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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161013
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】敷寝具
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/12 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A47C27/12 M
A47C27/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054445
(22)【出願日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2021065346
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小松 陽子
(72)【発明者】
【氏名】小淵 信一
(72)【発明者】
【氏名】谷内 麻由
(72)【発明者】
【氏名】有野 茉奈美
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB05
3B096AC16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】脚部及び足部をあげて快適に寝ることができる敷寝具を提供する。
【解決手段】中材が側地に収容された敷寝具であって、中材は人が仰臥位となったときに、ふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部1~6が3個以上配置されており、帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、上半身に相当する領域の高さより高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中材が側地に収容された敷寝具であって、
前記中材は人が仰臥位となったときに、ふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置されており、
前記帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、上半身に相当する領域の高さより高い
ことを特徴とする敷寝具。
【請求項2】
前記帯状の凸部が、足裏側から第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部、第3の帯状の凸部の順で配置されており、
前記第1の帯状の凸部と、前記第2の帯状の凸部との間に間隔を有することを特徴とする請求項1に記載の敷寝具。
【請求項3】
前記第2の帯状の凸部と、前記第3の帯状の凸部との間に間隔を有することを特徴とする請求項2に記載の敷寝具。
【請求項4】
前記第1の帯状の凸部の高さは、前記第2の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことを特徴とする請求項2または3に記載の敷寝具。
【請求項5】
前記第2の帯状の凸部の高さは、前記第3の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の敷寝具。
【請求項6】
前記中材が網状構造体であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の敷寝具。
【請求項7】
前記網状構造体は、繊維径が0.1mm以上3.0mm以下の熱可塑性エラストマー連続線状からなる三次元ランダムループ接合構造を有し、見かけ密度が20kg/m以上150kg/m以下であることを特徴とする請求項6に記載の敷寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚部および足部をあげて快適に寝ることができる敷寝具に関する。更に詳しくは、仰臥位になったときに、ふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置され、前記帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが上半身に相当する高さよりも高いことにより、ふくらはぎから踵に圧力が集中することなく、ふくらはぎから踵を支持することができ、使用時に快適に寝ることができる敷寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠時等に脚部および足部を高くして血行を促進するような足枕を使用すれば、疲労回復や足のむくみ除去に有効であるということが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかし、かかる従来技術は、足部が宙に浮いており、足先がぶらぶらすることを不快に感じる人が少なからず存在した。
【0003】
一方、足部が宙に浮いておらず、床や敷材に踵部が接触している足枕も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-260265号
【特許文献2】実用新案登録第3015186号
【特許文献3】特開昭62-290414号
【特許文献4】特開2002-172043号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献4に記載の技術は、下腿部の自重が踵部に集中し、長時間寝ていると踵部が痛くなり、不快と感じる人が少なからず存在した。
以上述べてきたように、従来の足枕は就寝時の血行促進については有効であるものの、就寝時の快適性については、必ずしも効果を得ることができていなかった。さらに使用者の性別、身長、体重他の身体形状は様々であるが、それらの点についても特に考慮されたものでは無かった。
本発明者らは、足枕の利点を維持しつつ、快適に就寝できる敷寝具について鋭意研究を続けた結果、踵部の保持を適切に行うことでこれらの課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、以下の発明を含む。
中材が側地に収容された敷寝具であって、
前記中材は人が仰臥位となったときに、ふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置されており、
前記帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、上半身に相当する領域の高さより高い
ことを特徴とする敷寝具。
【0007】
前記構成によれば、ふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置(足裏側から上半身に向かって、第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部、第3の帯状の凸部の順で配置されているとする)されていることから、第1の帯状の凸部に足裏の一部分をフィット(足裏を第1の凸部に接触させて固定)させながら、第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部との間に踵をフィット(凸部と凸部の間の谷部に固定)させることができる。また、ふくらはぎから踵のカーブの部分に第2の帯状の凸部がフィット(カーブに沿うように固定)することにより、ふくらはぎから踵に圧力が集中することなく、ふくらはぎから踵を支持することができ、敷寝具使用時に快適に寝ることができる。
また、帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、上半身に相当する領域の高さよりも高いことにより、脚部および足部を上げることができる。
