(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160860
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】酸性ガス処理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/62 20060101AFI20221013BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20221013BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20221013BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20221013BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20221013BHJP
【FI】
B01D53/62
B01D53/22 ZAB
B01D53/14 200
B01D53/14 220
B01D53/78
C01B32/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065330
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】村松 武彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 己思人
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸次
(72)【発明者】
【氏名】加藤 康博
(72)【発明者】
【氏名】村岡 大悟
(72)【発明者】
【氏名】森垣 勇人
(72)【発明者】
【氏名】半田 優介
【テーマコード(参考)】
4D002
4D006
4D020
4G146
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AC10
4D002BA02
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4D002CA07
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4G146JA02
4G146JB09
4G146JC05
4G146JC19
4G146JC28
4G146JD06
4G146JD10
(57)【要約】
【課題】酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収液(リッチ吸収液)から酸素を除去する際、酸性ガス吸収液の有効成分や二酸化炭素等の酸素以外の酸性ガスが除去されることを抑制できる酸性ガス処理システムを提供する。
【解決手段】一実施の形態によれば、酸性ガス処理システムは、排ガスG0内の酸性ガスを酸性ガス吸収液Lに吸収させる吸収器1と、吸収器1から排出された酸性ガス吸収液L(R)から酸性ガスを放散させ、酸性ガスを放散した酸性ガス吸収液と、放散された酸性ガスを含むガスと、を排出する再生器61と、吸収器1と再生器61との間に設けられる酸素除去器42と、を備える。酸素除去器42は、膜43によって仕切られる第1空間と第2空間とを有し、吸収器1から排出される酸性ガス吸収液L(R)を、第1空間に通して再生器61側に送りつつ、酸性ガス吸収液L(R)中の酸素を含むガスを、第1空間を通過中の酸性ガス吸収液から膜43を通して前記第2空間に移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ガス含有ガスと酸性ガス吸収液とを接触させ、前記酸性ガス含有ガスから酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収液と、前記酸性ガスを除去された前記酸性ガス含有ガスと、を排出する吸収器と、
前記吸収器から排出された前記酸性ガス吸収液から前記酸性ガスを放散させ、前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液と、放散された前記酸性ガスを含むガスと、を排出する再生器と、
前記吸収器と前記再生器との間に設けられる酸素除去器と、を備え、
前記酸素除去器は、膜によって仕切られる第1空間と第2空間とを有し、前記吸収器から排出される前記酸性ガス吸収液を、前記第1空間に通して前記再生器側に送りつつ、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを、前記第1空間を通過中の前記酸性ガス吸収液から前記膜を通して前記第2空間に移動させる、酸性ガス処理システム。
【請求項2】
