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  • 特開-通信機器の設置構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160912
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】通信機器の設置構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
H05K5/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065440
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】501159133
【氏名又は名称】株式会社キッズウェイ
(71)【出願人】
【識別番号】591198320
【氏名又は名称】株式会社TERADA
(71)【出願人】
【識別番号】000208477
【氏名又は名称】大和電器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】永井 和志
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 善孝
(72)【発明者】
【氏名】半田 昌暖
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360BD03
4E360CA02
4E360EA05
4E360EA12
4E360EB02
4E360EB04
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360GA52
4E360GA53
4E360GB21
(57)【要約】
【課題】部材を共通化することにより、コスト高を抑えつつ設置態様の変更を可能とした通信機器の設置構造を提供する。
【解決手段】収納ケース1の開口周縁に、スイッチボックスへのネジ止め時に壁面Wに沿って配される矩形フレーム状の取付枠を備え、取付枠の上下両辺を固定部8、8として、各固定部8に、通信機器50を設置するためのロック用リブ11、11を設ける一方、取付枠の左右両辺を固定部8、8から切断して除去可能なスペーサ部30、30としており、右側のスペーサ部30を除去した収納ケース1と、左側のスペーサ部30を除去した収納ケース1とを、スペーサ部30が除去された側を隣り合わせとした状態で左右に並設可能とした。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁内に埋設されているボックスに固定される基台部材と、前記ボックス内に収納される通信機器に設けられて、前記基台部材に前記通信機器を設置するための設置部とを備えた通信機器の設置構造であって、
前記基台部材が、前記ボックスへの固定時に前記壁の表面に沿って配される矩形フレーム状の取付枠を備えており、
前記取付枠の上下両辺と左右両辺との何れか一方に、前記設置部が固定される被設置部が設けられているとともに、他方が、前記一方に対して切断して除去可能に設けられており、
第1の前記基台部材において前記他方のうちの一方の辺を除去し、且つ、第2の前記基台部材において前記他方のうちの他方の辺を除去して、前記辺が除去された側を隣り合わせた状態で前記第1の基台部材及び前記第2の基台部材を並設可能であることを特徴とする通信機器の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば無線通信するための通信機器を壁面等に埋込設置するための設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば壁面に通信機器を埋込設置するための設置構造としては、壁面内に埋設されるボックス側に通信機器をネジ止めして設置するという構造が採用されていた(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-110521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、2つの通信機器を左右若しくは上下に並べて設置しようとすると、設置スペースとして広いスペースを確保しなければならないという問題がある。そこで、そのような場合に少しでも設置スペースの省スペース化を図るべく、設置構造として専用の部材を準備するとなると、部品点数が増えてコストが嵩むという問題を引き起こすことになる。