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特開2022-161005食品の品質を管理するための方法および装置並びに当該装置を備える、食品を処理するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161005
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】食品の品質を管理するための方法および装置並びに当該装置を備える、食品を処理するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/04 20060101AFI20221013BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221013BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20221013BHJP
【FI】
A23G9/04
G06Q10/06 326
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022047672
(22)【出願日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】102021000008717
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリコ タッシ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【テーマコード(参考)】
4B014
5L049
【Fターム(参考)】
4B014GB18
4B014GB19
4B014GP27
4B014GT20
5L049AA06
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】ユーザおよび/またはエンドカスタマーに、より良い品質の製品であって、安全であり且つ食品の安全性の観点から管理された製品を提供する。
【解決手段】食品の品質を管理するための装置(3)が説明される。装置(3)は品質管理モジュール(14)を備え、品質管理モジュール(14)は、食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するように適合された少なくとも1つのセンサ化されたデバイス(S)と、食品(P)の特性に関する検出値を受信するためにセンサ化されたデバイス(S)に接続された処理および管理ユニット(11)と、を備え、処理および管理ユニット(11)が、センサ化されたデバイス(S)によって検出された値に基づいて食品(P)の品質指標を導出するように構成されており、装置(3)は、処理および管理ユニット(11)に接続され且つ導出された品質指標に関連する情報を送信するように構成された通信モジュール(12)を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の品質を管理するための装置(3)であって、品質管理モジュール(14)を備え、前記品質管理モジュール(14)は、
食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するように適合された少なくとも1つのセンサ化されたデバイス(S)と、
食品(P)の特性に関する前記少なくとも1つのパラメータの検出値を受信するために前記センサ化されたデバイス(S)に接続された処理および管理ユニット(11)と、を備え、
前記処理および管理ユニット(11)が、前記センサ化されたデバイス(S)によって検出された値に基づいて前記食品(P)の品質指標を導出するように構成されており、前記装置(3)は、前記処理および管理ユニット(11)に接続され且つ導出された品質指標に関連する情報を送信するように構成された通信モジュール(12)を備える、装置(3)。
【請求項2】
前記処理および管理ユニット(11)は、前記センサ化されたデバイス(S)によって検出された前記値に基づいて前記食品(P)の品質指標を導出するように構成された人工知能アルゴリズムを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサ化されたデバイス(S)が、以下の要素のうちの1つまたは複数を備える、すなわち、前記食品の重量を検出するための重量センサ(7)、前記食品の温度を検出するための温度センサ(8)、前記食品(P)の少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成されたビデオキャプチャデバイス(5)、前記食品(P)の化学組成を検出するように適合された1つまたは複数のバイオセンサ(15)、空気湿度および/または温度センサのうちの1つまたは複数を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサ化されたデバイス(S)は、前記食品の少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成されたビデオキャプチャデバイス(5)を備え、前記処理および管理ユニット(11)は、キャプチャされた前記少なくとも1つの画像に基づいて前記食品のタイプを認識するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記処理および管理ユニット(11)は、前記センサ化されたデバイス(S)によって検出された食品(P)の特性に関する前記パラメータを、記憶されているパラメータと比較するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記人工知能アルゴリズムが機械学習アルゴリズムであり、前記処理および管理ユニット(11)がそのアルゴリズムに自己学習モードを適用するように構成されており、前記自己学習モードでは、前記自己学習モードで動作するときの前記アルゴリズムの入力が各食品(P)に対