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特開2022-160892引継ぎシステム、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160892
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】引継ぎシステム、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221013BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065400
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】521147396
【氏名又は名称】児玉 健太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100142158
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 啓
(72)【発明者】
【氏名】児玉 健太朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】利用者の意思に沿うタイミングで被利用者への引継ぎを行う引継ぎシステムを提供する。
【解決手段】利用者とは異なる者である被利用者に登録情報を引継がせるサービスを提供する引継ぎシステムであって、利用者に対する情報を送受信する第1情報端末と、被利用者に対する情報を送受信する第2情報端末と、利用者が、ソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを所定の期間、利用していない場合に第1情報端末に利用者の生存確認を第1の通知とし、第2情報端末に利用者の生存確認を第2の通知として送信する生存確認部と、第2情報端末に対し登録情報がある旨を第3の通知として送信する連携部と、を有し、連携部は、第1情報端末から所定の期間、生存確認部に第1の通知に対する返信がなく、且つ生存確認部に第2の通知に対する利用者の所定の情報の登録がある場合、第3の通知を送信することを特徴とする。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録情報を管理するソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを利用する利用者が設定した内容に従い、前記利用者とは異なる者である被利用者に前記登録情報を引継がせるサービスを提供する引継ぎシステムであって、
前記利用者に対する情報を送受信する第1情報端末と、
前記被利用者に対する情報を送受信する第2情報端末と、
前記利用者が、前記ソフトウェアアプリケーションまたは前記WEBサービスのいずれかを所定の期間、利用していない場合に前記第1情報端末に前記利用者の生存確認を第1の通知とし、前記第2情報端末に前記利用者の生存確認を第2の通知として送信する生存確認部と、
前記第2情報端末に対し前記登録情報がある旨を第3の通知として送信する連携部と、を有し、
前記連携部は、前記第1情報端末から所定の期間、前記生存確認部に前記第1の通知に対する返信がなく、且つ前記生存確認部に前記第2の通知に対する前記利用者の所定の情報の登録がある場合、前記第3の通知を送信することを特徴とする引継ぎシステム。
【請求項2】
前記利用者の前記登録情報を管理する資産管理部をさらに有し、
前記登録情報は、前記利用者の金融機関の口座、ID、パスワードの情報、前記利用者のクレジットカードの情報、遺言書、前記被利用者へのメッセージ、前記利用者の死亡後に実行されるように依頼をしていた情報の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の引継ぎシステム。
【請求項3】
前記第1の通知と前記第2の通知は連動して送信されることを特徴とする請求項1または2に記載の引継ぎシステム。
【請求項4】
前記生存確認部は、前記利用者の指定に基づき前記第1の通知を前記第1情報端末に送信する回数を設定し、
前記第1の通知に対して、所定の期間、前記第1情報端末から前記生存確認部に返信がない場合、前記第1の通知と同様の通知を前記第1情報端末に設定した回数に応じて送信することを特徴とする請求項1または2に記載の引継ぎシステム。
【請求項5】
前記生存確認部は、設定した前記回数における最後の前記第1の通知に対し、前記利用者から所定の期間、前記生存確認部に返信がない場合に、前記第2の通知を前記第2情報端末に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の引継ぎシステム。
【請求項6】
前記生存確認部は、前記所定の情報として前記利用者が死亡したと推定することのできる情報が前記生存確認部に登録された場合、前記利用者の死亡情報を生成し、
前記連携部は、前記死亡情報に基づいて前記第2情報端末に、前記第3の通知を送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の引継ぎシステム。
【請求項7】
前記生存確認部は、前記第1情報端末から前記生存確認部に前記利用者が生存している情報を受信した場合に、前記生存確認部は前記利用者の生存情報を生成し、
前記連携部は、前記生存情報に基づいて前記第2情報端末に前記第3の通知を送信しないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の引継ぎシステム。
【請求項8】
前記生存確認部は、前記第1情報端末から前記利用者が生存している情報を受信ぜず、且つ前記第2情報端末から前記利用者が生存している情報を受信した場合に、前記生存確認部は前記利用者の生存情報を生成し、
前記連携部は、前記生存情報に基づいて前記第2情報端末に前記第3の通知を送信しないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の引継ぎシステム。
【請求項9】
前記第1情報端末から前記ソフトウェアアプリケーションまたは前記WEBサービスのいずれかを介して連携している金融機関を利用した際の出入金及び送金の利用状況を記録及び管理する管理部を有し、
前記管理部は、前記第1情報端末または前記第2情報端末へ前記利用状況の情報を第4の通知として送信することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の引継ぎシステム。
【請求項10】
前記管理部は、前記第1情報端末から閾値を超える出入金または送金があった場合において、前記第4の通知とは異なる第5の通知を前記第1情報端末または前記第2情報端末に送信することを特徴とする請求項9に記載の引継ぎシステム。
【請求項11】
登録情報を管理するソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを利用する利用者が、前記ソフトウェアアプリケーションまたは前記WEBサービスのいずれかを所定の期間、利用していない場合に、前記利用者に対する情報を送受信する第1情報端末に前記利用者の生存確認を第1の通知とし、前記利用者とは異なる被利用者に対する情報を送受信する第2情報端末に前記利用者の生存確認を第2の通知として送信する生存確認部と、
前記第2情報端末に対し前記登録情報がある旨を第3の通知として送信する連携部と、を有し、
前記連携部は、前記第1情報端末から所定の期間、前記生存確認部に前記第1の通知に対する返信がなく、且つ前記生存確認部に前記第2の通知に対する前記利用者の所定の情報の登録がある場合、前記第3の通知を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の引継ぎシステムとして、1または複数の情報処理装置を機能させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引継ぎシステム、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の発展に伴い、様々な分野において紙媒体が減少している。紙媒体の現象に伴い、例えば金融機関等でも紙の通帳を発行せず、預金の管理等はインターネット上や金融機関等が提供するソフトウェアアプリケーションによって管理される。さらに通帳に限らず、実際の店舗を持たないインターネットバンキング(インターネット専業銀行)が近年増えてきており、今後も増加していくと考えられる。
