(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160943
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】梯子兼用脚立
(51)【国際特許分類】
E06C 1/18 20060101AFI20221013BHJP
E06C 1/32 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
E06C1/18
E06C1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065482
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】393018130
【氏名又は名称】長谷川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】杉木 道明
(72)【発明者】
【氏名】泉 幸治
(72)【発明者】
【氏名】戸山 雄司
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA01
2E044BA05
2E044BA08
2E044CA07
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA04
2E044DB01
2E044DC02
2E044EA04
2E044EB03
(57)【要約】
【課題】容易に脚立状態から閉状態とすることが可能となる、梯子兼用脚立を提供する。
【解決手段】脚立10は、一対の梯子体2・2が相対回転可能に連結され、閉状態と脚立状態と梯子状態とに変形可能であって、脚立状態において梯子体2・2の相対変位を規制する開き止め機構7を備え、開き止め機構7は、脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材11を備え、規制解除部材11は、一対の梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の操作部12と、操作部12のそれぞれの端部と開き止め機構7とを連結する連結部13と、を備え、規制解除部材11は、脚立10が閉状態及び梯子状態の際に、梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される複数の踏桟と、前記二本の支柱の一端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの前記一端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、前記一対の梯子体が180度開かれた梯子状態と、に変形可能な、梯子兼用脚立であって、
脚立状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、
前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間するそれぞれの前記支柱の一方に回動可能に支持されるとともに、脚立状態と梯子状態とのそれぞれにおいて前記支柱の他方に係合可能とされるアーム部材を前記一対の梯子体の両側にそれぞれ備え、
前記アーム部材は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持される第一アーム体と、前記第一アーム体の先端部に回転可能に連結されるとともに先端部が他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされる第二アーム体と、を備え、
脚立状態の際に、前記アーム部材における前記第一アーム体と前記第二アーム体との回転連結部が、前記アーム体の両端部よりも下方に位置するとともに当該位置よりも下方への変位が規制され、
脚立状態の際に前記回転連結部が上方に変位して前記アーム部材が屈曲されることにより、前記一対の梯子体が近接した閉状態とされ、
前記開き止め機構は、脚立状態の際に前記一対の梯子体における相対変位の規制を解除する規制解除部材を備え、
前記規制解除部材は、前記一対の梯子体の間で前記踏桟と平行に設けられる棒状の操作部と、前記操作部のそれぞれの端部と前記アーム部材とを連結する連結部と、を備え、
前記規制解除部材は、閉状態及び梯子状態の際に、前記梯子体と干渉しない位置に配置される、梯子兼用脚立。
【請求項2】
前記開き止め機構は、梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制し、
前記連結部は、前記アーム部材に回転可能に連結され、
前記規制解除部材が屈曲され、脚立状態の際に、前記操作部が、前記アーム部材の前記回転連結部における回転軸の近傍に配置される、請求項1に記載の梯子兼用脚立。
【請求項3】
前記連結部は、前記アーム部材よりも外側に設けられる、請求項2に記載の梯子兼用脚立。
【請求項4】
前記第一アーム体の基端部を支持する前記支柱に、梯子状態において前記第二アーム体の先端部を係合可能とする係合ピンが形成され、
梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する規制部材を備える、請求項1又は請求項2に記載の梯子兼用脚立。
【請求項5】
脚立状態及び梯子状態の際に、前記開き止め機構の近傍に位置する踏桟の上面よりも前記操作部が下方に位置する、請求項4に記載の梯子兼用脚立。
【請求項6】
二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される複数の踏桟と、前記二本の支柱の一端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの前記一端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、前記一対の梯子体が180度開かれた梯子状態と、に変形可能な、梯子兼用脚立であって、
脚立状態及び梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、
前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間するそれぞれの前記支柱の一方に回動可能に支持されるとともに、脚立状態と梯子状態とのそれぞれにおいて前記支柱の他方に係合可能とされるアーム部材を前記一対の梯子体の両側にそれぞれ備え、
前記アーム部材は、前記支柱の一方に回動可能に支持される第一アーム体と、前記第一アーム体の先端部に回転可能に連結されるとともに先端部が前記支柱の他方に係合可能とされる第二アーム体と、を備え、
脚立状態の際に、前記アーム部材における前記第一アーム体と前記第二アーム体との回転連結部が、前記アーム体の両端部よりも下方に位置するとともに当該位置よりも下方への変位が規制され、
脚立状態の際に前記回転連結部が上方に変位して前記アーム部材が屈曲されることにより、前記一対の梯子体が近接した閉状態とされ、
前記開き止め機構は、脚立状態の際に前記一対の梯子体における相対変位の規制を解除する規制解除部材を備え、
前記規制解除部材は、前記アーム部材の下方且つ前記一対の梯子体の間で前記踏桟と平行に設けられる棒状の操作部と、前記操作部のそれぞれの端部と一方の前記梯子体における二本の前記支柱のそれぞれとを前記アーム部材よりも外側で連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、二本の前記支柱に対して回動可能に連結され、
前記規制解除部材は、閉状態及び梯子状態の際に、前記梯子体と干渉しない位置に配置される、梯子兼用脚立。
【請求項7】
前記第一アーム体は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持され、前記第二アーム体の先端部は、他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされ、