さらに、高身長の人は前記の通り、第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部との間に踵をフィット(凸部と凸部の間の谷部に固定)させることができるし、低身長の人は第2の帯状の凸部と第3の帯状の凸部との間に踵をフィット(凸部と凸部の間の谷部に固定)させることができるので、身長の異なる複数人に対応可能となる。
【0008】
前記構成においては、前記第1の帯状の凸部と、前記第2の帯状の凸部との間に間隔(隙間)を有することが好ましい。
【0009】
前記第1の帯状の凸部と、前記第2の帯状の凸部との間に間隔(隙間)を有することで、高身長の人が前記間隔に踵をフィットさせる際、凸部と凸部の谷間に踵を深く入れることができ、足裏、踵およびふくらはぎの3点で支えることができ、より安定する。
【0010】
前記構成においては、前記第2の帯状の凸部と、前記第3の帯状の凸部との間に間隔(隙間)を有することが好ましい。
【0011】
前記第2の帯状の凸部と、前記第3の帯状の凸部との間に間隔(隙間)を有することで、低身長の人が前記間隔に踵をフィットさせる際、凸部と凸部の谷間に踵を深く入れることができ、足裏、踵およびふくらはぎの3点で支えることができ、より安定する。
【0012】
前記構成においては、前記第1の帯状の凸部の高さは、前記第2の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことが好ましい。
【0013】
前記第1の帯状の凸部の高さは、前記第2の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことにより、高身長の人が前記第1の帯状の凸部に足裏の一部分をよりフィット(足裏を第1の凸部に接触させて固定)しやすくなり、より安定する。
【0014】
前記構成においては、前記第2の帯状の凸部の高さは、前記第3の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことが好ましい。
【0015】
前記第2の帯状の凸部の高さは、前記第3の帯状の凸部の高さと同じか、それより高いことにより、低身長の人が前記第2の帯状の凸部に足裏の一部分をよりフィット(足裏を第2の凸部に接触させて固定)しやすくなり、より安定する。
【0016】
前記構成においては、前記中材が網状構造体であることが好ましい。また、前記網状構造体は、繊維径が0.1mm以上3.0mm以下の熱可塑性エラストマー連続線状からなる三次元ランダムループ接合構造を有し、見かけ密度が20kg/m以上150kg/m以下であることが好ましい。
【0017】
前記中材が所定の網状構造体であることで、通気性を確保しつつ、硬度およびクッション性が良好となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の敷寝具は、仰臥位において踵を保持することで快適な就寝が得られることを見出した。特に仰臥位におけるふくらはぎから足裏の一部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置(足裏側から上半身に向かって、第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部、第3の帯状の凸部の順で配置されているとする)されていることから、第1の帯状の凸部に足裏の一部分をフィット(足裏を第1の凸部に接触させて固定)させながら、第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部との間に踵をフィット(凸部と凸部の間の谷間に固定)させることができる。また、ふくらはぎから踵のカーブの部分に第2の帯状の凸部がフィット(カーブに沿うように固定)することにより、ふくらはぎから踵に圧力が集中することなく、ふくらはぎから踵を支持することができ、敷寝具使用時に快適に寝ることができる(以下、「第1の」、「第2の」といった序数を省略し、単に「帯状の凸部」ともいう。)。また、前記帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、仰臥位になった時に上半身に相当する領域の高さよりも高いことにより、脚部および足部を上げることができる。
さらに、この帯状の凸部を、敷寝具の縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)に複数回繰り返して配置して、使用者が自身の身長、足の長さに対してフィットする場所を選べるように工夫することもできる。
【0019】
ここで、「フィットする」とは、帯状の凸部の頂点、帯状の凸部の斜面、及び/又は、帯状の凸部とその凸部に隣り合う帯状の凸部との間の底面が、対象となる被験者の身体の曲面の一部に、選択的に密着することを意味する。ただし、低反発発泡ウレタンの様に、帯状の凸部を有しない平坦な表面の中材が、被験者の身体の自重によって身体の曲面に沿って変形し、身体と密着することとは異なる。
また、「帯状の凸部」とは、身体の伸長方向を縦、身体の肩幅方向を横とした場合、横方向に延びる、横縞状の凸部のことをいい、丘状の凸部とは異なる。
【0020】
本発明の敷寝具は、通気性の高い網状構造体を有することから、人体と敷寝具の間の空間の湿度を低く保つことができ、夏場のむれ感を感じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、第1実施形態に係る敷寝具1の中材の断面図である。
図2図2は、第2実施形態に係る敷寝具2の中材の断面図である。
図3図3は、第3実施形態に係る敷寝具3の中材の断面図である。
図4図4は、第4実施形態に係る敷寝具4の中材の断面図である。
図5図5は、第5実施形態に係る敷寝具5の中材の断面図である。
図6図6は、第6実施形態に係る敷寝具6の中材の断面図である。
図7図7は、第7実施形態に係る敷寝具7の中材の断面図である。
図8図8は、比較例1の敷寝具8の中材の断面図である。
図9図9は、比較例2の敷寝具9の中材の断面図である。
図10図10は、比較例3の敷寝具10の中材の断面図である。
図11図11は、本発明に係る中材の拡大図である。
図12図12は、第1実施形態に係る敷寝具1を身長170cmの標準体型の成人男性が使用した状態を横から撮影した写真である。
図13図13は、第1実施形態に係る敷寝具1を、身長170cm、体重64kgの男性被験者が仰臥位で使用した時の全身の圧力分布図である。
図14図14は、比較例1に係る敷寝具8を、身長170cm、体重64kgの男性被験者が仰臥位で使用した時の全身の圧力分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、中材が側地に収容された敷寝具である。敷寝具とは、人がその上に臥位して就寝する寝具を指し、敷布団、マットレス、オーバーレイなどが挙げられる。
【0023】
本発明の敷寝具に使用される中材は、人が仰臥位となったときに、少なくともふくらはぎから足部に相当する領域に帯状の凸部が3個以上配置されている。前記領域を上半身に相当する領域よりも高い位置にあげることができ、就寝時の快適さを増大させることができることから、帯状の凸部は4個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上である。また、10個以下であることが好ましく、より好ましくは9個以下であり、さらに好ましくは8個以下である。前記帯状の凸部が4個以上配置されている場合は、その全てが上半身に相当する領域よりも高いことが好ましい。ここで、ふくらはぎから足部に相当する領域とは、敷寝具の上に人が仰臥位で寝たときに、ふくらはぎから足部が接触する部分を指す。例えば、大人用の敷寝具の場合、敷寝具の縦方向の頭側を上、足側を下としたとき、中材の下側端から90cm以内の領域となる。逆に、中材の上側端から70cm以内の領域を「上半身に相当する領域」となる。また、ここで「足部」とは足首からつま先の部分を指す。