前記酸素除去器は、前記第1空間の圧力を前記第2空間の圧力よりも大きくすることで、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを前記膜を通して前記第2空間に移動させる、請求項1に記載の酸性ガス処理システム。
【請求項3】
前記酸素除去器は、前記第1空間の圧力を前記第2空間の圧力よりも大きくするための加圧装置及び/又は減圧装置を有する、請求項2に記載の酸性ガス処理システム。
【請求項4】
前記第2空間に移動した前記酸素を含むガスの二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素センサをさらに備え、
前記二酸化炭素センサが検出した二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1空間の圧力と前記第2空間の圧力との差を調節する、請求項2又は3に記載の酸性ガス処理システム。
【請求項5】
前記酸素除去器と前記再生器との間に設けられ、前記酸素除去器から排出された前記酸性ガス吸収液の圧力を所定値以下になるように調節する調圧装置をさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の酸性ガス処理システム。
【請求項6】
前記吸収器から排出される前記酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収液と、前記再生器から排出される前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液とを熱交換させる熱交換器をさらに備え、
前記酸素除去器は、前記吸収器と前記熱交換器との間に設けられる、請求項1乃至5のいずれかに記載の酸性ガス処理システム。
【請求項7】
酸性ガス含有ガスと酸性ガス吸収液とを接触させ、前記酸性ガス含有ガスから酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収液と、前記酸性ガスを除去された前記酸性ガス含有ガスと、を排出する吸収工程と、
前記吸収工程で排出された前記酸性ガス吸収液から酸素を含むガスを除去する除去工程と、
前記除去工程後の前記酸性ガス吸収液から前記酸性ガスを放散させ、前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液と、放散された前記酸性ガスを含むガスと、を排出する再生工程と、を備え、
前記除去工程では、膜によって仕切られる第1空間と第2空間のうちの第1空間に前記吸収工程で排出された前記酸性ガス吸収液を通しつつ、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを、前記第1空間を通過中の前記酸性ガス吸収液から前記膜を通して前記第2空間に移動させる、酸性ガス処理方法。
【請求項8】
前記除去工程では、前記第1空間の圧力を前記第2空間の圧力よりも大きくすることで、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを前記膜を通して前記第2空間に移動させる、請求項7に記載の酸性ガス処理方法。
【請求項9】
前記除去工程では、加圧装置及び/又は減圧装置により、前記第1空間の圧力を前記第2空間の圧力よりも大きくする、請求項8に記載の酸性ガス処理方法。
【請求項10】
前記第2空間に移動した前記酸素を含むガスの二酸化炭素濃度を検出し、検出した二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1空間の圧力と前記第2空間の圧力との差を調節する、請求項8又は9に記載の酸性ガス処理方法。
【請求項11】
前記除去工程後の前記酸性ガス吸収液の圧力が所定値以下になるように調節し、その後、前記再生工程を行う、請求項7乃至10のいずれかに記載の酸性ガス処理方法。
【請求項12】
前記除去工程後の前記酸性ガス吸収液であって、前記再生工程で処理される前の前記酸性ガス吸収液と、前記再生工程後の前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液とを熱交換させる工程をさらに備える、請求項7乃至11のいずれかに記載の酸性ガス処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、酸性ガス処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば化石燃料を燃焼させることで発生する二酸化炭素は、温室効果による地球温暖化の主因と言われている。二酸化炭素の大規模発生源としては、例えば火力発電所や製鉄所等が挙げられる。二酸化炭素は、このような発生源から排出される排ガスに含まれ、排ガスに伴い大気に排出される。
【0003】
