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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160847
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20221013BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20221013BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
F24C7/04 301A
F24C3/12 K
F24C3/12 E
H05B6/12 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065315
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】広田 和也
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
【Fターム(参考)】
3K151CA61
3K151CA63
3L087AA03
3L087BA04
3L087BC14
3L087BC16
3L087DA01
(57)【要約】
【課題】外部端末から加熱調理器を遠隔操作する際に、加熱調理器から所定の範囲内で加熱調理器を操作する。
【解決手段】加熱調理システムは、加熱調理器と外部端末を備える。加熱調理器は、加熱調理部と、外部端末との間で無線通信を実行するための第1インターフェースと、第1制御部を備えている。外部端末は、加熱調理器との間で無線通信を実行するための第2インターフェースと、加熱調理器の操作指示を受け付ける入力部と、第2制御部を備えている。第1インターフェースからの無線通信の出力電力は、所定値以下である。第2制御部は、入力部が操作指示を受け付けると、第2インターフェースと第1インターフェースを介して第1制御部に応答信号を要求し、第1インターフェースから第2インターフェースを介して応答信号を受信したときに、第2インターフェースと第1インターフェースを介して第1制御部に操作指示に対応する操作信号を送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器と、外部端末と、を備える加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
加熱調理運転を実行可能な加熱調理部と、
前記外部端末との間で無線通信を実行するための第1インターフェースと、
第1制御部と、を備えており、
前記外部端末は、
前記加熱調理器との間で無線通信を実行するための第2インターフェースと、
前記加熱調理器の操作指示を受け付ける入力部と、
第2制御部と、を備えており、
前記第1インターフェースからの前記無線通信の出力電力は、所定値以下であり、
前記第2制御部は、前記入力部が前記操作指示を受け付けると、前記第2インターフェースと前記第1インターフェースを介して前記第1制御部に応答信号を要求し、前記第1インターフェースから前記第2インターフェースを介して前記応答信号を受信したときに、前記第2インターフェースと前記第1インターフェースを介して前記第1制御部に前記操作指示に対応する操作信号を送信する、加熱調理システム。
【請求項2】
前記外部端末は、前記第1制御部に要求した前記応答信号を受信しなかったときに、前記入力部に入力された前記操作指示を実行しない旨を報知する報知部をさらに備えている、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記操作信号は、加熱調理器の加熱を停止することを指示する信号である、請求項1又は2に記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、加熱調理器と外部端末を備える加熱調理システムが開示されている。加熱調理器と外部端末は、双方向で無線通信できるように構成されており、無線通信を介して、外部端末を用いて加熱調理器を遠隔操作することができる。このとき、加熱調理器を安全に使用するために、加熱調理器と外部端末との間に双方向の無線通信が確立された場合に限り、外部端末から加熱調理器を遠隔操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-133924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような加熱調理システムでは、外部端末から加熱調理器を操作するためには、加熱調理器と外部端末との間の双方向の無線通信が確立されている必要がある。しかしながら、加熱調理器と外部端末との間の無線通信の通信状態が悪いと、加熱調理器と外部端末との間の無線通信が接続状態と切断状態との間で頻繁に切り替わることがある。このような場合には、加熱調理器と外部端末との間の無線通信が接続状態なのか切断状態なのかを判断するために、例えば数秒間、時間がかかる。そして、加熱調理器と外部端末との間の通信状態を判断している間に、使用者がコンロから離れた位置に移動してしまう可能性が生じる。このような場合に、外部端末の無線信号が強いと、双方向の無線通信が確立された位置から離れた位置にいる使用者が加熱調理器を操作することができてしまうことがある。