【0003】
一方、紙媒体が減少傾向にあるとはいえ、完全に紙媒体を無くしている分野は少なく、契約書、遺言書、遺産相続等の例えば一般承継における書類等は紙媒体で利用されることが多い。
【0004】
ここで、例えば遺産相続する際に、死亡した本人の身辺整理を実施することで、紙媒体の通帳や証券会社の申込書が初めて見つかることがある。また、遺書を確認した際に遺書に本人のみ知り得ていた情報、例えば銀行または証券会社等における口座の情報が確認されることもある。しかし、これらの情報が電子データ等で保管またはWEBサービスやソフトウェアアプリケーションによって管理されていて、例えば遺書や遺族へのメッセージにもその旨が記載されていなかった場合、遺族がその情報を知り得ることは難しい。このため、急に死亡した場合や遺書等を用意できない状態で死亡した場合に遺族がその情報を初めて知るまたは死亡した後も知り得ないという事態が起こり得る。
【0005】
これは、スマートフォンやPC(パーソナルコンピュータ)等の情報端末においても同様である。例えば、情報端末に上記した各種情報が保存されていたとしても、どこに保存しているか分からないことが考えられる。またはソフトウェアアプリケーションやWEBサービスへのログイン方法が分からない、若しくは、情報端末の起動に情報端末へのログインパスワードが分からず、情報端末の操作自体ができないこともある。さらに、サブスクリプションサービスへ登録していた場合には、死亡した後も解約するまで自動的に一定の金額が口座等から引き落とされてしまい、遺族が受け継ぐはずであった故人の資産が不当に減少してしまう場合も考えられる。
【0006】
したがって、残された遺族や例えば指定した受取人等への上記情報の引継ぎをすることは重要である。特許文献1では、生存確認通信を繰り返し行い、最終的な生存確認通信で返答がない場合、死亡したとみなして、当該預託人から予め預託された預託物を、当該預託人から予め指定された受取人に渡すことで遺族が故人の情報を知り得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-279203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によると、生存確認通知を繰り返し行うが、最終の確認通知に対し、生存確認通知の受取人からの返信がない場合、預託物を予め指定された受取人に渡すことになっている。しかしながら、生存通知の受取人(サービスの利用者)のみの行動によって受取人が死亡したか(死亡とみなす)否かを判定しており、仮に受取人が生存していた場合であっても、預託物を予め指定された受取人(サービスの被利用者)に渡すことになりかねない。このため、渡すタイミングではない状況で預託物を渡してしまうある恐れがある。
【0009】
そこで本発明は、利用者の意思に沿うタイミングで被利用者への引継ぎを行う引継ぎシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての引継ぎシステムは、登録情報を管理するソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを利用する利用者が設定した内容に従い、利用者とは異なる者である被利用者に登録情報を引継がせるサービスを提供する引継ぎシステムであって、利用者に対する情報を送受信する第1情報端末と、被利用者に対する情報を送受信する第2情報端末と、利用者が、ソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを所定の期間、利用していない場合に第1情報端末に利用者の生存確認を第1の通知とし、第2情報端末に利用者の生存確認を第2の通知として送信する生存確認部と、第2情報端末に対し登録情報がある旨を第3の通知として送信する連携部と、を有し、連携部は、第1情報端末から所定の期間、生存確認部に第1の通知に対する返信がなく、且つ生存確認部に第2の通知に対する利用者の所定の情報の登録がある場合、第3の通知を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者の意思に沿うタイミングで被利用者への引継ぎを行う引継ぎシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る引継ぎシステム構成図の一例を示す図である。
図2】実施例1に係る情報管理サーバ及び各ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】実施例1に係る引継ぎシステムの処理の一例を示したフローチャートである。
図4】実施例1に係る基本情報の登録後のデータテーブルを例示している図である。
図5】実施例1に係る金融機関情報の登録後のデータテーブルを例示している図である。
図6】実施例1に係る付随サービス情報の登録後のデータテーブルを例示している図である。
図7】実施例1に係る利用者のユーザ端末に通知されるメッセージの一例の図である。
図8】実施例1に係る被利用者のユーザ端末に通知されるメッセージの一例の図である。
図9】実施例1に係る利用者が死亡したと推定された場合に、被利用者のユーザ端末に送信されるメッセージの一例の図である。
図10】実施例2に係る引継ぎシステムにおける処理の一例を示したフローチャートである。
図11】実施例2に係る利用者から複数回応答が無かった場合に被利用者のユーザ端末に通知されるメッセージの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例や図を用いて説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
【0014】
<実施例1>
以下、実施例1における引継ぎシステム1について図1及び図2を参照して説明する。図1は、実施例1における引継ぎサービスを実現するための引継ぎシステム1の全体構成図の一例である。実施例1の引継ぎシステム1が提供する引継ぎサービスは、引継ぎサービスのログインに必要なアカウントまたは/及びパスワード等を管理するアカウント管理サービスを含みうる。また、各種の金融機関等の口座情報、クレジットカード情報等を管理するアカウント情報サービスを含みうる。また、引継ぎサービスを利用するユーザ(以下、利用者)及びユーザが設定した被アカウント連携者(以下、被利用者)に対し生存確認を実施の結果、ユーザの死亡が推定された場合には、被利用者に対し利用者が引継ぎサービス上で登録していた登録情報がある旨を通知する資産連携サービスを含みうる。これにより、被利用者は利用者が予め登録していた登録情報を取得する(登録情報を引継ぐ)ことができる。また、資産連携サービスは、登録情報の引継ぎに加え、引継ぎが実施されるまで登録情報を管理しうる。また、引継ぎサービスは、利用者が引継ぎサービスを介して、各種金融機関等の情報を登録し、登録した各種金融機関等における利用者の資産を管理する資産管理サービスを含みうる。実施例1における引継ぎサービスはソフトウェアアプリケーション(以下、アプリケーション)もしくはWebサービスによって提供される。なお、実施例1では、引継ぎサービスは資産管理サービスを含むものとして説明するが、これに限らず引継ぎサービスと資産管理サービスは異なるサービスとして構成されていてもよい。
【0015】
実施例1の引継ぎシステム1はネットワーク80を介して、情報管理サーバ10、ユーザ端末(第1情報端末)20、ユーザ端末(第2情報端末)30、外部サーバ40、外部サーバ50、外部サーバ60、外部サーバ70により構成されうる。
【0016】
図2は、情報管理サーバ10とユーザ端末20とユーザ端末30とのハードウェア構成の一例を示した図である。情報管理サーバ10は、利用者が登録した金融機関等における情報であったり、引継ぎサービスのログインに必要なアカウントまたは/及びパスワード等の情報を保持及び管理する。さらに、利用者の情報端末であるユーザ端末20、被利用者の情報端末であるユーザ端末30、または外部サーバ40、50、60、70と相互に通信を行い、それぞれと各種情報の交換等を行う情報処理装置である。情報管理サーバ10は、少なくとも処理部101、記憶部102、ストレージ103、入力装置104、表示装置105、通信部106、バス107とを含みうる。