して検出された食品の特性に関する前記少なくとも1つのパラメータの値であり、前記自己学習モードは、前記アルゴリズムの構成を変更および/または設定するために適合されている、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記人工知能アルゴリズムがニューラルネットワークを含み、食品(P)の特性に関する前記少なくとも1つのパラメータの前記検出値が前記ニューラルネットワークの入力を構成し、前記ニューラルネットワークの出力は、前記食品(P)の前記品質指標によって規定される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ユーザが前記食品に関連付けられた品質評価を表すパラメータを前記処理および管理ユニット(11)に送信することを可能にするように構成されたユーザインタフェース(6)を備えたフィードバックデバイス(4)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記アルゴリズムが機械学習アルゴリズムであり、前記処理および管理ユニット(11)がそのアルゴリズムに自己学習モードを適用するように構成されており、前記自己学習モードでは、前記自己学習モードで動作するときの前記アルゴリズムの入力が、前記食品に関連付けられた品質評価を表す前記パラメータの値であり、前記自己学習モードは、前記アルゴリズムの構成を変更および/または設定するように適合されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記処理および管理ユニット(11)は、前記センサ化されたデバイス(S)に基づいて導出された前記品質指標と、前記フィードバックデバイス(4)の前記インタフェースを介して前記ユーザが入力した前記品質評価を組み合わせて、最終品質指標を計算するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項および請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記処理および管理ユニット(11)は、所与の食品(P)について、以前に管理された前記食品(P)の平均の最終品質指標にも基づいて最終品質指標を計算するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理および管理ユニット(11)に接続され且つ少なくとも前記導出された品質指標および/または前記センサ化されたデバイス(S)によって検出された食品(P)の特性に関する前記少なくとも1つのパラメータの前記検出値を記憶するように構成されたデータベース(13)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
食品を製造するための製造システム(1)であって、
前記食品に作用する少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)および前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御する制御ユニット(106)を備えた、食品を熱処理するように適合された機械(10)と、
請求項1から12のいずれか一項に記載の品質管理装置(3)と、を備え、
前記装置の前記処理および管理ユニット(11)は、前記機械(10)の前記制御ユニット(106)に接続されて、前記食品の前記導出された品質指標に基づいて前記制御ユニット(106)に制御および調整信号(S1)を送信し、前記機械(10)の前記制御ユニット(106)は、前記制御および調整信号(S1)に基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するように構成される、製造システム。
【請求項14】
前記品質管理装置(3)は請求項7に従って形成されており、前記ニューラルネットワークの少なくとも1つの出力が、前記制御および調整信号(S1)によって規定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記品質管理装置(3)が請求項7および8に従って形成されており、前記ニューラルネットワークの少なくとも1つの入力が、前記フィードバックデバイス(4)の前記ユーザインタフェース(6)を介して送信された、前記食品に関連付けられた品質評価を表すパラメータである、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
センサ化されたデバイス(S)を使用して食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップと、
前記センサ化されたデバイスによって検出された値に基づいて前記食品(P)の品質指標を導出するステップと、
データ通信ネットワークを介して前記品質指標を送信するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記センサ化されたデバイスによって検出された前記値に基づいて前記食品(P)の品質指標を導出する前記ステップは、自己学習モードでアルゴリズムを実行するステップを含み、前記自己学習モードにおいて前記アルゴリズムの入力は、前記食品に関連付けられ且つフィードバックデバイス(4)を介してユーザが入力した品質評価を表すパラメータの値である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フィードバックデバイス(4)を介して前記食品に関連付けられた品質評価を表すパラメータを入力するステップと、前記センサ化されたデバイス(S)によって検出された前記値に基づいて導出された品質指標と、前記フィードバックデバイス(4)を介して前記ユーザが入力した前記品質評価とを組み合わせることにより、前記食品(P)の最終品質指標を計算するステップと、を含む請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記食品(P)の最終品質指標を計算する前記ステップは、所与の食品(P)について、品質指標が以前に計算された前記食品(P)の平均の最終品質指標にも基づいて最終品質指標を計算することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