【0005】
本明細書は、外部端末を用いて加熱調理器を遠隔操作する際に、加熱調理器から所定の範囲内で加熱調理器を操作するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する加熱調理システムは、加熱調理器と、外部端末と、を備える。加熱調理器は、加熱調理運転を実行可能な加熱調理部と、外部端末との間で無線通信を実行するための第1インターフェースと、第1制御部と、を備えている。外部端末は、加熱調理器との間で無線通信を実行するための第2インターフェースと、加熱調理器の操作指示を受け付ける入力部と、第2制御部と、を備えている。第1インターフェースからの無線通信の出力電力は、所定値以下である。第2制御部は、入力部が操作指示を受け付けると、第2インターフェースと第1インターフェースを介して第1制御部に応答信号を要求し、第1インターフェースから第2インターフェースを介して応答信号を受信したときに、第2インターフェースと第1インターフェースを介して第1制御部に操作指示に対応する操作信号を送信する。
【0007】
上記の加熱調理システムでは、第1インターフェースからの出力電力が所定値以下であることによって、外部端末が所定の距離より近い位置に位置しているときのみ、第2インターフェースは第1インターフェースから送信される信号を受信できる。また、外部端末から加熱調理器を操作する際には、第1インターフェースから応答信号を受信した場合のみ、第2制御部は、第2インターフェースから第1インターフェースに操作信号を送信させる。このため、外部端末が所定の距離より近い位置に位置しているときのみ、第2インターフェースは第1インターフェースから応答信号を受信する。これにより、外部端末が加熱調理器から所定の距離より離れた状態で加熱調理器が遠隔操作されることを回避することができる。このため、外部端末から加熱調理器を操作する際に、使用者は、加熱調理器を確実に所定の範囲内で操作することができる。
【0008】
本明細書に開示する加熱調理システムでは、外部端末は、第1制御部に要求した応答信号を受信しなかったときに、入力部に入力された操作指示を実行しない旨を報知する報知部をさらに備えていてもよい。このような構成によると、外部端末が応答信号を受信しなかった場合には、加熱調理器に操作信号が送信されない。その場合に、使用者が、自身が指示した加熱調理器の遠隔操作が実行されなかったことを知ることができる。
【0009】
本明細書に開示する加熱調理システムでは、操作信号は、加熱調理器の加熱を停止することを指示する信号であってもよい。このような構成によると、外部端末から加熱調理器での加熱を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の加熱調理システムの概要を示す図。
図2】加熱調理システムの制御構成を示すブロック図。
図3】加熱調理器と携帯端末との間の無線通信を説明するための図であり、(a)は加熱調理器と携帯端末とが近い場合を示し、(b)は加熱調理器と携帯端末とが遠い場合を示す。
図4】携帯端末が加熱調理器の近い位置に位置しているか否かを検出する処理の一例を示すフローチャート。
図5】加熱調理システムが実行する動作の一例を示すシーケンス図であり、ユーザが携帯端末からの加熱調理器の操作に成功した場合を示す。
図6】加熱調理システムが実行する動作の他の一例を示すシーケンス図であり、ユーザが携帯端末からの加熱調理器の操作に失敗した場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の加熱調理システム2は、加熱調理器10と、携帯端末50と、を備える。携帯端末50は、ユーザUによって所持される。ユーザUは、加熱調理器10のユーザでもある。
【0012】
加熱調理器10と携帯端末50との間では、Bluetooth(登録商標)方式に従った無線通信を実行可能である。即ち、加熱調理器10と携帯端末50との距離が所定距離以下まで近接する場合、加熱調理器10と携帯端末50との間でBluetooth無線接続が確立され、相互に無線通信が可能になる。以下では、Bluetoothのことを単に「BT」と呼ぶ場合がある。また、BT方式に従った無線通信のことを「BT通信」と呼ぶ場合がある。なお、他の例では、加熱調理器10と携帯端末50とは、BT方式に限られず、他の方式(例えば、Wi-Fi(登録商標)方式、他の近距離無線通信方式、等)に従って無線通信を実行可能であってもよい。
