(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160814
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】運行計画調整システム、情報処理装置及び運行計画調整方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20221013BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20221013BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20221013BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G06Q50/30
B64F1/36
G08G1/00 D
G08G5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065260
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓二
(72)【発明者】
【氏名】中福島 健一
(72)【発明者】
【氏名】奥野 善則
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB15
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】複数の移動体の運行計画を短時間で適切に調整する。
【解決手段】運行計画調整システムは、1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データを作成し送信する管理側運行計画作成部を有する、1以上の運行計画管理装置と、前記1以上の運行計画管理装置と通信可能な運行計画調整装置であって、前記1以上の運行計画管理装置が送信した前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する調整側運行計画表示部を有する、運行計画調整装置と、を具備する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データを作成し送信する管理側運行計画作成部を有する、1以上の運行計画管理装置と、
前記1以上の運行計画管理装置と通信可能な運行計画調整装置であって、前記1以上の運行計画管理装置が送信した前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する調整側運行計画表示部を有する、運行計画調整装置と、
を具備する運行計画調整システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運行計画調整システムであって、
前記経路情報は、出発地の位置情報と、前記経路に含まれる複数の経由地点の位置情報と、目的地の位置情報とを含む
運行計画調整システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を視覚的に区別可能に表示する
運行計画調整システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画データは、さらに、前記移動体が運行する時間に関する時間情報を含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、同時間帯の、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する
運行計画調整システム。
【請求項5】
請求項4に記載の運行計画調整システムであって、
前記時間情報は、移動開始時刻と、所要時間とを含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記移動開始時刻と、前記所要時間とをさらに表示する
運行計画調整システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画データは、さらに、運行の優先度を示す優先情報を含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記優先情報をさらに表示する
運行計画調整システム。
【請求項7】
請求項6に記載の運行計画調整システムであって、
前記優先度は、前記運行の目的に基づき決定される
運行計画調整システム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する
運行計画調整システム。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画調整装置は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を登録する調整側運行計画登録部をさらに有する
運行計画調整システム。
【請求項10】
請求項9に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画管理装置は、前記運行計画のオープン及びクローズを、前記運行計画調整装置に通知する管理側運行計画登録部をさらに有し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、
前記1以上の移動体の前記運行計画をそれぞれ識別する識別情報をさらに表示し、
前記通知を受け、前記運行計画のステータスとして、前記運行計画の承認前と、前記運行計画のオープン前と、前記運行計画のオープン中と、前記運行計画のクローズ後とで、前記運行計画をそれぞれ識別する識別情報を視覚的に区別可能に表示する
運行計画調整システム。
【請求項11】
請求項10に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記運行計画が却下された場合、前記運行計画データを修正し送信する
運行計画調整システム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置は、前記1以上の移動体にそれぞれ搭載された1以上の移動体搭載装置と通信可能であり、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記運行計画が承認された場合、前記運行計画データを、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置は、前記運行計画データを受信し、登録する移動体側運行計画登録部を有する
運行計画調整システム。
【請求項13】
請求項12に記載の運行計画調整システムであって、
前記移動体搭載装置は、前記移動体搭載装置が搭載された前記移動体が前記運行計画をオープン後に実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画を作成し、前記新たな運行計画のデータである新たな運行計画データを前記運行計画管理装置に送信する移動体側運行計画作成部をさらに有し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記運行計画調整装置に送信し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画を調整後に、前記新たな運行計画の承認を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画が承認された場合、前記新たな運行計画データの承認通知を、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置の前記移動体側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データの承認通知を受信し、前記新たな運行計画をオープンし、実行中の前記運行計画をクローズする
運行計画調整システム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記移動体搭載装置が搭載された前記移動体が前記運行計画をオープン後に実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画のデータである新たな運行計画データを作成し、前記運行計画調整装置に送信し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画を調整後に、前記新たな運行計画の承認を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画が承認された場合、前記新たな運行計画データを、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置の前記移動体側運行計画登録部は、承認された前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画をオープンし、実行中の前記運行計画をクローズする
運行計画調整システム。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記1以上の運行計画管理装置と前記運行計画調整装置との通信と、前記運行計画管理装置と前記1以上の移動体にそれぞれ搭載された前記1以上の移動体搭載装置との通信とを中継し、通信されるデータを蓄積するサーバ装置
をさらに具備する運行計画調整システム。
【請求項16】
請求項15に記載の運行計画調整システムであって、
前記移動体搭載装置は、
1以上の他の移動体の運行計画データを取得するための取得要求を前記サーバ装置に送信し、前記1以上の他の移動体の運行計画データを受信し、
前記移動体搭載装置は、受信した前記1以上の他の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の他の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する
移動体側運行計画表示部をさらに有する
運行計画調整システム。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画管理装置は、前記管理側運行計画作成部が作成した前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する管理側運行計画表示部を有する
運行計画調整システム。
【請求項18】
請求項17に記載の運行計画調整システムであって、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画表示部は、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を視覚的に区別可能に表示する
運行計画調整システム。
【請求項19】
請求項12乃至15の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記移動体搭載装置との通信は、衛星通信を含む
運行計画調整システム。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか一項に記載の運行計画調整システムであって、
前記移動体は、航空機であり、
前記運行計画は、前記航空機の飛行計画である
運行計画調整システム。
【請求項21】
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する運行計画表示部
を具備する情報処理装置。
【請求項22】
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データを作成し、
前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する
運行計画調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の運行計画、特に、航空機の飛行計画を調整するのに用いられる運行計画調整システム、情報処理装置及び運行計画調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の航空運用における飛行計画立案では、指示された飛行予定経路や地形情報、気象情報に基づき経路が計画(設定)される(特許文献1乃至特許文献5)。