品質指標を導出する前記ステップが、人工知能アルゴリズムによって実行される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
センサ化されたデバイス(S)で食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップは、ビデオキャプチャシステム(5)を用いて前記食品(P)の少なくとも1つの画像をキャプチャするステップを含み、前記方法はさらに、
前記ビデオキャプチャシステム(5)によってキャプチャされた前記画像を処理し、その画像に基づいて、前記食品(P)のタイプを決定するステップを含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
センサ化されたデバイス(S)で食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップが、前記食品(P)の温度を検出するステップを含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
センサ化されたデバイス(S)で食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップが、前記食品(P)の重量を検出するステップを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
センサ化されたデバイス(S)で食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップが、前記食品(P)の形態および/または形状および/または色を検出するステップを含む、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記センサ化されたデバイス(S)で食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップが、前記食品(P)の化学組成を検出するステップを含む、請求項18から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記食品に対して作用する少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)および前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御する制御ユニット(106)を備えた、前記食品(P)を熱処理するように適合された機械(10)を準備するステップと、
制御信号(S1)を前記制御ユニット(106)に送信するステップであって、前記制御ユニット(106)が前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御し、前記導出された品質指標の関数として前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するステップと、を含む請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アクチュエータが加熱および/または冷却要素であり、前記導出された品質指標の関数として前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整する前記ステップが、前記加熱および/または冷却要素の熱出力を調整するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記導出された品質指標の関数として前記少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整する前記ステップが、前記機械(10)における前記食品の処理時間を調整するステップを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記食品の基本成分に関する少なくとも1つのパラメータを測定するステップを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
基本成分に関する前記パラメータが、重量、色、形態、濃度、粘度、透明度、体積、化学組成、空気湿度および/または温度を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記食品の基本成分に関する前記パラメータと、センサ化されたデバイス(S)で検出された前記パラメータとが同じ物理量に関し、前記方法は、前記食品の基本成分に関する前記パラメータの測定値と、センサ化されたデバイス(S)で検出された前記パラメータとを比較するステップを含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記食品の基本成分に関する少なくとも1つのパラメータを測定する前記ステップが、前記基本成分の重量を測定するステップを含み、食品(P)の特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出する前記ステップは、前記食品(P)の重量を測定するステップを含み、前記方法は、前記基本成分の前記測定された重量を前記食品(P)の前記測定された重量と比較するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(任意の種類の)食品の品質を管理するための方法および装置並びに当該装置を備える、食品を処理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関係する分野では、製品の品質を管理し、再現性を確保し、ユーザ自身および/またはエンドカスタマーのために製品品質基準を向上させるために、食品を提供するユーザが食品の品質を自動的にチェックできる必要性が特に強く感じられている。