前記連結部は、前記第一アーム体の回動軸と同軸で回動可能に設けられ、
前記連結部と前記第一アーム体との何れか一方又は双方には、前記連結部と前記第一アーム体との相対角度が所定角度以下になるように規制する角度規制部が設けられる、請求項6に記載の梯子兼用脚立。
【請求項8】
前記第一アーム体は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持され、前記第二アーム体の先端部は、他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされ、
前記連結部は、前記第一アーム体の回動軸と同軸で回動可能に設けられ、
前記規制解除部材及び前記第一アーム体は、互いに近接する方向に付勢する弾性部材で連係される、請求項6に記載の梯子兼用脚立。
【請求項9】
前記連結部は弾性部材を介して前記支柱と連係され、
前記規制解除部材は、前記弾性部材の弾性力により、前記操作部が上方に変位する方向に付勢される、請求項6に記載の梯子兼用脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は梯子兼用脚立に関し、詳細には、梯子と兼用可能な脚立における開き止め機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の梯子体の端部を回動可能に連結することにより、脚立と梯子との双方の用途を兼ねる梯子兼用脚立が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。このような梯子兼用脚立においては、一対の梯子体を構成する支柱の間に設けられた開き止め機構により、梯子状態又は脚立状態における梯子体の相対変位を規制する構成が用いられる。特許文献1に記載の梯子兼用脚立の場合、脚立状態で開き止め機構を操作することにより規制を解除し、梯子兼用脚立を折りたたんだ閉状態とすることができる。
【0003】
一方、脚立を構成する梯子体間に設けられた開き止め機構を操作することにより、脚立を折りたたんだ閉状態とすることのできる脚立が用いられている(例えば、特許文献2を参照)。このような脚立においては、梯子体間の開き止め機構における操作部を使用者が持ち上げることにより、一対の梯子体を互いに近接させて脚立を閉状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-33305号公報
【特許文献2】特開2013-119745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の梯子兼用脚立によれば、一方の梯子体を構成する二本の支柱のそれぞれに開き止め機構が連結されている。このため、梯子兼用脚立の使用者は、脚立状態から閉状態とする際に、両手を用いて二個の開き止め機構を操作するか、片手でそれぞれの開き止め機構を操作する必要があった。このため、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況では、容易に脚立状態から閉状態とすることができなかった。
【0006】
一方、前記特許文献2に記載の脚立によれば、使用者は片手で操作部を持ち上げるだけで、脚立状態から閉状態とすることができる。しかし、このように一対の梯子体を開き止め機構で連結する構成は、何れか一方の梯子体と開き止め機構との連結を解除することができないため、梯子状態とすることができない。このため、特許文献2に記載の脚立の如く、一対の梯子体を開き止め機構で連結する構成は、梯子兼用脚立に採用することができなかった。
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、容易に脚立状態から閉状態とすることを可能とする、梯子兼用脚立を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本発明に係る梯子兼用脚立は、二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される複数の踏桟と、前記二本の支柱の一端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの前記一端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、前記一対の梯子体が180度開かれた梯子状態と、に変形可能な、梯子兼用脚立であって、脚立状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間するそれぞれの前記支柱の一方に回動可能に支持されるとともに、脚立状態と梯子状態とのそれぞれにおいて前記支柱の他方に係合可能とされるアーム部材を前記一対の梯子体の両側にそれぞれ備え、前記アーム部材は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持される第一アーム体と、前記第一アーム体の先端部に回転可能に連結されるとともに先端部が他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされる第二アーム体と、を備え、脚立状態の際に、前記アーム部材における前記第一アーム体と前記第二アーム体との回転連結部が、前記アーム体の両端部よりも下方に位置するとともに当該位置よりも下方への変位が規制され、脚立状態の際に前記回転連結部が上方に変位して前記アーム部材が屈曲されることにより、前記一対の梯子体が近接した閉状態とされ、前記開き止め機構は、脚立状態の際に前記一対の梯子体における相対変位の規制を解除する規制解除部材を備え、前記規制解除部材は、前記一対の梯子体の間で前記踏桟と平行に設けられる棒状の操作部と、前記操作部のそれぞれの端部と前記アーム部材とを連結する連結部と、を備え、前記規制解除部材は、閉状態及び梯子状態の際に、前記梯子体と干渉しない位置に配置されるものである。
【0010】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記開き止め機構は、梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制し、前記連結部は、前記アーム部材に回転可能に連結され、前記規制解除部材が屈曲され、脚立状態の際に、前記操作部が、前記アーム部材の前記回転連結部における回転軸の近傍に配置されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記連結部は、前記アーム部材よりも外側に設けられることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記第一アーム体の基端部を支持する前記支柱に、梯子状態において前記第二アーム体の先端部を係合可能とする係合ピンが形成され、梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する規制部材を備えることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、脚立状態及び梯子状態の際に、前記開き止め機構の近傍に位置する踏桟の上面よりも前記操作部が下方に位置することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る梯子兼用脚立は、二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される複数の踏桟と、前記二本の支柱の一端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの前記一端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、前記一対の梯子体が180度開かれた梯子状態と、に変形可能な、梯子兼用脚立であって、脚立状態及び梯子状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間するそれぞれの前記支柱の一方に回動可能に支持されるとともに、脚立状態と梯子状態とのそれぞれにおいて前記支柱の他方に係合可能とされるアーム部材を前記一対の梯子体の両側にそれぞれ備え、前記アーム部材は、前記支柱の一方に回動可能に支持される第一アーム体と、前記第一アーム体の先端部に回転可能に連結されるとともに先端部が前記支柱の他方に係合可能とされる第二アーム体と、を備え、脚立状態の際に、前記アーム部材における前記第一アーム体と前記第二アーム体との回転連結部が、前記アーム体の両端部よりも下方に位置するとともに当該位置よりも下方への変位が規制され、脚立状態の際に前記回転連結部が上方に変位して前記アーム部材が屈曲されることにより、前記一対の梯子体が近接した閉状態とされ、前記開き止め機構は、脚立状態の際に前記一対の梯子体における相対変位の規制を解除する規制解除部材を備え、