【0024】
本発明の敷寝具に使用される中材は、前記帯状の凸部の少なくとも3個は、その高さが、仰臥位になったときに上半身に相当する領域の高さより高い。こうすることで、高身長(例えば大人)の人であっても、低身長(例えば小人)の人であっても、就寝時に脚部および足部を上へ上げることができる。ここで「脚部」とは足首から股下までを指す。
【0025】
本発明の敷寝具に使用される中材は、帯状の凸部を3個以上配置されており、前記帯状の凸部を足裏側から上半身に向かって、第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部、第3の帯状の凸部の順としたとき、仰臥位における踵部から足裏の一部にフィットするための第1の帯状の凸部と、ふくらはぎから踵のカーブの部分にフィットする第2の帯状の凸部を有している。そのため、ふくらはぎから踵が支持されながらも圧力が集中することなく、脚部および足部をあげることができる。これにより、就寝時の快適さを増大させることができる。
【0026】
また、低身長の人には、前記第1の帯状の凸部と前記第2の帯状の凸部を、それぞれ第2の帯状の凸部と第3の帯状の凸部と読み替えることで、仰臥位における踵部から足裏の一部にフィットするための第2の帯状の凸部と、ふくらはぎから踵のカーブの部分にフィットする第3の帯状の凸部を有していることとなる。そのため、低身長の人でもふくらはぎから踵が支持されながらも圧力が集中することなく、脚部および足部をあげることができる。これにより、就寝時の快適さを増大させることができる。
【0027】
第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部および第3の帯状の凸部(以下、3個の帯状の凸部をまとめて「特定の帯状の凸部」ともいう。)の頂点は平坦な平面であってもよく、曲率を有する曲面であってもよい。曲面の場合は、頂点が上に膨らんでいる形状であることが好ましい。
前記特定の帯状の凸部の頂点が曲率を有する曲面の場合、必ずしも帯状の凸部の頂点と帯状の凸部の幅の中点を結ぶ線が、床に対して垂直でなくてもよい。
前記特定の帯状の凸部の頂点が平坦な平面の場合、必ずしもその平面は床に対して平行でなくてもよく、人体の曲面にフィットするように床に対して傾斜していてもよい。
【0028】
本発明者らは、前記特定の帯状の凸部の頂点の形状について、小人から成人まで様々な被験者で測定した結果、平面または曲面であることが良好であることを見出した。さらに、前記帯状の凸部の頂点が曲面の場合は、上に膨らんでいる形状が良好であり、その曲率は2~70m-1が良好であること見出した。そのため、本発明の敷寝具は好ましくは曲率2~70m-1の特定の帯状の凸部を有し、第1の帯状の凸部は仰臥位における踵から足裏の一部にフィットし、第2の帯状の凸部はふくらはぎから踵のカーブにフィットする。さらに、前記第1の帯状の凸部と、前記第1の帯状の凸部と隣り合う第2の帯状の凸部までの間隔は好ましくは5~150mmであるため、踵の部分が第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間に入り込こみ支持される。このことにより、ふくらはぎから踵に圧力が集中することなく、脚部をあげることができ、使用時の就寝時の快適さを増大させることができる。
【0029】
小人から成人まで、様々な人のふくらはぎから踵のカーブの部位の曲率を測定すると、曲率2~70m-1であったことから、本発明の第2の帯状の凸部および/または第3の帯状の凸部の頂点を曲面とする場合は、その曲率は2~70m-1であることが好ましい。より好ましくは3m-1以上であり、さらに好ましくは5m-1以上である。また60m-1以下であることがより好ましく、さらに好ましくは50m-1以下である。前記範囲内であれば、第2の帯状の凸部および/または第3の帯状の凸部がふくらはぎから踵のカーブの部位に沿うようにフィットすることができる。第2の帯状の凸部および/または第3の帯状の凸部の曲率が小さすぎると、ふくらはぎから踵のカーブの部分に、第2の帯状の凸部および/または第3の帯状の凸部の頂点の一部のみフィットして、斜面がフィットしないことがある。また曲率が大きすぎると、第2の帯状の凸部および/または第3の帯状の凸部の斜面の一部のみフィットして、頂点がフィットしないことがある。
【0030】
前記第1の帯状の凸部の頂点を曲面とする場合は、その曲率は特に限定されないが、前記第2の帯状の凸部の曲率と同様に2~70m-1であることが好ましい。より好ましくは3m-1以上であり、さらに好ましくは5m-1以上である。また60m-1以下であることがより好ましく、さらに好ましくは50m-1以下である。前記範囲内であれは、足部が固定され快適である。前記特定の帯状の凸部の少なくとも一つの曲率が前記範囲内であることが好ましく、両方が前記範囲内であることがより好ましく、すべてが前記範囲内であることがさらに好ましい。また、前記特定の帯状の凸部の曲率は同一でも良いし、異なっていても良い。
【0031】
前記第1の帯状の凸部と、前記第2の帯状の凸部は隣り合っており、間隔を有して隣り合っていることが好ましい。前記間隔は5~150mmであることが好ましい。小人から成人まで、様々な人で検討した結果、第1の帯状の凸部と、隣り合う第2の帯状の凸部までの間隔が好ましくは5~150mm、より好ましくは8~130mmであれば、本敷寝具使用時に踵の部分が第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間の谷部にフィットする。間隔が狭すぎると、踵の部分が第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間に入り込まず足先がぶらぶらすることを不快に感じることがある。間隔が広すぎると、踵の部分が第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間で足先がぶらぶらすることを不快に感じることがある。前記間隔とは、前記第1の帯状の凸部と前記第2の帯状の凸部のそれぞれの最下部(凸部の付け根)の距離をいう。また、前記第2の帯状の凸部と、前記第3の帯状の凸部は隣り合っており、間隔を有して隣り合っていることが好ましい。前記第2の帯状の凸部と前記第3の帯状の凸部の間隔は、前記第1の帯状の凸部と前記第2の帯状の凸部の間隔と同じであることが好ましい。
【0032】
前記の帯状の凸部の幅は特に限定されないが、30~250mmであることが好ましい。より好ましくは40~200mmであり、さらに好ましくは50~180mmである。ここで、帯状の凸部の幅とは、それぞれの帯状の凸部の最下部(凸部の付け根)の最短距離をいう。それぞれの帯状の凸部の幅は同一でも良いし、異なっていても良い。
【0033】
本発明の敷寝具の中材は、大腿部から足先までを支持し、あげることが好ましい。足部のみをあげる場合や、下腿部(膝から足部)のみをあげる場合と比較して、大腿部から足先までをあげると、就寝時の快適さが向上する。
【0034】
本発明の敷寝具の中材の前記第1の帯状の凸部の高さは、前記第2の帯状の凸部の高さと同じか、それよりも高いことが好ましい。そうすることで、足部の位置がより固定され就寝時にさらに快適に睡眠できる。また、急に脚部をあげると、臀部や背部、脚部に圧力が集中する場合があるが、傾斜をつけて脚部を上げると、臥位における自重の圧力を分散することができ、快適な睡眠が得られる。また、同様の理由で前記第2の帯状の凸部の高さは、前記第3の帯状の凸部の高さと同じか、それよりも高いことが好ましい。
【0035】