【0003】
食品分野では、特に、同一の製品に対して同じ結果をもたらすことができる品質の反復可能な測定の必要性が強く感じられている。
【発明の概要】
【0004】
目的は、ユーザおよび/またはエンドカスタマーに、より良い品質の製品であって、安全であり且つ食品の安全性の観点から管理された製品を提供することである。
【0005】
したがって、本発明は、食品の品質を管理するための装置およびその装置を備える、食品を処理するためのシステムを提供することによって、上記の必要性を満たすことを目的としている。
【0006】
本発明の別の目的は、食品の品質を管理するための方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記の目的に関する本開示の技術的特徴は、以下の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、好ましい非限定的な例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかである。
図1】本発明による品質管理装置の概略図を示す。
図2図1の品質管理装置を組み込んだ食品処理システムを概略的に示す。
図3図1の品質管理装置を適用できる機械を示す。
図4図1の品質管理装置を適用できる機械を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に従って規定されるのは、品質管理モジュール14を備えた、食品の品質を管理するための装置3であり、品質管理モジュール14は、
‐食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するように適合された少なくとも1つのセンサ化されたデバイスSと、
‐食品の特性に関する検出値を受信するために、センサ化されたデバイスSに接続された処理および管理ユニット11と、を備える。
【0009】
一態様によれば、処理および管理ユニット11は、食品Pに関連し且つセンサ化されたデバイスSによって検出された値に基づく(定性的または定量的な形態の)品質指標を導出するように構成される。
【0010】
「品質指標」という表現は、食品の品質に関連する任意の情報を意味するために使用され、評価の態様で表される品質と(センサ化されたデバイスSによって検出されたパラメータから導出される)量との両方に関する情報を意味する。
【0011】
別の態様によれば、品質管理モジュール14は、処理および管理ユニット11に接続され且つ導出された品質指標に関する情報を送信するように構成された通信モジュール12を備える。
【0012】
一態様によれば、処理および管理ユニット11は、センサ化されたデバイスSによって検出された値に基づいて食品Pの品質指標を導出するように構成された人工知能アルゴリズムを備える。
【0013】
「人工知能」という表現は、提示された一連の実験データに基づいてその(コンピュータ)動作構成を変更するように構成された任意のコンピュータアルゴリズムを意味するために使用される。
【0014】
アルゴリズムは、非網羅的な例として、ニューラルネットワークであってもよい。
【0015】
より一般的に言えば、人工知能アルゴリズムは、強いまたは弱い人工知能アルゴリズムであり得る。
【0016】
別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、以下の要素のうちの1つまたは複数を備える。すなわち、食品の重量を検出するための重量センサ7、食品の温度を検出するための温度センサ8のうちの1つまたは複数を備える。
【0017】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、少なくとも1つの重量センサ7を備える。
【0018】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、温度センサ8(好ましくはサーモスキャナ)を備える。
【0019】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、空気の湿度を測定するように適合された湿度計を備える。
【0020】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、食品Pの化学組成を測定するように適合された1つまたは複数のバイオセンサ15を備える。
【0021】
別の態様によれば、装置3は、食品Pの表面状態を評価するための測色計を備える。
【0022】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSは、食品の少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成されたビデオキャプチャシステム5を備える。
【0023】
この態様によれば、処理および管理ユニット11は、キャプチャされた少なくとも1つの画像に基づいて食品のタイプを認識するように構成される。
【0024】
別の態様によれば、処理および管理ユニット11は、(好ましくは、キャプチャされた画像に基づいて)食品Pの形状および/または色および/または表面の特徴を評価するように構成される。
【0025】
処理および管理ユニット11は、好ましくは、1つまたは複数のセンサによって検出されたパラメータの値を記憶されているパラメータ値(装置3が2つ以上の製品で動作することができ、製品を認識するように構成されている場合、好ましくは認識されたタイプに関連するパラメータ値)と比較するように構成されることに留意されたい。
【0026】
さらに別の態様によれば、人工知能アルゴリズムは機械学習アルゴリズムであり、処理および管理ユニット11は自己学習プロセスを実行するように構成され、自己学習プロセスでは、各食品Pであって、そのために、センサ化されたデバイスSが食品Pの特性(例えば、色、形態、温度、相対湿度、インピーダンス、オーバーランなどの物理化学的および/または官能的特性)に関連する少なくとも1つのパラメータを検出した各食品Pが、インタフェースを介してユーザおよび/または評価システムによって入力された品質パラメータ値(例えば、その許容性または非許容性に関連する)に関連付けられる。
