用発電機2の定格出力に応じて、コンセント107a3~107f3に接続された電気機器のうち停電時に使用できる電気機器の選択操作を行うことができるように構成されている。非常用発電機2の定格出力の入力操作は、非常用電力供給システム100の設置時に、設置する非常用発電機2に応じて入力することができる。また、非常用発電機2の交換時等に、入力することができる。他方、コンセント107a3~107f3に接続された電気機器の事前選択の組合せは、例えば、制御部105bが平常時における各電気機器の最大の消費電力をモニタリングしておき、モニタリングして記憶した各電気機器の最大消費電力を、非常用発電機2の定格出力の範囲で組み合わせることで、設定をすることができる。設定した電気機器の事前選択の組合せは、制御部105bにて記憶することができる。
【0037】
商用電源1が復電すると(電力系統が平時に戻ると)、検知部105aがそれを検知する。検知部105aは、その検知信号を切替スイッチ104に出力し、切替スイッチ104は非常用電源線103から商用電源線102へと接続対象を切り替える。これにより非常用電源線103は負荷回路部107に対して遮断される。
【0038】
これとともに検知部105aは、制御部105bに復電の検知信号を出力する。制御部105bは、すべての負荷回路107a~107fの負荷回路選択スイッチ107a2~107f2をオンにする。これによりすべての負荷回路107a~107fに対して商用電源1による商用電力を供給することができる。
【0039】
非常用電力供給システム100の効果
【0040】
非常用電力供給システム100は、既に説明したもののほか以下効果を有する。
【0041】
〔1〕非常用電力供給システム100は、商用電力を複数の負荷回路107a~107fに供給可能である商用電源線102と、非常用電力を複数の負荷回路107a~107fに供給可能である非常用電源線103と、停電時に非常用電力を非常用電源線103に供給可能である非常用発電機2と、商用電源線102及び非常用電源線103と複数の負荷回路107a~107fとの間に設けられる切替スイッチ104とを備える。切替スイッチ104は、停電時に複数の負荷回路107a~107fとの導通接続を商用電源線102から非常用電源線103に切り替え、商用電力を受電可能な復電時に複数の負荷回路107a~107fとの導通接続を非常用電源線103から商用電源線102に切り替え可能にとして構成されている。このため停電時には電力供給元が商用電源1から非常用発電機2に自動で切り替えることが可能であり、負荷回路107a~107fへの非常用電力の供給を簡単に、安全に行うことができる。
【0042】
また、非常用電力供給システム100は、停電が発生してから非常用発電機2を倉庫から出してきて使う準備をするのではなく、停電発生前から非常用発電機2を非常用電力供給システム100の一部として使用の準備をしておき、停電時には非常用電力を供給して電気機器を継続して使用することができるので、非常用発電機2を停電時に即座に有効活用することができる。
【0043】
〔2〕非常用電力供給システム100は、停電時に導通させる負荷回路(負荷回路107a~107f)を停電前に選択可能である負荷回路選択スイッチ107a2~107f2を備える。コンセント107a3~107f3には、それぞれ電気機器が接続されており、夏場の冷蔵庫や空調機器のように、停電時にも継続して使いたい電気機器がある。
【0044】
停電に備えてそうした電気機器を接続しているコンセント107a3~107f3(負荷回路107a~107f)を事前選択しておくことができるため、停電が発生した場合でもコンセント107a3~107f3に対する電気機器の差込プラグの抜き差しを行うことなく、必要な電気機器を継続して使用することが可能である。したがって、非常用発電機2の取扱いをより簡単に、安全に使用することができる。
【0045】
〔3〕負荷回路選択スイッチ107a2~107f2は、負荷回路107a~107fごとに設けられている。このため負荷回路選択スイッチ107a2~107f2ごとに停電時における使用の要否を設定することができて便利である。
【0046】
第2実施形態〔図2
【0047】
第2実施形態の非常用電力供給システム200が第1実施形態の非常用電力供給システム100と相違する点は、常時、商用電源1に接続されている負荷回路部201を備える点である。それ以外の構成は参照符号を含めて第1実施形態と共通するため説明を省略する。
【0048】
負荷回路部201は、分電盤202に設けられている。負荷回路部208は、常時、商用電源1に接続されているため、停電時には電力供給が停止され、各負荷回路201a~201fを使用することはできない。各負荷回路201a~201fは、ブレーカー201a1~201f1と、コンセント201a2~201f2を備えている。
【0049】
このような負荷回路部201を備える第2実施形態によれば、第1実施形態と同様にコンセント107a3~107f3(負荷回路107a~107f)のうち停電時に継続使用するもの、使用しないものを事前選択できることに加えて、コンセント201a2~201f2には、停電時に使用しない電気機器を接続しておくことができる。この場合、操作盤を操作して電気機器を事前選択する操作も不要である。したがって、非常用発電機2の取扱いをより簡単に、安全に使用することができる。
【0050】
なお、本発明の一態様による実施形態について詳細に説明したが、本発明の構成及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0051】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、非常用電力供給システム100,200の構成、動作も本発明の一態様による実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 商用電源
2 非常用発電機
100 非常用電力供給システム(第1実施形態)
101 分電盤
102 商用電源線
102a 漏電開閉器
103 非常用電源線
103a 漏電開閉器
104 切替スイッチ
105 検知制御部
105a 検知部
105b 制御部
105c 信号線
106 主電源線
107 負荷回路部
107a~107f 負荷回路
107a1~107f1 ブレーカー
107a2~107f2 負荷回路選択スイッチ
107a3~107f3 コンセント
200 非常用電力供給システム(第2実施形態)
201 負荷回路部
201a~201f 負荷回路
201a1~201f1 ブレーカー
201a2~201f2 コンセント
202 分電盤
図1
図2