【0003】
特に大規模災害発生時や、大規模イベント開催時には多数の航空機が様々な任務で飛行するため、飛行統制・調整所(Flight Coordination Center, FCC)が県庁等に設置されて、関係機関が集結して飛行計画が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6480088号公報
【特許文献2】特開2019-89538号公報
【特許文献3】特開2019-002699号公報
【特許文献4】特許第5099695号公報
【特許文献5】特許第6399276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飛行計画を立案する上で考慮すべき災害情報や警備情報については、情報が散在しているため計画立案に時間を要する。このため、飛行計画の作成及び調整に要する時間の短縮が望まれ、同時に、複数機関で飛行計画を調整可能であることが望まれる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、複数の移動体の運行計画を短時間で適切に調整することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る運行計画調整システムは、
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データを作成し送信する管理側運行計画作成部を有する、1以上の運行計画管理装置と、
前記1以上の運行計画管理装置と通信可能な運行計画調整装置であって、前記1以上の運行計画管理装置が送信した前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する調整側運行計画表示部を有する、運行計画調整装置と、
を具備する。
【0008】
本実施形態によれば、運行計画をデジタル化し、ネットワークを介して通信を行うことで、所要時間を短縮し、人員を削減し、運行計画の調整の効率化を図ることが可能となる。
【0009】
前記経路情報は、出発地の位置情報と、前記経路に含まれる複数の経由地点の位置情報と、目的地の位置情報とを含んでもよい。
【0010】
これにより、それぞれの位置情報に基づき、出発地から目的地まで経由地点経由で地図上に線画が描画できる。
【0011】
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を視覚的に区別可能に表示してもよい。
【0012】
例えば、異なる色で線画で描画して経路を地図上に視覚的に区別可能に表示することにより、さらに運行計画の調整の効率化を図ることが可能となる。
【0013】
前記運行計画データは、さらに、前記移動体が運行する時間に関する時間情報を含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、同時間帯の、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示してもよい。
【0014】
同時間帯の経路を地図上に表示することにより、さらに運行計画の調整の効率化を図り、調整を適切に行うことが可能となる。
【0015】
前記時間情報は、移動開始時刻と、所要時間とを含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記移動開始時刻と、前記所要時間とをさらに表示してもよい。
【0016】
移動開始時刻と所要時間とを表示することにより、運行計画の調整を適切に行うことが可能となる。
【0017】
前記運行計画データは、さらに、運行の優先度を示す優先情報を含み、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記優先情報をさらに表示してもよい。
【0018】
優先情報を表示することにより、運行計画の調整を適切に行うことが可能となる。
【0019】
前記優先度は、前記運行の目的に基づき決定されてもよい。
【0020】
情報収集や救助等の運行の目的に基づく優先情報を表示することにより、運行計画の調整をさらに適切に行うことが可能となる。
【0021】
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、前記運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示してもよい。
【0022】
運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示することにより、さらに運行計画の調整の効率化を図り、調整を適切に行うことが可能となる。
【0023】
前記運行計画調整装置は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を登録する調整側運行計画登録部をさらに有してもよい。
【0024】
これにより、運行計画の承認又は却下する前と、承認又は却下した後とで、運行計画を区別できる。
【0025】
前記運行計画管理装置は、前記運行計画のオープン及びクローズを、前記運行計画調整装置に通知する管理側運行計画登録部をさらに有し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画表示部は、
前記1以上の移動体の前記運行計画をそれぞれ識別する識別情報をさらに表示し、
前記通知を受け、前記運行計画のステータスとして、前記運行計画の承認前と、前記運行計画のオープン前と、前記運行計画のオープン中と、前記運行計画のクローズ後とで、前記運行計画をそれぞれ識別する識別情報を視覚的に区別可能に表示する
してもよい。
【0026】
ステータスを視覚的に区別可能に表示することにより、さらに運行計画の調整の効率化を図り、調整を適切に行うことが可能となる。
【0027】
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記運行計画が却下された場合、前記運行計画データを修正し送信してもよい。
【0028】
本実施形態によれば、運行計画の承認又は却下を、ネットワークを介して通信を行うことで、所要時間を短縮し、人員を削減し、運行計画の調整の効率化を図ることが可能となる。
【0029】
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記運行計画を調整後に、前記運行計画の承認又は却下を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置は、前記1以上の移動体にそれぞれ搭載された1以上の移動体搭載装置と通信可能であり、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記運行計画が承認された場合、前記運行計画データを、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置は、前記運行計画データを受信し、登録する移動体側運行計画登録部を有してもよい。
【0030】
本実施形態によれば、移動体にそれぞれ搭載された移動体搭載装置が、運行計画データを受信し、利用することができる。
【0031】
前記移動体搭載装置は、前記移動体搭載装置が搭載された前記移動体が前記運行計画をオープン後に実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画を作成し、前記新たな運行計画のデータである新たな運行計画データを前記運行計画管理装置に送信する移動体側運行計画作成部をさらに有し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記運行計画調整装置に送信し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画を調整後に、前記新たな運行計画の承認を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画が承認された場合、前記新たな運行計画データの承認通知を、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置の前記移動体側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データの承認通知を受信し、前記新たな運行計画をオープンし、実行中の前記運行計画をクローズしてもよい。
【0032】
本実施形態によれば、移動体にそれぞれ搭載された移動体搭載装置が、実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画を作成し、運行計画をデジタル化し、ネットワークを介して通信を行うことで、運行計画調整装置が新たな運行計画に基づき、速やかに運行計画を調整することができる。
【0033】
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記移動体搭載装置が搭載された前記移動体が前記運行計画をオープン後に実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画のデータである新たな運行計画データを作成し、前記運行計画調整装置に送信し、
前記運行計画調整装置の前記調整側運行計画登録部は、前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画を調整後に、前記新たな運行計画の承認を前記運行計画管理装置に通知し、
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画作成部は、前記新たな運行計画が承認された場合、前記新たな運行計画データを、前記移動体搭載装置に送信し、
前記移動体搭載装置の前記移動体側運行計画登録部は、承認された前記新たな運行計画データを受信し、前記新たな運行計画をオープンし、実行中の前記運行計画をクローズしてもよい。
【0034】
本実施形態によれば、運行計画管理装置が、実行中の前記運行計画とは異なる新たな運行計画を作成し、運行計画をデジタル化し、ネットワークを介して通信を行うことで、運行計画調整装置が新たな運行計画に基づき、速やかに運行計画を調整することができる。
【0035】
前記1以上の運行計画管理装置と前記運行計画調整装置との通信と、前記運行計画管理装置と前記1以上の移動体にそれぞれ搭載された前記1以上の移動体搭載装置との通信とを中継し、通信されるデータを蓄積するサーバ装置
をさらに具備してもよい。
【0036】
これにより、運行計画管理装置、運行計画調整装置及び移動体搭載装置が、サーバ装置に蓄積された運行計画データやステータスを共有できる。
【0037】
前記移動体搭載装置は、
1以上の他の移動体の運行計画データを取得するための取得要求を前記サーバ装置に送信し、前記1以上の他の移動体の運行計画データを受信し、
前記移動体搭載装置は、受信した前記1以上の他の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の他の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する
移動体側運行計画表示部をさらに有してもよい。
【0038】
これにより、移動体のパイロットが、移動体搭載装置を用いて、現在運行中の他の移動体の運行計画を知ることができる。
【0039】
前記運行計画管理装置は、前記管理側運行計画作成部が作成した前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する管理側運行計画表示部を有してもよい。
【0040】
これにより、移動体のパイロットが、現在運行中の他の移動体の運行計画を視覚的に理解しやすい。
【0041】
前記運行計画管理装置の前記管理側運行計画表示部は、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を視覚的に区別可能に表示してもよい。
【0042】
これにより、移動体のパイロットが、現在運行中の他の移動体の運行計画を視覚的にさらに区別して理解しやすい。
【0043】
前記移動体搭載装置との通信は、衛星通信を含んでもよい。
【0044】
