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特開2022-16095遮断桿折損検知装置、遮断機及び遮断桿折損検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016095
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】遮断桿折損検知装置、遮断機及び遮断桿折損検知方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 29/04 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B61L29/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119377
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(72)【発明者】
【氏名】喜多 慧亮
(72)【発明者】
【氏名】岡見 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 翔
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161RR03
5H161RR32
(57)【要約】
【課題】非駆動状態を保ったままで遮断桿の折損を検知できる遮断桿折損検知装置、遮断機及び遮断桿折損検知方法を提供する。
【解決手段】遮断桿折損検知装置30は、遮断機1に備えられた遮断桿11が非駆動状態にあるときの保持電流を測定し、該測定した保持電流の変化に基づいて遮断桿11の折損を検知する。例えば、遮断桿折損検知装置30は、遮断桿11の駆動状態を判断する状態判断部31と、遮断桿11の非駆動状態が判断されたとき、遮断桿11を略水平状態又は略垂直状態に保持するための保持電流を検出する保持電流検出部32と、保持電流の基準値を記憶する記憶部34と、記憶部34に記憶された基準値に対して、保持電流検出部32で検出される保持電流が閾値以下に減少した場合に遮断桿11の折損を判定する折損判定部35と、遮断桿11の折損が判定されたときに故障信号Fを出力する出力部36と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断機に備えられた遮断桿の折損を検知する遮断桿折損検知装置であって、
前記遮断桿が非駆動状態にあるときの保持電流を測定し、該測定した保持電流の変化に基づいて前記遮断桿の折損を検知する、遮断桿折損検知装置。
【請求項2】
前記遮断機に対する昇降指令を基に前記遮断桿の駆動状態を判断する状態判断部と、
前記状態判断部により前記遮断桿が非駆動状態にあることが判断されたとき、前記遮断桿を略水平状態又は略垂直状態に保持するための保持電流を検出する保持電流検出部と、
前記保持電流の基準値を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された基準値に対して、前記保持電流検出部で検出される前記保持電流が閾値以下に減少した場合に、前記遮断桿が折損していることを判定する折損判定部と、
前記折損判定部で前記遮断桿の折損が判定されたときに前記遮断機の故障を示す信号を出力する出力部と、
を含む、請求項1に記載の遮断桿折損検知装置。
【請求項3】
前記折損判定部は、前記記憶部に記憶された基準値に対して、前記保持電流検出部で検出される前記保持電流が前記閾値以下に減少し、かつ、当該減少した状態が一定時間継続する場合に、前記遮断桿が折損していることを判定する、請求項2に記載の遮断桿折損検知装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の遮断桿折損検知装置を備えた遮断機。
【請求項5】
遮断機に備えられた遮断桿の折損を検知する方法であって、
前記遮断桿が非駆動状態にあるときの保持電流を測定し、該測定した保持電流の変化に基づいて前記遮断桿の折損を検知する、遮断桿折損検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断機に備えられた遮断桿の折損を検知する遮断桿折損検知装置、遮断機及び遮断桿折損検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、列車の軌道と道路とが交差する踏切などでは、列車の接近を警報機で知らせると共に、遮断機により遮断桿を下降動作させることで、踏切内に人や車両が侵入するのを未然に防ぎ、往来の安全を確保している。遮断桿が車両との接触等によって折損した場合、踏切内への浸入を防止する機能が失われて危険な状態となるため、遮断桿の折損を迅速に検知することが求められている。