すなわち、設置態様の変更に対応可能にしようとすると、コスト高を招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、部材を共通化することにより、コスト高を抑えつつ設置態様の変更を可能とした通信機器の設置構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、壁内に埋設されているボックスに固定される基台部材と、前記ボックス内に収納される通信機器に設けられて、前記基台部材に前記通信機器を設置するための設置部とを備えた通信機器の設置構造であって、前記基台部材が、前記ボックスへの固定時に前記壁の表面に沿って配される矩形フレーム状の取付枠を備えており、前記取付枠の上下両辺と左右両辺との何れか一方に、前記設置部が固定される被設置部が設けられているとともに、他方が、前記一方に対して切断して除去可能に設けられており、第1の前記基台部材において前記他方のうちの一方の辺を除去し、且つ、第2の前記基台部材において前記他方のうちの他方の辺を除去して、前記辺が除去された側を隣り合わせた状態で前記第1の基台部材及び前記第2の基台部材を並設可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基台部材に、ボックスへの固定時に壁の表面に沿って配される矩形フレーム状の取付枠を備え、取付枠の上下両辺と左右両辺との何れか一方に、設置部が固定される被設置部を設けるとともに、他方を、一方に対して切断して除去可能に設けており、第1の基台部材において他方のうちの一方の辺を除去し、且つ、第2の基台部材において他方のうちの他方の辺を除去して、辺が除去された側を隣り合わせた状態で第1の基台部材及び第2の基台部材を並設可能としている。したがって、2つの基台部材を並設するにあたり、専用の部材を準備することなく設置スペースの省スペース化を図ることができ、コスト高を抑えつつ、設置態様の変更に対応可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信機器の壁面への設置状態を示した斜視説明図である。
図2】通信機器の壁面への設置状態を左側から模式的に示した説明図である。
図3】通信機器の設置構造を分解して示した斜視説明図である。
図4】ロック部材を示した斜視説明図である。
図5】収納ケースを示した斜視説明図である。
図6】化粧カバー及び装着用カバーを取り外した際の壁面に設置された状態にある通信機器を前側から示した説明図である。
図7】ロック部材の動作態様を示した説明図であり、(a)はロック部材がロック位置にある状態を、(b)はロック部材が解除位置にある状態を夫々示している。
図8】2つの収納ケースを左右に並設した様子を前側から示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となる通信機器の設置構造について図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、通信機器50の壁面Wへの設置状態を示した斜視説明図である。図2は、通信機器50の壁面Wへの設置状態を左側から模式的に示した説明図である。図3は、通信機器50の設置構造を分解して示した斜視説明図である。図4は、ロック部材2を示した斜視説明図である。図5は、収納ケース1を示した斜視説明図である。図6は、化粧カバー3及び装着用カバー4を取り外した際の壁面Wに設置された状態にある通信機器50を前側から示した説明図である。図7は、ロック部材2の動作態様を示した説明図であり、(a)はロック部材2がロック位置にある状態を、(b)はロック部材2が解除位置にある状態を夫々示している。図8は、2つの収納ケース1、1を左右に並設した様子を前側から示した説明図である。
【0011】
通信機器50を壁面Wに設置するための設置構造は、通信機器50を収納可能な収納ケース1と、通信機器50に取り付けられており、通信機器50を収納ケース1に収納した状態のままロックするロック部材2、2とを備えてなる。また、収納ケース1には、ロック部材2、2等の前側を覆う化粧カバー3が、装着用カバー4を介して装着可能となっている。そして、通信機器50には、壁面W内を配線されているケーブルLが接続されるようになっている。
【0012】
収納ケース1は、上板、底板、右側板、及び背板を有して、前面及び左側面に開口する箱状に形成されたケース本体5と、ケース本体5の背板に取り付けられるケーブル保持具6とを備えてなる。また、ケース本体5の上板の左部及び背板の左上隅部は、左側面の開口側から切り欠かれており、収納状態にある通信機器50のコネクタ接続部51を露出させるための接続口7とされている。さらに、ケース本体5の背板の内面側には、ケーブル保持具6の基部6aを取り付けるための取付部13が設けられているとともに、取付部13の上側には、基部6aが取付部13に取り付けられたケーブル保持具6をケース本体5の外側(後側)へ引き出すための引き出し口14が設けられている。なお、収納ケース1の上板から底板までの上下距離は、後述する通信機器50の本体ケースの上下長さと略同じとされている。