昨今、上記のような排ガスから二酸化炭素を除去する技術、具体的には二酸化炭素回収貯蔵技術(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)が注目されている。排ガスから二酸化炭素を除去して大気への放出を抑制すれば、効率的に温暖化原因を取り除くことが可能となる。
【0004】
CCSの一例として、排ガス中の二酸化炭素が酸性ガス成分である点に着目し、排ガスと、酸性ガス吸収液(以下、吸収液と略す。)とを気液接触させることで、吸収液中に酸性ガス成分を吸収させ、排ガスから酸性ガス成分を除去する手法がある。上記吸収液としては、例えばアミノ基含有化合物(アミン系化合物)等の有効成分を含む溶液が用いられる。
【0005】
上記手法を利用するシステムは既に実用化されており、このシステムは、排ガスと吸収液とを接触させて排ガス中の二酸化炭素等の酸性ガス成分を吸収液に吸収させる吸収器と、酸性ガス成分を吸収した吸収液を加熱して吸収液から酸性ガス成分を放散させる再生器と、を備える。このシステムは、一般に、再生器で再生された吸収液を吸収器で再利用するようになっており、吸収液を吸収器と再生器との間の系内で循環させる。
【0006】
上記のようなシステムで処理される排ガスには、二酸化炭素のほか、通常、窒素や酸素等の成分も含まれる。この場合、排ガスと吸収液とを接触させた際、吸収液に二酸化炭素だけでなく酸素も吸収され得る。
【0007】
しかし、吸収液に酸素が吸収されると、酸素が各種機器の腐食等を引き起こすことがある。そのため、酸素が吸収液に吸収されないようにするか又は吸収液から酸素を除去できるようにすることが望まれる。
【0008】
吸収液に吸収された酸素を除去する手法としては、リッチ吸収液である、二酸化炭素を吸収した吸収液を酸素を含まないガスと接触させる技術や、二酸化炭素を吸収した吸収液を減圧して、吸収液から酸素を除去・脱気する技術が知られている。
【0009】
しかしながら、酸素を含まないガスとリッチ吸収液とを接触させる技術では、酸素を含まないガスが大量に必要になる。また、リッチ吸収液からアミン系化合物等の有効成分が酸素ガスに移行し得るとともに、二酸化炭素も酸素を含まないガスに移行し得る。そのため、例えば酸素を含まないガスから有効成分や二酸化炭素を回収する等の処理工程が必要になり得る。そのため、二酸化炭素回収処理の効率が低下してしまう虞がある。
【0010】
また、減圧による酸素の除去では、減圧によりリッチ吸収液から酸素を除去することができるが、この場合も、リッチ吸収液から酸素だけでなくアミン系化合物等の有効成分や二酸化炭素が除去され得る。そのため、この場合も、二酸化炭素回収処理の効率が低下してしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001-19416号公報
【特許文献2】特開2001-25628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収液(リッチ吸収液)から酸素を除去する際、酸性ガス吸収液の有効成分や二酸化炭素等の酸素以外の酸性ガスが除去されることを抑制できる酸性ガス処理システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施の形態において、酸性ガス処理システムは、酸性ガス含有ガスと酸性ガス吸収液とを接触させ、前記酸性ガス含有ガスから酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収液と、前記酸性ガスを除去された前記酸性ガス含有ガスと、を排出する吸収器と、前記吸収器から排出された前記酸性ガス吸収液から前記酸性ガスを放散させ、前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液と、放散された前記酸性ガスを含むガスと、を排出する再生器と、前記吸収器と前記再生器との間に設けられる酸素除去器と、を備える。前記酸素除去器は、膜によって仕切られる第1空間と第2空間とを有し、前記吸収器から排出される前記酸性ガス吸収液を、前記第1空間に通して前記再生器側に送りつつ、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを、前記第1空間を通過中の前記酸性ガス吸収液から前記膜を通して前記第2空間に移動させる。
【0014】
