(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022160967
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】マスクに繋止し得るマスク口当てシートとマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065542
(22)【出願日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】712007348
【氏名又は名称】株式会社ドクター中松創研
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マスクと唇の間に装着するマスク口当てシートは、使用していると口の移動で引きずられずれてしまい、化粧または唾液がマスクに付着してしまったりする可能性があり、そのたびに洗濯や廃棄せねばならぬ。これを防止するため、繋止部を設け、口当てシートがマスクからずれなくする口当て部およびマスクを提供する。
【解決手段】面ファスナ、接着材等により繋止するか又は、折り曲げによる引っ掛けやノーズフィッタによる摩擦により繋止する。同時に、容易に外せて洗濯して何回も使え、又は、交換廃棄出来るのでマスクを洗濯せず、長く使用出来る。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに、繋止し得る事を特徴とするマスク口当て具。
【請求項2】
マスク口当て具を繋止し得る事を特徴とするマスク。
【請求項3】
請求項1に於て、折り曲げたマスク口当て具又は折り曲げ得るマスク口当て具を折り曲げる事によりマスクに繋止し得る事を特徴とするマスク口当て具。
【請求項4】
請求項1に於て、マスク口当て具に面ファスナ、接着部等マスクとの繋止部を設けた事を特徴とするマスク口当て具。
【請求項5】
請求項1、2に於て、フック側とループ側の両方の結合した又はループ側などどちらか一方の面ファスナやリリースライナをはりつけた接着部等マスク口当て具繋止部を設けた事を特徴とするマスク。
【請求項6】
請求項1、2に於て、マスク口当て具を折り曲げてマスクに繋止する事を特徴とするマスク口当て具をマスクに繋止する方法。
【請求項7】
請求項1、2に於て、マスクとマスク口当て具を重ねマスクのノーズフィッタ部とマスクとマスク口当て具を一緒に山型に曲げる事によりマスクとマスク口当て具を接合する事を特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1、2に於て、マスクのノーズフィッタを山型に曲げ、前記山型の内側にマスク口当て具を挿入する事によりマスク口当て具をマスクに接合する事を特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1、2に於て、口当てシート等口当て具にループ側とフック側の両方を結合した又はどちらか一方、例えばフック側のみの面ファスナ、リリースライナを設けた接着部などの結合部を設けた事を特徴とする口当てシート。
【請求項10】
請求項1、2に於て、口当てシート等口当て具に、ループ側とフック側の両方を結合した面ファスナ、リリースライナを設けた接着部などの結合部を設け、口当てシート等口当て具の面ファスナのループ側又は前記リリースライナをはがし、公知の市販マスクにループ側面ファスナを貼り付け、又は前記接着部により口当てシート等口当て具を結合することを特徴とするマスク。
【請求項11】
請求項1、2に於て、口当てシート等口当て具に、ループ側とフック側の両方を結合した面ファスナ、リリースライナを設けた接着部などの結合部を設けた口当てシート等口当て具を販売供給し、口当てシート等口当て具の面ファスナのループ側又は前記リリースライナを取り外し、公知の市販マスクに貼り付け、口当てシート等口当て具を結合し使用することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は公知のマスクや、本発明者が発明した目スク(特願2021―050255)と共に使用する口当てシートやマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスは新種株等も発生し、勢いを増し、人から人への感染が増大しているので、マスクは外出時のみならず、睡眠、食事以外で、一日中装着されることも多くなってきた。 公知マスクまたは、目スクを装着するときに、口紅や化粧がマスクに付着する事を防止するため、マスクと唇の間に口当てシートと、又それを使用するマスクに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マスクに口当てシートを、装着していると、口の顎の動きが下に動くので口当てシートがずれてしまい、マスクの下端からはみ出し、口から外れて口紅、化粧または唾液がマスクに付着してしまったりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、マスクに、繋止し得る事を特徴とする口当てシート等マスク口当て具であり、また、マスク口当て具を繋止し得る事を特徴とするマスクである。マスク口当て具を繋止する手段は、面ファスナまたは、接着材等により繋止するか又は、折り曲げによる引っ掛けやノーズフィッタによる摩擦により繋止する口当て具およびマスクである。