前記規制解除部材は、前記アーム部材の下方且つ前記一対の梯子体の間で前記踏桟と平行に設けられる棒状の操作部と、前記操作部のそれぞれの端部と一方の前記梯子体における二本の前記支柱のそれぞれとを前記アーム部材よりも外側で連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、二本の前記支柱に対して回動可能に連結され、前記規制解除部材は、閉状態及び梯子状態の際に、前記梯子体と干渉しない位置に配置される。
【0015】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記第一アーム体は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持され、前記第二アーム体の先端部は、他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされ、前記連結部は、前記第一アーム体の回動軸と同軸で回動可能に設けられ、前記連結部と前記第一アーム体との何れか一方又は双方には、前記連結部と前記第一アーム体との相対角度が所定角度以下になるように規制する角度規制部が設けられることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記第一アーム体は、一方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に回動可能に支持され、前記第二アーム体の先端部は、他方の前記梯子体におけるそれぞれの前記支柱に係合可能とされ、前記連結部は、前記第一アーム体の回動軸と同軸で回動可能に設けられ、前記規制解除部材及び前記第一アーム体は、互いに近接する方向に付勢する弾性部材で連係されることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る梯子兼用脚立において、前記連結部は弾性部材を介して前記支柱と連係され、前記規制解除部材は、前記弾性部材の弾性力により、前記操作部が上方に変位する方向に付勢されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る梯子兼用脚立によれば、容易に脚立状態から閉状態とすることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第一実施形態に係る梯子兼用脚立の脚立状態を示す斜視図。
【
図2】(a)は脚立状態の梯子兼用脚立を示す部分断面図、(b)は規制解除部材の分解斜視図。
【
図5】第二実施形態に係る梯子兼用脚立の脚立状態を示す斜視図。
【
図6】(a)は脚立状態の梯子兼用脚立を示す部分断面図、(b)は規制解除部材の分解斜視図。
【
図9】第三実施形態に係る梯子兼用脚立の脚立状態を示す斜視図。
【
図10】(a)は脚立状態の梯子兼用脚立を示す部分断面図、(b)は規制解除部材の分解斜視図。
【
図11】開き止め機構と規制解除部材との位置関係を示す拡大図。
【
図13】梯子状態の梯子兼用脚立を示す拡大斜視図。
【
図14】第四実施形態に係る梯子兼用脚立の脚立状態を示す斜視図。
【
図15】(a)は脚立状態の梯子兼用脚立を示す部分断面図、(b)は規制解除部材の分解斜視図。
【
図17】梯子状態の梯子兼用脚立を示す拡大斜視図。
【
図18】第五実施形態に係る梯子兼用脚立の脚立状態を示す斜視図。
【
図19】(a)は脚立状態の梯子兼用脚立を示す部分断面図、(b)は規制解除部材の分解斜視図。
【
図21】梯子状態の梯子兼用脚立を示す拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第一実施形態・脚立10]
以下では
図1から
図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る梯子兼用脚立である脚立10について説明する。本明細書の各実施形態に係る脚立においては、各図における梯子体2・2の回動軸方向(踏桟4の架設方向)を脚立の左右方向とし、水平方向において左右方向と直交する方向(梯子体2・2の開閉方向)を脚立の前後方向とする。本実施形態においては、
図1中の左下側を脚立10の左側方とし、
図1中の右下側を脚立10の前方とする(他の実施形態についても同様)。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る脚立10は、互いに共通の構成を有する一対の梯子体2・2を備える。梯子体2・2は側面視で略ハ字状に下端部が互いに離間して広がるように配置され、それぞれの上端部がヒンジ6・6により回動可能に連結される。
【0022】
図3に示す如く、ヒンジ6は第一ヒンジ部6aと第二ヒンジ部6bとが回動支持部6cで回動可能に連結されている。そして、第一ヒンジ部6aと第二ヒンジ部6bとが、左右方向について同じ側にある(対向して近接離間する)支柱3・3の上端部にそれぞれ固定される。これにより、ヒンジ6が対向する支柱3・3を相対的に回動可能に連結する。即ち、梯子体2・2が互いに近接離間する方向(脚立10の前後方向)に回動可能とされる。
【0023】
それぞれの梯子体2は長尺体である一対の支柱3・3を備える。支柱3・3は互いの距離が上側より下側で大きくなるように、正面視で略ハ字状に配置されている。本実施形態に係る脚立10は4本の支柱3を備えている。各支柱3は、強度の確保等を目的として、長手方向に沿った二箇所で折り曲げられることにより、長手方向と直交する断面の形状が略コ字状になるように形成されている。また、それぞれの支柱3の下端部には端具3aが固定される。
【0024】
梯子体2における一対の支柱3・3の間には、所定の間隔を隔てて中空の筒状部材である複数の踏桟4・4・・・が架け渡される。踏桟4は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される(
図2(a)を参照)。それぞれの踏桟4はリベットにより支柱3において対向する内側面の間に固定されている。本実施形態に係る脚立10において、各支柱3、踏桟4及び天板5はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる軽金属製の部材である。なお、踏桟4をボルト・ナット等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0025】
それぞれの梯子体2は、上端部に中空の筒状部材である天板5・5が設けられる。天板5は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される(
図2(a)を参照)。天板5はリベットにより支柱3・3の上端部において対向する内側面の間に固定されている。換言すれば、天板5はそれぞれの梯子体2において、二本の支柱3・3の上端部を連結するように設けられる。なお、天板5をボルト・ナット等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0026】