一実施の形態において、酸性ガス処理方法は、酸性ガス含有ガスと酸性ガス吸収液とを接触させ、前記酸性ガス含有ガスから酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収液と、前記酸性ガスを除去された前記酸性ガス含有ガスと、を排出する吸収工程と、前記吸収工程で排出された前記酸性ガス吸収液から酸素を含むガスを除去する除去工程と、前記除去工程後の前記酸性ガス吸収液から前記酸性ガスを放散させ、前記酸性ガスを放散した前記酸性ガス吸収液と、放散された前記酸性ガスを含むガスと、を排出する再生工程と、を備える。前記除去工程では、膜によって仕切られる第1空間と第2空間のうちの第1空間に前記吸収工程で排出された前記酸性ガス吸収液を通しつつ、前記酸性ガス吸収液中の酸素を含むガスを、前記第1空間を通過中の前記酸性ガス吸収液から前記膜を通して前記第2空間に移動させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収液(リッチ吸収液)から酸素を除去する際、酸性ガス吸収液の有効成分や二酸化炭素等の酸素以外の酸性ガスが除去されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施の形態にかかる酸性ガス処理システムを示す図である。
【
図2】
図1に示す酸性ガス処理システムに設けられる酸素除去器の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照しつつ一実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1に示す一実施の形態にかかる酸性ガス処理システムSは、一例として二酸化炭素回収システムとして構成されている。酸性ガス処理システムSは、酸性ガス含有ガスである二酸化炭素を含む排ガスG0から二酸化炭素を分離及び回収する処理を行う。
【0019】
<酸性ガス処理システム>
まず、酸性ガス処理システムSの構成全体について説明する。
【0020】
図1に示すように、酸性ガス処理システムSは、吸収器1と、再生器61と、を備える。吸収器1は、排ガスライン11から流入する排ガスG0と、酸性ガス吸収液L(以下、吸収液と略す。)とを接触させ、吸収液Lに二酸化炭素を吸収させる。そして、吸収器1は、酸性ガス含有ガスG0から二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液である吸収液L(R)と、二酸化炭素を除去された酸性ガス含有ガスとしての吸収器排出ガスG1と、を排出する。
【0021】
再生器61は、上述のようにして吸収器1から排出されるリッチ吸収液L(R)を受け入れ、リッチ吸収液L(R)から二酸化炭素を放散させる。そして、再生器61は、二酸化炭素を放散したリーン吸収液である吸収液Lと、二酸化炭素を含む再生器排出ガスG2と、を排出する。酸性ガス処理システムSでは、上述のように再生器61で二酸化炭素を放散され再生された吸収液Lが、再生器61から排出されて吸収器1に供給される。すなわち、吸収液Lは、吸収器1と再生器61との間を循環し、系内で繰り返し用いられている。
【0022】
吸収液Lは、例えばアミン系化合物(アミノ基含有化合物)と水とを含むアミン系水溶液である。アミン系化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールのような第1級アミン類、ジエタノールアミン、2-メチルアミノエタノールのような第2級アミン類、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミンのような第3級アミン類、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミンのようなポリエチレンポリアミン類、ピペラジン類、ピペリジン類、ピロリジン類のような環状アミン類、キシリレンジアミンのようなポリアミン類、メチルアミノカルボン酸のようなアミノ酸類等が挙げられ、これらを、1種単独で、または2種以上を用いることができる。
【0023】
吸収液Lは、上記アミン系化合物を、通常、10~70重量%含む水溶液として使用される。また、吸収液Lには、反応促進剤、二酸化炭素等の酸性ガスの吸収性能を向上させる含窒素化合物、プラント設備の腐食を防止するための防食剤や、泡立ち防止のための消泡剤や、吸収液の劣化防止のための酸化防止剤、PH調整剤等、その他の化合物を、吸収液Lの効果を損なわない範囲で任意の割合で適宜含有していてもよい。
【0024】
排ガスG0は、二酸化炭素を含有する排気ガスであり、例えば、火力発電所等のボイラやガスタービン等から排出される燃焼排ガス、製鉄所で発生するプロセス排ガス等である。排ガスG0は、例えば、送風機等により昇圧され、冷却器で冷却された後、煙道を介して吸収器1の下部から導入される。
【0025】
吸収器1は、詳しくは、排ガスG0と吸収液Lとを気液接触させて、吸収液Lに二酸化炭素を吸収させる吸収部2と、吸収部2の上方に配置されるガス洗浄部3と、を有する。
【0026】
吸収器1は、一例として充填式の向流型気液接触装置として構成され、吸収部2は充填材で形成され、気液接触効率を高めている。排ガスG0は、吸収部2に下方から流入し、吸収部2の上方から吸収部2に流入する吸収液Lと向流接触する。
