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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161015
(43)【公開日】2022-10-20
(54)【発明の名称】洗浄器具
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20221013BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
B08B3/02 E
B08B1/04
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056186
(22)【出願日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2021065046
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520058022
【氏名又は名称】株式会社関東ビルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】川里 栄一
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 隆
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AB52
3B116BA02
3B116BA13
3B116BB22
3B201AB52
3B201BA02
3B201BA13
3B201BB22
3B201BB92
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汚れを除去すべき面に対して噴射された液体が周囲に飛散することを防止しながら回転ブラシによって汚れを十分に除去することができる洗浄器具を提供する。
【解決手段】洗浄器具は、ケーシングと、水を噴射する散水ノズル60と、ケーシングに固定され、散水ノズル60に水を送るパイプシャフト58を有する配液機構50と、パイプシャフト58が内部を通り、当該パイプシャフト58の軸心58aを中心として回転可能な円筒形状の回転部材40と、回転部材40の先端に設けられ、散水ノズル60の周囲で回転可能な回転ブラシ46と、ケーシングの内部に配置されているモータ32と、モータ32により発生する回転力を回転部材40に伝達する動力伝達機構33とを備えている
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
液体を噴射するノズルと、
前記ケーシングに固定され、前記ノズルに液体を送るパイプシャフトを有する配液機構と、
前記パイプシャフトが内部を通り、当該パイプシャフトの軸心を中心として回転可能な円筒形状の回転部材と、
前記回転部材の先端に設けられ、前記ノズルの周囲で回転可能な回転ブラシと、
前記ケーシングの内部に配置されているモータと、
前記モータにより発生する回転力を前記回転部材に伝達する動力伝達機構と、
を備えた、洗浄器具。
【請求項2】
前記回転ブラシは円盤部材に取り付けられており、前記円盤部材には前記パイプシャフトが通る貫通穴が形成されており、
前記円盤部材から延びる前記回転ブラシの長さが、前記円盤部材と前記ノズルの先端との間の距離よりも大きくなっている、請求項1記載の洗浄器具。
【請求項3】
前記回転部材には、前記円盤部材が着脱可能に取り付けられる着脱部材が設けられている、請求項2記載の洗浄器具。
【請求項4】
前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に取り付けられた第1タイミングプーリと、前記回転部材に取り付けられた第2タイミングプーリと、前記第1タイミングプーリおよび前記第2タイミングプーリの外周面に掛け渡される無端状のタイミングベルトとを有している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項5】
前記モータは固定部材により前記パイプシャフトに取り付けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項6】
前記パイプシャフトの外周面と前記回転部材の内周面との間に第1ベアリングが設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項7】
前記パイプシャフトの外周面と前記回転部材の内周面との間に第1シール部材が設けられている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項8】
前記回転部材を支持する支持部材が前記ケーシングの内面に取り付けられており、前記回転部材は前記支持部材の内部で回転するようになっている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項9】
前記回転部材の外周面と前記支持部材の内周面との間に第2ベアリングが設けられている、請求項8記載の洗浄器具。
【請求項10】
前記回転部材の外周面と前記支持部材の内周面との間に第2シール部材が設けられている、請求項8または9記載の洗浄器具。
【請求項11】
前記配液機構は、ホースの端部が取り付け可能なホース取付部と、前記ホース取付部と前記パイプシャフトとの間に設けられたバルブとを有しており、前記ホース取付部から前記パイプシャフトへの水の流れが前記バルブにより選択的に遮られる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項12】
前記ノズルは、前記パイプシャフトから送られた水を開口から放射状に広がるよう噴射するような構成となっている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項13】