【0013】
一方、ケース本体5の前面開口周縁には、上下方向へ延びる壁状の固定部8、8が設けられている。そして、各固定部8には、ケース本体5を壁面Wに埋設されているスイッチボックス(図示せず)にネジ止めするための設置孔9が穿設されているとともに、設置孔9の上下方向で外側には、装着用カバー4をネジ止めするための取付孔10が穿設されている。また、各固定部8の前面には、設置孔9を挟んで左右で対向する2つのロック用リブ11、11が前方へ突設されており、各ロック用リブ11には、左右方向へ貫通するロック孔12が夫々穿設されている。さらに、上下の固定部8、8同士は、ケース本体5の前面開口の左右に配されるスペーサ部30、30によって連結されている。したがって、ケース本体5の前面開口周縁には、上記固定部8、8とスペーサ部30、30とを周設してなる矩形フレーム状の取付枠が備えられていると言える。各スペーサ部30は、前後方向が厚み方向で、上下方向へ延びる正面視矩形板状のスペーサ本体部31と、スペーサ本体部31の上下両部から左右方向で内側へ延び、スペーサ本体部31を固定部8の左右の端部に連結する連結部32、32とを備えてなる。また、各連結部32の先端(固定部8との連結箇所)前面には、上下方向に延びる溝33が刻設され、当該溝33の刻設箇所を極めて薄肉としている。したがって、スペーサ本体部31を後方へ折り曲げるように負荷をかけることで、スペーサ部30は固定部8から容易に切断可能となっている。
【0014】
ケーブル保持具6は、上下方向へ延びるベルト状に形成されてなり、下端部が取付部13に取り付けられる基部6aとされている。また、基部6aの上側には、通信機器50に接続されるケーブルLを挿通可能なスリット6cが上下方向に延設されており、スリット6cが形成されている箇所がケーブルLを保持するための保持部6bとされている。さらに、保持部6bは弾性を有しており、前後方向へ撓んだり、先端側が基端側へ畳まれるように曲がったりすることができるとともに、スリット6cを左右に押し広げる方向にも変形可能となっている。そして、該ケーブル保持具6は、取付部13に基部13aが取り付けられ、引き出し口14から保持部6bがケース本体5の外側へ引き出された状態で、ケース本体5に設置されている。
【0015】
一方、通信機器50は、本体ケースに無線通信のための回路基板等が内蔵されてなるものであって、該本体ケースの後部で、収納ケース1への収納状態で接続口7内に露出する箇所にはケーブルLのコネクタを接続可能なコネクタ接続部51が設けられている。また、本体ケースに矩形枠状の着脱用フレーム部材を固着することによって、本体ケースの周面(上面、左右両側面、及び下面)に、夫々外側へ突出する鍔片15a、15b、15c、15dが設けられている。そして、上面から上方へ突出する鍔片15aと下面から下方へ突出する鍔片15cとにはロック部材2を取り付けるための丸孔16が夫々穿設されていて、鍔片15a及び鍔片15cの前面は、ロック部材2を左右方向へスライドするためのガイド面として機能するようになっている。また、鍔片15a及び鍔片15cには、通信機器50を収納ケース1へ収納した際に、ロック用リブ11、11を鍔片15a及び15cよりも前方へ突出させるための切り欠き18、18が夫々設けられている。
【0016】
上側のロック部材2は、左右方向へ延びる板体からなる本体21と、本体21の下端を前側へ折り曲げてなるガイド片22と、本体21の上辺から上方へ延びた後に左側へ延びるリブ状に形成され、ロック用リブ11のロック孔12に差し込み可能な2つのロック片23、23とを備えてなる。また、本体21の中央には、左右方向へ長い長孔状に形成されたガイド孔24が穿設されている。一方、下側のロック部材2は、上側のロック部材2を上下逆さにしたものである。そして、各ロック部材2は、リベット25をガイド孔24から丸孔16へと差し込んでかしめることにより、鍔片15a(若しくは鍔片15c)の前面側に、ガイド孔24の左右長さだけ左右方向へスライド可能に取り付けられる。また、このような取付状態において、鍔片15aに取り付けられたロック部材2のロック片23、23から鍔片15cに取り付けられたロック部材2のロック片23、23までの上下距離は、上側の固定部8のロック用リブ11、11から下側の固定部8のロック用リブ11、11までの上下距離と同じとなっている。なお、2つのロック片23、23は、各固定部8におけるロック用リブ11、11に対応して形成されており、各ロック片23の左右方向への突出量は、ガイド孔24の左右長さよりも短くなっている。
【0017】