【0027】
排ガスG0と吸収液Lとが向流接触すると、排ガスG0と吸収液Lとが反応して、例えば熱分解性塩及び熱安定性アミン塩が形成され、排ガスG0中の二酸化炭素が吸収液Lに吸収される。二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液L(R)は、吸収部2から下方に落下して、吸収器1の下部に溜まる。この際、リッチ吸収液L(R)には、例えば上記熱分解性塩や熱安定性アミン塩が含まれる。また、リッチ吸収液L(R)には、排ガスG0に含まれていた酸素も吸収され得る。
【0028】
一方、上述のように吸収部2に下方から流入した排ガスG0は、二酸化炭素除去ガスGmとして吸収部2から上方に流出し、ガス洗浄部3に流入する。二酸化炭素除去ガスGmがガス洗浄部3に流入すると、ガス洗浄部3は、二酸化炭素除去ガスGmを洗浄液CLで洗浄し、二酸化炭素除去ガスGmに同伴する吸収液有効成分(アミン等)を回収する。ガス洗浄部3は、二酸化炭素除去ガスGmが流れる方向で、吸収部2の下流側である上方に配置されている。二酸化炭素除去ガスGmは、洗浄された後、吸収液有効成分を回収された吸収器排出ガスG1となり、本例では、吸収器排出ガスG1が吸収器1の上部から外部に排出される。
【0029】
なお、ガス洗浄部3の上方には液分散器が設けられてもよく、この場合、洗浄液CLはガス洗浄部3に向けて分散落下する。また、本実施の形態におけるガス洗浄部3は吸収器1内に収容されるが、ガス洗浄部3は吸収器1の外部に設けられてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、ガス洗浄部3から下方に流出する洗浄処理後の洗浄液CLが、ガス洗浄部3の下部であって吸収液導入口の上部に設けられた洗浄液貯留部(不図示)に溜まる。そして、洗浄液貯留部に溜まった洗浄液CLは、循環ポンプ21の駆動により洗浄液循環ライン12を介してガス洗浄部3の上方からガス洗浄部3に再度供給される。
【0031】
洗浄液CLは洗浄液循環ライン12を介して繰り返し用いられるが、洗浄液CL中の吸収液有効成分の濃度が増加すると、洗浄性能が低下する。洗浄液CLの洗浄性能が低下した場合、洗浄液CLの一部は排出されてもよいし、吸収液Lに混合させてもよい。また、洗浄液CLの洗浄性能が低下した場合、新しい洗浄液CLを洗浄液循環ライン12等に導入してもよい。洗浄液CLは酸性側であるほど洗浄効率が高く、例えば純水や硫酸水等でもよい。
【0032】
吸収器1の下部に溜まるリッチ吸収液L(R)は、吸収器1の下部から排出され、リッチ吸収液供給ライン13を通して再生器61に送られる。ここで、本実施の形態では吸収器1と再生器61との間に酸素除去器42が設けられ、吸収器1から排出されるリッチ吸収液L(R)は、酸素除去器42を介して再生器61に流入する。
【0033】
詳しくは、リッチ吸収液供給ライン13には、リッチ液ポンプ41と、リッチ液ポンプ41の下流側に配置された酸素除去器42と、酸素除去器42の下流側に配置された熱交換器51と、熱交換器51の下流側に配置された調圧装置52と、が設けられている。
【0034】
吸収器1から排出されるリッチ吸収液L(R)は、リッチ液ポンプ41の駆動により酸素除去器42に導入される。本実施の形態では、リッチ液ポンプ41によってリッチ吸収液L(R)が昇圧された状態で酸素除去器42に導入されるが、必ずしも昇圧されなくてもよい。酸素除去器42は、リッチ吸収液L(R)から酸素を除去した後、厳密に言うと酸素を含むガスを除去した後、熱交換器51に送る。この酸素除去器42の詳細は後述する。
【0035】
熱交換器51は、酸素が除去されたリッチ吸収液L(R)を、再生器61で再生されたリーン吸収液である吸収液Lと熱交換させる。その後、リッチ吸収液L(R)は、調圧装置52を介して再生器61に流入する。調圧装置52は、リッチ吸収液L(R)の圧力を所定の値以下になるように調節して、再生器61に適した圧力に制御できる。なお、調圧装置52は例えば減圧弁等でもよい。
【0036】
熱交換器51でリッチ吸収液L(R)とリーン吸収液である吸収液Lとが熱交換する際、リーン吸収液である吸収液Lが熱源となって、リッチ吸収液L(R)が加熱される。逆に、リッチ吸収液L(R)が冷却源となって、リーン吸収液である吸収液Lが冷却される。熱交換器51としては、プレート熱交換器、シェル&チューブ熱交換器等の公知の熱交換器を用いることができる。
【0037】
調圧装置52から再生器61に流入するリッチ吸収液L(R)は、酸素を除去された状態となる。上述したように再生器61は、リッチ吸収液L(R)から二酸化炭素を放散させて、リッチ吸収液L(R)をリーン吸収液である吸収液Lとして再生し、二酸化炭素を放散した吸収液Lと、二酸化炭素を含む再生器排出ガスG2と、を排出する。