【発明の効果】
【0005】
マスクと口の間にはさむ口当てシートが口を開閉してもずれ落ちない。従って、マスクをいつも清潔に保つことができる効果がある。
そして、廃棄交換が容易で、洗濯可能なので何回も使用しマスクは汚れず、洗濯不要で長期に清潔に使用できるし、従ってローコストになる効果がある。
また、市販マスクと結合して本効果を与える事も出来る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】公知のマスクに口当てシートを設けた裏面図。
【
図3】
図1、
図2に於て、口当てシート2がずれることを説明する側断面図。
【
図4】本発明第1実施例で、
図1のマスク1と口当てシート2の装着方法を説明する上面図で、(A)マスク1に口当てシート2を重ね、(B)マスク1と口当てシート2を重ねて一緒にノーズフィッタ(針金等)11により折り曲げた図である。
【
図5】本発明第2実施例で、マスク1と口当てシート2をノーズフィッタ(針金等)11で装着するプロセスを説明する上面図で、(A)マスク1単独を、(B)ノーズフィッタ(針金等)11部を鼻の高さに合せ山型に折り曲げ、(C)口当てシート2をマスクに重ね、(D)口当てシート2をマスク1の山形部に合わせて押し込んだ図である。
【
図6】本発明第3実施例で、
図2の目スク4の場合の口当てシート2の装着方法を説明する側断面図である。
【
図7】本発明第4実施例で、口当てシート2の正面図で点線部で折り曲げ線21の側である。
【
図8】本発明第4実施例で、
図7の折り曲げた口当てシート2を公知のマスク1に繋止し装着した側断面図である。
【
図9】本発明5実施例で、
図7の折り曲げた口当てシート2を目スク4に設け、本発明を装着した側断面図。
【
図10】本発明第6実施例で、公知のマスク1のノーズフィッタ11の下部中央に、面ファスナループ側52又は接着材51を設けた裏面図である。
【
図11】本発明第7実施例で、口当てシート2の中央上部に、面ファスナフック側53又は、リリースライナ付接着材51を設けた正面図である。
【
図12】本発明第8実施例で、
図10と
図11の面ファスナ52、53又は接着材51で目スクと繋止し、装着した側断面図である。
【
図13】本発明第9実施例で、2枚の公知マスク1を重ねて装着し2枚のマスク1の隙間の中央上部に、繋止部を設けた、側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、公知マスク1の顔面に接する側に、口当てシート2を設けた時の図を示す。本マスクを装着した場合、矢印3で示すように、口当てシート2は上下左右にずれて、マスク1から外れてしまうのでその機能を失う。
【0008】
図2は、本発明者が発明した目スク4に、口当てシート2を設けた図を示す。
図1と同様に、口当てシート2は矢印3の方向にずれてマスクから外れる。
【0009】
図3は、なぜ口当てシート2がずれてゆく理論を示す。
図1のマスクを装着した時に、しゃべったり、口を動かしたりすると、顎は矢印31で示す様に下方向のみ31に移動し、それに伴い、マスク1と顔面の隙間にある口当てシート2が矢印3で示す如く下へ下へ、顎の下方への動きと重力で移動し、ずれて行き、遂には落下してしまう事を示した図である。
【0010】
そこで、本発明者は研究を重ね、口当てシート2が、装着時にずれないようにする理論と構造に関し、鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の第1実施例は、
図4(A)に示す如くマスク1に口当てシート2を重ね、次の処理を矢印6で(B)図に示すが、マスク1と口当てシート2を重ね、マスク1の上部に設けられたノーズフィッタ(針金等)11を、鼻の形状に合わせて山型に両方を一緒に折り曲げる事により、両者の接触面積が最大となり最大の摩擦力となり両者が繋止される。
【0012】
装着された、本発明のマスク1と口当てシート2は、鼻の形状に合わせたノーズフィッタ11により、鼻に押し付けられその摩擦にて口当てシート2は固定される。これにより、
図3にて示した様に、会話等により顎が動いても、口当てシート2は鼻の形状に合わせたノーズフィッタ11により鼻に押し付けられているので両者の繋止が強く、ずれは生じないという効果がある。そして、口当てシート2を交換や繰返し洗濯することができるので低コストとなる効果がある。
【0013】
この場合、口当てシート2は、マスクのサイズよりやや小さくするが、ノーズフィッタ11部分と重なり合うよう重ねるとよい。また、口当てシートの材質は、不織布、布、ガーゼ、又は柔らかい細孔がある紙等、口紅や化粧のマスクへの付着を防止でき、呼吸が可能な材質であればよいが、洗濯が可能な不織布が好ましい。
【0014】
本発明の第2実施例は、
図5(A)と(B)に示す如く、口当てシートのずれ防止方法で、先ずマスクのみを、(A)マスク上部のノーズフィッタの中央を鼻に合せた山型に折り曲げ(B)、(C)の口当てシートを61の如くマスクに重ね、(D)ノーズフィッタの形状に合わすように押し込み62、両者を繋止する。
【0015】
本発明の第3実施例は、
図6に示す如く、