前記回転ブラシの回転方向を切り換えるためのスイッチが設けられている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項14】
前記配液機構および前記動力伝達機構を収容する収容部と、
前記収容部に取り付けられたハンドルと、
を更に備え、
前記ハンドルは前記収容部を覆うような略C字形状となっている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項15】
前記ハンドルは、前記パイプシャフトの軸心を中心として180°より大きな角度で円弧を描くようになっており、略C字形状の前記ハンドルの開いた箇所に前記、作業者の手により把持される把持部が配置されている、請求項14記載の洗浄器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁や車両の外装等の対象面に付着した汚れを除去するための洗浄器具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁等に付着した汚れを除去するハンディタイプの洗浄器具として従来から様々なものが知られている。このような洗浄器具として、例えば汚れを除去すべき面に対してブラシを押し当てながら当該ブラシを回転させるものがある。また、汚れを除去すべき面を水や洗浄液で濡らしておくと、建物の外壁等に付着した汚れをブラシによってより十分に除去することができる。このような洗浄器具として例えば特許文献1等に開示されるものがある。しかしながら、汚れを除去すべき面に対して水や洗浄液を噴射した場合には跳ね返った水や洗浄液が周囲に飛散してしまうおそれがある。
【0003】
また、特許文献2には、水道水の噴出圧力によって回転駆動部に取り付けられたブラッシング部材を駆動回転させるように構成された洗浄ブラシが開示されている。このような洗浄ブラシは、水道水の水圧を利用するルーツポンプ機構によりブラッシング部材を駆動回転させる構造により、使い勝手に優れたものとなる。しかしながら、建物の外壁等に汚れが強固に付着しており、汚れを除去すべき面に対してブラシを強く押し当てる必要がある場合には、壁面等に対するブラシの押圧力が水道水の噴出圧力よりも大きくなるとブラシの回転が停止してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-219107号公報
【特許文献2】特開2004-275483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、汚れを除去すべき面に対して噴射された液体が周囲に飛散することを防止しながら回転ブラシによって汚れを十分に除去することができる洗浄器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗浄器具は、ケーシングと、液体を噴射するノズルと、前記ケーシングに固定され、前記ノズルに液体を送るパイプシャフトを有する配液機構と、前記パイプシャフトが内部を通り、当該パイプシャフトの軸心を中心として回転可能な円筒形状の回転部材と、前記回転部材の先端に設けられ、前記ノズルの周囲で回転可能な回転ブラシと、前記ケーシングの内部に配置されているモータと、前記モータにより発生する回転力を前記回転部材に伝達する動力伝達機構と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗浄器具によれば、汚れを除去すべき面に対して噴射された液体が周囲に飛散することを防止しながら回転ブラシによって汚れを十分に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一の実施の形態による洗浄器具の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す洗浄器具を縦に切断したときの断面を概略的に示す斜視図である。
図3図1等に示す洗浄器具を手前側から見たときの散水ノズルおよびブラシを示す正面図である。
図4図1等に示す洗浄器具におけるモータ、動力伝達機構、回転ブラシ、散水ノズル、配液機構等の縦断面図である。
図5図4に示すモータ、動力伝達機構、回転ブラシ、散水ノズル、配液機構等を上方から見たときの構成を示す上面図である。
図6】本発明の他の実施の形態による洗浄器具の外観を示す斜視図である。
図7図6に示す洗浄器具を手前側から見たときの散水ノズルおよびブラシ等を示す正面図である。
図8図6に示す洗浄器具を後背側から見たときの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の一の形態に係る洗浄器具を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による洗浄器具の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す洗浄器具を縦に切断したときの断面を概略的に示す斜視図である。また、図3は、図1等に示す洗浄器具を手前側から見たときの散水ノズルおよびブラシを示す正面図である。また、図4は、図1等に示す洗浄器具におけるモータ、動力伝達機構、回転ブラシ、散水ノズル、配液機構等の縦断面図であり、図5は、図4に示すモータ、動力伝達機構、回転ブラシ、散水ノズル、配液機構等を上方から見たときの構成を示す上面図である。
【0010】
図1および図2に示すように、本実施の形態による洗浄器具10は、作業者が片手で握ることができるケーシング20と、散水ノズル60と、散水ノズル60に水を送る配液機構50と、散水ノズル60を取り囲むよう配置された回転ブラシ46とを備えており、回転ブラシ46は散水ノズル60を中心として回転するようになっている。このような洗浄器具10により建物の外壁や車両の外装等(以下、汚れを除去すべき面を対象面という)を洗浄するにあたり、作業者はケーシング20を片手で握って回転ブラシ46を対象面に押し当てる。また、配液機構50から散水ノズル60に送られた水を当該散水ノズル60から対象面に向かって噴射させるとともに回転ブラシ46を回転させる。このことにより、散水ノズル60から対象面に噴射された水が洗浄器具10の外部に飛散することを防止しながら対象面に付着した汚れを回転ブラシ46によって十分に除去することができる。このような洗浄器具10の構成の詳細について以下に説明する。