脚立10は、一対の梯子体2・2のなす角度(詳細には、梯子体2・2の相対的な回動によって近接離間する支柱3・3が側面視においてなす角度、以下同じ)に応じて、主に以下の三つの形態をとることができる。
【0027】
第一の形態は、
図1及び
図2(a)に示す如く梯子体2・2のなす角度を約30度として、4本の支柱3で脚立10を支える形態(以下、この形態を「脚立状態」と記載する)である。脚立状態における脚立10は、地面や床に自立させた状態で用いられる。
【0028】
第二の形態は、
図3に示す如く梯子体2・2のなす角度を約0度に近接させる形態(以下、この形態を「閉状態」と記載する)である。脚立10の閉状態は、主に収納時や搬送時に採用される。
【0029】
第三の形態は、
図4に示す如く梯子体2・2のなす角度を約180度として、一側の2本の支柱3で脚立10を支える形態(以下、この形態を「梯子状態」と記載する)である。梯子状態における脚立10は、一方(下側)の梯子体2を地面や床に載置し、他方(上側)の梯子体2を壁や軒に立て掛けた状態で用いられる。
【0030】
脚立10は、脚立状態又は梯子状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構7を備える。開き止め機構7は、梯子体2・2の上端部における左右両側に、合計二組設けられている。開き止め機構7は、互いに連結される一対の梯子体2・2において、左右方向について同じ側に配置されて互いに近接離間する支柱3同士を連結する。
【0031】
より詳細には、開き止め機構7は、後側の梯子体2における左右それぞれの支柱3・3に回動可能に支持される。そして、開き止め機構7は、脚立10が脚立状態と梯子状態とのそれぞれの場合において、前側の梯子体2における左右それぞれの支柱3・3に係合可能とされる。本実施形態において、それぞれの開き止め機構7は左右対称となるように構成されている。
【0032】
図2及び
図3に示す如く、開き止め機構7は、第一アーム体7aと第二アーム体7bとが連結されて構成されるアーム部材である。左右それぞれの開き止め機構7において、第一アーム体7aは一端部が後側の支柱3の上部で回動軸7cにより回動可能に軸支されている。第二アーム体7bはその一端部が第一アーム体7aの他端部と回転連結部7dで回転可能に連結されている。
【0033】
第二アーム体7bの他端部には、係合端部7eが形成されている。脚立10を脚立状態とする場合は
図1に示す如く、梯子体2・2のなす角度を約30度に開いた状態で、係合端部7eを前側の支柱3に形成された第一ロックピンP1に係合させる。なお、第二アーム体7bに形成する係合端部の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、他の構成で第一ロックピンP1(後述する第二ロックピンP2も同様)と係合させることも可能である。
【0034】
このように、脚立10において、第一アーム体7aは後側の梯子体2における支柱3に回動可能に支持され、第二アーム体7bは第一アーム体7aの先端部に回転可能に連結されるとともに先端部が前側の梯子体2における支柱3に係合可能とされる。本実施形態において、一方の支柱3に形成された回動軸7cと、他方の支柱3に形成された第一ロックピンP1とは、同じ上下位置に形成されている。
【0035】
第二アーム体7bは図示しないストッパにより第一アーム体7aに対する角度領域が規制されている。具体的には、第二アーム体7bは、回転連結部7dを中心として第一アーム体7aに近接した状態から反時計回り方向の角度が約185度に開く状態まで回動可能とされている。そして、脚立状態の脚立10において、第一アーム体7a及び第二アーム体7bは自然状態においては自重により回転連結部7dがやや下方に位置する。これにより、回転連結部7dは回動軸7c及び第一ロックピンP1よりも下方に位置するとともに、当該位置よりも下方への変位が規制される。
【0036】
このように、脚立10を脚立状態とする場合は、支柱3・3を開き止め機構7により連結することにより、梯子体2・2のなす角度を約30度で固定する。この際、梯子体2・2に対して、梯子体2・2を近接させる回動方向に力が加わった場合でも、回転連結部7dが回動軸7c及び第一ロックピンP1よりも下方に位置するとともに、回転連結部7dの当該位置よりも下方への変位が規制されているため、梯子体2・2は相対回転しない。
【0037】
また、梯子体2・2に対して、梯子体2・2を離間させる回動方向に力が加わった場合も、支柱3・3が開き止め機構7で連結されているため、梯子体2・2は相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立10は脚立状態を維持する。
【0038】
脚立10を閉状態とする場合は
図3に示す如く、開き止め機構7の係合端部7eを第一ロックピンP1に係合させた状態で、第一アーム体7a又は第二アーム体7bを、第一アーム体7aと第二アーム体7bとの下側に形成される角度が180度以下となるように回動させる。具体的には、回転連結部7dに対して下方から力を加え、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとを相対回転させる。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。そして、梯子体2・2のなす角度を約0度とすることにより、脚立10が閉状態となる。このように、脚立状態の際に回転連結部7dを上方に変位させて、第一アーム体7aと第二アーム体7bとからなるアーム部材を屈曲することにより、脚立10は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0039】
脚立10を梯子状態とする場合は
図4に示す如く、開き止め機構7における係合端部7eの第一ロックピンP1への係合を解除し、梯子体2・2のなす角度を約180度に開いた状態で、係合端部7eを支柱3の上端部に形成された第二ロックピンP2に係合させる。このように、支柱3・3を開き止め機構7で連結することにより、梯子体2・2のなす角度を約180度で固定するのである。この際、梯子体2・2に対して、梯子体2・2のなす角度が変わる方向に力が加わった場合でも、回動軸7c、回転連結部7d、及び係合端部7eが一直線上に配置されているため、第一アーム体7aと第二アーム体7bとは相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約180度のままであり、脚立10は梯子状態を維持する。
【0040】
本実施形態に係る脚立10において、開き止め機構7は、脚立10が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材11を備える。
図2(a)及び(b)に示す如く、規制解除部材11は、梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の操作部12と、操作部12のそれぞれの端部とアーム部材とを連結する連結部13と、を備える。
【0041】
本実施形態に係る脚立10の規制解除部材11において、連結部13は
図3に示す如く、アーム部材において第一アーム体7aと第二アーム体7bとを連結する回転連結部7dに対して回転可能に連結されている。操作部12の両端には連結部13の下端部から上方に立ち上がる起立部14が形成されている。これにより、
図2(b)に示す如く規制解除部材11を一体的に構成した際には、操作部12が連結部13の上端部と同じ上下位置となるように屈曲して形成される。このため、
図1に示す如く脚立状態の際には、操作部12が、アーム部材の回転連結部7dにおける回転軸の近傍に配置される。
【0042】
本実施形態に係る脚立10においては、脚立状態において規制解除部材11を操作することにより、脚立10を閉状態とすることができる。具体的には、使用者が規制解除部材11の操作部12を上方に持ち上げることにより、連結部13が回転連結部7dを上方に変位させてアーム部材を屈曲させる。この際、操作部12が回転連結部7dにおける回転軸の近傍に位置するため、使用者が操作部12に力を加えた際に規制解除部材11が回転することなく、回転連結部7dを円滑に上方に変位させることができる。