【0017】
処理部101は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などを含み、回線を介して情報管理サーバ10の各部と接続される。処理部101は、記憶部102のプログラムに従って、情報管理サーバ10の各部を統括的に制御する。また、処理部101は、データサーバ110や、ユーザ端末20、ユーザ端末30、各種外部装置に対し、制御信号(制御指令)を送信する機能を持つ。実施例1における処理部101は、管理部(資産管理部)101a、使用状況確認部101b、生存確認部101c、連携部(死亡情報連携部)101dとを含みうる。
【0018】
管理部101aは、引継ぎシステム1における引継ぎサービス利用者が登録した金融機関等における情報であったり、引継ぎサービスのログインに必要なアカウントまたは/及びパスワード等のログイン情報を保持及び管理をする。管理部101aは、利用者が被利用者に引き継がせる登録情報を保持及び管理する。また後述するが、管理部101aは、ユーザ端末20から引継ぎサービスを提供するソフトウェアアプリケーションまたはWEBサービスのいずれかを介して連携している金融機関を利用した際の出入金及び送金等の処理(利用)状況を記録及び管理する。
【0019】
使用状況確認部101bは、利用者が引継ぎサービス上で登録した金融機関等を引継ぎサービスを介して利用した場合、ログイン情報や金融機関における資金移動等の利用情報を逐次保持(保存)しこれらを管理する。なお、利用情報は随時更新され、これにより利用者はユーザ端末20の表示装置207を介して最新の情報を確認することができる。
【0020】
生存確認部101cは、利用者が所定の期間、引継ぎサービスを利用していない場合に、利用者と被利用者に後述する生存確認の通知を送信する。生存確認部101cは、利用者または被利用者から生存確認の登録や返信(返答)があった場合に、利用者が現在生存している情報(生存情報)を出力する。さらに、生存確認部101cは、利用者からの生存確認の通知に対する返信がなく、且つ後述する被利用者から所定の情報である利用者の死亡を証明することのできる情報が登録され場合、利用者が死亡したと推定する根拠情報を出力する。その後、所定の処理を行った後に利用者が死亡したと推定し、利用者の死亡情報を出力(生成)する。即ち、生存確認部101cは生存確認の通知に対して利用者または被利用者から返信や、被利用者が登録する利用者の死亡を証明することのできる情報に基づいて、利用者が死亡しているか否かを推定する。
【0021】
連携部101dは、利用者の死亡情報に基づいて、後述するユーザ端末30や各外部サーバ等に所定の通知をする。
【0022】
記憶部102は、PC等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ12は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ103は、例えば、PC等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。ストレージ103は、例えば、CD-ROM(Compact Disc Rom)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、スマートカード、フラッシュメモリ(カード、スティック、キードライブ等)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。さらに、これらを適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。ストレージ103は、例えば、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上記の記憶媒体は、例えば、記憶部102及びストレージ103の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。ストレージ103には、各種処理に必要な各種プログラムやデータ等が記憶されうる。ストレージ103に記憶されているプログラムを処理部101が実行することにより、プログラムで規定される各種の処理を行う手段として機能する。
【0024】
入力装置104は、情報管理サーバ10に対する各種の操作入力を受け付ける入力インターフェースである。入力装置104は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、若しくはその他のポインティングデバイス、若しくは、音声入力装置、又はこれらの適宜の組み合わせであってよい。
【0025】
表示装置105は、各種の情報が表示される出力インターフェースである。表示装置105は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、若しくは、プロジェクタ、又はこれらの適宜の組み合わせであってよい。
【0026】
通信部106は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ等の外部装置間の通信を行う。通信部106は、例えば、実施例1ではデータサーバ110、ユーザ端末20、ユーザ端末30等とネットワーク80を介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信部106は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信部106は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体を介して情報のやり取りを行うインターフェースでもある。
【0027】
データサーバ110は、引継ぎサービスの利用者が登録した種々の情報を記憶及び管理するデータサーバである。データサーバ110に保存される情報として、例えば、利用者の銀行口座、証券口座、仮想通貨口座、信用金庫または信用組合の口座、クレジットカード情報等金融機関等における各種情報である。さらに、例えば遺言書、メッセージ、他のサービスにおけるパスワード情報、利用者が登録した種々の連絡先等の情報を保存しうる。ここで、利用者が登録した種々の連絡先としては、例えば、各種金融機関の連絡先、葬儀社の連絡先、サブスクリプション等の定額サービスを展開する企業の連絡先、種々の代行サービスを展開する企業への連絡先等が挙げられる。しかしこれに限らず、利用者は自由に連絡先の登録を行える。なお、データサーバ110と、記憶部102とは同一の装置としてもよい。
【0028】
なお、引継ぎシステム1は、情報管理サーバ10とデータサーバ110とで、利用者が登録した上記の各種情報の管理や登録した金融機関等の利用状況等を管理する資産管理サービスを提供する資産管理システムとしても機能する。
【0029】
ユーザ端末20は、例えば、PC、タブレット型の情報端末、スマートフォン又は携帯電話等の情報端末によって構成されうる。ユーザ端末20は、引継ぎサービスに登録した利用者が所持または管理する情報端末である。また、ユーザ端末20は、利用者に対する情報を送受信する情報端末である。
【0030】
ユーザ端末20は、CPU201、記憶部(メモリ)202、ストレージ203、通信部204、入力装置205、出力装置206、表示装置207を備えうる。CPU201は、記憶部202やストレージ203に記憶されたプログラムを読み出し、各種の処理を実行する。
【0031】
記憶部202は、PC等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAMなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリなどと呼ばれてもよい。メモリ12は、実施例1に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0032】