【0011】
図1および図2に示すように、ケーシング20は、後述するバッテリー30を収容するバッテリー収容部22と、作業者により把持される把持部24と、後述するモータ32を収容するモータ収容部26と、配液機構50および後述する動力伝達機構33を収容する収容部28とを有している。また、ケーシング20の側面には操作スイッチ70が設けられており、作業者は一方の手でケーシング20の把持部24を握るとともに他方の手で操作スイッチ70を押すことにより回転ブラシ46の回転および停止の切り替えを行うことができるようになっている。具体的には、操作スイッチ70として複数(例えば、3つ)のボタンが設けられており、各ボタンは回転ブラシ46の正転、逆転、停止にそれぞれ対応している。そして、作業者が各ボタンを押すと、後述するモータ32の回転軸が正転、逆転または停止する。
【0012】
次に、散水ノズル60に水を送る配液機構50の構成について説明する。図2図4および図5に示すように、配液機構50は、蛇口に接続されたホースの先端が取り付けられるホース取付部53と、ホース取付部53に取り付けられたニードルバルブ54と、作業者により操作されるつまみ56と、ニードルバルブ54に取り付けられた細長いパイプシャフト58とを有しており、パイプシャフト58の先端に散水ノズル60が取り付けられている。図2に示すように、ホース取付部53、ニードルバルブ54、つまみ56、散水ノズル60はケーシング20の外部に配置される一方、パイプシャフト58の一部はケーシング20を貫通して当該ケーシング20の内部に位置している。ここで、配液機構50はケーシング20に対して位置固定で取り付けられている。
【0013】
蛇口に接続されたホースの先端がホース取付部53に取り付けられた状態では、ホース取付部53に取り付けられたホースからパイプシャフト58への水の流れがニードルバルブ54によって遮られる。一方、このような状態で作業者がつまみ56を回すことによりニードルバルブ54が開かれると、ホース取付部53に取り付けられたホースからパイプシャフト58に水が流れ、パイプシャフト58から散水ノズル60に送られた水が当該散水ノズル60から噴射される。
【0014】
散水ノズル60は、パイプシャフト58から送られた水を開口60aから放射状に広がるよう噴射するような構成となっている。具体的には、図2に示すように、散水ノズル60の先端にはテーパ状の内側面60bが形成されており、開口60aから排出された水はテーパ状の内側面60bに沿って噴射される。散水ノズル60から水が放射状に広がるよう噴射される領域を図4および図5において参照符号Rで示す。このような散水ノズル60を用いることにより、対象面に向かって回転ブラシ46の内側における比較的広範囲の領域に水を噴射することができる。
【0015】
次に、回転ブラシ46を回転させる機構について説明する。図1乃至図5に示すように、回転ブラシ46は、中央に貫通穴44aが形成されている円盤部材44に取り付けられている。より詳細には、円盤部材44の表面から、回転ブラシ46を構成する細長い繊維の束46aが複数延びている。各束46aは、円盤部材44の表面に対して直交する方向に延びている。円盤部材44から延びる回転ブラシ46の長さ(図4において参照符号mで表示)は、円盤部材44の表面と散水ノズル60の先端との間の距離(図4において参照符号nで表示)よりも大きくなっている。
【0016】
円盤部材44の貫通穴44aには着脱部材42が嵌め込まれており、円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体は着脱部材42から取り外し可能となっている。このことにより、長期間の使用によって回転ブラシ46が汚れた場合は、円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体を着脱部材42から取り外し、新たな円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体を着脱部材42に取り付けることが可能となる。円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体は、パイプシャフト58の軸心58a(図4参照)を中心として回転可能となっている。
【0017】
着脱部材42の中心には、後述する配液機構50のパイプシャフト58が通過する貫通穴42aが形成されている。また、着脱部材42はネジ等によって円筒形状の回転部材40に取り付けられている。回転部材40の内部には配液機構50のパイプシャフト58が通されるようになっている。着脱部材42および回転部材40の組合せ体は、パイプシャフト58の軸心58aを中心として回転可能となっている。
【0018】
次に、このような回転部材40を回転させる機構について説明する。図2図4図5に示すように、ケーシング20のモータ収容部26の内部には直流モータ等のモータ32が収容されており、このモータ32により発生する回転力が動力伝達機構33により回転部材40に伝達されることによって回転部材40が回転するようになっている。モータ32にはバッテリー30から電力が供給されるようになっている。また、作業者が操作スイッチ70を押すことによってモータ32の回転および停止が切り替えられるようになっている。
【0019】