【0013】
図1図2に示すように、加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。他の例では、加熱調理器10は、IH式のビルトインコンロ等であってもよい。加熱調理器10は、ユーザUの住居等に設置される。図2に示すように、加熱調理器10は、加熱調理部12と、操作部14と、表示部16と、BTインターフェース20と、制御部30と、メモリ32と、を備える。なお、以下ではインターフェースのことを単に「I/F」と記載する。
【0014】
加熱調理部12は、ガスを燃焼させて加熱調理運転を実行するためのバーナ部である。本実施例では、図1に示すように、加熱調理部12は、3箇所のコンロバーナ12a、12b、12cと、1か所のグリル12dと、を含む。以下では、コンロバーナ12a、12b、12cと、グリル12dと、を総称して「加熱調理部12」と呼ぶ。図示しないが、加熱調理部12には、調理対象物(例えば鍋)の温度を検知するための温度センサ、点火及び失火を検知するための熱電対等が設けられている。
【0015】
操作部14は、利用者が、加熱調理部12の点火、消火、加熱量の調整等の各種操作を入力するための操作部である。表示部16は、加熱調理部12の動作状態など、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0016】
BTI/F20は、ユーザUが所持する携帯端末50との間でBT通信を実行するためのI/Fである。即ち、加熱調理器10と携帯端末50とが所定距離まで近接すると、加熱調理器10と携帯端末50との間で、BTI/F20及びBTI/F56(後述)を介してBT接続(図1の破線矢印参照)が確立する。BTI/F20からの無線信号の出力電力は、比較的小さくされており、例えば、約2.5mWである。このため、図3(a)に示すように、加熱調理器10と携帯端末50の間の距離が約2.5mWの出力電力に対応した距離以下に近づくと、加熱調理器10と携帯端末50との間の双方向の通信が可能となり、BT接続が確立される。BT接続の確立とは、加熱調理器10と携帯端末50とが、BT接続を介したBT通信を相互に可能な状態をいう。一方、図3(b)に示すように、加熱調理器10と携帯端末50の間の距離が約2.5mWの出力電力に対応した距離より遠いと、加熱調理器10と携帯端末50との間のBT接続を確立することができない。
【0017】
図2に示すように、制御部30は、メモリ32に記憶されているプログラムに従って、調理処理を含む様々な処理を実行する。また、制御部30は、加熱調理部12、操作部14、表示部16、及び、BTI/F20と電気的に接続されており、これらの各要素の動作を制御することができる。メモリ32は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ32は、様々なプログラムを記憶している。また、メモリ32は、制御部30が実行する処理に伴って取得される様々な情報を記憶する領域も有している。
【0018】
図1に示すように、携帯端末50は、例えばユーザUが所持するスマートフォン等である。他の例では、携帯端末50は、ユーザUが所持するタブレット端末、ノートPC等、ユーザUが携帯可能な可搬型端末であれば任意の端末装置であってもよい。図2に示すように、携帯端末50は、操作部52と、表示部54と、BTI/F56と、制御部60と、メモリ62と、を備える。
【0019】
操作部52は、1個以上のキーを備えており、ユーザUの操作を受け付ける。表示部54は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、いわゆるタッチパネルとしても機能する。即ち、表示部54は、操作部としても機能する。
【0020】
BTI/F56は、加熱調理器10との間でBT通信を実行するためのI/Fである。上記の通り、加熱調理器10と携帯端末50とが所定距離まで近接すると、BT接続(図1の破線矢印参照)が確立する。BTI/F56からの無線信号の出力電力は、比較的大きくされており、例えば、約10mWである。即ち、上記の通り、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号の出力電力は、BTI/F56からの無線信号の出力電力より小さくされている。このため、図3(a)に示すように、加熱調理器10と携帯端末50との間の距離が、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号の出力電力(約2.5mW)に対応した距離より近い場合には、BTI/F56からの無線信号は加熱調理器10まで到達すると共に、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号も携帯端末50まで到達する。