ストレージ203は、例えば、PC等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。ストレージ103は、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。さらに、これらを適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。上記の記憶媒体は、例えば、記憶部202及びストレージ203の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。ストレージ203には、各種処理に必要な各種プログラムやデータ等が記憶されうる。ストレージ203に記憶されているプログラムをCPU301が実行することにより、プログラムで規定される各種の処理を行う手段として機能する。
【0033】
通信部204は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ等の外部装置間の通信を行う。通信部204は例えば、実施例1ではデータサーバ110、通信部106、ユーザ端末30等とネットワーク80を介して通信のを行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信部204は、USBメモリ等の記憶媒体を介して情報のやり取りを行うインターフェースでもある。
【0034】
入力装置205は、ユーザ端末20またはユーザ端末30に対する各種の操作入力を受け付ける入力インターフェースである。入力装置306は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、若しくはその他のポインティングデバイス、若しくは、音声入力装置、又はこれらの適宜の組み合わせであってよい。
【0035】
出力装置206は、外部への出力を実施する出力デバイスであり、例えば、スピーカー、LEDランプなどである。なお、入力装置205及び出力装置206は、一体となった構成、例えばタッチパネルであってもよい。
【0036】
表示装置207は、各種の情報が表示される出力インターフェースである。表示装置207は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、若しくは、プロジェクタ、又はこれらの適宜の組み合わせであってよい。
【0037】
ユーザ端末30は、例えば、PC、タブレット型の情報端末、スマートフォン又は携帯電話等の情報端末によって構成されうる。ユーザ端末30は、被利用者が所持または管理する情報端末である。また、ユーザ端末30は被利用者に対する情報を送受信する情報端末である。なお、実施例1においてはユーザ端末30のハードウェア構成は、ユーザ端末20と同様であるため説明を省略する。
【0038】
外部サーバ40は、金融機関等におけるサーバ装置であって、例えば、銀行、証券会社、仮想通貨取引所等のサーバ装置である。外部サーバ50は、葬儀社等の葬儀サービスを提供する業者におけるサーバ装置である。外部サーバ60は、サブスクリプション等の定額サービス(定期支払系サービス)を提供する業者のサーバ装置である。外部サーバ70は、種々の依頼を代行する業者のサーバ装置である。
【0039】
図3は、実施例1における引継ぎシステム1の処理の一例を示したフローチャートである。図3を参照して以下に説明する。
【0040】
まず、ステップS101では、利用者は、引継ぎシステム1が提供する引継ぎサービスへの登録を行う。引継ぎサービスへの登録は、ユーザ端末20からアプリケーションまたはWebサービスを介して利用者が各種情報を入力することで登録することができる。アプリケーションを利用する場合、引継ぎサービス専用のアプリケーションをユーザ端末20にインストールした後に、利用者が各種情報を入力し登録をする。以下に、図4を参照して、実施例1における引継ぎサービスへの登録について詳細に説明する。図4は、利用者が登録する基本情報のデータテーブルを例示した図である。
【0041】
まず、利用者は表示装置207上に表示される入力項目欄に対し、案内に従って基本情報を入力する。基本情報としては、図4に例示しているように氏名、住所(郵便番号含む)、電話番号、及びメールアドレス等の利用者へ連絡可能な連絡先の情報である。
【0042】
ここで、利用者に連絡可能な連絡先の情報としてメールアドレス以外に、SNS、インスタントメッセンジャー、チャットサービス、コミュニケーションツール等における連絡先がある。なお、利用者に連絡することが可能なツールであれば登録する情報は上記した各種連絡先に限らず、上記した各種連絡先の情報に類する若しくは同様の機能を有するアプリケーションやツール、サービス等における連絡先であってもかまわない。また、基本情報以外にも、任意情報として例えば、利用者のプロフィール、来歴、勤務先の情報等を入力できるようにしてもよい。そして、入力された基本情報や任意情報はデータサーバ110または記憶部102に保存される。UIDは、ユーザIDであり、登録した利用者毎に割り振られるユーザ毎の管理番号である。
【0043】
次に、基本情報等を入力後、金融機関における例えば、利用者の銀行口座、証券口座、仮想通貨の口座、及び信用金庫又は信用組合の口座の情報やクレジットカード等の情報であったり、これらのID、アカウント情報、パスワード等の各種情報を登録する。これらの各種情報は以下、総称して金融機関情報と呼ぶ。登録された金融機関情報は、データサーバ110または記憶部102に保存される。なお、ここで入力した金融機関情報を後述する被利用者へ引継がせる(連携させる)登録情報としてもよいし、被利用者へ引継がせる登録情報を別途入力して登録するようにしてもよい。
【0044】
なお、図4に例示している資産連携フラグは、利用者が死亡したと推定された後に被利用者に対し利用者が登録していた登録情報が連携されたか否かを数値で示している。実施例1では、登録情報を利用者が取得した場合には「1」と表示され、取得していない場合には「0」と表示される。さらに、図4には図示していないが、登録した金融機関情報の数や種類を管理する項目を増やしてもよい。例えば、1つ以上の金融機関情報を登録している場合は、「1」と表示し、3つの金融機関情報を登録している場合は「3」と表示し、金融機関情報を登録していない場合は「0」と表示する。なお、金融機関情報を登録している場合には「1」と表示し、登録していない場合には「0」と表示させるようにしてもよい。
【0045】
実施例1における引継ぎサービスと各金融機関はAPI(Application Programming Interface)連携されている。したがって、利用者は、登録後に引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスを介して、各金融機関等のアプリケーションやWebサービスにアクセスすることができる。また、上記したように引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスを介して各金融機関等にアクセスすることで、例えば資金の出入金や振り込み、資金移動等が可能となる。そしてこれらの利用状況(利用情報)やログイン記録等は使用状況確認部101bが逐次保存する。保存は、データサーバ110または記憶部102に保存する。利用者は引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスにログイン後、表示装置207上で上記保存された各種情報を確認することができる。
【0046】
基本情報や金融機関情報等を入力後または引継ぎサービスへの登録が完了した後は、図4に示しているようなデータテーブルで管理部101aによって、利用者毎に管理される。また、入力された基本情報及び金融機関情報は登録後も修正(再入力)することができる。
【0047】
なお、図4に例示しているデータテーブルは引続きサービスの提供者側の表示装置105に表示される画面である。しかし、利用者が引継ぎサービス登録後に、表示変更等の所定の操作をすることで、図4に例示しているようなデータテーブルをユーザ端末20の表示装置207に表示できるようにしてもよい。なお、表示されるのは利用者の情報に限られ、他のユーザ(他の利用者)の情報はユーザ端末20の表示装置207には表示されない。
【0048】