動力伝達機構33は、モータ32の回転軸に取り付けられた第1タイミングプーリ34と、回転部材40の端部に取り付けられた第2タイミングプーリ36と、第1タイミングプーリ34および第2タイミングプーリ36の外周面に掛け渡される無端状のタイミングベルト38とを有している。モータ32により第1タイミングプーリ34が回転させられると、この第1タイミングプーリ34の外周面に掛け渡される無端状のタイミングベルト38が循環異動を行うことにより第2タイミングプーリ36が回転し、このことにより回転部材40が回転する。
【0020】
また、図4に示すように、回転部材40の内周面とパイプシャフト58の外周面との間には複数の第1ベアリング52が設けられている。また、回転部材40の内周面とパイプシャフト58の外周面との間には、オイルシール等の第1シール部材61が設けられている。
【0021】
また、ケーシング20の内面には、回転部材40を支持する円筒形状の支持部材51が取り付けられており、回転部材40は支持部材51の内部に位置するようになっている。回転部材40は支持部材51の内部で当該支持部材51により外側から支持されながら回転するようになっている。図4に示すように、支持部材51の内周面と回転部材40の外周面との間には第2ベアリング55が設けられている。また、支持部材51の内周面と回転部材40の外周面との間には、オイルシール等の第2シール部材62が設けられている。
【0022】
次に、このような構成からなる本実施の形態の洗浄器具10により対象面を洗浄するときの動作について説明する。
【0023】
建物の外壁や車両の外装等の対象面を作業者が洗浄器具10により洗浄するにあたり、作業者はまず蛇口に接続されたホースの先端をホース取付部53に取り付ける。ホースをホース取付部53に取り付けただけでは、蛇口を操作してホースに水を送っても、ニードルバルブ54によってホース取付部53からパイプシャフト58への水の流れが遮られるため散水ノズル60から水が噴射することはない。
【0024】
次に、作業者は一方の手でケーシング20の把持部24を把持し、回転ブラシ46を対象面に押し当てる。その後、作業者は他方の手でつまみ56を回すことによりニードルバルブ54を開くとともに操作スイッチ70を押すことにより回転ブラシ46を回転させる。このことにより、散水ノズル60から水が対象面に噴射されるとともにこの対象面が回転ブラシ46により擦られるため、対象面に付着した汚れが回転ブラシ46により除去される。
【0025】
対象面の洗浄が完了すると、作業者はつまみ56を回すことによりニードルバルブ54を閉止状態とし、蛇口に接続されたホースからパイプシャフト58への水の流れを遮るようにする。このことにより散水ノズル60から水が噴射されなくなる。次に、作業者は操作スイッチ70を操作することによりモータ32を停止させる。このことにより回転ブラシ46が停止する。
【0026】
以上のような構成からなる本実施の形態の洗浄器具10によれば、ケーシング20と、水を噴射する散水ノズル60と、ケーシング20に固定され、散水ノズル60に水を送るパイプシャフト58を有する配液機構50と、パイプシャフト58が内部を通り、当該パイプシャフト58の軸心58aを中心として回転可能な円筒形状の回転部材40と、回転部材40の先端に設けられ、散水ノズル60の周囲で回転可能な回転ブラシ46と、ケーシング20の内部に配置されているモータ32と、モータ32により発生する回転力を回転部材40に伝達する動力伝達機構33とがそれぞれ設けられている。このような洗浄器具10によれば、対象面に回転ブラシ46を押し当てながら当該回転ブラシ46を回転させることにより対象面に付着した汚れを除去することができる。また、散水ノズル60から噴射された水によって対象面が濡れるため、回転ブラシ46による対象面に付着した汚れの除去をより十分に行うことができる。とりわけ、本実施の形態の洗浄器具10によれば、散水ノズル60から対象面に水を噴射するため、散水ノズル60から噴射された水の水圧および回転ブラシ46による物理的な力を組み合わせることにより、高い洗浄力を発揮することができる。また、パイプシャフト58の軸心58aを中心として回転する回転部材40に回転ブラシ46が取り付けられているため、回転ブラシ46は散水ノズル60を中心として当該散水ノズル60の周囲で回転するようになる。このように、回転ブラシ46の中心に位置する散水ノズル60から対象面に向かって水を噴射させた場合は、散水ノズル60から噴射された水が洗浄器具10の外部に飛散することを回転ブラシ46によって防止することができ、よって洗浄器具10の周囲環境が水で濡れてしまうことを防止することができる。とりわけ、本実施の形態の洗浄器具10では、回転ブラシ46の中心に散水ノズル60を配置することにより、散水ノズル60から噴射される水は回転ブラシ46の内部で対象面に対して均一に広がり、この回転ブラシ46内で水が留まることにより噴射された水は対象面を伝って落ちるため、回転ブラシ46の中心以外の箇所に散水ノズル60を配置する場合と比較して、散水ノズル60から噴射される水の量を減らしたり、噴射された水が周囲に飛散することを防止したりすることができる。また、回転ブラシ46の中心に散水ノズル60を配置した場合は、この散水ノズル60を、水を直線状に噴射する散水ノズルや霧状に噴射する散水ノズル等の別の散水ノズルに取り換えることができる。
【0027】
また、上述したように、回転ブラシ46は円盤部材44に取り付けられており、円盤部材44にはパイプシャフト58が通る貫通穴44aが形成されている。また、円盤部材44から延びる回転ブラシ46の長さが、円盤部材44と散水ノズル60との先端との間の距離よりも大きくなっている。この場合には、回転ブラシ46が対象面に押し当てられたときに、散水ノズル60は回転ブラシ46に完全に覆われるようになり、散水ノズル60の周囲には密閉空間が形成される。このことにより、散水ノズル60から対象面に向かって水が噴射される際に、対象面で跳ね返った水が洗浄器具10の周囲に飛散することを防止することができる。
【0028】