【0038】
再生器61では、リッチ吸収液L(R)がリボイラ71で生成された水蒸気(スチーム)によって加熱されることで、リッチ吸収液L(R)に含まれる二酸化炭素が放散される。二酸化炭素を放散したリッチ吸収液L(R)は、一部又は全ての二酸化炭素が除去されたリーン吸収液としての吸収液Lとなる。リッチ吸収液L(R)が水蒸気によって加熱される際、吸収液Lは、水蒸気を発生させると共に、吸収液Lに残留する二酸化炭素が水蒸気とともに上昇し得る。そして、再生器61内のリッチ吸収液L(R)から放散された二酸化炭素及び水蒸気は、再生器排出ガスG2として再生器61から排出される。
【0039】
本実施の形態では、二酸化炭素を含む再生器排出ガスG2が再生器61の上部から排出され、その後、冷却器63で冷却水により冷却されることで、水蒸気が凝縮した凝縮水Wと、ガスのままの再生器排出ガスG2とに分離される。その後、凝縮水W及び二酸化炭素を含む再生器排出ガスG2は気液分離器65に流入する。
【0040】
そして、気液分離器65は、下部から凝縮水Wを排出し、再生器61の上部に供給する。一方、気液分離器65は、上部から再生器排出ガスG2を排出する。気液分離器65から排出される再生器排出ガスG2は、凝縮水が分離されていることで高純度の二酸化炭素として回収される。以上のようにして酸性ガス処理システムSは二酸化炭素を回収する。一方で、再生器61から排出されたリーン吸収液である吸収液Lは、リーン液供給ポンプ82の駆動により熱交換器51及び冷却器81を介して吸収器1に供給される。
【0041】
<酸素除去器>
以下、酸性ガス処理システムSに設けられた酸素除去器42について
図1及び
図2を参照しつつ詳述する。
【0042】
本実施の形態における酸素除去器42は、ハウジング42Aと、ハウジング42A内の収容した膜43とを有する。酸素除去器42は、
図2に示すように膜43によってハウジング42Aの内部を第1空間R1と第2空間R2とに仕切り、吸収器1から排出されるリッチ吸収液L(R)を、第1空間R1に通して再生器61側に送りつつ、リッチ吸収液L(R)中の酸素を含むガスを、第1空間R1を通過中のリッチ吸収液L(R)から膜43を通して第2空間R2に移動させる。
【0043】
本実施の形態におけるハウジング42Aは、膜43を収容する両端が開放した筒状のハウジング本体421と、ハウジング本体421の一端側の開放部分を覆うように設けられる導入部422と、ハウジング本体421の他端側の開放部分を覆うように設けられる排出部423と、を有する。上述の第1空間R1と第2空間R2はハウジング本体421の内部に形成されている。
【0044】
導入部422は中空状であり、リッチ吸収液L(R)を液入口422aから受け入れ、その内部に導入する。排出部423も中空状であり、第1空間R1を通過したリッチ吸収液L(R)を受け入れた後、液出口423aから熱交換器51側に供給する。
【0045】
本実施の形態における膜43は中空糸膜であり、厳密に言うと中空糸膜の束である。膜43は、筒状の各中空糸膜の一端部を導入部422に固定する。そして、各中空糸膜の一端部は、導入部422からリッチ吸収液L(R)を導入可能となるように導入部422の内部空間に開放する。また、膜43は、各中空糸膜の他端部を排出部423に固定する。そして、各中空糸膜の他端部は、各中空糸膜の内部を通るリッチ吸収液L(R)を排出部423の内部空間に供給可能となるように排出部423の内部空間に開放する。
【0046】
すなわち、本実施の形態では、膜43を構成する各中空糸膜の内部空間が第1空間R1を形成しており、ハウジング本体421内における膜43の外側の空間が第2空間R2を形成している。
【0047】
以上のような酸素除去器42は、リッチ液ポンプ41から送り出されたリッチ吸収液L(R)を導入し、リッチ吸収液L(R)を、導入部422、膜43の内部(第1空間R1)、及び排出部423に対してこの順に通過させて、熱交換器51側に送る。
【0048】
ここで、リッチ吸収液L(R)が中空糸膜である膜43の内部である第1空間R1を通過する際、リッチ吸収液L(R)の圧力は上昇し、第1空間R1の圧力は、第2空間R2の圧力よりも相対的に大きくなる。これにより、膜43の内部を通過しているリッチ吸収液L(R)中の酸素が、相対的に圧力の小さい第2空間R2に向けて膜43を通過し、その結果、酸素除去器42はリッチ吸収液L(R)中の酸素を除去できる。
【0049】
本実施の形態では、リッチ液ポンプ41がリッチ吸収液L(R)を昇圧させて酸素除去器42に導入しており、リッチ液ポンプ41がリッチ吸収液L(R)に対する加圧装置として機能する。これにより、第1空間R1を通過するリッチ吸収液L(R)からの酸素の除去が促進される。なお、第2空間R2の圧力を減圧させる減圧装置を用いることにより、第1空間R1の圧力が第2空間R2の圧力よりも大きくされてもよい。加圧装置と減圧装置とは併用されてもよいし、いずれか一方のみが用いられてもよい。