一方、図3(b)に示すように、加熱調理器10と携帯端末50との間の距離が、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号の出力電力(約2.5mW)に対応した距離より遠いと、BTI/F56からの無線信号は加熱調理器10まで到達するが、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号は携帯端末50まで到達しない。このため、BTI/F56からの無線信号の出力電力の大きさに関わらず、加熱調理器10と携帯端末50が、加熱調理器10のBTI/F20からの無線信号の出力電力(約2.5mW)に対応した距離まで近づいたときに、加熱調理器10と携帯端末50のとの間のBT接続が確立される。BT接続が確立すると、加熱調理器10と携帯端末50は、BT接続を介したBT通信を相互に実行することができる。
【0021】
制御部60は、メモリ62に記憶されているプログラムに従って、後述の携帯端末処理(図4参照)を含む様々な処理を実行する。また、制御部60は、操作部52、表示部54、及び、BTI/F56と電気的に接続されており、これらの各要素の動作を制御することができる。メモリ62は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ62は、様々なプログラムを記憶している。メモリ62は、加熱調理器10と連携して動作するアプリケーションプログラムを記憶している。また、メモリ62は、制御部60が実行する処理に伴って取得される様々な情報を記憶する領域も有している。
【0022】
以下では図4を参照して、ユーザUが携帯端末50から加熱調理器10を操作したときに、携帯端末50が加熱調理器10の近い位置に位置しているか否かを検出する処理について説明する。ユーザUから操作部52を介して加熱調理器10の操作が指示されると、制御部60は図4に示す処理を実行する。携帯端末50から指示可能な加熱調理器10の操作指示の種類については、特に限定されない。例えば、加熱調理器10の操作指示は、加熱調理器10の消火の指示であってもよいし、加熱調理器10の火力変更の指示であってもよい。
【0023】
加熱調理器10の操作が指示されると、制御部60は、操作部52から加熱調理器10の操作指示を取得する(S12)。
【0024】
次いで、制御部60は、BTI/F56からBTI/F20に、応答信号の送信を要求するための信号である要求信号を送信する(S14)。即ち、ここでは、制御部60は、加熱調理器10に対して、ステップS12で取得した操作指示に関する信号を送信するのではなく、要求信号を送信する。加熱調理器10は、要求信号を受信すると、BTI/F20を介してBTI/F56に、要求信号に応えるための信号である応答信号を送信する。
【0025】
次いで、制御部60は、加熱調理器10から送信された応答信号を受信したか否かを判断する(S16)。例えば、制御部60は、ステップS14で要求信号を送信してから所定時間が経過するまでの間に応答信号を受信した場合に、ステップS16でYESと判断し、ステップS14で要求信号を送信してから所定時間が経過するまでの間に応答信号を受信しなかった場合に、ステップS16でNOと判断する。応答信号を受信した場合(ステップS16でYES)、制御部60は、携帯端末50が加熱調理器10を操作可能な近い位置にあると判断する。このような場合には、BTI/F20とBTI/F56との間で双方向の通信が可能であり、BT接続を確立できる。このため、制御部60は、BTI/F56を介して、ステップS12で取得した操作指示に関する信号を加熱調理器10に送信する(S18)。
【0026】
一方、応答信号を受信していない場合(ステップS16でNO)、制御部60は、携帯端末50が加熱調理器10を操作可能な近い位置にはない(すなわち、加熱調理器10を操作不能な遠い位置にある)と判断する。このため、制御部60は、ステップS12で取得した操作指示に関する信号を加熱調理器10に送信しない。そして、制御部60は、ステップS12で取得した操作指示に対応する操作に失敗したことを表示部54に表示する(S20)。ここで表示部54に表示される表示内容としては、ユーザUが、自身が携帯端末50に入力した加熱調理器10の操作が実行されなかった旨を知得できる内容であればよい。表示内容は、例えば、「コンロから遠いため、通信に失敗しました」等の文章のように操作の失敗を報知するものであってもよいし、「コンロと通信できないため、コンロで消火してください」等の文章のように操作の失敗と共にそれに代わる行動の指示を含むものであってもよい。なお、本実施例では、操作指示に対応する操作に失敗したことは、表示部54に表示することによってユーザUに報知したが、このような構成に限定されない。ユーザUが、操作指示に対応する操作に失敗したことを知ることができればよく、例えば、操作指示に対応する操作に失敗したこと音声でユーザUに報知してもよい。