また、上述したように、回転部材40には、円盤部材44が着脱可能に取り付けられる着脱部材42が設けられている。このことにより、長期間の使用によって回転ブラシ46が汚れた場合は、円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体を着脱部材42から取り外し、新たな円盤部材44および回転ブラシ46の組合せ体を着脱部材42に取り付けることが可能となる。
【0029】
また、上述したように、動力伝達機構33は、モータ32の回転軸に取り付けられた第1タイミングプーリ34と、回転部材40に取り付けられた第2タイミングプーリ36と、第1タイミングプーリ34および第2タイミングプーリ36の外周面に掛け渡される無端状のタイミングベルト38とを有している。この場合には、例えばギヤ等を用いてモータ32により発生する回転力を回転部材40に伝達する場合と比較して、ギヤ等に過度の圧力がかけられることによって当該ギヤ等が摩耗したり破損したりすることがないため、洗浄器具10の製品寿命を長くすることができる。
【0030】
また、上述したように、モータ32は固定部材59によりパイプシャフト58に取り付けられている。この場合はケーシング20の内部でモータ32を安定的に固定することができる。
【0031】
また、上述したように、パイプシャフト58の外周面と回転部材40の内周面との間に第1ベアリング52が設けられている。この場合には、パイプシャフト58が内部を貫通している回転部材40が当該パイプシャフト58に対してスムーズに回転するようになる。とりわけ、外部から回転ブラシ46に力が加えられた場合でも、回転部材40はパイプシャフト58の軸心58aを中心としてスムーズに回転するようになる。
【0032】
また、上述したように、パイプシャフト58の外周面と回転部材40の内周面との間に第1シール部材61が設けられている。この場合には、散水ノズル60から対象面に向かって噴射された水が当該対象面で反射して回転部材40の内部に入った場合でも、この水がケーシング20の内部に入ってしまいモータ32や動力伝達機構33が腐食してしまうことを防止することができる。
【0033】
また、上述したように、回転部材40を支持する支持部材51がケーシング20の内面に取り付けられており、回転部材40は支持部材51の内部で回転するようになっている。このように、回転部材40が支持部材51により外側から支持されているため、外部から回転ブラシ46に力が加えられた場合でも回転部材40は安定的に回転することができるとともに回転部材40やパイプシャフト58が破損してしまうことを抑制することができる。
【0034】
また、上述したように、回転部材40の外周面と支持部材51の内周面との間に第2ベアリング55が設けられている。この場合には、支持部材51の内部に配置されている回転部材40が当該支持部材51に対してスムーズに回転するようになる。とりわけ、外部から回転ブラシ46に力が加えられた場合でも、回転部材40は支持部材51により外側から支持された状態でパイプシャフト58の軸心58aを中心としてスムーズに回転するようになる。
【0035】
また、上述したように、回転部材40の外周面と支持部材51の内周面との間に第2シール部材62が設けられている。この場合には、散水ノズル60から対象面に向かって噴射された水が支持部材51と回転部材40との間の隙間からケーシング20の内部に入ってしまうことを防止することができ、よってモータ32や動力伝達機構33が腐食してしまうことを防止することができる。
【0036】
また、上述したように、配液機構50は、ホースの端部が取り付け可能なホース取付部53と、ホース取付部53とパイプシャフト58との間に設けられたニードルバルブ54とを有しており、ホース取付部53からパイプシャフト58への水の流れがニードルバルブ54により選択的に遮られる。この場合には、作業者は蛇口に接続されたホースをホース取付部53に取り付けた後、ニードルバルブ54を閉止状態から開くだけでパイプシャフト58に水を送ることができる。また、本実施の形態による洗浄器具10では、ホース取付部53に取り付けられたホースから供給される水が回転ブラシ46の回転力に使用されないため、このホースから供給される水を全て散水ノズル60から対象面に向かって噴射させることができ、よって散水ノズル60から対象面に向かって噴射される水の水圧を大きくすることができる。
【0037】
また、上述したように、散水ノズル60は、パイプシャフト58から送られた水を開口60aから放射状に広がるよう噴射するような構成となっている。この場合には、水量が少なくても回転ブラシ46により擦られる対象面を濡らすことができるため、水の消費量を少なくすることができる。
【0038】
また、本実施の形態の洗浄器具10によれば、操作スイッチ70に正転ボタンおよび逆転ボタンが設けられており、回転ブラシ46の回転方向を切り替えることができるようになっている。ここで、回転ブラシ46をずっと一方向に回転させた場合には、対象面に付着した汚れを落とす際に当該対象面に回転ブラシ46が押し当てられるため、洗浄器具10を長期間使用すると回転ブラシ46にクセがついてしまうという問題がある。これに対し、操作スイッチ70に正転ボタンおよび逆転ボタンが設けられていることにより回転ブラシ46の回転方向を切り替えることができるようになっている場合には、洗浄器具10の使用中に回転ブラシ46の回転方向を適宜切り替えることにより、回転ブラシ46にクセがついてしまうことを抑制することができる。
【0039】
なお、本実施の形態による洗浄器具10は、上記の態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0040】
例えば、散水ノズル60から水ではなく洗浄液等の他の種類の液体が噴射されるようになっていてもよい。この場合には、配液機構50のパイプシャフト58は散水ノズル60に水以外の液体を送るようになる。
【0041】
また、対象面に向かって液体を噴射するノズルは散水ノズル60に限定されることはない。他の種類のノズルとして、パイプシャフト58から送られた水を開口から放射状に広がるよう噴射するのではなく直線状に噴射する構成のものや霧状に噴射する構成のものが用いられてもよい。