【0050】
また、第1空間R1から第2空間R2に酸素が移動する際には、厳密に言うと、酸素以外の成分も第2空間Rに移動する。そのため、厳密に言うと、第1空間R1から第2空間R2には「酸素を含むガス」が移動する。この酸素を含むガスには二酸化炭素が含まれる場合があるが、リッチ吸収液L(R)内の二酸化炭素は、基本的には吸収液有効成分と反応し、吸収液有効成分に吸着(保持)されている。そのため、第1空間R1から第2空間R2への二酸化炭素の移動が抑制される。
【0051】
また、リッチ吸収液L(R)内の二酸化炭素は温度上昇により吸収液成分から離脱し易くなるが、本実施の形態では酸素除去器42が吸収器1と熱交換器51との間に設けられるため、第1空間R1から第2空間R2への二酸化炭素の移動を効果的に抑制できる。
【0052】
なお、本実施の形態では膜43が中空糸膜であるが、膜43は中空糸膜に限られるものではなく、気体を通過させるものであればよい。また、膜43の材質は有機物でも、無機物でもよい。ただし、疎水性であることが望ましい。また、膜43の形状は平板状でもよい。この場合、膜43とリッチ吸収液L(R)との接触時間(滞留時間)を長く確保するために、酸素除去器42は、リッチ吸収液L(R)の熱交換器51側への流出を制限するための流量制御弁等を備えてもよい。
【0053】
上述のように第2空間R2に移動した酸素を含むガスは、
図2の矢印αに示すように、ハウジング本体421に設けられた酸素排出口421aから外部に排出される。本実施の形態では、第2空間R2に移動した酸素を含むガスが、酸素排出口421aに接続された上流排出管45を介して気液分離器44に導入される。
【0054】
気液分離器44は、酸素を含むガスを、酸素ガス凝縮水Woと、気体のままの酸素を含むガスとに分離し、酸素ガス凝縮水Woを下部から排出し、気体のままの酸素を含むガスを上部から下流排出管46を通して排出する。下流排出管46には、酸素を含むガスの二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素センサ48が設けられている。
【0055】
二酸化炭素センサ48が検出した二酸化炭素濃度は制御部100に送られる。本実施の形態における制御部100は、二酸化炭素センサ48が検出する二酸化炭素濃度に基づいて、加圧装置としてのリッチ液ポンプ41を制御し、第1空間R1の圧力と第2空間R2の圧力との差を調節する。なお、減圧装置が用いられる場合には、制御部100は、二酸化炭素センサ48が検出する二酸化炭素濃度に基づいて加圧装置及び/又は減圧装置を制御してもよい。なお、制御部100の例は、プロセッサ、電気回路、コンピュータ等である。
【0056】
酸素除去器42に導入されるリッチ吸収液L(R)の圧力が高すぎると、膜43を透過する酸素を含むガスにリッチ吸収液L(R)の吸収液有効成分や二酸化炭素が多く混入してしまう虞がある。この場合、吸収液有効成分の減少による吸収液の性能低下及び二酸化炭素の回収率の低下が生じ得る。これに対して、本実施の形態では二酸化炭素センサ48が検出する二酸化炭素濃度に基づいてリッチ液ポンプ41を制御し、二酸化炭素センサ48が検出する二酸化炭素濃度が所定値以下になるように第1空間R1の圧力と第2空間R2の圧力との差を、小さくなる側に調節する。これにより、リッチ吸収液L(R)の吸収液有効成分や二酸化炭素が過剰に膜43を透過するのを抑制し、吸収液の性能低下及び二酸化炭素の回収率の低下を抑制できる。
【0057】
また、酸素除去器42から排出されるリッチ吸収液L(R)の圧力が高い場合、再生器61の処理に影響が及ぶ虞がある。これを考慮し、上述の調圧装置52は、酸素除去器42から排出されたリッチ吸収液L(R)の圧力が所定値以下になるように調節する。詳しくは、本実施の形態では、熱交換器51と調圧装置52との間を流れるリッチ吸収液L(R)の圧力を検出する圧力センサ(図示省略)の検出情報が制御部100に送られ、制御部100が調圧装置52を制御する。なお、調圧装置52の配置位置は、酸素除去器42と再生器61との間であれば特に限られるものではない。
【0058】
<動作>
次に、以上に説明した酸性ガス処理システムSの動作を説明する。
【0059】
酸性ガス処理システムSに導入される排ガスG0は、まず、吸収器1に流入する。吸収器1は、排ガスG0と吸収液Lとを接触させ、吸収液Lに二酸化炭素を吸収させる。そして、吸収器1は、酸性ガス含有ガスG0から二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液L(R)と、二酸化炭素を除去された吸収器排出ガスG1と、を排出する(吸収工程)。詳しくは、吸収器排出ガスG1は、二酸化炭素を除去された直後の二酸化炭素除去ガスGmの状態でガス洗浄部3により洗浄され、これにより、吸収器排出ガスG1となり、吸収器1の外部に排出される。