【0003】
遮断桿の折損を検知する従来の技術として、例えば特許文献1には、遮断桿がモータにより駆動されて略水平位置から略垂直位置に上昇動作する際、モータ電流の時系列データを収集して変動周期を求め、該モータ電流の変動周期が許容範囲内にない場合に遮断桿の折損を判定する踏切遮断桿折損検知装置が開示されている。この踏切遮断桿折損検知装置では、弾性を有する遮断桿の揺れ(振動)による上昇速度の変化に伴うモータ電流の変動を利用して遮断桿の折損が検知されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-159253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の踏切遮断桿折損検知装置については、遮断桿が駆動状態にならないと折損を検知することができない、すなわち、遮断桿が略水平位置から略垂直位置に上昇動作しない限り遮断桿の折損を検知することができないという課題があった。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、非駆動状態を保ったままで遮断桿の折損を検知できる遮断桿折損検知装置、遮断機及び遮断桿折損検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明の一態様は、遮断機に備えられた遮断桿の折損を検知する遮断桿折損検知装置を提供する。この遮断桿折損検知装置は、前記遮断桿が非駆動状態にあるときの保持電流を測定し、該測定した保持電流の変化に基づいて前記遮断桿の折損を検知する。
【0007】
また、本発明の他の態様は、遮断機に備えられた遮断桿の折損を検知する方法を提供する。この方法は、前記遮断桿が非駆動状態にあるときの保持電流を測定し、該測定した保持電流の変化に基づいて前記遮断桿の折損を検知する。
【発明の効果】
【0008】
上記のような本発明に係る遮断桿折損検知装置及び方法によれば、遮断桿が非駆動状態にあり略水平状態又は略垂直状態で保持されているときに遮断桿の折損を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る遮断桿折損検知装置を備えた遮断機の構成を示すブロック図である。
図2】上記実施形態における遮断桿折損検知装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】上記実施形態において遮断桿が略水平状態にあるときの遮断機の外観を示す正面図である。
図4】上記実施形態において遮断桿が略垂直状態にあるときの遮断機の外観を示す正面図である。
図5】上記実施形態において遮断機の設置及び調整時に行われる基準値設定動作を示すフローチャートである。
図6】上記実施形態において遮断機の運用時に行われる遮断桿の折損の検知動作を示すフローチャートである。
図7】上記実施形態において遮断桿が略水平状態で折損したときの一例を示す正面図である。
図8】上記実施形態において遮断桿が略水平状態で折損したときの他の一例を示す正面図である。
図9】上記実施形態において遮断桿が略垂直状態で折損したときの一例を示す正面図である。
図10】上記実施形態において遮断桿が略垂直状態で折損したときの他の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遮断桿折損検知装置を備えた遮断機の構成を示すブロック図である。図1において、遮断機1は、例えば、列車の軌道と道路とが交差する踏切などに設置される。遮断機1は、踏切内への人や車の侵入を防ぐ遮断桿11を有する。遮断桿11は、モータ12で発生する動力により駆動され、遮断桿11の状態が水平となる下降位置と垂直となる上昇位置との間を昇降する。
【0011】
なお、下降位置では、遮断桿11の状態が概ね水平であればよく厳密に水平である必要はない(以下では「略水平状態」とする)。略水平状態にある遮断桿11の角度は、例えば、0°~10°程度の範囲としてもよい。ただし、この角度の範囲は、略水平状態において遮断桿11が山なりに撓むような場合、遮断桿11の先端部が地面から所定の高さとなるように後端部(根元)の角度を調整した状態での当該角度の範囲である。また、上昇位置では、遮断桿11の状態が概ね垂直であればよく厳密に垂直である必要はない(以下では「略垂直状態」とする)。略垂直状態にある遮断桿11の角度は、例えば、75°~90°程度の範囲としてもよい。なお、本発明における略水平状態及び略垂直状態が上記角度の範囲に限定されることを意味するものではない。
【0012】