【0042】
また、ホース取付部53に取り付けられたホースからパイプシャフト58への液体の流れを選択的に遮断するバルブはニードルバルブ54に限定されることはなく、他の種類のバルブが用いられてもよい。
【0043】
また、モータ32に電力を供給するバッテリー30がケーシング20の内部に収容されるのではなく、電源コード等により外部電源からモータ32に電力が供給されるようになっていてもよい。
【0044】
また、モータ32により発生する回転力を回転部材40に伝達する動力伝達機構は、第1タイミングプーリ34、第2タイミングプーリ36およびタイミングベルト38から構成されるものに限定されることはない。動力伝達機構として、モータ32により発生する回転力を回転部材40に伝達することができるものであれば、他の構成のもの(例えば、複数のギヤ等から構成されるもの)を用いてもよい。
【0045】
また、上記の説明では回転部材40が支持部材51により外側から支持される態様について述べたが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。本実施の形態による洗浄器具として、回転部材40を支持する支持部材51が設けられていないようなものが用いられてもよい。
【0046】
また、図6乃至図8は、他の実施の形態に係る洗浄器具を示す図である。このうち、図6は、他の実施の形態による洗浄器具の外観を示す斜視図であり、図7は、図6に示す洗浄器具を手前側から見たときの散水ノズルおよびブラシ等を示す正面図である。また、図8は、図6に示す洗浄器具を後背側から見たときの外観を示す斜視図である。
【0047】
図6乃至図8に示すように、変形例に係る洗浄器具110は、作業者が片手で握ることができるケーシング120と、散水ノズル160と、散水ノズル160に水を送る配液機構150と、散水ノズル160を取り囲むよう配置された回転ブラシ146とを備えており、回転ブラシ146は散水ノズル160を中心として回転するようになっている。このような洗浄器具110により建物の外壁や車両の外装等の対象面を洗浄するにあたり、作業者はケーシング120を片手で握って回転ブラシ146を対象面に押し当てる。また、配液機構150から散水ノズル160に送られた水を当該散水ノズル160から対象面に向かって噴射させるとともに回転ブラシ146を回転させる。このことにより、散水ノズル160から対象面に噴射された水が洗浄器具110の外部に飛散することを防止しながら対象面に付着した汚れを回転ブラシ146によって十分に除去することができる。このような洗浄器具110の構成の詳細について以下に説明する。
【0048】
図6等に示すように、ケーシング120は、バッテリー(図示せず)を収容するバッテリー収容部122と、作業者により把持される把持部124と、モータ(図示せず)を収容するモータ収容部126と、配液機構150および動力伝達機構(図示せず)を収容する収容部128とを有している。また、把持部124における作業者の手により把持される部分の上方には2つの操作スイッチ172、174が設けられており、作業者は一方の手でケーシング120の把持部124を握りながらこの把持部124を握っている手の指で操作スイッチ172、174を押すことができるようになっている。具体的には、一方の操作スイッチ172により電源のオン/オフを切り換えることができ、他方の操作スイッチ174により回転ブラシ146の正転、反転を切り換えることができるようになっている。回転ブラシ146が停止しているときに作業者が把持部124を握りながら操作スイッチ172を押すと回転ブラシ146がある方向に回転を行い、この状態で作業者が操作スイッチ174を押すと回転ブラシ146は逆方向に回転するようになる。また、回転ブラシ146が回転しているときに作業者が操作スイッチ172を押すと回転ブラシ146が停止する。
【0049】
次に、散水ノズル160に水を送る配液機構150の構成について説明する。図6および図8に示すように、配液機構150は、先端に散水ノズル160が取り付けられているパイプシャフト158と、蛇口に接続されたホースの先端が取り付けられるホース取付部153と、パイプシャフト158の後端に取り付けられたニードルバルブ154と、作業者により操作されるつまみ156とを有している。ホース取付部153、ニードルバルブ154、つまみ156、散水ノズル160はケーシング120の外部に配置される一方、パイプシャフト158の一部はケーシング120を貫通して当該ケーシング120の内部に位置している。ここで、配液機構150はケーシング120に対して位置固定で取り付けられている。
【0050】
蛇口に接続されたホースの先端がホース取付部153に取り付けられた状態では、ホース取付部153に取り付けられたホースからパイプシャフト158への水の流れがニードルバルブ154によって遮られる。一方、このような状態で作業者がつまみ156を回すことによりニードルバルブ154が開かれると、ホース取付部153に取り付けられたホースからパイプシャフト158に水が流れ、パイプシャフト158から散水ノズル160に送られた水が当該散水ノズル160から噴射される。ここで、図6乃至図8に示す洗浄器具110では、図1乃至図5に示す洗浄器具10と比較して、つまみ156がパイプシャフト158の後端に設けられているので、作業者は一方の手でケーシング120の把持部124を握りながら他方の手でつまみ156を回しやすくなる。
【0051】
散水ノズル160は、パイプシャフト158から送られた水を開口160aから放射状に広がるよう噴射するような構成となっている。具体的には、散水ノズル160の先端にはテーパ状の内側面が形成されており、開口160aから排出された水はテーパ状の内側面に沿って噴射される。このような散水ノズル160を用いることにより、対象面に向かって回転ブラシ146の内側における比較的広範囲の領域に水を噴射することができる。