例えばイリジウム衛星通信の通信容量は限定的である。運行計画データに含まれるデータを必要最低限とすることで、移動体搭載装置との通信データ量を減らし、移動体搭載装置との衛星通信を実現することができる。また、運行計画データに含まれるデータを必要最低限としつつ、運行経路を地図上に線画で描画し、視覚的に理解しやすいGUIを提供可能である。
【0045】
前記移動体は、航空機であり、
前記運行計画は、前記航空機の飛行計画でもよい。
【0046】
従来、例えば災害が発生すると、全ての飛行計画を調整するのに長時間かかり、多くの人員が必要である。これに対して、本実施形態によれば、運行計画をデジタル化し、ネットワークを介して通信を行うことで、所要時間を短縮し、人員を削減し、運行計画の調整の効率化を図ることが可能となる。
【0047】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する運行計画表示部
を具備する。
【0048】
本開示の一実施形態に係る運行計画調整方法は、
1以上の移動体の運行計画のデータである運行計画データであって、それぞれ経路に関する経路情報を含む運行計画データを作成し、
前記1以上の移動体の前記運行計画データにそれぞれ含まれる前記経路情報に基づき、前記1以上の移動体それぞれの前記経路を地図上に描画して表示する。
【発明の効果】
【0049】
本開示によれば、複数の移動体の運行計画を短時間で適切に調整することを図れる。
【0050】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本開示の一実施形態に係る運行計画調整システムの実施環境を示す。
【
図2】運行計画調整システムの概要を説明するための図である。
【
図9】運行計画管理装置に表示される運行計画作成用のGUIの一例を示す。
【
図10】運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【
図11】運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの別の一例である。
【
図12】運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する態様の一例を示す。
【
図13】移動体搭載装置に表示される運行計画確認用のGUIの一例を示す。
【
図14】運行計画をオープン(運行開始)する処理を模式的に示す。
【
図15】運行計画をオープン(運行開始)する処理フローを示す。
【
図17】運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【
図19】移動体搭載装置に表示される運行計画修正用のGUIの一例を示す。
【
図20】新たな運行計画に基づきGUIに表示される新たな経路の一例を示す。
【
図22】運行計画を修正するためのGUI群を示す。
【
図23】運行計画をクローズ(運行終了)する処理を模式的に示す。
【
図24】運行計画をクローズ(運行終了)する処理フローを示す。
【
図25】運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【
図28】運行計画を共有すべき移動体を設定するためのGUIの一例を示す。
【
図29】移動体を選択するためのGUIの一例を示す。
【
図30】移動体搭載装置に表示される運行計画共有GUIの一例を示す。
【
図31】シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理を実行するプレイヤーを示す。
【
図32】シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理(運行開始まで)を示す。
【
図33】シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理(運行開始後)を示す。
【
図34】運行計画調整システムの効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。本実施形態において、移動体は一例としてヘリコプタ等の航空機、運行計画は一例として飛行計画(フライトプラン)である。
【0053】
1.運行計画調整システムの実施環境
【0054】
図1は、本開示の一実施形態に係る運行計画調整システムの実施環境を示す。
【0055】
大規模災害発生時や、大規模イベント(例えば、G20)開催時には、多数の航空機(例えば、ヘリコプタ等)が様々な任務で飛行する。例えば、警察、消防、海保、ドクターヘリ、自衛隊、米軍、報道、民間等の様々な機関から、それぞれ複数の航空機が飛行する。例えば、約30ヶ所のベースから、約160機の航空機が飛行することもある。
【0056】
災害が発生すると、まず、飛行統制・調整所や空域調整所としての災害対策本部が設置される。警察庁や報道機関等の航空機を管轄する各ベースで、そのベースに所属する複数の航空機の飛行計画が作成される。空域調整所に各ベースの複数の航空機の飛行計画が報告される。空域調整所に集結した関係機関のスタッフが、全ベースの全航空機の飛行計画を取りまとめ、空域調整所から各ベースに、却下された飛行計画の修正依頼を伝達する。各ベースで、修正依頼に従って、そのベースに所属する複数の航空機の飛行計画が修正される。一連の作業は紙ベース且つマニュアルで行われるため、全ての飛行計画を調整するのに長時間かかり、多くの人員が必要である。
【0057】
以上のような事情に鑑み、本実施形態は、処理の大部分をデジタル化し、D-NET(災害救援航空機情報共有ネットワーク)と称するネットワークを介して通信を行うことで、所要時間を短縮し、人員を削減し、運行計画の調整の効率化を図る。
【0058】
2.運行計画調整システム1の概要
【0059】
図2は、運行計画調整システムの概要を説明するための図である。
【0060】
運行計画調整システム1は、複数の運行計画管理装置100と、運行計画調整装置200と、複数の移動体搭載装置300と、サーバ装置400とを有する。
【0061】
複数の運行計画管理装置100は、それぞれ、移動体10である航空機が所属するベース(例えば、ヘリコプタが所属するヘリベース)に設置される地上装置である。各運行計画管理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータである。各運行計画管理装置100は、それぞれ、所属する複数の移動体10の運行計画を管理する。運行計画管理装置100は、D-NET WEBと呼ばれる機能により、ウェブブラウザからD-NET(災害救援航空機情報共有ネットワーク)と称するネットワークにアクセス可能である。
【0062】
運行計画調整装置200は、空域調整所に設置される地上装置である。運行計画調整装置200は、例えば、パーソナルコンピュータである。運行計画調整装置200は、各運行計画管理装置100が作成した運行計画のデータ(運行計画データ)を収集する。運行計画調整装置200は、D-NET WEBと呼ばれる機能により、ウェブブラウザからD-NET(災害救援航空機情報共有ネットワーク)と称するネットワークにアクセス可能である。
【0063】
複数の移動体搭載装置300は、それぞれ、移動体10に搭載される機上装置である。移動体搭載装置300は、例えば、タブレットコンピュータの様にパイロットが携帯可能なポータブル端末装置でよい。移動体搭載装置300は、移動体搭載装置300が搭載された移動体10や、他の移動体10の運行計画データを受信する。移動体搭載装置300は、D-PAS(Portable Air Map System)と呼ばれる機能により、D-NET(災害救援航空機情報共有ネットワーク)と称するネットワークにアクセス可能である。
【0064】
サーバ装置400は、複数の運行計画管理装置100と運行計画調整装置200との通信との通信とを中継し、通信されるデータを蓄積する。複数の運行計画管理装置100と運行計画調整装置200との通信は、インターネット回線Nを介して行われる。具体的には、複数の運行計画管理装置100からのデータはサーバ装置400に蓄積されて運行計画調整装置200に送信される。そして、運行計画調整装置200からのデータはサーバ装置400に蓄積されて複数の運行計画管理装置100に送信される。サーバ装置400は、D-NET(災害救援航空機情報共有ネットワーク)専用のサーバ装置である。
【0065】
サーバ装置400は、さらに、各運行計画管理装置100と、各運行計画管理装置100が運行計画を管理する複数の移動体10にそれぞれ搭載された複数の移動体搭載装置300との通信とを中継し、通信されるデータを蓄積する。各運行計画管理装置100と複数の移動体搭載装置300との通信は、衛星通信を含む。衛星通信は、例えば、イリジウム衛星通信である。具体的には、サーバ装置400は、イリジウム地球局20に接続される。各運行計画管理装置100からのデータはサーバ装置400に蓄積されて、イリジウム地球局20及びイリジウム衛星群30を介して複数の移動体搭載装置300に送信される。そして、複数の移動体搭載装置300からのデータは、イリジウム衛星群30及びイリジウム地球局20を介してサーバ装置400に蓄積され、各運行計画管理装置100に送信される。
【0066】
以下の説明において、複数の運行計画管理装置100を区別する必要の無いときには単数形の運行計画管理装置100を説明する。複数の移動体搭載装置300を区別する必要の無いときには単数形の移動体搭載装置300を説明する。
【0067】
3.運行計画管理装置100の構成
【0068】
【0069】
運行計画管理装置100(情報処理装置)において、制御回路110のプロセッサがROMに記録された情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、管理側運行計画作成部111、管理側運行計画表示部112、管理側地図表示部113、管理側運行計画登録部114、管理側送受信制御部115及び管理側機体表示手段116として動作する。運行計画管理装置100は、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置120を有する。記憶装置120は、管理側運行計画記憶部121、管理側地図情報記憶部122、管理側ステータス情報記憶部123、管理側送受信情報記憶部124及び自装置の識別情報を記憶する管理側識別情報記憶部125の各記憶領域を含む。運行計画管理装置100は、ディスプレイ等の表示装置131と、タッチパネル、マウス、キーボード及びハードウェアボタンなどの入力装置132と、通信インターフェース133とをさらに有する。
【0070】
4.運行計画調整装置200の構成
【0071】
【0072】
運行計画調整装置200(情報処理装置)において、制御回路210のプロセッサがROMに記録された情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、調整側運行計画作成部211、調整側運行計画表示部212、調整側地図表示部213、調整側運行計画登録部214、調整側送受信制御部215及び調整側機体表示手段216として動作する。運行計画調整装置200は、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置220を有する。記憶装置220は、調整側運行計画記憶部221、調整側地図情報記憶部222、調整側ステータス情報記憶部223、調整側送受信情報記憶部224及び自装置の識別情報を記憶する調整側識別情報記憶部225の各記憶領域を含む。運行計画調整装置200は、ディスプレイ等の表示装置231と、タッチパネル、マウス、キーボード及びハードウェアボタンなどの入力装置232と、通信インターフェース233とをさらに有する。
【0073】
5.移動体搭載装置300の構成
【0074】
【0075】