本発明の敷寝具の中材は、前記特定の帯状の凸部から上半身側に、さらに1または2以上の帯状の凸部を有することが好ましい。例えば、前記特定の帯状の凸部から上半身側にある帯状の凸部が4個ある場合、特定の帯状の凸部に近い方から、第4の帯状の凸部、第5の帯状の凸部、第6の帯状の凸部、第7の帯状の凸部という。また、これらを合わせて第4の帯状の凸部等ともいう。前記第4の帯状の凸部等を有することで、ふくらはぎより上の膝付近も支持されるためさらに快適な睡眠が得られる。前記隣り合う帯状の凸部について、第1の帯状の凸部に対する第2の帯状の凸部や、第2の帯状の凸部に対する第3の帯状の凸部を「次の帯状の凸部」ということがある。第3の帯状の凸部以降も同様である。
【0036】
前記第4の帯状の凸部等における各帯状の凸部同士の間隔は、特に限定されないが、第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間隔と同じ範囲内であることが好ましい。
【0037】
また、前記第4の帯状の凸部等のそれぞれの帯状の凸部の頂点は平坦な平面であってもよく、曲率を有する曲面であってもよい。
前記第4の帯状の凸部等のそれぞれの帯状の凸部の頂点が曲面の場合、その曲率は、特に限定されないが、前記第2の帯状の凸部の曲率と同じ範囲内であることが好ましい。
【0038】
前記第1の帯状の凸部の高さと、上半身に相当する領域の高さの差は、前記第1の帯状の凸部の最も高い部分で、20~100mmであることが好ましい。足部をあげる効果が向上することから、より好ましくは25mm以上であり、さらに好ましくは30mm以上である。また、長時間使用していていても脚がしびれる、寝返りしにくい、仰臥位以外の横臥位や伏臥位といった姿勢で睡眠しにくい等の不快感が大きくならないことから、95mm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは90mm以下である。前記第2の帯状の凸部と、上半身に相当する領域の高さの差は、前記第2の帯状の凸部の最も高い部分が、15~70mmであることが好ましい。より好ましくは20mm以上であり、さらに好ましくは25mm以上である。また65mm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは60mm以下である。前記第3の帯状の凸部の高さの好ましい範囲は、前記第2の帯状の凸部の高さの好ましい範囲と同じである。前記第4の帯状の凸部等は、それぞれ上半身に相当する領域の高さの差が、前記第4の帯状の凸部等の最も高い部分で、5~60mmであることが好ましい。より好ましくは10mm以上であり、さらに好ましくは15mm以上である。また55mm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは50mm以下である。第4の帯状の凸部等が複数ある時は、これらのうち1個以上が前記範囲内の高さを有していればよく、第4の帯状の凸部等の全てが前記範囲内の高さを有していることがより好ましい。
【0039】
前記第3の帯状の凸部の高さは、前記第4の帯状の凸部等の高さと同じか、それよりも高いことが好ましい。また、前記第4の帯状の凸部等が複数ある場合は、第3の帯状の凸部は、第4の帯状の凸部の全てよりも高いことが好ましい。そうすることで、膝周りの位置が安定し、就寝時にさらに違和感なく快適に睡眠できる。
【0040】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前記・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0041】
まず図1図12を参照しながら、本発明の敷寝具1を説明する。図1は第1実施形態に係る敷寝具1の中材の断面図である。ここで断面図とは、敷寝具の縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)に切断した時の断面図である。敷寝具1の中材は、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2、第3の帯状の凸部3、第4の帯状の凸部4、第5の帯状の凸部5、第6の帯状の凸部6を有する。帯状の凸部4~6の頂点は平坦である。図12は第1実施形態に係る敷寝具1の中材を、身長170cmの標準体型の成人男性が使用した状態を横から撮影した写真である(効果を明確にするために、あえて側地を外した状態で撮影している)。第1の帯状の凸部1は足部を支持する。第2の帯状の凸部2はふくらはぎから踵のカーブの部分を支持する。帯状の凸部3~5はふくらはぎを支持する。帯状の凸部6は膝裏から大腿部の一部を支持する。帯状の凸部と次の帯状の凸部までの間隔を示す10と、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2にふくらはぎから踵の部分がフィットしていることがわかる。そのため、本発明の敷寝具は、使用時に足先がふらつかず、快適な寝心地が得られる。
【0042】
図2を参照しながら、本発明の敷寝具2を説明する。図2は第2実施形態に係る敷寝具2の中材の断面図である。ここで断面図とは、敷寝具の縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)に切断した時の断面図である。敷寝具2の中材は、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2、第3の帯状の凸部3、第4の帯状の凸部4、第5の帯状の凸部5、第6の帯状の凸部6、第7の帯状の凸部7、第8の帯状の凸部8を有する。帯状の凸部4~8の頂点は平坦である。身長160cmの標準体型の成人女性が使用した状態を想定すると、第1の帯状の凸部1は足部を支持する。第2の帯状の凸部2はふくらはぎから踵のカーブの部分を支持する。帯状の凸部3~5はふくらはぎを支持する。帯状の凸部6~8は膝裏から大腿部を支持する。帯状の凸部と次の帯状の凸部までの間隔を示す10と、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2にふくらはぎから踵の部分がフィットする。そのため、本発明の敷寝具は、使用時に足先がふらつかず、快適な寝心地が得られる。
また、身長140cmの標準体型の小人女性が使用する場合は、第2の帯状の凸部2が足部を支持するように使用してもかまわない。その場合、第2の帯状の凸部2は足部を支持する。第3の帯状の凸部3はふくらはぎから踵のカーブの部分を支持する。第4、5の帯状の凸部4、5はふくらはぎを支持する。第6の帯状の凸部が膝裏を支持し、第7、8の帯状の凸部7、8は大腿部を支持する。
【0043】
図3を参照しながら、本発明の敷寝具3を説明する。図3は第3実施形態に係る敷寝具3の中材の断面図である。ここで断面図とは、敷寝具の縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)に切断した時の断面図である。敷寝具3は、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2、第3の帯状の凸部3、第4の帯状の凸部4、第5の帯状の凸部5を有する。身長170cmの標準体型の成人男性が使用した状態を想定すると、第1の帯状の凸部1は足部を支持する。第2の帯状の凸部2はふくらはぎから踵のカーブの部分を支持する。帯状の凸部3はふくらはぎから膝裏を支持する。帯状の凸部4~5は膝裏から大腿部を支持する。帯状の凸部と次の帯状の凸部までの間隔を示す10と、第1の帯状の凸部1、第2の帯状の凸部2にふくらはぎから踵の部分がフィットする。そのため、本発明の敷寝具は、使用時に足先がふらつかず、快適な寝心地が得られる。
【0044】
本発明の敷寝具を使用すると、腰部周辺の関節角度が変わり、腰部の接触面積が増えて背部や臀部への圧力の集中が低減されることで、快適に寝ることができる。