上述したような設置構造での通信機器50の設置について順を追って説明すると、まずケーブル保持具6が取り付けられた状態の収納ケース1において、スリット6cにケーブルLを通して保持部6bにケーブルLを保持させた状態とし、ケーブルLの先端をケース本体5内に引き込んでおく。そして、当該状態のまま壁面Wに開設された設置用開口70内にケース本体5を差し込み、ネジ17、17を用いて収納ケース1を壁に埋設されているスイッチボックス(図示せず)にネジ止めする。このとき固定部8、8及びスペーサ部30、30は、壁面Wに沿って設置用開口70の周縁に配されることになる。次に、ケーブルLのコネクタをコネクタ接続部51に接続してから、通信機器50の本体ケースをケース本体5へ前面開口を介して収納する。このとき上側のロック部材2はリベット25がガイド孔24の左端に位置するまで右側へ、下側のロック部材2はリベット25がガイド孔24の右端に位置するまで左側へ夫々スライドさせて(すなわち、上下のロック部材2、2を共に解除位置に位置させて)おけば、上側のロック部材2のロック片23、23は、切り欠き18、18を介して鍔片15aよりも前方へ突出したロック用リブ11、11の右側に、下側のロック部材2のロック片23、23は、切り欠き18、18を介して鍔片15cよりも前方へ突出したロック用リブ11、11の左側に夫々位置することになる。そこで、通信機器50の収納ケース1への収納後、上側のロック部材2を左側へ、下側のロック部材2を右側へ夫々スライドさせ、各ロック部材2を、ロック片23、23が対応するロック用リブ11、11のロック孔12、12へ差し込まれたロック位置に位置させれば、通信機器50の前方への移動(収納ケース1から抜け出す方向への移動)が規制され、収納ケース1からの取り出しがロックされた状態で通信機器50が設置されることになる(図6図7(a))。後は、装着用カバー4をネジ71、71により収納ケース1にネジ止めした上で、装着用カバー4に化粧カバー3を組み付ければ、壁面Wの表面に固定部8、8及びスペーサ部30、30が当接し、且つ、固定部8、8及びスペーサ部30、30の前面に化粧カバー3の後端が当接した状態で、通信機器50の壁面Wへの設置は完了となる(図1)。なお、通信機器50を交換する等にあたって収納ケース1から取り出す際には、化粧カバー3及び装着用カバー4を外した後、上下のロック部材2、2を共にスライドさせて解除位置に位置させればよい(図7(b))。すると、各ロック部材2のロック片23、23がロック孔12、12から抜け出るため、通信機器50の前方への移動が許容されて、通信機器50を収納ケース1から取り出すことができる。
【0018】
ここで、2つの通信機器50、50を左右に並設したい場合には、2つの収納ケース1、1を左右に並べて配設することになるが、その際、各収納ケース1において、もう1つの収納ケース1が配設される側のスペーサ部30を除去する。すなわち、右側に配される収納ケース1については左側のスペーサ部30を、左側に配される収納ケース1については右側のスペーサ部30を夫々除去する。その上で、ケース本体5、5を左右に隣接させるようにして配設すればよい(図8に示す)。すると、通信機器50、50の設置スペースを、スペーサ部30の左右幅2つ分にわたり省スペース化することができる。なお、このようにして2つの通信機器50、50を左右の並設する場合、化粧カバー及び装着用カバーについては図示しない別タイプの化粧カバー及び装着用カバーを使用することになる。
【0019】
以上のような構成を有する通信機器50の設置構造によれば、少なくとも前面に開口した箱状で、通信機器50を収納可能な収納ケース1と、通信機器50を収納ケース1への収納状態でロック/解除するロック部材2、2とを備えており、収納ケース1を壁面Wに埋設されているスイッチボックスに固定することによって通信機器50を壁面Wに設置可能とした設置構造とした上で、通信機器50側である鍔片15a及び鍔片15cの前面に、ロック片23、23を有するロック部材2、2を所定のロック位置と解除位置との間を左右方向へスライド可能に夫々取り付けている一方、収納ケース1に、左右方向に貫通するロック孔12を有するロック用リブ11、11・・を前方へ突設しており、各ロック部材2をロック位置に位置させると、ロック部材2のロック片23、23がロック孔12、12に差し込まれ、収納ケース1からの通信機器50の取り出しが阻止される一方、ロック部材2を解除位置に位置させると、ロック部材2のロック片23、23がロック孔12、12から抜け出し、収納ケース1からの通信機器50の取り出しが許容されるようになっている。したがって、従来のように通信機器50を収納ケース(ボックス側)1へネジ止めすることなく、通信機器50を収納ケース1に着脱可能に設置することができるため、たとえば通信機器50の交換作業等を容易に行うことができる。