モータ12は、遮断機1の外部に配置されている電源Pに電気ケーブルCを介して接続された汎用モータ(例えば、誘導モータ、サーボモータ、ブラシレスモータ等)である。モータ12は、電源Pの出力電圧が供給されることで回転作動して動力を発生し、該動力が伝達機構13を介して遮断桿11に伝達される。モータ12の回転状態は、制御器14から出力される制御信号Sに従って制御される。
【0013】
制御器14は、外部から与えられる上昇指令Cr及び下降指令Cdと、電流センサ15により検出されるモータ12を流れる電流Iと、角度センサ16により検出されるモータ12の回転状態Rと、位置センサ17により検出される遮断桿11の位置情報Lとに応じて、モータ12の動作を制御するモータドライバとしての機能を備えると共に、遮断桿11の折損を検知する遮断桿折損検知装置30としての機能を兼ね備えている。
【0014】
電流センサ15は、電源Pとモータ12との間を繋ぐ電気ケーブルCに取り付けたクランプ式電流センサなどを使用して、モータ12の作動時に電気ケーブルCを流れる電流Iを検出する。電流センサ15で検出された電流Iは制御器14に与えられる。
【0015】
角度センサ16は、モータ12に設けられているレゾルバ(回転角センサ)等を利用してモータ12の回転状態R(例えば、回転角度や回転速度など)を検出する。角度センサ16で検出されたモータ12の回転状態Rは制御器14に与えられる。
【0016】
位置センサ17は、例えば、遮断桿11が下降して略水平状態にあるときにオンする下降側のカムスイッチと、遮断桿11が上昇して略垂直状態にあるときにオンする上昇側のカムスイッチとを有し、各カムスイッチの出力信号により示される遮断桿11の位置情報Lを制御器14に与える。上記カムスイッチとしては、遮断桿11を支持する主軸と共に回動するカムと該カムに当接するローラとを組み合わせて構成されるメカニカルなスイッチ等が使用される。なお、位置センサ17は、遮断桿11の位置情報Lを取得可能であればカムスイッチ以外の周知のデバイスを利用してもよい。
【0017】
図2は、制御器14に兼ね備えられた遮断桿折損検知装置30の機能構成を示すブロック図である。図2において、遮断桿折損検知装置30は、例えば、状態判断部31、保持電流検出部32、基準値設定部33、記憶部34、折損判定部35、出力部36及び表示部37を備えて構成される。
【0018】
状態判断部31は、遮断機1に対する昇降指令としての上昇指令Cr及び下降指令Cdを基に遮断桿11の駆動状態を判断する。本実施形態における状態判断部31には、上昇指令Cr及び下降指令Cdと、角度センサ16で検出されるモータ12の回転状態Rと、位置センサ17で検出される遮断桿11の位置情報Lとが与えられている。状態判断部31は、これらの情報を利用して、遮断桿11が駆動状態にあるか非駆動状態にあるかを判断すると共に、非駆動状態にある場合には、遮断桿11が略水平状態にあるか略垂直状態にあるかを判断する。状態判断部31の判断結果は、保持電流検出部32に伝えられる。なお、状態判断部31における遮断桿11の状態の具体的な判断方法については後述する。
【0019】
保持電流検出部32は、状態判断部31により遮断桿11が非駆動状態にあることが判断されたとき、遮断桿11を略水平状態又は略垂直状態に保持するための保持電流を検出する。本実施形態において、保持電流検出部32は、状態判断部31での判断結果が遮断桿11の非駆動状態且つ略水平状態を示しているときに、電流センサ15により検出される電流Iを、遮断桿11を略水平状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih1として検出する。また、保持電流検出部32は、状態判断部31での判断結果が遮断桿11の非駆動状態且つ略垂直状態を示しているときに、電流センサ15により検出される電流Iを、遮断桿11を略垂直状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih2として検出する。保持電流検出部32で検出された保持電流Ih1,Ih2は、遮断機1の設置及び調整時、すなわち、遮断桿11が折損していない状態にある時には、基準値設定部33に伝えられる一方、遮断機1の運用時には、折損判定部35に伝えられる。
【0020】
ここで、保持電流Ih1,Ih2について詳しく説明する。
一般に、非駆動状態にある遮断桿11は、自重によって下降するように設計されているので、略水平状態にあるときに上昇することはない。しかし、歩行者等が略水平状態にある遮断桿11を持ち上げてくぐり抜けようとする場合がある。そこで、このような状況でも遮断桿11が上昇しないようにするために、モータ12を作動させて遮断桿11を略水平状態に保持する力が遮断桿11に与えられている。この遮断桿11を略水平状態に保持する力は、通常、自重によって下降しようとする遮断桿11を略水平状態に保つために上昇方向に作用する一方、歩行者等が持ち上げた時には下降方向に作用する。このような遮断桿11を略水平状態に保持する力が作用する際にモータ12に流れる電流が、遮断桿11を略水平状態に保持するための保持電流Ih1に該当する。