移動体搭載装置300(情報処理装置)において、制御回路310のプロセッサがROMに記録された情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、管理側運行計画作成部311、管理側運行計画表示部312、管理側地図表示部313、管理側運行計画登録部314、管理側送受信制御部315及び管理側機体表示手段316として動作する。移動体搭載装置300は、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置320を有する。記憶装置320は、管理側運行計画記憶部321、管理側地図情報記憶部322、管理側ステータス情報記憶部323、管理側送受信情報記憶部324及び自装置の識別情報を記憶する管理側識別情報記憶部325の各記憶領域を含む。移動体搭載装置300は、ディスプレイ等の表示装置331と、タッチパネルハードウェアボタンなどの入力装置332と、通信インターフェース333とをさらに有する。
【0076】
6.運行計画データのアーキテクチャ
【0077】
【0078】
運行計画管理装置100は、運行計画管理装置100が設置されるベースに所属する複数の移動体10の運行計画データ500を、作成及び管理する。運行計画データ500は、複数の移動体10の運行計画のデータであり、それぞれ経路に関する経路情報を含む。運行計画管理装置100は、作成した運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200及び移動体搭載装置300に送信する。この運行計画データ500のアーキテクチャを説明する。
【0079】
上述のように、移動体搭載装置300との通信は、イリジウム衛星通信で行われる。イリジウム衛星通信の通信容量は限定的である。そこで、移動体搭載装置300との通信データ量を減らすため、運行計画データ500に含まれるデータを必要最低限とする。運行計画データ500は、最低限、以下を実現可能なデータとすればよい。
【0080】
緯度経度を踏まえた経由地点(フライトプランの場合、ウェイポイント)経由で線画が描画できるデータであること。測地系がわかること。出発地及び目的地(フライトプランの場合、出発飛行場及び目的飛行場)を認識できること。運行計画調整装置200が行った運行計画の追加、変更及び削除を認識できること。移動体の名称(フライトプランの場合、機体名称)等の情報を認識できること。移動開始時刻や所有時間を認識できること。移動体搭載装置300が搭載された移動体(即ち、自機)の運行計画データ500と、他の移動体(即ち、他機)の運行計画データ500とを判別できること。
【0081】
運行計画データ500は、本例では、航空機の飛行計画(フライトプラン、FPLとも称する)である。運行計画データ500は、20個のデータ項目501-520のバイトデータを含む。
【0082】
自局が管理するメッセージID501は、2バイトであり、機上及び地上で電文を判断するIDである。フライトプランID502は、2バイトであり、機上及び地上でフライトプランを判断するIDである。自機フラグ503は、1バイト(1ビット使用し、残りの7ビットは予約ビット)であり、自機を他機から識別するフラグビットである。
【0083】
測地系判断504は、1バイトであり、東京測地系又はWGS84測地系等の測地系を識別する。描画ポイント数505は、1バイトであり、緯度経度のポイント数(最大10ポイント)がいくつあるかを明示する。描画ポイント経度506は、4バイトであり、1/256秒の経度を示し、描画ポイント数分繰り返す。描画ポイント緯度507は、4バイトであり、1/256秒の緯度を示し、描画ポイント数分繰り返す。描画ポイントは、運行経路に含まれる複数の経由地点(ウェイポイント)を地図上に線画で描画するための位置情報である。
【0084】
フライトプラン名称長さ508は、1バイトであり、フライトプラン名称の文字バイト数を示す。フライトプラン名称は可変(0-40バイト)のため、フライトプラン名称長さを定義する必要がある。フライトプラン名称509は、0-40バイトであり、フライトプラン名称の文字である。
【0085】
機番510は、6バイトであり、航空機の識別番号である。機体名称長さ511は、1バイトであり、機体名称の文字バイト数を示す。機体名称は可変(0-20バイト)のため、機体名称長さを定義する必要がある。機体名称512は、0-20バイトであり、機体名称の文字である。機種513は、4バイトであり、機種種別である。
【0086】
出発飛行場514は、4バイトであり、4レターコード(飛行場識別の4文字の英字)で表現される出発地の位置情報である。目的飛行場515は、4バイトであり、4レターコード(飛行場識別の4文字の英字)で表現される目的地の位置情報である。
【0087】
移動開始日時(年/月/日/時/分)516は、1バイトであり、運行開始時刻を示す。移動開始日時の年、月、日、時、分のそれぞれに対して1バイトを設け、パックドBCD(Binary-coded decimal)(パックド10進数)で格納される。所要時間(分)517は、1バイトであり、分単位で0~255まで格納される。
【0088】
RMK(備考)の長さ518は、1バイトであり、RMK(備考)の文字バイト数を示す。RMK(備考)は可変(0-60バイト)のため、RMK(備考)の文字長さを定義する必要がある。RMK(備考)519は、0-60バイトであり、RMK(備考)の文字である。
【0089】
飛行計画優先順位520は、1バイトであり、飛行計画の優先順位を1~255まで設定した値である。例えば、1は情報収集を示し、2は救助を示す。この様に、優先順位は、運行の目的に基づき決定される運行の優先度を示す。優先順位は、1から255までの降順に優先順位の高低を示すものでなくてよい。
【0090】
7.運行計画調整システム1の処理
【0091】
次に、運行計画調整システム1の処理を説明する。(1)運行計画を作成する処理、(2)運行計画をオープン(運行開始)する処理、(3)移動体搭載装置が運行計画を修正する処理、(4)運行計画管理装置が運行計画を修正する処理、(5)運行計画をクローズ(運行終了)する処理、(6)運行計画を共有する処理、の順に説明する。
【0092】
(1)運行計画を作成する処理
【0093】
図7は、運行計画を作成する処理を模式的に示す。
図8は、運行計画を作成する処理フローを示す。
【0094】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画管理装置100が設置されるベースに所属する移動体10の運行計画データ500を作成する(ステップS101)。実際には、管理側運行計画作成部111は、複数の移動体10の運行計画データ500をそれぞれ作成するが、以下、説明の簡略ため、1機の移動体10の運行計画データ500について説明する。
【0095】
図9は、運行計画管理装置に表示される運行計画作成用のGUIの一例を示す。
【0096】
運行計画管理装置100は、運行計画データ500を作成する際に、運行計画作成用GUI600を表示する。運行計画作成用GUI600は、フィールド入力ウィンドウ610、地
図620及び運行計画リスト630を含む。
を含む。
【0097】
フィールド入力ウィンドウ610は、機体名称選択フィールド601、フライトプラン名称フィールド602、出発飛行場フィールド603、目的飛行場フィールド604、移動開始日時フィールド605、RMK(備考)フィールド606及び優先順位フィールド607を含む。運行計画管理装置100が設置されたベースのスタッフは、フィールド入力ウィンドウ610の各フィールド601乃至607に可変値を入力する。
【0098】
地
図620は、管理側地図情報記憶部122に記憶された地図データを管理側地図表示部113が読み出し描画することで表示される。地
図620の表示エリアは、例えば、出発飛行場フィールド603及び目的飛行場フィールド604に入力された可変値に基づき、管理側地図表示部113が決定すればよい。
【0099】
運行計画リスト630は、運行計画管理装置100が作成した運行計画のリストであり、運行計画の名称611等を示す。運行計画の名称611は、フライトプラン名称フィールド602に入力されたフライトプラン名称である。
【0100】
管理側運行計画表示部112は、出発飛行場フィールド603及び目的飛行場フィールド604に入力された可変値に基づく経路621を、地
図620上に線画で描画して表示する。経路621は、出発飛行場から複数の経由地点(ウェイポイント)を通過して目的飛行場までの経路である。同図では、出発飛行場及び目的飛行場は同一飛行場であり、ドット622で示される。フライトプラン選択ボックス623で選択された4個の運行計画それぞれの経路621A、621B、621C、621Dが地
図620上に表示される。各経路621中の、線分と線分とを結ぶ点(言い換えれば、折れ線の頂点)が経由地点(ウェイポイント)である。経由地点(ウェイポイント)は、例えば、地
図620上でマニュアルで選択される。4個の運行計画をそれぞれ識別するフライトプラン名称641A、641B、641C、641Dが、経路621A、621B、621C、621Dの近くにそれぞれ表示される。管理側運行計画表示部112は、経路621A、621B、621C、621Dを視覚的に区別可能に(例えば、異なる色で線画で描画して)表示してもよい。
【0101】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、各フィールド601乃至607に入力された可変値に基づき、運行計画データ500(
図6参照)を作成する。管理側運行計画作成部111は、作成した運行計画データ500を、管理側運行計画記憶部121に一時保存する(ステップS102)。
【0102】
運行計画管理装置100が設置されたベースのスタッフは、各フィールド601乃至607に可変値を入力し、地
図620上の経路621を目視確認後、送信ボタン608を操作する。すると、運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に送信する(ステップS103)。以下、各種情報の送受信は、管理側送受信制御部115によって制御され、送受信情報は、管理側送受信情報記憶部124に記憶される。
【0103】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100から受信する(ステップS201)。調整側運行計画表示部212は、運行計画データ500の受領通知を運行計画管理装置100に送信する(ステップS202)。以下、各種情報の送受信は、調整側送受信制御部215によって制御され、送受信情報は、調整側送受信情報記憶部224に記憶される。
【0104】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画調整装置200から受領通知を受信しなければ、再度、運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に送信する(ステップS104)。
【0105】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、受信した運行計画データ500に基づき運行計画を表示する。運行計画調整装置200が設置された空域調整所に集結した関係機関のスタッフは、表示された運行計画を参照して空域調整を行う(ステップS203)。例えば、運行計画調整装置200が設置された空域調整所のスタッフは、運行計画の地図上の経路を目視確認したいと考える。例えば、同時間帯及び同飛行空域で、複数の運行計画の経路が重複していないかどうかを目視確認したいと考える。
【0106】
図10は、運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【0107】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、経路確認用GUI800を表示する。経路確認用GUI800は、運行計画リスト810と、地
図820と、時間指定ウィンドウ830とを含む。
【0108】
地
図820は、調整側地図情報記憶部222に記憶された地図データを調整側地図表示部213が読み出し描画することで表示される。地
図820の表示エリアは、例えば、運行計画データ500の出発飛行場514、目的飛行場515、描画ポイント経度506及び描画ポイント緯度507に基づき、調整側地図表示部213が決定すればよい。調整側運行計画表示部212は、経路821を、地
図820上に線画で描画して表示する。これにより、複数の飛行経路の干渉が可視化される。
【0109】