【0027】
なお、本実施例では、ステップS16で加熱調理器10から受信する信号は応答信号であるが、加熱調理器10が要求信号に応えて携帯端末50に送信する信号の種類は特に限定されない。加熱調理器10は、応答信号の代わりに、加熱調理器10の状態を示す状態信号(例えば、加熱調理器10の電源のオンオフを示す信号、加熱調理部12の点火状態又は消火状態を示す信号、加熱調理器10に発生しているエラーを示す信号等)を携帯端末50に送信してもよい。応答信号の代わりに状態信号を用いると、ステップS18において、携帯端末50は、携帯端末50が加熱調理器10を操作可能な近い位置にあると判断できると共に、加熱調理器10の状態に関する情報を取得することができる。
【0028】
次に、図5及び図6を参照して、ユーザUが携帯端末50から加熱調理器10を操作したときに加熱調理システム2が実行する動作の具体的なケースを説明する。ここでは、ユーザUが、携帯端末50から加熱調理器10を消火する操作を実行した場合について説明する。
【0029】
まず、図5を参照して、ユーザUが携帯端末50からの加熱調理器10の操作に成功した場合について説明する。T12では、ユーザUは、携帯端末50の操作部52に加熱調理器10を消火する指示を入力する。次いで、T14では、携帯端末50は、BTI/F56を介して加熱調理器10に要求信号を送信する(図4のS14)。次いで、T16では、加熱調理器10は、BTI/F20を介して携帯端末50に状態信号を送信する。図5の例では、携帯端末50が加熱調理器10から近い位置にあり、加熱調理器10から送信された状態信号は、携帯端末50まで到達する。このため、T18では、携帯端末50は、BTI/F56を介して加熱調理器10に消火指示を送信する(図4のS18)。すると、T20では、加熱調理器10は、受信した消火指示に従い、加熱調理部12を消火する。
【0030】
次に、図6を参照して、ユーザUが携帯端末50からの加熱調理器10の操作に失敗した場合について説明する。T22では、ユーザUは、携帯端末50の操作部52に加熱調理器10を消火する指示を入力する。次いで、T24では、携帯端末50は、BTI/F56を介して加熱調理器10に要求信号を送信する(図4のS14)。次いで、T26では、加熱調理器10は、BTI/F20を介して携帯端末50に状態信号を送信する。図6の例では、携帯端末50が加熱調理器10から遠い位置にあり、加熱調理器10から送信された状態信号は、携帯端末50まで到達しない。このため、T28では、携帯端末50は、所定時間の経過後、消火指示が失敗したことを表示部54に表示する(図4のS20)。
【0031】
本実施例では、携帯端末50に加熱調理器10の操作指示が入力されたときに、制御部60は、入力された操作指示を加熱調理器10に送信する前に、加熱調理器10に要求信号を送信する。そして、制御部60は、加熱調理器10から応答信号を受信したときのみ操作指示を加熱調理器10に送信する。制御部60は、携帯端末50が加熱調理器10を操作可能な距離にあるか否かを応答信号の受信の有無によって判断するため、携帯端末50と加熱調理器10との間の通信接続が確立されたか否かを確認する必要がない。このため、制御部60は、携帯端末50が加熱調理器10を操作可能な距離にあるか否かを短時間で判断することができる。これにより、携帯端末50が加熱調理器10から離れてしまった状態で加熱調理器10が遠隔操作されることを回避することができる。
【0032】
実施例で説明した加熱調理システム2に関する留意点を述べる。実施例のBTI/F20は、「第1インターフェース」の一例であり、制御部30は、「第1制御部」の一例であり、携帯端末50は、「外部端末」の一例であり、操作部52は、「入力部」の一例であり、表示部54は、「報知部」の一例であり、BTI/F56は、「第2インターフェース」の一例である。
【0033】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0034】
2:加熱調理システム
10:加熱調理器
12:加熱調理部
12a~12c:コンロバーナ
12d:グリル
14:操作部
16:表示部
20:BTインターフェース
30:制御部
32:メモリ
50:携帯端末
52:操作部
54:表示部
56:BTインターフェース
60:制御部
62:メモリ
U:ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6