【0052】
図6乃至図8に示す洗浄器具110における回転ブラシ146を回転させる機構は、図1乃至図5に示す洗浄器具10における回転ブラシ46を回転させる機構と略同一の構成となっている。このため、回転ブラシ146を回転させる機構の詳細については説明を省略する。
【0053】
また、図6乃至図8に示す洗浄器具110では、作業者の手により把持されるハンドル180が設けられている。ハンドル180は収容部128を覆うような略C字形状となっており、当該ハンドル180は複数の取付部材182により収容部128に取り付けられている。ここで、ハンドル180は、パイプシャフト158の軸心を中心として180°より大きな角度で円弧を描くようになっており、略C字形状のハンドル180の開いた箇所に把持部124が配置されている。このようなハンドル180が設けられていることにより、作業者は一方の手でケーシング120の把持部124を握りながら他方の手でハンドル180を握ることにより、洗浄器具110を安定した状態で持つことができる。また、ハンドル180がパイプシャフト158の軸心を中心として180°より大きな角度で円弧を描き、略C字形状のハンドル180の開いた箇所に把持部124が配置されているため、右利きの作業者、左利きの作業者のどちらでも一方の手でケーシング120の把持部124を握りながら他方の手でハンドル180を握ることができるようになる。また、別の使い方として、作業者は右手および左手でそれぞれハンドル180の右側および左側を把持することにより両手で安定的に洗浄器具110を持つことができるようになる。
【0054】
次に、このような構成からなる本実施の形態の洗浄器具110により対象面を洗浄するときの動作について説明する。
【0055】
建物の外壁や車両の外装等の対象面を作業者が洗浄器具110により洗浄するにあたり、作業者はまず蛇口に接続されたホースの先端をホース取付部153に取り付ける。ホースをホース取付部153に取り付けただけでは、蛇口を操作してホースに水を送っても、ニードルバルブ154によってホース取付部153からパイプシャフト158への水の流れが遮られるため散水ノズル160から水が噴射することはない。
【0056】
次に、作業者は一方の手でケーシング120の把持部124を把持し、他方の手でハンドル180を把持する。このように両手で洗浄器具110を持ちながら、回転ブラシ146を対象面に押し当てる。その後、作業者は何れかの手を把持部124またはハンドル180から離し、この離した手でつまみ156を回すことによりニードルバルブ154を開く。また、操作スイッチ172を押すことにより回転ブラシ146を回転させる。その後、作業者は再び一方の手でケーシング120の把持部124を把持し、他方の手でハンドル180を把持しながら、回転ブラシ146を対象面に押し当てる。このことにより、散水ノズル160から水が対象面に噴射されるとともにこの対象面が回転ブラシ146により擦られるため、対象面に付着した汚れが回転ブラシ146により除去される。
【0057】
対象面の洗浄が完了すると、作業者はつまみ156を回すことによりニードルバルブ154を閉止状態とし、蛇口に接続されたホースからパイプシャフト158への水の流れを遮るようにする。このことにより散水ノズル160から水が噴射されなくなる。次に、作業者は操作スイッチ172を操作することによりモータを停止させる。このことにより回転ブラシ146が停止する。
【0058】
図6乃至図8に示す洗浄器具110によれば、ケーシング120と、水を噴射する散水ノズル160と、ケーシング120に固定され、散水ノズル160に水を送るパイプシャフト158を有する配液機構150と、パイプシャフト158が内部を通り、当該パイプシャフト158の軸心を中心として回転可能な円筒形状の回転部材(図示せず)と、回転部材の先端に設けられ、散水ノズル160の周囲で回転可能な回転ブラシ146と、ケーシング120の内部に配置されているモータ(図示せず)と、モータにより発生する回転力を回転部材に伝達する動力伝達機構とがそれぞれ設けられている。このような洗浄器具110によれば、対象面に回転ブラシ146を押し当てながら当該回転ブラシ146を回転させることにより対象面に付着した汚れを除去することができる。また、散水ノズル160から噴射された水によって対象面が濡れるため、回転ブラシ146による対象面に付着した汚れの除去をより十分に行うことができる。とりわけ、上記の洗浄器具110によれば、散水ノズル160から対象面に水を噴射するため、散水ノズル160から噴射された水の水圧および回転ブラシ146による物理的な力を組み合わせることにより、高い洗浄力を発揮することができる。また、パイプシャフト158の軸心を中心として回転する回転部材140に回転ブラシ146が取り付けられているため、回転ブラシ146は散水ノズル160を中心として当該散水ノズル160の周囲で回転するようになる。このように、回転ブラシ146の中心に位置する散水ノズル160から対象面に向かって水を噴射させた場合は、散水ノズル160から噴射された水が洗浄器具110の外部に飛散することを回転ブラシ146によって防止することができ、よって洗浄器具110の周囲環境が水で濡れてしまうことを防止することができる。とりわけ、回転ブラシ146の中心に散水ノズル160を配置することにより、散水ノズル160から噴射される水は回転ブラシ146の内部で対象面に対して均一に広がり、この回転ブラシ146内で水が留まることにより噴射された水は対象面を伝って落ちるため、回転ブラシ146の中心以外の箇所に散水ノズル160を配置する場合と比較して、散水ノズル160から噴射される水の量を減らしたり、噴射された水が周囲に飛散することを防止したりすることができる。また、回転ブラシ146の中心に散水ノズル160を配置した場合は、この散水ノズル160を、水を直線状に噴射する散水ノズルや霧状に噴射する散水ノズル等の別の散水ノズルに取り換えることができる。
【0059】