【0021】
また、略垂直状態では、遮断桿11が自重によって下降しないようにするために、モータ12を作動させて遮断桿11を略垂直状態に保持する力が遮断桿11に与えられている。この遮断桿11を略垂直状態に保持する力は、通常、自重によって下降しようとする遮断桿11を略垂直状態に保つために上昇方向に作用する一方、自重による下降方向の力よりも大きな逆方向の力が風等の影響を受けて生じた時には下降方向に作用する。このような遮断桿11を略垂直状態に保持する力が作用する際にモータ12に流れる電流が、遮断桿11を略垂直状態に保持するための保持電流Ih2に該当する。
【0022】
なお、以下の説明では、遮断桿11が駆動状態にあり下降位置と上昇位置との間で昇降動作させるためにモータ12に流れる電流を「駆動電流」と呼び、上記のような非駆動状態にある遮断桿11を略水平状態又は略垂直状態に保持するための「保持電流」とは区別することにする。
【0023】
図3は、遮断桿11が略水平状態にあるときの遮断機1の外観を示す正面図である。また、図4は、遮断桿11が略垂直状態にあるときの遮断機1の外観を示す正面図である。図3及び図4において、遮断桿11は、伝達機構13の一部を構成する遮断桿支持軸(主軸)18を有し、該遮断桿支持軸18に遮断桿ホルダ19が固定されている。遮断桿ホルダ19には、遮断桿11の後端部が挿入されて固定されている。略水平状態にある遮断桿11には、図3の矢印線に示すように、自重による鉛直方向への力Fg1に加えて、モータ12からの動力による上昇方向への保持力Fh1(通常時:実線)、又は下降方向への保持力Fh1’(歩行者等の持ち上げ時:破線)が作用している。また、略垂直状態にある遮断桿11には、図4の矢印線に示すように、自重による下降方向(図4において右方)への力Fg2に加えて、モータ12からの動力による上昇方向(図4において左方)への保持力Fh2(通常時:実線)、又は下降方向(図4において右方)への保持力Fh2’(風等の影響を受けた時:破線)が作用している。
【0024】
図2に戻って、基準値設定部33は、遮断機1の設置及び調整時に保持電流検出部32で検出された保持電流Ih1,Ih2を、遮断桿11の折損を判定する際の基準となる保持電流の基準値Ir1,Ir2として設定する。具体的には、略水平状態に対応した保持電流Ih1が略水平状態の基準値Ir1として設定されると共に、略垂直状態に対応した保持電流Ih2が略垂直状態の基準値Ir2として設定される。基準値設定部33で設定された基準値Ir1,Ir2は記憶部34に記憶される。なお、本実施形態では、遮断機1の設置及び調整時に取得した保持電流を基準値に設定する一例を示したが、保持電流の基準値を設定するタイミングは遮断機1の設置及び調整時に限定されない。例えば、遮断機1の運用開始後における遮断桿11の交換時などにも保持電流を取得して基準値を再設定し、記憶部34のデータを更新するようにしてもよい。
【0025】
折損判定部35は、遮断機1の運用時に、記憶部34に記憶された基準値Ir1,Ir2に対して、保持電流検出部32で検出される保持電流Ih1,Ih2が閾値以下に減少した場合に、遮断桿11が折損していることを判定する。この判定は、折損の前後で遮断桿11の重量が変化してモータ12にかかる負荷が減ることで保持電流Ih1,Ih2が減少するという特性を利用している。上記判定に用いる閾値は、例えば、基準値に対する保持電流の割合とすることが可能である。具体的には、保持電流検出部32で検出される略水平状態に対応した保持電流Ih1が、記憶部34に記憶された略水平状態の基準値Ir1のX%以下に減少した場合に、遮断桿11の折損を判定するようにしてもよい。また、保持電流検出部32で検出される略垂直状態に対応した保持電流Ih2が、記憶部34に記憶された略垂直状態の基準値Ir1のY%以下に減少した場合に、遮断桿11の折損を判定するようにしてもよい。ここでは、略水平状態に対応した閾値X%と、略垂直状態に対応した閾値Y%とを個別に設定する一例を挙げたが、略水平状態及び略垂直状態で共通の閾値(X=Y)を設定することも可能である。
【0026】