【0045】
本発明の敷寝具を使用すると、疲労からの回復が早くなることが期待できる。
【0046】
本発明の敷寝具の中材の種類は、ポリウレタン樹脂(低反発ポリウレタン等)からなる発泡ポリウレタンでも良いし、ポリエステル短繊維を熱圧縮で固めた固ワタでも良いし、網状構造体でも良い。中でも網状構造体が好ましい。網状構造体とは、熱可塑性樹脂を含有する連続線状を曲がりくねらせてランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて接合させた三次元ランダムループ接合構造を持つ構造体である。。
【0047】
本発明の熱可塑性樹脂とは、公知のポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸等の、加熱により溶融し、冷却すると固化する樹脂を示す。
【0048】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体が例示される。
また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、低密度ポリエチレン樹脂でエチレンと炭素数3以上のαオレフィンからなるエチレン・α-オレフィン共重合体樹脂が例示される。
【0049】
網状構造体は高い空隙率を有するため、発泡ポリウレタンといった通気性の低い中材からなる敷寝具と比較して、網状構造体の中材からなる敷寝具は通気性に優れる。そのため、人体と敷寝具の間の空間の温湿度を低くすることでき、夏場にむれ感を感じにくく、涼しく感じる可能性がある。
【0050】
本発明の最も好ましい実施形態としては、熱可塑性樹脂が、熱可塑性弾性樹脂である。熱可塑性弾性樹脂とすることで、ゴム弾性と、三次元構造体全体が一体化したコイルループのバネ弾性の相乗効果として、寝返りのしやすさや、寝心地のよさが得られる。又、再溶融により再生が可能となるため、リサイクルも容易となる。なかでも、耐熱性や疲労耐久性の観点から、ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂が好ましく、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体がより好ましい。
【0051】
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の繊維径は、繊維径が小さいとクッション材として使用する際に必要な硬度が保てなくなり、逆に繊維径が大きすぎると硬くなり過ぎてしまうため、適正な範囲に設定する必要がある。繊維径は好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上である。繊維径を0.1mm以上とすることで、細すぎてしまうことはなく、緻密性やソフトな触感が良好となり網状構造体として必要な硬度を確保することができる。また、繊維径は好ましくは3.0mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下である。繊維径を3.0mm以下とすることで、網状構造体の硬度が十分に確保でき、網状構造が粗くなりすぎず、他のクッション性能も良好となる。
【0052】
本発明の網状構造体の見かけ密度は、好ましくは20kg/m3以上150kg/m3以下であり、25kg/m3以上120kg/m3以下がより好ましく、30kg/m3以上100kg/m3以下がさらに好ましく、35kg/m3以上80kg/m3以下が特に好ましい。見かけ密度が20kg/m3以上であることで、クッション材として使用する際にも必要な硬度を保つことができる。また、200kg/m3以下とすることで硬くなりすぎることがなく、クッション材として好適である。
【0053】
本発明の網状構造体を構成する連続線状体は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂と組み合わせた複合線状としても良い。複合形態としては、線状体自身を複合化した場合として、シース・コア型、サイドバイサイド型、偏芯シース・コア型等の複合線状体が挙げられる。
【0054】
本発明の網状構造体は、網状構造体の厚さ方向に、中実断面を有する繊維(以下、「中実断面繊維」という)からなる網状構造体や、網状構造体の厚さ方向に、中空断面を有する繊維(以下、「中空断面繊維」という)からなる網状構造体、もしくは、主に中実断面繊維からなる中実断面繊維主領域と、主に中空断面繊維からなる中空断面繊維主領域と、中実断面繊維主領域と中空断面繊維主領域との間に位置する中実断面繊維と中空断面繊維とが混在してなる混合領域が存在する網状構造体が挙げられる。
【0055】
中実断面繊維主領域と、中空断面繊維主領域と、中実断面繊維主領域と中空断面繊維主領域との間に位置する中実断面繊維と中空断面繊維とが混在してなる混合領域が存在する網状構造体の場合、リバーシブルで使用することができる。本発明において、リバーシブルで使用することができるということは、クッション材に含まれる網状構造体の中実断面繊維主領域側または中空断面繊維主領域側のいずれの面からも使用が可能であるということを意味する。したがって、使用態様において中実断面繊維主領域側または中空断面繊維主領域側の片側のみからの使用であっても、本発明の使用に該当するものである。本発明の敷寝具の特に好ましい形態として、中実断面繊維主領域を人体側に、中空断面繊維主領域を床面側とした敷寝具があげられる。その効果として、脚部の自重を大きな接触面積で、しっかりと支持し、良好な体圧分散性が得られ、快適な寝心地が得られる。
【0056】
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の断面形状は中実断面繊維、中空断面繊維とも略円形状であることが好ましいが、異型断面とすることで抗圧縮性やタッチを付与することができる場合もある。
【0057】
本発明の網状構造体は、性能を低下させない範囲で樹脂製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で防臭抗菌、消臭、防黴、着色、芳香、難燃、吸放湿等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
【0058】
本発明の敷寝具の中材の製造方法については、公知の技術を用いることができる。例えば、中材が発泡ポリウレタンの場合、帯状の凸部の形状が付与できるような金型を製作してモールド発泡する方法や、CFカットによる賦型方法が挙げられる。このとき、帯状の凸部の形状が平面または上に膨らんだ曲面となるような金型であることが好ましい。
【0059】
中材が網状構造体の場合は、CFカットなど刃で板状の原反を切り込むことで、上記の帯状の凸部を賦型することもできるが、繊維の切断された帯状の凸部が形成される。この場合、側地から突出し皮膚に接触することで違和感を感じる場合が有り好ましくない。この観点から、板状の原反を帯状の凸部の形状が付与できる金型で圧力をかけながら熱を加えて成形をする方法(熱成形)が好ましい。熱成形により得られた帯状の凸部は、繊維が切断されることなく連続した繊維で帯状の凸部が形成されており、側地から繊維の切断面が突出することはない。
【0060】
本発明の敷寝具の中材は、単層であってもよいし、板状の中材の上に上記第1の帯状の凸部、第2の帯状の凸部、および第3の帯状の凸部を有する別の中材を重ね合わせた積層物であってもよい。板状の中材の上に複数の帯状の凸部を有する中材を重ね合わせる場合は、複数の帯状の凸部を有する中材が移動しない様に、接着やバンドで固定する、積層部分のみマチが大きい内袋にいれるなど、板状の中材と複数の帯状の凸部を有する中材を一体化することが望ましい。