【0020】
また、収納ケース1を介して通信機器50を壁面Wに設置する設置構造において、収納ケース1に、通信機器50のコネクタ接続部51を露出可能な接続口7と、コネクタ接続部51に接続されることによって接続口7から収納ケース1外へ延びるケーブルLを保持するためのケーブル保持具6とを設けている。したがって、通信機器50を交換等するためにケーブルLを通信機器から分離したとしても、当該ケーブルLが壁内の奥まで引き戻されたりすることがなく、再び通信機器50と容易に接続可能な通信機器50の設置構造とすることができる。
さらに、ケーブル保持具6が、収納ケース1外へ延びる帯状に形成された弾性を有する保持部6bと、保持部6bに開設され、ケーブルLを挿通可能なスリット6cとを備えているため、ケーブルLを通信機器50から分離した際に、ケーブルLが壁内の奥まで引き戻される事態を一層確実に防止することができる。
【0021】
加えて、収納ケース1の開口周縁に、スイッチボックスへのネジ止め時に壁面Wに沿って配される矩形フレーム状の取付枠を備え、取付枠の上下両辺を固定部8、8として、各固定部8に、通信機器50を設置するためのロック用リブ11、11を設ける一方、取付枠の左右両辺を固定部8、8から切断して除去可能なスペーサ部30、30としており、右側のスペーサ部30を除去した収納ケース1と、左側のスペーサ部30を除去した収納ケース1とを、スペーサ部30が除去された側を隣り合わせとした状態で左右に並設可能としている。したがって、2つの収納ケース1、1を並設するにあたり、その設置スペースはスペーサ部30の左右幅2つ分にわたり省スペース化されることになるため、専用の部材を準備することなく設置スペースの省スペース化を図ることができ、コスト高を抑えつつ、設置態様の変更に対応可能とすることができる。
【0022】
なお、本発明に係る通信機器の設置構造は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基台部材や取付枠に係る構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0023】
たとえば、上記実施形態では、通信機器の基台部材への設置に係りロック部材を左右方向へスライドさせるように構成しているが、上下方向であっても何ら問題はないし、前後方向を軸とする回転方向へスライドさせるように構成したり、前後方向を軸として回転するように構成してもよい。すなわち、ロック部が壁の表面に沿った方向へ移動するのであれば、ロック部材をどのように移動させるかについては適宜設計変更可能である。加えて、上記実施形態において、ロック部側を凹部(たとえば筒状部)とし、ロック部が係止される被係止部側を凸部(たとえばロック部内に嵌まり込む突起)等として構成することも可能である。なお、通信機器のボックス側への設置に係り、上述したようなロック部材ではなく、たとえば基台部材側に設けられた係合爪と設置部側に設けられた係合孔とを係合させる等、他の設置構造を採用することも可能であるし、従来同様、通信機器をボックス側である基台部材にネジ止めするように構成しても何ら問題はない。
【0024】
また、上記実施形態では、ケーブル保持部を収納ケースとは別体に成形したケーブル保持具とし、該ケーブル保持具を収納ケースに取り付けてケーブル保持部を構成しているが、ケーブル保持部を収納ケースと一体成形しても何ら問題はない。たとえば、収納ケースの外面にフック状のケーブル保持部を設けることが考えられる。さらに、接続口及びケーブル保持部を収納ケースのどこに設けるかについても適宜設計変更可能であって、収納ケースの側面に接続口及びケーブル保持部を設けるとしてもよいし、そもそもケーブル保持部を設けないとしてもよい。
【0025】
さらに、上記実施形態では、基台部材を収納ケースとしているが、そのような収納ケースを設けることなく基台部材を構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、取付枠の上下両辺を被設置部とし、左右両辺を切断可能に構成しているが、取付枠の左右両辺を被設置部とし、上下両辺を切断可能に構成しても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0026】
1・・収納ケース(基台部材)、2・・ロック部材、3・・化粧カバー、8・・固定部(取付枠)、11・・ロック用リブ(被設置部)、15a、15c・・鍔片(設置部)、30・・スペーサ部(取付枠)、31・・スペーサ本体部、32・・連結部、33・・溝、50・・通信機器、W・・壁面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8