【0027】
装置3の一部を形成するユーザインタフェースを介して(または自動的に)ユーザおよび/または評価システムによって入力されたこの品質パラメータ値は、処理および管理ユニット11に送信される。
【0028】
実際には、オペレータは、装置3のユーザインタフェースを使用して、各食品Pに品質パラメータ値を割り当てる。
【0029】
人工知能アルゴリズムは機械学習アルゴリズムであり、食品Pの特性に関連するパラメータの検出値に関連する品質パラメータ値を使用して、そのモデルを適応させる(つまり、学習プロセスに従ってその構成を変更する)。
【0030】
要するに、この学習プロセスでは、食品のサンプルが、食品Pの特性に関連する少なくとも1つのパラメータを測定するセンサ化されたデバイスSに提示され、各サンプルは、(その品質および/またはその許容性または非許容性に関する)品質パラメータ値に関連付けられる。
【0031】
さらに別の態様によれば、人工知能アルゴリズムは機械学習アルゴリズムであり、ニューラルネットワークを含む。
【0032】
さらに別の態様によれば、装置1は、食品Pに関連付けられた品質評価に関するパラメータ値を処理および管理ユニット11に送信することを可能にするように構成されたユーザインタフェース6を備えたフィードバックデバイス4を備える。
【0033】
食品Pに関連付けられた品質評価に関するパラメータ値は、すべての意図と目的に関して、オペレータおよび/またはエンドカスタマーからのフィードバックである。
【0034】
この態様によれば、処理および管理ユニット11は、データマイニング技術を使用して品質評価パラメータ値から挙動パターンを抽出するように構成されたアルゴリズムを含み得る。
【0035】
フィードバックデバイス4は、好ましくは、携帯情報端末、携帯電話、タブレット、またはPCであり、消費された食品Pの評価を入力するために消費者によって使用される。
【0036】
また、本発明に従って規定されるのは、食品を製造するための製造システム1であって、
食品に作用する少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)と、少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御する制御ユニット106とを備えた、食品を熱処理するように適合された機械10と、
前述の管理装置3と、を備える。
【0037】
説明されているシステム1は、トレーサビリティシステムに接続可能であり、トレーサビリティシステムは、最終製品の品質保証を向上させるために、原材料と処理機器/機械との両方を追跡することを可能にする。
【0038】
処理を開始できるように、各原材料および機器の対象となる特性の値が、特にセンサ化されたデバイスによって正確に検出される。
【0039】
装置の処理および管理ユニット11は、機械10の制御ユニット106に接続されており、食品の導出された品質指標に基づいて制御および調整信号S1を当該制御ユニット106に送信し、機械10の制御ユニット106は、制御および調整信号S1に基づいて少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するように構成されることに留意されたい。
【0040】
このようにして、管理装置3によって実行されたチェックの結果に基づいて処理パラメータを適合させるために、管理装置3と機械10との間にフィードバックループが確立される。
【0041】
別の態様によれば、装置3の処理および管理ユニット11は、品質評価に関する導出されたパラメータに基づいて制御および調整信号S1を送信するように構成される。
【0042】
機械10は、特に図3を参照して以下に説明される。
【0043】
機械10は、食品を製造または処理するための任意の機械であり得る。
【0044】
しかしながら、以下では、特に図3を参照して、単純化および理解の容易さのために、一般性を失うことなく、機械10は、例えば、低温殺菌などの熱処理を実行する、またはアイスクリーム製品を製造するのに適した、液体または半液体製品を(熱的に)処理するように設計された機械として、説明される。
【0045】
図3に示される液体または半液体食品を処理するための機械10は、好ましくは、アイスクリーム、ベーカリーおよび菓子などの分野の製品(非限定的な例として、ジェラート、ソフトクリーム、グラニタ、ソルベ、ミルクシェイク、ヨーグルト、冷凍デザート、チルドクリーム)を製造するための機械であり、したがって、熱処理(低温殺菌)用の容器を備えた、アイスクリーム(ソフトクリームまたは手作りジェラート)を製造するための機械を含み得る。
【0046】
例えば、液体または半液体製品などの食品を処理するための機械10は、食品を受け入れるように構成された処理チャンバ100を備える。
【0047】
図3に示されるように、機械10は、好ましくは、液体または半液体のベース製品を処理し且つ処理チャンバ100を規定する容器102を備え得る。
【0048】
機械10は、処理チャンバ100内の食品に処理プロセスを適用するように構成された少なくとも1つのアクチュエータ104をさらに備える。
【0049】
図3に示されるように、アクチュエータ104は、好ましくは、処理チャンバ100内の製品を混合するための攪拌機(好ましくは、容器102内に取り付けられる)を備え得る。
【0050】
図3の機械10はまた、処理および制御ユニット106およびデータ交換モジュール108を備える。
【0051】
本開示で使用される「アクチュエータ」とは、食品に対する(任意の種類の、例えば、機械的、熱的、または化学的な)プロセスを実行するために食品に作用する任意の機械的、電気的、電子的または他の要素を意味する。
【0052】