板状の中材と複数の帯状の凸部を有する中材を重ね合わせる場合、板状の中材の種類は同じであっても良いし、異なっていても良い。また、板状の中材と複数の帯状の凸部を有する中材は、樹脂、密度、厚み、繊維径、繊維断面が同じであっても良いし、いずれかが異なっていても良い。
本発明の敷寝具は、縦方向に2分割、3分割、4分割された、2つ折り、3つ折り、4つ折りの製品であってもよい。
【0061】
本発明の敷寝具に使用する側地は、特に限定されないが、織物、横編地、丸編地、経編地などが好ましい。通気性の観点から、開口率の高いメッシュ組織の丸編地、ダブルラッシェル、三次元立体編物がより好ましい。また帯状の凸部に側地が添う様に側地にウェルダー加工を施してもよい。
【0062】
本発明の敷寝具の中材は、効果が損なわれない範囲であれば、発泡ポリウレタン、ワタ、そば殻、網状構造体を組合わせて使用することもできる。
【0063】
本発明の敷寝具は、効果が損なわれない範囲であれば、発泡ポリウレタン、ワタ、網状構造体からなる別の敷き寝具と組み合わせて使用してもかまわない。
【実施例0064】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0065】
[実施例1]
繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ650mm、厚み50mm、密度38kg/mの網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を用いて、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、複数の帯状の凸部を有した上層網状構造体を作製した。該上層網状構造体を繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み50mm、密度38kg/mの下層網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))の、縦方向足側端から650mmの領域の上に重ねて、第1の帯状の凸部の高さが95mmである表1、図1に示す形状の中材を得た。次いで該中材を、ポリエステル長繊維からなるタフタ織物の内袋に収納した。このとき、複数の帯状凸部を有した上層網状構造体が移動しないように、縦方向足側端から650mmの領域の厚み方向マチが100mm、縦方向頭側から1330mmの領域の厚み方向マチが55mmの内袋を使用し、上層網状構造体と下層網状構造体とを一体化した。該内袋で一体化した中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具1を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から650mmの領域の厚み方向マチが105mm、縦方向頭側から1330mmの領域の厚み方向マチが60mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」と、起床時の「疲労感」を評価するために、環境25℃50%RHにて、本発明の敷寝具1を敷き、肌ふとん((株)ニトリ製、ナチュラルコットンBLS シングル)を掛けて、身長165~178cmの大人男性の被験者10名に24時~7時において使用させた。このとき第1の帯状の凸部が足部を支持する姿勢で入眠するようした。そして、就寝時の「快適さ」について、とても不快(-3点)、不快(-2点)、やや不快(-1点)、どちらともいえない(0点)、やや快適(+1点)、快適(+2点)、とても快適(+3点)で評価した。また、起床時の「疲労感」について、とても感じる(-3点)、感じる(-2点)、やや感じる(-1点)、どちらともいえない(0点)、あまり感じない(+1点)、感じない(+2点)、全く感じない(+3点)で評価した。結果を表3に示す。また、ふくらはぎから踵のカーブの部分にフィットするのかどうかを確認するために、男性被験者(身長170cm、体重64kg)の仰臥位における圧力分布を測定し、図13に示すような全身の圧力分布図を得た。圧力分布図から、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。このとき第1の帯状の凸部が足部を支持する姿勢で測定を行った。図13におけるAに、圧力分布図が表示されていることから、被験者のふくらはぎから踵のカーブに帯状の凸部が接していることが分かる。
【0066】
[実施例2]
繊維径0.5mmの中実断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維と、繊維径0.7mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ700mm、厚み50mm、密度40kg/mの三層構造網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を用いて、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、複数の帯状の凸部を有した上層網状構造体を作製した。該上層網状構造体を繊維径0.4mmの中実断面繊維と繊維径0.7mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み50mm、密度40kg/mの三層構造網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))の、縦方向足側端から700mmの領域の上に重ねて、第1の帯状の凸部の高さが95mmである表1、図2に示す形状の中材を得た。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具2を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から700mmの領域の厚み方向マチが100mm、縦方向頭側から1280mmの領域の厚み方向マチが55mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具2を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0067】
[実施例3]
繊維径0.8mmの中実断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み80mm、密度25kg/mの網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、第1の帯状の凸部の高さが75mmであり、縦方向足側端から850mmの領域は複数の帯状の凸部を有し、縦方向頭側から1130mmの領域は厚さが40mmの平坦である、表1、図3に示す形状の中材を得た。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具3を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から850mmの領域の厚み方向マチが80mm、縦方向頭側から1130mmの領域の厚み方向マチが45mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具3を使用した以外は、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0068】
[実施例4]