図5は、利用者が登録した金融機関情報のデータテーブルを例示した図である。なお、図5に例示しているデータテーブルは引続きサービスの提供者側の表示装置105に表示される。金融サービス名は、登録した金融機関情報における各金融機関の名称である。図4では、銀行、証券会社、仮想通貨取引所、保険会社の名称を記載しているが一例として記載しているものであって、これに限らない。利用開始日は、登録した金融機関情報における各金融機関等の利用開始日と時間である。実施例1における利用開始日は、引継ぎサービスを介して金融機関等にアクセスした日を利用開始日としている。しかし、これに限らず、例えば、利用者が引継ぎサービス開始前に初めに利用した日や口座開設日等の情報を追加で入力できるようにしてもよい。その場合、図5に例示しているデータテーブルの利用開始日の欄には当該入力した情報を表示させるようにしてもよく、これらを切り替えて表示できるようにしてもよい。
【0049】
利用終了日は、登録した金融機関情報における金融機関等の利用を終了する日である。利用終了日は、利用者が入力をする必要がある。入力は前述した金融機関情報を入力する際に同時に入力をする。なお、図5では利用開始日及び利用終了日は西暦の入力としているが、和暦の入力としてもよく、これらを切り替えて表示できるようにしてもよい。
【0050】
また、図5では、利用終了日が9999/12/31 23:59と、極端な桁数で表記されているものがある。これは、利用終了日の入力時に利用終了日を入力しなかった場合になされるものであり、利用終了日が確定していないことを一例として示している。利用中フラグは、現在の年号及び日付に対し、利用終了日を超過しているか否かを示している。実施例1の場合、現在の年号及び日付に対し利用終了日を超過していない場合は「1」と表記し、現在の年号及び日付に対し利用終了日を超過している場合は「0」になるように、使用状況確認部101bによって管理される。なお、図4のデータテーブルと同様に、利用者が表示変更等の所定の操作をすることで、図5に例示しているようなデータテーブルをユーザ端末20の表示装置207に表示できるようにしてもよい。また、上記と同様に、表示されるのは利用者の情報に限られ、他のユーザの情報はユーザ端末20の表示装置207には表示されない。
【0051】
図6は、引継ぎサービスにおける付随サービス情報の登録後のデータテーブルを例示している図である。なお、図6に例示しているデータテーブルは引続きサービスの提供者側の表示装置105に表示される画面である。利用者は、被利用者への伝言やメッセージ、代行サービスの情報、葬儀社等の情報(例えば、電話番号や担当者の情報、メールアドレス等の情報、住所等)を所定の入力画面で入力することで登録を行う。なお、付随サービスの登録は上記したものに限らず、遺言書やその他の書類等を登録してもよい。登録に際し、入力した項目が引継ぎサービスに登録されている項目であれば、その項目が表示され、登録されていない項目であれば例えばその他の欄に表示される。実施例1の場合、上記の情報を登録した場合は「1」を表記し、登録していない場合は「0」と表記している。
【0052】
図4または図5のデータテーブルと同様に、利用者が表示変更等の所定の操作をすることで、図6に例示しているようなデータテーブルをユーザ端末20の表示装置207に表示できるようにしてもよい。また、上記と同様に、表示されるのは利用者の情報に限られ、他のユーザの情報はユーザ端末20の表示装置207には表示されない。なお、図4図6で例示したデータテーブルはそれぞれ別のデータテーブルであるが、ユーザIDによって関連付けが行われ、それぞれ管理される。ユーザ端末20から、内容変更があった場合には、変更があったデータテーブルにおける表記等が変更され、変更されたデータテーブル及び関連付けられたそれぞれのデータテーブルも更新される。
【0053】
また、利用者は基本情報等の情報、金融機関情報、付随サービス情報の入力に加え、指定期間の入力をして登録を行う。指定期間は、所定の期間引継ぎサービスを利用していない場合に利用者に所定の通知を送信するまでの期間である。ここでいう当該所定の期間とは、利用者がユーザ端末20から引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスにアクセスまたはログインのいずれかについてされた日を起点とした期間である。さらに、上記の通知を送信する回数Kを入力して登録をする。
【0054】
上記の通知は、利用者への生存確認通知である。指定期間は利用者が任意に設定可能であり、例えば、数日や数か月の単位での設定が可能である。ユーザ端末20に通知される時間も設定することができる。なお、初期設定として例えば、2週間や1か月に設定されていてもよい。回数Kは、生存確認通知が送信された後に所定の期間、ユーザ端末20から利用者が生存している情報の登録が無かった場合に、再度同様の通知をユーザ端末20に送信する回数である。回数Kは、例えば3回や4回等、少なくとも2回以上の数を設定する。なお初期設定として、2回や3回などに設定されていてもよい。また、まったく同じ内容の通知を送信してもよいが、通知回数に合わせて通知内のメッセージを変化させてもよい。
【0055】
次に、被利用者の情報を登録する。実施例1では被利用者は1人と説明するが、これに限らず、複数の被利用者の情報を登録するようにしてもよい。被利用者の情報としては、被利用者の連絡先及び名前の情報を基本情報として入力し、登録する。その他、例えば電話番号や住所等の情報は任意の入力情報とする。ここで、被利用者の連絡先の情報として、メールアドレス、SNS(social networking service)、インスタントメッセンジャー、チャットサービス、コミュニケーションツール等における連絡先の少なくともいずれか1つは登録する必要がある。なお、被利用者に連絡することが可能なツールであれば登録する情報は上記したものに限らず、上記した各種連絡先の情報に類する若しくは同様の機能を有するアプリケーションやツール、サービス等の連絡先であってもかまわない。また、引継ぎサービスに被利用者を登録した後は、登録した利用者に被利用者が関連付けて管理される。
【0056】
次に、利用者が死亡したと推定された場合に被利用者に渡す(引き継ぐ)ための登録情報を登録する。登録情報は、上記した金融機関情報や付随サービス情報を登録するが、これらの情報にさらに他の情報を加えてもよい。さらに、金融機関情報や付随サービス以外の情報のみを登録してもかまわない。登録情報の登録が完了したら、引継ぎサービスの登録が完了する。なお、引継ぎサービスへ登録した際に、管理部101aから登録完了のメッセージを含む通知をユーザ端末20に送信するようにしてもよい。さらに、管理部101aから引継ぎサービスへ登録した際に、被利用者にも利用者が引継ぎサービスへの登録をした旨及び被利用者に登録された旨のメッセージを含んだ通知をユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
【0057】
図3に戻り、次に、ステップS102では、利用者が登録時に設定した指定期間内に引継ぎサービスを利用したか否かを生存確認部101cによって判定する。即ち、利用者が前回の利用日から換算して指定期間内に引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスにユーザ端末20からアクセスまたはログインのいずれかについてされたか否かを判定する。
【0058】
判定の結果、指定期間内に引継ぎサービスを利用していなかった場合は、ステップS103に進む。指定期間内に引継ぎサービスを利用していた場合は、処理を終了する。なお、生存確認部101cが行う判定は、引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスを介して金融機関等にアクセスやログインしたか否かで判定するようにしてもよい。または、引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスを介して金融機関等におけるいずれかのサービスを利用したか否かで判定するようにしてもよい。
【0059】