【0043】
このように、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとを相対回転させることにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。また、使用者が操作部12を持ち上げることにより、梯子体2・2は自重により互いに近接してその相対角度が約0度となり、脚立10が閉状態となる。
【0044】
このように、脚立10が脚立状態の際に使用者が操作部12を操作する動作を行うことにより、脚立10を閉状態とすることができる。これにより、脚立10の使用者は脚立状態から閉状態にする動作と、閉状態の脚立10を持ち上げる動作とをほぼ同時にワンタッチで行うことが可能となる。
【0045】
上記の如く、本実施形態に係る脚立10において、開き止め機構7が備える規制解除部材11は、脚立10が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する。これにより、使用者が片手で規制解除部材11を操作するだけで、脚立10を脚立状態から閉状態に変形することが可能となる。即ち、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況でも、脚立10を容易に脚立状態から閉状態に変形することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る脚立10によれば、一対の梯子体2・2を連結する開き止め機構7は、係合端部7eにおいて第一ロックピンP1又は第二ロックピンP2との係合/係合解除を行うことにより、脚立状態又は梯子状態とすることができる。即ち、本実施形態に係る規制解除部材11は、梯子兼用脚立である脚立10にも支障なく採用することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る脚立10によれば、脚立10が脚立状態の際に、規制解除部材11における操作部12を上方に変位させることにより、回転連結部7dが上方に変位して第一アーム体7a及び第二アーム体7bを上方に回動させ、アーム部材を屈曲させる。このように、脚立10が脚立状態の際に使用者が操作部12を操作する動作を行うことにより、脚立10を閉状態とすることができるため、使用者は操作部12を上方に操作する動作に連続して脚立10を持ち上げる動作を行うことができる。
【0048】
なお、本実施形態に係る脚立10は、規制解除部材11を操作せずに、使用者が直接的に開き止め機構7を操作して、脚立10を脚立状態から閉状態とすることも可能である(他の実施形態についても同様)。具体的には、使用者が自らの手でアーム部材に対して下方から力を加え、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとを相対回転させる。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができ、脚立10が閉状態となる。このように、本実施形態に係る脚立10の使用者は、規制解除部材11と開き止め機構7との何れを操作した場合でも、脚立10を脚立状態から閉状態へと変形させることができる。
【0049】
本実施形態に係る脚立10において、規制解除部材11は、閉状態及び梯子状態の際に梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には
図3に示す如く、脚立10を閉状態とした際には規制解除部材11の操作部12は梯子体2・2の間に収容される。また、
図4に示す如く、規制解除部材11を屈曲して形成することにより、脚立10を梯子状態とした際には規制解除部材11は梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には、連結部13の長さは支柱3の幅寸法よりも長く形成されている。また、操作部12の両端部は支柱3・3の対向面(内側の面)の近傍に配置されている。
【0050】
また、本実施形態において規制解除部材11は
図2(b)に示す如く、連結部13を構成する部材と、操作部12及び起立部14を構成する部材と、を分割するとともに、各部材の左右方向の相対位置を変更可能としている。これにより、左右のアーム部材の距離のばらつきに対応して規制解除部材11の長さを調節することができるため、脚立10の組立性を向上させることができる。
【0051】
このように、本実施形態に係る脚立10によれば、閉状態及び梯子状態の際に規制解除部材11が梯子体2・2と干渉しない構成とすることにより、規制解除部材11を梯子兼用脚立である脚立10にも支障なく採用することを可能としている。
【0052】
また、本実施形態に係る脚立10において、規制解除部材11の連結部13は、アーム部材よりも外側に設けられる。これにより、脚立10が左右両側に突出する面積を小さくして、脚立10をよりコンパクトに構成することを可能としている。
【0053】
[第二実施形態・脚立20]
次に、
図5から
図8を用いて、本発明の第二実施形態に係る梯子兼用脚立である脚立20について説明する。以降で説明する各実施形態において、脚立を構成する梯子体2・2及びヒンジ6についての構成は第一実施形態に係る脚立10と同様であるため詳細な説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
【0054】
脚立20は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構7を備える。開き止め機構7は、梯子体2・2の上端部における左右両側に、合計二組設けられている。開き止め機構7は、互いに連結される一対の梯子体2・2において、左右方向について同じ側に配置されて互いに近接離間する支柱3同士を連結する。本実施形態における開き止め機構7の構成は、前記第一実施形態における開き止め機構7の構成と同様である。
【0055】
本実施形態においては脚立20を梯子状態とした際に梯子体2・2における相対変位を規制するための規制部材28が設けられる。規制部材28は、一方の梯子体2における支柱3に設けられ、他方の梯子体2における支柱3に形成された第二ロックピンP2と係合可能に形成される。一方、第一アーム体7aの基端部を支持する支柱3の中途部には、脚立20の梯子状態において第二アーム体7bの先端部における係合端部7eを係合可能とする係合ピンとして第三ロックピンP3が形成されている。
【0056】
脚立20を梯子状態とする場合は
図8に示す如く、開き止め機構7における係合端部7eの第一ロックピンP1への係合を解除し、梯子体2・2のなす角度を約180度に開いた状態で、アーム部材を屈曲させて係合端部7eを第三ロックピンP3に係合させる。また、規制部材28を第二ロックピンP2と係合させる。このように、支柱3・3を規制部材28で連結して、梯子体2・2のなす角度を約180度で固定することにより、脚立20が梯子状態で維持される。
【0057】
本実施形態に係る脚立20において、開き止め機構7は、脚立20が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材21を備える。
図6(a)及び(b)に示す如く、規制解除部材21は中央部分が突出するように屈曲された棒状部材であり、梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の操作部22と、操作部22のそれぞれの端部とアーム部材とを連結する連結部23と、を備える。
【0058】
本実施形態に係る脚立20の規制解除部材21において、連結部23は、アーム部材において第一アーム体7aと第二アーム体7bとを連結する回転連結部7dに対して回転可能に連結されている。このため、操作部22は常に連結部23よりも下側に位置するように構成されている。なお、規制解除部材21をアーム部材に対して回転可能とせずに、第一アーム体7a又は第二アーム体7bに固着することも可能である。