運行計画リスト810は、運行計画調整装置200が保持する運行計画のリストであり、運行計画の名称811等を示す。運行計画の名称811は、運行計画調整装置200が受信した複数の運行計画データ500に含まれるフライトプラン名称509である。運行計画リスト810は、例えば、1日当たり100~150件の運行計画が時系列順に表示される。
【0110】
時間指定ウィンドウ830は、日付フィールド831、開始時刻フィールド832、終了時刻フィールド833、タイムスライダ834、検索ボタン835を含む。デフォルトでは、調整側運行計画表示部212は、運行計画データ500に含まれる移動開始時刻516に基づきその時刻を含む時間帯の複数の移動体10の経路を表示すればよい。そして、調整側運行計画表示部212は、日付フィールド831、開始時刻フィールド832、終了時刻フィールド833、タイムスライダ834の入力及び検索ボタン835の操作に基づき、指定された任意の時間帯の複数の移動体10の経路を表示すればよい。調整側運行計画表示部212は、経由地点を経由する時刻836を地図上に表示してもよい。
【0111】
運行計画調整装置200は、運行計画データ500に含まれる飛行計画優先順位520をさらに表示してもよい。これにより、運行計画調整装置200が設置された空域調整所に集結した関係機関のスタッフは、表示された飛行計画優先順位520を参照して空域調整を的確かつ迅速に行うことが可能である。
【0112】
図11は、運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの別の一例である。
【0113】
調整側運行計画表示部212は、複数の移動体10の経路821を視覚的に区別可能に表示してもよい。例えば、調整側運行計画表示部212は、経路821A、821Bを異なる色で線画で描画して表示すればよい。調整側運行計画表示部212は、機関毎に異なる色や、優先順位毎に異なる色で、経路821を表示してもよい。これにより、運行計画調整装置200が設置された空域調整所のスタッフは、複数の移動体10の運行計画を効率的に調整することができる。
【0114】
空域調整所のスタッフは、運行計画を調整後に、各運行計画の承認又は却下を運行計画調整装置200の調整側運行計画登録部214に登録する。調整側運行計画登録部214は、運行計画の承認又は却下を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS204)。
【0115】
調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルを、承認前と承認後(ステップS204)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、調整側運行計画表示部212は、運行計画を承認前と承認後とで、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルの色を変更して表示する(ステップS205)。
【0116】
図12は、運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する態様の一例を示す。
【0117】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810(
図10参照)を表示し、運行計画リスト810に含まれる運行計画のステータスを視覚的に区別可能に(例えば、異なる色で)表示する。例えば、調整側運行計画表示部212は、運行計画データ500を受信後(ステップS201)、運行計画承認前までは(ステップS204)、紫色841で表示する。調整側運行計画表示部212は、運行計画承認後(ステップS204)、運行計画のオープン(開始)前は、白色842(
図10参照)で表示する(ステップS205)。調整側運行計画表示部212は、運行計画のオープン(開始)中は、緑色843で表示する。調整側運行計画表示部212は、運行計画のクローズ(終了)後は、灰色844(
図10参照)で表示する。
【0118】
また、運行計画調整装置200は、運行計画のステータス(一時保存、オープン前、オープン中、クローズ)を示すステータス情報を、調整側ステータス情報記憶部223に記憶しておく。
【0119】
運行計画管理装置100及び移動体搭載装置300も、同様の運行計画リストを、ステータスを視覚的に区別可能に表示することが可能であり、同様にステータス情報をローカルの管理側ステータス情報記憶部123及び移動体側ステータス情報記憶部323に記憶している。
【0120】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画が却下された場合(ステップS204-1)、運行計画データ500を修正し、運行計画調整装置200に送信する(ステップS101乃至ステップS103)。
【0121】
一方、運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画を承認する通知を受信する(ステップS105)。すると、管理側運行計画作成部111は、承認された運行計画の運行計画データ500を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS106)。
【0122】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、運行計画データ500を、運行計画管理装置100からサーバ装置400を介して受信する(ステップS301)。移動体側運行計画登録部314は、運行計画データ500の受領通知を運行計画管理装置100に送信する(ステップS302)。以下、各種情報の送受信は、移動体側送受信制御部315によって制御され、送受信情報は、移動体側送受信情報記憶部324に記憶される。移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、受信した運行計画データ500を示す運行計画確認用のGUIを表示する。
【0123】
図13は、移動体搭載装置に表示される運行計画確認用のGUIの一例を示す。
【0124】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、運行計画GUI700を表示する。運行計画GUI700は、フライトプラン名称701と、出発飛行場702と、目的飛行場703と、移動開始時刻704と、所要時間705と、経由地点706(ウェイポイント)とを含む。運行計画GUI700の各データは、受信した運行計画データ500に含まれるフライトプラン名称509と、出発飛行場514と、目的飛行場515と、移動開始時刻516と、所要時間517と、描画ポイント経度506及び描画ポイント緯度507とに基づき作成される。
【0125】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、移動体搭載装置300から受領通知を受信しなければ、再度、運行計画データ500を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS107)。
【0126】
運行計画管理装置100の管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630(
図9参照)に表示されるフライトプラン名称611を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルを、承認前と承認後(ステップS105)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、管理側運行計画表示部112は、運行計画を承認前と承認後とで、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルの色を変更して表示する(ステップS108)。
【0127】
(2)運行計画をオープン(運行開始)する処理
【0128】
図14は、運行計画をオープン(運行開始)する処理を模式的に示す。
図15は、運行計画をオープン(運行開始)する処理フローを示す。
【0129】
移動体10に搭乗したパイロットは、移動体搭載装置300に表示された運行計画GUI700(
図13参照)に従った運行(飛行)を開始する際に、移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314に、移動体10が運行(飛行)を開始する時刻及び運行計画のオープンを登録する(ステップS311)。移動体10が運行(飛行)を開始する時刻は、言い換えれば、運行計画をオープンする時刻である。
【0130】
【0131】
パイロットは、運行開始時刻登録GUI900の時刻フィールド901に運行開始時刻を入力し、確定ボタン902を操作する。
【0132】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、確定ボタン902が操作されると、フライトプランID502を付して運行開始時刻及び運行計画のオープンを、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS312)。
【0133】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、フライトプランID502を付した運行開始時刻及び運行計画のオープンの通知を受信する(ステップS111)。管理側運行計画登録部114は、フライトプランID502を付して運行開始時刻及び運行計画のオープンを、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に通知する(ステップS113)。
【0134】
なお、移動体搭載装置300からの通知に拠らず、運行計画管理装置100がオープンを登録する場合には、管理側運行計画登録部114は、運行開始時刻及び運行計画のオープンを登録する(ステップS112)。その場合は、移動体搭載装置300による運行開始時刻登録(ステップS311)及びオープン通知の送信(ステップS312)は行われない。
【0135】
運行計画調整装置200の調整側運行計画登録部214は、フライトプランID502を付した運行開始時刻及び運行計画のオープンの通知を受信する(ステップS211)。調整側運行計画登録部214は、フライトプランID502により識別される運行計画のオープンを調整側ステータス情報記憶部223に登録し、運行計画オープン通知の受領通知を運行計画管理装置100に送信する(ステップS212)。
【0136】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、運行計画調整装置200から受領通知を受信しなければ、再度、フライトプランID502を付した運行開始時刻及び運行計画のオープンの通知を、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に送信する(ステップS114)。
【0137】
図17は、運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【0138】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810(
図10と同じ)に表示されるフライトプラン名称811を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルを、オープン前とオープン後(ステップS211)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、調整側運行計画表示部212は、運行計画をオープン前とオープン後とで、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルの色を変更して表示する(ステップS213)。
【0139】
図12を参照して説明した様に、調整側運行計画表示部212は、運行計画承認後(ステップS204)、運行計画のオープン(開始)前は、白色842で表示していた(ステップS205)。調整側運行計画表示部212は、運行計画がオープン(開始)すると(ステップS211)、緑色843で表示する。なお、調整側運行計画表示部212は、運行計画のクローズ(終了)後は、灰色844で表示する。