図2の目スク4の場合で、先ず目スク4を水平に置き、マスク部1を接着部44の位置で折り立ち上げ、前記折り曲げたマスク1のノーズフィッタ11の中央を鼻に合わせた山型に折り曲げ口当てシートとマスクを繋止する方法を示す。目スクのマスク部1のノーズフィッタ11が設けられている側を、矢印32の如く、持ち上げて、第1実施例又は第2実施例にて説明したノーズフィッタ11を山型に折り曲げるので、容易に作業を行う事が出来る。
【0016】
本発明の第4実施例は、
図7に示す如く、折り曲げ得るマスク口当て具を、
図7で点線21で示した様に適切な位置で折り曲げ、マスクに繋止する方法とマスク口当て具である。
【0017】
図7に示す如く、マスクより縦横がやや短いマスク口当てシート2を縦方向に折るか横方向に折る、
図7の如く縦方向に折った場合、口当てシートの巾が口を充分カバー出来る口当てシートのサイズとする。尚、
図7に於いては右端位置がマスクの上辺部分に触れる部分となる。そして、
図8に示す如く、マスク口当てシート2を、折り曲げ部分がマスク1の上辺を跨ぐように配置し装着する。
【0018】
本第4実施例によると、安価に繋止出来、口当てシート2は下方へは落下したりはみ出たりしないし、口を常にカバーする効果がある。
【0019】
本発明の第5実施例は、
図9に示す如く、目スク4に口当てシート2を、設けたものである。
【0020】
本発明の第6実施例は、
図10に示す如く、マスク1のノーズフィッタ11下部中央部に面ファスナループ側52を設ける。又は、片面リムーバブル片面パーマネント接着材を有するディファレンシアル両面接着材51を設けたマスクである。
第6実施例によると、前記繋止手段が、口当てシートの上部中央と、マスクのノーズフィッタ(針金等)の下部の中央に設けているので、特に面ファスナによる繋止の場合は、口当てシートの着脱が容易で、ずれも発生せず、ソフトな面ファスナループ側52がマスクに接着してあるので、肌に触れても傷等ついたりしない効果がある。
【0021】
図11は、本発明第7実施例であって、不織布等マスク口当て具2の上部中央部に面ファスナループ側とフック側を貼り合せた、又はどちらか一方例えばフック側のみの53又は前記ディファレンシャル等接着材にリリースライナをはりつけたものなどの接着部51を、設けた口当て具の実施例である。
【0022】
本発明の第8実施例は、
図12に示す如く、目スク4の、マスク1に繋止部として面ファスナのループ側52を設け、マスク口当て具2に繋止部である面ファスナのフック側53を設けた事を特徴とするマスク口当て具を装着した側面図である。マスクと口当て具(シート)2の繋止部は、接着材51としても良い。
【0023】
本発明の第9実施例は、公知の市販のマスクに本発明を用いる事である。
図11の本発明口当てシート2の結合部として、ループ側とフック側の両方を結合した面ファスナ、又は、リリースライナを設けたディファレンシアル両面テープ等接着部などの結合部を設け、口当てシートの面ファスナのループ側、又はディファレンシアル等両面接着部のリリースライナを取り外し、公知の市販マスクに口当てシートを繋止して適用する。尚、両面接着部の場合は、市販のマスクに直接貼り付けし繋止するが、面ファスナの場合は口当てシートから剥がしたループ側を公知の市販マスクに貼りつけ、そこに口当てシートのフック側を貼り合わせて市販マスクと本発明口当てシートを繋止する。
本発明口当てシートは、ループ側とフック側の両方を結合した面ファスナ、又は、リリースライナを設けたディファレンシアル等両面接着部などの結合部を設け、口当てシート単独で販売供給可能とする。
【0024】
公知市販マスクに本発明を実施する他の例は、本発明第10実施例で、
図13に示す如く公知のマスク1を複数枚重ね、1つのマスクの内側中央上部に、面ファスナループ側52の繋止部を設け、他のマスク1の繋止部に面ファスナフック側53を設けた事を特徴とする。
また、面ファスナ52、53に代わり、マスク1の繋止部として、接着材51を設けても良く、接着材は、ディファレンシャル両面接着材とするのが好ましく、隣接する2枚のマスク1の内側か外側かの繋止部に1つ設けるだけでよい。
【0025】
以上により、本発明は、公知のマスクや目スクに口当てシート2を設けても動かず、より快適に、衛生的に、マスクを装着できコロナ時代必須の発明である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明により、全世界的問題である新型コロナウイルスや細菌の侵入を口、鼻、目からの侵入を防ぐ為に、安心してマスクを装着できるので、産業上の利用可能性が極めて大きい。
【符号の説明】
【0027】
1 不織布等のマスク
11 マスク上部に設けられたノーズフィッタ(針金等)
2 口当てシート
21 折り曲げ点線部
3 口当てシートが動く方向を示す矢印
31 顎が動く方向を示す矢印
32 マスクを折り畳んだり伸ばしたり、可動させる方向を示す矢印
4 不織布等のマスクに透明又は不透明体を接着したマスク(目スク)
41 目を覆うための透明又は不透明体
42 口鼻を覆うための透明又は不透明体
43 目を覆うための透明又は不透明体と口鼻を覆うための透明又は不透明体の結合部
44 マスクと透明又は不透明体との接着部
5 口当てシートとマスクの繋止部
51 両面接着テープ等接着材
52 ループ側の面ファスナ(メス)
53 フック側の面ファスナ(オス)
6 中央部を折り曲げる工程を示す矢印
61 貼り合わせる方向を示す矢印
62 鼻を押し付け折り曲げる方向を示す矢印