【0059】
本実施形態に係る脚立20においては、脚立状態において規制解除部材21を操作することにより、脚立20を閉状態とすることができる。具体的には、使用者が操作部22を上方に持ち上げることにより、連結部23が回転連結部7dを上方に変位させてアーム部材を屈曲させる。この際、規制解除部材21が180度回転することにより操作部22が回転連結部7dにおける回転軸よりも上側に変位するため、使用者が操作部22に力を加えた際に回転連結部7dを円滑に上方に変位させることができる。
【0060】
このように、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとを相対回転させることにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。また、使用者が操作部22を持ち上げることにより、梯子体2・2は自重により互いに近接してその相対角度が約0度となり、脚立20が閉状態となる。
【0061】
このように、脚立20が脚立状態の際に使用者が操作部22を操作する動作を行うことにより、脚立20を閉状態とすることができる。これにより、脚立20の使用者は脚立状態から閉状態にする動作と、閉状態の脚立20を持ち上げる動作とをほぼ同時にワンタッチで行うことが可能となる。
【0062】
上記の如く、本実施形態に係る脚立20において、開き止め機構7が備える規制解除部材21は、脚立20が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する。これにより、使用者が片手で規制解除部材21を操作するだけで、脚立20を脚立状態から閉状態に変形することが可能となる。即ち、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況でも、脚立20を容易に脚立状態から閉状態に変形することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る脚立20によれば、一対の梯子体2・2を連結する開き止め機構7は、係合端部7eにおいて第一ロックピンP1又は第三ロックピンP3との係合/係合解除を行うことにより、脚立状態又は梯子状態とすることができる。即ち、本実施形態に係る規制解除部材21は、梯子兼用脚立である脚立20にも支障なく採用することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る脚立20によれば、脚立20が脚立状態の際に、規制解除部材21における操作部22を上方に変位させることにより、回転連結部7dが上方に変位して第一アーム体7a及び第二アーム体7bを上方に回動させ、アーム部材を屈曲させる。このように、脚立20が脚立状態の際に使用者が操作部22を操作する動作を行うことにより、脚立20を閉状態とすることができるため、使用者は操作部22を上方に操作する動作に連続して脚立20を持ち上げる動作を行うことができる。
【0065】
本実施形態に係る脚立20において、規制解除部材21は、閉状態及び梯子状態の際に梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には
図7に示す如く、脚立20を閉状態とした際には規制解除部材21は梯子体2・2の間に収容される。また、
図8に示す如く、脚立20を梯子状態とした際にはアーム部材を屈曲させて係合端部7eを第三ロックピンP3に係合させることにより、規制解除部材21は梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。
【0066】
このように、本実施形態に係る脚立20によれば、閉状態及び梯子状態の際に規制解除部材21が梯子体2・2と干渉しない構成とすることにより、規制解除部材21を梯子兼用脚立である脚立20にも支障なく採用することを可能としている。
【0067】
また、本実施形態に係る脚立20においては
図6(a)及び
図8に示す如く、脚立状態及び梯子状態の際に、開き止め機構7の近傍に位置する踏桟4の上面よりも操作部22が下方に位置する。具体的には、
図6(a)に示す如く、脚立20を脚立状態とした際に、規制解除部材21は自重により操作部22が下側になる姿勢で静止する。このため、操作部22は、近傍の踏桟4の上面よりも下側に位置する。
【0068】
一方、
図8に示す如く、脚立20を梯子状態とした際も、規制解除部材21は自重により操作部22が下側になる姿勢で静止する。このため、操作部22は、近傍の踏桟4の上面よりも下側に位置する。これにより、使用者が脚立20を脚立状態又は梯子状態の何れで使用する場合でも、操作部22が使用の障害とならないように構成している。なお、規制解除部材21をアーム部材に固着して構成した場合でも、梯子状態における第三ロックピンP3の位置を調節することにより、操作部22が近傍の踏桟4の上面よりも下側に位置するように構成することが可能である。
【0069】
[第三実施形態・脚立30]
次に、
図9から
図13を用いて、本発明の第三実施形態に係る梯子兼用脚立である脚立30について説明する。本実施形態に係る脚立30において、開き止め機構7は、脚立30が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材31を備える。
【0070】
図10(a)及び(b)に示す如く、規制解除部材31は、操作部32と連結部33とを備える。操作部32は、アーム部材の下方且つ一対の梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の部材である。連結部33は、操作部32のそれぞれの端部と後側の梯子体2における二本の支柱3・3のそれぞれとをアーム部材よりも外側で連結する。
【0071】
本実施形態に係る脚立30の規制解除部材31において、それぞれの連結部33は二本の支柱3・3に対して回動可能に連結される。具体的に、連結部33はアーム部材において第一アーム体7aを軸支する回動軸7cと同軸で回転可能に連結されている。
【0072】
連結部33の先端部には孔部33bが開口されており、この孔部33bには操作部32の両端に形成された挿入部32aが挿入される。また、連結部33の基端部は内側が窪んで形成され、その窪み部分に第一アーム体7aの基端部が収容される。連結部33の基端部には、第一アーム体7aに当接することにより、連結部33と第一アーム体7aとの相対角度を所定角度以下に規制する角度規制部33aが形成されている。
【0073】
なお、連結部33と第一アーム体7aとの相対角度を規制する角度規制部は、連結部33と第一アーム体7aとの何れか一方のみに設けられていても良いし、双方に設けられていても良い。連結部33の外側には、連結部33と第一アーム体7aとが離間して角度規制が解除されることを防ぐために、連結部33を内側に付勢するばね34が設けられている。
【0074】
本実施形態に係る脚立30においては、脚立状態において規制解除部材31を操作することにより、脚立30を閉状態とすることができる。具体的には、使用者が規制解除部材31の操作部32を上方に持ち上げることにより、
図11中の二点鎖線に示す如く操作部32が第一アーム体7aに当接して上方に変位させ、アーム部材を屈曲させる。即ち、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとが相対回転する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。また、使用者が操作部32を持ち上げることにより、梯子体2・2は自重により互いに近接してその相対角度が約0度となり、脚立30が閉状態となる。
【0075】
このように、脚立30が脚立状態の際に使用者が操作部32を操作する動作を行うことにより、脚立30を閉状態とすることができる。これにより、脚立30の使用者は脚立状態から閉状態にする動作と、閉状態の脚立30を持ち上げる動作とをほぼ同時にワンタッチで行うことが可能となる。