また、図6乃至図8に示す洗浄器具110によれば、操作スイッチ174を押すことにより回転ブラシ146の回転方向を切り替えることができるようになっている。ここで、回転ブラシ146をずっと一方向に回転させた場合には、対象面に付着した汚れを落とす際に当該対象面に回転ブラシ146が押し当てられるため、洗浄器具110を長期間使用すると回転ブラシ146にクセがついてしまうという問題がある。これに対し、操作スイッチ174を押すことにより回転ブラシ146の回転方向を切り替えることができるようになっている場合には、洗浄器具110の使用中に回転ブラシ146の回転方向を適宜切り替えることにより、回転ブラシ146にクセがついてしまうことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 洗浄器具
20 ケーシング
22 バッテリー収容部
24 把持部
26 モータ収容部
28 収容部
30 バッテリー
32 モータ
33 動力伝達機構
34 第1タイミングプーリ
36 第2タイミングプーリ
38 タイミングベルト
40 回転部材
42 着脱部材
42a 貫通穴
44 円盤部材
44a 貫通穴
46 回転ブラシ
46a 繊維の束
50 配液機構
51 支持部材
52 第1ベアリング
53 ホース取付部
54 ニードルバルブ
55 第2ベアリング
56 つまみ
58 パイプシャフト
58a 軸心
59 固定部材
60 散水ノズル
60a 開口
60b 内側面
61 第1シール部材
62 第2シール部材
70 操作スイッチ
110 洗浄器具
120 ケーシング
122 バッテリー収容部
124 把持部
126 モータ収容部
128 収容部
140 回転部材
146 回転ブラシ
150 配液機構
153 ホース取付部
154 ニードルバルブ
158 パイプシャフト
160 散水ノズル
160a 開口
172 操作スイッチ
174 操作スイッチ
180 ハンドル
182 取付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
液体を噴射するノズルと、
前記ケーシングに固定され、前記ノズルに液体を送るパイプシャフトを有する配液機構と、
前記パイプシャフトが内部を通り、当該パイプシャフトの軸心を中心として回転可能な円筒形状の回転部材と、
前記回転部材の先端に設けられ、前記ノズルの周囲で回転可能な回転ブラシと、
前記ケーシングの内部に配置されているモータと、
前記モータにより発生する回転力を前記回転部材に伝達する動力伝達機構と、
を備え
前記ケーシングに固定されている前記配液機構の前記パイプシャフトの外周面と前記回転部材の内周面との間に第1ベアリングが設けられている、洗浄器具。
【請求項2】
前記回転ブラシは円盤部材に取り付けられており、前記円盤部材には前記パイプシャフトが通る貫通穴が形成されており、
前記円盤部材から延びる前記回転ブラシの長さが、前記円盤部材と前記ノズルの先端との間の距離よりも大きくなっている、請求項1記載の洗浄器具。
【請求項3】
前記回転部材には、前記円盤部材が着脱可能に取り付けられる着脱部材が設けられている、請求項2記載の洗浄器具。
【請求項4】
前記動力伝達機構は、前記モータの回転軸に取り付けられた第1タイミングプーリと、前記回転部材に取り付けられた第2タイミングプーリと、前記第1タイミングプーリおよび前記第2タイミングプーリの外周面に掛け渡される無端状のタイミングベルトとを有している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項5】
前記モータは固定部材により前記パイプシャフトに取り付けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項6】
前記パイプシャフトの外周面と前記回転部材の内周面との間に第1シール部材が設けられている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項7】
前記回転部材を支持する支持部材が前記ケーシングの内面に取り付けられており、前記回転部材は前記支持部材の内部で回転するようになっている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項8】
前記回転部材の外周面と前記支持部材の内周面との間に第2ベアリングが設けられている、請求項記載の洗浄器具。
【請求項9】
前記回転部材の外周面と前記支持部材の内周面との間に第2シール部材が設けられている、請求項または記載の洗浄器具。
【請求項10】
前記配液機構は、ホースの端部が取り付け可能なホース取付部と、前記ホース取付部と前記パイプシャフトとの間に設けられたバルブとを有しており、前記ホース取付部から前記パイプシャフトへの水の流れが前記バルブにより選択的に遮られる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項11】
前記ノズルは、前記パイプシャフトから送られた水を開口から放射状に広がるよう噴射するような構成となっている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項12】
前記回転ブラシの回転方向を切り換えるためのスイッチが設けられている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項13】
前記配液機構および前記動力伝達機構を収容する収容部と、
前記収容部に取り付けられたハンドルと、
を更に備え、
前記ハンドルは前記収容部を覆うような略C字形状となっている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の洗浄器具。
【請求項14】
前記ハンドルは、前記パイプシャフトの軸心を中心として180°より大きな角度で円弧を描くようになっており、略C字形状の前記ハンドルの開いた箇所に前記、作業者の手により把持される把持部が配置されている、請求項13記載の洗浄器具。