上記のような閾値(X%,Y%)は、遮断桿11の全長、及び風や悪戯による遮断桿11の振れなどを考慮して設定するのが好ましい。例えば、全長の異なる遮断桿11が遮断桿ホルダ19に取り付けられる可能性がある場合には、遮断桿11の全長毎に、折損発生時に残存し得る遮断桿11の長さを複数想定して保持電流のデータを実験等により事前に取得し、遮断桿11の折損が所望の精度で検知可能となるような閾値を決めるようにしてもよい。具体的な数値例としては60~80%程度の閾値を設定することが可能である。閾値を80%程度に設定した場合には、遮断桿11の全長の1/3程度の折損を検知可能で風や悪戯の影響を受け難くなり、閾値を60%程度に設定した場合には、遮断桿11の全長の1/2程度の折損を検知可能で風や悪戯の影響を殆ど受けなくなる。ただし、本発明における閾値が上記具体例に限定されることを意味するものではない。本実施形態における閾値は、外部から与えられる閾値指示に従って折損判定部35に設定される。この閾値指示は、遮断機1の設置場所や運用状況などに応じて変更されるようにしてもよい。閾値指示の変更には、図示を省略するが、制御器14に設けられているボタン等の入力装置、或いは、遮断桿折損検知装置30に接続されたパソコンや端末設定器などを利用することが可能である。これにより、遮断桿11の折損の判定を柔軟に行うことができる。
【0027】
出力部36は、折損判定部35で遮断桿11の折損が判定されたときに遮断機1の故障を示す故障信号Fを外部に出力すると共に、遮断機1の故障情報を表示部37にも伝える。
表示部37は、出力部36から伝えられる遮断機1の故障情報を、例えば遮断機1の正面に設けられた表示装置20(図3及び図4参照)などに表示することで、保守員や踏切利用者等が遮断機1の故障を目視確認できるようにして注意喚起を行う。なお、表示部37及び表示装置20による故障情報の表示は省略することが可能である。故障情報の表示を省略した場合、出力部36から外部に出力される故障信号Fに応じて遮断機1以外の外部装置(図示省略)等により保守員や踏切利用者等への注意喚起を行うようにしてもよい。
【0028】
次に、本実施形態による遮断桿折損検知装置30の動作について説明する。
本実施形態による遮断桿折損検知装置30では、まず、遮断機1を踏切などに設置し、遮断桿11の昇降動作の調整(例えば、上昇速度、下降速度、上昇位置、下降位置などの調整)を実施する際に、前述した略水平状態の基準値Ir1及び略垂直状態の基準値Ir2を設定及び記憶するための処理が行われる。図5は、遮断機1の設置及び調整時における基準値の設定動作の一例を示すフローチャートである。
【0029】
図5において、ステップS10では、踏切などへの設置及び調整が行われた遮断機1に対して、前述した略水平状態の基準値Ir1を設定するために、下降指令Cdが与えられる。該下降指令Cdを受けた制御器14では、モータ12を作動させて遮断桿11を下降動作させる制御信号Sが生成されてモータ12に出力される。モータ12は、電源Pからの電圧供給を受け、制御器14からの制御信号Sに従い遮断桿11を下降させる方向に回転し、該回転によって発生する動力が伝達機構13を介して遮断桿11に伝達される。これにより、遮断桿11が駆動状態となり下降動作を開始する。
【0030】
このときモータ12に流れる電流Iは、前述した「駆動電流」に該当し、該駆動電流が電流センサ15によって検出されて制御器14に伝えられる。また、モータ12の回転状態R(回転角度や回転速度)が角度センサ16によって検出されて制御器14に伝えられる。制御器14は、電流センサ15で検出される電流I、及び角度センサ16で検出されるモータ12の回転状態Rに応じて、遮断桿11が所要の速度で下降するように駆動電流の大きさを調整しながら、遮断桿11を目的位置、すなわち、遮断桿11が略水平状態となる下降位置まで移動させる。
【0031】
続くステップS20では、状態判断部31において、遮断桿11が非駆動状態且つ略水平状態にあるかが判断される。具体的に、状態判断部31では、角度センサ16から伝えらえるモータ12の回転状態Rと、位置センサ17から伝えられる遮断桿11の位置情報Lとを利用して、遮断桿11の現在の角度(位置)が求められる。そして、遮断桿11が下降位置に到達していない場合には、遮断桿11が駆動状態にあり下降動作していることが判断されて(NO)、遮断桿11が下降位置に到達するまでステップS20の判断が繰り返される。遮断桿11が下降位置に到達すると、遮断桿11の下降動作が終了して非駆動状態に切り替わり、遮断桿11が略水平状態にあることが判断されて(YES)、次のステップS30に進む。
【0032】
ステップS30では、保持電流検出部32において、電流センサ15から伝えられる電流Iが、遮断桿11を略水平状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih1として検出される。該検出された保持電流Ih1は、保持電流検出部32から基準値設定部33に伝えられる。続くステップS40では、基準値設定部33において、保持電流検出部32で検出された保持電流Ih1が、遮断桿11の折損の判定基準となる略水平状態の基準値Ir1として設定され記憶部34に記憶される。