【0076】
上記の如く、本実施形態に係る脚立30において、開き止め機構7が備える規制解除部材31は、脚立30が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する。これにより、使用者が片手で規制解除部材31を操作するだけで、脚立30を脚立状態から閉状態に変形することが可能となる。即ち、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況でも、脚立30を容易に脚立状態から閉状態に変形することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る脚立30によれば、一対の梯子体2・2を連結する開き止め機構7は、係合端部7eにおいて第一ロックピンP1又は第二ロックピンP2との係合/係合解除を行うことにより、脚立状態又は梯子状態とすることができる。即ち、本実施形態に係る規制解除部材31は、梯子兼用脚立である脚立30にも支障なく採用することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る脚立30によれば、脚立30が脚立状態の際に、規制解除部材31における操作部32を上方に変位させることにより、第一アーム体7a及び第二アーム体7bを上方に回動させ、アーム部材を屈曲させる。このように、脚立30が脚立状態の際に使用者が操作部32を操作する動作を行うことにより、脚立30を閉状態とすることができるため、使用者は操作部32を上方に操作する動作に連続して脚立30を持ち上げる動作を行うことができる。
【0079】
本実施形態に係る脚立30において、規制解除部材31は、閉状態及び梯子状態の際に梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には
図12に示す如く、脚立30を閉状態とした際には規制解除部材31の操作部32は梯子体2・2の間に収容される。また、
図13に示す如く、規制解除部材31における連結部33を支柱3に対して回動可能とすることにより、脚立30を梯子状態とした際には規制解除部材31の操作部32は梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。この際、連結部33と第一アーム体7aとの相対角度は角度規制部33aにより所定の角度に規制される。
【0080】
このように、本実施形態に係る脚立30によれば、閉状態及び梯子状態の際に規制解除部材31が梯子体2・2と干渉しない構成とすることにより、規制解除部材31を梯子兼用脚立である脚立30にも支障なく採用することを可能としている。
【0081】
[第四実施形態・脚立40]
次に、
図14から
図17を用いて、本発明の第四実施形態に係る梯子兼用脚立である脚立40について説明する。本実施形態に係る脚立40において、開き止め機構7は、脚立40が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材41を備える。
【0082】
図15(a)及び(b)に示す如く、規制解除部材41は、操作部42と連結部43とを備える。操作部42は、アーム部材の下方且つ一対の梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の部材である。連結部43は、操作部42のそれぞれの端部と後側の梯子体2における二本の支柱3・3のそれぞれとをアーム部材よりも外側で連結する。
【0083】
本実施形態に係る脚立40の規制解除部材41において、それぞれの連結部43は二本の支柱3・3に対して回動可能に連結される。具体的に、連結部43はアーム部材において第一アーム体7aを軸支する回動軸7cと同軸で回転可能に連結されている。
【0084】
連結部43の先端部には孔部43aが開口されており、この孔部43aには操作部42の両端に形成された挿入部42aが挿入される。第一アーム体7aに形成された係止部7fと挿入部42aとは、弾性部材であるばね44を介して連係されている。
【0085】
このように、本実施形態において規制解除部材41及び第一アーム体7aは、互いに近接する方向に付勢するばね44により連係されている。このため、
図15(a)及び
図16に示す如く、脚立40が脚立状態及び閉状態の際は、規制解除部材41の操作部42は第一アーム体7aに当接している。
【0086】
本実施形態に係る脚立40においては、脚立状態において規制解除部材41を操作することにより、脚立40を閉状態とすることができる。具体的には、使用者が規制解除部材41の操作部42を上方に持ち上げることにより、操作部42が第一アーム体7aを上方に変位させてアーム部材を屈曲させる。即ち、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとが相対回転する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。また、使用者が操作部42を持ち上げることにより、梯子体2・2は自重により互いに近接してその相対角度が約0度となり、脚立40が閉状態となる。
【0087】
このように、脚立40が脚立状態の際に使用者が操作部42を操作する動作を行うことにより、脚立40を閉状態とすることができる。これにより、脚立40の使用者は脚立状態から閉状態にする動作と、閉状態の脚立40を持ち上げる動作とをほぼ同時にワンタッチで行うことが可能となる。
【0088】
上記の如く、本実施形態に係る脚立40において、開き止め機構7が備える規制解除部材41は、脚立40が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する。これにより、使用者が片手で規制解除部材41を操作するだけで、脚立40を脚立状態から閉状態に変形することが可能となる。即ち、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況でも、脚立40を容易に脚立状態から閉状態に変形することができる。
【0089】
また、本実施形態に係る脚立40によれば、一対の梯子体2・2を連結する開き止め機構7は、係合端部7eにおいて第一ロックピンP1又は第二ロックピンP2との係合/係合解除を行うことにより、脚立状態又は梯子状態とすることができる。即ち、本実施形態に係る規制解除部材41は、梯子兼用脚立である脚立40にも支障なく採用することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る脚立40によれば、脚立40が脚立状態の際に、規制解除部材41における操作部42を上方に変位させることにより、第一アーム体7a及び第二アーム体7bを上方に回動させ、アーム部材を屈曲させる。このように、脚立40が脚立状態の際に使用者が操作部42を操作する動作を行うことにより、脚立40を閉状態とすることができるため、使用者は操作部42を上方に操作する動作に連続して脚立40を持ち上げる動作を行うことができる。
【0091】
本実施形態に係る脚立40において、規制解除部材41は、閉状態及び梯子状態の際に梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には
図16に示す如く、脚立40を閉状態とした際には規制解除部材41の操作部42は梯子体2・2の間に収容される。また、
図17に示す如く、規制解除部材41における連結部43を支柱3に対して回動可能とすることにより、脚立40を梯子状態とした際には規制解除部材41の操作部42は梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。この際、連結部43と第一アーム体7aとが離間して、ばね44が伸長される。
【0092】
このように、本実施形態に係る脚立40によれば、閉状態及び梯子状態の際に規制解除部材41が梯子体2・2と干渉しない構成とすることにより、規制解除部材41を梯子兼用脚立である脚立40にも支障なく採用することを可能としている。