繊維径0.8mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ720mm、厚み100mm、密度30kg/mの網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、複数の帯状の凸部を有した上層網状構造体を作製した。該上層網状構造体を繊維径0.5mmの中空断面繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み30mm、密度55kg/mの下層網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))の、縦方向足側端から720mmの領域の上に重ねて、第1の帯状の凸部の高さが125mmである表1、図4に示す形状の中材を得た。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具4を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から720mmの領域の厚み方向マチが130mm、縦方向頭側から1260mmの領域の厚み方向マチが35mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具4を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0069】
[実施例5]
ポリエチレンを92%、1-ブテンを8%含む、ポリエチレン系熱可塑性樹脂を原料として用い、繊維径0.9mmの中実断面繊維からなる、幅950mm、長さ700mm、厚み45mm、密度40kg/mのポリエチレン系網状構造体Aと、幅950mm、長さ1980mm、厚み35mm、密度50kg/mのポリエチレン系網状構造体Bを作製した。得られたポリエチレン系網状構造体Aを用いて、90℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を3分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、複数の帯状の凸部を有した上層網状構造体を作製した。該上層網状構造体を、ポリエチレン系網状構造体Bの、縦方向足側端から700mmの領域の上に重ねて、第1の帯状の凸部の高さが70mmである表1、図5に示す形状の中材を得た。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具5を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から700mmの領域の厚み方向マチが75mm、縦方向頭側から1180mmの領域の厚み方向マチが40mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具5を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0070】
[実施例6~7]
実施例1と同じ上層網状構造体用の原反と下層網状構造体用の原反を用いて、表1、図6図7に示す中材を作製し、実施例1と同じ側地を用いての敷寝具6、7を作製した。就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具6、7を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0071】
[比較例1]
繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ650mm、厚み45mm、密度42kg/mの上層網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を、繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み50mm、密度38kg/mの下層網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))の、縦方向足側端から650mmの領域の上に重ねて、表2、図8に示す形状の中材を得た。次いで該中材を実施例1と同じ内袋に収納し、更に実施例1と同じ側地に収納することで敷寝具8を得た。敷寝具8の縦方向足側端から650mmの領域は、帯状の凸部を有さない(凹凸のない)、該領域全体が平坦な形状である。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具8を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。このとき踵部を縦方向足側端から100~150mmの領域において入眠するようにした。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、図14に示す圧力分布図を得た。。このとき踵部を縦方向足側端から100~120mmの領域において測定した。この圧力分布図から、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。図14におけるBに、圧力分布図が表示されていないことから、被験者のふくらはぎから踵のカーブに接していないことが分かる。なお、Cは踵の圧力である。
【0072】
[比較例2]
繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み55mm、密度35kg/mの網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を用いて、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、縦方向足側端から220mmの領域に2つの帯状の凸部を有した、表2、図9に示す形状の網状構造体の中材を作製した。この中材は、第1の帯状の凸部の高さが50mmであり、上半身に相当する領域の高さとの差が0である。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具9を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から1980mmの領域の厚み方向マチが55mmの側地を使用した。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具9を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。このとき第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間の溝に踵部を入れる姿勢で入眠するようにした。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。このとき第1の帯状の凸部と第2の帯状の凸部の間の溝に踵部を入れる姿勢で測定した。
【0073】
[比較例3]
繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ650mm、厚み50mm、密度38kg/mの網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))を用いて、160℃に加熱した金型で圧力をかけながら網状構造体を5分間、軟化・圧縮処理する熱成型加工を施し、金型から処理した網状構造体を取り出し常温まで冷却することで、帯状の凸部を1つのみ有した上層網状構造体を作製した。該上層網状構造体を繊維径0.9mmの中空断面のポリエステル系熱可塑性エラストマー繊維からなる幅950mm、長さ1980mm、厚み50mm、密度38kg/mの下層網状構造体(東洋紡(株)製 ブレスエアー(登録商標))の、縦方向足側端から650mmの領域の上に重ねて、高さが95mmである第1の帯状の凸部のみを有し、第1の帯状の凸部の隣の領域は高さが60mmである、表2、図10に示す形状の中材を得た。該中材を、ポリエステル長繊維からなる目付200g/m、生地の厚さ5mmのダブルラッシェル編地を使用した側地に収納し、敷寝具10を得た。なおダブルラッシェルの側地は、縦方向足側端から100mmの領域の厚み方向マチが100mm、縦方向足側端から105~650mmの領域の厚み方向マチが65mm、縦方向頭側から1330mmの領域の厚み方向マチが55mmの側地を使用した。