【0140】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、運行計画オープン通知の受領通知を受信する(ステップS114)。すると、管理側運行計画登録部114は、受領通知を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS115)。
【0141】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、運行計画管理装置100から受領通知を受信しなければ、再度、フライトプランID502を付して運行開始時刻及び運行計画のオープンを、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS313)。移動体側運行計画登録部314は、受領通知を受信すると、受領通知を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に送信する(ステップS314)。
【0142】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、移動体搭載装置300から受領通知を受信しなければ、再度、受領通知を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS116)。
【0143】
運行計画管理装置100の管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630(
図9参照)に表示されるフライトプラン名称611を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルを、オープン前とオープン後(ステップS111)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、管理側運行計画表示部112は、運行計画をオープン前とオープン後とで、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルの色を変更して表示する(ステップS117)。
【0144】
(3)移動体搭載装置が運行計画を修正する処理
【0145】
図18は、運行計画を修正する処理を模式的に示す。
図8の運行計画を作成する処理フローを再び参照する。
【0146】
移動体10が運行中に、移動体10のパイロットが移動体搭載装置300を用いて運行計画を修正するケースがある。例えば、移動体10が情報収集の目的で運行中に、移動体10の乗員が、要救助者を発見して救助し、情報収集活動を中断して医療機関へ搬送することが最優先だと判断する場合である。
【0147】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画作成部311は、移動体搭載装置300が搭載された移動体10の運行計画データ500を作成(修正)する(ステップS321)。具体的には、移動体側運行計画作成部311は、移動体10が運行計画をオープン後に、実行中の運行計画とは異なる新たな運行計画を作成する。言い換えれば、移動体側運行計画作成部311は、実行中の運行計画を編集することで、新たな運行計画を作成する。
【0148】
図19は、移動体搭載装置に表示される運行計画修正用のGUIの一例を示す。
【0149】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、運行計画編集GUI群1000を表示する。運行計画編集GUI群1000は、運行計画編集GUI1010、運行計画選択GUI1020及び経路設定GUI1030を含む。
【0150】
移動体10のパイロットは、運行計画編集GUI1010の確認編集ボタン1011を操作する。すると、移動体搭載装置300に登録された運行計画のリストである運行計画選択GUI1020が表示される。パイロットは、運行計画選択GUI1020上で、編集すべき運行計画を選択する。選択された運行計画の経路1031が、経路設定GUI1030の地
図1032上に表示される。パイロットは、経路設定GUI1030の地
図1032上の編集アイコン1033を操作し、決定ボタン1034を最後に操作して、新たな運行計画を作成する。
【0151】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画作成部311は、運行計画編集GUI群1000への入力に基づき、新たな運行計画データ500を作成する。移動体側運行計画作成部311は、作成した新たな運行計画データ500を、移動体側運行計画記憶部321に一時保存する(ステップS322)。移動体側運行計画作成部311は、新たな運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に送信する(ステップS323)。
【0152】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、新たな運行計画データ500を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300から受信する(ステップS121)。管理側運行計画作成部111は、新たな運行計画データ500の受領通知を移動体搭載装置300に送信する(ステップS122)。
【0153】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画作成部311は、運行計画管理装置100から受領通知を受信しなければ、再度、運行計画データ500を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に送信する(ステップS324)。
【0154】
運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、受信した新たな運行計画データ500を、管理側運行計画記憶部121に一時保存する(ステップS102)。その後の処理は上記のステップS102以下の処理と同様であるので、異なる点を主に説明する。
【0155】
空域調整所のスタッフは、運行計画を調整後に、各運行計画の承認又は却下を運行計画調整装置200の調整側運行計画登録部214に登録する。調整側運行計画登録部214は、運行計画の承認を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS204)。一方、調整側運行計画登録部214は、運行計画の却下を、運行計画管理装置100ではなく、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に通知する(ステップS204-2)。
【0156】
移動体搭載装置300の管理側運行計画作成部111は、運行計画が却下された場合(ステップS204-2)、運行計画データ500を修正し、運行計画管理装置100に送信する(ステップS321乃至ステップS323)。
【0157】
一方、運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画を承認する通知を受信する(ステップS105)。すると、管理側運行計画作成部111は、新たな運行計画の承認通知を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS106)。
【0158】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、承認通知を、運行計画管理装置100からサーバ装置400を介して受信する(ステップS301)。移動体側運行計画登録部314は、承認通知の受領通知を運行計画管理装置100に送信する(ステップS302)。移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、承認された新たな運行計画データ500を示す運行計画確認用のGUIを表示する。
【0159】
図20に示す様に、新たな運行計画が承認されると、新たな運行計画に基づき、運行計画管理装置100及び運行計画調整装置200に表示されるGUIには、新たな経路が表示される。
【0160】
(4)運行計画管理装置が運行計画を修正する処理
【0161】
図21は、運行計画を修正する処理を模式的に示す。
図8の運行計画を作成する処理フローを再び参照する。
図22は、運行計画を修正するためのGUI群を示す。
【0162】
運行計画を作成後、移動体10のパイロットが移動体搭載装置300を用いてではなく、ベースのスタッフが運行計画管理装置100を用いて、運行計画を修正するケースがある。その場合は、運行計画管理装置100は、
図8のステップS101以下の処理を実行することにより、登録済みの運行計画を修正する。
【0163】
その場合も、(1)の処理と同様に、運行計画管理装置100の管理側運行計画作成部111は、運行計画作成用GUI600(
図9参照)を用いて新たな運行計画を作成する(ステップS101)。移動体搭載装置300は、運行計画管理装置100から受信(ステップS301)した新たな運行計画データ500を運行計画GUI700(
図13参照)として表示し、パイロットはそれを見て新たな運行計画を確認する。
図20に示す様に、修正された新たな運行計画に基づき、運行計画管理装置100及び運行計画調整装置200に表示されるGUIには、新たな経路が表示される。
【0164】
(5)運行計画をクローズ(運行終了)する処理
【0165】
図23は、運行計画をクローズ(運行終了)する処理を模式的に示す。
図24は、運行計画をクローズ(運行終了)する処理フローを示す。
【0166】
移動体10に搭乗したパイロットは、運行計画に従った運行(飛行)を終了する際に、運行計画をクローズ(運行終了)する。また、運行計画が修正され、新たな運行計画が作成及び承認されたときには、古い運行計画をクローズする。
【0167】
パイロットは、移動体搭載装置300に表示された運行計画GUI700(
図13参照)に従った運行(飛行)を終了する際に、あるいは、古い運行計画をクローズするために、移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314に、移動体10が運行(飛行)を終了した時刻及び運行計画のクローズを登録する(ステップS331)。移動体10が運行(飛行)を終了した時刻は、言い換えれば、運行計画をクローズする時刻である。
【0168】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、フライトプランID502を付して運行終了時刻及び運行計画のクローズを、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS332)。
【0169】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、フライトプランID502を付した運行終了時刻及び運行計画のクローズの通知を受信する(ステップS131)。管理側運行計画登録部114は、フライトプランID502を付して運行終了時刻及び運行計画のクローズを、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に通知する(ステップS133)。
【0170】
なお、移動体搭載装置300からの通知に拠らず、運行計画管理装置100がクローズを登録する場合には、管理側運行計画登録部114は、運行終了時刻及び運行計画のクローズを登録する(ステップS132)。その場合は、移動体搭載装置300による運行終了時刻登録(ステップS331)及びクローズ通知の送信(ステップS332)は行われない。
【0171】
運行計画調整装置200の調整側運行計画登録部214は、フライトプランID502を付した運行終了時刻及び運行計画のクローズの通知を受信する(ステップS231)。調整側運行計画登録部214は、フライトプランID502により識別される運行計画のクローズを調整側ステータス情報記憶部223に登録し、運行計画クローズ通知の受領通知を運行計画管理装置100に送信する(ステップS232)。
【0172】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、運行計画調整装置200から受領通知を受信しなければ、再度、フライトプランID502を付した運行終了時刻及び運行計画のクローズの通知を、サーバ装置400を介して運行計画調整装置200に送信する(ステップS134)。