図3に戻り、次に、ステップS103にでは、生存確認部101cは、ユーザ端末20に対して所定の通知として利用者の生存確認通知(第1の通知)を送信する。さらに、ユーザ端末30に対し所定の通知として利用者の生存確認通知(第2の通知)を送信する。なお、ユーザ端末20とユーザ端末30への生存確認通知は連動して送信する。ここでいう連動して送信とは、ユーザ端末20に生存確認通知を送信した際に、ユーザ端末30にもユーザ端末20に送信した生存確認通知を送信することである。また、連動して送信する際に、処理上ではユーザ端末20に送信してからユーザ端末30に送信するようにしているが、逆であってもよく、同じタイミングでユーザ端末20及びユーザ端末30に送信してもよい。さらに、一方に送信してからもう一方へは一定のタイムラグを発生させて送信するようにしてもよい。連動して送信させる場合の設定に関しては、利用者が事前に送信条件を入力し、登録しておく。
【0060】
以下、ユーザ端末20への生存確認通知について図7を参照して説明する。図7は、利用者が設定した指定期間を経過した後にユーザ端末20に送信される生存確認通知のメッセージの一例である。図7(A)は、ユーザ端末20のメールアドレスに送信される生存確認通知のメッセージの一例である。図7(B)は、ユーザ端末20で設定または登録しているSNSやインスタントメッセンジャー等に送信される生存確認通知のメッセージの一例である。
【0061】
例えば、図7(A)に例示しているように、ユーザ端末20のメールアドレスに送信された場合は、メッセージ中のURLから生存確認情報の入力ページにアクセスすることができる。この生存確認情報のページにアクセスした後、案内に応じ所定の入力をすることで利用者が現在生存している情報(生存情報)を登録できる。そして、登録することで、生存情報を生存確認部101cに送信(返信)することができる。これにより、生存確認部101cは生存情報を受信したとみなし、生存情報を出力(生成)する。また、図7(B)に例示しているように、SNSやインスタントメッセンジャー等に送信された場合は、メッセージに続き、表示装置207上に表示されるボタンをクリックすることで生存情報を生存確認部101cに送信(返信)することができる。生存確認部101cは、送信された生存情報を受信することで、利用者が現在生存している情報が登録され、生存情報が出力される。
【0062】
また、ユーザ端末20への生存確認通知は、登録した利用者の連絡先のいずれか1つに送信されればよいが、利用者が登録した複数の連絡先に優先度を設定して生存確認通知を送信するようにしてもよい。例えば、登録した連絡先がSNS、メールアドレス、及びインスタントメッセンジャーの3つの場合を想定する。この場合、一例としてインスタントメッセンジャーの優先度を1番、SNSを2番、メールアドレスを3番のようにそれぞれ優先度を設定する。優先度の設定は、引継ぎサービス登録時に設定することができる。優先度を設定した場合、優先度が1番の連絡先から順に生存確認通知を送信する。なお、優先度を2番と設定した連絡先に生存確認通知を送信する際は、所定の期間、ユーザ端末20から生存情報の登録や送信が無かった場合に送信する。当該所定の期間については、優先度を設定の際にこちらも設定する。この作業はユーザ端末20から生存情報の登録や送信されるまで繰り返される。なお、利用者が登録したすべての連絡先から生存情報の登録や送信が無かった場合には、さらに当該所定の期間経過後に、引継ぎサービス登録の際に入力した利用者の住所に生存確認の旨であることを記載した文書または封書等の通知を送付するようにしてもよい。
【0063】
また、当該所定の期間を設定せず、一定のタイムラグを発生させて優先度順位に送信するようにしてもよい。当該タイムラグについても、引継ぎサービス登録時に設定することができる。また、利用者の連絡先にそれぞれ優先度を設けずに登録した連絡先のすべてに送信するようにしてもよい。その場合、いずれか1つの通知から生存情報を登録または送信することで、生存情報を出力するようにしてもよい。また、すべての通知から生存情報を登録または送信することで、生存確認部101cは生存情報を出力するようにしてもよい。
【0064】
図8は、ユーザ端末30に送信される生存確認通知のメッセージの一例である。図8(A)は、ユーザ端末30のメールアドレスに送信される生存確認通知のメッセージの一例である。図8(B)は、ユーザ端末30で設定または登録しているSNSやインスタントメッセンジャー等に送信される生存確認通知のメッセージの一例である。
【0065】
例えば、図8(A)に例示しているように、メールアドレスに送信された場合は、メッセージ中のURLから生存確認情報の入力ページにアクセスすることができる。この生存確認情報のページにアクセスした後、案内に応じ所定の入力をする。この際、生存情報または所定の情報として利用者が死亡している情報を登録することで、利用者の現在の状況を生存確認部101cに送信することができる。生存情報が登録された場合、生存確認部101cは生存情報を受信したとみなし、生存情報を出力(生成)する。また、図8(B)に例示しているように、SNSやインスタントメッセンジャー等に送信された場合は、メッセージに続き、表示装置207上に表示されるボタンをクリックすることで生存情報を生存確認部101cに送信(返信)することができる。生存確認部101cは、送信された生存情報を受信することで、生存情報が登録され、生存情報が出力される。
【0066】
また、ユーザ端末30への生存確認通知は、登録した被利用者の連絡先のいずれかに送信されればよいが、利用者が登録した被利用者の連絡先に優先度を設定して生存確認通知を送信するようにしてもよい。この被利用者の連絡先へ優先度を設定した生存確認通知については、上記した利用者の連絡先に優先度を設定して生存確認通知を送信する処理と同様である。また、ユーザ端末20への生存確認通知を送信する際には登録した利用者の連絡先に優先度を設定し、ユーザ端末30への利用者の生存確認通知の送信する際には被利用者の連絡先に優先度を設定しないで送信してもよいし、その逆であってもかまわない。優先度を設定しない場合には、例えば、登録した利用者または被利用者の連絡先の登録順に生存確認情報の通知を送信するようにしてもよい。
【0067】
さらに、例えば、被利用者を2人以上設定しておき、設定したそれぞれのユーザ端末30に生存確認通知を送信してもよい。その場合、同時に送信してもよいが、被利用者にも優先度を設定して生存確認通知をそれぞれに送信してもよいし、利用者及びそれぞれの被利用者の連絡先にもそれぞれ優先を設定して送信するようにしてもよい。
【0068】
ここで利用者が死亡している情報の登録について以下に説明する。利用者が死亡している情報の登録は、図8(A)や図8(B)に例示しているようなメッセージ中のURLから生存確認情報の入力ページにアクセスをし、案内に応じ所定の操作をして利用者が死亡している情報を登録する。
【0069】
ここで利用者が死亡している情報とは、利用者の死亡を証明することのできる情報である。例えば、戸籍又は除籍の全部事項証明書(戸籍謄本)、個人事項証明書(戸籍抄本)、医師が証明した死亡診断書、死体火葬許可証又は死体火葬許可発行済証明書、死亡届書記載事項証明書、死亡の記載がある住民票の写し、またはこれらの控え等である。なお、上記した情報以外にも、例えば、医師による脳死判定の診断書や失踪宣告の審判書及び確定証明書、またはこれらの控え等、利用者が死亡したとみなされるまたは推定されるような情報であってもよい。
【0070】
なお、利用者が死亡している情報の登録はユーザ端末30からのみ登録可能に設定され、ユーザ端末20からは登録不可に設定される。ユーザ端末20から登録不可としているのは、利用者以外の第三者が利用者になりすまして不当に死亡と推定させることを防止するためである。利用者が死亡している情報を登録とは、上記した利用者の死亡を証明することのできるいずれかの情報の電子データ(電磁的記録)を生存確認情報の入力ページからアップロードすることにより登録される。電子データの拡張子は特に限定はせず、いずれのデータ形式であってもよい。また、紙媒体の死亡を証明できる情報をスキャナ等を使用して電子データに変換したものをアップロードしてもよく、死亡を証明できる情報をカメラ等の撮像装置で撮像した撮像データをアップロードしてもよい。これにより、生存確認部101cは、利用者が死亡したと推定する根拠情報を出力する。なお、この時点では生存確認部101cにより利用者の死亡は推定されない。
【0071】