【0060】
一方、二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液(R)は、酸素除去器42に流入する。ここで、酸素除去器42は、リッチ吸収液L(R)を、第1空間R1に通して再生器61側に送りつつ、リッチ吸収液L(R)中の酸素を含むガスを、第1空間R1を通過中のリッチ吸収液L(R)から膜43を通して第2空間R2に移動させる(除去工程)。
【0061】
本実施の形態では、リッチ吸収液L(R)が中空糸膜である膜43の内部である第1空間R1を通過する際、リッチ吸収液L(R)の圧力が上昇し、第1空間R1の圧力が第2空間R2の圧力よりも相対的に大きくなる。これにより、膜43の内部を通過しているリッチ吸収液L(R)中の酸素が、相対的に圧力の小さい第2空間R2に向けて膜43を通過する。その結果、酸素除去器42においてリッチ吸収液L(R)の酸素が除去される。
【0062】
次いで、酸素除去器42から流出したリッチ吸収液L(R)は、熱交換器51で加熱された後、調圧装置52で必要に応じて圧力を調節されて再生器61に流入する。
【0063】
再生器61は、受け入れたリッチ吸収液L(R)から二酸化炭素を放散させ、二酸化炭素を放散したリーン吸収液Lと、二酸化炭素を含む再生器排出ガスG2と、を排出する(再生工程)。そして、再生されたリーン吸収液Lは、吸収器1に送られ、二酸化炭素分離処理のために繰り返し再利用される。
【0064】
一方、再生器排出ガスG2は、冷却器63で冷却水により冷却されることで、水蒸気が凝縮した凝縮水Wと、ガスのままの再生器排出ガスG2とに分離された後、気液分離器65に流入する。気液分離器65は、下部から凝縮水Wを排出して再生器61の上部に供給し、上部から再生器排出ガスG2を排出する。気液分離器65から排出される再生器排出ガスG2は、凝縮水が分離されていることで高純度の二酸化炭素となる。
【0065】
以上に説明した本実施の形態にかかる酸性ガス処理システムSによれば、酸性ガスである二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液L(R)から酸素を除去する際、リッチ吸収液L(R)の有効成分や二酸化炭素等の酸素以外の酸性ガスがリッチ吸収液L(R)から除去されることを抑制できる。
【0066】
詳しくは、本実施の形態では、リッチ吸収液L(R)が中空糸膜である膜43の内部である第1空間R1を通過する際、リッチ吸収液L(R)の圧力が自然と上昇し、第1空間R1の圧力は、第2空間R2の圧力よりも相対的に大きくなる。これにより、膜43の内部を通過しているリッチ吸収液L(R)中の酸素が、相対的に圧力の小さい第2空間R2に向けて膜43を通過する。その結果、酸素除去器42においてリッチ吸収液L(R)の酸素を除去できる。また、この際、リッチ吸収液L(R)は加熱される前であるため、リッチ吸収液L(R)内の二酸化炭素は、吸収液有効成分に吸着(保持)されている。そのため、第1空間R1から第2空間R2への二酸化炭素の移動は抑制される。よって、酸素除去器42において、リッチ吸収液L(R)の有効成分や二酸化炭素等の酸素以外の酸性ガスがリッチ吸収液L(R)から除去されることを抑制できる。
【0067】
とりわけ、酸素除去器42が吸収器1と熱交換器51との間に設けられるため、第1空間R1から第2空間R2への二酸化炭素の移動が効果的に抑制される。
【0068】
また、酸素除去器42は、膜43を利用する簡易な構成でリッチ吸収液L(R)から有効成分や二酸化炭素の脱離を抑制しつつ酸素を除去できるため、新規で導入する場合及び既設の設備に導入する場合のいずれの場合であっても、製造コスト及び製造効率の点で有利である。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
S…酸性ガス処理システム、1…吸収器、2…吸収部、3…ガス洗浄部、11…排ガスライン、12…洗浄液循環ライン、13…リッチ吸収液供給ライン、21…循環ポンプ、41…リッチ液ポンプ、42…酸素除去器、42A…ハウジング、421…ハウジング本体、422…導入部、422a…液入口、423…排出部、423a…液出口、43…膜、44…気液分離器、45…上流排出管、46…下流排出管、48…二酸化炭素センサ、51…熱交換器、52…調圧装置、61…再生器、63…冷却器、65…気液分離器、71…リボイラ、81…冷却器、R1…第1空間、R2…第2空間、L…酸性ガス吸収液(リーン吸収液)、L(R)…二酸化炭素を吸収した酸性ガス吸収液(リッチ吸収液)、CL…洗浄液、G0…排ガス、Gm…二酸化炭素除去ガス、G1…吸収器排出ガス、G2…再生器排出ガス