【0033】
次のステップS50では、前述した略垂直状態の基準値Ir2を設定するために、遮断機1に対して上昇指令Crが与えられる。上昇指令Crを受けた制御器14では、遮断桿11を上昇動作させる制御信号Sが生成されてモータ12に出力される。該制御信号Sを受けたモータ12では、回転方向が遮断桿11を上昇させる方向に切り替えられる。これにより、遮断桿11が再び駆動状態となり上昇動作を開始する。制御器14は、電流センサ15で検出される電流I、及び角度センサ16で検出されるモータ12の回転状態Rに応じて、遮断桿11が所要の速度で上昇するように駆動電流の大きさを調整しながら、遮断桿11を目的位置、すなわち、遮断桿11が略垂直状態となる上昇位置まで移動させる。
【0034】
続くステップS60では、状態判断部31において、遮断桿11が非駆動状態且つ略垂直状態にあるかが判断される。具体的には、前述したステップS20の場合と同様にして、遮断桿11の現在の角度(位置)が求められ、遮断桿11が上昇位置に到達していない場合には、遮断桿11が駆動状態にあり上昇動作していることが判断されて(NO)、遮断桿11が上昇位置に到達するまでステップS60の判断が繰り返される。遮断桿11が上昇位置に到達すると、遮断桿11の上昇動作が終了して非駆動状態に切り替わり、遮断桿11が略垂直状態にあることが判断されて(YES)、次のステップS70に進む。
【0035】
ステップS70では、保持電流検出部32において、電流センサ15から伝えられる電流Iが、遮断桿11を略垂直状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih2として検出される。該検出された保持電流Ih2は、保持電流検出部32から基準値設定部33に伝えられる。続くステップS80では、基準値設定部33において、保持電流検出部32で検出された保持電流Ih2が、遮断桿11の折損の判定基準となる略垂直状態の基準値Ir2として設定され記憶部34に記憶される。
【0036】
上記ステップS10~ステップS80の一連の処理により遮断機1の設置及び調整時における基準値の設定動作が終了する。なお、ここでは略水平状態の基準値Ir1を設定した後に略垂直状態の基準値Ir2を設定する一例を示したが、これとは逆に、略垂直状態の基準値Ir2を設定した後に略水平状態の基準値Ir1を設定するようにしてもよい。また、遮断桿11の折損の判定が略水平状態及び略垂直状態のいずれか一方で行われる場合には、それに対応した基準値のみを設定すればよい。
【0037】
次に、遮断機1の運用時における遮断桿11の折損の検知動作について図6のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
運用が開始された遮断機1に対して、図6のステップS110で、遮断桿11の昇降動作を指示する指令が外部から与えられると、続くステップS120で制御器14は、当該指令が下降指令Cdであるか上昇指令Crであるかを判定し、下降指令Cdの場合には(YES)ステップS130に進み、上昇指令Crの場合には(NO)ステップS200に移る。
【0038】
ステップS130では、下降指令Cdを受けた制御器14において、モータ12を作動させて遮断桿11を下降動作させる制御信号Sが生成されてモータ12に出力される。これにより、遮断桿11が駆動状態となり下降動作を開始し、制御器14による制御の下で駆動電流の大きさが調整されながら、遮断桿11が下降位置まで移動する。
【0039】
続くステップS140では、状態判断部31において、遮断桿11が非駆動状態且つ略水平状態にあるかが判断される。具体的には、前述した図5のステップS20の場合と同様にして、遮断桿11の現在の角度(位置)が求められ、遮断桿11が下降位置に到達していない場合には、遮断桿11が駆動状態にあり下降動作していることが判断されて(NO)、遮断桿11が下降位置に到達するまでステップS140の判断が繰り返される。遮断桿11が下降位置に到達すると、遮断桿11の下降動作が終了して非駆動状態に切り替わり、遮断桿11が略水平状態にあることが判断されて(YES)、次のステップS150に進む。
【0040】