つまり、敷寝具10は第1の帯状の凸部は有するが、第2の帯状の凸部は有さない形状である。
就寝時の「快適さ」、起床時の「疲労感」の評価は、敷寝具1の代わりに敷寝具10を使用し、実施例1と同じ条件、被験者、被験者数で評価した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様に、仰臥位における圧力分布を測定し、ふくらはぎから踵のカーブの部分から踵までにおける接触面積、踵の最高圧力を求めた。
【0074】
[繊維径(mm)]
網状構造体よりランダムに繊維10本を約5mmの長さで採集した。採集した線状体を、光学顕微鏡を適切な倍率で繊維径測定箇所にピントを合わせて繊維側面から見た繊維の太さを測定した。繊維10本の平均値から繊維径を求めた。なお、網状構造体の表面は平滑性を得るためにフラット化されているため繊維断面が変形している場合があるため、網状構造体表面から2mm以内の領域から試料は採取しないこととした。
【0075】
[熱成形前の網状構造体の厚み、見掛け密度]
熱成形する前の網状構造体から、縦10cm × 横10cm ×原反の厚さ の大きさの試験片を4つ採取する。試験片を無荷重で24時間放置した後、高分子計器製FD-80N型測厚器にて試験片上面中央部の高さを測定して試験片の厚みTi(mm)とした。試験片の重さWi(g)は、上記試験片を電子天秤にて計測する。また試験片の見掛け密度Di(kg/m)は、次の式から求める。Di= Wi / (10×10×Ti)×10000
試験片の厚みTi、試験片の見掛け密度Diについて、試験片4つの平均値を求め、各々、熱成形前の網状構造体の厚み、熱成形前の網状構造体の密度とする。
【0076】
[帯状の凸部の高さ]
敷寝具に使う中材を水平な床の上に置き、ハイトゲージを使って、帯状の凸部の最も高い部分から床までの距離を3回測定し、その平均値を帯状の凸部を含む中材の高さHa(mm)とした。
【0077】
[上半身に相当する領域の高さ]
敷寝具に使う中材を水平な床の上に置き、ハイトゲージを使って、上半身に相当する領域の最も低い部分から床までの距離を3回測定し、その平均値を四捨五入して整数値に丸め、上半身に相当する領域の中材の高さHb(mm)とした。
【0078】
[帯状の凸部と次の帯状の凸部の間の溝の高さ]
敷寝具に使う中材を水平な床の上に置き、ハイトゲージを使って、帯状の凸部と隣り合う次の帯状の凸部の間の溝の最低面から床までの距離を3回測定し、その平均値を四捨五入して整数値に丸め、帯状の凸部と次の帯状の凸部の間の溝の高さHc(mm)とした。
帯状の凸部と隣り合う帯状の凸部の間の溝がハイトゲージのスクライバーの厚さより狭い場合は、隙間ゲージを溝の最低面にあてて、鋼製定規を使って床から隙間ゲージまでの距離を3回測定し、その平均値を四捨五入して整数値に丸め、帯状の凸部と次の帯状の凸部の間の溝の高さHc(mm)とした。
【0079】
[帯状の凸部と次の帯状の凸部の間隔]
帯状の凸部の最下点bから次の帯状の凸部の最下点cまでの距離を鋼製定規で測定し、帯状の凸部と次の帯状の凸部の間隔dとした。
【0080】
[帯状の凸部の幅]
帯状の凸部の最下点aと最下点bまでの最短距離を鋼製定規で測定し、帯状の凸部の距離eとした。
【0081】
[帯状の凸部の高さと、上半身に相当する領域の高さとの差]
上記によって求めた帯状の凸部の高さHa、上半身に相当する領域の中材の高さHbから、式1を用いて帯状の凸部を含む中材の高さと、上半身に相当する領域の中材の高さとの差ΔH(mm)を求めた。
【0082】
(式1)ΔH=Ha-Hb
【0083】
[帯状の凸部の曲率]
上記によって求めた帯状の凸部の高さHa、帯状の凸部と次の帯状の凸部の間の溝の高さHcから、式2を用いて帯状の凸部の矢高hを求めた。
次に上記によって求めた、帯状の凸部の矢高h、帯状の凸部の幅eから、式3を用いて帯状の凸部の曲率半径R(m)を求め、式4を用いて帯状の凸部の曲率K(m-1)を求めた(有効数字2桁)。
【0084】
(式2)h=Ha-Hc
【0085】
(式3)R={(e+4×h)/(8×h)}×10-3
【0086】
(式4)K=1/R
【0087】
[帯状の凸部の頂点の形状]
帯状の凸部の頂点に、鋼製定規を置き、鋼製定規が縦方向に20mm以上、帯状の凸部の頂点と接触した場合、帯状の凸部の頂点の形状は「平面」と判定した。
鋼製定規と帯状の凸部の頂点との接触が縦方向に20mm未満の場合、帯状の凸部の頂点の形状は「曲面」と判定した。
【0088】
[主観評価結果の解析方法]
就寝時の「快適さ」について、とても不快(-3点)、不快(-2点)、やや不快(-1点)、どちらともいえない(0点)、やや快適(+1点)、快適(+2点)、とても快適(+3点)で評価した結果について、被験者10名の平均値を算出した。1点より大きい場合は◎、0~1点の場合は○、0点より小さい場合は×で示した。
起床時の「疲労感」について、とても感じる(-3点)、感じる(-2点)、やや感じる(-1点)、どちらともいえない(0点)、あまり感じない(+1点)、感じない(+2点)、全く感じない(+3点)で評価した結果について、被験者10名の平均値を算出した。1点より大きい場合は◎、0~1点の場合は○、0点より小さい場合は×で示した。
【0089】
[踵からふくらはぎにおける接触面積、最高圧力]
環境25℃50%RHにて、本発明における敷寝具の上に大面積用圧力分布測定システム BIG-MAT(ニッタ(株)製)を設置し、その上で被験者が仰臥位となり、全身の圧力分布を測定した。センサのクリープの影響を考慮し、仰臥位となった1分間後に圧力を測定した。被験者は身長170cmの標準体型の男性である。
測定後、踵からふくらはぎにかかる縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)20.32cm、横方向(就寝時おける体軸に対して垂直方向)14.224cmにおいて、圧力0mmHgより大きなセル数を数え、身体が敷寝具に接触していた面積を求め、踵からふくらはぎにおける接触面積とした。また、踵部における縦方向(使用者の就寝時に体軸が向く方向)3セル、横方向(就寝時おける体軸に対して垂直方向)3セル(面積9.29034cm)における平均圧力のうち最高圧力を求めた。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
実施例1~7は、比較例1~3に対して、起床時の疲労感がなく、就寝時の快適さが大きいことを確認できた。圧力分布より、実施例1~7は、比較例1~3に対して、ふくらはぎから踵において身体が敷寝具に接触していた面積が大きく、踵部の最高圧力が小さいことから、ふくらはぎから踵における自重を分散させることができ、快適に使用できることが確認できた。比較例3は第1の帯状の凸部が1個だけ存在する形状であることから、足裏から踵のカーブにフィットはしたが、踵から足首にかけては敷寝具がフィットしておらず、ふくらはぎから踵における接触面積は極端に小さくなり、踵部の最高圧力が高くなった。それだけでなく踵部が安定せずにふらついて寝心地が不快であった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の敷寝具は、ふくらはぎから踵に圧力が集中することなく、ふくらはぎから踵を支持することができ、快適に寝ることができるため、使用時の負荷なく、むくみ低減や疲労低減効果が期待でき、健康維持に利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1~8 帯状の凸部
10 帯状の凸部と次の帯状の凸部までの間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14