また、利用者の死亡を証明できる紙媒体の情報を引継サービスを提供する管理者へ送付することも可能である。その際は、生存確認情報の入力ページから、紙媒体での送付を希望する項目にチェックをし、これを登録する。登録後、生存確認部101cより、登録完了の通知が送信され、当該通知を受信後、引継ぎサービスを提供する管理者に利用者の死亡を証明できる紙媒体の情報を送付する。送付された当該情報が適切な情報であった場合には、引継ぎサービスを提供する管理者側で利用者が死亡している情報を登録する。利用者が死亡している情報が登録されたら、利用者が死亡したと推定する根拠情報が出力される。送付された情報が適切でなかった場合には、被利用者のいずれかの連絡先に、送付された情報が利用者の死亡を証明できる情報でない旨のメッセージを付した利用者の生存確認通知を再度送信する。
【0072】
図3に戻り、次に、ステップS104では、生存確認部101cはAを1として出力する。次に、ステップS105では、生存確認部101cは、Aの数値と、ステップS101のステップで登録した回数Kの数値とを比較する。比較の結果、Aの数値がKの数値より多い場合には、ステップS108に進む。Aの数値がKの数値より少ないまたは同数の場合には、ステップS106に進む。
【0073】
次に、ステップS106では、ユーザ端末20から指定期間内に生存確認部101cによって生存情報が出力されたか否かを判定する。指定期間内に生存情報が出力されていた場合には、処理を終了する。指定期間内に生存情報が出力されていなかった場合にはステップS107に進む。次に、ステップS107では、現時点のAの数値に1を加算し、新たなAの数値を出力する。Aの数値はこの手順が繰り替えされることにより、1が加算されていく。
【0074】
次に、ステップS108では、生存確認部101cは、ユーザ端末30から利用者が死亡している情報が登録されたことにより利用者が死亡したと推定する根拠情報が生存確認部101cより出力されたか否かを判定する。ユーザ端末30から利用者の利用者が死亡している情報が登録されたことにより利用者が死亡したと推定する根拠情報が生存確認部101cより出力された場合には、生存確認部101cは、利用者が死亡したと推定する。これにより利用者の死亡情報を出力(生成)する。死亡情報は記憶部102またはデータサーバ110に保存される。その後、ステップS109に進む。ユーザ端末30から利用者が現在生存している情報が登録されたことにより生存情報が生存確認部101cより出力された場合には、処理を終了する。
【0075】
また、ユーザ端末30から利用者が現在生存している登録されたことにより生存情報が生存確認部101cより出力されたら、Aの数値がKの数値より多い場合であっても処理を終了する。その場合は、利用者へ被利用者が生存情報の登録をした旨の新たな通知を送信するようにしてもよい。
【0076】
次に、ステップS109では、連携部101dは記憶部102またはデータサーバ110より保存された利用者の死亡情報を読み出す。そして、読み出した死亡情報に基づいて、利用者が事前に登録しておいた登録情報がある旨の通知(第3の通知)をユーザ端末30に送信し、処理を終了する。
【0077】
以下、ステップS109でユーザ端末30に送信される通知について、図9を参照して説明する。図9は、利用者が死亡したと推定された場合に、ユーザ端末30に送信されるメッセージの一例である。図9(A)は、ユーザ端末30のメールアドレスに送信されるメッセージの一例である。図9(B)は、ユーザ端末30が設定または登録しているSNSやインスタントメッセンジャー等に送信されるメッセージの一例である。
【0078】
利用者が事前に登録しておいた登録情報の取得に際し、図9(A)や図9(B)に送信されたメッセージ内のURLから登録情報確認ページにアクセスし、所定の操作をすることで、利用者が登録していた登録情報を被利用者が取得する(引き継ぐ)ことができる。なお、利用者は当該URLから登録情報確認ページにアクセスする際にパスワードが必要となるように設定してもよい。その場合、利用者が死亡したと推定された後に送信される通知の後に、新たに登録情報確認ページにアクセスするためのパスワードとメッセージを記載した通知を送信する。
【0079】
なお、上記のように被利用者は被利用者自身が引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWEBサービスに登録をしなくても、利用者が登録した登録情報を取得できる。その場合、引継ぎサービスはユーザ端末30への連絡及び通知を行うアプリケーションまたはWEBサービスとしても機能する。また、利用者による登録後に、被利用者が引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWEBサービスを介して自身を被利用者として、引継ぎサービスに登録してもよい。この場合、利用者と被利用者は紐づけられて登録される。利用者と被利用者を紐付ける(関連付ける)ことにより、例えば利用者が被利用者の連絡先情報等を変更した場合等に、ユーザ端末30に連絡先が変更された旨の通知を送信することができる。また、被利用者が自らの連絡先を変更した場合にも、利用者に上記通知を送信することもできる。なお、被利用者が引継ぎサービスに登録した場合であっても上記のように、引継ぎサービスはユーザ端末30への連絡及び通知を行うアプリケーションまたはWEBサービスとしても機能する。被利用者は引継ぎサービスに登録することで、利用者と同様に引継ぎサービスの利用が可能となる。
【0080】
上記したように被利用者が、引継ぎサービスに登録した場合には、利用者の資産情報や資産管理情報が記載された通知(第4の通知)が管理部101aよりユーザ端末30に送信されるようしてもよい。即ち、利用者が引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWEBサービスを介した金融機関等へのアクセス記録、アクセス後に送金を含む出入金や払い込み等の資金の移動、利用した日付や金融機関名等の情報が記載された通知を受け取ることができる。なお、上記の通知は、利用者が設定することで確認できる内容を制限することができる。例えば、移動した資金の金額を見られたくない場合には金額に対してフィルターを掛ける設定(非表示の設定)をすることで金額を非表示とし、出入金等の日付や金融機関名のみ表示された状態の通知がユーザ端末30に送信される。日付にフィルターを掛ける設定をした場合には、日付が非表示となり、金融機関等にフィルターを掛ける設定をした場合には金融機関名が非表示になる。また、上記の通知は、ユーザ端末30に加えユーザ端末20にも同様に送信されるようにしてもよい。
【0081】
なお、利用者と被利用者の合意があった場合には、上記のフィルターを解除することができ、アクセス記録、出入金や払い込みによる資金の移動、日付、金融機関名等の情報の一部または全てを表示した状態の通知が送信されるようになる。利用者と被利用者の合意は、例えば上記のフィルターの全部または一部を解除することに同意する旨の通知を利用者及び被利用者の双方のユーザ端末20,30へURL付きの通知を送付し、利用者及び被利用者はそれぞれURLにアクセスする。そして、案内に従い所定の登録することで利用者と被利用者が合意したとみなすことができる。また、上記の通知は、利用者が上記いずれかの処理を行う毎に送信するようにしてもよいし、例えば1日分や1か月分の記録をまとめたものとして送信するように設定してもよい。
【0082】
また、閾値を事前に設けることで、事件性のあるような金額の資金移動や異常な回数で金融機関等へのアクセス等が発生した際には、これらの事象を記載した特別な内容の通知(第5の通知)を管理部101aからユーザ端末20またはユーザ端末30に対して送信してもよい。閾値は引継ぎサービス登録時にユーザが設定してもよいし、利用者の出入金や送金、資金の移動等について1か月や数か月単位での使用状況を処理部101が計算し、自動で閾値を算出し設定されるようにしてもよい。この場合、閾値は状況に応じ動的に変化する。
【0083】
なお、利用者が登録した登録情報の取得に加え、例えば、利用者が登録しておいた所定の金融機関や葬儀社等へワンタッチで連絡可能となるボタンをユーザ端末30の表示装置307に表示させるようにしてもよい。これにより、被利用者はスムーズに必要な金融機関や葬儀社等へ連絡することが可能となる。当該ボタンは引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスへログイン後、登録情報の取得する際の同一画面上でに表示されていてもよいし、登録情報の取得画面とは別の画面上に表示されていてもよい。