ステップS150では、保持電流検出部32において、電流センサ15から伝えられる電流Iが、遮断桿11を略水平状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih1として検出される。該検出された保持電流Ih1は、保持電流検出部32から折損判定部35に伝えられる。続くステップS160では、折損判定部35において、記憶部34に記憶された略水平状態の基準値Ir1に対して、保持電流検出部32からの保持電流Ih1が閾値(例えば、X%)以下に減少したか否かが判定される。基準値Ir1に対して保持電流Ih1が閾値以下に減少した場合には(YES)、次のステップS170に進む。一方、基準値Ir1に対して保持電流Ih1が閾値を超えている場合には(NO)、遮断桿11に折損は生じておらず遮断機1が正常な状態にあると判断されて、前述したステップS110に戻り、遮断桿11の折損の検知動作が継続される。
【0041】
ステップS170では、保持電流Ih1(Ih2)が閾値以下に減少した状態が一定時間(例えば、10秒程度)継続するか否かが判定される。一定時間継続する場合には、次のステップS180において、遮断桿11が折損していることが検知される。一方、一定時間継続しない場合には、風や悪戯などの影響を受けて保持電流Ih1(Ih2)が一時的に減少したものと判断して、前述したステップS110に戻り、遮断桿11の折損の検知動作が継続される。
【0042】
図7及び図8は、遮断桿11が略水平状態で折損したときの一例を示す正面図である。図7の例では、略水平状態にある遮断桿11が長手方向の中央付近で折損して、遮断桿11の先端側部分11aが折れ曲がり先端部が地面に接触し、後端側部分11bが遮断桿ホルダ19に残存する状態となっている。また、図8の例では、中央付近で折損した遮断桿11の先端側部分11aが地面に脱落した状態となっている。これらのような状態では、折損の前後で遮断桿11の重量が大きく変化してモータ12にかかる負荷が減るため、折損した遮断桿11の後端側部分11bを略水平状態に保持するための保持電流Ih1が減少することになる。折損判定部35は、この保持電流Ih1の減少に注目して略水平状態にある遮断桿11の折損を検知している。
【0043】
図6に戻り、上記ステップS180で遮断桿11の折損が検知されると、続くステップS190において、出力部36により遮断機1の故障を示す故障信号Fが外部に出力されると共に、遮断機1の故障情報が表示部37を介して表示装置20(図7及び図8参照)に表示される。なお、表示部37及び表示装置20による故障の表示は前述したように省略することも可能である。また、これと同時に、制御器14によるモータ12の制御が解除されて遮断桿11が自重により下降して略水平状態となりフェールセーフな状態が確保される。
【0044】
前述したステップS120において上昇指令Crが判定されると、上昇指令Crを受けた制御器14は、ステップS200において、モータ12を作動させて遮断桿11を上昇動作させる制御信号Sをモータ12に出力する。これにより、遮断桿11が駆動状態となり上昇動作を開始し、制御器14による制御の下で駆動電流の大きさが調整されながら、遮断桿11が上昇位置まで移動する。
【0045】
続くステップS210では、状態判断部31において、遮断桿11が非駆動状態且つ略垂直状態にあるかが判断される。具体的には、前述した図5のステップS60の場合と同様にして、遮断桿11の現在の角度(位置)が求められ、遮断桿11が上昇位置に到達していない場合には、遮断桿11が駆動状態にあり上昇動作していることが判断されて(NO)、遮断桿11が上昇位置に到達するまでステップS210の判断が繰り返される。遮断桿11が上昇位置に到達すると、遮断桿11の上昇動作が終了して非駆動状態に切り替わり、遮断桿11が略垂直状態にあることが判断されて(YES)、次のステップS220に進む。
【0046】
ステップS220では、保持電流検出部32において、電流センサ15から伝えられる電流Iが、遮断桿11を略垂直状態に保持するためにモータ12に流れる保持電流Ih2として検出される。該検出された保持電流Ih2は、保持電流検出部32から折損判定部35に伝えられる。続くステップS230では、折損判定部35において、記憶部34に記憶された略垂直状態の基準値Ir2に対して、保持電流検出部32からの保持電流Ih2が閾値(例えば、Y%)以下に減少したか否かが判定される。基準値Ir2に対して保持電流Ih2が閾値以下に減少した場合には(YES)、前述したステップS170~ステップS190の各処理が行われる。一方、基準値Ir2に対して保持電流Ih2が閾値を超えている場合には(NO)、前述したステップS110に戻り、遮断桿11の折損の検知動作が継続される。
【0047】