一態様によれば、アクチュエータ104は、1つまたは複数の加熱および/または冷却要素によって規定され得る。
【0053】
図3に示されるように、食品を処理するための機械10はまた、処理容器102に関連付けられた熱交換器112を含む熱処理システム110を備え得る。
【0054】
図3の非限定的な例に示されるように、機械1は、攪拌機を回転駆動させるために攪拌機104に接続されたモータを備え得る。
【0055】
好ましくは、モータは、処理および制御ユニット106に接続される。
【0056】
別の態様によれば、熱システム110は、処理容器102に関連付けられた熱交換器112、さらなる熱交換器114、圧縮機116および減圧要素118を備える。熱交換器112、さらなる熱交換器114、圧縮機116および減圧要素118は、熱交換流体を含む回路を規定することに留意されたい。
【0057】
言い換えれば、熱システム110は、(熱交換流体を使用して熱力学的サイクルに従って動作するように構成された)熱力学的システムである。
【0058】
別の態様によれば、機械10は、少なくとも1つのユーザ操作可能な制御部(好ましくは複数の制御部)を含み且つ処理および制御ユニット106に接続されたユーザインタフェース120を備える。
【0059】
好ましくは、インタフェース120は、ユーザ操作可能な起動および選択制御部および/または押しボタンを含む。
【0060】
さらに別の態様によれば、機械10は、液体または半液体のベース製品を処理するための処理容器100に接続され且つ容器100から製品を抽出することを可能にするディスペンサ122を備える。ディスペンサ122は、好ましくは、処理された製品を提供することを可能にするためのユーザ操作可能なレバーを備える。
【0061】
より一般的に言えば、機械10は、任意の種類の食品を処理するための機械であり得る。例えば、オーブン、冷蔵庫、ニーディングマシン、アイスクリーム/ベーカリーおよび菓子業界のための機械または他の機械であり得る。
【0062】
食品を処理するための機械10がオーブンである場合、機械10は、以下の要素のうちの1つまたは複数を含み得る。すなわち、
‐食品を熱処理するように構成された1つまたは複数の加熱要素(本開示では、製品に作用する「アクチュエータ」とも呼ばれる)、
‐製品の処理温度を調整するための1つまたは複数の要素、
‐製品に関する1つまたは複数の熱サイクルを調整することを可能にする1つまたは複数の要素、
‐ファンの速度とオン/オフのタイムサイクルを調整するための1つまたは複数の要素、
‐オーブン内の湿度を制御および調整するための1つまたは複数の要素、のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0063】
本発明の一態様によれば、処理および制御ユニット106は、例えば、アクチュエータをオンおよびオフに切り替えることによって、および/またはその動作状態を変更することによって、アクチュエータ(または機械10が複数のアクチュエータを含む場合には複数のアクチュエータ)を駆動するように構成される。
【0064】
別の態様によれば、装置3は、処理および管理ユニット11に接続され且つ少なくとも導出された品質指標および/またはセンサ化されたデバイスSによって検出された食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータの検出値を記憶するように構成されたデータベース13を備える。
【0065】
データベース3は、集中型または分散型(クラウド)データベースであり得ることに留意されたい。
【0066】
有利には、データベース3は、食品Pの製造プロセスのトレーサビリティに関する情報を記憶するために使用され得る。実際、データベース3は、管理装置3によって検出された、またはそこから導出されたすべての情報、および/またはそれぞれのインタフェースを介してユーザによって入力された情報を含み得る。
【0067】
本発明に従って規定されるのは、(食品の品質を管理するための、または食品を処理するための)方法であって、
‐センサ化されたデバイスSを使用して食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップと、
‐センサ化されたデバイスによって検出された値に基づいて食品Pの品質指標を導出するステップと、
‐データ通信ネットワークを介して品質指標を送信するステップと、を含む。
【0068】
一態様によれば、導出は、人工知能アルゴリズムによって実行される。
【0069】
本開示で使用される「食品を処理する」とは、処理の目的で食品に対して実行される任意の行為(例えば、熱的、機械的、化学的、洗浄または他の種類の行為)を意味する。
【0070】
例えば、処理は、食品を調理する行為を含み得る。
【0071】
例えば、処理は、食品をバッチ凍結する(食品を同時に攪拌および冷却する)行為を含み得る。
【0072】
また、本発明に従って規定されるのは、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップが、ビデオキャプチャシステム5によって食品Pの少なくとも1つの画像をキャプチャするステップを含む方法であり、当該方法はさらに、
‐(好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、人工知能アルゴリズムによって)ビデオキャプチャシステム5によってキャプチャされた画像を処理し、その画像に基づいて食品Pのタイプを決定するステップを含む。
【0073】
別の態様によれば、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、食品Pの温度を検出するステップを含む。
【0074】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、食品Pの重量を検出するステップを含む。
【0075】
別の態様によれば、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、食品Pの形態および/または形状および/または色を検出するステップを含む。