【0084】
また、金融機関等がメールや電話で、例えば利用者が死亡したことの連絡を受け付けていない場合は、これらの名義人(利用者)が死亡した際の実施内容を登録している金融機関ごとにユーザ端末30の表示装置307に表示されるようにしてもよい。当該表示は、引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスへログイン後、登録情報の取得する際の同一画面上でに表示されていてもよいし、登録情報の取得画面とは別の画面上に表示されていてもよい。これにより、被利用者は自ら手続きについて調べる必要がなく、スムーズに所定の手続きをすることができる。
【0085】
また、実施例1における引継ぎシステム1は利用者が登録しているサブスクリプション等の定期支払系サービスに登録していた場合には自動解約可能なサービスに関しては自動で解約を行う機能を備える。しかし、自動解約ができないサブスクリプション等の定期支払系サービスに関しては、解約までの手順等をユーザ端末30の表示装置307に表示されるようにしてもよい。解約までの手順の表示は、引継ぎサービスを提供するアプリケーションまたはWebサービスへログイン後、登録情報の取得する際の同一画面上でに表示されていてもよいし、登録情報の取得画面とは別の画面上に表示されていてもよい。これにより、被利用者は自ら手続きについて調べる必要がなく、スムーズに所定の手続きをすることができる。
【0086】
さらに、ステップS109の処理後に、連携部101dは通信部106を介し、外部サーバ70に利用者が死亡した情報を送信し、利用者が死亡後に行うように依頼していたサービスの実施を実行する通知を送信するようにしてもよい。その場合、外部サーバ70を管理している、例えば種々の代行業者は依頼された内容を実施しうる。なお、連携部101dから送信される通知を受信後に代行業務を実施するように事前に登録しておいてもよい。さらに、当該通知が送信されたら代行業務を行う前に、代行業者が被利用者に連絡を取り、その後代行業務の実施がなされるように事前に登録しておいてもよい。被利用者に代行業者から一度連絡がされるように登録していた場合には、連携部101dは利用者が事前に登録しておいた登録情報がある旨の通知に加え、登録している代行業者から連絡が来る旨のメッセージを付した通知をユーザ端末30に送信してもよい。
【0087】
代行業務として例えば、ユーザ端末20等の情報端末の内部に備えるHDDや、ユーザ端末20等の情報端末に外部から接続可能な、いわゆる外付けHDD等の記録媒体に保存されている電子データの消去が挙げられる。さらに、物理的にHDD等の記録媒体を破壊または破棄することや、利用者の家のクリーニングサービス、遺品整理サービス等が挙げられる。また、ペット等を飼育していた場合には、ユーザ端末30または被利用者からの連絡があるまでペット等に餌を提供する業務や散歩またはペット等を一時的に保護若しくは保護施設に入所させるサービス等も挙げられる。
【0088】
以上、実施例1の引継ぎシステム1によれば、利用者と被利用者のいずれもが上記したような所定の条件を満たすことで利用者が登録していた登録情報を利用者の意思に沿うタイミングで被利用者へ引継ぐことができる。そして、利用者が死亡後であっても、利用者が生前に登録した登録情報に基づいてスムーズに各種手続きを行うことが可能なことに加え、利用者の資産の適切な保護を図ることができる引継ぎシステムを提供することができる。
【0089】
<実施例2>
実施例2においては、生存確認の通知をユーザ端末20に所定の回数送信後、いずれの通知にもユーザ端末20からの応答が無い場合に、ユーザ端末30に生存確認通知を送信する引継ぎシステムを提供する。以下、図10を参照して説明する。なお、実施例2の引継ぎシステムは実施例1の引継ぎシステム1と同様の構成であるため、重複する箇所については説明を省略する。
【0090】
図10は、実施例2の引継ぎシステムにおける処理の一例を示したフローチャートである。以下、図10を参照して引継ぎシステムにおける処理を説明する。なお、図10に示している処理と図3で示している処理が同様の処理の場合は説明を省略する。
【0091】
まず、ステップS201の処理を行い、次にS202の処理を行う。次に、ステップS203にでは、生存確認部101cは、Aを0(ゼロ)として出力する。次に、ステップS104にでは、生存確認部101cは、Aの数値と、ステップS201のステップで登録した回数Kの数値とを比較する。比較の結果、Aの数値がKの数値より多い場合には、ステップS208に進む。Aの数値がKの数値より少ないまたは同数の場合には、ステップS205に進む。
【0092】
次に、ステップS205では、生存確認部101cは、ユーザ端末20に所定の通知として利用者の生存確認通知(第1の通知)を送信する。なお、ユーザ端末20への生存確認通知の送信及び送信後に実施する処理については実施例1と同様であるため、説明を省略する。次に、ステップS206を行う。次に、ステップS207では、現時点のAの数値に1を加算し、新たなAの数値を出力する。Aの数値はこの手順が繰り替えされることにより、1が加算されていく。
【0093】
次に、ステップS208では、生存確認部101cは、ユーザ端末30に対し所定の通知として生存確認通知(第2の通知)を送信する。なお、ユーザ端末30への生存確認通知の送信及び送信後に実施する処理については、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0094】
図11は、利用者が設定した回数Kにおける最後の通知に対して所定期間返信がない場合にユーザ端末30に送信されるメッセージの一例である。図11(A)は、ユーザ端末30のメールアドレスに送信されるメッセージの一例である。図11(B)は、ユーザ端末30で設定または登録しているSNSやインスタントメッセンジャー等に送信されるメッセージの一例である。
【0095】
次に、ステップS209及びステップS210の処理を実施した後、処理を終了する。なお、S208におけるユーザ端末30への通知について、ユーザ端末20に対する通知のように、ユーザ端末30から所定の期間、応答がなかった場合には同様の内容の通知をユーザ端末30に送信するようにしてもよい。さらに利用者がユーザ端末30に送信する生存確認通知の回数を予め設定して、所定の期間、ユーザ端末30から応答が無い場合、例えば、設定した回数分、ユーザ端末30に生存確認通知を送信するようにしてもよい。
【0096】
以上、実施例2の引継ぎシステムによれば、利用者と被利用者のいずれもが上記したような所定の条件を満たすことで利用者が登録していた登録情報を利用者の意思に沿うタイミングで被利用者へ引継ぐことができる。そして、利用者が死亡後であっても、利用者が生前に登録した登録情報に基づいてスムーズに各種手続きを行うことが可能なことに加え、利用者の資産の適切な保護を図ることができる引継ぎシステムを提供することができる。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、上記実施例1と実施例2を適宜組み合わせた実施形態としてもよいし、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0098】
また、上記実施例における制御の一部または全部を上記した実施例の機能を実現するコ
ンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して、上記引継ぎシステム1や情報処理装置等に供給するようにしてもよい。そしてその引継ぎシステム1や情報処理装置等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び当該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0099】
1 引継ぎシステム
10 情報管理サーバ
20 ユーザ端末
30 ユーザ端末
40 外部サーバ
50 外部サーバ
60 外部サーバ
70 外部サーバ
80 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11