図9及び図10は、遮断桿11が略垂直状態で折損したときの一例を示す正面図である。図9の例では、略垂直状態にある遮断桿11が長手方向の根元付近で折損して、遮断桿11の先端側部分11aが折れ曲がり先端部が地面に接触し、後端側部分11bが遮断桿ホルダ19に残存する状態となっている。また、図10の例では、根元付近で折損した遮断桿11の先端側部分11aが地面に脱落した状態となっている。これらのような状態でも、折損の前後で遮断桿11の重量が大きく変化してモータ12にかかる負荷が減るため、折損した遮断桿11の後端側部分11bを略垂直状態に保持するための保持電流Ih2が減少することになる。折損判定部35は、この保持電流Ih2の減少に注目して略垂直状態にある遮断桿11の折損を検知している。
【0048】
上述したような本実施形態の遮断桿折損検知装置30によれば、遮断桿11が非駆動状態にあるときの保持電流Ih1,Ih2を測定し、該測定した保持電流Ih1,Ih2の変化に基づいて遮断桿11の折損を検知するようにしたことで、遮断桿11が略水平状態又は略垂直状態で保持されているときに遮断桿11の折損を検知することができる。
【0049】
例えば、遮断桿11の下降動作が完了する直前に車両等が踏切を強引に通過しようとして遮断桿11が折損した場合、該遮断桿11の残存部分が略水平位置まで移動して停止した状態、すなわち、後続車両等の踏切内への浸入を十分に防止できない状態で、列車が踏切を通過するのを待つことになる。上述した特許文献1に開示されている従来の技術では、列車の通過後に遮断桿が上昇動作して略垂直位置まで移動した後のタイミングでないと遮断桿の折損を検知できず、それまでの間は遮断機の故障を外部に知らせることが困難であった。これに対して本実施形態の遮断桿折損検知装置30では、遮断桿11が略水平状態で保持されているときに折損を検知できるので、遮断機1の故障を従来よりも迅速に外部に知らせることが可能である。
【0050】
また、従来の技術では、遮断桿が駆動状態にあり上昇動作しているときのモータ電流の時系列データを収集しているが、上昇動作中の遮断桿は風の影響を受け易いという欠点があった。特に、遮断桿を支持する主軸の回転方向に追い風又は向かい風を受けた場合、遮断桿の長さに依存した揺れ(振動)が乱されることで、モータ電流の変動周期を所要の精度で求めることが難しくなってしまう可能性があった。一方、本実施形態の遮断桿折損検知装置30において、略水平状態にある遮断桿11の折損を検知する場合には、上昇動作中の遮断桿よりも風の影響を受け難くなるため、遮断桿11の折損を従来よりも確実に検知することができる。さらに、上記のような遮断桿折損検知装置30としての機能は、既存の遮断機1に備えられている制御器14及び各種センサを利用しソフトウェアを追加することで安価に実現することもできる。
【0051】
また、本実施形態の遮断桿折損検知装置30によれば、折損判定部35が、記憶部34に記憶させた基準値Ir1,Ir2に対して、保持電流検出部32で検出される保持電流Ih1,Ih2が閾値以下に減少した場合に、遮断桿11が折損していることを判定しており、判定に用いる閾値を遮断桿11の全長などを考慮して適切に設定することで、遮断桿11の折損をより確実且つ柔軟に判定することができる。加えて、基準値Ir1,Ir2に対して保持電流Ih1,Ih2が閾値以下に減少した状態が一定時間継続する場合に、遮断桿が折損していることを判定するようにすれば、風や悪戯などの影響を受けて保持電流Ih1,Ih2が変動することによる誤判定のリスクを小さくすることができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、踏切に設置される遮断機1の遮断桿11の折損を検知する一例を説明したが、踏切以外の各種設備に設置される遮断機における遮断桿の折損の検知に本発明を応用することも勿論可能である。また、上述した実施形態では、遮断桿11が略水平状態にあるときと略垂直状態にあるときの双方で遮断桿11の折損が検知される一例を示したが、略水平状態又は略垂直状態のいずれか一方で遮断桿11の折損検知を行うようにしても同様の作用効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…遮断機、11…遮断桿、12…モータ、13…伝達機構、14…制御器、15…電流センサ、16…角度センサ、17…位置センサ、18…遮断桿支持軸、19…遮断桿ホルダ、20…表示装置、30…遮断桿折損検知装置、31…状態判断部、32…保持電流検出部、33…基準値設定部、34…記憶部、35…折損判定部、36…出力部、37…表示部、C…電気ケーブル、P…電源、Cr…上昇指令、Cd…下降指令、F…故障信号、Ih1,Ih1’,Ih2,Ih2’…保持電流、Ir1,Ir2…基準値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10