【0076】
別の態様によれば、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、空気の湿度および/または温度を検出するステップを含む。
【0077】
別の態様によれば、センサ化されたデバイスSを用いて食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、食品Pの化学組成を検出するステップを含む。
【0078】
さらに別の態様によれば、この方法は、
‐食品に作用する少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)および少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御する制御ユニット106を備えた、食品Pを熱処理するように適合された機械10を準備するステップと、
‐制御信号S1を制御ユニット106に送信するステップであって、制御ユニット106が少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を制御し、導出された品質指標の関数として少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するステップと、を含む。
【0079】
別の態様によれば、アクチュエータは、加熱および/または冷却要素であり、導出された品質指標の関数として少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するステップは、加熱および/または冷却要素の熱出力を調整するステップを含む。
【0080】
さらに別の態様によれば、導出された品質指標の関数として少なくとも1つのアクチュエータ(104、116)を調整するステップは、機械10における食品の処理時間を調整するステップを含む。
【0081】
さらに別の態様によれば、この方法は、食品の基本成分に関する少なくとも1つのパラメータを測定するステップを含む。
【0082】
好ましくは、食品の基本成分に関するパラメータは、重量、色、形態、濃度、粘度、透明度、体積、化学組成、空気湿度、空気温度の1つまたは複数を含む。
【0083】
一態様によれば、食品の基本成分に関するパラメータおよびセンサ化されたデバイスSで検出されたパラメータは、同じ物理量に関連する(すなわち、それらは両方とも同じ物理量の測定値であり、例えば、重量、温度等である)。この方法は、食品の基本成分に関するパラメータの測定値と、センサ化されたデバイスSで検出されたパラメータとを比較するステップを含む。
【0084】
さらに別の態様によれば、食品の基本成分に関する少なくとも1つのパラメータを測定するステップは、基本成分の重量を測定するステップを含み、食品Pの特性に関する少なくとも1つのパラメータを検出するステップは、食品Pの重量を測定するステップを含み、この方法は、基本成分の測定された重量を食品Pの測定された重量と比較するステップをさらに含む。
【0085】
さらに別の態様によれば、センサ化されたデバイスによって検出された値に基づいて食品Pの品質指標を導出するステップは、自己学習モードでアルゴリズム(好ましくは機械学習アルゴリズム)を実行するステップを含み、自己学習モードのアルゴリズムの入力は、食品に関連付けられ且つフィードバックデバイス4を介してユーザ(カスタマーまたはオペレータ)によって入力された品質評価を表すパラメータの値である。より一般的に言えば、単一の食品Pごとに、センサ化されたデバイスSによって得られた品質指標を、フィードバックデバイス4のインタフェースを介してユーザによって入力された品質評価と組み合わせ、それを前の食品の平均と比較して最終品質指標を得ることが可能である。
【0086】
この態様によれば、n番目の食品の最終品質指標(Ifin)は次のように計算される。
Ifin=(Gop+I)/Imedn-1
ここで、
Imedn-1は、前の食品Pの平均の最終品質指標であり、
opは、エンドオペレータ(カスタマーおよび/またはユーザ)の品質評価であり、
は、センサ化されたデバイスSによって取得された品質指標である。
【0087】
エンドオペレータ(カスタマーおよび/またはユーザ)の品質評価が方法で使用されない場合、Gop=0である。
【0088】
一態様によれば、最終品質指標Ifinは、好ましくは、所定の閾値と比較されることになる(例えば、閾値<1の場合に許容できない、閾値>1の場合に許容できる)。
【0089】
この態様によれば、処理および管理ユニット11は、センサ化されたデバイスSによって得られた品質指標を、フィードバックデバイス4のインタフェースを介してユーザによって入力された品質評価と組み合わせて、最終品質指標を計算するように構成される。
【0090】
さらに、処理および管理ユニット11は、所与の食品Pについて、以前に管理された食品の平均の最終品質指標にも基づいて最終品質指標を計算するように構成される。
【0091】
別の態様によれば、この方法は、センサ化されたデバイスSによって得られた品質指標を、フィードバックデバイス4のインタフェースを介してユーザによって入力された品質評価と組み合わせて、最終品質指標を計算することを含む。
【0092】
この方法はまた、以前に管理された食品Pの平均の最終品質指標にも基づいて、所与の食品Pについての最終品質指標を計算することを含む。
【0093】
有利なことに、本明細書に開示されるように、装置および方法は、非常に単純且つ自動化された態様で食品の品質を管理することを可能にするために提供される。
【0094】
さらに、本明細書に開示されるように、フィードバックプロセスを通じて食品Pの品質を高めるために、装置によって測定される、または方法に従って検出される特性(または複数の特性)に影響を与える機械パラメータを調整することも可能である。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】