【0173】
図25は、
図17と同様に、運行計画調整装置に表示される経路確認用のGUIの一例を示す。
【0174】
運行計画調整装置200の調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810(
図10と同じ)に表示されるフライトプラン名称811を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、調整側運行計画表示部212は、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルを、クローズ前とクローズ後(ステップS231)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、調整側運行計画表示部212は、運行計画をクローズ前とクローズ後とで、運行計画リスト810に表示されるフライトプラン名称811のセルの色を変更して表示する(ステップS233)。
【0175】
図12を参照して説明した様に、調整側運行計画表示部212は、運行計画承認後(ステップS204)、運行計画のオープン(開始)後クローズ(終了)前は、緑色843で表示していた(ステップS213)。調整側運行計画表示部212は、運行計画がクローズ(終了)すると(ステップS231)、灰色844で表示する。
【0176】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、運行計画クローズ通知の受領通知を受信する(ステップS134)。すると、管理側運行計画登録部114は、受領通知を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS135)。
【0177】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画登録部314は、運行計画管理装置100から受領通知を受信しなければ、再度、フライトプランID502を付して運行終了時刻及び運行計画のクローズを、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に通知する(ステップS333)。移動体側運行計画登録部314は、受領通知を受信すると、受領通知を、サーバ装置400を介して運行計画管理装置100に送信する(ステップS334)。
【0178】
運行計画管理装置100の管理側運行計画登録部114は、移動体搭載装置300から受領通知を受信しなければ、再度、受領通知を、サーバ装置400を介して移動体搭載装置300に送信する(ステップS136)。
【0179】
運行計画管理装置100の管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630(
図9参照)に表示されるフライトプラン名称611を、その運行計画のステータスを視覚的に区別可能に表示する。具体的には、管理側運行計画表示部112は、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルを、クローズ前とクローズ後(ステップS131)とで視覚的に区別可能な態様で表示する。例えば、管理側運行計画表示部112は、運行計画をクローズ前とクローズ後とで、運行計画リスト630に表示されるフライトプラン名称611のセルの色を変更して表示する(ステップS137)。
【0180】
(6)運行計画を共有する処理
【0181】
図26は、運行計画を共有する処理を模式的に示す。
図27は、運行計画を共有する処理フローを示す。
【0182】
移動体10のパイロットが、現在運行中の他の移動体10の運行計画を知りたい場合がある。移動体10のパイロットは、移動体搭載装置300を用いて他の移動体10の運行計画を知る。この処理を説明する。
【0183】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、運行計画データ500を取得すべき移動体10の距離(ステップS341)、移動体10の種別(ステップS342)等を設定する。
【0184】
図28は、運行計画を共有すべき移動体を設定するためのGUIの一例を示す。
【0185】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、運行計画共有GUI群1100を表示する。運行計画共有GUI群1100は、共有設定GUI1110、距離設定GUI1120、種別設定GUI1130、アクション設定GUI1140を含む。
【0186】
共有設定GUI1110の各項目にはデフォルトの可変値が設定されている。例えば、距離設定タブ1111には5NM(Nautical Mile、海里)がデフォルトとして設定されている。これは、移動体搭載装置300が搭載された移動体10から5NMの距離にいる他の移動体10の運行計画を取得することを意味する。なお、各移動体10は、自機器の位置情報をGPS衛星50(
図2参照)との通信により取得し、サーバ装置400に蓄積する。
【0187】
移動体10のパイロットは、距離設定タブ1111に設定されたデフォルト値である5NMを変更したい場合、共有設定GUI1110の距離設定タブ1111を操作する。すると、距離設定GUI1120が表示される。例えば、パイロットは、距離設定GUI1120の距離10NMタブ1121を選択する。すると、距離設定タブ1111に10NMが設定された共有設定GUI1150が表示される。
【0188】
パイロットは、種別設定タブ1112に設定されたデフォルト値である「全て」を変更したい場合、共有設定GUI1110の種別設定タブ1112を操作する。すると、種別設定GUI1130が表示される。例えば、パイロットは、種別設定GUI1130から、全て、有人機、無人機又は車両を選択することができる。
【0189】
パイロットは、共有設定GUI1110の各項目に所望の可変値を入力した後、アクション設定GUI1140の、他機表示設定情報送信タブ1141を操作する。
【0190】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、運行計画データ500を取得すべき移動体10の距離(ステップS341)、移動体10の種別(ステップS342)等の設定値を含む取得要求を、サーバ装置400に送信する(ステップS343)。
【0191】
サーバ装置400は、設定値を含む取得要求を、移動体搭載装置300から受信する(ステップS401)。サーバ装置400は、取得要求の受領通知を移動体搭載装置300に送信する(ステップS402)。
【0192】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、サーバ装置400から受領通知を受信しなければ、再度、設定値を含む取得要求を、サーバ装置400に送信する(ステップS344)。
【0193】
サーバ装置400は、取得要求に含まれる設定値(距離、種別等)に基づき、運行計画データ500の送信対象である移動体10を選別する(ステップS403)。サーバ装置400は、選別した移動体10の識別情報(例えば、運行計画データ500に含まれる機体名称512)を、移動体搭載装置300に送信する(ステップS404)。
【0194】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、選別された移動体10の識別情報を、サーバ装置400から受信する(ステップS345)。移動体側運行計画表示部312は、サーバ装置400から何らかのメッセージ(本例では、選別された移動体10の識別情報)を受信すると、アクション設定GUI1140のメッセージ受信履歴タブ1142をハイライト表示する。移動体側運行計画表示部312は、移動体を選択するための移動体選択GUI1200を表示する(ステップS346)。
【0195】
図29は、移動体を選択するためのGUIの一例を示す。
【0196】
移動体選択GUI1200は、サーバ装置400から受信した移動体10の識別情報のリスト1201を含む。パイロットは、運行計画を取得し表示したい移動体10をリスト1201から選択し(ステップS347)、送信ボタン1202を操作する。
【0197】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、リスト1201から選択された移動体10の識別情報(例えば、運行計画データ500に含まれる機体名称512)を、サーバ装置400に送信する(ステップS348)。
【0198】
サーバ装置400は、移動体10の識別情報を、移動体搭載装置300から受信する(ステップS405)。サーバ装置400は、識別情報の受領通知を移動体搭載装置300に送信する(ステップS406)。
【0199】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、サーバ装置400から受領通知を受信しなければ、再度、リスト1201から選択された移動体10の識別情報を、サーバ装置400に送信する(ステップS349)。
【0200】
サーバ装置400は、受信した識別情報により特定される移動体10の運行計画データ500を、移動体搭載装置300に送信する(ステップS407)。
【0201】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、リスト1201から選択された移動体10の運行計画データ500を、サーバ装置400から受信する(ステップS350)。移動体側運行計画表示部312は、運行計画データ500の受領通知を移動体搭載装置300に送信する(ステップS351)。
【0202】
サーバ装置400は、移動体搭載装置300から受領通知を受信しなければ、再度、運行計画データ500を、移動体搭載装置300に送信する(ステップ408)。
【0203】
移動体搭載装置300の移動体側運行計画表示部312は、サーバ装置400から受信した他の移動体10の運行計画データ500に基づき、運行計画が示す経路を地図上に線画で描画及び表示する(ステップS352)。
【0204】
図30は、移動体搭載装置に表示される運行計画共有GUIの一例を示す。
【0205】
運行計画共有GUI1300は、地
図1302を含む。地
図1302は、移動体側地図情報記憶部322に記憶された地図データを移動体側地図表示部313が読み出し描画することで表示される。地
図1302の表示エリアは、例えば、受信した運行計画データ500の出発飛行場514、目的飛行場515、描画ポイント経度506及び描画ポイント緯度507に基づき、移動体側地図表示部313が決定すればよい。
【0206】
移動体側運行計画表示部312は、受信した運行計画データ500の出発飛行場514、目的飛行場515、描画ポイント経度506及び描画ポイント緯度507に基づく経路1301を、地
図1302上に線画で描画して表示する。経路1301は、出発飛行場から複数の経由地点(ウェイポイント)を通過して目的飛行場までの経路である。運行計画データ500を受信した2個の運行計画それぞれの経路1301A、1301Bが地
図1302上に表示される。2個の運行計画をそれぞれ識別するフライトプラン名称1303A、1303Bが、経路1301A、1301Bの近くにそれぞれ表示される。移動体側運行計画表示部312は、経路1301A、1301Bを視覚的に区別可能に(例えば、異なる色で線画で描画して)表示する。
【0207】
8.運行計画調整システム1の処理の具体例(シナリオ)
【0208】
図31は、シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理を実行するプレイヤーを示す。
【0209】
災害(例えば、地震や豪雨等の自然災害)が発生すると、県庁等に、県災害対策本部が設置される。県災害対策本部は、空域調整所として機能し、運行計画調整装置200が設置される。空域調整所は、航空隊基地1(ヘリベース1)及び航空隊基地2(ヘリベース2)を管轄する。航空隊基地1(ヘリベース1)には、運行計画管理装置100Aが設置される。航空隊基地2(ヘリベース2)には、運行計画管理装置100Bが設置される。運行計画管理装置100Aが設置された航空隊基地1には、ヘリコプタ等の移動体10A及び10Bが所属する。移動体10A及び10Bには、それぞれ、移動体搭載装置300A及び300Bが搭載される。運行計画管理装置100Bが設置された航空隊基地2には、ヘリコプタ等の移動体10C及び10Dが所属する。移動体10C及び10Dには、それぞれ、移動体搭載装置300C及び300Dが搭載される。