【0093】
[第五実施形態・脚立50]
次に、
図18から
図21を用いて、本発明の第五実施形態に係る梯子兼用脚立である脚立50について説明する。本実施形態に係る脚立50において、開き止め機構7は、脚立50が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する、規制解除部材51を備える。
【0094】
本実施形態に係る脚立50においては
図20に示す如く、左側の開き止め機構7の第一アーム体7aは後側の梯子体2における支柱3に回動可能に支持され、第二アーム体7bの先端部が前側の梯子体2における支柱3に係合可能とされる。一方、右側の開き止め機構7の第一アーム体7aは前側の梯子体2における支柱3に回動可能に支持され、第二アーム体7bの先端部が後側の梯子体2における支柱3に係合可能とされる(
図19(a)を参照)。即ち、後側の梯子体2においては、左側の支柱3には第一アーム体7aが回動軸7cにより軸支され、右側の支柱3には第二アーム体7bの係合端部7eを係合させる第一ロックピンP1が設けられている(
図19(b)を参照)。本実施形態においては
図19(a)及び(b)に示す如く、右側の開き止め機構7における係合端部7eを第一ロックピンP1に係合可能とするために、係合端部7eの下側が開口して形成されている。
【0095】
このように、本実施形態においては、開き止め機構7におけるアーム部材の構成を左右で対称とせずに、同じ開き止め機構7を脚立50の左右両側に設ける構成としている。なお、本実施形態においても上記の各実施形態と同様に、それぞれの開き止め機構7を左右対称となるように構成することも可能である。
【0096】
図19(a)及び(b)に示す如く、規制解除部材51は、操作部52と連結部53とを備える。操作部52は、アーム部材の下方且つ一対の梯子体2・2の間で踏桟4と平行に設けられる棒状の部材である。連結部53は、操作部52のそれぞれの端部と後側の梯子体2における二本の支柱3・3のそれぞれとをアーム部材よりも外側で連結する。
【0097】
本実施形態に係る脚立50の規制解除部材51において、それぞれの連結部53は二本の支柱3・3に対して回動可能に連結される。具体的には
図19(b)に示す如く、左側の連結部53はアーム部材において第一アーム体7aを軸支する回動軸7cと同軸で回転可能に連結されている。また、右側の連結部53は第一ロックピンP1と同軸で回転可能に連結されている。
【0098】
連結部53の下部には係止部53aが形成されている。また、連結部53の下方には、支持ピン55が支柱3に固定されている。連結部53の係止部53aと支持ピン55とは、弾性部材であるばね54を介して連係されている。即ち、連結部53はばね54を介して支柱3と連係されている。
【0099】
なお、右側の連結部53において、第一ロックピンP1と、開き止め機構7の係合端部7eに設けられたロックレバーと、の間には、このロックレバーを操作できる程度に隙間が形成されている。また、係止部53aが設けられている部分は軸方向に一定の高さがあるため、開き止め機構7の係合端部7eを支柱3と連結部53の間に係合することが可能となる。
【0100】
このように、本実施形態において規制解除部材51は、ばね54の弾性力により、操作部52が上方に変位する方向に付勢されている。このため、
図19(a)及び
図20に示す如く、脚立50が脚立状態及び閉状態の際は、規制解除部材51の操作部52はアーム部材に当接している。脚立50が脚立状態の際は、
図19(a)に示す如くばね54は伸長される。
【0101】
本実施形態に係る脚立50においては、脚立状態において規制解除部材51を操作することにより、脚立50を閉状態とすることができる。具体的には、使用者が規制解除部材51の操作部52を上方に持ち上げることにより、操作部52がアーム部材を上方に変位させて屈曲させる。即ち、回転連結部7dが上方に変位するように第一アーム体7aと第二アーム体7bとが相対回転する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。また、使用者が操作部52を持ち上げることにより、梯子体2・2は自重により互いに近接してその相対角度が約0度となり、脚立50が閉状態となる。
【0102】
このように、脚立50が脚立状態の際に使用者が操作部52を操作する動作を行うことにより、脚立50を閉状態とすることができる。これにより、脚立50の使用者は脚立状態から閉状態にする動作と、閉状態の脚立50を持ち上げる動作とをほぼ同時にワンタッチで行うことが可能となる。
【0103】
上記の如く、本実施形態に係る脚立50において、開き止め機構7が備える規制解除部材51は、脚立50が脚立状態の際に梯子体2・2における相対変位の規制を解除する。これにより、使用者が片手で規制解除部材51を操作するだけで、脚立50を脚立状態から閉状態に変形することが可能となる。即ち、使用者が道具を持っている等、両手を使用することが困難な状況でも、脚立50を容易に脚立状態から閉状態に変形することができる。
【0104】
また、本実施形態に係る脚立50によれば、一対の梯子体2・2を連結する開き止め機構7は、係合端部7eにおいて第一ロックピンP1又は第二ロックピンP2との係合/係合解除を行うことにより、脚立状態又は梯子状態とすることができる。即ち、本実施形態に係る規制解除部材51は、梯子兼用脚立である脚立50にも支障なく採用することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る脚立50によれば、脚立50が脚立状態の際に、規制解除部材51における操作部52を上方に変位させることにより、第一アーム体7a及び第二アーム体7bを上方に回動させ、アーム部材を屈曲させる。このように、脚立50が脚立状態の際に使用者が操作部52を操作する動作を行うことにより、脚立50を閉状態とすることができるため、使用者は操作部52を上方に操作する動作に連続して脚立50を持ち上げる動作を行うことができる。
【0106】
本実施形態に係る脚立50において、規制解除部材51は、閉状態及び梯子状態の際に梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。具体的には
図20に示す如く、脚立50を閉状態とした際には規制解除部材51の操作部52は梯子体2・2の間に収容される。また、
図21に示す如く、規制解除部材51における連結部53を支柱3に対して回動可能とすることにより、脚立50を梯子状態とした際には規制解除部材51の操作部52は梯子体2・2と干渉しない位置に配置される。
【0107】
このように、本実施形態に係る脚立50によれば、閉状態及び梯子状態の際に規制解除部材51が梯子体2・2と干渉しない構成とすることにより、規制解除部材51を梯子兼用脚立である脚立50にも支障なく採用することを可能としている。
【符号の説明】
【0108】
2 梯子体 3 支柱
3a 端具 4 踏桟
5 天板 6 ヒンジ
6a 第一ヒンジ部 6b 第二ヒンジ部
6c 回動支持部 7 開き止め機構
7a 第一アーム体 7b 第二アーム体
7c 回動軸 7d 回転連結部
7e 係合端部 7f 係止部
10 脚立(梯子兼用脚立・第一実施形態)
11 規制解除部材 12 操作部
13 連結部 14 起立部
20 脚立(梯子兼用脚立・第二実施形態)
21 規制解除部材 22 操作部
23 連結部 28 規制部材
30 脚立(梯子兼用脚立・第三実施形態)
31 規制解除部材 32 操作部
32a 挿入部 33 連結部
33a 角度規制部 33b 孔部
34 ばね
40 脚立(梯子兼用脚立・第四実施形態)
41 規制解除部材 42 操作部
42a 挿入部 43 連結部
43a 孔部 44 ばね
50 脚立(梯子兼用脚立・第五実施形態)
51 規制解除部材 52 操作部
53 連結部 53a 係止部
54 ばね 55 支持ピン
P1 第一ロックピン P2 第二ロックピン
P3 第三ロックピン