【0210】
図32は、シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理(運行開始まで)を示す。
【0211】
災害が発生すると、まず、空域調整所としての県災害対策本部が設置され、運行計画調整装置200が設置される(ステップS001)。
【0212】
運行計画管理装置100Aが設置された航空隊基地1のスタッフは、運行計画管理装置100Aに表示された運行計画作成用GUI600(
図9参照)を使用して、移動体10A及び10Bそれぞれの運行計画データ500を作成する(
図7のステップS101)。本例では、移動体10A及び10Bそれぞれの運行目的は、情報収集である。運行計画管理装置100Aは、移動体10A及び10Bそれぞれの運行計画データ500を、運行計画調整装置200に送信する(
図7のステップS103)。
【0213】
運行計画管理装置100Bが設置された航空隊基地2のスタッフは、運行計画管理装置100Bに表示された運行計画作成用GUI600(
図9参照)を使用して、移動体10C及び10Dそれぞれの運行計画データ500を作成する(
図7のステップS101)。本例では、移動体10C及び10Dそれぞれの運行目的は、情報収集である。運行計画管理装置100Bは、移動体10C及び10Dそれぞれの運行計画データ500を、運行計画調整装置200に送信する(
図7のステップS103)。
【0214】
運行計画調整装置200は、移動体10A及び10Bそれぞれの運行計画データ500を運行計画管理装置100Aから受信し、移動体10C及び10Dそれぞれの運行計画データ500を運行計画管理装置100Bから受信する(
図7のステップS201)。運行計画調整装置200が設置された空域調整所に集結した関係機関のスタッフは、運行計画調整装置200に表示された経路確認用GUI800(
図10、
図11参照)を使用して、移動体10A、10B、10C及び10Dの空域調整を行う(
図7のステップS203)。運行計画調整装置200は、運行計画の承認又は却下(本例では承認)を、運行計画管理装置100A及び100Bに通知する(
図7のステップS204)。
【0215】
以下、運行計画管理装置100A及び運行計画管理装置100Bの処理は同様であるため、運行計画管理装置100Aの処理のみ説明及び図示する。
【0216】
運行計画管理装置100Aは、運行計画を承認する通知を受信する(
図7のステップS105)。運行計画管理装置100Aは、承認された運行計画の運行計画データ500を、移動体10A及び10Bにそれぞれ搭載された移動体搭載装置300A及び300Bに送信する(
図7のステップS106)。
【0217】
一方、移動体10A及び10Bは飛行準備を開始する(ステップS002)。移動体10A及び10Bにそれぞれ搭載された移動体搭載装置300A及び300Bは、それぞれ、運行計画データ500を、運行計画管理装置100Aから受信する(
図7のステップS301)。
【0218】
移動体10A及び10Bにそれぞれ搭乗したパイロットは、運行開始時刻登録GUI900(
図16)を使用して、移動体搭載装置300A及び300Bに、移動体10A及び10Bが運行(飛行)を開始する時刻を登録する(
図15のステップS311)。移動体搭載装置300A及び300Bは、運行開始時刻及び運行計画のオープンを、運行計画管理装置100Aに通知する(
図15のステップS312)。
【0219】
移動体10A及び10Bは、それぞれ、運行を開始し(ステップS003)、情報収集活動を開始する(ステップS004)。
【0220】
図33は、シナリオを災害発生時として、運行計画調整システムの処理(運行開始後)を示す。
【0221】
移動体10Aが情報収集の目的で運行中に、移動体10Aの乗員が、要救助者を発見し(ステップS005)、救助し、情報収集活動を中断して医療機関へ搬送することが最優先だと判断する(ステップS006)。移動体10Aに搭乗したパイロットは、移動体搭載装置300Aに表示された運行計画編集GUI群1000(
図19参照)を使用して、医療機関までの新たな運行計画データ500を作成する(
図8のステップS321)。移動体搭載装置300Aは、医療機関までの新たな運行計画データ500を、運行計画管理装置100に送信する(
図8のステップS323)。
【0222】
運行計画管理装置100は、新たな運行計画データ500を、移動体搭載装置300から受信する(
図8のステップS121)。運行計画管理装置100は、新たな運行計画データ500を、運行計画調整装置200に送信する(
図8のステップS103)。
【0223】
運行計画調整装置200は、移動体10Aの新たな運行計画データ500を運行計画管理装置100Aから受信する(
図7のステップS201)。運行計画調整装置200が設置された空域調整所に集結した関係機関のスタッフは、運行計画調整装置200に表示された経路確認用GUI800(
図10、
図11参照)を使用して、移動体10Aの空域調整を行う(
図7のステップS203)。運行計画調整装置200は、医療機関までの新たな運行計画の承認又は却下(本例では承認)を、運行計画管理装置100Aに通知する(
図7のステップS204)。
【0224】
運行計画管理装置100Aは、医療機関までの新たな運行計画を承認する通知を受信する(
図7のステップS105)。運行計画管理装置100は、実行中の情報収集活動の運行計画のクローズを登録する(
図24のステップS132)。運行計画管理装置100Aは、承認された医療機関までの新たな運行計画の運行計画データ500を、移動体10Aに搭載された移動体搭載装置300Aに送信する(
図7のステップS106)。
【0225】
移動体10Aに搭載された移動体搭載装置300Aは、医療機関までの新たな運行計画データ500を、運行計画管理装置100Aから受信する(
図7のステップS301)。
【0226】
移動体10Aに搭乗したパイロットは、運行開始時刻登録GUI900(
図16)を使用して、移動体搭載装置300Aに、移動体10Aが運行(飛行)を開始する時刻を登録する(
図15のステップS311)。移動体搭載装置300Aは、運行開始時刻及び運行計画のオープンを、運行計画管理装置100Aに通知する(
図15のステップS312)。
【0227】
移動体10Aは、医療機関までの新たな運行計画データ500に従って運行を開始し(ステップS007)、要救助者を救助し(ステップS008)、医療機関に搬送する(ステップS009)。移動体10Aに搭乗したパイロットは、移動体搭載装置300Aを使用して、燃料補給のため医療機関から航空隊基地1までの運行計画を作成する。運行計画の承認を経て、移動体10Aは航空隊基地1まで運行を開始し(ステップS010)、航空隊基地1に着陸する(ステップS011)。
【0228】
移動体搭載装置300Aは、運行計画のクローズを、運行計画管理装置100Aに通知する(
図23のステップS332)。
【0229】
一方、移動体10Bは、情報収集活動を終了し(ステップS012)、航空隊基地1に着陸する(ステップS013)。移動体10Bに搭載された移動体搭載装置300Bは、運行計画のクローズを、運行計画管理装置100Aに通知する(
図23のステップS332)。
【0230】
運行計画管理装置100Aは、移動体10A及び10Bからそれぞれ、運行計画のクローズの通知を受信する。すると、運行計画管理装置100Aが設置された航空隊基地1のスタッフは、運行計画管理装置100Aに表示された運行計画作成用GUI600(
図9参照)を使用して、移動体10A及び10Bそれぞれの、次の任務の運行計画データ500を作成する(
図7のステップS101)。
【0231】
9.変形例
【0232】
本実施形態では、移動体10をヘリコプタ等の航空機としたが、移動体10はヘリコプタ等の航空機に限定されない。移動体10は、車両でもよいし、人の集団(デモ隊等)でもよい。
【0233】
10.結語
【0234】
図34は、運行計画調整システムの効果を説明するための図である。
【0235】
従来、多数の航空機の飛行計画は、以下の様に調整される。(1)各ベースで、そのベースに所属する複数の航空機の飛行計画が作成される(約2時間)。飛行計画は、紙や表形式で作成される。飛行計画は、飛行する経路、飛行開始時刻、所要時間等を含む。(2)各ベースから、県庁等に設置された空域調整所に、紙や表形式で作成された飛行計画が、メールやファクシミリで報告される(全てのベースから報告を受けるのに約0.5時間)。(3)空域調整所に集結した関係機関のスタッフが、全ベースの全航空機の飛行計画を取りまとめ、紙や表形式で一覧表を作成する(約2時間)。(4)空域調整所に集結した関係機関のスタッフが、紙や表形式での一覧表を参照し、全ベースの全航空機の飛行計画を承認又は却下する(約1時間)。(5)空域調整所から各ベースに、却下された飛行計画の修正依頼を、メールやファクシミリで伝達する(全てのベースに伝達するのに約0.5時間)。(6)各ベースで、修正依頼に従って、そのベースに所属する複数の航空機の飛行計画が修正される(約0.5時間)。(7)各ベースから空域調整所に、紙や表形式で作成された修正後の飛行計画が、メールやファクシミリで報告される(全てのベースから報告を受けるのに約0.5時間)。(8)空域調整所に集結した関係機関のスタッフが、修正後の飛行計画を取りまとめ、紙や表形式で修正後の一覧表を作成する(約1時間)。この様に、従来、多数の航空機の飛行計画の作成開始から空域調整完了まで、約8時間掛かる。
【0236】
これに対して、本実施形態によれば、処理の大部分をデジタル化し、ネットワークを介して通信を行うことで、所要時間を短縮し、人員を削減し、運行計画の調整の効率化を図ることが可能となる。本実施形態によれば、飛行統制・調整所における作業の所用時間が従来手法に比べて56%程度(約8時間から約3.5時間)短縮され、防災機関職員のワークロードやヒューマンエラー(飛行経路干渉の見落とし等)が低減する。
【0237】
本実施形態に係る運行計画データ500のアーキテクチャは、運行計画を電子情報として送受信するための規格を策定する。運行計画データ500は、航空局に通報する運行計画に比べて、経由点の緯度経度等のより詳細な情報を含む。
【0238】
本実施形態に係る各GUIによれば、多機関が個別に立案した運行計画を時系列に可視化し、経路の干渉等の判別を支援することができる。運行計画の作成、調整は前日に行われるが、飛行中も機上、地上の双方で運行計画の修正を可能である。
【0239】
また、複数の移動体それぞれの経路を視覚的に区別可能に表示することが可能であるため、正確かつ容易に多数の航空機の運行計画を調整することができる。また、優先情報をさらに表示することで、さらに的確に多数の航空機の運行計画を調整することができる。また、サーバ装置400が運行計画データ500を蓄積するため、移動体10が運行中に他の移動体の運行計画データ500を共有し、表示することができる。
【0240】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0241】
1 運行計画調整システム
10 移動体
100 運行計画管理装置
111 管理側運行計画作成部
112 管理側運行計画表示部
113 管理側地図表示部
114 管理側運行計画登録部
115 管理側送受信制御部
121 管理側運行計画記憶部
122 管理側地図情報記憶部
123 調整側ステータス情報記憶部
124 管理側送受信情報記憶部
200 運行計画調整装置
212 調整側運行計画表示部
213 調整側地図表示部
214 調整側運行計画登録部
215 調整側送受信制御部
222 調整側地図情報記憶部
223 調整側ステータス情報記憶部
224 調整側送受信情報記憶部
300 移動体搭載装置
311 移動体側運行計画作成部
312 移動体側運行計画表示部
314 移動体側運行計画登録部
315 移動体側送受信制御部
321 移動体側運行計画記憶部
324 移動体側送受信情報記憶部
400 サーバ装置
500 運行計画画データ